以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1乃至図3を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。図3は、パチンコ機1の裏面構成を示す背面図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。なお、外枠2に対する本体枠3の開閉は、内枠開放スイッチ36(図6参照)によって検出されるようになっている。
また、本体枠3は、合成樹脂材によって一体に形成されると共に、前面側に遊技盤装着枠9が背面側に機構装着枠10がそれぞれ形成されている。これによって、合成樹脂製の本体枠3は、従来の前枠(内枠、前面枠等と呼ばれることがある)と、機構板(裏機構板
、裏セット板等と呼ばれることがある)との機能を兼ね備えている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。また、遊技盤装着枠9の左側部には、係合突部33が上下に2つ形成され、遊技盤装着枠9の右側部には、係合凹部(図示しない)が上下に2つ形成されている。また、遊技盤4の盤面(前面)の左側部には係合突部33と対応する係止凹部34が上下に2つ形成され(図4参照)、遊技盤4の盤面の右側部には係合凹部と対応する係合フック35が上下に2つ形成されている。係合フック35は、遊技盤4と遊技盤装着枠9とを係脱可能に係止する。
また、遊技盤4の左下部には、係止フック38が形成され(図4参照)、遊技盤装着枠9の左下部には、係止フック38と対応する付勢ロック部37が設けられている。遊技盤4を遊技盤装着枠9に装着した場合には、付勢ロック部37が係止フック38を下方に付勢して係止する。そして、付勢ロック部37によって係止フック38を下方に付勢することにより遊技盤4に下方への付勢力を作用しつつ係止することができる。これにより、遊技盤4が遊技盤装着枠9の下縁部と密着して下方に押圧固定される。
また、遊技盤4の盤面には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられている。また、遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、重低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
また、図2に示すように、本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。
しかして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、上皿28、及び演出スイッチ18a(操作ハンドル)を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、後述する遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。なお、本体枠3に対する前面枠5の開閉は、扉開放スイッチ39(図6参照)によって検出されるようになっている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部に枠ランプ27が、下部に上皿28が、上部に中高音用スピーカ29が装着されている。また、上皿28の左片側寄りには、演出スイッチ18aが配設されている。なお、枠ランプ27は、後述する特別対応図柄表示LED47にて実行される演出の演出態様に応じて点灯・消灯制御され、中高音用スピーカ29及び上述した重低音用スピーカ14は、特別対応図柄表示LED47にて実行される演出の演出態様に応じて複数種類の音出力態様の音出力制御が実行される。このように、特別対応図柄表示LED47にて実行される演出に同期して枠ランプ27の点灯・消灯制御、中高音用スピーカ29及び重低音用スピーカ14の音出力制御、を実行することにより演出効果を高め、遊技者の興趣を向上させるためのものである。また、中高音用スピーカ29及び重低音用スピーカ14では、不正行為が実行されたことを報知する警告音、遊技に関するエラー状態が発生したことを報知する情報音、等の出力も行われる。
次に、本体枠3の裏面構成について説明すると、図3に示すように、本体枠3の裏面上側には、遊技島に設置される球揚送装置から供給される遊技球を貯留する球タンク105と、球タンク105と払出装置103とを接続し、球タンクに貯留される遊技球を流下せしめるタンクレール106と、が配置されている。なお、タンクレール106によって球タンク105と接続される払出装置103(球払出手段)は、ユニット状に形成され、タンクレール106からの遊技球を受け入れて遊技球の払い出しを指示する信号に基づいて所定個数の遊技球を払い出す。
また、タンクレール106の下方には、基板等が内蔵される基板保護カバー107が設けられている。なお、基板保護カバー107は、タンクレール106から落下した球によってこれら基板類が損傷するのを防止すると共に、各基板への不正行為を防止する役割を担っている。また、基板保護カバー107は、パチンコ機1の背面側に張り出しており、その下方に主制御基板101が配置されている。また、主制御基板101の遊技盤4背面側には周辺制御基板111(図6に符号のみ記載)が配置されている。しかして、主制御基板101及び周辺制御基板111の上方がパチンコ機1の背面側に張り出した基板保護カバー107によって覆われ、タンクレール106から落下した球によって主制御基板101及び周辺制御基板111が損傷するのを防止している。
また、本体枠3の裏面下側一側に発射制御装置104(球発射手段)が取り付けられている。この発射制御装置104は、発射位置に送られた球を発射する発射ハンマーと、発射ハンマーに往復回動動作を付与する発射モータ等を集約して設けることにより構成され、操作ハンドル18と関連付けられている。また、発射制御装置104の右側方には、払出制御基板102が設けられている。払出制御基板102は、主制御基板101からの遊技球の払い出しを指示する信号を受信したことに基づいて払出装置103を駆動制御する。
次に、遊技盤4に設けられる各種構成部材及び装置について図4及び図5を参照して説明する。図4は遊技盤4を示す正面図であり、図5は遊技盤4を示す斜視図である。
上述した案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成され、遊技領域12のほぼ中央部分から下側部分に亘って、演出装置40が配設されている。演出装置40は、遊技領域12のほぼ中央部分に配される上側演出部40aと、該上側演出部40aと連なるようにして遊技領域12の下側部分に配される下側演出部40bと、から構成される。なお、上側演出部40a及び下側演出部40bは、それぞれ円形状を基本に領域が形成されることで、演出装置40は、正面視で(遊技者側から見て)瓢箪形状をなして遊技領域12に配置されている。
上側演出部40aには、その上端部分に始動入賞装置41が配設され、該始動入賞装置41の下方には、複数個の発光体(本実施形態では、4個のLED)から構成される特別図柄記憶数表示LED42(演出表示手段)、爆弾をモチーフとしたキャラクタを象った可動装飾体43、左・中・右の3つの表示部44a〜44cを備えた第1表示器44、及び該第1表示器44の各表示部44a〜44cと個々に対応した3つの表示部45a〜45cを備えた移行表示器45が上側から下側に向って順に配設されている。なお、可動装飾体43、第1表示器44、及び移行表示器45は、それぞれ遊技領域12を流下する遊技球の侵入を阻止する円状壁部48の内部空間に配置されている。
始動入賞装置41は、上方から遊技球が入賞可能な始動口53(始動入賞口)と、該始動口53に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ54(図6参照:始動球検出手段)と、を備えている。始動口53の両側には、普通電動役物ソレノイド55(図6参照)の駆動により下部を支点として回動可能な左右一対の可動片56が設けられている。そして、始動口53は、通常(普通電動役物ソレノイド55のOFFで)、可動片56が起立位置にあることで上方からの遊技球の受入れを狭めた状態(以下、これを閉鎖ともいう)にあり(但し、遊技球の入賞は可能である)、後述するゲート57への遊技球の通過に基づいて普通電動役物ソレノイド55がONすることで、可動片56が傾動(支点を中心として回動)して(以下、これを開放ともいう)上方からの遊技球の受入れを広めた状態に移行する。即ち、ゲート57への遊技球の通過によって始動口53への遊技球の入賞率が高まる(始動口53に遊技球が入賞し易くなる)ようになっている。また、始動口スイッチ54により遊技球が検出されたことに基づいて、特別図柄及び特別対応図柄の変動表示が開始される。即ち、始動口スイッチ54による遊技球の検出に応じて、後述する特別図柄表示LED51における特別図柄の変動表示、及び特別対応図柄表示LED47における特別対応図柄の変動表示が許可される(始動判定成立手段)。
なお、実施形態中では、ゲート57を遊技球が通過すると、これに基づいて常に普通電動役物ソレノイド55をONにして始動入賞装置41(可動片56)を開放する構成としているが、この構成に限定しない。例えば、ゲート57を遊技球が通過すると、これに基づいて乱数抽出を行い、該乱数抽出に基づいて100%の確率で(例えば、抽出値の全てを開放決定値に設定する)始動入賞装置41を開放するようにしてもよい。また、ゲート57への遊技球の通過に基づいて乱数を抽出する構成とした場合、開放決定値を任意に設定することで、始動入賞装置41を開放するときと開放しないときとを設けてもよい。例えば、通常の遊技状態では、開放決定値を1割程度設定する(ほぼ10%の確率で始動入賞装置41を開放する)一方、特定の遊技状態中(例えば、確率変動制御中)では、開放決定値を9割程度設定する(ほぼ90%の確率で始動入賞装置41を開放する)ようにしてもよい。このような構成とすることで、通常時は殆ど始動入賞装置41を開放せずに、確率変動制御中では始動入賞装置41を頻繁に開放することで、次に大当り遊技状態が発生するまで遊技球を減らすことなく、遊技を継続させることができるという遊技内容にでき、遊技の興趣を低減することがない。
特別図柄記憶数表示LED42は、4個のLEDから構成され、始動口53への入賞が有効である(特別図柄の保留記憶数が4未満のとき)ときに、始動口スイッチ54により遊技球を検出する毎にLEDを点灯させ、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始する毎に点灯しているLEDを1つ消灯させる。このように、特別図柄記憶数表示LED42は、所定条件が成立(始動口53に遊技球が入賞)したが未だ特別図柄の変動表示が開始されていない記憶数(保留記憶数)を表示するようになっている。
可動装飾体43は、爆弾をモチーフとしたキャラクタの顔及び胴体部分(具体的には、爆弾の本体部分によってキャラクタの顔及び胴体部分が構成される)を形成する球形状の本体部材70を備えている。本体部材70は、透光性を有する乳白色の合成樹脂から形成され、その内部には個々にフルカラーLEDから構成される4個のキャラ装飾LED71(図6参照)が内臓され、該4個のキャラ装飾LED71の発光によって本体部材70(キャラクタの顔及び胴体部分)が様々な色彩で光装飾されるようになっている。なお、球形状の本体部材70の外周部分には、キャラクタの両腕、両足、サングラス、口、及び頭頂部分の装飾品(爆弾の導火線部分に相当する)の各構成部材が取り付けられている。また、可動装飾体43(キャラ装飾LED71を内臓した本体部材70)は、回転モーター72(図6参照)の駆動によって左右両方向に回転可能に設けられると共に、上下モーター73(図6参照)の駆動によって上下方向に進退可能に設けられている。可動装飾体43の回転位置は、回転モーター位置検出センサー74(図6参照)によって検出され、可動装飾体43の上下位置は、上下モーター位置検出センサー75(図6参照)によって検出される。
第1表示器44は、左・中・右の3つの表示部44a〜44cを備えており、該表示部44a〜44cには、個々に複数個のフルカラーLEDがマトリックス状に配設され、赤色発光による「GO」の表示と、青色発光による「×」の表示と(第1装飾図柄の表示)を可能にしている。
移行表示器45は、第1表示器44の各表示部44a〜44cと個々に対応した3つの表示部45a〜45cを備えており、該表示部45a〜45cには、個々に第1表示器44と後述する第2表示器46との間を繋ぐように複数個のLEDが列設されている。移行表示器45を構成するLEDは、各表示部45a〜45c毎に導火線を象った透明なカバー部材によって前面側が被覆されている。なお、第1表示器44の表示部44a〜44cは、個々に各表示部45a〜45cの上端に位置し、導火線(表示部45a〜45c)の先端部分における点火を象った意匠が施されている。
また、始動入賞装置41の下方であり且つ特別図柄記憶数表示LED42の間(4個のLEDの真ん中部分)、可動装飾体43の裏面側、第1表示器44及び移行表示器45の左右側方に位置する円状壁部48の前端壁には、それぞれ光装飾用のLED94〜96が配設されている。
下側演出部40bには、上側演出部40aと同様に、遊技領域12を流下する遊技球の侵入を阻止する円状壁部49が立設され、該円状壁部49の上端部分(具体的には、上側演出部40aの円状壁部48と下側演出部40bの円状壁部49との間)には、第2表示器46が配設され、該第2表示器46の左右側方には、それぞれ特別対応図柄表示LED47が配設されている。
第2表示器46は、フルカラーの7セグメントLEDから構成されると共に、前記移行表示器45(導火線を象った表示部45a〜45c)の下端部分と繋がるようにして配設されている。
左右一対の特別対応図柄表示LED47は、それぞれ複数個の発光体(本実施形態では、左右それぞれ5個ずつのLED)から構成されており、該LEDを点滅させて特別対応図柄を変動表示し、特別対応図柄の表示結果として所定の態様でLEDを点灯するようになっている。なお、第2表示器46及び特別対応図柄表示LED47の取付筐体部分は、導火線(表示部45a〜45c)の下端部分(後述する爆弾の本体部分を象った下装飾駆動部80の上端部分)における爆発を象った意匠が施されている。
また、円状壁部49の内部空間には、遊技状態を遊技者に認識させるための状態演出装置50が配設されている。円状壁部49の外側となる右上部分には、特別図柄表示LED51が配設され、円状壁部49の外側となる左上部分には、4つの状態表示LED52a〜52dが配設されている。
特別図柄表示LED51は、複数個の発光体(本実施形態では、5個のLED)から構成されており、該LEDを点滅させて特別図柄を変動表示し、特別図柄の表示結果として所定の態様でLEDを点灯するようになっている。
状態表示LED52aは、後で詳述する確率変動制御中の遊技状態で電源が遮断されたときに、その後の電源投入時に所定時間点灯することで、確率変動制御(以下、これを確変ともいう)が実行されている旨を認識させるためのLEDである。状態表示LED52bは、後で詳述する時間短縮制御の実行期間中に点灯することで、時間短縮制御が実行されている旨を認識させるためのLEDである。状態表示LED52c(当選状態認識手段)は、後で詳述する15ラウンドの大当り遊技状態の発生期間中に点灯することで、15ラウンドの大当り遊技状態が発生している旨を認識させるためのLEDである。状態表示LED52d(当選状態認識手段)は、後で詳述する2ラウンドの大当り遊技状態の発生期間中に点灯することで、2ラウンドの大当り遊技状態が発生している旨を認識させるためのLEDである。但し、15ラウンド及び2ラウンドの大当り遊技状態が発生している旨を個々に認識させるための各状態表示LED52c,52dは、円状壁部49外側の左上部分の小さな点灯でその旨を認識させるものであり、熟練していない遊技者にとっては、状態表示LED52c,52dが点灯していても、その点灯が分かり難く、15ラウンド又は2ラウンドの大当り遊技状態が発生していることが不明朗となる。
状態演出装置50は、その中心部分に爆弾の本体部分を象った意匠が施された外形円形状(具体的には、前側に若干膨らんだ球面形状)の下装飾駆動部80を備えている。下装飾駆動部80は、透光性を有する乳白色の合成樹脂によって形成されると共に、その裏面側にはフルカラーLED81(図6参照)が配設されており、該フルカラーLED81の発光によって下装飾駆動部80の前面(爆弾の本体部分)が様々な色彩で光装飾されるようになっている。球面形状の下装飾駆動部80の前面部分には、爆弾の導火線を象った指示部材82と、「BOM!」の文字とが一体的に取り付けられている。指示部材82は、導火線の先端部分が指示部82aとして下装飾駆動部80外周に突出して設けられている。また、下装飾駆動部80は、下装飾駆動部モーター83(図6参照)の駆動によって時計方向及び反時計方向に回転可能に設けられている。なお、下装飾駆動部80の回転位置は、下装飾駆動部モーター位置検出センサー84(図6参照)によって検出される。
下装飾駆動部80の外周には、複数個の状態表示LED85〜87が下装飾駆動部80を取り囲むようにして配設されている。状態表示LED85は、前記状態表示LED52cと同様に、15ラウンドの大当り遊技状態の発生期間中に点灯することで、15ラウンドの大当り遊技状態が発生している旨を認識させるためのLEDであり、その前面側は「V」の文字が記された透光性を有する部材によって被覆されている。状態表示LED86は、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後における確率変動制御の実行期間中に点灯することで、15ラウンド終了後の確率変動制御が実行されている旨を認識させるためのLEDであり、その前面側は「天国」の文字が記された透光性を有する部材によって被覆されている。状態表示LED87は、16個のLEDから構成されており、該16個のLEDの点灯/消灯によって、カウントダウン演出を実行するようになっている。なお、以下の説明では、便宜上、状態表示LED85を「V」表示LED85といい、状態表示LED86を「天国」表示LED86という。また、左端(「天国」表示LED86の真下)に位置する状態表示LED87から右上端に位置する状態表示LED87までの全16個の状態表示LED87を順に、16回〜1回表示LED87という。
ここで、上記した状態演出装置50による状態表示の動作について説明する。先ず、15ラウンドの大当り遊技状態が発生すると、その旨を認識させるべく「V」表示LED85が点灯されると共に、指示部82aによって「V」表示LED85を指し示す位置まで下装飾駆動部80が回転される。なお、通常の遊技状態(15ラウンドの大当り遊技状態中以外、15ラウンドの大当り遊技状態後の確率変動制御中以外、及び時間短縮制御中以外の遊技状態)では、「天国」表示LED86、「V」表示LED85、及び16回〜1回表示LED87、が消灯状態にあり、下装飾駆動部80のフルカラーLED81がゆったりとした速度で青色点滅状態にあり、消灯した1回表示LED87を指示部82aが指し示す位置(図4に示す指示部82aの位置、以下、これを通常位置という)で下装飾駆動部80が停止される。即ち、通常の遊技状態から15ラウンドの大当り遊技状態が発生すると、下装飾駆動部80が通常位置から時計方向に回転され、指示部82aが「V」表示LED85を指し示す位置でその回転動作が停止される。
また、15ラウンドの大当り遊技状態が終了し、該大当り遊技状態の終了に伴う確率変動制御が開始されると、「V」表示LED85が消灯されると共に、「天国」表示LED86が点灯される。そして、下装飾駆動部80は、指示部82aによって「V」表示LED85を指し示す位置から反時計方向に回転され、指示部82aが「天国」表示LED86を指し示す位置でその回転動作が停止される。
また、通常の遊技状態で2ラウンドの大当り遊技状態が発生すると、その旨を認識させるべく16回〜1回の16個全ての表示LED87が白色点灯されると共に、指示部82aによって16回表示LED87を指し示す位置まで下装飾駆動部80が回転される。即ち、通常の遊技状態で2ラウンドの大当り遊技状態が発生すると、下装飾駆動部80が通常位置から時計方向に回転され、指示部82aが16回表示LED87を指し示す位置でその回転動作が停止されてカウントダウン演出が開始される。このときのカウントダウン演出としては、特別図柄の変動表示毎に16回〜1回の表示LED87が順次消灯されていき、これと同時に、指示部82aが残りのカウントダウン演出回数を指し示す表示LED87の位置に下装飾駆動部80が回転されていく。また、このとき、下装飾駆動部80裏面のフルカラーLED81はゆっくりしたテンポで青色点滅される。
また、確率変動制御中に2ラウンドの大当り遊技状態が発生すると、当該2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に50回の時間短縮制御が実行されるが、このときも、上記したカウントダウン演出と同様に、16回〜1回の16個全ての表示LED87が白色点灯されると共に、指示部82aによって16回表示LED87を指し示す位置まで下装飾駆動部80が回転される。但し、この場合には、カウントダウン演出が時間短縮制御の残り回数をカウントダウンする報知演出として実行される。また、このとき、下装飾駆動部80裏面のフルカラーLED81はミドルテンポで白色点滅される。具体的に、時間短縮制御は、大当り遊技状態の終了後に最大50回実行されるようになっており、残り50回〜17回の時間短縮制御となる場合は、指示部82aが16回表示LED87を指し示す位置で下装飾駆動部80の回転動作が停止されると共に、下装飾駆動部80が白色に光装飾されることで、残りの時間短縮制御が17回乃至50回である旨を認識させる。
その後、残り16回の時間短縮制御となる場合は、指示部82aが16回表示LED87を指し示した状態で、16回〜1回の16個全ての表示LED87とフルカラーLED81との発光色が赤色に切り替えられ(フルカラーLED81はハイテンポの赤色点滅)、下装飾駆動部80は赤色に光装飾される。そして、残り16回の時間短縮制御から1回ずつ残り回数が減少していくに連れて、16回〜1回の表示LED87が順次消灯されていき、これと同時に、指示部82aが残りの最大回数を指し示す表示LED87の位置に下装飾駆動部80が回転されていく。なお、このとき、16回以下となる残りの時間短縮制御の回数に応じて、フルカラーLED81の発光色(点滅色)が赤色(残り16〜11回)、緑色(残り10〜6回)、黄色(残り5〜1回)の順で切り替えられる。即ち、残り16回〜1回の時間短縮制御となる場合は、下装飾駆動部80が白色以外の色調で光装飾されることで、残りの時間短縮制御が1回乃至16回である旨を認識させ、さらには、16回〜1回の表示LED87の点灯が残り回数と対応して行われると共に、指示部82aが残り最大回数の表示LED87を指し示すようになっている。
上側演出部40aの左側方には、ゲート57が設けられている。ゲート57には、ゲート57を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ58(図6参照)が設けられている。そして、ゲートスイッチ58による遊技球の検出に基づき、前記普通電動役物ソレノイド55が所定時間ONされて可動片56が開放される。また、ゲート57には、光装飾用のゲートLED97(図6参照)が配設されている。
上側演出部40aの右側下方には、大入賞口装置60(可変入賞装置)が配設されている。大入賞口装置60は、横長長方形状の大入賞口と、大入賞口の前面に設けられ、大入賞口ソレノイド61(図6参照)の駆動により下部を支点として回動可能な前面扉62と、大入賞口に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ63(図6参照:可変入賞装置入賞球検出手段)と、を備えている。また、大入賞口に遊技球が入賞し、カウントスイッチ63によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、12個)の遊技球の払い出しが行われる。なお、大入賞口装置60は、通常、前面扉62が起立し、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態に制御され、大入賞口ソレノイド61を可動し、前面扉62の下部を支点としてパチンコ機1手前方向に回動させ、遊技球が入賞可能な開放状態に制御する。また、大入賞口装置60の下方には、大当り遊技状態中における残りラウンド表示用の大入賞口LED98が配設されている。大入賞口LED98は、7セグメントLEDから構成され、大当り遊技状態中に残りのラウンド数を表示するようになっている。例えば、15ラウンドの大当り遊技状態において、現在のラウンド数が10ラウンド目の実行中である場合、大入賞口LED98には残りラウンド数(現在のラウンドも含む)を示す「6」の数字が表示される。また、大入賞口LED98(判別認識手段)は、残りラウンド表示を主機能とする他、後で詳述する「大当り(2R確変)」及び「大当り(2R非確変)」の2ラウンドの大当りであるか、「小当り」であるかを大入賞口への入賞に伴う変動表示の有無によって遊技者に認識させる当り判別用の表示を副機能として実行するようになっている。
下側演出部40bの下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を遊技領域12から排出するアウト口64が設けられている。また、遊技領域12には、上方から遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口が設けられている。複数の一般入賞口は、始動入賞装置41の上方に配置される天入賞口65と、第2表示器46及び特別対応図柄表示LED47の左側方に配置される左中入賞口66と、大入賞口装置60の上方に配置される右上入賞口67と、状態演出装置50の左側方に配置される左下入賞口68と、状態演出装置50の右側方に配置される右下入賞口69と、から構成されている。なお、大入賞口装置60の上方に配置される右上入賞口67は、回転体を象った取付部材を介して遊技領域12に取り付けられている。
天入賞口65に入賞した遊技球は、天入賞口スイッチ65a(図6参照:入賞球検出手段)によって検出され、当該検出に基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。また、天入賞口65には、光装飾用の天入賞口LED65b(図6参照)が設けられている。左中入賞口66に入賞した遊技球は、左中入賞口スイッチ66a(図6参照:入賞球検出手段)によって検出され、当該検出に基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。また、左中入賞口66には、光装飾用の左中入賞口LED66b(図6参照)が設けられている。右上入賞口67に入賞した遊技球は、右上入賞口スイッチ67a(図6参照:入賞球検出手段)によって検出され、当該検出に基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。また、右上入賞口67には、光装飾用の右上入賞口LED67b(図6参照)が設けられている。左下入賞口68に入賞した遊技球は、左下入賞口スイッチ68a(図6参照:入賞球検出手段)によって検出され、当該検出に基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。右下入賞口69に入賞した遊技球は、右下入賞口スイッチ69a(図6参照:入賞球検出手段)によって検出され、当該検出に基づいて所定数(例えば、10個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、以上説明した一般入賞口65〜69及び各種入賞装置(始動入賞装置41、大入賞口装置60)に入賞した遊技球は、各球検出スイッチによって検出された後、遊技盤4の裏面に排出されるが、これら全ての遊技球は、遊技盤4裏面に設けられた全入賞口入賞数計数スイッチ59(図6参照)によって検出されるようになっている。
また、遊技領域12の左側端部には、左サイドランプLED91(図6参照)を内臓した左サイドランプ飾り90が設けられ、遊技領域12の右側端部には、右サイドランプLED93(図6参照)を内臓した右サイドランプ飾り92が設けられている。また、遊技盤4の前面(遊技領域12が形成される側)には、遊技球の流下方向を変化させる複数の障害釘(障害部材)が植設されている。
ここで、上述した各種構成部材及び装置等が設けられた遊技盤4にて実現される遊技について説明する。遊技者が操作ハンドル18を操作することにより、パチンコ機1の裏面側に設けられる発射制御装置104によって遊技球が打ち出される。発射制御装置104から打ち出された遊技球は、発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12の上部に放出され、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口64に向かって流下する。そして、遊技領域12を流下する遊技球が始動口53に入賞すると、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始可能な状態(例えば、大当り遊技中でない状態や特別図柄及び特別対応図柄の変動表示中でない状態)であれば、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始すると共に、特別対応図柄表示LED47にて特別対応図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後に特別図柄表示LED51における特別図柄の変動表示、及び特別対応図柄表示LED47における特別対応図柄の変動表示を停止して表示結果を導出する。なお、始動口53に遊技球が入賞し、始動口スイッチ54によって検出されたことに基づいて所定数(例えば、3個)の遊技球の払い出しが行われる。
また、遊技領域12を流下する遊技球がゲート57を通過し、ゲートスイッチ58によって検出されると、始動口53の可動片56が所定時間(例えば、0.5秒)開放されて、始動口53に遊技球が入賞し易くなる。即ち、可変入賞装置70は、ゲートスイッチ58によって遊技球が検出されると、所定時間(例えば、通常状態時0.5秒、又は確率変動状態時3秒)開放状態に制御される。具体的には、ゲートスイッチ58による遊技球の検出に基づいて、普通電動役物ソレノイド55を可動して可動片56を開放状態に制御する。そして、所定期間経過したときに再び普通電動役物ソレノイド55を可動して可動片56を閉鎖状態に制御する。可動片56を開放状態に制御することにより始動口53に遊技球が入賞し易い状態になり、可動片56を閉鎖状態に制御することにより始動口53に遊技球が入賞し難い状態になる。
また、特別図柄表示LED51での特別図柄の変動表示、及び特別対応図柄表示LED47での特別対応図柄の変動表示が開始されてから、特別図柄表示LED51及び特別対応図柄表示LED47に表示結果が導出されるまでの期間では、可動装飾体43、第1表示器44、移行表示器45、及び第2表示器46による演出が行われる。具体的には、特別図柄及び特別対応図柄の変動表示が開始されると、最初に、可動装飾体43の回転及び発光(具体的には、キャラ装飾LED71の発光)が行われる。このとき、可動装飾体43の回転動作の態様及び発光色は、それぞれ大当り期待度に応じて複数通り設定されている。次に、第1表示器44の各表示部44a〜44cに、それぞれ赤色発光による「GO」又は青色発光による「×」のいずれか一方が第1装飾図柄の表示結果として表示される。このとき、赤色発光による「GO」の表示数が多いほど大当り期待度が高く設定されている。そして、第1表示器44(表示部44a〜44c)に1つ以上の「GO」が表示されると、「GO」が表示された表示部44a〜44cと対応する移行表示器45のLEDが第1表示器44側から第2表示器46側に向って点灯移動し、次いで、第2表示器46(7セグメントLED)による第2装飾図柄(具体的には、1〜8の数字)の変動表示が開始され、最終的に第2装飾図柄の変動表示を停止して表示結果を導出する。なお、第2装飾図柄の表示結果は、特別図柄及び特別対応図柄の表示結果と対応して導出されるようになっている。
ところで、始動口スイッチ54により遊技球が検出されると、所定範囲の大当り判定用乱数を更新するカウンタから大当り判定用乱数を抽出する。特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始するとき(及び、特別対応図柄表示LED47にて特別対応図柄の変動表示を開始するとき)に、大当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否かの判定を行い、大当りとする判定がなされた場合には、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示、及び、特別対応図柄表示LED47にて特別対応図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後に予め定められた特定の表示態様(大当りとなる複数のLEDの点灯の組み合わせ:大当り図柄)で特別図柄表示LED51及び特別対応図柄表示LED47をそれぞれ点灯させて特別図柄及び特別対応図柄を停止表示(特別図柄及び特別対応図柄の表示結果を導出)した後、大当り遊技状態に移行制御する。つまり、停止時の特別図柄が特定の表示態様(大当りとなる複数のLEDの点灯の組み合わせ:大当り図柄)となる場合には、特別対応図柄の停止図柄も特定の表示態様(大当りとなる複数のLEDの点灯の組み合わせ:大当り図柄)となり、大当り遊技状態に移行制御する。
なお、特別図柄表示LED51における特別図柄の表示結果と、特別対応図柄表示LED47における特別対応図柄の表示結果と、は対応している。即ち、特別図柄表示LED51及び特別対応図柄表示LED47にて特別図柄及び特別対応図柄の変動表示を開始するときに大当りとしない判定がなされた場合には、特別図柄表示LED51にて特定の表示態様とは異なるはずれ状態となる態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示すると共に、特別対応図柄表示LED47にて特定の表示態様とは異なるはずれ状態となる態様でLEDを点灯させて特別対応図柄を停止表示する。
また、第2表示器46(7セグメントLED)にて変動表示される第2装飾図柄は、特別図柄表示LED51にて変動表示される特別図柄及び特別対応図柄表示LED47にて変動表示される特別対応図柄とは異なる演出用の図柄であり、特別図柄表示LED51及び特別対応図柄表示LED47にて行われる変動表示の内容を第2装飾図柄を用いてより演出効果を高めて遊技者に表示するものである。つまり、特別図柄表示LED51及び特別対応図柄表示LED47が特定の表示態様で点灯表示された場合には、大当り遊技状態に移行制御するが、万が一、第2表示器46にて第2装飾図柄の表示結果が特定の表示態様と対応する表示結果となっても、特別図柄表示LED51が特定の表示態様で点灯表示されない場合には、大当り遊技状態に移行制御されない。
また、可動装飾体43、第1表示器44、及び移行表示器45の演出は、第2演出器46による第2装飾図柄の変動表示をより興味深く見せるためのものである。即ち、特別図柄及び特別対応図柄の変動表示が開始されると、先ず、演出装置40の上側に配置された爆弾キャラクタの可動装飾体43を回転させると共に様々な色彩で発光させ、次に、可動装飾体43の下方に配置されて導火線の点火を象った第1表示器44(表示部44a〜44c)の表示で点火が行われたか否かの演出(赤色発光による「GO」の表示で点火が行われ、青色発光による「×」の表示で点火が行われない演出)を行い、次に、第1表示器44の下方に配置されて導火線を象った移行表示器45(表示部45a〜45cのLED)の点灯移動で点火が導火線を伝って爆弾(爆弾の本体部分を象った下装飾駆動部80)に向う演出を行い、最終的に、移行表示器45と下装飾駆動部80との間に配置されて爆弾の爆発を象った第2演出器46で第2装飾図柄の変動表示が開始される。
さらに、本実施形態では、特別図柄表示LED51における特定の表示態様は、特別態様(確変図柄)と、特別態様とは異なる非特別態様(非確変図柄)と、を含み、特別対応図柄表示LED47における特定の表示態様も同様に、特別態様(確変図柄)と、特別態様とは異なる非特別態様(非確変図柄)と、を含んでいる。そして、特別図柄表示LED51において特別態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示したことに基づいて大当り遊技状態(15ラウンドの大当り遊技状態又は確率変動制御を伴う2ラウンドの大当り遊技状態)に移行制御した後、通常状態よりも大当りとする判定がなされる確率が高い確率変動状態(本実施形態では、確率変動状態では、1/27.57の割合で大当りと判定、通常状態及び時間短縮状態では、1/275.7の割合で大当りと判定)に制御(確率変動制御)する。
一方、特別図柄表示LED51において非特別態様でLEDを点灯させて特別図柄を停止表示したときには、大当り遊技状態(確率変動制御を伴わない2ラウンドの大当り遊技状態)に移行制御した後、特別図柄表示LED51において特別図柄の変動表示が所定回数(例えば、50回)実行されるまで、及び特別対応図柄表示LED47にて特別対応図柄の変動表示が所定回数(例えば、50回)実行されるまで、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示するまで、及び、特別対応図柄表示LED47にて特別対応図柄の変動表示を開始してから特別対応図柄を停止表示するまで、の変動時間を通常状態よりも短縮する時間短縮(以下、これを時短ともいう)状態に制御(時間短縮制御)する。時間短縮状態では、さらに、始動入賞装置41が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御(本実施形態では、通常状態では、0.5秒、時間短縮状態では、5秒)が実行される。なお、通常状態とは、確率変動状態及び時間短縮状態とは異なる遊技状態のことである。また、時間短縮状態は、上述したものに限らず、特別図柄表示LED51及び特別対応図柄表示LED47における特別図柄及び特別対応図柄の変動時間を通常状態よりも短縮する制御、始動入賞装置41が開放状態にされる開放時間を通常状態よりも延長する制御、可変入賞装置70が開放状態にされる回数を通常状態よりも増加する制御、のうちいずれか1つ、又は、任意の組み合わせ(全部でもよい)が実行された状態を時間短縮状態とすればよい。
また、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を実行中、又は、大当り遊技状態の実行中、に始動口53に遊技球が入賞し、始動口スイッチ54により遊技球が検出された(所定条件成立)ことに基づいて抽出された大当り判定用乱数は、所定個数(本実施形態では、4個)まで記憶可能とされ、記憶される大当り判定用乱数の個数は、特別図柄記憶数表示LED42の点灯個数によって表示される。具体的には、特別図柄記憶数表示LED42は、始動口53への入賞が有効である(特別図柄の保留記憶数が4未満のとき)ときに始動口スイッチ54により遊技球を検出する毎に特別図柄記憶数表示LED42を点灯させ、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始する毎に点灯している特別図柄記憶数表示LED42を1つ消灯させる。このように、特別図柄記憶数表示LED42は、所定条件が成立(始動口53に遊技球が入賞)したが未だ特別図柄の変動表示が開始されていない記憶数(保留記憶数)を表示するものである。なお、大当り判定用乱数の抽出値は、後述する主制御基板101の主制御MPU101aに設けられた始動入賞記憶の保存領域に保留記憶データとして記憶される。また、このとき、段階演出判定用乱数、変動表示パターン用乱数等の各種乱数も保留記憶データとして記憶される。
本実施形態では、特別図柄表示LED51のLEDが特定の表示態様で点灯されたことに基づく大当り遊技状態では、前面扉62を回動して大入賞口装置60を開放状態に制御し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、9個)の入賞があるまで大入賞口を開放した状態に維持する。その後、前面扉62を回動して大入賞口装置60を閉鎖状態に制御する。そして、大入賞口装置60を開放状態に制御してから閉鎖状態に制御するまでのラウンドを所定回数(2回又は15回)繰り返し実行(2ラウンド実行又は15ラウンド実行)したときに大当り遊技状態を終了させる。
即ち、大当り遊技状態に移行制御されると、大入賞口ソレノイド61を駆動し、前面扉62の下部を支点としてパチンコ機1手前方向に回動させて大入賞口装置60を開放状態に制御することにより大入賞口を開放する(遊技球が大入賞口に入賞可能な状態にする)。そして、所定期間(本実施形態では、30秒)が経過したとき、又は、所定個数(本実施形態では、9個)の遊技球が大入賞口に入賞してカウントスイッチ63によって検出されたとき、に大入賞口ソレノイド61を駆動し、前面扉62の下部を支点として起立させて大入賞口装置60を閉鎖状態に制御することにより大入賞口を閉成する(遊技球が大入賞口に入賞不可能な状態にする)。大入賞口装置60を閉鎖状態に制御した後、所定時間(例えば、2秒)経過したことに基づいて、再び大入賞口装置60を開放状態に制御する開閉サイクル(以下、これをラウンド「R」ともいう)を所定回数(2回又は15回)繰り返す制御を実行する。
ところで、以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1の構成としては、始動検出手段(始動口スイッチ54)の遊技球の検出に伴って識別情報(特別図柄)の変動表示を開始し、該特別図柄が特定の表示態様となると大当り遊技状態が発生して大入賞口装置60を開放す遊技機(これを俗に第1種の遊技機という)であるが、前述したような遊技領域12内での各種構成部材の配置によって、あたかも第3種の遊技機を彷彿とさせるデザイン構成となっている。第3種の遊技機の構成としては、始動検出手段の遊技球の検出に伴って識別情報の変動を開始し、該識別情報が所定の表示結果となる等して、特定領域に遊技球が入賞すると権利発生状態が発生し、その権利発生状態中に特定の入賞口に入賞があると、大入賞口装置を開放する遊技機である。このような第3種の遊技機では、一般的に、左右一対の開閉片と、内部に特定領域とを備えた電動役物装置を遊技領域のほぼ中央部分に配置する。そして、該電動役物装置の右側方に特定の入賞口を備えた回転体を配置すると共にその下方に大入賞口装置を配置する。このため、可動装飾体43を備えた演出装置40が第3種の電動役物装置を彷彿とさせ、然も演出装置40の右側方に大入賞口装置60を配置すると共に、その上方に回転体を象った入賞口(右上入賞口67)を配置することで、一瞥では第3種の遊技機と見間違えるようなデザイン構成となっている。これにより、主に第1種の遊技機で遊技を行う遊技者に限らず、主に第3種の遊技機で遊技を行う遊技者に対しても、本実施形態のパチンコ機1に少なからず興味を持たせることができる。
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主基板100と周辺基板110とについて説明する。図6は主基板100と周辺基板110とを示すブロック図である。
主基板100は、図6に示すように、主制御基板101及び払出制御基板102により構成されている。主制御基板101は、図6に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU101a(演出態様記憶手段、演出表示制御手段)と、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート101bと、を備えている。主制御MPU101aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するための機能も内蔵されている。
主制御MPU101aは、主制御I/Oポート101bを介して、カウントスイッチ63、始動口スイッチ54、ゲートスイッチ58、左下入賞口スイッチ68a、左中入賞口スイッチ66a、天入賞口スイッチ65a、右上入賞口スイッチ67a、右下入賞口スイッチ69a、全入賞口入賞数計数スイッチ59、扉開放スイッチ39、及び内枠開放スイッチ36からの検出信号がそれぞれ入力されており、これらの検出信号に基づいて、普通電動役物ソレノイド55、大入賞口ソレノイド61、特別図柄記憶数表示LED42(図6中には、特別図柄記憶数表示LED基板と記載)、特別図柄表示LED51(図6中には、特別図柄表示LED基板と記載)、及び状態表示LED52a〜52d(図6中には、状態表示LEDと記載)を駆動する駆動信号を、主制御I/Oポート101bを介して出力する。なお、特別図柄記憶数表示LED42、特別図柄表示LED51、及び状態表示LED52a〜52dへの駆動信号は、主制御I/Oポート101bから副基板として図柄制限抵抗基板108を介してにそれぞれ出力されている。
主制御基板101と払出制御基板102との基板間では、互いに、つまり双方向に各種コマンドがやり取りされ、主制御基板101と周辺制御基板111との基板間では、主制御基板101から周辺制御基板111へ、つまり一方向に各種コマンドが出力されている。
払出制御基板102は、図6に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU102aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート102bと、を備えている。払出制御MPU102aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するため機能も内蔵されている。
払出制御MPU102aは、主制御基板101から出力された払出装置103(払出モータ)を駆動するコマンドが払出制御I/Oポート102bを介して入力されると、このコマンドに基づいて払出装置103(排出モータ)を駆動する駆動信号を、払出制御I/Oポート102bを介して出力する。これにより、払出装置103は賞球を払い出す。なお、払出制御MPU102aは、図示しないプリペイドカードユニットから貸球要求信号が入力されると、貸球を払い出す。また、払出制御MPU102aは、主制御基板101から出力された異常発生時のコマンドが払出制御I/Oポート102bを介して入力されると、このコマンドに基づいて発射制御装置104(発射モータ)の駆動を停止する駆動停止信号を、払出制御I/Oポート102bを介して出力する。これにより、発射制御装置104は異常発生時にその駆動が停止される。
周辺基板110は、図6に示すように、周辺制御基板111により構成されている。周辺制御基板111は、図6に示すように、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU111aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM111bと、高音質の演奏を行う音源IC111cと、この音源IC111cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM111d、を備えている。
サブ統合MPU111aは、パラレル入出力ポートやシリアル入出力ポート等を内蔵しており、主制御基板101からコマンドを受け取ると、このコマンドに基づいて、演出に関する演出コマンドを作成し、この演出コマンドを、パラレル入出力ポートから音源IC111cに出力する。音源IC111cは、サブ統合MPU111aから出力された演出コマンドに応じて、音ROM111bから音情報を読み込み、上述した重低音用スピーカ14及び中高音用スピーカ29から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が出るよう制御を行う。また、サブ統合MPU111aは、演出コマンドに合わせて、枠ランプ27(図6中には、枠装飾基板と記載)を駆動する駆動データを出力する一方、演出スイッチ18a(図6中には、演出スイッチ基板と記載)の操作に応じて操作信号を入力する。また、サブ統合MPU111aは、演出コマンドに合わせて、シリアル入出力ポートからランプ駆動基板112に、各種LEDを点灯/消灯(ON/OFF)するON/OFFデータと、各種モーターを駆動する駆動データと、を出力する。
一方、サブ統合MPU111aは、上役物中継基板113とランプ駆動基板112とを介して、回転モーター位置検出センサー74(図6中には、回転モーター位置検出センサー基板と記載)、及び上下モーター位置検出センサー75(図6中には、上下モーター位置検出センサー基板と記載)からの検出信号がそれぞれ入力されており、これらの検出信号に基づいて、可動装飾体43の回転位置及び上下位置を検出するようになっている。また、サブ統合MPU111aは、下役物中継基板114とランプ駆動基板112とを介して、下装飾駆動部モーター位置検出センサー84(図6中には、下装飾駆動部モーター位置検出センサー基板と記載)からの検出信号が入力されており、この検出信号に基づいて、下装飾駆動部80の回転位置を検出するようになっている。
ランプ駆動基板112は、周辺制御基板111からシリアル出力されたON/OFFデータに応じて、図6に示すように、ゲートLED97(図6中には、ゲートLED基板と記載)、大入賞口LED98(図6中には、大入賞口LED基板と記載)、左サイドランプLED91(図6中には、左サイドランプLED基板と記載)、右サイドランプLED93(図6中には、右サイドランプLED基板と記載)、左中入賞口LED66b(図6中には、左中入賞口LED基板と記載)、右上入賞口LED67b(図6中には、右上入賞口LED基板と記載)、天入賞口LED65b(図6中には、天入賞口LED基板と記載)、LED(上部上LED)94(図6中には、上部上LED基板と記載)、LED(上部中LED)95(図6中には、上部中LED基板と記載)、第1表示器44のLEDと移行表示器45のLEDとLED96とからなる上部下LED(図6中には、上部下LED基板と記載)、キャラ装飾LED71(図6中には、キャラ装飾LED基板と記載)、フルカラーLED81と各状態表示LED85〜87とからなる下部LED(図6中には、下部LED基板と記載)、第2表示器46の7セグメントLEDと特別対応図柄表示LED47とからなる演出表示LED(図6中には、演出表示LED基板と記載)にそれぞれ点灯信号を出力する。
なお、上部上LED94、上部中LED95、上部下LED(第1表示器44のLED、移行表示器45のLED、LED96)、及びキャラ装飾LED71への点灯信号は、上役物中継基板113を介してそれぞれ出力されており、下部LED(フルカラーLED81、各状態表示LED85〜87)及び演出表示LED(第2表示器46の7セグメントLED、特別対応図柄表示LED47)への点灯信号は、下役物中継基板114を介してそれぞれ出力されている。
また、ランプ駆動基板112は、周辺制御基板111からシリアル出力された駆動データに応じて、図6に示すように、回転モーター72(図6中には、回転モーター基板と記載)、上下モーター73(図6中には、上下モーター基板と記載)、下装飾駆動部モーター83(図6中には、下装飾駆動部モーター基板と記載)にそれぞれ駆動信号を出力する。なお、回転モーター72、及び上下モーター73への駆動信号は、上役物中継基板113を介してそれぞれ出力されており、下装飾駆動部モーター83への駆動信号は、下役物中継基板114を介して出力されている。
次に、パチンコ機1に実装される主制御基板101の主制御MPU101aにより実行される各種制御処理について説明する。図7はメインシステム処理の一例を示すフローチャートであり、図8は電源断発生時処理の一例を示すフローチャートであり、図9はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートであり、図10は普通電動役物制御処理の一例を示すフローチャートであり、図11は特別図柄・特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートであり、図12は変動開始処理の一例を示すフローチャートであり、図13は変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートであり、図14は変動中処理の一例を示すフローチャートであり、図15は大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートであり、図16は小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートであり、図17及び図18は特別電動役物大当り制御処理の一例を示すフローチャートであり、図19は特別電動役物小当り制御処理の一例を示すフローチャートである。図20は主制御基板101で更新される乱数を示す一覧表図であり、図21は段階演出判定用テーブルを示す一覧表図であり、図22及び図23は変動表示パターンテーブルを示す一覧表図である。
パチンコ機1へ電力の供給が開始されるとメインシステム処理が開始される。このメインシステム処理が開始されると、図7に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、ステップS1001において電源投入時処理を実行する。この電源投入時処理では、主制御MPU101aに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否かを判定する。バックアップデータが正常であれば主制御MPU101aに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行する。一方、バックアップデータが異常であれば主制御MPU101aをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定:割込タイミングの設定等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、主制御MPU101aに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理では、主制御MPU101aに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAM消去スイッチがオンであるときには主制御MPU101aをクリアして通常の初期設定を行い、主制御MPU101aにバックアップデータが保存されていないときには主制御MPU101aをクリアして通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行したときに周辺制御基板111に主制御基板101が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板101が起動したことを周辺制御基板111に通知するものである。なお、遊技店の閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にも主制御MPU101aにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始したときには電源投入時処理が実行される。
ステップS1001に続いて、主制御MPU101aでは、遊技用の各処理を繰り返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU101Aは、先ず、ステップS1002において、停電予告信号が検知されているか否かを判定する。なお、本実施形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板(図示しない)によって生成する。つまり、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板で所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板101に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。
そして、ステップS1002で主制御基板101に搭載される主制御MPU101aにより停電予告信号を検知すると、ステップS1003へと進み電源断発生時処理を実行する。この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧が(本実施形態では、24V)復旧した場合に(以下、「復電」と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態を主制御MPU101aにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施形態において電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメインシステム処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ステップS1002で停電予告信号が検知されていない場合、つまり外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、ステップS1004へと進み、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
次に、電源断発生時処理について説明する。この電源断発生時処理が開始されると、図8に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、ステップS1101において、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う。そして、続くステップS1102において、主制御MPU101aのチェックサムを算出し、主制御MPU101aの所定領域に保存する。このチェックサムは、復電時に停電前の主制御MPU101aの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、ステップS1103において、主制御MPU101aの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する。以上の処理を終えると、ステップS1104に進み、主制御MPU101aへのアクセスを禁止し、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることによって、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上述した処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。このような弊害を回避するため、本実施形態では、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。この結果、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、この無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU101aが起動することになる。
次に、タイマ割込処理について説明する。本実施形態では、タイマ割込処理が4ms毎に実行されている。このタイマ割込処理が開始されると、図9に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、ステップS1201において、レジスタの退避処理を実行した後、続くステップS1202のスイッチ入力処理へと進む、このステップS1202では、各種スイッチ(ゲートスイッチ58、始動口スイッチ54、カウントスイッチ63、一般入賞口スイッチ65a,66a,67a,68a,69a、全入賞口入賞数計数スイッチ59等)の検出信号を監視する処理を実行する。
次のステップS1203の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、本実施形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。続くステップS1204の払出制御処理では、ステップS1202のスイッチ入力処理にて検出された信号に基づいて払出制御基板102に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、次のステップS1205の普通電動役物制御処理では、始動入賞装置41の可動片56を開閉制御するための処理を実行する。そして、続くステップS1206の特別図柄・特別電動役物制御処理では、特別図柄表示LED51を変動表示する制御を実行すると共に、大入賞口ソレノイド61を制御して前面扉62の開閉制御を実行する。次のステップS1207の出力データ設定処理では、周辺制御基板111や払出制御基板102に送信する制御コマンドを作成する処理を実行する。次のステップS128のコマンド送信処理では、ステップS1207の出力データ設定処理で作成された制御コマンドを周辺制御基板111や払出制御基板102に送信する処理を実行する。また、このコマンド送信処理では、パチンコ機1の外部(例えば、ホール側の管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理や、パチンコ機1への電力供給が開始されたときに電源投入時処理(図7のステップS1001)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御基板111に送信する処理も行われる。そして、ステップS1202からステップS1208までの処理を実行すると、ステップS1209へと進み、レジスタの復帰処理を実行して、処理を終了する。
ここで、前述した乱数更新処理1(ステップS1204)及び乱数更新処理2(ステップ1004)で主制御基板101に搭載される主制御MPU101aにより更新される各種乱数について、図20を参照して説明する。図20に示すように、本実施形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定(大当り判定:第1の当落判定手段)と、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに2ラウンドの大当りとするか15ラウンドの大当りとするかの判定(ラウンド判定:特定判定手段)と、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに確変大当りとするか否かの判定(確変判定)と、大当り判定において大当り遊技状態を発生させないと判定されたときに小当りとするか否かの判定(小当り判定:第2の当落判定手段)と、に用いられる大当り判定用乱数(当落判定手段)、大当り判定用乱数の初期値を決定するために用いられる大当り判定用初期値決定用乱数、大当り判定にて大当り遊技状態を発生させないと判定されたときに段階演出を伴うはずれとするか否かの判定(段階演出判定)に用いられる段階演出判定用乱数、特別図柄表示LED51に表示されている特別図柄の変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン用乱数(演出態様決定手段、第1演出態様決定手段、第2演出態様決定手段)、大当り判定において大当り遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄表示LED51に表示される特別図柄の表示結果(大当り図柄)を決定するために用いられる大当り図柄用乱数(高確率状態判定手段)、大当り図柄用乱数の初期値を決定するために用いられる大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り判定において小当り遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄表示LED51に表示される特別図柄の表示結果(小当り図柄)を決定するために用いられる小当り図柄用乱数、小当り図柄用乱数の初期値を決定するために用いられる小当り図柄用初期値決定用乱数、等がある。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り判定用乱数、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り図柄用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数の更新を行う。即ち、大当り遊技状態の発生及び条件作動装置の前面扉62を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新され、乱数更新処理1は、当落判定(大当り判定及び小当り判定)に関わる当落乱数更新処理となる。また、このようにすることにより、それぞれの乱数における所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、条件作動装置の前面扉62を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者不利な状態となることを防止できる。一方、乱数更新処理2では、大当り判定用初期値決定用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り図柄用初期値決定用乱数、段階演出判定用乱数、及び変動表示パターン用乱数の更新を行う。即ち、乱数更新処理2は、当落判定(大当り判定及び小当り判定)に関わらない非当落乱数更新処理となる。
なお、大当り判定用初期値決定用乱数は、0〜549までの550個の乱数からなる。大当り判定用乱数は、0〜549までの550個の乱数からなる。大当り図柄用初期値決定用乱数は、0〜199までの200個の乱数からなる。大当り図柄用乱数は、0〜199までの200個の乱数からなる。小当り図柄用初期値決定用乱数は、0〜19までの20個の乱数からなる。小当り図柄用乱数は、0〜19までの20個の乱数からなる。段階演出判定用乱数は、0〜249までの250個の乱数からなる。変動表示パターン用乱数は、0〜999までの1000個の乱数からなる。
次に、普通電動役物制御処理について説明する。この普通電動役物制御処理が開始されると、図10に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、ステップS1301において普通電動役物が作動中(始動入賞装置41の可動片56が開放中)であるか否かを判定する。具体的には、可動片56を開放するための普通電動役物ソレノイド55がONしているか否か、つまり普通電動役物ソレノイド55に対する駆動信号の出力中であるか否かを判定する。普通電動役物が作動中であれば、後述するステップS1307へと進む。普通電動役物が作動中でなければ、次に、ゲート57を遊技球が通過したか否かを判定する。具体的には、ゲートスイッチ58がONとなって検出信号が出力されたか否かを判定する。そして、ゲート57を遊技球が通過していなければ、そのまま本ルーチンを終了する。
一方、ゲート57を遊技球が通過していれば、ステップS1303へと進み、普通電動役物の開放延長機能が作動中(時間短縮制御の実行中)であるか否かを判定する。普通電動役物の開放延長機能の作動中であれば、普通電動役物の開放延長機能作動時の普通電動役物の作動時間(始動入賞装置41の可動片56の開放時間)を設定する(ステップS1304)一方、普通電動役物の開放延長機能の作動中でなければ、普通電動役物の開放延長機能未作動時の普通電動役物の作動時間(始動入賞装置41の可動片56の開放時間)を設定して(ステップS1305)、ステップS1306に進む。具体的に、ステップS1304では、開放延長機能作動時の作動時間として5秒が設定される。つまり、時間短縮制御が実行されているときには、ゲート57を遊技球が通過してゲートスイッチ58がONすると、始動入賞装置41の可動片56を5秒開放する。一方、ステップS1305では、開放延長機能未作動時の作動時間として0.5秒が設定される。つまり、時間短縮制御が実行されていないときには、ゲート57を遊技球が通過してゲートスイッチ58がONすると、始動入賞装置41の可動片56を0.5秒開放する。
ステップS1306では、普通電動役物の作動(可動片56の開放)を開始し、次いで、ステップS1307へと進み、ステップS1304又はステップS1305で設定された作動時間が経過したか否かを判定する。作動時間が経過していれば、ステップS1309へと進み、普通電動役物の作動を停止し(可動片56を閉鎖し)、本ルーチンを終了する。一方、作動時間が経過していなければ、ステップS1308へと進み、普通電動役物に最大入賞数の入賞があったか否か、つまり始動入賞装置41の始動口53に予め定めた所定数の遊技球が入賞したか否かを判定する。最大入賞数の入賞があったときは、ステップS1309へと進み、普通電動役物の作動を停止した後に、また、最大入賞数の入賞がないときは、そのまま本ルーチンを終了する。
次に、特別図柄・特別電動役物制御処理について説明する。この特別図柄・特別電動役物制御処理が開始されると、図11に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、ステップS1401において始動口53に遊技球が入賞したか否かを判定する。具体的には、始動口スイッチ54がONとなって検出信号が出力されたか否かを判定し、始動口スイッチ54から検出信号が出力された場合には始動口53に遊技球が入賞したと判定しステップS1402へと進む。なお、ステップS1401において始動口スイッチ54がONとなったと判定されると、各種乱数(大当り判定用乱数、段階演出判定用乱数、変動表示パターン用乱数等)を取得する。
そして、ステップS1401において、始動口53に遊技球が入球して所定の乱数を取得すると、続くステップS1402では、主制御MPU101aに設けられている保留球数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判断する。そして、保留球数カウンタの値が4未満であれば、ステップS1403へと進み、ステップS1401で取得した所定の乱数を主制御MPU101aに記憶格納させるための保留記憶処理が行われる。なお、ステップS1401において始動口スイッチ54がONでない場合、及びステップS1402において保留球数カウンタの値が4以上である場合、には保留記憶処理を実行しないようになっている。
ステップS1403における保留記憶処理では、保留球数カウンタに「1」を加算する処理と、保留球数カウンタの加算に伴って特別図柄記憶数表示LED42に表示される保留球数の数を変更する処理(保留球数を特別図柄記憶数表示LED42の点灯数で示す処理)と、取得した乱数値(例えば、大当り判定用乱数、継続回数判定乱数、確率変更判定乱数、小当り判定乱数等)を主制御MPU101aに設けられた保留記憶の保存領域に保留球数カウンタのカウント値に対応させて記憶する処理と、を行う。このように、保留球数カウンタは、保留記憶の保存領域に記憶される乱数値の数を示すカウンタである。また、ステップS1402において保留球数カウンタの値が上限値である場合にはステップS1401で取得した乱数値を破棄する。
なお、ステップS1401で始動口53に遊技球が入球したと判断したときには、ステップS1401〜ステップS1403の間で各種乱数を取得すればよく、例えば、ステップS1401で各種乱数を取得せずに、ステップS1402で保留球数カウンタが上限値未満であることを判別した後に、各種乱数を取得してもよいし、保留記憶処理(ステップS1403)で取得するようにしてもよい。
その後、特別図柄・特別電動役物制御処理では、主制御MPU101aが遊技の進行状態を示す特別処理フラグの値を参照して次に行う処理を決定する(ステップS1404a〜S1404f)。具体的に、ステップS1404aでは、特別処理フラグが[0]であるか否かを判定し、特別処理フラグが[0]であればステップS1405の変動開始処理を行う。特別処理フラグが[0]でなければ、ステップS1404bに進み、特別処理フラグが[1]であるか否かを判定し、特別処理フラグが[1]であればステップS1406の変動表示パターン設定処理を行う。特別処理フラグが[1]でなければ、ステップS1404cに進み、特別処理フラグが[2]であるか否かを判定し、特別処理フラグが[2]であればステップS1407の変動中処理を行う。特別処理フラグが[2]でなければ、ステップS1404dに進み、特別処理フラグが[3]であるか否かを判定し、特別処理フラグが[3]であればステップS1408の大当り遊技開始処理を行う。特別処理フラグが[3]でなければ、ステップS1404eに進み、特別処理フラグが[4]であるか否かを判定し、特別処理フラグが[4]であればステップS1409の小当り遊技開始処理を行う。特別処理フラグが[4]でなければ、ステップS1404fに進み、特別処理フラグが[5]であるか否かを判定し、特別処理フラグが[5]であればステップS1410の特別電動役物大当り制御処理を行う。特別処理フラグが[5]でなければ、ステップS1411の特別電動役物小当り制御処理を行う。
なお、本実施形態では、大当り判定用乱数による抽選結果として、「ハズレ」、「大当り(15R)」、「大当り(2R確変)」、「大当り(2R非確変)」、及び「小当り」の5種類が用意されている。具体的には、抽選結果の「ハズレ」は、大入賞口装置60の前面扉62が基本的には開放状態とならないものである。また、「大当り」は、前面扉62が開放状態の時に大入賞口に所定数として例えば9個の遊技球が入賞するか、又は所定時間が経過すると1ラウンドとして前面扉62を閉鎖状態とし、そのラウンドを、例えば2ラウンド(2R)又は15ラウンド(15R)繰り返すものである。さらに、「小当り」は、前面扉62を例えば0.8秒間、開放状態とした後に閉鎖状態とし、このラウンドを例えば2ラウンド繰り返すものであり、「大当り」と比較して、遊技球の払い出しが少ないものの、「ハズレ」と「大当り」しかなかった従来のパチンコ機よりも、「当り」の種類が多くなり、より興趣が高められるようになっている。
また、大当り判定用乱数による抽選結果としての「小当り」によって、大入賞口装置60の前面扉62が「大当り(2R確変)」又は「大当り(2R非確変)」の時と同様の動きをするので、その大入賞口装置60の前面扉62が開閉動作をしても、「大当り(2R確変)」又は「大当り(2R非確変)」によるものであるのか否かを不明確にすることができ、「大当り(2R確変)」又は「大当り(2R非確変)」かも知れないと、遊技者をワクワク、ドキドキさせることができる。
また、大当り判定用乱数による抽選結果としての「大当り」は、「当り」が抽選される抽選確率を通常時の確率とする「大当り(2R非確変)」の「非確変大当り」と、抽選確率を通常時の確率よりも高確率に変更する「大当り(15R)」及び「大当り(2R確変)」の「確変大当り」の2種類が用意されている。そして、「確変大当り」が抽選されることで、「当り」が抽選される抽選確率が、通常時の確率よりも高確率(例えば、通常時の確率の10倍の確率)となるので「当り」が抽選され易くなり、連続して「大当り」が抽選される場合があり、「大当り」が連続することで、より多くの遊技球が払い出されて、より興趣の高められるようになっている。
本実施形態の特別図柄・特別電動役物制御処理において、特別処理フラグが[0]のときに実行される変動開始処理(ステップS1405)では、特別図柄保留球数を確認し、特別図柄保留球数が0でなければ、特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、ステップS1401において取得した大当り判定用乱数に応じた抽選結果としての「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれであるかの判定を行い、特別処理フラグを[1]に更新する。特別処理フラグが[1]のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS1406)では、特別図柄の変動表示に関わる設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットし、特別処理フラグを[2]に更新する。特別処理フラグが[2]のときに実行される変動中処理(ステップS1407)では、変動表示パターン設定処理(ステップS1406)で変動時間が設定されたタイマ等を監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて特別図柄表示LED51における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行うと共に、変動開始処理(ステップS1405)にて抽選結果が「大当り」であれば特別処理フラグを[3]に更新し、「小当り」であれば特別処理フラグを[4]に更新し、「ハズレ」であれば特別処理フラグを[0]に更新する。
また、特別処理フラグが[3]のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS1408)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大入賞口装置60における前面扉62の開放回数等の設定を行う。特別処理フラグが[4]のときに実行される小当り遊技開始処理(ステップS1409)では、小当り遊技状態を開始するための設定を行う。詳しくは後述するが具体的には、大入賞口装置60における前面扉62の開放回数等の設定を行う。
また、特別処理フラグが[5]のときに実行される特別電動役物大当り制御処理(ステップS1410)では、詳しくは後述するが具体的には、カウントスイッチ63によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数の遊技球が大入賞口に入賞したとき、又は、設定された開放時間がタイムアップしたとき大入賞口を閉鎖状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、大入賞口を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、特別処理フラグを[0]に更新する。
また、特別処理フラグが[6]のときに実行される特別電動役物小当り制御処理(ステップS1411)では、詳しくは後述するが具体的には、カウントスイッチ63によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数の遊技球が大入賞口に入賞したとき、又は、設定された開放時間がタイムアップしたとき大入賞口を閉鎖状態にするための処理を行う。また、小当り遊技状態における大入賞口の開放回数が所定回数(本実施形態では、2回)に達していなければ、再び、大入賞口を開放状態にするための処理を行い、小当り遊技状態における大入賞口の開放回数が所定回数に達したときには、特別処理フラグを[0]に更新する。
次に、変動開始処理について説明する。この変動開始処理が開始されると、図12に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、特別処理フラグが[0]であるか否かを再確認(判定)し(ステップS1501)、特別処理フラグが[0]でないと、本ルーチンを終了する。一方、特別処理フラグが[0]であることを判定すると、ステップS1502において、保留球数カウンタの値が0であるか否か判定する。上述したように、保留球数カウンタの値は、保留記憶の保存領域に格納される乱数値の数を示すものであるため、ステップS1502で保留球数カウンタの値が0であれば、保留記憶がないと判別されて、図示は省略するが大当り終了フラグをOFFにして、本ルーチンを終了する。なお、詳細は後述するが、大当り終了フラグは、大当り遊技が終了するとONとなるものである。
一方、ステップS1502で保留球数カウンタの値が0でなければ、ステップS1503に進み、主制御MPU101aに設けられた保留記憶の保存領域に記憶される各種乱数をシフトした後、保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域に保存される各種乱数(大当り判定用乱数、段階演出判定用乱数、変動表示パターン用乱数等)を読み出す処理を行う。具体的には、保留記憶の保存領域にて保留球数カウンタのn(n=1、2、3、4)に対応する保存領域に記憶されている各種乱数を保留記憶の保存領域における保留球数カウンタのn−1(n=0、1、2、3)に対応する保存領域に記憶させる。次いで、ステップS1504に進み、保留球数カウンタを「1」減算する処理を行う。
ステップS1504に続いて、ステップS1505では、確率変動機能の作動中(確率変動制御の実行中)であるか否かを判定する。この判定は、確変フラグがONであるか否かを判定するものである。確変フラグは、「大当り」を抽選する抽選確率が高確率の状態であるときにはON、抽選確率が通常時の状態であるときにはOFFにそれぞれ設定されている。確率変動機能の作動中でなければ、確率変動機能未作動時の大当り判定テーブルを選択する(ステップS1506)一方、確率変動機能の作動中であれば、確率変動機能作動時の大当り判定テーブルを選択して(ステップS1507)、ステップS1508に進む。そして、ステップS1508では、ステップS1506又はステップS1507で選択した大当り判定テーブルを参照して、保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定用乱数が大当り値と一致するか否かを判定する。大当り判定用乱数が大当り値と一致するとき、即ち大当り判定用乱数の抽選結果が「大当り」となるときは、ステップS1509で普通電動役物の作動を停止(始動入賞装置41の可動片56を閉鎖)した後、続くステップS1510で大当りフラグをONし、ステップS1511において、特別処理フラグを[1]に更新する。特別処理フラグを[1]に更新することにより、次にタイマ割込処理が発生し、特別図柄・特別電動役物制御処理(図10参照)が実行されたときに変動表示パターン設定処理(ステップS1406)が実行可能となる。
また、ステップS1508の判定において、大当り判定用乱数が大当り値と一致しないとき、即ち大当り判定用乱数の抽選結果が「大当り」以外となるときは、ステップS1512に進み、小当り判定テーブルを参照して、保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定用乱数が小当り値と一致するか否かを判定する。そして、大当り判定用乱数が小当り値と一致するとき、即ち大当り判定用乱数の抽選結果が「小当り」となるときは、ステップS1513で小当りフラグをONし、続くステップS1511において、特別処理フラグを[1]に更新する。一方、大当り判定用乱数が小当り値と一致しないとき、即ち大当り判定用乱数の抽選結果が「ハズレ」となるときは、そのままステップS1511に進み特別処理フラグを[1]に更新する。
なお、本実施形態では、例えば、確変状態時大当り判定テーブルでは、0〜549までの550個の大当り判定用乱数のうち大当り判定用乱数と一致することにより「大当り」と判定される大当り判定値が20個設定されており、「大当り」が抽選される抽選確率が1/27.5となっている。一方、非確変時大当り判定テーブルでは、0〜549までの550個の大当り判定用乱数のうち大当り判定値が2個設定されており、「大当り」の抽選確率が1/275となっている。
また、本実施形態では、例えば、「大当り」のうち「大当り(15R)」、「大当り(2R確変)」、「大当り(2R非確変)」のそれぞれを決定する割合が53:30:17となるように、つまり0〜199までの200個の大当り図柄用乱数のうち「大当り(15R)」に決定される判定値が106個設定され、「大当り(2R確変)」に決定される判定値が60個設定され、「大当り(2R非確変)」に決定される判定値が34個設定されている。即ち、大当り判定用乱数によって「大当り」か否かが決定され、「大当り」が決定されると、大当り図柄用乱数によってその「大当り」が「大当り(15R)」、「大当り(2R確変)」、「大当り(2R非確変)」のいずれであるかを決定する。
さらに、本実施形態では、大当り判定用乱数によって「大当り」でないことが決定されたときでも、「小当り」が決定されることがある。つまり、小当り判定テーブルでは、0〜549までの550個の大当り判定用乱数のうち大当り判定用乱数と一致することにより「小当り」と判定される小当り判定値(大当り判定値以外の値)が40個設定されており、確変状態時及び非確変状態時のいずれにおいても、「小当り」が抽選される抽選確率が2/275となっている。言い換えれば、0〜549までの550個の大当り判定用乱数のうち「大当り」及び「小当り」以外の「ハズレ」と判定されるハズレ判定値は、確変状態時で470(=550−(20+60))個設定され、非確変状態時で488(=550−(2+60))個設定されている。
また、非確変状態時では、「大当り(2R確変)」が抽選される抽選確率は、0.3/275とされ、「大当り(2R非確変)」が抽選される抽選確率は、0.17/275とされる。このため、非確変状態時では、「小当り」が抽選される抽選確率(2/275)は、「大当り(2R確変)」及び「大当り(2R非確変)」が抽選される確率よりも高い確率とされており、大入賞口装置60が「小当り」と同様の開閉動作をする「大当り(2R確変)」及び「大当り(2R非確変)」の抽選価値を高めることができるようになっている。
次に、変動表示パターン設定処理について説明する。この変動表示パターン設定処理が開始されると、図13に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、特別処理フラグが[1]であるか否かを再確認(判定)し(ステップS1601)、特別処理フラグが[1]でないと、本ルーチンを終了する。一方、特別処理フラグが[1]であることを判定すると、ステップS1602において、大当りフラグがONであるか否かを判定し、大当りフラグがON、つまり抽選結果が「大当り」であれるときには、ステップS1603へと進み、次にその「大当り」が「大当り(15R)」であるか否かを判定する。「大当り(15R)」であるときには、ステップS1604へと進み、主制御MPU101aに記憶されている15R当り時変動表示パターンテーブル(図22参照)を選択する。一方、ステップS1603において、「大当り(15R)」でないときには、ステップS1605へと進み、主制御MPU101aに記憶されている2R当り時変動表示パターンテーブル(図22参照)を選択する。
また、ステップS1602において、大当りフラグがONでないときには、ステップS1606へと進み、小当りフラグがONであるか否かを判定する。小当りフラグがONであるとき、つまり抽選結果が「小当り」であるときには、ステップS1607へと進み、主制御MPU101aに記憶されている小当り時変動表示パターンテーブル(図22参照)を選択する。一方、ステップS1606において、小当りフラグがONでないとき、つまり抽選結果が「ハズレ」であるときには、ステップS1608へと進み、保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した段階演出判定用乱数が決定値と一致するか否かを判定する。具体的には、図21に示す段階演出判定用テーブルを用いてステップS1608の判定が行われる。段階演出判定用乱数が決定値と一致するときは、ステップS1609へと進み、主制御MPU101aに記憶されているはずれ段階演出時変動表示パターンテーブル(図23参照)を選択する。一方、ステップS1608において、段階演出判定用乱数が決定値と一致しないときは、ステップS1610へと進み、主制御MPU101aに記憶されているはずれ時変動表示パターンテーブル(図23参照)を選択する。
そして、変動表示パターンテーブルが選択されると、ステップS1611において、変動表示パターン用乱数を用いて先に選択した変動表示パターンテーブルから対応する変動表示パターンを決定し、続くステップS1612において、決定した変動表示パターンを選択値としてセットしてステップS1613へと進む。このステップS1613では、ステップS1612において決定した変動表示パターンに応じた変動時間をタイマにセットする。そして、ステップS1614へと進み、特別処理フラグを[2]に更新し、このルーチンを終了する。
なお、ステップS1612でセットされた変動表示パターンの選択値に基づき、前述した出力データ設定処理(ステップS1207)で変動表示パターンコマンドが作成され、当該変動表示パターンコマンドは、コマンド送信処理(ステップS128)にて周辺制御基板111に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド送信処理で周辺制御基板111に送信するときには、特別図柄遊技にて特別図柄表示LED51に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。
ここで、変動表示パターンコマンドは、2バイト構成のデータであり、各変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの変動時間や段階演出を特定するためのデータが含まれる。この2バイト構成の変動表示パターンコマンドのうち、1バイト目は、変動表示パターンであることを特定可能なデータであり、2バイト目は、変動番号(変動表示パターン)を特定可能なデータである。即ち、周辺制御基板111に搭載されるサブ統合MPU111aは、1バイト目のデータに基づいて変動表示パターンであることを認識可能であり、さらに、2バイト目のデータにもとづいて変動表示パターンを特定する。
ここで、ステップS1611で決定される変動表示パターンを図21乃至図23を参照して説明する。図21は段階演出判定用テーブルを示す一覧表図であり、図22は小当り時、2R当り時、及び15R当り時の変動表示パターンテーブルを示す一覧表図であり、図23は段階演出時及びはずれ時の変動表示パターンテーブルを示す一覧表図である。可動装飾体43、第1表示器44、移行表示器45、乃至第2表示器46(以下、これらの構成部材を段階演出装置ともいう)は、特別図柄の変動時間(特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)に、変動表示パターンに従った段階演出を実行する。また、このとき、特別対応図柄表示LED47は、特別対応図柄の変動表示を実行し、特別図柄の表示結果の停止表示に合わせて当該表示結果と対応する特別対応図柄の表示結果を停止表示する。
変動番号1の「第1段階演出変動1」とは、可動装飾体43及び第1表示器44の演出(以下、これを第1段階演出ともいう)を伴う一方、移行表示器45及び第2表示器46の演出(以下、これを第2段階演出ともいう)を伴わない変動表示パターンである。変動番号2の「第1段階演出変動2」、変動番号3の「第1段階演出変動3」、及び変動番号4の「第1段階演出変動4」とは、特別図柄及び特別対応図柄の変動時間が「第1段階演出変動1」よりも短い変動表示パターンである。
変動番号5〜9の「第2段階演出変動」とは、可動装飾体43、第1表示器44、移行表示器45、乃至第2表示器46の演出(第1及び第2の各段階演出)を伴って、第2表示器46にてノーマル変動を実行する変動表示パターンである。
変動番号10〜17の「第2段階演出変動A」とは、可動装飾体43、第1表示器44、移行表示器45、乃至第2表示器46の演出(第1及び第2の各段階演出)を伴って、第2表示器46にてノーマル変動を実行した後にコマ送り変動を実行する変動表示パターンである。
変動番号18〜27の「第2段階演出変動B」とは、可動装飾体43、第1表示器44、移行表示器45、乃至第2表示器46の演出(第1及び第2の各段階演出)を伴って、第2表示器46にてノーマル変動及びコマ送り変動を順次実行した後にスリリング変動を実行する変動表示パターンである。このうち、変動番号18〜22の「第2段階演出変動B」は、変動番号23〜27の「第2段階演出変動B」に比べて変動時間が短く、「第2段階演出変動B(ショート)」となり、変動時間が長い変動番号23〜27の「第2段階演出変動B」が「第2段階演出変動B(ロング)」となる。
変動番号28〜32の「第2段階演出変動C」とは、可動装飾体43、第1表示器44、移行表示器45、乃至第2表示器46の演出(第1及び第2の各段階演出)を伴って、第2表示器46にてノーマル変動及びコマ送り変動を順次を実行した後にモーフィング変動を実行する変動表示パターンである。
変動番号33〜36の「第2段階演出変動PR」とは、可動装飾体43、第1表示器44、移行表示器45、乃至第2表示器46の演出(第1及び第2の各段階演出)を伴って、第2表示器46にてノーマル変動及びコマ送り変動を順次を実行した後にトルネード変動を実行する変動表示パターンである。なお、変動番号33〜36の「第2段階演出変動PR」は、当落の結果が大当りとなる場合にのみ実行されるプレミアムな変動表示パターンである。
変動番号37の「時短中専用」とは、時間短縮制御中に「小当り」となったときに実行される変動表示パターンであり、変動番号5の「第2段階演出変動(はずれ)」と同様の演出態様となる。
なお、各々の変動表示パターンには、特別図柄の変動時間(特別図柄表示LED51にて特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄の変動表示が停止表示されるまでの時間)が設定されている。特別図柄の変動時間は、周辺制御基板111に送信される変動表示パターンコマンドによって指定される段階演出装置の演出時間及び特別対応図柄の変動時間とほぼ一致して設定されており、ステップS1611では特別図柄の変動時間に応じた段階演出装置の演出時間及び特別対応図柄の変動時間を有する変動表示パターンに決定される。即ち、特別図柄の変動時間と、段階演出装置の演出時間及び特別対応図柄の変動時間とは、完全に一致していなくてもよい。
また、各々の変動表示パターンには、段階演出が多く実行されるほど演出の実行時間が長くなることに伴って、特別図柄及び特別対応図柄の変動時間と段階演出装置の演出時間とが長く設定されている。具体的には、特別図柄及び特別対応図柄の変動時間と段階演出装置の演出時間とは、第1段階演出を実行する変動表示パターン(変動番号1〜4)よりも、第2段階演出を実行する変動表示パターン(変動番号5〜36)の方が長く設定されている。また、第2段階演出を実行する変動表示パターンは、大当りが確定する「第2段階演出変動PR」(変動番号33〜36)を除いて、第2表示器46にてノーマル変動のみを実行する「第2段階演出変動」(変動番号5〜9)、第2表示器46にてノーマル変動とコマ送り変動を実行する「第2段階演出変動A」(変動番号10〜17)、第2表示器46にてノーマル変動とコマ送り変動とスリリング変動を実行する「第2段階演出変動B(ショート)」(変動番号18〜22)、第2表示器46にてノーマル変動とコマ送り変動とスリリング変動を実行する「第2段階演出変動B(ロング)」(変動番号23〜27)、第2表示器46にてノーマル変動とコマ送り変動とモーフィング変動を実行する「第2段階演出変動C」(変動番号28〜32)の順で順次演出時間が長く設定されている。
また、変動番号5〜32の変動表示パターンでは、当落の結果に応じて大当り時とはずれ時とで同一又は類似した演出態様で段階演出が実行され、また、該段階演出に応じた特別図柄及び特別対応図柄の変動時間、段階演出装置の演出時間がほぼ一致して設定されていることから、演出を見るだけでは当否の認識が困難となり、遊技者をハラハラドキドキさせることができ、遊技の興趣を低下させることがない。
この実施形態では、ステップS1604,S1605で選択される15R当り時変動表示パターンテーブル及び2R当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号5〜37の変動表示パターンのうち当落の結果が大当りとなる変動表示パターン(図22に示す変動表示パターンテーブルの当落にて「2R」又は「15R」が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
また、ステップS1607で選択される小当り時変動表示パターンテーブルには、変動番号5〜37の変動表示パターンのうち当落の結果が小当りとなる変動表示パターン(図22に示す変動表示パターンテーブルの当落にて「小当り」が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
また、ステップS1609で選択されるはずれ段階演出時変動表示パターンテーブルには、変動番号5〜37の変動表示パターンのうち当落の結果がはずれとなる変動表示パターン(図23に示す変動表示パターンテーブルの当落にて×が付されている変動表示パターン)が設定され、これらの変動表示パターンに判定値が振り分けられている。但し、はずれ段階演出時変動表示パターンテーブルは、ステップS1608の判定において、段階演出判定用乱数の抽出値が図21に示す段階演出判定用テーブルにおける「段階演出」の決定値と一致するときに選択される。なお、段階演出判定用テーブルは、通常の遊技状態と時短中の遊技状態とで、テーブルが異なって設けられ、それぞれにおいて、保留記憶数毎(記憶0、記憶1、記憶2、記憶3・4)で「ハズレA」、「ハズレB」、「ハズレC」、「ハズレD」、「段階演出」に判定値が振り分けられている。
また、ステップS1610で選択されるはずれ時変動表示パターンテーブルは、ステップS1608の判定において、段階演出判定用乱数の抽出値が段階演出判定用テーブルにおける「ハズレA」、「ハズレB」、「ハズレC」、「ハズレD」のいずれかの決定値と一致するときに選択される。はずれ時変動表示パターンテーブル「ハズレA」には、当落の結果がはずれとなる変動番号1の「第1段階演出変動1」の変動表示パターンに判定値が振り分けられ、はずれ時変動表示パターンテーブル「ハズレB」には、当落の結果がはずれとなる変動番号2の「第1段階演出変動2」の変動表示パターンに判定値が振り分けられ、はずれ時変動表示パターンテーブル「ハズレC」には、当落の結果がはずれとなる変動番号3の「第1段階演出変動3」の変動表示パターンに判定値が振り分けられ、はずれ時変動表示パターンテーブル「ハズレD」には、当落の結果がはずれとなる変動番号4の「第1段階演出変動4」の変動表示パターンに判定値が振り分けられている。
ところで、通常時の段階演出判定用テーブルでは、保留記憶数が0個の場合及び保留記憶数が1個の場合、それぞれ250個の段階演出判定用乱数のうち100個の判定値が「段階演出」に振り分けられている。このため、当落の結果がはずれとなる場合でも、1/2.5の確率で段階演出(第2表示器46(第2装飾図柄)の表示結果が導出されるまでの第2段階演出)が実行されるようになっており、遊技者を飽きさせないようになっている。また、保留記憶数が2個の場合及び保留記憶数が3個又は4個の場合でも、段階演出の出現確率が1/3.3と1/5に設定され、段階演出の実行頻度を高めることで、遊技者を飽きさせないようになっている。
一方、時短時の段階演出判定用テーブルでは、保留記憶数が0個の場合、250個の段階演出判定用乱数のうち50個の判定値が「段階演出」に振り分けられており、1/5の確率で段階演出(第2表示器46(第2装飾図柄)の表示結果が導出されるまでの第2段階演出)が実行され、保留記憶数が1個の場合、保留記憶数が2個の場合、及び保留記憶数が3個又は4個の場合には、それぞれ段階演出の出現確率が1/25に設定されている。このため、時短時には、通常時に比べて、はずれとなる場合での段階演出の実行頻度を下げることで、スムーズに時間短縮制御が実行されるようになっている。
また、遊技状態が時短状態にて参照される各変動表示パターンテーブル(小当り時変動表示パターンテーブル、2R当り時変動表示パターンテーブル、15R当り時変動表示パターンテーブル、はずれ段階演出時変動表示パターンテーブル)と、通常状態にて参照される各変動表示パターンテーブルと、を異なる変動表示パターンテーブルで構成している。そして、変動番号37の「時短中専用」の変動表示パターンは、時短状態にて参照される小当り時変動表示パターンテーブルに対してのみ全ての判定値が振り分けられている。これにより、時短中に小当りした場合にのみ「時短中専用」の変動表示パターンが選択されるようになっている。
また、2R・15Rの各当り時変動表示パターンテーブル、小当り時変動表示パターンテーブル、及びはずれ段階演出時変動表示パターンテーブルでは、段階演出の種別に応じて大当り期待度(当該段階演出が実行される割合(全出現率)のうち大当りとなる割合(大当り時の出現率);大当り期待度=大当り時の出現率/全出現率)が異なるように各々の変動表示パターンに対して判定値が振り分けられている。具体的には、第2段階演出のノーマル変動のみを実行する変動表示パターン(「第2段階演出変動」)よりも第2段階演出のコマ送り変動を実行する変動表示パターン(「第2段階演出変動A〜C」)の方が大当り期待度が高くなるように設定され、さらには「第2段階演出変動A」「第2段階演出変動B(ショート)」「第2段階演出変動B(ロング)」「第2段階演出変動C」の順で大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、2R当り時変動表示パターンテーブル及び小当り時変動表示パターンテーブルでは、「第2段階演出変動」及び「第2段階演出変動A〜C」の各変動表示パターンにおいて、それぞれ変動時間が同一となる変動表示パターンに対して判定値が振り分けられている。例えば、小当り時変動表示パターンテーブルにおける「第2段階演出変動」では、変動時間が12000msとなる変動番号6の変動表示パターンに判定値が振り分けられ、2R当り時変動表示パターンテーブルにおける「第2段階演出変動」では、変動時間が12000msとなる変動番号7の変動表示パターンに判定値が振り分けられている。このため、小当り時に「第2段階演出変動」が選択された場合と2R当り時に「第2段階演出変動」が選択された場合とでは、それぞれ変動時間が同一となる「第2段階演出変動」が実行されるようになっている。従って、小当り時及び2R当り時では、それぞれ「第2段階演出変動」及び「第2段階演出変動A〜C」の各変動表示パターンが見た目上同一となり、遊技者は、段階演出装置の演出を見ただけでは小当りなのか2R当りなのかが判別できないようになっている(当選状態認識手段)。
次に、変動中処理について説明する。この変動中処理が開始されると、図14に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、特別処理フラグが[2]であるか否かを再確認(判定)し(ステップS1701)、特別処理フラグが[2]でないと、本ルーチンを終了する。一方、特別処理フラグが[2]であることを判定すると、ステップS1702において、特別図柄表示LED51で特別図柄が変動表示中であるか否かを判定し、変動表示中でないときは本ルーチンを終了する一方、変動表示中であるときは、ステップS1703へと進み、特別図柄表示LED51で変動表示されている特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かを判定する。変動時間がタイムアップしていないときは、そのまま本ルーチンを終了する。一方、変動時間がタイムアップしているときには、ステップS1704へと進み、特別図柄の変動表示を停止し、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1705)。このステップS1705において、大当りフラグがONであるときには、ステップS1706へと進み、特別処理フラグを[3]に更新し、抽選結果が「大当り」を示唆する特別図柄を停止表示し、図11に示した特別図柄・特別電動役物制御処理のステップS1408の大当り遊技開始処理を実行する。
一方、ステップS1705において、大当りフラグがONでないときには、ステップS1707へと進み、小当りフラグがONであるか否かを判定する。このステップS1707において、小当りフラグがONであるとき、つまり「小当り」であるときには、ステップS1708へと進み、特別処理フラグを[4]に更新し、このルーチンを終了する。一方、ステップS1707において、小当りフラグがONでないとき、つまり「ハズレ」であるときには、ステップS1709へと進み、特別処理フラグを[0]に更新し、このルーチンを終了する。
なお、この変動中処理では、変動時間がタイムアップすると特別図柄の変動表示を停止し、抽選結果が「大当り」であると、特別処理フラグを[3]に更新し、図11に示した特別図柄・特別電動役物制御処理のステップS1408の大当り遊技開始処理を実行する。また、抽選結果が「小当り」であると、図11に示した特別図柄・特別電動役物制御処理のステップS1409の小当り遊技開始処理を実行する。抽選結果が「ハズレ」であると、図11に示した特別図柄・特別電動役物制御処理のステップS1409の変動開始処理を実行する。
次に、大当り遊技開始処理について説明する。この大当り遊技開始処理(特定利益付与手段)は、始動口53への遊技球の入賞により発生する大当り判定用乱数に基づく抽選結果が「大当り」の場合に開始される処理である。大当り遊技開始処理が開始されると、図15に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、特別処理フラグが[3]であるか否かを再確認(判定)し(ステップS1801)、特別処理フラグが[3]でないと、本ルーチンを終了する。一方、特別処理フラグが[3]であることを判定すると、ステップS1802において、確率変動機能の作動中(確率変動制御の実行中)であるか否かを判定する。確率変動機能の作動中であれば、作動中の確率変動機能を停止した後(ステップS1803)に、また、確率変動機能の作動中でなければ、そのままステップS1804に進む。ステップS1804では、時短機能の作動中(時間短縮制御の実行中)であるか否かを判定する。時短機能の作動中であれば、作動中の時短機能を停止した後(ステップS1805)に、また、時短機能の作動中でなければ、そのままステップS1806に進む。
ステップS1806では、保留記憶の保存領域のうち保留球数カウンタの0に対応する保存領域から読み出した大当り判定用乱数の抽選結果が「大当り(15R)」であるか否かを判定する。「大当り(15R)」であるときは、ステップS1807へと進み、15Rの大当り遊技状態における大入賞口装置60の前面扉62の開放回数及び開放時間と、大入賞口への入賞の制限個数と、を初期値にセットする。具体的に、本実施形態では、抽選結果が「大当り(15R)」のときには、その開放回数が初期値として15回が予め設定されており、開放時間は30秒、制限個数は9個に設定されている。一方、ステップS1806において、「大当り(15R)」でないとき、つまり「大当り(2R確変)」又は「大当り(2R非確変)」であるときは、ステップS1808へと進み、2Rの大当り遊技状態における大入賞口装置60の前面扉62の開放回数及び開放時間と、大入賞口への入賞の制限個数と、を初期値にセットする。具体的に、本実施形態では、抽選結果が「大当り(2R確変)」又は「大当り(2R非確変)」のときには、その開放回数が初期値として2回が予め設定されており、開放時間は0.8秒、制限個数は9個に設定されている。そして、ステップS1807又はステップS1808において、開放回数、開放時間、制限個数を初期値にセットし、ステップS1809へと進み、特別処理フラグを[5]に更新し、このルーチンを終了する。
ところで、上記したステップS1808では、開放回数、開放時間、及び入賞の制限個数のセットに加えて、2R当りにおけるコマンドがセットされる。そして、当該コマンドに基づいたコマンド信号が前記ステップS1208のコマンド送信処理で周辺制御基板111のサブ統合MPU111aに送信される。サブ統合MPU111aは、2R当りのコマンド信号を受信すると、これに基づいて判別認識実行フラグをセットする。そして、判別認識実行フラグがセットされた状態で、主制御基板101側からカウントスイッチ63での球検出信号を受信すると(大入賞口への入賞があると)、これに基づいて後で詳述する大入賞口LED98による判別認識の演出を実行制御する。また、このとき、大入賞口LED98による判別認識の演出開始から所定時間後に後述するスピーカ14,29での音階演出を実行制御する。また、このようなスピーカ14,29での音階演出の実行制御においては、小当り時も同様に行われるものであるが、このような制御は、小当りにおけるコマンド信号が主制御基板101側から周辺制御基板111のサブ統合MPU111aに送信され、これに基づいて音階演出実行フラグがセットされる。そして、音階演出実行フラグがセットされた状態で、主制御基板101側からカウントスイッチ63での球検出信号を受信すると(大入賞口への入賞があると)、これに基づいて音階演出を実行制御する。
なお、実施形態中では、主制御基板101側から周辺制御基板111のサブ統合MPU111aに送信されたコマンド信号に基づいて、サブ統合MPU111aで判別認識実行フラグをセットし、カウントスイッチ63での球検出信号を受信することで、判別認識を実行する構成としているが、このような構成に限定しない。例えば、前記ステップS1808で判別認識実行フラグをセットし、カウントスイッチ63の球検出信号があると(大入賞口への入賞があると)、ステップS1208のコマンド送信処理で周辺制御基板111のサブ統合MPU111aに判別認識の実行コマンド信号を送信し、これを受けた周辺制御基板111のサブ統合MPU111aによって大入賞口LED98を制御して判別認識を実行するようにしてもよい。また、音階演出の実行制御についても同様に、主制御基板101側で音階演出実行フラグをセットして、カウントスイッチ63の球検出信号があると(大入賞口への入賞があると)、周辺制御基板111のサブ統合MPU111aに音階演出の実行コマンド信号を送信することで、音階演出を実行するようにしてもよい。但し、前述したように2R当り又は小当りのコマンド信号の受信に基づいてサブ統合MPU111aが判別認識又は音階演出を実行制御する構成とした場合には、主制御基板101側の制御負担を軽減できるので、このような構成とする方が望ましい。
次に、小当り遊技開始処理について説明する。この小当り遊技開始処理(所定利益付与手段)は、始動口53への遊技球の入賞により発生する大当り判定用乱数に基づく抽選結果が「小当り」の場合に開始される処理である。小当り遊技開始処理が開始されると、図16に示すように、主制御基板101の主制御MPU101aは、特別処理フラグが[4]であるか否かを再確認(判定)し(ステップS1901)、特別処理フラグが[4]でないと、本ルーチンを終了する。一方、特別処理フラグが[4]であることを判定すると、ステップS1902において、小当り遊技状態における大入賞口装置60の前面扉62の開放回数及び開放時間と、大入賞口への入賞の制限個数と、を初期値にセットする。具体的に、本実施形態では、抽選結果が「小当り」のときには、その開放回数が初期値として2回が予め設定されており、開放時間は0.8秒、制限個数は9個に設定されている。即ち、小当り時における大入賞口装置60の1回の開放動作は、開放開始から0.8秒が経過するか、又は9個の入賞があるかのいずれかが達成されることで終了する。そして、ステップS1902において、開放回数、開放時間、制限個数を初期値にセットし、ステップS1903へと進み、特別処理フラグを[6]に更新し、このルーチンを終了する。
次に、特別電動役物大当り制御処理(特定利益付与制御手段)について説明する。この特別電動役物大当り制御処理が開始されると、図17及び図18に示したように、主制御基板101の主制御MPU101aは、図示しないが、「大当り」における大入賞口装置60の前面扉62の開放回数をカウントするラウンドカウンタをリセットする(本実施形態では、ラウンドカウンタの値を「1」にする)。
そして、特別処理フラグが[5]であるか否かを再確認(判定)し(ステップS2001)、特別処理フラグが[5]でないと、本ルーチンを終了する。一方、特別処理フラグが[5]であることを判定すると、ステップS2002において、大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、大入賞口装置60の前面扉62を開放する大入賞口ソレノイド61がONしているか否か、つまり大入賞口ソレノイド61に対する駆動信号の出力中であるか否かを判定する。大入賞口が開放中であれば、ステップS2003へと進み、前述した大当り遊技開始処理のステップS1807又はステップS1808で設定された大入賞口の開放時間が経過したか否かを判定する。大入賞口の開放時間が経過していなければ、ステップS2004へと進み、ステップS1807又はステップS1808で設定された大入賞口への最大入賞数(制限個数)の入賞があったか否かを判定する。
ステップS2003において、大入賞口の開放時間が経過していれば、ステップS2005へと進み、大入賞口を閉鎖し、このルーチンを終了する。また、ステップS2004において、大入賞口への最大入賞数(制限個数)の入賞があった場合も、同様に、ステップS2005へ進み大入賞口を閉鎖して、このルーチンを終了する。具体的には、大入賞口ソレノイド61への駆動信号の出力を停止することで、大入賞口装置60の前面扉62を閉鎖する。一方、ステップS2004で大入賞口への最大入賞数(制限個数)の入賞がない場合は、ステップS2005へ進むことなく(大入賞口を開放したまま)、このルーチンを終了する。
また、ステップS2002において、大入賞口が開放中でなければ、ステップS2006へと進み、前述した大当り遊技開始処理のステップS1807又はステップS1808で設定された大入賞口の開放回数に達したか否かを判定する。具体的には、「大当り(15R)」のときは、大入賞口の開放を15回行ったか否か(大利益付与制御手段)、また、「大当り(2R確変)」又は「大当り(2R非確変)」の時は、大入賞口の開放を2回行ったか否かを判定する(所定利益近似付与制御手段)。大入賞口の開放回数に達していなければ、ステップS2007へと進み、大入賞口を開放し、このルーチンを終了する。具体的には、大入賞口ソレノイド61に駆動信号を出力することで、大入賞口装置60の前面扉62を開放する。一方、大入賞口の開放回数に達していれば、ステップS2008へと進み、大当りフラグをOFFし、続くステップS2009で、当該大入賞口の開放制御を行った「大当り」が確率変動機能を作動させる当選であるか否か、つまり、「大当り」が「大当り(15R)」又は「大当り(2R確変)」であるか否かを判定する。「大当り」が「大当り(15R)」又は「大当り(2R確変)」のときは、ステップS2010に進み、確率変動機能の作動(確率変動制御)を開始し(高確率状態制御手段)、次いで、ステップS2011に進み、「大当り」が「大当り(15R)」であるか否かを判定する。
ステップS2011において、「大当り」が「大当り(15R)」のときは、ステップS2012へと進み、時短機能の作動(時間短縮制御)を開始し、続くステップS2013で特別処理フラグを[0]に更新し、このルーチンを終了する。一方、ステップS2011で「大当り」が「大当り(15R)」でないとき、つまり「大当り」が「大当り(2R確変)」のときは、ステップS2014へと進み、時短機能の作動(時間短縮制御)を開始し、続くステップS2015で、時短機能作動(時間短縮制御)の規定回数(本実施形態では、50回)を設定する。そして、ステップS2013へ進み特別処理フラグを[0]に更新し、このルーチンを終了する。
また、ステップS2009において、当該大入賞口の開放制御を行った「大当り」が確率変動機能を作動させる当選でないとき、つまり、「大当り」が「大当り(2R非確変)」のときは、ステップS2016へと進み、今回の「大当り」が時短機能作動中(時間短縮制御中)の当りであるか否かを判定する。今回の「大当り」が時短機能作動中(時間短縮制御中)の当りでないときは、そのままステップS2013に進んで特別処理フラグを[0]に更新し、このルーチンを終了する。一方、今回の「大当り」が時短機能作動中(時間短縮制御中)の当りのときは、ステップS2017へと進み、時短機能の作動(時間短縮制御)を開始し、続くステップS2018で、時短機能作動(時間短縮制御)の規定回数(本実施形態では、50回)を設定する。そして、ステップS2013へ進み特別処理フラグを[0]に更新し、このルーチンを終了する。なお、時短機能(時間短縮制御)では、特別図柄の変動時間を通常の遊技状態に比べて短縮する制御と、普通電動役物(始動入賞装置41の可動片56)の開放時間を通常の遊技状態に比べて延長する制御と、の両方の制御が実行される。
また、本実施形態では、「大当り」のときには、大入賞口の開放時間が30秒であり、その開閉時間が長い。そして、大入賞口が開放状態となる1回のラウンドでは、最大9個の遊技球を入賞させることができ、大入賞口に遊技球が入賞することで、払出装置103によって12個の遊技球が払い出される。つまり1ラウンドで最大108個の遊技球を払い出すことができる。このため、抽選結果が「大当り」のときには、前述した遊技球の払い出しに期待することができ、「大当り」が抽選されることで、遊技者の興趣を高めることができる。
一方、抽選結果が「大当り(2R確変)」、「大当り(2R非確変)」、及び「小当り」のときには、「大当り」にセットされる開放時間と異なり、開放時間が約0.8秒であり、その開閉時間が短い。また、「大当り」にセットされる開放回数も異なり、開放回数が2回であり、その開放回数が少ない。従って、大入賞口装置60の前面扉62の開閉動作は、短時間にパカパカと開閉して終了する。このため、遊技者は、開閉動作に気付き難くい。また、前面扉62が開放状態のときには、大入賞口に入賞する遊技球の数が少なく、「大当り」のときと比べて遊技球の払い出しに期待することができない。
次に、特別電動役物小当り制御処理(所定利益付与制御手段)について説明する。この特別電動役物小当り制御処理は、大入賞口装置60の前面扉62の開閉動作が、「大当り(2R確変)」又は「大当り(2R非確変)」が抽選されたときに実行される大当り遊技における大入賞口装置60の前面扉62の開閉動作と同様の動作をさせる処理である。特別電動役物小当り制御処理が開始されると、図19に示したように、主制御基板101の主制御MPU101aは、図示しないが、「小当り」における大入賞口装置60の前面扉62の開放回数をカウントするラウンドカウンタをリセットする(本実施形態では、ラウンドカウンタの値を「1」にする)。
そして、特別処理フラグが[6]であるか否かを再確認(判定)し(ステップS2101)、特別処理フラグが[6]でないと、本ルーチンを終了する。一方、特別処理フラグが[6]であることを判定すると、ステップS2102において、ステップS1807又はステップS1808で設定された大入賞口への最大入賞数(制限個数)の入賞があったか否かを判定する。ステップS2004で大入賞口への最大入賞数(制限個数)の入賞がないときは、ステップS2103へと進み、大入賞口が開放中であるか否かを判定する。大入賞口が開放中でなければ、ステップS2104へと進み、大入賞口を開放し、このルーチンを終了する。一方、大入賞口が開放中であれば、ステップS2105へと進み、前述した小当り遊技開始処理のステップS1902で設定された大入賞口の開放時間が経過したか否かを判定する。大入賞口の開放時間が経過していなければ、そのまま本ルーチンを終了する。一方、大入賞口の開放時間が経過していれば、ステップS2106へと進み、大入賞口を閉鎖し、続いてステップS2107へと進み、ステップS1902で設定された大入賞口の開放回数に達したか否かを判定する。具体的には、「小当り」時の大入賞口の開放回数となる2回、大入賞口の開放を行ったか否かを判定する。大入賞口の開放回数に達していなければ、そのまま本ルーチンを終了する。一方、大入賞口の開放回数に達していれば、ステップS2108へと進み、特別処理フラグを[0]に更新し、このルーチンを終了する。
また、ステップS2102において、大入賞口への最大入賞数(制限個数)の入賞があったときは、ステップS2109へと進み、大入賞口が開放中であるか否かを判定する。大入賞口が開放中であれば、ステップS2110へと進み、大入賞口を閉鎖した後に、また、大入賞口が開放中でなければ、そのままステップS2108に進み特別処理フラグを[0]に更新し、このルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、「小当り」における大入賞口の開閉動作が前述した「大当り(2R確変)」及び「大当り(2R非確変)」における大入賞口の開閉動作と同じ、開放時間(0.8秒)及び開放回数(2回)であるため、大入賞口装置60の前面扉62の開閉動作は、短時間にパカパカと開閉して終了する。このため、遊技者は、開閉動作に気付き難くい。また、前面扉62が開放状態のときには、大入賞口に入賞する遊技球の数が少なく、「大当り」のときと比べて遊技球の払い出しに期待することができない。
次に、本実施形態のパチンコ機1における各種遊技状態での大当り及び小当りによる遊技状態の移行制御について、図24乃至図26を参照して説明する。
先ず、図24を参照して、各種遊技状態での大当り後又は小当り後に移行される遊技状態について説明する。なお、図24中では、確率変動制御及び時間短縮制御の両方の制御が次回の大当りまで継続される「高確率時短(次回大当りまで)」の状態(例えば、「大当り(15R)」終了後で次回の大当りが発生する以前の遊技状態)と、確率変動制御が次回の大当りまで継続され、時間短縮制御が所定回数まで継続される「高確率時短有(回数)」の状態(例えば、「大当り(2R確変)」終了後で所定回数の時間短縮制御が終了する以前の遊技状態)と、確率変動制御が次回の大当りまで継続され、時間短縮制御が実行されていない「高確率時短無し」の状態(例えば、「大当り(2R確変)」終了後で所定回数の時間短縮制御が終了した遊技状態)と、確率変動制御が実行されず、時間短縮制御が所定回数まで継続される「低確率時短有(回数)」の状態(例えば、「大当り(2R非確変)」終了後で所定回数の時間短縮制御が終了する以前の遊技状態)と、確率変動制御及び時間短縮制御の両方の制御が実行されていない「低確率時短無し」の状態(例えば、通常の遊技状態)と、の5種類の遊技状態を各種遊技状態として説明を行う。
大当り後に移行される遊技状態は、図24(A)に示す通りである。即ち、特別図柄表示LED51に特定図柄1が表示されて(このとき、7セグメントLEDの第2表示器46には特定図柄1と対応する「7」が表示される)「大当り(15R)」が発生した場合には、「高確率時短(次回大当りまで)」「高確率時短有(回数)」「高確率時短無し」「低確率時短有(回数)」「低確率時短無し」のいずれの状態においても、当該大当り終了後に「高確率時短(次回大当りまで)」の状態に移行する。
また、特別図柄表示LED51に特定図柄2が表示されて(このとき、7セグメントLEDの第2表示器46には特定図柄2と対応する「3」が表示される)「大当り(2R確変)」が発生した場合、「高確率時短(次回大当りまで)」「高確率時短有(回数)」「低確率時短有(回数)」の各状態では、当該大当り終了後に「高確率時短有(回数)」の状態に移行し(「高確率時短有(回数)」の状態では継続)、「高確率時短無し」「低確率時短無し」の各状態では、当該大当り終了後に「高確率時短無し」の状態に移行する(「高確率時短無し」の状態では継続)。
また、特別図柄表示LED51に非特定図柄が表示されて(このとき、7セグメントLEDの第2表示器46には非特定図柄と対応する「3」が表示される)「大当り(2R非確変)」が発生した場合、「高確率時短(次回大当りまで)」「高確率時短有(回数)」「低確率時短有(回数)」の各状態では、当該大当り終了後に「低確率時短有(回数)」の状態に移行し(「低確率時短有(回数)」の状態では継続)、「高確率時短無し」「低確率時短無し」の各状態では、当該大当り終了後に「低確率時短無し」の状態に移行する(「低確率時短無し」の状態では継続)。
一方、小当り後に移行される遊技状態は、図24(B)に示す通りである。即ち、「小当り」が発生した場合、「高確率時短(次回大当りまで)」「高確率時短有(回数)」「高確率時短無し」「低確率時短有(回数)」「低確率時短無し」のいずれの状態においても、当該小当り終了後、変化がなく各種遊技状態が継続される。但し、「高確率時短有(回数)」「低確率時短有(回数)」の各状態では、時間短縮制御の残り回数が持ち越される。即ち、小当り発生以前の時間短縮制御の残り回数から遊技が再開される。
次に、図25を参照して、各種遊技状態での大当り後又は小当り後の時間短縮制御について説明する。なお、図25中では、「高確率/時短(開放延長)中」の状態、「高確率/時短(開放延長)回数消化中」の状態、「高確率/時短(開放延長)無し」の状態、「低確率/時短(開放延長)回数消化中」の状態、「低確率/時短(開放延長)無し」の状態、の5種類の遊技状態を各種遊技状態として説明を行う。
「大当り(15R)」が発生した場合には、図25(A)に示すように、「高確率/時短(開放延長)中」「高確率/時短(開放延長)回数消化中」「高確率/時短(開放延長)無し」「低確率/時短(開放延長)回数消化中」「低確率/時短(開放延長)無し」のいずれの状態においても、当該大当り終了後、「高確率/時短(開放延長)中」となり、時間短縮制御は、次の大当りが発生するまで継続される。
また、「大当り(2R確変)」が発生した場合には、図25(B)に示すように、「高確率/時短(開放延長)中」「高確率/時短(開放延長)回数消化中」「低確率/時短(開放延長)回数消化中」の各状態では、当該大当り終了後に「高確率/時短(開放延長)50回消化中」となり、50回の時間短縮制御が終了すると、それ以降「高確率/時短(開放延長)無し」となる。「高確率/時短(開放延長)無し」「低確率/時短(開放延長)無し」の各状態では、当該大当り終了後に「高確率/時短(開放延長)無し」となる。
また、「大当り(2R非確変)」が発生した場合には、図25(C)に示すように、「高確率/時短(開放延長)中」「高確率/時短(開放延長)回数消化中」「低確率/時短(開放延長)回数消化中」の各状態では、当該大当り終了後に「高確率/時短(開放延長)50回消化中」となり、50回の時間短縮制御が終了すると、それ以降「低確率/時短(開放延長)無し」となる。「高確率/時短(開放延長)無し」「低確率/時短(開放延長)無し」の各状態では、当該大当り終了後に「低確率/時短(開放延長)無し」となる。
また、「小当り」が発生した場合には、図25(D)に示すように、「高確率/時短(開放延長)中」「高確率/時短(開放延長)回数消化中」「高確率/時短(開放延長)無し」「低確率/時短(開放延長)回数消化中」「低確率/時短(開放延長)無し」のいずれの状態においても、当該小当り終了後、変動前(小当り以前)の状態を継続する。即ち、小当りによって遊技状態に変化は起きず、「高確率/時短(開放延長)回数消化中」「低確率/時短(開放延長)回数消化中」の各状態では、小当り発生以前の時間短縮制御の残り回数から遊技が再開される。
次に、図26を参照して、各種遊技状態での大当り後又は小当り後の状態演出装置50の表示について説明する。なお、図26中では、状態演出装置50の指示部82aが点灯する「天国」表示LED86を指し示す「天国位置」の状態、状態演出装置50の指示部82aが白色点灯する16回表示LED87を指し示し、確率変動制御が実行される開放延長期間中となる「チャンス位置(開放延長期間中)」の状態、状態演出装置50の指示部82aがオレンジ色点灯する16回乃至1回のいずれかの表示LED87を指し示し、確率変動制御が実行される開放延長期間中となる「カウントダウン演出中(開放延長期間中)」の状態、状態演出装置50の指示部82aがオレンジ色点灯する16回乃至1回のいずれかの表示LED87を指し示し、確率変動制御が実行されていない「カウントダウン演出中」の状態、状態演出装置50の指示部82aが消灯した1回表示LED87を指し示す「通常位置」の状態、の5種類の遊技状態を各種遊技状態として説明を行う。
「大当り(15R)」が発生した場合には、図26(A)に示すように、「天国位置」「チャンス位置(開放延長期間中)」「カウントダウン演出中(開放延長期間中)」「カウントダウン演出中」「通常位置」のいずれの状態においても、当該大当り終了後、状態演出装置50の指示部82aが点灯する「天国」表示LED86を指し示す「天国位置」となる。
また、「大当り(2R確変)」が発生した場合には、図26(B)に示すように、「天国位置」「チャンス位置(開放延長期間中)」「カウントダウン演出中(開放延長期間中)」の各状態では、当該大当り終了後に「天国位置」となり、34回の時間短縮制御が終了して残り16回の時間短縮制御となると、消化された時間短縮制御の回数を示す表示LED87を順次消灯していくと共に、残り最大回数の表示LED87を指し示すように状態演出装置50の指示部82aが移動するカウントダウン演出が開始され、50回全ての時間短縮制御が終了すると、状態演出装置50の指示部82aが消灯した1回表示LED87を指し示す「通常位置」となる。「カウントダウン演出中」「通常位置」の各状態では、当該大当り終了後に消化された時間短縮制御の回数を示す表示LED87を順次消灯していくと共に、残り最大回数の表示LED87を指し示すように状態演出装置50の指示部82aが移動するカウントダウン演出が開始され、16回の時間短縮制御が終了すると、状態演出装置50の指示部82aが消灯した1回表示LED87を指し示す「通常位置」となる。
また、「大当り(2R非確変)」が発生した場合には、図26(C)に示すように、「天国位置」「チャンス位置(開放延長期間中)」「カウントダウン演出中(開放延長期間中)」の各状態では、当該大当り終了後に「天国位置」となり、34回の時間短縮制御が終了して残り16回の時間短縮制御となると、消化された時間短縮制御の回数を示す表示LED87を順次消灯していくと共に、残り最大回数の表示LED87を指し示すように状態演出装置50の指示部82aが移動するカウントダウン演出が開始され、50回全ての時間短縮制御が終了すると、状態演出装置50の指示部82aが消灯した1回表示LED87を指し示す「通常位置」となる。「カウントダウン演出中」「通常位置」の各状態では、当該大当り終了後に消化された時間短縮制御の回数を示す表示LED87を順次消灯していくと共に、残り最大回数の表示LED87を指し示すように状態演出装置50の指示部82aが移動するカウントダウン演出が開始され、16回の時間短縮制御が終了すると、状態演出装置50の指示部82aが消灯した1回表示LED87を指し示す「通常位置」となる。
また、「小当り」が発生した場合には、図26(D)に示すように、「天国位置」「チャンス位置(開放延長期間中)」「カウントダウン演出中(開放延長期間中)」の各状態では、当該小当り終了後、変動前(小当り以前)の状態を継続する。即ち、小当りによって遊技状態に変化は起きず、「天国位置」「チャンス位置(開放延長期間中)」「カウントダウン演出中(開放延長期間中)」の各状態では、小当り発生以前の時間短縮制御の残り回数から遊技が再開される。「カウントダウン演出中」「通常位置」の各状態では、当該大当り終了後に消化された時間短縮制御の回数を示す表示LED87を順次消灯していくと共に、残り最大回数の表示LED87を指し示すように状態演出装置50の指示部82aが移動するカウントダウン演出が開始され、16回の時間短縮制御が終了すると、状態演出装置50の指示部82aが消灯した1回表示LED87を指し示す「通常位置」となる。
次に、大入賞口装置60の下方に配置された大入賞口LED98の動作について図27乃至図30を参照して説明する。図27(A)は通常時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートであり、図27(B)は通常時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートであり、図28(A)は通常時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートであり、図28(B)は通常時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートであり、図29(A)は時短時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートであり、図29(B)は時短時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートであり、図30(A)は時短時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートであり、図30(B)は時短時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときの大入賞口LED98の動作を示すタイムチャートである。
先ず、図27(A)を参照して、通常時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作について説明する。図27(A)において、特別図柄の変動が終了して2R当りの大当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行される。そして、この前面扉62の開放時に遊技球が大入賞口装置60内に入賞してカウントスイッチ63で検出されると、当該検出に基づいて大入賞口LED98の変動表示(具体的には、大入賞口LED98を構成する7セグメントLEDの各セグメントがランダムに点灯/消灯される)が開始され、大当り遊技状態の終了直前に大入賞口LED98の変動表示が終了する。
また、このとき、大入賞口装置60の開放動作の終了時点から大当り遊技状態の終了時点までの期間内で各スピーカ14,29(特典付与推測手段、高確率状態推測手段、判定推測手段、音発生手段)から「ド,レ,ミ,・・・」の音階が発せられて音階演出が実行される(推測制御手段、判定推測制御手段)。この音階演出は、当該大当りが確率変動制御を伴う大当りであるか否か、即ち「大当り(2R確変)」であるか「大当り(2R非確変)」であるかを予告する演出である。具体的には、「ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ,ド」までの音階が発せられたときには、ほぼ100%の確率で「大当り(2R確変)」である旨を遊技者に予告する(以下、これを超高期待予告ともいう)。「ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ」までの音階が発せられたときには、ほぼ60%の確率で「大当り(2R確変)」である旨を遊技者に予告する(以下、これを高期待予告ともいう)。「ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ」までの音階が発せられたときには、ほぼ40%の確率で「大当り(2R確変)」である旨を遊技者に予告する(以下、これを中期待予告ともいう)。「ド,レ,ミ,ファ,ソ」までの音階が発せられたときには、ほぼ100%の確率で「大当り(2R非確変)」である旨を遊技者に予告する(以下、これを低期待予告ともいう)。なお、音階演出において、超高期待予告、高期待予告、中期待予告、低期待予告、の選択は、予告判定テーブルを参照する乱数抽出に基づいて実行される。但し、予告判定テーブルは、大当りが「大当り(2R確変)」となる場合、低期待予告は選択せず、大当りが「大当り(2R非確変)」となる場合、超高期待予告は選択しない設定となっている。
次に、図27(B)を参照して、通常時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作について説明する。図27(B)において、特別図柄の変動が終了して小当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行される。そして、この前面扉62の開放時に遊技球が大入賞口装置60内に入賞してカウントスイッチ63で検出されても、大入賞口LED98の変動表示は実行されない。即ち、通常時において大入賞口装置60への入賞があるときは、2R当りと小当りとで大入賞口LED98の変動表示の実行の有無が異なる。2R当りの場合は、大入賞口装置60への入賞があると、これに伴って大入賞口LED98の変動表示が実行されるが、小当りの場合は、大入賞口装置60への入賞があっても、大入賞口LED98の変動表示が実行されない。このため、通常時では、大入賞口装置60内に遊技球を入賞させることで、当該大入賞口装置60の開放が2R当りによるものなのか、あるいは小当りによるものなのかが判別できるようになっている。
また、このとき、大入賞口装置60の開放動作の終了時点から小当り遊技状態の終了時点までの期間内で各スピーカ14,29(高確率状態推測手段、状態推測手段、音発生手段)から「ド,レ,ミ,・・・」の音階が発せられて音階演出が実行される(推測制御手段、状態推測制御手段)。この音階演出は、現在の遊技状態が確率変動制御中であるか否かを遊技者に認識させる演出である。具体的には、「ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ,ド」までの音階が発せられたときには、ほぼ100%の確率で確率変動制御中である旨を遊技者に認識させる(以下、これを超高信頼度報知ともいう)。「ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ,シ」までの音階が発せられたときには、ほぼ60%の確率で確率変動制御中である旨を遊技者に認識させる(以下、これを高信頼度報知ともいう)。「ド,レ,ミ,ファ,ソ,ラ」までの音階が発せられたときには、ほぼ40%の確率で確率変動制御中である旨を遊技者に認識させる(以下、これを中信頼度報知ともいう)。「ド,レ,ミ,ファ,ソ」までの音階が発せられたときには、ほぼ100%の確率で確率変動制御中でない旨を遊技者に認識させる(以下、これを低信頼度報知ともいう)。なお、音階演出において、超高信頼度報知、高信頼度報知、中信頼度報知、低信頼度報知、の選択は、報知判定テーブルを参照する乱数抽出に基づいて実行される。但し、報知判定テーブルは、確率変動制御中のときは、低信頼度報知は選択せず、確率変動制御中でないときは、超高信頼度報知は選択しない設定となっている。
次に、図28(A)を参照して、通常時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときの大入賞口LED98の動作について説明する。図28(A)において、特別図柄の変動が終了して2R当りの大当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行される。そして、この前面扉62の開放時に遊技球が大入賞口装置60内に入賞することなくカウントスイッチ63での遊技球の検出がないと、大入賞口LED98の変動表示及び各スピーカ14,29による音階演出は実行されない。また、図28(B)に示すように、通常時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときも、これと同様に、特別図柄の変動が終了して小当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行されるが、遊技球が大入賞口装置60内に入賞することなくカウントスイッチ63での遊技球の検出がないと、大入賞口LED98の変動表示及び各スピーカ14,29による音階演出は実行されない。即ち、通常時において大入賞口装置60への入賞がないときは、2R当りと小当りとで同様に、大入賞口LED98の変動表示を実行しないため、大入賞口装置60の開放が2R当りによるものなのか、あるいは小当りによるものなのかが判別できないようになっている。
次に、図29(A)を参照して、時短時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作について説明する。図29(A)において、特別図柄の変動が終了して2R当りの大当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行される。そして、この前面扉62の開放時に遊技球が大入賞口装置60内に入賞してカウントスイッチ63で検出されると、当該検出に基づいて大入賞口LED98の変動表示が開始され、大当り遊技状態の終了直前に大入賞口LED98の変動表示が終了する。また、このとき、大入賞口装置60の開放動作の終了時点から大当り遊技状態の終了時点までの期間内で各スピーカ14,29から「ド,レ,ミ,・・・」の音階が発せられて音階演出が実行され、当該大当りが「大当り(2R確変)」であるか「大当り(2R非確変)」であるかを予告する。
次に、図29(B)を参照して、時短時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときの大入賞口LED98の動作について説明する。図29(B)において、特別図柄の変動が終了して小当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行される。そして、この前面扉62の開放時に遊技球が大入賞口装置60内に入賞してカウントスイッチ63で検出されても、大入賞口LED98の変動表示は実行されない。即ち、時短時において大入賞口装置60への入賞があるときは、2R当りと小当りとで大入賞口LED98の変動表示の実行の有無が異なる。2R当りの場合は、大入賞口装置60への入賞があると、これに伴って大入賞口LED98の変動表示が実行されるが、小当りの場合は、大入賞口装置60への入賞があっても、大入賞口LED98の変動表示が実行されない。このため、時短時では、大入賞口装置60内に遊技球を入賞させることで、当該大入賞口装置60の開放が2R当りによるものなのか、あるいは小当りによるものなのかが判別できるようになっている。
なお、時短時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞があるときでも、大入賞口装置60の開放動作の終了時点から小当り遊技状態の終了時点までの期間内で各スピーカ14,29から「ド,レ,ミ,・・・」の音階が発せられて音階演出が実行される。また、図示しないが、時短時に小当りとなった場合、大入賞口装置60への入賞の有無に関わらず、当該小当り遊技状態中に可動装飾体43が動くようになっている(例えば、可動装飾体43の回転動作及び上下動作)。従って、時短時に大入賞口装置60が開放する場合、これに伴って可動装飾体43が動くか否かによっても2R当りであるか小当りであるかが判別可能となっている。
次に、図30(A)を参照して、時短時に2R当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときの大入賞口LED98の動作について説明する。図30(A)において、特別図柄の変動が終了して2R当りの大当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行される。そして、この前面扉62の開放時に遊技球が大入賞口装置60内に入賞することなくカウントスイッチ63での遊技球の検出がないと、大入賞口LED98の変動表示及び各スピーカ14,29による音階演出は実行されない。また、図30(B)に示すように、時短時に小当りとなって大入賞口装置60への入賞がないときも、これと同様に、特別図柄の変動が終了して小当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(前面扉62)の開放動作が2回繰り返して実行されるが、遊技球が大入賞口装置60内に入賞することなくカウントスイッチ63での遊技球の検出がないと、大入賞口LED98の変動表示及び各スピーカ14,29による音階演出は実行されない。即ち、時短時において大入賞口装置60への入賞がないときは、2R当りと小当りとで同様に、大入賞口LED98の変動表示を実行しないため、大入賞口装置60の開放が2R当りによるものなのか、あるいは小当りによるものなのかが判別できないようになっている。
以上のように、本実施形態の構成によれば、2R当りによる大入賞口装置60の開放動作であるか、又は小当りによる大入賞口装置60の開放動作であるかを遊技者に判別可能に認識させる大入賞口LED98を備え、カウントスイッチ63による遊技球の検出に基づいて大入賞口LED98を制御すると共に、2R当り時にカウントスイッチ63が遊技球を検出したときと、小当り時にカウントスイッチ63が遊技球を検出したときと、で大入賞口LED98の制御態様を異ならせた。これにより、2R当り又は小当りにより大入賞口装置60の開放動作が行われる場合、当該開放動作中に大入賞口装置60に遊技球が入賞すると、カウントスイッチ63による遊技球の検出に基づいて大入賞口LED98を2R当り及び小当り毎で異なった態様で制御することで、当該開放動作が2R当りによるものなのか、あるいは小当りによるものなのかを遊技者に判別可能に認識させることができる。このため、当り(大当り及び小当り)の設定を多様化した上で当りの種類を遊技者の努力によって判別可能にすることができ、ひいては遊技に対する興趣を低減することがない。
また、この構成によれば、当り確定時に当該当りの種類を明確に遊技者に報知する構成とは違い、当り確定後の大入賞口装置60の開放動作の開始以降に判別可能に認識させるため、当り確定後における遊技の興趣を高めることができる。さらには、開放動作中に遊技球が大入賞口装置60に入賞しないときには、大入賞口LED98の制御が実行されないため、当り種類の判別ができない。このため、当り種類を判別したいと思う遊技者に対しては、数個の遊技球が精々入賞できるだけの開放動作中に必死に遊技球を打ち込む操作をさせることができ、遊技性を高めることができる。一方、当りの種類を判別させずに、その後の遊技状態が確定できない状態で緊張感を持って遊技を行いたいと思う遊技者に対しては、開放動作中に遊技球を大入賞口装置60に入賞させなければ、当り種類を判別させることなく遊技を継続させることができる。
また、大当り遊技状態を発生する判定がなされたことを条件に、大当りを判定する割合(例えば、大当り判定乱数に設定される当り値の割合)が高い高確率状態に制御(確率変動制御)するか否か判定すると共に、高確率状態に制御すると判定したときに、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御する。これにより、大当り遊技状態に制御して特定の利益を付与する構成において、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御する場合と、高確率状態に制御しない場合とを設定することができ、ひいては当り種類を多様化することで、遊技の興趣を低下することがない。
また、2R当りにより行われる開放動作時にカウントスイッチ63によって遊技球が検出されるとこれに基づいて高確率状態に制御する判定がなされたか否かを遊技者に推測させる。これにより、大入賞口装置60への入賞によって、大入賞口装置60の開放動作が特定の利益として実行されたか、又は所定の利益として実行されたかの判別に加えて、特定の利益が判別された場合には、これに伴って高確率状態に制御する判定がなされたか否かが推測可能となり、遊技状態を推測するという楽しみが加わることで、遊技の興趣が低下しない。
また、小当りにより行われる開放動作時にカウントスイッチ63によって遊技球が検出されるとこれに基づいて遊技状態が高確率状態中であるか否かを遊技者に推測させる。これにより、大入賞口装置60への入賞によって、大入賞口装置60の開放動作が特定の利益として実行されたか、又は所定の利益として実行されたかの判別に加えて、所定の利益が判別された場合には、これに伴って現在の遊技状態が高確率状態中であるか否かが推測可能となり、遊技状態を推測するという楽しみが加わることで、遊技の興趣が低下しない。
また、大入賞口LED98は、判別情報(7セグメント)の変動表示が可能な情報表示手段から構成され、2R当りにより行われる開放動作時にカウントスイッチ63が遊技球を検出すると、判別情報の変動表示を実行する一方、小当りにより行われる開放動作時にカウントスイッチ63が遊技球を検出しても、判別情報の変動表示を実行しない制御を行う。これにより、大入賞口装置60の開放動作中に遊技球が入賞して判別情報の変動表示が実行されたときには、大当り遊技状態が発生して特定の利益として大入賞口装置60の開放動作が実行されたことが判別でき、大入賞口装置60の開放動作中に遊技球が入賞しても判別情報の変動表示が実行されないときには、大当り遊技状態が発生することなく所定の利益として大入賞口装置60の開放動作が実行されたことが判別できる。
また、高確率状態に制御する判定がなされたときに、第1の判定推測態様としてスピーカ14,29から所定段階まで音階を発生させる一方、高確率状態に制御する判定がなされなかったときに、第2の判定推測態様としてスピーカ14,29から所定段階以前の音階を発生させる。これにより、大入賞口装置60への入賞に伴ってスピーカ14,29から所定段階まで音階が発生されたときには、高確率状態に制御する旨を遊技者に推測させる一方、大入賞口装置60への入賞に伴ってスピーカ14,29から所定段階以前の音階が発生されたとき、言い換えれば所定段階まで音階が発生されなかったときには、高確率状態に制御しない旨を遊技者に推測させる。このため、音階が所定段階まで発生されるか否かの演出によって遊技者に緊張感を持たせることができる。
また、高確率状態に制御されているときに、第1の状態推測態様としてスピーカ14,29から所定段階まで音階を発生させる一方、高確率状態に制御されていないときに、第2の状態推測態様としてスピーカ14,29から所定段階以前の音階を発生させる。これにより、大入賞口装置60への入賞に伴ってスピーカ14,29から所定段階まで音階が発生されたときには、高確率状態の制御中である旨を遊技者に推測させる一方、大入賞口装置60への入賞に伴ってスピーカ14,29から所定段階以前の音階が発生されたとき、言い換えれば所定段階まで音階が発生されなかったときには、高確率状態の制御中でない旨を遊技者に推測させる。このため、音階が所定段階まで発生されるか否かの演出によって遊技者に緊張感を持たせることができる。