JP5214276B2 - 実施計画分析システム及び実施計画分析プログラム - Google Patents

実施計画分析システム及び実施計画分析プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5214276B2
JP5214276B2 JP2008050333A JP2008050333A JP5214276B2 JP 5214276 B2 JP5214276 B2 JP 5214276B2 JP 2008050333 A JP2008050333 A JP 2008050333A JP 2008050333 A JP2008050333 A JP 2008050333A JP 5214276 B2 JP5214276 B2 JP 5214276B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
implementation
analysis
identification information
unique
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008050333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009211114A (ja
Inventor
悦功 飯塚
聡子 水流
雅彦 棟近
浩明 金谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Original Assignee
Takenaka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2008050333A priority Critical patent/JP5214276B2/ja
Publication of JP2009211114A publication Critical patent/JP2009211114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5214276B2 publication Critical patent/JP5214276B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Description

本発明は、実施対象に対する複数の実施行為を標準化された内容及び実施順序で行う実施計画に関する分析を行うための実施計画分析システム及び実施計画分析プログラムに関する。
従来、医療関連行為を二次元構造で示したクリティカルパスが知られている。このクリティカルパスは、医療計画や実施の標準化及び可視化を通じて、医療の質と効率を系統的に保証及び向上させることに有用である。しかしながら、患者の状態によっては、クリティカルパスを適用できなかったり、予め想定された標準的な経過から乖離してしまいクリティカルパスを逸脱する可能性があるという問題が指摘されていた。
この点に鑑みて本願発明者は、医療プロセス質管理システム及び医療プロセス質管理方法を提案した(特許文献1参照)。このシステムは、患者に対して実施する複数の医療プロセス及び各医療プロセスの実施順序等を記憶する記憶部と、次に実施する医療プロセスを読み出すプロセス管理部等を備えて構成されている。このシステムによれば、医療プロセスが所定基準に従って記憶部から順次読み出されて出力されるので、この出力された医療プロセスを参照しつつ医師が医療行為を行うことで、各医師が個別的に独自判断で医療行為の内容や実施順序を決定する場合に比べて、医療行為の標準化を図ることができ、医療プロセスの質を維持及び向上させることができる。特に、このシステムによれば、患者の個別性に柔軟に対応できるので、クリティカルパスの問題点を解消することが可能になる。
このような医療プロセス質管理システムにおいては、医療計画の内容や医療計画の実行結果を統計的に分析することにより、医療プロセスの現状を様々な観点から把握することが可能になり、次世代の医療プロセスを構築する上での参考とすることができる。例えば、医療プロセス質管理システムを全国の各医療機関に設置し、各医療機関における医療計画の実施結果を分析センターにおいて集約して分析することで、患者の属性別や医療機関の属性別の特性を把握でき、医療プロセスの改善計画に役立てること等ができる。
国際公開第2006/057336号パンフレット
しかしながら、このように医療計画の実行結果を集約して分析する場合には、情報の秘匿性を維持する上で問題が生じる可能性がある。例えば、患者の属性の特性分析を行うためには、患者の居住地や生年月日の如き情報を用いることが必要になるが、このような情報は患者の個人情報であるために、病院の外部に公表することは好ましくない。あるいは、医療機関の属性別の特性分析を行うためには、医療機関における医師の人数や経験年数あるいは医療機器の種類や数量の如き情報を用いることが必要になるが、このような情報は医療機関の営業情報であるために、病院の外部に公表することは好ましくない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、医療計画の如き各種の実施計画の実行結果を分析する際、実施対象や実施者に固有の情報の秘匿性を維持すること等ができる、実施計画分析システム及び実施計画分析プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、実施対象に対して実施者によって実施され得る複数の実施行為の内容及び実施順序を含んで構成される実施計画に関する分析を行う分析システムであって、前記実施計画の実施結果分析を行う実施計画分析装置と、前記実施計画の実施を管理する実施行為支援装置とを、ネットワークを介して相互に通信可能に接続して構成された分析システムにおいて、前記実施行為支援装置は、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報であって、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された第1識別情報を含む固有情報を格納する固有情報格納手段と、前記第1識別情報と、前記第1識別情報にて識別される前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された情報であって当該第1識別情報とは異なる第2識別情報とを相互に関連付けて格納する識別情報格納手段と、前記固有情報格納手段にて格納された前記固有情報に基づいて、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別不可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報である非固有情報を生成する手段であって、前記固有情報に含まれる前記第1識別情報を、当該第1識別情報に基づいて前記識別情報格納手段から取得した前記第2識別情報に置換することにより、前記非固有情報を生成する非固有情報生成手段とを備え、前記実施計画分析装置は、前記第2識別情報と前記実施行為支援装置には格納されていない分析専用情報とを相互に関連付けて格納する分析専用情報格納手段と、前記非固有情報生成手段にて生成され前記実施行為支援装置から前記ネットワークを介して送信された前記非固有情報によって特定される前記実施対象又は前記実施者の属性と、当該非固有情報に含まれる前記第2識別情報に基づいて前記分析専用情報格納手段から取得した前記分析専用情報とに基づいて、前記実施計画に関する分析を行う分析手段とを備える。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記固有情報は、前記実施対象又は前記実施者の所在地を一意に識別可能な所在地情報を含み、前記非固有情報生成手段は、前記固有情報に含まれる前記所在地情報を、当該所在地及び当該所在地に隣接する他の所在地を包含する所在地域のみを識別可能な所在地域情報に置換することを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の本発明において、前記固有情報は、前記実施対象又は前記実施者の生年月日を一意に識別可能な生年月日情報を含み、前記非固有情報生成手段は、前記固有情報に含まれる前記生年月日情報を、当該生年月日情報にて特定される生年月日を包含する年月のみを識別可能な年月情報、又は当該生年月日情報にて特定される生年月日を包含する年のみを識別可能な年情報に置換することを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の本発明において、前記固有情報に基づく前記非固有情報の生成を不可逆的に行うことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の本発明において、医療計画の実施を統括的に管理する実施行為統括支援装置を備え、前記実施計画分析装置と、前記実施行為支援装置と、前記実施行為統括支援装置とを、前記ネットワークを介して相互に通信可能に接続して構成された分析システムにおいて、前記実施行為統括支援装置は、前記実施計画を実施した際の実施履歴情報であって、前記第2識別情報を含む実施履歴情報を格納する実施履歴情報格納手段を備え、前記実施計画分析装置の前記分析手段は、前記非固有情報生成手段にて生成され前記実施行為支援装置から前記ネットワークを介して送信された前記非固有情報によって特定される前記実施対象又は前記実施者の属性と、当該非固有情報に含まれる前記第2識別情報に基づいて前記分析専用情報格納手段から取得した前記分析専用情報と、前記実施行為統括支援装置から前記ネットワークを介して送信された前記実施履歴情報とに基づいて、前記実施計画に関する分析を行う。
請求項6に記載の本発明は、実施対象に対して実施者によって実施され得る複数の実施行為の内容及び実施順序を含んで構成される実施計画に関する分析をコンピュータに実行させる分析プログラムであって、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報であって、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された第1識別情報を含む固有情報を前記コンピュータに設けた固有情報格納手段に格納する固有情報格納ステップと、前記第1識別情報と、前記第1識別情報にて識別される前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された情報であって当該第1識別情報とは異なる第2識別情報とを相互に関連付けて、前記コンピュータに設けた識別情報格納手段に格納する識別情報格納ステップと、前記固有情報格納ステップにおいて格納された前記固有情報に基づいて、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別不可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報である非固有情報を生成するステップであって、前記固有情報に含まれる前記第1識別情報を、当該第1識別情報に基づいて前記識別情報格納手段から取得した前記第2識別情報に置換することにより、前記非固有情報を生成する非固有情報生成ステップと、前記第2識別情報と実施行為支援装置には格納されていない分析専用情報とを相互に関連付けて、前記コンピュータに設けた分析専用情報格納手段に格納する分析専用情報格納ステップと、前記非固有情報生成ステップにおいて生成された前記非固有情報によって特定される前記実施対象又は前記実施者の属性と、当該非固有情報に含まれる前記第2識別情報に基づいて前記分析専用情報格納手段から取得した前記分析専用情報とに基づいて、前記実施計画に関する分析を行う分析ステップとを前記コンピュータに実行させる。
請求項1、6に記載の本発明によれば、固有情報に基づいて生成された非固有情報を用いて分析を行うので、固有情報を分析サーバに送信する必要がなくなり、固有情報の秘匿性を維持できる。例えば、患者情報や病院情報を分析する必要がある医療計画の分析システムにおいて、患者や病院が識別されるような情報については病院の内部に届けておくことができ、患者の個人情報や病院の営業秘密情報を保護できるので、医療計画の分析システムの導入を促進できる。
また、第1識別情報を第2識別情報に置換することで、第1識別情報に基づいて実施対象又は実施者が不当に識別されることを防止できる。
請求項2に記載の本発明によれば、所在地情報を所在地域情報に置換することで、実施対象又は実施者の所在地の秘匿性を維持でき、所在地に基づいて実施対象又は実施者が不当に識別されることを防止できる。
請求項3に記載の本発明によれば、生年月日情報を年月情報又は年情報に置換することで、実施対象又は実施者の生年月日の秘匿性を維持でき、生年月日に基づいて実施対象又は実施者が不当に識別されることを防止できる。
請求項4に記載の本発明によれば、固有情報から非固有情報への置換を不可逆的に行うことで、非固有情報に基づいて固有情報が特定されることを防止でき、固有情報の秘匿性を維持できる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る実施計画分析システム及び実施計画分析プログラムを実施するための最良の形態について詳細に説明する。まず、〔I〕本実施の形態の基本概念を説明した後、〔II〕本実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕本実施の形態の基本概念
まず、本実施の形態の基本概念について説明する。本実施の形態に係る実施計画分析システム(以下「本システム」)及び実施計画分析プログラム(以下「本プログラム」)は、実施対象に対する複数の実施行為を標準化された内容及び実施順序で行う実施計画に関する分析を行うためのシステム及びプログラムである。
本システム及び本プログラムは、広範な分野に適用可能であり、概念的には、当該分野における形式知(具体的には、実施対象に対する複数の実施行為の内容と、これら複数の実施行為の相互間の実施順序)を構造化することで可視化が可能な全ての分野に適用可能である。この適用分野の例としては、「医療分野」、「防災分野」、「教育分野」を挙げることができる。この適用分野に応じて、上述した「実施計画」、「実施対象」、「実施者」、「実施行為」の具体的内容は異なり得る。例えば、医療分野では、実施計画=医療計画、実施対象=患者、実施者=医師(又は病院の如き医療機関、あるいは当該医療機関における医師以外の医療従事者であって看護師や薬剤師を含む者)、実施行為=医療行為である。同様に、防災分野では、実施計画=防災計画、実施対象=被災者、実施者=救援者、実施行為=救援行為、教育分野では、実施計画=教育計画、実施対象=生徒、実施者=教師、実施行為=教育行為が該当する。以下では、本システム及び本プログラムを医療分野に適用した場合について説明するものとし、実施計画=医療計画、実施対象=患者、実施者=医師(又は、看護師の如き他の医療スタッフ、あるいは病院2自体を意味する)、実施行為=医療行為と読み替えて説明するが、本装置及び本プログラムを他の分野に適用する場合には、上述のように「実施計画」、「実施対象」、「実施者」、「実施行為」の内容を当該他の分野に応じた内容に読み替えればよい。
図1は、医療計画システムの全体構成を概念的に示す説明図である。この図1に示すように、統括支援センター1に設置された統括管理サーバ10及び分析サーバ20と、複数の病院2の各々に設置された個別管理サーバ30とが、WAN(Wide Area Network)やインターネットの如きネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されている。統括支援センター1の内部では、統括管理サーバ10及び分析サーバ20に対して、複数の支援端末40がLAN(Local Area Network)の如きネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。各病院2の内部では、個別管理サーバ30に対して、複数の支援端末40がLANの如きネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。
本実施形態では、上述の特許文献1に全部又は一部が開示された「患者状態適応型パスシステム(PCAPS:Patient Condition Adaptive Path System)(登録商標)」を利用する。この患者状態適応型パスシステムは、患者の初期状態から最終目標状態に至る臨床経路を示す俯瞰的なモデルであり、この臨床経路を、「患者状態」を基軸とする複数の「目標状態」を相互にリンクして視覚化したものであって、具体的には「プロセスチャート(臨床プロセスチャート)」と「ユニットシート」の2つのツールを用いて構成される。
図2には、プロセスチャートの基本構成モデルを示す。プロセスチャートとは、患者の目標状態毎に形成された医療行為単位(医療の質を管理するために適切な大きさに設定された単位)である「ユニット(プロセス)」を連結することで構成される臨床経路の俯瞰図であり、疾患毎に構成され、当該疾患を有する患者の初期状態から最終目標状態に至る間に想定されるすべての臨床状態を包含する。各ユニットは「実行エレメント」と「判断エレメント」とから構成されている。実行エレメントは、患者状態を当該ユニットの目標状態に達するように組み込まれた医療業務を実行していく行為を示し、判断エレメントは、患者状態が当該ユニットの目標状態に達したか否かを判断する行為を示す。そして、各実行エレメントと、当該各実行エレメントの直後の判断エレメントとを、視覚的に表示する手段として「ユニットシート」が構成される。
図3は、プロセスチャートの具体例である。このプロセスチャートは、前立腺全摘除を行う場合の例である。このプロセスチャートは、複数のユニットの各々を構成する実行エレメント及び判断エレメントと、これら各エレメントを相互に接続する線分とを含んでおり、当該線分によって各エレメントの相互間の実施順序が視覚的に示されている。例えば、実行エレメント「A−1 前立腺全摘除術」の医療行為を実行した後、判断エレメント「SA−1」において患者状態と目標状態とに基づく判断を行い、この判断結果に応じて、実行エレメント「A−2 術後急性期」又は実行エレメント「B−2 術後急性期」のいずれかに移行する。図3における各実行エレメントの枠内には、各実行エレメントに対応するユニットの名称及びユニットIDを示す。例えば、最初の実行エレメントに対応するユニットの名称は「入院 術前」であり、ユニットIDは「A−0」である。以下では説明の簡易化のため、ユニットID=「A−0」で特定されるユニットを「ユニットA−0」のように称する。
図4には、ユニットシートの表示画面例を示す。例えば、ユニットシートは、「患者ID」、「ユニットID」、「医療行為」、「患者状態」、「目標状態」、「ユニット移行ロジック」、「条件付き指示」を含む。患者IDは、当該ユニットシートが適用されている患者を一意に特定するための識別情報である。ユニットIDは、当該ユニットシートに対応するユニットを一意に特定するための識別情報である。医療行為は、当該ユニットシートに対応する実行エレメントにおいて実行すべき医療行為の項目や内容を記述した情報であり、例えば、医行為、ケア行為、及び調整行為を含む。患者状態は、当該ユニットシートに対応するユニットにおいて注目すべき患者状態の内容を記述した情報である。ユニット移行ロジックは、当該ユニットシートに対応するユニットから次順のユニットに移行するときの条件及び移行先のユニットシートに対応するユニットIDを記述した情報である。条件付き指示は、当該ユニットにおける医療行為中に発生した患者状態に早急に対応するための指示内容を含んで構成されている。
このように構成される「プロセスチャート」及び「ユニットシート」は、統括支援センター1に設置した図示しない作成サーバによるASP(Application Service Provider)サービスを用いて、各病院2の医師等が作成することができる。すなわち、作成サーバには、このように構成される「プロセスチャート」及び「ユニットシート」を特定するための情報と、これら「プロセスチャート」及び「ユニットシート」の作成を支援するための機能とが設けられており、各病院2の医師等は、これら情報及び機能に対して支援端末40を介してネットワーク3、4を通じてアクセスし、プロセスチャート及びユニットシートの作成を行うことができる。
このように作成された「プロセスチャート」及び「ユニットシート」の実施は、統括管理サーバ10及び個別管理サーバ30によって管理される。すなわち、作成された「プロセスチャート」及び「ユニットシート」に関する情報は、統括管理サーバ10に格納される。統括管理サーバ10は、プロセスチャートにおける最初のユニットに対応するユニットシートを個別管理サーバ30に送信する。個別管理サーバ30は、この内容を支援端末40を介して医師に対して表示出力する。そして、医師が、当該提示されたユニットシートに含まれる医療行為を行い、その後の患者状態を支援端末40に入力すると、この患者状態が支援端末40を介して個別管理サーバ30に送信され、統括管理サーバ10に送信される。次いで、統括管理サーバ10は、患者状態が当該ユニットの目標状態に達したか否かを判断する。目標状態に達したと判断した場合には、当該最初のユニットの次順のユニットをプロセスチャートに基づいて特定し、当該次順のユニットに対応するユニットシートを個別管理サーバ30に送信する。以降同様に、プロセスチャートにて定義された実施順序に従ったユニットに対応するユニットシートの提示処理と、医師による患者状態の入力を受け付ける処理と、目標状態に達したか否かを判断する判断処理とが繰り返し行われ、プロセスチャートにおける最後のユニットの医療行為が終了することで、一連の処理が終了する。
一方、図1の分析サーバ20は、統括管理サーバ10及び個別管理サーバ30から各種の情報を取得し、この情報の分析を行うことで、医療計画に関する各種のレポートやベンチマーク結果を出力する。これらレポートやベンチマーク結果の具体的内容やその分析手法は任意であるためにその詳細な説明は省略するが、例えば、分析手法としては公知の統計手法を用いることができる。
この実施の形態の特徴の一つは、病院2における情報の管理にある。すなわち、病院2の個別管理サーバ30には患者の個人情報や病院2の営業秘密情報が格納されているが、これらの情報を病院2の外部に配置された統括管理サーバ10や分析サーバ20に送信することには、個人情報や営業秘密情報の秘匿性の観点から問題が生じ得る。このため、秘匿が必要な情報は個別管理サーバ30の内部に留め、医療計画の実施に必要な情報のみを統括管理サーバ10に送信すると共に、医療計画の分析に必要な情報のみを分析サーバ20に送信する。以下では、患者又は医師を一意に識別可能な情報であると共に患者又は医師の属性を特定可能な情報を「固有情報」、患者又は医師を一意に識別不可能な情報であると共に患者又は医師の属性を特定可能な情報を「非固有情報」と称する。ここで、「一意に識別可能な情報」とは、患者又は医師を完全に一意に識別できる場合の他、患者又は医師を少数に絞り込むことができる場合を含み、例えば、患者の住所は、当該患者を含む複数人が同一住所に居住する場合には、当該患者を完全に一意に識別できる情報とは言えないが、当該患者を含む複数人に絞り込むことができるため、一意に識別可能な情報に該当するものとする。「属性を特定可能な情報」とは、分析サーバ20における医療計画の分析に有用な全ての情報を含み、例えば、患者に関しては、居住地域、年齢、性別、又は職業を含み、医師に関しては、診療科目名、年齢、又は性別を含む。
図5は、医療計画を実施する際における、統括管理サーバ10と個別管理サーバ30との間の情報の送受信プロセスの概念を説明するための説明図である。ただし、図5及び後述する図6に示す各サーバの構成は送受信プロセスを概念的に示す例示であり、各サーバの具体的構成は別途詳述する。個別管理サーバ30には、患者情報データベース(以下「DB」)、医師情報DB、及び識別情報DBが設けられている。患者情報DBには患者情報が格納されており、この患者情報は、患者を一意に識別するために付与された患者第1識別情報(患者ID)、患者名、及び患者住所を含んでいる。これら患者第1識別情報、患者名、又は住所は患者を一意に識別可能な情報であると共に、住所は患者の属性を特定可能な情報であるから、これらの情報を含む患者情報は固有情報に該当する。医師情報DBには医師情報が格納されており、この医師情報は、医師を一意に識別するための医師第1識別情報(医師ID)、医師名、及び年齢を含んでいる。これら医師第1識別情報又は医師名は医師を一意に識別可能な情報であると共に、年齢は医師の属性を特定可能な情報であるから、これらの情報を含む医師情報は固有情報に該当する。識別情報DBには、患者第1識別情報と患者第2識別情報とが相互に関連付けて格納されていると共に、医師第1識別情報と医師第2識別情報とが相互に関連付けて格納されている。患者第2識別情報は、患者を一意に識別するために付与された情報であって患者第1識別情報とは異なる情報、医師第2識別情報は、医師を一意に識別するために付与された情報であって医師第1識別情報とは異なる情報である。なお、以下では必要に応じて、患者第1識別情報や医師第1識別情報を「第1識別情報」、患者第2識別情報や医師第2識別情報を「第2識別情報」、第1識別情報や第2識別情報を「識別情報」とそれぞれ総称する。
一方、統括管理サーバ10には、プロセスチャート及びユニットシートが格納されている(図5にはユニットシートのみを示す)。これらプロセスチャート及びユニットシートの実施管理や実施履歴情報管理は、統括管理サーバ10において患者第2識別情報及び医師第2識別情報を用いて行われている。このように第2識別情報のみを含み、第1識別情報を含んでいない情報は、非固有情報である。そして、これら患者第2識別情報や医師第2識別情報を含んだプロセスチャート及びユニットシートが必要に応じて個別管理サーバ30に送信される。個別管理サーバ30では、識別情報DBを参照して、患者第2識別情報を患者第1識別情報に置換すると共に、医師第2識別情報を医師第1識別情報に置換する。さらに、個別管理サーバ30では、患者情報DBを参照して、患者第1識別情報を患者名や患者住所に置換すると共に、医師情報DBを参照して、医師第1識別情報を医師名に置換し、これら置換された情報を含んだプロセスチャートやユニットシートを支援端末40に送信する。この結果、支援端末40では、識別情報のような抽象的情報ではなく、患者名、患者住所、あるいは医師名の如き具体的情報を含んだプロセスチャートやユニットシートが表示される。一方、支援端末40に入力された患者情報や医師情報は、上記と逆のルートにより、患者第1識別情報や医師第1識別情報に置換され、さらに患者第2識別情報や医師第2識別情報に置換された上で、統括管理サーバ10に送信される。このような送受信プロセスによれば、固有情報が個別管理サーバ30の外部に漏洩することを防止でき、固有情報の秘匿性を維持できる。
図6は、医療計画の分析を行う際における、統括管理サーバ10及び個別管理サーバ30と分析サーバ20との間の情報の送受信プロセスの概念を説明するための説明図である。個別管理サーバ30では、患者情報DBに格納された患者情報に含まれる患者第1識別情報や、医師情報DBに格納された医師情報に含まれる医師第1識別情報が、図5の送受信プロセスの場合と同様に、患者第2識別情報や医師第2識別情報に置換される。この段階では、例えば、患者情報には患者名や患者住所が含まれ、これら患者名や患者住所によって患者を一意に特定可能であるため、患者情報は依然として固有情報である。そこで、個別管理サーバ30では、この固有情報に基づいて非固有情報を生成し、この非固有情報のみを分析サーバ20に送信する。例えば、患者情報に含まれる情報の中で、患者名については情報を削除し、患者住所については患者が特定できない程度の包括的な住所(所在地域)に置換する。このように生成された非固有情報が分析サーバ20に送信され、分析サーバ20では非固有情報を用いて分析処理を行う。この送受信プロセスによれば、固有情報が個別管理サーバ30の外部に漏洩することを防止でき、固有情報の秘匿性を維持できる。なお、固有情報に含まれる情報の中で、秘匿性を維持するために削除される情報を「削除対象情報」、秘匿性を維持するために他の情報に置換される情報を「置換対象情報」と称する。
また、統括管理サーバ10には、実施履歴情報DBが設けられている。この実施履歴情報DBには、医療計画を実施した際の履歴情報である実施履歴情報が格納されている。この実施履歴情報は、患者第2識別情報を含んだ患者情報、医師第2識別情報を含んだ医師情報、あるいは実施タイミングを特定する時間情報(タイムスタンプ)を含む。この実施履歴情報は非固有情報であるため、そのまま分析サーバ20に送信されて、分析サーバ20では非固有情報を用いて分析処理を行う。
〔II〕本実施の形態の具体的内容
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。以下では、図1に示した医療計画システムの各部の構成について説明し、次いで、医療計画システムを用いて実行される医療計画プログラムの処理内容について説明する。
(構成−統括管理サーバ)
最初に、統括管理サーバ10の構成を説明する。この統括管理サーバ10は、各病院2における医療計画の実施を統括的に管理する実施行為支援装置である。機能概念的には、統括管理サーバ10は、記憶部11、制御部12、及びネットワークインターフェース(以下「ネットワークIF」)13を、バスにて相互に通信可能に接続して構成されている。
記憶部11は、統括管理サーバ10における各種処理に必要な情報やパラメータを不揮発的に格納する格納手段であり、例えば、HD(Hard Disk)にて構成される(後述する記憶部21及び記憶部31において同じ)。この記憶部11は、機能概念的に、実施情報DB11a及び実施履歴情報DB11bを備える。これら各DBに格納される情報の具体的内容については後述する。
制御部12は、統括管理サーバ10の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、統括実施管理部12a及び実施履歴管理部12bを備える。統括実施管理部12aは、各病院2における医療計画の実行を統括的に管理する計画実行統括管理手段である。実施履歴管理部12bは、実施履歴情報を蓄積する実施履歴情報蓄積手段である。これら各部の具体的処理内容については後述する。この制御部12は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)や、このCPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム)、及び、所要プログラムや所要データを格納するためのキャッシュメモリを備えて構成される(後述する制御部22及び制御部32において同じ)。本実施の形態に係る実施計画分析プログラムは、例えば、CD−ROMやDVDを含む任意の記憶媒体に記憶された後、統括管理サーバ10、分析サーバ20、又は個別管理サーバ30にインストールされて記憶部11、記憶部21、又記憶部31に不揮発的に記憶され、CPUにて解釈実行されることで制御部12、制御部22、又は制御部32の各部の実質的機能を構成する。
ネットワークIF13は、ネットワーク3、4を介した通信を行うための通信手段であり、統括管理サーバ10における入力手段又は出力手段として機能するもので、例えばネットワークボードとして構成される(後述するネットワークIF23及びネットワークIF33において同じ)。
(構成−分析サーバ)
次に、図1の分析サーバ20の構成を説明する。この分析サーバ20は、医療計画の実施結果分析を行う実施計画分析装置である。機能概念的には、分析サーバ20は、記憶部21、制御部22、及びネットワークIF23を、バスにて相互に通信可能に接続して構成されている。
記憶部21は、分析サーバ20における各種処理に必要な情報やパラメータを不揮発的に格納する格納手段であり、機能概念的に、患者情報DB21a、病院基本情報DB21b、病院施設情報DB21c、病院機器情報DB21d、病院スタッフ情報DB21e、疾患情報DB21f、及び分析結果情報DB21gを備える。これら各DBに格納される情報の具体的内容については後述する。
制御部22は、分析サーバ20の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、情報取得部22a及び情報分析部22bを備える。情報取得部22aは、統括管理サーバ10や個別管理サーバ30から非固有情報を取得する情報取得手段である。情報分析部22bは、情報取得部22aにて取得された非固有情報に基づいて医療計画の分析を行うもので、特許請求の範囲における分析手段に対応する。これら各部の具体的処理内容については後述する。
ネットワークIF23は、ネットワーク3、4を介した通信を行うための通信手段であり、分析サーバ20における入力手段又は出力手段として機能する。
(構成−個別管理サーバ)
次に、図1の個別管理サーバ30の構成を説明する。この個別管理サーバ30は、各病院2における医療計画の実施を個別的に管理する実施行為支援装置である。機能概念的には、個別管理サーバ30は、記憶部31、制御部32、及びネットワークIF33を、バスにて相互に通信可能に接続して構成されている。
記憶部31は、個別管理サーバ30における各種処理に必要な情報やパラメータを不揮発的に格納する格納手段であり、機能概念的に、患者情報DB31a、病院基本情報DB31b、病院施設情報DB31c、病院機器情報DB31d、病院スタッフ情報DB31e、疾患情報DB31f、及び識別情報DB31gを備える。これら各DBに格納される情報の具体的内容については後述する。
制御部32は、個別管理サーバ30の各部を制御する制御手段であり、機能概念的に、個別実施管理部32a及び非固有情報生成部32bを備える。個別実施管理部32aは、各病院2における医療計画の実施を個別的に管理する計画実行個別管理手段である。非固有情報生成部32bは、固有情報に基づいて非固有情報を生成するもので、特許請求の範囲における非固有情報生成手段に対応する。これら各部の具体的処理内容については後述する。
ネットワークIF33は、ネットワーク3、4を介した通信を行うための通信手段であり、個別管理サーバ30における入力手段又は出力手段として機能する。
(構成−支援端末)
各支援端末40は、システム管理者や医療従事者が、統括管理サーバ10、分析サーバ20、あるいは個別管理サーバ30に対して入出力を行うための端末装置である。病院2に配置された支援端末40は、患者状態の入力を受け付ける入力機能と、プロセスチャート及びユニットシートの出力を行う出力機能を有する。統括支援センター1に配置された支援端末40は、分析の指示の入力を受け付ける入力機能と、分析結果の出力を行う出力機能を有する。これら支援端末40は、統括管理サーバ10、分析サーバ20、あるいは個別管理サーバ30との通信機能や各種情報の入出力機能を有する限りにおいて、公知のパーソナルコンピュータと同様に構成できるために、その詳細な説明は省略する。
(構成−データベースの具体的内容)
次に、統括管理サーバ10、分析サーバ20、あるいは個別管理サーバ30の各DBの具体的内容について説明する。ただし、以下の構成例では本実施の形態に係る情報のみを格納する例を示し、実際には以下に説明する情報以外の任意の情報を各DBに格納することができ、あるいは一部の情報については適宜省略することもる。また、各DBに格納される情報のうち、同一名称の情報については、特記する場合を除いて相互に同一の内容であるものとし、重複説明は行わないものとする。
(構成−データベースの具体的内容−統括管理サーバ)
最初に、統括管理サーバ10の各DBの具体的内容について説明する。実施情報DB11aは、患者に対して実施すべき医療行為及び実施順序を特定するための情報(実施情報)を格納する実施情報格納手段である。この実施情報は、図7に例示するように、項目「患者第2識別情報」、項目「医師第2識別情報」、項目「疾患ID」、項目「ユニットID」、項目「医療行為」、項目「患者状態」、項目「目標状態」、項目「ユニット移行ロジック」、項目「条件付き指示」、及び項目「滞在日数」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「疾患ID」に対応する情報は、疾患を一意に識別するための情報である。項目「滞在日数」に対応する情報は、各ユニットを実施するために必要な時間を所定単位(ここでは日単位)で特定するための情報である。その他の各項目に対応する情報は、図4〜6の説明において述べた通りである。
この標準実施情報を格納する方法及びタイミングは任意であるが、例えば、当該実施情報を、医師のヒアリング等に基づいて標準化することで決定し、統括管理サーバ10に接続した支援端末40を介して実施情報DB11aに予め格納しておくことができる。この標準実施情報の標準化は、必ずしも硬直的なものではなく、各医療機関や各患者の実情に合致するように、各医療機関や各医師が支援端末40を用いて任意の内容にカスタマイズできるようにしてもよい。なお、これら各情報の具体的な記述構造としては、図7に示した構成例以外の任意の構造を採用することができ、例えばXML(Extensible Markup Language)形式により、タグを用いて各情報の意味を構造化することができる。
実施履歴情報DB11bは、医療計画の実施履歴を特定するための情報(実施履歴情報)を格納する実施履歴情報格納手段である。この実施履歴情報は、図8に例示するように、項目「患者第2識別情報」、項目「医師第2識別情報」、項目「疾患ID」、項目「ユニットID」、項目「患者状態」、項目「遷移結果」、項目「滞在日数」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「患者状態」に対応する情報は、各ユニットIDにて特定されるユニットにおいて、医師によって入力された各患者の状態を特定する情報(血圧、脈拍、生化学検査の結果等)である。項目「遷移結果」に対応する情報は、各ユニットIDにて特定されるユニットから他のユニットへ移行した結果を示す情報であり、例えば、移行先のユニットの「ユニットID」が格納される。項目「滞在日数」に対応する情報は、各ユニットIDにて特定されるユニットに患者が実際に滞在した日数であり、当該ユニットへの移行年月日と、当該ユニットから他のユニットの移行年月日の間隔として算定される。その他の各項目に対応する情報は、図4〜6の説明において述べた通りである。
(構成−データベースの具体的内容−分析サーバ)
次に、分析サーバ20の各DBの具体的内容について説明する。患者情報DB21aは、医療行為の対象である患者に関する情報(患者情報)であって、非固有情報としての患者情報を格納する手段である。この患者情報は、項目「患者第2識別情報」、項目「年齢」、項目「性別」、及び項目「居住地域」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「年齢」、項目「性別」、項目「居住地域」に対応する情報は、それぞれ、各患者の年齢、性別、居住地域である。その他の各項目に対応する情報は、図4〜6の説明において述べた通りである。
図1の病院基本情報DB21bは、各病院2に関する基本的な情報(病院基本情報)であって、非固有情報としての病院基本情報を格納する病院基本情報格納手段である。この病院基本情報は、例えば、項目「病院第2識別情報」、項目「病院所在地域」、項目「許可病床数」、項目「標榜診療科目」、項目「救急指定内容」、項目「施設基準」、及び項目「開院年月」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
病院施設情報DB21cは、各病院2の施設に関する情報(病院施設情報)であって、非固有情報としての病院施設情報を格納する病院施設情報格納手段である。この病院施設情報は、例えば、項目「病院第2識別情報」、項目「敷地面積」、項目「用途区分」、項目「施設棟名」、項目「建築面積」、項目「延床面積」、項目「基準階面積」、項目「構造規模」、項目「フロアー別面積」、項目「フロアー別諸室名」、項目「フロアー別諸室面積」、項目「病棟名」、項目「病室名」、項目「ベッド名」、及び項目「病棟別病床数」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
病院機器情報DB21dは、各病院2の機器(リソース)に関する情報(病院機器情報)であって、非固有情報としての病院機器情報を格納する病院機器情報格納手段である。この病院機器情報は、例えば、項目「病院第2識別情報」、項目「診療機器名」、項目「設置場所」、項目「検査名称又は治療名称」、及び項目「標準検査時間又は標準治療時間」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
病院スタッフ情報DB21eは、各病院2の医療従事者(スタッフ)に関する情報(病院スタッフ情報)であって、非固有情報としての病院スタッフ情報を格納する病院スタッフ情報格納手段である。この病院スタッフ情報は、例えば、項目「スタッフ第2識別情報」、項目「所属部門名」、項目「職種名」、項目「職位名」、項目「診療科目名」、項目「職能名」、項目「勤務開始年月」、項目「勤務終了年月」、項目「年齢」、項目「性別」、項目「シフト(勤務曜日、勤務時間、及び勤務場所)」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
疾患情報DB21fは、各医療計画による治療の対象になる疾患に関する情報(疾患情報)を格納する疾患情報格納手段である。この疾患情報は、例えば、項目「疾患ID」及び項目「疾患名」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
分析結果情報DB21gは、医療計画の分析結果に関する情報(分析結果情報)を格納する分析結果情報格納手段である。この分析結果情報は、例えば、病院2の所在地域毎や疾病毎の平均滞在日数等、所定の統計処理に基づいた任意の分析結果を含む。ただし、識別情報としては、患者第2識別情報、病院第2識別情報、あるいは医師第2識別情報のみを含む。
(構成−データベースの具体的内容−個別管理サーバ)
次に、個別管理サーバ30の各DBの具体的内容について説明する。患者情報DB31aは、固有情報としての患者情報を格納する手段である。この患者情報は、項目「患者第1識別情報」、項目「患者名」、項目「年齢」、項目「性別」、項目「生年月日」、及び項目「住所」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。項目「患者名」と項目「住所」に対応する情報は、それぞれ、各患者の氏名と居住住所である。その他の各項目に対応する情報は、図4〜6及び患者情報DB21aの説明において述べた通りである。
図1の病院基本情報DB31bは、固有情報としての病院基本情報を格納する病院基本情報格納手段である。この病院基本情報は、例えば、項目「病院第1識別情報」、項目「病院名」、項目「病院所在地」、項目「代表電話番号」、項目「院長名」、項目「許可病床数」、項目「標榜診療科目」、項目「救急指定内容」、項目「施設基準」、及び項目「開院年月」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
病院施設情報DB31cは、固有情報としての病院施設情報を格納する病院施設情報格納手段である。この病院施設情報は、例えば、項目「病院第1識別情報」、項目「敷地名」、項目「敷地地番」、項目「敷地面積」、項目「用途区分」、項目「施設棟名」、項目「建築面積」、項目「延床面積」、項目「基準階面積」、項目「構造規模」、項目「フロアー別面積」、項目「フロアー別諸室名」、項目「フロアー別諸室面積」、項目「病棟名」、項目「病室名」、項目「ベッド名」、及び項目「病棟別病床数」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
病院機器情報DB31dは、固有情報としての病院機器情報を格納する病院機器情報格納手段である。この病院機器情報は、例えば、項目「病院第1識別情報」、項目「診療機器名」、項目「設置場所」、項目「検査名称又は治療名称」、及び項目「標準検査時間又は標準治療時間」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
病院スタッフ情報DB31eは、固有情報としての病院スタッフ情報を格納する病院スタッフ情報格納手段である。この病院スタッフ情報は、例えば、項目「医師第1識別情報」、項目「医師名」、項目「所属部門名」、項目「職種名」、項目「職位名」、項目「診療科目名」、項目「職能名」、項目「勤務開始年月」、項目「勤務終了年月」、項目「年齢」、項目「性別」、及び項目「シフト(勤務曜日、勤務時間、及び勤務場所)」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
疾患情報DB31fは、固有情報としての各医療計画による治療の対象になる疾患に関する情報(疾患情報)を格納する疾患情報格納手段である。この疾患情報は、例えば、項目「疾患ID」及び項目「疾患名」に対応する情報を相互に関連付けて構成されている。
識別情報DB31gは、第1識別情報と第2識別情報の相互の対応関係を特定するための情報を格納する識別情報格納手段である。この情報は、図9に例示するように、患者第1識別情報と患者第2識別情報との対応関係を示すテーブル、病院第1識別情報と病院第2識別情報との対応関係を示すテーブル、及び医師第1識別情報と医師第2識別情報との対応関係を示すテーブルを含む。
(処理)
次に、医療計画システムによって行われる各処理について説明する。なお、以下の説明において、制御主体を特記しない処理については、統括管理サーバ10の制御部12、分析サーバ20の制御部22、又は個別管理サーバ30の制御部32にて実行されるものとし、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、統括管理サーバ10の記憶部11、分析サーバ20の記憶部21、又は個別管理サーバ30の記憶部31に予め格納されており、あるいは、支援端末40を介してシステム管理者や医療従事者によって手入力されたものとする。
この処理は、管理処理及び分析処理に大別される。管理処理は、医療計画を患者に実際に適用する処理であり、医師から入力された患者状態に応じてユニットシートの移行可否の判定等を行う処理である。分析処理は、医療計画に関する分析を行うための処理である。
(処理−管理処理)
最初に、管理処理について説明する。図10は統括管理サーバ10における管理処理のフローチャート、図11は個別管理サーバ30における管理処理のフローチャートである。任意のタイミングで、医師が支援端末40を介して診療を行いたい患者の患者ID(以下「当該患者ID」)を入力することにより医療プロセスの開始を指示すると、この指示が個別管理サーバ30を介して統括管理サーバ10に送信される。統括管理サーバ10の統括実施管理部12aは、この指示を受信すると(図10のステップSA−1,Yes)、当該患者IDに対応するプロセスチャート及びユニットシートを特定するための実施情報であって第2識別情報を含む実施情報を実施情報DB11aから取得し、当該実施情報を個別管理サーバ30に送信する(図10のステップSA−2)。
当該実施情報を受信した個別管理サーバ30の個別実施管理部32aは(図11のステップSB−1,Yes)、当該実施情報に含まれる第2識別情報を、識別情報DB31gに格納されたテーブルを参照して、患者第1識別情報や医師第1識別情報等の第1識別情報に置換する(図11のステップSB−2)。さらに個別実施管理部32aは、置換した第1識別情報に基づいて、患者情報DB31a、病院基本情報DB31b、病院施設情報DB31c、病院機器情報DB31d、病院スタッフ情報DB31e、及び疾患情報DB31fを参照することで、当該第1識別情報に対応する情報(例えば、患者第1識別情報に対応する患者名及び年齢)を取得して(図11のステップSB−3)、この情報を含んだプロセスチャートやユニットシートを支援端末40のモニタに表示させる(図11のステップSB−4)。従って、医師は、患者の疾患に対応する医療行為やその実施手順を確認し、標準化された内容及び手順にて医療行為を行うことができる。特に、具体的な固有情報を表示することで、医療行為の運用性を高めることができる。
その後、医師は、各ユニットシートに表示されている医療行為を実施する毎に、当該医療行為が行われた患者の状態を、支援端末40を介して個別管理サーバ30に入力する。当該患者の状態を受信した個別管理サーバ30の個別実施管理部32aは(図11のステップSB−5,Yes)、当該患者状態を含んだ実施情報の中から、患者名や病院名の如き所定の削除対象情報を削除し(図11のステップSB−6)、識別情報DB31gに格納されたテーブルを参照して、第1識別情報を第2識別情報に置換した上で(図11のステップSB−7)、統括管理サーバ10に送信する(図11のステップSB−8)。
当該患者状態及び第2識別情報を含んだ実施情報を受信した統括管理サーバ10の統括実施管理部12aは(図10のステップSA−3,Yes)、受信した患者状態と、実施情報DB11aに格納された実施情報における当該ユニットシートの目標状態とを比較して、患者状態が目標状態に達したか否かを判定する(図10のステップSA−4)。そして、患者状態が目標状態に達していない場合(図10のステップSA−4,No)、統括実施管理部12aは、次のユニットに移行することなく、次の患者状態の入力が受け付けられるまで待機する。一方、患者の状態が目標状態に達した場合(図10のステップSA−4,Yes)、統括実施管理部12aは、実施情報によって規定される次順のユニットのユニットシートを含む実施情報を実施情報DB11aから取得し、当該実施情報を個別管理サーバ30に送信する(図10のステップSA−5)。この際、統括管理サーバ10の実施履歴管理部12bは、個別管理サーバ30から受信した患者状態を含んだ実施情報を、その時点の日時(タイムスタンプ)と共に、実施履歴情報として実施履歴情報DB11bに格納する(図10のステップSA−6)。以降同様に、ユニットシートの内容が支援端末40を介して医師に提示されると共に、実施履歴情報の蓄積が行われる。
(処理−分析処理)
次に、分析処理について説明する。図12は個別管理サーバ30における分析処理のフローチャートである。個別管理サーバ30の非固有情報生成部32bは、情報提供タイミングの到来の有無を監視している(ステップSC−1)。情報提供タイミングとは、個別管理サーバ30から分析サーバ20に対して分析に用いる各種の情報を送信するためのタイミングであり、その具体的な設定内容は任意であるが、例えば、毎日の病院2の営業時間終了後に一括して、あるいは図11の管理処理が行われる毎にリアルタイムで、情報を送信する(後述する図13のステップSD−1において同じ)。情報提供タイミングが到来した場合(ステップSC−1,Yes)、非固有情報生成部32bは、その時点で、患者情報DB31a、病院基本情報DB31b、病院施設情報DB31c、病院機器情報DB31d、病院スタッフ情報DB31e、及び疾患情報DB31fに格納されている固有情報に基づいて、ステップSC−2〜SC−5を実行することで非固有情報を生成する。
具体的には、非固有情報生成部32bは、患者情報に含まれる患者名、病院基本情報に含まれる病院名、あるいは病院スタッフ情報に含まれる医師名の如き削除対象情報を削除する(ステップSC−2)。次いで、非固有情報生成部32bは、識別情報DB31gに格納されたテーブルを参照し、患者情報に含まれる患者第1識別情報や病院基本情報に含まれる病院第1識別情報の如き第1識別情報の各々を、患者第2識別情報や病院第2識別情報の如き第2識別情報に置換する(ステップSC−3)。
さらに、非固有情報生成部32bは、患者情報に含まれる「住所」及び病院基本情報に含まれる「病院所在地」の各々を、「所在地域」に置換する(ステップSC−4)。この置換ロジックとしては、例えば、「住所正規化処理」と「ジオコーディング処理」を用いる。住所正規化処理とは、住所の表現方法を統一することで、実質的に同一の住所が表現方法が異なるために異なる住所として取り扱われてしまうような不具合を解消するための処理であり、公知のロジックを用いることができる。この処理では、例えば、丁番地表記の統一(「品川区1−1」や「品川区1ノ1」の如き表記を「品川区一丁目一番地」に統一)、地名のゆれの解消(「霞ケ関」や「霞関」の如き表記を「霞が関」に統一)、省略の解消(「霞ケ関一丁目一番地」の如き表記を「東京都千代田区霞ケ関一丁目一番地」に変換)、市町村合併の反映(「大宮市」の如き表記を「さいたま市大宮区」に変換)、異体字の統一(「壺川」の如き表記を「壷川」に統一)等を行う。
ジオコーディング処理は、住所正規化処理にて表現方法が統一された住所を、住所にて特定された所在地及び当該所在地に隣接する他の所在地を包含する所在地域名に変換する処理である。例えば、日本の国土を所定単位でメッシュ状に細分しておき、各メッシュを一意に特定するための区画第2識別情報と各メッシュに包含される住所との対応関係を特定するための区画テーブルを、個別管理サーバ30の記憶部31に予め記憶させておく。そして、この区画テーブルを参照し、住所正規化処理後の住所を、当該住所を包含するメッシュの区画第2識別情報に置換する。ここで、一つのメッシュによってカバーされる地域に一つの住所しか包含されない(当該地域に一軒の住宅や一か所の病院2しか存在しない)場合には、当該メッシュを特定することで当該住宅や病院2が一意に特定されてしまうために好ましくない。この問題を回避するため、各メッシュの大きさは、当該各メッシュによって、患者や病院2が一意に特定できない程度の大きさとすることが必要であり、相互に隣接する複数の所在地を適切に包含する大きさとする。
その後、非固有情報生成部32bは、患者情報に含まれる患者の「生年月日」を、当該生年月日を包含する「年月」又は「年」に置換する。例えば、患者の生年月日が「1960年1月1日」である場合には、「1960年1月」又は「1960年」に置換する(ステップSC−5)。これは、当該生年月日によって患者が一意に特定されてしまう可能性を排除するためである。「年月」又は「年」のいずれとするのかは、後述する分析サーバ20で行う分析処理の目的に応じて異なり、例えば、年単位での統計処理しか行わない場合には「年」に置換する。この他、「上半期」、「下半期」、「5年毎」、「10年毎」の如き所定の時期単位の情報に置換してもよい。そして、非固有情報生成部32bは、このような削除又は置換を行った後の情報を、非固有情報として分析サーバ20に送信する(ステップSC−6)。
図13は統括管理サーバ10における分析処理のフローチャートである。統括管理サーバ10の実施履歴管理部12bは、情報提供タイミングの到来の有無を監視している(ステップSD−1)。情報提供タイミングが到来した場合(ステップSD−1,Yes)、実施履歴管理部12bは、その時点で、実施履歴情報DB11bに格納されている実施履歴情報を分析サーバ20に送信する(ステップSD−2)。この実施履歴情報は、非固有情報であるため、非固有処理を経ることなく、分析サーバ20に送信することができる。
図14は分析サーバ20における分析処理のフローチャートである。分析サーバ20の情報取得部22aは、個別管理サーバ30や統括管理サーバ10からの非固有情報の送信の有無を監視する(ステップSE−1)。非固有情報の送信があった場合(ステップSE−1,Yes)、分析サーバ20の情報分析部22bは、当該送信された情報に基づいて所定の統計処理を実施することで分析結果を得る(ステップSE−2)。そして、情報取得部22aは、このように得られた分析結果を分析結果情報DB21gに格納して分析処理を終了する(ステップSE−3)。
ステップSE−2の統計処理の具体的内容は任意である。例えば、個別管理サーバ30から取得された非固有情報は、図12のステップSC−4において正規化された「所在地域」を含んでいることから、統計処理に加えて、あるいは、統計処理に代えて、GIS(Geographic Information System)処理を行ってもよい。具体的には、分析サーバ20の記憶部21に、上述のジオコーディング処理で使用するものと同様のメッシュにて区画された統計データ(国勢調査結果等)、及び地図データを予め格納しておき、非固有情報に含まれる所在地域をキーとして、この非固有情報を統計データや地図データに関連付けることができる。そして、任意の地理的条件に合致する情報を得ることができる。例えば、政令指定都市に存在する病院2の滞在日数の平均値と、政令指定都市以外に存在する病院2の滞在日数の平均値とをそれぞれ算定し、両者を対比することで、病院2の所在地域と滞在日数との関係性を把握することができる。あるいは、滞在日数が全国平均の滞在日数より短い病院2の所在地域を、日本地図上に表示させることができる。
また、ステップSE−2の統計処理においては、個別管理サーバ30から取得された非固有情報をそのまま用いるのではなく、当該非固有情報に含まれる第2識別情報に基づいて各種の情報を取得し、当該取得した情報を含んだ統計処理を行ってもよい。例えば、分析サーバ20の患者情報DB21a、病院基本情報DB21b、病院施設情報DB21c、病院機器情報DB21d、病院スタッフ情報DB21e、又は疾患情報DB21fに、個別管理サーバ30に格納されていない情報(分析専用情報)を予め格納しておく。統合管理サーバ10や個別管理サーバ30から取得された情報には第2識別情報が含まれるため、この第2識別情報に基づいて、患者情報DB21a、病院基本情報DB21b、病院施設情報DB21c、病院機器情報DB21d、病院スタッフ情報DB21e、又は疾患情報DB21fから分析専用情報を取得し、当該取得した分析専用情報を用いて統計処理を行うことができる。このように、第2識別情報に基づいて個別管理サーバ30とは異なる分析専用情報を取得可能としてもよい。
特に、固有情報に基づく非固有情報の生成を不可逆的に行うことが好ましい。すなわち、統括管理サーバ10や分析サーバ20に送信された非固有情報が、これら統括管理サーバ10や分析サーバ20において固有情報に変換可能である場合には、固有情報の秘匿性が維持できないことになる。そこで、本実施の形態では、例えば、識別情報DB31gは、個別管理サーバ30にのみ持たせる一方で、統括管理サーバ10や分析サーバ20には持たせないことで、第2識別情報が統括管理サーバ10や分析サーバ20において第1識別情報に置換されることを防止している。また、削除対象情報の削除履歴に関する情報や、置換対象情報の置換履歴に関する情報を、いずれのサーバにもあえて保持しないことで、削除された削除対象情報を復活させたり、置換対象情報を置換前の情報に戻すことを不可能としている。
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、個別管理サーバ30に格納された固有情報が非固有情報とされた上で統括管理サーバ10や分析サーバ20に送信されるので、固有情報を個別管理サーバ30の外部に送信する必要がなくなり、固有情報の漏洩を防止でき、固有情報の秘匿性を維持できる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良できる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(構成及び制御について)
また、上記各実施の形態で自動的に行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を手動で行っても良く、逆に、手動で行われるものとして説明した制御の全部または任意の一部を公知技術または上述した思想に基づいて自動化しても良い。また、上記実施の形態において示した各構成要素の各機能ブロックの一部又は全部を、ハードワイヤードロジックにて構成しても良い。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、統括管理サーバ10と分析サーバ20を統合したり、分析サーバ20の機能の一部を支援端末40に持たせることができる。特に、ネットーワーク4を介して通信される情報を暗号化する等、通信情報の秘匿性を確保できる場合には、固有情報を統括管理サーバ10や分析サーバ20において非固有情報に置換して蓄積等するようにしてもよく、この場合には、非固有情報生成部32bを統括管理サーバ10や分析サーバ20に設けてもよい。
この発明は、医療分野を含む様々な分野における実施行為の標準化システムに適用できるもので、実施行為に関連する情報を実施対象の状態に応じて動的に変化させて出力する実施計画において、固有情報の秘匿性を向上させることに有用である。
本発明の実施の形態に係る医療計画システムの全体構成を概念的に示す構成図である。 プロセスチャートの基本構成モデルを示す図である。 プロセスチャートの具体例を示す図である。 ユニットシートの表示画面例を示す図である。 医療計画を実施する際における、統括管理サーバと個別管理サーバとの間の情報の送受信プロセスの概念を説明するための説明図である。 医療計画の分析を行う際における、統括管理サーバ及び個別管理サーバと分析サーバとの間の情報の送受信プロセスの概念を説明するための説明図である。 実施情報の構成例を示す図である。 実施履歴情報の構成例を示す図である。 第1識別情報と第2識別情報の対応関係を示すテーブルの構成例を示す図である。 統括管理サーバにおける管理処理のフローチャートである。 個別管理サーバにおける管理処理のフローチャートである。 個別管理サーバにおける分析処理のフローチャートである。 統括管理サーバにおける分析処理のフローチャートである。 分析サーバにおける分析処理のフローチャートである。
符号の説明
1 統括支援センター
2 病院
10 統括管理サーバ
11、21、31 記憶部
11a 実施情報DB
11b 実施履歴情報DB
12、22、32 制御部
12a 統括実施管理部
12b 実施履歴管理部
13、23、33 ネットワークIF
20 分析サーバ
21a、31a 患者情報DB
21b、31b 病院基本情報DB
21c、31c 病院施設情報DB
21d、31d 病院機器情報DB
21e、31e 病院スタッフ情報DB
21f、31f 疾患情報DB
21g 分析結果情報DB
22a 情報取得部
22b 情報分析部
30 個別管理サーバ
31g 識別情報DB
32a 個別実施管理部
32b 非固有情報生成部

Claims (6)

  1. 実施対象に対して実施者によって実施され得る複数の実施行為の内容及び実施順序を含んで構成される実施計画に関する分析を行う分析システムであって、前記実施計画の実施結果分析を行う実施計画分析装置と、前記実施計画の実施を管理する実施行為支援装置とを、ネットワークを介して相互に通信可能に接続して構成された分析システムにおいて、
    前記実施行為支援装置は、
    前記実施対象又は前記実施者を一意に識別可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報であって、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された第1識別情報を含む固有情報を格納する固有情報格納手段と、
    前記第1識別情報と、前記第1識別情報にて識別される前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された情報であって当該第1識別情報とは異なる第2識別情報とを相互に関連付けて格納する識別情報格納手段と、
    前記固有情報格納手段にて格納された前記固有情報に基づいて、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別不可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報である非固有情報を生成する手段であって、前記固有情報に含まれる前記第1識別情報を、当該第1識別情報に基づいて前記識別情報格納手段から取得した前記第2識別情報に置換することにより、前記非固有情報を生成する非固有情報生成手段とを備え、
    前記実施計画分析装置は、
    前記第2識別情報と前記実施行為支援装置には格納されていない分析専用情報とを相互に関連付けて格納する分析専用情報格納手段と、
    前記非固有情報生成手段にて生成され前記実施行為支援装置から前記ネットワークを介して送信された前記非固有情報によって特定される前記実施対象又は前記実施者の属性と、当該非固有情報に含まれる前記第2識別情報に基づいて前記分析専用情報格納手段から取得した前記分析専用情報とに基づいて、前記実施計画に関する分析を行う分析手段とを備えること
    特徴とする実施計画分析システム。
  2. 前記固有情報は、前記実施対象又は前記実施者の所在地を一意に識別可能な所在地情報を含み、
    前記非固有情報生成手段は、前記固有情報に含まれる前記所在地情報を、当該所在地及び当該所在地に隣接する他の所在地を包含する所在地域のみを識別可能な所在地域情報に置換すること、
    を特徴とする請求項1に記載の実施計画分析システム。
  3. 前記固有情報は、前記実施対象又は前記実施者の生年月日を一意に識別可能な生年月日情報を含み、
    前記非固有情報生成手段は、前記固有情報に含まれる前記生年月日情報を、当該生年月日情報にて特定される生年月日を包含する年月のみを識別可能な年月情報、又は当該生年月日情報にて特定される生年月日を包含する年のみを識別可能な年情報に置換すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の実施計画分析システム。
  4. 前記非固有情報生成手段は、前記固有情報に基づく前記非固有情報の生成を不可逆的に行うこと、
    特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の実施計画分析システム。
  5. 医療計画の実施を統括的に管理する実施行為統括支援装置を備え、前記実施計画分析装置と、前記実施行為支援装置と、前記実施行為統括支援装置とを、前記ネットワークを介して相互に通信可能に接続して構成された分析システムにおいて、
    前記実施行為統括支援装置は、
    前記実施計画を実施した際の実施履歴情報であって、前記第2識別情報を含む実施履歴情報を格納する実施履歴情報格納手段を備え、
    前記実施計画分析装置の前記分析手段は、前記非固有情報生成手段にて生成され前記実施行為支援装置から前記ネットワークを介して送信された前記非固有情報によって特定される前記実施対象又は前記実施者の属性と、当該非固有情報に含まれる前記第2識別情報に基づいて前記分析専用情報格納手段から取得した前記分析専用情報と、前記実施行為統括支援装置から前記ネットワークを介して送信された前記実施履歴情報とに基づいて、前記実施計画に関する分析を行う、
    求項1から4のいずれか一項に記載の実施計画分析システム。
  6. 実施対象に対して実施者によって実施され得る複数の実施行為の内容及び実施順序を含んで構成される実施計画に関する分析をコンピュータに実行させる分析プログラムであって、
    前記実施対象又は前記実施者を一意に識別可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報であって、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された第1識別情報を含む固有情報を前記コンピュータに設けた固有情報格納手段に格納する固有情報格納ステップと、
    前記第1識別情報と、前記第1識別情報にて識別される前記実施対象又は前記実施者を一意に識別するために付与された情報であって当該第1識別情報とは異なる第2識別情報とを相互に関連付けて、前記コンピュータに設けた識別情報格納手段に格納する識別情報格納ステップと
    前記固有情報格納ステップにおいて格納された前記固有情報に基づいて、前記実施対象又は前記実施者を一意に識別不可能な情報であると共に、前記実施対象又は前記実施者の属性を特定可能な情報である非固有情報を生成するステップであって、前記固有情報に含まれる前記第1識別情報を、当該第1識別情報に基づいて前記識別情報格納手段から取得した前記第2識別情報に置換することにより、前記非固有情報を生成する非固有情報生成ステップと、
    前記第2識別情報と実施行為支援装置には格納されていない分析専用情報とを相互に関連付けて、前記コンピュータに設けた分析専用情報格納手段に格納する分析専用情報格納ステップと、
    前記非固有情報生成ステップにおいて生成された前記非固有情報によって特定される前記実施対象又は前記実施者の属性と、当該非固有情報に含まれる前記第2識別情報に基づいて前記分析専用情報格納手段から取得した前記分析専用情報とに基づいて、前記実施計画に関する分析を行う分析ステップと、
    を前記コンピュータに実行させるための実施計画分析プログラム。
JP2008050333A 2008-02-29 2008-02-29 実施計画分析システム及び実施計画分析プログラム Active JP5214276B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008050333A JP5214276B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 実施計画分析システム及び実施計画分析プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008050333A JP5214276B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 実施計画分析システム及び実施計画分析プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009211114A JP2009211114A (ja) 2009-09-17
JP5214276B2 true JP5214276B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=41184249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008050333A Active JP5214276B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 実施計画分析システム及び実施計画分析プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5214276B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7310987B1 (ja) 2022-06-22 2023-07-19 凸版印刷株式会社 情報処理サーバ、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4142868B2 (ja) * 2001-12-06 2008-09-03 日本情報通信コンサルティング株式会社 病症データ集中収集管理システム、サーバ装置
JP2007140647A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Yamaguchi Univ 臨床研究支援システム
JP4775358B2 (ja) * 2007-10-19 2011-09-21 株式会社日立製作所 クリニカルパス運用支援情報システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009211114A (ja) 2009-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zis et al. Burnout in medical residents: a study based on the job demands-resources model
JP7324984B2 (ja) 組織間文書情報共有システム
Saleem et al. Understanding barriers and facilitators to the use of Clinical Information Systems for intensive care units and Anesthesia Record Keeping: A rapid ethnography
Aufegger et al. Can shared leadership enhance clinical team management? A systematic review
Blomberg et al. Operating theatre nurses’ self‐reported clinical competence in perioperative nursing: A mixed method study
da Silva et al. Glocal clinical registries: pacemaker registry design and implementation for global and local integration–methodology and case study
US9824185B2 (en) Electronic health records data management systems and methods
Ovretveit et al. Building a learning health system using clinical registers: a non-technical introduction
Schreiweis et al. Comparison of electronic health record system functionalities to support the patient recruitment process in clinical trials
US20140136236A1 (en) Patient and physician gateway to clinical data
CN109360615A (zh) 一种医疗资源共享方法、装置、设备和存储介质
Li et al. Transition to adult care for youth with medical complexity: Assessing needs and setting priorities for a health care improvement initiative
Gurak et al. E-health: Beyond internet searches
JP6552160B2 (ja) 情報管理システム、情報管理方法及びプログラム
JP5214276B2 (ja) 実施計画分析システム及び実施計画分析プログラム
Mentler et al. Human factors and ergonomics in mobile computing for emergency medical services
Weeks Healthcare services management: A systems perspective
JP2004199663A (ja) 健康管理企業内のイメージング及び情報システムのために患者識別子を支えるシステム及び方法
Beuscart et al. Telecommunication in healthcare for a better coordination between hospitals and GP's: routine application of the" ISAR-Telematics" project
JP2017126147A (ja) 面談支援装置、面談支援プログラム、面談支援システム及び面談支援方法
Broyles et al. The evolving health information infrastructure
Lastrucci et al. The impact of outsourcing operating theatre support services on hospital performances: the case of the largest university hospital of the Albania
Cassarino et al. “The bottom line is that it is all about trust”: Interviews with Health Services Administrators about perceived barriers and facilitators to vaccine administration in jails
Oluwaseyi et al. Health Information Exchange Model for Nigerian Health Information Systems
Kolhatkar et al. A review on hybrid cloud approach for sharing health information and management

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5214276

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250