JP5210019B2 - 地下タンクの通気管継手 - Google Patents

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Description

本発明は地下タンクの通気管継手に係り、特に地下タンクに接続された通気管途中に、地下タンクと大気圧との圧力差により適宜開閉する弁機構を組み込み、通常時における通気管からのベーパ(油蒸気)の排出を防止し、かつ、地下タンク内の圧力をほぼ大気圧に維持し得る地下タンクの通気管継手に関する。
例えば、給油所等の地下に埋設された地下タンクには、油液の注油作業及び油液の送液により液面が上昇または下降するのに伴って上部空間の空気を排気または外気を上部空間に給気するための通気管が連通されている。この通気管は、下端が地下タンクの上部空間に連通されており、上端が高所(例えば、地上4メートル)で開放されるように上方に延在形成されている。
ところで、近年、通気管の上端開口に、大気圧と管内圧力(地下タンク圧力)との圧力差によって開弁または閉弁するように構成された排気弁と吸気弁とを組み合わせた弁機構(大気弁)を設ける通気管設備がある(非特許文献1を参照)。
大気弁の役割は環境保護対策の一環として、通常時(荷卸や給油がされていない、通常の状態)において、地下タンク内のベーパを大気に放出させないこと。また、エコ燃料としての、エタノール混合ガソリンでは、通気管の通路を遮断することで、「大気中の水分吸収防止」を図ることである。
この大気弁は、荷卸しに伴う地下タンクの液面上昇や、気温上昇に伴うベーパ発生によって地下タンク内が加圧状態になると、排気弁が開弁してタンク内圧力を大気圧に減圧させ、あるいは計量機のポンプによる油液の吸い上げによって地下タンク内に負圧状態になった場合は、吸気弁が開弁して地下タンク内圧力を大気圧まで上昇させるように構成されている。従って、地下タンク内の液面が変動しない状態、あるいは、タンク内圧力が変動していない状態においては、大気弁が閉弁して通気管を閉止している。
昭和機器工業製、商品名、ECO通気CO、業界紙、石油業協同組合機関紙 ぜんせき 2006年8月25日付け(4)新収益創造力VOl.496
ところで、大気弁を通気管の上端(高所)に設ける構成では、以下の課題を有する。
(1)大気弁を取り付ける作業やメンテナンス作業が高所作業となるため、作業員がはしご等を用いて通気管の上端の高さ位置まで昇ることになるため、作業員の負担が大きく、作業に多くの労力を要するという問題があった。
(2)地下タンクの漏洩検査を実施する時には、大気弁や通気口の頭部を閉塞した状態で検査を行うために、前述同様に高所で作業しなければならず、作業員の負担が大きく、検査作業に多くの労力を要するという問題があった。
(3)また、ベーパ蒸気回収弁機構を設ける給油所においては、ベーパ回収弁機構と大気弁とを個々別々に独立させて設けざるを得ず、構造が複雑化する問題点があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した地下タンクの通気管継手を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
発明は、一端が地下タンクに接続され、他端が高所において大気に連通された通気管の途中に設けられる地下タンクの通気管継手であって、前記通気管が接続される継手本体と、該継手本体の内部空間を大気連通室と地下タンク連通室とに仕切る仕切り壁と、該仕切り壁に設けられ、前記通気管の軸線方向に所定角度で交差する方向に貫通する貫通口と、該貫通口の一側開口縁に設けられた第1弁座と、前記貫通口の他側開口縁に設けられた第2弁座と、該第2弁座に対向するように前記継手本体の側面外壁に設けられた開口部と、該開口部の内側に形成された第3弁座と、前記大気連通室に位置し、第1ばね部材により前記第1弁座に着座され、前記地下タンクの圧力と大気圧との圧力差に応じて開閉する第1弁機構と、前記地下タンク連通室に位置し、常時は第2ばね部材により前記第3弁座に着座され、前記地下タンクへの荷卸し時には、前記地下タンク内のベーパを回収するベーパリカバリホースが接続されて前記第2弁座に着座される第2弁機構と、該第2弁機構の前記第1弁機構に対向する側に設けられ、前記地下タンク内の圧力と大気圧との圧力差に応じて開閉する第3弁機構と、を備えることにより、上記課題を解決するものである。
また、本発明は、前記開口部に前記ベーパリカバリホースが挿入されると共に、前記第2弁機構が前記第2弁座に押圧されて着座した閉弁状態に保持された状態で、前記第1弁機構、前記第2弁機構、前記第3弁機構によって圧力空間を画成し、前記圧力空間に閉じ込められた圧力と前記第1ばね部材及び前記第2ばね部材のばね力が協働して前記第3弁機構を開弁させるため圧力として作用するよう構成することにより、上記課題を解決するものである。
本発明によれば、継手本体を作業者が作業しやすい作業適正位置に設けた場合には、通気管に容易に手が届く位置での作業が可能になり、作業員のメンテナンス作業が容易に行えると共に、第1〜第3弁機構を貫通孔の側方から継手本体に組み付けることが可能になり、効率良く組み付け作業が行える。さらに、後日の弁機構の点検、漏洩検査も容易に行なうことができる。また、ベーパリカバリホースを開口部に挿入すると各弁機構の閉弁によって圧力空間が形成される様に構成しており、第1ばね部材及び第2ばね部材のばね力と共に、圧力空間内の圧力が第3弁機構を閉弁方向に付勢する圧力として作用するため、第2ばね部材のばね力を、設定圧に必要な本来のばね力から圧力空間内の圧力を差し引いた値で設定することが出来、その分ばね部材の組立作業が楽になり、且つばね部材のコストダウンも図れる。

以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明による地下タンクの通気管継手の一実施例を示す縦断面図である。図2は通気管継手の各弁機構を拡大して示す縦断面図である。図示は省略するが、通気管継手は地上から約1.2mの作業者が作業しやすい作業適正位置に設けている。図1及び図2に示されるように、通気管継手10は、通気管20、通気用配管22、ベーパリカバリホースが接続される継手本体30を有する。継手本体30は、内部空間32の下部に連通する下部開口34と、内部空間32の上部に連通する上部開口36と、内部空間32の一側(左側)の水平方向に開口する一側開口37と、内部空間32の他側(右側)の水平方向に開口する他側開口38とを有する。
下部開口34は、地下タンクの内部(上部空間)に連通された通気用配管22が連通される。また、上部開口36には、給液所の所定高さ位置に延在する通気管20が連通される。一側開口37は、蓋部材40が螺入されて閉塞される。他側開口38には、ベーパリカバリホース接続部材42が螺入される。
継手本体30は、内部空間32を仕切り壁50によって大気連通室52と地下タンク連通室54とに仕切られており、仕切り壁50には、通気管20の軸線方向(鉛直方向)に所定角度(本実施例では、90°)で交差する水平方向に貫通する貫通口56が設けられている。尚、貫通口56の軸線と通気管20の軸線とが交差する角度は、90°以外の角度(例えば、45°〜90°)でも良い。
貫通口56の一側開口縁には、大気連通室52に対向する第1弁座60が設けられ、貫通口56の他側開口縁には、地下タンク連通室54に対向する第2弁座62が設けられている。さらに、継手本体30の内部空間32に連通するように、前記継手本体30の側面外壁に設けられた開口部70が形成されており、開口部70の内側には、第2弁座62に対向するように第3弁座64が形成されている。
継手本体30の内部には、第1弁機構80と、第2弁機構90と、第3弁機構100とが設けられている。第1弁機構80は、蓋部材40の凹部40aに嵌合固定された弁軸81と、弁軸81の先端外周に摺動可能に取り付けられた第1弁体82と、第1弁体82より地下タンク連通室54側に設けられ、弁軸81の先端外周に摺動可能に取り付けられた第2弁体84と、弁軸81の軸線上に形成された軸孔81aを開閉するボール状の第3弁体86とを有する。この、第1弁機構80は、蓋部材40に着脱自在に取り付けられている。
第1弁体82は、大気連通室52に位置し、鍔状に形成された鍔部82dの端面には第1弁座60を閉止するパッキン82aを有し、中央部には弁軸81が貫通する軸受孔を有する軸受部82cを有する。また、第1弁体82は、第1ばね部材110のばね力によりB方向に付勢され、パッキン82aが第1弁座60に押圧される。従って、第1弁体82は、地下タンクの圧力P1が第1ばね部材110のばね力F1に大気圧Paを加算した力P2より大(P1>P2)のとき開弁する。第1ばね部材110は、一端が蓋部材40の内側に当接し、他端が第1弁体82の鍔部82dに当接する。
第2弁体84は、第1弁座60の内側に配され、弁軸81の先端に係止されたばね受け81bに当接するコイルバネ85のばね力によりA方向に付勢され、第2弁体84のパッキン82aに当接することで第1弁体82に設けられた複数の小孔82bを地下タンク連通室54側から閉止する。
第3弁体86は、弁軸81の軸孔81aの大径部を軸線方向に移動可能に挿入されており、地下タンクの圧力P1と大気圧Paとの圧力差がP1<Paのときに開弁し、P1>Paのとき軸孔81aの小径部を閉止する。尚、軸孔81aの一端は、弁軸81を半径方向に貫通する小孔によって大気連通室52に連通され、軸孔81aの他端は、第3弁体86が脱落しないように、小孔を有するストッパ部材81cが嵌合固定されている。
また、第3弁体86は、小径で軽量なボールにより形成されているので、地下タンクで負圧が生じると、第2弁体84よりも先にB方向に移動して開弁して大気を地下タンクに導入するように開弁動作し、それでも地下タンクの負圧が減少しない場合には、第2弁体84が開弁して地下タンクに外気(大気圧)を供給する。
第2弁機構90は、ベーパリカバリ用の切替弁であり、第3弁座64を有するベーパリカバリホース接続部材42と、ベーパリカバリホース接続部材42の内部流路44に保持された軸受部46に水平方向に摺動可能に軸承された弁軸130と、弁軸130の先端に嵌合係止された第4弁体140とを有する。第4弁体140は、弁軸130が挿通される軸孔142を有し、弁軸130の軸方向(水平方向)に摺動可能に取り付けられている。
また、弁軸130の外周には、弁体140を軸方向(A方向)に付勢するコイルバネ150と、弁軸130を軸方向(B方向)に付勢するコイルバネ160と、が巻装されている。また、弁軸130の外周には、コイルバネ150の一端が当接するばね受け132と、コイルバネ160の一端が当接するばね受け134とが係止されている。さらに、弁軸130の端部外周には、弁体140からの脱落を防止するストッパ部材136が係止されている。
第4弁体140は、円筒形状に形成され、中心部に弁軸130が挿通される軸受部141を有し、その一側外周縁部に大気側の第2弁座62を閉止する第1弁部142を有し、他端外側周縁部にベーパリカバリ用の第3弁座64を閉止する第2弁部144を有する。また、弁体140は、大気側に第3弁機構100を収納する凹部146が形成され、凹部146を画成する壁部には軸方向(A,B方向)に貫通するベーパ流路148を有する。そして、弁体140は、地下タンクへの油液の荷卸しが行なわれないとき、第2ばね部材180のばね力F2によりB方向に移動して第2弁部144を第3弁座64に当接させる。
また、第4弁体140は、ベーパリカバリホース接続時、A方向に移動して第2弁部144を第3弁座64から離間させると共に、第1弁部142を第2弁座62に当接させる。そのときの衝撃は、コイルバネ150が弾性変形して吸収する。
第3弁機構100は、第2弁機構90の第1弁機構80に対向するA方向側に設けられ、前下タンク内の圧力P1と大気圧Paとの圧力差に応じて開閉する第5弁体102を有する。第5弁体102は、一側が閉塞された円筒部102aと、円筒部102aの他側外周に外側に突出する鍔部102bとを有する。第2ばね部材180は、一端が貫通口56の内周に係止された環状のばね受け部材58に当接し、他端が第5弁体102の鍔部102bに当接する。
第5弁体102は、第4弁体140の大気側の凹部146に挿入され、鍔部102bが第2ばね部材180のばね力F2によりB方向に付勢される。そのため、第2ばね部材180のばね力は、第5弁体102を介して第4弁体140に作用しており、第5弁体102は、地下タンクへの油液の荷卸しが行なわれないときは、軸方向に貫通するベーパ流路148を閉止する。
第3弁機構100では、第2ばね部材180のばね力F2によって第5弁体102を開弁させる圧力を設定しており、地下タンクの圧力P1が所定圧Pbに昇圧したとき開弁するように開弁開始圧が設定されている。尚、ベーパリカバリ時の大気開放圧力Pbは、後述するように貫通口56内に閉じ込められた背圧(P1)と第2ばね部材180のばね力F2によって設定される(Pb=P1+F2)。本実施例においては、背圧(P1)は、第2ばね部材180のばね力F2によって決まるので、ばね力F2とほぼ同圧に設定される。そのため、大気開放圧力Pbは、第2ばね部材180のばね力F2のほぼ2倍に設定される。これにより、第2ばね部材180のばね定数を1/2に下げることができ、その分第2ばね部材180の組立作業が楽になり、且つ第2ばね部材180のコストダウンも図れる。
上記第2弁機構90及び第3弁機構100は、継手本体30の他側開口38とから着脱可能に取り付けられており、例えば、ベーパリカバリを行なわない場合には、継手本体30から取り外し、他側開口38を別の蓋部材によって閉塞することが可能である。
また、地下タンクへの油液の荷卸しが行なわれないときは、ベーパリカバリホース接続部材42の端部外周を保護する円筒形状の保護キャップ170がベーパリカバリホース接続部材42の外周に嵌合している。
ここで、上記のように構成された通気管継手10の第1弁機構80による地下タンクの負圧増大に伴う大気供給のための開弁動作、地下タンク内のベーパ圧増大に伴うベーパを大気中に放出するための開弁動作について説明する。先ず、図3乃至図5を併せ参照して地下タンクへの油液の荷卸しを行なわない状態での第1弁機構80、第2弁機構90、第3弁機構100による開弁動作について説明し、その後、タンクローリ車に積載された油液を地下タンクに荷卸しする際のベーパリカバリでの開弁動作について説明する。
(開弁動作1)荷卸し時以外で地下タンクの圧力が上昇した場合(図3参照)
図1及び図2において、第1弁機構80は、第1弁座60を閉止している。第1弁座60を閉止する第1弁体82は、第1ばね部材110のばね力により付勢されている。ここで、第1弁機構80は、地下タンクの圧力P1が大気開放圧力Pbに昇圧したとき開弁するように開弁開始圧が設定されている。第1弁体82には、大気連通室52の圧力Pa(大気圧)が背圧として作用しており、第1ばね部材110のばね力は、開弁開始圧から大気圧を差し引いた圧を作用させるようにばね定数が設定されている。
地下タンクにおいて、温度上昇などによりタンク内の油液及びベーパが膨張すると、タンク上部空間の圧力P1が上昇する。タンク内圧力が第1弁機構80の開弁開始圧以上になると、図3に示すように、第1弁機構80の第1弁体82がA方向に移動して第1弁座60から離間する。これにより、地下タンクの上部空間のベーパが地下タンク連通室54、貫通口56、大気連通室52、通気管20を通過して大気中に放出される。そして、地下タンク内の圧力P1が大気開放圧力Pb未満に低下すると、第1弁体82が第1弁座60に着座して第1弁機構80は閉弁する。これで、地下タンク内の圧力は、ほぼ大気圧に保たれる。
(開弁動作2)荷卸し時以外で地下タンクの圧力が少し低下した場合(図4参照)
地下タンクにおいて、例えば、温度低下によりタンク内の油液及びベーパが収縮すると、地下タンクの上部空間の圧力が低下する。このように、地下タンク内に負圧が発生した場合、地下タンクの圧力P1と大気圧Paとの圧力差がP1<Paになると、図4に示されるように、圧力差が比較的小さい段階で第1弁機構80の第3弁体86がB方向に吸引される。これにより、弁軸81内に形成された軸孔81aが開放されるため、大気連通室52の空気が軸孔81aを通過して地下タンク連通室54に流入する。そのため、地下タンクの上部空間の圧力は、上昇する。そして、地下タンクの上部空間の圧力が大気圧以上になると、第1弁機構80の第3弁体86がA方向に移動して軸孔81aを閉止する。これで、地下タンク内の圧力は、ほぼ大気圧に保たれる。
(開弁動作3)荷卸し時以外で地下タンクの圧力が大きく低下した場合(図5参照)
地下タンクにおいて、例えば、油液がポンプにより吸い上げられて液面が降下した場合、地下タンクの上部空間に負圧が発生する。この場合、地下タンクの圧力P1と大気圧Paとの圧力差Pa−P1が急速に拡大して第2弁体84を付勢するコイルバネ85のばね力F3以上になると、図5に示されるように、第1弁機構80の第2弁体84がB方向に吸引される。これにより、第1弁体82の小孔82bが開放される。第1弁体82の小孔82bは複数設けられており、その開口面積の合計は、軸孔81aの開口面積の十数倍となる。そのため、大気連通室52の空気が第1弁体82の複数の小孔82bを通過して地下タンク連通室54に大量に流入する。そのため、地下タンクの上部空間の圧力は、急速に上昇する。そして、地下タンクの上部空間の圧力が大気圧以上になると、第1弁機構80の第2弁体84がA方向に移動して第1弁体82の複数の小孔82bを閉止する。
ここで、タンクローリ車に積載された油液を地下タンクに荷卸しする際のベーパリカバリを行なうときの通気管継手10の開弁動作について図6乃至図9を参照して説明する。先ず、タンクローリ車の運転者は、タンクローリ車のハッチの吐出口と地下タンクの注油口との間を荷卸しホースにより接続した後、通気管とタンクローリ車の当該ハッチの上部空間との間をベーパリカバリホースで接続する。これにより、油液を地下タンクに荷卸しする際に地下タンク内に発生したベーパをタンクローリ車のハッチに回収することができる。
図6及び図7に示されるように、油液を地下タンクに荷卸しする際は、ベーパリカバリホース接続部材42から保護キャップ170(図1に示す)を外し、ベーパリカバリホース接続部材42にベーパリカバリホース200を接続する。ベーパリカバリホース200の接続部202は、A方向に押し込まれると、軸線上に突出するロッド210の先端が第2弁機構90の弁軸130の先端部に当接し、挿入方向(A方向)に押圧する。なお、ベーパリカバリホース200は図示しない、ロック機構により、押し込まれた位置で抜け止めされている。
これにより、弁軸130に支持された弁体140も挿入方向(A方向)に移動して第2弁部144を第3弁座64から離間させると共に、第1弁部142を第2弁座62に当接させる。このとき、コイルバネ150が挿入方向に圧縮されて弾性変形することで第1弁部142が第2弁座62に圧着される。
そのため、継手本体30の地下タンク連通室54は、ベーパリカバリホース接続部材42の内部に形成されたベーパ通路220を介してホース内通路230に連通される。よって、地下タンク内で発生したベーパは、通気用配管22から継手本体30の地下タンク連通室54に流入し、ホース内通路230を介してタンクローリ車の当該ハッチ上部空間に回収される。
このベーパリカバリホース接続状態では、第1弁機構80、第2弁機構90、第3弁機構100が何れも閉弁状態であるので、貫通口56と第1弁座60と第2弁座62との間には圧力空間250が形成される。この圧力空間250は、当初大気圧であるが、荷卸し開始によって地下タンク内の液面が上昇すると共に、地下タンクの上部空間にベーパが発生してタンク内のベーパ圧力が徐々に上昇する。
(開弁動作4)荷卸し時に地下タンクの圧力が上昇した場合(図8参照)
地下タンクのベーパ圧力P1が第2ばね部材180のばね力F2によって設定された第3弁機構100の開弁開始圧Pbに昇圧すると、図8示されるように、第5弁体102が第2ばね部材180のばね力F2に抗して開弁方向(A方向)に移動する。このとき、第1弁機構80は、第1ばね部材110のばね力によって第1弁座60を閉止している。
これにより、地下タンク連通室54のベーパが第2弁機構90の弁体140のベーパ流路148を通過して圧力空間250に流入する。そのため、圧力空間250の圧力は、大気圧から供給されたベーパ圧力P1に上昇する。また、圧力空間250の圧力が、地下タンク連通室54の圧力P1から第2ばね部材180のばね力F2を差し引いた圧力になると、第5弁体102は閉弁方向(B方向)に移動して弁体140のベーパ流路148を閉止する。
この第5弁体102の開閉動作によって圧力空間250には、第2ばね部材180のばね力F2に相当する圧力P1が閉じ込められる。したがって、第5弁体102の開弁開始圧は、圧力空間250の圧力(背圧)P1に第2ばね部材180のばね力F2を加算した圧力Pb(=F2+P1)となる。
第1弁座60を閉止する第1弁機構80は、第1ばね部材110のばね力と圧力空間250の圧力が同圧に設定されているので、開弁しない。このように、第2ばね部材180のばね力をベーパリカバリ時の開弁開始圧力Pbとなるようにしなくても、圧力空間250の圧力(背圧)P1を第5弁体102に作用させることで、その半分のばね力F2で目標の開弁開始圧力Pbを設定することが可能になる。よって、弁機構の構成を簡素化することができる。
(開弁動作5)荷卸し時に地下タンクの圧力が開弁開始圧力Pbに上昇した場合(図9参照)
地下タンクのベーパ圧力が圧力空間250の圧力(背圧)P1に第2ばね部材180のばね力F2を加算した圧力Pbに昇圧すると、図9示されるように、第5弁体102が圧力空間250の圧力P1と第2ばね部材180のばね力F2に抗して開弁方向(A方向)に移動する。これにより、圧力空間250には、地下タンク連通室54のベーパが供給されて開弁開始圧力Pbの圧力が導入される。
さらに、第1弁機構80の弁体82を付勢する第1ばね部材110のばね力F3は、第2ばね部材180のばね力F2の1/2に設定されているので、開弁開始圧力Pbにより弁体82も開弁方向(A方向)に移動する。
これにより、地下タンク連通室54のベーパが第2弁機構90の弁体140のベーパ流路148を通過して圧力空間250に流入し、さらに第1弁座60から大気連通室52に排出される。そして、開弁開始圧力Pbのベーパは、通気管20を通過して高所の大気中に放出される。
地下タンクのベーパが大気中に放出されることで、地下タンクの圧力は大気圧に降圧される。そのため、上記のように開弁した第1弁機構80の弁体82及び第3弁機構100の第5弁体102は、第1ばね部材110、第2ばね部材180のばね力F2により閉弁方向(B方向)に移動してベーパの放出を停止する。
このように、地下タンクで発生したベーパを回収するベーパリカバリ時でも第1弁機構80の弁体82及び第3弁機構100の第5弁体102の開閉動作により過剰に発生したベーパを適宜大気中に放出することができる。
本発明による地下タンクの通気管継手の一実施例を示す縦断面図である。 通気管継手の各弁機構を拡大して示す縦断面図である。 荷卸し時以外で地下タンクの圧力が上昇した場合の開弁動作を示す縦断面図である。 荷卸し時以外で地下タンクの圧力が少し低下した場合の開弁動作を示す縦断面図である。 荷卸し時以外で地下タンクの圧力が大きく低下した場合の開弁動作を示す縦断面図である。 ベーパリカバリを行なうときの通気管継手10の状態を示す縦断面図である。 ベーパリカバリを行なうときの開弁動作の開弁動作を示す縦断面図である。 荷卸し時に地下タンクの圧力が第2ばね部材180のばね力F2による圧力に上昇した場合の開弁動作を示す縦断面図である。 荷卸し時に地下タンクの圧力が開弁開始圧力Pbに上昇した場合の開弁動作を示す縦断面図である。
符号の説明
10 通気管継手
20 通気管
22 通気用配管
30 継手本体
32 内部空間
34 下部開口
36 上部開口
37 一側開口
38 他側開口
40 蓋部材
42 ベーパリカバリホース接続部材
50 仕切り壁
52 大気連通室
54 地下タンク連通室
56 貫通口
60 第1弁座
62 第2弁座
64 第3弁座
70 開口部
80 第1弁機構
82 第1弁体
84 第2弁体
85,150,160 コイルバネ
86 第3弁体
90 第2弁機構
100 第3弁機構
110 第1ばね部材
130 弁軸
140 第4弁体
142 第1弁部
144 第2弁部
180 第2ばね部材

Claims (2)

  1. 一端が地下タンクに接続され、他端が高所において大気に連通された通気管の途中に設けられる地下タンクの通気管継手であって、
    前記通気管が接続される継手本体と、
    該継手本体の内部空間を大気連通室と地下タンク連通室とに仕切る仕切り壁と、
    該仕切り壁に設けられ、前記通気管の軸線方向に所定角度で交差する方向に貫通する貫通口と、
    該貫通口の一側開口縁に設けられ、前記大気連通室に連通する第1弁座と、
    前記貫通口の他側開口縁に設けられ、前記地下タンク連通室に連通する第2弁座と、
    該第2弁座に対向するように前記継手本体の側面外壁に設けられた開口部と、
    該開口部の内側に形成された第3弁座と、
    前記大気連通室に位置し、第1ばね部材により前記第1弁座に着座され、前記地下タンクの圧力と大気圧との圧力差に応じて開閉する第1弁機構と、
    前記地下タンク連通室に位置し、常時は第2ばね部材により前記第3弁座に着座され、前記地下タンクへの荷卸し時には、前記地下タンク内のベーパを回収するベーパリカバリホースが接続されて前記第2弁座に着座される第2弁機構と、
    該第2弁機構の前記第1弁機構に対向する側に設けられ、前記地下タンク内の圧力と大気圧との圧力差に応じて開閉する第3弁機構と、
    を備えたことを特徴とする地下タンクの通気管継手。
  2. 前記開口部に前記ベーパリカバリホースが挿入されると共に、前記第2弁機構が前記第2弁座に押圧されて着座した閉弁状態に保持された状態で、前記第1弁機構、前記第2弁機構、前記第3弁機構によって圧力空間を画成し、前記圧力空間に閉じ込められた圧力と前記第1ばね部材及び前記第2ばね部材のばね力が協働して前記第3弁機構を開弁させるため圧力として作用するよう構成したことを特徴とする請求項に記載の地下タンクの通気管継手。
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