はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.各種遊技部品が前面部に設けられた遊技機本体(本体枠13)と、
前記遊技機本体の前面側に設けられるとともに、該遊技機本体から遊技機前方への開放が可能とされ、前記遊技機本体に対して閉鎖状態にある場合に前記遊技機本体の前記前面部のうち少なくとも一部を非露出状態とする前面扉(前扉枠14)と
を備えた遊技機において、
前面扉に扉側部材(扉側部材171)を設け、
前記扉側部材には、前記前面扉が閉鎖状態にある場合に前記扉側部材を位置保持させる規制部材(鍵部材191)を取り付ける取付部(扉側孔部174)が設けられていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、遊技機本体の前面部のうち少なくとも一部は、前面扉が遊技機本体に対して閉鎖状態にある場合に非露出状態となっている。扉側部材の取付部には規制部材の取り付けが可能となっており、その規制部材により扉側部材が位置保持される。このため、前面扉を開放させるには規制部材による扉側部材の位置保持を解除する必要があり、例えば不正行為者が前面扉を開放させようとしても、それが困難なものとなっている。故に、遊技機本体に対する前面扉の開放によって露出する部分への不正に対する抑止力を高めることができる。
また、前面扉において、その遊技機本体側に何らかの不正対象物が存在したり前面扉の遊技機本体側が不正対象となり得たりするのであれば、それらに対する不正抑止効果を得ることができる。
手段2.前記扉側部材を前面扉の背面部に設けたことを特徴とする遊技機。
手段2によれば、扉側部材を前面扉の背面部に設けたため、前面扉が閉鎖状態にあるにも関わらず規制部材による扉側部材の位置保持が遊技機前方から強引に解除されるといった不都合の発生を抑制することができる。これは、遊技機前方からでは規制部材や扉側部材を強引に取り外したり切断したりすること自体が困難なものとなっているためである。
手段3.手段1又は2において、前記遊技機本体には、前記扉側部材が通される通路部(貫通孔181)が形成されていることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、遊技機本体に通路部が形成されているため、前面扉に設けた扉側部材を遊技機本体の背面側に露出させることが可能となり、遊技機本体の背面側にて扉側部材に規制部材を取り付けることが可能となる。この場合、規制部材による扉側部材の位置保持を解除させるには、その旨の作業を遊技機本体の背面側にて行う必要があるため、遊技機本体に対する前面扉の開放によって露出する部分への不正に対する抑止力をより一層高めることができる。
手段4.各種遊技部品が前面部に設けられた遊技機本体(本体枠13)と、
前記遊技機本体の前面側に設けられるとともに、該遊技機本体から遊技機前方への開放が可能とされ、前記遊技機本体に対して閉鎖状態にある場合に前記遊技機本体の前記前面部のうち少なくとも一部を非露出状態とする前面扉(前扉枠14)と
を備えた遊技機において、
前面扉に、規制部材(鍵部材191)の取り付けが可能な扉側取付体(扉側部材171)を設け、
前記前面扉が閉鎖状態にあり、かつ前記遊技機本体の背面側にて前記規制部材が前記扉側取付体に取り付けられた場合に、前記前面扉の前記遊技機本体に対する開放が規制される構成としたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、遊技機本体の前面部のうち少なくとも一部は、前面扉が遊技機本体に対して閉鎖状態にある場合に非露出状態となっている。また、前面扉が閉鎖状態にありかつ規制部材が扉側取付体に取り付けられた場合に、前面扉の遊技機本体に対する開放が規制される構成とした。このため、前面扉を開放させるには扉側取付体から規制部材を取り外す必要がある。したがって、例えば不正行為者が前面扉を開放させようとしても、それが困難なものとなっている。さらに、規制部材は遊技機本体の背面側にて扉側取付体に取り付けられているため、遊技機前方から規制部材を扉側取付体から取り外す作業を行うこと自体が困難なものとなっている。故に、遊技機本体に対する前面扉の開放によって露出する部分への不正に対する抑止力を高めることができる。
また、前面扉において、その遊技機本体側に何らかの不正対象物が存在したり前面扉の遊技機本体側が不正対象となり得たりするのであれば、それらに対する不正抑止効果を得ることができる。
手段5.手段4において、前記扉側取付体を前面扉の背面部に設けたことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、扉側取付体を前面扉の背面部に設けたため、前面扉が閉鎖状態にあるにも関わらず、扉側取付体に取り付けられた規制部材が遊技機前方から強引に取り外されるといった不都合の発生を抑制することができる。また、同様に、扉側取付体が切断されたり前面扉から扉側取付体が強引に取り外されたりするといった不都合の発生を抑制することができる。
手段6.手段4又は5において、前記前面扉は一方の端部が開放基端側とされるとともに他方の端部が開放先端側とされており、
前記扉側取付体は、前面扉の開放先端側に設けられていることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、扉側取付体が前面扉の開放先端側に設けられているため、開放先端側にて前面扉の開放を規制することができる。これにより、開放方向に向かう外力が前面扉に加えられた場合に、開放基端側にて前面扉の開放を規制する構成と比して、より大きな外力に抗して前面扉の開放を規制することが可能となる。すなわち、より確実に前面扉の開放を規制することが可能となる。
手段7.手段6において、前記前面扉は前記遊技機本体に対する閉鎖状態にて施解錠する扉施錠装置(鉤金具63等)を備えるとともに、その扉施錠装置は前記前面扉の開放先端側に沿って配設されており、
前記扉側取付体は、前記扉施錠装置に固定されていることを特徴とする遊技機。
手段7によれば、前面扉の開放先端に沿って扉施錠装置が配設されており、その扉施錠装置に扉側取付体が固定されている。また、扉施錠装置は前面扉の開放先端側に沿って配設されているため、扉側取付体を前面扉に対して強固に固定することが可能となる。さらに、扉施錠装置を前面扉に強固に固定することが扉側取付体をより強固に前面扉に固定することとなるため、不正行為者により前面扉を強引に開放されるといった不都合の発生をより確実に抑制することができる。
手段8.手段4乃至7のいずれかにおいて、前記扉側取付体は、前記前面扉の角隅部位に配設されていることを特徴とする遊技機。
手段8によれば、扉側取付体は前面扉の角隅部位に配設されている。遊技機本体及び前扉枠には、限られた領域内にて各種機器が配置されている。このため、扉側取付体を前面扉の角隅部位に配設することで他の機器に干渉することなく扉側取付体を前面扉に配設したり、扉側取付体に規制部材を取り付けたりすることが可能となる。
手段9.手段8において、前記扉側取付体は、遊技機後方へ突出するとともに板面を左右に向けた板状に形成されていることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、扉側取付体は、遊技機後方へ突出するとともに板面を左右に向けた板状になっている。遊技機では内部の領域が限られており、特に左右方向における各種機器の配置が制限されている。したがって、扉側取付体の左右方向の幅を小さくすることで他の機器に干渉することなく扉側取付体を配置することが可能となる。ここで、扉側取付体を左右方向の幅に加えて上下方向の幅も小さい構成とすると、扉側取付体の強度確保が困難なものとなるおそれがある。これに対し、本構成では扉側取付体を板面が左右に向いた板状としたため、扉側取付体の強度を確保しつつ、扉側取付体を無理なく配置することが可能となる。
手段10.手段4乃至9のいずれかにおいて、前記遊技機本体には、前記扉側取付体が通される取付体通路部(貫通孔181)が形成されていることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、遊技機本体に取付体通路部が形成されているため、前面扉に設けた扉側取付体を遊技機本体の背面側に露出させることが可能となる。これにより、露出した扉側取付体に規制部材を取り付けることが容易なものとなる。
手段11.手段10において、前記取付体通路部は前記遊技機本体を前後に貫通する貫通孔であることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、取付体通路部は、遊技機本体を前後に貫通する貫通孔により形成されている。このため、扉側取付体を遊技機本体に沿って迂回するような形状とする必要がなくなるため、遊技機外部から扉側取付体が強引に切断されたり取り外されたりするといった不都合を抑制することが可能となる。また、遊技機本体に貫通孔を形成するだけで取付体通路部を形成することができるため、取付体通路部の製造を容易なものとすることができる。
手段12.手段4乃至11のいずれかにおいて、前記遊技機本体に設けられ、前記前面扉の前記遊技機本体に対する閉鎖状態において扉側取付体と当接又は近接し、かつ規制部材が、扉側取付体とともに取り付けられる本体側取付体(本体側部材183)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段12では、本体側取付体は、前面扉の遊技機本体に対する閉鎖状態において扉側取付体と当接又は近接する。そして、扉側取付体とともに本体側取付体に規制部材が取り付けられることにより、遊技機本体に対する前面扉の開放が規制される。
手段13.手段12において、前記扉側取付体及び本体側取付体には、前記遊技機本体に対して前面扉が閉鎖状態にある場合に両取付体を同一軸線上において貫通する貫通孔が形成されており、各貫通孔に規制部材の備える棒材が挿入されて両取付体の前後方向への相対移動が規制されるものであることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、両取付体に同一軸線上に配置される貫通孔を形成することにより、例えば閂状の棒材を挿入しやすくなる。したがって、棒材を含む規制部材にて簡単に両取付体の前後方向への相対移動を規制することができ、その結果、遊技機本体に対する前面扉の開放規制を容易に実現することができる。
手段14.手段12又は13のいずれかにおいて、前記遊技機本体を、取付対象(島設備)から遊技機前方への開放が可能とされ、前記取付対象に対して閉鎖状態にある場合に背面部が遊技機前方からの非露出状態となる構成とし、
前記本体側取付体を遊技機本体の背面部に設けたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、本体側取付体を遊技機本体の背面部に設けたため、遊技機本体が取付対象に対して閉鎖状態にあるにも関わらず、本体側取付体に取り付けられた規制部材が遊技機前方から強引に取り外されるといった不都合の発生を抑制することができる。また、同様に、本体側取付体が切断されたり遊技機本体から本体側取付体が強引に取り外されたりするといった不都合の発生を抑制することができる。
手段15.手段14において、前記遊技機本体は前記取付対象に対する閉鎖状態にて施解錠する本体施錠装置(鉤金具57等)を備えるとともに、その本体施錠装置は前記遊技機本体の開放先端側に沿って配設されており、
前記本体側取付体は、前記本体施錠装置に固定されていることを特徴とする遊技機。
手段15によれば、遊技機本体の開放先端に沿って本体施錠装置が配設されており、その本体施錠装置に本体側取付体が固定されている。また、本体施錠装置は遊技機本体の開放先端側に沿って配設されているため、本体側取付体を遊技機本体に対して強固に固定することが可能となる。さらに、本体施錠装置を遊技機本体に強固に固定することが本体側取付体をより強固に前面扉に固定することとなるため、不正行為者により遊技機本体を強引に開放されるといった不都合の発生をより確実に抑制することができる。
手段16.手段12乃至15のいずれかにおいて、前記本体側取付体は、前記遊技機本体の角隅部位に配設されていることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、本体側取付体は遊技機本体の角隅部位に配設されている。遊技機本体及び前扉枠には、限られた領域内にて各種機器が配置されている。このため、本体側取付体を遊技機本体の角隅部位に配設することで他の機器に干渉することなく本体側取付体を遊技機本体に配設したり、本体側取付体に規制部材を取り付けたりすることが可能となる。
手段17.手段16において、前記本体側取付体は、遊技機後方へ突出するとともに板面を左右に向けた板状に形成されていることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、本体側取付体は、遊技機後方へ突出するとともに板面を左右に向けた板状になっている。遊技機では内部の領域が限られており、遊技機本体の背面部においても各種機器が多数配置されている。ここで、本構成では、本体側取付体が遊技機本体から遊技機後方へ突出しているため、規制部材を遊技機本体の背面側から離間した位置にて本体側取付体と当接させることが可能となる。これにより、他の機器に干渉しない位置にて扉側取付体に規制部材を取り付け、その位置にて本体側取付体と規制部材とを当接させることが可能となる。
また、遊技機では、特に左右方向における各種機器の配置が制限されている。したがって、本体側取付体の左右方向の幅を小さくすることで他の機器に干渉することなく本体側取付体を配置することが可能となる。ここで、本体側取付体を左右方向の幅に加えて上下方向の幅も小さい構成とすると、本体側取付体の強度確保が困難なものとなるおそれがある。これに対し、本構成では、本体側取付体を板面が左右に向いた板状としたため、本体側取付体の強度を確保しつつ、本体側取付体を無理なく遊技機本体に配置することが可能となる。
手段18.手段12乃至17のいずれかにおいて、前記前面扉は一方の端部が開放基端側とされるとともに他方の端部が開放先端側とされており、
前記本体側取付体は、前記遊技機本体における前面扉の開放先端側に対応する側に設けられていることを特徴とする遊技機。
手段18によれば、本体側取付体が、遊技機本体における前面扉の開放先端側に対応する側に設けられているため、開放先端側にて前面扉の開放を規制することができる。これにより、開放方向に向かう外力が前面扉に加えられた場合に、本体側取付体を、遊技機本体における前面扉の開放基端側に対応する側に設けた構成と比して、より大きな外力に抗して前面扉の開放を規制することが可能となる。すなわち、より確実に前面扉の開放を規制することが可能となる。
手段19.手段18において、前記本体側取付体は、前記扉側取付体よりも、前記遊技機本体における前面扉の開放基端側に対応する位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、本体側取付体は、扉側取付体よりも、遊技機本体における前面扉の開放基端側に対応する位置に設けられている。この場合、前面扉の開閉に伴いその前面扉と扉側取付体とが一体に回動するため、扉側取付体が本体側取付体に対して回動先端側を移動することとなる。したがって、遊技機本体に対する前面扉の閉鎖動作に伴い扉側取付体と本体側取付体とを、互いに干渉することなく当接又は近接させることが可能となる。
手段20.手段4乃至手段19のいずれかにおいて、前記規制部材は、施錠解除部材(解錠キー)の解除操作によってのみ解錠可能な施錠部材であることを特徴とする遊技機。
手段20によれば、施錠部材を施錠状態とすることで、前面扉の開放を規制することができる。この場合、施錠部材は、施錠解除部材の解除操作によってのみ解錠可能であり、施錠解除部材を適正に管理すれば、不正行為者により前面扉が不正に開放されるといった不都合の発生を抑制することができる。また、正規に、施錠解除部材により施錠部材を解錠すれば、前面扉を容易に開放させることが可能となる。
手段21.手段1乃至20のいずれかにおいて、前記前面扉が閉鎖状態にある場合に非露出状態となりかつ遊技機前方から視認可能な状態で前記遊技機本体の前面部に設けられ、遊技球が流下する遊技領域(遊技盤81)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84)と
を備え、
前記入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典が付与される構成としたことを特徴とする遊技機。
手段21によれば、前面扉が閉鎖状態にある場合に遊技領域が前面扉により非露出状態となる構成としたため、扉側取付体に規制部材を取り付けることで、遊技領域に対する不正の発生を抑制することができる。例えば、前面扉を開放させて遊技領域を露出させ、その遊技領域の入球部に遊技球を不正に入賞させようとしても、それが困難なものとなっている。すなわち、いわゆるパチンコ機に対して上記手段1乃至20のいずれかの効果を享受することができる。
手段22.手段1乃至手段20のいずれかにおいて、遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、複数種の絵柄が変動表示される複数の絵柄表示領域と、各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段と、該各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される複数の停止操作手段とを備え、
遊技メダルの受入完了状態で前記始動操作手段が操作された場合に各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させ、絵柄の変動表示の停止後に、各絵柄表示領域に表示されている絵柄により所定絵柄又は所定絵柄の組み合わせが成立していた場合には遊技者に特典が付与される構成としたことを特徴とする遊技機。
手段22によれば、いわゆるスロットマシンに対して上記手段1乃至手段20のいずれかの効果を享受することができる。
手段23.手段1乃至20のいずれかにおいて、遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、複数種の絵柄が変動表示される複数の絵柄表示領域と、遊技機前面部にて遊技球を貯留する貯留部と、該貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置と、該取込装置による遊技媒体の取り込みを開始させるべく操作される取込開始操作手段と、各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段と、該各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される複数の停止操作手段とを備え、
前記取込装置により所定数の遊技媒体が取り込まれ、さらに前記始動操作手段が操作された場合に、各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させ、絵柄の変動表示の停止後に各絵柄表示領域に表示されている絵柄により所定絵柄又は所定絵柄の組み合わせが成立していた場合には遊技者に特典が付与される構成としたことを特徴とする遊技機。
手段23によれば、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機に対して上記手段1乃至20のいずれかの効果を享受することができる。
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対して前扉枠14を施錠する扉施錠機構を構成する。また、前扉枠14の背面において、回動先端側の上部には後方へ突出する扉側部材171が設けられている。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
また、図2に示すように、施錠装置には、本体枠13を外枠11に対して開放不能に施錠するための鉤金具57が設けられている。より詳しくは、樹脂ベース71の背面における回動先端側に、後方に延びる鉤金具57が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具57は外枠11に対して本体枠13を施錠する本体施錠機構を構成する。鉤金具57が、外枠11に設けられた受け金具58に係止されることによって、本体枠13が外枠11に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
本体枠13の回動先端側の上部には、前扉枠14の扉側部材171と対応する位置に前後方向に貫通する貫通孔181が設けられている。樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。施錠装置131の上部には、貫通孔181よりも内側(図8における貫通孔181の右側)には後方へ突出する本体側部材183が設けられている。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の一般入賞口82と対応する位置に入賞口スイッチ152が設けられ、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。なお、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の左右両側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
本実施の形態では、本体枠13の背面側に鍵部材191を取り付けることで、本体枠13に対しての前扉枠14の不正開放を規制する構成を実現している。ここでは、その構成について、図2〜図4,図14等を参照しつつ詳細に説明する。図14は、パチンコ機10を上方から見た略図であり、(a)は本体枠13が外枠11に対して閉鎖されかつ前扉枠14が本体枠13に対して閉鎖された状態、(b)は本体枠13が外枠11に対して開放された状態を示す。
まず、前扉枠14に設けられた扉側部材171について説明する。図2に示すように、扉側部材171は、金属製の扉側柱部172によって主要部が構成され、その扉側柱部172が遊技機後方(図5の手前)に向かって突出するようにして立設されている。扉側柱部172は、本体枠13の樹脂ベース71の厚さよりも長くなっている。扉側柱部172の一端には、扉側柱部172から遊技機側方に向かって突出した突出部173が形成されており、その突出部173がネジ等の固定具により前扉枠14に固定されることで扉側部材171が前扉枠14に取り付け固定されている。
なお、扉側部材171は前扉枠14に固定されるものであればよいが、鉤金具63を含む施錠装置に対して固定することが好ましい。これは、主要部が合成樹脂により構成されている前扉枠14に対して、施錠装置はその主要部が金属により構成されているため、前扉枠14に対する扉側部材171の固定強度が高められ、前扉枠14から扉側部材171が外れてしまう可能性が低減されるからである。
扉側柱部172は板面を左右に向けた矩形板状に形成されており、上下幅よりも左右幅が小さくなるように形成されている。そして、扉側柱部172が前扉枠14の角隅部に配置されていることも相俟って、当該扉側柱部172の存在により遊技盤81の設置可能領域を十分に広く取ることができるようになっている。また、扉側柱部172の他端(扉側部材171の遊技機前方側の端部であり、扉側柱部172の自由端側ともいうことができる。)には扉側孔部174が形成されている。扉側孔部174は、具体的には扉側柱部172を左右に貫通するものである。
次に、本体枠13に設けられた本体側部材183について説明する。図3に示すように、本体側部材183は、扉側部材171と同様に、金属製の本体側柱部184によって主要部が構成され、その本体側柱部184が遊技機後方(図8の手前)に向かって突出するようにして立設されている。本体側柱部184は、扉側部材171の扉側柱部172よりも短くなっている。本体側柱部184の一端には、本体側柱部184から遊技機側方に向かって突出した突出部185が形成されており、その突出部185がネジ等の固定具により本体枠13に固定されることで本体側部材183が本体枠13に取り付け固定されている。
なお、本体側部材183は本体枠13に固定されるものであればよいが、特に施錠装置に対して固定することが好ましい。これは、主要部が合成樹脂により構成されている本体枠13に対して、施錠装置はその主要部が金属により構成されているため、本体枠13に対する本体側部材183の固定強度が高められ、本体枠13から本体側部材183が外れてしまう可能性が低減されるからである。
本体側柱部184は板面を左右に向けた矩形板状に形成されており、上下幅よりも左右幅が小さくなるように形成されている。そして、本体側柱部184が本体枠13の角隅部に配置されていることも相俟って、当該本体側柱部184の存在により遊技盤81の設置可能領域を十分に広く取ることができるようになっている。また、本体側柱部184の他端(本体側部材183の遊技機前方側の端部であり、本体側柱部184の自由端側ともいうことができる。)には本体側孔部186(図4参照)が形成されている。本体側孔部186は、具体的には本体側柱部184を左右に貫通するものである。
本体側部材183の外側(図8における本体側部材183の左側)に設けられている貫通孔181は、樹脂ベース71を遊技機前後方向に貫通するものであり、扉側部材171の貫通が可能な大きさとなっている。詳細には、前扉枠14の開閉に伴い当該前扉枠14と扉側部材171とが一体に回動するため、前扉枠14の開閉の際に扉側部材171が貫通孔181内周壁と干渉しないように、貫通孔181の大きさ及び位置が設定されている。ここで、本体枠13に対して前扉枠14を閉鎖した状態においては、扉側部材171の後端は樹脂ベース71よりも後方へ突出され、同様に扉側孔部174も樹脂ベース71より後方へ突出されている。
図4及び図14に示すように、扉側部材171と本体側部材183とには南京錠などの鍵部材191が取り付けられている。前扉枠14が本体枠13に対して閉鎖状態にある場合、本体枠13の背面側に露出している扉側部材171の後端は、本体側部材183の外側(本体枠13の回動先端側)に位置している。この場合、扉側部材171と本体側部材183とは向かい合うようにして遊技機左右方向に並んでおり、扉側部材171の一方の板面と本体側部材183の一方の板面とは対向している。そして、扉側部材171の扉側孔部174と本体側部材183の本体側孔部186とが連通した状態となっている。ここで、扉側部材171及び本体側部材183の板面は互いに当接又は近接しているが、本体側部材183が扉側部材171の内側(前扉枠14の回動基端側)に位置しているため、扉側部材171と本体側部材183とが干渉することなく前扉枠14を開閉させることが可能となる。
鍵部材191は、略直方体の本体部192と略U字状のアーム部193とにより構成されている。アーム部193は、一方の端部が自由端として他方の端部が固定端として本体部192に取り付けられている。本体部192はアーム部193の自由端の保持が可能となっており、自由端が保持された状態(施錠された状態)ではアーム部193の両端部が本体部192により連結された状態となる。一方、自由端の保持が解除された状態(開錠された状態)では、アーム部193の両端部は連結されておらず、アーム部193がフックとしての役割を果たすことが可能となる。
鍵部材191には図示しない鍵穴が設けられており、その鍵穴に解錠キーが挿入されその状態で回動操作されることにより鍵部材191が解錠される。解錠キーにより解除された鍵部材191は、アーム部193が本体部192に押し込まれることで施錠されることとなる。
鍵部材191は、解錠された後、アーム部193がその自由端側から扉側孔部174と本体側孔部186とに挿通され、再び施錠されることで扉側部材171と本体側部材183とに取り付けられている。この状態では、扉側部材171と本体側部材183とが遊技機左右方向からアーム部193により貫通されているため、各部材171,183の遊技機前後方向への離間が規制されている。すなわち、扉側部材171と本体側部材183とが鍵部材191により連結されることで、本体枠13に対する前扉枠14の開放が規制されている。なお、扉側孔部174と本体側孔部186とのそれぞれの口径は、アーム部193の外形より若干大きくなっている。但し、孔部174,186は、アーム部193を挿通させることは可能であるが、孔内側にてアーム部193ががたつかない程度の大きさとなっている。
図14(a)に示すように、前扉枠14が本体枠13に対して閉鎖状態にありかつ本体枠13が外枠11に対して閉鎖状態にある場合、鍵部材191は本体枠13及び前扉枠14の後方に位置しかつ外枠11,島設備等に隠れている。この場合、解錠キーによる鍵部材191の解錠操作を行うこと自体ができないようになっている。したがって、本体枠13に対する前扉枠14の開放が規制されることとなる。
これに対して、図14(b)に示すように、本体施錠機構が解錠されて本体枠13が外枠11に対して開放された場合、鍵部材191は本体枠13及び前扉枠14の後方に位置するが、鍵部材191が外枠11,島設備等に隠れない。この場合、解錠キーによる鍵部材191の解錠操作を行うことは可能となるが、解錠しない限り鍵部材191により本体枠13に対する前扉枠14の閉鎖状態が保持されている。このため、仮に扉施錠機構が解錠されても前扉枠14の開放が規制されることとなる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づいて説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路302の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、主制御回路302には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、主制御回路302の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板322の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、払出制御基板322の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板324の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前扉枠14が本体枠13に対して閉鎖状態にある場合に、扉側部材171と本体側部材183とに鍵部材191が取り付けられることで、扉側部材171と本体側部材183との別々の移動が規制される構成とした。このため、本体枠13に対する前扉枠14の不正開放を規制することができる。例えば、前扉枠14が本体枠13に対して開放された場合、一般入賞口82や作動口84に不正に入賞させたり、可変入賞装置83を強制的に開放状態として遊技球が入賞しやすい状態としたりして、所定数の賞球を払い出させて利益を得るという不正行為が行われるおそれがある。これに対し、本構成によれば、前扉枠14の不正開放を規制することで、前記不正行為の発生を抑制することができる。すなわち、本体枠13の前面部への不正に対して抑止力を高めることができる。
扉側部材171の扉側孔部174と本体側部材183の本体側孔部186とに鍵部材191のアーム部193を挿通させることで、扉側部材171と本体側部材183とが連結される構成とした。このため、扉側部材171と本体側部材183との離間を規制することができ、本体枠13に対する前扉枠14の開放を規制することができる。
扉側孔部174と本体側孔部186との内側にてアーム部193ががたつかない構成としたため、扉側部材171と本体側部材183とのずれに起因した、前扉枠14の比較的小さい開放を規制することができる。したがって、仮に前扉枠14が遊技機前方に強引に引っ張られても本体枠13と前扉枠14との間の領域の拡張を規制することができる。これにより、本体枠13と前扉枠14との間からの不正道具の差し込みをより困難なものとすることができる。故に、本体枠13と前扉枠14との間から不正道具などを遊技領域まで差し込み、不正道具により遊技球を誘導して一般入賞口82や作動口84に入賞させたり、不正道具により可変入賞装置83を強制的に開放状態として遊技球が入賞しやすい状態としたりすることなどで所定数の賞球を払い出させて利益を得るという不正に対して、抑止力を発揮することができる。
扉側部材171を前扉枠14の背面部に設けるとともに、本体側部材183を本体枠13の背面部設けたため、それら部材171,183に取り付けられた鍵部材191を、遊技機前方から取り外すことが困難なものとなっている。また、本体枠13及び前扉枠14が閉鎖状態にある場合は、扉側部材171、本体側部材183及び鍵部材191に対する作業を行うこと自体ができない。このため、扉側部材171や本体側部材183が不正に切断されたり、鍵部材191が強引に解錠されたりするといった不都合の発生を抑制することができる。
鍵部材191を、解錠キーによる解錠操作が行われることで解錠される構成としたため、鍵部材191の不正解錠の発生を抑制することができる。例えばホール管理者などにより解錠キーが適正に管理されている場合、不正行為者が解錠キーを所有することができないため鍵部材191を解錠することができない。したがって、仮に外枠11に対して本体枠13が不正に開放されて鍵部材191が遊技機前方に露出する状態となっても、本体枠13に対する前扉枠14の閉鎖状態を保持することができる。
扉側部材171及び本体側部材183のそれぞれの自由端側に鍵部材191を取り付ける構成としたため、本体枠13の背面部からある程度離間した位置に鍵部材191を取り付けることができる。このため、外枠11や、本体枠13の後方に配置された裏パックユニット15などと干渉することなく鍵部材191を扉側部材171及び本体側部材183に取り付けることができる。
前扉枠14が本体枠13に回動可能に支持されているため、前扉枠14の回動先端側に扉側部材171を設けて回動先端側のみにて遊技機前方への移動を規制するだけで、本体枠13及び前扉枠14の開放を規制することができる。また、例えば開放方向に向かう外力が前扉枠14に対して加えられた場合に、回動基端側に扉側部材171が設けられた構成に比して、より大きな外力に抗して前扉枠14の閉鎖状態を保持することが可能となる。故に、前扉枠14の不正開放をより確実に規制することができる。
ここで、前扉枠14では回動基端側が回動先端側より大きく開放されることが規制されている。したがって、例えば、柱部材65を前扉枠14の回動基端側に設けた場合、巻取機251からワイヤ255が少しだけ繰り出されると、前扉枠14の開放が回動基端側では僅かなものであっても回動先端側では大きなものとなるおそれがあるが、柱部材65を前扉枠14の回動先端側に設けたため、仮に巻取機251からワイヤ255が少しだけ繰り出されても前扉枠14の開放を回動基端側ではもちろん回動先端側でも僅かなものとすることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、本体枠13に対しての前扉枠14の不正開放を規制する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図16は、遊技ホールHに設置されたパチンコ機10を上方から見た略図であり、(a)は本体枠13が外枠11に対して閉鎖されかつ前扉枠14が本体枠13に対して閉鎖された状態、(b)は本体枠13が外枠11に対して開放されかつ前扉枠14が本体枠13に対して開放された状態を示す。
図16に示すように、遊技ホールHにおいて、パチンコ機10は、外枠11が島設備Sに取り付け固定されることで取付対象としての島設備Sに取り付けられている。島設備Sには、パチンコ機10を正面から見てパチンコ機10の右上部後方、すなわち前扉枠14の扉側部材171の後方位置に巻取機345が設けられている。
巻取機345には図示しないリールが設けられており、リールは正逆両方向への回転が可能となっている。リールは、図示しないバネなどの付勢部材により正回転方向に付勢されており、リールに対して外力が加えられていない場合にリールは正方向に回転し、付勢部材の付勢力に抗する外力がリールに加えられた場合にリールは逆方向に回転する。巻取機345には図示しないストッパが設けられており、そのストッパは保持位置及び解除位置への移動が可能となっている。ストッパが保持位置にある場合は巻取機345が保持状態にあり、ストッパが解除位置にある場合は巻取機345が解除状態にある。巻取機345が保持状態にある場合は、リールの逆方向への回転が阻止され、正方向への回転のみが可能となっている。巻取機345が解除状態にある場合は、リールの正逆両方向への回転が可能となっている。
巻取機345はワイヤ346の巻き取りと繰り出しが可能となっている。より詳しくは、巻取機345のリールには鋼製のワイヤ346が巻回されている。ワイヤ346は可撓性を有しており、その一端がリールに固定されている。これにより、リールへのワイヤ346の巻回が可能となっている。リールが正回転することでワイヤ346が巻取機345に巻き取られ、リールが逆回転することでワイヤ346が巻取機345から繰り出される。
巻取機345が保持状態にある場合、ワイヤ346の繰り出しが阻止され、ワイヤ346の巻き取りのみが可能となっている。巻取機345が解除状態にある場合、ワイヤ346の繰り出し及び巻き取りの両方が可能となっている。また、巻取機345が保持状態及び解除状態のいずれの状態にある場合でも、リールが正回転方向に付勢されているため、巻取機345は常にワイヤ346を巻き取る状態となっている。
ワイヤ346の他端には金属製のフック347が接続されており、そのフック347は、外枠11の内部及び本体枠13の貫通孔181を通して前扉枠14の扉側部材171に引っ掛けられている。ここで、ワイヤ346は、巻取機345と扉側部材171とを連結する連結手段となり、巻取機345は、この巻取機345と扉側部材171との間でワイヤ346の長さを可変とする可変機能を有していることとなる。
上記第1の実施の形態と同様に、前扉枠14には扉側部材171が設けられており、本体枠13には貫通孔181が形成されている。ワイヤ346及びフック347は貫通孔181への貫通が可能となっている。なお、本体枠13に対して前扉枠14を閉鎖した状態においては、扉側部材171の後端は樹脂ベース71よりも後方へ突出され、同様に扉側孔部174及びこれに引っ掛けられているフック347も樹脂ベース71より後方へ突出されている。
ここで、本体枠13及び前扉枠14の開放規制について説明する。
図16(a)では、前扉枠14が本体枠13に対して閉鎖状態にありかつ本体枠13が外枠11に対して閉鎖状態にある。すなわち、前扉枠14が外枠に対して相対的に閉鎖状態にある。この場合、前扉枠14の扉側部材171は閉鎖位置にあることとなる。扉側部材171は本体枠13の貫通孔348を貫通しており、扉側部材171の扉側孔部174は、本体枠13と前扉枠14との間の領域より後方に位置している。このため、その領域より後方に、扉側孔部174に引っ掛けられたフック347、及びワイヤ346が位置することとなる。
巻取機345は、扉側部材171及び貫通孔348の延長線上に設けられており、ワイヤ346は、扉側部材171と巻取機345との間にて直線状となっている。これは、巻取機345は常にワイヤ346を巻き取る状態となっており、ワイヤ346は扉側部材171と巻取機345との間で弛まないようになっているためである。
前扉枠14が外枠11に対して相対的に閉鎖状態にある場合に巻取機345が保持状態となると、巻取機345からワイヤ346が繰り出されなくなり、扉側部材171と巻取機345との間にてワイヤ346が一定の長さ(特定長さ)にて保持される。このため、扉側部材171が閉鎖位置にて位置保持され、外枠11に対する前扉枠14の相対的な開放が規制される。すなわち、巻取機345からワイヤ346が繰り出されないため、施錠装置の解錠操作により外枠11に対する本体枠13の施錠を解錠しても、外枠11に対して前扉枠14を相対的に開放させることができず、本体枠13に対する前扉枠14の施錠を解錠しても、外枠11に対して前扉枠14を相対的に開放させることができない。
本体枠13はその前面側全体が前扉枠14により覆われているため、前扉枠14が外枠11に対して相対的に閉鎖状態にある場合、本体枠13を外枠11に対して開放状態とすることが不可となっている。したがって、巻取機345により扉側部材171が閉鎖位置にて位置保持されると、外枠11に対する前扉枠14の相対的な開放が規制され、これにより本体枠13に対する前扉枠14の開放及び外枠11に対する本体枠13の開放が規制される。
巻取機345が解除状態になると、巻取機345からのワイヤ346の繰り出しが可能となり、閉鎖位置における扉側部材171の位置保持が解除され、外枠11に対する前扉枠14の相対的な開放の規制が解除される。この場合、施錠装置の解錠操作により外枠11に対する本体枠13の施錠を解錠すれば、外枠11に対する本体枠13の開放が可能となり、本体枠13に対する前扉枠14の施錠を開錠すれば、本体枠13に対する前扉枠14の開放が可能となる。
図16(b)では、前扉枠14が本体枠13に対して開放された状態にありかつ本体枠13が外枠11に対して開放された状態にある。上記したように、ワイヤ346は扉側部材171と巻取機345との間で弛まないようになっているため、ワイヤ346は、貫通孔348を頂点として、扉側部材171と貫通孔348との間で直線状となっており、かつ貫通孔348と巻取機345との間で直線状となっている。
本体枠13を外枠11に対して開閉動作させると、本体枠13は外枠11と前扉枠14との間で回動動作することとなる。ここで、巻取機345は解除状態となっているため、扉側部材171と巻取機345との間におけるワイヤ346の長さは本体枠13の回動に伴い変化することとなる。本体枠13が回動されると、本体枠13の貫通孔348は扉側部材171と巻取機345との間で曲線的に移動することとなる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前扉枠14が外枠11に対して相対的に閉鎖状態にある場合に、巻取機345が保持状態となると扉側部材171が閉鎖位置にて位置保持される構成としたため、外枠11に対する前扉枠14の相対的な開放を規制することができる。また、前扉枠14により本体枠13の前面側全体を覆う構成としたため、単に外枠11に対する前扉枠14の相対的な開放を規制するだけで、本体枠13に対する前扉枠14の開放及び外枠11に対する本体枠13の開放を規制することができる。これにより、前扉枠14及び本体枠13の不正開放を抑制することができる。
例えば、前扉枠14が本体枠13に対して開放された場合、一般入賞口82や作動口84に不正に入賞させたり、可変入賞装置83を強制的に開放状態として遊技球が入賞しやすい状態としたりして、所定数の賞球を払い出させて利益を得るという不正行為が行われるおそれがある。
また、本体枠13が外枠11に対して開放された場合、主制御装置162や払出制御装置に対して不正が行われるおそれがある。例えば、不正行為として、本体枠13の背面側に不正基板を設置し、不正基板から払出制御装置242に不正信号を入力することで払出装置224から強制的に遊技球を払い出させたり、一般入賞口82や作動口84に遊技球が入賞した際に主制御装置162に入力される信号と同等の信号を不正基板から主制御装置162に入力したりする不正が考えられる。
以上の結果、本実施の形態では、パチンコ機10内部を対象として行われる不正行為に対して抑止力を発揮することができるとともに、パチンコ機10の背面側を対象として行われる不正行為に対して抑止力を発揮することができる。
また、扉側部材171を閉鎖位置にて位置保持する構成としたため、遊技機前方への前扉枠14の変位を規制することができる。したがって、仮に前扉枠14が遊技機前方に強引に引っ張られても本体枠13と前扉枠14との間の領域の拡張を規制することができる。これにより、本体枠13と前扉枠14との間からの不正道具の差し込みをより困難なものとすることができる。故に、本体枠13と前扉枠14との間から不正道具などを遊技領域まで差し込み、不正道具により遊技球を誘導して一般入賞口82や作動口84に入賞させたり、不正道具により可変入賞装置83を強制的に開放状態として遊技球が入賞しやすい状態としたりすることなどで所定数の賞球を払い出させて利益を得るという不正に対して、抑止力を発揮することができる。
巻取機345のワイヤ346を前扉枠14の扉側部材171に接続したため、巻取機345を保持状態とすることで、扉側部材171を閉鎖位置にて位置保持することが可能となる。また、巻取機345を解除状態とすることで、扉側部材171の位置保持を解除することが可能となる。したがって、前扉枠14及び本体枠13の不正開放を規制しつつ、ホール関係者などが前扉枠14及び本体枠13を正規に開放する際には、巻取機345を解除状態とするだけでそれらの開放が可能となる。
巻取機345をパチンコ機10の後方に設けたため、前扉枠14の扉側部材171と巻取機345との間におけるワイヤ346を一定の長さより長くならないようにすることで、前扉枠14の前方への開放を規制することができる。さらに、巻取機345をパチンコ機10の前方に設けた場合は、前扉枠14の開放を規制する構成が複雑なものとなると考えられる。仮に、その構成が実現されても、巻取機345やワイヤ346が前扉枠14及び本体枠13の開放の支障となる可能性があるが、本実施の形態では、巻取機345やワイヤ346が支障とならずに前扉枠14及び本体枠13を開放することができる。
巻取機345のリールを、ワイヤ346を巻き取る方向(正回転方向)に付勢手段により付勢される構成としたため、前扉枠14の閉鎖動作に伴い巻取機345にてワイヤ346を巻き取ることができる。これにより、例えば、前扉枠14を外枠11に対して相対的に閉鎖状態としても、ワイヤ346の弛みの発生を抑制することができる。故に、本体枠13及び前扉枠14の閉鎖動作に伴い外枠11と本体枠13との間や本体枠13と前扉枠14との間にワイヤ346を挟み込んでしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
前扉枠14の扉側部材171と巻取機345とを可撓性を有する鋼製のワイヤ346により連結したため、前扉枠14の開閉動作に応じてワイヤ346の長さを調節することが可能となり、前扉枠14の開閉動作を円滑なものとすることが可能となる。また、巻取機345のリールにワイヤ346を巻回することが可能となるため、前扉枠14が外枠11に対して相対的に閉鎖状態にある場合でも、ワイヤ346を巻取機345にてコンパクトにまとめることができる。さらに、ワイヤ346に十分な強度を持たせることが可能となるため、前扉枠14を強引に遊技機前方に引っ張ることでワイヤ346を引き伸ばそうとしたり、ワイヤ346を切断したりしようとしても、それが非常に困難なものとなっている。故に、本体枠13及び前扉枠14の不正開放をより好適に規制することができる。
前扉枠14が外枠11に対して相対的に閉鎖状態にある場合、本体枠13と前扉枠14との間の領域より後方にワイヤ346が位置する構成としたため、本体枠13と前扉枠14との間にてワイヤ346が切断されるといった不都合を抑制することができる。本体枠13と前扉枠14との間には扉側部材171が位置しているが、扉側部材171を金属性としたため、扉側部材171を強引に切断しようとしてもそれが困難なものとなっている。故に、本体枠13及び前扉枠14の不正開放をより好適に規制することができる。
本体枠13が外枠11に回動可能に支持され、前扉枠14が本体枠13の回動基端側に回動可能に支持されているため、前扉枠14の回動先端側のみを遊技機前方への移動を規制するだけで、本体枠13及び前扉枠14の開放を規制することができる。また、換言すれば、前扉枠14では回動基端側が回動先端側より大きく開放されることが規制されている。したがって、例えば、扉側部材171を前扉枠14の回動基端側に設けた場合、巻取機345からワイヤ346が少しだけ繰り出されると、前扉枠14の開放が回動基端側では僅かなものであっても回動先端側では大きなものとなるおそれがあるが、扉側部材171を前扉枠14の回動先端側に設けたため、仮に巻取機345からワイヤ346が少しだけ繰り出されても前扉枠14の開放を回動基端側ではもちろん回動先端側でも僅かなものとすることができる。
扉側部材171を前扉枠14の上部に設けるとともに、貫通孔348を本体枠13の上部に設け、さらに巻取機345を扉側部材171及び貫通孔348の延長線上に設けたため、前扉枠14が開放状態にある場合、ワイヤ346がパチンコ機10の上部にて扉側部材171と巻取機345とを連結する状態となる。したがって、ホール管理者が本体枠13及び前扉枠14を開放させて、遊技機内部のメンテナンスなどを行う場合、ワイヤ346がその作業の支障になるといった不都合を抑制することができる。例えば、ワイヤ346がパチンコ機10の中央部や下部に位置している場合、ワイヤ346が邪魔となり作業時に顔や体などをパチンコ機10に十分に近づけることが困難なものとなり、作業性が低下するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、メンテナンスなどの作業性の低下を抑制することができる。
巻取機345を遊技ホールHに設置したため、パチンコ機10側には、前扉枠14に扉側部材171を設けるだけで、前扉枠14及び本体枠13の不正開放を規制する構成を実現することができる。したがって、不正対策に要するコストの低減を図ることが可能となる。また、パチンコ機10を遊技ホールHに新規に設置した場合、ワイヤ346のフック347を前扉枠14に設けられた扉側部材171の扉側孔部174に引っ掛けるだけで、ワイヤ346を前扉枠14に取り付けることができる。このため、より簡易な作業により前扉枠14及び本体枠13の不正開放を規制する構成を実現することができる。さらに、パチンコ機10を入れ替えても、新規のパチンコ機10に同じ巻取機345を使用することが可能なため、不正対策に要するコストの低減をより一層図ることが可能となる。
施錠装置が扉施錠機構を有する構成としたため、巻取機345が解除状態にある場合でも、本体枠13に対する前扉枠14の閉鎖状態を保持することができる。例えば、主制御装置162などのメンテナンスを行う場合に、その閉鎖状態を保持しつつ、外枠11から本体枠13を開放させ、主制御装置162などを露出させることが可能となる。この場合、作業終了後は、本体枠13を外枠11に対して閉鎖状態とするだけで、巻取機345を保持状態とすることが可能になる。これに対し、本体枠13の開放とともに前扉枠14も開放される構成の場合、作業終了後、本体枠13に加えて前扉枠14も閉鎖状態とする必要がある。故に、より簡易な操作により、巻取機345が保持状態に可能な状態とすることができる。
施錠装置が本体施錠機構を有する構成としたため、巻取機345が解除状態にある場合でも、外枠11に対する本体枠13の閉鎖状態を保持することができる。例えば、遊技領域において、遊技球の球詰まりが発生した場合、ホール管理者などがその球詰まりを解消する際に、前扉枠14を本体枠13に対して開放させる必要がある。この場合、本体枠13を外枠11から開放させることなく作業を行うことができる。これに対し、前扉枠14の開放とともに本体枠13も開放される構成の場合、球詰まりを解消する際に、遊技者などに主制御装置162など本体枠13の背面側が見られるおそれがある。不正行為者に本体枠13の背面側を見られると新たな不正方法を考案されるおそれがあるため、本体枠13の背面側は不要に開放しない構成とすることが望ましい。故に、不正対策を講じつつ、球詰まり解消の作業を行うことができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1の実施の形態では、扉側部材171と本体側部材183とを鍵部材191により連結することで前扉枠14の不正開放を規制する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、図17(a)に示すように、鍵部材191を扉側部材171に取り付け、鍵部材191と本体枠13とが当接することで前扉枠14の不正開放を規制する構成としてもよい。
図17(a)において、扉側部材171は扉側柱部172により主要部が構成されている。また、扉側部材171には、扉側柱部172を左右に貫通する扉側孔部174が形成されている。前扉枠14が閉鎖状態にある場合において、扉側孔部174の前扉枠14側の内壁の一部が、扉側部材171の周辺にあたる本体枠13の背面と同一平面上に存在している。この場合、扉側孔部174に鍵部材191のアーム部193を挿通させた状態では、アーム部193が本体枠13の一部と当接することとなる。このため、前扉枠14と本体枠13とが分離する方向への移動が規制されることとなり、前扉枠14の不正開放を規制することができる。
上記した構成の場合、本体枠13に鍵部材191を固定するための部材(本体側部材183)を設けることなく、本体枠13の前面部への不正に対して抑止力を高めることができる。したがって、より簡易な構成により不正対策を実現することができる。
また、図16(b)に示すように、鍵部材191を扉側部材171に取り付け、本体枠13に設けた当接部351と鍵部材355とが当接することで前扉枠14の不正開放を規制する構成としてもよい。図17(b)において、本体枠13の背面部には遊技機後方(図の上方)に突出する当接部351が形成されており、当接部351に当接する状態で鍵部材355が扉側部材171に取り付けられている。鍵部材355は、全体として略直方体の本体部356と、棒状のアーム部357とにより構成されている。
本体部356には、その一側面の中央を一方向に延びる溝部358と、溝部358を挟む凸部359a,359bとが設けられている。凸部359a,359bには、それぞれ貫通孔360a,360bが形成されており、それら貫通孔360a,360bは溝部358を挟んで直線状に連通されている。貫通孔360a,360bには、アーム部357が挿通されている。
アーム部357は棒状に形成されており、その外径は貫通孔360a,360bの内径より若干小さくなっている。アーム部357は、長さ方向への移動が可能となっており、貫通孔360a,360bへの差し込み及び抜き出しが可能となっている。アーム部357が貫通孔360a及び360bに差し込まれた(アーム部357を実線で図示した)場合は、凸部359a,359がアーム部357により連結され、アーム部357が貫通孔360a,360bの少なくとも一方から抜き出された(アーム部357を一点鎖線で図示した)場合は、凸部359a,359bは連結されないこととなる。
前扉枠14が閉鎖状態にある場合に、鍵部材355のアーム部193を扉側部材171の扉側孔部174に挿通させつつ貫通孔360a,360bに挿通させた状態では、鍵部材355の凸部359a,359bが本体枠13の当接部351に当接している。これにより、前扉枠14と本体枠13とが分離する方向への移動が規制されることとなり、前扉枠14の不正開放を規制することができる。
上記した構成の場合、本体枠13の当接部351の前後方向の幅を調節することにより、鍵部材355と本体枠13とが当接する位置を調節することが可能となる。すなわち、当接部351が調節機能を有していることとなる。このため、例えば、鍵部材355ではなく他の鍵部材を扉側部材171に取り付ける場合でも、当接部351の前後方向の幅を調節すればよく、本体枠13全体の前後方向の幅を調節したり扉側部材171の扉側孔部174の位置を調節したりする必要がない。また、図17(a)の構成と同様に、本体枠13に鍵部材を固定するための部材(本体側部材183)を設ける必要がない。以上の結果、より簡易な構成により、本体枠13の前面部への不正に対して抑止力をより一層高めることができる。
(b)上記第1の実施の形態では、扉側部材171及び本体側部材183を略柱状の形状としたが、鍵部材191の取り付けが可能な形状であればよい。但し、例えば、左右幅及び上下幅を大きくした場合、扉側部材171及び本体側部材183が遊技盤81などと干渉するおそれがあるため、上記実施の形態で説明したように上下幅よりも左右幅が小さい略柱状の形状とすることが好ましい。
(c)上記各実施の形態では、扉側部材171を前扉枠14の背面部に設けるとともに、本体側部材183を本体枠13の背面部に設ける構成としたが、扉側部材171を前扉枠14の前面部に設けたり、本体側部材183を本体枠13の前面部に設けたりする構成としてもよい。但し、この場合、鍵部材191を本体枠13の背面側にて扉側部材171に取り付ける構成が複雑なものとなる可能性がある。また、遊技機前方から扉側部材171や本体側部材183が強引に取り外されるなどのおそれがある。したがって、上記実施の形態で説明したように扉側部材171を前扉枠14の背面部に設けるとともに、本体側部材183を本体枠13の背面部に設ける構成とすることが好ましい。
(d)上記各実施の形態では、扉側部材171を前扉枠14の回動先端側に設けたが、前扉枠14の回動基端側に設けてもよい。但し、この場合、例えば開放方向に向かう外力が前扉枠14に対して加えられた場合に、より大きな応力が扉側部材171に付与されることとなるため、より小さい外力により前扉枠14が強引に開放されるおそれがある。このため、上記実施の形態で説明したように扉側部材171を前扉枠14の回動先端側に設けることが好ましい。
(e)上記各実施の形態では、本体枠13を前後に貫通する貫通孔181を設ける構成としたが、扉側部材171を背面側に露出させることが可能な構成であればよい。例えば、本体枠13に切欠部を設け、その切欠部を通して扉側部材171を本体枠13の背面側に露出させる。これにより、本体枠13の背面側にて扉側部材171に鍵部材191を取り付けることが可能となる。但し、この場合、本体枠13に設けた切欠部から本体枠13の前面部などに不正道具などが差し込まれるおそれがあるため、上記実施の形態で説明したように本体枠13に貫通孔181を設ける構成とすることが好ましい。
(f)上記各実施の形態では、前扉枠14により本体枠13の前面側全体が覆われる構成としたが、本体枠13の前面側の全体ではなく一部が覆われる構成としてもよい。例えば、前扉枠14により遊技盤81の前面部のみが覆われる構成とする。
(g)遊技機本体の前面側に設けられ遊技機本体から遊技機前方への開放が可能な前面扉を有する遊技機であれば、上記実施の形態とは異なる他のタイプの遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機や、メダルに代えて遊技球(パチンコ球)を使用する球使用タイプの回胴式遊技機にも適用できる。
球使用タイプの回胴式遊技機では、外周に複数の図柄が付されたリール装置(回胴装置)、遊技者により操作されるベットスイッチやスタートレバー等の装置類、遊技球の取込を許可又は禁止すると共に順次取り込まれる遊技球をカウントするための取込装置などが設けられる。この場合、球受皿に貯留された遊技球は、整列通路部及び取込口を介して取込装置に導かれる。そして、遊技者によるベットスイッチの操作に伴い取込装置で遊技球の取込が行われ、その取り込まれた遊技球数に応じて毎回の遊技の開始(スタートレバー操作に伴うリール回転)が許容される。