以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。後に第1〜第8実施例を説明するが、まず、各実施例に共通する事項又は各実施例にて参照される事項について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の全体ブロック図である。撮像装置1は、例えば、デジタルビデオカメラである。撮像装置1は、動画像及び静止画像を撮影可能となっていると共に、動画像撮影中に静止画像を同時に撮影することも可能となっている。
[基本的な構成の説明]
撮像装置1は、撮像部11と、AFE(Analog Front End)12と、映像信号処理部13と、マイク14と、音声信号処理部15と、圧縮処理部16と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの内部メモリ17と、SD(Secure Digital)カードや磁気ディスクなどの外部メモリ18と、伸張処理部19と、VRAM(Video Random Access Memory)20と、音声出力回路21と、TG(タイミングジェネレータ)22と、CPU(Central Processing Unit)23と、バス24と、バス25と、操作部26と、表示部27と、スピーカ28と、を備えている。操作部26は、録画ボタン26a、シャッタボタン26b及び操作キー26c等を有している。撮像装置1内の各部位は、バス24又は25を介して、各部位間の信号(データ)のやり取りを行う。
TG22は、撮像装置1全体における各動作のタイミングを制御するためのタイミング制御信号を生成し、生成したタイミング制御信号を撮像装置1内の各部に与える。タイミング制御信号は、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsyncを含む。CPU23は、撮像装置1内の各部の動作を統括的に制御する。操作部26は、ユーザによる操作を受け付ける。操作部26に与えられた操作内容は、CPU23に伝達される。撮像装置1内の各部は、必要に応じ、信号処理時に一時的に各種のデータ(デジタル信号)を内部メモリ17に記録する。
撮像部11は、撮像素子(イメージセンサ)33の他、図示されない光学系、絞り及びドライバを備える。被写体からの入射光は、光学系及び絞りを介して、撮像素子33に入射する。光学系を構成する各レンズは、被写体の光学像を撮像素子33上に結像させる。TG22は、上記タイミング制御信号に同期した、撮像素子33を駆動するための駆動パルスを生成し、該駆動パルスを撮像素子33に与える。
撮像素子33は、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等からなる固体撮像素子である。撮像素子33は、光学系及び絞りを介して入射した光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号をAFE12に出力する。より具体的には、撮像素子33は、マトリクス状に二次元配列された複数の受光画素(図1において不図示)を備え、各撮影において、各受光画素は露光時間に応じた電荷量の信号電荷を蓄える。蓄えた信号電荷の電荷量に比例した大きさを有する各受光画素からの電気信号は、TG22からの駆動パルスに従って、後段のAFE12に順次出力される。
AFE12は、撮像素子33(各受光画素)から出力されるアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換してから映像信号処理部13に出力する。AFE12における信号増幅の増幅度はCPU23によって制御される。映像信号処理部13は、AFE12の出力信号によって表される画像に対して各種画像処理を施し、画像処理後の画像についての映像信号を生成する。映像信号は、通常、画像の輝度を表す輝度信号Yと、画像の色を表す色差信号U及びVと、から構成される。
マイク14は撮像装置1の周辺音をアナログの音声信号に変換し、音声信号処理部15は、このアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する。
圧縮処理部16は、映像信号処理部13からの映像信号を、所定の圧縮方式を用いて圧縮する。動画像または静止画像の撮影及び記録時において、圧縮された映像信号は外部メモリ18に記録される。また、圧縮処理部16は、音声信号処理部15からの音声信号を、所定の圧縮方式を用いて圧縮する。動画像撮影及び記録時において、映像信号処理部13からの映像信号と音声信号処理部15からの音声信号は、圧縮処理部16にて時間的に互いに関連付けられつつ圧縮され、圧縮後のそれらは外部メモリ18に記録される。
録画ボタン26aは、動画像の撮影及び記録の開始/終了を指示するための押しボタンスイッチであり、シャッタボタン26bは、静止画像の撮影及び記録を指示するための押しボタンスイッチである。
撮像装置1の動作モードには、動画像及び静止画像の撮影が可能な撮影モードと、外部メモリ18に格納された動画像及び静止画像を表示部27に再生表示する再生モードと、が含まれる。操作キー26cに対する操作に応じて、各モード間の遷移は実施される。
撮影モードでは、所定のフレーム周期にて順次撮影が行われ、撮像素子33から撮影画像列が取得される。撮影画像列に代表される画像列とは、時系列で並ぶ画像の集まりを指す。また、画像を表すデータを画像データと呼ぶ。画像データも、映像信号の一種と考えることができる。1つのフレーム周期分の画像データによって1枚分の画像が表現される。映像信号処理部13は、AFE12の出力信号によって表される画像に対して各種画像処理を施すが、この画像処理を施す前の、AFE12の出力信号そのものによって表される画像を、原画像と呼ぶ。従って、1つのフレーム周期分の、AFE12の出力信号によって、1枚の原画像が表現される。
撮影モードにおいて、ユーザが録画ボタン26aを押下すると、CPU23の制御の下、その押下後に得られる映像信号及びそれに対応する音声信号が、順次、圧縮処理部16を介して外部メモリ18に記録される。動画像撮影の開始後、再度ユーザが録画ボタン26aを押下すると、映像信号及び音声信号の外部メモリ18への記録は終了し、1つの動画像の撮影は完了する。また、撮影モードにおいて、ユーザがシャッタボタン26bを押下すると、静止画像の撮影及び記録が行われる。
再生モードにおいて、ユーザが操作キー26cに所定の操作を施すと、外部メモリ18に記録された動画像又は静止画像を表す圧縮された映像信号は、伸張処理部19にて伸張されVRAM20に書き込まれる。尚、撮影モードにおいては、通常、録画ボタン26a及びシャッタボタン26bに対する操作内容に関係なく、映像信号処理13による映像信号の生成が逐次行われており、その映像信号はVRAM20に書き込まれる。
表示部27は、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、VRAM20に書き込まれている映像信号に応じた画像を表示する。また、再生モードにおいて動画像を再生する際、外部メモリ18に記録された動画像に対応する圧縮された音声信号も、伸張処理部19に送られる。伸張処理部19は、受け取った音声信号を伸張して音声出力回路21に送る。音声出力回路21は、与えられたデジタルの音声信号をスピーカ28にて出力可能な形式の音声信号(例えば、アナログの音声信号)に変換してスピーカ28に出力する。スピーカ28は、音声出力回路21からの音声信号を音声(音)として外部に出力する。
[撮像素子の受光画素配列]
図2は、撮像素子33の有効領域内の受光画素配列を示している。撮像素子33の有効領域は長方形形状を有しており、その長方形の一頂点を撮像素子33の原点と捉える。原点が撮像素子33の有効領域の左上隅に位置するものとする。撮像素子33の垂直方向における有効画素数と水平方向における有効画素数との積(例えば、数100〜数1000の二乗)に相当する個数の受光画素が二次元配列されることによって、撮像素子33の有効領域が形成される。撮像素子33の有効領域内の各受光画素をPS[x,y]にて表す。ここで、x及びyは整数である。撮像素子33の原点から見て、右側に位置する受光画素ほど、対応する変数xの値が大きくなり、下側に位置する受光画素ほど、対応する変数yの値が大きくなるものとする。撮像素子33において、上下方向は垂直方向に対応し、左右方向は水平方向に対応する。
図2では、便宜上、10×10の受光画素領域のみを図示しており、この受光画素領域を符号200によって参照する。以下の説明では、受光画素領域200内の受光画素に特に注目する。受光画素領域200内には、不等式「1≦x≦10」及び「1≦y≦10」を満たす合計100個の受光画素PS[x,y]が示されている。受光画素領域200内に属する受光画素群の内、受光画素PS[1,1]の配置位置が最も撮像素子33の原点に近く、受光画素PS[10,10]の配置位置が最も撮像素子33の原点から遠い。
撮像装置1は、1枚のイメージセンサのみを用いる、いわゆる単板方式を採用している。図3は、撮像素子33の各受光画素の前面に配置されたカラーフィルタの配列を示している。図3に示される配列は、一般に、ベイヤー配列と呼ばれる。カラーフィルタには、光の赤成分のみを透過させる赤フィルタと、光の緑成分のみを透過させる緑フィルタと、光の青成分のみを透過させる青フィルタと、がある。赤フィルタは、受光画素PS[2nA−1,2nB]の前面に配置され、青フィルタは、受光画素PS[2nA,2nB−1]の前面に配置され、緑フィルタは、受光画素PS[2nA−1,2nB−1]又はPS[2nA,2nB]の前面に配置される。ここで、nA及びnBは整数である。尚、図3並びに後述の図5等において、赤フィルタに対応する部位をRにて表し、緑フィルタに対応する部位をGにて表し、青フィルタに対応する部位をBにて表す。
赤フィルタ、緑フィルタ、青フィルタが前面に配置された受光画素を、夫々、赤受光画素、緑受光画素、青受光画素とも呼ぶ。各受光画素は、カラーフィルタを介して自身に入射した光を光電変換によって電気信号に変換する。この電気信号は、受光画素の画素信号を表し、以下、それを「受光画素信号」と呼ぶこともある。赤受光画素、緑受光画素及び青受光画素は、夫々、光学系の入射光の、赤成分、緑成分及び青成分にのみ反応する。
撮像素子33から受光画素信号を読み出す方式には、全画素読み出し方式、加算読み出し方式、間引き読み出し方式がある。全画素読み出し方式にて撮像素子33から受光画素信号を読み出す場合、撮像素子33の有効領域内に位置する全ての受光画素からの受光画素信号が個別にAFE12を介して映像信号処理部13に与えられる。加算読み出し方式及び間引き読み出し方式については、後述される。尚、以下の説明では、記述の簡略化上、AFE12における信号増幅及びデジタル化を無視して考える。
[原画像の画素配列]
図4(a)は、原画像の画素配列を示している。図4(a)では、図2の受光画素領域200に対応する、原画像の一部画像領域のみを示している。原画像を含む任意の画像は、二次元直交座標系である画像座標面XY上に二次元配列された画素群から形成されている、と考えることができる(図4(b)参照)。
記号P[x,y]は、受光画素PS[x,y]に対応する、原画像上の画素を表す。撮像素子33の原点に対応する原画像の原点から見て、右側に位置する画素ほど、対応する記号P[x,y]中の変数xの値が大きくなり、下側に位置する画素ほど、対応する記号P[x,y]中の変数yの値が大きくなるものとする。原画像において、上下方向は垂直方向に対応し、左右方向は水平方向に対応する。
また、以下の説明において、撮像素子33の位置を記号[x,y]にて表すと共に、原画像を含む任意の画像上の位置(画像座標面XY上の位置)も記号[x,y]にて表す。撮像素子33における位置[x,y]は、受光画素PS[x,y]の、撮像素子33上の位置と合致し、画像(画像座標面XY)における位置[x,y]は、原画像の画素P[x,y]の位置と合致する。但し、撮像素子33の各受光画素及び原画像上の各画素は、水平及び垂直方向においてゼロではない一定の大きさを有してため、厳密には、撮像素子33における位置[x,y]は、受光画素PS[x,y]の中心位置と合致し、画像(画像座標面XY)における位置[x,y]は、原画像の画素P[x,y]の中心位置と合致する。また、以下の説明では、画素(又は受光画素)の位置を示すことを明示すべく、記号[x,y]を、画素位置を表す記号としても用いることがある。
尚、原画像上の1画素の、水平方向の幅をWpで表す(図4(a)参照)。原画像上の1画素の、垂直方向の幅もWpである。従って、画像(画像座標面XY)上において、位置[x,y]と位置[x+1,y]との距離及び位置[x,y]と位置[x,y+1]との距離は、共にWpである。
全画素読み出し方式を用いた場合、AFE12から出力される、受光画素PS[x,y]の受光画素信号は、原画像の画素P[x,y]の画素信号となる。図5に、全画素読み出し方式を用いて得た原画像220における、画素信号のイメージ図を示す。図5及び後述する図6(a)〜(e)では、図示の簡略化上、画素位置[1,1]〜[4,4]に対応する部分のみを示している。また、図5及び後述する図6(a)〜(e)では、画素信号が表す色成分(R、G又はB)を、画素位置に対応させて示している。
原画像220において、画素位置[2nA−1,2nB]の画素信号は、AFE12から出力される赤受光画素PS[2nA−1,2nB]の受光画素信号であり、画素位置[2nA,2nB−1]の画素信号は、AFE12から出力される青受光画素PS[2nA,2nB−1]の受光画素信号であり、画素位置[2nA−1,2nB−1]又はP[2nA,2nB]の画素信号は、AFE12から出力される緑受光画素PS[2nA−1,2nB−1]又はPS[2nA,2nB]の受光画素信号である(nA及びnBは整数)。このように、全画素読み出し方式を用いた場合、画像上での画素間隔は、撮像素子33上の受光画素間隔と同様、均等となっている。
原画像220では、1つの画素位置に対して、赤成分、緑成分及び青成分の内の何れかの1つの色成分のみの画素信号が存在している。映像信号処理部13は、補間処理を用い、画像を形成する各々の画素に対して、3つの色成分の画素信号を割り当てるための処理を行う。この処理を、色補間処理と呼ぶ。色補間処理は、一般にデモザイキング処理とも呼ばれ、色同時化処理と呼ばれることもある。
以下、原画像を含む任意の画像において、赤成分、緑成分及び青成分のデータを表す画素信号を、夫々、R信号、G信号及びB信号と呼ぶ。また、R信号、G信号及びB信号の何れかを色信号と呼ぶこともあり、それらを総称して、色信号と呼ぶこともある。
図6(a)〜(c)は、原画像220に対して施される色補間処理の概念図であり、図6(d)〜(e)は、原画像220に色補間処理を施すことによって得られた色補間画像230のイメージ図である。図6(a)〜(c)は、夫々、G、B及びR信号に対する色補間処理の概念図であり、図6(d)〜(e)では、色補間画像230の各画素位置にG、B及びR信号が存在している様子が示されている。図6(a)〜(c)において、丸で囲まれたG、B及びRは、夫々、周辺画素(矢印の根元に位置する画素)を用いた補間処理によって得られたG、B及びR信号を表している。尚、図示の煩雑化防止のため、色補間画像230におけるG、B及びR信号を別個に示しているが、原画像220から1枚の色補間画像230が生成される。
周知の如く、原画像220に対する色補間処理では、注目画素の周辺画素における着目色の画素信号を混合することによって、注目画素における着目色の画素信号が生成される。例えば、図6(a)に示す如く、原画像220における画素位置[3,1]、[2,2]、[4,2]及び[3,3]の画素信号の平均信号が、色補間画像230における画素位置[3,2]のG信号として生成され、原画像220における画素位置[2,2]、[1,3]、[3,3]及び[2,4]の画素信号の平均信号が、色補間画像230における画素位置[2,3]のG信号として生成される。原画像220における画素位置[2,2]及び[3,3]の画素信号は、そのまま、夫々、色補間画像230における画素位置[2,2]及び[3,3]のG信号とされる。同様に、周知の信号補間方法に従って、色補間画像230における各画素のB及びR信号も生成される。
撮像装置1は、加算読み出し方式又は間引き読み出し方式の利用時に特徴的な動作を行う。以下に、この特徴的な動作の実現方法を説明する実施例として、第1〜第8実施例を説明する。矛盾なき限り、或る実施例に記載した事項は他の実施例にも適用される。
<<第1実施例>>
まず、第1実施例について説明する。第1実施例では、撮像素子33から画素信号を読み出す方式として、複数の受光画素信号を加算しながら読み出す加算読み出し方式を用いる。この際、用いる加算パターンを複数の加算パターンの間で順次変更させながら加算読み出しを行い、加算パターンの異なる複数の色補間画像を合成することによって1枚の出力合成画像を生成する。加算パターンとは、加算の対象となる受光画素の組み合わせパターンを意味する。用いられる複数の加算パターンは、互いに異なる第1、第2、第3及び第4の加算パターンの内の、2以上の加算パターンを含む。
図7(a)、(b)、図8(a)及び(b)は、夫々、第1、第2、第3及び第4の加算パターンを用いた場合の信号加算の様子を示す。図7(a)、(b)、図8(a)及び(b)に対応する第1、第2、第3及び第4の加算パターンを、夫々、加算パターンPA1、PA2、PA3及びPA4によって参照することもある。図9(a)、(b)、(c)及び(d)は、夫々、第1、第2、第3及び第4の加算パターンを用いて加算読み出しを行った場合に得られる、原画像の画素信号の様子を示す。上述したように、受光画素PS[1,1]〜PS[10,10]から成る受光画素領域200に注目する(図2参照)。
図7(a)、(b)、図8(a)及び(b)に示される黒塗りの丸は、夫々、第1、第2、第3及び第4の加算パターンを用いた場合に想定される仮想的な受光画素の配置位置を示している。図7(a)、(b)、図8(a)及び(b)において、黒塗りの丸の周囲に示された矢印は、その丸に対応する仮想的な受光画素の画素信号を生成するために、該仮想的な受光画素の周辺受光画素の画素信号が加算される様子を示している。
第1の加算パターンとしての加算パターンPA1を用いる場合は、
撮像素子33の画素位置[2+4nA,2+4nB]及び[3+4nA,3+4nB]に仮想的な緑受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[3+4nA,2+4nB]に仮想的な青受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[2+4nA,3+4nB]に仮想的な赤受光画素が配置される、と想定する。
第2の加算パターンとしての加算パターンPA2を用いる場合は、
撮像素子33の画素位置[4+4nA,4+4nB]及び[5+4nA,5+4nB]に仮想的な緑受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[5+4nA,4+4nB]に仮想的な青受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[4+4nA,5+4nB]に仮想的な赤受光画素が配置される、と想定する。
第3の加算パターンとしての加算パターンPA3を用いる場合は、
撮像素子33の画素位置[4+4nA,2+4nB]及び[5+4nA,3+4nB]に仮想的な緑受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[5+4nA,2+4nB]に仮想的な青受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[4+4nA,3+4nB]に仮想的な赤受光画素が配置される、と想定する。
第4の加算パターンとしての加算パターンPA4を用いる場合は、
撮像素子33の画素位置[2+4nA,4+4nB]及び[3+4nA,5+4nB]に仮想的な緑受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[3+4nA,4+4nB]に仮想的な青受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[2+4nA,5+4nB]に仮想的な赤受光画素が配置される、と想定する。
尚、nA及びnBは、上述したように、整数である。
1つの仮想的な受光画素の画素信号は、その仮想的な受光画素の左斜め上、右斜め上、左斜め下及び右斜め下に隣接する実際の受光画素の画素信号の加算信号とされる。例えば、加算パターンPA1を用いる場合において、画素位置[2,2]に配置される仮想的な緑受光画素の画素信号は、実際の緑受光画素PS[1,1]、[3,1]、[1,3]及び[3,3]の画素信号の加算信号とされる。このように、同一色のカラーフィルタが配置された4つの受光画素の画素信号を加算することによって、その4つの受光画素の中心に位置する1つの仮想的な受光画素の画素信号を形成する。これは、どの加算パターン(後述する加算パターンPB1〜PB4、PC1〜PC4及びPD1〜PD4を含む)を用いた場合も同じである。
そして、位置[x,y]に配置された仮想的な受光画素の画素信号が、画像上の位置[x,y]の画素信号として取り扱われるように原画像が取得される。
従って、第1の加算パターン(PA1)を用いた加算読み出しによって得られる原画像は、図9(a)に示す如く、画素位置[2+4nA,2+4nB]及び[3+4nA,3+4nB]に配置された、G信号のみを有する画素と、画素位置[3+4nA,2+4nB]に配置された、B信号のみを有する画素と、画素位置[2+4nA,3+4nB]に配置された、R信号のみを有する画素と、を備えた画像となる。
同様に、第2の加算パターン(PA2)を用いた加算読み出しによって得られる原画像は、図9(b)に示す如く、画素位置[4+4nA,4+4nB]及び[5+4nA,5+4nB]に配置された、G信号のみを有する画素と、画素位置[5+4nA,4+4nB]に配置された、B信号のみを有する画素と、画素位置[4+4nA,5+4nB]に配置された、R信号のみを有する画素と、を備えた画像となる。
同様に、第3の加算パターン(PA3)を用いた加算読み出しによって得られる原画像は、図9(c)に示す如く、画素位置[4+4nA,2+4nB]及び[5+4nA,3+4nB]に配置された、G信号のみを有する画素と、画素位置[5+4nA,2+4nB]に配置された、B信号のみを有する画素と、画素位置[4+4nA,3+4nB]に配置された、R信号のみを有する画素と、を備えた画像となる。
同様に、第4の加算パターン(PA4)を用いた加算読み出しによって得られる原画像は、図9(d)に示す如く、画素位置[2+4nA,4+4nB]及び[3+4nA,5+4nB]に配置された、G信号のみを有する画素と、画素位置[3+4nA,4+4nB]に配置された、B信号のみを有する画素と、画素位置[2+4nA,5+4nB]に配置された、R信号のみを有する画素と、を備えた画像となる。
第1、第2、第3及び第4の加算パターンを用いた加算読み出しによって得られる原画像を、以下、夫々、第1、第2、第3及び第4の加算パターンの原画像と呼ぶ。また、或る原画像において、R、G又はB信号を有する画素を実画素とも呼び、R、G及びB信号の何れもが存在しない画素を空白画素とも呼ぶ。従って例えば、第1の加算パターンの原画像では、位置[2+4nA,2+4nB]、[3+4nA,3+4nB]、[3+4nA,2+4nB]又は[2+4nA,3+4nB]に配置される画素のみが実画素であり、それ以外の画素(例えば、位置[1,1]に配置される画素)は空白画素である。
図10は、図1の映像信号処理部13として用いられる映像信号処理部13aの内部ブロック図を含む、図1の撮像装置1の一部ブロック図である。映像信号処理部13aは、符号51〜56によって参照される各部位を備える。
色補間処理部51は、AFE12からのRAWデータに対して色補間処理を施すことにより、RAWデータをR、G及びB信号に変換する。この変換は、フレームごとに実行されて、この変換によって得られたR、G及びB信号はフレームメモリ52に一時記憶される。RAWデータとは、AFE12の出力信号によって示される、原画像を表す画像データである。
色補間処理部51での色補間処理によって、1枚の原画像から1枚の色補間画像が生成される。フレーム周期が経過する毎に、撮像素子33からAFE12を介して第1、第2、・・・、第(n−1)、第n番目の原画像が順次取得され、色補間処理部51により、第1、第2、・・・、第(n−1)、第n番目の原画像から夫々第1、第2、・・・、第(n−1)、第n番目の色補間画像が生成される。ここで、nは2以上の整数である。
動き検出部53は、現時点において色補間処理部51から出力されている現フレームのR、G及びB信号と、フレームメモリ52に記憶されている前フレームのR、G及びB信号と、に基づいて、隣接フレーム間のオプティカルフローを求める。つまり、第(n−1)及び第n番目の色補間画像の画像データに基づいて、両色補間画像間のオプティカルフローを求める。動き検出部53は、そのオプティカルフローから、両色補間画像間における、動きの大きさ及び向きを検出する。動き検出部53の検出結果はメモリ54に記憶される。
画像合成部55は、色補間処理部51の出力信号とフレームメモリ52に記憶されている信号を受け、受けた信号によって表される複数の色補間画像に基づいて1枚の出力合成画像を生成する。この生成の際、メモリ54に記憶された、動き検出部53の検出結果も参照される。信号処理部56は、画像合成部55から出力される出力合成画像のR、G及びB信号を、輝度信号Y及び色差信号U及びVから成る映像信号に変換する。この変換によって得られた映像信号(Y、U及びV)は、圧縮処理部16に送られ、所定の画像圧縮方式に従って圧縮符号化される。
尚、図10に示す構成では、AFE12から圧縮処理部16に向かって、色補間処理部51、フレームメモリ52、動き量検出部53、画像合成部55及び信号処理部56が、この順番に配列されているが、この順番を変更することも可能である。以下に、色補間処理の基本方法を説明した後、色補間処理部51、動き量検出部53及び画像合成部55の機能について、詳細に説明する。
[色補間処理の基本方法]
G信号に着目し、図11(a)及び(b)を参照して、色補間処理の基本方法を説明する。原画像のG信号から色補間画像のG信号を生成する際、色補間画像上に補間画素位置が定められ、その補間画素位置の近傍位置に存在し且つG信号を有する、原画像における複数の実画素が注目される。そして、その注目された複数の実画素におけるG信号を混合することによって補間画素位置のG信号が生成される。補間画素位置におけるG信号を生成するために注目された複数の実画素を、便宜上、参照実画素群と呼ぶ。
参照実画素群を形成する実画素の個数が2であって、参照実画素群が第1及び第2画素から成る場合、式(A1)に従って補間画素位置におけるG信号値が算出される。ここで、図11(a)に示す如く、d1及びd2は、夫々、第1画素の画素位置と補間画素位置との距離及び第2画素の画素位置と補間画素位置との距離である。ここにおける距離は、画像上における距離(画像座標面XY上の距離)である。原画像における第1及び第2画素のG信号値を夫々式(A1)のVG1及びVG2に代入することによって得たVGTは、補間画素位置におけるG信号値を表す。つまり、補間画素位置におけるG信号値は、参照実画素群のG信号値を距離d1及びd2に応じて線形補間することによって算出される。尚、G信号値とはG信号の値を指す(R信号値、B信号値も同様)。
参照実画素群を形成する実画素の個数が4であって、参照実画素群が第1〜第4画素から成る場合も、参照実画素群を形成する実画素の個数が2である場合と同様の線形補間によって、補間画素位置におけるG信号値が算出される。つまり、第1〜第4画素の画素位置と補間画素位置との距離d1〜d4に応じた比率にて第1〜第4画素のG信号値VG1〜VG4を混合することにより、補間画素位置におけるG信号値VGTが算出される(図11(b)参照)。
色補間処理部51では、参照実画素群のG信号を混合することによって補間画素位置におけるG信号を生成する際、複数の実画素のG信号を等比率で混合する(同じ割合にて混合する)。逆に言えば、参照実画素群のG信号を等比率で混合することによって信号が補間されるべき位置に、補間画素位置を設定する。この要求を満たすべく、補間画素位置は、参照実画素群を形成する実画素の画素位置の重心位置に設定される。より詳細には、参照実画素群を形成する各実画素の画素位置を結ぶことによって形成される図形の重心位置が、補間画素位置として設定される。
従って、参照実画素群が第1及び第2画素から成る場合は、第1画素の画素位置と第2画素の画素位置とを結ぶ図形(線分)の重心位置、即ち、両画素位置間の中心位置に補間画素位置が設定される。そうすると、必然的にd1=d2となるため、式(A1)は下記式(A2)に変形される。つまり、第1及び第2画素のG信号値の平均値が、補間画素位置のG信号値として算出される。
また、参照実画素群が第1〜4画素から成る場合は、第1〜4画素の画素位置を結ぶことによって形成される四角形の重心位置に補間画素位置が設定され、その補間画素位置のG信号値VGTは、第1〜4画素のG信号値VG1〜VG4の平均値とされる。
G信号に着目して、色補間処理の基本方法を説明したが、B信号及びR信号に対しても、同様の方法に従って色補間処理がなされる。即ち、着目色が緑、青及び赤の何れであるかに拘らず、上述の基本方法に従って着目色の色信号に対する色補間処理がなされる。B又はR信号に対する色補間処理を考える場合は、上述の“G”を“B”又は“R”に読み替えれば足る。
[色補間処理部]
色補間処理部51は、AFE12から得られる原画像に対して色補間処理を施すことによって色補間画像を生成する。第1実施例及び後述する第2〜第6実施例において、AFE12から色補間処理部51に与えられる原画像は、第1、第2、第3又は第4の加算パターンの原画像である。故に、色補間処理の対象となる原画像における画素間隔(隣接する実画素の間隔)は、図9(a)〜(d)に示す如く、不均等である。このような原画像に対して、色補間処理部51は、上述の基本方法に従う色補間処理を実行する。
図12(a)〜(c)及び図13(a)〜(c)を参照して、第1の加算パターンの原画像251から色補間画像261を生成するための色補間処理を説明する。図12(a)〜(c)は、夫々、補間画素位置のG、B及びR信号を生成するために、原画像251の実画素のG、B及びR信号が混合される様子を示す図である。図13(a)〜(c)は、夫々、色補間画像261上のG、B及びR信号を示す図である。図12(a)〜(c)に示される黒塗りの丸は、夫々、色補間画像261におけるG、B及びR信号が生成されるべき補間画素位置を示し、各黒塗りの丸の周囲に示された矢印は、補間画素位置の色信号を生成するために複数の色信号が混合される様子を示している。尚、図示の煩雑化防止のため、色補間画像261におけるG、B及びR信号を別個に示しているが、原画像251から1枚の色補間画像261が生成される。
まず、図12(a)及び図13(a)を参照し、原画像251におけるG信号から色補間画像261におけるG信号を生成するための色補間処理を説明する。不等式“2≦x≦7”及び“2≦y≦7”を満たす位置[x,y]を内包するブロック241に注目する。そして、ブロック241内に属する実画素のG信号から生成される、色補間画像261の補間画素位置のG信号を考える。尚、補間画素位置に対して生成されるG信号(又はB信号若しくはR信号)を、特に、補間G信号(又は補間B信号若しくは補間R信号)とも呼ぶ。
ブロック241内に属する、原画像251上の実画素のG信号から、色補間画像261に設定される2つの補間画素位置301及び302についての補間G信号が生成される。補間画素位置301は、G信号を有する実画素P[2,6]、P[3,7]、P[3,3]及びP[6,6]の画素位置の重心位置[3.5,5.5]である。位置[3.5,5.5]は、位置[3,6]と位置[4,5]の中心位置に相当する。補間画素位置302は、G信号を有する実画素P[6,2]、P[7,3]、P[3,3]及びP[6,6]の画素位置の重心位置[5.5,3.5]である。位置[5.5,3.5]は、位置[6,3]と位置[5,4]の中心位置に相当する。
図13(a)では、補間画素位置301及び302に生成される補間G信号を夫々符号311及び312によって指し示している。補間画素位置301に生成されるG信号311の値は、原画像251における実画素P[2,6]、P[3,7]、P[3,3]及びP[6,6]の画素値(即ちG信号値)の平均値とされる。つまり、G信号311にとっての参照実画素群の画素信号を等比率で混合することによってG信号311が生成される。同様に、補間画素位置302に生成されるG信号312の値は、原画像251における実画素P[6,2]、P[7,3]、P[3,3]及びP[6,6]の画素値(即ちG信号値)の平均値とされる。つまり、G信号312にとっての参照実画素群の画素信号を等比率で混合することによってG信号312が生成される。尚、画素値とは、画素信号の値を指す。
また、原画像251における実画素P[x,y]のG信号は、そのまま、色補間画像261の位置[x,y]におけるG信号とされる。つまり例えば、原画像251における実画素P[3,3]及びP[6,6]のG信号(即ち、原画像251における位置[3,3]及び[6,6]のG信号)は、それぞれ、色補間画像261の位置[3,3]及び[6,6]におけるG信号313及び314とされる。他の位置(例えば、位置[2,2])に対しても同様である。
ブロック241に注目した場合は、2つの補間画素位置301及び302が設定されて、それらに対する補間G信号311及び312が生成される。注目するブロックを、ブロック241を起点として、水平方向、垂直方向に4画素ずつずらして、順次、同様の補間G信号の生成処理を行う。これにより、図20(a)に示すような、色補間画像261上のG信号が生成される。図20(a)におけるG12,3、G13,2、G12,2及びG13,3は、夫々、図13(a)のG信号311、312、313及び314に対応している。図20(a)に対する詳細な説明は後述することとし、先に、B及びR信号に対する色補間処理と、第2〜第4の加算パターンを用いた場合の色補間処理を説明する。
図12(b)及び図13(b)を参照し、原画像251におけるB信号から色補間画像261におけるB信号を生成するための色補間処理を説明する。ブロック241に注目し、ブロック241内に属する実画素のB信号から生成される、色補間画像261の補間画素位置のB信号を考える。
ブロック241内に属する実画素のB信号から、色補間画像261に設定される3つの補間画素位置321〜323についての補間B信号が生成される。補間画素位置321は、B信号を有する実画素P[3,2]及びP[3,6]の画素位置の重心位置[3,4]と合致する。補間画素位置322は、B信号を有する実画素P[3,6]及びP[7,6]の画素位置の重心位置[5,6]と合致する。補間画素位置323は、B信号を有する実画素P[3,2]、P[7,2]、P[3,6]及びP[7,6]の画素位置の重心位置[5,4]と合致する。
図13(b)では、補間画素位置321〜323に生成される補間B信号を夫々符号331〜333によって指し示している。補間画素位置321に生成されるB信号331の値は、原画像251における実画素P[3,2]及びP[3,6]の画素値(即ちB信号値)の平均値とされる。つまり、B信号331にとっての参照実画素群の画素信号を等比率で混合することによってB信号331が生成される。B信号332及び333に対しても同様である。即ち、補間画素位置322に生成されるB信号332の値は、原画像251における実画素P[3,6]及びP[7,6]の画素値(即ちB信号値)の平均値とされ、補間画素位置323に生成されるB信号333の値は、原画像251における実画素P[3,2]、P[7,2]、P[3,6]及びP[7,6]の画素値(即ちB信号値)の平均値とされる。
また、原画像251における実画素P[x,y]のB信号は、そのまま、色補間画像261の位置[x,y]におけるB信号とされる。つまり例えば、原画像251における実画素P[3,6]のB信号(即ち、原画像251における位置[3,6]のB信号)は、色補間画像261の位置[3,6]におけるB信号334とされる。他の位置(例えば、位置[3,2])に対しても同様である。
ブロック241に注目した場合は、3つの補間画素位置321〜323が設定されて、それらに対する補間B信号331〜333が生成される。注目するブロックを、ブロック241を起点として、水平方向、垂直方向に4画素ずつずらして、順次、同様の補間B信号の生成処理を行う。これにより、図20(b)に示すような、色補間画像261上のB信号が生成される。
図12(c)及び図13(c)を参照し、原画像251におけるR信号から色補間画像261におけるR信号を生成するための色補間処理を説明する。ブロック241に注目し、ブロック241内に属する実画素のR信号から生成される、色補間画像261の補間画素位置のR信号を考える。
ブロック241内に属する実画素のR信号から、色補間画像261に設定される3つの補間画素位置341〜343についての補間B信号が生成される。補間画素位置341は、R信号を有する実画素P[2,3]及びP[6,3]の画素位置の重心位置[4,3]と合致する。補間画素位置342は、R信号を有する実画素P[6,3]及びP[6,7]の画素位置の重心位置[6,5]と合致する。補間画素位置343は、R信号を有する実画素P[2,3]、P[2,7]、P[6,3]及びP[6,7]の画素位置の重心位置[4,5]と合致する。
図13(c)では、補間画素位置341〜343に生成される補間R信号を夫々符号351〜353によって指し示している。補間画素位置341に生成されるR信号351の値は、原画像251における実画素P[2,3]及びP[6,3]の画素値(即ちR信号値)の平均値とされる。つまり、R信号351にとっての参照実画素群の画素信号を等比率で混合することによってR信号351が生成される。R信号352及び353に対しても同様である。即ち、補間画素位置342に生成されるR信号352の値は、原画像251における実画素P[6,3]及びP[6,7]の画素値(即ちR信号値)の平均値とされ、補間画素位置343に生成されるR信号353の値は、原画像251における実画素P[2,3]、P[2,7]、P[6,3]及びP[6,7]の画素値(即ちR信号値)の平均値とされる。
また、原画像251における実画素P[x,y]のR信号は、そのまま、色補間画像261の位置[x,y]におけるR信号とされる。つまり例えば、原画像251における実画素P[6,3]のR信号(即ち、原画像251における位置[6,3]のR信号)は、色補間画像261の位置[6,3]におけるR信号354とされる。他の位置(例えば、位置[2,3])に対しても同様である。
ブロック241に注目した場合は、3つの補間画素位置341〜343が設定されて、それらに対する補間R信号351〜353が生成される。注目するブロックを、ブロック241を起点として、水平方向、垂直方向に4画素ずつずらして、順次、同様の補間R信号の生成処理を行う。これにより、図20(c)に示すような、色補間画像261上のR信号が生成される。
第2、第3、第4加算パターンの原画像に対する色補間処理を説明する。第2、第3、第4加算パターンの原画像を、夫々、符号252、253及び254によって参照し、原画像252、253及び254から生成される色補間画像を符号262、263及び264によって参照する。
図14(a)〜(c)は、夫々、色補間画像262における補間画素位置のG、B及びR信号を生成するために、原画像252の実画素のG、B及びR信号が混合される様子を示す図である。図15(a)〜(c)は、夫々、色補間画像262上のG、B及びR信号を示す図である。図16(a)〜(c)は、夫々、色補間画像263における補間画素位置のG、B及びR信号を生成するために、原画像253の実画素のG、B及びR信号が混合される様子を示す図である。図17(a)〜(c)は、夫々、色補間画像263上のG、B及びR信号を示す図である。図18(a)〜(c)は、夫々、色補間画像264における補間画素位置のG、B及びR信号を生成するために、原画像254の実画素のG、B及びR信号が混合される様子を示す図である。図19(a)〜(c)は、夫々、色補間画像264上のG、B及びR信号を示す図である。
図14(a)〜(c)に示される黒塗りの丸は、夫々、色補間画像262におけるG、B又はR信号が生成されるべき補間画素位置を示し、図16(a)〜(c)に示される黒塗りの丸は、夫々、色補間画像263におけるG、B又はR信号が生成されるべき補間画素位置を示し、図18(a)〜(c)に示される黒塗りの丸は、夫々、色補間画像264におけるG、B又はR信号が生成されるべき補間画素位置を示している。各黒塗りの丸の周囲に示された矢印は、補間画素位置の色信号を生成するために複数の色信号が混合される様子を示している。尚、図示の煩雑化防止のため、色補間画像262におけるG、B及びR信号を別個に示しているが、原画像252から1枚の色補間画像262が生成される。色補間画像263及び264についても同様である。
第2〜第4の加算パターンの原画像に対する色補間処理の方法は、第1の加算パターンに対するそれと同様である。但し、第1の加算パターンの原画像における実画素の存在位置を基準として、第2の加算パターンの原画像における実画素の存在位置は右方向に2・Wp分且つ下方向に2・Wp分だけずれており、第3の加算パターンの原画像における実画素の存在位置は右方向に2・Wp分だけずれており、第4の加算パターンの原画像における実画素の存在位置は下方向に2・Wp分だけずれている(図4(a)も参照)。従って、色補間画像261上のG、B及びR信号の存在位置を基準として、色補間画像262上のG、B及びR信号の存在位置は右方向に2・Wp分且つ下方向に2・Wp分だけずれており、色補間画像263上のG、B及びR信号の存在位置は右方向に2・Wp分だけずれており、色補間画像264上のG、B及びR信号の存在位置は下方向に2・Wp分だけずれている。よって、これらのずれに相当する分だけ、色補間画像262〜264に対する補間画素位置も、色補間画像261のそれを基準としてずれる。
例えば、図14(a)等に対応する原画像252に関しては、不等式“4≦x≦9”及び“4≦y≦9”を満たす位置[x,y]を内包するブロック242に注目し、そのブロック242内に属する実画素のG信号から、色補間画像261に設定される2つの補間画素位置についての補間G信号を生成する。その2つの補間画素位置の内、一方の補間画素位置は、原画像252におけるG信号を有する実画素P[4,8]、P[5,9]、P[5,5]及びP[8,8]の画素位置の重心位置[5.5,7.5]であり、他方の補間画素位置は、原画像252におけるG信号を有する実画素P[8,4]、P[9,5]、P[5,5]及びP[8,8]の画素位置の重心位置[7.5,5.5]である。
そして、位置[5.5,7.5]に設定される補間画素位置の補間G信号は、原画像252における実画素P[4,8]、P[5,9]、P[5,5]及びP[8,8]の画素値の平均値であり、位置[7.5,5.5]に設定される補間画素位置の補間G信号は、原画像252における実画素P[8,4]、P[9,5]、P[5,5]及びP[8,8]の画素値の平均値である。また、原画像252における実画素P[x,y]のG信号は、そのまま、色補間画像262の位置[x,y]におけるG信号とされる。
注目するブロックを、ブロック242を起点として、水平方向、垂直方向に4画素ずつずらして、順次、同様の補間G信号の生成処理を行えば、図21(a)に示すような、色補間画像262上のG信号が生成される。同様にして補間B及びR信号を生成することにより、図21(b)及び(c)に示すような、色補間画像262上のB及びR信号が生成される。
図20(a)〜(c)は、夫々、色補間画像261のG、B及びR信号の存在位置を示す図であり、図21(a)〜(c)は、夫々、色補間画像262のG、B及びR信号の存在位置を示す図である。原画像251(又は252)から色補間画像261(又は262)を生成する方法と同様の方法によって、原画像253及び254から色補間画像263及び264も生成されるが、色補間画像263及び264に対応する、図20(a)等のような図面は割愛されている。
図20(a)〜(c)では、夫々、色補間画像261上のG、B及びR信号が丸によって示されており、丸の中に示された記号は、その丸に対応するG、B及びR信号を表している。図21(a)〜(c)では、夫々、色補間画像262上のG、B及びR信号が丸によって示されており、丸の中に示された記号は、その丸に対応するG、B及びR信号を表している。色補間画像261におけるG、B及びR信号を表す記号として、夫々、G1i,j、B1i,j及びR1i,jを用い、色補間画像262におけるG、B及びR信号を表す記号として、夫々、G2i,j、B2i,j及びR2i,jを用いる。i及びjは、整数である。尚、G1i,j及びG2i,jを、G信号の値を表す記号として用いることもある(B1i,j、B2i,j、R1i,j及びR2i,jに対しても同様)。
色補間画像261の注目画素の色信号G1i,j、B1i,j及びR1i,jにおけるi及びjは、夫々、色補間画像261の注目画素の水平画素番号及び垂直画素番号を示している(色信号G2i,j、B2i,j及びR2i,jについても同様)。
色補間画像261における色信号G1i,j、B1i,j及びR1i,jの配置を説明する。
図20(a)に示す如く、色補間画像261における位置[2,2]には、原画像251の位置[2,2]の画素信号と一致するG信号が存在するが、この位置[2,2]をG信号基準位置として捉え、G信号基準位置におけるG信号をG11,1とする。
G信号基準位置(位置[2,2])から右方向に向かって色補間画像261上のG信号を走査した時、G信号G11,1、G12,1、G13,1、G14,1、・・・、がこの順番で存在する。但し、この右方向の走査の際、走査ラインは幅Wpを有しているものとする。従って、G信号G12,1が存在すべき位置[3.5,1.5]は、この走査ライン上にのる。
G信号基準位置(位置[2,2])から下方向に向かって色補間画像261上のG信号を走査した時、G信号G11,1、G11,2、G11,3、G11,4、・・・、がこの順番で存在する。但し、この下方向の走査の際、走査ラインは幅Wpを有しているものとする。従って、G信号G11,2が存在すべき位置[1.5,3.5]は、この走査ライン上にのる。
同様に、色補間画像261上のG信号G1i,jが存在する任意の位置を起点とし、その起点から右方向に向かって色補間画像261上のG信号を走査した時、G信号G1i,j、G1i+1,j、G1i+2,j、G1i+3,j、・・・、がこの順番で存在し、その起点から下方向に向かって色補間画像261上のG信号を走査した時、G信号G1i,j、G1i,j+1、G1i,j+2、G1i,j+3、・・・、がこの順番で存在する。但し、この右方向及び下方向の走査の際、走査ラインは幅Wpを有しているものとする。
図20(b)に示す如く、色補間画像261における位置[1,2]には、原画像251上の複数の実画素のB信号から生成されたB信号が存在するが、この位置[1,2]をB信号基準位置として捉え、B信号基準位置におけるB信号をB11,1とする。
B信号基準位置(位置[1,2])から右方向に向かって色補間画像261上のB信号を走査した時、B信号B11,1、B12,1、B13,1、B14,1、・・・、がこの順番で存在し、B信号基準位置から下方向に向かって色補間画像261上のB信号を走査した時、B信号B11,1、B11,2、B11,3、B11,4、・・・、がこの順番で存在する。同様に、色補間画像261上のB信号B1i,jが存在する任意の位置を起点とし、その起点から右方向に向かって色補間画像261上のB信号を走査した時、B信号B1i,j、B1i+1,j、B1i+2,j、B1i+3,j、・・・、がこの順番で存在し、その起点から下方向に向かって色補間画像261上のB信号を走査した時、B信号B1i,j、B1i,j+1、B1i,j+2、B1i,j+3、・・・、がこの順番で存在する。
図20(c)に示す如く、色補間画像261における位置[2,1]には、原画像252上の複数の実画素のR信号から生成されたR信号が存在するが、この位置[2,1]をR信号基準位置として捉え、R信号基準位置におけるR信号をR11,1とする。
R信号基準位置(位置[2,1])から右方向に向かって色補間画像261上のR信号を走査した時、R信号R11,1、R12,1、R13,1、R14,1、・・・、がこの順番で存在し、R信号基準位置から下方向に向かって色補間画像261上のR信号を走査した時、R信号R11,1、R11,2、R11,3、R11,4、・・・、がこの順番で存在する。同様に、色補間画像261上のR信号R1i,jが存在する任意の位置を起点とし、その起点から右方向に向かって色補間画像261上のR信号を走査した時、R信号R1i,j、R1i+1,j、R1i+2,j、R1i+3,j、・・・、がこの順番で存在し、その起点から下方向に向かって色補間画像261上のR信号を走査した時、R信号R1i,j、R1i,j+1、R1i,j+2、R1i,j+3、・・・、がこの順番で存在する。
色補間画像261における色信号G1i,j、B1i,j及びR1i,jの配置状態を説明したが、色補間画像262における色信号G2i,j、B2i,j及びR2i,jの配置状態も同様である。上述の説明文中における、原画像251及び色補間画像261を夫々原画像252及び色補間画像262に読み替えると共に、“G1”、“B1”及び“R1”を夫々“G2”、“B2”及び“R2”に読み替えれば、信号G2i,j、B2i,j及びR2i,jの配置状態は定まる。但し、図21(a)〜(c)に示す如く、色補間画像262におけるG、B及びR信号基準位置は、夫々、位置[4,4]、[3,4]及び[4,3]であるため、位置[4,4]におけるG信号、位置[3,4]におけるB信号及び位置[4,3]におけるR信号が、夫々、G21,1、B21,1及びR21,1となる。
色補間画像261における色信号の存在位置をより明確に定義する。
図20(a)に示す如く、色補間画像261には、位置[2+4nA,2+4nB]、[3+4nA,3+4nB]、[3.5+4nA,1.5+4nB]及び[1.5+4nA,3.5+4nB]に、G信号が存在する(nA及びnBは整数)。
そして、色補間画像261において、
位置[2+4nA,2+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((2+4nA)/2,(2+4nB)/2)である時のG1i,jで表され、
位置[3+4nA,3+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((4+4nA)/2,(4+4nB)/2)である時のG1i,jで表され、
位置[3.5+4nA,1.5+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((4+4nA)/2,(2+4nB)/2)である時のG1i,jで表され、
位置[1.5+4nA,3.5+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((2+4nA)/2,(4+4nB)/2)である時のG1i,jで表される。
また、図20(b)及び(c)に示す如く、色補間画像261には、位置[2nA−1,2nB]にB信号が存在する一方で位置[2nA,2nB−1]にR信号が存在する(nA及びnBは整数)。そして、色補間画像261において、位置[2nA−1,2nB]におけるB信号は(i,j)=(nA,nB)である時のB1i,jで表され、位置[2nA,2nB−1]におけるR信号は(i,j)=(nA,nB)である時のR1i,jで表される。
色補間画像262における色信号の存在位置をより明確に定義する。
図21(a)に示す如く、色補間画像262には、位置[4+4nA,4+4nB]、[5+4nA,5+4nB]、[5.5+4nA,3.5+4nB]及び[3.5+4nA,5.5+4nB]に、G信号が存在する(nA及びnBは整数)。
そして、色補間画像262において、
位置[4+4nA,4+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((2+4nA)/2,(2+4nB)/2)である時のG2i,jで表され、
位置[5+4nA,5+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((4+4nA)/2,(4+4nB)/2)である時のG2i,jで表され、
位置[5.5+4nA,3.5+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((4+4nA)/2,(2+4nB)/2)である時のG2i,jで表され、
位置[3.5+4nA,5.5+4nB]におけるG信号は、(i,j)=((2+4nA)/2,(4+4nB)/2)である時のG2i,jで表される。
また、図21(b)及び(c)に示す如く、色補間画像262には、位置[2nA−1,2nB]にB信号が存在する一方で位置[2nA,2nB−1]にR信号が存在する(nA及びnBは整数)。そして、色補間画像262において、位置[2nA+1,2nB+2]におけるB信号は(i,j)=(nA,nB)である時のB2i,jで表され、位置[2nA+2,2nB+1]におけるR信号は(i,j)=(nA,nB)である時のR2i,jで表される。
[動き検出部]
図10の動き検出部53の機能について説明する。動き検出部53は、上述したように、第(n−1)及び第n番目の色補間画像の画像データに基づいて、両色補間画像間のオプティカルフローを求める。第1実施例では、用いられる加算パターンがフレームごとに複数の加算パターンの間で順次変更されるため、第(n−1)及び第n番目の色補間画像に対応する加算パターンは互いに異なる。例えば、第(n−1)及び第n番目の色補間画像の内、一方は、第1の加算パターンの原画像から生成された色補間画像であり、他方は、第2の加算パターンの原画像から生成された色補間画像である。
例として、図20(a)等に示される色補間画像261と図21(a)等に示される色補間画像262との間のオプティカルフローの導出方法を説明する。図22に示す如く、動き検出部53は、まず、色補間画像261のR、G及びB信号から輝度画像261Yを生成し、色補間画像262のR、G及びB信号から輝度画像262Yを生成する。輝度画像は、輝度信号のみを含む濃淡画像である。輝度画像261Y及び262Yの夫々は、輝度信号を有する画素を水平及び垂直方向に等間隔で配置することによって形成される。尚、図22における“Y”は、輝度信号を表している。
輝度画像261Y上の注目画素の輝度信号は、該注目画素に位置する或いは該注目画素の近傍に位置する、色補間画像261上の、G、R及びB信号から導出される。例えば、輝度画像261Yの、位置[4,4]における輝度信号を生成する場合は、色補間画像261のG信号G12,2、G13,3、G13,2及びG12,3から位置[4,4]のG信号を線形補間によって算出し、色補間画像261のB信号B12,2及びB13,2から位置[4,4]のB信号を線形補間によって算出し、色補間画像261のR信号R12,2及びR12,3から位置[4,4]のR信号を線形補間によって算出する(図20(a)〜(c)参照)。そして、色補間画像261に基づいて算出した、位置[4,4]のG、B及びR信号から、輝度画像261Yにおける位置[4,4]の輝度信号を算出する。算出された輝度信号は、輝度画像261Y上の、位置[4,4]に存在する画素の輝度信号として取り扱われる。
輝度画像262Yの、位置[4,4]における輝度信号を生成する場合は、色補間画像262のB信号B21,1及びB22,1から位置[4,4]のB信号を線形補間によって算出し、色補間画像262のR信号R21,1及びR21,2から位置[4,4]のR信号を線形補間によって算出する(図21(b)及び(c)参照)。位置[4,4]のG信号として、色補間画像262のG信号G21,1をそのまま利用可能である(図21(a)参照)。そして、G信号G21,1と、色補間画像262に基づいて算出した、位置[4,4]のB及びR信号とから、輝度画像262Yにおける位置[4,4]の輝度信号を算出する。算出された輝度信号は、輝度画像262Y上の、位置[4,4]に存在する画素の輝度信号として取り扱われる。
輝度画像261Y上の、位置[4,4]に存在する画素と、輝度画像262Y上の、位置[4,4]に存在する画素は、互いに対応する画素である。位置[4,4]における輝度信号の算出方法を説明したが、他の位置に対しても同様の方法に従って輝度信号が算出される。これにより、輝度画像261Y上の任意の画素位置[x,y]の輝度信号と、輝度画像262Y上の任意の画素位置[x,y]の輝度信号が算出される。
動き検出部53は、輝度画像261Y及び262Yを生成した後、輝度画像261Yの輝度信号と輝度画像262Yの輝度信号を対比することによって、輝度画像261Y−262Y間におけるオプティカルフローを求める。オプティカルフローの導出方法として、ブロックマッチング法、代表点マッチング法、勾配法などを利用可能である。求めたオプティカルフローは、輝度画像261Y−262Y間における、画像上の被写体(物体)の動きを表す動きベクトルによって表現される。動きベクトルは、その動きの向き及び大きさを示す二次元量である。動き検出部53は、輝度画像261Y−262Y間に対して求めたオプティカルフローを、色補間画像261−262間におけるオプティカルフローとして取り扱って、それを動き検出結果としてメモリ54に記憶させる。
隣接フレーム間の動き検出結果は、必要な分だけメモリ54に記憶しておく。例えば、第(n−3)及び第(n−2)番目の色補間画像間の動き検出結果と、第(n−2)及び第(n−1)番目の色補間画像間の動き検出結果と、第(n−1)及び第n番目の色補間画像間の動き検出結果とをメモリ54に記憶させておき、それらをメモリ54から読み出して合成すれば、第(n−3)〜第n番目の色補間画像の内の、任意の2枚の色補間画像間のオプティカルフロー(動きベクトル)を求めることができる。
尚、“輝度画像261Y−262Y間におけるオプティカルフロー(又は動きベクトル)”とは、“輝度画像261Yと輝度画像262Yとの間におけるオプティカルフロー(又は動きベクトル)”を意味する。輝度画像261Y及び262Y以外の複数画像に対して、オプティカルフロー、動きベクトル若しくは動き又はそれらに関連する事項を述べる際も、同様の記載方法を採用する。従って、例えば、“色補間画像261−262間におけるオプティカルフロー”とは、“色補間画像261と色補間画像262との間におけるオプティカルフロー”を指す。
[画像合成部]
図10の画像合成部55の機能について説明する。画像合成部55は、色補間処理部51から出力される色補間画像の色信号と、フレームメモリ52に記憶されている1枚以上の他の色補間画像の色信号と、メモリ54に記憶された動き検出結果とに基づいて、出力合成画像を生成する。
出力合成画像は、対応する加算パターンが互いに異なる複数の色補間画像を参照し、参照した複数の色補間画像の内の1つを合成基準画像と捉えた上で、その複数の色補間画像を合成することにより生成される。この際、合成基準画像として用いられる色補間画像に対応する加算パターンが時間によって変化したならば、被写体が実空間上で静止していたとしても、出力合成画像列において該被写体が動いているように見えてしまう。これを回避すべく、一連の出力合成画像列を生成する際、合成基準画像として用いられる色補間画像に対応する加算パターンが常に同じとなるように、フレームメモリ52から読み出す画像データを制御する。尚、合成基準画像として用いられない色補間画像を非合成基準画像と呼ぶ。
今、第1及び第2の加算パターンの原画像が交互に撮影され、合成基準画像が第1の加算パターンの原画像から生成された色補間画像であって且つ非合成基準画像が第2の加算パターンの原画像から生成された色補間画像である場合を想定する。従って、第(n−3)、第(n−2)、第(n−1)及び第n番目の原画像が、夫々、第1、第2、第1及び第2の加算パターンの原画像であったならば、第(n−3)及び第(n−1)番目の原画像に基づく色補間画像が合成基準画像となり、第(n−2)及び第n番目の原画像に基づく色補間画像が非合成基準画像となる。また、第1実施例では、時間的に隣接して得られた2枚の色補間画像間において、画像上の被写体の動きが一切ない場合を想定する。
この想定の下、図23(a)〜(c)、図24(a)及び(b)、図25(a)〜(c)を参照しつつ、図20(a)等に示される色補間画像261と図21(a)等に示される色補間画像262とから1枚の出力合成画像270を生成する処理を説明する。図23(a)〜(c)は、出力合成画像270上のG、B及びR信号を生成するための、色補間画像261及び262上のG、B及びR信号を示す図であり、図25(a)〜(c)は、出力合成画像270のG、B及びR信号の存在位置を示す図である。図24(a)及び(b)は、出力合成画像270上のB及びR信号を生成するための、色補間画像261及び262上のB及びR信号を示す、他の図である。
図25(a)〜(c)に示す如く、出力合成画像270は、水平及び垂直方向に均等な間隔で画素(画素位置)が配列された二次元画像であり、出力合成画像270の各画素が配置される各画素位置にはG、B及びR信号が存在する。つまり、原画像や色補間画像と異なり、出力合成画像270において、1つの画素が配置される1つの画素位置に対して、G、B及びR信号が1つずつ割り当てられる。図25(a)〜(c)に示す如く、画像座標面XY上(図4(b)参照)における位置[2i−0.5,2j−0.5]に、出力合成画像270上の画素の中心位置が配置される(i及びjは整数)。そして、位置[2i−0.5,2j−0.5]における、出力合成画像270のG信号、B信号及びR信号を、夫々、Goi,j、Boi,j及びRoi,jにて表す。尚、Goi,jを、G信号の値を表す記号として用いることもある(Boi,j及びRoi,jに対しても同様)。
出力合成画像の注目画素の色信号Goi,j、Boi,j及びRoi,jにおけるi及びjは、出力合成画像の注目画素の水平画素番号及び垂直画素番号を示している。
図20(a)及び図21(a)等を参照して説明したように、色補間画像261と色補間画像262との間において、対応する加算パターンが異なることに由来して、G信号の存在位置が相違し、且つ、B信号の存在位置が相違し、且つ、R信号の存在位置が相違する。画像合成部55は、これらの相違に基づいて、色補間画像261のG、B及びR信号と色補間画像262のG、B及びR信号を混合することにより出力合成画像270のG、B及びR信号を生成する。
具体的には、下記式(B1)〜(B3)に従って、色補間画像261のG、B及びR信号値と色補間画像262のG、B及びR信号値を加重加算することにより、出力合成画像270のG、B及びR信号値Goi,j、Boi,j及びRoi,jを算出する。
式(B2)及び(B3)の代わりに、図24(a)及び(b)に対応する式(B4)及び(B5)を用いて、B及びR信号値Boi,j及びRoi,jを算出するようにしてもよい。
具体例として図23(a)〜(c)及び図24(a)及び(b)に、位置[5.5,5.5]に存在する色信号Go3,3、Bo3,3及びRo3,3が生成される様子を示している。図23(a)〜(c)及び図24(a)及び(b)において、色信号Go3,3、Bo3,3及びRo3,3が存在すべき位置に星印を示している。
G信号Go3,3は、図23(a)に示す如く、位置[6,6]に存在するG信号G13,3と位置[5,5]に存在するG信号G22,2とを混合することによって生成される。
B信号Bo3,3は、図23(b)に示す如く、位置[5,6]に存在するB信号B13,3と位置[7,4]に存在するB信号B23,1とを混合することによって生成される、或いは、図24(a)に示す如く、位置[7,4]に存在するB信号B14,2と位置[5,6]に存在するB信号B22,2とを混合することによって生成される。
R信号Ro3,3は、図23(c)に示す如く、位置[6,5]に存在するR信号R13,3と位置[4,7]に存在するR信号R21,3とを混合することによって生成される、或いは、図24(b)に示す如く、位置[4,7]に存在するR信号R12,4と位置[6,5]に存在するR信号R22,2とを混合することによって生成される。
G13,3とG22,2の混合によってGo3,3を算出する際の混合比率、
B13,3とB23,1の混合によってBo3,3を算出する際の混合比率、
B14,2とB22,2の混合によってBo3,3を算出する際の混合比率、
R13,3とR21,3の混合によってRo3,3を算出する際の混合比率、及び、
R12,4とR22,2の混合によってRo3,3を算出する際の混合比率は、上記式(A1)を参照して説明した、VG1とVG2の混合によってVGTを算出する際の混合比率と同様である(図11(a)も参照)。
例えば、B13,3とB23,1の混合によって位置[5.5,5.5]に存在する信号Bo3,3を生成する場合は、信号B13,3が存在する位置[5,6]と位置[5.5,5.5]との距離d1と、信号B23,1が存在する位置[7,4]と位置[5.5,5.5]との距離d2との比が、d1:d2=1:3であるので、式(B2)に示す如く、3:1の比率にてB13,3とB23,1を混合する。つまり、位置[5.5,5.5]における信号値は、位置[5,6]及び[7,4]における信号値を基礎とする線形補間によって求められる。
色信号Go3,3、Bo3,3及びRo3,3の算出方法と同様にして、他の位置の色信号Goi,j、Boi,j及びRoi,jも求めることにより、図25(a)〜(c)に示すような、出力合成画像270の各画素位置におけるG、B及びR信号が求まる。
上述のような出力合成画像の生成手法に基づく効果について考察する。仮に、原画像が全画素読み出し方式によって得られたものであるならば、図6(a)等を参照して説明したように、注目画素の画素信号を補間によって求める際には、注目画素の周辺画素の画素信号を等比率にて(同じ割合にて)混合すればよく、その混合によって、画素信号が本来存在すべき位置に補間画素信号が生成される。ここにおいて“画素信号が本来存在すべき位置”とは、i及びjが整数となる位置[i,j]を指す。
但し、第1実施例において、AFE12から色補間処理部51に与えられる原画像は、第1、第2、第3又は第4加算パターンによる原画像である。この場合において、全画素読み出し方式を用いた場合と同様の等比率混合を行えば、画素信号が本来存在すべき位置と異なる位置(例えば、図12(a)の補間画素位置301又は302)に補間画素信号が生成されると共に、混合によって生成される色補間画像上においてG信号が存在する画素の間隔が不均等となる(図20(a)参照)。加えて、1枚の色補間画像上において、色信号の存在位置が、G、B及びR信号間で互いに異なってくる(図20(a)〜(c)参照)。
図54に対応する従来手法では、このような不均等を回避すべく、一旦、画素間隔が均等になるように補間処理(図54のブロック902及び903参照)を実行してからデモザイキング処理を実行している。この画素間隔を均等化する補間処理を実行すると、必然的に解像感が劣化する(実質的な解像度が劣化する)。一方において、本発明に係る第1実施例では、この不均等性を積極的に利用し、色信号の存在位置が不均等となっている複数の色補間画像を利用して出力合成画像を生成する。色補間画像では色信号の存在位置が不均等であるものの、出力合成画像における画素間隔は均等であるため、従来手法における出力画像(図54のブロック905参照)と同様、ジャギーや偽色は抑制される。加えて、本発明に係る第1実施例では、画素間隔を均等化する補間処理(図54のブロック902及び903参照)を行わない分、解像感の劣化が抑制される。即ち、図54に対応する従来手法と比べて、解像感の向上が図られる。
尚、第1及び第2の加算パターンの原画像に基づく2枚の色補間画像を合成することによって出力合成画像を生成する方法を上述したが、1枚の出力合成画像を生成するための色補間画像の枚数は3以上であってもよい(これは、後述する他の実施例についても当てはまる)。例えば、第1〜第4の加算パターンの原画像に基づく4枚の色補間画像から1枚の出力合成画像を生成するようにしてもよい。但し、1枚の出力合成画像を生成するための複数の色補間画像間において、対応する加算パターンは異なる(これは、後述する他の実施例についても当てはまる)。
<<第2実施例>>
次に、第2実施例について説明する。第1実施例では、時間的に隣接して得られた2枚の色補間画像間において、画像上の被写体の動きが一切ない場合を想定したが、第2実施例では、その動きを考慮した画像合成部55の構成及び動作を説明する。図26は、第2実施例に係る、図1の撮像装置1の一部ブロック図であり、図26には、図1の映像信号処理部13として用いられる映像信号処理部13aの内部ブロック図が示されていると共に、画像合成部55の内部ブロック図が示されている。
図26の画像合成部55は、重み係数算出部61及び合成処理部62を備える。重み係数算出部61及び合成処理部62を除く映像信号処理部13a内の構成及び動作は、第1実施例で述べたものと同じであるため、以下、重み係数算出部61及び合成処理部62の動作について説明する。第1実施例で述べた事項は、矛盾無き限り、第2実施例にも適用される。
今、第1実施例における想定と同様、第1及び第2の加算パターンの原画像が交互に撮影され、合成基準画像が第1の加算パターンの原画像から生成された色補間画像であって且つ非合成基準画像が第2の加算パターンの原画像から生成された色補間画像である場合を想定する。但し、第2実施例では、時間的に隣接して得られた2枚の色補間画像間において、画像上の被写体の位置は移動しうる。この想定の下、図20(a)等に示される色補間画像261と図21(a)等に示される色補間画像262とから1枚の出力合成画像270を生成する処理を説明する。
重み係数算出部61は、色補間画像261−262間に対して求められた動きベクトルをメモリ54から読み出し、その動きベクトルの大きさ|M|に基づいて、重み係数wを算出する。この際、大きさ|M|が増大するに従って重み係数wが小さくなるように重み係数wを算出する。但し、重み係数w(及び後述のwi,j)の上限値及び下限値は夫々0.5及び0である。
図27は、重み係数wと大きさ|M|との関係例を示す図である。この関係例を採用する場合、式“w=−K・|M|+0.5”に従って重み係数wが算出される。但し、|M|>0.5/Kの範囲内では、w=0である。また、Kは、所定の正の値を有する、|M|とwとの関係式における傾きである。
動き検出部53により色補間画像261−262間に対して求められたオプティカルフローは、画像座標面XY上の様々な位置における動きベクトルの束によって形成される。例えば、色補間画像261及び262の夫々の全体画像領域が複数の一部画像領域に分割され、1つの一部画像領域に対して1つの動きベクトルが求められる。今、図28(a)に示す如く、色補間画像261又は262である画像260の全体画像領域が9つの一部画像領域AR1〜AR9に分割され、一部画像領域AR1〜AR9の夫々に対して1つの動きベクトルが求められた場合を想定する。勿論、一部画像領域の個数を9以外にすることも可能である。図28(b)に示す如く、一部画像領域AR1〜AR9に対して求められた、色補間画像261−262間の動きベクトルを、それぞれ符号M1〜M9によって表す。動きベクトルM1〜M9の大きさは、夫々、|M1|〜|M9|によって表される。
重み係数算出部61は、動きベクトルM1〜M9の大きさ|M1|〜|M9|に基づいて、画像座標面XY上の様々な位置における重み係数wを算出する。水平画素番号及び垂直画素番号が夫々i及びjである場合の重み係数wをwi,jにて表す。重み係数wi,jは、色信号Goi,j、Boi,j及びRoi,jを有する画素(画素位置)に対する重み係数であり、その画素の属する一部画像領域についての動きベクトルから算出される。従って例えば、G信号Go1,1が存在する画素位置[1.5,1.5]が一部画像領域AR1に属するのであれば、大きさ|M1|に基づき、式“w1,1=−K・|M1|+0.5”に従って重み係数w1,1が算出され(但し、|M1|>0.5/Kの範囲内では、w1,1=0)、G信号Go1,1が存在する画素位置[1.5,1.5]が一部画像領域AR2に属するのであれば、大きさ|M2|に基づき、式“w1,1=−K・|M2|+0.5”に従って重み係数w1,1が算出される(但し、|M2|>0.5/Kの範囲内では、w1,1=0)。
合成処理部62は、現時点において色補間処理部51から出力されている現フレームについての色補間画像のG、B及びR信号と、フレームメモリ52に記憶されている前フレームについての色補間画像のG、B及びR信号とを、重み係数算出部61にて算出された重み係数wi,jに応じた比率にて混合することにより、現フレームについての出力合成画像270を生成する。
図29(a)に示す如く、現フレームについての色補間画像が図20(a)等に対応する色補間画像261であって且つ前フレームについての色補間画像が図21(a)等に対応する色補間画像262である場合、合成処理部62は、下記式(C1)〜(C3)に従って、色補間画像261のG、B及びR信号値と色補間画像262のG、B及びR信号値を加重加算することにより、出力合成画像270のG、B及びR信号値Goi,j、Boi,j及びRoi,jを算出する。式(C2)及び(C3)の代わりに、式(C4)及び(C5)を用いて、B及びR信号値Boi,j及びRoi,jを算出するようにしてもよい。
一方、図29(b)に示す如く、現フレームについての色補間画像が図21(a)等に対応する色補間画像262であって且つ前フレームについての色補間画像が図20(a)等に対応する色補間画像261である場合、合成処理部62は、下記式(D1)〜(D3)に従って、色補間画像261のG、B及びR信号値と色補間画像262のG、B及びR信号値を加重加算することにより、出力合成画像270のG、B及びR信号値Goi,j、Boi,j及びRoi,jを算出する。式(D2)及び(D3)の代わりに、式(D4)及び(D5)を用いて、B及びR信号値Boi,j及びRoi,jを算出するようにしてもよい。
現フレームについての色補間画像と前フレームについての色補間画像との合成によって出力合成画像を生成する際、両色補間画像間における被写体の動きが比較的大きいと、出力合成画像において、輪郭部がぼやけてしまう、或いは、二重像が表れるおそれがある。そこで、上述の如く、両色補間画像間における動きベクトルの大きさが比較的大きいならば、出力合成画像に対する前フレームの寄与率を低下させる。これにより、出力合成画像においる輪郭部のぼけや二重像の発生が抑制される。
尚、上述の例では、画像座標面XY上の様々な位置における重み係数wi,jを設定するようにしているが、2枚の色補間画像を合成する際に設定される重み係数の個数を1つとし、その1つの重み係数を全体画像領域に対して共通使用するようにしてもよい。例えば、動きベクトルM1〜M9を平均化することによって、色補間画像261−262間の、被写体の平均的な動きを表す平均動きベクトルMAVEを求め、平均動きベクトルMAVEの大きさ|MAVE|を用いて、式“w=−K・|MAVE|+0.5”に従って1つの重み係数wを算出する(但し、|MAVE|>0.5/Kの範囲内ではw=0)。そして、|MAVE|を用いて算出した重み係数wを上記式(C1)〜(C5)及び式(D1)〜(D5)の重み係数wi,jに代入して得られる各式に従って、信号値Goi,j、Boi,j及びRoi,jを求めるようにしてもよい。
<<第3実施例>>
次に、第3実施例について説明する。第3実施例では、異なる色補間画像間における被写体の動きに加えて画像のコントラストをも考慮する。図30は、第3実施例に係る、図1の撮像装置1の一部ブロック図である。図30には、図1の映像信号処理部13として用いられる映像信号処理部13bの内部ブロック図が示されている。
映像信号処理部13bは、符号51〜54、55b及び56によって参照される各部位を備え、その内、符号51〜54及び56によって参照される各部位は、図10に示すそれらと同じものである。図30の画像合成部55bは、コントラスト算出部70、重み係数算出部71及び合成処理部72を備える。画像合成部55bを除く映像信号処理部13b内の構成及び動作は、第1又は第2実施例で述べた、映像信号処理部13a内のそれらと同じであるため、以下、画像合成部55bの構成及び動作について説明する。第1及び第2実施例で述べた事項は、矛盾無き限り、第3実施例にも適用される。
今、第1又は第2実施例における想定と同様、第1及び第2の加算パターンの原画像が交互に撮影され、合成基準画像が第1の加算パターンの原画像から生成された色補間画像であって且つ非合成基準画像が第2の加算パターンの原画像から生成された色補間画像である場合を想定する。但し、第3実施例では、第2実施例と同様、時間的に隣接して得られた2枚の色補間画像間において、画像上の被写体の位置は移動しうる。この想定の下、図20(a)等に示される色補間画像261と図21(a)等に示される色補間画像262とから1枚の出力合成画像270を生成する処理を説明する。
コントラスト算出部70は、現時点において色補間処理部51から出力されている現フレームについての色補間画像のG、B及びR信号と、フレームメモリ52に記憶されている前フレームについての色補間画像のG、B及びR信号とを入力信号として受け、その入力信号に基づいて、現フレーム又は前フレームの様々な画像領域におけるコントラスト量を算出する。今、図28(a)に示す如く、色補間画像261又は262である画像260の全体画像領域が9つの一部画像領域AR1〜AR9に分割され、一部画像領域AR1〜AR9の夫々におけるコントラスト量が算出されるものとする。勿論、一部画像領域の個数は9以外であってもよい。一部画像領域AR1〜AR9に対して求められたコントラスト量を、夫々、C1〜C9にて表す。
図20(a)等に示される色補間画像261と図21(a)等に示される色補間画像262との合成に用いられるコントラスト量Cmは、以下のように算出される(mは、1≦m≦9を満たす整数)。
例えば、色補間画像261又は262の色信号から生成された輝度画像261Y又は262Y(図22参照)に注目し、輝度画像261Yの一部画像領域ARmにおける最小輝度値と最大輝度値との差、又は、輝度画像262Yの一部画像領域ARmにおける最小輝度値と最大輝度値との差を求め、求めた差をコントラスト量Cmとして取り扱う。或いは、それら差の平均値をコントラスト量Cmとして算出する。
また例えば、輝度画像261Y又は262Yの一部画像領域ARmにおける所定の高域周波数成分をハイパスフィルタによって抽出することによってコントラスト量Cmを求めても良い。より具体的に、例えば、ハイパスフィルタを所定のフィルタサイズを有するラプラシアンフィルタにて形成し、そのラプラシアンフィルタを輝度画像261Y又は262Yの一部画像領域ARmの各画素に作用させる空間フィルタリングを行う。そうすると、ハイパスフィルタからは、そのラプラシアンフィルタのフィルタ特性に応じた出力値が順次得られる。このハイパスフィルタの出力値の絶対値(ハイパスフィルタによって抽出された高域周波数成分の大きさ)を積算し、積算値をコントラスト量Cmとして求めるようにしてもよい。輝度画像261Yの一部画像領域ARmに対して算出した積算値と、輝度画像262Yの一部画像領域ARmに対して算出した積算値との平均値を、コントラスト量Cmとして取り扱うことも可能である。
上述の如くして求められたコントラスト量Cmは、対応する画像領域内の画像のコントラストが大きいほど大きな値をとり、それが小さいほど小さな値をとる。
コントラスト算出部70は、コントラスト量C1〜C9に基づいて、重み係数の算出に関与する基準動き値MOを一部画像領域ごとに算出する。一部画像領域ARmに対して算出される基準動き値MOを特に、MOmにて表す。基準動き値MOmは、図31(a)に示す如く、コントラスト量Cmがゼロである場合は最小動き値MOMINに設定されると共に、コントラスト量Cmが所定のコントラスト閾値CTH以上である場合は、最大動き値MOMAXに設定される。0<Cm<CTHの範囲内において、コントラスト量Cmがゼロからコントラスト閾値CTHに向かって増加するに従い、基準動き値MOmは最小動き値MOMINから最大動き値MOMAXに向かって増加する。より具体的には例えば、0<Cm<CTHの範囲内では、式“MOm=Θ・Cm+MOMIN”に従って基準動き値MOmが算出される。ここで、CTH>0、0<MOMIN<MOMAX、Θ=(MOMAX−MOMIN)/CTH、である。尚、図31(a)のグラフでは、基準動き値の代表として基準動き値MOが縦軸
重み係数算出部71は、コントラスト算出部70にて算出された基準動き値MO1〜MO9と、動きベクトルM1〜M9の大きさ|M1|〜|M9|に基づいて、画像座標面XY上の様々な位置における重み係数wi,jを算出する。動きベクトルM1〜M9の大きさ|M1|〜|M9|の意義は、第2実施例で述べた通りである。重み係数wi,jは、色信号Goi,j、Boi,j及びRoi,jを有する画素(画素位置)に対する重み係数であり、その画素の属する一部画像領域についての基準動き値及び動きベクトルから決定される。第2実施例で述べたように、重み係数wi,jの上限値及び下限値は夫々0.5及び0である。重み係数wi,jは、この上下限値の範囲内で、基準動き値及び動きベクトルの大きさに基づき設定される。図31(b)に、重み係数と、基準動き値MOm及び動きベクトルの大きさ|Mm|との関係例を示す。
具体的には例えば、G信号Go1,1が存在する画素位置[1.5,1.5]が一部画像領域AR1に属するのであれば、コントラスト量C1に基づく基準動き量MO1と動きベクトルM1の大きさ|M1|とに基づき、式“w1,1=−K・(|M1|−MO1)+0.5”に従って重み係数w1,1が算出される。但し、|M1|<MO1の範囲内ではw1,1=0.5とされ、且つ(|M1|−MO1)>0.5/Kの範囲内ではw1,1=0とされる。また例えば、G信号Go1,1が存在する画素位置[1.5,1.5]が一部画像領域AR2に属するのであれば、コントラスト量C2に基づく基準動き量MO2と動きベクトルM2の大きさ|M2|とに基づき、式“w1,1=−K・(|M2|−MO2)+0.5”に従って重み係数w1,1が算出される。但し、|M2|<MO2の範囲内ではw1,1=0.5とされ、且つ(|M2|−MO2)>0.5/Kの範囲内ではw1,1=0とされる。
合成処理部72は、現時点において色補間処理部51から出力されている現フレームについての色補間画像のG、B及びR信号と、フレームメモリ52に記憶されている前フレームについての色補間画像のG、B及びR信号とを、重み係数算出部71にて設定された重み係数wi,jに応じた比率にて混合することにより、現フレームについての出力合成画像270を生成する。合成処理部72による出力合成画像270のG、B及びR信号値の算出方法は、第2実施例で述べた、合成処理部62によるそれと同じである。
コントラスト量が比較的大きい画像領域はエッジ成分を多く含む画像領域であり、ジャギーが目立ちやすいため、画像合成によるジャギー低減効果が大きい。一方、コントラスト量が比較的小さい画像領域は平坦画像領域であると考えられ、ジャギーが目立ちにくい(即ち、画像合成を行う意義が少ない)。そこで、現フレームについての色補間画像と前フレームについての色補間画像との合成によって出力合成画像を生成する際、コントラスト量が比較的大きい画像領域に対しては、重み係数を比較的大きく設定して出力合成画像に対する前フレームの寄与率を増加させ、コントラスト量が比較的小さい画像領域に対しては、重み係数を比較的小さく設定して出力合成画像に対する前フレームの寄与率を低下させる。これにより、ジャギー低減が必要な画像部分に対してのみ、適切なジャギー低減効果を得ることができるようになる。
<<第4実施例>>
次に、第4実施例を説明する。第4実施例では、圧縮処理部16(図1等参照)にて採用可能な、特異な画像圧縮方法を説明する。第4実施例では、圧縮処理部16が、映像信号に対する代表的な圧縮方式である、MPEG(Moving Picture Experts Group)圧縮方式を採用して映像信号の圧縮を行う場合を想定する。MPEGでは、フレーム間差分を利用して、圧縮動画像であるMPEG動画像を生成する。図32に、このMPEG動画像の構成を模式的に示す。MPEG動画像は、3種類のピクチャ、即ち、Iピクチャ、Pピクチャ及びBピクチャから構成される。
Iピクチャは、フレーム内符号化画像(Intra-Coded Picture)であり、1枚のフレームの映像信号を当該フレーム画像内で符号化した画像である。Iピクチャ単独で1枚のフレームの映像信号を復号することが可能である。
Pピクチャは、フレーム間予測符号化画像(Predictive-Coded Picture)であり、時間的に先のIピクチャまたはPピクチャから予測される画像である。Pピクチャの対象となる元の画像と当該Pピクチャから見て時間的に先のIピクチャまたはPピクチャとの差分を圧縮符号化したデータにより、Pピクチャが形成される。Bピクチャは、フレーム内挿双方向予測符号化画像(Bidirectionally Predictive-Coded Picture)であり、時間的に後及び先のIピクチャまたはPピクチャから双方向予測される画像である。Bピクチャの対象となる元の画像と、当該Bピクチャから見て時間的に後のIピクチャまたはPピクチャとの差分及び当該Bピクチャから見て時間的に前のIピクチャまたはPピクチャとの差分を圧縮符号化したデータにより、Bピクチャが形成される。
MPEG動画像は、GOP(Group Of Pictures)を単位として構成されている。GOPは、圧縮及び伸張が行われる単位であり、1つのGOPは、或るIピクチャから次のIピクチャまでのピクチャで構成される。1又は2以上のGOPにてMPEG動画像は構成される。或るIピクチャから次のIピクチャまでのピクチャ枚数は、固定されることもあるが、ある程度の範囲内で変動させることも可能である。
MPEGに代表される、フレーム間差分を利用した画像圧縮方式を用いる場合、IピクチャはB及びPピクチャの何れにも差分データを提供するため、Iピクチャの画質はMPEG動画像の全体画質に大きな影響を与える。これを考慮し、画像合成部において設定された重み係数が比較的大きく、その結果としてジャギーが効果的に低減されていると判断される画像番号を映像信号処理部13又は圧縮処理部16にて記録しておき、画像圧縮の際、記録している画像番号に対応する出力合成画像を優先的にIピクチャの対象として利用する。これにより、圧縮によって得られたMPEG動画像の全体的な画質を向上させることができる。
図33を参照して、より具体的な例を説明する。第4実施例に係る映像信号処理部13として、図26又は図30に示される映像信号処理部13a又は13bが用いられる。今、色補間処理部51によって、第n、第(n+1)、第(n+2)、第(n+3)、第(n+4)・・・番目の原画像から第n、第(n+1)、第(n+2)、第(n+3)、第(n+4)・・・番目の色補間画像350、351、352、353及び354・・・、が生成され、画像合成部55又は55bにおいて、色補間画像350及び351から出力合成画像361、色補間画像351及び352から出力合成画像362、色補間画像352及び353から出力合成画像363、色補間画像353及び354から出力合成画像364、・・・が生成された場合を考える。例えば、第n、第(n+1)、第(n+2)、第(n+3)、第(n+4)番目の原画像は、夫々、第1、第2、第1、第2、第1の加算パターンの原画像である。出力合成画像361〜364は、出力合成画像361、362、363、364の順番で時系列上に並ぶ出力合成画像列を形成する。
注目した2枚の色補間画像から1枚の出力合成画像を生成する手法は、第2又は第3実施例で述べた手法と同じであり、注目した2枚の色補間画像に対して算出された重み係数wi,jに従う色信号混合によって1枚の出力合成画像が生成される。その1枚の出力合成画像を生成する際に使用した重み係数wi,jは、水平画素番号i及び垂直画素番号jに応じて様々な値を取りうるが、その様々な値を取りうる重み係数wi,jの平均値を総合重み係数として算出する。総合重み係数は、例えば、重み係数算出部61又は71によって算出される(図26又は図30参照)。出力合成画像361〜364に対して算出された総合重み係数を、夫々、wT1〜wT4にて表す。尚、注目した2枚の色補間画像に対して設定される重み係数の個数を1つにすることが可能であることを第2実施例にて述べたが、注目した2枚の色補間画像に対して設定される重み係数の個数が1つである場合は、その1つの重み係数を総合重み係数として機能させるとよい。
出力合成画像361〜364を指し示す符号361〜364は、対応する出力合成画像の画像番号を表している。出力合成画像の画像番号361〜364と総合重み係数wT1〜wT4は、互いに関連付けられて、圧縮処理部16が参照可能なように映像信号処理部13a又は13b内に記録される(図26又は図30を参照)。
比較的大きな総合重み係数に対応する出力合成画像は、色信号の混合の程度が比較的大きく、ジャギーが比較的大きく低減されている画像であると推測される。そこで、圧縮処理部16は、比較的大きな総合重み係数に対応する出力合成画像を優先的にIピクチャの対象として利用する。従って、出力合成画像361〜364の中から1枚の出力合成画像をIピクチャの対象として選択する場合、総合重み係数wT1〜wT4の内の最大値に対応する出力合成画像をIピクチャの対象として選択する。例えば、総合重み係数wT1〜wT4の内、総合重み係数wT2が最大であるのなら、出力合成画像362がIピクチャの対象として選択され、出力合成画像362と出力合成画像361、363及び364とに基づいて、P及びBピクチャが生成される。出力合成画像364以降に得られる複数の出力合成画像の中からIピクチャの対象を選択する場合も同様である。
圧縮処理部16は、Iピクチャの対象として選択された出力合成画像を、MPEG圧縮方式に従って符号化することによりIピクチャを生成すると共に、Iピクチャの対象として選択された出力合成画像とIピクチャの対象として選択されなかった出力合成画像とに基づいてP及びBピクチャを生成する。
<<第5実施例>>
次に、第5実施例について説明する。第1〜第4実施例では、図7(a)、(b)、図8(a)及び(b)に対応する加算パターンPA1〜PA4を、原画像を取得するための第1〜第4の加算パターンとして用いることを想定しているが、原画像を取得するための加算パターンとして、加算パターンPA1〜PA4と異なる加算パターンを用いることも可能である。利用可能な加算パターンには、加算パターンPB1〜PB4、加算パターンPC1〜PC4及び加算パターンPD1〜PD4が含まれる。
加算パターンPB1〜PB4を利用する場合、加算パターンPB1〜PB4は、夫々、第1〜第4実施例における第1、第2、第3及び第4の加算パターンとして機能する。
加算パターンPC1〜PC4を利用する場合、加算パターンPC1〜PC4は、夫々、第1〜第4実施例における第1、第2、第3及び第4の加算パターンとして機能する。
加算パターンPD1〜PD4を利用する場合、加算パターンPD1〜PD4は、夫々、第1〜第4実施例における第1、第2、第3及び第4の加算パターンとして機能する。
そして、第1〜第4実施例にて述べたように、第1〜第4の加算パターンの内の、2以上の加算パターンを選択し、選択した2以上の加算パターンの間で加算読み出しに用いる加算パターンを順次変更させながら原画像列の取得を行う。例えば、加算パターンPB1〜PB4を第1、第2、第3及び第4の加算パターンとして機能させる場合、加算パターンPB1を用いた加算読み出しと加算パターンPB2を用いた加算読み出しを交互に実行することで、順次、加算パターンPB1、PB2、PB1、PB2、・・・の原画像を取得する。
図34(a)〜(d)は、夫々、加算パターンPB1〜PB4を用いた場合の信号加算の様子を示し、図35(a)〜(d)は、夫々、加算パターンPB1〜PB4を用いて加算読み出しを行った場合における、原画像の画素信号の様子を示す。
図36(a)〜(d)は、夫々、加算パターンPC1〜PC4を用いた場合の信号加算の様子を示し、図37(a)〜(d)は、夫々、加算パターンPC1〜PC4を用いて加算読み出しを行った場合における、原画像の画素信号の様子を示す。
図38(a)〜(d)は、夫々、加算パターンPD1〜PD4を用いた場合の信号加算の様子を示し、図39(a)〜(d)は、夫々、加算パターンPD1〜PD4を用いて加算読み出しを行った場合における、原画像の画素信号の様子を示す。
図34(a)〜(d)において、黒塗りの丸は、夫々、加算パターンPB1〜PB4を第1〜第4の加算パターンとして用いた場合に想定される仮想的な受光画素の配置位置を示している。但し、図34(a)〜(d)では、想定される仮想的な受光画素の内、R信号に対応する、仮想的な受光画素の配置位置のみを明示している。
図36(a)〜(d)において、黒塗りの丸は、夫々、加算パターンPC1〜PC4を第1〜第4の加算パターンとして用いた場合に想定される仮想的な受光画素の配置位置を示している。但し、図36(a)〜(d)では、想定される仮想的な受光画素の内、B信号に対応する、仮想的な受光画素の配置位置のみを明示している。
図38(a)〜(d)において、黒塗りの丸は、夫々、加算パターンPD1〜PD4を第1〜第4の加算パターンとして用いた場合に想定される仮想的な受光画素の配置位置を示している。但し、図38(a)〜(d)では、想定される仮想的な受光画素の内、G信号に対応する、仮想的な受光画素の配置位置の一部のみを明示している。
図34(a)〜(d)、図36(a)〜(d)及び図38(a)〜(d)において、黒塗りの丸の周囲に示された矢印は、その丸に対応する仮想的な受光画素の画素信号を生成するために、該仮想的な受光画素の周辺受光画素の画素信号が加算される様子を示している。
任意の加算パターンを用いて加算読み出しを行う場合、
撮像素子33の画素位置[pG1+4nA,pG2+4nB]及び[pG3+4nA,pG4+4nB]に仮想的な緑受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[pB1+4nA,pB2+4nB]に仮想的な青受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[pR1+4nA,pR2+4nB]に仮想的な赤受光画素が配置される、と想定する(nA及びnBは整数)。但し、
加算パターンPB1、PB2、PB3及びPB4を用いる場合、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)は、それぞれ、
(4,2,3,3,3,2,4,3)、(6,4,5,5,5,4,6,5)、
(6,2,5,3,5,2,6,3)及び(4,4,3,5,3,4,4,5)であり、
加算パターンPC1、PC2、PC3及びPC4を用いる場合、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)は、それぞれ、
(3,3,2,4,3,4,2,3)、(5,5,4,6,5,6,4,5)、
(5,3,4,4,5,4,4,3)及び(3,5,2,6,3,6,2,5)であり、
加算パターンPD1、PD2、PD3及びPD4を用いる場合、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)は、それぞれ、
(3,3,4,4,3,4,4,3)、(5,5,6,6,5,6,6,5)、
(5,3,6,4,5,4,6,3)及び(3,5,4,6,3,6,4,5)である。
尚、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)が(pG1’,pG2’,pG3’,pG4’,pB1’,pB2’,pR1’,pR2’)であるとは、pG1=pG1’、pG2=pG2’、pG3=pG3’、pG4=pG4’、pB1=pB1’、pB2=pB2’、pR1=pR1’且つpR2=pR2’、であることを意味する。
第1実施例で述べたように、1つの仮想的な受光画素の画素信号は、その仮想的な受光画素の左斜め上、右斜め上、左斜め下及び右斜め下に隣接する実際の受光画素の画素信号の加算信号とされる。そして、位置[x,y]に配置された仮想的な受光画素の画素信号が、画像上の位置[x,y]の画素信号として取り扱われるように原画像が取得される。
従って、任意の加算パターンを用いた加算読み出しによって得られる原画像は、図35(a)〜(d)、図37(a)〜(d)及び図39(a)〜(d)に示す如く、画素位置[pG1+4nA,pG2+4nB]及び[pG3+4nA,pG4+4nB]に配置された、G信号のみを有する画素と、画素位置[pB1+4nA,pB2+4nB]に配置された、B信号のみを有する画素と、画素位置[pR1+4nA,pR2+4nB]に配置された、R信号のみを有する画素と、を備えた画像となる。
尚、加算パターンPA1〜PA4から成る加算パターン群、加算パターンPB1〜PB4から成る加算パターン群、加算パターンPC1〜PC4から成る加算パターン群及び加算パターンPD1〜PD4から成る加算パターン群を、夫々、PA、PB、PC及びPDによって表す。
<<第6実施例>>
次に、第6実施例について説明する。第6実施例では、動き検出部の検出結果に基づいて、原画像を取得するために用いる加算パターン群を切り換えて使用する。
まず、この切り換えを行う意義を説明する。原画像から色補間画像を生成する際、画素位置によっては、信号補間が行われる。例えば、図13(a)に示される色補間画像261上のG信号311を生成する際には、図12(a)を参照して説明したように、原画像251上の4つの実画素のG信号を用いた信号補間が行われる。一方、図13(a)のG信号313は、原画像251上の1つの実画素のG信号そのものである。つまり、G信号313の生成時には信号補間は行われない。信号補間を行うと必然的に解像感(実質的な解像度)の低下が生じる。
従って、G信号311のような信号補間を行って得た色信号から成る画像と、G信号313のような信号補間を行うことなく得た色信号から成る画像とを対比した場合、後者の方が前者よりも解像感(実質的な解像度)が高いと言える。故に、図13(a)及び図20(a)等に示される色補間画像261において、左上から右下に向かう方向における解像感は他の方向(特に左下から右上に向かう方向)におけるそれと比べて高い。左上から右下に向かう方向に並ぶG信号G11,1、G12,2、G13,3及びG14,4は信号補間を行うことなく得られるからである(図20(a)参照)。逆に例えば、加算パターン群PBを用いて得られる色補間画像(図34(a)及び図35(a)等参照)においては、左下から右上に向かう方向における解像感が他の方向(特に左上から右下に向かう方向)におけるそれと比べて高い。
他方、画像列において画像中の被写体に動きがある場合、動きのある方向と垂直に交わる輪郭部分はぼけが生じやすい。これらの事情を考慮し、第6実施例では、そのぼけが極力解消されるように、過去フレームに対して求められた動き検出結果に基づき、現フレームに対して用いるべき加算パターン群を複数の加算パターン群の中から動的に選択する。
尚、色補間画像又は動きベクトルに関し、左上から右下に向かう方向とは、画像座標面XY上の位置[1,1]から位置[10,10]に向かう方向を指し、左下から右上に向かう方向とは、画像座標面XY上の位置[1,10]から位置[10,1]に向かう方向を指す。左上から右下に向かう方向に沿った直線又はその方向と略同じ方向に沿った直線を右下がり直線と呼び、左下から右上に向かう方向に沿った直線又はその方向と略同じ方向に沿った直線を右上がり直線と呼ぶ(図40参照)。
図41を参照し、加算パターン群PAと加算パターン群PBとの間で用いる加算パターン群を切り換えることを想定して、第6実施例に係る切り換え手法を具体的に説明する。第6実施例では、図1の映像信号処理部13として、図10若しくは図26の映像信号処理部13a又は図30の映像信号処理部13bが用いられる。
加算パターン群PAを用いて原画像を取得する期間では、加算パターンPA1を用いた加算読み出しと加算パターンPA2を用いた加算読み出しを交互に実行することで、順次、加算パターンPA1、PA2、PA1、PA2、・・・の原画像が取得され、時間的に隣接する2枚の原画像に基づく2枚の色補間画像から1枚の出力合成画像が生成される。同様に、加算パターン群PBを用いて原画像を取得する期間では、加算パターンPB1を用いた加算読み出しと加算パターンPB2を用いた加算読み出しを交互に実行することで、順次、加算パターンPB1、PB2、PB1、PB2、・・・の原画像が取得され、時間的に隣接する2枚の原画像に基づく2枚の色補間画像から1枚の出力合成画像が生成される。
今、図41に示す如く、色補間処理部51によって、第n、第(n+1)、第(n+2)、第(n+3)、第(n+4)・・・番目の原画像400、401、402、403及び404・・・から第n、第(n+1)、第(n+2)、第(n+3)、第(n+4)・・・番目の色補間画像410、411、412、413及び414・・・、が生成された場合を考える。
動き検出部53は、第1実施例で述べたように、隣接フレーム間の動きベクトルを求める。色補間画像410−411間の動きベクトル、色補間画像411−412間の動きベクトル及び色補間画像412−413間の動きベクトルを、夫々、M01、M12及びM23にて表す。動きベクトルM01は、色補間画像410−411間の、被写体の平均的な動きを表す、第2実施例にて述べたような平均動きベクトルであるとする(動きベクトルM12及びM23についても同様)。
原画像の取得に用いられる初期の加算パターン群が加算パターン群PAであり、原画像400〜403の取得時に用いた加算パターン群が加算パターン群PAであったとする。この際、映像信号処理部13又はCPU23に内在するパターン切換制御部(不図示)は、選択用動きベクトルに基づいて、原画像404の取得時に用いる加算パターン群を加算パターン群PA及びPBの中から選択する。選択用動きベクトルは、原画像404の取得前に得られている1又は複数の動きベクトルから形成される。選択用動きベクトルには、例えば、動きベクトルM23が含まれ、更に動きベクトルM12、又は、動きベクトルM12及びM01が含まれうる。動きベクトルM01よりも過去に得られた動きベクトルを、更に、選択用動きベクトルに含めても良い。通常、選択用動きベクトルは、複数の動きベクトルから形成される。
選択用動きベクトルが複数の動きベクトル(例えばM23及びM12)から成る場合、パターン切換制御部は、その複数の動きベクトルに注目し、その複数の動きベクトルの向きが全て右上がり直線と平行な場合は、原画像404の取得時に用いる加算パターン群を加算パターン群PAから加算パターン群PBへと切り換え、そうでない場合は、その切り換えを行わず、原画像404の取得時に用いる加算パターン群を加算パターン群PAのままとする。
上記の想定とは異なるが、原画像400〜403の取得時に用いた加算パターン群が加算パターン群PBであって且つ選択用動きベクトルが複数の動きベクトル(例えばM23及びM12)から成る場合、パターン切換制御部は、その複数の動きベクトルに注目し、その複数の動きベクトルの向きが全て右下がり直線と平行な場合は、原画像404の取得時に用いる加算パターン群を加算パターン群PBから加算パターン群PAへと切り換え、そうでない場合は、その切り換えを行わず、原画像404の取得時に用いる加算パターン群を加算パターン群PBのままとする。
選択用動きベクトルが動きベクトルM23のみから成る場合、パターン切換制御部は、動きベクトルM23に注目し、動きベクトルM23の向きが右上がり直線と平行な場合は、原画像404の取得時に用いる加算パターン群として加算パターン群PBを選択し、動きベクトルM23の向きが右下がり直線と平行な場合は、原画像404の取得時に用いる加算パターン群として加算パターン群PAを選択すればよい。
上述の如く、用いる加算パターン群を可変設定することにより、画像中の被写体の動きに応じて最適な加算パターン群を用いることができ、出力合成画像列の画質最適化が図られる。
尚、原画像の取得に用いる加算パターン群が頻繁に変更されることを禁止する処理を付加するようにしてもよい。例えば、図41に示す如く、原画像403の取得に用いた加算パターン群が加算パターン群PAであって且つ原画像404の取得に用いる加算パターン群が加算パターン群PAから加算パターン群PBに変更された場合、原画像404以降に取得される規定枚数の原画像の取得の際には、必ず、加算パターン群PBを用いるようにしてもよい。
また、原画像の取得に用いる加算パターン群を加算パターン群PAと加算パターン群PBとの間で切り換える例を上述したが、原画像の取得に用いる加算パターン群を、加算パターン群PAと加算パターン群PCとの間で、又は、加算パターン群PBと加算パターン群PDとの間で切り換えるようにしてもよい。
<<第7実施例>>
第1〜第6実施例では、加算読み出しによって原画像の画素信号を取得しているが、間引き読み出しによって原画像の画素信号を取得することも可能である。間引き読み出しを行うことによって原画像の画素信号を取得する実施例を、第7実施例として説明する。間引き読み出しによって原画像の画素信号を取得した場合においても、矛盾無き限り、第1〜第6実施例で述べた事項は適用可能である。
周知の如く、間引き読み出しでは、撮像素子33の受光画素信号が間引いて読み出される。第7実施例では、原画像の取得に用いる間引きパターンを複数の間引きパターンの間で順次変更させながら間引き読み出しを行い、間引きパターンの異なる複数の色補間画像を合成することによって1枚の出力合成画像を生成する。間引きパターンとは、間引きの対象となる受光画素の組み合わせパターンを意味する。用いられる複数の間引きパターンは、互いに異なる第1、第2、第3及び第4の間引きパターンの内の、2以上の間引きパターンを含む。第1〜第4の間引きパターン間で、間引きの位置は互いに異なる。
第1〜第4の間引きパターンから成る間引きパターン群として、間引きパターンQA1〜QA4から成る間引きパターン群QA、間引きパターンQB1〜QB4から成る間引きパターン群QB、間引きパターンQC1〜QC4から成る間引きパターン群QC、又は、間引きパターンQD1〜QD4から成る間引きパターン群QDを利用可能である。
図42(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQA1〜QA4を示しており、図43(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQA1〜QA4を用いて間引き読み出しを行った場合における、原画像の画素信号の様子を示している。
図44(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQB1〜QB4を示しており、図45(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQB1〜QB4を用いて間引き読み出しを行った場合における、原画像の画素信号の様子を示している。
図46(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQC1〜QC4を示しており、図47(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQC1〜QC4を用いて間引き読み出しを行った場合における、原画像の画素信号の様子を示している。
図48(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQD1〜QD4を示しており、図49(a)〜(d)は、夫々、間引きパターンQD1〜QD4を用いて間引き読み出しを行った場合における、原画像の画素信号の様子を示している。
図42(a)〜(d)、図44(a)〜(d)、図46(a)〜(d)及び図48(a)〜(d)において、丸枠内の受光画素の画素信号が原画像の実画素の画素信号として読み出され、水平又は垂直方向に隣接する丸枠間に位置する受光画素の画素信号は間引かれる。
任意の間引きパターンを用いて間引き読み出しを行う場合、
撮像素子33の画素位置[pG1+4nA,pG2+4nB]及び[pG3+4nA,pG4+4nB]に配置される緑受光画素の画素信号が原画像の画素位置[pG1+4nA,pG2+4nB]及び[pG3+4nA,pG4+4nB]におけるG信号として読み出され、撮像素子33の画素位置[pB1+4nA,pB2+4nB]に配置される青受光画素の画素信号が原画像の画素位置[pB1+4nA,pB2+4nB]におけるB信号として読み出され、撮像素子33の画素位置[pR1+4nA,pR2+4nB]に配置される青受光画素の画素信号が原画像の画素位置[pR1+4nA,pR2+4nB]におけるR信号として読み出される(nA及びnBは整数)。但し、
間引きパターンQA1、QA2、QA3及びQA4を用いる場合、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)は、それぞれ、
(1,1,2,2,2,1,1,2)、(3,3,4,4,4,3,3,4)、
(3,1,4,2,4,1,3,2)及び(1,3,2,4,2,3,1,4)であり、
間引きパターンQB1、QB2、QB3及びQB4を用いる場合、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)は、それぞれ、
(3,1,2,2,2,1,3,2)、(5,3,4,4,4,3,5,4)、
(5,1,4,2,4,1,5,2)及び(3,3,2,4,2,3,3,4)であり、
間引きパターンQC1、QC2、QC3及びQC4を用いる場合、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)は、それぞれ、
(2,2,1,3,2,3,1,2)、(4,4,3,5,4,5,3,4)、
(4,2,3,3,4,3,3,2)及び(2,4,1,5,2,5,1,4)であり、
間引きパターンQD1、QD2、QD3及びQD4を用いる場合、(pG1,pG2,pG3,pG4,pB1,pB2,pR1,pR2)は、それぞれ、
(2,2,3,3,2,3,3,2)、(4,4,5,5,4,5,5,4)、
(4,2,5,3,4,3,5,2)及び(2,4,3,5,2,5,3,4)である。
G、B又はR信号が読み出された画素位置に対応する、原画像上の画素は、G、B又はR信号が存在する実画素であるが、G、B及びR信号の何れもが読み出されなかった画素位置に対応する、原画像上の画素は、G、B及びR信号の何れもが存在しない空白画素である。
例として、間引きパターンQA1〜QA4から成る間引きパターン群QAを用いて出力合成画像を生成する処理を説明する。第7実施例に係る映像信号処理部13として、図10若しくは図26の映像信号処理部13a又は図30の映像信号処理部13bを用いることができる。
図43(a)〜(d)及び図9(a)〜(d)から分かるように、間引きパターンQA1〜QA4を用いた間引き読み出しによって取得される原画像と、加算パターンPA1〜PA4を用いた加算読み出しによって取得される原画像とを対比した場合、両原画像間で、G、B及びR信号の存在位置の関係は同じである。但し、後者の原画像を基準として、前者の原画像におけるG、B及びR信号の存在位置は、右方向にWp分且つ下方向にWp分だけずれている(図4(a)参照)。従って、加算読み出しを行うことを前提として上述してきた事項を間引き読み出しを行う撮像装置に適用する場合、このずれに対応する分だけ、上述してきた事項を修正して考えればよい。
このずれが存在する以外、両原画像(図43(a)〜(d)に対応する原画像と図9(a)〜(d)に対応する原画像)を等価なものとして取り扱うことができるため、第1〜第4実施例にて述べた事項を、そのまま第7実施例にも適用可能である。基本的には、第1〜第4実施例における加算パターン及び加算読み出しを間引きパターン及び間引き読み出しに置き換えて考えればよい。
即ち例えば、間引きパターンQA1及びQA2を夫々第1及び第2の間引きパターンとして用いることを想定し、第1及び第2の間引きパターンを交互に用いることによって、第1及び第2の間引きパターンによる原画像を交互に取得する。そして、間引きパターンによる各原画像に対して第1実施例にて述べた色補間処理を実行することにより、色補間処理部51にて色補間画像を生成する一方で、第1実施例にて述べた動き検出処理を実行することにより、動き検出部53にて隣接フレーム間の動きベクトルを検出する。そして、その検出された動きベクトルに基づきつつ、第1〜第3実施例の何れかにて述べた手法に従って、画像合成部55又は55bにて複数の色補間画像から1枚の出力合成画像を生成する。間引き読み出しによって得られた原画像列に基づく出力合成画像列に対して、第4実施例にて述べた画像圧縮技術を適用することも可能である。
また更に、間引き読み出しを利用する場合においても、第6実施例にて述べた技術は有効に機能する。間引き読み出しを利用する第7実施例に第6実施例にて述べた技術を適用する場合、第6実施例の説明文中に現れる加算パターン及び加算パターン群という用語を間引きパターン及び間引きパターンという用語に読み替え、その読み替えに伴って、加算パターン又は加算パターン群に対応する符号を間引きパターン又は間引きパターン群に対応する符号に読み替えればよい。具体的には、第6実施例における加算パターン群PA、PB、PC及びPDを夫々間引きパターン群QA、QB、QC及びQDに読み替えると共に、第6実施例における加算パターンPA1、PA2、PB1及びPB2を、夫々、間引きパターンQA1、QA2、QB1及びQB2に読み替えればよい。
尚、上述してきた加算読み出し方式と間引き読み出し方式を組み合わせた読み出し方式(以下、加算/間引き方式という)を用いて、撮像素子33の受光画素信号を読み出してもよい。加算/間引き方式を用いた時の読み出しパターンを、加算/間引きパターンという。例として、図50及び図51に対応するような加算/間引きパターンを採用することができる。この加算/間引きパターンは、第1の加算/間引きパターンとして機能する。図50は、第1の加算/間引きパターンを用いた時の、信号加算の様子及び信号間引きの様子を示しており、図51は、第1の加算/間引きパターンに従って受光画素信号を読み出した時の、原画像の画素信号の様子を示す。
この第1の加算/間引きパターンを用いた場合、
撮像素子33の画素位置[2+6nA,2+6nB]及び[3+6nA,3+6nB]に仮想的な緑受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[3+6nA,2+6nB]に仮想的な青受光画素が配置され、撮像素子33の画素位置[2+6nA,3+6nB]に仮想的な赤受光画素が配置される、と想定する(nA及びnBは整数)。
第1実施例で述べたように、1つの仮想的な受光画素の画素信号は、その仮想的な受光画素の左斜め上、右斜め上、左斜め下及び右斜め下に隣接する実際の受光画素の画素信号の加算信号とされる。そして、位置[x,y]に配置された仮想的な受光画素の画素信号が、画像上の位置[x,y]の画素信号として取り扱われるように原画像が取得される。従って、第1の加算/間引きパターンを用いた読み出しによって得られる原画像は、図51に示す如く、画素位置[2+6nA,2+6nB]及び[3+6nA,3+6nB]に配置された、G信号のみを有する画素と、画素位置[3+6nA,2+6nB]に配置された、B信号のみを有する画素と、画素位置[2+6nA,3+6nB]に配置された、R信号のみを有する画素と、を備えた画像となる。
このように、複数の受光画素信号を加算することによって原画像の画素信号が形成されるため、加算/間引き方式は、加算読み出し方式の一種である。同時に、位置[5,nB]、[6,nB]、[nA,5]及び[nA,6]における受光画素信号は、原画像の画素信号の生成に寄与しない。つまり、原画像の生成に際して、位置[5,nB]、[6,nB]、[nA,5]及び[nA,6]における受光画素信号は間引かれる。故に、加算/間引き方式は、間引き読み出し方式の一種であるとも言える。
上述したように、加算パターンは、加算の対象となる受光画素の組み合わせパターンを意味し、間引きパターンは、間引きの対象となる受光画素の組み合わせパターンを意味する。これに対し、加算/間引きパターンは、加算及び間引きの対象となる受光画素の組み合わせパターンを意味する。加算/間引き方式を用いる場合も、互いに異なる複数の加算/間引きパターンを設定し、原画像の取得に用いる加算/間引きパターンを該複数の加算/間引きパターンの間で順次変更させながら受光画素信号の読み出しを行い、対応する加算/間引きパターンが互いに異なる複数の色補間画像を合成することによって1枚の出力合成画像を生成すればよい。
<<第8実施例>>
上述の各実施例では、複数の色補間画像を合成し、合成によって得た出力合成画像を信号処理部56に与えているが、この合成を行うことなく、1枚の色補間画像のR、G及びB信号を、1枚の出力画像のR、G及びB信号として信号処理部56に与えることも可能である。この合成を行わない実施例を、第8実施例として説明する。上述の各実施例に記載した事項を、矛盾なき限り、第8実施例に適用することができる。但し、合成処理が行われないため、合成に関与する技術は第8実施例には適用されない。
第8実施例に係る映像信号処理部13として、図52の映像信号処理部13cを用いることができる。映像信号処理部13cは、色補間処理部51、信号処理部56及び画像変換部57を備える。色補間処理部51及び信号処理部56の機能は、上述してきたものと同じである。
色補間処理部51は、AFE12の出力信号によって表される原画像に対して上述の色補間処理を実行して色補間画像を生成する。色補間処理部51にて生成された色補間画像のR、G及びB信号は、画像変換部57に与えられる。画像変換部57は、与えられた色補間画像のR、G及びB信号から出力画像のR、G及びB信号を生成する。信号処理部56は、画像変換部57にて生成された出力画像のR、G及びB信号を、輝度信号Y及び色差信号U及びVから成る映像信号に変換する。この変換によって得られた映像信号(Y、U及びV)は、圧縮処理部16に送られ、所定の画像圧縮方式に従って圧縮符号化される。画像変換部57からの出力画像列の映像信号を、図1の表示部27又は図示されない表示装置に供給することにより、その出力画像列を動画像として表示することができる。
上述の各実施例では、位置[2i−0.5,2j−0.5]における、出力合成画像270のG信号、B信号及びR信号を、夫々、Goi,j、Boi,j及びRoi,jにて表したが(図25(a)〜(c)参照)、第8実施例では、位置[2i−0.5,2j−0.5]における、画像変換部57の出力画像のG信号、B信号及びR信号を、夫々、Goi,j、Boi,j及びRoi,jにて表す。
図53を参照し、具体例を挙げて映像信号処理部13cの動作を説明する。今、第1及び第2の加算パターンとして夫々加算パターンPA1及びPA2を用い(図7(a)及び(b)参照)、第1及び第2の加算パターンの原画像が交互に撮影される場合を考える。順次、第n、第(n+1)、第(n+2)及び第(n+3)番目の原画像が取得される。第n、第(n+1)、第(n+2)及び第(n+3)番目の原画像が、夫々、第1、第2、第1及び第2の加算パターンの原画像であり、且つ、第n及び第(n+1)番目の原画像から生成された色補間画像が、夫々、色補間画像261及び262である場合を想定する(図20(a)及び図21(a)等参照)。また、色補間画像261及び262から生成される、画像変換部57の出力画像が、それぞれ出力画像501及び502であるとする。
第1実施例では、色補間画像261と色補間画像262との間において、G信号の存在位置が相違し、且つ、B信号の存在位置が相違し、且つ、R信号の存在位置が相違することを考慮して、色補間画像261のG、B及びR信号と色補間画像262のG、B及びR信号を混合した(式(B1)等参照)。
第8実施例に係る画像変換部57は、これらの相違に基づき、Goi,j=G1i,j、Boi,j=B1i,j及びRoi,j=R1i,jに従って出力画像501のG、B及びR信号値を求め、Goi,j=G2i-1,j-1、Boi,j=B2i-1,j-1及びRoi,j=R2i-1,j-1に従って出力画像502のG、B及びR信号値を求める。第(n+2)番目の原画像に基づく色補間画像も色補間画像261であるとするならば、第(n+2)番目の原画像に基づく出力画像のG、B及びR信号値も、Boi,j=B1i,j及びRoi,j=R1i,jに従って求められる。同様に、第(n+3)番目の原画像に基づく色補間画像も色補間画像262であるとするならば、第(n+3)番目の原画像に基づく出力画像のG、B及びR信号値も、Goi,j=G2i-1,j-1、Boi,j=B2i-1,j-1及びRoi,j=R2i-1,j-1に従って求められる。
出力画像における信号Goi,j、Boi,j及びRoi,jの位置[2i−0.5,2j−0.5]から見て、色補間画像261における信号G1i,j、B1i,j及びR1i,jの位置は若干ずれており、色補間画像262における信号G2i-1,j-1、B2i-1,j-1及びR2i-1,j-1の位置も若干ずれている。
これらのずれに起因して、1枚1枚の出力画像を静止画像として見たならばジャギー等の画質劣化が観察される。しかしながら、画像変換部57からはフレーム周期にて出力画像が順次生成されており、出力画像列を動画像として見た場合、フレーム周期にもよるが、ユーザはこのような画質劣化を殆ど感じない。この理由は、インターレースによる動画像において、映像のちらつきを殆ど感知できない理由と同様であり、ユーザの目の残像効果が利用されている。
一方、出力画像501と出力画像502との間において、同一位置[2i−0.5,2j−0.5]の色信号のサンプリング点は異なっている。例えば、出力画像501の位置[5.5,5.5]におけるG信号Go3,3として利用される、色補間画像261のG信号G13,3のサンプリング点(位置[6,6])と、出力画像502の位置[5.5,5.5]におけるG信号Go3,3として利用される、色補間画像262のG信号G12,2のサンプリング点(位置[5,5])とは異なる。このような出力画像501及び502を含む出力画像列を動画像として表示した場合、目の残像効果が働いて、ユーザは、両方のサンプリング点における画像情報を一度に認識することとなる。つまり、受光画素信号の加算読み出しによる画質低下(間引き読み出しを行う場合にあっては、間引き読み出しによる画質低下)を補償することができる。加えて、画素間隔を均等化する補間処理(図54のブロック902及び903参照)を行わない分、解像感の劣化が抑制される。即ち、図54に対応する従来手法と比べて、解像感の向上が図られる。
出力画像501及び502を含む出力画像列を生成する処理は、フレーム周期が比較的高い場合(例えば、フレーム周期が1/60秒である場合)に有益である。フレーム周期が比較的低い場合(例えば、フレーム周期が1/30秒である場合)は、目の残像効果が弱まるため、第1〜第7実施例で述べたような、複数の色補間画像に基づく出力合成画像の生成を行った方がよい。
図52に示される映像信号処理部13cの機能を実現するブロックと、図10、図26又は図30に示される映像信号処理部13a又は13bの機能を実現するブロックとを図1の映像信号処理部13に搭載し、フレーム周期に応じて、それらのブロックを使い分けるようにしてもよい。即ち、フレーム周期が所定の基準周期(例えば、1/30秒)よりも大きい場合は、前者のブロックを作動させて画像変換部57から出力画像列を出力させ、フレーム周期が基準周期以下である場合は、後者のブロックを作動させて画像合成部55又は55bから出力合成画像列を出力させるようにしてもよい。
また、第1及び第2の加算パターンとしての加算パターンPA1及びPA2を用い、加算パターンPA1及びPA2の原画像を交互に取得する例を上述したが、第1〜第4の加算パターンとしての加算パターンPA1〜PA4を用い、加算パターンPA1〜PA4の原画像を順次繰り返し取得するようにしてもよい。この場合、加算パターンPA1、PA2、PA3、PA4、PA1、PA2・・・、を順次用いて原画像が取得され、画像変換部57から、加算パターンPA1、PA2、PA3、PA4、PA1、PA2・・・、の原画像に基づく出力画像が順次出力される。また、第1〜第4の加算パターンから成る加算パターン群として、加算パターンPA1〜PA4から成る加算パターン群PAの代わりに、加算パターンPB1〜PB4から成る加算パターン群PB、加算パターンPC1〜PC4から成る加算パターン群PC又は加算パターンPD1〜PD4から成る加算パターン群PDを用いるようにしてもよい(図34(a)等参照)。
また、映像信号処理部13cに、図10に示されるフレームメモリ52、動き検出部53及びメモリ54を追加し、第6実施例で述べたように、動き検出部53の動き検出結果に基づいて、原画像を取得するために用いる加算パターン群を切り換えて使用するようにしてもよい。例えば、第6実施例で述べたように(図41参照)、加算パターン群PAと加算パターン群PBとの間で用いる加算パターン群を切り換え可能なように撮像装置1を形成しておく。そして、原画像400〜404から色補間画像410〜414が得られるとした場合、動きベクトルM23を含む選択用動きベクトルに基づき、第6実施例で述べた方法に従って、原画像404の取得時に用いる加算パターン群を加算パターン群PA及びPBの中から選択するようにしてもよい。
また、第1〜第6実施例を第7実施例のように変形可能なように、第8実施例にて上述した事項を間引き読み出しにも適用することができる。この場合、第8実施例にて上述した説明文中に現れる、加算パターン及び加算パターン群という用語を間引きパターン及び間引きパターンという用語に読み替えればよい。その読み替えに伴って、加算パターン又は加算パターン群に対応する符号も間引きパターン又は間引きパターン群に対応する符号に読み替えればよい(具体的には、PA、PB、PC及びPDを夫々QA、QB、QC及びQDに読み替えると共に、PA1〜PA4、PB1〜PB4、PC1〜PC4及びPD1〜PD4を、夫々、QA1〜QA4、QB1〜QB4、QC1〜QC4及びQD1〜QD4に読み替えればよい)。
但し、第7実施例にても述べたように、間引きパターンQA1〜QA4を用いた間引き読み出しによって取得された原画像と、加算パターンPA1〜PA4を用いた加算読み出しによって取得された原画像とを対比した場合、両原画像間で、G、B及びR信号の存在位置の関係は同じであるものの、後者の原画像を基準として、前者の原画像におけるG、B及びR信号の存在位置は、右方向にWp分且つ下方向にWp分だけずれている(図4(a)、図9(a)、図43(a)等参照)。同様のずれが、加算パターン群PB−間引きパターン群QB間などにも存在する。従って、間引き読み出しを行う場合は、このずれに対応する分だけ、第8実施例にて上述してきた事項を修正して考えればよい。
<<変形等>>
上述した説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態の変形例または注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈3を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
上述してきた加算パターンは様々に変形可能である。上述の加算読み出し方式では、4個の受光画素信号を加算することによって原画像上の1つの画素信号を形成しているが、4個以外の複数の受光画素信号(例えば、9個又は16個の受光画素信号)を加算することによって原画像上の1つの画素信号を形成するようにしてもよい。
同様に、上述してきた間引きパターンも様々に変形可能である。上述の間引き読み出し方式では、水平及び垂直方向に2画素ずつ受光画素信号が間引かれるが、間引かれる受光画素信号の個数は2以外であってもよい。例えば、水平及び垂直方向に4画素ずつ受光画素信号を間引くようにしてもよい。
[注釈2]
図1の撮像装置1は、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現可能である。特に、映像信号処理部(13、13a、13b又は13c)内で実行される処理の全部又は一部を、ソフトウェアを用いて実現することも可能である。勿論、映像信号処理部をハードウェアのみで形成することも可能である。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。
[注釈3]
例えば、以下のように考えることができる。図1のCPU23は、原画像の取得の際に、どのような加算パターン又は間引きパターンを用いるかを制御し、この制御の下、撮像素子33から原画像の画素信号となるべき信号が読み出される。従って、原画像を取得する原画像取得手段は、主としてCPU23と映像信号処理部13によって実現されると考えることもでき、この原画像取得手段に、加算読み出し又は間引き読み出しを行う読出手段が内包されていると考えることもできる。尚、加算読み出し方式と間引き読み出し方式を組み合わせた加算/間引き方式は、上述したように、加算読み出し方式又は間引き読み出し方式の一種であるので、加算読み出し方式による加算/間引きパターンは加算パターン又は間引きパターンの一種であると考えることができると共に、加算読み出し方式による受光画素信号の読み出しは加算読み出し又は間引き読み出しの一種であると考えることができる。