JP5216575B2 - モノクローナル抗体、ハイブリドーマ及びリポ多糖の定量方法 - Google Patents

モノクローナル抗体、ハイブリドーマ及びリポ多糖の定量方法 Download PDF

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Description

本発明は、グラム陰性細菌の細胞壁構成成分である、種々のリポ多糖を識別、定量、又は捕獲するためのモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ及び該モノクローナル抗体を利用したリポ多糖の定量方法に関する。
(1)リポ多糖について:リポ多糖は、リポポリサッカライド(LPS)と称されるグラム陰性細菌の細胞表層に局在する物質である。基本構造はリピドAと呼ばれる脂質に糖鎖(コア多糖、O抗原多糖等)が結合した、糖脂質である(非特許文献1)。糖鎖部分の糖の種類と繰り返し回数は菌種によって異なる。リピドA部分も、菌種により異なる構造をとることが知られている。即ちLPSは由来する微生物により構造が異なる。LPSは免疫賦活などの生物活性を持つことが知られている(非特許文献1)。しかしながらLPSの構造が、由来する微生物により異なることを反映して、その生物活性もLPSの種類により大きく異なることが知られている(非特許文献1)。近年、LPSが持つ生物活性を利用して、疾病予防・健康維持を達成することに注目が集まっている(非特許文献2)。また慣用的に摂取されあるいは暴露されるLPSが健康維持に重要な意義を持つことも報告されている(非特許文献3)。このような場合には、摂取されあるいは暴露されあるいは利用するLPSの構造に依存した生物活性を明確にすることは勿論のこと、最終利用形態である例えば食品、スキンケア商品、医薬部外品、医薬、飼料、日用品などにどのようなLPSがどれほど含まれるか、即ち、含まれる或いは配合されるLPSの質と量を特定する必要があることは言うまでもない。
ところでLPSは由来する微生物により異なることが知られているので、特定のLPSのみを識別する技術が必要となるが、特定のLPSを認識し、定量することは一般には容易ではない。従来LPS一般の測定にはリムラス反応が用いられる。リムラス反応は、カブトガニの血球ライセートがLPSと反応し、凝固することを応用したものであり、利便性を高めたキットも市販されている(非特許文献4)。しかしながら、リムラス反応は、LPSの微細な構造を反映したものではなく、例えばカルジオリピンなどの糖脂質とも反応するなど、特異性はきわめて低く、特定のLPSにのみ反応するものではない。
一般的に特定の構造のみを高い特異性をもって認識しうる物質のひとつにモノクローナル抗体がある(非特許文献5)。これまでにも、大腸菌LPSの脂質部分を認識するモノクローナル抗体は公知であるし、他にもサルモネラ菌などのLPSに対するモノクローナル抗体は公知となっている。しかるに、モノクローナル抗体は個々の物質に対して偶発的に得られることが判っており、そのようなモノクローナル抗体の生物学的性質を予想することは不可能である。したがって、大腸菌やサルモネラ菌LPSに対してモノクローナル抗体が得られている事実は、他の微生物由来のLPSに対するモノクローナル抗体の構造や生物学的性格を推定させることにならないし、この事実が他の微生物LPSの抗体を取得できることを容易に推認できることにもならないことはいうまでもない。勿論、大腸菌やサルモネラ菌LPSに対するモノクローナル抗体を用いて、その他の微生物、例えば食用素材に共生している微生物あるいは食品製造に用いられあるいは食用に供せられる微生物に存在するLPSを特異的に識別することはできない。
本発明者らは、食用素材に共生している微生物あるいは食品製造に用いられあるいは食用に供せられる微生物、とりわけグラム陰性細菌に注目して、これら微生物に存在するLPSは経口・経皮投与で安全・安心な物質で有るとともに、極めて優れた免疫賦活作用を示すことを報告してきた(特許文献1)。また、上記発明を基盤として、種々の疾病予防・健康維持を目的とした商品が提供できることも示した(特許文献2)。これら商品を提供し所定の効果を上げることを考えれば、それぞれの製品に含まれるLPSを特定し、その含有量を測定することで、製品の効果を明らかにする、あるいは配合する特定のLPS質及び量が所定の効果を上げる上で過不足ないことを確認する必要があることは言うまでもない。この目的を達成するためには特定の微生物に由来したLPSに対するモノクローナル抗体が取得できることが望ましい。本発明者らは以上の観点に立ち、食用素材に共生している微生物、好ましくは、パントエア菌、パントエア・ディスペルサ、酢酸菌、アセトバクター、グルコノバクター、フラテウリア、グルコノ酸菌、キサントモナス、ザイモモナスなど、あるいは食品製造に用いられあるいは食用に供せられる微生物、好ましくは、パントエア菌、パントエア・ディスペルサ、酢酸菌、アセトバクター、グルコノバクター、フラテウリア、グルコノ酸菌、キサントモナス、ザイモモナスなどのグラム陰性菌に注目して特定のLPSに対するモノクローナル抗体の作成に成功し、さらに、該モノクローナル抗体を用いたリポ多糖の定量法を確立することに成功し本発明を完成したものである。以下に詳細に実施例を記載する。本は発明は当該実施例記載のグラム陰性菌のみに限定されるものではないことは言うまでもない。
特願2005−342971 WO2005/030938 Christian A, Ulrich Z, Trends in Glycoscience and Glycotechnology14, 69-86 (2002) 杣源一郎 薬学研究の進歩 研究成果報告書 16:7−22(2000) 呉艶玲、山崎暁子、毛暁全、白川太郎 化学と生物 44 21−26 (2006) Nakamura T, et al. Eur. J. Biochem. 176, 89-94 (1988) Ed Harlow、David Lane,Antibodies Alaboratory manual Chapter6 p141-142 (1988) ColdSpring Harbor Laboratory
特定のLPSの構造に依存した生物活性を明確にするためには、最終利用形態である例えば食品、スキンケア商品、医薬部外品、医薬、飼料などにどのようなLPSがどれほど含まれるかを特定することが必要となる。そこで本発明は、含まれる又は配合されるLPSの質と量を特定するためのモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、及び、該LPSの質と量を特定することができるリポ多糖の定量法を提供することを、目的とする。
本発明のハイブリドーマは、受託番号がNITE BP−325、NITE BP−326、NITE BP−327、NITE BP−328、NITE BP−329又はNITE BP−330であることを特徴とする。
また、本発明のモノクローナル抗体は、上記ハイブリドーマによる産生されることを特徴とする。
また、本発明のリポ多糖の定量方法は、上記モノクローナル抗体を用いることによって特定の微生物に存在するリポ多糖を定量することを特徴とする。
特定のLPSの構造に依存した生物活性を明確にするために、最終利用形態である例えば食品、スキンケア商品、医薬部外品、医薬、飼料などにどのようなLPSがどれほど含まれるか、即ち、含まれる或いは配合されるLPSの質と量を特定できる。このことにより該製造物の効果・効能を明らかにすることが可能となる。

本明細書は本願の優先権の基礎である特願2006−058779の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
(LPSp特異的なモノクローナル抗体の樹立)
抗原として、各種加熱死菌を使用した。免疫のスケジュールは、BALB/cマウスに1回目抗原投与後、2週間ずつの間隔を開け、2回目以降の抗原投与の2日から3日目に採血し、LPSp(細菌パントエア・アグロメランスに存在するLPS)を含む各種菌体抽出物に対する抗体価を測定することとした。二次抗体には、アルカリフォスファターゼ結合抗マウスIgG、M、Aを用いることとした。ここで動物に対して抗体価の上昇が認められればモノクローナル抗体の取得は可能である。実施例に関してはLPSpについてのものを述べるが、LPSpに限定したものではなく、請求項1乃至4に記載した微生物や根粒を形成するグラム陰性細菌であれば同様に適応できる。
細胞融合は、定法に従いポリエチレングリコール法を用い、ハイブリドーマの取得を行った。ミエローマにはP3U1(P3−X63−A63−Ag8−U1)を用い、細胞融合の比率はミエローマと脾細胞を1対5とした。融合細胞を96穴プレートで培養し、LPSpに対する抗体を産生するハイブリドーマのみをELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法で選択(1次スクリーニング)した。ついで抗体のLPSp部位特異性は、LPSpと大腸菌LPSをそれぞれ固相化したプレートを用いて検討することとした。O抗原部分、コア多糖部分に対する抗体を産生するハイブリドーマを優先的に選択し(2次スクリーニング)、8種のハイブリドーマを得た。得られた8種の内6種が、LPSpに対して特異的に反応するモノクローナル抗体であることを明らかにした。8種の内、残りの2種類は、合成リピドAを含む全てのLPSに対して同程度の強度の反応が認められたことから、リピドA部分に対するモノクローナル抗体と推定された。LPSpに対して特異的に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ2種について、腹水化を行い、両クローン共に抗体価の高い腹水を得た。本実施例の第二の目的とした、LPSpに特異的に反応するモノクローナル抗体を用いた、LPSpを特異的に定量するELISA法の確立に関しては、LPSpに対して特異的に反応する2種類の抗体でLPSpを挟み込むサンドイッチELISA法により、高純度LPSpのみでなく、他のLPSの代表として用いた大腸菌LPSの共存下においても、LPSpを特異的に定量することが可能であり、さらに、LPSpを添加する予定の米糠からの抽出液中においてもLPSpの定量が可能であることを明らかにした。
今回得た、モノクローナル抗体は、種々の実験系においてLPSpの特異的な検出に役立つものと期待される。具体的には、飼料中に含まれるLPSp含量のELISAによる定量法、pgオーダーの濃度であることが予想される消化管等から吸収されたLPSpの生体試料中の濃度を定量可能とするELISAによる定量法、インビボ、インビトロでのLPSpの生物活性の中和、細胞表面、細胞内、組織内等でのLPSpの局在、LPSpに特異的に結合する因子の検索、パントエア・アグロメランスの検出等が考えられる。同様の方法を用いて酢酸菌特異的LPS、キサントモナス菌特異的LPS等食用となるグラム陰性菌或いは食用植物に共生するグラム陰性菌特異的LPSに対するモノクローナル抗体を樹立した。
パントエア・アグロメランスLPS特異的モノクローナル抗体
(1)パントエア・アグロメランスLPS特異的モノクローナル抗体の作成
1:免疫源の調製
パントエア・アグロメランスの菌体を生理食塩水に1×10個/mlになるように懸濁し80℃、30分間加熱したものを加熱死菌とした。
2:感作B細胞(抗体産生細胞)の作製
1で得た加熱死菌の完全フロイトアジュバントエマルジョンを、BALB/cマウスの腹腔内に一匹当り1×10個投与した。2回目以降は加熱死菌の不完全フロイトアジュバントエマルジョンを、2週間間隔で3回腹腔内に投与した。最終免疫は、細胞融合の3日前に加熱死菌を腹腔内に一匹当り1×10個投与した。
3:細胞融合
(A)ミエローマ細胞の調製
ミエローマとして8−アザグアニン耐性マウス(BALB/c由来)骨髄腫細胞株化細胞であるP3U1細胞を用いた。P3U1細胞は予め10%牛胎児血清(FBS)を含むRPMI1640培地で2日おきに継代培養しておいた。
継代培養1日目のP3U1細胞を50ml遠心管に移し、1000rpm、室温で7分間遠心した。上清液を取り除き、沈澱したP3U1細胞を10mlのRPMI1640培地に懸濁した。以上の操作で調製したP3U1細胞を次の細胞融合に用いた。
(B)感作B細胞(抗体産生細胞)の調製
実施例1の2:に記載する方法に従って免疫したBALB/cマウスから無菌的に脾臓を摘出し、直径6cmのプラスチックシャーレに入れた。このプラスチックシャーレにRPMI1640培地を5ml注ぎ入れ、摘出した脾臓を洗った。別に5mlのRPMI1640培地を入れた直径6cmのプラスチックシャーレを2枚用意し、この中でさらに2回洗った。以上の洗浄操作をさらにクリーンベンチ内で同様に繰り返した。最後に移したシャーレの中で脾臓をつぶし、脾細胞をRPMI1640培地中に懸濁させた。この細胞懸濁液を15mlの遠心管に移し、1000rpm、室温で7分間遠心し、上清を取り除いた。沈澱した細胞をRPMI1640培地10mlに懸濁させ、そのまま室温で3分間静置した。遠心管の底に沈んだ組織片を吸い取らないように細胞懸濁液を50ml遠心管に移した。以上の操作で調製した感作細胞群を次の細胞融合に用いた。
(C)細胞融合
(A)で調製したP3U1細胞と(B)で調製した感作B細胞(抗体産生細胞)を、P3U1細胞(細胞数):感作細胞群(細胞数)=1:5の割合で混和し、室温にて10分間静置した。その後、1000rpm、室温で5分間遠心し上清を除去した。細胞の入った遠心管を回転させながら、細胞数2×10個あたり1ml容量の50%ポリエチレングリコール(平均分子量1000)を添加し、そのまま50秒間回転を続けた。引き続き遠心管を回転させながら、15mlのRPMI1640培地を添加し、さらに25mlのRPMI1640培地を添加した。細胞懸濁液を軽く混和し内溶液を均一にし、1000rpm、室温で5分間遠心した。上清を取り除き、細胞をヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン入りの培地に懸濁させた(感作細胞として2×10個/mlとした)。この細胞懸濁液を0.2ml/ウエルとなるように96穴平底プレートにまいた。37℃、5%CO下で静置しながら、7日間培養した。
4:ハイブリドーマの選択
3:で得られたハイブリドーマ細胞について、以下の操作を行った。
96穴イムノプレートにLPSp、大腸菌LPSを0.05ml/ウエル入れ、4℃で一晩放置した。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.3〜7.7、日水製薬製)に0.05%ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(和光純薬工業製、Tween20相当品)を添加した溶液(PBS−T)で3回洗浄した後、3%牛血清アルブミン(BSA)を入れ、室温で1時間放置し、抗体その他のタンパクの非特異的吸着を防止する。その後、PBS−Tで3回洗浄後、ウエルに、3:で得られたハイブリドーマ培養上清液0.05mlを入れ、室温で1時間放置した。次いで、該ウエルをPBS−Tで5回洗浄し、1%BSAで希釈したアルカリフォスファターゼ結合抗マウスIgG、M、A免疫グロブリン抗体(Sigma社製)を0.05ml/ウエルに入れ、室温で1時間放置した。その後、PBS−Tで5回洗浄し、1mg/mlになるようにp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム(和光純薬工業製)を基質緩衝液に溶解した溶液を0.1ml/ウエル入れ、室温で1時間放置した後、2規定の水酸化ナトリウム水溶液0.05ml/ウエルを入れてプレートミキサーで混和して反応を停止させ、マイクロプレートリーダーにて415nmの吸光度を測定した。上記測定により、LPSp、大腸菌LPSに対する抗体を産生するハイブリドーマを選択した。
5:クローニング
上記で得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを公知慣用の限界希釈法を用いて、クローニングした。
具体的には、4:で得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの細胞数を数え、1個/0.2ml/ウエルで10%FBS及び10%BM condimed H1(登録商標、ベーリンガーマンハイム社製)を含むRPMI1640培地を用いてまきこみ、37℃、5%CO下で10〜14日間培養した。
得られたクローンを4に記載する方法と同様のELISA法を用いて選別を行った。その結果、8種のモノクローナル抗体産生細胞が得られた。得られた8種の内6種が、LPSpに対して特異的に反応するモノクローナル抗体であることを明らかにした。この6種のモノクローナル抗体の内、4種類(32−G2、4−E11(受託番号NITE BP−329)、20−A8、49−F2)はIgGであった。残りの2種類(86−F11、34−G2(受託番号NITE BP−330))はIgMであった。8種の内、残りの2種類(29−F7,103−C3)は、合成リピドAを含む全てのLPSに対して同程度の強度の反応が認められたことから、リピドA部分に対するモノクローナル抗体と推定され、両抗体ともIgMであった。
(2)パントエア・アグロメランスLPS特異的モノクローナル抗体を用いた定量試験
本発明のモノクローナル抗体を用いて、高純度のLPSp標品の定量性について検討した。その後、他の種類のLPSとLPSpが共存した場合においても、LPSpを特異的に定量することが可能かどうかについて検討した。
具体的には、96穴イムノプレートに実施例1の3:で得られたモノクローナル抗体34−G2を0.05ml/ウエル入れ、4℃で一晩放置した。その後、PBS−Tで3回洗浄した後、3%BSAを入れ、室温で1時間放置し、抗体その他のタンパクの非特異的吸着を防止する。その後、PBS−Tで3回洗浄後、ウエルに段階希釈した高純度のLPSpを含むPBS溶液0.05mlを入れ、室温で1時間放置した。次いで、該ウエルをPBS−Tで5回洗浄し、実施例1の3:で得られたモノクローナル抗体4−E11を0.05ml/ウエル入れ、室温で1時間放置した。次いで、該ウエルをPBS−Tで5回洗浄し、1%BSAで希釈したアルカリフォスファターゼ結合抗マウスIgG免疫グロブリン抗体(Sigma社製)を0.05ml/ウエルに入れ、室温で1時間放置した。その後、PBS−Tで5回洗浄し、1mg/mlになるようにp−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム(和光純薬工業製)を基質緩衝液に溶解した溶液を0.1ml/ウエル入れ、室温で1時間放置した後、2規定の水酸化ナトリウム水溶液を0.05ml/ウエルを入れてプレートミキサーで混和して反応を停止させ、マイクロプレートリーダーにて415nmの吸光度を測定した。その結果、LPSpが10ng/ml以上の濃度であれば定量的に測定できた(表1)。このデータからLPSp量と吸光度との関係は
吸光度値=−7E−06(LPSp濃度)+0.0093(LPSp濃度)
で表すことが出来た。
決定係数は、回帰分析によりR=0.995であった。
この式から、未知のサンプル溶液の吸光度のデータに基づきサンプルのLPSp含量を測定出来る。
Figure 0005216575
さらに、LPSpを含む小麦発酵抽出物(小麦を発酵させて細菌を培養することにより得られるエキス。詳しくは特許文献2参照。)を添加する予定の脱脂米糠と調製米糠より、熱水抽出した液を調製し、既知量のLPSp(16μg/ml)を添加した場合と無添加の場合についてそれぞれ測定した。その結果、脱脂米糠加熱抽出液と調製米糠加熱抽出液ではLPSpは検出されなかった。また、添加したサンプル量がほぼ100%回収され16μg/mlになった。以上のことから、他の種類のLPSとLPSpが共存した場合においても、LPSpを特異的に定量することが可能であった(表2)。
Figure 0005216575
(3)パントエア・アグロメランスLPS特異的モノクローナル抗体を用いた応用例
1:飼料中のパントエア・アグロメランスLPSの定量
本発明のモノクローナル抗体を用いた実施例2のELISA法に準じて、飼料(LPSpを含む小麦発酵抽出物を添加した飼料用プレミックスFFP−EA2)中に含まれるLPSpを特異的に定量可能か検討した。
具体的には、飼料用プレミックスFFP−EA2(LPSpが含まれている)2gに蒸留水を加え、30秒の撹拌(ボルテックスミキサー)を10回行った後、5分間超音波処理(超音波洗浄機 AIWA AU−16C)を行い、20mlの懸濁液を調製した。この1mlをマイクロチューブに分注し、微量遠心機にて遠心分離(室温、5000rpm、5分)を行い、上清(サンプル溶液)を得た。得られたサンプル溶液を、1%BSA含有PBS溶液で320倍まで段階希釈し、実施例2と同様にELISA法で測定した。また、ELISA法による定量の信頼性を確認する目的で、上記のサンプル溶液に標準LPSp溶液を混合したLPSp添加サンプル溶液(添加量LPSp濃度:4.0μg/ml)を調製し、測定に供した。さらに、飼料用プレミックスFFP−EA2からのLPSpの抽出が確実に行われたことを確認するために1gの飼料用プレミックスFFP−EA2に10μgのLPSpを添加し、同様に抽出を行い、抽出確認用サンプル溶液を調整した。100%抽出されれば、基サンプル(サンプル溶液)のLPSp量に1μg/ml増加した値になる。
LPSpのELISA法による測定結果を表3に示した。LPSp算出に用いた計算式は
吸光度値=−8E−05(LPSp濃度)+0.0237(LPSp濃度)
決定係数:R=0.9995
であった。
飼料から調整したサンプル溶液のLPSp濃度は1.1μg/mlと算出され、飼料用プレミックスFFP−EA2に含まれるLPSp量は11μg/gとなった。また、LPSp添加サンプル溶液のLPSp添加量は4μg/mlであり、もとから含まれているLPSpが1.1μg/mlとなったので、理論上のLPSp含有値は5.1μg/mlとなる。実際の測定値は5.1μg/mlとなり、理論値と一致した。また、抽出確認用サンプル溶液のLPSp濃度は2.1μg/mlとなった。基サンプルが1.1μg/mlの濃度なので、添加し抽出された量は1μg/ml分となる。従って、抽出効率(実測抽出LPSp量/添加LPSp量×100)は100%であることが示された。
Figure 0005216575
2:ウエスタンブロットによるパントエア・アグロメランスLPSの検出
本発明のモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロット法により、LPSpを検出可能か検討した。 本発明のモノクローナル抗体が、パントエア・アグロメランスLPS分子に特異的に結合するか否かを明らかにする目的でイムノブロット法を実施した。パントエア・アグロメランスLPS、大腸菌LPSのそれぞれ5μgをサンプル緩衝液と混ぜ、トリシンを用いたドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)を行った。泳動後、LPSをゲルからポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜(BIO-RAD社製)に、半湿式転写装置(セミドライブロッティング装置:SB-160、タイテック、日本)を用いて、80mAで90分間通電し転写した。転写後、PVDF膜は3%牛血清アルブミン(BSA)含有PBS溶液中で室温にて30分間、非特異的反応の防御(ブロッキング)した。その後、0.05%ツイーン20(Tween 20)含有トリス緩衝生理食塩水(TBS:20mM Tris HCl pH7.5、150mM NaCl)にて5回洗浄操作を行った。洗浄後、一次抗体としてパントエア・アグロメランスのLPSに対するモノクローナル抗体(抗体番号32−G2)を含む培養液を5ml加え、室温で60分間反応させた。その後、0.05%Tween 20含有トリス緩衝生理食塩水(TBS:20mM Tris HCl pH7.5、150mM NaCl)にて5回洗浄操作を行った。洗浄後、二次抗体としてアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG、M、A免疫グロブリン抗体(Sigma社製)を1%BSA含有PBS溶液で1000倍希釈したものを5ml加え室温で60分間反応させた。その後、0.05%Tween 20含有TBSにて5回洗浄操作を行った。洗浄後、発色基質0.0165% 5-ブロモ-4-クロロ-3インドリルリン酸(025-08651、和光純薬、日本)、0.033%ニトロブルーテトラゾリウム(N-6876、シグマ)を含むアルカリフォスファターゼ緩衝液(50mMTris HCl pH9.5、1mM MgCl2)を5ml加え、青色のバンドが見えてきたところで、蒸留水中にPVDF膜を移し反応を停止した。その結果、パントエア・アグロメランスのLPSを泳動したレーンは青色のバンドが認められた。大腸菌LPSを泳動したレーンでは青色のバンドは認められなかった。以上の結果より、モノクローナル抗体(抗体番号32−G2)は、パントエア・アグロメランスのLPSに特異的に結合し、ウエスタンブロッティングでパントエア・アグロメランスのLPSを特異的に検出出来ることが示された。
アセトバクター・アセチLPS特異的モノクローナル抗体
(1)アセトバクター・アセチLPS特異的モノクローナル抗体の作成
1:免疫源の調製
アセトバクター・アセチの菌体を生理食塩水に1×10個/mlになるように懸濁し80℃、30分間加熱したものを加熱死菌とした。
2:感作B細胞(抗体産生細胞)の作製
アセトバクター・アセチの菌体を用いて実施例1と同様に行った。
3:細胞融合
実施例1と同様に行った。
4:ハイブリドーマの選択
3:で得られたハイブリドーマ細胞について、実施例1と同様にアセトバクター・アセチLPSに対する抗体を産生するハイブリドーマを選択した。
5:クローニング
上記で得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを実施例1と同様に、クローニングした。
得られたクローンを4に記載する方法と同様のELISA法を用いて選別を行った。その結果、10種のモノクローナル抗体産生細胞がアセトバクター・アセチLPSに対して特異的に反応するモノクローナル抗体であることを明らかにした。この10種のモノクローナル抗体の内、1種類(5A-4/A-8・G-12)はIgGであった。残りの9種類(1A-5/E-10・G-1、1G-10/B-11・E-1、4A-9/F-11・A-5(受託番号NITE BP−325)、5A-5/A-10・A10、5A-6/C-3・D-11、5E-7/E-11・C-12、6A-7/H-3・E-12、6C-9/F-7・E-11(受託番号NITE BP−326)、6G-6/H-3・C-12)はIgMであった。
(2)アセトバクター・アセチLPS特異的モノクローナル抗体を用いた定量試験
本発明のモノクローナル抗体を用いて、高純度のアセトバクター・アセチLPS標品の定量性について検討した。その後、他の種類のLPSとアセトバクター・アセチLPSが共存した場合においても、アセトバクター・アセチLPSを特異的に定量することが可能かどうかについて検討した。
具体的には、96穴イムノプレートに実施例2の3:で得られたモノクローナル抗体5/E-10・G-1と5A-4/A-8・G-12を用いて実施例1と同様に行った。その結果、アセトバクター・アセチLPSが1.6ng/ml以上の濃度であれば定量的に測定できた(表4)。このデータからアセトバクター・アセチLPS量と吸光度との関係は
吸光度値=−6.989E−05(アセトバクター・アセチLPS濃度)+0.02511(アセトバクター・アセチLPS濃度)+0.002402
で表すことが出来た。
決定係数は、回帰分析によりR=0.9995であった。
この式から、未知のサンプル溶液の吸光度のデータに基づきサンプルのアセトバクター・アセチLPS含量を測定出来る。
Figure 0005216575
さらに、既知量のアセトバクター・アセチLPSを脱脂米糠と調整米糠に添加し、熱水抽出した液を調製し、アセトバクター・アセチLPS量を測定した。その結果、脱脂米糠加熱抽出液と調整米糠加熱抽出液ではアセトバクター・アセチLPSは検出されなかった。また、添加したサンプル量がほぼ100%回収された。以上のことから、他の種類のLPSとアセトバクター・アセチLPSが共存した場合においても、アセトバクター・アセチLPSを特異的に定量することが可能であった(表5)。
Figure 0005216575
(3)アセトバクター・アセチLPS特異的モノクローナル抗体を用いた応用例
1:飼料中のアセトバクター・アセチLPSの定量
本発明のモノクローナル抗体を用いた実施例2のELISA法に準じて、飼料(アセトバクター・アセチLPSを含む小麦発酵抽出物を添加した飼料用プレミックスFFP−EA2)中に含まれるアセトバクター・アセチLPSを特異的に定量可能か検討した。
具体的には、飼料用プレミックスFFP−EA2(アセトバクター・アセチLPSが含まれている)を用いて実施例1と同様に行った。アセトバクター・アセチLPSのELISA法による測定結果を表6に示した。アセトバクター・アセチLPS算出に用いた計算式は
吸光度値=-5.706E-05(アセトバクター・アセチLPS濃度)+0.02212(アセトバクター・アセチLPS濃度)+0.01192
決定係数:R=0.9996であった。
飼料から調整したサンプル溶液のアセトバクター・アセチLPS濃度は1.0μg/mlと算出され、飼料用プレミックスFFP−EA2に含まれるアセトバクター・アセチLPS量は10μg/gとなった。また、アセトバクター・アセチLPS添加サンプル溶液のアセトバクター・アセチLPS添加量は4μg/mlであり、もとから含まれているアセトバクター・アセチLPSが1.0μg/mlとなったので、理論上のアセトバクター・アセチLPS含有値は5.0μg/mlとなる。実際の測定値は5.0μg/mlとなり、理論値と一致した。また、抽出確認用サンプル溶液のアセトバクター・アセチLPS濃度は2.0μg/mlとなった。基サンプルが1.0μg/mlの濃度なので、添加し抽出された量は1.0μg/ml分となる。従って、抽出効率(実測抽出アセトバクター・アセチLPS量/添加アセトバクター・アセチLPS量×100)は100%であることが示された。
Figure 0005216575
キサントモナスLPS特異的モノクローナル抗体
(1)キサントモナスLPS特異的モノクローナル抗体の作成
1:免疫源の調製
キサントモナスの菌体を生理食塩水に1×10個/mlになるように懸濁し80℃、30分間加熱したものを加熱死菌とした。
2:感作B細胞(抗体産生細胞)の作製
キサントモナスの菌体を用いて実施例1と同様に行った。
3:細胞融合
実施例1と同様に行った。
4:ハイブリドーマの選択
3:で得られたハイブリドーマ細胞について、実施例1と同様にキサントモナスLPSに対する抗体を産生するハイブリドーマを選択した。
5:クローニング
上記で得られたモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを実施例1と同様に、クローニングした。
得られたクローンを4に記載する方法と同様のELISA法を用いて選別を行った。その結果、22種のモノクローナル抗体産生細胞がキサントモナスLPSに対して特異的に反応するモノクローナル抗体であることを明らかにした。この22種のモノクローナル抗体の内、6種類(1-1A1H9F9, 1-2F5E11F5, 2-2D4G5C1(受託番号NITE BP−328), 2-4B2G1E6, 2-10D1D1E4, 2-10A10G2B2)はIgGであった。残りの16種類(1-2G5A6G1, 1-3B6C10H1, 1-3D11G6C2, 1-5F9F11F1, 1-7A1E12F5(受託番号NITE BP−327), 1-7C6C10G6, 1-7C9C9A8, 1-9F5A9C2, 1-9D11B9E6F5E11, 2-1H8F4B1, 2-3A11F9E11, 2-7G2E1C3, 2-7G10B8A6, 2-8F7F4G4, 2-10A3G6E5, 2-10E12C11C6)はIgMであった。
(2)キサントモナスLPS特異的モノクローナル抗体を用いた定量試験
本発明のモノクローナル抗体を用いて、高純度のキサントモナスLPS標品の定量性について検討した。その後、他の種類のLPSとキサントモナスLPSが共存した場合においても、キサントモナスLPSを特異的に定量することが可能かどうかについて検討した。
具体的には、96穴イムノプレートに実施例2の3:で得られたモノクローナル抗体1-7A1E12F5と2-4B2G1E6を用いて実施例1と同様に行った。その結果、キサントモナスLPSが10ng/ml以上の濃度であれば定量的に測定できた(表7)。このデータからキサントモナスLPS量と吸光度との関係は
吸光度値=−9.437E−05(キサントモナスLPS濃度)+0.0266(キサントモナスLPS濃度)+0.002441
で表すことが出来た。
決定係数は、回帰分析によりR=0.9998であった。
この式から、未知のサンプル溶液の吸光度のデータに基づきサンプルのキサントモナスLPS含量を測定出来る。
Figure 0005216575
さらに、既知量のキサントモナスLPSを脱脂米糠と調整米糠に添加し、熱水抽出した液を調製し、キサントモナスLPS量を測定した。その結果、脱脂米糠加熱抽出液と調整米糠加熱抽出液ではキサントモナスLPSは検出されなかった。また、添加したサンプル量がほぼ100%回収された。以上のことから、他の種類のLPSとキサントモナスLPSが共存した場合においても、キサントモナスLPSを特異的に定量することが可能であった(表8)。
Figure 0005216575
(3)キサントモナスLPS特異的モノクローナル抗体を用いた定量法の応用例:飼料中のキサントモナスLPSの定量
本発明のモノクローナル抗体を用いた実施例2のELISA法に準じて、飼料(キサントモナスLPSを含む小麦発酵抽出物を添加した飼料用プレミックスFFP−EA2)中に含まれるキサントモナスLPSを特異的に定量可能か検討した。
具体的には、飼料用プレミックスFFP−EA2(キサントモナスLPSが含まれている)を用いて実施例1と同様に行った。キサントモナスLPSのELISA法による測定結果を表9に示した。キサントモナスLPS算出に用いた計算式は
吸光度値=-1.172E-05(キサントモナスLPS濃度)+0.008904(キサントモナスLPS濃度)-0.0003557
決定係数:R=1.000
であった。
飼料から調整したサンプル溶液のキサントモナスLPS濃度は1.0μg/mlと算出され、飼料用プレミックスFFP−EA2に含まれるキサントモナスLPS量は10μg/gとなった。また、キサントモナスLPS添加サンプル溶液のキサントモナスLPS添加量は4μg/mlであり、もとから含まれているキサントモナスLPSが1.0μg/mlとなったので、理論上のキサントモナスLPS含有値は5.0μg/mlとなる。実際の測定値は5.0μg/mlとなり、理論値と一致した。また、抽出確認用サンプル溶液のキサントモナスLPS濃度は2.0μg/mlとなった。基サンプルが1.0μg/mlの濃度なので、添加し抽出された量は1.0μg/ml分となる。従って、抽出効率(実測抽出キサントモナスLPS量/添加キサントモナスLPS量×100)は100%であることが示された。
Figure 0005216575
2:ウエスタンブロットによるキサントモナスLPSの検出
本発明のモノクローナル抗体(抗体番号1-7 A1 E12 F5)を用いたウエスタンブロット法により、キサントモナスLPSを検出可能か実施例1の(3)の2と同様に検討した。その結果、キサントモナスのLPSを泳動したレーンは青色のバンドが認められ、対照に用いた大腸菌LPS、パントエア・アグロメランスLPSとは青色のバンドが認められなかった。以上の結果より、モノクローナル抗体(抗体番号1-7 A1 E12 F5)は、キサントモナスのLPSに特異的に結合し、ウエスタンブロッティングで特異的にキサントモナスのLPSを検出出来ることが示された。

本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (3)

  1. 受託番号がNITE BP−325、NITE BP−326、NITE BP−327、NITE BP−328、NITE BP−329又はNITE BP−330であることを特徴とするハイブリドーマ。
  2. 請求項1記載のハイブリドーマにより産生されることを特徴とするモノクローナル抗体。
  3. 請求項2記載のモノクローナル抗体を用いることによってアセトバクター・アセチ、キサントモナス又はパントエア・アグロメランスのリポ多糖を定量することを特徴とするリポ多糖の定量方法。
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