JP5214917B2 - 印刷色予測方法及び予測システム - Google Patents

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Description

本発明は、印刷機を用いて作成される印刷物の色を予測する印刷色予測方法及び予測システムに関する。
印刷物は、例えば、C、M、Y、Kの各色毎のフイルム原版を作成し、各フイルム原版からPS版(Presensitized Plate)を焼き付けて現像した後、これらのPS版を輪転機等の印刷機に装着し、印圧、湿し水、温度等の印刷条件を調整して作成される。
このように、印刷物は、複雑な工程で作成されており、所望の色の印刷物を得るためには、印刷物の作成に先立ち、カラープリンタ等の簡便な出力装置を用いてプルーフを作成し、そのプルーフを確認して印刷条件を調整することが行われる。
ところで、印刷直後の印刷物の色と、印刷から所定時間経過後の印刷物の色とでは、印刷用紙に対するインクの浸透や、インクの乾燥の影響により色調が異なっている。この現象は、一般にドライダウンと呼ばれている。
例えば、図8に示すように、横軸を印刷後の経過時間min(分)、縦軸を印刷から十分な時間が経過したときの色を基準とした色差dEとすると、色差dEは、C、M、Y、Kの各インクの印刷直後における変動が大きく、経過時間minが長くなるに従い変動が小さくなっている。しかも、色差dEは、各インクによって異なっている。
また、図9、図10、図11に示すように、印刷物の色を測色値L*、a*、b*で表した場合、a**平面、L**平面、L**平面の各平面において、点線で示す印刷直後であるドライダウン前の色再現範囲は、実線で示すドライダウン後の色再現範囲に縮小されており、特に、シャドー側で縮小の割合が顕著になっている。
さらに、図12、図13、図14に示すように、印刷物の色を測色値X、Y、Zで表した場合、横軸を網%、縦軸を測色値X、Y、Zとすると、測色値X、Y、Zは、点線で示すドライダウン前から実線で示すドライダウン後まで大きくなる方向に変化しており、しかも、網%によって変化量が異なっている。
印刷の現場では、このようなドライダウンを考慮して校正刷りの色調を確認する必要がある。この場合、校正刷りの色調が安定するまでには、長時間を要することから、現場のオペレータは、ドライダウン後の印刷物に対応した刷り見本と、ドライダウン前の印刷物から経験に基づいて推定したドライダウン後の印刷物とを比較していた。そのため、オペレータの経験によって色の調整に差異が生じる問題があった。
そこで、ドライダウン前の印刷物に基づいて色を調整する方法として、特許文献1では、印刷シートに形成した対象色毎のドライダウン前の色調を計測し、各色調のドライダウン前後の色調の変化量を予め記憶しておき、印刷物のドライダウン後の色調の基準値に前記変化量を加算した値をドライダウン前の目標値とし、この目標値と印刷物のドライダウン前の色調とを比較するようにしている。
また、特許文献2では、カラーチャートのドライダウン前の測色値及びドライダウン後の測色値から、色変換関係であるドライダウン前のプロファイル及びドライダウン後のプロファイルを作成し、これらのプロファイルを用いてドライダウン前後の色調をシミュレーションするようにしている。
特開2004−230793号公報 特開2004−251848号公報
しかしながら、これらの従来技術では、ドライダウン前後の色調の変化量、あるいは、ドライダウン前の測色値を得るために、多数のパッチからなるカラーチャートを印刷しなければならない。例えば、C、M、Y、Kの4色の各組み合わせからなるカラーチャートでは、高精度な色調整を行うために1000程度のパッチが必要となる。この場合、これらの多数のパッチを測色するには、かなりの測定時間を要するため、図8に示すように、測定中にパッチの色が変動してしまう。従って、測色値の信頼性が低いという不具合がある。
本発明は、前記の不具合を解消するためになされたものであり、印刷物のドライダウン前の色を容易且つ高精度に予測することのできる印刷色予測方法及び予測システムを提供することを目的とする。
本発明の印刷色予測方法は、印刷機を用いて作成される印刷物の色を予測する印刷色予測方法において、
デバイス依存データに基づき前記印刷機を用いて作成されたドライダウン前のカラーチャートを測定し、ドライダウン前測色値を得るステップと、
ドライダウン後の前記カラーチャートを測定し、ドライダウン後測色値を得るステップと、
前記ドライダウン前測色値及び前記ドライダウン後測色値を用いて、前記デバイス依存データに対するドライダウン前後の測色値の差分量を算出するステップと、
前記差分量を補間することで、任意のデバイス依存データに対する差分量を算出し、算出した前記差分量と、前記任意のデバイス依存データに対するドライダウン後測色値とを用いて、前記任意のデバイス依存データに対するドライダウン前測色値を算出するステップと、
からなることを特徴とする。
また、本発明の印刷色予測システムは、印刷機を用いて作成される印刷物の色を予測する印刷色予測システムにおいて、
デバイス依存データに基づき前記印刷機を用いて作成されたカラーチャートを測定し、測色値を得る測色計と、
ドライダウン前の前記カラーチャートを測定して得られたドライダウン前測色値と、ドライダウン後の前記カラーチャートを測定して得られたドライダウン後測色値との差分量を用いて、デバイス依存データをドライダウン前後の測色値の差分量に変換する差分量変換テーブルを作成する差分量変換テーブル作成部と、
デバイス依存データに対するドライダウン後測色値を求めるドライダウン後印刷予測プロファイルを作成するドライダウン後印刷予測プロファイル作成部と、
補間した前記差分量変換テーブル及び前記ドライダウン後印刷予測プロファイルを用いて、デバイス依存データに対するドライダウン前測色値を求めるドライダウン前印刷予測プロファイルを作成するドライダウン前印刷予測プロファイル作成部と、
を備え、前記ドライダウン前印刷予測プロファイルを用いて、任意のデバイス依存データに対するドライダウン前測色値を算出することで、前記印刷物の色を予測することを特徴とする。
さらに、本発明の印刷色予測システムは、印刷機を用いて作成される印刷物の色を予測する印刷色予測システムにおいて、
前記印刷物のプルーフを出力するプルーフ出力手段と、
デバイス依存データから、前記印刷機を用いて作成されるドライダウン前の前記印刷物の予測測色値を求めるドライダウン前印刷予測プロファイルと、
デバイス依存データから、前記印刷機を用いて作成されるドライダウン後の前記印刷物の予測測色値を求めるドライダウン後印刷予測プロファイルと、
前記ドライダウン前印刷予測プロファイル又は前記ドライダウン後印刷予測プロファイルを選択するプロファイル選択部と、
前記予測測色値から前記プルーフ出力手段のデバイス依存データを求める出力プロファイルと、
を備え、前記プロファイル選択部により選択した前記ドライダウン前印刷予測プロファイル又は前記ドライダウン後印刷予測プロファイルを用いて、任意のデバイス依存データから前記印刷物の予測測色値を求め、出力プロファイルを用いて、前記予測測色値からデバイス依存データを求め、前記デバイス依存データを用いて、前記プルーフ出力手段により前記プルーフを出力することを特徴とする。
本発明の印刷色予測方法及び予測システムでは、必要最小限のカラーチャートを測定して得たドライダウン前の測色値と、カラーチャートを測定して得たドライダウン後の測色値とを用いて、高精度なドライダウン前測色値を容易に求めることができる。そして、このドライダウン前測色値を用いることで、印刷物のドライダウン前のプルーフを高精度に作成して、印刷物の色を予測することができる。
図1は、本実施形態の印刷色予測システム10を示す。印刷色予測システム10は、C、M、Y、Kの各色を制御するCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)を編集する編集装置12と、編集されたCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)を用いて印刷物P1を作成する印刷機14と、CMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)を、色予測するためのCMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)に変換する色変換装置16と、CMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)を用いて印刷物P1のプルーフP2を作成するプリンタ18(プルーフ出力手段)と、色変換装置16に組み込まれるドライダウン前印刷予測プロファイル20、ドライダウン後印刷予測プロファイル21及びプリンタプロファイル22(出力プロファイル)を作成するプロファイル作成装置24とを備える。なお、色変換装置16は、ドライダウン前印刷予測プロファイル20又はドライダウン後印刷予測プロファイル21を選択するプロファイル選択部23を備える。
ドライダウン前印刷予測プロファイル20は、印刷機14によって作成されるドライダウン前の印刷物P1のデバイスに依存しない測色値(予測測色値)、例えば、三刺激値(X、Y、Z)を予測するためのプロファイルであり、既知のCMYK画像データ(デバイス依存データ)と、このCMYK画像データから印刷機14を用いて作成されたドライダウン前後のカラーチャートC1の測色値(ドライダウン前測色値及びドライダウン後測色値)の差分量と、ドライダウン後のカラーチャートC1の測色値とに基づいて、プロファイル作成装置24により作成される。
ドライダウン後印刷予測プロファイル21は、印刷機14によって作成されるドライダウン後の印刷物P1のデバイスに依存しない測色値(予測測色値)を予測するためのプロファイルであり、既知のCMYK画像データと、このCMYK画像データから印刷機14を用いて作成されたドライダウン後のカラーチャートC1の測色値とに基づいて、プロファイル作成装置24により作成される。
プリンタプロファイル22は、ドライダウン前印刷予測プロファイル20又はドライダウン後印刷予測プロファイル21によって予測された印刷物P1のデバイスに依存しない測色値、例えば、三刺激値(X、Y、Z)を、プリンタ18の出力特性に依存するCMYK画像データに変換するためのプロファイルであり、既知のCMYK画像データと、このCMYK画像データからプリンタ18を用いて作成されたカラーチャートC2の測色値とに基づいて、プロファイル作成装置24により作成される。
図2は、プロファイル作成装置24の構成を示す。プロファイル作成装置24は、カラーチャートC1、C2の測色値を測定する測色計26と、ドライダウン後のカラーチャートC1を測色してドライダウン後印刷予測プロファイル21を作成するドライダウン後印刷予測プロファイル作成部28と、ドライダウン前のカラーチャートC1を測色して得られる測色値とドライダウン後のカラーチャートC1を測色して得られる測色値とを用いてドライダウン補正テーブル(差分量変換テーブル)を作成するドライダウン補正テーブル作成部30(差分量変換テーブル作成部)と、ドライダウン後印刷予測プロファイル21とドライダウン補正テーブルとを用いてドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成するドライダウン前印刷予測プロファイル作成部32と、プリンタ18により作成したカラーチャートC2の測色値を測定してプリンタプロファイル22を作成するプリンタプロファイル作成部34(出力プロファイル作成部)とを備える。
本実施形態の印刷色予測システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、この印刷色予測システム10を用いた印刷色予測方法について説明する。
先ず、図3に示すフローチャートに基づき、プロファイル作成装置24によるドライダウン前印刷予測プロファイル20及びドライダウン後印刷予測プロファイル21の作成手順について説明する。
編集装置12から既知のCMYK画像データを印刷機14に供給し、印刷機14を用いてカラーチャートC1を印刷する(ステップS1)。この場合、0%〜100%の範囲における所定の間隔でCMYK画像データの各網%を設定し、多数のカラーパッチ36、例えば、1000程度のカラーパッチ36からなるカラーチャートC1を作成する(図4参照)。
次に、ステップS1で作成した印刷直後のカラーチャートC1のカラーパッチ36から特定のカラーパッチ38(ドライダウン前必要カラーパッチ)を選択し、測色計26を用いて、これらのカラーパッチ38を測色する(ステップS2)。
この場合、選択したカラーパッチ38は、例えば、網%が20%、40%、60%、80%、100%に設定され、C、M、Y、Kの単色のインクで形成された20パッチ、CM、MY、CYの二次色のインクで形成された15パッチ、CMYの三次色のインクで形成された5パッチ、CMYKの四次色のインクで形成された5パッチ、及び、網%が0%又は100%に設定されたCMYのインクと網%が100%に設定されたKのインクとで形成され、上記の各パッチと重複しない6パッチから構成される。これらの51パッチからなるカラーパッチ38は、パッチ数が少ないため、測色計26を用いて極めて短時間で測色することができる。従って、測色中のドライダウンの影響を無視することができ、全てのカラーパッチ38を略同一の条件で測色することができる。
なお、カラーチャートC1からカラーパッチ38を選択する代わりに、ドライダウン前必要カラーパッチのみからなるカラーチャートをカラーチャートC1とは別に作成し、このカラーチャートを測色する方がより好ましい。その理由は、多数のカラーパッチ36が形成された広い面積のカラーチャートC1から必要なカラーパッチ38を選択して測色する際、測色のための測色計26あるいはカラーチャートC1の移動時間を考えると、その間にドライダウンが進行してしまうおそれがあるからである。これに対して、ドライダウン前必要カラーパッチのみからなるカラーチャートは、面積を小さくできるため、測色に要する時間を短縮してドライダウン前の所望の測色値を得ることができる。
また、ドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成するためのドライダウン前必要カラーパッチは、カラーパッチ36から特定のカラーパッチ38を選択して構成されるものに限られるものではなく、カラーパッチ36とは独立に作成されたカラーパッチによって構成してもよい。
次いで、印刷から十分な時間が経過し、ドライダウンが進行して色調が安定したカラーチャートC1のカラーパッチ38を含む全てのカラーパッチ36(ドライダウン後全カラーパッチ)を、測色計26を用いて測色する(ステップS3)。
この場合、カラーチャートC1は、例えば、1000程度のパッチ数からなるため、測色にかなりの時間を要することもあり得る。しかしながら、カラーチャートC1は、印刷から十分な時間が経過していることから、安定した測色値を得ることができる。
ドライダウン後印刷予測プロファイル作成部28では、カラーチャートC1の作成に使用した既知のCMYK画像データと、ステップS3で測色したドライダウン後の全てのカラーパッチ36のカラーチャートC1の測色値、例えば、三刺激値(Xa、Ya、Za)とを用いて、CMYK画像データに対するドライダウン後の三刺激値(Xa、Ya、Za)を求めるドライダウン後印刷予測プロファイル21を作成する(ステップS4)。作成されたドライダウン後印刷予測プロファイル21は、印刷色予測システム10の色変換装置16に設定される。
次に、ドライダウン補正テーブル作成部30では、ステップS2で取得したドライダウン前のカラーパッチ38の測色値、例えば、三刺激値(Xb、Yb、Zb)と、ステップS3で取得したドライダウン後のカラーパッチ38の測色値、例えば、三刺激値(Xa、Ya、Za)との測色値差分量(dX、dY、dZ)を求め、この測色値差分量(dX、dY、dZ)と、カラーチャートC1の作成に使用した既知のCMYK画像データとを用いて、CMYK画像データを測色値差分量(dX、dY、dZ)に変換するドライダウン補正テーブルを作成する(ステップS5)。なお、dX=Xa−Xb、dY=Ya−Yb、dZ=Za−Zbとする。
ここで、ドライダウン前のカラーパッチ38は、測色時間を短縮するため、少ないパッチ数、例えば、51パッチのみが測色されており、これらから得られる測色値だけでは、ラフなCMYK画像データ(デバイス依存データ)と測色値差分量(dX、dY、dZ)との対応関係しか得られない。そこで、測色値差分量(dX、dY、dZ)を補間し、CMYK画像データ(デバイス依存データ)を、補間した測色値差分量(dX、dY、dZ)に変換するドライダウン補正テーブルを作成する。この場合、測色値差分量(dX、dY、dZ)は、ドライダウン前のカラーパッチ38の測色値と比較すると、差分量であるためにその値が極めて小さく、従って、差分量を補間して得られる測色値差分量(dX、dY、dZ)の誤差も極めて小さい。そのため、補間した測色値差分量(dX、dY、dZ)を用いて、ドライダウン後印刷予測プロファイル21と同程度の精度からなるドライダウン補正テーブルを作成することができる。
なお、CMYK画像データと三刺激値(X、Y、Z)との関係は、図5に示すように、非線形の関係にあるため、この非線形の関係を考慮して測色値差分量(dX、dY、dZ)が推定される。この推定方法としては、例えば、特開2006−24971号に開示されている方法を利用することができる。
ドライダウン前印刷予測プロファイル作成部32では、ステップS4で作成したドライダウン後印刷予測プロファイル21の三刺激値(Xa、Ya、Za)から、ステップS5で作成したドライダウン補正テーブルを補間して得られる測色値差分量(dX、dY、dZ)を減算することで、CMYK画像データと、ドライダウン前の三刺激値(Xb、Yb、Zb)との関係であるドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成する(ステップS6)。作成されたドライダウン前印刷予測プロファイル20は、印刷色予測システム10の色変換装置16に設定される。
なお、ステップS5において、測色値差分量(dX、dY、dZ)をdX=Xb−Xa、dY=Yb−Ya、dZ=Zb−Zaとして求めた場合には、ドライダウン前印刷予測プロファイル20は、ステップS4で作成したドライダウン後印刷予測プロファイル21の三刺激値(Xa、Ya、Za)に、ステップS5で作成したドライダウン補正テーブルを補間して得られる測色値差分量(dX、dY、dZ)を加算することで、ドライダウン前印刷予測プロファイル20が作成される。
また、上記の説明では、印刷直後のカラーチャートC1のカラーパッチ36を測色することにより、印刷直後におけるドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成するものとしている。これに対して、印刷後5分、10分、20分、30分等の印刷後の異なる経過時間においてカラーチャートC1のカラーパッチ36を測色し、各経過時間でのドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成するようにしてもよい。
さらに、異なる経過時間における複数のドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成し、所望の経過時間でのドライダウン前印刷予測プロファイル20を線形補間、スプライン補間、多項式近似等を用いて算出するようにしてもよい。
次に、図6にフローチャートに基づき、プロファイル作成装置24におけるプリンタプロファイル22の作成手順について説明する。
この場合、色変換装置16から既知のCMYK画像データをプリンタ18に供給し、カラーチャートC1を印刷する場合(ステップS1)と同様にして、複数のカラーパッチからなるカラーチャートC2を記録媒体上に出力する(ステップS11)。
カラーチャートC2を出力して十分に時間が経過して色調が安定した後、カラーチャートC2の各カラーパッチを測色計26によって測色し、例えば、三刺激値(X、Y、Z)を求める(ステップS12)。そして、この三刺激値(X、Y、Z)と、カラーチャートC2の作成に使用したCMYK画像データとの関係であるプリンタプロファイル22を作成する(ステップS13)。作成されたプリンタプロファイル22は、色変換装置16に設定される。
以上のようにしてドライダウン前印刷予測プロファイル20、ドライダウン後印刷予測プロファイル21及びプリンタプロファイル22を設定した後、印刷色予測システム10を用いてプルーフP2を作成し、得られたプルーフP2に基づいて印刷条件等の調整作業を行う。
そこで、図7に示すフローチャートに基づき、プルーフP2を作成して印刷条件等を調整する処理について説明する。
編集装置12は、所望のCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)を作成し(ステップS21)、色変換装置16に供給する。色変換装置16では、先ず、プロファイル選択部23によってドライダウン後印刷予測プロファイル21が選択される(ステップS22)。ドライダウン後印刷予測プロファイル20は、デバイス依存データであるCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)をデバイス非依存データである三刺激値(X、Y、Z)に変換する(ステップS23)。
次いで、前記三刺激値(X、Y、Z)は、プリンタプロファイル22によってプリンタ18の出力特性に依存したCMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)に変換され(ステップS24)、このCMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)を用いて、ドライダウン後の印刷物P1に対応したプルーフP2が作成される(ステップS25)。
そこで、オペレータは、プルーフP2を確認し、必要に応じてCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)を調整し(ステップS26)、所望のドライダウン後のプルーフP2が得られるまで、ステップS23〜S26の処理を繰り返す。
所望のドライダウン後のプルーフP2が得られた後、プロファイル選択部23によってドライダウン前印刷予測プロファイル20が選択される(ステップS27)。なお、ドライダウン前印刷予測プロファイル20は、印刷物P1を確認する印刷後経過時間に対応したプロファイルが選択されるものとする。
選択されたドライダウン前印刷予測プロファイル20を用いて、ステップS26で調整されたCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)が三刺激値(X、Y、Z)に変換される(ステップS28)。次いで、三刺激値(X、Y、Z)がプリンタプロファイル22によってプリンタ18の出力特性に依存したCMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)に変換され(ステップS29)、このCMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)を用いて、プリンタ18によりドライダウン前の所望の経過時間の印刷物P1に対応したプルーフP2が作成される(ステップS30)。
一方、印刷機14は、ステップS26で調整されたCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)を用いて印刷物P1を作成する(ステップS31)。オペレータは、このドライダウン前の印刷物P1とドライダウン前のプルーフP2とを比較し、例えば、これらの色が一致しない場合、印刷機14におけるべた濃度等の印刷条件を微調整する(ステップS32)。そして、色が一致するまで、ステップS31〜S32の処理を繰り返す。この結果、ドライダウン前の印刷物P1を用いて、オペレータの経験によらず、印刷条件を容易且つ適切に調整することができる。
なお、上述した実施形態では、ドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成し、このドライダウン前印刷予測プロファイル20を用いてドライダウン前の印刷物P1のプルーフP2を作成するようにしているが、例えば、任意の印刷物P1を作成し、そのドライダウン後の測色値を測定し、ドライダウン補正テーブル作成部30で作成したドライダウン補正テーブルを用いて印刷物P1の測色値を補正することで、印刷物P1のプルーフP2を作成するようにしてもよい。
また、色変換装置16において、ドライダウン前印刷予測プロファイル20又はドライダウン後印刷予測プロファイル21を用いて、CMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)から三刺激値(X、Y、Z)を求めた後、プリンタプロファイル22を用いて、三刺激値(X、Y、Z)からCMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)を求めるものとして説明したが、三刺激値(X、Y、Z)に代えて、例えば、測色値L*、a*、b*を介してCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)からCMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)を求めるようにしてもよい。
また、ドライダウン前印刷予測プロファイル20又はドライダウン後印刷予測プロファイル21と、プリンタプロファイル22とを1つのプロファイルに合成し、このプロファイルを用いてCMYK画像データ(C1、M1、Y1、K1)から直接CMYK画像データ(C2、M2、Y2、K2)を求めるようにしてもよい。
さらに、印刷色予測システム10では、プリンタ18を用いてプルーフP2を作成するよう構成しているが、プリンタ18に代えて、例えば、カラーモニタ(プルーフ出力手段)にプルーフP2を表示するようにしてもよい。この場合、プロファイル作成装置24は、カラーモニタに表示させたカラーチャートC2を測色することでモニタプロファイル(出力プロファイル)を作成し、このモニタプロファイルを色変換装置16に設定することになる。
さらにまた、C、M、Y、Kの4色のデバイス依存データに対するプロファイルを作成する場合に限られるものではなく、2色以上の任意の色数からなるデバイス依存データに対するドライダウン前印刷予測プロファイル20を作成する場合にも適用することができる。
本実施形態の印刷色予測システムの全体構成図である。 図1に示すプロファイル作成装置の構成ブロック図である。 ドライダウン前印刷予測プロファイルの作成フローチャートである。 ドライダウン前印刷予測プロファイル及びドライダウン後印刷予測プロファイルを作成するためのカラーチャートの説明図である。 CMYK画像データと三刺激値(X、Y、Z)との関係説明図である。 プリンタプロファイルの作成フローチャートである。 印刷条件等の調整処理のフローチャートである。 ドライダウンによって生じる色差の説明図である。 **平面におけるドライダウンの説明図である。 **平面におけるドライダウンの説明図である。 **平面におけるドライダウンの説明図である。 測色値Xのドライダウンの説明図である。 測色値Yのドライダウンの説明図である。 測色値Zのドライダウンの説明図である。
符号の説明
10…印刷色予測システム
12…編集装置
14…印刷機
16…色変換装置
18…プリンタ
20…ドライダウン前印刷予測プロファイル
21…ドライダウン後印刷予測プロファイル
22…プリンタプロファイル
23…プロファイル選択部
24…プロファイル作成装置
26…測色計
28…ドライダウン後印刷予測プロファイル作成部
30…ドライダウン補正テーブル作成部
32…ドライダウン前印刷予測プロファイル作成部
34…プリンタプロファイル作成部
C1、C2…カラーチャート
P1…印刷物
P2…プルーフ

Claims (7)

  1. 印刷機を用いて作成される印刷物の色を予測する印刷色予測方法において、
    デバイス依存データに基づき前記印刷機を用いて作成されたドライダウン前のカラーチャートを測定し、ドライダウン前測色値を得るステップと、
    ドライダウン後の前記カラーチャートを測定し、ドライダウン後測色値を得るステップと、
    前記ドライダウン前測色値及び前記ドライダウン後測色値を用いて、前記デバイス依存データに対するドライダウン前後の測色値の差分量を算出するステップと、
    前記差分量を補間することで、任意のデバイス依存データに対する差分量を算出し、算出した前記差分量と、前記任意のデバイス依存データに対するドライダウン後測色値とを用いて、前記任意のデバイス依存データに対するドライダウン前測色値を算出するステップと、
    からなることを特徴とする印刷色予測方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記カラーチャートの作成に使用した前記デバイス依存データと、前記デバイス依存データに対するドライダウン前後の測色値の差分量とを用いて、デバイス依存データをドライダウン前後の測色値の差分量に変換する差分量変換テーブルを作成し、前記差分量変換テーブルを補間することで、前記任意のデバイス依存データに対する測色値の差分量を算出することを特徴とする印刷色予測方法。
  3. 請求項2記載の方法において、
    デバイス依存データと、前記デバイス依存データに基づき前記印刷機を用いて作成されたカラーチャートのドライダウン後測色値とを用いて、デバイス依存データに対するドライダウン後測色値を求めるドライダウン後印刷予測プロファイルを作成し、前記ドライダウン後印刷予測プロファイルと、補間した前記差分量変換テーブルとを用いて、デバイス依存データに対するドライダウン前測色値を求めるドライダウン前印刷予測プロファイルを作成し、前記ドライダウン前印刷予測プロファイルを用いて、前記任意のデバイス依存データに対するドライダウン前測色値を算出することを特徴とする印刷色予測方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法において、
    前記カラーチャートの作成後の経過時間が異なる複数組の前記ドライダウン前測色値を測定し、前記各経過時間における前記ドライダウン前測色値を補間することで、前記カラーチャートの作成後の任意の経過時間におけるドライダウン前測色値を算出することを特徴とする印刷色予測方法。
  5. 印刷機を用いて作成される印刷物の色を予測する印刷色予測システムにおいて、
    デバイス依存データに基づき前記印刷機を用いて作成されたカラーチャートを測定し、測色値を得る測色計と、
    ドライダウン前の前記カラーチャートを測定して得られたドライダウン前測色値と、ドライダウン後の前記カラーチャートを測定して得られたドライダウン後測色値との差分量を用いて、デバイス依存データをドライダウン前後の測色値の差分量に変換する差分量変換テーブルを作成する差分量変換テーブル作成部と、
    デバイス依存データに対するドライダウン後測色値を求めるドライダウン後印刷予測プロファイルを作成するドライダウン後印刷予測プロファイル作成部と、
    補間した前記差分量変換テーブル及び前記ドライダウン後印刷予測プロファイルを用いて、デバイス依存データに対するドライダウン前測色値を求めるドライダウン前印刷予測プロファイルを作成するドライダウン前印刷予測プロファイル作成部と、
    を備え、前記ドライダウン前印刷予測プロファイルを用いて、任意のデバイス依存データに対するドライダウン前測色値を算出することで、前記印刷物の色を予測することを特徴とする印刷色予測システム。
  6. 請求項5記載のシステムにおいて、
    前記印刷物のプルーフを出力するプルーフ出力手段と、
    デバイス依存データに基づき前記プルーフ出力手段を用いて作成されたカラーチャートの測色値と、前記デバイス依存データとを用いて、測色値に対するデバイス依存データを求める出力プロファイルを作成する出力プロファイル作成部と、
    を備え、前記出力プロファイルを用いて、前記ドライダウン前測色値に対するデバイス依存データを求め、前記デバイス依存データを用いて、前記プルーフ出力手段により前記プルーフを出力することを特徴とする印刷色予測システム。
  7. 請求項3記載の印刷色予測方法を用いてそれぞれ作成された、前記ドライダウン前印刷予測プロファイル又は前記ドライダウン後印刷予測プロファイルのうちいずれか一方を選択するプロファイル選択部と、
    前記印刷物のプルーフを出力するプルーフ出力手段と、を備え、
    前記プロファイル選択部により選択された前記ドライダウン前印刷予測プロファイル又は前記ドライダウン後印刷予測プロファイルのうちいずれか一方、及び前記プルーフ出力手段の出力プロファイルを順次用いて任意のデバイス依存データを変換し、得られたデバイス依存データを用いて前記プルーフ出力手段により前記プルーフを出力する
    ことを特徴とする印刷色予測システム。
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