JP5217075B2 - 単相交流信号の位相検出方法と同方法を用いた電力変換装置 - Google Patents

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Description

単相交流電源系統連系用電力変換装置、無停電電源装置、電源高調波抑制装置、単相変圧器用突入電流防止装置、特殊充電器、電源同期検出装置などでは、単相交流信号の位相検出が必要とされている。本発明は、これら装置に有用な単相交流信号の瞬時位相検出方法、更には同検出方法を活用した系統連系用電力変換装置に関する。
本発明に先行する文献としては、以下に記載されたものがある。
(1)A.G.Phadke、J.S.Thorp、and M.G.Admiak:“A New Measurement Technique for Tracking Voltage Phasors、Local System Frequency、and Rate of Change of Frequency”、IEEE Trans.Power Apparatus and Systems、Vol.102、No.5、pp.1025−1033(1983−5)
(2)J.A.de la O、H.J.Altuve、and I.Diaz:“A New Digital Filter for Phase Computation、Part I:Theory”、IEEE Trans.Power Systems、Vol.13、No.3、pp.1026−1031(1998−8)
(3)H.J.Altuve、I.Diaz、and J.A.de la O:“A New Digital Filter for Phase Computation、Part II:Evaluation”、IEEE Trans.Power Systems、Vol.13、No.3、pp.1032−1037(1998−8)
(4)舟木剛・松浦虔士・田中俊輔:「DFT実時間位相検出の誤差評価と補正法」、電気学会論文誌B、120、12、pp.1089−1090、pp.1682−1690、(2000−12)
(5)舟木剛・松浦虔士・田中俊輔:「再帰的アルゴリズムを用いた実時間DFT位相検出の誤差対策」、電気学会論文誌B、121、9、pp.1085−1093、(2000−9)
(6)D.N.Kosterev、J.Esztergalyos、and C.A.Stigers:“Feasibility Study of Using Synchronized Phase Measurements for Generator Dropping Control in the Colstrip System”、IEEE Trans.Power Systems、Vol.13、No.3、pp.755−761(1998−8)
(7)齋藤真・清水敏久:「ヒルベルト変換を用いた単相系統連系インバータの制御法、単相電流のd−q座標での制御」、電気学会論文誌D、121、10、pp.1089−1090、(2001−10)
(8)清水敏久・齋藤真:「半導体電力変換装置の制御回路」、特開2003−143860(2001−11)
(9)渡邊昇五・佐藤愛実・王祁・山崎亨:「ディジタル位相検出システムとその電圧比精密測定への応用」、電気学会論文誌A、115、7、pp.737−743(1995−7)
(10)王祁・佐藤愛実・山崎亨:「ディジタル位相検出システムを用いるコンデンサの精密測定」、電気学会論文誌A、116、6、pp.522−528(1996−6)
単相交流信号位相の瞬時検出法としては、ゼロクロスリセット形積分法、PLL法、ヒルベルト変換法、DFT(離散時間フーリエ変換)法などが知られている。文献(5)で指摘されているように、ゼロクロスリセット形積分法は、簡単ではあるが、信号に含まれるノイズ、高調波成分によりゼロクロス点が移動するなど、ノイズ、高調波成分に対して脆弱である。PLL法は、単相交流信号そのものへの追随を目指しているため、周波数変動に頑健である反面、ノイズ、高調波成分に対して脆弱である。
ヒルベルト変換法による位相検出では、ヒルベルト変換に必要な矩形フィルタのインパルス応答が理想状態では非因果的となる。このため、文献(7)、(8)では、変換用矩形フィルタのインパルス応答の時間シフトと非因果部分の打切りをおこない、因果部分のインパルス応答をFIRディジタルフィルタで近似実現している。時間シフトの導入により、応答の時間遅れは避けられない。時間遅れは、とりもなおさず位相遅れを意味し、瞬時位相の検出には決定的な欠点となる。時間遅れを避けるには、時間シフトを短縮すればよいが、この場合、インパルス応答の非因果部分の打切りが大きくなり、本来の矩形特性を得ることができない。
文献(1)〜(6)で検討されているDFT法は、ノイズ、高調波成分の影響も除去できる、因果的である、しかも簡単な積和演算で実行可能であると言った特徴を有する。DFT法は、連続時間周期信号に対し、信号周期とサンプリング周期の比が整数倍になるようにサンプリング周期を選定し、本サンプリング周期で得られた周期信号のサンプル値にDFTを施し、変換後の第1周波数点の実数部と虚数部から、元の周期信号の位相を瞬時検出しようとするものである。変換自体は簡単であるが、1サンプリング時点の位相検出に概して数百の積和演算が必要とされ、処理負荷は決して少ないとは言い切れない。文献(1)、(5)によれば、処理負荷を劇的に軽減する方法として、1サンプリング時点前の位相検出値に補正量を加えて、現サンプリング時点の位相検出とする再帰形の処理法も示されている。しかし、これら従来の再帰処理法では処理誤差が累積し、適時な再帰処理リセットの必要性が文献(5)で指摘されている。当然のことながら、リセット直後の検出では過渡応答の影響により所期の検出値は得られない。
発明が解決しようとする課題
本発明は、以上の背景のもとになされたものであり、その第1目的は、単相交流信号のための瞬時位相検出方法として、従来のDFT法の利点を活かしつつ、かつ、以下に示す欠点を克服した新検出方法を提供することである。1)フィードバック形フィルタを利用しており、フィルタリングに要求される次数あるいは処理負荷は、従来のDFT法等の非再帰形実現に比較し、格段に低い。2)フィードバック形フィルタは常に安定であり、従来のDFT法の再帰形実現のように、不安定化を起こさない。本発明の第2の目的は、本発明の提供する瞬時位相検出方法を利用して、文献(7)、(8)で提案された従来装置の性能を格段に凌ぐ高性能の、単相交流電源系統連系のための電力変換装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、単相交流信号の位相検出方法であって、単相交流信号の位相検出対象周波数成分に対して、対象周波数成分と同位相の同相信号と、対象周波数成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号とを、安定なフィードバック形フィルタを1個以上用いて単相交流信号から抽出し、抽出した同相信号と矩相信号とを用いて、対象周波数成分の位相を検出するようにしたことを特徴する。
請求項2の発明は、請求項1記載の単相交流信号の位相検出方法であって、該同相信号を抽出する安定フィードバック形フィルタにバンドパス特性を持たせたことを特徴する。
請求項3の発明は、請求項1記載の単相交流信号の位相検出方法であって、該安定フィードバック形フィルタを1入力2出力フィルタとして一体的に実現し、本1入力2出力フィルタにより該同相信号と該矩相信号とを同時に抽出するようにしたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の単相交流信号の位相検出方法であって、該安定フィードバック形フィルタをディジタルフィルタとして離散時間実現したことを特徴とする。
請求項5の発明は、単相交流電源系統に接続され単相交流電力を授受し、かつ少なくとも単相交流電源電圧の位相検出手段を有する電力変換装置であって、該単相交流電源電圧の基本波成分に対して、基本波成分と同位相の同相信号と、基本波成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号とを、安定なフィードバック形フィルタを1個以上用いて抽出し、抽出した同相信号と矩相信号とを用いて、基本波成分の位相を検出するように該位相検出手段を構成したことを特徴とする。
つぎに、図面と数式を活用して、本発明の作用について、請求項1より順次説明する。単相交流信号として、周波数ωνの成分をもつ次のν(t)を考える。
数1
ν(t)=Vsim(ωνt+φν)+eν(t) (1)
ここで、一般性を失うことなく、検出者が定めた位相検出対象成分の周波数をωνとする。検出者が定めた検出対象成分の周波数は既知であるが、同成分の波高値V、位相偏移φνは未知とする。また、eν(t)は、周波数ωνの正弦信号として表現できない高調波等の他周波数成分、ノイズ等を表現しているものとし、これも未知とする。なお、以降では、これらは簡単にノイズ等と略記する。単相交流信号の位相検出問題、ひいては本発明の解決すべき第1の課題は、入手可能な信号ν(t)を用いて、同信号に含まれかつ時々刻々変化する次の(2)式で定義された瞬時位相θν(t)を、ノイズ等の影響を排除して正確に、しかも軽い処理負荷で更には安定に、実時間検出することである。
数2
θν(t)=ωνt+φν (2)
対象周波数成分の位相の検出には、位相検出対象周波数成分と同相の同相信号を先ず検出する必要がある。仮に、同相信号としてνmb=Vsinθν(t)を検出できたとする。しかし、同相信号のみでは、波高値Vが不明であるので、1周期以上にわたって、過去の信号情報がない限り、位相を精度よく特定することは困難である。長期にわたる過去の信号情報を必要とするということは、位相の瞬時検出は困難であることを意味する。
以上を踏まえて、本課題を解決するための基本原理を説明する。位相検出対象周波数成分と同相の同相信号、対象周波数成分に対してπ/2(rad)位相進みの矩相信号は、2x1のベクトル信号として一体的に表現するならば、理想的には次式となる。
Figure 0005217075
上式の2x1ベクトル信号の第1成分νmaが矩相信号であり、第2成分νmbが同相信号である。仮に同相信号と矩相信号とが時間遅れなく入手できたとすれば、これら2信号の瞬時値を用いて、瞬時位相を以下のように簡単に検出することができる。
Figure 0005217075
単純な逆正接処理では、位相はーπ/2〜+π/2(rad)の範囲でしか検出できないが、当業者には周知のように、逆正接処理に利用する2成分の符号を考慮するならば、位相はーπ〜+π(rad)の範囲で検出できる。また、単相交流信号の位相検出の応用では、位相そのものよりも、位相の余弦正弦値が必要とされることが少なくない。余弦正弦値は、矩相信号と同相信号を正規化するだけで、直ちに検出される。すなわち、
Figure 0005217075
以下、位相の余弦正弦値からなる2x1ベクトルを位相ベクトルと呼ぶ。検出した位相ベクトルから位相を一意に決定すること、逆に検出した位相からこの位相ベクトルを一意に決定することは、相互に可能である。本相互可逆性を考慮し、本明細書の以降の説明では、位相ベクトルの検出を、位相自体の検出と、同義に扱う。なお、(4)、(5)式から明白なように、本原理に基づく瞬時位相検出では、位相検出対象周波数成分の波高値情報は、全く必要とされない。従って、波高値Vが未知であっても、これは位相検出には何らの影響を与えない。
矩相信号として、対象周波数成分に対してπ/2(rad)位相遅れ信号を選定する場合には、2信号からなる2x1ベクトル信号は以下のように構成することになる。
Figure 0005217075
もしもこの場合の同相信号と矩相信号とが時間遅れなく入手できれば、瞬時位相は、(4)、(5)式と同様な関係で直ちに検出することができることは、既に明白である。以上が、本発明が基づく瞬時位相検出の基本原理である。
以上の説明より明白なように、上記原理で瞬時位相検出するには、同相信号と矩相信号とを実時間で検出あるいは生成しなければならない。請求項1の本発明では、これら2信号を、安定なフィードバック形フィルタを1個以上用いて、単相交流信号からノイズ等の影響を排除して正確に抽出するものである。フィードバック形フィルタは、一般にフィルタリング処理を比較的低次で、あるいは軽い処理負荷で達成できる。一方、フィードバック形フィルタは、処理上の安定性が問題になるが、本発明では、安定性を確実に確保できる安定フィルタを使用し、安定性の問題を解決している。(本発明が使用する2信号抽出用のフィルタは、実施形態例を用いて、詳しくかつ具体的に後述する。)以上の説明より容易に理解されるように、請求項1の本発明によれば、瞬時位相の検出に有用な同相信号と矩相信号を、ノイズ等の影響を排除して正確に、しかも軽い処理負荷で、更には安定的に生成できると言う作用が得られる。
続いて、請求項2の発明の作用を説明する。フィルタリング処理による場合、フィルタ出力信号は、フィルタ入力信号に対して、一般に位相ズレを起こす。ローパス特性では位相遅れが、ハイパス特性では位相進みが発生する。しかし、バンドパス特性では、バンドパスの中心周波数成分に限っては、入出力信号間の位相ズレをゼロとすることが可能である。請求項2の本発明では、バンドパスフィルタを利用して単相交流信号から同相信号を抽出するようにしている。当然のことながら、採用のバンドパスフィルタの中心周波数は、位相検出対象成分の周波数に選定することになる。以上の説明より容易に理解されるように、請求項2の本発明によれば、位相ズレなく正確に同相信号を抽出できるようになると言う作用が得られる。
続いて、請求項3の発明の作用を説明する。単相交流信号から同相信号と矩相信号を抽出するには、常識的には、1入力1出力フィルタを2個使用することになる。これに対し、請求項3の本発明によれば、1入力2出力フィルタを一体的に実現し、同相信号と矩相信号とを同時に抽出するようにしている。1入力2出力フィルタは、2個の1入力1出力フィルタのほとんど全てを共有したものであり、1入力2出力フィルタとすることで、実質的に、総合次数を半減、処理負荷を半減できる。すなわち、請求項3の発明によれば、実質的に、フィルタの総合次数を半減、フィルタリングに要する処理負荷を半減できると言う作用が得られる。
続いて、請求項4の発明の作用を説明する。請求項4の発明によれば、安定フィードバック形フィルタをディジタルフィルタとして離散時間実現できるようになる。この結果、アナログフィルタでは実現困難な位相検出に好適な非常に高級なフィルタが難なく実現できるようになると言う作用が得られる。
続いて、請求項5の発明の作用を説明する。請求項5の発明は、単相交流電源系統に接続され単相交流電力を授受し、かつ少なくとも単相交流電源電圧の位相検出手段を有する電力変換装置に、請求項1の発明による瞬時位相検出方法を活用できるようにしたものである。請求項1の発明によれば、瞬時位相検出に有用な同相信号と矩相信号を、ノイズ等の影響を排除して正確に、しかも軽い処理負荷で、更には安定的に生成できると言う作用が得られた。この結果、請求項5の発明によれば、上記電力変換装置のための位相検出手段を、ノイズ等の影響を排除して正確に、しかも軽い処理負荷で、更には安定的に実現できると言う作用が得られる。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の位相検出方法を連続時間実現した位相検出器のブロック図である。1は位相検出器であり、単相交流信号を入力信号として得、検出対象周波数成分の位相ベクトル信号を出力している。2は位相検出フィルタであり、単相交流信号を入力信号として得、矩相信号と同相信号を検出・出力している。3は正規化器であり、(5)式に基づいて、矩相信号と同相信号に対して正規化処理を行い、位相ベクトルを出力している。
本実施形態例では、位相検出フィルタを、前処理フィルタ2−1と後処理フィルタ2−2のカスケード結合で構成する例を示している。後処理フィルタは、1入力から2出力を出すフィルタである。本フィルタとしては、簡単には、安定なフィードバック形フィルタである次の伝達関数をもつものを用いればよい。
Figure 0005217075
ここに、sは、ラプラス演算子である。(7)式の第1、第2伝達関数は各々、矩相信号、同相信号の抽出行なう1入力1出力フィルタを示している。(7)式の第1、第2伝達関数の分母は同一である点に注意されたい。これは、2個の伝達関数は同一の安定性を持つことを意味する。さらには、ζ>0の条件が満足される限り、伝達関数の極の実数部は常に負となり、これらフィルタの安定性が確保される。
図2に(7)式第2伝達関数の周波数特性をζ=2、ων=314(rad/s)の条件で示した。同図より確認されるように、本フィルタはバンドパス特性をもつバンドパスフィルタである。また、検出対象成分の周波数ων=314(rad/s)においては、振幅の不変性に加え、位相遅れが発生しないていない。すなわち、F2b(jων)=1が確認される。基本フィルタの分子分母多項式の相対次数は1次であるので、減衰特性は±20(dB/dec)となっている。第1伝達関数は、矩対象周波数成分に対してπ/2(rad)位相進みの矩相信号を抽出するフィルタであり、F2a(jων)=jの特性をもっている。
第1伝達関数を、矩対象周波数成分に対してπ/2(rad)位相遅れの矩相信号を抽出するフィルタ、すなわち、F2a(jων)=−jの特性を持たせるには、後処理フィルタを以下のように構成すればよい。
Figure 0005217075
後処理フィルタを構成する2個のフィルタは、2個の1入力1出力フィルタとして構成することも可能であるが、1個の1入力2出力フィルタとして一体的に構成することも可能である。図3に、後処理フィルタを1入力2出力フィルタとしての一体的な構成の1例を示した。なお、図中の1/sは積分器を意味している。同図においては、矩相信号抽出フィルタとして、実線で(7)式第1伝達関数を、破線で(8)式第1伝達関数を示した。図3に示したように、(7)、(8)式の何れにおいても一体的構成が可能である。また、同図より、1入力2出力フィルタとすることで、実質的に、フィルタの総合次数を半減、フィルタリング処理負荷を半減していることも理解されよう。
前処理フィルタは、ノイズ等の除去が主たる目的であるので、本目的にあわせてフィルタを選定することになる。簡単には、同相信号抽出に利用した安定なフィードバック形バンドパスフィルタの積形伝達関数をもつ、次のものでよい。
Figure 0005217075
ノイズ等が少なく、後処理フィルタのみでこれが問題なく除去できる場合には、本前フィルタは必要ないことを指摘しておく。
図3は、前処理フィルタ、後処理フィルタを共にアナログフィルタとして連続時間実現しているが、これを離散時間実現することも当然可能である。離散時間実現には、離散時間伝達関数が必要とされるが、これは、簡単には、連続時間伝達関数のラプラス演算子sをz変換演算子zを用いた次の双線形変換を通じ得ることができる。
Figure 0005217075
ここに、Tsは離散時間化のためのサンプリング周期である。当業者には周知のように、フィードバック形のアナログフィルタの安定性は、双線形変換によって得られたディジタルフィルタでも、そのまま維持される。すなわち、もとのアナログフィルタが安定であれば、双線形変換を通じて得られた対応のディジタルフィルタも同様に安定である。
次に、位相検出器を活用した単相交流電源系統連系のための電力変換装置の実施形態例を説明する。図4はこの種の電力変換装置の構成の1例である。4が電力変換装置であり、位相検出手段を具現化した位相検出器1に加えて、4−1〜4−3からなる他の主要構成機器から構成されている。4−1はインバータ、4−2はフィードバック電流制御器、4−3は電流指令生成器である。本電力変換装置の目的は、単相交流電源系統の電圧との位相差を考慮した電流制御を通じ、インバータを系統へ連系させることであり、これら4機器が主たる機能を担う。インバータと電流制御器は、フィードバック電流制御系を構成している。電流制御制御系を適切に設計・構成できれば、電流指令通りの電流を系統側と授受できる。この種の電力変換装置の主たる問題は、フィードバック電流制御系のための電流指令の生成にある。
単相交流電源系統の電圧の実測電圧は(1)式のν(t)であるとし、位相検出対象成分は基本波でありその周波数をωνとする。電流制御のための電流指令i(t)は、所期の電流波高値、電圧に対する位相差を各々I(t),Δφ(t)とすると、理想的には電圧ν(t)の瞬時位相θν(t)を考慮の上、以下のように構成することになる。
数11
(t)=I(t)sin(θν(t)+Δφ(t)) (11)
上の電流指令は、以下のように再構成することができる。
Figure 0005217075
ここに、u(θν(t))は、(5)式に既に定義しているように、位相ベクトルである。また、
Figure 0005217075
Figure 0005217075
Figure 0005217075
2x1ベクトルの内積演算を遂行する内積器を意味している。
(12)式が明示しているように、系統連系のための電流指令の生成には、系統電圧の基本波成分の位相検出が不可欠である。電流制御が瞬時瞬時に遂行されることを考慮するならば、このときの位相検出は、時間遅れのない瞬時位相検出でなくてはならない。本発明による系統連系のための電力変換装置では、図1に例示したような位相検出器を利用して、瞬時位相検出を行っている。次に、電力変換装置の性能を数値実験を通じ示す。
インバータの入力である電圧指令から混触等防止用変圧器を含めた電流検出点までの動的特性は、次式で近似できる。
Figure 0005217075
上式が、電流制御器からみた場合の制御対象となる。本制御対象に対する電流制御器としては、次の文献(11)に提示された(16)式の構造もつものを使用する。
(11)新中新二:「1次遅れ特性をもつ制御対象の制御方法」、特願2004−236223
Figure 0005217075
制御対象の動特性G(s)をL=0.0012(H)、R=0.1(Ω)とし、また、系統側の電圧は(1)式で表現されるものとし、周波数はων=100π(rad/s)(50(Hz))とする。ただし、簡単のため、eν(t)=0とする。(16)式の電流制御器のパラメータは、上記文献(11)によれば、電流制御帯域を概ね3000(rad/s)とすると、以下のようになる。
数17
=3.5,c=3481.565,c=1190130 (17)
簡単のため、系統電圧基本波の波高値をV=1とし、更には前処理フィルタをF(s)=1としこれを省略する。また後処理フィルタは(7)式のものを利用し、さらには、
Figure 0005217075
とした場合の応答例を図5に示す。同図は、上から、系統電圧v、2x1ベクトルとしての矩相信号と同相信号ν、位相差指令Δφ、電流指令i、及び同応答値iを示している。まず、位相検出器1は、系統電圧より矩相信号と同相信号を適切に検出していることが確認される。次に、電流指令生成器4−3は、位相差指令に応じて、系統電圧に対して指令通りの位相差を持って電流指令を生成していることが確認される。電流制御器4−2およびインバータ4−3による電流応答より、期待通りの系統連系が実現されていることが確認される。
位相検出器の系統電圧変動に対する性能を確認すべく、1)電流指令の波高値と位相差は常時一定とする、2)一方、系統側電圧の波高値を瞬時に3度変更する、とした実験を行なった。すなわち、
数19
(t)=1,Δφ=0 (19)
数20
V=1,0.8,1.2 (20)
(20)式に与えた系統電圧の瞬時波高値変化は、変化率評価で−20%、+50%であり、十分に大きな値である点には注意されたい。数値実験結果を図6に示す。同図は、上から、系統電圧、2x1ベクトルとしての矩相信号と同相信号ν、系統電圧の波高値V、電流指令i、及び同応答値iを示している。図より明らかなように、系統電圧の波高値の瞬時変化に対しても、極めて短時間に矩相信号と同相信号が検出され、ひいては所要の位相検出が行われている。この結果、電流指令、及び同応答値は、系統電圧の波高値瞬時変化の影響を殆んど受けてはいない。位相検出の最終応答値とも言うべき生成電流指令、同応答値の視認を通じて、系統電圧の波高値瞬時変化の存在を推し量ることが困難なほど、これらは良好である。
続いて、系統側電圧の波高値と位相の同時かつ瞬時変化に対する、位相検出器の性能を確認すべく、数値実験を行なった。系統側電圧の波高値と位相の瞬時同時変化は、以下のように、波高値に符号を付加して変化させることにより実現した。
数21
V=1,−0.8,1.2 (21)
上の条件は、系統側電圧に対し、−20%、+50%の瞬時波高値変化と同時に、最大位相偏移であるπ(rad)の瞬時位相変化を同時に与えたことを意味する。なお、電流指令の波高値と位相差は、(19)式と同一の常時一定とした。数値実験結果を図7に示す。波形データの意味は、図6と同一である。同図より明白なように、波高値と位相の瞬時変化後、系統電圧の1/4周期に相当する5(ms)経過すると、矩相電流と同相電流は正しく検出され、その結果、変化後の電圧の位相は正しく検出されている。ひいては位相差ゼロの電流指令が生成され、所期の電流制御がなされていることがわかる。
続いて、当初から離散時間実現を前提とした位相検出器の実施形態例を示す。図8に位相検出器の構成の1例を示す。図8の構成は、機能的観点からは、基本的に図1と同一である。すなわち、位相検出器1を構成する位相検出フィルタ2、正規化器3の機能・役割は、図1の連続時間実現の実施形態例と同一である。また、位相検出フィルタを構成する前処理フィルタ2−1、後処理フィルタ2−2の機能・役割に関しても、図8は図1と同一である。図8の図1に対する決定的な違いは、位相検出器の入力信号が離散時間信号である点にある。ここでは、入力信号としては、(1)式の信号を周期Tsでサンプリングした離散時間信号とする。
離散時間実現と連続時間実現とで、正規化器に本質的な違いはない。また、位相検出フィルタを構成する1入力1出力前処理フィルタ2−1に関しても、本質的違いはない。前処理フィルタ2−1に利用可能な1入力1出力ディジタルフィルタに関しては、ディジタル信号処理のテキストなどに既に詳しい説明がある。この点を踏まえ、ここでは特徴的な後処理フィルタ2−2について詳しく説明する。
サンプリング周期Tsを用いて、微小位相Δθνを(22)式のように定義する。
数22
Δθν=ων (22)
本サンプリング周期Tsを、正の整数n、kに対して、次の(23)式が成立するように選定するものとする。
数23
nΔθν=kπ (23)
サンプリング周期が(23)式を満足する場合には、ディジタル後処理フィルタとしては、次の伝達関数をもつ安定なフィードバック形フィルタを利用することができる。
Figure 0005217075
ここに、zは、z変換演算子である。また、rは1よりわずかに小さい定数である。一般には、ディジタルシステムでとり得る1より小さい最大値を選定することが多い。(24)式の第1、第2伝達関数は各々、位相進みの矩相信号、同相信号の抽出行なうフィルタの伝達関数となっている。(24)式の第1、第2伝達関数の分母は同一である点に注意されたい。これは、2個の伝達関数は同一の安定性を持つことを意味する。2個の伝達関数の極は、z平面上の半径rの円上に、すなわち単位円内にある。従って、本フィードバック形フィルタの安定性は一応確保されている。
(24)式の伝達関数の実現法は、種々のものが可能である。極が単位円のごく近傍に存在する点を考慮し、本発明は、直交構造で本伝達関数を実現することを推奨する。直交構造は、以下のように、有限語長に起因する安定性と深い関係を有する諸特性に関し、優れた性質を有している。1)係数量子化に対し、低感度である。2)最小丸め雑音条件を満足し、低い丸め雑音特性を有する。3)オーバフローリミットサイクルを発生しない。直交構造の実現により、2個のディジタルフィルタの安定性を確実に確保することができる。
図9に、(24)式の直交構造による実現例を示した。本図より明白なように、2個の後処理フィルタは、同時に実現される。本ディジタルフィルタ2個の実現に使用している係数器は、わずか6個に過ぎない。本実現は、演算負荷の観点からも、有用な実現である。なお、後処理フィルタの主眼は、位相ベクトルの検出に主眼があるので、位相に直接関与しないフィルタの入力端側に設置した係数器2/nは撤去して差し支えない。この場合には、5個の係数器でディジタルフィルタ2個が実現されることになる。
(24)式のディジタルフィルタは、図9より明白なように、フィードバック形である。しかし、そのインパルス応答は、次式に示すようにn個の有限である。
Figure 0005217075
実施形態例のフィルタを用いた実験結果の1例を紹介する。実験条件は、以下のように定める。
Figure 0005217075
また、rはコンピュータが使用し得る、1より小さい最大値とする。先ず、(24)式の直交構造実現による場合のインパルス応答を図10に示す。図10では、インパルス応答を0次ホールド回路を通して連続時間量に変換した上で示している。本応答は、(25)式に示した解析応答そのものであることが明らかである。これより、(24)式の実現である図9の直交構造が適切であることが確認される。
続いて、ノイズ除去性能を確認するための行なった実験結果を示す。(1)式で規定した位相未知の単相交流信号ν(t)として、周波数ων=100π(rad/s)、波高値1の正弦信号に、±0.5の間で一様分布した白色ノイズを加算した信号を用意し、図9の直交構造実現された(24)式のフィルタに入力した。図11は、この様子を示したものである。上段が、入力信号である位相未知の単相交流信号であり、下段が出力である位相進み矩相信号と同相信号である。図中の出力の2信号は0次ホールド回路を通して連続時間量として出力している。本図は、(24)式のフィルタがノイズを除去し、更には、単相交流信号の基本波成分と同相の同相信号と、π/2(rad)位相の進んだ矩相成分とを適切に抽出している様子を示している。本図より、(24)式のフィルタは高いノイズ除去性能を有していることが確認される。図11、図12のノイズ、高調波、直流オフセットの除去性能より理解されるように、同相信号を抽出する(24)式の第2伝達関数は、バンドパスフィルタとなっている。
続いて、直流オフセット除去、高調波除去性能を確認するための行なった実験結果を示す。
Figure 0005217075
Figure 0005217075
振幅0〜2の直流オフセットをもつ矩形信号を用意し、図9の直交構造実現された(24)式のフィルタに入力した。当業者には周知のように、本単相交流信号は、波高値4/πの基本波成分に加え、直流成分と奇数次高調波成分とを有している。図12は、この様子を示したものである。信号の意味は、図11と同様である。図12は、(24)式のフィルタが、直流成分、高調波成分を完全に除去し、更には、単相交流信号の基本波と同相の同相信号と、π/2(rad)位相の進んだ矩相成分とを適切に抽出している様子を示している。本図より、(24)式のフィルタは高い高調波除去性能と直流オフセット除去を有していることが確認される。
次に、図8の離散時間実現された位相検出器を活用した単相交流電源系統連系のための電力変換装置の実施形態例を説明する。図13はこの1例である。図4に対する図13の違いは、位相検出器1が当初より離散時間実現され、これに応じ、位相検出器1の入力端前に連続時間信号をサンプリングして離散時間信号を生成するサンプラーが設置され、出力端に離散時間信号を連続時間信号に変換する0次ホールド回路が設置されている点にある。この点を除く、電力変換器を構成するインバータ4−1、フィードバック電流制御器4−2、電流指令生成器4−3に関しては、図4と本質的違いはない。このため、これらの説明は省略する。
続いて、応答例を示す。位相検出器の後処理フィルタは、高度なノイズ除去、高調波除去、直流オフセット除去の性能を維持しつつ、適切に矩相信号と同相信号を検出できることは、既に図11、図12を用いた数値実験で明らかにした。この点を踏まえて、前処理フィルタG(z−1)=1をとした構成で、すなわち除去した構成で、実験を行なった。実験条件は、図5の実験と実質的に同一、すなわち(11)〜(18)式を用いて説明した条件と同一とした。従って、電流指令の波高値と位相差指令を含む電流指令は、(18)式に従って与えられることになる。応答例を図14に示す。同図は、上から、系統電圧v、位相差指令Δφ、電流指令i、及び同応答値iを示している。電流指令生成器4−3は、矩相信号と同相信号を適切に検出した位相検出器1の出力を受け、位相差指令に応じて、系統電圧に対して指令通りの位相差を持った電流指令を正確に生成していることが確認される。電流制御器4−2およびインバータ4−3は、本指令に応じて適切に電流制御を行っており、ひいては期待通りの系統連系が実現されていることが確認される。
以上、図1〜図14を用いて、本発明による単相交流信号のための位相検出方法、更には、同位相検出方法を利用した単相交流電源系統連系のための電力変換装置を詳しく説明した。本発明の位相検出器に利用する安定なフィードバック形の後処理フィルタは、(7)式、(8)式、(24)式に限定されるものでないことを指摘しておく。また、フィードバック形フィルタの実現は、図3、図9の実現に限定されるものでないことを指摘しておく。本発明の位相検出器を利用した電力変換装置の構成は、図4、図13に限定されるものでないこと、他に種々存在することを指摘しておく。例えば、電流制御器を離散時間実現した構成をもつ電力変換装置も、本発明が排除するものでないことを指摘しておく。
発明の効果
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。特に、請求項1の発明によれば、瞬時位相検出に有用な同相信号と矩相信号を、ノイズ等の影響を排除して正確に、しかも軽い処理負荷で、更には安定的に生成できると言う作用が得られた。同相信号と矩相信号より、瞬時位相を直ちに決定できるので、本作用の結果、請求項1の発明によれば、ノイズ等の影響を排除して正確に、しかも軽い処理負荷で、更には安定的に瞬時位相を検出できると効果が得られる。
特に、請求項2の発明によれば、位相ズレなく正確に同相信号を抽出できるようになると言う作用が得られた。実施形態例で数値実験結果を交えて詳しく説明したように、矩相信号は同相信号と正確にπ/2(rad)の位相差を持つことができる。また、同相信号と矩相信号より、瞬時位相が直ちに決定される。従って、この作用の結果、請求項2の発明によれば、位相ズレなく、瞬時位相を検出できると言う効果が得られる。
特に、請求項3の発明によれば、実質的に、フィルタの総合次数を半減、フィルタリングに要する処理負荷を半減できると言う作用が得られた。フィルタリング処理は、実施形態例等を用いて詳しく説明したように、位相検出処理の主要部分を形成している。従って、本作用の結果、請求項3の発明によれば、位相決定に要する処理負荷を実質的に半減でき、ひいては非常に効率的な位相検出方法が実現できるようになると言う効果が得られる。
特に、アナログフィルタでは実現困難な位相検出に好適な非常に高級なフィルタが難なく実現できるようになると言う作用が得られた。フィルタリング処理は、位相検出処理の主要部分を形成していることを考慮すると、これは、請求項4の発明によれば、高性能な位相検出が可能になると言う効果が得られることを意味する。本効果は、図8〜図12を用いた実施形態例の実験データを利用し、実証した通りである。
請求項5の発明によれば、単相交流電源系統に接続され単相交流電力を授受する電力変換装置のための位相検出手段を、ノイズ等の影響を排除して正確に、しかも軽い処理負荷で、更には安定的に生成できると言う作用が得られた。図4〜図7、図13、図14を用いた実施形態例を活用して説明したように、この種の電力変換装置においては、位相検出手段は最重要機能の実現を担当している。この結果、請求項5の発明によれば、最重要機能を、高性能でしかも軽処理負荷で更には安定的に実現した有用性の高い電力変換装置が構成できるようになると言う効果が得られる。
1実施形態例における位相検出器の構成を示すブロック図 1実施形態例における同相信号抽出用バンドパスフィルタの周波数応答 1実施形態例における1入力2出力フィルタの実現例 1実施形態例における電力変換装置の構成を示すブロック図 1実施形態例における電力変換装置の応答例 1実施形態例における電力変換装置の応答例 1実施形態例における電力変換装置の応答例 1実施形態例における位相検出器の構成を示すブロック図 1実施形態例における1入力2出力フィルタの実現例 1実施形態例における1入力2出力フィルタのインパルス応答 1実施形態例における位相検出器の応答例 1実施形態例における位相検出器の応答例 1実施形態例における電力変換装置の構成を示すブロック図 1実施形態例における電力変換装置の応答例
符号の説明
1 位相検出器
2 位相検出フィルタ
2−1 前処理フィルタ
2−2 後処理フィルタ
3 正規化器
4 電力変換装置
4−1 インバータ
4−2 フィードバック電流制御器
4−3 電流指令生成器

Claims (5)

  1. 単相交流信号の位相検出対象周波数成分に対して、対象周波数成分と同位相の同相信号と、対象周波数成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号とを、伝達関数的に安定なスカラ1入力フィードバック形フィルタのみを1個以上用いて、当該フィルタの入力信号として当該単相交流信号を印加して当該フィルタの出力として単相交流信号から抽出し、抽出した同相信号と矩相信号との静的処理のみを通じ、対象周波数成分の位相を検出するようにしたことを特徴する単相交流信号の位相検出方法。
  2. 該同相信号を抽出するスカラ1入力安定フィードバック形フィルタにバンドパス特性を持たせたことを特徴する請求項1記載の単相交流信号の位相検出方法。
  3. 該スカラ1入力安定フィードバック形フィルタを1入力2出力フィルタとして一体的に実現し、本1入力2出力フィルタにより該同相信号と該矩相信号とを同時に抽出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の単相交流信号の位相検出方法。
  4. 該スカラ1入力安定フィードバック形フィルタをディジタルフィルタとして離散時間実現したことを特徴とする請求項1記載の単相交流信号の位相検出方法。
  5. 単相交流電源系統に接続され単相交流電力を授受し、かつ少なくとも単相交流電源電圧の位相検出手段を有する電力変換装置であって、
    該単相交流電源電圧の基本波成分に対して、基本波成分と同位相の同相信号と、基本波成分に対してπ/2(rad)位相進みあるいは遅れの矩相信号とを、伝達関数的に安定なスカラ1入力フィードバック形フィルタのみを1個以上用いて、当該フィルタの入力信号として当該単相交流信号を印加して当該フィルタの出力として当該単相信号から抽出し、抽出した同相信号と矩相信号との静的処理のみを通じ、基本波成分の位相を検出するように該位相検出手段を構成したことを特徴とする電力変換装置。

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