上述したように、遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央処理装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板(制御装置)を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、制御基板を不正に取り外して当該基板のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)
を交換し遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等、制御基板に対しての不正行為が数多く報告されており、各種の不正対策が検討されている。例えば、基板ボックスに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を持たせて、基板ボックスの開封時には破壊等による開封履歴(開封の痕跡)を残すようにする等の不正対策が採用されている(例えば特許文献1参照)。
一般的に、封印構造を備える基板ボックスは、制御基板を収容するボックスベースと、ボックスベースの開口部を閉塞するボックスカバーと、ボックスベースに設けられたベース側連結部と、ボックスカバーに設けられたカバー側連結部とを備えている。そして、ボックスベースとボックスカバーとを組付けると、ベース側連結部に形成された係止凹部とカバー側連結部に形成された係止孔とが位置合わせされ、係止孔を介して係止凹部に対し、返しの付いたピンや、破断ねじ、ワンウェイねじ等といったカシメ部材を差込むことで、ボックスベースとボックスカバーとが連結される構成となっている。破断ねじとは、ドライバ等の工具が係合される工具係合部(十字溝等)が形成された部位を螺着後に除去することのできる特殊ねじである。また、ワンウェイねじとは、ドライバ等の工具が締め付け方向(ねじ込み方向)にのみ係合される工具係合部をねじ頭部に形成したものであり、ねじを緩める方向にドライバ等の工具を回転させると、当該工具が空回りすることで外すことができない特殊ねじである。
従って、係止孔及び係止凹部に差込まれたカシメ部材は、ベース側連結部及びカバー側連結部のうち少なくとも一方側を破壊(除去)しない限り取外し不能となる。つまり、基板ボックスを開封する際には、基板ボックスに対して所定の痕跡が形成されることから、不正開封された場合には、早期に且つ容易に発見することができる。
しかしながら、上記の構成を有する基板ボックスを2つ用意し、そのうちの一方の基板ボックスに関しては、カバー側連結部を破壊することで当該基板ボックスを開封し、他方の基板ボックスに関しては、ベース側連結部を破壊することで当該基板ボックスを開封した場合、それぞれ無傷の(開封の痕跡のない)ボックスベース及びボックスカバーを得ることができる。
例えば、ベース側連結部を破壊して、カバー側連結部からカシメ部材の頭部等を抜き取れば、無傷のボックスカバーを容易に得ることができる。一方、ボックスベースの取得に関しては、破断ねじやワンウェイねじなどをカシメ部材として用いた場合でも、カバー側連結部を破壊する等して、ベース側連結部に残されたねじの一部をプライヤー等の工具により挟持して回せば、取り外すことが可能となる。返しピンなどを用いた場合には、その一部をプライヤー等の工具により挟持さえできれば、容易に引き抜くことができる。このようにして、カシメ部材の取り外された無傷のボックスベース及びボックスカバーを2つの基板ボックスから得ることができる。
このようにして得たボックスベース及びボックスカバーに不正な制御基板を収容し、基板ボックスごと交換するといった不正行為が行われた場合には、外観上、制御基板が取り替えられたことが分からなくなり、当該不正行為の発見が非常に困難となる。
なお、上記課題は、パチンコ機に限らず、同様の基板ボックスを有する他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、開封の痕跡をより確実に残すことのできる基板ボックスを備えた遊技機を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.制御基板と、当該制御基板を収容する基板ボックスと、前記基板ボックスを封印する封印手段とを備えた遊技機であって、
前記封印手段は、
前記基板ボックスを構成するボックスベース及びボックスカバーのうちの一方に設けられた第1連結部と、他方に設けられた第2連結部とを、連結部材を用いて連結状態とするにあたり、
当該連結部材が、前記第2連結部を通して前記第1連結部へ挿し込まれ、当該第1連結部において係止されることによって、前記両連結部を連結状態としつつ抜き取り不能となる構成であって、
前記第1連結部においては、前記連結部材と、当該連結部材の挿し込み方向と交差して挿し込まれる保持部材とが互いに交差して係合することにより、当該連結部材及び保持部材がそれぞれ前記第1連結部から抜き取り不能となることを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、第1連結部において連結部材及び保持部材が互いに交差して係合することにより、第1連結部から抜き取り不能となっている。このため、第2連結部側を破壊する等したとしても、第1連結部を破壊する等しない限り、連結部材及び保持部材を取外すことができない。
仮にボックスベースに第1連結部を備え、ボックスカバーに第2連結部を備えた本手段1の構成を有する基板ボックスにおいて、ボックスベース側の第1連結部を破壊して基板ボックスを開封した場合には、ボックスカバー側の第2連結部から連結部材の残りを取り外し、無傷のボックスカバーを得ることができる場合もある。しかし、ボックスカバー側の第2連結部を破壊して基板ボックスを開封した場合には、ボックスベース側の第1連結部を破壊する等しない限り、第1連結部から連結部材及び保持部材を取り外すことができず、無傷のボックスベースを得ることはできない。勿論、ボックスベースに第2連結部を備え、ボックスカバーに第1連結部を備えた構成においても同様のことが言える。つまり、仮に本手段1の構成を有する基板ボックスを2つ用意した場合でも、ボックスベース及びボックスカバーの両方を、開封の痕跡を残すことなく、無傷で得ることはできない。換言すれば、基板ボックスの開封の痕跡をより確実に残すことができ、ひいては基板ボックスごと交換するといった不正行為などを抑制することができる。
なお、遊技機における上記「制御基板」としては、「遊技に関する所定の制御を司る制御基板」の1つである、例えば「主基板(主制御基板)」、「払出制御基板」、「表示制御基板」など種々の制御基板が例として挙げられるが、このうち、遊技者の利益に直接的に影響を及ぼす、すなわち遊技価値の付与(賞球の払出し等)に関する制御を司る「主基板」や「払出制御基板」等の封印構造に上記封印構造を採用すれば、特に上記作用効果が奏効する。
また、連結部材や保持部材が「抜き取り不能」とは、上述しているように、例えば第1連結部を破壊する等しない限り、連結部材や保持部材を取外すことができないこと、連結部材及び保持部材の係合状態の解除操作を行えないこと等を意味する。
手段2.前記連結部材の挿し込み方向と、前記保持部材の挿し込み方向とが直交していることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
上記手段2によれば、連結部材と保持部材とが互いの抜け方向に対し互いに直交して規制しあうため、双方がより確実に第1連結部から抜き取り不能となり、上記不正行為の抑止効果をさらに高めることができる。
手段3.前記連結部材と前記保持部材とが互いに抜き取り不能に係合することを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、両者の係合状態がより安定し、より確実に第1連結部から抜き取り不能となるため、上記不正行為の抑止効果をさらに高めることができる。例えば棒状の連結部材を平板状の保持部材の孔部に挿し込み、連結部材に設けられたくびれ部に保持部材の孔部周縁が嵌合し、両者が係合される構成例などが挙げられる。
手段4.前記連結部材又は前記保持部材の一方を他方に挿し込むことで、他方の部材の一部が変形し、当該部位が係止部として一方の部材の抜け方向への動きを規制した状態となることで、前記連結部材と前記保持部材とが互いに抜き取り不能に係合することを特徴とする手段3に記載の遊技機。
上記手段4によれば、例えば棒状の連結部材を平板状の保持部材の孔部に挿し込むことで、保持部材の孔部周縁が不可逆的に変形し、当該部位が係止部(係止爪)として連結部材のくびれ部にて当該連結部材の抜け方向への動きを規制した状態で係合する。結果として、上記手段3の作用効果をさらに高めることができる。
手段5.前記第1連結部は、前記連結部材が挿し込まれる挿込穴と、前記連結部材の挿し込み方向と交差して設けられた横孔部とを有し、
前記第2連結部は、前記挿込穴に連通する挿通孔を有し、
前記連結部材が前記挿通孔を通して前記挿込穴へ挿し込まれ、かつ、前記保持部材が前記横孔部に挿し込まれた状態で、前記連結部材と前記保持部材とが互いに交差して係合することを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、連結部材と保持部材とが互いに開口部の異なる孔部(又は穴部)に挿し込まれた状態で係合されるため、両者の係合状態を解除することが困難となる。なお、上記「穴」とは非貫通の「凹部」を指し、上記「穴」には貫通した「孔(孔部)」は含まれない。
手段6.前記連結部材及び前記保持部材は、前記第1連結部又は前記第2連結部の表面と面一又は当該表面より没入した状態で収容されることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段6によれば、連結部材及び保持部材の双方が没入等した状態となるため、例えば、連結部材及び保持部材の一部をそれぞれ工具等により挟持しつつ捻る等して破断させるといった行為が困難となり、結果として、上記不正行為の抑止効果をさらに高めることができる。
手段7.前記封印手段を少なくとも2つ用いるとともに、一方の封印手段においては、前記第1連結部を前記ボックスベースに設けかつ前記第2連結部を前記ボックスカバーに設け、他方の封印手段においては、前記第1連結部を前記ボックスカバーに設けかつ前記第2連結部を前記ボックスベースに設けたことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段7によれば、1組の封印手段を用いるとともに、一方の封印手段においては、第1連結部をボックスベースに設けかつ第2連結部をボックスカバーに設け、他方の封印手段においては、第1連結部をボックスカバーに設けかつ第2連結部をボックスベースに設けている。このため、1組の封印手段それぞれにおいて、少なくとも第1連結部又は第2連結部のいずれか共通の連結部を破壊する等しなければ、基板ボックスを開封することができない。つまり、ボックスベース及びボックスカバーの双方に開封の痕跡が残る。結果として、上記不正行為の抑止効果をさらに高めることができる。
手段8.前記第2連結部において、前記連結部材と、当該連結部材の挿し込み方向と交差して挿し込まれる第2の保持部材とが互いに交差して係合することにより、当該連結部材及び第2の保持部材がそれぞれ前記第2連結部から抜き取り不能となることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段8によれば、連結部材が第2連結部に対しても抜き取り不能となるため、上記不正行為の抑止効果をさらに高めることができる。なお、第2の保持部材に関しては、上記保持部材と同様の構成を採用することができる。従って、上記手段2乃至6に記載した構成を、上記手段8に記載の第2の保持部材と連結部材との関係においても同様に従属構成として採用することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
〔第1実施形態〕
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)70の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19が遊技球で一杯になった状態では、払出される遊技球は下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置70及び当該発射装置70より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置70としてソレノイド式発射装置を採用している。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、後述する各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、上入賞口33a及び下入賞口33bを備えるとともに、下入賞口33bに対応して一対の開閉部材33cを備えている。これにより、上入賞口33aが遊技球が常時入球可能な開状態となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技球が入球不能な閉状態と、遊技球が入球可能な開状態とに切換わる。例えば、下入賞口33bは、通常モード時には開閉部材33cが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球の入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。また、上記構成に代えて、下入賞口33bが、遊技球が入球困難な閉状態と、遊技球が前記閉状態より入球容易な開状態とに切換わる構成としてもよい。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に色換え表示(変動表示)が行われ、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯色)により、大当たりか否かが確定的に表示される。
より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。大当たり抽選に当選した場合には、この際、赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)され、特別遊技状態が発生する。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが時間短縮モードであることを示す表示である。なお、この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。具体的には、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置70から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる球通路71が設けられている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の背面側には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置70から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿19に通じる通路と、球通路71ひいては下皿15に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、球通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板搭載ユニット701が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、その正面図(図7)及び断面図(図8)に示すように、主制御装置(主基板)261の裏側及び周囲を覆うボックスベース263aと、当該ボックスベース263aの開口部を覆うボックスカバー263bとを組付けることにより、全体として左右に長い略直方体形状をなす。なお、図8は、図7のK−K線部分断面図であるが、後述するかしめピン267に関しては、便宜上、その外観を示している(以降の他の断面図に関しても同様)。主基板(主制御装置)261が本実施形態における制御基板に相当する。従って、基板ボックス263が本実施形態における基板ボックスに相当する。
これらボックスベース263aとボックスカバー263bは、主制御装置261を収容した後、封印手段としての封印ユニット264によって連結される。こうすることにより、基板ボックス263を封印状態とできる。
以下、かかる封印ユニット264について図面を参照して詳しく説明する。本実施形態では、基板ボックス263の左右側部にそれぞれ4つずつ、計8個の封印ユニット264が設けられている。
本実施形態の各封印ユニット264は、ボックスベース263a又はボックスカバー263bの一方に形成される第1連結部265と、他方に形成される第2連結部266とを、連結保持手段たるかしめピン267及び係止片268を用いて連結することにより、封印状態となる。かしめピン267が本実施形態における連結部材を構成し、係止片268が保持部材を構成する。
第1連結部265は、かしめピン267が挿し込まれる挿込穴271を備えた有底の略円筒形状をなす。当該第1連結部265の開口側に組付けられる第2連結部266には、前記挿込穴271に連通する挿通孔272が貫通形成されている。そして、かしめピン267が、第2連結部266側から挿通孔272を介して第1連結部265の挿込穴271に挿し込まれることとなる。
但し、基板ボックス263正面から見て左側部に設けられる4つの封印ユニット264(以下、便宜上タイプAという)と、右側部に設けられる4つの封印ユニット264(以下、便宜上タイプBという)とでは、かしめピン267を挿し込む向きが異なる。
より詳しくは、タイプAの各封印ユニット264では、第1連結部265が第1切離部273を介してボックスベース263aに一体形成され、第2連結部266が第2切離部274を介してボックスカバー263bに一体形成されている。これに対し、タイプBの各封印ユニット264では、第1連結部265が第1切離部273を介してボックスカバー263bに一体形成され、第2連結部266が第2切離部274を介してボックスベース263aに一体形成されている。従って、タイプAの各封印ユニット264では、基板ボックス263正面側(ボックスカバー263b側)からかしめピン267を挿し込むのに対し、タイプBの各封印ユニット264では、基板ボックス263裏面側(ボックスベース263a側)からかしめピン267を挿し込むこととなる。
第1切離部273及び第2切離部274はそれぞれ第1連結部265や第2連結部266に比較してより薄肉に形成されており、両連結部265,266が当接し連結状態にある場合においても、両切離部273,274間には隙間が形成される。この隙間が形成されることにより、後述するような基板ボックス263の開封の際に、この隙間にニッパ等の工具の刃先が入り込むことができるため、各切離部273,274を個別にかつ容易に切断することができる。
各連結部265,266や各切離部273,274が樹脂材料により形成されるのに対し、封印ユニット264に挿し込まれるかしめピン267は、ステンレス鋼材等の金属材料により形成される。図9に示すように、かしめピン267は、所定の軸線C1方向に沿って延びる円柱形状の軸部267aと、当該軸部267aの基端側(図9上側)にて当該軸部267aよりも大径の頭部267bとを備える。
また、軸部267aの先端側(図9下側)には、先端部近傍、すなわち先端部よりやや基端側寄りの位置において、軸部267a周方向に沿って嵌合溝267cが形成されている。当該嵌合溝267cが形成されることによって、軸部267aの先端は係止部267dとなる。係止部267dの先端側周囲には、挿込穴271等への挿入を容易とするため、テーパ状の面取り部267eが形成されている。嵌合溝267cが形成された部位が係止片268(保持部材)に対応するかしめピン267のくびれ部を構成する。
かしめピン267と係り合う係止片268は、かしめピン267同様、ステンレス鋼材等の金属材料により形成されている。
図10に示すように、本実施形態における係止片268は、小判型の形状をなすとともに、かしめピン267の先端部(係止部267d)が挿し込まれる円形状の孔部268aを有する。この孔部268aの内径は、かしめピン267の軸部267aの一般部の外径よりも小径、概ね嵌合溝267cが形成された部分の軸部267aの径と等しく設定されている。また、孔部268aの周縁部には、当該孔部268aの中心から放射状に延びる複数の切込み部268bが形成されることによって、複数の舌状片268cが形成されている。これにより、孔部268aの周縁部は弾性変形しやすくなり、かしめピン267の先端部を挿し込むことが容易となる。
また、かしめピン267が挿し込まれる第1連結部265の挿込穴271は、断面円形状をなし、その内径が、かしめピン267の軸部267aの外径と略同一径に設定されている。従って、かしめピン267が挿し込まれた場合には、両者間にはほぼ隙間がない状態となる。但し、かしめピン267の挿込み等を考慮した若干のクリアランスは設けてある。
また、第1連結部265の周壁部には、第1切離部273の連接位置と挿込穴271を挟んで反対側にあたる位置において、挿込穴271に通ずる横孔状のスリット孔277が形成されている〔図11(a)等参照〕。スリット孔277が本実施形態における係止片268(保持部材)に対応する横孔部を構成する。
スリット孔277は、挿込穴271の軸線C2方向に直交して延び、第1連結部265の周壁部を貫通して、第1連結部265の外周面に開口している。そして、このスリット孔277の開口部から第1連結部265内部に係止片268が挿し込まれる。
このスリット孔277に連続するように、挿込穴271の内周壁面には、スリット孔277から挿し込まれた係止片268の周縁部が係止される溝部278が形成されている。
これらスリット孔277及び溝部278は、係止片268の小判型の周縁形状に対応して形成されており、第1連結部265に係止片268が挿し込まれた状態では、係止片268全体が第1連結部265内に収容された状態となる。
スリット孔277の厚み(軸線C2方向における幅)も、係止片268の厚みと略同一に設定されており、係止片268がスリット孔277に挿し込まれた状態では、両者間にはほとんど隙間がなく当接状態となり、係止片268が嵌り込んだ状態となる。
これらの構成により、挿し込まれた係止片268の露出面は第1連結部265の外周面と面一、又は外周面よりも若干没入した状態となる。この状態となると、係止片268の孔部268aの位置が、第1連結部265の挿込穴271と軸線C2に沿って重なる。
なお、第1連結部265の挿込穴271のうち、スリット孔277及び溝部278よりも底部側の部分は、開口側よりも大径に形成された大径穴部271aとなっている。これは、後述するように係止片268の孔部268aの周縁部(舌状片268c)を変形しやすくするための工夫である。
また、第2連結部266には、第1連結部265との非当接面側、すなわち、かしめピン267を挿し込む側において、挿通孔272の周囲が切り欠かれるように段差状の係合凹部279が形成されている〔図11(a)等参照〕。かしめピン267の挿入時には、この係合凹部279の底部にかしめピン267の頭部267bが係止されることにより、かしめピン267の第1連結部265側への移動が規制される。この状態となると、かしめピン267の頭部267bは、第2連結部266の非当接側の端面よりも没入した状態となる〔図11(d)等参照〕。
次に、封印ユニット264による基板ボックス263の封印手順について説明する。先ずは、主制御装置261を収容した状態でボックスベース263aにボックスカバー263bを組付ける。より詳しくは、ボックスベース263aの上辺部及び下辺部には、基板ボックス263正面から見て、先端が右方に向くように略L字状に突出形成された複数の係止部285が形成されており、ボックスカバー263bの上辺部及び下辺部には、各係止部285に対応してスリット286が形成されている。そして、組付けの際には、先ず各係止部285を対応する各スリット286に挿込むようにして、ボックスベース263aに対しボックスカバー263bを被せる。続いて、ボックスカバー263bを左方にスライドさせる。これにより、各係止部285がボックスカバー263bに係止され、基板ボックス263正面側へのボックスカバー263bの動きが規制された状態となり、組付けが完了する(図7参照)。
基板ボックス263の組付け完了時には、図11(a)に示すように、各封印ユニット264を構成する第1連結部265と第2連結部266とが当接し、挿込穴271と挿通孔272とが連通状態となる。
この状態で、タイプA(左側)の4つの封印ユニット264のうちの1つに対し、図11(a)に示すように、そのスリット孔277に係止片268を挿し込む。同様に、タイプB(右側)の4つの封印ユニット264のうちの1つに対し、そのスリット孔277に係止片268を挿し込む。なお、図7では、タイプAでは最上部のものが使用され、タイプBでは最下部のものが使用された状態が示されているが、これに限らず、少なくともタイプA,Bそれぞれ1つずつを組合わせて1組で使用するのであれば、どのような組合せでもよい。
続いて、図11(b)に示すように、上記係止片268の挿し込まれた1組のタイプA,Bの封印ユニット264に対し、それぞれ、かしめピン267を挿し込む。繰り返しとなるが、この際、タイプAの封印ユニット264では、ボックスカバー263b側からかしめピン267が挿し込まれ、タイプBの封印ユニット264では、ボックスベース263a側からかしめピン267が挿し込まれる。
第1連結部265の挿込穴271に、かしめピン267の軸部267aが挿入されていくと、軸部267aの先端(係止部267d)が、係止片268の孔部268aの周縁部(舌状片268c)に突き当たる。さらに、かしめピン267の頭部267bを押下して、かしめピン267を押し込むと、かしめピン267の係止部267dが、係止片268の孔部268aの周縁部(舌状片268c)を弾性変形させつつ〔図11(c)参照〕、挿込穴271の奥方へ突き抜け、大径穴部271aに収容される〔図11(d)参照〕。なお、大径穴部271aが形成されていることにより、挿込穴271の底部側では、係止片268の舌状片268cを支える部位が少ないため、当該舌状片268cが挿込穴271の底部側へ撓みやすくなる。換言すれば、挿込穴271の一般部と、大径穴部271aとの段差によって、舌状片268cが挿込穴271の開口側へ撓みにくくなる。従って、後述するように、舌状片268cが係止爪(係止部)として、かしめピン267の係止部267dを係り止めた状態では、かしめピン267の抜け防止がより確実に奏されることとなる。
図11(d)に示すように、かしめピン267の係止部267dが、係止片268の孔部268aを突き抜けると、孔部268a周縁の舌状片268cが復元するようにして、かしめピン267の嵌合溝267cに嵌り込む。これにより、かしめピン267と係止片268の双方が抜き取り不能な状態となる。但し、孔部268a周縁の舌状片268cは、完全には復元せず、挿込穴271の底部側へやや湾曲した状態となり、かしめピン267の係止部267dを係り止める係止爪(係止部)の役割を果たす。これと同じくして、かしめピン267の頭部267bが、第2連結部266の係合凹部279の底部に係止されることにより、かしめピン267の第1連結部265側への移動が規制される。
このようにして、第1連結部265と第2連結部266とが連結状態となると、基板ボックス263が開封不能となり、封印が完了する。
続いて、基板ボックス263から主制御装置261を取出して点検したり、故障した主制御装置261を交換する際に、封印状態にある基板ボックス263を開封する手順について説明する。
基板ボックス263を開封するためには、使用している封印ユニット264をニッパ等の工具により基板ボックス263から切断する必要がある。
勿論、使用している封印ユニット264において、第1切離部273及び第2切離部274の両方を切断して、使用済みの封印ユニット264を完全に取り除けば、基板ボックス263を開封できる。但し、このようにすると、使用済みの封印ユニット264が残らず、基板ボックス263の開封を行った痕跡が目立たなくなる。
加えて、本実施形態では、基板ボックス263の開封の際、組付け手順とは逆に、ボックスカバー263bを一旦右方にスライドさせて、取外さなければならない。そのため、切断の仕方によっては、使用済みの封印ユニット264がボックスカバー263bのスライドの妨げになるおそれがある。
以上の理由から、本実施形態では以下のような方法により基板ボックス263の開封を行う。先ず図12に示すように、タイプAの封印ユニット264においては、ボックスカバー263bに接続形成された第2切離部274を切断し(切断線H1参照)、タイプBの封印ユニット264においては、ボックスベース263aに接続形成された第2切離部274を切断する(切断線H2参照)。こうすることで、基板ボックス263の封印が解除され、図13に示すように、ボックスベース263aからボックスカバー263bを右方にスライドさせて取外すことができる。
仮に、上記構成(切断線H1,H2で切断する第1切断パターン)とは逆に、タイプAの封印ユニット264において、ボックスベース263aに接続形成された第1切離部273を切断し、タイプBの封印ユニット264において、ボックスカバー263bに接続形成された第1切離部273を切断した場合(第2切断パターン)には、使用済みの封印ユニット264がボックスカバー263bのスライドの妨げとなり、ボックスベース263aからボックスカバー263bを取外すことができない。
同様に、タイプAの封印ユニット264において第1切離部273を切断しかつタイプBの封印ユニット264において第2切離部274を切断した場合(第3切断パターン)や、タイプAの封印ユニット264において第2切離部274を切断しかつタイプBの封印ユニット264において第1切離部273を切断した場合(第4切断パターン)も、使用済みの封印ユニット264がボックスカバー263bのスライドの妨げとなり、ボックスベース263aからボックスカバー263bを取外すことができない。
但し、これは、本実施形態が、ボックスカバー263bをスライドさせつつ、ボックスベース263aに対し取付け及び取外しを行う構成となっているためであり、両者を主制御装置(主基板)261の基板面に対し直交する方向(図12の上下方向)に動かして取付け及び取外しを行う構成であれば、上記第1〜第4切断パターンのいずれによっても開封は可能である。
上記構成により、基板ボックス263の開封を行った場合(第1切離部273及び第2切離部274の両方を切断して封印ユニット264を完全に取り除いた場合を含む)には、その旨の履歴を残すことができる。基板ボックス263の開封履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた否かを容易に発見できる。従って、封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とすることができる。なお、上述したように、第1切離部273及び第2切離部274の両方を切断して、使用済みの封印ユニット264を完全に取り除いた場合には、使用済みの封印ユニット264が残らず、基板ボックス263の開封を行った痕跡が目立たなくなるが、痕跡が残らないわけではない。つまり、封印ユニット264が完全に切除されると、切離部273,274が工具等により切断された痕跡や、封印ユニット264が消滅したという履歴が残るため、不正行為に関しては容易に発見できる。
なお、本実施形態では、タイプA,Bの封印ユニット264が各4個ずつ計4組設けられているので、切離部273,274を切断して一旦基板ボックス263開封した後でも未使用の封印ユニット264(第1連結部265及び第2連結部266)に新たにかしめピン267と係止片268を挿し込むことで、残り最大3回まで封印処理を行うことが可能である。
さて、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、第1契機対応ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1契機対応ユニットスイッチ224a,224bが設けられている。さらに、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及び第2契機対応口スイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する第1契機対応スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(第2契機対応口スイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する下入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板搭載ユニット701の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部(ボックス正面から見て左側)に設けられた封印ユニット264、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板搭載ユニット701)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印ユニットが設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置70の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図14は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置70による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置70が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
以上詳述したように、本実施形態では、第1連結部265においてかしめピン267及び係止片268が互いに交差して係合することにより、第1連結部265から抜き取り不能となっている。このため、第2連結部266側を破壊する等したとしても、第1連結部265を破壊する等しない限り、かしめピン267及び係止片268を取外すことができない。
さらに、タイプAの各封印ユニット264では、第1連結部265が第1切離部273を介してボックスベース263aに一体形成され、第2連結部266が第2切離部274を介してボックスカバー263bに一体形成されている。これに対し、タイプBの各封印ユニット264では、第1連結部265が第1切離部273を介してボックスカバー263bに一体形成され、第2連結部266が第2切離部274を介してボックスベース263aに一体形成されている。
従って、仮に本実施形態の基板ボックス263を2つ用意し、上記第1〜第4切断パターンのいずれのパターンで開封したとしても、ボックスベース263a及びボックスカバー263bの両方を、開封の痕跡を残すことなく、無傷で得ることはできない。結果として、基板ボックス263の開封の痕跡をより確実に残すことができ、ひいては基板ボックス263ごと交換するといった不正行為などを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
以下、上記第1実施形態と異なる第2実施形態について図面を参照して説明する。但し、第1実施形態と同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態における封印ユニット264では、主に、かしめピン267の頭部267b側の形状、及びこれに関連する第2連結部266側の構成などが異なる。図15は本実施形態における基板ボックス263の正面図であり、図16は、図15のJ−J線部分断面図である。
本実施形態では、第2連結部266の挿通孔272が、第1連結部265の挿込穴271の内径と略同一径に設定されている。
図17に示すように、かしめピン267の頭部267bは直方体形状となっている。より詳しくは、軸線C1方向に直交する断面形状が正方形をなし、その一辺の長さが軸部267aの外径と略同一に設定されている。
これに合わせて、第2連結部266の係合凹部279の形状も、軸線C2方向に直交する断面形状が正方形をなす(図15参照)。かしめピン267が挿入され、その頭部267bが係合凹部279に没入した状態においては、かしめピン267の頭部267bの外周部と係合凹部279の内周壁部との間に、ほとんど隙間が形成されないようになっている。但し、かしめピン267の挿込み等を考慮した若干のクリアランスは設けてある。
さらに、かしめピン267の頭部267bと、軸部267aとの境界部には、軸部267a周方向に沿って第2の嵌合溝267fが形成されている。第2の嵌合溝267fが形成されることにより、当該箇所は細径の首部267gとなる。そして、当該首部267gには、図18に示す第2の係止片290が嵌合される。第2の係止片290は本実施形態における第2の保持部材に相当する。従って、かしめピン267の首部267gは、第2の保持部材に対応するくびれ部を構成する。
第2の係止片290は、係止片268同様、金属材料により小判型に形成されている。第2の係止片290には、周縁部の一部が切り欠かれるようにして、かしめピン267の首部267gに嵌合する嵌合凹部290aが形成されている。嵌合凹部290aは、かしめピン267の首部267gからの脱落を防止するよう、その開口部が奥側よりも幅狭となっている。この形状は、かしめピン267の首部267gの断面形状にほぼ一致する。これにより、嵌合凹部290aがかしめピン267の首部267gにほぼ隙間なく嵌合することとなる。
また、第2連結部266の周壁部には、第2切離部274の連接位置と挿通孔272を挟んで反対側にあたる位置において、挿通孔272に通ずる横孔状のスリット孔293が形成されている〔図19(a)等参照〕。スリット孔293は第2の係止片290(第2の保持部材)に対応する横孔部を構成する。
スリット孔293は、挿通孔272の軸線C2方向に直交して延び、第2連結部266の周壁部を貫通して、第2連結部266の外周面に開口している。そして、このスリット孔293の開口部から第2連結部266内部に第2の係止片290が挿し込まれる。
スリット孔293は、第2の係止片290の小判型の周縁形状に対応して形成されており、第2連結部266に第2の係止片290が挿し込まれた状態では、第2の係止片290全体が第2連結部266内に収容された状態となる。
スリット孔293の厚み(軸線C2方向における幅)も、第2の係止片290の厚みと略同一に設定されており、第2の係止片290がスリット孔293に挿し込まれた状態では、両者間にはほとんど隙間がなく当接状態となり、第2の係止片290が嵌り込んだ状態となる。
これらの構成により、挿し込まれた第2の係止片290の露出面は第2連結部266の外周面と面一、又は外周面よりも若干没入した状態となる。この状態となると、第2の係止片290の嵌合凹部290aの位置が、第2連結部266の挿通孔272と軸線C2に沿って重なる。
次に、本実施形態における封印ユニット264による基板ボックス263の封印手順について説明する。先ずは、主制御装置261を収容した状態でボックスベース263aにボックスカバー263bを組付ける。なお、本実施形態では、ボックスカバー263bを、主制御装置(主基板)261の基板面に対し直交する方向に動かして取付け及び取外しを行う構成となっている。
基板ボックス263の組付け完了時には、図19(a)に示すように、各封印ユニット264を構成する第1連結部265と第2連結部266とが当接し、挿込穴271と挿通孔272とが連通状態となる。
この状態で、上記第1実施形態と同様に、タイプA(左側),タイプB(右側)それぞれ4つの封印ユニット264のうちの1つに対し、図19(a)に示すように、スリット孔277に係止片268を挿し込んだ後、かしめピン267を挿し込む。
第1連結部265の挿込穴271に、かしめピン267の軸部267aが挿入されていくと、かしめピン267の係止部267dが、係止片268の孔部268aの周縁部(舌状片268c)を弾性変形させつつ〔図19(b)参照〕、挿込穴271の奥方へ突き抜け、大径穴部271aに収容される〔図19(c)参照〕。合わせて、孔部268a周縁の舌状片268cが復元するようにして、かしめピン267の嵌合溝267cに嵌り込む。これにより、かしめピン267と係止片268の双方が抜き取り不能な状態となる。これと同じくして、かしめピン267の頭部267bが、第2連結部266の係合凹部279に没入する。
続けて、図19(c)に示すように、スリット孔293に対し、嵌合凹部290aを先頭にして第2の係止片290を挿し込む。第2の係止片290が挿し込まれていくと、第2の係止片290の挿込み側先端部が、かしめピン267の首部267gに突き当たる。さらに、第2の係止片290を押し込んでいくと、かしめピン267の首部267gによって、嵌合凹部290aの幅狭の開口部が広がるように弾性変形する。この部分が首部267gを通過すると第2の係止片290の先端部分が復元して、第2の係止片290がかしめピン267の首部267gに嵌合する〔図19(d)参照〕。これにより、かしめピン267と第2の係止片290の双方が抜き取り不能な状態となる。
このようにして、第1連結部265と第2連結部266とが連結状態となると、基板ボックス263が開封不能となり、封印が完了する。
本実施形態では、上記第1実施形態で述べた第1〜第4切断パターンのいずれによっても基板ボックス263の開封は可能である。
このようにすることで、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、主制御装置261を収容した基板ボックス263を封印する封印構成に関して、本発明を適用しているが、これに限らず、払出制御装置311の基板ボックス311aに関しては勿論のこと、サブ制御装置262を収容する基板ボックス262aなど他の基板ボックスに適用してもよい。
(b)封印ユニット264の数や構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、第1連結部265において、係止片268の挿入後にかしめピン267が挿入されて両者が係合する構成となっているが、第2実施形態のかしめピン267と第2の係止片290との関係のように、かしめピン267の挿入後に係止片268が挿入されて両者が係合する構成としてもよい。同様に、第2連結部266において、第2の係止片290の挿入後にかしめピン267が挿入されて両者が係合する構成としてもよい。
また、かしめピン267の軸部267aに横孔状の貫通孔を形成しておき、保持部材として用いた返しピン等が当該貫通孔に挿通されることで、両者が互いに交差して係合することにより、第1連結部265や第2連結部266から抜き取り不能となる構成としてもよい。
具体例としては、上記各実施形態の略棒状体のかしめピン267に代えて、図20に示すような略板状体のかしめピン800を使用する例が挙げられる。以下、この実施形態について図20,21を参照して説明する。但し、上記各実施形態と同一構成部分については同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の封印ユニット264に用いられる連結部材としてのかしめピン800は、上記各実施形態のかしめピン267同様、金属材料により形成されている。図20に示すように、かしめピン800は、第1連結部265に挿し込まれる略平板状の平板部800aと、これに一体形成されるとともに第2連結部266に係合される頭部800bとを備え、全体として正面視略T字形状をなす。より詳しくは、平板部800aは長方形状をなし、頭部800bはその平板部800aの長手方向一端側が巻回されるようにして筒状に形成されている。但し、頭部800bは、平板部800aの幅(短辺)よりも幅広に形成されている。
また、頭部800bとは反対側にあたる平板部800aの先端部の近傍には、保持部材としての保持ピン850が挿し込まれるスリット孔800cが形成されている。
保持ピン850は、やや大きさは異なるが、金属材料によって、かしめピン800と略同一形状に形成されており、略平板状の平板部850aと、これに一体形成される頭部850bとを備える。
頭部850bとは反対側にあたる平板部850aの先端部の近傍には、一部がコ字状に切欠かれることにより、頭部850b側を自由端とした2つの係止爪850cが形成されている。これら係止爪850cは、自由端側を互いに反対方向へ折り曲げることによって、平板部850aの表裏面にそれぞれ突出している。
また、本実施形態では、封印ユニット264を構成する第1連結部265及び第2連結部266の内部構造等に関しても、かしめピン800及び保持ピン850の構成に合わせて、上記各実施形態とは異なる変更がなされている。
例えば、第1連結部265の挿込穴271、及び、第2連結部266の挿通孔272が共に、かしめピン800の平板部800aに合わせて、比較的幅の狭い断面矩形状(スリット状)に形成されている。同様に、第2連結部266の係合凹部279の形状も、かしめピン800の頭部800bの形状に合わせて設定されており、封印ユニット264にかしめピン800が挿入され、その頭部800bが係合凹部279に没入した状態においては、当該頭部800bと係合凹部279の側壁部との間に、ほとんど隙間が形成されないようになっている。
また、保持ピン850が挿入される第1連結部265のスリット孔277の開口側には、その周囲が切り欠かれるように段差状の係合凹部277aが形成されている。そして、保持ピン850の挿入時には、この係合凹部277aに保持ピン850の頭部850bが没入状態で係合される。
このスリット孔277に対向する挿込穴271の内周壁面には、保持ピン850の先端部が収容される収容凹部277bが形成されている。
続いて、本実施形態における封印ユニット264による基板ボックス263の封印手順について説明する。
まず図21(a)に示すように、連通状態となった第1連結部265の挿込穴271及び第2連結部266の挿通孔272に対し、かしめピン800を挿し込むと、当該かしめピン800は、図21(b)に示すように、その頭部800bが第2連結部266の係合凹部279に没入した状態で、封印ユニット264内に収容される。この状態となると、かしめピン800のスリット孔800cが、第1連結部265のスリット孔277の延長線上に重なった状態となる。
続けて、図21(b)に示すように、第1連結部265のスリット孔277に対し、保持ピン850を挿し込む。保持ピン850を押し込んでいくと、両係止爪850cが平板部850a側へ弾性変形しつつ、保持ピン850はスリット孔277内へ挿入されていく。保持ピン850の両係止爪850cが、かしめピン800のスリット孔800cを通過すると、両係止爪850cは弾性的に復元して収容凹部277bに収容されるとともに、かしめピン800の平板部800aに係止された状態となる〔図21(c)参照〕。これと同時に、保持ピン850の頭部850bが第1連結部265の係合凹部277aに没入状態で係合される。これにより、かしめピン800と保持ピン850の双方が抜き取り不能な状態となる。但し、本実施形態では、かしめピン800と保持ピン850自体が互いに抜き取り不能に係合しているわけではなく、両者は、抜き取りは可能であるが、封印ユニット264内に収容され、両者の係合状態の解除操作を行えない状態となることにより、抜き取り不能な状態となる。
このようにして、第1連結部265と第2連結部266とが連結状態となると、基板ボックス263が開封不能となり、封印が完了する。
(c)上記実施形態において、タイプAの各封印ユニット264では、第1連結部265がボックスベース263aに形成され、第2連結部266がボックスカバー263bに形成されている。これに対し、タイプBの各封印ユニット264では、第1連結部265がボックスカバー263bに形成され、第2連結部266がボックスベース263aに形成されている。つまり、かしめピン267を挿し込む向きが異なる。これに限らず、1組で使用するタイプA,B双方の封印ユニット264とも、かしめピン267を挿し込む向きが同じ構成としてもよい。すなわち、タイプA,B双方の封印ユニット264とも、第1連結部265がボックスベース263aに形成され、第2連結部266がボックスカバー263bに形成された構成としてもよい。又は、タイプA,B双方の封印ユニット264とも、第1連結部265がボックスカバー263bに形成され、第2連結部266がボックスベース263aに形成された構成としてもよい。必ずしもタイプA,B双方の封印ユニット264を1組で使用しなくとも、本発明の封印ユニット264を1つ用いれば、ボックスベース263a又はボックスカバー263bの一方を、開封の痕跡を残すことなく、無傷で得ることはできないため、上述した基板ボックス263ごと交換するといった不正行為などを抑制することができる。勿論、タイプA,B双方の封印ユニット264を1組で使用すれば、ボックスベース263a及びボックスカバー263bの両方に、開封の痕跡を残せるため、より好ましい。
(d)上記実施形態では、封印ユニット264が、基板ボックス263の左右側部にそれぞれ4つずつ設けられている。封印ユニット264の配置はこれに限定されるものではない。例えば、タイプA,B双方の封印ユニット264が基板ボックス263の上側部にそれぞれ1つずつ設けられた構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、かしめピン267等の連結部材や、係止片268等の保持部材として、金属製のものが採用されているが、連結部材や保持部材の材質はこれに限定されるものではなく、例えばセラミックや硬質樹脂等、比較的硬質な他の材質のものを採用してもよい。
(f)上記第1実施形態では、図22に示すように、ボックスベース263aの上辺部及び下辺部に、先端が右方に向くように略L字状に突出形成された複数の係止部285が形成され、ボックスカバー263bの上辺部及び下辺部に、各係止部285に対応してスリット286が形成されている。そして、組付けの際には、先ず各係止部285を対応する各スリット286に挿込むようにして、ボックスベース263aに対しボックスカバー263bを被せる。続いて、ボックスカバー263bを左方にスライドさせる。これにより、各係止部285がボックスカバー263bに係止され、組付けが完了する。ここでは、組付け完了時に各係止部285がボックスカバー263bの正面に露出した状態となるが、不正防止の観点からは、各係止部285がボックスカバー263b内にて係止される等、各係止部285が外部に露出しないように被覆される構成とすることが好ましい。
一方、第2実施形態では、ボックスカバー263bを、主制御装置(主基板)261の基板面に対し直交する方向に動かして取付け及び取外しを行う構成となっている。しかし、このように、ボックスベース263a及びボックスカバー263bの取付け及び取外し方向が、かしめピン267等の連結部材の挿し込み方向と平行した構成では、基板ボックス263を完全に開封することなく、基板ボックス263が無理やりこじ開けられ、その隙間から内部に不正行為が行われるおそれがある。このため、不正防止の観点からは、上記第1実施形態のように、かしめピン267等の連結部材の挿し込み方向と交差するように、ボックスベース263aとボックスカバー263bを組付けるスライドタイプの方が好ましい。より好ましくは、取付け及び取外しに必要なスライド量が大きい方がよい。例えば、以下に示すような具体例が挙げられる。図23に示す構成では、ボックスベース263aの上辺部及び下辺部にガイドレール263gが設けられ、当該ガイドレール263gの内側にボックスカバー263bの上下両縁のフランジ部263fが嵌め込まれる。これにより、ガイドレール263gに沿ってスライドさせることで、ボックスベース263aとボックスカバー263bとの取付け及び取外しが行われる。この場合、図面では省略されているコネクタ端子等の突出を考慮して、主制御装置(主基板)261はボックスカバー263b側に取付けられている。
(g)上記実施形態では、かしめピン267等の連結部材の挿し込み方向と、係止片268等の保持部材の挿し込み方向とが直交する構成となっているが、必ずしも両者が直交して係合しなくてもよい。例えば、連結部材に対し保持部材が傾斜した状態で係合する構成としてもよい。
(h)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。