JP5205651B2 - 機能材料の製造方法 - Google Patents
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1.実施の形態(固相材料−固相材料のケース、ロータ)
2.変形例(固相材料−液相材料のケース)
3.変形例(固相材料−気相材料またはプラズマ状態の材料のケース)
4.変形例(液相材料−液相材料のケース)
5.変形例(液相材料−気相材料またはプラズマ状態の材料のケース)
6.変形例(他のロータ)
7.実施例(固相材料−固相材料のケース)
まず、高重力場発生装置について説明する。この高重力場発生装置は、板状試料用に好適に適用可能なものであり、一の軸AXを中心として長時間安定的に高速回転することの可能なロータ10と、ロータ10を、軸AXを中心として高速回転させる駆動部(図示せず)とを備えている。ロータ10は、軸AXと直交する面内において軸AXを中心として点対称の形状となっており、例えば、図1(A)に示したような釣鐘状の形状となっている。ロータ10の底面には、ロータ10内に設けられた内部空間10Bとロータ10の外部空間とを連通する開口10Aが設けられている。内部空間10Bは、例えば、図1(A),(B)に示したように、軸AXと平行な平坦面(設置面10C)を複数有する多面体の側面によって囲まれている。この内部空間10Bは、さらに、軸AXと直交するかまたは設置面10Cと鋭角で交差する平坦面を有する底面10Dと、底面10Dおよび開口10Aと所定の間隙を介して対向する上面10Eとによって囲まれており、多角柱状の空間となっている。設置面10Cは、試料20を設置する面であり、ロータ10を回転させた際に試料20に対して印加される遠心力の向きを規定する役割を有している。また、底面10Dは、試料20を設置面10Cに設置した際に、ロータ10の停止時や回転時に、試料20が設置面10Cから脱落したり、滑って外部に飛び出したりするのを防ぐ役割を有している。従って、この高重力場発生装置は、内部空間10Bの所定の位置に試料20を設置(固定)し、ロータ10を、軸AXを中心軸として高速回転させることにより、試料20に対して所定の方向(例えば、軸AXと直交もしくは交差する方向)に遠心力を印加する機能を有している。なお、図1(A)には、底面10Dが軸AXと直交する平坦面を有している場合が例示されているが、底面10Dが設置面10Cと鋭角で交差する平坦面を有していてもよい。また、例えば、底面10Dに、試料20が設置面10Cから脱落したり、滑って飛び出したりするのを積極的に防止する突起などの構造物が設けられていてもよい。
次に、試料20について説明する。図2(A),(B)は、ロータ10内に置かれた試料20の断面構成の一例を表したものである。なお、図2(A),(B)には、試料20が内部空間10Bの側面(設置面10C)と、底面10Dとに接するように配置(固定)されている場合が例示されている。試料20は、図2(A),(B)示したように、材料の互いに異なる固相材料21,22を互いに接触させたものである。固相材料21と固相材料22との接触面20Aは、ロータ10の軸AXと平行となっており、ロータ10の回転面と直交している。
まず、図2(A)に示したように、固相材料21が設置面10C側(遠心力方向側)に、固相材料22が設置面10Cとは反対側(遠心力方向とは反対側)にそれぞれ配置されるように、試料20をロータ10の内部空間10B内に配置(固定)する。
上記の高重力場処理を行っていると、重力誘起の拡散に付随して、重力場下の原子レベルで与えられるボディフォースによる結晶歪みにより、例えば、図4に示したように、原子空孔Hが固相材料21内に多数発生し、固相材料21内で原子空孔Hを介在した拡散が起こる。これにより、固相材料22内の所定の元素物質の、固相材料21内における拡散速度を著しく大きくすることができる。その結果、固相材料21の組成を変えたり、固相材料21に不純物をドープしたりする速度が極めて高速になり、熱拡散などよりも大幅に処理時間を短縮することができる。なお、固相材料21内に原子空孔Hが多数生じると、固相材料21の結晶性が若干悪くなるが、その程度は、イオンビームなどの量子ビーム打ち込み法によって生じる結晶性の劣化や結晶破壊などとは比べものにならないくらい小さなものである。また、重力(遠心力)の大きさを適切に制御することにより、組成の均一な材料や、不純物濃度の均一な材料を作製することも可能である。従って、既存の技術には無い高性能かつ高品質な材料を作製することが可能である。
上記実施の形態では、被加工対象物である固相材料21の組成を変えたり、固相材料21に不純物をドープしたりするのに必要な所定の元素物質の供給源が、固相材料(固相材料21)によって構成されていたが、液相材料、気相材料またはプラズマ状態によって構成されていてもよい。また、上記した所定の元素物質の供給源が、固相状態、液相状態および気相状態の少なくとも1つの状態となっていればよく、単一の相状態となっている必要はない。なお、上記した所定の元素物質またはそれを含む物質が、液相状態となっている場合には、ロータ10は、液相状態の材料をロータ10内で保持することの可能な構造物を備えていることが好ましい。例えば、図5(A),(B)に示したように、底面10Dの開口10A側の端部に壁10Fを設け、液相状態の材料が開口10Aから漏れ出さないようにすることが可能である。また、上記した所定の元素物質またはそれを含む物質が、気相状態またはプラズマ状態となっている場合には、ロータ10は、気相状態またはプラズマ状態の材料がロータ10内の固相材料21の表面に十分に到達するような機構を備えていることが好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
次に、作製した試料20(出発材料)を、出発材料の融点(約525℃)よりも低い400℃±2℃の温度に加熱して固相状態に保ちつつ、重力加速度59.4万g以上58.6万g以下の重力場、約20Paの減圧下で60時間の重力場処理を施した。減圧は遠心回転の安定化を目的としたものである。重力場処理を施した後の材料について、回転軸を有する面から材料を切断し、表面研磨したあと、組織観察およびSIMS(二次イオン質量測定法)による74Geの不純物侵入深さと、74Geの濃度とを測定した。また、出発材料を、約20Pa下で400℃、60時間熱拡散させることにより得られた材料についても、比較のため同様の測定を行った。
続いて、単結晶InSb出発試料(試料A)と、高遠心処理(約40万G、400度、50時間)した単結晶InSb試料(試料B)について、ホール効果測定によりキャリア移動度とホール密度を測定した。
本実施例では、固相材料21として全率固溶型ビスマス−アンチモン(7Bi−3Sb)合金を用いた。
<実験条件1>240℃、重力加速度18万gの重力場で10時間
<実験条件2>250℃、重力加速度85万gの重力場で5時間
Claims (10)
- 薄膜状、板状もしくはバルク状の固相材料からなり、かつ被接触面を有する第一の材料と、所定の元素物質またはそれを含む物質からなる第二の材料とを、前記被接触面を介して互いに接触させた状態で、前記第一の材料および前記第二の材料に対して、前記被接触面と交差する方向に高重力をかける高重力場処理を行うことにより、前記所定の元素物質が前記被接触面を介して前記第一の材料内に沈降する重力誘起の拡散を前記第一の材料内で起こさせる
ことを特徴とする機能材料の製造方法。 - 前記第二の材料は、固相状態、液相状態、気相状態およびプラズマ状態の少なくとも1つの状態となっている
ことを特徴とする請求項1に記載の機能材料の製造方法。 - 前記高重力場処理を行うことにより、前記重力誘起の拡散に付随して、重力場下の原子レベルで与えられるボディフォースにより原子空孔を前記第一の材料内に発生させ、前記第一の材料内で前記原子空孔を介在した拡散を起こさせる
ことを特徴とする請求項1に記載の機能材料の製造方法。 - 前記所定の元素物質の、原子の比重に相当する第一の量(原子量/原子容)が、前記第一の材料の、原子の比重に相当する第二の量(原子量/原子容)よりも大きい場合には、前記第一の材料との関係で、前記第二の材料が重力方向とは反対側に配置され、前記第一の量が前記第二の量よりも小さい場合には、前記第一の材料との関係で、前記第二の材料が重力方向側に配置される
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の機能材料の製造方法。 - 前記第一の材料は、Si、Ge、Se、TeもしくはCの単体であるか、GaAs、InP、InGaAs、GaInNAsもしくはGaNを主に含むIII−V族半導体であるか、またはZnO、CdTe、CdSeもしくはZeSeを主に含むII−VI族半導体である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の機能材料の製造方法。 - 前記Cの単体は、ダイヤモンド、フラーレン、ナノチューブ、ナノオニオン、ナノホーンまたはグラファイトである
ことを特徴とする請求項5に記載の機能材料の製造方法。 - 前記第一の材料は、ゼオライト、層間化合物、層状化合物である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の機能材料の製造方法。 - 前記第一の材料は、ダイヤモンドであり、
前記第二の材料は、I族、II族、III族、V族、VI族もしくはVII族の元素物質、遷移金属、または希土類元素物質を含む
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の機能材料の製造方法。 - 前記第一の材料は、ZnOであり、
前記第二の材料は、I族、II族、III族、IV族もしくはV族の元素物質、遷移金属、または希土類元素物質を含む
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の機能材料の製造方法。 - 前記高重力場処理において、前記第一の材料の再結晶温度以上であって、かつ前記第一の材料が固相状態を保つことの可能な温度以下の温度範囲内で、1万g(g=9.8m/s2)以上の重力加速度を、前記第一の材料および前記第二の材料に対して印加する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の機能材料の製造方法。
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