JP5214873B2 - 鼻マスク - Google Patents
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Description
ホースの内部で生じた水滴はホースの内部に溜まったり、そこから呼吸用鼻マスクへ流れ込む可能性がある。
これらの課題を解決するため、従来より次のような構成が提案されてきた。
(1)使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ湿潤成分を含んだ呼吸用気体を供給するため、少なくとも使用者の鼻周辺を覆うよう構成された鼻マスクであって、
その全部または一部を、断熱性を有する材で構成したことを特徴とする鼻マスク。
(2)使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ湿潤成分を含んだ呼吸用気体を供給するため、少なくとも使用者の鼻周辺を覆うよう構成された鼻マスクであって、
鼻に面する内壁部と、外気に接する外壁部との間に、断熱層を設けたことを特徴とする鼻マスク。
(3)断熱層は空気層であることを特徴とする(2)に記載の鼻マスク。
(4)断熱層は真空層であることを特徴とする(2)に記載の鼻マスク。
(5)断熱層は断熱性を有する材にてなることを特徴とする(2)に記載の鼻マスク。
(6)使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ湿潤成分を含んだ呼吸用気体を供給するため、横臥状態にある使用者の少なくとも鼻周辺を覆うよう構成された鼻マスクであって、
当該鼻マスクの内面部にある水滴がこの内面部を離れて使用者の顔へ落下することなく当該内面部表面上を重力と水滴の内面表面への吸着力によって下方へ移動するよう、当該内面部表面に設けられた水滴案内溝を有することを特徴とする鼻マスク。
(7)使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ湿潤成分を含んだ呼吸用気体を供給するため、使用者の少なくとも鼻周辺を覆うよう構成された鼻マスクであって、
当該鼻マスクの内面部にある水滴がこの内面部表面上を移動して成長することを防止するための、内面部に設けられた水滴移動阻止手段を有することを特徴とする鼻マスク。
(8)内面部は、その表面を親水性に構成してなることを特徴とする、(6)または(7)に記載の鼻マスク。
(9)内面部は、その表面を撥水性に構成してなることを特徴とする、(6)または(7)に記載の鼻マスク。
(10)使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ湿潤成分を含んだ呼吸用気体を供給するため、使用者の少なくとも鼻周辺を覆うよう構成された鼻マスクであって、
鼻に面する内面部表面を、親水性に構成してなることを特徴とする鼻マスク。
(11)使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ湿潤成分を含んだ呼吸用気体を供給するため、使用者の少なくとも鼻周辺を覆うよう構成された鼻マスクであって、
鼻に面する内面部表面を、撥水性に構成してなることを特徴とする鼻マスク。
(12)鼻マスク内面部下方に水滴溜り部を有することを特徴とする(6)から(11)のいずれかに記載の鼻マスク。
なお、本発明の鼻マスクは、以下に詳細に説明するCPAP(経鼻式持続陽圧呼吸法)用鼻マスクとするのが好適な実施態様であるが、CPAP用には限定されない。すなわち、経鼻式間欠陽圧換気呼吸法(NIPPV)に用いられる鼻マスク、その他の疾患あるいは治療方法のための鼻マスク、患者の鼻のみならず口腔部を覆うマスクについても適用が可能であり、これらの構成もまた本発明に包含される。本発明における「鼻マスク」はそのような意味で用いている。なお、これら各実施態様は、以下の記載の他に、種々の公知技術を参照することにより容易に実施が可能である。
本発明の呼吸用鼻マスクシステム1は、使用者の顔に密着し、使用者の鼻へ呼吸用陽圧ガスを導く手段となる鼻マスク(以下「マスク本体」ともいう)11、該鼻マスク11を所定の位置に保持するためのフレーム12、および該鼻マスクを顔面へ密着させるために頭部に装着するヘッドギア13を備えている。鼻マスク11は、フレーム12と使用者の間に位置するように設置され、図1に示すようにフレーム12と接続して使用する。フレーム12はほぼ三角形であり、使用者の両頬側が三角形の基底部になり、三角形の頂点が使用者の額側になるように使用される。図1に示すように、フレーム12は額側に2箇所、基底部両側部分に2箇所の合計4箇所のヘッドギア13接続部分を有する。また、本発明の呼吸用鼻マスクシステム1においては、フレーム12は基底部両側部分にファスナキャッチ15を具備している。
なお、上記のフレーム12、ヘッドギア13の構成は一例にすぎず、本発明の実施に際して上記と異なる構成としてもよい。
まず鼻マスク11内面に結露した水滴をこの鼻マスク内面に設けた溝に沿って流すことにより、重力によってこの水滴が鼻マスク11内面を離れて患者の顔面に落ちないようになした構成を有する。
図2は以下に説明する各実施形態に共通した、鼻マスク11及びその近傍にある構成を含む外観図である。図2においてマスククッション部11aは鼻マスク11が患者顔面に接する弾性構造である。
図3は、図2のAA’切断面における矢視断面図である。
これに対して従来の鼻マスクはポリカーボネート等の材質で構成されていた。
上記のように構成したので、鼻マスク11外部の気温が低い場合においても、鼻マスク11自身、特に鼻マスク内面11cの温度の低下が許容範囲内に抑えられるので、ホース接続部16から供給される陽圧ガスが加温加湿されていた場合においても、鼻マスク内面11cにおける結露現象が抑制される。
次に第2の実施形態を説明する。
本実施形態においては図示形状が類似していることから先に示した図3を参照して説明を行う。本実施形態では図3における鼻マスク内面11cに親水性をもたせて構成している。
この結果、水滴形成のための水分子表面張力よりも鼻マスク内面11cと水分子との吸着力が勝り、結露現象により鼻マスク内面11cに付着した水分子は鼻マスク内面11cに広がって水滴の形成が阻害される。
次に第3の実施形態の説明を行う。
本実施形態の説明においても、同様に図示形状が類似していることから先に示した図3を参照して行う。この実施形態においては、図3における鼻マスク内面11cを、撥水性を持たせて構成している。
この結果、小径の水滴は結露により鼻マスク内面11cに生成されるものの、水滴表面と鼻マスク内面11cとの吸着力が小さいため、小さな水滴が重力により下方へ容易に移動し、内面に留まった小さな水滴を核としてより大きな水滴が形成されることが困難となる。
次に、第4の実施形態を説明する。
図4は、図2におけるAA’断面図を、本実施形態において図示したものである。
本実施形態における鼻マスク11−1は、患者の鼻に面する内壁部11−1f、外気に接する外壁部11−1d、及び内壁部11−1fと外壁部11−1dとの間に設けた断熱層11−1eを有している。
次に、図5〜図8を参照して第5の実施形態を説明する。
本実施形態の鼻マスク11−2は図5に示すように、その内面に水滴案内溝11−2g、11−2hを設け、鼻マスククッション部11−2aと、顔面接触部11−2jとの間に水滴溜まり部11−2iを有することを特徴とする。
なお、図5において水滴案内溝11−2g、11−2hは鼻マスク11−2の内面に形成されているものの透視図法によりその外面上に図示されている。
すなわち、鼻マスク11−2内面に発生した結露は、最初は小さな形状の水滴であるが、近傍の小水滴が合同して次第により大型の水滴が形成され、大型化することで重力により鼻マスク11−2内面を移動し、更に合同して大型化し、ついには水滴に加わる重力が水滴の内面表面への吸着力に勝って水滴が内面表面を離れ、患者の顔面へ落下するものと思われる。
そこで、水滴が内面表面上で移動するものの落下するに足る大きさへ成長する前に捉えて、安全に鼻マスクの内面表面上を下方に移動させれば、表面を離れて患者の顔面に落下することを防止できる。
もっとも基本的な図6(ア)図示構成においては、水滴溜まり部11−2iは鼻マスク11−2の外周上に沿って設けられたチューブ状の構造をなし、水滴案内溝11−2g、11−2hから移動してきた水滴などを導入する導入口6a、導入した水滴などを貯留する貯留室6bを備えている。
すなわち、図5においてB矢視図により鼻マスク11−2の内面における水滴案内溝の種々のレイアウトを示した模式図である図8において、ホース接続部への貫通口8aから放射状に溝8bを設ける構成(図8(ア)図示)の他に、溝を多条ねじ(ヘリコイド)状とし、鼻マスク11−2内面の任意の位置8cにあった水滴が成長して内面上を重力により移動し(移動方向は貫通口8aから遠ざかる方向)、その結果、多条ねじ形状の溝の点8dで捉えられ、その後溝に沿った方向8eへ移動させる形状(図8(イ)図示)とすることも考えられる。
次に図9及び図10を参照して、第6の実施形態を説明する。
本実施形態は、先に図2に示した鼻マスク11の内面、特にマスククッション部11aの内面に下記する如くの構成を設け、この結果、結露で生じた水滴を鼻マスク11の内面で保持して落下を防止するものである。
上記の構造を患者鼻部側から見た上面図である図9(イ)において、これら先端部9bの間の隙間に水分が保持される。
先に説明した第5の実施形態は、鼻マスク11の内面表面に水滴案内溝を形成し、この溝に沿って水滴を誘導するように構成したものであった。
ここで溝とは、鼻マスク内面における断面形状は様々であるが、凹状に穿って形成されたものをいう。
6b 水滴溜まり部の貯留室
6c 貯留室内の吸水材
6d 貯留室の壁部
6e 細分貯留室
7a 鼻マスク内面
7b 溝側面における底部
7c 溝中央における底部
7d 凸状トラップ構造
7e 溝底部の小貯留室
8a ホース接続部への貫通口
8b 鼻マスク内面の溝
8c 鼻マスク内面に発生した水滴
8d 鼻マスク内面の溝における水滴捕捉点
8e 水滴捕捉後の水滴移動経過点
8f 鼻マスク内面の溝(主骨)
8g 鼻マスク内面の溝(副骨)
8h 鼻マスク内面のポリゴン
8i 鼻マスク内面の放射状溝
8j 鼻マスク内面の同心円状溝
9a 鼻マスク内部表面における腕部
9b 鼻マスク内部表面における腕部先端部
9c 鼻マスク内部の表面
10a 鼻マスク内部表面の微細ハニカム構造
10b 微細ハニカム構造における穴
10c 鼻マスク内部表面の繊維部
10d 鼻マスク内部表面のスポンジ構造部
10e 鼻マスク内部表面の盲管
10f 盲管底部の保持室
11 鼻マスク(マスク本体)
11−1 鼻マスク
11−2 鼻マスク
11a マスククッション部
11c 鼻マスク内面
11−1c 鼻マスク内面
11−1d 鼻マスク外壁部(外壁部)
11−1e 断熱層
11−1f 鼻マスク内壁部(内壁部)
11−2a 鼻マスククッション部
11−2g 水滴案内溝
11−2h 水滴案内溝
11−2i 水滴溜まり部
11−2j 顔面接触部
12 フレーム
13 ヘッドギア
13a ヘッドギアストラップ
14 ヘッドギアファスナ
15 ファスナキャッチ
16 ホース接続部
Claims (1)
- 使用者の顔と接触し、使用者の鼻へ湿潤成分を含んだ呼吸用気体を供給するため、少なくとも使用者の鼻周辺を覆うよう構成された鼻マスクであって、
外壁部(11−1d)、断熱層(11−1e)、内壁部(11−1f)、およびマスククッション部(11a)からなり、
断熱層(11−1e)が発泡ウレタン樹脂層、空気層、真空層、またはグラスファイバー層である鼻マスク。
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