JP5212676B2 - 悪性腫瘍治療剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、悪性腫瘍の治療剤の製造方法に関し、特に固形癌を中心としたIVR血管塞栓術を主体とした固形腫瘍の低侵襲治療との併用に際し、また血液癌など全身治療に際して正常細胞を損傷する抗癌剤投与をおこなわずに腫瘍細胞を合理的かつ速やかに消失させる画期的な治療手段を提供するものである。
身体への負担をできるだけ軽くし、生体が持つ免疫能力を手術ほど低下させることなく、しかも手術をした時と同程度の治療効果をあげようとする治療法(低侵襲治療)のひとつの新しい医学分野としてインターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology;以下単に「IVR」と略す)治療がある。 これは放射線診断学の技術を病気治療に転用したもので、その代表例が血管塞栓術であり、正常部位に比して血流が多い悪性腫瘍に対して、血管造影の技術を使って動脈血流の遮断(阻血)を行ない腫瘍の虚血を引き起こす手法である。
固形腫瘍に対する血管塞栓術は、とくに腫瘍への血流が多い多血性腫瘍が塞栓による阻血に弱く良い適応となる。 一般的にはこの血管塞栓術を血管内治療といい、その多くは抗癌剤を併用し、抗癌剤と塞栓物質を同時に動脈内に投与することによって、腫瘍内に停滞した抗癌剤の徐放効果と動脈血流遮断による腫瘍の虚血とを相乗的に作用させている。
また抗CD3抗体あるいはIL2により末梢血等に由来するリンパ球を増殖させることができることが知られ、また自己由来のリンパ球を固相化抗CD3抗体とIL(インターロイキン)2により増殖し、これを体内に投与することにより抗腫瘍効果があることもすでに公開されている(特開平3−80076号公報)。 さらに抗CD3抗体とIL2により増殖させた自己由来リンパ球が先天性免疫不全患者のウイルス感染症に有効であることも報告されている〔伊藤仁也、関根暉彬;医学のあゆみ、181巻、6号、426〜427頁(1997年)〕。
特開平3−80076号公報 伊藤仁也、関根暉彬;医学のあゆみ、181巻、6号、426〜427頁(1997年)
従来の固形悪性腫瘍治療に使用される薬剤は、5−FU誘導体などの核酸アナログやシスプラチンやマイトマイシンと言った薬剤が使用されるが、これらは癌細胞だけを殺傷するのではなく正常細胞に対しても悪影響を与えることから重篤な副作用をもたらすことが知られている。 またこれまでの血管内治療では抗癌剤を併用するために、周囲の組織にも大きなダメージを与えることが多い。 さらにリンパ球を用いた腫瘍の治療についても、リンパ球投与による単独治療によっては、その効果はそれほど高くはない。
そこで本発明は、正常細胞を損傷するような危険な抗癌剤投与をおこなうことなく、腫瘍細胞を合理的かつ速やかに消失させようとするもので、固形腫瘍に対する直接効果は低いものの人体が有する免疫力との相乗作用によって悪性腫瘍を死滅させることができるような悪性腫瘍の治療剤の製造方法に関する。 また特に血管塞栓術を主体としたIVR治療と併用することによって、抗癌剤投与をおこなわずに効率的な腫瘍の治療を可能としたものである。
具体的には、ビスフォスフォネートあるいはその誘導体を注射用蒸留水に溶解して薬杯に注入する工程と、ビタミンK2あるいはその誘導体を注射用蒸留水に溶解して薬杯に注入する工程と、さらに塞栓物質を薬杯に注入して投与用製剤とする工程とからなる悪性腫瘍治療剤の製造方法に関する。
本発明は、ビスフォスフォネートおよびビタミンK2あるいはそれらの誘導体を主成分とした治療剤を投与することにより悪性腫瘍の治療に大きな効果をもたらす。 とくにこれらの治療剤をIVR血管塞栓療法と併用して投与することにより、その抗腫瘍効果をより一層高めることができる。
さらに、細胞増殖阻害剤、特にビスフォスフォネートあるいはビタミンK2に比べて、より低濃度で細胞増殖阻害活性を有するビスフォスフォネートあるいはビタミンK2誘導体は、血管塞栓療法のような局所治療のみならず全身投与による固形腫瘍治療を行うことができる。
また、ビスフォスフォネートあるいはビタミンK2は、高濃度で心臓への影響があることから、心臓へなどへの影響の小さいビスフォスフォネートあるいはビタミンK2の誘導体は、血管塞栓療法のような局所治療のみならず全身投与による固形腫瘍治療を行うことができる。
以下において本発明の具体的な内容について説明をすると、本発明はビスフォスフォネートおよびビタミンK2あるいはそれらの誘導体を主成分とする悪性腫瘍の治療剤の製造方法に主たる要旨が存する。
なお以下の実施例においては望ましい実施例として、細胞増殖阻害剤および免疫賦活剤の少なくとも一方を主成分とする悪性腫瘍の治療剤をIVR治療(血管塞栓術)と併用する場合について説明をしているが、細胞増殖阻害剤および免疫賦活剤の投与は単独投与でもよく、上記IVR治療との併用に限られるものではない。
細胞増殖阻害剤およびアポトーシス誘導剤、ならびに免疫賦活剤、さらにはIVR治療についての具体的な内容を説明すると、次の通りである
〔細胞増殖阻害剤、アポトーシス誘導剤〕
本発明において用いられる細胞増殖阻害剤としては、固形腫瘍細胞に対して細胞増殖阻害活性を有する製剤である。 この場合、癌細胞を殺傷するのではなく、癌細胞の増殖を阻害できれば良い。 細胞増殖阻害剤としては、ビスフォスフォネートあるいはビタミンK2があげられる。
ビスフォスフォネート及びビタミンK2は一般的には骨粗鬆症の治療薬として知られる。 ビスフォスフォネートはインビボにおける効果については全く知られていない。 またビタミンK2は、癌細胞の増殖阻害効果やアポトーシスの誘導や抑制効果の点で近時注目に値する。 一般的にいかなる物質も動物実験やインビトロ試験において抗腫瘍効果が知られていたとしても実際の臨床において必ずしも抗腫瘍効果が求められるとは限らない。
これは、動物実験は、純化された特定の遺伝子のみしかもたない動物を使用するのに対して、臨床適用されるヒトは、多種多様の遺伝子を持っているためである。 また、インビトロの試験系は特定の細胞あるいは酵素系だけを体外に取り出して試験を行うのに対して体内には種々の細胞や代謝経路などが存在するために、インビトロでの効果があっても臨床において必ずしも効果があるとは限らず、その効果の有無を推測することも困難である。
そのため、動物実験やインビトロ試験において抗腫瘍効果を有する化合物が臨床において抗腫瘍効果を有するとは限らない。現在、薬剤は最終的にヒトへの臨床投与を行うことにより効果を確かめている段階である。 ビスフォスフォネートについて、in vivo特に血管塞栓術においての単独あるいはこれら薬剤の併用による治療で悪性腫瘍が退縮したとする報告はない。
ビスフォスフォネートには、アレンドロネート、イパンドロネート、イカンドロネート、エチドロネート、オルパドロネート、クロドロネート、ゾレドロネート、チルドロネード、ネリドロネート、パミドロネート、リセドロネートなどが知られている。 腫瘍にアポトーシスを誘導できるものであれば、いずれのビスフォスフォネートでも使用できる。
本発明においては、アレンドロネート、パミドロネートを使用しており、1mg/投与から300mg/投与の範囲で使用できるが、好ましくは、15mg/投与から60mg/投与の範囲で使用できる。 またビタミンK2は一般名「メナテトレノン」とも呼ばれ、化学名は「メナキノン」である。 市販品としてはSUNTORYほかが発売し、またエーザイのglakay(商品名)などがある。 メナキノンは1〜14までの14種類が存在する。
またビタミンKは、元来は血液凝固に必要な因子として発見された脂溶性のビタミンでありK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)の2種類が存在し、一般的にはカルシウムを骨に付着させる接着剤のような役割を果たすことで知られる。 食品中でビタミンK2「メナキノン」が含まれるのは唯一納豆であり、納豆に含まれるビタミンK2はメナキノン−7である。 またこれら以外のものであっても、腫瘍にアポトーシスを誘導できるものであれば、いずれのビタミンK2誘導体でも使用できる。
ビタミンK2は、1mg/投与から300mg/投与の範囲で使用できるが、好ましくは、30mg/投与から120mg/投与の範囲で使用できる。 また薬剤の投与は、動脈内投与が推奨される。 ビスフォスフォネートおよびビタミンK2は、これら化合物の基本骨格に対して、メチル基、エチル基、フェニル基、クロル基などの種々の官能基を導入することにより合成することができる。 これら誘導体は、共通の基本骨格を有することからビスフォスフォネートおよびビタミンK2と同様の抗腫瘍活性を有する。 また、その毒性がより減弱されたものを合成することができる。
またアポトーシス誘導製剤としては固形腫瘍細胞に対してアポトーシス誘導効果を与えることができる製剤である。 アポトーシスは、腫瘍細胞の壊死や他殺死など細胞の受動的な死(necrosis)とは異なり、生理的および病理的諸要因により、不要となった細胞や損傷細胞などを積極的に排除するための、いわば自殺過程を意味するもので、寧ろ自殺死であるといえる。 アポトーシスは形態的にもネクローシスと異なるばかりでなく、その発現は遺伝子にプログラムされ、ホメオスタチスなど多岐にわたる生命現象に重要な役割を果たしているといわれる。
アポトーシス誘導製剤の具体例としては、例えば特開平10−279574号や特開2001−226283号公報、あるいは特開2002−356428号公報などにあらわされたアポトーシス誘導剤、その他土中に含まれる放線菌から見出されたものでCaspaseやリン酸化酵素などを活性化して癌細胞にアポトーシスを誘導することが可能なサイトトリエニン(Cytotrieninn)や、低分子の乳酸重合体で天然型の乳酸オリゴマー構造をもつ「CPL」(環状重合乳酸)、エトポシド(VP−16)、三酸化二ヒ素、キナーゼカスケードなどがある。
上記したアポトーシス誘導製剤のほかに、同じアポトーシス誘導製剤の仲間としてビスフォスフォネートあるいはビタミンK2がある。 これらは前記した細胞増殖阻害剤として取り上げたものであるが、在来型のアポトーシス誘導製剤よりもアポトーシス作用が格段に大きく、とくにIVR治療に際してこれを併用することによって極めて画期的な腫瘍の治療効果を発揮することができる。
〔免疫賦活剤〕
免疫賦活剤とは、免疫系に適度の刺激を与えて、からだの免疫機能を活性化させることのできるすべての物質を意味する。 したがって体外でインビトロ下において活性化させたリンパ球も含まれる。 その他の免疫賦活剤としては、例えば、AHCC、溶連菌などの死菌体あるいはその抽出物などの白血球介在型のもの、あるいはCPL(環状重合乳酸)などの酵素介在型のもの、さらに各種活性化リンパ球、丸山ワクチン等の使用が効果的である。
これらの免疫賦活剤は、単独使用によってもある程度の効果が期待できるが、寧ろ細胞増殖阻害剤もしくはアポトーシス誘導剤、あるいはIVR血管塞栓術治療と併用することによりきわめて大きな効果を得ることができる。 細胞増殖阻害剤もしくはアポトーシス誘導剤を単独で使用して治療する場合は、生体が本来有している免疫能によって細胞増殖阻害剤によって増殖を止められた固形腫瘍が排除される。
しかしながら、免疫能には個人差、日差などがあり、治療時に必ずしも高い免疫能を有しているとは限らず、特に抗癌剤を使用した後では抗癌剤の副作用により免疫能が低下している場合が多いことから、体外で活性化増殖させたリンパ球などの免疫賦活剤投与との併用が好ましい。
白血球介在型の免疫賦活は、機能成分が白血球の膜表面にある受容体に結合し、その細胞を活性化させる。 例えば、NK細胞が活性化すると、パーフォリンが癌細胞の膜に穴をあけて消滅させる。 一方、酵素介在型の免疫賦活食品は、癌細胞の細胞死をもたらす自然の過程を増強して抗癌作用を発揮するものである。
癌細胞は酸素不足であり、嫌気的解糖系によってエネルギーを産生しているが、CPLはそのキー酵素となるLDH(乳酸脱水素酵素)を特異的に阻害することができ、これによってがん細胞はエネルギーを産生できずに死に至るわけである。 上記した各種の免疫賦活剤のうち、活性化リンパ球の併用投与がきわめて有効である。 なお免疫賦活剤は、後記するIVR血管塞栓術実施の前や実施後に使用することにより血管塞栓術との相乗的効果を高めることができる。
〔IVR治療〕
鼠径部をキシロカインなどで局所麻酔を行い、穿刺針を大腿動脈内に穿刺し、動脈に添って癌の近傍の動脈までカテーテルを挿入し、抗腫瘍活性を有する薬剤、イオン性造影剤、ゼラチンスポンジを注入し血管塞栓が実施される。
血管の塞栓は、ゼラチンスポンジの量などによって調節する事ができき、数分から数十分間行う。血管塞栓術の時間は、好ましくは5分間から40分間程度であるが、さらに好ましくは10分間から20分間程度の時間がよい。 カテーテルは、大腿動脈からだけでなく腕の動脈などから挿入することが可能であり、カテーテルの導入部位は特に限定されない。
さらに既述した免疫賦活剤の一例として活性化リンパ球を用い、これを上記したIVR血管塞栓術治療と併用する場合について順次以下に説明する。 なお活性化リンパ球は、抗腫瘍あるいは抗ウイルス効果を有し、活性化リンパ球による癌の治療方法についてはこれまでに報告されているが細胞増殖阻害剤との併用、あるいはIVR血管塞栓療法との併用による腫瘍の治療に関する報告はない。
〔リンパ球細胞の採取〕
リンパ球細胞は、一般的には末梢血から分離して簡単に採取することができる。 末梢血からの採血方法としては、静脈からの採血が好ましく、また一回に採血する量としては、0.01ml〜100ml程度であり、特に、その量に限定されない。 しかしながら、ドナーの肉体的な負担、採血の手間、リンパ球細胞の分離操作を考えた場合、5ml〜50ml程度の範囲内であるのが好ましく、より好ましくは10ml〜20mlの採血量がよい。
なおこの場合に、血液の凝固が起こらないように、採血した血液にヘパリンやクエン酸を加えることができる。 また上記採取した血液からのリンパ球細胞の分離は、蔗糖や市販のリンパ球分離剤等を用いる不連続密度勾配遠心法などの周知のリンパ球細胞の分離法によっても操作して採取することができる。
〔リンパ球細胞の増殖・活性化〕
上記により採取した末梢血中などに含まれるリンパ球細胞は、これを抗CD3とインターロイキン2で増殖・活性化させることによって調製することができる。 具体的には抗CD3抗体あるいはインターロイキン2の単独あるいは組み合わせることにより行える。
あるいは各種のマイトージェン増殖因子、活性化因子、抗CD28抗体などのモノクローナル抗体を使用して細胞の増殖・活性化をおこなうことも可能である。 また必要により癌細胞や癌抗原により活性化させたり、あるいは特異性を上昇させた活性化リンパ球を使用することもできる。
増殖・活性化の方法は特に限定されない。 本実施例ではインターロイキン2と抗CD3抗体との組み合わせ存在のもとに増殖培養および活性化を実施している。 具体的には、例えばインターロイキン2を含む培養用培地液にリンパ球細胞を浮遊させ、これを抗CD3抗体を固相化した培養容器に入れて培養を開始することができる。
抗CD3抗体としては、リンパ球細胞の増殖・活性化を促進できる抗体であれば、特に限定されるものではない。 またリンパ球細胞の刺激に用いる抗CD3抗体は、精製したCD3分子を用いて動物又は細胞に産生させることもできるが、安定性やコスト面等において優れた市販のOKT−3抗体(製造元:オーソファーマスーティカル)が使用できる。
また抗CD3抗体は、リンパ球細胞の増殖の効率、操作の容易性の観点から、固相化して用いることが好ましい。 抗体を固相化するための器具としては、ガラス、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン等の材質の培養容器が挙げられる。 この場合、入手が容易であることから市販のプラスチック製の滅菌済み細胞培養フラスコ等を使用することもでき、その大きさは適宜選択できる。
さらに固相化は、前記抗CD3抗体の希釈液を固相化する器具に添加し、例えば、4℃〜37℃の温度で2〜24時間、静置することによって行うことができる。 この抗CD3抗体の固相化には、抗CD3抗体を滅菌したダルベッコりん酸緩衝液等の生理的な緩衝液中に1〜30μg/mlの濃度に希釈して用いることが好ましい。 固相化後、使用時までコールドルームや冷蔵庫(4℃)で保存することができる。 この場合使用時に液を除去し、また必要あれば常温のダルベッコりん酸緩衝液等の生理的な緩衝液で洗浄できる。
またインターロイキン2は、市販されているものを用いることができ、培養用培地液1〜2000U/mlの濃度となるように用いるのが好ましい。 さらにインターロイキン2は、水、生理食塩液、ダルベッコりん酸緩衝液、RPMI−1640、DMEM、IMDM、AIM−V等の一般に広く用いられる細胞培養用培地液等に溶解して使用することができる。なお一度溶解したものは、活性の低下を防ぐため、冷蔵保存することが好ましい。
この場合に使用される培養用培地液としては、リンパ球細胞の培養に適したものであれば特に制限されず、血清等の生物由来の培養液、平衡塩類溶液にアミノ酸、ビタミン、核酸塩基などを加えた合成培地などが使用でき、RPMI−1640、AIM−V、DMEM、IMDM等が好ましいものとして挙げられ、なかでもRPMI−1640が特に好ましいものとして挙げられる。
また培養用培地は、正常ヒト血清を添加したものが増殖効果に優れて好ましい。 なお、これらの培地は市販品を用いることができる。 また培養については、例えば、COインキュベータ内で行う等、一般的な細胞培養の方法に従うことができる。 この場合、CO濃度は1〜10%、特に5%前後が好ましく、また温度については30〜40℃、特に37℃前後の温度が好ましい。 また、上記のほか種々の抗体やサイトカインにより刺激を行う事によっても活性化リンパ球の調製を行うことができる。
〔活性化リンパ球の投与〕
活性化リンパ球の投与は、血管塞栓術の実施前あるいは実施後、または血管塞栓術実施中に行うことが望ましい。 便宜性と効果を考えた場合、1回から10回程度が望ましく、またその投与頻度が高ければ高いほど、より多くの効果が望めるが、一般的には1回から数回の投与をおこなう。 本実施例では血管塞栓術後4回の活性化リンパ球投与を1クールとして実施しているが、これに限定されない。
また活性化リンパ球の投与は、血管塞栓術前のみ、あるいは血管塞栓術施術当日のみ、また血管塞栓後のみの投与のいずれでも効果がみられ、さらに好ましくは血管塞栓術の前後それぞれ1ヶ月から6ヶ月間にわたり、あるいは血管塞栓術施術の前・当日・施術後にわたって複数回投与するのがよい。 また1回の血管塞栓術と活性化リンパ球の治療だけでなく、血管塞栓術と活性化リンパ球投与の併用を何度か繰り返すこともできる。
さらに繰り返す場合には、血管塞栓術の単独あるいは活性化リンパ球投与の単独、あるいは両者の併用のいずれの組み合わせで行ってもよい。 さらに血管塞栓術あるいは活性化リンパ球投与療法を互いに異なった時点において繰り返して行なう場合においては、その実効性を確保するために、いずれか一方の療法実施後6ヶ月の期間を経過する前におこなうことが望ましい。
なお、本発明が適応される癌の種類としては、肝臓癌、すい臓癌、胆のう癌、胆道癌、肺癌、脳腫瘍、大腸癌、胃癌などが挙げられる。 また癌の種類は限定されないが、とくに血管が多数通っている癌に対して有効である。 転移性の癌や肉腫、さらには血液癌などにも適応可能である。
なお本発明の上記実施例では固形腫瘍の治療方法として細胞増殖阻害剤および免疫賦活剤のいずれかを主成分とした治療剤を単独で悪性腫瘍の治療に用いる場合について説明しているが、細胞増殖阻害剤および免疫賦活剤の両方を投与することにより、より大きな抗癌作用を発揮することができる。 さらに細胞増殖阻害剤および免疫賦活剤の一方又は両方を、IVR治療と併用することにより、さらにより大きな抗癌効果を期待することができる。
[患者]
転移性肝臓癌患者 84歳 女性
第1回目治療 平成12年10月27日
鼠径部をキシロカイン10mlにて局所麻酔を行い、穿刺針にて大腿動脈を穿刺し、セルディンガー法にてカテーテルを挿入した。 カテーテルを上腸間膜動脈に挿入し、CT下動脈性門脈造影を行い、肝臓右葉S8に腫瘍の存在を確認した。
次に、腹腔動脈を造影し、肝動脈の走行と分岐状態を観察し、共通肝動脈までカテーテルを挿入した。 そこでCT下肝動脈造影を行い、腫瘍の質的診断と腫瘍血管の多寡を判断した。 パミドロネート(商品名;アレディア、日本化薬社製)60mg/2Vを20mlの注射筒で注射用蒸留水14mlにて溶解し、100ccの薬杯に注入した。 ビタミンK2(商品名;ケーフィー、小林化工社製)60mgを10mlの注射筒で6mlとって同薬杯に注入した。
さらにスフェレックス(ヤクルト社製)600mgを10mlの注射筒で10mlとって同薬杯に注入した。 上記三剤を混合したのち、イオン性造影剤、イオキサグル酸(商品名;ヘキサブリックス、田辺製薬社製)30mlを混和した。 カテーテルを腫瘍存在部位である肝臓右葉への栄養血管にまで挿入し、同混和薬剤を10ml/分の速度で全量注入した。 最後にゼラチンスポンジ2.5×4cmを1mm角に裁断し、その2分の1量にて肝動脈右葉枝の塞栓を施行した。
第1回血管内治療後のCT所見(平成12年11月27日)
肝臓:右葉全域を占める腫瘍は横径10cmでやや縮小し、内部のgasは残存。 造影剤の残留はない。 Dynamic Studyにて腫瘍の横隔膜側S7に早期相より辺縁が不均一にエンハンスされ、後期相まで持続するalive tumorを認める。 腫瘍内部にも一部Alive tumor有り。 癌細胞95%壊死。 右側胸水の貯溜も消失。 診断:転移性肝癌TAE後1ヶ月follow。 95%Necrosis。 PR(Partial Response)部分寛解・有効。
第2回目治療(平成12年12月22日)
鼠径部をキシロカイン10mlにて局所麻酔を行い、穿刺針にて大腿動脈を穿刺し、セルディンガー法にてカテーテルを挿入した。 カテーテルを上腸間膜動脈に挿入し、CT下動脈性門脈造影を行い、腫瘍の存在を確認した。 次に、腹腔動脈を造影し、肝動脈の走行と分岐状態を観察し、共通肝動脈までカテーテルを挿入した。 そこでCT下肝動脈造影を行い、腫瘍の残存域診断と腫瘍血管の多寡を判断した。 下横隔膜動脈からもCT下動脈造影を行い、肝右葉の腫瘍への側副血行路からの栄養血管の供給を確認した。
パミドロネート30mg/Vを10mlの注射筒で注射用蒸留水7mlにて溶解し、100ccの薬杯に注入した。 ビタミンK2 30mgを10mlの注射筒で3mlとって同薬杯に注入した。 さらにスフェレックス300mgを5mlの注射筒で5mlとって同薬杯に注入した。 上記三剤を混合したのち、イオン性造影剤、ヘキサブリックス15mlを混和した。 カテーテルを肝臓右葉の腫瘍の一部への栄養血管である下横隔膜動脈の末梢にまで挿入し、そこよりパミドロネート15mg、ビタミンK2 15mgとスフェレックス150mg相当量の混和薬剤を5ml/分の速度で注入した。
さらにゼラチンスポンジ2.5×4cmを1mm角に裁断し、その20分の1量にて下横隔膜動脈末梢の塞栓を施行した。 続いて、カテーテルを腫瘍存在部位である肝右葉枝の栄養血管にまで挿入し、同混和薬剤を5ml/分の速度で残りの全量を注入した。 最後に1mm角に裁断した2.5×4cmのゼラチンスポンジを、その8分の1量を投与し肝動脈右葉枝の塞栓を施行した。
第2回血管内治療後のCT所見(平成13年1月22日)
肝臓右葉のSOLはlow density化を見る。 造影にて異常な染まり(腫瘍濃染)は認めない。 周囲肝実質の萎縮なし。 胸水・腹水の貯溜を認めない。 診断:転移性肝癌追加TAE後1か月follow。 現時点でCR(Complete Response)完全寛解・著効 すべての病変の100%縮小(消失)が4週間以上持続。
腫瘍マーカーの経時的変化 CEA(ng/ml)
平成12年10月25日 493.7
平成12年11月27日 119.8
平成12年12月21日 54.9
平成13年 1月22日 9.2
平成13年 2月21日 4.6
平成13年 3月19日 3.8
平成13年 4月23日 6.3
平成13年 5月21日 5.4
平成13年 6月25日 7.8
平成13年 8月 1日 7.8
平成13年 8月31日 9.4
平成13年10月29日 19.6
認定:1回目の血管内治療により癌の退縮が認められ、2回目の血管内治療により転移性肝臓癌の消失が認められた。 また、癌マーカーであるCEAも1回目の血管内治療により明瞭に低下した。 このことよりビスフォスフォネートおよびビタミンK2を使用した血管内治療は、転移性肝臓癌を退縮させる大きな効果があることを明らかとした。
[患者]
肝細胞癌患者 61歳 女性
第1回目治療 平成13年3月13日
鼠径部をキシロカイン10mlにて局所麻酔を行い、穿刺針にて大腿動脈を穿刺し、セルディンガー法にてカテーテルを挿入した。 カテーテルを上腸間膜動脈に挿入し、CT下動脈性門脈造影を行い、肝臓右葉S5および左葉S2に腫瘍の存在を確認した。 次に、腹腔動脈を造影し、肝動脈の走行と分岐状態を観察し、共通肝動脈までカテーテルを挿入した。 そこでCT下肝動脈造影を行い、腫瘍の質的診断と腫瘍血管の多寡を判断した。
パミドロネート30mg/Vを10mlの注射筒で注射用蒸留水7mlにて溶解し、100ccの薬杯に注入した。 さらにスフェレックス300mgを10mlの注射筒で5mlとって同薬杯に注入した。 上記二剤を混合したのち、イオン性造影剤、ヘキサブリックス12mlを混和した。 カテーテルを腫瘍存在部位である肝臓左葉への栄養血管にまで挿入し、同混和薬剤を5ml/分の速度で全量注入した。
ビタミンK2 30mgを10mlの注射筒で3mlとって同薬杯に注入した。 さらにスフェレックス300mgを10mlの注射筒で5mlとって同薬杯に注入した。 上記二剤を混合したのち、イオン性造影剤、ヘキサブリックス8mlを混和した。 カテーテルを腫瘍存在部位である肝臓右葉への栄養血管にまで挿入し、同混和薬剤を5ml/分の速度で全量注入した。 最後にゼラチンスポンジ2.5×4cmを1mm角に裁断し、その8分の1量にて肝動脈右葉枝の塞栓を、さらに8分の1量にて肝動脈左葉枝の塞栓を施行した。
第1回血管内治療後のCT所見(平成13年4月11日)
肝臓S2の前回のCTAPにて径43×30mmであった腫瘍は径2.5cmまで縮小し、早期相での濃染はみとめず中心のLDAは最後まで濃染を受けない。 癌細胞は完全壊死と思われる。
S6の前回のCTAPにて径21mmであった腫瘍は径1.5cmまで縮小し、これも早期相での濃染はみとめない。 門脈は求肝性で閉塞・途絶を認めないが、一部は遠肝性で側副血行路として胃静脈、食道静脈瘤を認める。 診断:肝細胞癌。TAE後1ヶ月 ほぼCR(Complete Response)である。
第2回目治療 平成13年4月17日
鼠径部をキシロカイン10mlにて局所麻酔を行い、穿刺針にて大腿動脈を穿刺し、セルディンガー法にてカテーテルを挿入した。 カテーテルを上腸間膜動脈に挿入し、CT下動脈性門脈造影を行い、腫瘍の存在を確認した。次に、腹腔動脈を造影し、肝動脈の走行と分岐状態を観察し、共通肝動脈までカテーテルを挿入した。 そこでCT下肝動脈造影を行い、腫瘍の残存域診断と腫瘍血管の多寡を判断した。 S2の枝は細くなっているが、その末梢に細い屈曲蛇行する腫瘍血管と腫瘍のごく一部の濃染を認めた。 S6の枝は完全閉塞でみとめられず、S5の枝よりリング状の腫瘍濃染を認め、側副血行路からの栄養血管の供給を確認した。
パミドロネート30mg/Vを10mlの注射筒で注射用蒸留水7mlにて溶解し、100ccの薬杯に注入した。 ビタミンK2 30mgを10mlの注射筒で3mlとって同薬杯に注入した。 さらにスフェレックス300mgを5mlの注射筒で5mlとって同薬杯に注入した。 上記三剤を混合したのち、イオン性造影剤、ヘキサブリックス15mlを混和した。 カテーテルを右肝動脈にまで挿入し、そこよりパミドロネート20mg、ビタミンK2 20mgとスフェレックス200mg相当量の混和薬剤を5ml/分の速度で注入した。
さらにゼラチンスポンジ2.5×4cmを1mm角に裁断し、その20分の1量にて塞栓を施行した。 続いて、カテーテルを肝左葉枝まで挿入し、同混和薬剤を5ml/分の速度で残りの全量を注入した。 最後に1mm角に裁断した2.5×4cmのゼラチンスポンジを、その20分の1量を投与し左肝動脈の塞栓を施行した。
第2回血管内治療後のCT所見(平成13年5月17日)
肝臓S2の前回のCTAPにて径43×30mmであった腫瘍はさらに径1.7cmまで縮小し、早期相での濃染はみとめず中心のLDAは最後まで濃染を受けない。 癌細胞は完全壊死と思われる。 S6の前回のCTAPにて径21mmであった腫瘍も同様にさらに径0.7cmまで縮小し、これも早期相での濃染はみとめない。 門脈は求肝性で閉塞・途絶を認めないが、一部は遠肝性で側副血行路として胃静脈、食道静脈瘤を認める。 診断:肝細胞癌。 初回TAE後2ヶ月 2回目TAE後 1ヶ月 CR(Complete Response)である。
腫瘍マーカーの経時的変化 AFP(ng/ml)
平成13年 3月12日 2475.38
平成13年 3月20日 809.3
平成13年 4月11日 114.78
平成13年 5月 1日 26.72
平成13年 5月17日 8.9
平成13年 6月11日 6.42
平成13年 7月14日 5.93
平成13年 9月14日 8.54
平成13年10月17日 13.02
認定:1回目および2回目の血管内治療により肝細胞癌の退縮が認められ、癌はほぼ消失している。 また、癌マーカーであるAFPも血管内治療により明瞭に低下した。 このことよりビスフォスフォネートおよびビタミンK2を使用した血管内治療は、肝細胞癌を退縮させる効果があることを明らかとした。
《IVR治療と活性化リンパ球療法の併用例》
[患者]
胃癌患者 73歳 女性
第1回目血管内治療 平成14年10月31日
実施例1、2と同じくセルディンガー法にてカテーテルを挿入した。 カテーテルを腹腔動脈に挿入し造影を行い、胃体部から前庭部にかけて腫瘍の存在を確認し、その質的診断と腫瘍血管の多寡の判断を行った。 パミドロネート60mg/2Vを20mlの注射筒で注射用蒸留水14mlにて溶解し、これを100ccの薬杯に注入した。 ビタミンK2 120mgを20mlの注射筒で12mlとって同薬杯に注入した。
さらにスフェレックス1200mgを20mlの注射筒で20mlとって同薬杯に注入した。 上記三剤を混合したのちこれにイオン性造影剤、ヘキサブリックスを30mlを混和した。 カテーテルを腫瘍存在部位である胃大網動脈まで挿入し、パミドロネート15mg、ビタミンK2 30mgとスフェレックス300mg相当量の同混和薬剤を5ml/分の速度で注入した。 1mm角裁断ゼラチンスポンジを数片投与し、同動脈の塞栓を施行した。
続いて右胃動脈までカテーテルを挿入し、同混和薬剤の12分の1量を1ml/分の速度で注入した。 さらに1mm角裁断ゼラチンスポンジを数片投与し、同動脈の塞栓を施行した。 最後に左胃動脈にカテーテルを挿入し、パミドロネート15mg、ビタミンK2 30mgとスフェレックス300mg相当量の同混和薬剤を5ml/分の速度で注入した。
第1回血管内治療後および活性化リンパ球治療前のCT所見
(平成14年11月26日):
胃の癌病巣部の厚みが手術前と比較して、約半分の厚さに減少、また広がりも減少し、腫瘍量が2分の1以下になっている。所属リンパ節の腫大も軽減している。 腹壁への直接浸潤部もすこし隙間があき出している。
『活性化リンパ球の投与』
《1》リンパ球の分離
平成14年11月6日、癌患者の静脈から末梢血50mlをヘパリン加採血した。 採血後、これをクリーンベンチ内で無菌的に上記により採血した注射筒の注射針を、接合部近くを触らないようにはずし19G×1 1/2注射針につけ替えた。 別に50ml遠沈管2本に、洗浄用培地(RPMI1640+6)500mlを15mlずつ注ぎ込んだ遠沈管内に、上記により採血した血液全てを2本共に等量になるようにゆっくりと注いだ。 遠沈管の蓋を完全に閉めた後、2〜3回転倒混和した。
これを10mlピペットでリンホセパールlを15ml遠沈管6本に各3mlずつ入れ、さらに培地で希釈した血液10mlをそれぞれの遠沈管に、液面を乱さないようにゆっくり重層した。 その後、これを遠心分離機を用いて回転数1,800rpm、遠心分離温度20℃、ブレーキをOFFの状態で15分間遠心した。 遠心後、吸引機により無菌的に遠沈管内のリンパ球層の約1cm上までリンパ球細胞を吸い取らないようにゆっくり吸い取った。
さらに5mlピペットマンで血餅の層を吸い取らないようにリンパ球細胞の層をとり、これをあらかじめ、洗浄用培地(RPMI1640+6)を25ml入れておいた50ml遠沈管内に回収した。 遠沈管の蓋を閉め2〜3回転倒混和した後、さらに遠心分離機により、回転数1,800rpm、遠心分離温度20℃の状態で10分間遠心した。 遠心後、上清みを捨て、細胞沈渣をボルテックスにかけて良くほぐした。
さらにこれを、培地(RPMI1640+7)44mlに、35,000U/ml IL(インターロイキン)−2 1mlと、ヒト血清5mlを含む培養用培地(以下、単に「培養用培地」と略す)50mlに入れ、良く転倒混和して細胞懸濁液を調製した。 この細胞懸濁液10μlをチューブにとり、これを40μlのチュルク液と混合し、血球計算版に10μlアプライし、顕微鏡下で細胞数を測定した結果、総細胞数は7.6×10個だった。
《2》OKT3固相化フラスコの調製
PBS(−)で5μg/mlに調製しておいたOKT3溶液を、底面積225cmの培養用フラスコに10ml入れ、底面に溶液を均一になるよう浸した。 翌日、フラスコのOKT3溶液を吸引機で吸い取り、PBS(−)50mlをフラスコに注ぎ込みフラスコの蓋を閉めて激しく振った後、蓋を開け、液を捨てた。 再度、無菌的にPBS(−)50mlをフラスコに注ぎ込みフラスコの蓋を閉めて激しく振った後、蓋を開け、液を捨てた。 フラスコ内と蓋に残っている液を吸引機で丁寧に吸い取り、OKT3固相化フラスコの調製を行った。
《3》リンパ球の活性化培養
前記《1》において調製した細胞懸濁液50mlを、《2》で調整したOKT3固相化フラスコに分注し、37℃、5%濃度の炭酸ガス存在下において培養を開始した。 3日後に培養用培地50mlを加え、37℃、5%濃度炭酸ガス存在下において培養を継続した。 さらに4日後、培養用培地150mlを加え、37℃、5%濃度炭酸ガス存在下において培養を継続した。
さらに2日間、37℃、5%濃度炭酸ガス存在下において培養を継続することにより活性化リンパ球を得、このうちの一部の細胞を凍結保存液に懸濁し、3本のチューブにて液体窒素下、凍結保存した(3.6×10個/チューブ)。 また残りの細胞を以下のように拡大培養した。
《4》リンパ球の拡大培養(1回目)
上記《3》で調整したリンパ球をLL−7培地、あるいはMedium930 750mlを含むガス透過性培養バッグに移し、炭酸ガスインキュベーター中で37℃、5%炭酸ガス下で培養をおこなった。 3日後、細胞を含むガス透過性培養バッグと新たな培地を含むガス透過性培養バッグを無菌接合装置により連結し、両ガス透過性培養バッグ中の培地を良く混合した後、これを2分割し、再度その結合を切除し、接合部分を無菌的にシールした後、37℃、5%炭酸ガス下で培養を継続した。
《5》投与製剤の調整
上記《4》で調製した2バッグのうち1バッグ中の細胞を含む培地を250ml遠心管内に移し、これを遠心分離機による遠心により細胞の分離をおこなった。 デカンテーションにより培養液を除去し、細胞ペレットに0.1%のヒトアルブミンを含む生理食塩水を加えて遠心分離することにより洗浄操作をおこなって細胞ペレットを調整した。 さらに上記細胞ペレットに1%のヒトアルブミンを含む生理食塩水200mlを加えて懸濁し、これを100μのステンレス金網にて濾過後、輸血用のバッグに詰めて投与用製剤とした。 なおこの場合の輸血用バッグに含まれる細胞数は、9.2×10個であった。本リンパ球は、平成14年11月26日に患者の静脈より注入投与した。
《6》凍結保存細胞からの調整
前記《3》で調製した凍結細胞を37℃で融解させるとともに、これを培養液で3回洗浄した。 本細胞を使用して《3》、《4》、《5》に示されると同様な方法で投与製剤リンパ球製剤を調整し、4.4×10個の活性化リンパ球を調製した。本リンパ球は、平成14年12月10日に患者の静脈より注入投与した。 上記と同様にして凍結細胞を融解し、6.7×10個の活性化リンパ球を調製した。本リンパ球は、平成14年12月24日に患者の静脈より注入投与した。 上記と同様にして凍結細胞を融解し、3.7×10個の活性化リンパ球を調製し、これを平成15年1月7日に患者の静脈より注入投与した。
〔活性化リンパ球療法のスケジュール〕
採血 平成14年11月8日
投与 1回目(02/11/26)−8回目(03/4/1)
活性化リンパ球治療 1クール目
平成14年11月 8日 培養用血液採取 50mlの注射筒で50ml採血
平成14年11月26日 第1回目活性化リンパ球投与
平成14年12月10日 第2回目活性化リンパ球投与
平成14年12月24日 第3回目活性化リンパ球投与
平成15年 1月 7日 第4回目活性化リンパ球投与
認定:第1回目IVR治療の後に活性化リンパ球治療を行うことにより腫瘍量の減少を認めた(平成15年1月23日)。 このことにより、本発明の血管塞栓療法と活性化リンパ球治療を併用することにより腫瘍の治療に大きな相乗効果があることを明らかとした。
第2回目治療 平成15年1月23日
第1回目治療と同じくセルディンガー法にてカテーテルを挿入、胃体部から前庭部にかけて腫瘍の存在を確認した。腫瘍量の減少を認めたが、腫瘍血管は多く残存していた。パミドロネート60mg/2Vを20mlの注射筒で注射用蒸留水14mlにて溶解し、これを100ccの薬杯に注入した。 さらにビタミンK2 120mgを20mlの注射筒で12mlとって同薬杯に注入した。 さらにスフェレックス600mgを20mlの注射筒で10mlとって同薬杯に注入した。 上記三剤を混合したのち、これにイオン性造影剤、ヘキサブリックス30mlを混和した。
カテーテルを腫瘍存在部位である胃大網動脈まで挿入するとともに、さらに腫瘍への栄養血管を供給している分枝に選択的に挿入し、そこよりパミドロネート15mg、ビタミンK2 30mgとスフェレックス150mg相当量の同混和薬剤を3ml/分の速度で注入した。 そして1mm角裁断ゼラチンスポンジを数片投与し、同動脈の塞栓を施行した。 最後に左胃動脈にカテーテルを挿入し、これを介してパミドロネート40mg、ビタミンK2 80mgとスフェレックス400mg相当量の同混和薬剤を3ml/分の速度で注入した。 さらに1mm角裁断ゼラチンスポンジを数片投与し、同動脈の塞栓を施行した。
上記と同様にして調製した活性化リンパ球を以下のようなスケジュールで投与を行った。 なおリンパ球の調製は、実施例1と同様にして調製しておこなった
平成15年 1月31日 培養用血液採取 50mlの注射筒で50ml採血
平成15年 2月18日 第1回目活性化リンパ球投与
平成15年 3月 4日 第2回目活性化リンパ球投与
平成15年 3月18日 第3回目活性化リンパ球投与
平成15年 4月 1日 第4回目活性化リンパ球投与
上記スケジュールのように、
平成15年 2月18日 4.3×10
平成15年 3月 4日 4.6×10
平成15年 3月18日 2.5×10
平成15年 4月 1日 5.0×10
上記のようにそれぞれ活性化リンパ球を患者の静脈より注入投与した。
第2回IVR治療後および活性化リンパ球治療中のCT所見(平成15年2月25日):
胃癌部の壁肥厚は第2回IVR血管内治療時の厚みよりもさらに軽減している。 胃体下部前壁のPolyp状の隆起も直径1.5cmにまで縮小している。 また所属リンパ節も縮小し、直径1.2cmとなっている。 現時点でPR(Partial Response)である。
認定:1回目および2回目のIVR血管内治療により胃がんの縮小が認められ、特に活性化リンパ球治療を併用することによりがんの退縮効果が確実に増強されることを明らかとした。
[患者]
肺癌患者 94歳 男性
第1回目IVR治療 平成12年8月28日
実施例1〜3と同様にセルディンガー法にて患者の静脈にカテーテルを挿入し、動脈造影を行った。 肺癌は左気管支動脈の血管により栄養され、屈曲蛇行する腫瘍血管を認め、腫瘍の下半分が濃染されていた。 左鎖骨下動脈の造影にて内胸動脈、胸肩峰動脈のいずれからも栄養血管は認めなかった。
パミドロネート30mg/Vを10mlの注射筒で注射用蒸留水7mlにて溶解し、これを100ccの薬杯に注入した。 さらにビタミンK2 30mgを10mlの注射筒で3mlとって同薬杯に注入した。 さらにスフェレックス300mgを10mlの注射筒で5mlとって同薬杯に注入し、上記三剤を混合したのち、これにイオン性造影剤ヘキサブリックス15mlを混和した。 カテーテルを栄養血管である左気管支動脈にまで挿入し、そこよりパミドロネート20mg、ビタミンK2 20mgとスフェレックス200mg相当量の同混和薬剤を5ml/分の速度で注入し、さらに1mm角裁断ゼラチンスポンジを数片投与して塞栓を施行した。
第1回血管内治療後のCT所見(平成12年9月29日):
左肺上葉の腫瘍は横径でTAE前8.5cmからTAE後1ヶ月で7.0cmにまで縮小している。 また内部は空洞化している。 診断:Lung CancerのTAE後(治療効果PR以上)再TAEを要す。
第2回目治療 平成12年10月16日
第1回目治療と同じく、肺癌は左気管支動脈の血管により栄養され、腫瘍の下半分が濃染された。 パミドロネート30mg/Vを10mlの注射筒で注射用蒸留水7mlにて溶解し、これを100ccの薬杯に注入した。 ビタミンK2 30mgを10mlの注射筒で3mlとって同薬杯に注入した。 さらにスフェレックス300mgを5mlの注射筒で5mlとって同薬杯に注入した。上記三剤を混合したのちイオン性造影剤、ヘキサブリックス15mlを混和した。 カテーテルを左気管支動脈にまで挿入し、そこより同混和薬剤を5ml/分の速度で全量を注入するとともに、さらに1mm角裁断ゼラチンスポンジを数片投与して塞栓を施行した。
第2回IVR血管内治療後のCT所見(平成12年10月30日):
左肺上葉の腫瘍は横径で、TAE前8.5cm→TAE後1ヶ月7.0cm→TAE後2ヶ月(再TAE後1ヶ月)→7.5cmと逐次変化している。 肺尖よりの部分と胸膜よりの部分は縮小しているが、肺門側がやや増大している。 内部の空洞化も大きな変化はない。 肺門よりのTAEの効果は不十分で別の血流が関与している可能性が大きい。 しかしIVR血管内治療によりがんの退縮が認められた。 このことよりビスフォスフォネートおよびビタミンK2を使用した血管内治療は、肺がんを退縮させる効果があることが明らかとなった。
なお、上記各実施例においては、ビスフォスフォネートならびにビタミンK2およびそれらの誘導体の投与方として、IVR血管塞栓療法と併用して局所への投与を行っているが、全身性に投与することもできる。

Claims (1)

  1. 動脈内投与かつ腫瘍を栄養する腫瘍血管への注入を目的とする悪性腫瘍治療剤の製造方法であって、ビスフォスフォネートあるいはその誘導体および、ビタミンK2あるいはその誘導体、さらに塞栓物質を注射用蒸留水に溶解して動脈内投与用製剤とする悪性腫瘍治療剤の製造方法。]
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