しかしながら、上記従来のカーナビゲーションシステムや、個人用のナビゲーションシステムでは、地図を表示可能な大きさのディスプレイが必要であり、さらに、地図情報を蓄積しておくために記憶容量の大きな外部記憶媒体を搭載する必要がある。従って、これらのナビゲーションシステムを小型化することは難しく携帯性の向上が困難であり、また、価格も高価となってしまうという問題点がある。この点は、特許文献3に開示された表示装置についても同様である。
また、特許文献1に開示された6軸センサを用いた携帯機器では、音声や表示によってナビゲーションを行なうシステムなので、ユーザは、音声や表示の内容を理解する必要があり、面倒であるという問題点がある。
また、特許文献2に開示された方向指示装置では、指示方向を矢印で表示するため、当該表示のためのディスプレイなどの表示部が必要であり、さらなる携帯性の向上は難しい。さらに、特許文献2に開示されたウオッチ型の方向指示装置では、時計機能を有している場合については説明されていないが、このような場合には、上記矢印の表示と、時計の表示とを切り替える必要があり、煩雑であるという問題点もある。
加えて、特許文献2に開示された方向指示装置では、順次目的物を設定して、その目的物に対する方位を前記矢印が示す構造となっており、進路案内の観点が無いので、ユーザは、矢印が示す方向から目的物の方位を認識した上で、現実の地上における進路(道順)を模索する必要があり、非常に面倒であるという問題点がある。
そうすると、ユーザの利便性を向上させるためには、所定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させるような工夫がなされた携帯性の優れた装置の開発が好ましい。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ディスプレイのような表示部を設けなくても所定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた方位誘導装置、当該方位誘導装置と連携して情報の演算加工を行なう特定結果送信装置、これらの装置の制御方法、これらの装置を連携させた方位誘導システム、方位誘導プログラム、特定結果送信プログラム並びにこれらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
本発明の方位誘導装置は、前記課題を解決するために、筐体の外側に複数の発光部が設けられており、前記筐体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得する姿勢情報取得手段と、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいて、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定した発光部特定結果を取得する発光部特定結果取得手段と、前記発光部特定結果取得手段が取得した前記発光部特定結果によって特定された発光部を発光させる発光部制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の方位誘導装置の制御方法は、前記課題を解決するために、筐体の外側に設けられた複数の発光部を用いてユーザを誘導する方位誘導装置の制御方法であって、前記筐体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得する姿勢情報取得ステップと、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいて、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定した発光部特定結果を取得する発光部特定結果取得ステップと、前記発光部特定結果取得ステップで取得した前記発光部特定結果によって特定された発光部を発光させる発光部制御ステップとを含んでいることを特徴としている。
前記構成又は方法によれば、本発明の方位誘導装置又はその制御方法では、筐体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段を備える又は位置情報取得ステップを含む。
それゆえ、筐体の位置を示す位置情報を取得することができる。なお、位置情報取得手段(位置情報取得ステップにおいて使用されるもの)の例としては、GPS受信機(global positioning system)、差分情報を用いて補正したDGPS受信機(差動GPS受信機)、及びフェムト通信などの基地局からの情報などにより筐体の絶対位置が特定できればどのような手段(ステップ)を用いても良いが、携帯性向上の観点からは、小型の素子であることが好ましい。
また、前記構成又は前記方法によれば、筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得する姿勢情報取得手段を備える又は姿勢情報取得ステップを含む。
それゆえ、筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得することができる。なお、姿勢情報取得手段(姿勢情報取得ステップにおいて使用されるもの)の例としては、筐体の傾斜状態を検出する傾斜センサ機能、筐体の絶対的な方位(東西南北)を検出する方位センサ機能、筐体の移動(移動方向及び移動量)を検出する移動センサ機能を有する各種センサが例示できる。このような各種センサの例としては、例えば、加速度センサ、地磁気センサ及び傾斜角センサのいずれか1つか、これらのセンサを組合せた3軸又は6軸センサなどが例示できる。
なお、前記姿勢情報取得手段を構成するこれらの各種センサの中では、特に、6軸センサが好ましい。
このような6軸センサを搭載することにより、方位誘導装置の姿勢の変化に精度良く追随して姿勢情報を取得することが可能となる。
また、6軸センサは、加速度センサと地磁気センサとを組合せた構成としても良いが、単独で6軸センサとなり得る素子であっても良い。
また、前記構成又は前記方法によれば、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいて、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定した発光部特定結果を取得する発光部特定結果取得手段(発光部特定結果取得ステップ)を備える(含む)。
なお、発光部特定結果を導出するための具体例については、例えば、以下に示す方法が考えられる。
まず、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいて、前記誘導方位を決定する。前記誘導方位は、前記位置情報から求められる現在位置と、所定の進路とを照合して決定すれば良い。また、ここで、前記誘導方位に沿ったベクトルの成分を求める(以下、「誘導方位ベクトル」と呼ぶ)。
次に、前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を把握するための基準点を予め決めておく。この基準点については、筐体の重心や中心とすることが便宜であると考えられるが、筐体の端点などを基準点としても良い。なお、以下では、簡単のため、筐体の中心を基準点とした場合について説明する(以下、「筐体中心」と呼ぶ)。
また、ここでは、発光部位置情報の例として、前記筐体上における、発光部のそれぞれの重心若しくは中心の位置(以下、「発光部中心」という)を採用した場合について説明する。
前記筐体中心を始点とし、前記発光部中心を終点とするベクトルの成分を求める(以下、「発光部位置ベクトル」と呼ぶ)。
そして、それぞれの発光部について、前記誘導方位ベクトルと前記発光部位置ベクトルとのなす角を求める。その後、この角が、最小となる発光部を特定する。このようにして、前記複数の発光部のうち、前記誘導方位上にある発光部がいずれであるかを特定することができる。
次に、複数の発光部間に境界線があり、その境界線が、誘導方位ベクトル上にあるような場合、特異点となるので、この場合の処理について説明する。
まず、方位誘導装置が、対向する発光部を2つだけを備えている場合は、例えば、2つの発光部を交互に発光させるなどしてユーザに特異点であることを報知する構成とする。
これにより、ユーザが方位誘導装置の向きを変えることによって、上記特異点、すなわち、2つの発光部間の境界線が、誘導方位ベクトル上にある状態を回避できる。すなわち、その後、方位誘導処理をあらためて行なうようにすれば良い。
なお、このような、面倒な処理を行なわないようにするには、発光部の数が、3以上であり、かつこれらの上記発光部中心が同一直線上にないことが好ましい。
これにより、2つの発光部間の境界線が、誘導方位ベクトル上にあっても、該2つの発光部を共に発光させるか、交互に発光させることで、2つの発光部間の境界線が、誘導方位ベクトル上にあることをユーザに報知できる。
また、前記構成又は前記方法によれば、前記発光部特定結果取得手段が取得した前記発光部特定結果によって特定された発光部を発光させる発光部制御手段(発光部制御ステップ)を備える(含む)。
なお、発光部の例としては、LED(light-emitting diode)の他、有機EL発光素子、無機EL発光素子等が例示できる。
前記構成又は方法によれば、例えば、前記筐体中心からみて、発光した発光部の位置から把握できる方位が誘導方位であると、直感的に理解することができる。
また、筐体の外側に複数の発光部を設けるという構成により、ディスプレイのような表示部を設ける必要がないため、装置全体の大きさや重量などを低減することができ装置の携帯性を向上させることができる。
よって、ディスプレイのような表示部を設けなくても所定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた方位誘導装置を提供することができる。
なお、前記発光部特定結果の特定主体は、本発明の方位誘導装置内にあっても良いし、以下で説明する特定結果送信装置のように本発明の方位誘導装置と連携可能な別の端末装置や電子機器等の内部にあっても良い。
例えば、以下で説明する前記判定主体としての発光部特定手段が、本発明の方位誘導装置と連携可能な別の端末装置や電子機器等の内部にある場合、例えば、以下で説明する特定結果送信装置の内部にある場合、本発明の方位誘導装置は、前記特定結果送信装置へ前記位置情報及び前記姿勢情報を送信する情報送信手段を備える構成とする。
前記構成によれば、方位誘導装置と連携可能な別の端末装置や電子機器等に以下で説明する発光部特定手段などによる判定処理を行なわせることができるため、方位誘導装置の携帯性をより高めることができる。
なお、この場合、通信方式に関する規約(通信プロトコル)としては、Bluetooth、Felica、WirelessLAN(無線LAN:WLAN)、IrDA(赤外線無線)、IrSS(赤外線無線)、及びWCDMA(通信網)などが例示できる。
但し、IrDA及びIrSSのような赤外線無線の場合は、方位誘導装置と、以下で説明する特定結果送信装置との状態によって通信が制限される場合があるので、あまり好ましくない。しかしながら、将来的にこのような通信制限を克服する技術が開発される場合も想定できるため、ここで例示している。
なお、本発明の方位誘導装置は、前記構成に加えて、前記発光部特定結果取得手段は、前記位置情報に基づいて決定された位置が、所定エリア内に存在しているか否かのエリア判定結果に基づいて前記発光部特定結果を取得することが好ましい。
ここで、前記位置情報に基づいて決定された位置が、所定エリア内に存在しているか否かについては、例えば、前記位置情報に基づいて決定された位置と所定の地図情報とを照合することによって判断するようにすれば良い。
ここで、「所定エリア」の例としては、「分岐エリア」や「特定エリア」などが例示できる。例えば、「分岐エリア」とは、地図情報における道路が複数交差した交差の中心を分岐点とすると、当該分岐点を含む所定範囲のことである。
なお、「所定エリア」が「分岐エリア」の場合には、決定された位置が、所定エリア内に存在しているとのエリア判定結果の場合に前記発光部特定結果を取得する。
「特定エリア」の例としては、港・駅・空港・建物内など進路案内が不要な施設等のエリアが例示できる。
ここで、「所定エリア」が「特定エリア」の場合には、所定エリア内に存在していないとのエリア判定結果の場合に前記発光部特定結果を取得する。
以上によれば、前記発光部特定結果取得手段による前記発光部特定結果の取得は、前記位置情報に基づいて決定された位置が、所定エリア内に存在しているか否かのエリア判定結果に基づいて行なわれるので、ユーザが方位誘導装置を必要としていないと想定される場合には、前記取得動作を行なわないようにすることにより方位誘導装置の無駄な電力消費を低減させることができる。
また、本発明の方位誘導装置は、前記構成に加えて、前記位置情報取得手段は、全地球位置発見システム受信機及び気圧センサによって構成されていることが好ましい。
ここで、全地球位置発見システム受信機(GPS受信機)の性質上、高度は、装置から衛星までの距離を求めて、地上から衛星までの距離から減算して求めることになるので、高度算出のための演算部が別途必要となる。
これに対し、気圧センサを併用すれば、大気圧と高度とを対応させて予め記録しておけば良いので、上記のような高度算出のための演算部を設けなくて良いので、方位誘導装置を小型化することができ、より携帯性の向上を図ることができる。
また、本発明の特定結果送信装置は、前記課題を解決するために、筐体の外側に設けられた複数の発光部を用いてユーザを誘導する方位誘導装置の位置を示す位置情報及び姿勢を示す姿勢情報を当該方位誘導装置から取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定する発光部特定手段と、前記発光部特定手段によって特定された発光部特定結果を送信する発光部特定結果送信手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の特定結果送信装置の制御方法は、前記課題を解決するために、筐体の外側に設けられた複数の発光部を用いてユーザを誘導する方位誘導装置の位置を示す位置情報及び姿勢を示す姿勢情報を当該方位誘導装置から取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得した前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定する発光部特定ステップと、前記発光部特定ステップによって特定された発光部特定結果を送信する発光部特定結果送信ステップとを含んでいることを特徴としている。
前記構成又は方法によれば、本発明の特定結果送信装置は、前記方位誘導装置(筐体)の位置を示す位置情報及び姿勢を示す姿勢情報を当該方位誘導装置から取得する情報取得手段(情報取得ステップ)を備える(含む)。
また、前記構成又は方法によれば、前記情報取得手段が(前記情報取得ステップで)取得した前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定する発光部特定手段(発光部特定ステップ)を備える(含む)。
また、前記構成又は方法によれば、前記発光部特定手段によって(前記発光部特定ステップで)特定された発光部特定結果を送信する発光部特定結果送信手段(発光部特定結果送信ステップ)を備えている(含んでいる)。
よって、前記複数の発光部のうち、前記誘導方位上にある発光部がいずれであるかの特定を自装置で行なうので、方位誘導装置の携帯性をより高めることができる。
なお、通信方式に関する規約(通信プロトコル)としては、Bluetooth、Felica、WirelessLAN(無線LAN:WLAN)、IrDA(赤外線無線)、IrSS(赤外線無線)、及びWCDMA(通信網)などが例示できる。
但し、IrDA及びIrSSのような赤外無線の場合は、前記方位誘導装置と特定結果送信装置との状態によって通信が制限される場合があるので、あまり好ましくない。しかしながら、将来的にこのような通信制限を克服する技術が開発される場合も想定できるため、ここで例示している。
以上より、前記方位誘導装置と連携し、方位誘導処理を行なう特定結果送信装置、その制御方法などを提供できるという効果を奏する。
ところで、特許文献4に開示された手持ち式装置では、現在アドレスされている物と判断された物に関する情報を表示する機能はあるものの、進路案内を行なう機能については開示されていない。
また、最近は、ほとんどすべてのユーザが携帯機器を携帯していることが多く、不使用時には、ポケットやカバンなどに入れられていることが多い。
そうすると、ユーザの利便性を向上させるには、さらに、ユーザが必要に応じて進路案内に加え、ユーザが指示する方向の先に存在する施設などの物体に関する情報(物体情報)を取得したい場合には、ポケットやカバンなどに入れられている詳細表示可能な表示部を有する携帯機器を取り出し、前記方位誘導装置と連携して方位誘導処理や施設情報取得処理(物体情報取得処理)を行うような総合的な案内システムの開発が好ましい。
このような観点に基づき、本発明の特定結果送信装置は、前記構成に加えて、前記情報取得手段が取得した前記位置情報及び前記姿勢情報に基づいて決定された、現在位置におけるユーザの指示方向の先に存在する物体を特定する指示物特定手段と、前記指示物特定手段によって特定された物体に関する物体情報を取得して表示部に表示する表示制御手段とを備えていることが好ましい。
前記構成によれば、本発明の特定結果送信装置は、前記現在位置におけるユーザの指示方向の先に存在する物体を特定する指示物特定手段を備える。
よって、前記方位誘導装置の前記現在位置におけるユーザの指示方向の先に存在する物体を特定することができる。
なお、ここでの「ユーザの指示方向」は、前記誘導方位と異なる概念であり、例えば、以下で説明する装置の方向を示す装置方向などをユーザの指示方向と定義すれば良い。
ここで、筐体の姿勢に基づく「装置方向」が定義可能な筐体の例としては、長手方向と短手方向とを判別できる形状で構成された筐体などが考えられる。
また、「長手方向と短手方向とを判別できる形状で構成された筐体」の例としては、筐体が、棒状体、筒状態、直方体、楕円体その他の筐体を特徴づける径に長手方向と短手方向との2方向の径が存在すると認識できる形状で構成されている筐体が例示できる。この場合、筐体の長手方向を装置方向と定義する。
次に、物体を特定する具体的な方法としては、以下で説明する前記物体を含む地図情報と対応づけられた、前記現在位置における指示方向の先に存在する物体の位置座標を特定できる方法であれば、どのような方法及び算出方法を用いても良いが、算出方法の例を挙げれば、以下のような手順による処理方法などが考えられる。但しここでは、3D(3次元)地図情報について考える。また、全地球位置発見システム受信機によって算出される位置座標と3D地図情報上の位置座標(以下、3D地図情報上に設定された3D座標系を、単に「座標系」という)との対応関係を予め記録させておく。また、3D地図情報における施設等の複数の存在領域に対応する前記座標系上の複数の存在領域(以下、「施設領域」という)との対応関係も予め記録されているものとする。
まず、全地球位置発見システム受信機によって算出された現在の位置座標に対応する前記座標系上の現在の位置座標を特定する。次に、前記指示方向を前記座標系上で求める。
次に、前記座標系上の現在の位置座標を通り当該指示方向に沿う方向の単位ベクトルを方向ベクトルとする直線を前記座標系上の軌跡として求める。
次に、前記現在の位置座標を含む所定範囲内に存在する複数の施設領域を特定する(ここでの所定範囲は、ユーザが指示するであろう施設等が含まれているものとして想定される現在の位置座標から所定半径を有する半球領域などが考えられるので、以下ではこの「半球領域」として考える)。
次に、この半球領域に含まれる複数の施設領域の中から、前記直線と交わりを持ちかつ現在の位置座標に最も近い施設領域を特定する。
このようにして特定された施設領域に対応する施設等をユーザが指示している施設等であると特定する。
また、前記構成によれば、前記指示物特定手段によって特定された物体に関する物体情報を取得して表示部に表示する表示制御手段を備える。
「表示部」としては、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ、ツイストボール型ディスプレイ、微細なプリズムフィルムを用いた反射型ディスプレイ、デジタルミラーデバイス等の光変調素子を用いたディスプレイの他、発光素子として、有機EL発光素子、無機EL発光素子、LED等の発光輝度が可変の素子を用いたディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイなどが例示できる。
それゆえ、必要に応じて、ユーザが指示する方向の先に存在する物体に関する物体情報を、現実の物体を指示するという直感的な操作によって取得することができる。
以上より、前記方位誘導装置と連携し、詳細表示可能な表示部を備え、方位誘導処理や情報取得処理を行うための各種案内情報を表示する特定結果送信装置及びその制御方法などを提供することができる。
なお、本明細書において「案内」とは、前記方位誘導装置による誘導方位上の発光部の発光の他、特定結果送信装置の表示部に表示された地図上に進路案内情報を表示して進路案内処理を行なう場合と、前記指示方向の先に存在する物体(例えば、施設など)に関する物体情報(施設関係情報)を表示して情報取得処理を行なう場合との両方を含む概念であるとする。
また、「案内情報」には、進路案内のための進路案内情報や、施設等に関する情報を取得して施設等の案内を行なうための施設関係情報などが含まれる概念であるとする。
また、本発明の特定結果送信装置は、前記構成に加えて、前記発光部特定結果送信手段は、前記表示部への表示が可能となっている場合には、前記発光部特定結果を送信しないことが好ましい。
前記表示部への表示が可能となっている場合、進路案内処理は、特定結果送信装置の表示部への案内情報の表示によって行なえば良いので、前記方位誘導装置を動作させなくても良く、このようにして前記方位誘導装置の消費電力を節約することができる。
なお、特定結果送信装置の案内情報の表示による進路案内処理と共に、前記方位誘導装置による方位誘導処理を併用する構成としても良い。この場合、前記方位誘導装置の消費電力を節約できないが、ユーザは適宜、特定結果送信装置の案内情報の表示による進路案内処理と、前記方位誘導装置による方位誘導処理とを選択して利用できるので、ユーザの利便性が向上する。
また、「表示が可能となっている」とは、方位誘導装置と特定結果送信装置との通信状態が良好であり接続が確立されており、かつ表示部の電源が入っていることを意味する。逆に「表示が可能となっていない」場合は、方位誘導装置と特定結果送信装置との通信状態が不良で接続が確立できないか、若しくは表示部の電源が入っていない場合などを意味する。
また、本発明の特定結果送信装置は、前記構成に加えて、自装置の姿勢が、前記表示部における表示をユーザが視認できる姿勢であるか否かの判定を行なう姿勢判定手段を備えており、前記表示制御手段は、前記姿勢判定手段によって前記ユーザが視認できる姿勢であると判定された場合に、前記物体情報を表示することが好ましい。
前記構成によれば、自装置(判定結果送信装置)の姿勢が、前記表示部における表示をユーザが視認できる姿勢であるか否かの判定を行なうことができる。
なお、姿勢判定手段の判定方法としては、前記方位誘導装置の姿勢情報取得手段と同様の構成を利用して自装置の姿勢情報を取得し、その姿勢情報に基づいて自装置の姿勢が、前記表示部における表示をユーザが視認できる姿勢であるか否かの判定を行なえば良い。
前記姿勢情報取得手段と同様の構成の例としては、3軸センサや6軸センサなどが例示できる。
また、6軸センサは、加速度センサと地磁気センサとを組合せたものに限られず、単独で6軸センサとなり得る素子であっても良いが、携帯性向上の観点から小型の素子で構成することが好ましい。
また、前記構成によれば、前記表示制御手段は、前記姿勢判定手段によって前記ユーザが視認できる姿勢であると判定された場合に、前記物体情報を表示する。
よって、特定結果送信装置が、前記案内情報の表示をユーザが視認できない姿勢になっている場合には、前記案内情報の表示処理を行なわないので、特定結果送信装置の消費電力を節約することができる。
なお、本発明の特定結果送信装置は、前記構成に加えて、前記姿勢判定手段は、鉛直方向と前記表示部における表示面の法線方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に前記ユーザが視認できる姿勢であると判定することが好ましい。
前記構成によれば、前記姿勢判定手段は、鉛直方向と前記表示部における表示面の法線方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に前記ユーザが視認できる姿勢であると判定する。
よって、表示部がユーザ視認できる向きとなっている場合のみ前記案内情報を表示し、、表示部がユーザ視認できる向きとなっていないときに無駄な処理を行なわないので、特定結果送信装置の消費電力を節約することができる。
また、本発明の特定結果送信装置は、前記構成に加えて、前記姿勢判定手段は、水平方向と前記表示部における表示の左右方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に前記ユーザが視認できる姿勢であると判定することが好ましい。
前記構成によれば、前記姿勢判定手段は、水平方向と前記表示部における表示の左右方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に前記ユーザが視認できる姿勢であると判定する。
よって、表示部の前記案内情報の表示の向きがユーザ視認に適した向きとなっている場合のみ前記案内情報を表示し、表示部の表示がユーザ視認に適した向きとなっていないときに無駄な処理を行なわないので、特定結果送信装置の消費電力を節約することができる。
なお、表示部の表示の向きがユーザの視認に適した向きとなっているとは、例えば、表示部の表示が上下左右について適切な向きとなっているという意義である。
また、本発明の特定結果送信装置は、前記構成に加えて、前記指示物特定手段は、水平方向と前記姿勢情報に基づいて決定された、前記方位誘導装置の装置方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に、前記物体を特定することが好ましい。
例えば、前記姿勢情報に基づいて決定された装置方向をペン先(前記長手方向に相当)とするペン型の方位誘導装置の場合を考える。この場合、ユーザは、当該方位誘導装置を使用しない場合には、胸のポケットなどに入れているものと考えられる。
そこで、前記指示物特定手段は、ペン先と鉛直方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に前記物体を特定することが好ましい。
例えば、ペン先が上向きであれば、ペン先と鉛直方向とのなす角が所定の角度範囲(例えば、およそ30度以外の角度)内となったときだけ前記特定動作を行なうようにする。
以上の構成によれば、前記姿勢情報に基づいて決定された装置方向と鉛直方向とのなす角が所定の角度範囲外であって、ユーザが方位誘導装置を使用していないと想定される場合には、前記指示物特定手段が、前記物体を特定しないようにすることにより特定結果送信装置の無駄な電力消費を低減させることができる。
また、本発明の方位誘導装置は、前記構成に加えて、前記表示制御手段による前記表示部への物体情報の表示を行なうか否かの設定が変更可能であることが好ましい。
これにより、前記表示制御手段による前記表示部への物体情報の表示を行なうと設定している場合にだけ、物体情報取得処理を行なうので、特定結果送信装置の無駄な電力消費を低減させることができる。
なお、本発明の特定結果送信装置は、前記構成に加えて、前記表示制御手段は、水平方向と前記姿勢情報に基づいて決定された、前記方位誘導装置の装置方向とのなす角が、所定の俯角の範囲内である場合に、前記物体情報に替えて前記物体情報に対応する物体を含む地図情報を表示することが好ましい。
前記構成によれば、前記姿勢情報に基づいて決定された装置方向と水平方向とのなす角が、所定の俯角の範囲内であるか否かを判定する角度判定手段を備えている。
また、前記表示制御手段は、前記角度判定手段によって前記所定の俯角の範囲内であると判定された場合に、前記物体情報に替えて前記物体情報に対応する物体を含む地図情報を表示する。
よって前記案内情報に、前記物体情報に対応する物体を含む地図情報を含めることができる。したがって、表示部に地図情報を表示することで、進路案内を行なうことができる。
例えば、前記姿勢情報に基づいて決定された装置方向と水平方向とのなす角が、所定の俯角の範囲内の場合に、前記地図情報を表示し、所定の俯角の範囲外の場合に、前記物体情報を表示することができるので、方位誘導装置の姿勢によって、特定結果送信装置の表示部の表示を、前記物体情報と前記所定の地図情報とに切り替えることができ、ユーザの利便性が向上する。
なお、本発明の方位誘導システムは、前記構成に加えて、前記方位誘導装置と、前記特定結果送信装置を含んでいることが好ましい。
前記構成によれば、前記方位誘導装置と、前記特定結果送信装置とを連携させて動作させることができる方位誘導システムを提供することができる。
なお、前記方位誘導装置、前記特定結果送信装置、これらの装置を連携させた方位誘導システム、及びこれらの制御方法における各手段、各機能、各ステップ及び各処理のそれぞれは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを各手段として動作させ、コンピュータに各機能を実現させ、若しくはコンピュータに各ステップ及び各処理を実行させることにより前記方位誘導装置、前記特定結果送信装置、これらの装置を連携させた方位誘導システム、及びこれらの制御方法を、コンピュータにて実現させる前記方位誘導プログラム、前記特定結果送信プログラム、及び方位誘導システムの制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
以上より、ディスプレイのような表示部を設けなくても所定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた方位誘導装置、当該方位誘導装置と連携して情報の演算加工を行なう特定結果送信装置、これらの装置の制御方法、これらの装置を連携させた方位誘導システム、方位誘導プログラム、特定結果送信プログラム並びにこれらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
本発明の方位誘導装置は、以上のように、筐体の外側に複数の発光部が設けられており、前記筐体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得する姿勢情報取得手段と、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいて、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定した発光部特定結果を取得する発光部特定結果取得手段と、前記発光部特定結果取得手段が取得した前記発光部特定結果によって特定された発光部を発光させる発光部制御手段とを備えているものである。
また、本発明の方位誘導装置の制御方法は、以上のように、筐体の外側に設けられた複数の発光部を用いてユーザを誘導する方位誘導装置の制御方法であって、前記筐体の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得する姿勢情報取得ステップと、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいて、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定した発光部特定結果を取得する発光部特定結果取得ステップと、前記発光部特定結果取得ステップで取得した前記発光部特定結果によって特定された発光部を発光させる発光部制御ステップとを含んでいる方法である。
また、本発明の特定結果送信装置は、以上のように、筐体の外側に設けられた複数の発光部を用いてユーザを誘導する方位誘導装置の位置を示す位置情報及び姿勢を示す姿勢情報を当該方位誘導装置から取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定する発光部特定手段と、前記発光部特定手段によって特定された発光部特定結果を送信する発光部特定結果送信手段とを備えているものである。
また、本発明の特定結果送信装置の制御方法は、以上のように、筐体の外側に設けられた複数の発光部を用いてユーザを誘導する方位誘導装置の位置を示す位置情報及び姿勢を示す姿勢情報を当該方位誘導装置から取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得した前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び前記発光部のそれぞれの前記筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、前記複数の発光部のうちの前記誘導方位上にある発光部を特定する発光部特定ステップと、前記発光部特定ステップによって特定された発光部特定結果を送信する発光部特定結果送信ステップとを含んでいる方法である。
それゆえ、ディスプレイのような表示部を設けなくても所定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた方位誘導装置、当該方位誘導装置と連携して情報の演算加工を行なう特定結果送信装置、これらの装置の制御方法、これらの装置を連携させた方位誘導システム、方位誘導プログラム、特定結果送信プログラム並びにこれらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供するという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1〜図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔1.方位誘導システムの構成の概要〕
まず、図1に基づき、本発明の一実施形態である方位誘導システム1の構成について説明する。図1は、方位誘導システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように方位誘導システム1は、子機(方位誘導装置)2A及び親機(特定結果送信装置)2Bを含むシステムである。
子機2Aは、筐体の位置を示す位置情報及び筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得して親機2Bに送信するものである。
また、親機2Bは、子機2Aから位置情報及び姿勢情報を受信(取得)して、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、以下で説明する第1LED8A〜第3LED8Cのうち、誘導方位上にある発光部がいずれであるかを特定し(以下、この特定結果のことを「発光部特定結果」という)、その発光部特定結果を子機2Aに送信するものである。
また、子機2Aは、親機2Bから前記発光部特定結果を受信(取得)して筐体の外側に設けられた第1LED8A〜第3LED8Cのうちのいずれかを発光させることにより、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位をユーザに報知するものである。
以上の構成によれば、子機2A及び親機2Bを通信によって連携させた方位誘導システム1を提供することができる。
また、子機2Aの筐体の外側に設けられた第1LED8A〜第3LED8Cのうちのいずれかを発光させることにより、所定の進路に沿った誘導方位をユーザに報知できるので、ユーザに誘導する方位を直感的に理解させることができる。なお、子機2A及び親機2Bの構成及び動作の詳細については、以下で説明する。
〔2.子機2Aの構成〕
次に、図1、図2、図4(a)〜図4(d)に基づき、本発明の一実施形態である子機2Aの構成について説明する。なお、〔2.子機2Aの構成〕において説明すること以外の構成は、〔1.方位誘導システムの構成の概要〕と同じである。また、説明の便宜上、〔1.方位誘導システムの構成の概要〕の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1に示すように、子機2Aは、子機記録部3A、子機制御部4A、各種センサ部(位置情報取得手段、姿勢情報取得手段)5A、GPS受信アンテナ(位置情報取得手段、全地球位置発見システム受信機)6、対親機無線アンテナ(情報送信手段、発光部特定結果取得手段)7、及び第1LED(発光部)8A・第2LED(発光部)8B・第3LED(発光部)8Cを備えるものである。
子機記録部3Aは、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)によって構成することができ、GPS受信機の受信データと経度、緯度、及び高度(位置座標)との対応関係を示すテーブルデータ(不図示)などが予め記録されている。
子機制御部4Aは、子機記録部3A、各種センサ部5A、GPS受信アンテナ6、及び第1LED8A〜第3LED8Cとデータや指令信号などのやり取りを行なって子機2Aの各構成要素の動作を制御するものである。
各種センサ部5Aは、子機6軸センサ(姿勢情報取得手段)51A及び気圧センサ(位置情報取得手段)52Aによって構成されるものである。
また、子機6軸センサ51Aは、子機Aの筐体の姿勢を示す姿勢情報を取得するものであり、子機地磁気センサ(姿勢情報取得手段)53A及び子機加速度センサ(姿勢情報取得手段)54Aによって構成されている。
このような姿勢情報取得機能を備えるものとしては、特に、子機6軸センサ51Aが好ましい。
このように子機6軸センサ51Aを搭載することにより、子機2Aの筐体の姿勢の変化に精度良く追随して姿勢情報を取得することが可能となる。
また、子機6軸センサ51Aは、本実施形態のように、子機加速度センサ54Aと子機地磁気センサ53Aとを組合せた構成としても良いが、単独で6軸センサとなり得る素子であっても良い。
姿勢情報を取得する機能を備えるものとしては、性能を別とすれば、筐体の傾斜状態を検出する傾斜センサ機能、筐体の絶対的な方位(東西南北)を検出する方位センサ機能、筐体の移動(移動方向及び移動量)を検出する移動センサ機能を有するセンサのどれか1つを設ければ良い。
このようなセンサ機能を有するものの例としては、例えば、加速度センサ、地磁気センサ及び傾斜角センサのいずれか1つか、これらのセンサを組合せた3軸センサなども例示できる。
GPS受信アンテナ6は、複数の衛星からの測位信号を受信して子機2Aの筐体の現在地を示す経度、緯度および高度といった位置情報を取得するためのアンテナである。
対親機無線アンテナ7Aは、親機2Bと通信を行なうためのアンテナである。
第1LED8A〜第3LED8Cは、以下で説明する対親機通信制御部41Aから受信した(取得した)発光部特定結果に応じて、第1LED8A〜第3LED8Cのうちから特定された発光部を発光させることで、ユーザに誘導方位を報知するものである。
なお、発光部の例としては、本実施形態のLED(light-emitting diode)の他、有機EL発光素子、無機EL発光素子等が例示できる。
これにより、例えば、子機2Aの筐体の中心からみて、発光した発光部の位置から把握できる方位が誘導方位であると、直感的に理解することができる。
また、子機2Aの筐体の外側に第1LED8A〜第3LED8Cを設けるという構成により、ディスプレイのような表示部を設ける必要がないため、子機2Aの大きさや重量などを低減することができ子機2Aの携帯性を向上させることができる。
よって、指定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた子機2Aを提供することができる。
なお、前記発光部特定結果の特定主体は、本発明の子機2A内にあっても良いし、以下で説明する親機2Bのように本発明の子機2Aと連携可能な別の端末装置や電子機器等の内部にあっても良い。
次に、図2に基づき、子機制御部4Aの構成の詳細について説明する。図2は、方位誘導システム1を構成する子機2Aにおける子機制御部4Aの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、子機制御部4Aは、対親機通信制御部(情報送信手段、発光部特定結果取得手段)41A、子機出力制御部(発光部制御手段)42A、子機センサ制御部(位置情報取得手段、姿勢情報取得手段)43A、位置座標算出部(位置情報取得手段)44A及びGPS受信制御部(全地球位置発見システム受信機、位置情報取得手段)45Aから構成されている。
対親機通信制御部41Aは、親機2Bとの通信を制御するものである。本実施形態の方位誘導システム1では、子機2Aが対親機通信制御部41Aを介して各種センサ部5A及びGPS受信アンテナ6から取得したアナログ信号を親機2Bに送信し、親機2Bでアナログ信号のデジタル信号化や、情報の演算及び加工を行なって以下で説明する発光部特定結果、角度判定結果及びエリア判定結果などを出力し、角度判定結果及びエリア判定結果に基づいて、発光部特定結果を子機2Aに送信する構成としている。
よって、本実施形態では、子機2Aは、発光部特定結果を親機2Bから受けて、以下で説明する子機出力制御部42Aが、第1LED8A〜第3LED8Cの動作の制御を行なう。このようにすれば、子機2Aの携帯性をより高めることができる。
なお、この場合、通信方式に関する規約(通信プロトコル)としては、Bluetooth、Felica、WirelessLAN(無線LAN:WLAN)、IrDA(赤外線無線)、IrSS(赤外線無線)、及びWCDMA(通信網)などが例示できる。
但し、IrDA及びIrSSのような赤外無線の場合は、子機2Aと親機2Bとの状態によって通信が制限される場合があるので、あまり好ましくない。
また、対親機通信制御部41Aは、前記位置情報に基づいて決定された位置が、所定エリア内に存在しているか否かのエリア判定結果に基づいて前記発光部特定結果を取得することが好ましい。
また、子機2Aの子機出力制御部42Aが取得する前記エリア判定結果は、以下で説明する親機2Bの位置座標及び地図データ照合部451Bが前記現在位置と所定の地図情報(例えば、3D地図データ)とを照合することによって得られた結果であることが好ましい。
ここで、前記位置情報に基づいて決定された位置が、所定エリア内に存在しているか否かについては、例えば、前記位置情報に基づいて決定された位置と所定の地図情報とを照合することによって判断するようにすれば良い。
ここで、「所定エリア」の例としては、「分岐エリア」や「特定エリア」などが例示できる。
ここで、例えば、「分岐エリア」とは、地図情報における道路が複数交差した交差の中心を分岐点とすると、当該分岐点を含む所定範囲のことである。
なお、「所定エリア」が「分岐エリア」の場合には、決定された位置が、所定エリア内に存在しているとのエリア判定結果の場合に前記発光部特定結果を取得する。
「特定エリア」の例としては、港・駅・空港・建物内など進路案内が不要な施設等のエリアが例示できる。
ここで、「所定エリア」が「特定エリア」の場合には、所定エリア内に存在していないとのエリア判定結果の場合に前記発光部特定結果を取得する。
以上によれば、対親機通信制御部41Aによる前記発光部特定結果の取得は、前記位置情報に基づいて決定された位置が、所定エリア内に存在しているか否かのエリア判定結果に基づいて行なわれるので、ユーザが子機2Aを必要としていないと想定される場合には、対親機通信制御部41Aの取得動作(受信動作)を行なわないようにすることにより子機2Aの無駄な電力消費を低減させることができる。
なお、子機2Aが取得する前記発光部特定結果は、以下で説明する親機2Bの子機姿勢及び誘導方位照合部453Bが、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいて決定された、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位と、前記姿勢情報及び第1LED8A〜第3LED8Cのそれぞれの子機2Aの筐体上の位置を示す発光部位置情報とを照合することによって得られた結果であることが好ましい。
なお、発光部特定結果を導出するための具体例については、例えば、以下に示す方法が考えられる。
まず、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報(図1の2D進路情報)に基づいて、前記誘導方位を決定する。前記誘導方位は、前記位置情報から求められる現在位置と、所定の進路とを照合して決定すれば良い。また、ここで、前記誘導方位に沿ったベクトルの成分を求める(以下、「誘導方位ベクトル」と呼ぶ)。
次に、第1LED8A〜第3LED8Cのそれぞれの子機2Aの筐体上の位置を把握するための基準点を予め決めておく。この基準点については、子機2Aの筐体の重心や中心とすることが便宜であると考えられるが、子機2Aの筐体の端点などを基準点としても良い。なお、以下では、簡単のため、子機2Aの筐体の中心を基準点とした場合について説明する(以下、「筐体中心」と呼ぶ)。
また、ここでは、発光部位置情報の例として、子機2Aの筐体上における、第1LED8A〜第3LED8Cのそれぞれの重心若しくは中心の位置(以下、「発光部中心」という)を採用した場合について説明する。
前記筐体中心を始点とし、前記発光部中心を終点とするベクトルの成分を求める(以下、「発光部位置ベクトル」と呼ぶ)。
そして、第1LED8A〜第3LED8Cのそれぞれについて、前記誘導方位ベクトルと前記発光部位置ベクトルとのなす角を求める。その後、この角が、最小となる発光部を特定する。このようにして、第1LED8A〜第3LED8Cのうち、前記誘導方位上にある発光部がいずれであるかを特定することができる。
次に、第1LED8A〜第3LED8C間に境界線があり(例えば、図4(a)参照)、その境界線が、誘導方位ベクトル上にあるような場合、特異点となるので、この場合の処理について説明する。
まず、子機2Aが、対向する発光部を2つだけを備えている場合(不図示)は、例えば、2つの発光部を交互に発光させるなどしてユーザに特異点であることを報知する構成とする。
これにより、ユーザが子機2Aの向きを変えることによって、上記特異点、すなわち、2つの発光部間の境界線が、誘導方位ベクトル上にある状態を回避できる。すなわち、その後、方位誘導処理をあらためて行なうようにすれば良い。
なお、このような、面倒な処理を行なわないようにするには、発光部の数が、本実施形態の子機2Aのように、3以上であり、かつこれらの発光部中心が同一直線上にないことが好ましい。
これにより、2つの発光部間の境界線が、誘導方位ベクトル上にあっても、該2つの発光部を共に発光させるか、交互に発光させることで、2つの発光部間の境界線が、誘導方位ベクトル上にあることをユーザに報知できる。
子機出力制御部42Aは、各種センサ部5Aが得た位置情報及び姿勢情報を下に、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、第1LED8A〜第3LED8Cのうち、前記誘導方位上にある発光部がいずれであるかを特定した発光部特定結果を親機2Bから取得すると共に、取得した発光部特定結果により、第1LED8A〜第3LED8Cから特定された発光部を発光させる制御を行なうものである。
これにより、子機出力制御部42Aが、発光部特定結果によって特定された発光部を発光させることによってユーザに誘導方位を報知するので、直感的に進路に沿っているか否かが理解することができる。
このように、所定の進路に沿って誘導する方位を示す誘導方位をユーザに直感的に理解できるように、当該誘導方位上にある発光部を発光させる制御を行なう子機出力制御部42Aを備える構成とすれば、ディスプレイのような表示部が無くとも、ユーザが誘導方位を直感的に理解することができる。
なお、このような発光部特定結果の特定主体は、子機2A内にあっても良いし、以下で説明する親機2Bのように子機2Aと連携可能な別の端末装置や電子機器等の内部にあっても良い。
例えば、子機2Aと連携可能な別の端末装置や電子機器等の内部にある場合、例えば、以下で説明する親機2Bにおける前記特定主体としての子機姿勢及び誘導方位照合部(発光部特定手段)453Bのように親機2Bの内部にある場合、子機2Aは、親機2Bへ前記位置情報及び前記姿勢情報を送信する対親機通信制御部(情報送信手段)41Aを備える構成とする。
これにより、子機2Aと連携可能な別の端末装置や電子機器等に子機姿勢及び誘導方位照合部453Bなどによる判定処理を行なわせることができるため、子機2Aの携帯性をより高めることができる。
なお、この場合、通信方式に関する規約(通信プロトコル)としては、Bluetooth、Felica、WirelessLAN(無線LAN:WLAN)、IrDA(赤外線無線)、IrSS(赤外線無線)、及びWCDMA(通信網)などが例示できる。
但し、IrDA及びIrSSのような赤外線無線の場合は、子機2Aと親機2Bとの状態によって通信が制限される場合があるので、あまり好ましくない。しかしながら、将来的にこのような通信制限を克服する技術が開発される場合も想定できるため、ここで例示している。
子機センサ制御部43Aは、各種センサ部5Aの子機6軸センサ51A及び子機加速度センサ54Aを制御して子機2Aの筐体の姿勢情報を取得するものである。
位置座標算出部44Aは、GPS受信制御部45Aが取得したアナログ信号から、子機2Aの筐体の経度、緯度、高度を算出し、デジタル情報に変換して対親機通信制御部41Aに送信するものである。
GPS受信制御部45Aは、GPS受信アンテナ6を介して複数の衛星からの電波をアナログ信号として受信させるものである。
なお、本実施形態の子機2Aのように位置情報取得手段は、子機2Aの筐体の位置を示す位置情報を取得する全地球位置発見システム受信機(GPS受信機)であるGPS受信制御部45A及び気圧センサ52Aによって構成されていることが好ましい。
ここで、GPS受信機の性質上、高度は、子機2Aから衛星までの距離を求めて、地上から衛星までの距離から減算して求めることになるので、高度算出のための演算部が別途必要となる。
これに対し、気圧センサ52Aを併用すれば、大気圧と高度とを対応させて予め記録しておけば良いので、上記のような高度算出のための演算部を設けなくて良いので、子機2Aを小型化することができ、より携帯性の向上を図ることができる。
この他、位置情報取得機能を持つものの例としては、GPS受信機(global positioning system)、差分情報を用いて補正したDGPS受信機(差動GPS受信機)、及びフェムト通信などの基地局からの情報などにより子機2Aの筐体の絶対位置が特定できればどのようなものを用いても良いが、携帯性向上の観点からは、小型の素子であることが好ましい。
次に、図4(a)〜図4(d)に基づき子機2Aの構成例を示す。図4(a)は、子機2Aの一構成例であるペン型の装置の例を示す図であり、図4(b)は、子機2Aの他の構成例であるウオッチ型の装置の例を示す図であり、図4(c)は、子機2Aのさらに他の構成例である携帯電話型の装置の例を示す図であり、図4(d)は、子機2Aのさらに他の構成例であるキュービック型の装置の例を示す図である。
図4(a)の子機2Aは、紙面に対して上下が長手方向、左右が短手方向である棒状のペン型の形状で構成されており、上部は、第1LED8A〜第3LED8Cによって3分割された発光部が設けられている。現在、右上の第1LED8Aが発光しているので、誘導方向は、およそ右向きの方位であることがわかる。
このペン型の子機2Aのように、筐体の長手方向と短手方向とを比較的判別しやすい形状とすれば、方位誘導処理の他、以下で説明する情報取得処理に利用することが可能となる。
図4(b)の子機2Aは、円形の時計の表示盤のまわりに第1LED8A〜第4LED8Dを配置したウオッチ型の構成例である。現在、右上の第1LED8Aが発光しているので、誘導方向は、およそ北東方位(但し、紙面に対して上向きを北とする)であることがわかる。
このように、子機2Aの発光部の数を増やすことで、ユーザに報知できる誘導方位の幅が広がるが、進路案内を目的とする観点からは、分割された発光部の数は、2〜6個程度、より好ましくは3又は4が好ましい。あまり、発光部数が多いと、逆にユーザが直感的に誘導方位を理解することが困難となる。
なお、特許文献2に開示された方向指示装置では、指示方向を矢印でディスプレイに表示させる例が開示されているが、時計(例えば、液晶時計)と併用するためには、画面の切り替えが必要となり面倒であるという問題がある。
しかしながら、本構成例のウオッチ型の子機2Aのように構成すれば、画面の切り替えは不要である。
図4(c)に示す子機2Aは、紙面に対して上下が長手方向、左右が短手方向である矩形の携帯電話(折りたたみ式)のまわりに第1LED8A〜第4LED8Dを配置した携帯電話型の構成例である。現在、右上の第1LED8Aが発光しているので、誘導方向は、およそ北東方位(但し、紙面に対して上向きを北とする)であることがわかる。なお、携帯電話型の子機2Aも、筐体の長手方向と短手方向とを比較的判別しやすい形状といえるので、方位誘導処理の他、情報取得処理に利用することが可能である。
図4(d)に示すように、子機2Aは、正六面体の6つの側面に第1LED8A〜第3LED8C及び図示しない第4LED8D〜第6LED8Fを配置したキュービック型の構成例である。現在、右上の第1LED8Aが発光しているので、誘導方向は、およそ右向きの方位であることがわかる。
なお、このキュービック型の子機2Aでは、第1LED8A〜第6LED8Fのいずれを上側に向けていたとしても、必ず、誘導方位上(右向き)にある発光部が発光するようになっている。
以上に拠れば、ディスプレイのような表示部を設けなくても所定の進路に沿って誘導する方位をユーザにユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた子機2Aを提供することができる。
〔3.親機2Bの構成〕
次に、図1、図3、図4(a)、図4(c)、図5及び図7に基づき、本発明の一実施形態である親機2Bの構成について説明する。なお、〔3.親機2Bの構成〕において説明すること以外の構成は、〔1.方位誘導システムの構成の概要〕及び〔2.子機2Aの構成〕と同じである。また、説明の便宜上、〔1.方位誘導システムの構成の概要〕及び〔2.子機2Aの構成〕の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1に示すように、親機2Bは、親機記録部3B、親機制御部4B、対子機無線アンテナ(情報取得手段、発光部特定結果送信手段)7B、ディスプレイ(表示部)10、入力操作部11、インターフェイス12、及び親機6軸センサ51Bから構成されている。
親機記録部3Bは、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)によって構成することができ、3D(Dimension)地図データ(地図情報)、2D進路データ(所定の進路)、特定エリア情報、発光部位置情報、施設関係情報(物体情報)などが予め記録されている。
親機制御部4Bは、子機記録部3A、対親機無線アンテナ7A、ディスプレイ10、入力操作部11、インターフェイス12、親機6軸センサ51Bと各種データや指令信号などのやり取りをしてこれらの構成要素の制御を行なうものである。
対子機無線アンテナ7Bは、子機2Aと通信を行なうためのアンテナである。なお、通信方式に関する規約(通信プロトコル)としては、Bluetooth、Felica、WirelessLAN(無線LAN:WLAN)、IrDA(赤外線無線)、IrSS(赤外線無線)、及びWCDMA(通信網)などが例示できる。
但し、IrDA及びIrSSのような赤外無線の場合は、子機2Aと親機2Bとの状態によって通信が制限される場合があるので、あまり好ましくない。しかしながら、将来的にこのような通信制限を克服する技術が開発される場合も想定できるため、ここで例示している。
ディスプレイ10は、ユーザが指示する指示物体(施設など)に関する物体情報(施設関係情報など)や、進路案内のための進路案内情報などの各種案内情報などを表示するものであり、主として、後述する子機姿勢及び施設座標照合部(指示物特定手段、角度判定手段)452Bによって特定された施設等に関する施設関係情報(物体情報)を表示するものである。
なお、ここで「案内情報」には、進路案内のための進路案内情報や、以下で説明する施設に関する情報を取得して施設等の案内を行なうための施設関係情報(物体情報)などが含まれる概念である。
また、本明細書において「案内」とは、上記の子機2Aによる第1LED8A〜第3LED8Cのいずれかの発光による方位誘導処理の他、ディスプレイ10に表示された地図上(3D地図情報)に進路案内情報(2D進路情報)を表示して道案内を行なう場合と、後述するように、前記指示方向の先に存在する物体(例えば、施設など)に関する物体情報(例えば、施設関係情報など)を表示して情報取得処理を行なう場合との両方を含む概念であるものとする。
また、ディスプレイ10としては、例えば、アクティブマトリクス型の液晶表示ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ、ツイストボール型ディスプレイ、微細なプリズムフィルムを用いた反射型ディスプレイ、デジタルミラーデバイス等の光変調素子を用いたディスプレイの他、発光素子として、有機EL発光素子、無機EL発光素子、LED等の発光輝度が可変の素子を用いたディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイなどが例示できる。
入力操作部11は、ユーザの意思を入力信号としてインターフェイス12を介して親機制御部4Bに伝達するためのものである。また、インターフェイス12は、入力操作部11からのアナログの入力信号をデジタル信号に変換して親機制御部4Bに送信するものである。
なお、入力操作部11は、本実施形態のように子機2Aの姿勢により進路案内情報と施設関係情報とを切り替えるか否かの設定を変更可能とすることが好ましい。
例えば、設定により子機2Aの姿勢により進路案内情報と施設関係情報とを切り替えるように構成したり、ユーザが手動で切り替えるような「処理切り替え命令」などが入力できるように構成しても良い。
なお、子機2Aは、入力操作部11及びインターフェイス12を介して親機出力制御部42Bによるディスプレイ10への物体情報の表示を行なうか否かの設定が変更可能であることが好ましい。
これにより、親機出力制御部42Bによるディスプレイ10への物体情報の表示を行なうと設定している場合にだけ、情報取得処理を行なうので、親機2Bの無駄な電力消費を低減させることができる。
以上より、ユーザの利便性が向上するとともに方位誘導システム1の電力消費を低減することが可能となる。
親機6軸センサ51Bは、親機2Bの姿勢を示す姿勢情報を取得するものであり、本実施形態では、親機地磁気センサ53B及び親機加速度センサ54Bから構成されている。
なお、親機2Bの姿勢情報を取得する機能を備えるものとしては、3軸センサや6軸センサなどが例示できる。
また、親機6軸センサ51Bは、親機地磁気センサ53B及び親機加速度センサ54Bを組合せたものに限られず、単独で6軸センサとなり得る素子であっても良いが、携帯性向上の観点から小型の素子で構成することが好ましい。
なお、親機6軸センサ51Bとしては、6軸センサの他、3軸センサやなどが例示できる。
次に、図3に基づき、親機2Bの親機制御部4Bの構成の詳細について説明する。図3は、方位誘導システム1を構成する親機2Bにおける親機制御部4Bの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、親機制御部4Bは、対子機通信制御部(情報取得手段、発光部特定結果送信手段)41B、親機出力制御部(表示制御手段)42B、親機センサ制御部43B、データ算出部44B、データ照合部45B、記録制御部46B及び特定エリア判定部47Bからなる構成である。
対子機通信制御部41Bは、対子機無線アンテナ7Bを介して子機2Aとの通信を制御するものである。主として、以下で説明するように子機姿勢及び誘導方位照合部453Bにより出力される、子機2Aから受信した位置情報及び2D進路情報(所定の進路を示す進路情報)に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定すると共に、前記姿勢情報及び第1LED8A〜第3LED8Cのそれぞれの子機2Aの筐体上の位置を示す発光部位置情報に基づいて、第1LED8A〜第3LED8Cのうち前記誘導方位上にある発光部がいずれであるかを特定した発光部特定結果を送信する。
よって、前記誘導方位上にある、発光部が、前記複数の発光部のうちのいずれであるかの特定を親機2B側で行なうので、子機2Aの携帯性をより高めることができる。
なお、通信方式に関する規約(通信プロトコル)としては、Bluetooth、Felica、WirelessLAN(無線LAN:WLAN)、IrDA(赤外線無線)、IrSS(赤外線無線)、及びWCDMA(通信網)などが例示できる。
但し、IrDA及びIrSSのような赤外無線の場合は、子機2Aと親機2Bとの状態によって通信が制限される場合があるので、あまり好ましくない。しかしながら、将来的にこのような通信制限を克服する技術が開発される場合も想定できるため、ここで例示している。
以上より、子機2Aと連携し、方位誘導処理を行なう親機2Bを提供することができる。
なお、対子機通信制御部41Bは、ディスプレイ10への表示が可能となっている場合には、前記発光部特定結果を送信しないことが好ましい。
ディスプレイ10への表示が可能となっている場合、進路案内処理は、親機2Bのディスプレイ10への案内情報の表示によって行なえば良いので、子機2Aを動作させなくても良く、このようにして子機2Aの消費電力を節約することができる。
なお、親機2Bの案内情報の表示による進路案内処理と共に、子機2Aによる方位誘導処理を併用する構成としても良い。この場合、子機2Aの消費電力を節約できないが、ユーザは適宜、親機2Bの案内情報のディスプレイ10への表示による進路案内処理と、子機2Aによる方位誘導処理とを選択して利用できるので、ユーザの利便性が向上する。
また、「表示が可能となっている」とは、子機2Aと親機2Bとの通信状態が良好であり接続が確立されており、かつディスプレイ10の電源が入っていることを意味する。逆に「表示が可能となっていない」場合は、子機2Aと親機2Bとの通信状態が不良で接続が確立できないか、若しくはディスプレイ10の電源が入っていない場合などを意味する。
親機出力制御部42Bは、以下で説明する子機姿勢及び施設座標照合部(指示物特定手段)452Bによって特定された物体に関する物体情報を取得してディスプレイ10に表示する制御を行なうものである。
ところで、特許文献4に開示された手持ち式装置では、現在アドレスされている物と判断された物に関する情報を表示する機能はあるものの、進路案内を行なう機能については開示されていない。
また、最近は、ほとんどすべてのユーザが携帯機器を携帯していることが多く、不使用時には、ポケットやカバンなどに入れられていることが多い。
そうすると、ユーザの利便性を向上させるには、さらに、ユーザが必要に応じて進路案内に加え、ユーザが指示する方向の先に存在する施設などの物体に関する情報(物体情報)を取得したい場合には、ポケットやカバンなどに入れられている詳細表示可能なディスプレイ(表示部)10を有する親機2Bを取り出し、子機2Aと連携して方位誘導処理や施設情報取得処理(物体情報取得処理)を行うような総合的な案内システムの開発が好ましい。
このような観点に基づき、本実施形態の親機2Bは、対子機通信制御部41Bが取得した子機2Aの前記位置情報及び前記姿勢情報に基づいて決定された、現在位置におけるユーザの指示方向の先に存在する物体を特定する子機姿勢及び施設座標照合部(指示物特定手段)452Bと、子機姿勢及び施設座標照合部452Bによって特定された物体に関する物体情報を取得してディスプレイ10に表示する親機出力制御部42Bとを備えていることが好ましい。
これにより、親機2Bの子機姿勢及び施設座標照合部452Bは、子機2Aの現在位置におけるユーザの指示方向の先に存在する物体を特定することができる。
なお、ここでの「ユーザの指示方向」は、前記誘導方位と異なる概念であり、例えば、以下で説明する装置の方向を示す装置方向などをユーザの指示方向と定義すれば良い。
ここで、筐体の姿勢に基づく「装置方向」が定義可能な筐体の例としては、上述したペン型の子機2Aや、携帯電話型の子機2Aのように長手方向と短手方向とを判別できる形状で構成された筐体などが考えられる(図4(a)及び図4(c)参照)。
また、「長手方向と短手方向とを判別できる形状で構成された筐体」の例としては、その他、筐体が、棒状体、筒状態、直方体、楕円体その他の筐体を特徴づける径に長手方向と短手方向との2方向の径が存在すると認識できる形状で構成されている筐体が例示できる。この場合、筐体の長手方向を装置方向と定義する。
次に、物体を特定する具体的な方法としては、以下で説明する前記物体を含む地図情報(3D(3次元)地図情報)と対応づけられた、現在位置における指示方向の先に存在する物体の位置座標を特定できる方法であれば、どのような方法及び算出方法を用いても良いが、算出方法の例を挙げれば、以下のような手順による処理方法などが考えられる。但しここでは、3D地図情報について考える。また、GPS受信制御部45Aを介して位置座標算出部44Aによって算出される位置座標と3D地図情報上の位置座標(以下、3D地図情報上に設定された3D座標系を、単に「座標系」という)との対応関係を予め記録させておく。また、3D地図情報における施設等の複数の存在領域に対応する前記座標系上の複数の存在領域(以下、「施設領域」という)との対応関係も予め記録されているものとする。
まず、GPS受信制御部45Aを介して位置座標算出部44Aによって算出された現在の位置座標に対応する前記座標系上の現在の位置座標を特定する。次に、前記指示方向を前記座標系上で求める。
次に、前記座標系上の現在の位置座標を通り当該指示方向に沿う方向の単位ベクトルを方向ベクトルとする直線を前記座標系上の軌跡として求める。
次に、前記現在の位置座標を含む所定範囲内(ここでの所定範囲は、ユーザが指示するであろう施設等が含まれているものとして想定される現在の位置座標から所定半径を有する半球領域などが考えられるので、以下ではこの「半球領域」として考える)に存在する複数の施設領域を特定する。
次に、この半球領域に含まれる複数の施設領域の中から、前記直線と交わりを持ちかつ現在の位置座標に最も近い施設領域を特定する。
このようにして特定された施設領域に対応する施設等をユーザが指示している施設等であると特定する。
以上より、必要に応じて、ユーザが指示する方向の先に存在する物体に関する物体情報を、現実の物体を指示するという直感的な操作によって取得することができる。
よって、子機2Aと連携し、詳細表示可能なディスプレイ10を備え、方位誘導処理や情報取得処理を行うための各種案内情報を表示する親機2Bを提供することができる。
親機センサ制御部43Bは、親機6軸センサ51Bの動作の制御を行なって親機2Bの姿勢を示す姿勢情報を親機6軸センサ51Bに取得させるものである。
データ算出部44Bは、各種データを算出するものであり、親機姿勢算出部(姿勢判定手段)441B及び子機姿勢算出部(角度判定手段)442Bから構成される。
親機姿勢算出部441Bは、親機センサ制御部43Bから親機2Bの姿勢を示す姿勢情報に基づいて親機2Bの姿勢が、ディスプレイ10における表示をユーザが視認できる姿勢であるか否かの判定を行なうものである。なお、ディスプレイ10は、親機姿勢算出部441Bで親機2Bの姿勢が、ディスプレイ10における表示をユーザが視認できる姿勢であると判定された場合に、前記物体情報を表示する。
次に、図5に基づき、親機2Bの姿勢が、ディスプレイ10における表示をユーザが視認できる姿勢であるか否かを判定する具体例について説明する。図5は、親機2Bの姿勢について説明するための概要図である。
親機姿勢算出部441Bは、鉛直方向とディスプレイ10における表示面の法線方向とのなす角(図5の角度β)が、所定の角度範囲内である場合に前記ユーザが視認できる姿勢であると判定することが好ましい。角度βは、ユーザの利便性を考えれば、約30度から90度までの角度であることが好ましい。
これにより、ディスプレイ10がユーザ視認できる向きとなっている場合のみ前記案内情報を表示するので、ディスプレイ10がユーザ視認できる向きとなっていないときに無駄な処理を行なわないので、親機2Bの消費電力を節約することができる。
一方、親機姿勢算出部441Bは、水平方向とディスプレイ10における表示の左右方向とのなす角(図5の角度θ)が、所定の角度範囲内である場合に前記ユーザが視認できる姿勢であると判定することが好ましい。
これにより、ディスプレイ10の前記案内情報の表示の向きがユーザ視認に適した向きとなっている場合のみ前記案内情報を表示するので、ディスプレイ10の表示がユーザ視認に適した向きとなっていないときに無駄な処理を行なわないので、親機2Bの消費電力を節約することができる。
なお、ディスプレイ10の表示の向きがユーザ視認に適した向きとなっているとは、例えば、ディスプレイ10の表示が上下左右について適切な向きとなっているという意義である。
以上より、親機2Bの姿勢が、ディスプレイ10の表示をユーザが視認できない姿勢になっている場合には、前記案内情報の表示処理を行なわないので、親機2Bの消費電力を節約することができる。
子機姿勢算出部442Bは、子機2Aから送信された子機2Aの位置を示す位置情報(経度、緯度、及び高度など)及び子機2Aの姿勢情報に基づき、子機2Aによるユーザの指示方向や、指示方位及び子機2Aの装置方向などを算出する(出力)ものである。
また、対親機通信制御部(発光部特定結果取得手段)41A前記は、前記姿勢情報に基づいて決定された子機2Aの装置方向と鉛直方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に前記発光部特定結果を取得することが好ましい。
例えば、前記姿勢情報に基づいて決定された装置方向をペン先(前記長手方向に相当)とするペン型の子機2Aの場合を考える。この場合、ユーザは、子機2Aを使用しない場合には、胸のポケットなどに入れているものと考えられる。
そこで、対親機通信制御部41Aは、ペン先と鉛直方向とのなす角が、所定の角度範囲内である場合に前記発光部特定結果を取得するように構成する。
例えば、ペン先が上向きであれば、ペン先と鉛直方向とのなす角が所定の角度範囲(例えば、およそ30度以外の角度)内となったときだけ前記取得動作を行なうようにする。
以上の構成によれば、前記姿勢情報に基づいて決定された装置方向と鉛直方向とのなす角が所定の角度範囲外であって、ユーザが子機2Aを使用していないと想定される場合には、対親機通信制御部41Aが発光部特定結果の取得動作を行なわないようにすることにより子機2Aの無駄な電力消費を低減させることができる。
ここで、図7に基づいて、ここでの所定の角度範囲について説明する図5は、親機2Bの特定エリア外における動作を説明するための概要図である。
図7では、角度αが、前記所定の角度範囲として設定している例である。なお、角度αは、子機2Aを使用しない場合の角度範囲として約30度以内の角度とすることが好ましい。これより、大きい角度範囲に設定すると、子機2Aによる方位誘導処理等に支障をきたすおそれがある。
なお、子機姿勢算出部442Bは、水平方向と子機2Aの姿勢情報に基づいて決定された装置方向とのなす角が、所定の俯角の範囲内であるか否かを判定することが好ましい。
また、親機出力制御部42Bは、子機姿勢算出部442Bによって前記所定の俯角の範囲内であると判定された場合に、施設関係情報に替えて施設関係情報に対応する施設を含む3D地図情報を表示することが好ましい。
これにより、前記案内情報に、3D地図情報を含めることができる。したがって、ディスプレイ10に3D地図情報を表示することで、進路案内を行なうことができる。
よって、例えば、子機2Aの姿勢情報に基づいて決定された装置方向と水平方向とのなす角が、所定の俯角の範囲内の場合に、3D地図情報を表示し、所定の俯角の範囲外の場合に、施設関係情報を表示することができるので、子機2Aの姿勢によって、親機2Bのディスプレイ10の表示を施設関係情報と3D地図情報とに切り替えることができ、ユーザの利便性が向上する。
ここで、図7に基づき、ここでの所定の俯角の範囲内について説明する。図7では、角度δが示されているが、所定の俯角の範囲内は、この場合、180度―角度δに設定している。角度δは、約90度の角度を示している。なお、角度δは、施設関係情報と3D地図情報との切り替えが適切に行なえるように設定すれば良い。
次に、データ照合部45Bは、子機2Aから取得(受信)した子機2Aの位置情報及び姿勢情報、並びに、親機センサ制御部43Bが取得した親機2Bの姿勢情報と、親機記録部3Bに記録された3D地図データ(地図情報)、2D進路データ(所定の進路)、(3D地図データに含まれる)施設データ(施設等の位置データ)などの各種データと照合を行なうものであり、位置座標及び地図データ照合部(位置情報取得手段)451B、子機姿勢及び施設座標照合部(指示物特定手段)452B、及び子機姿勢及び誘導方位照合部(発光部特定手段)453Bで構成されるものである。
位置座標及び地図データ照合部451は、3D地図データ(地図情報)に対応づけられた前記座標系上の位置情報と、子機2Aの位置情報とを照合して、子機2Aの3D地図データ上の位置を特定するものである。
子機姿勢及び施設座標照合部452Bは、3D地図データ上の施設等の位置データと、子機2Aの指示方向とを照合して、子機2Aの前記現在位置におけるユーザの指示方向の先に存在する物体を特定するものである。
子機姿勢及び誘導方位照合部453Bは、子機2Aの各種センサ部5Aが得た位置情報及び姿勢情報を下に、前記位置情報及び所定の進路を示す進路情報に基づいてユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定し、第1LED8A〜第3LED8Cのうち、誘導方位上にある発光部がいずれであるかを特定し、発光部特定結果を出力するものである。
記録制御部46Bは、子機2Aから所得した子機2Aの位置情報及び姿勢情報を記録したり、データ算出部44B及びデータ照合部45Bから出力される各種データを親機記録部3Bに一時的に記録させる制御を行なうものである。
ここで、図6(b)〜6(d)基づき、方位誘導処理の概要について説明する。図6は、方位誘導システム1に関し、特定エリア外(又は分岐エリア内)での動作の概要を説明するための概要図である。
図6(b)では、紙面に対して前後、及び左右にまっすぐ伸びた道路が交差して十字路が生じている様子を示している。
また、ここでの所定の進路は、紙面に向かって右折、すなわち、黒の矢印の示す進路であるものとする。
さらに、誘導方位は、左から右、すなわち、白抜きの矢印で示す方位であるものとする。
ここで、図6(c)及び図6(d)に示すように、第1LED8A〜第3LED8Cの3つの発光部を備えた子機2Aについて説明する。なお、ここでは、第1LED8A〜第3LED8Cの様子以外は、省略した。
図6(c)に示すように、紙面に向かって上向きが、第3LED8Cとなっている場合には、誘導方位上にある第1LED8Aが発光する。
一方、図6(d)に示すように、紙面に向かってほぼ下向きが、第1LED8Aとなっている場合には、誘導方位上にある第3LED8Cが発光する。
以上のように、第1LED8A〜第3LED8Cの向きをユーザに対する位置に関わらず、第1LED8A〜第3LED8Cのうち、誘導方位上にある発光部が発光する。
よって、ディスプレイのような表示部を設けなくても所定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた子機2A、子機2Aと連携して情報の演算加工を行なう親機2Bを提供することができる。
〔4.方位誘導システム1の動作〕
次に、図1〜図3、図4(a)、図8及び図9に基づき、方位誘導システム1の詳細な動作について説明する。なお、〔4.方位誘導システム1の動作〕において説明すること以外の構成は、〔1.方位誘導システムの構成の概要〕、〔2.子機2Aの構成〕及び〔3.親機2Bの構成〕と同じである。また、説明の便宜上、〔1.方位誘導システムの構成の概要〕、〔2.子機2Aの構成〕及び〔3.親機2Bの構成〕の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、方位誘導システム1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図8のステップS1(以下「ステップ」は、省略する)では、まず、図1及び2に示すように、子機2AのGPS受信制御部45Aが、GPS受信アンテナ6を介して複数の衛星からの測位信号を受信する共に、位置座標算出部44Aに送る。
次に、位置座標算出部44Aは、前記測位信号と、子機記録部3Aに記録されている「GPS受信データ及び位置座標の対応関係」とに基づいて、経度、緯度、及び高度(以下、単に「位置情報」という。)を算出する。
また、子機2Aの子機センサ制御部43Aは、各種センサ部5Aの子機6軸センサ51A(子機地磁気センサ53A・子機加速度センサ54A)からの検出結果である姿勢信号を受けてアナログ/デジタル変換を行なう(以下、アナログ/デジタル変換及びデジタル/アナログ変換などの処理については、省略する。)。
また、子機2Aの子機センサ制御部43Aは、各種センサ部5Aの気圧センサ52Aにからの検出結果である圧力信号を受け取る。その後S2に進む(なお、以上の動作は、順不同である)。
次に、S2では、位置座標算出部44Aが対親機通信制御部41Aにデジタル化した位置情報を送り、子機センサ制御部43Aは、姿勢信号をデジタル化した姿勢情報及びデジタル化した気圧情報を対親機通信制御部41Aに送る。その後、対親機通信制御部41Aが、対親機無線アンテナ7Aを介して、位置情報、及び姿勢情報を親機2Bに送信してS3に進む。
次に、S3では、親機2Bの対子機通信制御部41Bは、対子機無線アンテナ7Bを介して、位置情報、姿勢情報を受信すると、記録制御部46Bに送る。記録制御部46Bは、親機記録部3BのRAMに、測位信号及び圧力信号がデジタル化された位置情報、姿勢信号がデジタル化された姿勢情報を一時記録させる。次に、親機記録部3Bは、上記の記録が完了すると、特定エリア判定部47Bに「動作命令」を発してS4に進む。
S4では、特定エリア判定部47Bは、親機記録部3Bに一時記録されている子機2Aの現在位置と特定エリア情報とに基づいて、子機2Aの現在位置が特定エリア内か否かを判定して特定エリア判定結果(エリア判定結果)として出力する。ここで、特定エリア判定結果が、子機2Aの現在位置が特定エリア内であるとの判定であった場合には、「YES」となり、「END」となる。
一方、特定エリア判定結果が、子機2Aの現在位置が特定エリア外であるとの判定であった場合には、「NO」となり、特定エリア判定部47Bが子機姿勢及び誘導方位照合部453Bに「動作命令」を発してS5に進む。
S5では、子機姿勢及び誘導方位照合部453Bは、「動作命令」を受けて親機記録部3Bから一時記録されている位置情報及び姿勢情報に基づき、該位置情報から求めた3D地図上の位置情報及び2D進路情報に基づいて、ユーザを誘導する方位を示す誘導方位を決定して、S6に進む。
S6では、子機姿勢及び誘導方位照合部453Bは、前記誘導方位と、第1LED8A〜第3LED8Cのそれぞれの子機2Aの筐体上の位置を示す発光部位置情報とを照合することによって、前記誘導方位上にある発光部が、子機2Aの第1LED8A〜第3LED8Cのうちのいずれであるかを特定し、その特定結果である発光部特定結果を対子機通信制御部41B及び対子機無線アンテナ7Bを介して子機2Aに送信する。
次に、子機2Aは、対親機無線アンテナ7A及び対親機通信制御部41Aを介して発光部特定結果を受信して、それを子機出力制御部42Aに送る。
最後に、子機出力制御部42Aは、発光部特定結果によって特定された発光部、例えば、図4(a)の例では、子機2Aの第1LED8Aを発光させて「END」となる。
次に、図9は、方位誘導システム1の動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
図9のステップS11(以下「ステップ」は、省略する)では、まず、図1及び2に示すように、子機2AのGPS受信制御部45Aが、GPS受信アンテナ6を介して複数の衛星からの測位信号を受信する共に、位置座標算出部44Aに送る。
次に、位置座標算出部44Aは、前記測位信号と、子機記録部3Aに記録されている「GPS受信データ及び位置座標の対応関係」とに基づいて、経度、緯度、及び高度(以下、単に「位置情報」という。)を算出する。
また、子機2Aの子機センサ制御部43Aは、各種センサ部5Aの子機6軸センサ51A(子機地磁気センサ53A・子機加速度センサ54A)からの検出結果である姿勢信号を受けてアナログ/デジタル変換を行なう(以下、アナログ/デジタル変換及びデジタル/アナログ変換などの処理については、省略する。)。
また、子機2Aの子機センサ制御部43Aは、各種センサ部5Aの気圧センサ52Aにからの検出結果である圧力信号を受け取り、S12に進む(なお、以上の動作は、順不同である)。
次に、S12では、位置座標算出部44Aが対親機通信制御部41Aにデジタル化した位置情報を送り、子機センサ制御部43Aは、姿勢信号をデジタル化した姿勢情報及び気圧信号をデジタル化した位置情報を、対親機通信制御部41Aに送る。その後、対親機通信制御部41Aが、対親機無線アンテナ7Aを介して、位置情報、姿勢情報を親機2Bに送信してS13に進む。
次に、S13では、親機2Bの対子機通信制御部41Bは、対子機無線アンテナ7Bを介して、位置情報、姿勢情報を受信すると、記録制御部46Bに送信する。記録制御部46Bは、親機記録部3BのRAMに、測位信号及び圧力信号をデジタル化した位置情報、姿勢信号をデジタル化した姿勢情報を一時記録させる。次に、親機記録部3Bは、上記の記録が完了すると、子機姿勢算出部442Bに「動作命令」を発する。
子機姿勢算出部442Bは、前記「動作命令」を受けると、子機2Aの姿勢情報に基づき、子機2Aの装置方向を算出して親機記録部3Bに一時記録させると共に、親機出力制御部42Bにディスプレイ10の電源が入っているか否かの「問い合わせ信号」を発する。
親機出力制御部42Bは、子機姿勢算出部442Bから「問い合わせ信号」を受けると、ディスプレイ10の電源がONの場合には、「ON信号」を発してS14に進む。
一方、親機出力制御部42Bは、ディスプレイ10の電源がOFFの場合には、「OFF信号」を発する。子機姿勢算出部442Bは、親機出力制御部42Bから「OFF信号」を受けて位置座標及び地図データ照合部451に「動作命令」を発してS16に進む。
S14では、子機姿勢算出部442Bが、親機出力制御部42Bから「ON信号」を受けて、親機センサ制御部43Bに「動作命令」を発する。親機6軸センサ51Bは、親機センサ制御部43Bから「動作命令」を受けると、親機2Bの姿勢信号を検出し、親機センサ制御部43Bに送る。親機センサ制御部43Bは、姿勢信号をデジタル化した姿勢情報に変換して親機姿勢算出部441Bに送信する。
次に、親機姿勢算出部441Bは、姿勢情報から親機2Bのディスプレイ10における表示面の法線方向と鉛直方向とのなす角が、所定の角度範囲内(図5の閾値の角度β)か否かを判定し、第1角度判定結果を出力する。
また、親機姿勢算出部441Bは、姿勢情報から親機2Bの水平方向とディスプレイ10における表示の左右方向とのなす角が、所定の角度範囲内(図5の角度θ)か否かを判定し、第2角度判定結果を出力する。
第1角度判定結果が角度β内であり、かつ第2角度判定結果が角度θ内である場合には、「YES」となり、S16に進む。一方、S14で、第1角度判定結果が角度β内でないか、又は第2角度判定結果が角度θ内でない場合には、「NO」となり、親機姿勢算出部441Bは、子機姿勢算出部442Bを介して子機姿勢及び誘導方位照合部453Bに「動作命令」を発してS21に進む(なお、親機姿勢算出部441Bから、子機姿勢及び誘導方位照合部453Bに直接「動作命令」を発する構成としても良い。)。
S16では、親機姿勢算出部441Bがデータ照合部45Bの位置座標及び地図データ照合部451に「動作命令」を送信する。
次に、位置座標及び地図データ照合部451は、「動作命令」を受けると、親機記録部3Bに記録されている子機2Aの位置情報と、3D地図データを照合させて、3D地図データ上の座標系における位置座標(現在位置)を求めて、親機記録部3Bに一時記録させると共に、特定エリア判定部47Bに「動作命令」を発してS17に進む。
S17では、特定エリア判定部47Bが、親機記録部3Bに一時記録されている子機2Aの現在位置と特定エリア情報(ここでは、施設等の内部などユーザが、情報取得処理を希望していないと想定されるエリアのことを特定エリアとしている)とに基づいて、子機2Aの現在位置が特定エリア内か否かを判定して特定エリア判定結果(エリア判定結果)として出力する。
特定エリア判定結果が、子機2Aの現在位置が特定エリア内であるとの判定であった場合には、「YES」となり、「END」となる。
一方、S17で、特定エリア判定結果が、子機2Aの現在位置が特定エリア外との判定であった場合には、「NO」となり、特定エリア判定部47Bは、子機姿勢及び施設座標照合部452Bに「動作命令」を発してS18に進む。
S18では、子機姿勢及び施設座標照合部452Bが、特定エリア判定部47Bから「動作命令」を受けた場合において、ユーザが、予め入力操作部11及びインターフェイス12を介して施設情報取得設定を「OFF」としていた場合には、子機姿勢及び施設座標照合部452Bが、子機姿勢及び誘導方位照合部453Bに「動作命令」を発してS21に進む。
S21では、子機姿勢及び誘導方位照合部453Bは、「動作命令」を受けて親機記録部3Bから一時記録されている位置情報、3D地図上の位置情報及び2D進路情報に基づいてユーザを誘導する誘導方位を決定して、S22に進む。
S22では、子機姿勢及び誘導方位照合部453Bは、前記誘導方位と、第1LED8A〜第3LED8Cのそれぞれの子機2Aの筐体上の位置を示す発光部位置情報とを照合することによって、子機2Aの第1LED8A〜第3LED8Cのうち、前記誘導方位上にある発光部がいずれであるかを特定し、その特定結果である発光部特定結果を対子機通信制御部41B及び対子機無線アンテナ7Bを介して子機2Aに送信する。
次に、子機2Aは、対親機無線アンテナ7A及び対親機通信制御部41Aを介して発光部特定結果を受信して、子機出力制御部42Aに送る。
最後に、子機出力制御部42Aは、発光部特定結果によって特定された発光部、例えば、図4(a)の例では、子機2Aの第1LED8Aを発光させて「END」となる。
次に、S18で、子機姿勢及び施設座標照合部452Bが、特定エリア判定部47Bから「動作命令」を受けた場合において、ユーザが、予め入力操作部11及びインターフェイス12を介して施設情報取得設定を「ON」としていた場合には、親機記録部3Bに一時記録されている子機2Aの装置方向を読み出し、子機2Aの装置方向と鉛直方向とのなす角が、δ内にある場合には、「YES」となり、S20に進む。
一方、前記姿勢情報に基づいて決定された子機2Aの装置方向と鉛直方向とのなす角が、δ内にない場合には、「NO」となり、「END」となる。
次に、S20では、子機姿勢及び施設座標照合部452Bが、親機記録部3Bから読み出した子機2Aの現在位置における、指示方向の先にある施設を施設データ(施設の座標系上の位置座標)から特定し、施設特定結果として出力し、親機出力制御部42Bに「動作命令」を発する。
親機出力制御部42Bは、「動作命令」を受けて、親機記録部3Bから、前記施設特定結果に基づいて特定された施設に関する施設関係情報を読み出す。最後に、親機出力制御部42Bは、ディスプレイ10に施設関係情報を表示させて「END」となる。
以上より、ディスプレイのような表示部を設けなくても所定の進路に沿って誘導する方位をユーザに直感的に理解させることができ、携帯性の優れた子機2A、子機2Aと連携して情報の演算加工を行なう親機2B、これらの装置を連携させた方位誘導システム1を提供することができる。
最後に、方位誘導システム1及び子機2A・親機2Bの各ブロック、特に子機制御部4A・親機制御部4Bは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、方位誘導システム1及び子機2A・親機2Bは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。(例えば、図1に示す子機記録部3A・親機記録部3B)
そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである方位誘導システム1及び子機2A・親機2Bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、前記方位誘導システム1及び子機2A・親機2Bに供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、方位誘導システム1及び子機2A・親機2Bを通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。