JP5221922B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、昇圧回路をより適切に制御できる電動パワーステアリング(EPS:electric power steering)装置に関する。
電動パワーステアリング装置では、操舵入力トルクに応じて補助モータが十分に操舵を補助できるようにするため、昇圧電源によってバッテリの電源電圧をいったん昇圧してから、ECU(Electronic Control Unit)の制御に基づき、駆動回路が補助モータへ駆動電流を供給している。例えば、車速が遅いとき、端的には、停車中に“据え切り”するときは、必要とされる補助操舵力が大きいため、駆動電力が非常に大きくなる。
電動パワーステアリング装置では、ECUによる昇圧電源の出力制御は、単にイグニッションスイッチのオン/オフに同期して昇圧電源をオン/オフさせるのみならず、車両の状況に応じて出力の状態を制御できることが好ましい。例えば、車両が走行中である場合、車両の速度、エンジンの回転速度、舵角、回路の冷却指令など、車両の状態を示す多数のパラメータを勘案して出力電圧を変えることが考えられる。
ところで、従来、バッテリの出力電圧は昇圧回路で昇圧され、昇圧された電圧は制御回路を介して操舵補助力を与えるモータの供給される電動パワーステアリング装置に用いられる電源装置であって、充放電制御回路がバッテリの出力電圧を監視しており、バッテリの出力電圧が低下した場合、あるいは低下が予想される場合には、昇圧回路に制御信号を送って昇圧回路の出力電圧を上げ、コンデンサの充電電圧を高めに設定してコンデンサに充電される電荷量を多くするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−273061号公報(段落[0016]−[0020]、図3)
しかしながら、従来の電動パワーステアリング装置では、ECUが車両の状況をきめ細かく検出し、昇圧電源を制御するには、多数あるパラメータごとに信号線を布設する必要があったため、信号線の数が膨大になり、また、信号線が接続されるECUおよび昇圧電源が複雑化するため、製造が困難であり、製造費用が高価になる問題点があった。
また、前記「電動パワーステアリング装置」(特許文献1記載)では、充放電制御回路は、昇圧回路の入力電圧および出力電圧を監視し、半導体スイッチング素子のゲート電圧と昇圧回路とを制御するなど、電源装置内の構成要素を監視して制御するものであり、車両の状況に合わせて制御を行うものではない。また、充放電制御回路から昇圧回路への制御信号は1系統であるから、車両の状況に応じて適切に昇圧回路の制御が行われない問題点があった。
そこで、本発明は、前記した問題点を解決し、簡易な構造で昇圧回路をより適切に制御できる電動パワーステアリング装置を提供することをその課題とする。
前記課題を解決するため、本発明による電動パワーステアリング装置は、操舵入力検出手段と、操舵輪の操舵力を補助する補助モータと、操舵入力検出手段からの操舵入力信号に基づき前記補助モータへ駆動電流を送出する制御手段と、電源電圧を昇圧し前記制御手段に供給する昇圧回路と、を備え、制御手段は、車両の状態を示すモード信号を生成して前記昇圧回路に送信し、昇圧回路は、制御手段とは別体で、前記モード信号に応じて昇圧動作の維持や昇圧動作を停止させる機能を有し、モード信号は、モードごとに異なる繰り返し周波数を有するパルス信号であって、緊急を要するモードの繰り返し周波数が高く設定され、制御手段の温度が所定温度以上か否かを示す情報を含み、昇圧回路はモード信号のパルス数でモードを判別し、イグニッションスイッチがオフでありモード信号が制御手段の温度が所定温度以上であることを示すとき、電源電圧を継続して制御手段に供給することを特徴とする。
本発明によれば、昇圧回路をより適切に制御できる電動パワーステアリング装置を提供できる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について、添付の図面を参照し、詳細に説明する。なお、本説明において、信号線または電力線などの線路を示すために、これらの信号線または電力線を通る信号または電流の符号を用いることがある。
<第1実施形態>
図1は、本発明による第1実施形態の電動パワーステアリング装置1の電気系主要部を示すブロック図である。
この電動パワーステアリング装置1は、電源部31と、昇圧電源装置(昇圧回路)21と、ECU11と、補助モータ34と、レゾルバ35と、トルクセンサ36とを含んでいる。
電源部31は、定電圧の直流電源であって、バッテリまたはオルタネータに接続された整流器などからなる。電源部31の負極側は、接地されている。電源部31の正極側は、第1に、イグニッションキー(図示せず)の操作と連動して開閉するイグニッションスイッチ32を経て、ECU11に接続されるとともに、昇圧電源装置21に接続され、電流IG1が昇圧電源装置21に入力されている。電源部31の正極側は、第2に、その出力端(+B)が、そのままECU11に接続されている。電源部31の正極側は、第3に、ヒューズ33を経て、昇圧電源装置21に接続されている。
昇圧電源装置21は、電源部31からヒューズ33を経て入力された電源電圧(+B)を昇圧し、昇圧電源電圧(+P)として、ECU11へ出力する。昇圧電源装置21は、また、制御信号C1がECU11から入力されている。昇圧電源装置21、さらに、駆動の接地線PGおよび制御の接地線LGによって、ECU11に接続されている。
ECU11は、制御プログラムをロードされたコンピュータおよび各入出力回路を含み、入力された各信号を基に、電動パワーステアリング装置1全体の動作を司る。電動パワーステアリング装置1は、前記した入出力信号および接続のほか、エンジン回転速度信号NEPおよび車速信号VPが入力され、レゾルバ35から電動パワーステアリング装置1の機械的な駆動状態が入力され、トルクセンサ36から運転者がステアリングホイールを操作することによって発生した操舵入力を示す信号が入力されている。補助モータ34は、3相DCブラシレスモータであり、ECU11は、これらの信号に基づき、U相、V相、W相の駆動電流を補助モータ34へ送る。補助モータ34は、ECU11からの駆動電流によって駆動され、運転者による操舵入力を機械的に補助する。
ECU11から昇圧電源装置21へ送られる制御信号C1は、‘1’(‘Hi’)、‘0’(‘Lo’)の2値をとる。具体的には、例えば、‘Lo’は、信号線がゼロ電位または負電位になることによって表され、‘Hi’は、信号線の電位(レベル)が‘Lo’より高い電位または正電位になることによって表される。ECU11は、制御信号C1の状態を、(1)‘Hi’の連続、(2)‘Lo’の連続、(3)所定の繰り返し周波数のパルス信号、すなわち、RZ(Return to Zero)信号による‘1’の連続、(4)(3)と同様だが、より繰り返し周波数の高い信号、(5)同様に、さらに繰り返し周波数を高くしていく信号を用いる。これらの信号の各状態に、昇圧電源装置21の制御パラメータを割り当て、昇圧電源装置21へ制御パラメータの値を伝達する。各制御パラメータには、例えば、車両が走行しているか否か、エンジンの回転、舵角、ECU11の冷却の要・不要などを割り当てる。
昇圧電源装置21は、この制御信号C1の状態から制御パラメータの値を判読し、さらに、入力される電源電圧(+B)の有無によって判別されるイグニッションスイッチ32の状態(‘On’または‘Off’)を勘案して、昇圧電源(+P)の出力および昇圧の有無の状態を決定する。制御信号C1が、矩形波パルス信号である場合について説明するが、台形波パルスなど、伝送可能かつ判読可能な他の形式のものを用いることも可能である。
昇圧電源装置21は、また、イグニッションスイッチ32の状態(すなわち、イグニッション信号の‘On’/‘Off’)を検出する機能と、電源部31から昇圧電源装置21を経てECU11へ供給される電流(電源電流)を検出することによってECU11(制御手段)の温度を推定する機能と、電源電圧(+B)を昇圧しないで(つまり、そのままの電圧で)、ECU11へ供給する機能と、を有している。昇圧電源装置21は、例えば、イグニッションスイッチ32が‘Off’であることを検出し、電源電流から推定したECU11の温度が所定温度以上である場合、ECU11へ供給する電圧を、昇圧しないで(すなわち、昇圧電源電圧(+P)から電源電圧(+B)へ下げて)、電力供給を行う。これにより、ECU11が補助モータ34などへ供給する電力が減少してECU11の温度が低下する。また、ECU11へは継続して電源電圧(+B)が供給されるので、ECU11の情報処理機能は継続して動作し、ECU11のメモリ(図示せず)が揮発性であっても、その記憶内容が正常に保持される。
本発明による第1実施形態の電動パワーステアリング装置1によれば、次の効果が得られる。
(1)ECU11から昇圧電源装置21へ送信する昇圧制御信号を、2値の電位(レベル)(‘Hi’および‘Lo’)に加えて、所定の繰り返し周波数のパルスでも表すようにした。そのため、ECU11のポート数が少なくて済み、製造費用を低減できる。
(2)より繰り返し周波数の高い制御信号C1も用いることによって、制御線C1を増やすことなく、さらなる制御パラメータを、既設の制御線C1を通じて昇圧電源装置21へ伝送できる。
(3)制御信号C1を伝送する線路が1組で済むので、制御に係る配線の取り回しが容易であり、組み立て工数を少なくでき、整備性を向上できる。
<第2実施形態>
図2は、本発明による第2実施形態の電動パワーステアリング装置2の電気系主要部を示すブロック図である。
この電動パワーステアリング装置2は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置1(図1参照)において、ECU11の代わりにECU12を備え、昇圧電源装置21の代わりに昇圧電源装置22を備え、電源部31とECU12とを直結する電力線(+B)を省いたものである。つまり、電源部31とECU12とを直結する電力線(+B)の有無に関連する部分を除き、第2実施形態の電動パワーステアリング装置2は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置1(図1参照)と同様な構成であるので、重複する説明を省略する。
ECU12は、イグニッションスイッチ32が‘Off’のとき、電源部31から直接に電源供給を受けることができないので、昇圧電源装置21から供給される昇圧電力(+P)によって作動する機能を有している。
昇圧電源装置22は、昇圧電源装置21(図1参照)が有する機能に加え、イグニッションスイッチ32が‘Off’になっても、イグニッションスイッチ32の状態および制御信号C1に基づき、所定の条件下で、電源電圧(+B)を昇圧しまたは昇圧せずに、ECU12へ供給し、また、その供給をフェードアウトし‘Off’にする機能を有している。昇圧電源装置22は、また、昇圧状態を示す制御信号C1であるステータス信号を、ECU12へ返送する。
例えば、図1に示すように、第1実施形態の電動パワーステアリング装置1のような電源部31からECU11へ直接入力される電源電圧(+B)が、図2に示すように、第2実施形態の電動パワーステアリング装置2にはない。しかし、昇圧電源装置22は、イグニッションスイッチ32が‘Off’になった後も、制御信号C1などを勘案し、所定時間、昇圧電源(+P)を保持する機能を有しているので、ECU12が冷却してからその温度がECU12の温度初期値(温度のゼロ点)として保持されるため、ECU12が冷却しきらないうちに温度初期値が高温側に誤って保持されてしまうことが防止される。
図3は、ECU12を詳細に示すブロック図である。
このECU12は、プログラムおよびデータを記憶した補助記憶装置、演算処理装置、演算処理などに用い制御プログラムがロードされた主記憶装置、入出力装置など(いずれも図示せず)を含むコンピュータであるCPU41によって制御され、さらに、次で言及する各構成要素を含んでいる。
昇圧電源装置22からの昇圧電源電圧(+P)は、CPU41の制御によってこれを接/断する電源リレー53と、電流センサ回路54を経て、ドライバ回路55へ入力される。
ドライバ回路55は、CPU41の制御に基づき、相電流センサ56Uおよびモータリレー57Uを介して、U相電流を補助モータ34へ送り、相電流センサ56Vおよびモータリレー57Vを介して、V相電流を補助モータ34へ送り、また、W相電流を補助モータ34へ送って、補助モータ34を駆動する。
昇圧電源装置22からの昇圧電源電圧(+P)は、また、電源入力回路51へ入力される。電源入力回路51は、イグニッションスイッチ32(図2参照)の状態を示すイグニッション信号を判別し、電源入力回路52へ電源出力を行う。電源入力回路52は、入力電圧を変圧および安定化してCPU41へ入力する。
制御信号入出力回路61は、ECU12のCPU41と昇圧電源装置22(図2参照)とで行われる制御信号C1の双方向通信を媒介する。
トルクセンサI/F回路62は、トルクセンサ36(図2参照)を励磁するとともに、トルクセンサ36の検出コイル(1)および検出コイル(2)から得られた信号を基に、ステアリング軸(図示せず)に掛かる操舵入力を演算し、CPU41と通信する。
CAN通信回路63は、CAN(Controller Area Network)に基づく通信を媒介する機能を有し、車速信号などをCPU41へ送る。
レゾルバ35は、例えば、モータ軸やステアリング軸など、図示しない機械的作動部分に布設され、その軸回転を示すsin信号およびcos信号をレゾルバ信号処理回路65へ送る。レゾルバ信号処理回路65は、レゾルバ35を励磁するとともに、sin信号およびcos信号から舵角を算出して、CPU41へ送る。
制御信号出力回路64は、エンジン(図示せず)などから得られる信号を基に、これらの制御に係る信号を抽出し、CPU41へ出力する。
サブCPU42は、例えばウォッチドッグタイマ(図示せず)を含み、CPU41と独立して動作し、CPU41が故障しているか否かを間欠的に判定する。
ECU温度センサ66は、サーミスタなどの温度検出素子と、検出信号から温度データを算出する温度演算回路とを含み(いずれも図示せず)、ECU12内の温度データをCPU41へ送る。
図4は、電動パワーステアリング装置2の状態と、その昇圧電源装置22の状態とを対比して示す図である(適宜、図2参照)。
ここで、「EPSの状態」の項で、「フールプルーフ状態」とは、ECU12の温度が高い場合に、昇圧電源装置22の出力電圧を低下または出力をOffにするなどして、ECU12の温度を下げようとする状態を意味し、また、「フールプルーフ異常」とは、ECU12の温度が高くても下げることができないことを意味する。
また、モードとは、ECU12が昇圧電源装置22を所定状態に制御するために送る制御信号C1の状態を示すものである。つまり、電動パワーステアリング装置2が、この図のいずれかの番号に当てはまる状態であるとき、ECU12は、その番号に対応するモード(M0〜M4のいずれか)を示す制御信号C1を、昇圧電源装置22に送る。
例えば、番号(6)の状態では、イグニッションスイッチ32がOffで車両が停止した状態であると推定でき、電動パワーステアリング装置(EPS)2の温度を下げるため、昇圧電源装置22によって電源電圧を昇圧せずにそのままECU12へ出力し、ECU12の冷却を図ることとなる。この場合、仮に、昇圧電源装置22の出力をいきなりOffにしてしまうと、ECU12の記憶内容が失われてしまう。しかし、前記したように、この番号(6)の状態では、電源電圧(+B)がそのままECU12へ出力されるため、ECU12の記憶を保持しつつ、補助モータ34やECU12の冷却を図ることができる。
図5は、各モード(M0〜M4)の制御信号C1の出力形態と、昇圧電源装置22のとる動作をまとめた図である。
例えば、図4に示す番号(7)は、モードがM1でありイグニッション信号がOffであることから、図5に示すモードがM1の行で、イグニッション信号がOffである場合を参照すると分かるとおり、昇圧電源装置22は、スルー動作(入力電圧をそのまま出力する)を行うこととなる。
このように、昇圧電源装置22は、制御信号C1の状態と、イグニッション信号の‘On’‘Off’とで、車両の状況に応じた動作をとることができる。
図6は、方式の異なる制御信号を対比して示すタイムチャートである。
図6(a)に示すように、CPU41の処理基準となるクロック信号は、例えば1kHzであるが、制御信号のモードを高速かつ高精度に検出するためには、なるべく速いことが好ましい。
図6(c)に示すように、制御信号が100Hzの矩形波であるとき(図5のモードがM4のとき)、‘Hi’が5msであり、‘Lo’が5msであることを検知することにより、約10msでモードを判別できる。同様に、制御信号が50Hzの矩形波で表されるとき(図5のモードがM3のとき)、10msのパルスを2回検出すれば、約20msでモードを判別できる。このように、緊急を要するモードには、繰り返し周波数が高い矩形波を割り当てるとよい。
比較例として、パルスの衝撃比でモードを判別する場合について説明する。
図6(d)に示すように、この場合、‘Hi’からなる時間t1と、‘Lo’からなる時間(t2−t1)を計測し、パルスの1周期である時間t2を求めておく必要がある。そのため、判定には、最低でも時間t2が必要になる。また、正確に衝撃比を求めるには、十分な時間分解能が必要である。例えば、衝撃比が10%刻みとすると、その10倍程度の分解能が好ましいことから、計測制度を1%程度にしなければならない。そのためには、パルスの1周期を長くするか、高精度のハードウェアを用いなければならないこととなる。
図7は、車両の状態に対応した制御信号の例を示すタイムチャートである。
図7(c)に示す例は、図7(b)に示すイグニッション信号がOffになったことにより、モードM4を昇圧電源装置22に指示するため、制御信号をECU12が出力した場合の波形を示す。
図7(d)に示す例は、モードM0の制御信号を出力している状態であり、昇圧電源装置22は制御信号を判別した後、出力をOffにする。
図8は、1クロックごとにECU12によって行われるモード出力処理を示すフローチャートである。
まず、現在のモードを取得する(ステップS101)。
次に、モード出力が1周期完了しているか否かを判断する(ステップS102)。
完了している場合(ステップS102のYes)、モードに応じた、Hi,Loの周期をセットし(ステップS103)、次のステップへ進む。
完了していない場合(ステップS102のNo)、ステップS103の処理は行わず、さらに次のステップへ進む。
次に、‘Hi’側出力が完了したか否かを判断する(ステップS104)。
‘Hi’側出力が完了していない場合(ステップS104のNo)、‘Hi’側の時間を計算し(ステップS111)、制御線の出力を‘Hi’にする(ステップS112)。
‘Hi’側出力が完了している場合(ステップS104のYes)、‘Lo’側の時間を計算し(ステップS121)、制御線の出力を‘Lo’にする(ステップS122)。
以上の処理を、1クロックごとにリターンする。
図9は、1クロックごとに昇圧電源装置22によって行われるモード入力処理を示すフローチャートである。
まず、今回の制御信号は‘Hi’であるか否かを判断する(ステップS201)。
今回の制御信号が‘Hi’である場合(ステップS201のYes)、前回の制御信号は‘Hi’であるか否かを判断する(ステップS202)。
前回の制御信号が‘Hi’である場合(ステップS202のYes)、Hiカウンタをインクリメントし(ステップS203)、ステップS221以降の処理へ進む。
前回の制御信号が‘Hi’でない場合(ステップS202のNo)、Loカウンタの値をLo周期として記憶し(ステップS204)、Loカウンタの値をクリアしHiカウンタを更新し(ステップS205)、ステップS221以降の処理へ進む。
ステップS201において、今回の制御信号が‘Hi’でない場合(ステップS201のNo)、前回の制御信号は‘Lo’であるか否かを判断する(ステップS211)。
前回の制御信号が‘Lo’である場合(ステップS211のYes)、Loカウンタをインクリメントし(ステップS212)、ステップS221以降の処理へ進む。
前回の制御信号が‘Lo’でない場合(ステップS211のNo)、Hiカウンタの値をHi周期として記憶し(ステップS213)、Hiカウンタの値をクリアしてLoカウンタを更新し(ステップS214)、Hi,Loの値により計測終了フラグを‘On’にし、ステップS221以降の処理へ進む。
そして、計測終了フラグは‘On’であるか否かを判断する(ステップS221)。
計測終了フラグが‘On’でない場合(ステップS221のNo)、処理を終了する。
計測終了フラグが‘On’である場合(ステップS221のYes)、Loの回数をカウントする(ステップS222)。
次に、今回のモードは前回のモードと同じか否かを判断する(ステップS223)。
今回のモードが前回のモードと同じ場合(ステップS223のYes)、モードを確定し(ステップS224)、処理を終了する。
今回のモードが前回のモードと同じでない場合(ステップS223のNo)、モードは確定せず、処理を終了する。
以上の処理を1クロックごとにリターンする。
本発明による第2実施形態の電動パワーステアリング装置2によれば、第1実施形態で述べた効果に加え、次の効果を得ることができる。
(1)電源部31からECU12へ直結される電源線(+B)を省略したので、昇圧電源装置21を備えたにもかかわらず、ECU12の電力ポートが2個のままで済むため、従前の昇圧電源装置21を持たない場合の部材を流用できるなど、製造工数および製造費用を低減できる。
(2)電源線(+B)を省略したので、配線の取り回しが容易になり、製造工数を低減でき、また、整備が容易になる。
<比較例>
図10は、比較例の電動パワーステアリング装置3の電気系主要部を示すブロック図である。
この電動パワーステアリング装置3は、第1実施形態の電動パワーステアリング装置1において、ECU11の代わりにECU13を備え、昇圧電源装置21の代わりに昇圧電源装置23を備え、そして、1本の制御線C1の代わりに、3本の制御線C1,C2,C3を備えている。電動パワーステアリング装置3では、昇圧電源装置23に対し、3つを超えるモードの制御が必要な場合は、モードの数に応じた制御線(図示せず)を備えることとなる。
比較例の電動パワーステアリング装置3によれば、モードの数に応じた3本の制御線C1,C2,C3を備えるため、配線の取り回しなど、構成が複雑になる。また、制御線C1,C2,C3の数に応じて、ECU13および昇圧電源装置23にポートを設ける必要がある。
本発明による第1実施形態の電動パワーステアリング装置の電気系主要部を示すブロック図である。 本発明による第2実施形態の電動パワーステアリング装置の電気系主要部を示すブロック図である。 ECUを詳細に示すブロック図である。 電動パワーステアリング装置の状態と、その昇圧電源装置の状態とを対比して示す図である。 各モード(M0〜M4)の制御信号の出力形態と、昇圧電源装置のとる動作をまとめた図である。 方式の異なる制御信号を対比して示すタイムチャートである。 車両の状態に対応した制御信号の例を示すタイムチャートである。 1クロックごとにEPSによって行われるモード出力処理を示すフローチャートである。 1クロックごとに昇圧電源装置によって行われるモード入力処理を示すフローチャートである。 比較例の電動パワーステアリング装置の電気系主要部を示すブロック図である。
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置(第1実施形態)
2 電動パワーステアリング装置(第2実施形態)
3 電動パワーステアリング装置(比較例)
11,12,13 ECU(制御手段)
21,22,23 昇圧電源装置(昇圧回路)
31 電源部
32 イグニッションスイッチ
34 補助モータ(補助モータ)
35 レゾルバ
36 トルクセンサ(操舵入力検出手段)
41 CPU
42 サブCPU
51,52 電源入力回路
53 電源リレー
54 電流センサ回路
55 ドライバ回路
56U,56V 相電流センサ
57U,57V モータリレー
61 制御信号入出力回路
63 CAN通信回路
64 制御信号出力回路
65 レゾルバ信号処理回路
66 ECU温度センサ

Claims (3)

  1. 操舵入力検出手段と、
    操舵輪の操舵力を補助する補助モータと、
    前記操舵入力検出手段からの操舵入力信号に基づき前記補助モータへ駆動電流を送出する制御手段と、
    電源電圧を昇圧し前記制御手段に供給する昇圧回路と、
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、車両の状態を示すモード信号を生成して前記昇圧回路に送信し、
    前記昇圧回路は、前記制御手段とは別体で、前記モード信号に応じて昇圧動作の維持や昇圧動作を停止させる機能を有し、
    前記モード信号は、前記モードごとに異なる繰り返し周波数を有するパルス信号であって、緊急を要する前記モードの前記繰り返し周波数が高く設定され、前記制御手段の温度が所定温度以上か否かを示す情報を含み、前記昇圧回路は前記モード信号のパルス数で前記モードを判別し、イグニッションスイッチがオフであり前記モード信号が前記制御手段の温度が前記所定温度以上であることを示すとき、前記電源電圧を継続して前記制御手段に供給することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記モード信号は、前記モードごとに異なる繰り返し周波数で2値の電位が繰り返されるパルス信号であって、前記2値の電位の連続でも2つの前記モードを示すことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記昇圧回路は、電源電流に基づき前記制御手段の温度を推定し、
    前記昇圧回路は、イグニッションスイッチがオフであるとき推定した前記制御手段の温度が所定温度以上の場合は、前記電源電圧を継続して前記制御手段に供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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