以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の本発明の実施形態では、被測定者の体重及び生体インピーダンスを測定するとともに、被測定者の脂肪率・筋肉量・骨量を算出することが可能な体重計付き体組成計(以下、単に体組成計という。)に、本発明を適用した場合について説明する。
ここで、本発明において、「第1生体情報」とは、生体測定装置による測定によって実測される被測定者の生体情報であり、被測定者に関する追加の情報の取得を必要とすることなく得られる生体情報である。第1生体情報としては、本発明を身長測定機能のない体組成計に適用する場合には、体重や生体インピーダンス、身長測定機能付き体組成計を用いる場合は、体重、生体インピーダンス、及び身長を挙げることができる。
また、「第2生体情報」とは、第1生体情報及び/又は第3生体情報をパラメータとして算出される被測定者の生体情報である。より具体的には、第2生体情報は、前記パラメータを、予め所望の生体情報ごとに定めた回帰式に適用することにより、推定値として算出する。第2生体情報を正確に一定の数値として算出するためには、第1生体情報の外、被測定者に関する追加の情報(第3生体情報)をさらにパラメータとして適用する必要があるものである。したがって、第1生体情報のみをパラメータとして第2生体情報を算出した場合には、第3生体情報の変動によって第2生体情報も変動する関係となるため、特定の数値で表すことはできず、第3生体情報と関連付けられた状態で表されるものとなる。第2生体情報としては、例えば、脂肪率、内臓脂肪レベル、体水分量、筋肉量、基礎代謝量、骨量、除脂肪量、体細胞量、血圧、内蔵脂肪面積、BMI(Body Math Index)、肥満度、細胞内液量、細胞外液量を挙げることができる。
また、「第3生体情報」とは、第1生体情報とともに第2生体情報を算出する場合のパラメータとして用いられる被測定者の生体情報であり、例えば被測定者の年齢、性別、身長を挙げることができる。なお、身長は、本発明を身長測定機能のない体組成計に適用する場合には第3生体情報として扱い、身長測定機能付き体組成計に適用する場合には第1生体情報として扱う。
図1は、本実施形態に係る体組成計(生体測定装置)50の外観構成を示す斜視図であり、図2は、体組成計50の主たる機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の体組成計50は、略箱形に形成された載せ台40と、載せ台40の裏面側に設けられて載せ台40を支持する脚部(図に示さず)とを備える。載せ台40の上面には、電極部材21、22、23、24と、キー入力部6(入力部)と、主として被測定者の生体情報の測定結果の表示(第1測定結果表示、第2測定結果表示)を行う表示部7と、が設けられている。図2に示すように、キー入力部6及び表示部7は、マイクロプロセッサ(制御部)10に接続され、電極部材21、22、23、24は、インピーダンス測定部20を介してマイクロプロセッサ10に接続されている。
図1に示すように、体組成計50における電極部材は、4つの薄板状の電極部材21、22、23、24で構成され、これらは載せ台40の上面で互いに離間して配置されている。なお、これらの電極部材に加えて、被測定者の両手でそれぞれ把持することのできるグリップ型の電極部材(手電極)を設けるようにしてもよい。
体組成計50では、被測定者のつま先が接触する電極部材21、22を通電電極、かかとが接触する電極部材23、24を測定電極としている。インピーダンス測定部20(第1生体情報測定部)は、マイクロプロセッサ40からの指示信号に従って電極部材(通電電極)21、22に所定の微弱な定電流を供給するようになっており、電極部材(測定電極)23、24における電位差(電圧)を測定することができるようになっている。これにより、被測定者が体組成計50に載った場合に、両足のつま先間に、両脚部(下半身)を介して電流を流し、この電流経路に発生する電位差(電圧)をかかと間で測定することにより、測定された電圧値及び印加した電流値から被測定者の生体インピーダンスを求めることができる。このようにして実測により求められた被測定者の生体インピーダンスは、インピーダンス測定部20からマイクロプロセッサ10に出力される。
載せ台40の内部には、載せ台40に載った被測定者による荷重を検知するロードセル31が設けられており、ロードセル31は、体重測定部30(第1生体情報測定部)を介してマイクロプロセッサ10に接続されている。より具体的には、ロードセル31は、荷重を掛けると荷重に応じて変形する金属部材からなる起歪体と、起歪体に貼られる歪みゲージと、によって構成し、載せ台40は起歪体の一端に支持され、起歪体の他端が脚部(図に示さず)に支持されるように構成する。これにより、被測定者が載せ台40に載ったときの荷重により起歪体が撓むと歪みゲージが伸縮して、歪みゲージの伸縮に応じた抵抗値(出力値)が変化し、その抵抗変化を荷重信号出力の変化として体重を測定する。すなわち、体重測定部30は、載せ台40に負荷が掛かっていないときのロードセル31からの抵抗値(出力値)(いわゆるゼロ点)と、荷重が掛かったときの抵抗値(出力値)と、の差から体重を演算により求め、被測定者の体重が測定されるようになっている。このようにして実測により求められた被測定者の体重は、体重測定部31からマイクロプロセッサ10に出力される。
入力部としてのキー入力部6は、被測定者の第3生体情報の入力や、体組成計50の各種設定を行うための操作部分である。本実施計体においては、一例として、第1キー操作部35、第2キー操作部36、第3キー操作部37および第4キー操作部38を有する構成としたが、個数・形状・操作方法は特にこれに限られず、ボタン式の外、タッチセンサ式、ダイヤル式など適宜採択可能である。本実施形態のキー入力部6は、被測定者の身長、性別、年齢等の第3生体情報の入力操作に用いられる情報入力手段として機能するだけではなく、表示部7に表示されるデータの選択決定操作に用いられる情報選択決定手段や、表示部7に表示されるデータの修正操作に用いられる修正指示手段としても機能する。
表示部7は、マイクロプロセッサ10から送られてくるデータを表示するためのデータ表示手段であり、被測定者の各種生体情報の表示(第1測定結果表示、第2測定結果表示)や操作の案内表示などを行う。表示部7としては、一例として、フルドットLCD(Liquid Crystal Display)などの液晶を用いたものを採用すればよい。表示部7における、被測定者の各種生体情報の表示例の詳細については、図5〜図13を参照して後述するが、電極部材21、22、23、24に載った被測定者から直接的に測定(実測)される体重や生体インピーダンスなどの第1生体情報、キー入力部6を介して入力される被測定者の身長や性別などの第3生体情報、このような第1生体情報及び/又は第3生体情報をパラメータとして算出によって間接的に得られる脂肪率などの第2生体情報、が表示部7に適宜表示されるようになっている。
マイクロプロセッサ10には、更に、体組成計50で用いられる各種データを記憶可能な補助メモリ5と、体組成計50を構成する各種機器類の電力源となる電源部8とが接続されている。
補助メモリ5(記憶部)は、マイクロプロセッサ10の演算処理時に使用される被測定者の身長や年齢その他のデータ類を記憶しておく不揮発性の記憶手段である。補助メモリ5に記憶されているデータ類は、マイクロプロセッサ10によって適宜読み出され、被測定者の生体情報の測定・算出に用いられる。
電源部8は、コンセント等の外部の電力供給源に接続されるプラグ、又はバッテリーなどの内部電力供給源によって構成される電力供給手段であり、マイクロプロセッサ10を介して、体組成計50を構成する各種機器類に電力を供給する。
マイクロプロセッサ10は、体組成計50を構成する各種機器類の制御部として機能し、例えば、インピーダンス測定部20及び体重測定部30における測定データの処理制御、被測定者の生体情報に関する各種演算の実行処理、キー入力部6に入力される各種データの処理、表示部7の表示の制御、補助メモリ5等の記憶手段に対するデータの読み出しや書き込みの処理等、各種の処理および制御を行う。
図3は、マイクロプロセッサ10の主たる構成を示すブロック図である。マイクロプロセッサ10は、演算処理などを行うCPU(中央演算処理装置)1(演算部)と、CPU1に接続されるROM(不揮発性メモリ)2およびRAM(揮発性メモリ)3と、CPU1、ROM2およびRAM3に接続される外部入出力インターフェイス4と、を有する。
ROM2は、CPU1によって実行される各種の制御プログラム等を記憶し、RAM3は、測定データやCPU1による演算データの一時的な退避箇所として用いられる。外部入出力インターフェイス4は、マイクロプロセッサ10に接続される外部機器類との間におけるデータ入出力に関するインターフェイスとして機能する。
CPU1は、ROM2やRAM3に記憶されるプログラムやデータ(第1生体情報を含む)と、外部入出力インターフェイス4を介して外部機器(例えばキー入力部6)から入力される第3生体情報とを用いて、所定の回帰式に基づき、被測定者の第2生体情報を算出する。例えば、本実施形態のCPU1は、被測定者の体重、身長、生体インピーダンス、性別、年齢その他の生体情報(第1生体情報、第3生体情報)を用いて、例えば脂肪率、筋肉量、骨量(第2生体情報)を推定値として算出する。このようにしてCPU1で算出される被測定者の第2生体情報は、マイクロプロセッサ10から表示部7に表示データとして適宜送られる。
次に、本実施形態の体組成計50を用いた測定例について、図4〜図13を参照して説明する。図4は、体組成計50を用いた測定例の流れを示すフローチャート、図5〜図13は、表示部7の表示例を示す図である。
なお、図5〜図13に示す表示部7内において表示されている、「脂肪率%」「安定」「ゼロ」「測定中」「体重 kg」「身長 cm」という項目をそれぞれ指す三角形の指示表示41a〜41fは、それぞれが指す項目に関する処理(測定処理、又は表示処理)が体組成計50で行われている場合に表示されるようになっている。例えば「ゼロ」の項目が指示表示41aによって示されている場合(図5参照)には、被測定者が体組成計50に載る前の無負荷時におけるロードセル31の出力値をゼロ点とする、いわゆるゼロ点の調整処理を行っている状態であることを示す。同様に、「安定」の項目が指示表示41bによって示されている場合(図7参照)には、ロードセル31の出力が安定している状態であることを示し、「脂肪率%」の項目が指示表示41cによって示されている場合(図8〜図10参照)には、被測定者の脂肪率が表示されていることを示す。また、「測定中」の項目が指示表示41dによって示されている場合(図6参照)には、被測定者の体重及び生体インピーダンス(第1生体情報)の測定処理中であることを示し、「体重 kg」の項目が指示表示41eによって示されている場合(図5〜図7参照)には、被測定者の体重が表示されている状態であることを示し、「身長 cm」の項目が指示表示41fによって示されている場合(図8〜図10参照)には、身長が表示されている状態、身長の入力をすることができる状態であることを示すものである。
まず、測定を開始するために、測定開始スイッチ(図に示さず)が被測定者によってタッチされ、測定開始の指示がマイクロプロセッサ10に送られて、体組成計50が起動する(図4のステップS10)。なお、測定開始スイッチは、載せ台40の任意の箇所に配設可能であり、例えばキー入力部6等に測定開始スイッチを設けることができる。
測定開始の指示を受信したマイクロプロセッサ10は、被測定者の体重測定のためのロードセル31の出力値のゼロ点調整を含む、各種機器類の初期設定を行うとともに(ステップS11)、表示部7には図5に示す表示を行うように指示する。各種機器類の初期設定(ゼロ点調整)が終了すると、図5の表示状態から指示表示41aを消灯して指示表示41bを点灯させ、被測定者に対して、測定準備が完了したことを示す表示状態とする。
被測定者が、載せ台40の電極部材21、22、23、24上に載ると、被測定者の体重及び生体インピーダンス(第1生体情報)が自動的に測定される(ステップS12)。測定中においては、図6に示すように、表示部7では、指示表示41a、41bを消灯し、指示表示41d、41eを点灯させ、測定中の体重を中央部に大きく表示させる。ロードセル31の出力値が安定したところで、その時点でのロードセル31の出力値に対応して求めた荷重を被測定者の体重とする。このとき、図7に示すように、表示部7では、指示表示41dを消灯し、指示表示41bを点灯させ、実測された体重を中央部に大きく表示させる。
そして、被測定者の体重及び生体インピーダンスの測定が終了すると、マイクロプロセッサ10において、被測定者の体重及び生体インピーダンス(第1生体情報)に基づき脂肪率(第2生体情報)の算出が行われる(ステップS13)。脂肪率の算出に際しては、予め定めておいた回帰式に、前記のように実測された体重及び生体インピーダンス(第1生体情報)をパラメータとして適用して求める。この時点においては、被測定者の身長や性別(第3生体情報)は取得されていないので、脂肪率を正確に特定の数値として算出することはできないが、例えば身長150cmの場合の脂肪率、160cmの場合の脂肪率、170cmの場合の脂肪率、180cmの場合の脂肪率、といったように代表的に複数の身長数値を仮定したときの各脂肪率を性別毎に算出しておく。
このように脂肪率の算出が終了すると、表示部7の中央部にて大きく表示していた体重にかえて、脂肪率を、身長・性別と関連付けた状態の測定結果表示(第1測定結果表示)を行う(ステップS14)。第1測定結果表示としては、第2生体情報が第3生体情報と関連付けられて表示されるものであればよく、本実施形態では、図8に示すように、脂肪率(%)を縦軸に、身長(cm)を横軸にそれぞれ設定して、前記のように代表的に複数の身長数値を仮定して性別毎に求めた脂肪率をプロットして求めた、男性用のグラフ(細線)と女性用のグラフ(太線)の両者を表示するようになっている。このとき、縦軸が脂肪率(%)であることを示すために指示表示41cを、横軸が身長(cm)であることを示すために指示表示41fを、それぞれ点灯させるようにする。なお、指示表示41eを消灯させるとともに、被測定者の体重の数値を表示部7のいずれかの部位に(図8においては、右上に小さく)表示する。なお、男性用のグラフは青色、女性用のグラフは赤色で表示すると、より直感的にいずれの性別に対応したグラフであるかが把握しやすくなる点で好適である。
ここまでの測定に際して被測定者は、最初の測定開始スイッチをタッチし、体組成計50に載る、という極めて簡単な作業のみをしているだけであるが、前記のような身長−脂肪率のグラフ(第1測定結果表示)が表示されることによって、被測定者は視覚により直感的に被測定者の身長−脂肪率の関係を性別ごとに把握することができる。すなわち、被測定者は自己の身長を把握していることが多いため、図8に示すような測定結果表示において、まずは自己の性別に対応するグラフを判別し、次にそのグラフにおいて自己の身長(横軸)における脂肪率(縦軸)を目視により追っていくだけで、自己のおおよその脂肪率を簡単に知ることが可能となる。したがって、おおよその脂肪率を知ることができればよいと考えている被測定者にあっては、正確な脂肪率の算出のための所定の操作(例えば身長・年齢等の入力)を行うことなく、身長−脂肪率のグラフ(第1測定結果表示)が表示された時点で測定作業を終了すればよい(ステップ15でNO)。
なお、図8に示すグラフでは、概ね150cmから180cmまでの身長に対応する脂肪率を見ることができるように設定されているが、150cm以下、又は180cm以上の身長の被測定者が見やすいように調整することが可能である。図8に示すように、第1キー操作部35及び第2キー操作部36が、それぞれ表示部7の左下の「−10cm」及び右下の「+10cm」の表示に対応して、グラフの身長範囲(横軸)の調整に関連づけられている。具体的には、被測定者が第1キー操作部35を1回押すと、概ね140cmから170cmまでの身長に対応する脂肪率を見ることができるように表示設定され、第2キー操作部36を1回押すと、概ね160cmから190cmまでの身長に対応する脂肪率を見ることができるように表示設定されるようになっている。
一方、種々の生体情報を正確な数値として知りたいと考えている被測定者の利用目的にも沿うように、本実施形態では、被測定者が性別、身長、年齢(第3生体情報)を任意で手動入力することによって、身長−脂肪率のグラフをさらに絞り込んだ表示としたり、または種々の第2生体情報を正確な数値として表示させること(第2測定結果表示)ができるようになっている。ここで、第2測定結果表示は、複数の第3生体情報が順次入力されるに従って、入力された第3生体情報に応じて特定された第2生体情報が表示されるものである。
図8に示す身長−脂肪率のグラフが表示部7に表示された後、被測定者は更に詳細な測定、すなわち、表示部7に表示された情報から、自身の性別、身長、年齢その他の生体情報(第3生体情報)を用いてより具体的な第2生体情報を測定していく作業、を行うか否かを選択することができる(ステップS15)。前述のように、被測定者がこの時点で十分な測定結果を確認することができたと満足して測定を終了する場合(ステップS15でNO)、体組成計50による測定は終了する。
一方、更に詳細な測定を続行する場合(ステップS15でYES)、被測定者は自己の性別を選択して入力する(ステップS16)。本実施形態では、図8に示すような身長−脂肪率のグラフを表示する際に、表示部7の下中央に「男性」及び「女性」を表示するとともに、第3キー操作部37及び第4キー操作部38をそれぞれに対応させて、男性用のグラフと女性用のグラフの選択に関連づけられている。したがって、被測定者は、自己の性別に応じて第3キー操作部37又は第4キー操作部38を押し、性別を選択入力すると、自己の性別ではないグラフは表示部7から削除され、選択された性別に係る身長−脂肪率のグラフ(第2測定結果表示)が表示部7に表示される(ステップS17)。図9は、一例として、被測定者の性別として男性が選択された場合を示しており、表示部7には、男性用の身長−脂肪率のグラフ(第2測定結果表示)が表示されるとともに、「男性」という文字表示がなされる。
そして、図9に示すように、補助メモリ5に記憶されている身長の初期設定値(図9では165cm)が数値表示されるとともに、身長の初期設定値に対応した身長−脂肪率のグラフ上の位置にポインタ42が表示される。なお、身長の初期設定値の表示方法は、身長の入力操作(再設定)が可能であることを表すために、例えば反転表示とするのが好適である。そして、表示部7には、第1キー操作部35及び第2キー操作部36が身長の増減調整に関連づけられていることを示す表示(図9では、表示部7の左下の「−1cm」及び右下の「+1cm」)がなされるとともに、身長入力の完了指示が第3キー操作部37と関連づけられていることを示す表示(図9では、表示部7の中央下の「次へ」)がなされる。図9に示す例において、被測定者は、反転表示されている初期設定値の身長(図9では165cm)を、第1キー操作部35を介して−1cmずつ減じることができ、又は第2キー操作部36を介して+1cmずつ増やすことができる。このような身長の増減調整に伴って、表示部7では、図10に示すように、反転表示されている身長の数値表示が変更されるとともに、変更された身長に対応してポインタ42が身長−脂肪率のグラフ上を推移する。以上の操作を行うことによって、被測定者の身長を入力する(ステップS18)。図10に示す表示部7では、身長が170cmである被測定者が、自己の身長(第2生体情報)として170cmを入力した場合の測定結果表示(第2測定結果表示)がなされているものであって、身長−脂肪率のグラフ上の、身長170cmに対応した位置にポインタ42が表示されている。
被測定者の身長の入力を終了して、「次へ」表示に対応する第3キー操作部37を押すと、マイクロプロセッサ10において、実測された体重及び生体インピーダンス(第1生体情報)、並びに、被測定者によって入力された性別及び身長(第3生体情報)をパラメータとして、予め定めておいた回帰式に適用し、脂肪率の算出を行う(ステップS19)。この時点に至っては、前述のステップS13における脂肪率の算出とは異なって、被測定者の身長や性別(第3生体情報)が取得されているので、脂肪率を正確に特定の数値として算出することができる。
脂肪率の算出が終了すると、表示部7の中央部にて大きく表示していた身長−脂肪率のグラフにかえて、被測定者の体重・生体インピーダンス(第1生体情報)、及び性別・身長(第3生体情報)に基づいて求めた脂肪率(第2生体情報)を数値表示させる測定結果表示(第2測定結果表示)を行う(ステップS20)。本実施計体においては、図11に示すように、第2生体情報としての脂肪率(「23%」)の外、第1生体情報としての体重(「63.5kg」)及び第3生体情報としての性別・身長(「男性」「170cm」)が、列挙形式で数値表示されるようになっている。
図11に示す第2生体情報としての脂肪率が表示部7に数値表示された後、被測定者は更に詳細な測定、すなわち、自身の年齢(第3生体情報)を用いて更に別の第2生体情報(例えば推定筋肉量、推定骨量)を測定していく作業を行うか否かを選択することができる。被測定者がこの時点で十分な測定結果を確認することができたと満足して測定を終了する場合(ステップS21でNO)、表示部7の中央下の「終了」の表示に対応して測定終了処理に関連付けられている第4キー操作部38を押すと、体組成計50による測定が終了する。
一方、更に詳細な測定を続行する場合(ステップS21でYES)、表示部7の中央下の「次へ」の表示に対応して測定終了処理に関連付けられている第3キー操作部37を押す。これにより、表示部7は、図12に示すような被測定者の年齢の入力を促す画面に切り替わる。具体的には、図11に示す表示部7の状態においてブランクのままとされていた年齢の項目には、図12に示すように、補助メモリ5に記憶されている年齢の初期設定値(図12では30才)が数値表示される。なお、年齢の初期設定値の表示方法は、年齢の入力操作(再設定)が可能であることを表すために、例えば反転表示とするのが好適である。そして、表示部7には、第1キー操作部35及び第2キー操作部36が年齢の増減調整に関連づけられていることを示す表示(図12では、表示部7の左下の「−1才」及び右下の「+1才」)がなされるとともに、年齢入力の完了指示が第3キー操作部37と関連づけられていることを示す表示(図12では、表示部7の中央下の「次へ」)がなされる。図12に示す例において、被測定者は、反転表示されている初期設定値の年齢(図12では30才)を、第1キー操作部35を介して−1才ずつ減じることができ、又は第2キー操作部36を介して+1才ずつ増やすことができる。このような年齢の増減調整に伴って、表示部7では、反転表示されている年齢の数値表示が変更される。以上の操作を行うことによって、被測定者の年齢を入力する(ステップS22)。
被測定者の年齢の入力を終了して、「次へ」表示に対応する第3キー操作部37を押すと、マイクロプロセッサ10において、実測された体重及び生体インピーダンス(第1生体情報)、並びに、被測定者によって入力された性別・身長・年齢(第3生体情報)をパラメータとして、予め定めておいた回帰式に適用し、推定筋肉量及び推定骨量の算出を行う(ステップS23)。
被測定者の推定筋肉量および推定骨量の算出が終了すると、被測定者の体重・生体インピーダンス(第1生体情報)、及び性別・身長・年齢(第3生体情報)に基づいて求めた脂肪率・推定筋肉量・推定骨量(第2生体情報)を数値表示させる測定結果表示(第2測定結果表示)を行う(ステップS24)。本実施計体においては、図13に示すように、第2生体情報としての脂肪率・推定筋肉量・推定骨量(「23%」「35.4kg」「4.6kg」)の外、第1生体情報としての体重(「63.5kg」)及び第3生体情報としての性別・年齢・身長(「男性」「35才」「170cm」)が、列挙形式で数値表示されるようになっている。これにより、被測定者は、被測定者の体重および脂肪率だけではなく、推定筋肉量及び推定骨量についても数値データとして正確に確認することができる。
なお、図13に示すように、表示部7には、続けて同一の又は異なる被測定者の生体測定を行うため、測定開始の指示と第3キー操作部37とが関連づけられていることを示す表示(図13では、表示部7の中央下の「再測定」)、及び体組成計50による測定終了の指示と第4キー操作部38とが関連づけられていることを示す表示(図13では、表示部7の中央下の「終了」)がなされており、被測定者は体組成計50による再測定を行うか終了するかを選択することができる(ステップS25)。被測定者が第3キー操作部37を介して再測定を選択した場合(ステップS25でNO)、上記のステップS11〜ステップS25が再び繰り返され、新たな測定が開始される。一方、被測定者が第4キー操作部38を介して測定の終了を選択した場合(ステップS25でYES)、体組成計50による体重等の測定が終了する。
以上説明したように、本実施形態の体組成計50によれば、載せ台40上に被測定者が単に載るだけで、その他の特別な難しい操作を必要とすることなく、表示部7に被測定者の体重、並びに、性別及び身長に関連付けられた脂肪率を表示することができる(ステップS12〜ステップS14)。これにより被測定者は、表示部7に表示される脂肪率の情報と、自己の性別及び身長を照らし合わせるだけで、自己のおおよその脂肪率を視覚的に読み取ることができる。その一方で、より詳細な種々の生体情報を得たい場合には、表示部7に表示される指示に従って必要な情報を順次入力することにより(ステップS16〜ステップS22)、被測定者の生体情報が徐々に集約化され、ステップ毎に得られる被測定者の生体情報が見易い形式で正確に表示部7に表示されていき、最終的には被測定者の詳細な生体情報を数値データとして表示部7に表示することが可能である(図13参照)。
このように、まずは被測定者の脂肪率の測定結果が、体重及び生体インピーダンスによって算出されて所定の範囲をもって表示され、被測定者の任意の操作(身長、性別、年齢の入力)に応じて更に特定された脂肪率その他の生体情報を段階的に特定して表示させることができるので、おおよその脂肪率を知ることができればよいと考えている者にあっては、正確な脂肪率算出のための所定の操作(身長・年齢等の入力)が強いられることなく脂肪率を知ることができ、一方、種々の生体情報を正確に知りたいと考えている者にあっては、引き続き所定の操作(身長、性別、年齢の入力)を行うことによってその生体情報を知ることができるので、特に不特定多数の被測定者の利用に供される場合であっても、上記のようないずれの利用目的にも沿うことが可能で使い勝手の向上が図られる。また、極めて簡単な操作だけでおおよその脂肪率まで把握できることから、特に公共の施設に設置されて、被測定者にとって使い慣れていない体組成計であっても、使い勝手のよいものとなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、各種の変形を加えることも可能である。
例えば、上述の実施形態では、被測定者が測定部に載るだけで自動的に得られる第1生体情報として体重および生体インピーダンスを用いるとともに、この第1生体情報から算出される第2生体情報として脂肪率を用いる例について説明したが、第1生体情報および第2生体情報として他の生体情報を用いることも可能である。例えば、本発明を、身長計付き体組成計に適用することによって、第1生体情報に身長を含めることとしたり、また第2生体情報として脂肪率、筋肉量、骨量の外、内臓脂肪レベル、体水分量、基礎代謝量、除脂肪量、体細胞量、血圧、内蔵脂肪面積、BMI、肥満度、細胞内液量、細胞外液量等を含めることも可能である。
また、上述の実施形態では、キー入力部6と表示部7とを別個に設ける例について説明したが、表示部7にタッチパネルを組み合わせて、キー入力部6と表示部7とを一体的に設けることも可能である。この場合、より直感的な操作が可能になり、ユーザにとって更に簡単で分かりやすい操作を実現することができる。
また、表示部7における第1測定結果表示は、図8に示すようなグラフによる表示に限定されるものではなく、第2生体情報と第3生体情報とが関連付けられて表示されるものであれば何でも良く、例えば表のような表示手法を採択することも可能である。
なお、特定の使用環境下において、被測定者が一定の生体情報を有する場合には、そのような生体情報を予め補助メモリ5等に記憶しておき、マイクロプロセッサ10によって適宜読み出して測定を進めてもよい。例えば、男性のみが使用する環境下では性別として男性をプリセットしておくことも可能であり、また特定の個人が使用する場合にはその個人の身長、年齢、性別をプリセットしておくことも可能である。このような場合には、操作が更に簡略され、被測定者の詳細な生体情報の測定を迅速に行うことができる。