JP5218166B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の各気筒に導入されるEGRガスの量を推定する内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に記載の内燃機関の制御装置にあっては、過渡状態にあっても内燃機関の各気筒に導入される空気の量を正確に推定することができるように、スロットル弁モデルや、吸気管モデル、吸気弁モデル等の物理モデルに基づいて作成された演算式を利用して各気筒に充填される気体の量である筒内充填ガス量を算出するようにしている。
また、特許文献1に記載の内燃機関にあっては、各気筒に接続されている吸気枝管にEGR通路がそれぞれ接続されており、これらEGR通路を通じて各気筒にEGRガスが導入されるようになっている。そして、特許文献1に記載の内燃機関の制御装置にあっては、各気筒に導入されるEGRガスの量を筒内吸入EGRガス量として算出し、この筒内吸入EGRガス量を筒内充填ガス量から減算することにより、各気筒に充填された気体のうち、燃焼に供される空気の量である筒内吸入新気量を算出するようにしている。こうして筒内吸入新気量を算出することにより、過渡状態にあっても燃焼に供される空気の量を正確に把握することができ、これに応じた的確な機関制御を実現することができるようになる。
特開2007‐64230号公報
ところで、上記のようにEGR通路を各吸気枝管に接続させる場合には、サージタンクから分岐して各気筒に接続する吸気枝管の各々にEGR通路を接続する必要があるため、その構造が複雑になり内燃機関が大型化するとともに、製造コストの増大や製造工程の煩雑化を招くおそれがある。また、各EGR通路内に生じるデポジットの堆積量や、各EGR通路の劣化度合にばらつきが生じると、各気筒に導入されるEGRガスの量にばらつきが生じてしまうおそれもある。
これに対して、各吸気枝管にEGR通路をそれぞれ接続するのではなく、吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位にEGR通路を接続し、サージタンク及び吸気枝管を通じて各気筒にEGRガスを導入する構成を採用することも考えられている。
こうした構成を採用すれば、吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位に接続するEGR通路を1つ設けるだけで各気筒にEGRガスを導入することができるようになる。そのため、各吸気枝管に対してそれぞれEGR通路を接続する特許文献1に記載の構成と比較してEGR通路を設けることによるコストの増大や製造工程の煩雑化を抑制することができるとともに、内燃機関の大型化を抑制することができる。また、各気筒にそれぞれ接続された各EGR通路へのデポジットの堆積量や各EGR通路の劣化度合にばらつきが生じるといったことがなくなるため、こうしたばらつきに起因して各気筒に導入されるEGRガスの量にばらつきが生じることも回避することができる。
しかしながら、吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位にEGR通路を接続し、ここから各気筒にEGRガスを導入するようにした場合には、EGR通路が接続された部位から各気筒までの距離が気筒毎に異なるようになる。そのため、吸気通路におけるEGR通路が接続された部位に近い気筒にあっては、EGRガスの量を調量するEGR弁の開度変化に伴って気筒内に導入されるEGRガスの量が速やかに変化する一方、EGR通路が接続された部位から遠い気筒にあってはEGR弁の開度が変更されてから気筒内に導入されるEGRガスの量が変化するまでに時間がかかるようになる。すなわち、EGR弁の開度変更に伴う筒内吸入EGRガス量の変化態様が気筒毎に異なるようになり、各気筒の筒内吸入EGRガス量を正確に推定することが困難になってしまう。その結果、筒内吸入新気量の算出精度が低下し、算出された筒内吸入新気量に基づく機関各部の制御が実際に気筒内に導入されている空気の量に適切に対応したものではなってしまい、ひいては失火やノッキングが生じるようになるおそれがある。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものでありその目的は、EGR通路が吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位に接続された内燃機関において、各気筒に導入されるEGRガスの量を的確に推定し、失火やノッキングの発生を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、EGR通路が吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位に接続された内燃機関の各気筒に導入されるEGRガスの量である筒内吸入EGRガス量を、前記EGR通路に設けられたEGR弁を通過するEGRガスの量であるEGR弁通過ガス量に基づいて算出する内燃機関の制御装置であって、前記EGR弁を通過したEGRガスが各気筒に到達するまでにかかる時間に相当する無駄時間と、前記サージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響に相当する前記EGR弁通過ガス量の変化に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れとを気筒毎にそれぞれ考慮して、前記筒内吸入EGRガス量を気筒毎に算出し、前記吸気通路における前記EGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど前記無駄時間が長くなるように、前記EGR通路が接続された部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に前記無駄時間の長さを設定することをその要旨とする。
気筒内に導入されるEGRガスの量に対するEGRガスの輸送遅れの影響やサージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響の度合は、吸気通路におけるEGR通路が接続された部位から各気筒までの距離に応じて変化する。これに対して、上記請求項1に記載の構成にあっては、輸送遅れに相当する無駄時間と、EGRガスの拡散の影響に相当する追従遅れとを気筒毎にそれぞれ考慮し、気筒毎に筒内吸入EGRガス量を算出するようにしている。そのため、EGR通路が接続された部位から各気筒までの距離が異なる場合であっても、EGRガスの輸送遅れの影響と、サージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響とを的確に反映させて筒内吸入EGRガス量を推定することができるようになる。したがって、上記請求項1に記載の発明によれば、各気筒に導入されるEGRガスの量を的確に推定することができるようになり、ひいては推定された筒内吸入EGRガス量に基づいて的確に筒内吸入新気量を推定することができるようになるため、失火やノッキングの発生を抑制することができるようになる。
ここで、吸気通路におけるEGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど、EGR通路から吸気通路に導入されたEGRガスが同気筒に到達するまでの遅れである輸送遅れの影響が大きくなり、EGR弁を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の応答が遅れるようになる。そのため、気筒毎に異なる輸送遅れの影響を筒内吸入EGRガス量の算出に的確に反映させるために、EGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど輸送遅れに相当する無駄時間が長くなるように、EGR通路が接続された部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に無駄時間の長さを設定する。これにより、EGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど、EGR弁通過ガス量の変化に対して筒内吸入EGRガス量が遅れて変化するようになり、気筒毎に異なるEGRガスの輸送遅れの度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量を算出することができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の内燃機関の制御装置において、機関回転速度が高いときほど前記無駄時間が短くなるように、機関回転速度に基づいて前記無駄時間の長さを補正することをその要旨とする。
機関回転速度が高いとき、すなわち吸気通路内の負圧が大きく、同吸気通路内を流れる空気の流速が速いときほど、EGR通路から導入されたEGRガスが速やかに各気筒に導入されるようになる。すなわち機関回転速度が高いときほど、EGRガスの輸送遅れは小さくなる。これに対して上記請求項に記載の発明では、機関回転速度が高いときほど無駄時間が短くなるように、機関回転速度に基づいて無駄時間の長さを補正するようにしている。こうした構成によれば、機関回転速度に応じて変化するEGRガスの輸送遅れの度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量を算出することができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、前記吸気通路における前記EGR通路が接続される部位からの距離が遠い気筒ほど前記EGR弁通過ガス量に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れの時定数が大きくなるように、前記EGR通路が接続される部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に前記時定数の大きさを設定することをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、EGR通路が吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位に接続された内燃機関の各気筒に導入されるEGRガスの量である筒内吸入EGRガス量を、前記EGR通路に設けられたEGR弁を通過するEGRガスの量であるEGR弁通過ガス量に基づいて算出する内燃機関の制御装置であって、前記EGR弁を通過したEGRガスが各気筒に到達するまでにかかる時間に相当する無駄時間と、前記サージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響に相当する前記EGR弁通過ガス量の変化に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れとを気筒毎にそれぞれ考慮して、前記筒内吸入EGRガス量を気筒毎に算出し、前記吸気通路における前記EGR通路が接続される部位からの距離が遠い気筒ほど前記EGR弁通過ガス量に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れの時定数が大きくなるように、前記EGR通路が接続される部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に前記時定数の大きさを設定することを要旨とする。
EGR通路から吸気通路に導入されたEGRガスは、各気筒に導入されるまでの間にサージタンク内で拡散し、吸気通路内の空気と混合する。そのため、吸気通路におけるEGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど、サージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響を受けやすくなり、EGR弁を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の応答が小さくなる。すなわちEGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど、EGR弁を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の追従遅れが大きくなる。そのため、請求項3又は4に記載の発明では、気筒毎に異なる上記拡散の影響を筒内吸入EGRガス量の算出に的確に反映させるためにEGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほどEGR弁通過ガス量に対する追従遅れの時定数が大きくなるように、EGR通路が接続された部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に時定数の大きさを設定する構成を採用する。こうした構成を採用すれば、EGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど、EGR弁通過ガス量の変化に対する筒内吸入EGRガス量の追従遅れが大きくなり、気筒毎に異なるEGRガスの拡散の影響度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量を算出することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置において、機関回転速度が高いときほど前記時定数が小さくなるように、機関回転速度に基づいて前記時定数の大きさを補正することをその要旨とする。
機関回転速度が高いとき、すなわち吸気通路内の負圧が大きく、同吸気通路内を流れる空気の流速が速いときほど、EGR通路から導入されたEGRガスがサージタンク内で拡散する前に各気筒に導入されやすくなる。すなわち機関回転速度が高いときほど、サージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響が小さくなり、EGR弁を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の追従遅れが小さくなる。これに対して上記請求項5に記載の発明では、機関回転速度が高いときほどEGR弁通過ガス量に対する追従遅れの時定数が小さくなるように、すなわちEGR弁通過ガス量の変化に対する筒内吸入EGRガス量の応答が大きくなるように機関回転速度に基づいて時定数の大きさを補正するようにしている。こうした構成によれば、機関回転速度に応じて変化するEGRガスの拡散の影響の度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量を算出することができるようになる。
この発明の一実施形態にかかる内燃機関の吸排気系と、同内燃機関を制御する電子制御装置の概略構成を示す模式図。 同実施形態にかかる筒内吸入EGRガス量の算出処理の流れを示すフローチャート。 機関回転速度に基づいて共通無駄時間を算出する際に参照する演算マップ。 機関回転速度に基づいて気筒別無駄時間を算出する際に参照する演算マップ。 機関回転速度に基づいて各気筒に対応する時定数を算出する際に参照する演算マップ。 EGR弁通過ガス量が変化したときの各気筒の筒内吸入EGRガス量の変化態様を示すタイムチャート。
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を、内燃機関を統括的に制御する電子制御装置として具体化した一実施形態について図1〜6を参照して説明する。尚、図1は本実施形態にかかる内燃機関の吸気系及び排気系の構成と、同内燃機関を統括的に制御する電子制御装置の概略構成を示している。
図1に示されるように本実施形態にかかる内燃機関10は、第1気筒11a、第2気筒11b、第3気筒11c、第4気筒11dからなる4つの気筒11a,11b,11c,11dが一列に並んだ状態で配設された直列4気筒のガソリンエンジンである。
図1に示されるように内燃機関10には、吸気通路20と排気通路30とが接続されている。吸気通路20にはモータ22によって開閉駆動されるスロットル弁21が設けられており、このスロットル弁21の開度が制御されることによって吸入空気量が調量される。
吸気通路20におけるスロットル弁21よりも下流側の部位には、サージタンク23が設けられている。そして、このサージタンク23には、第1気筒11aに接続する第1吸気枝管24aと、第2気筒11bに接続する第2吸気枝管24bと、第3気筒11cに接続する第3吸気枝管24cと、第4気筒11dに接続する第4吸気枝管24dとがそれぞれ接続されている。これにより、図1に矢印で示されるように各気筒11a,11b,11c,11dには、各吸気枝管24a,24b,24c,24dを通じて吸気が導入されるようになっている。
一方、排気通路30は排気マニホルド31を介して各気筒11a,11b,11c,11dに接続されており、各気筒11a,11b,11c,11dから排出された排気がこの排気マニホルド31でまとめられて排気通路30を通じて排出されるようになっている。
また、排気通路30には、図1に示されるように吸気通路20におけるスロットル弁21よりも下流側であり且つサージタンク23よりも上流側の部位に接続し、排気通路30を流れる排気の一部を吸気通路20に還流するEGR通路40が接続されている。このEGR通路40にはステップモータ42によってその開度が変更されるEGR弁41が設けられており、このEGR弁41の開度が変更されることにより排気通路30から吸気通路20に還流する排気の量が調量される。尚、本実施形態のEGR弁41にあっては、ステップモータ42のステップ数stpが増大するほどEGR弁41の開度が大きくなるようになっている。
上記スロットル弁21の開度制御やこうしたEGR弁41の開度制御は、内燃機関10を統括的に制御する電子制御装置100によって実行される。電子制御装置100は、機関制御にかかる各種演算処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、機関制御用の演算プログラムや演算マップ、各種データが記憶された読み出し専用メモリ(ROM)、演算の結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。
図1に示されるように電子制御装置100には、下記のようなセンサが接続されている。アクセルポジションセンサ50は運転者によるアクセルペダルの操作量を検出する。エアフロメータ51は内燃機関10に導入される吸入空気量及び吸気温度を検出する。回転速度センサ52は内燃機関10の出力軸の回転速度に基づいて機関回転速度NEを検出する。車速センサ53は車速信号を出力する。スロットルポジションセンサ54はスロットル弁21の開度であるスロットル開度信号を出力する。また、排気通路30に設けられる空燃比センサ55は排気の酸素濃度を検出する。
電子制御装置100は、これらの各種センサ50〜55からの出力信号に基づいて、車両を統括的に制御する。具体的には、アクセルポジションセンサ50によって検出されるアクセルペダルの操作量に基づいてモータ22を駆動し、スロットル弁21の開度を調整する。これによって、アクセルペダルの操作量に応じて内燃機関10の吸入空気量が制御されることとなる。
また、本実施形態の内燃機関10にあっては、特許文献1に記載された内燃機関と同様に、スロットル弁モデルの式、吸気管モデルの式、吸気弁モデルの式を利用して、各気筒11a,11b,11c,11dに導入される吸気の量である筒内充填ガス量klcylを算出する。
尚、スロットル弁モデルの式は吸気通路20におけるスロットル弁21よりも下流側の部位の圧力である吸気管圧力Pmと、吸気温度と、スロットル開度とに基づいてスロットル通過吸気量を算出する式であり、吸気管モデルの式は吸気通路20のスロットル弁21よりも下流側の部位に流入する吸気のエネルギと吸気通路20のスロットル弁21よりも下流側の部位から流出する吸気のエネルギとの差が吸気通路20内の総エネルギの変化量と等しいという関係に基づいて流入する吸気の質量及び温度と、流出する吸気の質量及び温度とから吸気管圧力Pmと吸気通路20におけるスロットル弁21よりも下流側の部位の吸気の温度である吸気管温度とを算出する式である。そして、吸気弁モデルの式は吸気管圧力Pm及び吸気管温度の値から気筒11a,11b,11c,11dに吸入される吸気の量である筒内充填ガス量klcylを算出する式である。
また、本実施形態の内燃機関10にあっては、機関回転速度NE、EGR弁41を駆動するステップモータ42のステップ数stp及び吸気管圧力Pmに基づいてEGR弁41を通過するEGRガスの量であるEGR弁通過ガス量klegrを算出する。そして、このEGR弁通過ガス量klegrに基づいて各気筒11a,11b,11c,11dに導入されるEGRガスの量である筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)をそれぞれ算出する。
尚、筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)に付された符号「j」は気筒番号を示している。以下の説明では、第1気筒11aに対応する筒内吸入EGRガス量を「klegrsm(1)」、第2気筒11bに対応する筒内吸入EGRガス量を「klegrsm(2)」、第3気筒11cに対応する筒内吸入EGRガス量を「klegrsm(3)」、第4気筒11dに対応する筒内吸入EGRガス量を「klegrsm(4)」とする。
そして、上記筒内充填ガス量klcylから算出された筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を減算することにより、各気筒11a,11b,11c,11d内に導入された空気の量である筒内吸入新気量klair(j)をそれぞれ算出する。
尚、筒内吸入新気量klair(j)に付された符号「j」も気筒番号を示している。すなわち、第1気筒11aに対応する筒内吸入新気量は「klair(1)」、第2気筒11bに対応する筒内吸入新気量は「klair(2)」、第3気筒11cに対応する筒内吸入新気量は「klair(3)」、第4気筒11dに対応する筒内吸入新気量は「klair(4)」である。
電子制御装置100は、こうして算出された筒内吸入新気量klair(j)に基づいて内燃機関10の燃料噴射量や点火時期を気筒毎に制御するとともに、EGR弁41の開度等を制御する。
ところで、上記特許文献1に記載の内燃機関にあっては各気筒に接続される吸気枝管のそれぞれにEGR通路を接続させるようにしているが、本実施形態の内燃機関10にあっては図1に示されるように吸気通路20におけるスロットル弁21よりも下流側であり且つサージタンク23よりも上流側の部位にEGR通路40を接続させている。そのため、本実施形態の内燃機関10にあっては、吸気通路におけるEGR通路40が接続されたEGRガス導入部20Aから各気筒11a,11b,11c,11dまでの距離がそれぞれ異なっており、EGRガスの輸送遅れと、追従遅れの影響が気筒毎に異なるようになる。したがって、本実施形態の内燃機関10にあっては、過渡状態における筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)が気筒毎に異なるようになる。
そこで、本実施形態の電子制御装置100は、気筒毎に異なるEGRガスの輸送遅れと、追従遅れの影響を考慮し、気筒毎に筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出するようにしている。
以下、図2〜5を参照して本実施形態にかかる筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)の算出処理について説明する。尚、図2は本実施形態にかかる筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)の算出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は機関運転中に電子制御装置100によって制御周期Δt(例えば8ミリ秒)毎に繰り返し実行される。
図2に示されるようにこの処理が開始されると、電子制御装置100は、まずステップS100において、EGR弁41の開度を示すステップモータ42のステップ数stpを読み込むとともに、機関回転速度NE及び吸気管圧力Pmを読み込む。
そして、ステップS200において、EGR弁通過ガス量klegrを算出する。このステップS200にあっては、予め行う実験等の結果に基づいて作成された演算マップを参照してステップモータ42のステップ数stp及び吸気管圧力Pm、機関回転速度NEに基づいてEGR弁通過ガス量klegrを算出する。尚、この演算マップにあっては、基本的に機関回転速度NEが高いときほど、吸気管圧力Pmが低いときほど、またステップ数stpが大きいときほど、EGR弁通過ガス量klegrとして大きな値が算出されるようになっている。
こうしてEGR弁通過ガス量klegrを算出すると、ステップS300へと進み、各気筒11a,11b,11c,11dのそれぞれに対応する無駄時間ndly(j)及び時定数τ(j)を算出する。
尚、無駄時間ndly(j)に付された符号「j」は気筒番号を示しており、以下の説明では、第1気筒に対応する無駄時間を「ndly(1)」、第2気筒11bに対応する無駄時間を「ndly(2)」、第3気筒11cに対応する無駄時間を「ndly(3)」、第4気筒11dに対応する無駄時間を「ndly(4)」としてこれらを区別する。また、時定数τ(j)に付された符号「j」も気筒番号を示しており、以下の説明では、第1気筒11aに対応する時定数を「τ(1)」、第2気筒11bに対応する時定数を「τ(2)」、第3気筒11cに対応する時定数を「τ(3)」、第4気筒11dに対応する時定数を「τ(4)」としてこれらを区別する。
これら無駄時間ndly(j)及び時定数τ(j)の算出は、具体的には以下のように行う。
まず、図3に示される演算マップを参照してEGRガスがEGR弁41から吸気通路20におけるEGRガス導入部20Aに到達するまでの輸送遅れに相当する共通無駄時間ndly0を算出する。
機関回転速度NEが高いときほど、すなわち吸気管圧力Pmが低く、吸気通路20内の負圧が大きいときほど、EGR通路40内のEGRガスの流速が速くなり、EGRガスがEGR弁41からEGRガス導入部20Aに到達するまでの輸送遅れは小さくなる。そのため、図3に示されるようにこの演算マップにあっては、機関回転速度NEが高いときほど、共通無駄時間ndly0として小さな値が算出されるように、すなわち機関回転速度NEが高いときほど共通無駄時間ndly0が短くなるように機関回転速度NEに対する共通無駄時間ndly0の値が設定されている。
次に、図4に示される演算マップを参照してEGRガスがEGRガス導入部20Aから各気筒11a,11b,11c,11dに到達するまでの輸送遅れに相当する気筒別無駄時間ndlycyl(j)を算出する。
尚、気筒別無駄時間ndlycyl(j)に付された符号「j」は気筒番号を示している。以下の説明では、第1気筒に対応する気筒別無駄時間を「ndlycyl(1)」、第2気筒11bに対応する気筒別無駄時間を「ndlycyl(2)」、第3気筒11cに対応する気筒別無駄時間を「ndlycyl(3)」、第4気筒11dに対応する気筒別無駄時間を「ndlycyl(4)」としてこれらを区別する。
機関回転速度NEが高いときほど、すなわち吸気管圧力Pmが低く、吸気通路20内の負圧が低いときほど、吸気通路20内を流れる吸気の流速が早くなり、EGRガスがEGRガス導入部20Aから各気筒11a,11b,11c,11dに到達するまでの輸送遅れは小さくなる。そのため、図4に示されるようにこの演算マップにあっては、機関回転速度NEが高いときほど、気筒別無駄時間ndlycyl(j)が短くなるように機関回転速度NEに対する気筒別無駄時間ndlycyl(j)の値がそれぞれ設定されている。
また、EGRガス導入部20Aからの距離が近い気筒ほど、EGRガスの輸送遅れは小さくなる。そのため、この演算マップにあっては、EGRガス導入部20Aからの距離が遠くなるほど気筒別無駄時間ndlycyl(j)の値が大きくなるように、図4に示されるように気筒番号の大きな気筒に対応する気筒別無駄時間ndlycyl(j)ほどその値が大きくなるように気筒別無駄時間ndlycyl(j)の値が気筒毎にそれぞれ設定されている。
このように共通無駄時間ndly0及び気筒別無駄時間ndlycyl(j)を算出すると、下記の数式(1)に示されるように共通無駄時間ndly0と気筒別無駄時間ndlycyl(j)とを加算して各気筒11a,11b,11c,11dに対応する無駄時間ndly(j)を算出する。
Figure 0005218166
例えば、第1気筒11aに対応する無駄時間ndly(1)は、共通無駄時間ndly0に気筒別無駄時間ndlycyl(1)を加算することによって算出される。
また、こうして各気筒11a,11b,11c,11dに対応する無駄時間ndly(j)をそれぞれ算出すると、電子制御装置100は図5に示される演算マップを参照して各気筒11a,11b,11c,11dにそれぞれ対応する追従遅れの時定数τ(j)を算出する。
図1に矢印で示されるようにEGRガス導入部20Aから導入されたEGRガスは、各気筒11a,11b,11c,11dに到達するまでの間に吸気通路20及びサージタンク23内で拡散し、空気と混合する。これに対して、機関回転速度NEが高く、吸気通路20内を流れる吸気の流速が速いときほど、EGRガスは拡散する前に各気筒11a,11b,11c,11dに到達しやすくなる。すなわち機関回転速度NEが高いときほど、吸気通路20及びサージタンク23におけるEGRガスの拡散の影響が小さくなり、EGR弁41を通過するEGRガス量の変化に対する各気筒11a,11b,11c,11dに導入されるEGRガス量の追従遅れが小さくなる。そのため、この演算マップにあっては、図5に示されるように機関回転速度NEが高いときほど時定数τ(j)が小さくなるように、機関回転速度NEに対する時定数τ(j)の値が設定されている。
また、EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほど、サージタンク23におけるEGRガスの拡散の影響を受けやすくなり、EGR弁41を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の追従遅れが大きくなる。そのため、この演算マップにあっては、EGRガス導入部20Aから遠い気筒に対応する時定数τ(j)ほどその値が大きくなるように、図5に示されるように気筒番号が大きい気筒に対応する時定数τ(j)ほどその値が大きくなるように気筒毎の時定数τ(j)の値がそれぞれ設定されている。
こうして各気筒11a,11b,11c,11dに対応する無駄時間ndly(j)及び時定数τ(j)を算出すると、ステップSS400へと進む。
そして、ステップS400において、これら無駄時間ndly(j)及び時定数τ(j)と、EGR弁通過ガス量klegrとに基づいて、下記の数式(2)〜(4)を利用して各気筒11a,11b,11c,11dに対応する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)をそれぞれ算出する。
Figure 0005218166
Figure 0005218166
Figure 0005218166
具体的には、まず数式(2)に示される一次遅れの式を利用して、ステップS200において算出されたEGR弁通過ガス量klegrと、ステップS300において算出された各気筒11a,11b,11c,11dに対応する時定数τ(j)に基づいて追従遅れを反映させた筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を気筒毎にそれぞれ算出する。
尚、数式(2)において筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)及びEGR弁通過ガス量klegrに付された添え字「k」及び「k−1」は、これらの値が算出された時期の違いを示すものである。すなわち添え字「k」及び「k−1」は、添え字「k」が付された値が今回の制御周期において算出された値であり、添え字「k−1」が付された値が前回の制御周期において算出された値であることを示している。
また、数式(2)に示される「e」はネイピア数である。
こうしてEGRガスの拡散の影響による追従遅れを反映させた筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を気筒毎にそれぞれ算出すると、数式(3)を利用して、ステップS300において算出した気筒毎の無駄時間ndly(j)に基づいて無駄周期数X(j)を算出する。尚、無駄周期数X(j)に付された符号「j」は気筒番号を示している。
こうして気筒毎の無駄周期数X(j)を算出すると、電子制御装置100は、数式(4)に示されるように今回算出した気筒毎の筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を、無駄周期数X後の制御周期において参照する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)として記憶する。すなわち、これにより無駄時間ndly(j)経過後に参照する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)の値が予め電子制御装置100に記憶されることとなる。
こうして無駄時間ndly(j)経過後に参照する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を気筒毎に予め記憶しておき、記憶されている筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を無駄時間ndly(j)経過後に参照することにより、追従遅れに加えて、輸送遅れを考慮した筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出することができるようになる。
電子制御装置100は、こうして筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出すると、この処理を一旦終了する。
こうして気筒毎に無駄時間ndly(j)及び時定数τ(j)をそれぞれ設定して気筒毎に筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出することにより、図6に示されるように、一点鎖線で示されるEGR弁通過ガス量klegrの変化に対して筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)は、気筒毎に異なる変化態様で変化するようになる。
具体的には、EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒に対応する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)ほど、EGR弁通過ガス量klegrの変化に対する応答開始が遅くなるとともに、EGR弁通過ガス量klegrの変化に対する応答の度合、すなわち単位時間当たりの追従量が小さくなる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)各気筒11a,11b,11c,11dに導入されるEGRガス量に対するEGRガスの輸送遅れの影響やサージタンク23におけるEGRガスの拡散の影響の度合は、EGRガス導入部20Aから各気筒11a,11b,11c,11dまでの距離に応じて変化する。これに対して、上記実施形態にあっては、輸送遅れに相当する無駄時間と、EGRガスの拡散の影響に相当する追従遅れとを気筒毎にそれぞれ考慮し、気筒毎に筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出するようにしている。そのため、EGRガス導入部20Aから各気筒11a,11b,11c,11dまでの距離が異なる場合であっても、EGRガスの輸送遅れの影響と、サージタンク23におけるEGRガスの拡散の影響とを的確に反映させて筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を推定することができる。ひいては推定された筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)に基づいて的確に筒内吸入新気量klairを推定することができ、失火やノッキングの発生を抑制することができる。
(2)EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほど、EGR通路40から吸気通路20に導入されたEGRガスが同気筒に到達するまでの遅れである輸送遅れの影響が大きくなり、EGR弁41を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の応答が遅れるようになる。これに対して上記実施形態では、EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほど輸送遅れに相当する無駄時間ndly(j)が長くなるように、EGRガス導入部20Aから各気筒11a,11b,11c,11dまでの距離に応じて気筒毎に無駄時間ndly(j)の長さを設定するようにしている。そのため、EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほど、EGR弁通過ガス量klegrの変化に対して筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)が遅れて変化するようになり、気筒毎に異なるEGRガスの輸送遅れの度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出することができる。
(3)機関回転速度NEが高いとき、すなわち吸気通路20内の負圧が大きく、同吸気通路20内を流れる空気の流速が速いときほど、EGR通路40から導入されたEGRガスが速やかに各気筒11a,11b,11c,11dに導入されるようになる。すなわち機関回転速度NEが高いときほど、EGRガスの輸送遅れは小さくなる。これに対して上記実施形態では、機関回転速度NEが高いときほど無駄時間ndly(j)が短くなるように、機関回転速度NEに基づいて無駄時間ndly(j)の長さを補正するようにしている。そのため、機関回転速度NEに応じて変化するEGRガスの輸送遅れの度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量klegrsmを算出することができる。
(4)EGR通路40から吸気通路20に導入されたEGRガスは、各気筒11a,11b,11c,11dに導入されるまでの間に吸気通路20及びサージタンク23内で拡散し、吸気通路20内の空気と混合する。そのため、EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほど、EGRガスの拡散の影響を受けやすくなり、EGR弁41を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の応答が小さくなる。すなわちEGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほど、EGR弁41を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の追従遅れが大きくなる。これに対して、上記実施形態では、EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほどEGR弁通過ガス量klegrに対する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)の追従遅れの時定数τ(j)が大きくなるように、EGRガス導入部20Aからの距離に応じて気筒毎に時定数τ(j)の大きさを設定するようにしている。そのため、EGRガス導入部20Aからの距離が遠い気筒ほど、EGR弁通過ガス量klegrの変化に対する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)の追従遅れが大きくなり、気筒毎に異なるEGRガスの拡散の影響度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出することができる。
(5)機関回転速度NEが高いとき、すなわち吸気通路20内の負圧が大きく、同吸気通路20内を流れる空気の流速が速いときほど、EGR通路40から導入されたEGRガスが吸気通路20及びサージタンク23内で拡散する前に各気筒11a,11b,11c,11dに導入されやすくなる。すなわち機関回転速度NEが高いときほど、吸気通路20及びサージタンク23におけるEGRガスの拡散の影響が小さくなり、EGR弁41を通過するEGRガス量の変化に対する気筒内に導入されるEGRガス量の追従遅れが小さくなる。これに対して上記実施形態では、機関回転速度NEが高いときほどEGR弁通過ガス量klegrに対する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)の追従遅れの時定数τ(j)が小さくなるように、すなわちEGR弁通過ガス量klegrの変化に対する筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)の応答が大きくなるように機関回転速度NEに基づいて時定数τ(j)の大きさを補正するようにしている。そのため、機関回転速度NEに応じて変化するEGRガスの拡散の影響の度合に即した態様で筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出することができる。
(6)吸気通路20におけるサージタンク23よりも上流側の部位にEGR通路40を接続し、サージタンク23及び吸気枝管24a,24b,24c,24dを通じて各気筒11a,11b,11c,11dにEGRガスを導入するようにしている。そのため、吸気通路20におけるサージタンク23よりも上流側の部位に接続するEGR通路40を1つ設けるだけで各気筒11a,11b,11c,11dにEGRガスを導入することができる。したがって、各吸気枝管に対してそれぞれEGR通路を接続する特許文献1に記載の構成と比較してEGR通路40を設けることによるコストの増大や製造工程の煩雑化を抑制することができるとともに、内燃機関10の大型化を抑制することができる。また、各気筒にそれぞれ接続された各EGR通路へのデポジットの堆積量や各EGR通路の劣化度合にばらつきが生じるといったことがなくなるため、こうしたばらつきに起因して各気筒に導入されるEGRガスの量にばらつきが生じることも回避することができる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態にあっては、吸気通路20におけるEGR通路40が接続する部位であるEGRガス導入部20Aから各気筒11a,11b,11c,11dまでの距離が、第1気筒11aから第4気筒11dに向かって次第に遠くなる直列4気筒の内燃機関10に本願発明を適用した例を示した。これに対して、本願発明はこうした構成に限定されるものではない。すなわち、内燃機関の気筒数や、各気筒とEGRガス導入部との位置関係、すなわち吸気系のレイアウトは適宜変更することができる。この場合にも、EGRガス導入部からの距離が遠い気筒ほど値が大きくなるように、EGRガス導入部から各気筒までの距離に応じて無駄時間ndly(j)及び時定数τ(j)を設定し、気筒毎に筒内吸入EGRガス量klegrsm(j)を算出するようにすればよい。
・機関回転速度NEに基づいてndly0及びndlycyl(j)を算出し、機関回転速度NEが高いときほど無駄時間ndly(j)が短くなるようにする構成を示したが、このように機関回転速度NEに基づいて無駄時間ndly(j)を補正する構成を省略することもできる。すなわち、各気筒11a,11b,11c,11dに対応する無駄時間ndly(1),ndly(2),ndly(3),ndly(4)の値を機関回転速度NEによらずそれぞれ一定の値とし、少なくともEGRガス導入部20Aから遠い気筒ほど無駄時間ndly(j)が長くなるようにこれらの値を設定することもできる。
・また同様に、機関回転速度NEに基づいて時定数τ(j)を補正する構成を省略することもできる。すなわち、各気筒11a,11b,11c,11dに対応する時定数τ(1),τ(2),τ(3),τ(4)を機関回転速度NEによらずそれぞれ一定の値とし、少なくともEGRガス導入部20Aから遠い気筒ほど時定数τ(j)が大きくなるようにこれらの値を設定することもできる。
10…内燃機関、11a…第1気筒、11b…第2気筒、11c…第3気筒、11d…第4気筒、20…吸気通路、20A…EGRガス導入部、21…スロットル弁、22…モータ、23…サージタンク、24a…第1吸気枝管、24b…第2吸気枝管、24c…第3吸気枝管、24d…第4吸気枝管、30…排気通路、31…排気マニホルド、40…EGR通路、41…EGR弁、42…ステップモータ、50…アクセルポジションセンサ、51…エアフロメータ、52…回転速度センサ、53…車速センサ、54…スロットルポジションセンサ、55…空燃比センサ、100…電子制御装置。

Claims (5)

  1. EGR通路が吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位に接続された内燃機関の各気筒に導入されるEGRガスの量である筒内吸入EGRガス量を、前記EGR通路に設けられたEGR弁を通過するEGRガスの量であるEGR弁通過ガス量に基づいて算出する内燃機関の制御装置であって、
    前記EGR弁を通過したEGRガスが各気筒に到達するまでにかかる時間に相当する無駄時間と、前記サージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響に相当する前記EGR弁通過ガス量の変化に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れとを気筒毎にそれぞれ考慮して、前記筒内吸入EGRガス量を気筒毎に算出し、
    前記吸気通路における前記EGR通路が接続された部位からの距離が遠い気筒ほど前記無駄時間が長くなるように、前記EGR通路が接続された部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に前記無駄時間の長さを設定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項に記載の内燃機関の制御装置において、
    機関回転速度が高いときほど前記無駄時間が短くなるように、機関回転速度に基づいて前記無駄時間の長さを補正する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記吸気通路における前記EGR通路が接続される部位からの距離が遠い気筒ほど前記EGR弁通過ガス量に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れの時定数が大きくなるように、前記EGR通路が接続される部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に前記時定数の大きさを設定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. EGR通路が吸気通路におけるサージタンクよりも上流側の部位に接続された内燃機関の各気筒に導入されるEGRガスの量である筒内吸入EGRガス量を、前記EGR通路に設けられたEGR弁を通過するEGRガスの量であるEGR弁通過ガス量に基づいて算出する内燃機関の制御装置であって、
    前記EGR弁を通過したEGRガスが各気筒に到達するまでにかかる時間に相当する無駄時間と、前記サージタンクにおけるEGRガスの拡散の影響に相当する前記EGR弁通過ガス量の変化に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れとを気筒毎にそれぞれ考慮して、前記筒内吸入EGRガス量を気筒毎に算出し、
    前記吸気通路における前記EGR通路が接続される部位からの距離が遠い気筒ほど前記EGR弁通過ガス量に対する前記筒内吸入EGRガス量の追従遅れの時定数が大きくなるように、前記EGR通路が接続される部位から各気筒までの距離に応じて気筒毎に前記時定数の大きさを設定する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置において、
    機関回転速度が高いときほど前記時定数が小さくなるように、機関回転速度に基づいて前記時定数の大きさを補正する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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