以下に、本発明の一実施形態を適用した地図配信システム1000について、図面を参照して説明する。
図1は、地図配信システム1000の概要を示す図である。
地図配信システム1000は、統計交通情報提供装置110と、複数のナビゲーション装置100と、により構成される。
統計交通情報提供装置110は、配信の要求を行ったナビゲーション装置100に対して、地図情報と統計交通情報の差分配信情報180または部分配信情報190を配信する装置である。
ナビゲーション装置100は、車両等に搭載され、経路誘導等を車両の運転者に対して行う装置であり、地図情報と統計交通情報とを有する。
統計交通情報提供装置110は、ナビゲーション装置100から差分更新の要求を受け付けると、差分配信情報180を配信する。また、統計交通情報提供装置110は、ナビゲーション装置100から部分更新の要求を受け付けると、部分配信情報190を配信する。
ナビゲーション装置100は、配信された差分配信情報180、または部分配信情報190を受信すると、ナビゲーション装置100が有する地図情報と統計交通情報とを更新する。
なお、差分配信情報180は、道路を示すリンクを識別するリンクIDと、追加、更新、または削除のいずれかを示す更新種別と、平日の速度パターンIDと、休日の速度パターンIDと、をリンクごとに有する。速度パターンIDとは、詳細は後述するが、時間帯ごとに基準速度に対する比によって、リンクを走行する際の平均速度を特定する速度パターンデータを識別する識別子である。
部分配信情報は、道路を示すリンクを識別するリンクIDと、平日の速度パターンIDと、休日の速度パターンIDと、それぞれの速度パターンIDに対応する速度パターンデータと、をリンクごとに有する。
図2は、地図配信システム1000の概略構成を示す図である。
図2に示すように、地図配信システム1000は、統計交通情報提供装置110と、統計交通情報提供装置110にネットワーク150を介して通信を行うことが可能なナビゲーション装置100と、を有する。
地図配信システム1000は、ナビゲーション装置100を複数有するものであっても良いし、統計交通情報提供装置110を複数有するものであっても良い。
統計交通情報提供装置110は、例えば、旧地図情報から新地図情報へ変化した地図情報に基づく統計交通情報をナビゲーション装置100に提供するサーバ装置である。
統計交通情報提供装置110は、記憶部120と、制御部130と、通信部140と、を備える。
記憶部120は、旧地図情報記憶領域121と、新地図情報記憶領域122と、地図変化情報記憶領域123と、旧統計交通情報記憶領域124と、新統計交通情報記憶領域125と、配信情報記憶領域126とを備える。
旧地図情報記憶領域121は、旧地図の情報を、地図情報テーブル200の形式で記憶する。
新地図情報記憶領域122は、新地図の情報を、地図情報テーブル200の形式で記憶する。
図3は、地図情報テーブル200の構成例を示す図である。
地図情報テーブル200は、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)である。
上記した旧地図情報と、新地図情報は、地図情報テーブル200の形式でそれぞれの記憶領域に記憶される。
地図情報テーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュに含まれる道路を構成する各リンクの属性を示すリンクデータ202を含んでいる。
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、リンクを含む道路の車線数を示す走行車線数225、開始ノードに接続されたリンクと終了ノードに接続されたリンクとを示す開始接続リンクと終了接続リンク226、リンクを含む道路の名称(例えば、「国道1号」等)を示す名称227、などを含んでいる。
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
地図変化情報記憶領域123は、旧地図から新地図へ変化した部分についての情報である地図変化情報テーブルを記憶する。
図4は、地図変化情報テーブル300の構成例を示す図である。
地図変化情報テーブル300は、旧地図情報と新地図情報の差分を示す情報を記憶するテーブルである。
地図変化情報テーブル300は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)301ごとに、そのメッシュに含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ302を含んでいる。
リンクデータ302は、リンクの識別子であるリンクID311ごとに、そのリンクが旧地図から新地図への変化において追加されたか、変更されたか、削除されたかを示す情報である更新種別312を有する。また、更新種別312が「追加」又は「変更」の場合には、リンクID311ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別を示す道路種別323、リンクの長さを示すリンク長324、リンクを含む道路の車線数を示す走行車線数325、開始ノードに接続されたリンクと終了ノードに接続されたリンクとを示す開始接続リンクと終了接続リンク326、リンクを含む道路の名称(例えば、「国道1号」等)を示す名称327、などを含んでいる。
なお、地図情報テーブル200と同様、地図変化情報テーブル300においても、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
旧統計交通情報記憶領域124は、旧統計交通情報を、統計交通情報テーブル400および速度パターンテーブル450の形式で記憶する。
新統計交通情報記憶領域125は、新統計交通情報を、統計交通情報テーブル400および速度パターンテーブル450の形式で記憶する。
図5は、統計交通情報テーブル400の構成例を示す図である。
統計交通情報テーブル400は、経路探索装置に必要な統計交通情報データである。
統計交通情報テーブル400は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)401や、平日または休日等の日の種類を示す日種402ごとに、そのメッシュに含まれる道路を構成する各リンクの平日のリンクデータ410、休日のリンクデータ420等を含む。
平日のリンクデータ410は、リンクの識別子であるリンクID411ごとに、リンクを走行する車両の平日の平均速度の目安となる速度と対応付けられた速度パターンID412等を含む。
同様に、休日のリンクデータ420は、リンクの識別子であるリンクID421ごとに、リンクを走行する車両の休日の平均速度の目安となる速度と対応付けられた速度パターンID422等を含む。
図6は、速度パターンテーブル450の構成例を示す図である。
速度パターンテーブル450は、経路探索に必要な統計交通情報データのうち、平均速度が時間帯により変化するパターンを示すデータである。
速度パターンテーブル450は、時間帯により平均速度が変化するパターンを識別する速度パターンID451ごとに、速度パターンデータ460が対応付けられる。
速度パターンデータ460は、基準速度461と、時間帯462と、時間帯462に対応付けられた基準速度比463と、を含む。
基準速度461は、基準となる固有の速度である。
時間帯462は、所定の時刻から所定の期間(例えば1時間)の時間帯を示す情報である。例えば、「0時〜1時」、「1時〜2時」等の時間帯である。
基準速度比463は、基準速度461に対する比である。例えば、基準速度461が「36(m/s)」であり、「0時〜1時」の時間帯462における基準速度比463が「0.6」であれば、「0時〜1時」の時間帯462における平均速度は36に0.6を積算した結果である21.6(m/s)であることを示す。
配信情報記憶領域126は、ナビゲーション装置100へ配信する情報を記憶する。
図7は、配信情報テーブル500の構成例を示す図である。
配信情報テーブル500は、ナビゲーション装置100に対して配信する交通情報である。
配信情報テーブル500は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)501ごとに、平日または休日等の日の種類を示す日種502を含む。
日種502に応じて、そのメッシュに含まれる道路を構成する各リンクの平日のリンクデータ510、休日のリンクデータ520等を含む。
平日のリンクデータ510は、リンクの識別子であるリンクID511ごとに、リンクを走行する車両の平日の平均速度の目安となる速度と対応付けられた速度パターンID512と、そのリンクが新地図情報において追加されたものであるか、変更されたものであるか、削除されたものであるか、を示す更新種別513等を含む。
同様に、休日のリンクデータ520は、リンクの識別子であるリンクID521ごとに、リンクを走行する車両の休日の平均速度の目安となる速度と対応付けられた速度パターンID522と、そのリンクが新地図情報において追加されたものであるか、変更されたものであるか、削除されたものであるか、を示す更新種別523等を含む。
制御部130は、地図変化情報作成部131と、配信情報作成部132と、配信部133と、を有する。
地図変化情報作成部131は、旧地図情報記憶領域121に記憶された旧地図情報と、新地図情報記憶領域122に記憶された新地図情報との間で変化した情報、特に道路に関する情報を抽出し、地図変化情報記憶領域123に記憶させる。
配信情報作成部132は、ナビゲーション装置100に対して配信する差分配信情報180および部分配信情報190を作成し、配信情報記憶領域126に記憶させる。
より具体的には、配信情報作成部132は、地図変化情報記憶領域123に記憶された地図変化情報に含まれる各リンクに対応付けられた新たな統計交通情報が周辺のリンクに対応付けられた旧統計交通情報と類似するか否かを判定する。
そして、類似する場合には、配信情報作成部132は、類似するリンクに対応付けられた旧統計交通情報を、地図変化情報に含まれる当該リンクの統計交通情報として対応付け、差分配信情報180を作成する。
そして、配信情報作成部132は、差分配信情報180を配信情報記憶領域126の配信情報テーブル500に記憶させる。
また、配信情報作成部132は、新地図情報記憶領域122に記憶された新地図情報と、新統計交通情報記憶領域125に記憶された新統計交通情報と、を所定の地域ごとに分割した情報を作成し、部分配信情報190とする。
そして、配信情報作成部132は、部分配信情報190を配信情報記憶領域126の図示しない領域に記憶させる。
配信部133は、ナビゲーション装置100から更新要求を受けると、要求に応じた配信情報を配信情報記憶領域126から特定して、ナビゲーション装置100にネットワーク150を介して送信する。
具体的には、配信部133は、ナビゲーション装置100から受け付けた配信要求が差分更新要求であれば、配信情報記憶領域126の配信情報テーブル500に記憶された差分配信情報を取得し、ナビゲーション装置100に対して通信部140を介して送信する。
また、配信部133は、ナビゲーション装置100から受け付けた配信要求が部分更新要求であれば、配信情報記憶領域126に記憶された部分配信情報を取得し、ナビゲーション装置100に対して通信部140を介して送信する。
通信部140は、ネットワーク150に接続し、他の接続された機器に対して情報を送信し、他の接続された機器から情報を受信する。
図8に、統計交通情報提供装置110のハードウェア構成図を示す。
統計交通情報提供装置110は、ネットワーク150を介して、ナビゲーション装置100と通信を行うことができる。
統計交通情報提供装置110は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)や、ワークステーション、サーバ装置、各種携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などの計算機である。
統計交通情報提供装置110は、通信装置113と、演算装置114と、主記憶装置115と、外部記憶装置116と、それぞれの装置を互いに接続するバス117と、を有する。
通信装置113は、ネットワーク150などのネットワークを介して他の装置と通信を行う装置である。
演算装置114は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
主記憶装置115は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
外部記憶装置116は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
統計交通情報提供装置110の地図変化情報作成部131と、配信情報作成部132と、配信部133と、は統計交通情報提供装置110の演算装置114に処理を行わせるプログラムによって実現される。
このプログラムは、主記憶装置115または外部記憶装置116内に記憶され、実行にあたって主記憶装置115上にロードされ、演算装置114により実行される。
また、統計交通情報提供装置110の記憶部120は、統計交通情報提供装置110の主記憶装置115または外部記憶装置116により実現される。
統計交通情報提供装置110の通信部140は、統計交通情報提供装置110の通信装置113によって実現される。
図2の説明に戻る。
ネットワーク150は、携帯電話ネットワークなどの無線通信網であるが、インターネットや公衆用の無線LANなどの公衆網であってもよいし、その他通信を行うことが可能なネットワークであればよい。
ナビゲーション装置100は、現在地から目的地へ到る経路を探索し、使用者に対して探索した経路を誘導する。経路の探索と、経路の誘導と、に際し、地図情報および統計交通情報を用いる。
図9に、ナビゲーション装置100のハードウェア構成図を示す。
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3(少なくともリンクテーブル600と、統計交通情報テーブル700と、速度パターンテーブル750と、を記憶する)と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12と、を備えている。
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在位置を検出する。また、得られた現在位置情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、現在位置を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、使用者から指示された出発地(現在位置)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いて使用者を誘導する。
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
図10は、演算処理部1の機能ブロック図である。
図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、更新情報要求部104と、更新情報受信部105と、情報更新部106と、を有する。
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、マップマッチングを行った結果得られた信頼度とを対応付けて、現在位置を示す座標を取得し、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。そして、マップマッチングを行った結果得られた現在位置を示す座標を地図に重畳させて表示する現在位置表示機能を備える。
さらに、主制御部101は、各処理部からの要求に応じて、GPS等の情報に基づき特定した現在位置を出力する。
また、主制御部101は、目的地の指定を、入力受付部102を介して受け付けると、現在位置を出発地として、目的地へ到る経路をダイクストラ法等により探索する経路探索機能を備える。
また、主制御部101は、経路探索機能により探索した経路と、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在位置と、を地図に重畳させて表示することで、使用者を誘導する経路誘導機能を備える。
入力受付部102は、タッチパネル51やダイヤルスイッチ52等を含む入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。
例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、その要求を受け付け、主制御部101に対応する処理を実施するよう要求する。
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換して、ディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
更新情報要求部104は、所定のタイミングにおいて、地図情報と統計交通情報の更新を行うために、統計交通情報提供装置110に対して地図と統計交通情報の更新情報を要求する。
具体的には、更新情報要求部104は、使用者からの指示を受け付けた後、あるいはナビゲーション装置100が起動した後等において、差分更新要求または部分更新要求を統計交通情報提供装置110に対して通信装置12を介して送信する。
更新情報受信部105は、通信装置12を介して受信した差分配信情報または部分配信情報を受信する。そして、更新情報受信部105は、記憶装置3の図示しない所定の領域に受信した配信情報を記憶させる。
情報更新部106は、更新情報受信部105が受信し記憶装置3の所定の領域に記憶させた配信情報を取得し、取得した配信情報を用いて記憶装置3のリンクテーブル600と、統計交通情報テーブル700と、速度パターンテーブル750と、を更新する。
なお、上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、更新情報要求部104、更新情報受信部105、情報更新部106、は、CPU21がRAM22にロードしたプログラムを実行することにより達成される。
図9の説明に戻る。
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
記憶装置3は、HDDや不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
この記憶媒体には、リンクテーブル600と、統計交通情報テーブル700と、速度パターンテーブル750と、が記憶されている。
リンクテーブル600の構成は、上述した地図情報テーブル200と同様の構成を備える(図3参照)。
すなわち、リンクテーブル600は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)ごとに、そのメッシュに含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータを含んでいる。
リンクデータは、リンクの識別子であるリンクIDごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報、リンクを含む道路の種別を示す道路種別、リンクの長さを示すリンク長、リンクを含む道路の車線数を示す走行車線数、開始ノードに接続されたリンクと終了ノードに接続されたリンクとを示す開始接続リンクと終了接続リンク、リンクを含む道路の名称(例えば、「国道1号」等)を示す名称、などを含んでいる。
統計交通情報テーブル700の構成は、上述した統計交通情報テーブル400と同様の構成を備える(図5参照)。
すなわち、統計交通情報テーブル700は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)や、平日または休日等の日の種類を示す日種ごとに、そのメッシュに含まれる道路を構成する各リンクの平日のリンクデータ、休日のリンクデータ等を含んでいる。
平日のリンクデータは、リンクの識別子であるリンクIDごとに、リンクを走行する車両の平日の平均速度の目安となる基準速度と対応付けられた速度パターンID等を含む。
同様に、休日のリンクデータは、リンクの識別子であるリンクIDごとに、リンクを走行する車両の休日の平均速度の目安となる基準速度と対応付けられた速度パターンID等を含む。
速度パターンテーブル750の構成は、上述した速度パターンテーブル450と同様の構成を備える(図6参照)。
すなわち、速度パターンテーブル750は、時間帯毎の平均速度が変化するパターンを識別する速度パターンIDごとに、速度パターンデータが対応付けられる。
速度パターンデータは、基準速度と、時間帯と、時間帯に対応付けられた基準速度比と、を含む。
基準速度は、基準となる固有の速度である。
時間帯は、所定の時刻から所定の期間(例えば1時間)の時間帯を示す情報である。例えば、「0時〜1時」、「1時〜2時」等の時間帯である。
基準速度比は、基準速度に対する比である。例えば、基準速度が「36(m/s)」であり、「0時〜1時」の時間帯における基準速度比が「0.6」であれば、「0時〜1時」の時間帯における平均速度は36に0.6を積算した結果である21.6(m/s)であることを示す。
図9に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在位置(自車位置)を検出するために使用されるものである。
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定するものである。
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
ビーコン受信装置11は、VICS(登録商標、Vehicle Information and Communication System)情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
通信装置12は、携帯電話網などのネットワーク150に接続し、通信を行う装置である。なお、通信装置12は、ネットワーク150に接続することのできる外部装置(例えばナビゲーション装置100の外部に存在する携帯電話機)との接続を担う装置であってもよい。
次に、統計交通情報提供装置110の動作について説明する。
図11は、統計交通情報提供装置110の差分配信情報作成処理の処理フローを示す図である。
差分配信情報作成処理は、統計交通情報提供装置110において、差分配信情報180を作成する処理である。
差分配信情報作成処理は、運用スケジュールに従って、定期的に起動されるものである。
もちろん、統計交通情報提供装置110をオペレータが操作することで起動されるものであってもよいし、後述する配信処理の起動時に先行処理として起動されるものであってもよい。
まず、地図変化情報作成部131は、旧地図と新地図を比較し、地図変化情報を作成する(ステップS001)。
具体的には、地図変化情報作成部131は、旧地図情報記憶領域121に記憶された旧地図の情報と、新地図情報記憶領域122に記憶された新地図の情報と、を比較し、追加されたリンクを特定する。
そして、地図変化情報作成部131は、特定したリンクについてリンクデータ202を新地図の情報から取得し、地図変化情報テーブル300に対応する情報として設定する。その際、更新種別312には、「追加」の値を設定する。
また、地図変化情報作成部131は、旧地図情報記憶領域121に記憶された旧地図の情報と、新地図情報記憶領域122に記憶された新地図の情報と、を比較し、変更されたリンクを特定する。
そして、地図変化情報作成部131は、特定したリンクについてリンクデータ202を新地図の情報から取得し、地図変化情報テーブル300に対応する情報として設定する。その際、更新種別312には、「変更」の値を設定する。
また、地図変化情報作成部131は、旧地図情報記憶領域121に記憶された旧地図の情報と、新地図情報記憶領域122に記憶された新地図の情報と、を比較し、削除されたリンクを特定する。
そして、地図変化情報作成部131は、特定したリンクについて地図変化情報テーブル300のリンクID311にそのリンクIDを設定し、更新種別312に、「削除」の値を設定する。
次に、配信情報作成部132は、ステップS001において地図変化情報テーブル300に記憶された地図変化情報からリンクを一つ抽出する(ステップS002)。
具体的には、配信情報作成部132は、地図変化情報テーブル300のメッシュID301の若い順に、リンクデータ302を特定し、リンクデータ302に含まれるリンクID311の若い順に、リンクID311の値と、更新種別312の値と、を読み出す。
次に、配信情報作成部132は、ステップS002において抽出したリンクについて、新地図において追加されたもの、変更されたもの、のいずれかに該当するか否かを判定する(ステップS003)。
具体的には、配信情報作成部132は、ステップS002において読み出したリンクID311に対応する更新種別312の値が「追加」または「更新」であるか否かを判定する。
抽出したリンクが追加されたもの、あるいは変更されたもの、のいずれにも該当しない場合、すなわち「削除」の場合には(ステップS003にて「No」)、配信情報作成部132は、抽出したリンクを配信情報として配信情報テーブル500に記憶させる(ステップS004)。
具体的には、配信情報作成部132は、抽出したリンクのリンクIDを配信情報テーブル500の平日のリンクデータ510のリンクID511と、休日のリンクデータ520のリンクID521と、に設定する。
そして、配信情報作成部132は、平日のリンクデータ510の更新種別513と、休日のリンクデータ520の更新種別523と、に「削除」の値を設定し、後述するステップS009へ制御を移す。
抽出したリンクが追加されたもの、あるいは変更されたもの、のいずれかに該当する場合には(ステップS003にて「Yes」)、配信情報作成部132は、抽出したリンクが新たな速度パターンと対応付けられているか否かを判定する(ステップS005)。
具体的には、配信情報作成部132は、抽出したリンクのリンクIDに対応する新統計交通情報テーブル400の平日の速度パターンID412と休日の速度パターンID422を特定する。そして、特定した平日の速度パターンのIDと休日の速度パターンのIDのいずれかが、旧統計交通情報である速度パターンテーブル450の速度パターンID451に含まれないIDであるか否かを判定する。
平日と休日の速度パターンのIDが共に旧統計交通情報である速度パターンID451に含まれるIDであれば(ステップS005にて「No」)、配信情報作成部132は、後述するステップS008に制御を移す。
旧統計交通情報である速度パターンID451に含まれないIDであれば(ステップS005にて「Yes」)、配信情報作成部132は、抽出したリンクの周辺のリンクのうちから、速度パターン等の属性が類似するリンクを特定する(ステップS006)。
具体的には、配信情報作成部132は、後述する類似リンク検出処理を実施する。
次に、配信情報作成部132は、旧統計交通情報から、ステップS006にて特定した類似するリンクの速度パターンIDを取得し、ステップS002にて抽出したリンクと対応付ける(ステップS007)。
具体的には、配信情報作成部132は、類似するリンクのリンクIDをキーとして旧統計交通情報の統計交通情報テーブル400を検索し、平日のリンクデータ410の速度パターンID412と、休日のリンクデータ420の速度パターンID422と、を取得する。
次に、配信情報作成部132は、ステップS002にて抽出したリンクと、対応する速度パターンIDと、を対応付けて、配信情報として配信情報記憶領域126に記憶させる(ステップS008)。
具体的には、配信情報作成部132は、ステップS002にて抽出したリンクのリンクID311と、類似するリンクあるいは抽出したリンクそのものの、平日の速度パターンID412とを、それぞれ、配信情報テーブル500の平日のリンクデータ510のリンクID511と、速度パターンID512と、に設定する。
さらに、配信情報作成部132は、更新種別513に「追加」または「変更」の対応する値を設定する。
同様に、配信情報作成部132は、ステップS002にて抽出したリンクのリンクID311と、類似するリンクあるいは抽出したリンクそのものの、休日の速度パターンID422とを、それぞれ、配信情報テーブル500の休日のリンクデータ520のリンクID521と、速度パターンID522と、に設定する。
さらに、配信情報作成部132は、更新種別523に「追加」または「変更」の対応する値を設定する。
また、配信情報作成部132は、新地図情報に含まれるリンクデータ211を取得し、配信情報記憶領域126の図示しない領域に記憶させる。
次に、配信情報作成部132は、地図変化情報テーブル300の全てのリンクに対して上記ステップS002〜ステップS008までの処理を実施済みであるか否かを判定する(ステップS009)。
全てのリンクに対して処理を実施済みである場合(ステップS009にて「Yes」)、配信情報作成部132は差分配信情報作成処理を終了させる。
全てのリンクに対して処理を実施済みではない場合(ステップS009にて「No」)、配信情報作成部132はステップS002に処理を戻す。
以上が、差分配信情報作成処理である。
差分配信情報作成処理を実施することによって、新旧の地図情報において変化した道路の情報について、その道路に対応付けられた速度パターンIDが変化前の速度パターンテーブルの体系に含まれないIDである場合には、類似する道路の旧体系の統計交通情報と対応をとり直すことができる。そのため、速度パターンテーブルに関する新旧の変化を配信情報から省くことが可能となり、配信情報のデータ量を抑えることができる。
図12は、類似リンク検出処理の処理フローを示す図である。
類似リンク検出処理は、差分配信情報作成処理のステップS006にて、配信情報作成部132が実施する処理である。
まず、配信情報作成部132は、差分配信情報作成処理のステップS002にて抽出されたリンクを、基準リンクとして設定する(ステップS101)。
次に、配信情報作成部132は、基準リンクから4リンク内にあるリンクであって、基準リンクと所定の関係にあるリンクを検索する(ステップS102)。
具体的には、配信情報作成部132は、基準リンクから4リンク内にあるリンクを新地図情報記憶領域122から取得する。
そして、配信情報作成部132は、取得したリンクの中から、基準リンクと同一の道路種別を有し、走行車線数が基準リンクと同一であり、旧統計情報における基準速度が類似(例えば5m/s差内)し、全ての時間帯において、旧統計情報における基準速度比が類似(例えば0.1ポイント差内)するリンクを特定する。
そして、配信情報作成部132は、特定したリンクのうち、基準リンクとの間に経由するリンク数が最も少ないリンクを所定の関係にあるリンクであると特定する。
次に、配信情報作成部132は、ステップS102において、所定の関係にあるリンクが無かったか否かを判定する(ステップS103)。
所定の関係にあるリンクがあった場合(ステップS103にて「No」)、配信情報作成部132は後述するステップS107に制御を移す。
所定の関係にあるリンクが無かった場合(ステップS103にて「Yes」)、配信情報作成部132は、ステップS102よりも条件を緩めた所定の関係にあるリンクを検索する(ステップS104)。
具体的には、配信情報作成部132は、基準リンクから4リンク内にあるリンクを新地図情報記憶領域122から取得する。
そして、配信情報作成部132は、取得したリンクの中から、基準リンクと類似の道路種別(例えばどちらも「一般道」あるいは「高速道路」)を有し、走行車線数が基準リンクと類似(例えば一車線差)であり、旧統計情報における基準速度が類似(例えば5m/s差内)し、全ての時間帯において、旧統計情報における基準速度比が類似(例えば0.1ポイント差内)するリンクを特定する。
そして、配信情報作成部132は、特定したリンクのうち、基準リンクとの間に経由するリンク数が最も少ないリンクを所定の関係にあるリンクであると特定する。
次に、配信情報作成部132は、ステップS104において、所定の関係にあるリンクが無かったか否かを判定する(ステップS105)。
所定の関係にあるリンクがあった場合(ステップS105にて「No」)、配信情報作成部132は後述するステップS107に制御を移す。
所定の関係にあるリンクが無かった場合(ステップS105にて「Yes」)、配信情報作成部132は、予め定められたリンク(デフォルトリンク)を所定の関係にあるリンクとして特定し、類似リンク検出処理を終了させる(ステップS106)。
所定の関係にあるリンクがあった場合(ステップS103にて「No」またはステップS105にて「No」)、配信情報作成部132は、所定の関係にあるリンクを特定し、類似リンク検出処理を終了させる(ステップS107)。
以上が、類似リンク検出処理である。
類似リンク検出処理を実施することで、基準リンクと付近のリンクを比較し、類似するリンクを特定することができる。
図13は、類似リンク検出処理の具体例を示す図である。
所定の地点を示すノードであるノード901と、ノード902と、を結ぶ道路の一部であるリンク903が基準リンク(例えば新設された道路)であるとすると、基準リンク903から4リンク離れたリンク904はステップS102、ステップS104の検索対象となる。そして、リンク904が基準リンク903と類似する場合には、所定の関係にあるリンクであるといえる。また、基準リンク903から5リンク離れたリンク905、およびリンク906は、検索対象とはならないため、基準リンク903と所定の関係にあるリンクとして検索される事はない。
図14は、統計交通情報提供装置110の部分配信情報作成処理の処理フローを示す図である。
部分配信情報作成処理は、部分更新要求に応じて配信する新地図と、新地図に対応する部分の統計交通情報と、を作成する処理である。
部分配信情報作成処理は、運用スケジュールに従って、定期的に起動されるものである。
もちろん、統計交通情報提供装置110をオペレータが操作することで起動されるものであってもよいし、後述する配信処理の起動時に先行処理として起動されるものであってもよい。
まず、配信情報作成部132は、新地図情報を地域に区切り、配信情報記憶領域126に記憶させる(ステップS201)。
具体的には、配信情報作成部132は、新地図情報を予め定められた地方等の地域(例えば都道府県単位)に区切り、配信情報記憶領域126の図示しない領域にそれぞれ記憶させる。
次に、配信情報作成部132は、地域ごとに、含まれるリンクごとの統計情報を対応付けて、配信情報記憶領域126の図示しない領域に記憶させる(ステップS202)。
具体的には、配信情報作成部132は、ステップS201で区切った各地域に含まれるメッシュを特定し、メッシュに含まれるリンクとしてリンクデータ202を新地図情報の地図情報テーブル200から読み出し、配信情報記憶領域126の図示しない領域に記憶させる。
そして、配信情報作成部132は、読み出したリンクデータ202のリンクID211ごとに、統計交通情報テーブル400から対応する平日のリンクデータ410と、休日のリンクデータ420と、を読み出し、配信情報記憶領域126の図示しない領域に記憶させる。
さらに、配信情報作成部132は、読み出した平日のリンクデータ410と、休日のリンクデータ420と、に含まれる速度パターンID412、422を重複無く読み出し、速度パターンIDに該当する速度パターンデータ460を速度パターンテーブル450から読み出す。そして、読み出した速度パターンデータ460を配信情報記憶領域126の図示しない領域に記憶させる。
以上が、部分配信情報作成処理である。
部分配信情報作成処理を実施することで、統計交通情報提供装置110は、ナビゲーション装置から要求される部分更新要求に応じて配信する地図情報と統計交通情報を作成することが可能となる。
図15は、統計交通情報配信装置110の配信処理の処理フローを示す図である。
配信処理は、ナビゲーション装置100から送信された更新要求に応じて配信情報を送信する処理である。
配信処理は、更新要求がナビゲーション装置100の更新情報要求部104から送信されることで開始される。
まず、配信部133は、配信要求を受信する(ステップS301)。
具体的には、通信部140は、ネットワーク150を介してナビゲーション装置100の更新情報要求部104から送信された更新要求を受け付けると、受け付けた情報を配信部133に転送する。
次に、配信部133は、受け付けた配信要求が差分更新要求か否かを判定する(ステップS302)。
受け付けた配信要求が差分更新要求であれば(ステップS302にて「Yes」)、配信部133は、差分配信情報を配信情報記憶領域126から特定し、読み出す(ステップS303)。
次に、配信部133は、読み出した差分配信情報を要求元のナビゲーション装置100に対して送信し、配信処理を終了する(ステップS304)。
受け付けた配信要求が部分更新要求であれば(ステップS302にて「No」)、配信部133は、配信要求から統計交通情報の対象地域の指定を取得する(ステップS305)。
次に、配信部133は、更新の対象地域に応じた部分配信情報を配信情報記憶領域126から特定し、読み出す(ステップS306)。
次に、配信部133は、読み出した部分配信情報を要求元のナビゲーション装置100に対して送信し、配信処理を終了する(ステップS307)。
以上が、配信処理である。
配信処理を実施することで、要求に応じて、差分配信情報、部分配信情報のいずれかをナビゲーション装置100に対して配信することが可能となる。
図16は、ナビゲーション装置100の更新処理の処理フローを示す図である。
更新処理は、ナビゲーション装置100において、受信した配信情報に基づいて、地図情報または統計交通情報を更新する処理である。更新処理は、受信後すぐに実施することとしてもよいし、ナビゲーション装置100の電源を切断する際に実施することとしてもよい。
まず、情報更新部106は、統計交通情報提供装置110から送信された配信情報を、更新情報受信部105を介して受信すると、受信した配信情報が差分配信情報180であるか否かを判定する(ステップS401)。
受信した配信情報が差分配信情報180であれば(ステップS401にて「Yes」)、情報更新部106は、受信した差分配信情報180に含まれるリンクと、リンクデータと、速度パターンIDと、更新種別と、を用いて、リンクテーブル600と、統計交通情報テーブル700と、を更新し、更新処理を終了する(ステップS402)。
具体的には、情報更新部106は、受信した差分配信情報180に含まれる更新種別が「追加」であるリンクについては、リンクIDとリンクデータとを記憶装置3に記憶されたリンクテーブル600に追加し、統計交通情報テーブル700に当該リンクの速度パターンIDとともに追加する。
また、情報更新部106は、受信した差分配信情報180に含まれる更新種別が「変更」であるリンクについては、記憶装置3に記憶されたリンクテーブル600のリンクデータを変更し、統計交通情報テーブル700の当該リンクについての速度パターンIDを変更する。
また、情報更新部106は、受信した差分配信情報180に含まれる更新種別が「削除」であるリンクについては、記憶装置3に記憶されたリンクテーブル600のリンクIDとリンクデータを削除し、統計交通情報テーブル700の当該リンクについてのリンクIDと速度パターンIDを削除する。
受信した配信情報が部分配信情報190であれば(ステップS401にて「No」)、情報更新部106は、受信した差分配信情報180に含まれるリンクと、リンクデータと、速度パターンIDと、更新種別と、速度パターンデータと、を用いて、リンクテーブル600と、統計交通情報テーブル700と、速度パターンテーブル750と、の全体を上書きして更新し、更新処理を終了する(ステップS403)。
以上が、更新処理である。
更新処理を実施することにより、ナビゲーション装置100は、ナビゲーション装置100が備える地図情報と統計交通情報等を新しいバージョンに更新することができるため、環境変化に合わせた適切な経路探索、経路誘導を実施することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明した。
本発明の一実施形態においては、使用者は、通常であれば必要となる地図の変化に合わせた統計交通情報の更新に必要な通信量を抑えることが可能となる。
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態の類似リンク検出処理のステップS102、ステップS104において、道路種別と、走行車線数と、基準速度と、基準速度比を用いて類似リンクを検索しているが、これに限らず、例えば交差点を通行する際にリンクコストに追加する交差点リンクコストや、その他の道路の属性に関する情報を用いて類似リンクを検索するようにしてもよい。
このようにすることで、ステップS102およびステップS104において、類似するリンクをより精緻に検出することができる。
以上が、変形の例である。
なお、上記の実施形態では、本発明を、車載用ナビゲーション装置を含む地図配信システムに適用した例を用いて説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置を含む地図配信システムに適用することも可能である。
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・更新情報要求部、105・・・更新情報受信部、106・・・情報更新部、110・・・統計交通情報提供装置、120・・・記憶部、130・・・制御部、140・・・通信部、150・・・ネットワーク、180・・・差分配信情報、190・・・部分配信情報、200・・・地図情報テーブル、300・・・地図変化情報テーブル、400・・・統計交通情報テーブル、450・・・速度パターンテーブル、500・・・配信情報テーブル、600・・・リンクテーブル、700・・・統計交通情報テーブル、750・・・速度パターンテーブル、1000・・・地図配信システム