JP5201758B1 - 多管式熱交換器及び液体導入部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納管に収納された流通管の配置によらずに、被処理液体中の固形物の堆積を防止することができる多管式熱交換器及び液体導入部材を提供する。
【解決手段】固形物を含有する被処理液体が内部を流通する複数の流通管20と、一方面31に流通管20の開口部22が露出するように該流通管20が固定された閉止板30と、流通管20を内部に収納し、閉止板30により封止された内部の流路42に熱交換媒体が流通するように構成された収納管40と、閉止板30の一方面31に開口した流通管20の開口部22に共通して連通した連通部60と、連通部60に連通して該連通部60に被処理液体を導入する導入路70とを備え、導入路70は、閉止板30の一方面31に沿って連通部60に向かう方向に増速するように被処理液体を連通部60に供給するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、多管式熱交換器及び液体導入部材に関し、特に、固形物を含む流体食品などの液体を処理する場合に適用して有用なものである。
従来、被処理液体を効率的に加熱又は冷却するために、多管式熱交換器が用いられている。多管式熱交換器は、収納管(シェル)の内部に複数の流通管(チューブ)を並列に配置し、収納管内部に熱交換媒体を流通させることで、該熱交換媒体と流通管内部の被処理液体との熱交換をするものである。
具体的には、複数の流通管は、各流通管の開口部が一方面に露出するように閉止板に固定されている。そして、流通管を収納管に収納するとともに収納管の開口部を閉止板で塞ぎ、閉止板に開口した流通管の各開口部に被処理液体を導入するように導入路を設けることで多管式熱交換器は構成されている。
ここで、被処理液体に固形物を含む場合、例えば、果実ジュースのように「さのう」と称される繊維を含むような場合においては、「さのう」が閉止板の表面に現れた流通管の各開口部の間に堆積する場合がある。
そこで、流通管の間隔を繊維の大きさよりも大きくなるように流通管を閉止板に固定することにより、繊維の堆積を防止した多管式熱交換器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、繊維の大きさに合わせて流通管の間隔を調整する場合、製造する飲料ごとに間隔を設定して多管式熱交換器を製造しなければならず、製造コストの増大や製造工程の煩雑化を伴うという問題がある。
特許第4296117号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、収納管に収納された流通管の配置によらずに、被処理液体中の固形物の堆積を防止することができる多管式熱交換器及び液体導入部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、固形物を含有する被処理液体が内部を流通する複数の流通管と、一方面に前記流通管の開口部が露出するように該流通管が固定された閉止板と、前記流通管を内部に収納し、前記閉止板により封止された内部に熱交換媒体が流通するように構成された収納管と、前記閉止板の一方面に開口した前記流通管の開口部に共通して連通した連通部と、前記連通部に連通して該連通部に前記被処理液体を導入する導入路とを備え、前記導入路は、前記閉止板の一方面に沿って前記連通部に向かう方向に増速するように前記被処理液体を前記連通部に供給するように形成されていることを特徴とする多管式熱交換器にある。
かかる第1の態様では、導入路は、被処理液体を閉止板の一方面に沿って増速させた上で連通部に供給するように構成されているため、閉止板の表面において、固形物が付着、堆積することを防止することができる。このように、多管式熱交換器は、被処理液体の流速及びその方向を制御することにより、固形物が閉止板の表面に堆積することを防止するものである。すなわち、固形物に応じて別種の多管式熱交換器を設計及び製造することが不要となり、製造コストを低減し、製造工程を簡略化することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する多管式熱交換器において、前記導入路は、前記閉止板の一方面に沿う方向に延設され、前記連通部に向かい幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする多管式熱交換器にある。
かかる第2の態様では、導入路において被処理液体を閉止板の一方面に沿って増速させることができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する多管式熱交換器において、前記導入路は、前記導入路の前記連通部とは反対側の第1開口部から、前記連通部との境界となる第2開口部に向かい幅が狭くなるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする多管式熱交換器にある。
かかる第3の態様では、導入路に固形物が付着、堆積することなく、被処理液体を増速させることができる。
本発明の第4の態様は、第1の態様に記載する多管式熱交換器において、前記流通管、前記閉止板及び前記収納管を備える少なくとも一対の多管式熱交換器本体と、一方の前記多管式熱交換器本体の前記流通管の開口部に共通して連通する第1連通部、他方の前記多管式熱交換器本体の前記流通管の開口部に共通して連通する第2連通部、及び前記第1連通部と前記第2連通部とを接続する前記導入路を備える液体導入部材とを備え、前記液体導入部材は、一方の前記多管式熱交換器本体に接続された前記第1連通部と、前記導入路との境界となる開口部の面積が、一方の前記多管式熱交換器本体の前記流通管の開口部の面積よりも狭くなるように形成されていることを特徴とする多管式熱交換器にある。
かかる第4の態様では、一対の熱交換器本体が液体導入部材を介して接続されている。一方、すなわち、上流側の熱交換器本体から流出した被処理液体は第1連通部に流入する。この第1連通部と導入路との境界の開口部が、当該熱交換器本体の流通管の出口となる開口部の面積よりも狭くなっている。したがって、第1連通部から導入路に被処理液体を増速して供給することが得きる。これにより、他方、すなわち、下流側の熱交換器本体の閉止板近傍において、閉止板方向に増速した被処理液体を供給することができ、被処理液体中の固形物が堆積することを防止することができる。特に、導入路に被処理液体を増速させる構造を設けなくても、上流側の第1連通部と導入路との境界の開口部の開口面積を、熱交換器本体の流通管の開口部の開口面積との関係で設定することにより、被処理液体を増速することができる。
本発明の第5の態様は、固形物を含有する被処理液体が内部を流通する複数の流通管と、一方面に前記流通管の開口部が露出するように該流通管が固定された閉止板と、前記流通管を内部に収納し、前記閉止板により封止された内部に熱交換媒体が流通するように構成された収納管とを備えた多管式熱交換器本体に取り付けられる液体導入部材であって、前記収納管に着脱可能に取り付けられ、前記閉止板の一方面に開口した前記流通管の開口部に共通して連通する連通部と、前記連通部に連通して該連通部に前記被処理液体を導入する導入路とを備え、前記導入路は、前記閉止板の一方面に沿って前記連通部に向かう方向に増速するように前記被処理液体を前記連通部に供給するように形成されていることを特徴とする液体導入部材にある。
かかる第5の態様では、熱交換器本体に対して、閉止板の表面に固形物が堆積しないように被処理液体を供給することができる。さらに、液体導入部材を熱交換器本体から取り外して、個別に洗浄などのメンテナンスや交換を容易に行うことができる。
本発明によれば、収納管に収納された流通管の配置によらずに、被処理液体中の固形物の堆積を防止することができる多管式熱交換器及び液体導入部材が提供される。
多管式熱交換器の要部断面図である。 図1のA−A線断面図である。 液体導入部材の側面図である。 液体導入部材の上面図である。 図3のC−C線断面図である。 図4のD−D線断面図である。 多管式熱交換器の閉止板上に導入される被処理液体の状況を説明する図1のB−B線断面図である。 液体導入部材の使用例を示す要部断面図である。 多管式熱交換器の要部断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
〈実施形態1〉
図1及び図2を用いて、本実施形態に係る多管式熱交換器(以降、熱交換器ともいう)を説明する。
図示するように、熱交換器1は、被処理液体の熱交換を行う多管式熱交換器本体10(以降、熱交換器本体10ともいう)、及び熱交換器本体10に着脱自在に取り付けられる液体導入部材50(単に導入部材50ともいう)を備え、固形物を含有する被処理液体を対象として熱交換を行う機器である。固形物や被処理液体は、特に限定されないが、果実や野菜を由来とする繊維などの固形物を含む果実飲料などを被処理液体として挙げることができる。
熱交換器本体10は、被処理液体が内部を流通する流通管20と、流通管20を固定する閉止板30と、流通管20が収納される収納管40と、を備えている。
流通管20は、被処理液体が流通する部材であり、流通管20の内部である流路21に被処理液体が流通する。本実施形態では、流通管20は、円筒状に形成されている。
閉止板30は、一方面31に流通管20の開口部22が露出するように流通管20が固定された板状の部材である。具体的には、後述する収納管40の開口部41を封止することが可能な形状を有しており、流通管20が挿通する貫通孔32が複数設けられている。
各貫通孔32には、複数(本実施形態では7本)の流通管20が挿通され、流通管20の開口部22と閉止板30の一方面31とがほぼ面一となった状態で、溶接などにより閉止板30に固定されている。特に図示しないが、流通管20の反対側も同様に別の閉止板30により固定されている。このように閉止板30に両端が固定された各流通管20は、所定の間隔を空け、ほぼ平行に配置されている。
収納管40は、流通管20を内部の流路42に収納し、閉止板30により封止された流路42に熱交換媒体が流通するように構成された管状の部材である。本実施形態では、収納管40は、複数の流通管20を流路42に収容しうる内径を有する円筒状に形成されている。
流通管20を固定した閉止板30は、収納管40の一方の開口部41を封止し、収納管40に固定されている。特に図示しないが、流通管20の反対側の端部を固定した別の閉止板30は、収納管40の他方の開口部を封止し、収納管40に固定されている。すなわち、収納管40の流路42内には、互いにほぼ平行な流通管20が配置されるとともに、収納管40の両端の開口が各閉止板30により封止されている。
また、収納管40の一方の開口部41の近傍には、収納管40の流路42に連通する供給口43が設けられている。特に図示しないが、収納管40の他方の開口部の近傍には、流路42に連通する排出口が設けられている。閉止板30により封止された収納管40の流路42は、供給口43から熱交換媒体が供給され、当該熱交換媒体は、排出口から排出される。
このように、収納管40の流路42に供給された熱交換媒体は、流路42内に配置された流通管20の表面に接触することで、流通管20の流路21内の被処理液体と熱交換することが可能となっている。
図1、図3〜図6を用いて、導入部材50について説明する。これらの図に示すように、導入部材は、連通部60と導入路70とを備えている。
連通部60は、閉止板30の一方面31に開口した流通管20の開口部22に共通して連通した被処理液体の流路を構成する部材である。具体的には、連通部60は、一方面に開口部64を有する有底円筒状の流路形成部材61を有しており、その内部の空間は被処理液体が流通する流路部62となっている。
流路形成部材61の開口部64側には、外側に突出したフランジ部63が形成されている。一方、閉止板30の一方面31側にも、外側に突出したフランジ部33が形成されている。開口部64は、全ての流通管20が内側に含まれる程度の大きさに形成されている。これらのフランジ部33及びフランジ部63は、互いに当接した状態で、クランプ部80により締め付けられて固定されている。なお、これらのフランジ部33及びフランジ部63は、クランプ部80を緩めて、取り外すことが可能となっている。
このようにして連通部60が閉止板30に固定されることで、連通部60の流路部62は、閉止板30の一方面31に開口した流通管20の開口部22の全てに共通して連通している。これにより、流路部62に供給された被処理液体は、各流通管20に分配して流入するようになっている。
また、クランプ部80を緩めて連通部60を閉止板30から取り外すことが可能となっているため、連通部60、すなわち導入部材50を熱交換器本体10から取り外して、洗浄するなどのメンテナンスが容易になっている。
連通部60には、連通部60に被処理液体を導入する流路を構成する導入路70が設けられている。導入路70は、閉止板30の一方面31に沿って連通部60に向かう方向に増速するように被処理液体を連通部60に供給する流路を構成する部材である。
「閉止板30の一方面31に沿って連通部60に向かう方向」とは、導入路70から連通部60に流入する被処理液体の流れの方向成分に、閉止板30と平行な成分を含むことをいう。特に、閉止板30と平行に被処理液体が流路部62に供給されるように導入路70を構成することが好ましい。以降、この方向のことを単に閉止板方向とも称する。
具体的には、導入路70は、中空に形成された管状の部材であり、連通部60の流路形成部材61の側面から外側に向かって延設されている。導入路70の連通部60とは反対側の開口を第1開口部71とする。また導入路70の連通部60との境界となる開口を第2開口部72とする。
なお、図5に示すように、本実施形態では、導入路70は、流路部73の中心線Lが上面視における開口部64の中心部Oに向けて流入するように導入路70が形成されている。
このように導入路70を閉止板30の一方面31に沿って、言い換えれば、第1開口部71及び第2開口部72が閉止板30の一方面31とは実質的に垂直となるように導入路70が形成されている。これにより、第1開口部71から供給された被処理液体は、中空部分である流路部73を流通し、閉止板方向に沿って第2開口部72を介して連通部60(流路部62)に供給される。
図7に示すように、上述したように導入路70が連通部60に設けられることで、被処理液体の流路部62内における流れの向きは、閉止板方向を含むものとなる。具体的には、被処理液体は、導入路70から連通部60の中央部に向かって、閉止板方向に沿って流入する。そして、被処理液体は、対向する流路部62内の壁面に当たって壁面に沿うように流れる。このように、被処理液体は、流路部62の図中の上半分・下半分側で半円を描くように流通する。
したがって、被処理液体を、閉止板30の開口部22以外の領域(閉止板30の表面)の表面近傍においては、閉止板方向に沿って流通させることができる。これにより、「さのう」など被処理液体中の固形物が当該領域に付着したとしても、その固形物を閉止板方向に沿って流通する被処理液体により押し出し、流通管20内に流入させることができる。すなわち、閉止板30の表面に固形物を堆積することを防止することができる。
ちなみに、被処理液体の流通方向が閉止板30に対して垂直な方向(若しくは垂直な方向が支配的)であると、閉止板30の表面に付着した固形物は、閉止板方向には押し出されず、そのまま付着し続けてしまう。例えば、繊維のように細長い固形物であると、その両端が二つの流通管20のそれぞれに開口部22に掛かり、被処理液体の圧力によって閉止板30に押し付けられて堆積してしまう。
上述のように、導入路70を閉止板方向に延設することで、被処理液体を閉止板方向に沿うように連通部60に導入するようにしたが、第2開口部72は、極力閉止板30に近いことが好ましい。
例えば、開口部64の中心部Oと、第2開口部72の中心部Pとを結ぶ直線と、開口部64の表面とが成す角度θは、0度以上30度以下であることが好ましい。
このように、第2開口部72、すなわち導入路70が閉止板30に近い位置となるようにすることで、被処理液体が流通する方向は閉止板方向がより支配的となり、より確実に固形物を閉止板方向に押し出し、堆積を防止することができる。
また、「増速するように被処理液体を連通部60に供給する」とは、導入路70の入口である第1開口部71における被処理液体の流速よりも、導入路70の出口である第2開口部72における被処理液体の流速のほうが速くなるように被処理液体を連通部60に供給することをいう。
具体的には、導入路70の高さ方向(図6の上下方向)の幅を第1開口部71側から第2開口部72側に向けて漸次狭める形状とした。なお、導入路70の幅方向(図5の上下方向)の幅は一定としている。すなわち、導入路70の下面側(図6の下側)の壁面74を閉止板30と略平行となるように延設し、導入路70の上面側(図6の上側)の壁面75を第1開口部71側から第2開口部72側に向けてテーパ状とした。
導入路70をこのような構成とすることにより、第1開口部71から供給された被処理液体を、増速して第2開口部72から連通部60に供給することができる。
このように、被処理液体は増速して連通部60に供給されるので、閉止板30の表面に固形物が付着したとしても、これをより一層確実に閉止板方向に押し出し、堆積を防止することができる。さらに、導入路70をテーパ状に構成したことで、導入路70に固形物が付着、堆積することなく、被処理液体を増速させることができる。
上述のように導入路70を構成することで、被処理液体を増速させたが、そのような構成としては、第1開口部71及び第2開口部72を次のようにすることが好ましい。
例えば、第1開口部71の開口面積をS1とし、第2開口部72の開口面積をS2とし、閉止板30に開口した流通管20の開口部22の面積(本実施形態では、7本の流通管20が設けられているので、7つの開口部22の総面積である。)をS3とする。第1開口部71に流入する或る流量の被処理流体が流通管20に滞りなく流入するように開口面積S1及びS3を設定する。そして、第2開口部72の面積は開口面積S1よりも小さくする。例えば、開口面積S1とS3とをほぼ同等の面積とし、開口面積S2をそれらよりも小さくする。このようにすることで、第1開口部71に流入した被処理液体を第2開口部72に向けて増速させるとともに、その増速した被処理液体が各流通管20に滞りなく流入させることができる(連通部60や導入路70から溢れることがない)。なお、固形物が第2開口部72を閉塞しない程度とすることが好ましい。すなわち、第2開口部72の開口面積S2は、固形物の有する所定寸法よりも大きくすることが好ましい。
このように、第2開口部72に固形物が閉塞せず、かつ、被処理液体を可及的に増速するように第1開口部71及び第2開口部72を構成することで、被処理液体を閉止板方向に沿って、より速く流通させることができ、より確実に固形物を閉止板方向に押し出し、堆積を防止することができる。
以上に説明したように、多管式熱交換器1では、被処理液体は、導入部材50の第1開口部71に供給され、導入路70を経由して連通部60に供給され、そこから各流通管20に分配される。そして、多管式熱交換器1は、各流通管20に流通する被処理液体を、収納管40内に導入される熱交換媒体により熱交換する。
導入路70は、被処理液体を閉止板方向に沿って増速させた上で連通部60に供給するように構成されているため、閉止板30の表面において、固形物が付着、堆積することを防止することができる。
このように、多管式熱交換器1は、従来のように、固形物の形状に合わせて閉止板30に現れる流通管20の開口部22の間隔を調整するのではなく、被処理液体の流速及びその方向を制御することにより、固形物が閉止板30の表面に堆積することを防止するものである。すなわち、多管式熱交換器1は、収納管40に収納された流通管20の配置によらずに、被処理液体中の固形物の堆積を防止することができる。
これにより、固形物の形状によらずに設計及び製造することができるため、固形物に応じて別種の多管式熱交換器1を設計及び製造することが不要となり、製造コストを低減し、製造工程を簡略化することができる。
また、導入部材50としては、熱交換器本体10に対して、閉止板30の表面に固形物が堆積しないように被処理液体を供給することができる。さらに、導入部材50を熱交換器本体10に着脱自在な構成としたので、導入部材50を熱交換器本体10から取り外して、個別に洗浄などのメンテナンスや交換を容易に行うことができる。
〈実施形態2〉
実施形態1で説明した導入部材50は、複数の熱交換器本体10を連結する接合部材として用いることもできる。図8は、実施形態2に係る多管式熱交換器の要部断面図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態に係る多管式熱交換器1Aは、2つの熱交換器本体10を有し、各熱交換器本体10には、それぞれ導入部材50が接続されている。
各導入部材50は、各導入路70の第1開口部71同士が連通するように接続されている。このようにして、被処理液体は、一方の熱交換器本体10の流通管20、その熱交換器本体10に接続された導入部材50の連通部60及び導入路70を順次流通する。そして、当該被処理液体は、他方の熱交換器本体10に接続された導入部材50の導入路70及び連通部60、流通管20を順次流通する。
このようにして、本実施形態に係る導入部材50は、熱交換器本体10同士を連結する接合部材として用いることで、閉止板30における固形物の堆積を防止するとともに、複数の熱交換器本体10からなる長大な多管式熱交換器1Aを構成することができる。
〈実施形態3〉
実施形態2で説明した導入部材50は、複数の熱交換器本体10を連結する接合部材として用いられ、第1開口部71よりも第2開口部72を小さくして導入路70をテーパ状にすることで、被処理液体を増速させたものであった。本実施形態では、このように接合部材としても用いられる導入部材50において、被処理液体を増速させる他の形態を例示する。
図9は、実施形態3に係る多管式熱交換器の要部断面図である。なお、実施形態1及び実施形態2と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態に係る多管式熱交換器1Bは、2つの(一対)の熱交換器本体10を有している。図面左側を熱交換器本体10A、右側を熱交換器本体10Bとする。これらの熱交換器本体10A、10Bには、それぞれ導入部材50A、50Bが接続されている。
各導入部材50A、50Bは、各導入路70A、70Bの第1開口部71A、71B同士が連通するように接続されている(連通した導入路70A及び70Bが請求項4の導入路に相当する。)。導入路70A及び70Bは、ほぼ円筒状に形成されており、第1開口部71Aと第2開口部72A、第1開口部71Bと第2開口部72Bの形状はほぼ同じとなっている。すなわち、2つ連結した導入部材50A及び50Bの導入路70A及び70Bにおいては、被処理液体はほぼ等速で流通するようになっている。これらの導入路70A及び70Bは、各熱交換器本体10A及び10Bの閉止板30に沿う方向に延設されている。
本実施形態では、熱交換器本体10Aに流通した被処理液体は、導入部材50Aの連通部60Aに流出し、当該被処理液体は、導入路70A、導入路70B、連通部60Bを介して熱交換器本体10Bの流通管20に流入するようになっている。
ここで、被処理液体を増速させる構成として、熱交換器本体10Aの連通部60Aと導入路70Aとの境界となる第2開口部72Aの開口径を狭めた。すなわち、熱交換器本体10Aの流通管20の開口部の開口面積よりも、第2開口部72Aの開口面積が小さくなっている。このような構成とすることで、導入路70Aに流入する被処理液体を増速することができる。
なお、増速した被処理液体の流出口となる第2開口部72は、熱交換器本体10Bの流通管20の開口部の開口面積とほぼ同じとなっているので、被処理液体は増速したまま連通部60Bに供給される。
このように、本実施形態に係る多管式熱交換器1Bにおいても、被処理液体が流入する熱交換器本体10Bの閉止板30近傍において、閉止板方向に増速した被処理液体を供給することができ、被処理液体中の固形物が堆積することを防止することができる。
特に、導入路70A、70Bに被処理液体を増速させる構造を設けなくても、上流側の熱交換器本体10Aに対応する第1連通部60Aと導入路70Aとの境界である第2開口部72Aの開口面積を、熱交換器本体10Aの流通管20の開口部22の開口面積との関係で設定することにより、被処理液体を増速することができる。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、導入部材50は、熱交換器本体10に着脱可能な別体のものであったが、熱交換器本体10と一体的な構成としてもよい。
また、被処理液体を増速させる構成として、導入路70をテーパ状に構成したが、このような態様に限定されない。例えば、導入路70の側面が階段状であってもよいし、単に、第2開口部72が第1開口部71よりも小さく形成されていてもよい。
さらに、図5に示したように、導入路70の中心線Lが連通部60の中央部Oを通るようにこれらを構成したが、このような態様に限定されない。例えば、導入路70から連通部60に供給される被処理液体が流路部62の内面に沿うようにしてもよい。このように構成することによっても、被処理液体は、連通部60内で一方向に旋回する旋回流を形成する。すなわち、このような態様でも、連通部60内において被処理液体を閉止板方向に沿って流通させることができる。
なお、実施形態2及び3では、二つの導入部材50を連結したものであったが、一体的に形成されたものであっても、同様の作用効果を奏する。
1、1A、1B 多管式熱交換器(熱交換器)
10、10A、10B 多管式熱交換器本体(熱交換器本体)
20 流通管
22 開口部
30 閉止板
31 一方面
40 収納管
50、50A、50B 液体導入部材(導入部材)
60、60A、60B 連通部
70、70A、70B 導入路
71、71A、71B 第1開口部
72、72A、72B 第2開口部

Claims (5)

  1. 固形物を含有する被処理液体が内部を流通する複数の流通管と、
    一方面に前記流通管の開口部が露出するように該流通管が固定された閉止板と、
    前記流通管を内部に収納し、前記閉止板により封止された内部に熱交換媒体が流通するように構成された収納管と、
    前記閉止板の一方面に開口した前記流通管の開口部に共通して連通した連通部と、
    前記連通部に連通して該連通部に前記被処理液体を導入する導入路とを備え、
    前記導入路は、前記閉止板の一方面に沿って前記連通部に向かう方向に増速するように前記被処理液体を前記連通部に供給するように形成されている
    ことを特徴とする多管式熱交換器。
  2. 請求項1に記載する多管式熱交換器において、
    前記導入路は、前記閉止板の一方面に沿う方向に延設され、前記連通部に向かい幅が狭くなるように形成されている
    ことを特徴とする多管式熱交換器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する多管式熱交換器において、
    前記導入路は、前記導入路の前記連通部とは反対側の第1開口部から、前記連通部との境界となる第2開口部に向かい幅が狭くなるようにテーパ状に形成されている
    ことを特徴とする多管式熱交換器。
  4. 請求項1に記載する多管式熱交換器において、
    前記流通管、前記閉止板及び前記収納管を備える少なくとも一対の多管式熱交換器本体と、
    一方の前記多管式熱交換器本体の前記流通管の開口部に共通して連通する第1連通部、他方の前記多管式熱交換器本体の前記流通管の開口部に共通して連通する第2連通部、及び前記第1連通部と前記第2連通部とを接続する前記導入路を備える液体導入部材とを備え、
    前記液体導入部材は、一方の前記多管式熱交換器本体に接続された前記第1連通部と、前記導入路との境界となる開口部の面積が、一方の前記多管式熱交換器本体の前記流通管の開口部の面積よりも狭くなるように形成されている
    ことを特徴とする多管式熱交換器。
  5. 固形物を含有する被処理液体が内部を流通する複数の流通管と、
    一方面に前記流通管の開口部が露出するように該流通管が固定された閉止板と、
    前記流通管を内部に収納し、前記閉止板により封止された内部に熱交換媒体が流通するように構成された収納管とを備えた多管式熱交換器本体に取り付けられる液体導入部材であって、
    前記収納管に着脱可能に取り付けられ、前記閉止板の一方面に開口した前記流通管の開口部に共通して連通する連通部と、
    前記連通部に連通して該連通部に前記被処理液体を導入する導入路とを備え、
    前記導入路は、前記閉止板の一方面に沿って前記連通部に向かう方向に増速するように前記被処理液体を前記連通部に供給するように形成されている
    ことを特徴とする液体導入部材。
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