JP5201733B2 - 車両用無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用無線通信システムに関するものである。
車載電子機器の増大に伴い、各電子機器間を結ぶ信号ラインや電源ライン等のワイヤーハーネスが増加し、この配策が重要となってきている。配線数削減のための方法の1つとして、各電子機器間の信号の送受信を無線で行う無線通信システムが挙げられる。各電子機器間の通信に無線通信システムを用いることで、車両内の各電子機器は、電源ラインのみを接続して電源を供給するだけでよくなり、信号ラインを削減することができるようになる。
特開2006−152763号公報 特開2008−193346号公報 特開2007−116258号公報
ところで、一般に無線通信システムでは、有線通信システムと比較して外乱の影響を受けやすい。無線通信システムでは、他の無線通信システムからの干渉やノイズ等の影響を受け、データ誤りが発生してスループットの低下や一時的な通信不能状態となることがある。通信のリアルタイム性や信頼性が必要とされる車両制御用の通信等に無線通信システムを用いる場合、通信環境に対してロバストな通信システムであることが要望されていた。
このような要望に応えるため、特許文献1では、電子キーから送信される無線信号を受信する車載受信システムにおいて、車両機器の制御を行う車両ECUを用いて各車両機器から発生するノイズの発生タイミングを特定し、特定した発生タイミング区間に信号を受信した場合、その受信信号を無効と判断する受信制御を行う車載用通信制御システムが提案されている。本構成をとることで、ノイズの影響を受けた受信データを無効と判断することができる。しかしながら、特許文献1では、受信側で制御を行うため、ノイズの発生タイミングを特定したとしても、送信信号と信号に影響を与えるノイズとが重なる状況をさけることはできない。特許文献1では、機器認証のために繰り返し同じデータを送信する状況を想定しているため、無効と判断した受信データを捨てる処理が可能であるが、繰り返しデータを送るような通信でない一般的なデータ通信の場合、無効と判断した受信データに対して再送処理が必要となっていた。
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、各車両用電子機器の動作状態をモニタリングして各車両用電子機器から発生するノイズを把握し、把握したノイズに基づいた通信制御を行うことで通信環境を良好に保ち、ノイズによるデータの誤りを防ぐことのできる車両用無線通信システムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る車両用無線通信システムは、無線通信によって接続され、互いにデータの送受信を行う第1無線通信手段及び第2無線通信手段と、車両用電子機器を制御すると共に前記車両用電子機器が発するノイズパターンを示すパターン情報を少なくとも前記第1無線通信手段に配信する機器制御手段とを含む車両用無線通信システムであって、前記第1無線通信手段は、前記機器制御手段から配信された前記パターン情報に基づいて、前記第2無線通信手段に無線送信する送信データを分割することで前記ノイズパターンにおける通信可能時間帯に前記送信データの分割送信が可能かどうかを判断する分割送信判断手段と、前記分割送信判断手段で分割送信が可能と判断された場合に前記送信データを複数の分割データに分割すると共に前記複数の分割データの送信条件を決定する分割送信制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、第1無線通信手段から第2無線通信手段に送信される送信データを車両用電子機器が発するノイズを回避するように分割し、ノイズパターンにおける通信可能時間帯に分割データそれぞれを送信することが可能となる。このため、車両用無線通信システムでは、ノイズ環境のよい通信可能時間帯に送信データ(分割データ)の送受信が可能となり、ノイズによる送信データの誤りを防ぐことができる。しかも、バーストノイズが頻繁に発生するような環境下でも頻繁に車両用電子機器の動作を中断させることなく動作を安定させたまま、無線通信を行うことが可能となる。
また、本発明に係る車両用無線通信システムにおいて、前記分割送信制御手段は、前記分割送信判断手段で分割送信が可能でないと判断された場合、前記送信データの送信時に前記ノイズパターンを発する前記車両用電子機器の動作を中断させる中断指示信号を前記機器制御手段に送信し、前記中断指示信号を受信した前記機器制御手段は、前記中断指示信号に基づき前記ノイズパターンを発する前記車両用電子機器の動作を中断させることが好ましい。
また、本発明に係る車両用無線通信システムにおいて、前記分割送信判断手段は、前記送信データを分割する際の最小パケットサイズ並びに送信許容遅延時間(すなわち、ある一定時間内に送信しなければならないという時間)を予め設定しておくと共に、前記送信許容遅延時間内での前記ノイズパターンにおける前記通信可能時間帯の合計値を前記最小パケットサイズより小さい時間帯を除いて算出し、且つ、算出された前記通信可能時間帯の合計値が、オーバヘッド部を含む前記複数の分割データの合計値よりも大きい場合に前記送信データの分割送信が可能と判断することが好ましい。
本発明によれば、把握したノイズに基づいた通信制御を行うことで通信環境を良好に保ち、ノイズによるデータの誤りを防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る車両用無線通信システムの構成概要図である。 ノイズと送信信号との関係を示す図である。 ノイズと分割した送信信号との関係を示す図である。 主局での送信信号の送信手順を示すフローチャートである。 従局での送信信号の返信手順を示すフローチャートである。 主局での送信信号の別の送信手順を示すフローチャートである。 (a)は、電子機器の動作タイミングを変更させた際のノイズと送信信号との関係を示す図であり、(b)は、送信信号の送信タイミングを変更させた際のノイズと送信信号との関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る車両用無線通信システムの別の構成を示す構成概要図である。
以下、本発明に係る車両用無線通信システムの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、車両用無線通信システム1は、主局10及び従局20を含み、主局10及び従局20が無線通信により互いに接続されている。本実施形態では、便宜上、1つの従局20を用いて説明するが、従局20は複数あってもよく、その場合、主局10及び各従局20間の通信方式として、例えばポーリング方式が用いられる。
主局10は、車両用電子機器制御部11(機器制御手段)と、車両ノイズデータベース12と、無線通信部21(第1無線通信手段)とを備える。主局10では、車両用電子機器制御部11が、複数の車両用電子機器30と車両ノイズデータベース12と無線通信部21とに接続され、無線通信部21がアプリケーションエンジン40に接続される。
車両用電子機器制御部11は、車両用電子機器30の各種動作を制御する。また、車両用電子機器制御部11は、各車両用電子機器30が動作を開始した際に動作開始を検知し、車両ノイズデータベース12にアクセスして該当する車両用電子機器30の発するノイズのパターンを示すパターン情報を抽出取得する。そして、車両用電子機器制御部11は、動作している車両用電子機器30のパターン情報をリアルタイムに把握する。具体的には、車両用電子機器制御部11は、パターン情報を不図示の一時記憶装置等に記憶しておく。各種のパターン情報は、車両用電子機器30の動作開始時刻から動作終了時刻までの時間毎のノイズパターンを示すパターン情報であって、予め測定されて、車両ノイズデータベース12に格納されている。車両用電子機器制御部11は、無線通信部21からの要求に応じて、取得したパターン情報を主局10の無線通信部21に配信する。
主局10の無線通信部21は、送信回路23及び受信回路24から構成されるRF部と、D/A変換器25、変調/符号化器26、A/D変換器27及び等価/復調/復号器28から構成されるBB処理部と、MAC処理部29(分割送信判断手段、分割送信制御手段)とを備える。無線通信部21は、上記した構成を備えることで、アプリケーションエンジン40に関連する各種の信号やデータを、従局20との間で無線通信する処理を実行する。無線通信の処理にあたり、無線通信部21のMAC処理部29は、詳細は後述するが、アプリケーションエンジン40からのデータを従局20へ送信するための送信条件や従局20から主局10への送信条件(返信条件ともいう)を決定する。MAC処理部29は、各種データや返信条件情報を含む送信データからなる送信信号を、決定した送信条件で従局20へ無線送信させる。この無線送信は、BB処理部の変調/符号化器26及びD/A変換器25とRF部の送信回路23とを通して行われる。なお、従局20からの送信信号の受信は、RF部の受信回路24とBB処理部のA/D変換器27及び等価/復調/復号器28とを通して行われる。
従局20は、主局10の無線通信部21と同様の構成を備える無線通信部22(第2無線通信部)を備え、主局10から無線送信される送信信号を受信する。従局20は、主局10が接続されるアプリケーションエンジン40とは別のアプリケーションエンジン40に接続され、受信した送信信号に含まれる各種データを、接続されているアプリケーションエンジン40に出力する。また、従局20のMAC処理部29は、受信した送信信号に含まれる返信条件の情報に応じて、接続されているアプリケーションエンジン40からの各種データを含む返信信号を所定の返信条件で主局10に無線送信する。
続いて、主局10の無線通信部21の機能について更に詳細に説明する。無線通信部21では、主局10に接続されているアプリケーションエンジン40が従局20に対する送信要求の指示と従局20へ送信する各種データとをMAC処理部29に出力すると、この出力をトリガとして、MAC処理部29は、主局10から従局20への送信信号の送信タイミングなどの送信条件や、従局20から主局10への返信信号の返信タイミングなどの返信条件を仮決定する。また、MAC処理部29は、車両用電子機器制御部11から、動作中の車両用電子機器30のノイズパターンを示すパターン情報を取得する。
ここで、例えば、図2に示されるように、車両用電子機器30の動作中(t1〜t2)にデータ長Tの送信データからなる送信信号を主局10及び従局20間で単に送信するような送信条件を仮決定すると、車両用電子機器30により所定間隔のノイズが発生していることから、時間ta2〜ta3間及び時間tb2〜tb3間で、各送信信号が車両用電子機器30によるノイズパターンにおけるノイズと重なり、ノイズによるデータの誤りが発生してしまう。そこで、本実施形態では、MAC処理部29は、送信条件等を仮決定した後、ノイズを発している動作中の車両用電子機器30がある場合、従局20に無線送信する送信データを個別の分割データに分割することでノイズパターンにおける通信可能時間帯(つまり、ノイズがない時間帯)に送信データの分割送信が可能かどうかを判断し、分割送信が可能と判断された場合に送信データを複数の分割データに分割すると共に分割された複数の分割データの送信条件を再度決定するようになっている。なお、ノイズパターンにおける通信可能時間帯として、ノイズが完全にない時間帯だけでなく、データ誤りを発生させないような所定の閾値よりもノイズの値が小さい時間帯を含むようにしてもよい。
主局10から従局20への送信データや従局20から主局10への送信データを複数の分割データに分割して送信する方法としては、例えば図3に示されるように、車両用電子機器30によるノイズパターンにおけるノイズと重なる時間ta2〜ta3間及びtb2〜tb3間に送信信号を送らないように送信信号を分割し、分割された残りの分割データを、時間ta3が経過した後、及び時間tb2が経過した後にそれぞれ分割送信する方法がある。
このように、MAC処理部29は、車両用電子機器制御部11から配信されたパターン情報に基づいて、従局20に無線送信する送信データを分割することでノイズパターンにおける通信可能時間帯に送信データの分割送信が可能かどうかを判断する。そして、MAC処理部29は、分割送信が可能と判断された場合に送信データを複数の分割データに分割すると共に複数の分割データの送信条件をそれぞれ決定する。一方、MAC処理部29は、特定の車両用電子機器30の動作中、ノイズが発生している時間帯が長い等の理由により分割送信が可能でないと判断した場合には、ノイズを発している車両用電子機器30の動作を中断させる中断指示信号を車両用電子機器制御部11に送信し、中断指示信号を受信した車両用電子機器制御部11により、ノイズパターンを発する車両用電子機器30の動作を中断させて、送信信号を先に送信するように優先させる処理を行う。
MAC処理部29が送信データを分割して送信できるかどうかを判断するにあたっては、例えば、MAC処理部29は、送信データを分割する際の最小パケットサイズと送信許容遅延時間を予め設定しておくと共に、送信許容遅延時間内でのノイズパターンにおける通信可能時間帯の合計値を最小パケットサイズより小さい時間帯を除いて算出し、且つ、算出された通信可能時間帯の合計値が、オーバヘッド部を含む複数の分割データの合計値よりも大きいか判断し、大きい場合に送信データの分割送信が可能と判断するようにしてもよい。
続いて、図4及び図5を用いて、車両用無線通信システム1における主局10から従局20への送信信号の送信手順及び従局20から主局10への送信信号の返信手順を説明する。
まず、送信元の主局10は、アプリケーションエンジン40から送信要求の指示を受けて、送信先の従局20へ送信信号を送信するか否かを判断する(S1)。送信元の主局10が従局20へ送信信号を送信すると判断すると、送信元の主局10は、主局10での送信信号の送信タイミングと従局20での送信信号の送信タイミング(返信タイミング)とを仮決定する(S2)。ステップS2で両送信タイミングを仮決定した主局10は、車両用電子機器制御部11に現在動作している車両用電子機器30のノイズパターン(パターン情報)の配信を要求して取得する(S3)。
続いて、パターン情報を取得した主局10は、パターン情報に基づき、両送信タイミングの際にノイズを発生させる車両用電子機器30があるか否かを判断する(S4)。ノイズを発生させる車両用電子機器30がなければ、そのままステップS8に進み、仮決定した送信条件に応じて、従局20への送信信号を生成する。一方、主局10は、ノイズを発生させる車両用電子機器30があると判断した場合、送信データを分割すれば当該ノイズを回避できるか否かを判断する(S5)。
ステップS5での判断の結果、ノイズを回避して分割送信や分割返信を行うことが可能であれば、主局10及び従局20の送信タイミング等の調整及びデータ分割を行って送信条件や返信条件を再度決定し(S6)、再決定した送信条件等に応じて、従局20への送信信号を生成する(S8)。一方、ステップS5での判断の結果、ノイズを回避して分割送信できないのであれば、該当する車両用電子機器30の動作中断といった動作タイミングの変更を行うと共に(S7)、仮決定した送信条件等に応じて、従局20への送信信号を生成する(S8)。その後、主局10の送信タイミングとなったら(S9)、生成された送信信号を従局20へ無線送信する(S10)。
ステップS10で送信信号が送信されると、従局20では、主局10からの送信信号を受信したか否かを判断する(S11)。送信信号を受信したと判断すると、従局20は、受信した送信信号から従局20の送信タイミング情報(返信タイミング情報)を取得する(S12)。また、従局20は、主局10へ送信する各種データをアプリケーションエンジン40から取得し、主局10への返信信号を生成する(S13)。従局20は、送信タイミング情報に含まれる送信タイミングとなったら(S14)、生成した返信信号を主局10へデータ送信する(S15)。
以上説明した車両用無線通信システム1によれば、主局10の無線通信部21から従局20の無線通信部22に送信される送信データを車両用電子機器30が発するノイズを回避するように分割し、ノイズパターンにおける通信可能時間帯に分割データそれぞれを送信することが可能となる。このため、車両用無線通信システム1では、ノイズ環境のよい通信可能時間帯に送信データ(分割データ)の送受信が可能となり、ノイズによる送信データの誤りを防ぐことができる。しかも、バーストノイズが頻繁に発生するような環境下でも頻繁に車両用電子機器30の動作を中断させることなく動作を安定させたまま、無線通信を行うことが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、主局10から従局20へ送信信号を送信する送信条件を決定する際、主局10及び従局20間の無線通信の優先度と動作中の車両用電子機器30の優先度とを比較して、優先度の高いほうの動作を優先させるようにしてもよい。この場合、例えば図6及び図7に示されるように、図4のステップS1〜S4と同様の工程を経た後、主局10及び従局20間の無線通信の優先度と動作中の車両用電子機器30の優先度とを比較し(S25)、無線通信の優先度が高ければ、該当する車両用電子機器30の動作タイミングを変更して無線通信を優先させ(S26、図7(a)参照)、車両用電子機器30の動作の優先度が高ければ、上述したような送信データの分割送信を行うようにしてもよい(S27)。
主局10は、分割送信できれば、送信データを分割送信し(S28)、分割送信できなければ、主局10や従局20の送信タイミングが、該当する車両用電子機器30の動作後になるように変更して(S29、図7(b)参照)、ノイズによる送信データの誤りを防ぐようにしてもよい。このように、優先度をつけた処理をすることにより、例えば、車両制御に関わるような無線通信や車両用電子機器30の動作優先度をあげて、車両用無線通信システムとしてのリアルタイム性を向上させるようにしてもよい。
また、車両用無線通信システム1の別の構成として、図8に示されるように、無線通信部を備えない車両用電子機器ノイズパターン配信器10aと複数の通信端末50とを含み、複数の通信端末50それぞれが車両用電子機器ノイズパターン配信器10aに電源ラインLを介して接続されるような構成としてもよい。このような車両用無線通信システム1aでは、無線通信部21,22と同様の無線通信部51(51a,51b)を備えた通信端末50が互いに無線通信によって接続されて自律分散的に通信を行うアドホックネットワークを構成し、車両用電子機器ノイズパターン配信器10aは、各種の車両用電子機器30に接続される。
車両用電子機器ノイズパターン配信器10aは、車両用電子機器動作状態モニタ13(機器制御手段)と、車両ノイズデータベース12と、電源供給/信号重畳分離回路14とを備え、車両用電子機器30が発するノイズのパターンを示すパターン情報を、通信端末50からの要求に応じて電源ラインLの電圧に重畳して送信する。パターン情報を受信する通信端末50は、電源/信号重畳分離回路52を備え、電源ラインLの電圧に重畳されたパターン情報を抽出して取得する。パターン情報を取得した一方の通信端末50aが第1無線通信手段として、上述した分割送信方法と同様の方法で、第2無線通信手段に相当する他の通信端末50bへ送信信号を送信する。このような構成でも、上述したような送信データの分割送信を行うことが可能である。
また、車両用無線通信システム1が車両用電子機器30から発生するノイズを測定する測定機構を備え、予め測定されたパターン情報を用いるだけでなく、適宜、ノイズを測定し、測定した複数のノイズデータを統計処理して精度を向上させたノイズパターンを用いて送信条件等を決定するようにしてもよい。また、車両ノイズデータベース12に格納されるパターン情報として、ノイズパターンをそのまま格納するのではなく、予め設定したスレッショルド値を上回るノイズレベルの場合を「通信不可」と、下回るノイズレベルの場合を「通信可」と判断し、「通信不可」及び「通信可」の2値情報として格納するようにしてもよい。
また、無線通信部21,22を、OFDM等のマルチキャリアシステムを用いる無線通信部とし、周波数毎のノイズパターンを取得して、主局10による無線通信の送信タイミングを決定するようにしてもよい。この場合、時間軸上での送信制御(送信タイミング制御)と、周波数軸上での制御(使用サブキャリア制御)を行うことができ、通信帯域を効率よく使用することができるので、通信レートを向上させることができる。また、車両用無線通信システム1は、車内の無線通信部間での通信に限られず、基地局と車といったテレマティクスや、車と車といった車々間通信等の車外との通信に用いられてもよい。
1,1a…車用無線通信システム、10…主局、11…車両用電子機器制御部(機器制御手段)、12…車両ノイズデータベース、13…車両用電子機器動作状態モニタ(機器制御手段)、20…従局、21,51a…無線通信部(第1無線通信手段)、22、51b…無線通信部(第2無線通信手段)、30…車両用電子機器、40…アプリケーションエンジン。

Claims (3)

  1. 無線通信によって接続され、互いにデータの送受信を行う第1無線通信手段及び第2無線通信手段と、車両用電子機器を制御すると共に前記車両用電子機器が発するノイズパターンを示すパターン情報を少なくとも前記第1無線通信手段に配信する機器制御手段とを含む車両用無線通信システムであって、
    前記第1無線通信手段は、
    前記機器制御手段から配信された前記パターン情報に基づいて、前記第2無線通信手段に無線送信する送信データを分割することで前記ノイズパターンにおける通信可能時間帯に前記送信データの分割送信が可能かどうかを判断する分割送信判断手段と、
    前記分割送信判断手段で分割送信が可能と判断された場合に前記送信データを複数の分割データに分割すると共に前記複数の分割データの送信条件を決定する分割送信制御手段と、を備え、
    前記分割送信制御手段は、前記分割送信判断手段で分割送信が可能でないと判断された場合、前記送信データの送信時に前記ノイズパターンを発する前記車両用電子機器の動作を中断させる中断指示信号を前記機器制御手段に送信し、前記中断指示信号を受信した前記機器制御手段は、前記中断指示信号に基づき前記ノイズパターンを発する前記車両用電子機器の動作を中断させることを特徴とする車両用無線通信システム。
  2. 前記分割送信判断手段は、前記送信データを分割する際の最小パケットサイズ及び送信許容遅延時間を予め設定しておくと共に、前記送信許容遅延時間内での前記ノイズパターンにおける前記通信可能時間帯の合計値を前記最小パケットサイズより小さい時間帯を除いて算出し、且つ、算出された前記通信可能時間帯の合計値が、オーバヘッド部を含む前記複数の分割データの合計値よりも大きい場合に前記送信データの分割送信が可能と判断することを特徴とする請求項1に記載の車両用無線通信システム。
  3. 無線通信によって接続され、互いにデータの送受信を行う第1無線通信手段及び第2無線通信手段と、車両用電子機器を制御すると共に前記車両用電子機器が発するノイズパターンを示すパターン情報を少なくとも前記第1無線通信手段に配信する機器制御手段とを含む車両用無線通信システムであって、
    前記第1無線通信手段は、
    前記機器制御手段から配信された前記パターン情報に基づいて、前記第2無線通信手段に無線送信する送信データを分割することで前記ノイズパターンにおける通信可能時間帯に前記送信データの分割送信が可能かどうかを判断する分割送信判断手段と、
    前記分割送信判断手段で分割送信が可能と判断された場合に前記送信データを複数の分割データに分割すると共に前記複数の分割データの送信条件を決定する分割送信制御手段と、を備え、
    前記分割送信判断手段は、前記送信データを分割する際の最小パケットサイズ及び送信許容遅延時間を予め設定しておくと共に、前記送信許容遅延時間内での前記ノイズパターンにおける前記通信可能時間帯の合計値を前記最小パケットサイズより小さい時間帯を除いて算出し、且つ、算出された前記通信可能時間帯の合計値が、オーバヘッド部を含む前記複数の分割データの合計値よりも大きい場合に前記送信データの分割送信が可能と判断することを特徴とする車両用無線通信システム。
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