JP5210388B2 - 連続式インクジェット印刷 - Google Patents

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Description

本発明は、連続式インクジェット印刷に関し、特に粒子状コンポーネントを含むインクまたは他の噴出可能の組成物に関する。
商用プリンタ市場の成長に伴って、インクジェット印刷は、少量の液体を表面に供給して所望の画像を形成する広範に適用可能な技術となっている。ドロップオンデマンド装置とドロップ連続装置の双方ともに考案され、製造されている。インクジェット印刷は、開発の初期段階では、水性インク系を使用してグラフィックスを作成するもので、油性インク系もある程度適用されてきたが、この基礎技術は、さらに広範囲に適用されている。
インクジェット用インクの調合においては、顔料系インクを用いることが一般的な傾向となっている。これにより、解決を要する幾つかの課題が生まれる。さらに、産業用印刷技術では、すなわち、印刷を製造手段として採用するに当たっては、液体調合物は、インクジェット法では本質的に取り扱いが困難なハードまたはソフトな粒子状コンポーネントを含有していることも多い。
連続式インクジェット法では、インク小滴の流れは、小滴発生器で生成される。多くは、この小滴発生器は、薄いプレートに穿孔されたオリフィスである。液体のインクは、このオリフィスを圧力の下、強制的に押し出され、液体ジェットが形成される。そのような自由ジェットは、摂動(perturbation)に対して不安定であり、レイリー・プラトー(Rayleigh-Plateau)不安定性に従って一連のサイズの小滴に分裂することが周知である。平均的には、この分裂は特定の波長(ジェット半径の約9倍)の箇所で生ずる。このジェットの摂動を、例えば、圧力変動によって行うと、ジェット分裂が規則的に起こり、規則的なサイズを有する小滴の連続流が生成することも、よく理解されていることである。これらの小滴は、通常、ジェットの分裂ポイントの近くに設置された電極を通じて帯電され、その後に静電界で偏向される。この偏向により、インク小滴は、基板に落下して印刷が行われるか、または捕捉・循環されて再使用される。そのような装置に用いられるノズルの設計はたくさん存在する。米国特許第4,727,379号明細書には、CIJ(連続インクジェット)小滴発生器として使用されるピエゾ電気装置で駆動された共鳴キャビティが記載されている。米国特許第5,063,393号明細書には、同様な二重キャビティ装置が記載されている。米国特許第5,491,499号明細書には、ピエゾ方式で摂動を加える簡単なノズルが記載されている。
MEMs(マイクロエレクトロメカニカルシステム)作製ノズルセットをベースとする新しい連続式インクジェット装置が最近開発された(米国特許第6,554,410号明細書を参照のこと)。この装置では、液体インクジェットは、加圧ノズルから形成される。一個または複数個のヒータが各ノズルに関連付けられ、ジェットにサーマル摂動を加える。この摂動は、ジェットの規則的な小滴への分裂を開始させるのに十分である。ヒータに印加される電気パルスのタイミングを変化させることによって、大きなインク滴または小さなインク滴が形成し得るので、後で横切る方向の気体流を使ってインク滴を印刷用と非印刷用に分離し得る。形成された小滴が規則的のものであっても、小さな速度ばらつきが存在する。それ故に、小滴が分裂ポイントから下流に飛行するにつれて、各小滴の相対的位置は、ばらつくことになる。分裂ポイントの下流のある距離では、この位置のばらつきは、十分大きくなり、その結果として隣接する小滴と小滴とが接触し、凝集する。連続式インクジェット装置では、この現象は、小滴の選別誤差または配置誤差をもたらすことになる。したがって、速度ばらつきを最小限に抑えることが極めて重要になる。
液体が、ある表面を流れるとき、その固体表面またはそれに近接する位置での液体の速度は、ゼロである。長いパイプの中では、最大液速度は、パイプの中心に見出され、パイプ断面の速度分布形状は放物面状である。これはポアズィユ(Poiseiulle)流れと称される。しかし、パイプの入口では、有限の距離の入口域が存在する。この入口域で流れの場は、パイプの幾何学的形状に対応した形になる。流体力学の用語を使って述べれば、境界層が存在し、境界層は流れの入口で形成され、パイプのサイズになるまで成長し、その位置ではじめて十分に発達した流れが得られるということである。境界層の厚さは次式で計算し得る。
Figure 0005210388
式中、δは境界層の厚さ(m)、μは液の粘度(Pa.s)、xはパイプの入口からの距離(m)、ρは液の密度(kg/m3)、Uは液の速度(m/s)である。インクジェット小滴発生器に使用されるノズルは、極めて短いパイプである。すなわち、完全に発達した流れを得るには短すぎるパイプである。したがって、ノズル壁の直ぐ近くの液境界層の厚さのみが、剪断作用を受ける。
多くの最近のインクジェット調合物は、顔料、すなわち、着色粒状物質を使用する。これらの利点は、技術分野に周知であり、特に、全カラー域にわたって優れ、印刷された画像の寿命が長いという性質がある。液体中に分散された粒子に係わる科学、すなわち、コロイド科学は、周知である。粒子サイズが十分に小さく、密度が十分に低ければ、ブラウン(Brown)運動は、粒子を沈降させずに液体中に懸濁状態に保つに十分である。インクジェット用インクでは、使用される粒子は、通常、この要求項目を満たす。もっとも、例えば、米国特許第6,817,705 B1号明細書に記載のように、沈降してしまうインクでも使用可能とする発明も存在する。ごく最近では、金属系粒子も使用されているが、これらはその密度が大きいので、より容易に沈降し得る。粒子は、形状が球のこともあるが、多くの場合はそうではない。それでも、粒子のサイズを測定する方法は、多くは、拡散定数を測定し、その後ストークス・アインシュタイン(Stokes-Einstein)の関係から粒子直径を導く方法に基づいている。この方法を用いると、有効粒子径が得られる。有効粒子径は、流体力学的に同じように挙動する球状粒子に相当する径として定義され、それゆえに流体力学径とも称される。多くの場合、顔料粒子を製造する方法では、有効粒子径に分布のあるもの、すなわち、多分散と称される粒子が得られる。諸々の粒子径を一緒にして平均値を得る普通の方法であって、本発明に適した方法は、容積平均を得る方法である。すなわち、
Figure 0005210388
式中、deffはナノメートル単位の容積平均有効粒子径(nm)、djは集団jの粒子径(nm)、φjは集団jの容積率である。この式は、もちろん、粒子径の連続分布に対しては、次式のように一般化し得る。
Figure 0005210388
式中、φ(d)は、dとd+ddの間の直径を有する粒子の分率である。
剪断を受けている液体中に存在する粒子には、剪断勾配、すなわち、高剪断域から低剪断域に至る方向の力が加えられる。これは、周知のマグナス (Magnus)効果である。例えば、この効果で粒子はチャンネルまたはパイプの中心に向って移動させられる。
小滴の形成とその使用に関しては極めて多くの方法と装置が知られている。例えば、米国特許第6,713,389号明細書には、電子装置を作製する目的で装置表面に多数の離散コンポーネントを配置する方法が記載されている。
米国特許第5,063,393号明細書 米国特許第5,491,499号明細書 米国特許第6,554,410号明細書 米国特許第6,817,705号明細書 米国特許第6,713,389号明細書 米国特許第4,727,379号明細書
インクが、ハードであれソフトであれ、粒状材料を含有している場合はインク小滴の形成に関する幾つかの問題が存在する。
分散された材料または粒子を含有するインクでは、ノイズが増大する。すなわち、小滴の速度のばらつきが増大する。これは、小滴合体長さを短くする結果になる。小滴合体長さは、MEMsで作製される連続式インクジェット(CIJ)システムのキーとなる重要な性質である。
小滴速度のばらつきが増すと、印刷プロセスでインク滴配置誤差が生じる結果にもなる。
インク調合物に含まれる粒子は、インクジェットノズルにも有害であり、摩耗を引き起こす。
本発明は、これらの問題に対処することを目的とする。
本発明は、インクに含まれる粒子コンポーネントで発生される流れ誘起ノイズの大きさを制限することによって、インク滴形成の効率を最大化するとともにノズルとの有害な相互作用を最小限に抑えるものである。
本発明に基づけば、インク液がノズルを通過する連続式インクジェット法において、噴出されるインク液が一種または複数種の分散された材または粒子コンポーネントを含み、
Figure 0005210388
で規定される粒子ペクレ数Peが、500未満であることを特徴とする方法が提供される。なお、deffは、次式で計算される。
Figure 0005210388
式中、φ(d) は直径d(m)の粒子またはコンポーネントの容積率、φTは分散された材または粒子コンポーネントの全容積率、μsは粒子を含まない液の粘度(Pa.s)、ρは液の密度(kg/m3)、Uはジェット速度(m/s)、xは流れの方向のノズルの長さ(m)、kは、ボルツマン(Boltzmann)定数(J/K)、そしてTは、温度(K)である。
本発明は、インク液がノズルを通過する連続式インクジェット法において、噴出されるインク液が、分散された材料または粒子コンポーネントを一種または複数種を含み、前記コンポーネントの有効粒子径、deffと、粒子または分散されたコンポーネントの全容積率、φTの立方根との積が95nm未満であることを特徴とする方法をさらに提供する。なお、deffは、次式で計算される。
Figure 0005210388
φTは、
Figure 0005210388
として計算され、式中、φ(d)は直径dの粒子またはコンポーネントの容積率である。
分散されたコンポーネントまたは粒子が、壁との接触から外れるような方向に確実に導かれることによって、ノズル摩耗傾向が顕著に減少される。
小滴速度変動の観察値を発生するのは、分散された材料または粒子とノズル内境界層との間の相互作用であるので、ノズル境界層内の分散された材または粒子の相互作用のサイズが小さくなる状況を提供することによって、小滴速度変動が最小限に抑えられ、小滴合体長さが最大化される。
本発明は、添付の図面を参照して以下に説明される。
ジェット分裂長さと小滴合体長さを示す概略図である。 ジェット分裂長さと小滴合体長さを示す概略図である。 小滴位置変化のプロットを示す図で、小滴合体長さの測定を可能にする図である。 初期摂動の関数として測定された小滴合体長さをプロットして示す図である。 有効粒子径の関数として測定された小滴合体長さをプロットして示す図である。 ペクレ数の関数として示される小滴速度ノイズをプロットして示す図である。
本発明は、ドロップオンデマンド印刷でなく、連続式インクジェット印刷に関する。連続式インクジェット印刷は、加圧液体源を使用してノズルに液を供給することによって、液ジェットを形成する。このような液ジェットは本質的に不安定で、自然に分裂して、小滴の連続流を形成する。レイリー周波数、すなわち、分裂に至る固有周波数の箇所またはその近くでジェットに摂動を加えると、ジェットが規則的に分裂する。その後は液またはインクの小滴を適宜に偏向し得る。図1aは、ノズル1とジェット2を示し、ノズル1から距離3の箇所に小滴が形成されている図である。距離3は、分裂に至る長さである。図1bは、小滴が合体に至る長さ(SDML)4を示し、この長さの距離の箇所で、僅かに相異なる速度の隣り合う小滴が凝集する。注記するが、小滴合体長さは、隣り合う小滴の合体が観察される最小距離である。
図2は、ばらついた小滴速度の測定値を示す。平均小滴形成周波数の箇所で繰り返し測定を行う、すなわち、ストロボ装置を使用して小滴が静止しているように見えるようにする。小滴の位置を測定して、位置のヒストグラムを作成する。図2は、三種の小滴に対するそのようなプロット図である。この図から、分裂ポイントからの距離、Lにおける各小滴の位置の標準偏差σが、得られる。小滴速度変化率は、
Figure 0005210388
として計算される。
式中、σは小滴位置(m)の標準偏差で、Lは小滴の分裂位置からの平均距離(m)である。SDMLは、小滴間を分離する平均距離が、位置変化の標準偏差の6倍の距離として定義される。したがって、速度変動はSDMLに対して、
Figure 0005210388
と関連付けられる。式中、λは平均小滴間隔または波長(m)、δUは小滴速度標準偏差(m/s)、Uは平均小滴速度(m/s)である。したがって、小滴速度変化率が小さいと、小滴合体距離が長くなるという所望の結果が得られる。
図3は、多くの液体と条件に対してこの方法で得られたSDMLの測定値を初期摂動の関数として示す。初期摂動は、次の関係を用いて分裂長さの測定から導出される。
Figure 0005210388
式中、Rはジェット半径(m)、LBはノズルから測定された分裂長さ(m)、Ujetはジェットの速度(m/s)、そしてαは摂動成長速度(s-1)である。成長速度αは、ジェットパラメータで定義され、次の二次式の正の解として見出し得る。
Figure 0005210388
式中、ηは液の低剪断粘度(Pa.s)、ρは液の密度(kg/m3)、γは液の表面張力(N/m)、そしてκは摂動の波ベクトル(m-1)(=2π/λ=2πf/Ujet、fは摂動周波数(Hz))である。
小滴速度ばらつきは、分裂長さの変動に由来するが、分裂時間を考慮することによって見出すことが出来る。式(8)を再整理して、分裂時間、すなわち、液がノズルを出て小滴を形成する間の時間を得る。
Figure 0005210388
分裂時間の変動δtBが、初期摂動の変化δξiによるものとすれば、次式が得られる。
Figure 0005210388
この式からはもちろん、分裂長さ変動δlが得られる。
Figure 0005210388
分裂長さ変動は、各小滴の質量変動δMを意味するから、
Figure 0005210388
この式は、今度は、モーメントの保存則から、小滴速度の変動を意味する。
Figure 0005210388
したがって、式(11)、(12)および(14)を一緒にすると、次式が得られる。
Figure 0005210388
式中、Uは小滴速度(m/s)、λは分裂波長(m)、αは周波数依存の摂動成長速度(s-1)、ξiは初期摂動(m)、そしてδξiは初期摂動に現れるノイズ(m)である。等式(15)ではln( )の関数は、最初の次数項に、ノイズが摂動に較べて微小なので、δξiiで近似しても十分である。したがって、速度の広がり幅は、単に摂動のノイズ/信号(N/S)比に比例する。
したがって、結論として、小滴速度変動を最小限に抑えるためには、つまり小滴合体長さを最大化するためには、初期摂動の変動δξiを最小限に抑えるか、または初期摂動の変動ξi自体のサイズを最大化するかのいずれかでなければならないということである。
図4は、有効粒子径(式(5)と(6)を使用して計算)の関数としてプロットされたデータに適合したカーブを示す。粘度については幾つかの例を示すが、有効摂動の振幅と容積率0.03とについては一点のみである。注目すべきであり、驚くべき事実は、粒子が含まれていない場合、または粒子が小さい場合、SDMLは、液粘度増大に従って長くなり、一方、大きな粒子に対しては、その逆が正しくなり、液粘度増大に従ってSDMLは短くなるということである。したがって、適切なことは、これらのカーブが、連続式インクジェット印刷の実際、特に前記のMEMs装置に関して使用される最大粒子サイズに合う有効粒子径を選択することである。
初期摂動の変動、δξiは、プロセス内の本質的ノイズとして、例えば、振動またはサーマル励起の毛細管波など、またはノズル境界層を通過する粒子で惹き起された流量変動として生ずる。本質的ノイズ源は、粘度が高ければ高いほど減少するが、境界層に存在する粒子は、背景の粘度が高ければ高いほど大きな影響を示す。
粒子サイズを限定することは、小滴速度の広がり幅を狭く維持するのに有用な条件であるが、それは必ずしも唯一の方法とは限らない。粒子は、ノズルを通過して液体流内にもたらされ、ノズル壁に形成されている境界層と相互作用する。境界層の厚さは、液の粘度、ノズル出口の液速度、および流れ方向のノズル長さに依存する。さらに、粒子がブラウン(Brown)運動によって流れに対して不規則に動く距離は、アインシュタイン(Einstein)の関係で与えられるようにそのサイズに強く依存する。これら2種類の長さの比が、ペクレ(Peclet)数である。思いがけずに発見されたことは、小滴速度ノイズδU/Uが次式で規定される粒子−ノズルのペクレ数、Peに比例するということである。
Figure 0005210388
式中、φT は分散されたコンポーネントまたは粒子コンポーネントの全容積率、μsは液の背景粘度、すなわち、粒子を含まない液の粘度(Pa.s)、ρは液密度(kg/m3)、Uはノズル出口の液速度(m/s)、xは流れ方向のノズル長さ(m)、kは、ボルツマン(Boltzmann)定数(J/K)、そしてTは、温度(K)である。δU/UとPeの間の関係は、特定の摂動サイズと特定のノズルに対して図5に示されている。
さらに見出されたことは、特定の粒子組成に対する小滴速度変化率が、次式のように、ジェットのサイズ、Rに依存するということである。
Figure 0005210388
式中、Rはノズル半径(m)、そしてδは式(1)で定義された境界層厚さ(m)である。
小滴速度ノイズδU/Uは、ジェット摂動サイズを大きくすることによって減少し得るが、特定のシステムで課せられる制約もある。例えば、サーマル式にジェットに摂動を加えるヒータを具備するノズルのケースでは、ヒータは、(例えば、熱ストレスがあるから)ある電力レベルで損傷し、したがって最大摂動サイズが制限を受ける。したがって、ペクレ数に制約を与えることによって、ノイズ、すなわち、初期摂動の変動の源に制約を確実に与えることが、是非とも必要になるのである。
小滴速度のばらつきを最小限に抑え、そのためにSDMLを最大化するためには、式(16)で規定されたペクレ数の値を最小限に抑え、このことによって、式(17)のδU/Uを最小限に抑えることが好ましい。Pe<500が好ましく、Pe<250が、より好ましい。これを達成するため、材料とジェットのパラメータもプロセスに対して最適化し得る。ノズル長さxは、ジェットを形成するに必要な圧力を最小限に抑えるには可能な限り短くするのが好ましく、一方、Pe数を最小限に抑えるにはxを最大化するのが好ましい。実際には、境界層厚さ、δもxに依存するから、xは、好ましくは約10μm未満とすべきである。液粘度については、調合の自由度のためには高粘度が有利であり、噴出と再循環が容易に行えるためには低粘度が有利である。しかし、δU/Uを最小限に抑えるためには、粘度を最小限に抑えるのが好ましく、そのために、液体粘度が10mPa.s未満であることが最も好ましい。ノズル半径については、可能な限り小さいのが好ましく、そうすれば最高に可能な印刷解像度が達成可能である。しかし、ノズル半径が小さくなると、δU/Uが増加する。ノズル半径は、約25μm未満が最も好ましい。ノズルと基板間の距離は必然的に大きく取り、その条件で最高の達成可能印刷解像度を得るには、ジェット速度Uは、可能な限り高くすべきであり、20m/s超とすることが好ましい。粒子サイズについては、Pe数を最小限に抑えるためにdeffは、粒子の所望の機能に合うようにしつつ、可能な限り小さくすべきである。最も好ましいのは、deffが125μm未満とすることである。別法としては、有効粒子径と全容積率の立方根との積、D、すなわち、
Figure 0005210388
の値は、カラー密度の維持のような他の拘束条件に合うようにしつつ、最小限に抑えるべきであり、好ましくはDの値は95nm未満、より好ましくは60nm未満、さらにより好ましくは40nm未満である。
液組成物またはインクは、分散されたコンポーネント、または溶解されたコンポーネントを一種以上含み得る。これらのコンポーネントとして、インク組成物の技術分野に周知である顔料、染料、モノマ、ポリマ、金属粒子、無機物粒子、有機物粒子、分散剤、ラテックス、表面活性剤などが挙げられる。しかし、このリストは、決してすべてを網羅したものと考えるべきではない。
技術分野でよく理解されていることは、分散された材料が高容積率で含まれていると、液粘度が高くなる結果になるということであり、粘度を可能な限り合理的に低く維持して、効果的な噴出が可能とするには、分散物または粒子の全容積率を約0.25未満に維持するのが好ましい。
以上、本発明について好ましい実施の形態を参照して詳細な説明が行われた。バリエーションや部分的修正も本発明の範囲内で効果的に行うことが可能であることは、当業者には理解されるであろう。

Claims (5)

  1. インク液がノズルを通過する連続式インクジェットの形成方法であって、噴出されるインク液が一種または複数種の分散された材料または粒子コンポーネントを含み、
    Figure 0005210388
    で規定される粒子ペクレ数Peが、500未満であり、有効粒子径deffが、
    Figure 0005210388
    として計算され、式中、φ(d) は直径d(m)の粒子またはコンポーネントの容積率、φTは分散された材または粒子の全容積率、μsは粒子を含まない液の粘度(Pa.s)、ρは液の密度(kg/m3)、Uはジェット速度(m/s)、xは流れの方向のノズルの長さ(m)、kは、ボルツマン(Boltzmann)定数(J/K)、そしてTは、温度(K)である、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記ペクレ数が250未満である、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、有効粒子サイズdeffが約125nm未満である、方法。
  4. 請求項1または2に記載の方法において、前記コンポーネントの有効直径deffと粒子のコンポーネントまたは分散されたコンポーネントの全容積率φTの立方根との積が95nm未満である、方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法において、分散されたコンポーネントまたは粒子のコンポーネントの全容積率φTが0.25未満である、方法。
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