JP5203677B2 - 液体濃度測定装置および液体濃度測定方法 - Google Patents

液体濃度測定装置および液体濃度測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5203677B2
JP5203677B2 JP2007287680A JP2007287680A JP5203677B2 JP 5203677 B2 JP5203677 B2 JP 5203677B2 JP 2007287680 A JP2007287680 A JP 2007287680A JP 2007287680 A JP2007287680 A JP 2007287680A JP 5203677 B2 JP5203677 B2 JP 5203677B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
liquid concentration
concentration
measurement object
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007287680A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009115554A (ja
Inventor
雄三 三浦
清市 松本
隆正 荒木
寿隆 藤巻
研二 牟田
聖 深田
英治 加藤
昌純 田浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2007287680A priority Critical patent/JP5203677B2/ja
Publication of JP2009115554A publication Critical patent/JP2009115554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5203677B2 publication Critical patent/JP5203677B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、測定対象物に含まれる液体の濃度を測定する技術に関する。
より詳細には、測定対象物の測定面(表面)から大気中に蒸発した液体の当該大気中における液体の濃度を測定することにより測定対象物に含まれる液体の濃度を測定する技術に関する。
従来、測定対象物に含まれる水分の濃度を測定する技術としては、乾燥質量法、カールフィッシャー法、誘電率法、赤外線法等が知られている。
乾燥質量法は、水分を含んだ測定対象物の質量を測定し、次に当該測定対象物を加熱する等して乾燥し、続いて乾燥した測定対象物の質量を測定し、測定対象物を乾燥する前後の質量の変化に基づいて測定対象物に含まれていた水分の質量を算出する方法である。
カールフィッシャー法は、水分と選択的かつ定量的に電解酸化反応するカールフィッシャー液(ヨウ素、二酸化硫黄、塩基、および溶媒からなる溶液)を利用し、当該電解酸化反応時に要する電気量を測定することにより測定対象物に含まれている水分の量を測定する方法である。
誘電率法は、測定対象物と水分との誘電率の差(比誘電率の差)の差を利用し、測定対象物に含まれる水分量の変化に伴って変化する測定対象物の見かけの誘電率を測定することにより測定対象物に含まれている水分の量を測定する方法である。
誘電率法は使用されるセンサの形式が異なる複数の計測方法、例えば電磁波法、共振法、複素誘電率法、TDR(Time Domain Reflectrometry)法、ADR(Amplitude Domain Reflectrometry)法等に分類される。
赤外線法は、水分に赤外線を照射すると特定の波長の成分が吸収される性質を利用し、当該吸収された波長の赤外線の強度を測定することにより測定対象物に含まれる水分の量を測定する方法である。
また、上記方法の他にも、水滴による電極間の電気抵抗の変化により水滴の存在を検出する方法が知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の水滴感知センサは、一対の電極を設けた基板の表面に親水性の化学吸着膜を形成したものである。水滴感知センサの化学吸着膜に吸着された水滴は化学吸着膜に沿って素早く濡れ広がり、一対の電極間を導通するため、電極間の電気抵抗が変化する。
しかし、乾燥質量法およびカールフィッシャー法は、測定後の測定対象物を実質的に変質させてしまうこと、および測定に要する時間が長いこと、といった問題を有するため、複数の測定対象物を短時間で順次測定する(全数検査する)用途への適用が困難である。
誘電率法は、使用されるセンサが測定対象物に接触していなければならず、移動している(静止していない)測定対象物に適用することが困難である。また、誘電率法は、使用されるセンサの応答時間も例えば十数秒と長いので、リアルタイムで水分濃度を測定する用途への適用が困難である。
赤外線法は、測定対象物に非接触で測定を行うことが可能であり、測定対象物を実質的に変質させることが無く、また測定時の応答性が良い(応答時間が非常に短い)という点において優れている。
しかし、赤外線法は、測定対象物が赤外光を透過しない材質である場合には一般に適用が困難であるという問題を有する。
特許文献1の水滴感知センサは、水滴の化学吸着膜への吸着がセンサの応答性の律速条件となるため、リアルタイムで水滴の有無を検出することが困難である。
上記問題を解消し、移動している測定対象物(特に、光を透過しない測定対象物)に含まれる水分の量を測定する方法としては、(A)測定対象物から蒸発した水分を含むガスを採取し、当該採取されたガス(サンプリングガス)を誘電率法によるセンサ(例えば、セラミックスや高分子膜に水分を吸着させる形式のもの)に接触させることによりサンプリングガスの水分濃度を測定する方法、(B)測定対象物から蒸発した水分を含む気体を採取し、サンプリングガスを鏡面に接触させつつ当該鏡面を冷却し、当該鏡面が結露する温度を測定することによりサンプリングガスの水分濃度を測定する方法、(C)測定対象物から蒸発した水分を含むガスに赤外線を照射し、当該ガスに含まれる水分濃度を測定する方法、等が考えられる。
しかし、上記(A)および(B)の方法は、以下の問題を有する。
上記(A)および(B)の方法は、サンプリングガスの搬送経路の途中で結露を起こした場合に測定精度が低下する。
上記(A)および(B)の方法は、サンプリングガスが採取されてからセンサに到達する(実際に水分濃度が測定される)までに要する時間がタイムラグとなり、リアルタイムで水分濃度を測定することが困難である。
上記(A)および(B)の方法は、サンプリングガスが搬送経路の内部で混合した場合に測定結果の信頼性が低下する。
上記(A)および(B)の方法は、サンプリングガスの採取位置というごく狭い領域についての水分濃度しか測定できないので、水分濃度の分布を測定する場合には複数箇所でサンプリングガスを採取し、それぞれについて水分濃度を測定しなければならず、装置が大型化あるいは複雑化する。
また、上記(A)の方法は、上記問題に加えて、使用されるセンサの応答時間およびセンサにサンプリングガスを接触させる前に施される前処理(除塵等)に要する時間もタイムラグとなるため、リアルタイムで水分濃度を測定することが困難であるという問題を有する。
上記(B)の方法は、上記問題に加えて、一度結露した水滴が蒸発するまで次の測定を行うことができないため、複数の対象物を短時間で順次測定する用途への適用が困難であるという問題を有する。
また、上記(C)の方法は、測定対象物から蒸発した水分を含むガスに赤外線を照射するため測定対象物が赤外線を透過するか否かに関わらず適用することが可能であり、測定時の応答性が良いという点において優れているが、単に測定対象物から蒸発した水分を含むガスに赤外線を照射するだけでは測定精度が低いという問題を有する。
特に、測定対象物から蒸発した水分を含むガスに照射される赤外線の光路が測定領域(測定対象物から蒸発する水分が含まれるガスが占める領域)だけでなく、デッドスペース(測定領域外の領域)を通過する場合には、水分濃度の測定精度が更に低下するという問題を有する。
上記デッドスペースの問題を解消する方法としては、(i)デッドスペースに水分を含まないガスをパージする方法、あるいは(ii)デッドスペースに光学部品(ガラスブロック等、赤外線を透過する固体あるいは液体)を配置する方法等が考えられる。
しかし、上記(i)の方法はデッドスペースにパージされたガスが測定領域に流入すると測定精度が低下すること、(ii)の方法は測定環境によっては(測定対象物が高温である場合等)光学部品をデッドスペースに配置することが困難であること、といった問題を有する。
特開平8−122291号公報
本発明は以上の如き状況に鑑み、測定対象物(特に移動している測定対象物)に含まれる液体(水分、有機溶剤、油等)を精度良く測定することが可能な液体濃度測定装置および液体濃度測定方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、
液体を含み、搬送経路に沿って搬送方向に搬送される測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光する第一投光部と、
前記第一投光部により投光されるレーザ光を受光し、当該レーザ光の強度を検出する第一受光部と、
前記測定対象物の測定面から前記第一測定距離よりも大きい第二測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光する第二投光部と、
前記第二投光部により投光されるレーザ光を受光し、当該レーザ光の強度を検出する第二受光部と、
前記第一受光部により検出されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第一液体濃度を算出する第一液体濃度算出部と、
前記第二受光部により検出されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第二液体濃度を算出する第二液体濃度算出部と、
前記第一液体濃度算出部により算出された第一液体濃度および前記第二液体濃度算出部により算出された第二液体濃度に基づいて前記測定対象物に含まれる液体の濃度を算出する測定対象物液体濃度算出部と、
を具備し、
前記第一投光部により投光されるレーザ光と前記第二投光部により投光されるレーザ光とが互いに平行であり、
前記第一投光部により投光されるレーザ光および前記第二投光部により投光されるレーザ光を含む平面は前記測定対象物の測定面および前記搬送方向に対して直交し、
前記第一液体濃度算出部により算出される第一液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含む雰囲気の液体濃度であり、
前記第二液体濃度算出部により算出される第二液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含まない雰囲気の液体濃度である、ものである。
請求項2においては、
前記第一投光部および前記第二投光部が投光するレーザ光の波長は、いずれも前記測定対象物に含まれる液体に吸収される波長を含むものである。
請求項3においては、
前記第一測定距離T1は、以下の(a)から(d)の手順に従って設定されるものである。
(a)前記測定対象物の搬送速度U、前記測定対象物の搬送方向から見た前記測定対象物の幅W、雰囲気の密度ρ、前記雰囲気の粘性μを用いて、以下の数1に基づいてレイノルズ数Reを算出する。
(b)算出されたレイノルズ数Reが以下の数2で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定し、算出されたレイノルズ数Reが以下の数3で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定する。
(c)前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定された場合には以下の数4に基づいて境界層厚みδを算出し、前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定された場合には以下の数5に基づいて境界層厚みδを算出する。
(d)前記第一測定距離T1を、以下の数6で示す関係を満たす範囲に設定する。
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
請求項4においては、前記第二測定距離T2は、以下の数7で示す関係を満たす範囲に設定されるものである。
Figure 0005203677
請求項5においては、
液体を含み、搬送経路に沿って搬送方向に搬送される測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光し、当該レーザ光を受光して当該レーザ光の強度を検出するとともに、前記測定対象物の測定面から前記第一測定距離よりも大きい第二測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光し、当該レーザ光を受光して当該レーザ光の強度を検出するレーザ光投光・受光工程と、
前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光され、受光されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第一液体濃度を算出するとともに、前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光され、受光されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第二液体濃度を算出する第一液体濃度・第二液体濃度算出工程と、
前記第一液体濃度・第二液体濃度算出工程において算出された第一液体濃度および第二液体濃度に基づいて前記測定対象物に含まれる液体の濃度を算出する測定対象物液体濃度算出工程と、
を具備し、
前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光されるレーザ光と前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光されるレーザ光とが互いに平行であり、
前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光されるレーザ光および前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光されるレーザ光を含む平面は前記測定対象物の測定面および前記搬送方向に対して直交し、
前記第一液体濃度・第二液体濃度算出工程において算出される第一液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含む雰囲気の液体濃度であり、
前記第一液体濃度・第二液体濃度算出工程において算出される第二液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含まない雰囲気の液体濃度である、ものである。
請求項6においては、
前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光されるレーザ光および前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光されるレーザ光の波長は、いずれも前記測定対象物に含まれる液体に吸収される波長を含むものである。
請求項7おいては、
前記第一測定距離T1は、以下の(a)から(d)の手順に従って設定されるものである。
(a)前記測定対象物の搬送速度U、前記測定対象物の搬送方向から見た前記測定対象物の幅W、雰囲気の密度ρ、前記雰囲気の粘性μを用いて、以下の数1に基づいてレイノルズ数Reを算出する。
(b)算出されたレイノルズ数Reが以下の数2で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定し、算出されたレイノルズ数Reが以下の数3で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定する。
(c)前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定された場合には以下の数4に基づいて境界層厚みδを算出し、前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定された場合には以下の数5に基づいて境界層厚みδを算出する。
(d)前記第一測定距離T1を、以下の数6で示す関係を満たす範囲に設定する。
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
Figure 0005203677
請求項8においては、
前記第二測定距離T2は、以下の数7で示す関係を満たす範囲に設定されるものである。
Figure 0005203677
本発明は、測定対象物に含まれる液体を精度良く測定することが可能である、という効果を奏する。
以下では、図1から図6を用いて本発明に係る液体濃度測定装置の実施の一形態である水分濃度測定装置100について説明する。
図1および図2に示す如く、水分濃度測定装置100はリチウムイオン二次電池の正極製造装置10に設けられ、アルミニウム箔1の一方のシート面1aに塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度を測定する装置である。
アルミニウム箔1はリチウムイオン二次電池の正極を構成する材料の一つであり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるシート状物である。
ここで、「シート状物」は、一対のシート面を有し、当該一対のシート面の長さおよび幅の両方、または一対のシート面の長さおよび幅のいずれか一方が、一対のシート面の間隔(厚み)に比べて大きい形状を成す物品を指す。
ペースト2は本発明に係る測定対象物の実施の一形態であり、水分を含む。
より詳細には、ペースト2は正極活物質(例えば、コバルト酸リチウム等のリチウム遷移金属酸化物)、電解質(例えば、有機溶媒(炭酸エチレン、炭酸ジエチル等)とリチウム塩(六フッ化リン酸リチウム等)との混合物等)、および水の混合物からなるペースト状物(固体と液体との混合物であって、ある程度の粘性を有するもの)である。
図2に示す如く、リチウムイオン二次電池の正極製造装置10は、アルミニウム箔1の両方のシート面にペースト2を塗布し、塗布されたペースト2を乾燥した後圧延してペースト2の密度(嵩密度)を上昇させることにより、リチウムイオン二次電池の正極を製造する。
なお、図2では説明の便宜上、リチウムイオン二次電池の正極製造装置10のうち、アルミニウム箔1の一方のシート面1aにペースト2を塗布し、塗布されたペースト2を乾燥する作業を行う部分のみ図示し、それ以外の部分については図示を省略している。
リチウムイオン二次電池の正極製造装置10は搬送ローラ11・12、ペースト塗布装置13、ヒータ14等を具備する。
搬送ローラ11・12はアルミニウム箔1の搬送経路の中途部に設けられる。搬送ローラ11・12はアルミニウム箔1に当接しつつ回転することにより、アルミニウム箔1に所定の張力を付与しつつ、アルミニウム箔1を搬送経路に沿って搬送する。搬送ローラ11は搬送ローラ12よりも搬送経路において上流側に位置する。
アルミニウム箔1のうち搬送ローラ11と搬送ローラ12との間で張られている部分は、シート面1aが上方に向いている。
ペースト塗布装置13はアルミニウム箔1の一方のシート面1aにペースト2を塗布するものである。
ペースト塗布装置13は容器13aおよびノズル13bを具備し、容器13aに充填されたペースト2をノズル13bの先端部から吐出する。
ノズル13bの先端部は、搬送ローラ11・12の間に張られたアルミニウム箔1のシート面1aにおいて上流寄りとなる部分(搬送ローラ11に近い部分)に対向する位置に下向きに配置される。
アルミニウム箔1を搬送経路に沿って搬送しつつペースト塗布装置13からペースト2を吐出することにより、ペースト2がアルミニウム箔1のシート面1aに均一に(ペースト2の厚さが均一となるように)塗布される。
ヒータ14はアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2を加熱することにより乾燥させるものである。
ヒータ14は、搬送ローラ11・12の間に張られたアルミニウム箔1のシート面1aにおいて、ペースト塗布装置13よりも下流側となる部分に対向する位置に配置される。
ヒータ14は電気抵抗式のヒータであり、ヒータ14に対向する位置に移動してきたアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2を加熱する。その結果、アルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2に含まれる水分が蒸発する。
図1および図2に示す如く、水分濃度測定装置100は、第一投光部111、第一受光部112、第二投光部121、第二受光部122、濃度算出装置130、解析ユニット140等を具備する。
第一投光部111は本発明に係る第一投光部の実施の一形態であり、レーザ光101を投光するものである。
第一投光部111はレーザ光101を発生する投光素子と、当該投光素子に電力を供給する電源と、当該投光素子により発生したレーザ光101を収束して照射する光学部品(レンズ等)と、を具備する。
第一受光部112は本発明に係る第一受光部の実施の一形態であり、第一投光部111により投光されるレーザ光101を受光し、レーザ光101の強度を検出するものである。
第一受光部112は受光したレーザ光101の強度に応じた電圧または電流を発生する受光素子と、当該受光素子にレーザ光101を導く光学部品(レンズ等)と、を具備する。
図1および図2に示す如く、第一投光部111および第一受光部112は、リチウムイオン二次電池の正極製造装置10におけるアルミニウム箔1の搬送経路に沿って配置される。また、図2に示す如く、第一投光部111および第一受光部112は、アルミニウム箔1の搬送経路においてヒータ14よりも下流側となる位置に配置される。
図1に示す如く、第一投光部111は搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1の搬送方向の上流側から見てアルミニウム箔1の左端部よりも左側、かつアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面よりも上方となる位置に配置される。
第一受光部112は搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1の搬送方向の上流側から見てアルミニウム箔1の右端部よりも右側、かつアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面よりも上方となる位置に配置される。
また、第一投光部111および第一受光部112は、レーザ光101の向き(レーザ光101の光軸方向)が搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面に平行となるように配置される。
従って、第一投光部111から投光され、第一受光部112により受光されるレーザ光101は、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間した位置を通過する。
ここで、「第一測定距離」は、第一投光部により投光されるレーザ光と測定対象物の測定面との間の距離を指す。
第二投光部121は本発明に係る第二投光部の実施の一形態であり、レーザ光102を投光するものである。
第二投光部121はレーザ光102を発生する投光素子と、当該投光素子に電力を供給する電源と、当該投光素子により発生したレーザ光102を収束して照射する光学部品(レンズ等)と、を具備する。
第二受光部122は本発明に係る第二受光部の実施の一形態であり、第二投光部121により投光されるレーザ光102を受光するものである。
第二受光部122は受光したレーザ光102の強度に応じた電圧または電流を発生する受光素子と、当該受光素子にレーザ光102を導く光学部品(レンズ等)と、を具備する。
図1および図2に示す如く、第二投光部121および第二受光部122は、リチウムイオン二次電池の正極製造装置10におけるアルミニウム箔1の搬送経路に沿って配置される。また、図2に示す如く、第二投光部121および第二受光部122は、アルミニウム箔1の搬送経路においてヒータ14よりも下流側となる位置に配置される。
図1に示す如く、第二投光部121は搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1の搬送方向の上流側から見てアルミニウム箔1の左端部よりも左側、かつアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面よりも上方となる位置に配置される。また、第二投光部121は第一投光部111よりも上方に配置される。
第二受光部122は搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1の搬送方向の上流側から見てアルミニウム箔1の右端部よりも右側、かつアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面よりも上方となる位置に配置される。また、第二受光部122は第一受光部112よりも上方に配置される。
第二投光部121および第二受光部122は、レーザ光102の向き(レーザ光102の光軸方向)がアルミニウム箔1のシート面1aに平行となるように配置される。
従って、第二投光部121から投光され、第二受光部122により受光されるレーザ光102は、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間した位置を通過し、第二測定距離T2は第一測定距離T1より大きい(T2>T1)。
ここで、「第二測定距離」は、第二投光部により投光されるレーザ光と測定対象物の測定面との間の距離を指す。
レーザ光101およびレーザ光102(レーザ光101およびレーザ光102の光軸方向)はいずれも、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のシート面1aに塗布されたペースト2の表面に平行である。
また、図2に示す如く、レーザ光101およびレーザ光102(より厳密には、レーザ光101の光軸方向およびレーザ光102の光軸方向)はいずれも、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1の搬送方向に対して直交する。
従って、レーザ光101とレーザ光102とは互いに平行となる。
また、図2に示す如く、レーザ光101およびレーザ光102を含む仮想的な平面103は、アルミニウム箔1のシート面1aに対して直交する。言い換えれば、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のシート面1aに対して垂直な方向(図2中の矢印Aの方向)から見ると、レーザ光101とレーザ光102とが重なる。
レーザ光101およびレーザ光102の波長は、いずれも水に吸収される波長を含む。
従って、レーザ光101の光路上に水分子が多い(レーザ光101の光路上の雰囲気中の水分の濃度が高い)ほど第一受光部112により検出されるレーザ光101の強度が低下し、レーザ光102の光路上に水分子が多い(レーザ光102の光路上の雰囲気中の水分の濃度が高い)ほど第二受光部122により検出されるレーザ光102の強度が低下する。
以下では、第一測定距離T1(第一投光部111により投光されるレーザ光101とペースト2の表面との間の距離)および第二測定距離T2(第二投光部121により投光されるレーザ光102とペースト2の表面との間の距離)の設定方法について説明する。
水分濃度測定装置100は、二本のレーザ光101・102のうち、ペースト2の表面からの距離が相対的に近いレーザ光101を用いて測定対象物たるペースト2から蒸発する水分を含む雰囲気の水分濃度を検出し、ペースト2の表面からの距離が相対的に遠いレーザ光102を用いて測定対象物たるペースト2から蒸発する水分を含まない雰囲気の水分濃度を検出し、レーザ光101を用いて検出される水分濃度(第一液体濃度C1)とレーザ光102を用いて検出される水分濃度(第二液体濃度C2)との差分を算出することにより、元々雰囲気中に含まれる水分(ペースト2に由来しない水分)の影響を排除してペースト2から蒸発する水分の雰囲気中の濃度を精度良く測定し、ひいてはペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定するものである。
従って、水分濃度測定装置100がペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定するためには、(a)レーザ光101の光路上の雰囲気における水分の濃度とペースト2に含まれる水分の濃度との間に相関があること、(b)レーザ光102の光路上の雰囲気における水分の濃度がペースト2から蒸発する水分の影響を受けないこと、が求められる。
第一測定距離T1は、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1(より厳密には、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2)の境界層深さδに基づいて設定される。
これは、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2の表面からの距離が境界層深さδ以下の領域では当該領域に存在する雰囲気がその粘性によりアルミニウム箔1の表面にある程度追従して移動するため、境界層深さδ以下の領域に含まれる水分の濃度と、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との間に強い相関があることによる。
境界層深さδは一般にレイノルズ数Reおよび測定対象物の幅Wで表されるが、境界層深さδは測定対象物に対向する領域における雰囲気の流れ状態が層流または乱流のいずれの状態であるかによっても変化する。
また、測定対象物に対向する領域における雰囲気の流れ状態が層流または乱流のいずれの状態であるかは、レイノルズ数Reの大きさに基づいて判定することが可能である。
アルミニウム箔1の搬送速度をU、アルミニウム箔1の搬送方向から見たアルミニウム箔1の幅(より厳密には、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2の幅)をW、雰囲気(本実施例の場合、大気)の密度をρ、雰囲気の粘性をμとすると、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のレイノルズ数Reは以下の数1で表される。
Figure 0005203677
アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に対向する領域における雰囲気の流れ状態が層流または乱流のいずれの状態であるかは、以下の数2および数3に基づいて判定される。
Figure 0005203677
Figure 0005203677
数1により算出されたレイノルズ数Reが数2の条件を満たす場合には、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に対向する領域における雰囲気の流れ状態が層流であると判定される。
また、数1により算出されたレイノルズ数Reが数3の条件を満たす場合には、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に対向する領域における雰囲気の流れ状態が乱流であると判定される。
アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に対向する領域における雰囲気の流れ状態が層流であると判定された場合、境界層厚みδは以下の数4で表される。
Figure 0005203677
アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に対向する領域における雰囲気の流れ状態が
乱流であると判定された場合、境界層厚みδは以下の数5で表される。
Figure 0005203677
以下の数6に示す如く、第一測定距離T1を数4または数5により算出された境界層厚みδ以下に設定することにより、第一受光部112により検出されるレーザ光101の強度、ひいてはレーザ光101の光路上の雰囲気に含まれる水分の濃度は、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度と強い相関を有する。
Figure 0005203677
第二測定距離T2は、レーザ光102の光路上に存在する雰囲気中の水分の濃度がアルミニウム箔1に塗布されたペースト2からの水分の蒸発が無い場合におけるレーザ光101の光路上に存在する雰囲気中の水分の濃度と同じであると見なすことができる距離とすることが望ましい。
従って、第二測定距離T2を第一測定距離T1よりもある程度大きく設定し、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2から蒸発した水分がレーザ光102の光路上の雰囲気の水分の濃度に影響しないようにすることが望ましい。
第二測定距離T2の設定値の目安としては、以下の数7に示す如く、第二測定距離T2を数4または数5により算出された境界層厚みδの10倍よりも大きくすることが望ましい。
Figure 0005203677
濃度算出装置130は第一受光部112に接続され、第一受光部112により検出されたレーザ光101の強度(に係る情報)を取得する。
濃度算出装置130は本発明に係る第一液体濃度算出部としての機能を果たす。
すなわち、濃度算出装置130は第一受光部112により検出されたレーザ光101の強度に基づいてレーザ光101の通過した位置(すなわち、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のシート面1aから第一測定距離T1だけ離間した位置)における水分の濃度である第一液体濃度C1を算出する。
より詳細には、濃度算出装置130は、予め記憶されたレーザ光101の強度とレーザ光101の光路上に存在する水分子の数(ひいてはレーザ光101の光路が通過する雰囲気中の水分の濃度)との関係式に第一受光部112により検出されたレーザ光101の強度を代入することにより、第一液体濃度C1を算出する。
濃度算出装置130は第二受光部122に接続され、第二受光部122により検出されたレーザ光102の強度(に係る情報)を取得する。
濃度算出装置130は本発明に係る第二液体濃度算出部としての機能を果たす。
すなわち、濃度算出装置130は第二受光部122により検出されたレーザ光102の強度に基づいてレーザ光102の通過した位置(すなわち、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1のシート面1aから第二測定距離T2だけ離間した位置)における水分の濃度である第二液体濃度C2を算出する。
より詳細には、濃度算出装置130は、予め記憶されたレーザ光102の強度とレーザ光102の光路上に存在する水分子の数(ひいてはレーザ光102の光路が通過する雰囲気中の水分の濃度)との関係式に第二受光部122により検出されたレーザ光101の強度を代入することにより、第二液体濃度C2を算出する。
このように、濃度算出装置130は本発明に係る第一液体濃度算出部の実施の一形態であるとともに、本発明に係る第二液体濃度算出部の実施の一形態である。
なお、本実施例は濃度算出装置130が本発明に係る第一液体濃度算出部としての機能と本発明に係る第二液体濃度算出部としての機能を兼ねる構成(第一液体濃度算出部と第
二液体濃度算出部とが一体である構成)であるが、本発明はこれに限定されず、第一液体濃度算出部と第二液体濃度算出部とが別体である構成でも良い。
また、本実施例の濃度算出装置130は、予め記憶されたレーザ光101の強度とレーザ光101の光路上に存在する水分子の数との関係式に第一受光部112により検出されたレーザ光101の強度を代入することにより第一液体濃度C1を算出するとともに、予め記憶されたレーザ光102の強度とレーザ光102の光路上に存在する水分子の数との関係式に第二受光部122により検出されたレーザ光102の強度を代入することにより第二液体濃度C2を算出する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、本発明に係る第一液体濃度算出部は、予め記憶されたレーザ光の強度とレーザ光の光路上に存在する水分子の数との関係を示すデータテーブルと第一受光部により検出されたレーザ光の強度とを比較することにより第一液体濃度C1を算出する構成としても良い。
同様に、本発明に係る第二液体濃度算出部は、予め記憶されたレーザ光の強度とレーザ光の光路上に存在する水分子の数との関係を示すデータテーブルと第二受光部により検出されたレーザ光の強度とを比較することにより第二液体濃度C2を算出する構成としても良い。
解析ユニット140は濃度算出装置130により算出された第一液体濃度C1および第
二液体濃度C2を解析する装置である。解析ユニット140は解析装置141、入力装置142、表示装置143を具備する。
解析装置141は後述する補正液体濃度算出プログラム、測定対象物液体濃度算出プログラム等の種々のプログラム等を格納することができ、これらのプログラム等を展開することができ、これらのプログラム等に従って所定の演算を行うことができ、当該演算の結果等を記憶することができる。
解析装置141は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで相互に接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であっても良い。
本実施例の解析装置141は専用品であるが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等を格納したもので達成することも可能である。
解析装置141は濃度算出装置130に接続され、濃度算出装置130により算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に係る情報を取得することが可能である。
入力装置142は解析装置141に接続され、解析装置141に水分濃度測定装置100によるペースト2に含まれる水分の濃度の測定に係る種々の情報・指示等を入力するものである。
本実施例の入力装置142は専用品であるが、例えば市販のキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等を用いても同様の効果を達成することが可能である。
表示装置143は入力装置142から解析装置141への入力内容、水分濃度測定装置100の動作状況、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定結果等を表示するものである。
本実施例の表示装置143は専用品であるが、例えば市販の液晶ディスプレイ(LCD
;Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)等を用いても同様の効果を達成することが可能である。
以下では、解析装置141の構成の詳細について説明する。
解析装置141は本発明に係る測定対象物液体濃度算出部の実施の一形態であり、濃度算出装置130により算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいて、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度を算出するものである。
解析装置141は、機能的には記憶部141a、補正液体濃度算出部141b、測定対象物液体濃度算出部141cを具備する。
記憶部141aは解析装置141による演算等を行う上で用いられる各種パラメータ(数値)、水分濃度測定装置100の動作状況の履歴、測定結果等を記憶するものである。
記憶部141aは、実体的にはRAM等のメモリ、HDD、CD−ROMあるいはDVD−ROM等の記憶媒体からなる。
補正液体濃度算出部141bは第一液体濃度C1の補正値である補正液体濃度Crを算出するものである。
実体的には、解析装置141が、解析装置141に格納された補正液体濃度算出プログラムに従って所定の演算等を行うことにより、補正液体濃度算出部141bとしての機能を果たす。
補正液体濃度算出部141bは、濃度算出装置130により算出された第一液体濃度C1、第一投光部111から投光されるレーザ光101の光路長さL1、濃度算出装置130により算出された第二液体濃度C2および第二投光部121から投光されるレーザ光102の光路長さL2を用いて、以下の数8に基づいて補正液体濃度Crを算出する。
補正液体濃度Crの算出値は、記憶部141aに適宜記憶される。
Figure 0005203677
第一液体濃度C1は、実体的にはレーザ光101の光路上の雰囲気に元々存在する水分の濃度とペースト2から蒸発した水分の濃度との和である。
補正値Crは、第一液体濃度C1と第二気体濃度C2との差分であり、第一液体濃度C1(すなわちレーザ光101の光路上の雰囲気に含まれる水分の濃度)から雰囲気に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分の濃度の影響を排除したものである。
なお、数8において第二液体濃度C2に係数(L1/L2)を乗ずることにより、レーザ光101およびレーザ光102の光路長さの差が補正値Crに及ぼす影響を排除している。
測定対象物液体濃度算出部141cは、「予め記憶された補正液体濃度Crと搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との関係」と、「算出された補正液体濃度Cr」と、を比較することにより、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度を算出するものである。
実体的には、解析装置141が、解析装置141に格納された測定対象物液体濃度算出プログラムに従って所定の演算等を行うことにより、測定対象物液体濃度算出部141cとしての機能を果たす。
記憶部141aには、補正液体濃度Crと搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との関係を表す関係式が記憶されている。
補正液体濃度Crと搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との関係は、例えば搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2の複数箇所について乾燥法による水分濃度測定を行うとともに、対応する箇所における補正液体濃度Crを算出する実験を行うことにより予め求められる。
測定対象物液体濃度算出部141cは、記憶部141aに記憶された「補正液体濃度Crと搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との関係を表す関係式」に、補正液体濃度算出部141bにより算出された補正液体濃度Crを代入することにより、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度を算出する。
アルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度の算出値(ペースト2に含まれる水分の濃度の測定結果)は、記憶部141aに適宜記憶される。
以下では、水分濃度測定装置100を用いてペースト2に含まれる水分の濃度を測定した場合の測定結果と、従来の液体濃度測定装置の実施の一形態である水分濃度測定装置50を用いてペースト2に含まれる水分の濃度を測定した場合の測定結果と、を比較する。
水分濃度測定装置50は採取されたガス(サンプリングガス)に含まれる水分の濃度を測定する装置である。
図2に示す如く、水分濃度測定装置50は、ガス搬送管51、吸引ポンプ52、前処理装置53、計測装置54を具備する。
ガス搬送管51は搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に対向する部分の雰囲気の一部を採取し、搬送する配管である。ガス搬送管51の両端は開口しており、それぞれ吸気口51a・排気口51bを成す。
ガス搬送管51の吸気口51aは搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離れた位置に配置される。また、ガス搬送管51の吸気口51aは搬送経路の搬送方向においてレーザ101よりも上流側かつヒータ14よりも下流側となる位置に配置される。
ガス搬送管51の排気口51bはアルミニウム箔1の搬送経路から離れた位置に配置される。
吸引ポンプ52はガス搬送管51の中途部に設けられるポンプである。吸引ポンプ52が作動すると、ガス搬送管51の吸気口51aから雰囲気がサンプリングガスとして吸入される。
前処理装置53はサンプリングガスに前処理を行う装置である。
ここで「前処理」は、サンプリングガスに含まれる塵埃等を除去することを指す。
前処理装置53はガス搬送管51の中途部かつサンプリングガスの搬送方向において吸引ポンプ52よりも下流側に設けられる。
計測装置54はサンプリングガスに含まれる水分の濃度を計測する装置である。
計測装置54はサンプリングガスを捕集する容器、当該容器内に配置されてサンプリングガスに含まれる水分の濃度に応じた信号を発生するセンサ、当該センサから取得した信号に基づいてサンプリングガスに含まれる水分の濃度を算出する算出装置等を具備する。
計測装置54はガス搬送管51の中途部かつサンプリングガスの搬送方向において前処理装置53よりも下流側に設けられる。
ガス搬送管51の吸気口51aから吸入されたサンプリングガスは、吸引ポンプ52、前処理装置53、計測装置54を経てガス搬送管51の排気口51bから排出される。
以下では、ペースト塗布装置13によりアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度が途中から急激に上昇し、水分の濃度が上昇したペースト2が時刻t1においてガス搬送管51の吸気口51aの直下を通過し、時刻t2においてレーザ光101の直下を通過した場合について説明する。
図3に示す如く、水分濃度測定装置100の場合、補正液体濃度Cr(第一液体濃度C1から雰囲気に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分の濃度の影響を排除したもの)は、時刻t2までは濃度Caであり、時刻t2に到達した時点から急激に上昇して濃度Cbに到達する。
これに対して、水分濃度測定装置50の場合、サンプリングガスの水分濃度の測定結果は、時刻t1までは濃度Caであり、時刻t1を経過すると上昇し始めるが水分濃度測定装置100の場合ほど急激には水分濃度が上昇せず、かなり時間が経過してから濃度Cbに到達する。
以下では、ペースト塗布装置13によりアルミニウム箔1に塗布され、ヒータ14により加熱されたペースト2に含まれる水分の濃度が途中から一時的に急激に上昇し、水分の濃度が上昇したペースト2が時刻t3においてガス搬送管51の吸気口51aの直下を通過し、時刻t4においてレーザ光101の直下を通過した場合について説明する。
図4に示す如く、水分濃度測定装置100の場合、補正液体濃度Cr(第一液体濃度C1から雰囲気に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分の濃度の影響を排除したもの)は、時刻t4までは濃度Caであり、時刻t4に到達した時点から急激に上昇して濃度Cbに到達し、その後急激に下降して再び濃度Caとなる。
これに対して、水分濃度測定装置50の場合、サンプリングガスの水分濃度の測定結果は、時刻t3までは濃度Caであり、時刻t3を経過すると上昇し始めるが水分濃度測定装置100の場合ほど急激には水分濃度が上昇せず、かなり時間が経過してから濃度Cbよりも小さい濃度Cdに到達し、その後緩やかに下降して再び濃度Caとなる。
このように、水分濃度測定装置100は応答遅れを起こすことなく、リアルタイムかつ精度良く補正液体濃度Cr、ひいてはペースト2に含まれる水分の濃度を測定することが可能であるのに対して、水分濃度測定装置50は応答遅れを起こし、サンプリングガスの水分濃度をリアルタイムかつ精度良く測定することが出来ない。
これは、水分濃度測定装置100の場合にはレーザ光101およびレーザ光102の強度がそれぞれ第一受光部112および第二受光部122により検出され、レーザ光101およびレーザ光102の強度に係る情報が解析装置141により取得され、補正液体濃度算出部141bにより補正液体濃度Crが算出されるという一連の動作に要する時間が非常に短い(当該一連の動作が瞬時に行われる)のに対し、水分濃度測定装置50の場合には吸気口51aにて採取されたサンプリングガスが計測装置54に到達し、計測装置54のセンサの表面に水分が接触して水分濃度に応じた信号が発生し、当該信号に基づいて計測装置54の算出装置が水分濃度を算出するという一連の動作に要する時間が相対的に長いことに起因する。
また、水分濃度測定装置50の場合には、サンプリングガスの搬送経路において異なる時刻に採取されたガスが相互に混合することによっても測定精度が低下する。
また、図5に示す如く、ペースト2に含まれる水分の濃度がアルミニウム箔1の幅方向において均一でなく、ペースト2に含まれる水分の濃度が低い部分と高い部分とが混在する場合、対向する雰囲気中の水分濃度も同様に低い部分(濃度Ce)と高い部分(濃度Cf)とが混在する。
このような場合において、水分濃度測定装置100ではアルミニウム箔1の幅方向とレーザ光101・102の光軸方向が同じであることから、水分の濃度が高い部分におけるピーク濃度(Cf)自体は検出できないが、図6に示す如くアルミニウム箔1の幅方向の水分濃度の平均値Cgを検出することは可能である。
これに対して、水分濃度測定装置50では図5に示す如くガス搬送管51の吸気口51aがペースト2に含まれる水分の濃度が低い部分に対応する位置に配置されていた場合、図6に示す如く水分濃度の測定値はCeのままで変化せず、アルミニウム箔1の幅方向の水分濃度の分布の変化を検出することが出来ない。
このように、水分濃度測定装置100は、アルミニウム箔1の幅方向における水分濃度の分布が変化した場合に、当該水分濃度の分布の個々のピーク値を精度良く測定することは出来ないが、幅方向における水分濃度の変化を「幅方向における水分濃度の平均値の変化」という形で検出することが可能である。
以上の如く、水分濃度測定装置100は、
水分を含むペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間してペースト2の表面に平行なレーザ光101を投光する第一投光部111と、
第一投光部111により投光されるレーザ光101を受光し、レーザ光101の強度を検出する第一受光部112と、
ペースト2の表面から第一測定距離T1よりも大きい第二測定距離T2だけ離間してペースト2の表面に平行なレーザ光102を投光する第二投光部121と、
第二投光部121により投光されるレーザ光102を受光し、レーザ光102の強度を検出する第二受光部122と、
第一受光部112により検出されたレーザ光101の強度に基づいてペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間した位置における水分濃度である第一液体濃度C1を算出するとともに、第二受光部122により検出されたレーザ光102の強度に基づいてペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間した位置における水分濃度である第二液体濃度C2を算出する濃度算出装置130と、
濃度算出装置130により算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出する解析装置141と、
を具備する。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、水分濃度測定装置100は、測定対象物たるペースト2から蒸発する水分の雰囲気中の濃度を測定し、当該水分濃度に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を測定するので、ペースト2に含まれる水分の濃度を非接触で精度良く測定することが可能である。
特に、水分濃度測定装置100は、測定対象物たるペースト2から蒸発する水分の雰囲気中の濃度を非接触で測定するので、測定対象物たるペースト2(本実施例の場合、厳密にはペースト2が塗布されたアルミニウム箔1)が第一測定距離T1および第二測定距離T2を保持しつつ移動する場合にもペースト2に含まれる水分の濃度をリアルタイムで測定することが可能である。
また、水分濃度測定装置100は、第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出するため、雰囲気中に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分の影響を排除することが可能であり、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
さらにまた、水分濃度測定装置100は、第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出するため、レーザ光101およびレーザ光102の光路長さがそれぞれ変化したり、あるいはレーザ光101およびレーザ光102がデッドスペース(図1において長さW11、W12、W21、W22で表される部分)を通過したりする場合であっても、レーザ光101およびレーザ光102の光路のうち当該デッドスペースに対応する部分に存在する水分の影響を排除してペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定することが可能である。
このことは、第一投光部111、第一受光部112、第二投光部121および第二受光部122を測定対象物たるペースト2の表面に対向する位置に配置する必要がないことを示しており、測定対象物たるペースト2が高温である場合にペースト2からの熱により第一投光部111、第一受光部112、第二投光部121および第二受光部122が破損する事態を防止することが可能である。
また、水分濃度測定装置100の第一投光部111が投光するレーザ光101の波長および第二投光部121が投光するレーザ光101の波長は、いずれもペースト2に含まれる水分に吸収される波長を含む。
このように構成することにより、第一受光部112により検出されるレーザ光101の強度がレーザ光101の光路上の雰囲気中に含まれる水分の濃度に応じて変化するとともに第二受光部122により検出されるレーザ光102の強度がレーザ光102の光路上の雰囲気中に含まれる水分の濃度に応じて変化するので、ペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定することが可能である。
また、水分濃度測定装置100の第一投光部111により投光されるレーザ光101と第二投光部121により投光されるレーザ光102とが互いに平行であり、
第一投光部111により投光されるレーザ光101および第二投光部121により投光されるレーザ光102を含む平面103はペースト2の表面に対して直交する。
このように構成することにより、レーザ光101およびレーザ光102はいずれもペースト2の表面上の同じ位置に(同時刻において)正対することとなり、第一受光部112により検出されるレーザ光101の強度に基づいて算出される第一液体濃度C1のうち雰囲気中に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分に係る部分と、第二受光部122により検出されるレーザ光102の強度に基づいて算出される第二液体濃度C2と、を同じであると見なすことが可能である。従って、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
また、水分濃度測定装置100の第一測定距離T1は、以下の(a)から(d)の手順に従って設定される。
(a)アルミニウム箔1に塗布されたペースト2の搬送速度U、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2の搬送方向から見たペースト2の幅W、雰囲気の密度ρ、雰囲気の粘性μを用いて、数1に基づいてレイノルズ数Reを算出する。
(b)算出されたレイノルズ数Reが数2で示す関係を満たす場合にはペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定し、算出されたレイノルズ数Reが数3で示す関係を満たす場合にはペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定する。
(c)ペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定された場合には数4に基づいて境界層厚みδを算出し、ペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定された場合には数5に基づいて境界層厚みδを算出する。
(d)第一測定距離T1を、数6で示す関係を満たす範囲に設定する。
このように構成することにより、第一受光部112により検出されるレーザ光101の強度、ひいてはレーザ光101の光路上の雰囲気に含まれる水分の濃度はアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度と強い相関を有するので、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
また、水分濃度測定装置100の第二測定距離T2は、数7で示す関係を満たす範囲に設定される。
このように構成することにより、第二受光部122により検出されるレーザ光102の強度に基づいて算出される第二液体濃度C2から「ペースト2から蒸発した水分」の影響を排除することが可能であり、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
また、水分濃度測定装置100の解析装置141は、
濃度算出装置130により算出された第一液体濃度C1、第一投光部111から投光されるレーザ光101の光路長さL1、濃度算出装置130により算出された第二液体濃度C2および第二投光部121から投光されるレーザ光102の光路長さL2を用いて、数8に基づいて第一液体濃度C1の補正値である補正液体濃度Crを算出する。
このように構成することにより、(α)レーザ光102の光路長さL2がレーザ光101の光路長さL1と同じである場合、および(β)レーザ光102の光路長さL2がレーザ光101の光路長さL1と異なっている場合、のいずれの場合であっても、第一液体濃度C1から「雰囲気中に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分の影響」を精度良く排除することが可能である。
従って、補正液体濃度Crを精度良く算出し、ひいてはペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定することが可能である。
また、水分濃度測定装置100の解析装置141は、
予め記憶部141aに記憶された「補正液体濃度Crとペースト2に含まれる水分の濃度との関係」と、「算出された補正液体濃度Cr」と、を比較することにより、ペースト2に含まれる水分の濃度を算出する。
このように構成することにより、ペースト2に含まれる水分の濃度を精度良くかつリアルタイムで測定することが可能である。
なお、本実施例の水分濃度測定装置100は濃度算出装置130により算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいて補正液体濃度Crを算出し、補正液体濃度Crに基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出することによりペースト2に含まれる水分の濃度を測定する構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明は、第一液体濃度算出部により算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度算出部により算出された第二液体濃度C2に基づいて補正液体濃度Crを算出し、算出された補正液体濃度Crに基づいて測定対象物に含まれる水分の濃度が予め設定された所望の範囲にあるか否かを判定する構成であっても良い。
より詳細には、本発明に係る測定対象物液体濃度算出部が「算出された補正液体濃度Cr」と、「予め記憶された閾値」と、を比較する構成としても良い。閾値は、上記「補正液体濃度Crと搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との関係を表す関係式」と同様の手法で設定することが可能である。
上記測定対象物液体濃度算出部が「算出された補正液体濃度Cr」と、「予め記憶された閾値」と、を比較する構成の例としては、(1)「算出された補正液体濃度Cr」が「予め記憶された閾値」よりも大きい場合には測定対象物に含まれる水分の濃度が所望の範囲にあると判定し、「算出された補正液体濃度Cr」が「予め記憶された閾値」よりも小さい場合には測定対象物に含まれる水分の濃度が所望の範囲に無いと判定する構成、(2)「算出された補正液体濃度Cr」が「予め記憶された閾値」よりも大きい場合には測定対象物に含まれる水分の濃度が所望の範囲に無いと判定し、「算出された補正液体濃度Cr」が「予め記憶された閾値」よりも小さい場合には測定対象物に含まれる水分の濃度が所望の範囲にあると判定する構成、(3)「算出された補正液体濃度Cr」が「予め記憶された第一の閾値」以上かつ「予め記憶された第二の閾値(第二の閾値は第一の閾値よりも大きい)」以下である場合には測定対象物に含まれる水分の濃度が所望の範囲にあると判定し、「算出された補正液体濃度Cr」が「第一の閾値」未満または「第二の閾値」よりも大きい場合には測定対象物に含まれる水分の濃度が所望の範囲に無いと判定する構成、等が挙げられる。
上記(1)〜(3)の構成は、測定対象物の性状や本発明の用途等に応じて適宜選択される。
本実施例の水分濃度測定装置100は測定対象物たるペースト2に含まれる水分の濃度を測定する構成としたが、本発明はこれに限定されず、測定対象物に含まれる液体の濃度を測定する用途に広く適用することが可能である。
測定対象物に含まれる液体の他の例としては、有機溶剤、油等が挙げられる。
以下では、図7を用いて本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態について説明する。
本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、水分濃度測定装置100を用いてペースト2に含まれる水分の濃度を測定する方法であり、図7に示す如くレーザ光投光・受光工程S1100、第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200および測定対象物液体濃度算出工程S1300を具備する。
レーザ光投光・受光工程S1100は本発明に係るレーザ光投光・受光工程の実施の一形態であり、水分を含むペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間してペースト2の表面に平行なレーザ光101を投光し、レーザ光101を受光してレーザ光101の強度を検出するとともに、ペースト2の表面から第一測定距離T1よりも大きい第二測定距離T2だけ離間してペースト2の表面に平行なレーザ光102を投光し、レーザ光102を受光してレーザ光102の強度を検出する工程である。
レーザ光投光・受光工程S1100が終了したら、第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200に移行する。
第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200は本発明に係る第一液体濃度・第二液体濃度算出工程の実施の一形態であり、ペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間して投光され、受光されたレーザ光101の強度に基づいてペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間した位置における水分濃度である第一液体濃度C1を算出するとともに、ペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間して投光され、受光されたレーザ光102の強度に基づいてペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間した位置における水分濃度である第二液体濃度C2を算出する工程である。
第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200が終了したら、測定対象物液体濃度算出工程S1300に移行する。
測定対象物液体濃度算出工程S1300は本発明に係る測定対象物液体濃度算出工程の実施の一形態であり、第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200において算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出する工程である。
図7に示す如く、測定対象物液体濃度算出工程S1300は、補正液体濃度算出工程S1310および濃度算出工程S1320を具備する。
補正液体濃度算出工程S1310は第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200において算出された第一液体濃度C1、レーザ光101の光路長さL1、第一液体濃度・第
二液体濃度算出工程S1200において算出された第二液体濃度C2およびレーザ光102の光路長さL2を用いて、数8に基づいて補正液体濃度Crを算出する工程である。
補正液体濃度算出工程S1310が終了したら、濃度算出工程S1320に移行する。
濃度算出工程S1320は、「予め記憶された補正液体濃度Crと搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との関係」と、「補正液体濃度算出工程S1310において算出された補正液体濃度Cr」と、を比較することにより、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度を算出する工程である。
より詳細には、濃度算出工程S1320において、予め記憶された「補正液体濃度Crと搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度との関係を表す関係式」に、補正液体濃度算出工程S1310において算出された補正液体濃度Crを代入することにより、搬送経路に沿って搬送されるアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度が算出される。
以上の如く、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、
水分を含むペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間してペースト2の表面に平行なレーザ光101を投光し、レーザ光101を受光し、レーザ光101の強度を検出するとともに、ペースト2の表面から第一測定距離T1よりも大きい第二測定距離T2だけ離間してペースト2の表面に平行なレーザ光102を投光し、レーザ光102を受光し、レーザ光102の強度を検出するレーザ光投光・受光工程S1100と、
ペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間して投光され、受光されたレーザ光101の強度に基づいてペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間した位置における水分濃度である第一液体濃度C1を算出するとともに、ペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間して投光され、受光されたレーザ光102の強度に基づいてペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間した位置における水分濃度である第二液体濃度C2を算出する第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200と、
第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200において算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出する測定対象物液体濃度算出工程S1300と、
を具備する。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、測定対象物たるペースト2から蒸発する水分の雰囲気中の濃度を測定し、当該水分濃度に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を測定するので、ペースト2に含まれる水分の濃度を非接触で精度良く測定することが可能である。
特に、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、測定対象物たるペースト2から蒸発する水分の雰囲気中の濃度を非接触で測定するので、測定対象物たるペースト2(本実施例の場合、厳密にはペースト2が塗布されたアルミニウム箔1)が第一測定距離T1および第二測定距離T2を保持しつつ移動する場合にもペースト2に含まれる水分の濃度をリアルタイムで測定することが可能である。
また、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出するため、雰囲気中に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分の影響を排除することが可能であり、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
さらにまた、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出するため、レーザ光101およびレーザ光102の光路長さがそれぞれ変化したり、あるいはレーザ光101およびレーザ光102がデッドスペース(図1において長さW11、W12、W21、W22で表される部分)を通過したりする場合であっても、レーザ光101およびレーザ光102の光路のうち当該デッドスペースに対応する部分に存在する水分の影響を排除してペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定することが可能である。
このことは、レーザ光101を投光する装置(本実施例の場合、第一投光部111)、レーザ光101を受光する装置(本実施例の場合、第一受光部112)、レーザ光102を投光する装置(本実施例の場合、第二投光部121)およびレーザ光102を受光する装置(本実施例の場合、第二受光部122)を測定対象物たるペースト2の表面に対向する位置に配置する必要がないことを示しており、測定対象物たるペースト2が高温である場合にペースト2からの熱によりこれらの装置(第一投光部111、第一受光部112、第二投光部121および第二受光部122)が破損する事態を防止することが可能である。
また、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態においては、
ペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間して投光されるレーザ光101およびペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間して投光されるレーザ光102の波長は、いずれもペースト2に含まれる水分に吸収される波長を含む。
このように構成することにより、レーザ光投光・受光工程S1100において検出されるレーザ光101の強度がレーザ光101の光路上の雰囲気中に含まれる水分の濃度に応じて変化するとともにレーザ光投光・受光工程S1100において検出されるレーザ光102の強度がレーザ光102の光路上の雰囲気中に含まれる水分の濃度に応じて変化するので、ペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定することが可能である。
また、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態においては、
ペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間して投光されるレーザ光101とペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間して投光されるレーザ光102とが互いに平行であり、
ペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間して投光されるレーザ光101およびペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間して投光されるレーザ光102を含む平面103はペースト2の表面に対して直交する。
このように構成することにより、レーザ光101およびレーザ光102はいずれもペースト2の表面上の同じ位置に(同時刻において)正対することとなり、受光されたレーザ光101の強度に基づいて算出される第一液体濃度C1のうち雰囲気中に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分に係る部分と、受光されたレーザ光102の強度に基づいて算出される第二液体濃度C2と、を同じであると見なすことが可能である。従って、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
また、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態における第一測定距離T1は、以下の(a)から(d)の手順に従って設定される。
(a)アルミニウム箔1に塗布されたペースト2の搬送速度U、アルミニウム箔1に塗布されたペースト2の搬送方向から見たペースト2の幅W、雰囲気の密度ρ、雰囲気の粘性μを用いて、数1に基づいてレイノルズ数Reを算出する。
(b)算出されたレイノルズ数Reが数2で示す関係を満たす場合にはペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定し、算出されたレイノルズ数Reが数3で示す関係を満たす場合にはペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定する。
(c)ペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定された場合には数4に基づいて境界層厚みδを算出し、ペースト2の表面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定された場合には数5に基づいて境界層厚みδを算出する。
(d)第一測定距離T1を、数6で示す関係を満たす範囲に設定する。
このように構成することにより、レーザ光投光・受光工程S1100において検出されるレーザ光101の強度、ひいてはレーザ光101の光路上の雰囲気に含まれる水分の濃度はアルミニウム箔1に塗布されたペースト2に含まれる水分の濃度と強い相関を有するので、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
また、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態における第二測定距離T2は、数7で示す関係を満たす範囲に設定される。
このように構成することにより、受光されたレーザ光102の強度に基づいて算出される第二液体濃度C2から「ペースト2から蒸発した水分」の影響を排除することが可能であり、ペースト2に含まれる水分の濃度の測定精度が向上する。
また、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、
測定対象物液体濃度算出工程S1300において、
第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200において算出された第一液体濃度C1、ペースト2の表面から第一測定距離T1だけ離間して投光されるレーザ光101の光路長さL1、第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200において算出された第二液体濃度C2およびペースト2の表面から第二測定距離T2だけ離間して投光されるレーザ光102の光路長さL2を用いて、数8に基づいて第一液体濃度C1の補正値である補正液体濃度Crを算出する。
このように構成することにより、(α)レーザ光102の光路長さL2がレーザ光101の光路長さL1と同じである場合、および(β)レーザ光102の光路長さL2がレーザ光101の光路長さL1と異なっている場合、のいずれの場合であっても、第一液体濃度C1から「雰囲気中に元々存在する(ペースト2に由来しない)水分の影響」を精度良く排除することが可能である。
従って、補正液体濃度Crを精度良く算出し、ひいてはペースト2に含まれる水分の濃度を精度良く測定することが可能である。
また、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は、
測定対象物液体濃度算出工程S1300において、
予め記憶された補正液体濃度Crとペースト2に含まれる水分の濃度との関係と、算出された補正液体濃度Crと、を比較することにより、ペースト2に含まれる水分の濃度を算出する。
このように構成することにより、ペースト2に含まれる水分の濃度を精度良くかつリアルタイムで測定することが可能である。
なお、本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態は第一液体濃度・第二液体濃度算出工程S1200において算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度C2に基づいて補正液体濃度Crを算出し、補正液体濃度Crに基づいてペースト2に含まれる水分の濃度を算出することによりペースト2に含まれる水分の濃度を測定する構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明は、第一液体濃度・第二液体濃度算出工程において算出された第一液体濃度C1および第二液体濃度算出部により算出された第二液体濃度C2に基づいて補正液体濃度Crを算出し、算出された補正液体濃度Crに基づいて測定対象物に含まれる水分の濃度が予め設定された所望の範囲にあるか否かを判定する構成であっても良い。
本発明に係る液体濃度測定装置の実施の一形態を示す正面図。 同じく本発明に係る液体濃度測定装置の実施の一形態を示す側面図。 本発明に係る液体濃度測定装置の実施の一形態および従来の液体濃度測定装置の実施の一形態による測定対象物の表面近傍における雰囲気中の水分濃度の測定結果を示す図。 同じく発明に係る液体濃度測定装置の実施の一形態および従来の液体濃度測定装置の実施の一形態による測定対象物の表面近傍における雰囲気中の水分濃度の測定結果を示す図。 測定対象物の幅方向における水分濃度の分布と本発明に係る液体濃度測定装置の実施の一形態におけるレーザ光の光軸方向との関係を示す図。 測定対象物の幅方向の水分濃度の分布が本発明に係る液体濃度測定装置の実施の一形態による水分濃度の測定結果に及ぼす影響を示す図。 本発明に係る液体濃度測定方法の実施の一形態を示すフロー図。
1 アルミニウム箔
2 ペースト(測定対象物)
100 水分濃度測定装置(液体濃度測定装置)
101 レーザ光
102 レーザ光
111 第一投光部
112 第一受光部
121 第二投光部
122 第二受光部
130 濃度算出装置(第一液体濃度算出部、第二液体濃度算出部)
141 解析装置(測定対象物液体濃度算出部)

Claims (8)

  1. 液体を含み、搬送経路に沿って搬送方向に搬送される測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光する第一投光部と、
    前記第一投光部により投光されるレーザ光を受光し、当該レーザ光の強度を検出する第一受光部と、
    前記測定対象物の測定面から前記第一測定距離よりも大きい第二測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光する第二投光部と、
    前記第二投光部により投光されるレーザ光を受光し、当該レーザ光の強度を検出する第二受光部と、
    前記第一受光部により検出されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第一液体濃度を算出する第一液体濃度算出部と、
    前記第二受光部により検出されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第二液体濃度を算出する第二液体濃度算出部と、
    前記第一液体濃度算出部により算出された第一液体濃度および前記第二液体濃度算出部により算出された第二液体濃度に基づいて前記測定対象物に含まれる液体の濃度を算出する測定対象物液体濃度算出部と、
    を具備し、
    前記第一投光部により投光されるレーザ光と前記第二投光部により投光されるレーザ光とが互いに平行であり、
    前記第一投光部により投光されるレーザ光および前記第二投光部により投光されるレーザ光を含む平面は前記測定対象物の測定面および前記搬送方向に対して直交し、
    前記第一液体濃度算出部により算出される第一液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含む雰囲気の液体濃度であり、
    前記第二液体濃度算出部により算出される第二液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含まない雰囲気の液体濃度である、液体濃度測定装置。
  2. 前記第一投光部および前記第二投光部が投光するレーザ光の波長は、いずれも前記測定対象物に含まれる液体に吸収される波長を含む請求項1に記載の液体濃度測定装置。
  3. 前記第一測定距離T1は、以下の(a)から(d)の手順に従って設定される請求項1または請求項2に記載の液体濃度測定装置。
    (a)前記測定対象物の搬送速度U、前記測定対象物の搬送方向から見た前記測定対象物の幅W、雰囲気の密度ρ、前記雰囲気の粘性μを用いて、以下の数1に基づいてレイノルズ数Reを算出する。
    (b)算出されたレイノルズ数Reが以下の数2で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定し、算出されたレイノルズ数Reが以下の数3で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定する。
    (c)前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定された場合には以下の数4に基づいて境界層厚みδを算出し、前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定された場合には以下の数5に基づいて境界層厚みδを算出する。
    (d)前記第一測定距離T1を、以下の数6で示す関係を満たす範囲に設定する。
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
  4. 前記第二測定距離T2は、以下の数7で示す関係を満たす範囲に設定される請求項3に記載の液体濃度測定装置。
    Figure 0005203677
  5. 液体を含み、搬送経路に沿って搬送方向に搬送される測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光し、当該レーザ光を受光して当該レーザ光の強度を検出するとともに、前記測定対象物の測定面から前記第一測定距離よりも大きい第二測定距離だけ離間して前記測定面に平行なレーザ光を投光し、当該レーザ光を受光して当該レーザ光の強度を検出するレーザ光投光・受光工程と、
    前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光され、受光されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第一液体濃度を算出するとともに、前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光され、受光されたレーザ光の強度に基づいて前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間した位置における液体濃度である第二液体濃度を算出する第一液体濃度・第二液体濃度算出工程と、
    前記第一液体濃度・第二液体濃度算出工程において算出された第一液体濃度および第二液体濃度に基づいて前記測定対象物に含まれる液体の濃度を算出する測定対象物液体濃度算出工程と、
    を具備し、
    前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光されるレーザ光と前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光されるレーザ光とが互いに平行であり、
    前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光されるレーザ光および前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光されるレーザ光を含む平面は前記測定対象物の測定面および前記搬送方向に対して直交し、
    前記第一液体濃度・第二液体濃度算出工程において算出される第一液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含む雰囲気の液体濃度であり、
    前記第一液体濃度・第二液体濃度算出工程において算出される第二液体濃度は、前記測定対象物から蒸発する液体を含まない雰囲気の液体濃度である、液体濃度測定方法。
  6. 前記測定対象物の測定面から第一測定距離だけ離間して投光されるレーザ光および前記測定対象物の測定面から第二測定距離だけ離間して投光されるレーザ光の波長は、いずれも前記測定対象物に含まれる液体に吸収される波長を含む請求項5に記載の液体濃度測定方法。
  7. 前記第一測定距離T1は、以下の(a)から(d)の手順に従って設定される請求項8または請求項6に記載の液体濃度測定方法。
    (a)前記測定対象物の搬送速度U、前記測定対象物の搬送方向から見た前記測定対象物の幅W、雰囲気の密度ρ、前記雰囲気の粘性μを用いて、以下の数1に基づいてレイノルズ数Reを算出する。
    (b)算出されたレイノルズ数Reが以下の数2で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定し、算出されたレイノルズ数Reが以下の数3で示す関係を満たす場合には前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定する。
    (c)前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が層流であると判定された場合には以下の数4に基づいて境界層厚みδを算出し、前記測定対象物の測定面に対向する領域の流れ状態が乱流であると判定された場合には以下の数5に基づいて境界層厚みδを算出する。
    (d)前記第一測定距離T1を、以下の数6で示す関係を満たす範囲に設定する。
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
    Figure 0005203677
  8. 前記第二測定距離T2は、以下の数7で示す関係を満たす範囲に設定される請求項7に記載の液体濃度測定方法。
    Figure 0005203677
JP2007287680A 2007-11-05 2007-11-05 液体濃度測定装置および液体濃度測定方法 Expired - Fee Related JP5203677B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007287680A JP5203677B2 (ja) 2007-11-05 2007-11-05 液体濃度測定装置および液体濃度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007287680A JP5203677B2 (ja) 2007-11-05 2007-11-05 液体濃度測定装置および液体濃度測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009115554A JP2009115554A (ja) 2009-05-28
JP5203677B2 true JP5203677B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=40782857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007287680A Expired - Fee Related JP5203677B2 (ja) 2007-11-05 2007-11-05 液体濃度測定装置および液体濃度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5203677B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5831223B2 (ja) * 2011-12-28 2015-12-09 日産自動車株式会社 電極乾燥方法、電極乾燥制御方法、電極乾燥装置および電極乾燥制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003178752A (ja) * 2001-12-07 2003-06-27 Toyota Motor Corp シート状電極の乾燥評価方法
JP4810312B2 (ja) * 2005-08-24 2011-11-09 株式会社リコー 非接触結露検出方法と非接触結露検出装置及びそれを使用した用紙変形抑制方法並びに画像形成装置
EP2008047B1 (en) * 2006-04-10 2012-11-14 F. Hoffmann-La Roche AG Apparatus for monitoring freeze-drying process

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009115554A (ja) 2009-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160245703A1 (en) Measuring apparatus and measuring method
Odrášková et al. Plasma activation of wood surface by diffuse coplanar surface barrier discharge
WO2010082335A1 (ja) 塗工膜の幅の検査方法および該検査方法に用いる検査装置
Xu et al. Quartz crystal microbalance sensor array for the detection of volatile organic compounds
EP2549268A1 (en) Method and apparatus for determining acceptance/rejection of fine diameter wire bonding
Soares et al. A simple architecture with self-assembled monolayers to build immunosensors for detecting the pancreatic cancer biomarker CA19-9
Bedoya et al. On the thermal characterization of solids by photoacoustic calorimetry: thermal diffusivity and linear thermal expansion coefficient
JPWO2018212037A1 (ja) 検査装置、検査方法、ライブラリ生成装置、ライブラリ生成方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
JP5203677B2 (ja) 液体濃度測定装置および液体濃度測定方法
Just et al. A method to quantify coating thickness and porosity of electrodes for lithium-ion-batteries
JP2016515205A (ja) イオン改質
KR20130099600A (ko) 그래핀 시트 품질 검사 장치 및 방법
Bartosik et al. Mechanism and suppression of physisorbed-water-caused hysteresis in graphene FET sensors
JP2010243482A (ja) 薄膜の熱物性測定装置とこの測定装置を用いた熱伝導率と界面熱抵抗の測定方法
JP2006047312A (ja) シート状部品を穿孔について検査するための試験装置及び方法
JP2001083113A (ja) サーモリフレクタンス法による熱拡散率測定方法
Moore et al. The nascent coffee ring with arbitrary droplet contact set: an asymptotic analysis
RU2561014C1 (ru) Способ неразрушающего контроля степени исчерпания защитных свойств фильтрующе-поглощающих изделий
Nijemeisland et al. Identifying interfacial failure mode in aerospace adhesive bonds by broadband dielectric spectroscopy
JP2009229003A (ja) 乾燥装置、帯状体、電池、電池製造装置
Vergara et al. Optimized Feature Extraction for Temperature‐Modulated Gas Sensors
CN102614823A (zh) 具有气泡的微流体系统及其气体放电方法与气体反应方法
CN202210090U (zh) 一种用于卷绕镀膜机上的残余气体分析装置
Fu Sensing properties and mechanism of gas sensor for H2S and NO2 based on [Cu5 (bipyO2) 6Cl8] Cl2
Richter et al. Investigation of Liquid-Vapor Interfaces with APXPS

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120717

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130214

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees