JP5199116B2 - 反射モードで動作するルミネス・センサ - Google Patents

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Description

本発明は、反射モードで動作する質的ルミネス・センサ及び/又は量的ルミネス・センサ(ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサなど)に関する。特に、本発明は、媒質で充填された少なくとも1つの開口部を備えたルミネス・センサに関する。本発明は、前述のルミネス・センサ内の開口部又はスリット構造に存在している1つ又は複数の発光団によって生成される発光を検出する方法に更に関する。
センサは物理属性又は物理事象の測定に広く使用されている。センサは、その測定の機能的な読み取りを電気信号、光信号又はディジタル信号として出力する。その信号は、他の装置により、情報に変換することが可能なデータである。センサの特定の例にはバイオセンサがある。バイオセンサは、標的分子(例えば、これらに限定されないが、流体(例えば、血液、血清、血漿、唾液など)におけるタンパク質、ウイルス、バクテリア、細胞成分、細胞膜、胞子、DNA、RNA等など)の存在を検出する(すなわち、質的)装置か、又は上記標的分子の特定量を測定する(すなわち、量的)装置である。標的分子は、「目的物質」とも呼ばれている。ほとんど全ての場合、バイオセンサは、目的物質を捕捉するための特定の認識要素を含む表面を使用する。したがって、センサ装置の表面は、特定の結合剤によって形成することができるか、又は、流体に存在している標的分子を結合させるのにふさわしい特定の分子を付着することにより、改変することができる。
特定の分子に対する目的物質の結合効率の最適化には、大きな表面積及び短い拡散長が非常に好ましい。したがって、マイクロポーラス基質(膜)又はナノポーラス基質(膜)が、大きな面積を速い結合キネティクスと組み合わせたバイオセンサ基質として提案されている。特に、目的物質濃度が低い(例えば、1nM未満又は1pM未満である)場合、拡散キネティクスは、バイオセンサの分析の全体特性において重要な役割を果たす。
結合された目的物質の量は、発光(例えば、蛍光)によって検出することができる。この場合、目的物質自体は、発光性の(例えば、蛍光性の)ラベルを担持し得るか、又はあるいは、発光ラベリングされた(例えば、蛍光ラベリングされた)第2の認識要素による更なるインキュベーションを行うことができる。
結合された目的物質の量の検出は、散乱、発光団の脱色、基質の背景発光や、励起光の不完全な除去などのいくつかの要因によって妨げられ得る。更に、結合されたラベルと、溶液内のラベルとを区別できるために、1つ又は複数の洗い出し工程を行って、結合されていないラベルを除去することが必要である。
流体内で動作する、サブ回折限界空間分解能を有するルミネス・センサでは、光は、サブ回折限界開口部上又はスリット上で反射する。これにより、開口部内又はスリット内にエバネッセント場がもたらされる。これは、そこに存在している発光団の励起に用いることができる。ルミネス・センサは、センサの第1の側から励起放射により、照射される。生成される発光は、第1の側の反対側(センサが照射される側の反対側)にある、センサの開口部又はスリットを出射し得るものであり、そこで検出し得る。そのようにして、励起及び発光が分離される。あるいは、発光団によって生成される発光は、第1の側(すなわち、センサが照射される側と同じ側)にある開口部又はスリットを出射し得るものであり、次いでそこで検出され得る。
米国特許出願公開第2003/0174992号明細書には、バイオセンサにおいてサブ回折限界開口部がどのようにして使用されるかが開示されている。開口部の水平方向寸法は、励起光の回折限度を下回っている。これは、励起光が、前述の開口部を通って進むことができないことを意味している。これにより、開口部内のエバネッセント場がもたらされる。蛍光放射は、センサが照射される側と同じ側において検出される。しかし、このエバネッセント場の浸透深度と、開口部の水平方向寸法との組み合わせにより、励起体積が非常に小さくなる。蛍光団が開口部に入射する可能性は、その制限された水平方向寸法を鑑みると、低い。その結果、開口部外の蛍光団の濃度が比較的高くても、通常、励起体積内にはせいぜい一蛍光団しか存在しない。開口部内の蛍光団の数に対する制限により、比較的低い蛍光団濃度を測定することが難しくなる。
更に、米国特許出願公開第2003/0174992号明細書記載のセンサの問題には、検出発光の電力と、光学的に可変な分子の励起放射の電力との間の比で定義される効率が十分に高い訳でないという点がある。
本発明の目的は、開口部又はスリット構造を有する改良された質的ルミネス・センサ又は量的ルミネス・センサ(例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサなど)、及び、前述のルミネス・センサ内の少なくとも1つの開口部又はスリット構造に存在している光学的に可変な1つ又は複数の分子によって生成される発光を検出する方法を提供することである。本発明の利点は、発光団などの光学的に可変な分子の比較的低い濃度を測定することができるという点である。
特に、本発明は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射の回折限界よりも大きな第1の水平方向寸法を有する少なくとも1つの開口部を備えたルミネス・センサに関する。開口部は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法も有する。
本発明の特定の局面及び好ましい局面は、特許請求の範囲記載の独立請求項及び従属請求項に記載している。従属請求項からの構成を、独立請求項の構成、及び他の従属請求項の構成と、単に特許請求の範囲に記載したようなやり方でなく、適宜、組み合わせることができる。
本発明の第1の局面では、ルミネス・センサ(例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサなど)が提供される。ルミネス・センサは、
媒質で充填される少なくとも1つの開口部と、
少なくとも1つの開口部に存在している光学的に可変な少なくとも1つの分子と、
光学的に可変な分子を励起するために励起放射で少なくとも1つの開口部を照射する励起放射源と、
光学的に可変な少なくとも1つの分子によって生成される発光を検出する検出器とを備え、
少なくとも1つの開口部は、媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び、媒質における励起放射の回折限度よりも低い第2の水平方向寸法を有し、励起放射源及び検出器は、センサの同じ側において配置される。
本発明の実施例によれば、少なくとも1つの開口部は例えば、スリット若しくは楕円体開口部であり得るか、又は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を備える何れかの他の開口部であり得る。
光学的に可変な分子は、目的物質の分子がラペリングされる分子であり、照射ビ―ムによって照射させると常に発光する分子であり得る。光学的に可変な結合された分子は目に見えるようになる一方、光学的に可変な結合されていない分子は洗い出される。あるいは、光学的に可変な分子は、目的物質の分子がラベリングされるマーカ分子であり得るものであり、基質に付着した分子に結合されている場合にのみ発光し得る。これにより、ドナー・アクセプタ対が生まれる。洗い出しを用いてストリンジェンシを得る。結合が弱い分子は洗い出される。更に別の実施例では、基質に付着した分子は、目的物質の分子が結合すると発光する。洗い出しを用いてストリンジェンシを得る。結合が弱い分子は洗い出される。
あるいは、検出する対象の、目的物質の分子は励起放射(例えば、励起光)で照射するとそれ自身が発光(例えば、蛍光)する。その場合、ラベルは必要でなく、目的物質の分子自身が、光学的に可変な分子としてふるまう。
検出器は例えば、CCD又はCMOS検出器であり得る。本発明の実施例によれば、ルミネス・センサは、ルミネス・バイオセンサ(例えば、蛍光バイオセンサなど)であり得る。
本発明によれば、励起放射源、及び発光(例えば、蛍光)を検出する検出器は、センサの同じ側に配置される。これは、本発明によるセンサが反射モードで動作することを意味している。透過モードで動作するセンサに対する、反射モードで動作するセンサの利点は、より多くの発光(例えば、蛍光放射)を集光することが可能であるという点である。更に、前述の寸法を有する開口部を使用することにより、本発明によるセンサは、比較的低い発光団濃度の検出に使用することが可能である。
よって、本発明によるルミネス・センサは、従来技術のバイオセンサよりもかなり高い効率(すなわち、検出された発光(例えば、蛍光放射)の電力と、開口部に存在している光学的に可変な分子、例えば、発光団(例、蛍光団)の励起放射の電力との間の比)を有する。
本発明の実施例によれば、開口部の第2の水平方向寸法は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の波長の50%よりも小さいことがあり得る。より好ましくは、開口部の第2の水平方向寸法は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の波長の40%よりも小さいことがあり得る。後者は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の回折限度の80%に対応し、よって、好ましくは、開口部の第2の水平方向寸法は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の回折限度の80%よりも小さいことがあり得る。
本発明の実施例によれば、励起放射(例えば、光)は波長を有し得るものであり、第1の水平方向寸法は、開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の回折限度よりも大きいことがあり得るものであるが、同時に、励起放射(例えば、光)の波長を下回ることがあり得る。
本発明の実施例では、第1の水平方向寸法は、光学的に可変な分子から放出される放射の波長よりも大きい(すなわち、発光(例えば、蛍光放射)の波長よりも大きい)ことがあり得る。
本発明の実施例によれば、開口部は、内表面壁を有し、リガンドが開口部の内表面壁上に固定化され得る。1つ又は複数の関心標的を認識する固定化リガンドを使用することにより、ルミネス・センサ(例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサ)の選択性を向上させることができる。
好ましくは、励起放射(例えば、光)は、開口部の後方の励起放射を抑制し、場合によっては開口部内の励起放射も抑制するよう偏光させることができる。好ましくは、光学的に可変な分子の後方で(すなわち、励起放射源が配置された光学的に可変な分子の側と反対側の、光学的に可変な分子の側で)、励起放射(例えば、励起光)ができる限り抑制される。一方、光学的に可変な分子の前方の(すなわち、励起放射源が配置された光学的に可変な分子の側の、光学的に可変な分子の側の)励起放射(例えば、励起光)は好ましくは、できる限り大きいものであり得る(すなわち、好ましくは、抑制されないものであり得る)。
本発明の実施例によるルミネス・センサは、開口部アレイを含み得る。開口部アレイは特定の実施例では、周期的な開口部アレイであり得る。
本発明の実施例によれば、ルミネス・センサは、反射励起放射を抑制するためにセンサと検出器との間に波長フィルタを更に備え得る。このフィルタの目的は、よって、開口部が反射する不必要な励起放射を阻止することである。波長フィルタは、励起放射(例えば、光)の場合、好ましくは、3桁以上大きな強い抑制を示すものである一方、発光(例えば、蛍光放射)の場合、実質的に抑制を示さないものである。発光(例えば、蛍光放射)の透過度は好ましくは、10%よりも良好であり得るものであり、より好ましくは50%よりも良好であり得る。
本発明の第2の局面では、センサの少なくとも一開口部に存在している少なくとも1つの光学的に可変な分子によって生成される発光を検出する方法であって、少なくとも1つの開口部が媒質で充填される方法が提供される。方法は、
少なくとも1つの開口部の前方側に配置された励起放射源から放出される励起放射により、少なくとも1つの光学的に可変な分子を励起する工程と、
励起された少なくとも1つの光学的に可変な分子によって生成される発光を検出する工程とを含み、
少なくとも1つの開口部は、開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を有する。方法は、励起放射源が配置される、センサの同じ側で発光を検出する工程を更に含む。
本発明の実施例によれば、少なくとも1つの開口部は例えば、スリット若しくは楕円体開口部であり得るか、又は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を備える何れかの他の開口部であり得る。
光学的に可変な分子は、目的物質の分子がラペリングされる分子であり、照射ビ―ムによって照射すると常に発光する分子であり得る。光学的に可変な結合された分子は目に見えるようになる一方、光学的に可変な結合されていない分子は洗い出される。あるいは、光学的に可変な分子は、目的物質の分子がラベリングされ、基質に付着した分子に結合されている場合にのみ発光するマーカ分子であり得る。これにより、ドナー・アクセプタ対が生まれる。洗い出しを用いてストリンジェンシを得る。結合が弱い分子は洗い出される。更に別の実施例では、基質に付着した分子は、目的物質の分子が結合すると発光する。洗い出しを用いてストリンジェンシを得る。結合が弱い分子は洗い出される。
あるいは、検出する対象の、目的物質の分子は励起放射(例えば、励起光)で照射するとそれ自身が発光(例えば、蛍光)する。その場合、ラベルは必要でなく、目的物質の分子自身が、光学的に可変な分子としてふるまう。
検出器は例えば、CCD又はCMOS検出器であり得る。本発明の実施例によれば、ルミネス・センサは、ルミネス・バイオセンサ(例えば、蛍光バイオセンサなど)であり得る。
本発明によれば、光学的に可変な分子の励起、及び、発光(例えば、蛍光放射)の検出は、センサの同じ側で行われる。これは、本発明による方法が反射モードで行われることを意味している。透過モードで検出することに対し、反射モードで、光学的に可変な分子又は発光団を検出することの利点は、より多くの発光(例えば、蛍光放射)を集光することが可能である(すなわち、測定の効率がより高い)ことである。更に、前述の寸法を有する開口部を備えるセンサを使用することにより、本発明による方法を、比較的低い発光団濃度の検出に使用することが可能である。
よって、本発明による方法は、光学的に可変な分子を検出するための従来技術の方法よりもかなり高い効率(すなわち、検出された発光(例えば、蛍光放射)の電力と、開口部に存在している発光団(例、蛍光団)の励起放射(例えば、光)の電力との間の比)を有する。
本発明の実施例によれば、開口部の第2の水平方向寸法は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の波長の50%よりも小さいことがあり得る。より好ましくは、開口部の第2の水平方向寸法は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の波長の40%よりも小さいことがあり得る。後者は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の回折限度の80%に対応し、よって、好ましくは、開口部の第2の水平方向寸法は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の回折限度の80%よりも小さいことがあり得る。
本発明の実施例によれば、励起放射(例えば、光)は波長を有し得るものであり、第1の水平方向寸法は、開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、光)の回折限度よりも大きいことがあり得るものである一方、同時に、励起放射(例えば、光)の波長を下回ることがあり得る。
好ましくは、本発明による方法は、TE偏光放射(例えば、TE偏光光)を有する励起放射(例えば、光)を使用することによって行うことができ、TE偏光放射(例えば、光)は、開口部の第1の水平方向寸法に沿って電界が向けられた放射(例えば、光)として定義される。
本発明の実施例によれば、開口部は、内表面壁を有し、方法は、開口部の内表面壁上にリガンドを固定化する工程を更に含み得る。開口部の内表面壁上の1つ又は複数の関心標的を認識するリガンドを固定化することにより、本発明による方法を行うために使用されるルミネス・センサ(例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサ)の選択性を向上させることができる。
本発明の前述並びに他の特性、特徴及び利点は、本発明の原理を例示する、添付図面とともに検討する以下の詳細な説明から明らかになるであろう。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、例示に過ぎない。図面の説明は、添付図面を表す。
種々の図では、同じ参照符号は同じ又は同様な構成要素を表す。
本発明は、特定の実施例に関し、かつ特定の図面を参照して説明するが、本発明はそれによって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲における参照符号は何れも、その範囲を限定するものと解されないものとする。添付図面は、略示に過ぎず、非限定的である。添付図面では、構成要素の一部のサイズは、例証の目的で、拡大されていることがあり得るものであり、実寸で描かれていないこともあり得る。本明細書及び特許請求の範囲において「comprising」の語が使用されている場合、他の構成要素又は工程を排除するものでない。単一の名詞を表す場合に、不定冠詞又は定冠詞(例えば、「a」又は「an」、「the」)が使用される場合、これには、他のことが何か明記されていない限り、前述の名詞の複数形が含まれる。
更に、本明細書及び特許請求の範囲記載の第1、第2、第3等の語は、同様な構成要素間で区別するために使用され、必ずしも、順番又は時系列に説明するためでない。前述のように使用される語は適切な状況下で置換可能であり、本明細書及び特許請求の範囲記載の本発明の実施例は、本明細書及び特許請求の範囲で説明又は例証する順序とは別の順序での動作を行うことができる。
本発明は、ルミネス・センサ(例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサなど)を提供する。以下、本発明は、主に、ルミネス・バイオセンサを参照して説明するが、これは、説明を容易にするために過ぎず、本発明を限定するものでない。
本発明によるルミネス・センサは、少なくとも1つの開口部を備えた基質を備える。本発明の実施例によれば、センサは、開口部アレイを含み得る。開口部アレイは特定の実施例では、周期的な開口部アレイであり得る。使用中、少なくとも1つの開口部は、媒質で充填される。媒質は、液体又は気体であり得るが、真空でもあり得る。特定の実施例では、媒質は、検出する対象の光学的に可変な少なくとも1つの分子(例えば、発光粒子(例、蛍光粒子))を含む。検出する対象の前述の粒子は、「光学的に可変な分子」又は「発光団」として説明する。前述の分子は例えば、蛍光性分子、電界発光性分子、化学発光性分子等であり得る。光学的に可変な分子は、媒質に存在している目的物質にラベリングするために使用することができる。
目的物質のラベリングにおいて、光学的に可変な分子を使用する可能性がある状況は少なくとも3つ存在している。
1)目的物質の分子は、常に発光(例えば、蛍光)する光学的に可変な分子でラベリングされる。結合された前述の分子は目に見えるようになり得る一方、他の光学的に可変な分子は全て、洗い出すことが可能である。
2)目的物質の分子は、基質に付着した分子に結合される場合にのみ発光(例えば、蛍光)するマーカ分子でラベリングされる。そのようにして、ドナー・アクセプタ対が形成される。この場合、洗い出し工程を用いてストリンジェンシを得る。結合が弱い分子は洗い出されるからである。
3)基質に付着した分子は、目的物質の分子が結合すると発光(例えば、蛍光)する。やはり、洗い出しを用いてストリンジェンシを得る。結合が弱い分子は洗い出されるからである。
あるいは、検出する対象の、目的物質の分子は励起放射(例えば、励起光)で照射するとそれ自身が発光(例えば、蛍光)する。その場合、ラベルは必要でなく、目的物質の分子自身が、光学的に可変な分子としてふるまう。
本発明は、媒体内の目的物質に付着する光学的に可変な分子(すなわち、発光ラベル)について説明する。目的物質は、洗い出される認識ラベルに結合し、センサを走査し、当たる照射ビームによって照射されるとラベルが発光する。これは本発明を限定するものでなく、本発明は、前述の場合にも該当する。
センサは、励起放射源(例えば、光源)に使用することができる。光源は、特定の波長、又は波長範囲において光を放出する。開口部の材質、及び少なくとも1つの開口部を充填する材質の屈折率の波長依存性が適度に中位であるとすれば、他の波長について同様の励起特性を備えたセンサは、励起放射(例えば、励起光)の波長で少なくとも1つの開口部の寸法をスケーリングすることによって得ることが可能である。例えば、生成発光放射が蛍光放射の場合、励起放射の光波長(真空内)は通常、300nm以上2000nm以下になり得るものであり、好ましくは、400nm以上1100nm以下になり得る。
本発明によれば、少なくとも1つの発光団(例えば、蛍光団)が、特定の波長を有する励起放射(例えば、励起光)によって励起される少なくとも1つの開口部に存在している。少なくとも1つの開口部は、少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、励起光)の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び少なくとも1つの開口部が充填される媒質における励起放射(例えば、励起光)の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を有する。好ましくは、第2の水平方向寸法は、開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度の80%よりも小さいことがあり得る(以下を参照)。水平方向寸法とは、基質の表面の平面における開口部の寸法を意味する。すなわち、水平方向寸法は、基質における深度を含まない。「開口部」の語は、広く解するものとする。例えば、本発明のセンサに適用することができる開口部は、スリット、穴、間隙又は楕円体開口部であり得るが、本発明はそれらに限定されるものでない。
開口部の水平方向寸法が、少なくとも1つの開口部が充填される媒体における入射放射の波長の半分よりも少ない場合に、開口部が透過する放射(例えば、光)はほとんどないことが知られている。一般に、放射が少なくとも1つの開口部内を伝搬しないために、回折限度を超える空間周波数を備えた波であるエバネッセント波が必要である。特定の波長λ、開口部を充填する媒質(すなわち、例えば、センサが浸漬された媒質)の特定の屈折率n、及び適切に選ばれる偏光(以下を参照)の場合、開口部の最小の水平方向寸法がλ/(2n)よりも小さくなるべきであることをこのことは意味している。よって、1つの水平方向寸法(例えば、浸漬流体における回折限度よりも小さい(例えば、水の場合、構造が水に浸漬されている場合、270nmよりも小さい)幅)を備えた開口部を利用した場合、エバネッセント場のみが開口部内に浸通することができる。
以下、本発明は、開口部が充填される媒質の回折限度に対して規定された水平方向寸法を有する開口部によって説明する。
本発明は、媒質(例えば、流体)に浸漬されたルミネス・センサ装置に関して更に説明する。しかし、これは本発明を限定するものでない。本発明によるルミネス・センサ装置は、媒質で充填される少なくとも1つの開口部を備え、少なくとも1つの開口部は、媒質における励起放射の回折限界よりも大きな第1の水平方向寸法、及び媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を有する。ルミネス・センサは、媒質に浸漬されなくてよい。媒質は、例えば、センサの上にスプレイし、媒質における励起放射の回折限度よりも大きな一水平方向寸法、及び媒質における励起放射の回折限度を下回る(好ましくは、前述の開口部が充填される媒質(例えば、流体)の回折限度を下回る)一水平方向寸法を有する少なくとも一開口部の中にスプレイすることもできる。
本発明は、「反射モード」で動作する前述の、水平方向寸法を有する開口部を使用したルミネス・センサ(例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサ)を提供する。この利点は、本発明によるルミネス・センサが、「透過モード」で動作するルミネス・センサと比較して更なる効率(すなわち、検出発光(例えば、蛍光放射)の電力と、励起放射の電力との間の比)を有することになるという点である。
以下、「透過モード」と「反射モード」との間の差を説明する。寸法が、開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法又は長さL、及び開口部が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも低い第2の水平方向寸法又は幅wを有するスリットを備えたセンサについて説明する。しかし、媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を前述の開口部が有する限り、これは、スリット以外の何れかの開口部(例えば、楕円体開口部など)にも適用される。
図1は、前述のルミネス・センサ10であって、スリット1が発光団2(例えば、蛍光団)のエバネッセント励起に使用されるルミネス・センサ10を略示している。これは、例えば、スリット1が反射するTE偏光(E界はスリット1の長手方向に沿っている)励起放射3(例えば、励起光)でスリット1を照射することによって達成することができる。スリット1を充填する媒体における励起放射3(例えば、励起光)の回折限度は、スリット1の幅wよりも大きいからである。これにより、反射ビーム4が得られる。
スリット1内にはエバネッセント場が存在している。エバネッセント場を用いて、発光団2(例えば、蛍光団)を励起し、全ての方向に放出される発光(例えば、蛍光放射)をもたらす。発光5(例えば、蛍光放射)はスリット1の前方側6(すなわち、照射される側)の方向に放出され、発光7(例えば、蛍光放射)はスリット1の後方側8(すなわち、照射される側の反対側にある側)に向けて放出される。励起放射3(例えば、励起光)の大半は、反射ビーム4に反射するが、参照符号9で示す図1中の一部の励起放射(例えば、励起光)は、センサ10からスリット1の後方側8において漏出し得る。しかし、この残りの励起放射9(例えば、励起光)は、スリット1によってかなり抑制され、したがって、強度は低い。
本発明の更なる説明を通して、「透過モード」及び「反射モード」を参照する。前述のモード間の差は、「反射モード」では、励起放射3(例えば、励起光)の方向と実質的に逆方向に伝搬する発光5(例えば、蛍光放射)は、スリット1の前方側6、又はセンサ10を照射するために励起放射源(図1中に示していない)が配置される、スリット1の同じ側に配置される検出器において集光される一方、「透過モード」では、励起放射3(例えば、励起光)と実質的に同じ方向に伝搬する発光7(例えば、蛍光放射)は、スリット1の後方側8、又は励起放射源が配置される側とは反対側に配置される検出器において検出されるというものである。
図1で分かるように、「透過モード」でルミネス・センサを使用することの利点は、集光発光7と、集光励起放射との間の比が「反射モード」よりも大きい点である(「透過」/「反射」モードそれぞれで動作するセンサの後方/前方側から離れる方向に向けられる励起放射3全てが検出器12によって検出されるものとする)。これは、スリット1を通って進むにつれ、励起照射9(例えば、励起光)が抑制されるからである。スリット1が抑制する発光7(例えば、蛍光放射)はずっと少ない。多くの場合、発光団2(例えば、蛍光団)の向きがランダムであり(すなわち、TE及びTM発光を含み)、スリット1が、TE偏光放射(スリット1の長手方向における電界の方向)(例えば、TE偏光光)をTM偏光放射(スリット1の短手方向における電界の方向)(例えば、TM偏光光)よりも強く抑制するからである。しかし、発光7(例えば、蛍光放射)のなおかなりの部分(すなわち、約50%)がスリット1によって抑制される。したがって、「透過モード」の使用に対する「反射モード」の使用の利点は、より多くの発光5(例えば、蛍光放射)を集光することが可能であるという点である。
励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び励起放射の回折限度よりも低い第2の水平方向寸法を有する開口部において本発明によって導入される「反射モード」は、現在の従来技術のセンサと互換でない。
全ての水平方向寸法が、開口部1(例えば、スリット)が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも小さい開口部内に分子が進む可能性が低いので、米国特許出願公開第2003/0174992号明細書記載の反射モード・システムは、発光団(例えば、蛍光団)の比較的低い濃度の検出によりふさわしくないからであり、
2Dサブ回折限度開口部(すなわち、両方の水平方向においてサブ回折限度寸法を有する開口部1)に基づいたバイオセンサは、本発明によるセンサ10よりもかなり悪い、発光(例えば、蛍光放射5)の透過度を有するからである。これは、開口部1内に生成される発光5(例えば、蛍光放射)が、かなり抑制されたエバネッッセント場にのみ結合することが可能であるからである。
したがって、本発明は、「反射モード」で動作し、米国特許出願公開第2003/0174992号明細書記載のバイオセンサよりもかなり高い効率(すなわち、検出発光(例えば、蛍光放射)の電力と、開口部において存在している発光団(例えば、蛍光団)の励起放射(例えば、光)の電力との間の比)を有するルミネス・センサ10を提供する。
本発明の第1の実施例では、例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサなどのルミネス・センサ10が提供される(図2参照)。ルミネス・センサ10は、少なくとも1つの開口部1が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法wを有する少なくとも1つの開口部を備えた基質11を備える。本発明の実施例によれば、第1の水平方向寸法は、開口部1が充填される媒質における励起放射3(例えば、励起光)の回折限度よりも大きいことがあり得るものである一方、同時に、励起放射3(例えば、励起光)の波長よりも低いことがあり得る。好ましくは、少なくとも1つの開口部1の第2の水平方向寸法wは、少なくとも1つの開口部1が充填される媒質における励起放射3の波長の50%よりも少ないことがあり得るものであり、最も好ましくは、少なくとも1つの開口部1が充填される媒質における励起放射3の波長の40%よりも少ないことがあり得る。後者は、少なくとも1つの開口部1が充填される媒質における励起放射3の回折限度の80%に対応する。
第1の水平方向寸法及び第2の水平方向寸法は開口部1の長さL及び幅wであり得る。前述の開口部1は、2つの方向における寸法に差が存在しているので、特定の細長い形態を有し得る。本発明に使用することが可能な開口部1の例には、スリット又は楕円体開口部がある。
本発明の実施例では、「基質」の語は、使用することができるか、又は、デバイス、回路若しくはエピタキシャル層を形成することができる何れかの下にある1つ又は複数の材質を含み得る(その少なくとも一部が、励起光に対して透過的でないものとする)。代替的な他の実施例では、この「基質」は、半導体基質(例えば、ドーピングしたシリコン、ガリウム砒素(GaAs)、ガリウム砒素リン(GaAsP)、リン化インジウム(InP)、ゲルマニウム(Ge)、又はシリコン・ゲルマニウム(SiGe)基質など)を含み得る。「基質」は例えば、半導体基質部分に加えて、絶縁層(SiO層やSi層など)を含み得る。よって、基質の語は、ガラス上シリコン基質やサファイア上シリコン基質も含む。「基質」の語はよって、関心の層又は部分の下にある層の構成要素全体を定義するために使用される。更に、「基質」は、層が形成される何れかの他の基部(例えば、ガラス層、プラスチック層や金属層)であり得る。例えば、少なくとも1つの開口部1を、ガラス板又は別の透明性基質の上に析出された非透明性材質に形成することができる。別の例では、例えば流体が基質11を通って流れることが可能であるように下に支持体を有することなく、励起放射3(例えば、励起光)に対して非透過的な層を通して、少なくとも1つの開口部1を画成し、エッチングすることができる。
基質の材質の主たる要件は、開口部1のすぐそばで、励起放射3(例えば、励起光)に対して透過でないという点である。すなわち、基質の材質が励起放射3に対して大きな減衰を有するという点である。このことは、開口部1が中に延びる、材質のスタックの少なくとも一部が励起放射3(例えば、励起光)に対して透過でないか、又は、開口部1間の基質の材質が励起放射3(例えば、励起光)に対して透過でないことを要することを示唆している。少なくとも1つの水平方向寸法が励起放射3(例えば光)の回折限度を下回る開口部1をなお有する一方で、材質のスタックが完全に透過的である場合に、励起放射3(例えば光)が層スタックを通って伝搬することが可能であるので、測定が反射において行われる本発明の場合にもこのことは重要である。
本発明の実施例によれば、ウェーハ基質11は、前述の水平方向寸法を有する、開口部1のアレイを含み得る。開口部1のアレイは、本発明の実施例によれば、周期的な開口部1のアレイ(すなわち、近傍開口部1間で等距離を有するアレイ)であり得る。しかし、こうでなくてよい。近傍開口部1間の距離は更に、異なり得るか、又は可変であり得る。
開口部1が充填される媒質における励起放射(例えば光)の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び開口部1が充填される媒質における励起放射(例えば光)の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を有する開口部1を使用する場合、ピンホールが充填される媒質の回折限度よりも水平方向寸法全てが低いサブ波長ピンホールの使用と比較して、より良好な検出効率を得ることが可能である。これは、第1のケースの抑制が偏光に依存するので第1のケースでは発光放射(例えば蛍光放射)の抑制がずっと少ないからである。この偏光依存性は、少なくとも1つのスリット1を備えるセンサにより、以下に説明する。しかし、これは本発明を限定するものでなく、これは、開口部1が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び開口部1が充填される媒質における励起放射3(例えば励起光)の回折限度を下回る第2の水平方向寸法(好ましくは、励起放射3(例えば励起光)の回折限度の80%以下)を有する何れかの開口部1を備えるセンサに適用することができる。
以下、開口部1内の場がどのようにして減衰するか、及び、TM偏光発光がなぜ開口部1から漏れ得るかについて説明する。図3及び図4は、スリット1の中心(x=0)に沿った正規化強度(x=y=0での強度に対して正規化されている)を示す。算出において、金の基質内のスリットには、複素の屈折率0.038−j5.07及び励起波長700nmを仮定する。図3は、TE偏光光について、スリット1の幅wが200nmである場合において、深度dが1000nmである場合(曲線13)及び深度dが1000nmである場合(曲線14)、並びに、TM偏光光について、スリット1の幅wが200nmである場合において、深度dが300nmである場合(曲線15)、深度dが600nmである場合(曲線16)及び深度dが1000nm(曲線17)である場合の対数スケール(dB)上の放射の透過の偏光依存性を示す。図4は、TM偏光光について、スリット1の深度dが300nmである場合(曲線18)、深度dが600nmである場合(曲線19)及び深度dが1000nm(曲線20)である場合のスリット1の中心線(x=0)に沿った強度を(線形スケール上に)示す。
図3又は図4から、
1. 上記開口部を通るTM偏光励起光の透過度はTE偏光の場合よりもかなり大きい(図3参照)。
2. TM偏光光の強度パターンは定在波(y方向における干渉パターン)のようにみえる(図4参照)。
3. (TM偏光の場合の)定在波パターンは、より高い深度の場合も存在している(図4参照。曲線18乃至20の比較。全て、TM偏光放射の場合であるが、スリット1の深度dが異なる場合である)
と結論付けることが可能である。深度dを増加させると(曲線18乃至20)、励起放射(例えば、光)は、スリット1の出力になお存在しており(y=d)、スリット1の中により深く入っている位置yの場合、あまり減衰しない。
4. スリット1の深度dに依存するある種の共鳴作用(図4、特に曲線19参照)が存在しているように思われる。
よって、開口部1を通る放射の透過は、強い偏光依存性を示す。すなわち、TE偏光状態(E界はスリット1の長さLに対して平行である)の場合の透過は、TM偏光状態の場合よりもかなり低い。開口部1内のTM偏光放射の強度分布は、ファブリーペロー作用を示す定在波パターンである。このことは、スリットの高さが600nmの場合(曲線19)の最大正規化強度がより強いことによってもサポートされる。開口部1の後方で、TE偏光放射の強度は急速に低下する。これは、スリット1の後方の自由空間における発散に起因する。
前述の従来技術のルミネス・センサにおいて使用されるようなサブ回折限界ピンホールの場合、検出効率の問題が生じる。ピンホールは、やはり、発光(例えば、蛍光放射)に対してサブ回折限界水平方向寸法を有するからである。このことは、励起放射と同様に、蛍光放射もピンホールによって抑制され、それにより、蛍光放射が検出される(すなわち、検出器に到達する)ことが困難になる。
前述が理由で、本発明によれば、励起放射3(例えば、励起光)は好ましくは、開口部1によってかなり抑制されるように偏光される。しかし、生成された発光5、7(例えば、蛍光放射)は多くの場合、ランダムに偏光されるので、平均的に、生成された発光5、7(例えば、蛍光放射)の少なくとも50%は、事実上抑制されずに、開口部1を離れることが可能である。これは、開口部1内で生成される発光(例えば、蛍光放射)5,7のTE偏光部分が開口部1によってかなり抑制されるからである。発光(例えば、蛍光放射)5,7のTM偏光部分は、開口部1から、開口部1の底部及び上部を介して漏れ得る。開口部1による発光(例えば、蛍光放射)5,7のかなりの抑制を避けるために、放出される放射の波長は、開口部1の第2の寸法が回折限度を下回る最小波長未満であることを要する。この波長は2nに等しく、ここで、nは、開口部1を充填する媒質の回折限度であり、Lは開口部1の長さである。これにより、生成された発光5,7(例えば、蛍光放射)が検出される効率が既知の「透過モード」と比較してかなり増加する。
本発明によれば、検出器12は、励起放射源(図示せず)が配置された、基質11の同じ側(すなわち、励起放射3(例えば、励起光)がルミネス・センサ10に向けて送出される側と同じ側)に配置することが可能である。以下の説明では、励起放射源及び検出器12が配置される、基質11の側は、前方側6として表す一方、反対側は、基質11の後方側8として表す。
使用中、本発明によるルミネス・センサ10は、浸漬媒質(例えば、水や空気などの液体や気体であり得る)に浸漬することができる。液体又は気体は、本発明によるルミネス・センサ10によって検知又は検出される対象の物質(目的物質の分子、例えば、ビードあるいは分子あるいはラベリングされた目標分子とも呼ばれる)を含み得る。
図2に示すルミネス・センサ10は、励起放射(例えば、励起光)により、前方側6から照射される(矢印3で示す)。本発明によれば、ルミネス・センサ10の基質11における開口部1は、開口部1が充填される媒質における励起放射3(例えば、励起光)の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法(例えば、長さL。図2には図示していない)、及び、サブ回折限界サイズを備えた第2の水平方向寸法(例えば、幅w)を有する(すなわち、第2の水平方向寸法は、開口部1が充填される媒質における励起放射3(例えば、励起光)の回折限度を下回る)。
開口部1は、浸漬流体における励起放射(例えば、励起光)3の回折限度よりも小さな第2の水平方向寸法を有することを要する(すなわち、開口部1を充填する媒質内の波長の半分よりも小さい(すなわち、<λ/(2n)である)ことを要する)。ここで、nは開口部1を充填する媒質の屈折率であり、λは真空中の放射源の波長である。
本発明によれば、検出器12は、ルミネス・センサ10の励起放射源(図示せず)と同じ側(すなわち、ウェーハ基質11の前方側6、よって、ルミネス・センサ10の前方側)に配置されるので、ウェーハ基質11の前方側6における開口部1を出射する発光5(例えば、蛍光放射)は、検出器12によって検出される。
発光5(例えば、蛍光放射)の強度の検出は、何れかの検出器12により、例えば、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)検出器を使用して行うことができる。あるいは、わずかな撮像表示しか得られない走査手法を使用することができる。光は、最適な信号対雑音比を得ることができるように特定時間の間、フォトダイオード上で集光される。これは、センサ10の感度をかなり増加させることができる。
透過モードで動作するサブ回折限度センサと比較して、本発明は、開口部1が反射する励起放射3(例えば、励起光)の抑制を開口部1が助力しないという欠点がある。「透過モード」におけるサブ回折限度センサ10の場合、このことがあてはまる。前述のセンサが少なくとも部分的に、励起放射3(例えば、励起光)及び発光7(例えば、蛍光放射)を分離するからである。しかし、「反射モード」で動作するセンサ10は、反射した励起放射4(例えば、励起光)を抑制せず、よって、反射した励起放射4(例えば、励起光)も検出器12に到達する。その結果、本発明によるルミネス・センサ10は更に、検出器12の前方に(すなわち、センサ10の前方側6と、検出器12との間に)波長フィルタを必要とする。本発明に使用することが可能なフィルタの例を示す。
1)ノッチ・フィルタ。励起放射3(例えば、励起光)の波長周りの十分に狭い帯域を抑制し、励起放射3(例えば、励起光)を事実上ほぼ完全に除去する一方で、発光5(例えば、蛍光放射)は事実上フィルタリングされない。大半の場合、発光(例えば、蛍光放射5)が最大である波長は、励起放射3(例えば、励起光)の波長と異なり、発光5(例えば、蛍光放射)の波長帯域は、一般に、励起放射源の帯域よりもかなり大きいからである。
2)代替策として帯域通過フィルタを使用することが可能である。帯域通過フィルタは、励起放射3(例えば、励起光)を事実上抑制する一方で発光(例えば、蛍光放射5)を透過する。
3)同様な議論に基づいて、高域通過フィルタは、発光5(例えば、蛍光放射)が事実上、励起放射3(例えば、励起光)の波長よりも大きな波長の場合に生じる場合にも使用することができるか、又は、低域通過フィルタは、発光5(例えば、蛍光放射)が事実上、より小さな波長の場合に生じる場合に使用することが可能である。後者は、例えば、第2高調波の生成の場合にあてはまり得る。
4)合成した反射励起放射3(励起光)及び発光5(例えば、蛍光放射)をスペクトル分解する分光計を使用することも可能である。
波長フィルタは、反射励起放射4(例えば、励起光)の場合、好ましくは3桁以上強い抑制を示すが、センサ12の方向に放射する発光5(例えば、蛍光放射)の場合、実質的に、抑制は示さない。波長フィルタを介する発光(例えば、蛍光放射5)の透過は好ましくは、10%よりも良好であり、より好ましくは、50%よりも良好であり、更に好ましくは、70%よりも良好であり得る。よって、このフィルタの目的は、生成された発光5をできる限り透過する一方で、開口部が充填される媒質における励起放射3(例えば、励起光)の回折限度よりも開口部1の幅wが小さいので、開口部1が反射する不必要な励起放射4を阻止することである。
本発明の実施例によるルミネス・センサ10の利点は、開口部1が充填される媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び開口部1を充填する媒質における励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を有する開口部1を有し、「反射モード」で動作するので、発光団2(例えば、蛍光団)の濃度を効率的に測定することができるという点である。
「反射モード」で使用されるルミネス・センサ10が、「透過モード」で使用されるセンサよりも効率が良い理由は以下のように理解することが可能である。すなわち、発光団2(例えば、蛍光団)が受ける、TE偏光励起放射3(例えば、励起光)の強度は、開口部1における発光団2(例えば、蛍光団)の深度が増加する(励起放射源が配置された前方側から離れる)とともに指数関数的に減少する。
TM偏光発光(例えば、蛍光放射)の場合、これは、TM偏光発光(例えば、蛍光放射)が事実上、開口部1によって抑制されないと仮定すれば、「反射モード」検出発光5(例えば、蛍光放射)は、開口部1における発光団2(例えば、蛍光団)の前方側から測定される距離の増加ともに指数関数的に減少する。TM偏光発光(例えば、蛍光放射)の場合、透過モードと反射モードとの間に効率の差は存在しない。
TE偏光発光(例えば、蛍光放射)の場合、発光(例えば蛍光)信号を、開口部1内の発光団2(例えば、蛍光団)と検出器12との間の距離の増加とともに指数関数的に減少する別の因子で乗算する。開口部1内の放射の減衰定数αが励起放射4(例えば、光)及び発光5(例えば、蛍光放射)について同様な比較的単純な数学分析により、効率を組み合わせると、開口部1における発光団2(例えば、蛍光団)の距離yとともにスケーリングする。
Exp(−2αy) (1) 反射モードでの検出の場合
Exp(−αd) (2) 透過モードでの検出、dは開口部1の深度である。
これは、反射モードでの組み合わせた効率が、距離y<d/2での発光団2(例えば、蛍光団)の場合、透過モードでの組み合わせた効率よりも良いことを示している。更に、透過モードでの効率は、発光団2(例えば、蛍光団)の距離yと無関係であり、よって、y<d/2の場合の効率は、y>d/2の場合の効率よりも大きい。平均的に、発光団2(例えば、蛍光団)の位置yが開口部1の深度dにわたって正規分布している場合、反射モードでの効率は透過モードでの効率よりも良い。前述のセンサの組み合わせた効率が、開口部1内の光学的に可変な分子の位置のみに依存する訳でないからである。
平均的に、本発明による反射モードにおいて使用されるルミネス・センサ10は、ルミネス・センサが透過モードで使用される場合と比較してより大きな効率を有する。
本発明の好ましい実施例では、ルミネス・センサ10は、スリット1を開口部として備える。その場合、第1の水平方向寸法はスリット1の長さ(L)であり、第2の水平方向寸法はスリット1の幅wである。その場合、スリット1の長さは、スリット1が充填される媒質における、励起放射3(例えば、励起光)の回折限度よりも大きい。スリット1の幅wは、スリット1が充填される媒質における、励起放射3(例えば、励起光)の回折限度よりも小さい(例えば、スリット1に存在している流体が水の場合に水の回折限度よりも小さい)。特定の場合、第1の水平方向寸法又は長さLは、スリット1が充填される媒質内の励起放射3(例えば、励起光)の回折限度よりも大きいことがあり得るが、同時に、励起放射3(例えば、励起光)の波長よりも小さいことがあり得る。
図5は、反射モードで動作するスリット・バイオセンサのスリット1内の位置の関数として、発光団2(例示では蛍光団)の励起効率(曲線21)、検出効率(曲線22)及び組み合わせた効率(曲線23)を示す。スリット1の深度は、スリット1内のフィールドの減衰長の2倍としてとっている。この図では、励起放射3(例えば、励起光)が最高強度を有するので、スリット1の入口で励起効率(曲線21)が最高であることが分かる。バイオセンサは「反射モード」で使用されるので、発光(例えば、蛍光放射)の検出効率(曲線22)もその位置で最高である。スリット1の出口では、励起効率及び検出効率(それぞれ曲線21及び22)は最低である。前述の偏光作用が理由で、平均的に、発光団2(例えば、蛍光団)によって生成される放射が50%TE偏光され、50%TM偏光されるとした場合、最低点での検出効率(曲線22)は50%である。
比較のために、図6は同じ曲線、すなわち、励起効率(曲線21)、検出効率(曲線22)、及び組み合わせた効率(曲線23)を示すが、この場合、「透過モード」で動作するスリット・バイオセンサの場合を示す。期待通り、検出効率(曲線22)はこの場合、スリット1の出口で最高である。
励起効率及び検出効率の作用を組み合わせることにより、「反射モード」でのスリット1及び「透過モード」でのスリット1を比較することが可能である。式(1)及び(2)を使用することにより、スリット1の深度dが、スリット1内のフィールドの減衰長の2倍であるとしたので、「反射モード」でのスリット1は、透過モードでよりも40%多くの発光信号(例えば、蛍光信号)を表していることが明らかになった。
よって、本発明による、「反射モード」で動作するルミネス・センサ10は、「透過モード」で動作する従来技術のサブ波長バイオセンサよりも大きな発光信号(例えば、蛍光信号)を有する。前述の「反射モード」での従来技術の2Dサブ波長バイオセンサで得られた値と比較すれば、効率の利得は約47%である。
本発明による別の実施例では、開口部1は楕円体開口部であり得る。楕円体開口部の場合、第1の水平方向寸法は、楕円体開口部1が充填される媒質における励起放射3(例えば、励起光)の回折限度よりもわずかに大きく、第2の水平方向寸法は、楕円体開口部1が充填される媒質における励起放射3(例えば、励起光)の回折限度をわずかに下回る。好ましくは、第2の水平方向寸法は、媒質における励起放射(3)の回折限度の80%よりも小さい。
スリットと比較すれば、前述の楕円体開口部1は、より大きな表面積を示し、よって、発光団2(例えば、蛍光団)に対してより多くの結合部を提供する。更に、楕円体開口部1が全て、ウェーハ基質11を通って作製され、よって、フロースルー機構において使用することが可能である場合、ウェーハ基質11は、スリットが全て、ウェーハ基質11を通って形成される場合よりも機械的に強くなる。しかし、スリット1は、楕円体開口部1の長さLがスリット1の長さLよりもかなり小さいと仮定すれば、長さLが大きいという理由で、TM偏光光の抑制がかなり小さくなるという意味合いで、楕円体開口部1よりも良好な偏光依存性を示す。これは、より良好な検出効率につながる。したがって、スリット1を備えた基質11を有するセンサ10を使用することが、楕円体開口部1を備える基質11を有するセンサ10よりも好ましい。
本発明による実施例では、ルミネス・センサ10(例えば、ルミネス・バイオセンサやルミネス化学センサ)の選択性を、1つ又は複数の関心標的(目的物質とも呼ばれる)を認識することが可能な表面固定化リガンドを使用することにより、向上させることができる。2つ以上の目的物質を検出しなければならない場合、ルミネス・センサ10は、種々のリガンドのアレイを備え得る。適切なリガンドの例には、タンパク質、抗体、アプタマ、ペプチド、オリゴヌクレオチド、糖、レクチン等があり得る。リガンドは、少なくとも1つの開口部1の内表面壁(図2の参照符号24で示す)に(例えば、適切な界面化学によって)固定化することができる。界面化学の選択は、内表面壁24の化学組成に依存するに過ぎない。
例えば、開口部1が金属(例えば、金、銀、CuやAl)において形成された場合、自己集合モノマーを、(例えば、開口部1の内表面壁24との結合に適した第1の反応基(例えば、サルファヒドリル基及び/又はカルボキシル基)を備えた反応物を使用して)内表面壁24上に析出することが可能である。反応物は、リガンドの固定化に使用することが可能な第2の反応基を更に備えることを要する。例えば、第2の反応基は、水溶液内のリガンドの1級アミン基と結合するために化学的に活性化することが可能なカルボキシル基であり得る。各種化学表面に対する他の固定化ストラテジは当該技術分野において知られている。
本発明の実施例では、目的物質を含む溶液は、例えば、ポンピングによって、リガンドに対する目的物質の結合を容易にするために開口部1を通して押し込むことが可能である。このポンピングは数回繰り返すことができる。あるいは、流体の一部が開口部1を通って進む側方流動を使用することが可能である。
本発明による装置の好ましい実施例、特定の構造及び構成、並びに材質を本明細書及び特許請求の範囲で記載しているが、形態及び細目における種々の変更又は修正を本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない限り、行うことができる。例えば、本発明は、開口部1として、スリット又は楕円体開口部の使用に限定されるものでなく、媒質における励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法、及び媒質における励起放射の回折限度を下回る(例えば、開口部1が充填される媒質の回折限度を下回る)第2の水平方向寸法を有する、開口部1の何れの他の形状を使用することもできるものとする。
スリット開口部を備えたルミネス・センサにおける「透過モード」及び「反射モード」を略示した図である。 本発明の実施例によるセンサを略示した図である。 TE偏光及びTM偏光、並びに種々の幅(w)の場合の、スリットの中心線に沿ったx=y=0における強度に対して正規化された)正規化強度を示す図である。 TM偏光の場合の、スリットの中心線に沿った(x=y=0における強度に対して正規化された)正規化強度を示す図である。 反射モードで動作するスリット・バイオセンサの励起及び発光の検出の効率を示す図である。 透過モードで動作するスリット・バイオセンサの励起及び発光の検出の効率を示す図である。

Claims (15)

  1. ルミネス・センサであって、
    媒質で充填される少なくとも1つの開口部と、
    前記少なくとも1つの開口部に存在している光学的に可変な少なくとも1つの分子と、
    前記少なくとも1つの開口部の前方側に配置され、前記開口部において生成されるエバネッセント場により、前記光学的に可変な少なくとも1つの分子を励起するためにTE偏光励起放射で前記少なくとも1つの開口部を照射する励起放射源であって、前記励起放射が、前記少なくとも1つの開口部において抑制される励起放射源と、
    前記励起放射源と同じ、前記少なくとも1つの開口部の前方側に配置され、前記光学的に可変な少なくとも1つの分子によって生成される発光を検出する検出器とを備え、
    前記少なくとも1つの開口部は、金属において形成され、前記媒質における前記励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法を有し、前記媒質における前記励起放射の回折限度よりも低い第2の水平方向寸法を有するルミネス・センサ。
  2. 請求項1記載のルミネス・センサであって、前記第2の水平方向寸法が、前記媒質における前記励起放射の回折限度の80%よりも小さいルミネス・センサ。
  3. 請求項1記載のルミネス・センサであって、前記第1の水平方向寸法は、前記光学的に可変な分子から放出される放射の波長よりも大きいルミネス・センサ。
  4. 請求項1記載のルミネス・センサであって、前記少なくとも1つの開口部は内表面壁を備え、リガンドが、前記少なくとも1つの開口部の前記内表面壁上に固定化されるルミネス・センサ。
  5. 請求項1記載のルミネス・センサであって、開口部アレイを備えるルミネス・センサ。
  6. 請求項1記載のルミネス・センサであって、前記少なくとも1つの開口部がスリット又は楕円体開口部であるルミネス・センサ。
  7. 請求項1記載のルミネス・センサであって、前記開口部の前方側と、前記検出器との間に波長フィルタを更に備え、前記波長フィルタは反射励起放射を抑制するルミネス・センサ。
  8. 請求項1記載のルミネス・センサであって、前記検出器がCCD又はCMOS検出器であるルミネス・センサ。
  9. ルミネス・バイオセンサである、請求項1記載のルミネス・センサ。
  10. 前記ルミネス・バイオセンサが蛍光バイオセンサである、請求項9記載のルミネス・センサ。
  11. センサの少なくとも1つの開口部に存在している光学的に可変な少なくとも1つの分子によって生成される発光を検出する方法であって、前記少なくとも1つの開口部は媒質で充填され、
    前記少なくとも1つの開口部の前方側において配置された励起放射源から放出されるTE偏光励起放射による、前記少なくとも1つの開口部の照射により、前記開口部において生成されるエバネッセント場によって前記光学的に可変な少なくとも1つの分子を前記開口部において励起する工程と、
    前記励起された光学的に可変な少なくとも1つの分子によって前記開口部から生成される発光を検出する工程とを備え、
    前記少なくとも1つの開口部は、金属において形成され、前記媒質における前記励起放射の回折限度よりも大きな第1の水平方向寸法を有し、前記媒質における前記励起放射の回折限度を下回る第2の水平方向寸法を有し、
    前記励起放射源と同じ、前記少なくとも1つの開口部の前方側に配置された発光検出器により、前記発光を検出する工程を更に備える方法。
  12. 請求項11記載の方法であって、前記第2の水平方向寸法は、前記媒質における前記励起放射の回折限度の80%よりも小さい方法。
  13. 請求項11記載の方法であって、前記少なくとも1つの開口部は内表面壁を備え、前記少なくとも1つの開口部の前記内表面壁にリガンドを固定化する方法。
  14. 請求項1記載のルミネス・センサであって、透明性基質を更に備え、前記少なくとも1つの開口部が形成される非透明性材質が前記透明性基質の上に堆積されるルミネス・センサ。
  15. 請求項11記載の方法であって、前記少なくとも1つの開口部が形成される非透明性材質が透明性基質の上に堆積される方法。
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