JP5205549B2 - フシジン酸ナトリウムを用いて作製され、バイオポリマーが取り込まれた薬用フシジン酸クリーム、およびその作製方法 - Google Patents

フシジン酸ナトリウムを用いて作製され、バイオポリマーが取り込まれた薬用フシジン酸クリーム、およびその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、一次および二次の細菌性皮膚感染症ならびに火傷創傷を含めた創傷に関する。より詳細には、本発明は、フシジン酸およびキトサンの形態のバイオポリマーが取り込まれたクリーム、その作製方法、ならびにこれらの感染症および創傷の処置においてそれを使用する方法に関する。さらに、前記クリーム中のフシジン酸は、フシジン酸ナトリウムを開始原薬(API)として使用してin situで作製されている。
局所的および全身性の両方の数々の処置が、黄色ブドウ球菌、ストレプトコッカスsppなどの感受性グラム陽性生物によって引き起こされる一次および二次の皮膚感染症に利用可能である。局所的および全身性の細菌感染症の処置組成物では、典型的に、基剤構成成分と組み合わせた少なくとも1つの原薬(API)を用いる。クリーム形態では、APIは典型的にはフシジン酸などの抗生物質/抗細菌剤を含む。
現在入手可能なフシジン酸クリームでは、微粉末形態のフシジン酸をAPI源として使用する。小さな粒子径は、大きな比表面積および浸透をもたらすことによって皮膚とのその接触を増大させ、皮膚に塗布した際に滑らかな感触をもたらす。しかし、フシジン酸粒子の微細な大きさの重大な欠点は、クリームの製造、取扱い、および加工中に酸素分子と接触および反応する、莫大な表面積を提示することである。これはその化学的安定性に重大な意味を持ち、最終クリーム配合物中のAPI(フシジン酸)の効力の迅速な低下をもたらす。酸化による分解が現在入手可能なフシジン酸クリームの不安定性の主要な原因である。表1は、酸素に曝したAPI試料(フシジン酸)の分解が、室温〜45℃の範囲の条件において3カ月の曝露期間で分析した場合に、7.7%〜11%の範囲であったことを示している。
未加工のAPIとしてのフシジン酸の酸素への曝露時間が長ければ長いほど、配合物中のフシジン酸を安定化することに対する制限が大きくなることが知られている。しかし、一定期間にわたるフシジン酸の安定性の公開されているデータは存在しない。
フシジン酸の代替物質として、局所的塗布用の皮膚用医薬品を作製するためにフシジン酸ナトリウムが使用されることが知られている。しかし、これらはクリームではなく軟膏の形態である。クリームよりも大きな軟膏の欠点は周知であり、一般に、局所的塗布には軟膏ではなくクリームを使用することが好ましい。
APIとしてのフシジン酸のいくつかの側面が知られている。
・フシジン酸は熱不安定性である。
・フシジン酸はクリーム製剤中に利用可能である。
・フシジン酸は、フシジン酸ナトリウムを水相に溶かし、酸を溶液に加え、それによりフシジン酸を沈殿させることによって得ることができる。しかし、フシジン酸沈殿物は、第1にその粗くかつ不均一な粒子径が原因で、第2にフシジン酸を湿ったケークから回収することは乾燥およびさらなる取扱いを含み、これは酸素への曝露のためにフシジン酸を劣化させることが原因で、クリーム形態へと加工することが困難である。
・フシジン酸クリーム中でのAPIの安定性は、フシジン酸の熱不安定性性質が原因で信頼できない。
フシジン酸を含有する医薬品を酸化に対して安定化させることは、製造および貯蔵中にいくつかの厳密な予防的手順を観察することを含む。これらには、
・調剤容器中の酸素を窒素、二酸化炭素、ヘリウムなどの不活性ガスで置き換えること、
・医薬品と酸化を触媒する重金属イオンとの接触を回避すること、
・APIを、加工前のその保存可能期間の間中、低温で保管すること
が含まれる。
実際には、これは、そのようなAPIの製造および貯蔵中のより厳しい制御(典型的にはその保存可能期間の間中、2℃〜8℃で気密容器中に保管すること)を意味する。
したがって、フシジン酸が、特にクリームの製造時に、慣用のクリーム中でのフシジン酸の安定性よりも高い安定性のものであり、また、その保存可能期間間中その安定性が許容されるレベルで維持される、フシジン酸クリームを作製する方法を提供する必要性が存在する。
次に、皮膚障害の種類およびそれらにおいて利用可能な処置方法を注目する。皮膚障害は、細菌型または真菌から生じるものとして広く分類することができる。抗真菌または抗細菌組成物は、伝統的にはローション、クリームまたは軟膏として塗布される。さらに、多くの場合で、皮膚状態が細菌性病原体または真菌が原因であるかを確認することは困難である。
皮膚障害を処置する一手法は、試行錯誤による排除によるものである。抗細菌または抗真菌組成物を順番に施用し、応答を監視して処置を修正する。この手法の主要な不利点は、処置期間の間、処置を1日に複数回施用する必要があることである。これは非常に不都合であり、人間集団の大多数、特に発展途上国において対費用効果が低い。
細菌または真菌によって引き起こされる皮膚障害を処置するために、いくつかの処置が利用可能である。典型的には、そのような組成物ではステロイド、抗細菌剤もしくは抗真菌剤(またはこれらの固定された用量の組合せ)を使用し、これらの製薬的活性成分に焦点を合わせている。そのような配合物の組成は、その物理的/化学的/生体放出プロフィールが増強されるようなものである。
炎症および細菌攻撃によって引き起こされる多くの皮膚障害はそう痒および続く掻傷をもたらし、これらは、他の原因のなかでとりわけ、立ち代って重篤かつ複雑な二次感染症をもたらす場合がある。慣習的に利用可能な処置は皮膚の治癒または若返りに焦点を置いておらず、通常、これら2つの側面は自然の治癒に委ねられる。
易感染の皮膚状態(切傷、創傷、感染症、炎症、擦過傷など)に関連する言葉、治癒とは、細菌または真菌の原因の源の予防、制御、排除に関するだけでなく、皮膚をその感染前の状態まで修復することにも関する。
皮膚処置の現在の手法は、2つの段階、すなわち、a.治癒、b.病気前の状態への皮膚の修復に広く分類することができる。治癒部分は、最良の可能な程度までの、障害の根本的原因の排除を含む。これは、抗細菌剤もしくは抗真菌剤の適切な処置によって感染症を引き起こしている細菌または真菌を排除すること、またはステロイド処置によって炎症を低減させることであり得る。この処置の進行中、継続中の皮膚の易感染状態は二次感染症に易罹患性であり続け、これは非常に重篤な性質の場合がある。掻傷または創傷の皮膚の場合、凝血が素早く起こることが重要であり、これは、それにより二次感染症の可能性が低下するからである。クリーム、ローション、軟膏を介して投与するそのような処置の焦点は原薬の作用に置かれている。クリーム基剤または軟膏基剤は、APIを障害部位に運ぶための単なる担体である。
しかし、皮膚をその障害前状態まで戻して修復する側面は、ほぼ完全に自然に委ねられる。したがって、既存の皮膚処置手法の1つの主要な欠点は、遅い凝血および創傷治癒のプロセスが原因で二次感染症の危険性が存在することである。
さらに、従来技術の研究から、皮膚障害の局所的処置に使用される既存の処方箋皮膚用生成物のいくつかの乏しい態様が存在する。これは、クリーム基剤マトリックスまたは軟膏基剤のどのような潜在的な治療上の利点も見落とされていたことによって現れる。具体的には、どの利用可能な従来技術も以下を示唆していない。
−局所的皮膚配合物は、主APIの治療結果が増強されるように、主APIの活性を超える皮膚の治癒または再生をもたらすことができる。
−生物活性ポリマー(いわゆるバイオポリマー)の添加は、治療結果が増強および保管されるように薬物設計段階自体で的確なバイオポリマーまたは天然に相互作用する配合賦形剤またはプロセスパラメータが十分に考慮および最適化されていない場合は、配合物の安定性を損なわせる可能性がある複雑なプロセスである。
−クリームマトリックス中に機能的に生物活性のある賦形剤ポリマーを取り込ませることは、皮膚用医薬品クリームの単一用量様式において、APIの機能的安定性が保持される一方でクリームマトリックスの物理的安定性に特異的な問題の解決を含む。
既存の特許の一部を見ると、上記点が例示されている。フシジン酸はクリーム形態で使用されている。PCT出願WO2009063493号は、二次細菌感染症に関連する炎症性皮膚疾患を処置するための局所的抗生物質と局所的ステロイドとの組合せ療法を開示している。具体的には、これは、皮膚の二次細菌感染症を伴う二次感染接触皮膚炎、乾癬、アレルギー性接触皮膚炎およびアトピー性皮膚炎を含めた二次感染皮膚炎などの感染性湿疹の処置に有用な、フシジン酸とフロ酸モメタゾンなどのコルチコステロイドとの組合せを含む局所的医薬組成物に関する。具体的には、これは、二次細菌感染症に罹る危険性にある、皮膚炎、特にアトピー性皮膚炎の罹患者の事例において、感染症の予防に有用な、フシジン酸とフロ酸モメタゾンなどのコルチコステロイドとの組合せを含む局所的医薬組成物に関すると主張している。
この出願は、その時点で存在していた従来技術は、フシジン酸と、コルチコステロイド、特にモメタゾンまたはハロベタゾールとの組合せを含む組成物を開示していないという主張に関して発明性を導き出すと主張している。WO2009063493号の発明者らは、フシジン酸の抗菌作用およびモメタゾンなどのコルチコステロイドの抗炎症効果がどちらも、黄色ブドウ球菌の低減ならびに患者の症状および皮膚炎症性感染症の兆候の改善において重要な役割を果たすことを、驚くべきことに見い出したとみられる。また、WO2009063493号の発明者らは、フシジン酸の抗菌作用およびハロベタゾールなどのコルチコステロイドの抗炎症効果がどちらも、非感染性皮膚疾患に罹患している患者における二次細菌感染症の予防、ならびに皮膚の二次細菌感染症を伴う二次感染接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬および他のコルチコステロイド応答性皮膚疾患(CRD)を含めた二次感染皮膚疾患などの感染性ステロイド応答性皮膚疾患の処置において重要な役割を果たすことも、驚くべきことに見い出したとみられる。
WO2009063493号に開示されている発明は、二次細菌感染症に関連する炎症性皮膚疾患を処置するための局所的抗生物質と局所的ステロイドとの組合せ療法に関する。具体的には、この発明は、皮膚の二次細菌感染症を伴う二次感染接触皮膚炎、乾癬、アレルギー性接触皮膚炎およびアトピー性皮膚炎を含めた二次感染皮膚炎などの感染性湿疹の処置に有用な、フシジン酸とフロ酸モメタゾンなどのコルチコステロイドとの組合せを含む局所的医薬組成物に関する。具体的には、この発明は、二次細菌感染症を患う危険性にある、皮膚炎、特にアトピー性皮膚炎の罹患者の事例において、感染症の予防に有用な、フシジン酸とフロ酸モメタゾンなどのコルチコステロイドとの組合せを含む局所的医薬組成物にも関する。
上記例および他の同様の情報源から、既存の従来技術は以下を教示または示唆していないことが明らかである。
−クリーム基剤マトリックスを、単なる主APIの担体ではなくクリームの機能的要素として使用すること。
−既知のバイオポリマーを機能的賦形剤として抗細菌剤フシジン酸ナトリウムと共に使用すること。
−薄膜(micro film)の形成、凝血、表皮成長の支援、微生物の静電的不動化が、慣用の単一薬物療法の場合のように順々にではなく同時に起こることで、優れた治癒効果がもたらされること。
−クリームマトリックス中で使用されるAPIが補完されることにより、クリームの全体的な薬効成分が改善され、こと。
したがって、主APIによって提供されるものを補完する治療的価値を提供し、かつ、単なる担体または送達機構であること以上の目的を果たすクリーム基剤中で提供される、単一用量のAPI局所的処置の必要性が存在する。
発明の目的および利点
したがって、本発明の1つの目的は、細菌感染症に対する有効な処置を提供し、皮膚の若返りの能動的な治癒を助けるキトサンを含有する機能的クリーム基剤を用いて、フシジン酸を活性APIとして含有するが、その保存可能期間の間中、他の手段を用いて製造したフシジン酸よりも高いAPIの安定を有する、薬用クリームの作製方法を提供することである。
本発明の別の目的は、火傷創傷を含めた創傷の処置に有効な薬用クリームを提供することである。
本発明のさらなる目的は、以下のような、局所的皮膚処置のための処方箋薬用配合物を提供することである。
−主APIの治療結果が増強されるように、フシジン酸ナトリウムの活性を超える皮膚の治癒または再生をもたらすことができる。
−的確なバイオポリマーが選択されていない場合は損なわれる可能性がある配合物の安定性を損なわせずに、生物活性ポリマー(いわゆるバイオポリマー)を含有する。
−単一用量様式においてAPIの機能的安定性が保持される一方で、クリームマトリックス中に機能的に生物活性のある賦形剤ポリマーが取り込まれている。
カルボマーなどの不適合性の賦形剤を用いた、キトサンを含有するクリームの非均質性質を示す図である キトサンを用いた膜形成を示す図である。
本発明は、細菌性皮膚感染症および関連する創傷、ならびに火傷によって引き起こされたものを含めた他の皮膚創傷を処置するための薬用組成物に向けられている。また、クリームは、上皮形成プロセスを介して皮膚の若返りも引き起こす。クリームは、
a)キトサンの形態のバイオポリマー
b)in situでフシジン酸ナトリウムから作製されたフシジン酸の形態の原薬(API)、
c)一次および二次乳化剤、ワックス状物質、共溶媒、酸、保存料、緩衝剤、抗酸化剤、キレート化剤、ならびに湿潤剤を含有するクリーム基剤、
d)水
を含む。
ヒト皮膚を上記同定した組成物と接触させることを含む、アレルギーおよびそう痒を伴う細菌性皮膚感染症、ならびにヒト皮膚上の創傷の処置に使用するためのクリーム基剤中に、活性成分、すなわちキトサンとフシジン酸とが組み込まれている。
また、本発明は、開始原材料としてのin situでフシジン酸ナトリウムから形成されるフシジン酸とキトサンとを含有し、フシジン酸ナトリウムが、不活性ガス、好ましくは窒素を用いて作り出した無酸素環境下でフシジン酸へと変換される、薬用クリームを作製する方法も開示する。本発明の方法によって生成されたクリームは、フシジン酸を含有する慣用のクリームよりも高い保存可能期間中の安定性および細かいAPIの粒子径を有する。本発明の方法によって生成されたクリームは、in situでフシジン酸ナトリウムから形成されるフシジン酸を、APIとして、保存料、酸、共溶媒、乳化剤およびワックス状物質、ならびに水、好ましくは精製水を含むクリーム基剤中で含有する。本発明の方法によって生成されたクリームは、緩衝剤、抗酸化剤、キレート化剤、および湿潤剤、または任意のその組合せを含む群から選択される成分を任意選択でさらに含有する。
発明の詳細な説明:
本発明者らは既に、フシジン酸およびフシジン酸ナトリウムをAPIとして有する局所的調製物の既知の側面を記述している。現在の既知知識から、
−フシジン酸ナトリウムを用いて作製されるフシジン酸を開始APIとして含有するクリームは入手可能でないこと、
−APIとしてのフシジン酸ナトリウムの安定性に関する公開されているデータは存在しないこと、
−フシジン酸ナトリウムは、APIとしてフシジン酸よりも本質的に安定であるとみなされていないこと、
−キトサンおよびin situでフシジン酸ナトリウムから作製されたフシジン酸を含有するクリームは市販されていないこと
が明らかである。
これにもかかわらず、驚くべきことに、APIとしてのフシジン酸ナトリウムはフシジン酸よりも顕著に安定性が高く、フシジン酸はフシジン酸ナトリウムよりも迅速に劣化することが見い出された。
APIとしてのフシジン酸ナトリウムの安定性に関する公開されているデータは存在しない。本出願人は、その安定性を評価するためにフシジン酸ナトリウムで実験を行った。表2から、室温〜45℃の温度範囲にわたるフシジン酸ナトリウムの分解の範囲は2.45%〜6%であったことを見ることができる。
また、表1および2は、未加工のAPIとしてのフシジン酸とフシジン酸ナトリウムとの間の安定性の比較も示す。研究は本出願人によって開発されたインハウスのHPLC方法を用いて実施し、本出願人は、英国薬局方(BP)で提案されている滴定方法とは対照的にこれが真の安定性を示す方法であると考えている。これは、BP方法ではインタクトなAPIと分解された形態とを区別しないためである。
フシジン酸の安定性分析:
表1:安定性指示HPLC方法および滴定方法による、3カ月経ったフシジン酸(API)の分析の結果
Figure 0005205549
試料名:フシジン酸BP
パック:開けたおよび閉じたペトリ皿
フシジン酸ナトリウムの安定性分析:
表2:安定性指示HPLC方法および滴定方法による、3カ月経ったフシジン酸ナトリウム(API)の分析の結果
試料名:フシジン酸ナトリウムBP
パック:開けたおよび閉じたペトリ皿
Figure 0005205549
どちらの研究においても、初期は、APIを供給者から受け取った時点で試験した試料の結果を示す。
表1および2から、
・フシジン酸の場合、3カ月、室温(開条件)で約7.7%の損失があり、3カ月、45℃(開条件)で約11%の損失があること
・フシジン酸ナトリウムの場合、3カ月、室温(開条件)で約2.5%の損失があり、3カ月、45℃(開条件)で約6%の損失があること
を観察することができる。
したがって、データは、フシジン酸ナトリウムはAPIとしてフシジン酸よりも安定していることを示している。
本出願人らは、キトサンおよびフシジン酸ナトリウム(フシジン酸ではなく)を開始原材料として含有するクリーム(軟膏ではなく)を作製する可能性を調査した。フシジン酸ナトリウムは皮膚用医薬品の応用に使用されてきたが、フシジン酸ナトリウムを使用したクリームを作製することは可能ではなかった。これは、フシジン酸ナトリウムに特有のアルカリ度(pH7.5〜9)が原因であり、これをクリーム形態で使用することができない。したがってフシジン酸ナトリウムを出発物質として用いて製造されたすべての生成物は軟膏であることを意味する。フシジン酸ナトリウムを使用する皮膚用医薬品クリームでは、フシジン酸ナトリウムがフシジン酸よりも安定しているという利点が活用され、軟膏よりもその塗布性質がはるかに優れているクリーム配合物が提供されるであろう。したがって、現在入手可能なフシジン酸含有クリームよりも良好な安定性を有するクリームの、存在する必要性が満たされるであろう。
したがって、本出願人は、驚くべきことに、皮膚用医薬品クリーム中でAPIのより高い安定性を達成するために、フシジン酸ではなくフシジン酸ナトリウムをクリーム製造中の開始APIとして使用し得ることを見い出した。フシジン酸ナトリウムを出発物質として使用することにより、既存のフシジン酸クリームの製造および貯蔵に関連する欠点が排除される。
また、本出願人は、フシジン酸ナトリウムを開始APIとして用いて作製されたフシジン酸クリームが良好な化学的安定性、有効性、および微生物感度を示すことも見い出した。
本出願は、フシジン酸ナトリウムを開始APIとして使用して調製した、フシジン酸(API)を含有するクリームを作製する方法であって、フシジン酸が、in situで不活性ガス、好ましくは窒素を用いて作り出した完全に無酸素の環境下で、酸をゆっくりと加えることによって、中間段階で分子分散形態(共溶媒の存在が原因)へと形成され、最終クリーム基剤に加えた際に非常に微細な分散として再生され、それにより、最終クリーム中に微細かつ均質に分散したフシジン酸がもたらされる方法を開示する。これらの操作はすべて、不活性ガス、好ましくは窒素を用いて作り出した、大気中の酸素を含まない環境中で行う。本発明の方法を用いて作製されたクリームは、緩衝剤、保存料、酸、共溶媒、乳化剤およびワックス状物質、ならびに水、好ましくは精製水を含むクリーム基剤中で、in situでフシジン酸ナトリウムから形成されたフシジン酸をAPIとして含有する。
本発明の方法において開始APIとして用い得るフシジン酸ナトリウムは、細菌性の一次および二次感染症を処置する分野で周知である。
活性化合物フシジン酸ナトリウムは、その刺激が強いことが原因で、それ自体でヒト皮膚上に直接置くことができないため、化合物を使用する医薬組成物中で使用される基剤構成成分を必要とする。
基剤構成成分は、通常はバイオポリマー、一次および二次乳化剤、ワックス状物質、共溶媒、酸、保存料、精製水などを含有する。
本発明の方法を用いて作製されたクリームのクリーム基剤は、抗酸化剤、キレート化剤、および湿潤剤、または任意のその組合せを含む群から選択される成分を任意選択でさらに含む。
本発明は、フシジン酸ナトリウムを開始原材料として用いて生成された新規クリームを作成する方法を提供し、一般に市販のフシジン酸含有クリームよりも優れた高い治療上の有効性および化学的安定性のフシジン酸を含有するクリームを提供する。
本発明の方法を用いて作製されたフシジン酸クリームは、不活性ガスでパージして真空を適用する、完全に無酸素の環境中で製造され、不活性ガスは好ましくは窒素である。これらの条件下では、フシジン酸ナトリウムはin situでフシジン酸へと変換される。本発明のクリームは、細菌性皮膚感染症の処置に使用される。
従来技術の研究から、処方箋医薬品の分野における既存の局所的処置配合物のいくつかの乏しい側面が明らかである。従来技術では、以下を教示または示唆していない。
−局所的皮膚配合物は、主APIの治療結果が増強されるように、主APIの活性を超える皮膚の治癒または再生をもたらすことができる。
−生物活性ポリマー(いわゆるバイオポリマー)の添加は、的確なバイオポリマーが選択されていない場合は配合物の安定性が損なわれる可能性がある複雑なプロセスである。
−皮膚用医薬品クリームの単一用量様式において、クリームマトリックス中に機能的に生物活性のある賦形剤ポリマーを取り込ませることは、APIの機能的安定性が保持される一方でクリームマトリックスの物理的安定性に特異的な問題の解決を含む。
使用し得る適切な局所的抗細菌剤の例には、それだけには限定されないが、硫酸ネオマイシン、フシジン酸ナトリウム、ムピロシンカルシウム、ゲンタマイシン、スルファジアジン銀、シプロフロキサシン、硫酸フラミセチン、キニドクロル(Quinidochlor)、ポビドンヨード、シソマイシン、ニトロフラールなどが含まれる。
使用し得る適切なバイオポリマーの例には、それだけには限定されないがキトサンなどが含まれる。
キトサン
キトサンとは、ランダムに分布されたβ−(1−4)−で連結したD−グルコサミン(脱アセチル化された単位)およびN−アセチル−D−グルコサミン(アセチル化された単位)からなる直鎖状の多糖である。これは、農業および園芸、水処理、化学工業、製薬および生物医学においていくつかの商業的使用を有することが知られている。
その既知の特性には凝血の加速が含まれる。しかし、抗細菌剤または抗真菌剤などの製薬活性成分とのキトサンの挙動は扱いに注意が必要であることは、当業者に知られていない。
これは、膜形成(film forming)、粘膜接着および増粘の特性を有することが知られており、錠剤配合物において結合剤および崩壊剤として使用されている。
キトサンは、一般に大気/環境から水分を吸収し、吸収される量は初期水分含量、温度および環境の相対湿度に依存する。
これは、無毒性かつ非刺激性の物質としてみなされている。これは、健康および感染した皮膚のどちらにも生体適合性であり、エビ、イカおよびカニに由来するため、生分解性であることが示されている。
キトサンは、その独特な物理特性が原因で、創傷治癒および創傷修復を加速させる。これは酸性から中性の溶液中で正荷電かつ可溶性である。キトサンは生体接着性であり、粘膜などの負荷電の表面と容易に結合する。キトサンは、上皮表面を横切る極性薬物の輸送を増強させる。キトサンの特性により、それが血液を迅速に凝固させることが可能となり、帯具および他の止血剤における使用が米国で最近認可された。
キトサンは非アレルギー性であり、天然の抗細菌特性を有しており、その使用がさらに支援される。薄膜形成の生体材料としては、キトサンは、創傷の幅の減少を助け、部位での酸素透過性を制御し、創傷の分泌物を吸収し、組織酵素によって分解され、これらはより速い速度での治癒に非常に必要とされていることである。また、これは、鎮静効果をもたらすことによってそう痒も減少させる。また、これは保湿剤様にも作用する。また、これは、日常的な小さな切傷および創傷、火傷、ケロイド、糖尿病性潰瘍ならびに静脈潰瘍の処置にも有用である。本発明で使用されるキトサンは、1kdal〜5000kdalの範囲の様々な分子量である。
キトサンは、その機能的賦形剤の分類に関して米国薬局方のフォーラムで議論されている。キトサンは基本的にはポリマーであるため、分子量に応じて様々なグレードで入手可能である。キトサンの様々なグレードには、キトサン長鎖、キトサン中鎖およびキトサン短鎖が含まれる。長鎖、中鎖および短鎖のグレードは、キトサンの分子量に直接対応する。
一般に、長鎖グレードは500,000〜5,000,000Daの範囲の分子量を有し、中鎖グレードは1,00,000〜2,000,000Daの範囲の分子量を有し、短鎖グレードは50,000〜1,000,000Daの範囲の分子量を有する。
キトサンの分子量は配合物中で重要な役割を果たす。より高分子量のキトサンはより高い粘度を系に与え、より低分子量のキトサンはより低い粘度を系に与える。しかし、中鎖グレードのキトサンが最適レベルの粘度を配合物にもたらした。剤形はクリームであるため、皮膚上での良好な塗布性を達成するために適切なレベルの粘度が必要である。
本発明者らは、活性物質、すなわち開始活性物質としてのフシジン酸ナトリウムおよびキトサンの治療活性を損なわせずに、クリームに必要な流体学的特性が与えられたため、本発明のためにキトサン中鎖グレードを最終決定した。キトサン中鎖グレードの濃度は、有効性に関するいくつかのインハウス治験および前臨床動物研究に基づいて、注意深く結論を出した。
局所的抗細菌剤
局所的抗細菌剤は、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などによって引き起こされる細菌感染症について皮膚を標的とすることを意図する。
抗細菌剤は、細菌リボソームに結合し、mRNAリボソーム間の連結を妨害することで細胞壁合成を阻害することによって作用する。
別の仮説では、抗細菌剤はリボソームが誤ったアミノ酸を有するペプチド鎖を産生することを誘導し、これが最終的に細菌細胞を破壊すると考えられている。
フシジン酸ナトリウム
フシジン酸ナトリウムは、抗生物質として知られる医薬品群に属する。これは、原因の細菌を死滅させるまたは成長を停止させることによって、関節および骨の感染症などの細菌感染症を処置するために使用される。
フシジン酸ナトリウムの分子式はC31H47である。化学名は、3 ,11 ,16β−トリヒドロキシ29−ノル−8 ,9β,13 ,14β−ダンマラ−17(20)[10,21−シス],24−ジエン−21−酸16−アセテート、ナトリウム塩である。これは白色の結晶性粉末であり、1部の水に20℃で可溶性である。
薬理学および作用機構
フシジン酸ナトリウムは、アミノアシル−sRNAからリボソーム上のタンパク質へのアミノ酸転移を妨害することによって、細菌タンパク質合成を阻害する。フシジン酸ナトリウムは接種量次第で静菌性または殺菌性であり得る。
細菌細胞は、in vitroで抗生物質と接触させた後、ほぼ2分以内に分裂を停止するが、DNAおよびRNAの合成はそれぞれ、45分間および1〜2時間の間続く。フシジン酸ナトリウムは、グラム陰性細菌に対して事実上不活性である。グラム陰性およびグラム陽性生物に対する活性の相違は、細胞壁の透過性の相違が原因であると考えられている。
哺乳動物細胞は、感受性の細菌細胞よりも、フシジン酸ナトリウムによるタンパク質合成の阻害に対してはるかに感受性が低い。これらの相違は、主に細胞壁の透過性の相違が原因であると考えられている。
適応症:フシジン酸ナトリウムは、黄色ブドウ球菌の感受性株、ストレプトコッカス種およびシー・ミヌチシマムによって引き起こされる一次および二次の皮膚感染症の処置が適応症とされている。局所的なフシジン酸ナトリウムの処置に応答すると予測され得る一次皮膚感染症には、伝染性膿痂疹、紅色陰癬ならびに感染性創傷および感染性火傷などの二次皮膚感染症が含まれる。
局所的生成物のほとんどは、クリームまたは軟膏のどちらかとして配合される。クリームとは、皮膚上への塗布に使用される局所的調製物である。クリームは、API(原薬)がそれ中に取り込まれている、油および水の混合物である半固体の乳濁液である。これらは2つの種類、すなわち、連続的な水相中に分散された油の小液滴からなる水中油(O/W)クリーム、および連続的な油性相中に分散された水の小液滴からなる油中水(W/O)クリームに分類される。水中油クリームは使いやすく、したがって、脂っぽさがより少なく、水でより容易に洗浄されるために美容上許容される。軟膏とは、APIを含有する粘稠の半固体調製物であり、様々な身体表面上に局所的に使用される。軟膏のビヒクルは軟膏基剤として知られる。基剤の選択は軟膏の臨床的適応症に依存し、通常使用される様々な種類の軟膏基剤は、
・炭化水素基剤、たとえば、固形パラフィン、軟パラフィン
・吸収基剤、たとえば、羊毛脂、蜜蝋
である。
上記基剤はどちらも油性かつ脂っぽい性質であり、塗布および皮膚からの除去の困難性などの望ましくない効果をもたらす。さらに、これは衣服の染みももたらす。局所的生成物のほとんどは、その美容上の魅力のためにクリーム配合物として入手可能である。
pHの酸性スケールは1〜7であり、pHの塩基性スケールは7〜14である。ヒト皮膚のpH値は4.5〜6付近である。新生児の皮膚のpHは中性(pH7)に近いが、素早く酸性に変わる。酸度は細菌を死滅させるため、恐らく自然は幼い子供の皮膚を保護するためにこれを設計したのであろう。人が年を重ねるにつれて、皮膚はますます中性となり、以前ほど多くの細菌を死滅させなくなる。これが、皮膚が弱まり、問題が起こり始める理由である。人が皮膚の問題または皮膚疾患を有する場合は、pH値は6を超える。これは、若年成人の皮膚に近いpH値を有する局所的剤を選択する必要があることを示している。
アルカリ性のpHに向かうわずかなシフトが、微生物が繁栄するためのより良好な環境を提供する。局所的生成物のほとんどはクリームとして入手可能である。クリーム配合物中の活性化合物はイオン化された状態で利用可能である一方で、軟膏の場合、これらはイオン化されていない状態で存在する。一般に、クリーム配合物は美容上洗練されており、また、活性化合物がイオン化された状態で利用可能であり、薬物が皮膚層に素早く浸透でき、これにより配合物が完全に患者に使いやすいものとなるため、クリーム配合物は局所的剤形の設計および開発における配合者の第一選択肢である。
抗細菌剤である本発明のフシジン酸ナトリウムを有するキトサンクリームのpHは約3〜6である。他方で、市販の軟膏は、脂っぽく、美容上洗練されていない。さらに、軟膏中の活性化合物はイオン化されていない形態であるため、皮膚の浸透は遅い。
活性薬物が最適な生物皮膚学的有効性のために皮膚に浸透することは不可欠である。ここでは活性薬物の粒子径が重要な役割を果たす。生成物が高度に有効な形態であるためには、活性薬物がコロイド状または分子状の分散した状態で利用可能であることが必要である。また、これは皮膚の安全なpH適合性環境(4.0〜6.0)で達成されるべきである。これらのすべてを達成するために、薬物を溶解または分散させるために適切なビヒクルまたは共溶媒を選択することが不可欠である。本発明の生成物は、活性成分の顕著な抗細菌および創傷治癒活性が原因で有効性が高く、これらは超微小の大きさのコロイド状形態で利用可能であり、皮膚の浸透を増強させる。
フシジン酸ナトリウムから作製したフシジン酸およびキトサンを組み合わせる理論的根拠:
数々の局所的処置が、細菌感染症を処置するために現在用いられている。しかし、皮膚を保護し、表面出血、創傷および火傷を制御するための有効な単一用量療法は存在しない。この必要性を満たし、すべての国/地域にわたる分散した集団区分に手頃な値段の安全な治療をもたらすために、キトサンと、皮膚の若返り特性を有するバイオポリマーと、フシジン酸ナトリウムとの独特な組合せを用いた治療が、新規クリームとして提案される。
局所的フシジン酸ナトリウムは、その抗細菌特性が原因で、様々な病因学の一次および二次細菌性皮膚感染症において顕著な有効性を有する。任意の局所的抗細菌を用いた単独療法の欠点は、効果の開始が比較的遅いことであった。
フシジン酸ナトリウムおよびキトサンを配合物中で用いることによって、抗細菌剤およびキトサンのどちらの特性も最適化される。キトサンは、膜形成、生体適合性、非アレルギー性の物質であるため、これは障壁として作用することによって皮膚の保護を助ける。さらに、これは掻傷によって引き起こされる表面出血を制御し、また、その陽イオン電荷が原因で病原体の移動性も抑止する。
フシジン酸ナトリウムおよびキトサンの皮膚再生側面の特性は本発明で十分に活用されており、最大の治療上の利点が患者に提供され、したがってより素早い治癒が補助される。このことは、患者が細菌感染症を伴う皮膚創傷、火傷の処置から恩恵を受けることを確実にする。
キトサンを配合物中に含めることで、皮膚病の処置に非常に不可欠であるとみなされている多くの特質が解決される。キトサンとフシジン酸ナトリウムとの組合せは、世界中でどこでも販売されていないため独特かつ新規である。
組合せの概念は、in situでフシジン酸ナトリウムから作製されたフシジン酸と組み合わせて使用したキトサンの物理的、化学的および治療的特性を考慮することによって正当化される。
本発明の他の発明態様:
本発明の別の発明態様は、クリーム基剤中に機能的賦形剤を添加することが、単に添加するという簡単なプロセスではないことである。本発明者らは、キトサンなどの機能的賦形剤とクリーム中の他の薬剤との適合性が決定的な重要性を有することを見い出した。これは、不適合性が最終生成物の安定性を損なわせるからである。例として、本発明者らは、安定化剤として多様に使用されているキサンタンガムおよびカルボマーなどの周知の賦形剤が、キトサンなどの機能的バイオポリマーと組み合わせて使用できないことを見い出した。
局所的剤形の賦形剤には、ポリマー、界面活性剤、ワックス状物質、および乳化剤などが含まれる。ポリマーは、ゲル化剤、懸濁剤、粘度上昇剤、放出改質剤、希釈剤などとして使用される。界面活性剤は、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、放出増強剤などとして使用される。
一般に、ポリマーおよび界面活性剤は、イオン電荷を保有していても保有していなくてもよい。これらは、陰イオンもしくは陽イオン性または非イオン性の性質であり得る。陰イオン性賦形剤が配合物中に含められる場合、これらは陽イオン性配合賦形剤と相互作用して、美学上魅力的でない均質でない生成物を生じ、不適合性が原因で、所望しない副産物、場合によってはアレルゲン、不純物、毒性物質などを生じる。
投薬は病的状態の患者を処置するためのものであるため、生成物中のこれらの不適合性は許容することができず、これらは患者にさらなる合併症を追加する。
本発明者らは、配合物を開発するためにポリマーおよび界面活性剤を含めた賦形剤を注意深くスクリーニングした。賦形剤の短いリストをスクリーニングした後に徹底的な研究を行った。賦形剤間の可能性のある相互作用に大きな焦点を当て、詳細な実験を行った。
クリーム剤形中の陰イオン−陽イオンの相互作用に関する一部の実験を挙げると、本発明者らは、キサンタンガムおよびキトサン、アクリル酸ポリマーおよびキトサン、ラウリル硫酸ナトリウムおよびキトサン、ドクサートナトリウムおよびキトサン、ならびに、アラビアガムおよびキトサンを含有するフシジン酸ナトリウムのいくつかの配合物(表3〜7を参照)を作製した。結果により相互作用の発生が明確に示され、これは非常に明確に見られ、系全体中に塊として見られた。また、最終生成物は美学上魅力的でなく、均質性がなかった。添付の図1は、キトサンと不適切な陰イオン性賦形剤との間の相互作用を明白に説明している。観察および賦形剤に関する知識に基づいて、本発明者らは、相互作用の可能性がまったくない頑強な配合に到達した。
表3:キトサンおよびキサンタンガムが取り込まれたフシジン酸クリーム
Figure 0005205549
表4:キトサンおよびアクリル酸ポリマーが取り込まれたフシジン酸クリーム
Figure 0005205549
表5:キトサンおよびラウリル硫酸ナトリウムが取り込まれたフシジン酸クリーム
Figure 0005205549
表6:キトサンおよびドクサートナトリウムが取り込まれたフシジン酸クリーム
Figure 0005205549
表7:キトサンおよびアラビアガムが取り込まれたフシジン酸クリーム
Figure 0005205549
上記生成物(表3〜7)は、均質なクリームを形成せず、図1に例示する種類の非均質なクリームを生じる生成物の例である。とはいえ、これらの例中に記述した割合は、当業者が現在利用可能な知識に基づいて使用し得るものである。徹底的かつ大規模な試行錯誤の後にのみ、的確な種類および割合の賦形剤に到達することが可能となるであろう。
本発明者らが以前にも記述したように、治療において、フシジン酸は細菌感染症に対する緩和をもたらす。しかし、皮膚保護、部位での出血、1つの部位から別の部位への病原体の移動性などの側面は、in situでフシジン酸ナトリウムから作製されたフシジン酸が含まれる単一用量療法において現在までに取り組まれていない。
本発明は、その単一用量の応用において、キトサンを取り込み、皮膚保護(膜形成特性による)、止血(凝血特性による)および病原性微生物の不動化(その陽イオン性の静電的特性による)の必要な利点を活用することによって、欠陥を補完する。
バイオポリマーであるキトサンの形態の機能的賦形剤をクリームマトリックス中に取り込ませることによる、治療的価値の付加は、バイオポリマーの以下の機能的特質の統合的な部分集合である:
−皮膚表面上での薄膜の形成
−膜形成バイオポリマーを含有しないクリームよりも加速された凝血
−バイオポリマーの陽イオン電荷による表面微生物の静電的不動化
−重篤な感染症ならびに創傷および火傷によって引き起こされる皮膚損傷において特に役立つ、皮膚の上皮形成または再生の顕著な増強。
機能的バイオポリマーを処方箋皮膚用医薬品性生物中に取り込ませることによってカバーされるプラットフォーム技術の開発に関与する本発明の試みは、
−そのような取り込みがもたらす補完的な治療的価値の同定
−バイオポリマーの取り込みから生じる生成物の生理化学的な安定性に関連する問題の同定
−細菌感染症が同定されている場合における単一用量様式の提供
である。
単一用量処置の重要性、特に発展途上国における重要性は強調しきれない。南アジアまたはアフリカのほとんどの地域において、皮膚専門家はいうまでもなく一般医が利用できない場合に、単一用量配合物は、皮膚障害の根本的原因を排除すると同時に、皮膚を再生させる可能性も劇的に増加させる。
皮膚科学的な状態の間、現在利用可能な治療は皮膚の保護、出血の停止などの問題に対処しない。本発明の独特な革新的配合物は、部位での表面出血を制御すると共に皮膚状態を処置することによって、皮膚の状態を解決する。表面出血を処置しないままでいると、二次的な微生物感染症がもたらされることは十分に理解されている。本発明は、この満たされていない必要性に対する解決策を有利に提供する。
さらに、医療支援システムに対して高まり続ける圧力および付随するその不足/高価格により、世界中で、
・患者が処置のために待つ時間が長すぎること
・病院に到着した際に不必要に長時間滞在していること
・必要以上に頻繁に戻って来なければならないこと
などの場合における問題に取り組む緊急の必要性が存在する。
ほとんどの場合で、滞在時間の短縮が、対処すべき主要な根底的な問題である。本発明は、その単一用量療法において、重篤な皮膚障害の全体的な処置時間を顕著に短縮させる。
本発明の薬用クリームおよびその製造方法の詳細:
これらは、本発明の生成物およびその作製方法を説明する様々な実施形態の形態で提供する。
好ましい第1実施形態:抗細菌剤、フシジン酸ナトリウム、およびクリーム基剤中で提供されるバイオポリマーを含み、前記クリーム基剤が、保存料、一次および二次乳化剤、ワックス状物質、共溶媒、酸、ならびに水、好ましくは精製水のそれぞれのうちの少なくとも1つを含む、細菌性皮膚感染症の局所的処置および関連する創傷治癒のための薬用クリーム。
第1実施形態:緩衝剤、抗酸化剤、キレート化剤、湿潤剤、または任意のその組合せを含む群のうちの任意のものをさらに含む、好ましい第1実施形態に開示されている薬用クリーム。
第2実施形態:
−前記フシジン酸が、約0.1%(w/w)〜約25%(w/w)、好ましくは約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)、より好ましくは約2.00%(w/w)の量で存在し、in situで前記フシジン酸を形成するために使用される前記フシジン酸ナトリウムの量が、約0.1%(w/w)〜約25%(w/w)、好ましくは約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)、より好ましくは約2.08%(w/w)の範囲であり、
−前記バイオポリマーがキトサンの形態であり、約0.01%〜約1重量%、好ましくは約0.01%w/w〜約0.5%w/w、最も好ましくは約0.25%w/wの量で加えられ、
−前記一次および二次乳化剤が、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール−1000、ポリソルベート−80、Span−80などを含む群から選択され、約1%(w/w)〜20%(w/w)の量で加えられ、前記ワックス状物質が、白色軟パラフィン、流動パラフィン、固形パラフィンなど、または任意のその組合せを含む群から選択され、約5%(w/w)〜30%(w/w)の量で加えられ、前記共溶媒が、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール−400、ミリスチン酸イソプロピルなど、または任意のその組合せを含む群から選択され、約5%(w/w)〜50%(w/w)の量で加えられ、前記酸が、HCl、HSO、HNO、乳酸など、または任意のその組合せを含む群から選択され、約0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加えられ、前記保存料が、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロクレゾール、ソルビン酸カリウム、安息香酸など、または任意のその組合せを含む群から選択され、約0.05%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加えられ、前記水が、20%(w/w)〜75%(w/w)、好ましくは30%(w/w)〜50%(w/w)、より好ましくは35%(w/w)〜45%(w/w)の範囲の量で加えられ、好ましくは精製水である、
好ましい第1実施形態および第1実施形態に開示されている新規皮膚用医薬品クリーム。
第3実施形態:約0.001%(w/w)〜1.00%(w/w)の量で加えられる、オルトリン酸水素二ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウムなど、または任意のその組合せを含む群から選択される緩衝剤をさらに含む、好ましい第1実施形態および第2実施形態に開示されている新規薬用クリーム。
第4実施形態:約0.001%(w/w)〜1%(w/w)の量で加えられる、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなど、または任意のその組合せを含む群から選択される抗酸化剤をさらに含む、好ましい第1実施形態ならびに第2および3実施形態に開示されている新規薬用クリーム。
第5実施形態:約0.05%(w/w)〜1%(w/w)の量で加えられる、EDTA二ナトリウムなど、または任意のその組合せを含む群から選択されるキレート化剤をさらに含む、好ましい第1実施形態および第2〜4実施形態に開示されている新規薬用クリーム。
第6実施形態:約5%(w/w)〜50%(w/w)の量で加えられる、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールなど、または任意のその組合せを含む群から選択される湿潤剤をさらに含む、好ましい第1実施形態および第2〜5実施形態に開示されている新規薬用クリーム。
好ましい第2実施形態:本発明の好ましい実施形態は、フシジン酸ナトリウムを未加工のAPIとして使用し、それをクリーム基剤中、in situ、無酸素環境下でフシジン酸へと変換するステップを含む、フシジン酸を含有する皮膚用医薬品クリームを作製する方法を開示する。
第7実施形態:本発明の一実施形態では、好ましい第2実施形態のフシジン酸ナトリウムをin situでフシジン酸へと変換するステップが、
a.20%(w/w)〜75%(w/w)、好ましくは30%(w/w)〜50%(w/w)、より好ましくは35%(w/w)〜45%(w/w)の範囲の精製水を、水相容器中で70℃〜80℃まで加熱するステップと、
b.前記水相容器に、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロクレゾール、ソルビン酸カリウム、安息香酸などを含む群から選択される保存料を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、より好ましくは安息香酸を、0.05%(w/w)〜0.5%(w/w)、好ましくは0.3%(w/w)、より好ましくは0.2%(w/w)の量で加えるステップと、
c.混合物を、撹拌器を用いて、10〜50RPMで、混合物の温度を70℃〜80℃に維持したままで混合するステップと、
d.白色軟パラフィン、流動パラフィン、固形パラフィンなどを含む群から選択されるワックス状物質を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、5%(w/w)〜20%(w/w)、好ましくは15%(w/w)、より好ましくは12.5%(w/w)の量で、油相容器に加え、70℃〜80℃まで加熱することによって前記ワックスを溶かすステップと、
e.前記油相容器に、好ましくはセトステアリルアルコール、セトマクロゴール−1000を含む群から選択される非イオン性界面活性剤の形態の一次乳化剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくはセトステアリルアルコールを、1%(w/w)〜15%(w/w)、好ましくは15%(w/w)、より好ましくは12.5%(w/w)の量で加え、任意選択で、ポリソルベート−80、Span−80などを含む群から選択される二次乳化剤、好ましくはポリソルベート−80を、1〜5%w/w、より好ましくは2%w/wの量で加え、混合物を、好ましくは撹拌器を用いて、10〜50RPMで、混合物の温度を70℃〜80℃に維持したままで十分に混合するステップと、
f.真空下、マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの範囲、70℃〜80℃で、水相および油相容器の内容物を混合容器に移し、混合物を、好ましくは撹拌器を用いて、10〜50RPMで十分に混合して乳濁液を形成させるステップと、
g.前記乳濁液を、好ましくは、冷却塔からの好ましくは8℃〜15℃の冷水を混合容器のジャケット中に循環させることによって、45℃まで冷却するステップと、
h.API容器中に、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール−400などを含む群から選択される共溶媒を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくはプロピレングリコールを、5%(w/w)〜40%(w/w)、好ましくは30%(w/w)、より好ましくは25%(w/w)の量で加え、前記API容器の内容物を、好ましくは窒素である不活性ガスのフラッシングに供し、フシジン酸ナトリウムを、0.1%(w/w)〜約25%(w/w)、好ましくは約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)、より好ましくは約2.08%(w/w)の量で混合物に加え、前記フシジン酸ナトリウムを混合物中で溶かすステップと、
i.HCl、H2So4、HNO3、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくは硝酸を、約0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)、好ましくは0.3%(w/w)、より好ましくは0.25%(w/w)の量で使用することによって、ステップhのAPI容器中の混合物のpHを2未満に調整するステップと、
j.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップiのAPI容器の内容物をステップgの混合容器に移し、混合物を1000〜3000RPMで、好ましくは窒素である不活性ガスのフラッシング下で、かつマイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下でホモジナイズするステップと、
k.別の容器中で、HCl、H2So4、HNO3、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくは乳酸を、約0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)、好ましくは0.3%(w/w)、より好ましくは0.1%(w/w)の量で加え、精製水を約0.1%(w/w)〜10%(w/w)、好ましくは8%(w/w)、より好ましくは5%(w/w)で加えて混合物を形成させ、前記バイオポリマーであるキトサンを約0.01%〜約1重量%、好ましくは約0.01%w/w〜約0.5%w/w、最も好ましくは約0.25%w/wの量で溶かすステップと、
l.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップkのバイオポリマー混合物の内容物をステップgの混合容器に移し、混合物を1000〜3000RPMで、好ましくは窒素である不活性ガスのフラッシング下で、かつマイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下でホモジナイズするステップと、
m.冷却塔からの8℃〜15℃の冷却した水の、混合容器のジャケット内への循環を用いて、混合容器の内容物を30℃〜37℃まで冷却するステップと、
n.撹拌器およびホモジナイザーを止め、ステップmの混合容器の混合物を貯蔵容器に取り出すステップと
を含む、組成物を作製する方法を開示する。
第8実施形態:本発明の一実施形態では、上記第7実施形態のステップhの共溶媒は、湿潤剤としても役割を果たす。しかし、本発明の別の実施形態では、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールなどを含む群から選択される追加の湿潤剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、約5%(w/w)〜40%(w/w)、好ましくは30%(w/w)、より好ましくは25%(w/w)を形成するように加えてもよい。
第9実施形態:本発明の別の実施形態では、第8実施形態に記載の方法には、EDTA二ナトリウムなどを含む群から選択されるキレート化剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、約0.01%(w/w)〜1%(w/w)、好ましくは0.5%(w/w)、より好ましくは0.1%(w/w)を形成するように加えられることが、さらに組み込まれている。
第10実施形態:本発明のさらに別の実施形態では、第8および9実施形態に記載の方法には、オルトリン酸水素二ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウムなどを含む群から選択される緩衝剤が、約0.001%(w/w)〜1.00%(w/w)、好ましくは0.05%(w/w)、より好ましくは0.5%(w/w)でさらに組み込まれている。
第11実施形態:本発明のさらなる実施形態では、第8〜10実施形態に記載の方法には、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含む群から選択される抗酸化剤が、約0.001%(w/w)〜5%(w/w)、好ましくは0.1%(w/w)、より好ましくは0.01%(w/w)でさらに組み込まれている。
第12実施形態:
a.20%(w/w)〜75%(w/w)、好ましくは30%(w/w)〜50%(w/w)、より好ましくは35%(w/w)〜45%(w/w)の範囲の精製水を、水相容器中で70℃〜80℃まで加熱するステップと、
b.前記水相容器に、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロクレゾール、ソルビン酸カリウム、安息香酸などを含む群から選択される保存料を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、より好ましくは安息香酸を、0.05%(w/w)〜0.5%(w/w)、好ましくは0.3%(w/w)、より好ましくは0.2%(w/w)の量で加えるステップと、
c.ステップbの前記水相容器に、EDTA二ナトリウムなどを含む群から選択されるキレート化剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、0.01%(w/w)〜1%(w/w)、好ましくは0.5%(w/w)、より好ましくは0.1%(w/w)の量で加えるステップと、
d.ステップcの前記水相容器に、オルトリン酸水素二ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウムなどを含む群から選択される緩衝剤を、0.001%(w/w)〜1.00%(w/w)、好ましくは0.05%(w/w)、より好ましくは0.5%(w/w)の量で加えるステップと、
e.ステップdの混合物を、撹拌器を用いて、10〜50RPMで、混合物の温度を70℃〜80℃に維持したままで混合するステップと、
f.白色軟パラフィン、流動パラフィン、固形パラフィンなどを含む群から選択されるワックス状物質を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、5%(w/w)〜20%(w/w)、好ましくは15%(w/w)、より好ましくは12.5%(w/w)の量で、油相容器に加え、70℃〜80℃まで加熱することによって前記ワックスを溶かすステップと、
g.ステップfの前記油相容器に、好ましくはセトステアリルアルコール、セトマクロゴール−1000を含む群から選択される非イオン性界面活性剤の形態の一次乳化剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくはセトステアリルアルコールを、1%(w/w)〜15%(w/w)、好ましくは15%(w/w)、より好ましくは12.5%(w/w)の量で加え、任意選択で、ポリソルベート−80、Span−80などを含む群から選択される二次乳化剤、好ましくはポリソルベート−80を、好ましくは1%(w/w)〜5%w/w、より好ましくは2%w/wの量で加え、混合物を、好ましくは撹拌器を用いて、10〜50RPMで、混合物の温度を75℃+/−5℃に維持したままで十分に混合するステップと、
h.真空下、マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの範囲、75℃+/−5℃で、水相および油相容器の内容物を混合容器に移し、混合物を、好ましくは撹拌器を用いて、10〜50RPMで十分に混合して乳濁液を形成させるステップと、
i.前記乳濁液を、好ましくは、冷却塔からの好ましくは8℃〜15℃の冷水を混合容器のジャケット中に循環させることによって、45℃まで冷却するステップと、
j.API容器中に、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール−400などを含む群から選択される共溶媒を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくはプロピレングリコールを、5%(w/w)〜40%(w/w)、好ましくは30%(w/w)、より好ましくは25%(w/w)の量で加え、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含む群から選択される抗酸化剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくはブチル化ヒドロキシトルエンを、0.001%(w/w)〜5%(w/w)、好ましくは0.1%(w/w)、より好ましくは0.01%(w/w)の量で、前記グリコール中で連続的に混合することによって溶かすステップと、
k.前記API容器の内容物を、好ましくは窒素である不活性ガスのフラッシングに供し、フシジン酸ナトリウムを、0.1%(w/w)〜約25%(w/w)、好ましくは約0.5%(w/w)〜約5%(w/w)、より好ましくは約2.08%(w/w)の量で混合物に加え、前記フシジン酸ナトリウムを混合物中で溶かすステップと、
l.HCl、H2So4、HNO3、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくは硝酸を、0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)、好ましくは0.3%(w/w)、より好ましくは0.25%(w/w)の量で使用することによって、ステップkのAPI容器中の混合物のpHを2未満に調整するステップと、
m.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップlのAPI容器の内容物をステップiの混合容器に移し、混合物を1000〜3000RPMで、好ましくは窒素である不活性ガスのフラッシング下で、かつマイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下でホモジナイズするステップと、
n.別の容器中で、HCl、H2So4、HNO3、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、好ましくは乳酸を、約0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)、好ましくは0.3%(w/w)、より好ましくは0.1%(w/w)を形成させるように加えて、精製水を約0.1%(w/w)〜10%(w/w)、好ましくは8%(w/w)、より好ましくは5%(w/w)で加えて混合物を形成させ、前記バイオポリマーであるキトサンを約0.01%〜約1重量%、好ましくは約0.01%w/w〜約0.5%w/w、最も好ましくは約0.25%w/wの量で溶かすステップと、
o.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップnのバイオポリマー混合物の内容物をステップiの混合容器に移し、混合物を1000〜3000RPMで、好ましくは窒素である不活性ガスのフラッシング下で、かつマイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下でホモジナイズするステップと、
p.冷却塔からの8℃〜15℃の冷却した水の、混合容器のジャケット内への循環を用いて、ステップoの混合容器の内容物を30℃〜37℃まで冷却するステップと、
q.撹拌器およびホモジナイザーを止め、ステップnの前記混合容器の混合物を貯蔵容器に取り出すステップと
を含む、好ましい実施形態に従って組成物を作製するさらに別の方法が開示されている。
ステップjの共溶媒は湿潤剤としても役割を果たす。しかし、本発明の一実施形態では、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールなどを含む群から選択される追加の湿潤剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、約5%(w/w)〜40%(w/w)、好ましくは30%(w/w)、より好ましくは25%(w/w)を形成させるように加えてもよい。
本発明の方法を用いて得られたクリームは、均質かつ色が白色からオフホワイト色であり、稠度が粘稠である。本発明の方法を用いて作製された生成物のpHは約3〜6である。他方で、市販のフシジン酸ナトリウム軟膏は脂っぽく、美容上洗練されていない。
活性薬物が最適な生物皮膚学的有効性のために皮膚に浸透することは不可欠である。ここでは活性薬物の粒子径が重要な役割を果たす。生成物が有効であるためには、活性薬物が微細に分散した形態で利用可能であることが必要である。また、これは皮膚の安全なpH適合性環境(4.0〜6.0)で達成されるべきである。これらのすべてを達成するために、薬物を溶解または分散させるために適したビヒクルまたは共溶媒を選択することが不可欠である。
本発明の方法を用いて作製されたクリームおよび一部の市販の製品の試料(試料A、C、D、F、G、およびK)で粒子径分析を実施した。最大および最小の粒子径、平均粒子径および標準偏差ならびに変動係数を評価した。
表8:粒子径分析
Figure 0005205549
表8に示した粒子径分布の分析の結果は、本発明の生成物中に、慣用の生成物よりも有意にはるかに小さい大きさである微細な粒子径のフシジン酸が存在することを明らかに示している。このことは、本発明の生成物が、フシジン酸ナトリウムから微細に分散した形態のフシジン酸へのin situ変換を用いたフシジン酸ナトリウムを用いて作製されることに起因している。すべての測定したパラメータが、市販のフシジン酸含有クリームで判明したものよりも良好である。これは、市販の製品を超える本明細書中に開示した生成物の別の明らかな利点である。
本発明の生成物は、慣用の生成物よりも小さな粒子径かつ微細な分散形態で利用可能な再生フシジン酸の明白な抗細菌活性により、有効である。
本発明者は、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール−400などの様々な共溶媒をスクリーニングし、フシジン酸ナトリウムを、約5%(w/w)〜40%(w/w)と変動する上記共溶媒のうちの1つに、不活性ガスパージング下および真空下で溶かし、HCl、HSO、HNO、乳酸などの酸を約0.005%(w/w)〜約0.5%(w/w)、撹拌下で加えることによってin situでフシジン酸へと変換し、フシジン酸をより安定化された溶液形態で得て、これにより、クリーム基剤中の本発明者らの最終生成物が、皮膚に容易に浸透し、有効性が高く、また、約3.0〜約6.0のpHを有することによって皮膚適合性が高いものとなる。
生成物の安定性は、ICH指針に従って6カ月間行った安定性研究およびインハウスの生成物で行ったストレス研究と市販の匹敵する製品の使用のそれとの比較によって確認される。
実験データ:
本発明の生成物および現在市販されている製品を用いてAPI−安定性実験を実施した(表10〜15を参照)。生成物の物理的外見、pH値およびAPIのアッセイを一定期間にわたって観察する(または必要に応じて測定する)ための試験を実施した。また、生成物をオートクレーブ試験および酸化分解試験などのストレス研究に供することによって安定性を評価するための試験も実施した。さらに、in vitroの抗微生物阻害帯の研究ならびに凝血研究および火傷創傷治癒研究などの前臨床研究も、一定期間にわたって実施した。試験に使用した本発明の生成物の各グラム中に、完成した生成物中に約2%(w/w)のフシジン酸を生じさせるために必要な量の開始原材料としてのフシジン酸ナトリウムが含有されていた。
安定性研究、オートクレーブおよび酸化分解の試験に使用した生成物は、約10%の過剰のAPI(過量)を含有していた。研究に使用した本発明の生成物は、フシジン酸ナトリウムを出発物質として使用して調製されたフシジン酸クリームを含有していた。これをアルミニウム製押出しチューブ中にパッケージし、生成物の各グラム中に、20mgのフシジン酸(BPに適合)に相当する20.8mgのフシジン酸ナトリウム(BPに適合)を含有していた。市販の匹敵する製品(フシジン酸クリーム)の分析の詳細を、必要に応じて表14および15に提供する。
表10〜12から、pH値、物理的外見、および安定性のすべての点で、本発明の生成物が非常に良好であることが明らかである。表13は、市販のフシジン酸のクリームから採取して分析に使用した試料A〜Iの基準日を提供する。
本発明を、組成および安定性研究のデータを含有する添付の実施例を参照してさらに解明するが、これらは、いかなる様式でも本発明を限定することを意図しない。最終クリームの組成を以下の表9に示す。
表9−フシジン酸(フシジン酸ナトリウム2.08%w/wに等価)+キトサン0.25%(w/w)のクリーム
Figure 0005205549
生成物:フシジン酸ナトリウムクリーム
パック:アルミニウム製押出しチューブ
組成:各gについて:フシジン酸BP2%に等価のフシジン酸ナトリウムBP
表10:説明試験、バッチ番号SCC−41
測定したパラメータ:物理的外見
測定したパラメータの最良値:均質な白色からオフホワイト色の粘稠クリーム、測定方法:裸眼による観察
Figure 0005205549
表11:pH試験、バッチ番号SCC−41
測定したパラメータ:pH、測定したパラメータの限界:3〜6
測定方法:デジタルpHメーター
Figure 0005205549
表12:アッセイ(%)試験、バッチ番号SCC−41
測定したパラメータ:アッセイ(%)、測定したパラメータの限界:90〜110
測定方法:HPLC方法
Figure 0005205549
表13
Figure 0005205549
表14:オートクレーブ分析(%)試験
測定したパラメータ:アッセイ(%)
測定したパラメータの限界:90〜110%
測定方法:HPLC方法
Figure 0005205549
表15:酸化分解分析(%)試験、
測定したパラメータ:アッセイ(%)
測定したパラメータの限界:NA
測定方法:HPLC方法
Figure 0005205549
表14からの推論:オートクレーブ分析(121℃を15分間適用)のアッセイ結果により、フシジン酸クリームの市販の試料(通し番号2〜10)が、API含有率について本発明の生成物(通し番号1)よりも高い降下のパーセンテージを示すことが示される。
表15からの推論:酸化分解分析(12時間の期間にわたる30%の過酸化水素溶液)の上記アッセイ結果により、フシジン酸クリームの様々な市販の試料(通し番号2〜10)が、本発明の生成物(通し番号1)よりも顕著に高いAPI分解(API含有率降下のパーセンテージによって示される)を示すことが示される。
上記データから、本発明の生成物が、周囲条件および高温多湿の貯蔵条件で非常に安定していることが明らかである。また、オートクレーブ研究および酸化分解研究により生成物の安定性がさらに確認される。これは、現在入手可能なフシジン酸クリームを超える大きな利点である。生成物の安定性は、Nova−LIMSソフトウェアを用いた分解のアレニウスプロットを使用した、配合物の保存可能期間の予測によってさらに確認される。
生成物の抗微生物/抗細菌活性は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcusaureus)に対する生成物のin vitro抗微生物阻害帯の研究によって確認される。研究の詳細を以下の表16に詳述する。
Figure 0005205549
上記データから、生成物が、一次および二次の細菌感染症を処置するために十分な抗微生物/抗細菌活性を有することは明らかである。
表9を表3〜7と比較することで、慣用の薬物設計と本発明で採用した革新的な手法とに基づく生成物の相違が例示される。
クリームの塗布方法:
クリームは、患部を徹底的に洗浄および乾燥させた後に塗布される。患部皮膚および周辺領域が覆われるように十分なクリームが塗布されるべきである。クリームは、症状が改善した可能性がある場合でも、処置期間全体にわたって、皮膚の状態に応じて1日に2〜4回塗布されるべきである。
実験:
クリームを用いた実験を、実験室において、および切除創傷を与えた適切な動物モデルを用いて実施した。4つの側面、すなわち、創傷の縮小、上皮形成、血液凝固時間、および膜形成を試験した。これらの側面は、一緒になって、微生物が不動化され、したがって有効な創傷治癒がもたらされることを示唆する。
A.創傷の縮小:
本発明のクリームの切除創傷の治癒活性は、動物試験によって決定した。皮膚の全層を切り取ることによって直径2.5cmの切除創傷を与えた。一定期間にわたって観察された創傷の縮小の量により、本発明のクリームが、慣用のクリームの塗布によって達成されるよりも顕著に改善された創傷の縮小をもたらすことが示された。
B.上皮形成の期間:
創傷の上皮形成は、慣用のクリームを用いて上皮形成にかかった日数と比較して、本発明のクリームを用いて少ない日数で起こった。したがって、本発明のクリームの一利点は、慣用のクリームを使用するよりも速い皮膚の上皮形成を促進することである。
C.凝血:
血液凝固時間を、非処置の対照および本発明の生成物で処置した動物の試験群の、どちらの動物群でも観察した。対照群の動物と比較して、処置した群の動物において統計的に有意な血液凝固時間の短縮が観察された。本発明の生成物を用いて、血液凝固時間の35〜45%の平均%の短縮が観察された。
膜形成特性:
図1から、キトサンは、本発明中でクリーム調製物に使用する賦形剤の存在下でその膜形成特性を失わないことが明らかである。
結果および考察:
キトサンの特性は、本発明で使用する賦形剤を含有する配合物中で使用した場合に、いかなる様式でも損なわれないことが明らかである。これは、賦形剤を注意深く選択することによって達成された。たとえば、本発明者らの実験により、キサンタンガムまたはカルボマーなどの幅広く使用されている賦形剤は、陽イオン性、陰イオン性の相互作用が原因で、キトサンと組み合わせると沈殿することが示される。
易感染の皮膚状態の治療的治癒の様々な態様を考慮することによって、キトサンをフシジン酸ナトリウム抗細菌剤に加えることの、動物試験から観察される治療的影響を以下の表に示す。
Figure 0005205549
表18:本発明の創傷治癒特性
Figure 0005205549
創傷治癒研究を、本発明のクリームを使用して動物で実施した。結果を表18に組み込む。
クリーム中に取り込まれたキトサンの膜形成能力によって、感染領域に対する抗細菌剤、フシジン酸ナトリウムの接近可能性がより良好となり、これらのAPIのより良好な機能がもたらされることが明らかである。
局所的施用された本発明のクリームの治療上の有効性は、皮膚感染症の原因となっている生物に対するフシジン酸ナトリウムの顕著な抗細菌活性、無傷の皮膚に浸透する活性物質の独特な能力、ならびにキトサンの創傷治癒および鎮静特性によるものである。
さらに、表18から、統計的に有意なレベルの上皮形成および創傷の縮小を達成する本発明のクリームの能力が、現在利用可能な治療よりも驚くべきことに高いことが明らかである。
前述の記述から、本発明が、細菌感染症および皮膚の創傷治癒のための現在入手可能な皮膚用医薬品組成物を超える、以下の利点および独特な態様を提供することが明らかである。
1.本発明のクリームは皮膚に優しいキトサンの形態のバイオポリマーを取り込んでおり、増強された治療結果をもたらす。これは、短縮された血液凝固時間、増加した上皮効果、ならびに感染症や炎症からのより速い緩和および創傷の縮小から明らかである。
2.本発明のクリームは、クリームマトリックスの安定性を損なわせずに、かつ既知の原薬の機能に有害な影響を与えずに、バイオポリマーを取り込んでいる。これは、生理化学的な適合性/安定性および生体放出の望ましくない側面を回避するために、機能的賦形剤を注意深く選択することによって達成された。
3.本発明のクリームは、これまで処方箋皮膚用医薬品配合物で利用可能でなかった統合的な単一用量または単一用量療法を提供する。
4.本発明の新規クリームは、周囲条件で十分に安定/有効であり、輸送/貯蔵中に特別な温度制御を必要とせず、したがって、これらの社会的目的を達成するために大きな役割を果たす。
本発明の別の実施形態によれば、ヒト皮膚を上述の組成物と接触させることを含む、細菌性皮膚感染症を処置する方法および創傷治癒の方法も提供する。
上記説明は多くの特異性を含有するが、これらは本発明の範囲の限定ではなく、むしろその好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱せずに、上記で与えた開示に基づいて改変および変形が可能であることを理解されたい。したがって、本発明の範囲は、例示した実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲およびその合法的な均等物によって決定されるべきである。

Claims (18)

  1. 細菌感染症の局所的処置および創傷治癒のための薬用クリームであって、前記クリームはフシジン酸および、キトサンを含むバイオポリマーを含み、前記フシジン酸が、前記薬用クリームの作製工程中に、無酸素環境下でフシジン酸ナトリウムを用いて作製され、
    前記クリームが、前記薬用クリームの作製工程中に、フシジン酸ナトリウムの変換によって作製されたフシジン酸、および、クリーム基剤中で提供されるバイオポリマーを含み、
    前記クリーム基剤が、一次および二次乳化剤、ワックス状物質、共溶媒、酸、ならびに水のそれぞれのうちの少なくとも1つを含有する、クリーム。
  2. 請求項1に記載の薬用クリームであって、前記クリーム基剤が、水とともに、保存料、酸、共溶媒、乳化剤およびワックス状物質を含む、クリーム。
  3. 請求項1に記載の薬用クリームであって、
    −前記フシジン酸が0.1%(w/w)〜25%(w/w)の量で存在し、前記薬用クリームの作製工程中に前記フシジン酸を形成させるために使用される前記フシジン酸ナトリウムの量が、0.1%(w/w)〜25%(w/w)の範囲であり、
    −前記バイオポリマーがキトサンの形態であり、0.01%(w/w)〜1%(w/w)の量で加えられ、
    −前記一次および二次乳化剤が、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール−1000、ポリソルベート−80、Span−80などを含む群から選択され、かつ、1%(w/w)〜20%(w/w)の量で加えられ、前記ワックス状物質が、白色軟パラフィン、流動パラフィン、固形パラフィンなど、または任意のそれらの組合せを含む群から選択され、かつ、5%(w/w)〜30%(w/w)の量で加えられ、前記共溶媒が、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール−400、ミリスチン酸イソプロピルなど、または任意のそれらの組合せを含む群から選択され、かつ、5%(w/w)〜50%(w/w)の量で加えられ、前記酸が、HCl、HSO、HNO、乳酸など、または任意のそれらの組合せを含む群から選択され、かつ、0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加えられ、前記保存料が、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロクレゾール、ソルビン酸カリウム、安息香酸など、または任意のそれらの組合せを含む群から選択され、かつ、0.05%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加えられ、前記水が20%(w/w)〜75%(w/w)の範囲の量で加えられる
    クリーム。
  4. 請求項3に記載の薬用クリームであって、
    前記フシジン酸が2.00%(w/w)の量で存在し、前記フシジン酸を形成させるために使用される前記フシジン酸ナトリウムの量が2.08%(w/w)であり、前記バイオポリマーが0.25%w/wの量で加えられ、および、前記水が35%(w/w)〜45%(w/w)の範囲の量で加えられる、
    クリーム。
  5. オルトリン酸水素二ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウムなど、または任意のそれらの組合せを含む群から選択される緩衝剤であって、0.001%(w/w)〜1.00%(w/w)の量で加えられる緩衝剤をさらに含む、請求項1および4のいずれかに記載の薬用クリーム。
  6. ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなど、または任意のそれらの組合せを含む群から選択される抗酸化剤であって、0.001%(w/w)〜1%(w/w)の量で加えられる抗酸化剤をさらに含む、請求項1およびから5のいずれかに記載の薬用クリーム。
  7. EDTA二ナトリウムなど、または任意のそれらの組合せを含む群から選択されるキレート化剤であって、0.05%(w/w)〜1%(w/w)の量で加えられるキレート化剤をさらに含む、請求項1および3からのいずれかに記載の薬用クリーム。
  8. グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールなど、または任意のそれらの組合せを含む群から選択される湿潤剤であって、5%(w/w)〜50%(w/w)の量で加えられる湿潤剤をさらに含む、請求項1および3からのいずれかに記載の薬用クリーム。
  9. フシジン酸ナトリウムを原薬の原料として使用し、前記フシジン酸ナトリウムをクリーム基剤中の無酸素環境下、フシジン酸クリームの作製工程中に、フシジン酸へと変換するステップを含む、キトサンを含む、フシジン酸クリームを作製する方法。
  10. 請求項に記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    フシジン酸ナトリウムを原薬の原料として使用し、前記フシジン酸ナトリウムをクリーム基剤中の無酸素環境下、フシジン酸クリームの作製工程中に、フシジン酸へと変換する前記ステップが、
    a.20%(w/w)〜75%(w/w)の範囲の精製水を、水相容器中で70℃〜80℃まで加熱するステップと、
    b.前記水相容器に、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロクレゾール、ソルビン酸カリウム、安息香酸などを含む群から選択される保存料を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.05%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加えるステップと、
    c.混合物を、撹拌器を用いて、10〜50RPMで、混合物の温度を70℃〜80℃に維持したままで混合するステップと、
    d.白色軟パラフィン、流動パラフィン、固形パラフィンなどを含む群から選択されるワックス状物質を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、5%(w/w)〜20%(w/w)の量で、油相容器に加え、70℃〜80℃まで加熱することによって前記ワックスを溶かすステップと、
    e.前記油相容器に、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール−1000を含む群から選択される一次乳化剤を、単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、1%(w/w)〜15%(w/w)の量で加え、場合により、ポリソルベート−80、Span−80などを含む群から選択される二次乳化剤を1〜5%
    w/wの量で加え、混合物を、10〜50RPMで、混合物の温度を70℃〜80℃に維持したままで十分に混合するステップと、
    f.マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの範囲の真空下、かつ、70℃〜80℃で、水相および油相容器の内容物を混合容器に移し、混合物を、10〜50RPMで十分に混合して乳濁液を形成させるステップと、
    g.前記混合容器中の前記乳濁液を45℃まで冷却するステップと、
    h.原薬(API容器中に、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール−400などを含む群から選択される共溶媒を、単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、5%(w/w)〜40%(w/w)の量で加え、前記原薬(API容器の内容物を、不活性ガスのフラッシングに供し、フシジン酸ナトリウムを0.1%(w/w)〜25%(w/w)の量で加え、前記フシジン酸ナトリウムを混合物中で溶かすステップと、
    i.HCl、HSO、HNO、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で使用することによって、ステップhの原薬(API容器中の混合物のpHを2未満に調整するステップと、
    j.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップiの原薬(API容器の内容物をステップgの混合容器に移し、混合物を、1000〜3000RPMで、不活性ガスのフラッシング下、かつ、マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下でホモジナイズするステップと
    k.別の容器中で、HCl、HSO、HNO、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加え、精製水を0.1%(w/w)〜10%(w/w)の量で加えて混合物を形成させ、バイオポリマーである前記キトサンを0.01%
    w/w〜1% w/wの量で溶かすステップと、
    l.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップkのバイオポリマー混合物の内容物をステップgの混合容器に移し、混合物を1000〜3000RPMで、不活性ガスのフラッシング下、かつ、マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下でホモジナイズするステップと
    m.冷却塔からの8℃〜15℃の冷却した水の、混合容器のジャケット内への循環を用いて、ステップjの混合容器の内容物を30℃〜37℃まで冷却するステップと、
    n.撹拌器およびホモジナイザーを止め、ステップmの混合容器の混合物を貯蔵容器に取り出すステップと
    を含む、方法。
  11. 請求項10に記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    前記ステップaにおける前記精製水が35%(w/w)〜45%(w/w)の範囲の量であり、
    前記ステップbにおける前記保存料を0.2%(w/w)の量で加え、
    前記ステップdにおける前記ワックス状物質を12.5%(w/w)の量で加え、
    前記ステップeにおいて、前記一次乳化剤を12.5%(w/w)の量で加え、かつ、場合により、前記二次乳化剤を2%
    w/wの量で加え、
    前記ステップhにおいて、前記共溶媒を25%(w/w)の量で加え、かつ、前記フシジン酸ナトリウムを2.08%(w/w)の量で加え、
    前記ステップiにおける前記酸を0.25%(w/w)の量で使用し、および
    前記ステップkにおいて、前記酸を0.1%(w/w)の量で加え、前記精製水を5%(w/w)の量で加え、バイオポリマーである前記キトサンを0.25%
    w/wの量で溶かす、方法
  12. 請求項10または11に記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    さらに、湿潤剤が前記ステップaの混合容器に加えられ、前記湿潤剤は、5%(w/w)〜40%(w/w)を形成するように、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールなどを含む群から、単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、選択される、方法。
  13. 請求項10から12のいずれかに記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    さらに、キレート化剤が、前記ステップaに加えられ、前記キレート化剤が、0.01%(w/w)〜1%(w/w)を形成するように、EDTA二ナトリウムなどを含む群から、単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、選択される、方法。
  14. 請求項10から13のいずれかに記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    さらに、緩衝剤が前記ステップaに加えられ、前記緩衝剤が、オルトリン酸水素二ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウムなどを含む群から選択され、0.001%(w/w)〜1.00%(w/w)である、方法。
  15. 請求項10から1のいずれかに記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    さらに、抗酸化剤が前記ステップhに加えられ、前記抗酸化剤が、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含む群から選択され、0.001%(w/w)〜5%(w/w)である、方法。
  16. 請求項15に記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    前記湿潤剤は25%(w/w)を形成し、
    前記キレート化剤は0.1%(w/w)を形成し、
    前記緩衝剤は0.5%(w/w)であり、および
    前記抗酸化剤は0.01%(w/w)である、方法。
  17. 請求項に記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    フシジン酸ナトリウムを原薬の原料として使用し、前記フシジン酸ナトリウムをクリーム基剤中の無酸素環境下、フシジン酸クリームの作製工程中に、フシジン酸に変換する前記ステップが、
    a.20%(w/w)〜75%(w/w)の範囲の精製水を、水相容器中で70℃〜80℃まで加熱するステップと、
    b.前記水相容器に、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロクレゾール、ソルビン酸カリウム、安息香酸などを含む群から選択される保存料を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.05%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加えるステップと、
    c.ステップbの前記水相容器に、EDTA二ナトリウムなどを含む群から選択されるキレート化剤を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.01%(w/w)〜1%(w/w)の量で加えるステップと、
    d.ステップcの前記水相容器に、オルトリン酸水素二ナトリウム、オルトリン酸水素ナトリウムなどを含む群から選択される緩衝剤を、0.001%(w/w)〜1.00%(w/w)の量で加えるステップと、
    e.ステップdの混合物を、撹拌器を用いて、10〜50RPMで、混合物の温度を70℃〜80℃に維持したままで混合するステップと、
    f.白色軟パラフィン、流動パラフィン、固形パラフィンなどを含む群から選択されるワックス状物質を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、5%(w/w)〜20%(w/w)の量で、油相容器に加え、70℃〜80℃まで加熱することによって前記ワックスを溶かすステップと、
    g.ステップfの前記油相容器に、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール−1000を含む群から選択される一次乳化剤を単独でまたは任意のその組合せのいずれかで、1%(w/w)〜15%(w/w)の量で加え、場合により、ポリソルベート−80、Span−80などを含む群から選択される二次乳化剤を、1〜5%w/wの量で加え、前記混合物を、10〜50RPMで、前記混合物の温度を75℃+/−5℃に維持したままで十分に混合するステップと、
    h.マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの範囲の真空下、かつ、70℃〜80℃で、前記水相および油相容器の内容物を混合容器に移し、前記混合物を、0〜50RPMで十分に混合して乳濁液を形成させるステップと、
    i.前記混合容器中の前記乳濁液を45℃まで冷却するステップと、
    j.原薬(API容器中に、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール−400などを含む群から選択される共溶媒を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、5%(w/w)〜40%(w/w)の量で加え、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含む群から選択される抗酸化剤を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.001%(w/w)〜5%(w/w)の量で、前記共溶媒中で連続的に混合することによって溶かすステップと、
    k.前記原薬(API容器の内容物を、不活性ガスのフラッシングに供し、フシジン酸ナトリウムを0.1%(w/w)〜25%(w/w)の量で加え、前記フシジン酸ナトリウムを混合物中で溶かすステップと、
    l.HCl、HSO、HNO、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で使用することによって、ステップkの原薬(API容器中の混合物のpHを2未満に調整するステップと、
    m.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップlの原薬(API容器の内容物をステップiの混合容器に移し、混合物を1000〜3000RPMで、不活性ガスのフラッシング下、かつ、マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下で、ホモジナイズするステップと
    n.別の容器中で、HCl、HSO、HNO、乳酸などの酸を含む群から選択される酸を単独でまたは任意のそれらの組合せのいずれかで、0.005%(w/w)〜0.5%(w/w)の量で加え、精製水を0.1%(w/w)〜10%(w/w)の量で加えて混合物を形成させ、バイオポリマーであるキトサンを0.01%〜1重量%の量で溶かすステップと、
    o.10〜50RPMで連続的に撹拌しながらステップnのバイオポリマー混合物の内容物をステップiの混合容器に移し、混合物を1000〜3000RPMで、不活性ガスのフラッシング下、かつ、マイナス1000〜マイナス300水銀柱ミリメートルの真空下で、ホモジナイズするステップと
    p.冷却塔からの8℃〜15℃の冷却した水の、混合容器のジャケット内への循環を用いて、ステップoの混合容器の内容物を30℃〜37℃まで冷却するステップと、
    q.撹拌器およびホモジナイザーを止め、ステップnの前記混合容器の混合物を貯蔵容器に取り出すステップと
    を含む、方法。
  18. 請求項17に記載のフシジン酸クリームの作製方法であって、
    前記ステップaにおける前記精製水が35%(w/w)〜45%(w/w)の範囲の量であり、
    前記ステップbにおける前記保存料を0.2%(w/w)の量で加え、
    前記ステップcにおける前記キレート化剤を0.1%(w/w)の量で加え、
    前記ステップdにおける前記緩衝剤を0.5%(w/w)の量で加え、
    前記ステップfにおける前記ワックス状物質を12.5%(w/w)の量で加え、
    前記ステップgにおいて、前記一次乳化剤を12.5%(w/w)の量で加え、かつ、場合により、前記二次乳化剤を2%w/wの量で加え、
    前記ステップjにおいて、前記共溶媒を25%(w/w)の量で加え、かつ、前記抗酸化剤を0.01%(w/w)の量で用い、
    前記ステップkにおけるフシジン酸ナトリウムを2.08%(w/w)の量で加え、
    前記ステップlにおける前記酸を0.25%(w/w)の量で使用し、および
    前記ステップnにおいて、前記酸を0.1%(w/w)の量で加え、前記精製水を5%(w/w)の量で加え、かつ、前記バイオポリマーである前記キトサンを0.25%w/wの量で溶かす、方法。
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