JP5207502B2 - 細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法と制御装置 - Google Patents

細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法と制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、園芸作物栽培施設や畜産の飼育施設(畜舎)などの高温対策のため冷房手段として導入されている細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法と制御装置とに関する。
細霧冷房装置は、ノズルから微細な霧を空中に噴霧して、水滴の蒸発に伴う気化潜熱により気温を低下させるもので、園芸作物の栽培施設や畜産の飼育施設(畜舎)などで広く利用されており、周年栽培における高温抑制対策の1つとして注目されている(図3参照)。園芸施設への設置面積は、現在1000haを越えて、養液栽培の普及面積に匹敵するほどになった。その多くは中小規模施設への導入で、噴霧制御として複合環境制御装置ではなく、タイマー式簡易コントローラを利用している。
しかしながら、噴霧時間と休止時間とを設定してサーモスタットと組合わせて動作させる、最も一般的なタイプのタイマー式簡易コントローラは、過湿状態に対応して噴霧を停止する機能がないため、天候の変化や施設の換気窓の開閉などの環境変化が起こると、過剰に噴霧してしまう危険性を伴う。このため、安全を見て、効果が小さい少量の噴霧設定にせざるを得ない、操作者が長時間噴霧装置から離れられない、頻繁な噴霧時間/休止時間の変更を行う必要がある、などといった問題がある。このため、各種施設や変化する気象条件に対して適切な噴霧時間を設定することは非常に困難で、頻繁な設定条件の変更を強いられている。
そこで、細霧の過剰噴霧を回避するために空気湿度(相対湿度)センサを利用して、設定湿度以下になると噴霧を停止するコントローラが提案され(例えば、特許文献1参照)、また市販されている。
しかしながら、このものは高価格である上に湿度センサが高湿度条件での精度が悪く、さらに、一旦水滴がセンサに付着するとそれが乾くまで測定不能になるので、通風式を採用しにくく、短時間で湿度が100%近くまで高くなる細霧冷房噴霧センサとしては、測定精度と応答性の両面から問題がある。さらに、長期間にわたるセンサ特性の持続についての信頼性が低く、厳密な高湿度条件で安定して噴霧を制御するには不充分である。
従って、利用者が望む噴霧状態を、長期間安定して自動運転で維持できる、安価な簡易コントローラ(制御装置)の開発が待たれている。
特開2003−289728号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、園芸作物栽培施設や畜舎等の細霧冷房装置において、気象条件や施設の換気条件による蒸発要求量の変化に対応して自動的に噴霧量を調節し、長期間にわたり自動的に効果的な噴霧を安全に継続することのできる細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法と制御装置とを提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記従来の問題点を解消すべく鋭意研究を重ねた。その結果、過剰噴霧を回避して、噴霧の適否を判断するための指標として、気温(乾球温度)センサと自然湿球温度センサとの温度差を利用することにより、目的を達成しうることを見出した。
即ち、請求項1に係る本発明は、細霧冷房装置における細霧噴霧を制御するにあたり、気温センサで測定された気温と、JIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサで測定された自然湿球温度との温度差が所定値以下となったときに、制御手段により細霧噴霧を休止させるようにしたことを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、気温を測定する気温センサと、細霧噴霧の運転時間を設定する噴霧設定タイマと、細霧噴霧の休止時間を設定する噴霧休止タイマと、前記気温センサの測定値に基づき細霧噴霧の運転開始及び運転中止の指令を発すると共に前記噴霧設定タイマと前記噴霧休止タイマの入力値に基づき噴霧の運転と休止を交互に制御する制御手段と、を備えた細霧冷房装置における細霧噴霧を制御するにあたり、更に自然湿球温度を測定する、JIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサを設け、気温と自然湿球温度との温度差が所定値以下となったときに前記制御手段により細霧噴霧を休止させるようにしたことを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、気温センサとJIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサとを備え、さらに前記気温センサの測定値と前記自然湿球温度センサの測定値との差が所定値以下となったときに細霧噴霧を休止させる制御手段を備えたことを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置を提供するものである。
請求項4に係る本発明は、気温を測定する気温センサと、細霧噴霧の運転時間を設定する噴霧設定タイマと、細霧噴霧の休止時間を設定する噴霧休止タイマと、前記気温センサの測定値に基づき細霧噴霧の運転開始及び運転中止の指令を発すると共に前記噴霧設定タイマと前記噴霧休止タイマの入力値に基づき噴霧の運転と休止を交互に制御する制御手段と、を備えた細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置において、更に自然湿球温度を測定する、JIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサを備え、前記制御手段により、前記気温センサの測定値と、前記自然湿球温度センサの測定値との差が所定値以下となったときに前記制御手段により細霧噴霧を休止するようにされていることを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置を提供するものである。
本発明の制御方法と装置によれば、気温センサと自然湿球温度センサとの温度差を利用して細霧噴霧を制御していることから、高温期の園芸栽培施設や畜舎等の細霧冷房を長期間設定値の変化なしに、効果的に安定して自動噴霧することができる。広く普及しているサーモスタットとタイマーによる制御では、常に過剰噴霧の心配を伴うが、本発明の制御方法と装置の導入により、噴霧時間の設定変更の気配りや労力がなくなる。また、夜間の噴霧は一般に危険なために実施されないが、精度の高い噴霧制御により、夜間噴霧も可能である。
本発明の制御方法と装置により、細霧噴霧が自動で効果的に安定して運転できるようになると、施設園芸作物の作期延長や、高温障害の軽減などに効果がある。また、畜舎では、気象条件や窓などの環境条件の変化に対しても適切な家畜身体への霧付着量を維持することができ、生産量の向上に貢献できると考えられる。
即ち、本発明の制御方法と装置によれば、気象環境や施設の換気条件が変化しても、過剰な噴霧が起こらず、精度の高い安定した自動噴霧を行うことができる。
本発明の手法は、全ての細霧冷房装置のコントローラ部に導入することができる。
請求項1に係る本発明は、細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法に関し、細霧冷房装置における細霧噴霧を制御するにあたり、気温センサと自然湿球温度センサとの温度差を利用して制御することを特徴とするものである。
換言すると、請求項1に係る本発明は、細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法に関し、細霧冷房装置における細霧噴霧の運転/休止条件を決定する際に、気温センサと自然湿球温度センサとの温度差を利用する点に特色を有するものであって、様々な制御の仕方(制御方法)に用いることができる。
具体的には例えば気温センサと自然湿球温度センサとの温度差が所定値以上になると細霧噴霧を運転させて所定値以下となったときに休止させる機能をもつ制御方法、或いは、細霧噴霧運転時間について、噴霧動作時間と噴霧休止時間の設定により交互に噴霧動作と休止を繰り返す噴霧制御法において、気温センサと自然湿球温度センサとの温度差に応じて、その温度差が大きいときに噴霧動作時間を長くし、前記温度差が小さいときに噴霧動作時間を短くする機能を持つ制御方法などが挙げられる。
特に、気温と自然湿球温度との温度差が所定値以下となったときに細霧噴霧を休止させるようにした制御方法が挙げられる。
請求項1に係る本発明においては過剰噴霧を回避して、噴霧間隔を自動調節するための指標として、気温と自然湿球温度との温度差を利用する。
このような請求項1に係る本発明の制御方法は、詳しくは請求項2に係る本発明の方法により行われる。
即ち、請求項2に係る本発明は、細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法に関し、気温を測定する気温センサと、細霧噴霧の運転時間を設定する噴霧設定タイマと、細霧噴霧の休止時間を設定する噴霧休止タイマと、前記気温センサの測定値に基づき細霧噴霧の運転開始及び運転中止の指令を発すると共に前記噴霧設定タイマと前記噴霧休止タイマの入力値に基づき噴霧の運転と休止を交互に制御する制御手段と、を備えた細霧冷房装置における細霧噴霧を制御するにあたり、更に自然湿球温度を測定する自然湿球温度センサを設け、気温と自然湿球温度との温度差が所定値以下となったときに前記制御手段により細霧噴霧を休止させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項1に係る本発明の制御方法は、請求項3に係る本発明の制御装置により好適に実施することができる。
即ち、請求項3に係る本発明は、細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置に関し、気温センサと自然湿球温度センサとの温度差を利用した制御手段を備えたことを特徴とするものである。
換言すると、請求項3に係る本発明の制御装置は、細霧冷房装置における細霧噴霧の運転/休止条件を決定する際に、気温センサと自然湿球温度センサとの温度差を利用した制御装置であって、「気温センサと自然湿球センサの温度差」を運転/休止の判断に利用したものであれば、全ての制御装置に適用することができる。
このような請求項3に係る本発明の制御装置は、詳しくは請求項4に記載した如きものであり、請求項4に係る本発明の制御装置によれば、上記した請求項2に係る本発明の方法を好適に実施することができる。
従って、以下、請求項4に係る本発明の制御装置を参照しつつ、請求項3に係る本発明の制御装置、並びに請求項1、2に係る本発明の制御方法について説明する。
図1は、請求項4に係る本発明を適用した制御装置の構成例の略図である。図中、符号1は気温を測定する気温センサ(乾球温度センサ)、符号2は細霧噴霧の運転時間を設定する噴霧設定タイマ、符号3は細霧噴霧の休止時間を設定する噴霧休止タイマである。噴霧設定タイマ2は、細霧噴霧の運転時間を任意に設定することができる。噴霧休止タイマ4は、細霧噴霧の休止時間を任意に設定することができる。
符号4は制御手段であり、制御手段4は、前記気温センサ1の測定値に基づき細霧噴霧の運転開始及び運転中止の指令を発すると共に前記噴霧設定タイマ2と前記噴霧休止タイマ3の入力値に基づき噴霧の運転と休止を交互に制御する。
請求項4に係る本発明の制御装置は、このような気温センサ1と、噴霧設定タイマ2と、噴霧休止タイマ3と、制御手段4と、を備えた細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置において、更に自然湿球温度を測定する自然湿球温度センサ5を備えたものである。
なお、気温センサ1、細霧噴霧の運転時間を設定する噴霧設定タイマ2、細霧噴霧の休止時間を設定する噴霧休止タイマ3、制御手段4は、公知のものを用いることができる。
自然湿球温度センサ5は、自然湿球温度を測定するセンサである。
ここで自然湿球温度(Twn)とは、温度測定部を湿らせたガーゼ等で包んだ湿球を、空気中にそのままさらしたときの温度指示値である。換言すると、JIS Z8504に示されているとおり、自然湿球温度は、自然な対流中で、即ち強制通風することなく環境に置かれた濡れたガーゼで覆った温度センサーによって示す値をいう。この自然湿球温度は、通風乾湿計によって測定される湿球温度とは異なるものである。
これは、気温と空気湿度が同じでも、気流速度や日射の影響を受けて大きく変化し、自然状態の物体からの蒸発量とよく対応している。
JIS Z8504によれば、自然湿球温度センサは次の特性を持つものと規定されている。
a)センサの受感部の形状:円筒形
b)センサの受感部の外径:6mm±1mm
c)センサの長さ:30mm±5mm
d)測定範囲:5〜40℃
e)測定精度:±0.5℃
f)センサの受感部全体は白いガーゼのような吸水性の高い素材(例えば、綿)によって覆う。
g)センサの支持部は、6mmに等しい直径にし、かつ、センサの支持部からの熱伝導を減少させるために20mmのガーゼで覆う。
h)そのガーゼは、覆いがきつ過ぎたり緩過ぎたりすると精密な測定に支障をきたすので、筒状に編み、センサーの周りにきちんと覆いかぶせる。
i)ガーゼは、清潔に保つ。
j)ガーゼの下部は、水つぼ(壷)の蒸留水に浸す。空気中にある部分の長さは20〜30mmとする。
k)水つぼは、周囲の環境の熱放射によって水温が上がらないような設計にする。
このような自然湿球温度センサは市販されていないので、基本的には自作する必要があるが、温度センサを湿ったガーゼ等で常時湿らせるだけであるので、例えばJIS Z8504の労働環境の暑熱環境の評価に規定されているものに準じて簡単に製作することが可能である。自然湿球センサの形状としては、JIS Z8504のWBGT(湿球黒球温度)の測定法の中に規定されているものを用いるとよいが、多少形状が異なっても細霧冷房の噴霧制御のために利用するには問題はない。
本発明の制御装置は、自然湿球温度センサを自作する必要があるが、市販の温度指示調節計、タイマーコントローラを組合わせて構成することができ、安価で安心して自動運転することができることから、特に中小規模の施設に導入された細霧冷房装置の制御法として有効に用いることができる。
また、湿球のための水補給は、よく利用される通風乾湿計(乾湿球温度計)の湿球と比較すると、通風乾湿計の湿球は蒸発速度が大きいので水切れが起こりやすいが、自然湿球温度では蒸発速度が通常、1/2以下で水切れしにくく、水のタンクの容量が小さく、メンテナンスの手間も軽減する。また、センサが常に露出しているので、湿り具合や汚れを簡単に確認することができる。
なお、自然湿球は常に濡れておくように管理が必要である。水タンクの枯渇やガーゼの汚れによる自然湿球の濡れの不具合が発生することがあるが、この場合でも、気温−自然湿球温度差が0になって噴霧の停止条件になるため、過剰噴霧にはならず安全である。
本発明では、噴霧制御のための指標として、空気湿度(相対湿度、湿球温度、露点など)ではなく、上記したような自然湿球温度という簡単な測定項目を用いる点が特徴である。自然湿球温度は、高湿度条件での測定精度が高く、安定した短時間の制御が可能であり、空気湿度ではなく物体からの蒸発要求量により密接に対応している指標であるので、気温−自然湿球温度差に基づいての噴霧を制御すると、物体への不必要な水滴付着を軽減することができる。即ち、細霧の過剰噴霧による濡れを抑制することができる。また、本発明の制御法は、園芸ハウス内で人間が作業をする時に不必要な濡れが軽減されるので、作業快適性の維持に有効と考えられる。
請求項4に係る本発明の制御装置は、上記したような気温センサ1と、噴霧設定タイマ2と、噴霧休止タイマ3と、制御手段4と、を備えた細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置において、更に自然湿球温度を測定する自然湿球温度センサ5を備えたものであり、このような制御手段により、前記気温センサ1の測定値と、前記自然湿球温度センサ5の測定値との差が所定値以下となったときに前記制御手段4により細霧噴霧を休止するようにされていることを特徴とするものである。
図2は、このような請求項4に係る本発明を適用した制御装置を用いての細霧噴霧制御のフローの例を示す図である。このフロー図を参照しつつ説明する。なお、図3は細霧冷房装置を園芸作物の栽培施設に設置し噴霧している状態を示す説明図であり、符号Aは細霧噴霧ノズルである。
まず設定値を入力する。
即ち、予め噴霧設定タイマ2と噴霧休止タイマ3とを用いて、細霧を噴霧するときの最大連続噴霧時間(Tspray)と最大休止時間(Tsleep)を設定しておく(例えば、噴霧12秒、休止48秒)と共に、噴霧開始温度(Td0)(例えば27℃)を設定しておく。さらに、気温と自然湿球温度との温度差(ΔTwn0)が所定値(例えば2.5℃)以下となったときに制御手段4により細霧噴霧を休止(以下、停止と言うことがある。)させるように設定しておく。
次に、現在値の測定を行う。
即ち、上記したように事前の準備をしていた上で、まず気温センサ1で気温(Td)を測定する。さらに、自然湿球温度センサ5で自然湿球温度を測定し、気温−自然湿球温度差(ΔTwn)を求める。
そして、予め設定しておいた噴霧開始温度(Td0)よりも気温センサ1の測定値(Td)の方が高い場合、制御手段4により細霧噴霧の運転開始の指令が発せられ、細霧噴霧が開始される。この反対に、予め設定しておいた噴霧開始温度(Td0)よりもこの気温センサ1の測定値(Td)の方が低い場合には、細霧噴霧が開始されることはない。
細霧噴霧が開始されると、制御手段4により、噴霧設定タイマ2で設定された最大連続噴霧時間(Tspray)だけ噴霧が行われ、次いで噴霧休止タイマ3で設定された最大休止時間(Tsleep)だけ噴霧が休止され、以後、この噴霧と休止を交互に繰り返す。
本発明は、このような細霧の噴霧対象時間において、所定時間だけ噴霧と休止を交互に繰り返しているときに、気温と自然湿球温度との差(ΔTwn)を監視し、それらの差が設定値以下になると噴霧を停止する制御方法とするものである。換言すると、測定した気温と自然湿球温度との差(ΔTwn)が、予め設定していた[気温と自然湿球温度との温度差](ΔTwn0)と同じか、或いはこれよりも大きかった場合には、噴霧条件成立として噴霧を続けるが、小さかった場合には噴霧条件不成立として噴霧を停止するものである。噴霧条件成立時には、予め設定した最大連続噴霧時間(Tspray)と最大休止時間(Tsleep)でON/OFFを繰り返すこととし、逆に設定値以下では噴霧条件不成立として噴霧を停止(休止)する。これにより、過剰な噴霧を回避することができ、環境条件の変化に対して自動的に噴霧間隔が調整される。即ち、この方法により、天候や窓開閉などの環境条件が変化しても、それに応じて休止間隔が自動的に調整される。
この制御法は、噴霧時間と休止時間が設定でき、気温と自然湿球温度の差に応じてON/OFFする機能を持つ制御手段4で動作させる。
気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差(ΔTwn)が、例えば2.5℃以下になると噴霧を停止するように予め設定しておけば、この条件を満たしたときに噴霧が停止されることになる。
なお、気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差(ΔTwn)が、再び例えば2.5℃を超えるようになったときには、再度、所定時間だけ噴霧と休止を交互に繰り返す。
上記したように本発明では、噴霧制御のための指標として、空気湿度(相対湿度、湿球温度、露点など)ではなく、自然湿球温度センサの測定値(自然湿球温度、或いは非通風湿球温度)という、簡単な測定項目を用いる点が特徴である。自然湿球温度(或いは非通風湿球温度)は、高湿度条件での測定精度が高く、短時間の制御にも利用することができる。空気湿度ではなく、自然環境の物体の湿面温度や蒸発要求量に密接に対応している指標であることから、細霧の過剰噴霧による濡れを抑制することができる。
自然湿球温度(日除けの傘をつけず感温部に日射があたる状態)を制御に用いると、日射を受けた湿面温度と気温との差で、人間の暑熱労働快適性の指標とされている湿球黒球温度(略称WBGT、JIS Z8504で規定)の算出式の主要な項であることから、これに基づく制御は、作業者がいるときの細霧噴霧する際に快適性をあまり悪化させない噴霧制御法をとるのに適している。
即ち、気温と自然湿球温度との差に基づいて制御すると、作業者の快適性が悪化しやすい条件での噴霧を抑止することができるが、このような作業者の快適性を考慮した噴霧ができる機能を持つ簡易な制御装置(コントローラ)は、これまで全くみられなかった。
また、自然湿球温度センサに、日除けの傘をかぶせて日射を遮ったときの測定値は、非通風湿球温度ということができる。気温と非通風湿球温度との差は、自然状態の湿面からの蒸発量に密接に対応しているので、これを噴霧運転/休止の判断に用いると、細霧噴霧効果を最大に近い状態で運転することができる方法である。
一般に用いられる相対湿度センサは、測定誤差が5%程度と大きく、特性の経日変化も大きい。例えば、30℃で相対湿度92%及び89%のときには、相対湿度センサでは測定値の違いは不明瞭である。これに対して、気温と非通風湿球温度(自然湿球温度センサに日除けしたもの)との差は、それぞれ1.5℃、2.0℃となって、充分に検知可能な差となるので、これに基づく噴霧制御は精度が高く安定した動作をする。
なお、気温センサと自然湿球温度センサとの差に基づく制御では、湿球部の汚れによる濡れ不足や水補給忘れなどの心配があるが、濡れ不足や水切れが起こった場合には、噴霧動作をしない方向に働くので、安心して自動運転させることができる。
園芸用施設で使用するには、サーモスタットで気温が一定以上になったら、上記手法により噴霧を実施する。気象条件や施設の換気条件が変化しても噴霧が過剰になる心配がないので、噴霧時間帯を限定せず、夜間でも乾燥していれば噴霧運転を続けることもできる。但し、植物体をある程度湿らせる状態に維持するように運転する場合については、数時間以上濡れが続いて病気が発生しないよう、タイマーで噴霧対象時間帯を設定しておくことが好ましい。
以上のように、本発明の制御方法と装置によれば、気温センサと自然湿球温度センサとの温度差を利用して細霧噴霧を制御することにより、園芸作物栽培施設や畜舎等の細霧冷房装置において、気象条件や施設の換気条件による蒸発要求量の変化に対応して自動的に噴霧量を調節し、長期間にわたり自動的に効果的な噴霧を安全に継続することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
実施例1
図1に示す本発明の制御装置について図2に示す細霧噴霧制御のフロー図に従い、園芸ハウスにおいて細霧冷房を実施した。
本実施例においては、制御装置の動作条件は、以下のように設定した。
・噴霧開始温度(Td0)=27℃
・噴霧判定気温−自然湿球温度差(ΔTwn0)=2.5℃
・最大連続噴霧時間(Tspray)=12秒
・最小休止時間(Tsleep)=48秒
図4は、気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差に基づく細霧噴霧制御を行ったときの噴霧動作タイミングを示す図であり、上段に気温(Td)、湿球温度(Tw)、及び自然湿球温度(Twn)の経時変化を、中段に気温(Td)と湿球温度(Tw)との差(Td‐Tw)、及び気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差(Td‐Twn)、つまりΔTwnの経時変化を、下段に噴霧信号出力の経時変化を、それぞれ示している。
なお、自然湿球温度(Twn)は、JIS Z8504に従い、温度測定部(感温部)を湿らせたガーゼ等で包んだ湿球からなる自然湿球温度センサを、空気中にそのままさらしたときの温度指示値である。この自然湿球温度を測定する自然湿球温度センサを図5に示す。温度測定部(感温部)Bはガーゼで包み、下部の水タンクCから毛管現象で常時湿らせた。
この日は、気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差(Td‐Twn)、つまりΔTwnが、夜間も含めて1日のほとんどで2.0℃以上となる乾燥していた日である。
まず、8:00頃に気温が27℃になって噴霧動作が開始されるが、気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差(Td‐Twn)が2.5℃以下になったりならなかったりして、噴霧したりしなかったりする時間が9:30頃まで続く。日射があって気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差(Td‐Twn)が小さいときには、作業者の汗が高温になり不快に感じられる状態で、このような時には噴霧を頻繁には行わない動作となっている。
それ以後は、気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差(Td‐Twn)が常に2.5℃を超えていたため、18:00頃まで、12秒噴霧/48秒休止を繰り返した。
18:00頃から20:00頃までは、気温が27℃前後で、噴霧されると27℃以下になり、噴霧しないと気温が27℃以上になり、噴霧したりしなかったりする状態になっている。
さらに、20時頃以降は、気温が27℃以下になって、噴霧の対象外となって噴霧が行われなかった。
なお、この噴霧条件設定値を変更せずに2週間程度自動で運転したが、日射が雲で遮られたりして変動の大きい日や、午後から雨が降った場合など、従来のタイマー式コントローラでは設定値の頻繁な変更が要求される場合でも、適切な噴霧動作を行い過剰な噴霧で植物体や床面が濡れすぎることはなく、安定して動作した。
従って、本発明は施設園芸の環境調節を扱う生物環境調節工学等の分野において有効に利用することができる。
請求項4に係る本発明を適用した制御装置の構成例の略図である。 請求項4に係る本発明を適用した制御装置を用いての細霧噴霧制御フローの例を示す図である。 細霧冷房装置を園芸作物の栽培施設に設置し噴霧している状態を示す説明図である。 気温(Td)と自然湿球温度(Twn)との差に基づく細霧噴霧制御を行ったときの噴霧動作タイミングを示す図である。 実施例1で用いた自然湿球温度センサを示す説明図である。
符号の説明
1 気温センサ
2 噴霧設定タイマ
3 噴霧休止タイマ
4 制御手段
5 自然湿球温度センサ
A 細霧噴霧ノズル
B 温度測定部(感温部)
C 水タンク

Claims (4)

  1. 細霧冷房装置における細霧噴霧を制御するにあたり、気温センサで測定された気温と、JIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサで測定された自然湿球温度との温度差が所定値以下となったときに、制御手段により細霧噴霧を休止させるようにしたことを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法。
  2. 気温を測定する気温センサと、細霧噴霧の運転時間を設定する噴霧設定タイマと、細霧噴霧の休止時間を設定する噴霧休止タイマと、前記気温センサの測定値に基づき細霧噴霧の運転開始及び運転中止の指令を発すると共に前記噴霧設定タイマと前記噴霧休止タイマの入力値に基づき噴霧の運転と休止を交互に制御する制御手段と、を備えた細霧冷房装置における細霧噴霧を制御するにあたり、更に自然湿球温度を測定する、JIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサを設け、気温と自然湿球温度との温度差が所定値以下となったときに前記制御手段により細霧噴霧を休止させるようにしたことを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御方法。
  3. 気温センサとJIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサとを備え、さらに前記気温センサの測定値と前記自然湿球温度センサの測定値との差が所定値以下となったときに細霧噴霧を休止させる制御手段を備えたことを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置。
  4. 気温を測定する気温センサと、細霧噴霧の運転時間を設定する噴霧設定タイマと、細霧噴霧の休止時間を設定する噴霧休止タイマと、前記気温センサの測定値に基づき細霧噴霧の運転開始及び運転中止の指令を発すると共に前記噴霧設定タイマと前記噴霧休止タイマの入力値に基づき噴霧の運転と休止を交互に制御する制御手段と、を備えた細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置において、更に自然湿球温度を測定する、JIS Z 8504に規定する自然湿球温度センサを備え、前記制御手段により、前記気温センサの測定値と、前記自然湿球温度センサの測定値との差が所定値以下となったときに前記制御手段により細霧噴霧を休止するようにされていることを特徴とする細霧冷房装置における細霧噴霧の制御装置。
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