JP5188971B2 - 生分解性医療機器の製造及び医療機器コーティングとして有益な4−アザ−カプロラクトンを基材としたポリマー組成物 - Google Patents

生分解性医療機器の製造及び医療機器コーティングとして有益な4−アザ−カプロラクトンを基材としたポリマー組成物 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
(発明の技術分野)
本発明は医療機器及び医療機器のコーティングの製造に適した新規ポリマーに関する。前記装置及び/又はコーティングは4-アザ-カプロラクトン及びそのN-置換誘導体を基材とする生分解性ポリマーを含む。
(発明の背景技術)
移植可能な医療機器はこの50年間でますます一般的になり、医学のほぼ全分野で適用が見出されている。例には、人工関節、血管グラフト、心臓弁、眼科用レンズ、ペースメーカー、血管ステント、尿道ステント、及びその他が含まれる。しかしながら、その適用にかかわらず、移植可能医療機器は生物学的適合性でなければならず、つまり、それが炎症、血栓症または壊死のような(これらに限られない)不利な生体反応を起こさない材料からそれらを製造しなければならない。従って、初期の医療機器は一般的に貴金属やセラミックスなどの非反応性の材料で製作されていた。より近年においてはステンレス鋼及び他の金属合金が貴金属に置き換わり、及びポリマー類がセラミックスに置換されている。
一般的に、移植可能な医療機器は長期間治療に適用されることが意図され、いったん移植されると除去されない。いくつかの場合においては、移植可能な医療機器を短期間の治療に使用することが望ましい場合もある。しかしながら、その除去は患者を命にかかわる合併症の危険にさらすような高侵襲な外科的方法を必要とするかもしれない。従って、医療機器が通常の代謝経路を解して崩壊し、及び周囲の組織に再吸収されるように、短期間の適用の為に設計されることが望ましい。
最初の生体吸収性医療機器の開発のひとつは1960年代にDavis and Geck, Inc. (ダンブリー、コネチカット州)によってデクソン(Dexon)として上市された合成吸収性縫合糸だった。そのときから、移植された医療機器(類)を取り除く為の第二の侵襲的手法の必要性を軽減する、多様な生分解性ポリマーを基材とした製品が移植可能な医療機器及び移植可能な医療機器コーティングとして許容されることが明らかになってきた。
生分解性ポリマーは天然物又は合成物のどちらでもありうる。一般的には、天然由来の材料と比較して広い範囲の特性を調整することができること及びロット間の均一性がより予測可能であるという点で合成ポリマーが天然材料よりも非常に優位である。合成ポリマーはまた免疫原性の心配がないという点で、より信頼できる原料である。
一般的に、生体材料としての使用のためのポリマー選択基準は、ポリマー(類)の機械的特性及び崩壊時間を特定のin vivoでの適用の必要性に調和させることである。生分解性ポリマーの機械的性能に及ぼす要素はポリマー研究者によく知られており、モノマーの選択、開始剤の選択、工程の状態及び添加剤の存在などを含む。これらの要素は次々にポリマーの親水性、結晶性、溶解及びガラス転移温度、分子量、分子量分布、末端基、配列分布(ランダム対ブロッキー)余剰のモノマー及び添加剤の存在に影響を及ぼす。さらに、生分解性材料について研究しているポリマー研究者はこれらの変形それぞれについてその生分解における効果を評価しなければならない。公知の生分解性ポリマーにはとりわけ、ポリグリコリド(PGA)、ポリアクチド (PLA)及びポリ(ε-カプロラクトン)(PCA)が含まれる。しかしながら、これらのポリマーは一般的に疎水性であり、及びそれらの構造は変更するのが難しい。従って、ポリマーの物理学的特性は特異的な医学上の要求に一致するように変更し、調整するのが難しい。例えば、PLAから製造されたポリマーは極度にゆっくりと崩壊し、従って全ての適用に適していない。この欠点に取り組む為に、ポリマー研究者たちはPLA及びPCAのコポリマーを開発した。しかしながら、生分解速度は有意に限定されたままであった。
さらに、in situ薬物送達における最近の進歩により、離れた部位に治療用組成物を供給するように特に設計された移植可能な医療機器の開発が行われてきた。おそらく最も活気に満ちた分野の一つがインターベンショナル・カーディオロジー(intervention cardiology)である。血管の閉塞によりおこった虚血性心疾患は、しばしば経皮的冠動脈形成術(PTCA)を用いて治療され、前記形成術では拡大カテーテルを大腿動脈の切込みに挿入し、血管閉塞部位に誘導する。カテーテルを拡大し、カテーテルチップ(バルーン)を膨らませ閉塞した血管を開き血管の開存性を回復させる。一般的には、血管の反跳と再狭窄を最小限にする為に血管ステントを治療部位に配置する。しかしながら、いくつかの場合においてステントの配置により動脈の内膜が障害を受け血管平滑筋細胞の過剰増殖及び再狭窄が起こる。再狭窄が起こると治療部位における動脈の再拡張又はそれが可能でなければ、外科的冠状動脈バイパス手術のどちらかを行わなければならない。
近年、ラパマイシン及びその類似体及びパクリタキセルのような(これらに限定されない)抗増殖性化合物でコーティングされた薬物溶出ステントが再狭窄の予防において非常に有望であることが示されてきた。しかしながら、さらに及び強力なより効果的な薬物溶出ステント(DES)の開発の必要性がある。DESにおける一つの重大な要素は薬物溶出速度である。薬物溶出は一般的にステントに適用されるポリマーにおける薬物の溶解度の要素である。
現在、生体安定性、つまり非吸収性のポリマーは金属ステントの薬物溶出コーティングとして使用されている。ポリマー研究者は適切な生体安定性ポリマーを選択する際多くの異なる選択肢を持ち、最近何人かの本発明者達は薬物放出に有益なポリマーコーティングの調整において有意な進歩をとげた(同時係属中の米国特許出願番号11/005,463を参照)。しかしながら、生体吸収性ポリマーの数及び型はもっと制限されている。従って、対応する生体安定性ポリマーと同様の機能的多様性を有する新規な生体吸収性ポリマー医療機器を開発する為には、最初に薬物溶解度と適合し、及び再吸収速度のすぐれたコントロールを提供する新規で有益な生体吸収性ポリマーを開発する必要がある。
(発明の概要)
本発明は医療機器 及び医療機器のコーティングとしての使用に適した生分解性ポリマーを提供する。本発明に従って製造したポリマーは生分解性で、生体適合性であり、両親媒性であり及び以下に式 Iとして示される一般式を有するN-置換4-アザ-カプロラクトンから誘導される。
Figure 0005188971
(式中Rは水素であり、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C1 アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
環上の窒素に結合している官能性ペンダント基は(開環重合 [ROP] 後に)得られたポリマーに両親媒性特性を提供する。さらに、非置換のままであっても、環上の窒素はまた、重合反応後のポリマー修飾に適した求核中心となる第二級アミンを有するポリマーバックボーンを提供する。環の窒素第2級アミンを有するポリマーバックボーンを提供する。従って本発明のポリマーは非常に多目的である。
本発明の一態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトン (又はその誘導体)をポリ(エチレングリコール)(PEG)、1,6-ヘキサンジオール及び1,8-オクタンジオールのような(これらに限定されない)ヒドロキシル基を有する開始剤の存在下、D,L-ラクチド及びL-ラクチドと共重合させ、その後2−エチルヘキサン酸スズ(II)ような(これらに限定されない)適切な触媒を用いて開環重合反応(ROP)を行い、式IIの一般構造を有するポリマーを形成する。
Figure 0005188971
(式中a:b:c:dは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000、c=1-2000及びd=0-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニルまたはアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
本発明の他の態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトン(又はその誘導体)をポリ(エチレングリコール)(PEG)、1,6-ヘキサンジオール及び1,8-オクタンジオールのような(これらに限定されない)ヒドロキシル基を有する開始剤の存在下、D,L-ラクチド及びL-ラクチドと共重合させ、その後2−エチルヘキサン酸スズ(II)ような(これらに限定されない)適切な触媒を用いて開環重合反応(ROP)を行い、式IIIの一般構造を有するポリマーを形成する。
Figure 0005188971
(式中a:b:cは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-2000及びc=1-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18 アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基またはヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
本発明のさらに他の態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトン(又はその誘導体)をポリ(エチレングリコール)(PEG)、1,6-ヘキサンジオール及び1,8-オクタンジオールのような(これらに限定されない)ヒドロキシル基を有する開始剤の存在下、D,L-ラクチド及びL-ラクチドと共重合させ、その後2−エチルヘキサン酸スズ(II)ような(これらに限定されない)適切な触媒を用いてROPを行い、式IVの一般構造を有するポリマーを形成する。
Figure 0005188971
(式中a:b:cは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000及びc=1-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
本発明の他の態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトンを2−エチルヘキサン酸スズ(II)ような(これらに限定されない)適切な触媒を用いてROPを行い、式Vのモノマー繰り返し単位を有するポリマー形成をする。
Figure 0005188971
(式中Rは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。;「n」は1から104の任意の整数である。)さらに、本発明の発明者はN-置換4-アザ-カプロラクトンは上記開示されたラクチド、グリコリド、δ-カプロラクトン、ジオキサノン、炭酸トリメチル、アミノ酸、ペプチド、及びその他のような(これらに限定されない)化合物と共重合し、本発明に従って製造した生分解ポリマーを生成することができるということを予測している。
本発明はまた本発明に従って製造した一以上のポリマーから製造した移植可能な医療機器及び医療機器のコーティングも含む。さらに、本発明に従って製造した医療機器及びコーティングは一以上の生理活性物質が予定した様式で放出される調節性放出コーティングを含む。例示的な実施例には再狭窄を治療し、予防し、阻害するために抗増殖性生理活性物質がin situで放出する薬物溶出血管ステント及びそのコーティングが含まれるがこれらに限定されない。適切な生理活性物質にはゾタロリムスのようなFKBP12結合化合物を含むマクロライド抗生物、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、蛋白質チロシンキナーゼ抑制剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ配位子(PPARγ)、ハイポセマイシン、ビスホスホネート、上皮増殖因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド及び形質転換核酸が含まれるがこれらに限定されない。
さらに、本発明は本発明に従って製造したモノマー及びポリマーを含み及び制限無しに式Iの化合物を含むポリマー化合物の製造に適したモノマーを含む。
Figure 0005188971
(Rは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
式IIの化合物を含む生分解性ポリマー:
Figure 0005188971
(式中a:b:c:dは各ポリマーの繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000、c=1-2000 及びd=0-20,000であり、Rは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18 アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルであり、特にRはメチル基であり及び繰り返し単位はそれぞれa:b:c:d=44:11.8:0.2:44である。)
本発明の他の態様は式IIIの化合物を有する生分解性ポリマーを含む:
Figure 0005188971
(式中a:b:cは各ポリマーの繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-2000及び、c=1-20,000であり、Rは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18 アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基であり、繰り返し単位はそれぞれa:b:c=99:0.13:0.87の比で表される。)
本発明の範囲にはまた式IVの化合物を含む生分解性ポリマーが含まれる。
Figure 0005188971
(式中a:b:cは各ポリマーの繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000及びc=1-20,000であり、Rは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基であり、繰り返しユニットはa:b:c=3:96:1の比で表される。)
本発明のさらに他の実施態様には式Iのモノマー及びδ-カプロラクトン、ジオキサノン、炭酸トリメチル、アミノ酸、ペプチド及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも一以上の他のポリマー繰り返し単位を含むポリマーが含まれる。
(用語の定義)
発明について記載する前に、以下に本明細書で使用される特定の用語の理解を提供するのは有益であるだろう。
両親媒性: 本明細書において、「両親媒性」は、極性で水溶性の基が非水溶性炭化水素鎖に結合している分子を有する化合物を含む。
生理活性物質: 本明細書において、「生理活性物質」とは、抗増殖性化合物、細胞分裂停止化合物、毒性化合物、抗炎症化合物、麻酔薬、抗生物質、プロテアーゼ阻害剤、スタチン類、核酸類、ポリペプチド、及び組換え微生物、リポソーム、を含む運搬ベクター、等(以下の薬物参照)を含む。生理活性物質という用語は一より多い生理活性物質も含む。
生体適合性:本明細書において、「生体適合性」は動物の組織に密接に接触するように配置したときに、動物において傷害又は死を起こさない又は動物において拒絶反応を起こさない任意の材料を意味する。副作用には、炎症、感染症、繊維組織の形成、細胞死、血栓症が含まれる。
調節性放出:本明細書において、「調節性放出」は医療機器の表面から予定される速さで生理活性化合物が放出されることをいう。調節性放出は医療機器の表面から生理活性物質が予定しない様式で散発的に放出されることなく、特に意図せずに、生体環境下において機器から、「バースト(burst)」して来ないことを意味する(ここでは1次反応速度式にも言及する。)。しかしながら、本明細書で使用される「調節性放出」という語は配置に伴う「バースト現象」を排除するものではない。本発明のいくつかの実施態様において、薬剤が最初にバーストし、その後よりゆるやかに放出することは望ましい。放出速度は定常状態(一般的に“徐放性”または0次反応という)にあり、薬剤は(最初のバーストが有っても無くても)予定された時間を超えて放出されても良く、又はグラジエント放出(gradient release)であっても良い。グラジエント放出は装置の表面から放出される薬物濃度が時間により変化することを意味する。
遅延性放出:本明細書において「遅延性放出」とは、ある期間後、又は事象又は一連の事象の後の生理活性物質(類)の放出をいう。
薬物(類):本明細書において、「薬物」は動物において治療効果を有するいずれかの生理活性物質を含む。典型的で、非制限的な例には増殖抑制剤が含まれ、前記増殖抑制剤には、ゾタロリムスのようなFKBP12結合化合物を含むマクロライド抗生物、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、蛋白質チロシンキナーゼ抑制剤、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ配位子(PPARγ)、ハイポセマイシン、ビスホスホネート、上皮増殖因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド及び形質転換核酸を含むが、これらに限定されない。
(発明の詳細な説明)
生分解ポリマーは、合成又は天然のいずれであっても、化学的に又は酵素的に触媒された加水分解により開裂して生体適合性の副生成物を産生することができる。この生分解性特性はその後外科的に除去する必要無しに体内に移植することを可能にする。さらに、これらのポリマーと共に処方された薬物は制御された様式で放出することができ、それにより標的部位における薬物濃度は治療域内に維持される。生分解性ポリマーからの薬物の放出速度は、生分解速度、ポリマー及び薬物の生理化学的特性、ポリマー及び薬物間の熱力学的適合性及び医療機器の形のような多くの要素により制御することができる。
しかしながら多くの生体適合性ポリマーはかなり疎水性であり、官能性側鎖がないため容易に誘導体化できない。最もよく見られる生体適合性ポリマーはポリエステル類、ポリオルトエステル類、ポリ無水物類及びポリホスファゼン類 (図1参照)である。本発明は本発明のコーティング及び移植可能な医療機器を製作するための、生分解性で、両親媒性で、生分解性であるポリマーを提供し、一般的に以下のように記載される。
現在まで、ポリ(ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(グリコリド)及びそれらのコポリマーのような従来の生分解性ポリマーが薬物送達装置及び縫合材料に及び/またはにおいて使用されることを含む(しかしそれらに限定されない)医療機器及び医療機器のコーティングの製造及び使用に用いられてきた。しかしながら、これらのポリマーは一般的に本来は疎水性である。親水性材料をこれらの医療機器コーティングに組み込むことでこれらの医療機器及びコーティングがより生体適合性で血液適合性(hemocompatible)となる。しかしながら、本明細書で開示されている医療機器コーティングは好ましくは少なくとも約30質量%、より好ましくは少なくとも約50質量%、最も好ましくは少なくとも約80質量%のN-置換4-アザ-カプロラクトン(式I参照)の誘導体を基材とする両親媒性で、生体適合性で、生分解性であるポリマーを含むということが理解されている。もちろん、本発明の生分解性ポリマーは個々に又は任意の従来のポリマーと組み合わせて医療機器及び/または医療機器コーティングに組み込まれてもよい。
本発明は医療機器及び医療機器のコーティングとしての使用に適した生分解性ポリマーを提供する。本発明に従って製造したポリマーは生分解性で、生体適合性で、両親媒性であり及び直後の式Iの一般式を有する N-置換4-アザ-カプロラクトンから誘導される。
Figure 0005188971
(式中Rは水素であり、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
環上の窒素に結合している官能性ペンダント基は(開環重合[ROP]後に)得られたポリマーに両親媒性特性を提供する。さらに、非置換のままであっても、環上の窒素はまた、重合反応後のポリマー修飾に適した求核中心となる第二級アミンを有するポリマーバックボーンを提供する。従って本発明のポリマーは非常に多目的である。
本発明の一態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトン(又はその誘導体)をポリ(エチレングリコール)(PEG)、1,6-ヘキサンジオール及び1,8-オクタンジオールのような(これらに限定されない)ヒドロキシル基を有する開始剤の存在下、D,L-ラクチド及びL-ラクチドと共重合させ、その後2−エチルヘキサン酸スズ(II)ような(これらに限定されない)適切な触媒を用いて開環重合反応(ROP)を行い、式IIの一般構造を有するポリマーを形成する。
Figure 0005188971
(式中a:b:c:dは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000、c=1-2000及びd=0-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
本発明の他の態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトン(又はその誘導体)をポリ(エチレングリコール)(PEG)、1,6-ヘキサンジオール及び1,8-オクタンジオールのような(これらに限定されない)ヒドロキシル基を有する開始剤の存在下、D,L-ラクチド及びL-ラクチドと共重合させ、その後2−エチルヘキサン酸スズ(II)ような(これらに限定されない)適切な触媒を用いて開環重合反応(ROP)を行い、式IIIの一般構造を有するポリマーを形成する。
Figure 0005188971
(式中a:b:cは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-2000及びc=1-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
本発明のさらに他の態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトン (又はその誘導体)をポリ(エチレングリコール)(PEG)、1,6-ヘキサンジオール及び1,8-オクタンジオールのような(これらに限定されない)ヒドロキシル基を有する開始剤の存在下、D,L-ラクチド及びL-ラクチドと共重合させ、その後2−エチルヘキサン酸スズ(II)ような(これらに限定されない)適切な触媒を用いて開環重合反応(ROP)を行い、式IVの一般構造を有するポリマーを形成する。
Figure 0005188971
(式中a:b:cは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000及びc=1-20,000であり、Rは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)
本発明の他の態様において、N-置換4-アザ-カプロラクトンを2−エチルヘキサン酸スズ(II)のような(これに限られない)適切な触媒を用いてROPし、式 Vのモノマー繰り返し単位を有するポリマーを生成する。
Figure 0005188971
(式中Rは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。「n」は1から104の任意の整数である。)さらに、本発明の発明者はN-置換4-アザ-カプロラクトンは上記開示されたラクチド、グリコリド、δ-カプロラクトン、ジオキサノン、炭酸トリメチル、アミノ酸、ペプチド、及びその他のような(これらに限定されない)化合物と共重合し、本発明に従って製造した両親媒性で、生分解であるポリマーを生成することができるということを予測している。本発明の特定の一態様においてRは水素であり、移植可能な医療機器ポリマーは以下のように製造するモノマー単位を含む。)
Figure 0005188971
式中「n」は1から104の任意の整数であり、式Vaは親水性のポリマーを含む。
従って本発明は医療機器の生体適合性を高め、及び/又は治療部位へのin situ薬物送達を供給する少なくとも2つの方法を提供する。本発明の一つの実施態様において、本発明に従って製造した生体適合性で、生分解性であり、両親媒性のN-置換4-アザ-カプロラクトンを基材としたポリマーは、移植可能な医療機器のコーティングを提供する為に使用され、前記コーティングは付加的な生理活性物質を含んでもよいし、又は含まなくてもよい。本発明の他の実施態様において、本発明に従って製造した生体適合性で、生分解性であり、両親媒性のN-置換4-アザ-カプロラクトンを基材とするポリマーを使用して医療機器全体を製造する。
本発明に従って製造した生分解性の医療機器には、血管ステント、ステントグラフト、尿道ステント、胆汁管ステント、カテーテル、縫合糸、眼科用装置(ocular devices)、心臓弁、シャント(shunts)、ペースメーカー、骨接合用ネジ及びアンカー(bone screws and anchors)、保護板、及び人工関節であって機能的、美容的なものの両方からなるような機器を含むがこれらに限定されるものではない。移植可能な医療機器は本発明の生分解性で、生体適合性であるポリマーで構成され、又は本発明のポリマーでコーティングされてもよい。さらに、本発明の一つの実施態様においては、移植可能な医療機器の全体を本発明の生体適合性で、生分解性であるポリマーで製造しても良く、及び本発明に従って製造した少なくとも1種のポリマーで付加的にコーティングしても良い。
本発明のコーティングで構成される又は組み込まれる医療機器を用いて無数の症状を治療及び予防することができるが、本発明者は血管ステント及びステントグラフトを本発明を限定しない実施可能な例として選択した。従って、ステント類、ステントコーティング類及びコーティングされた又はコーティングされていないステント類を使用する方法を以下詳細に記載する。
血管ステントは医療機器コーティング分野の科学者にとりわけ独特な難題を示した。血管ステント(以降、「ステント」という)は屈曲性で、拡張可能で、生体適合性であり、生理学的に安定でなければならない。ステントは一以上の冠状動脈が閉塞することにより起こる冠状動脈疾患に関する症状を軽減するために使用される。冠状動脈が閉塞した結果、心筋への血流が消滅し、虚血誘導性狭心症を引き起こし、重症の場合は、心筋の梗塞及び死を引き起こす。ステントは一般的にカテーテルの遠位末端の、膨らませることができるバルーンに結合したステントを有するカテーテルを使用して配置される。カテーテルを動脈内に挿入し、配置部位に誘導する。多くの場合、カテーテルを足の大腿動脈又は頚動脈に挿入し、ステントは冠状動脈の脈管構造内深く、閉塞部位に配置される。
コーティングされた薬剤溶出血管ステントの別の適用例として、脆弱性プラークの安定化がある。脆弱性プラークはアテローム性粥状物(gruel)からなる液体状の核で覆われた薄い繊維状のキャップからなる。成熟アテローム性プラークの正確な構成は相当変化し、アテローム性プラークの構成に影響を与える因子についてはあまり良く理解されていない。しかしながら、多くのアテローム硬化性プラークに伴う繊維性のキャップは平滑筋細胞の結合組織マトリックス、I又はIII型コラーゲン及び上皮細胞の単層から形成される。アテローム性粥状物は、内皮下層の細胞外スペースに捕捉された血液由来のリポプロテイン及び循環血液から除去した低密度リポプロテイン(LDL)で満たされた組織マクロファージが分解したものから成る(G. Pasterkamp and E. Falk. 2000. Atherosclerotic Plaque Rupture: An Overview. J. Clin. Basic Cardiol. 3:81-86)。繊維状キャップ物質の、アテローム性粥状物に対する比率により、プラークの安定性及び型が決定される。アテローム性プラークが不安定さから、破裂しやすい場合、「脆弱性」プラークと呼ぶ。アテローム性粥が血流に放出され、広範囲の血栓形成反応が起こり、冠動脈疾患による突然死を引き起こす。最近、脆弱性プラークはプラークにステントを配置することにより安定化することができると想定されている。さらに、メタロプロテイナーゼ阻害剤が中に分散しているマトリックスから成る、又は(及び)ポリマーでコーティングした薬物放出コーティングを備えた血管ステントはプラークをより安定化することができ、最終的に完治に導くことができる。
動脈瘤の治療はコーティングされた薬剤溶出ステントの他の適用例である。動脈瘤は通常、アテローム性動脈硬化が原因となる血管の膨張又は拡張である。動脈瘤は腹部大動脈において最も頻繁に発生する。毎年少なくとも15,000人のアメリカ人が腹部大動脈瘤の破裂により死亡する。背中と腹部の痛みは共に腹部動脈瘤の症候であり、動脈瘤の破裂直前まで現れないことがしばしばあり、この症状は通常致命的である。ステント移植は、近年一般的な侵襲的外科手術の代替法として登場した。血管グラフトは動脈瘤の部位の動脈内に配置され、血液と弱った動脈壁の間の障壁として働き、従って動脈への圧力を減少させるステント(ステントグラフト)を含む。動脈瘤へのステント移植という低侵襲的方法は従来の動脈瘤治療に見られた罹病率を減少させる。さらに多数の合併症を有する為に従来の動脈瘤治療に高いリスクがある患者はステント移植の候補となる。ステント移植はまた外傷が原因となって動脈に障害を引き起こす、急性鈍的胸部大動脈損傷に関する症状の新しい治療法として登場した。
治療部位の位置が定まったら、ステント又はグラフトを配置する。一般に、ステントは、バルーン・カテーテルを用いて配置する。バルーンは、動脈内管に対してゆっくり圧をかけながらステントを拡張させ、血管閉塞をクリアし、動脈瘤を安定化させる。その後カテーテルを取り除き、ステントはその場所に永久に残す。大多数の患者は適切な回復期間の後平常の生活に戻り、ステント術を施した閉塞に伴う冠動脈の再狭窄を起こさない。しかしながら、病気の過程それ自体により又はステントの配置により動脈壁の内膜が傷害を受ける場合も有る。この傷害は複雑な生体反応を開始させ、その結果血管平滑筋細胞過剰増殖及び閉塞又はステント部位の再狭窄を起こす。
近年、再狭窄の予防に多大な努力が向けられてきた。近接照射療法、エキシマーレーザー及び薬品作用学的技術を含むいくつかの技術が開発された。最小限の侵襲及び最も確実な治療様式は薬品作用学的アプローチである。好ましい薬品作用学的アプローチには細胞分裂停止又は細胞毒性剤を直接ステント配置領域に送達する、部位特異的送達が含まれる。いくつかの理由により、全身投与より部位特異的送達のほうが好ましい。第一に、多くの細胞分裂停止及び細胞毒性剤は非常に毒性が高く、再狭窄を防止するのに必要な濃度で全身投与することができない。さらに薬物の全身投与は治療部位と離れた部位における意図しない副作用を有しうる。そのうえ、多くの薬物は十分に可溶性ではなく、又はあまりにも早く血流から消失してしまい、効果的に再狭窄を防止できない。従って、抗再狭窄化合物は直接治療領域に投与することが好ましい。
ウィーピング・バルーン・カテーテル(weeping balloon catheters)及びインジェクションカテーテルのような抗再狭窄化合物を配置する為のいくつかの技術及び対応する装置が開発されてきた。ウィーピング・バルーン・カテーテルはカテーテルの遠位末端に近い膨らませることができる部分にある微細孔を通じて抗再狭窄化合物を加圧下ゆっくり投与する為に使用される。膨らませることができる部分はステント又は分離部分を配置するために使用していたのと同じで有りうる。インジェクションカテーテルは加圧液体ジェットを噴出することにより又は1又はそれ以上の針様の付属肢を用いて直接動脈壁に穴を開け、抗再狭窄化合物を投与する。近年、動脈の外膜に薬物を注射するために、ニードルカテーテルが開発された。しかしながら、再狭窄を防ぐ為のウィーピングカテーテル及びインジェクションカテーテルを用いた抗再狭窄組成物の投与はまだ実験的であり、多くは失敗している。抗再狭窄組成物の直接投与はいくつか不利益を有する。抗再狭窄組成物が動脈内管にウィーピングカテーテルを用いて直接投与される場合、血流が急速に抗再狭窄組成物を下流及び治療部位から離れた場所に洗い流してしまう。内管壁又外膜に投与された抗再狭窄組成物は速やかに周囲の組織に拡散する。従って、抗再狭窄組成物は再狭窄を予防するのに十分な濃度で治療領域に存在しない。カテーテルを用いた局所薬物送達に伴うこれら及び他の不利益の結果、研究者たちは抗再狭窄化合物の送達の改良方法を求め続けている。
今日までに開発されてきた、局在化抗再狭窄組成物送達の最も成功した方法は薬物溶出ステントである。多くの薬物溶出ステントの態様が開発され、試験されてきた。しかしながら、安全で高度に効果的な薬物送達を提供する為には目覚しい進歩が今なお必要である。ステントを基礎とした抗再狭窄組成物送達の主な難問の一つは薬物送達の速度の調節である。一般的に、薬物送達速度は2つの1次反応的(primary kinetic)特性を有する。投与の直後に血流又は組織に達した薬物は1次反応に従う。1次薬物放出動態により、血液又は局所組織の薬物濃度が即時に上昇し(ピーク濃度)、続いて徐々に減少する(トラフ濃度trough levels)。ほとんどの場合において、治療濃度はほんの数時間しか維持しない。血液又は組織濃度が安定して残存している、持続的にゆっくり放出された薬物は0次反応に従う。薬物送達の方法及び組織/血液消失速度により、結果として長時間治療濃度が持続する。薬物放出特性は特定の適用に合わせて改変することができる。一般的に、多くの調節性放出組成物はほぼ0次反応に従うように(図3参照)設計されている。しかしながら、薬物の初期バースト又は初期負荷投与量(loading dose)(1次反応速度、図2参照)が望まれ、その後より穏やかな持続性の薬物放出が続く(擬0次反応速度)という適用でも良い。
上で簡単に述べたように、本発明の生体適合性で、生分解性で、両親媒性であるポリマーは式Iの一般式を有するN-アセチル-カプロラクトンの誘導体及びコポリマーを基材とする。式Vのポリマーを製造するためにN-アセチル-カプロラクトンを単独で使用することができ、又は他の公知のモノマーと共重合して本発明の生分解性コポリマーを形成してもよい。他の公知のモノマーにはポリ(ラクチド)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(グリコリド)、ジオキサノン、炭酸トリメチレン、グリコリド、アミノ酸、ペプチド及びその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。以下の非制限な実施例は本発明の代表的な生分解性、生体適合性ポリマーの製造方法を提供する。
(実施例)
本発明の生分解性、生体適合性のポリマーを製作する為のすべての試薬は市販されており、例えば、これに制限されるものではないが、シグマ-アルドリッチケミカルズ(セントルイス、ミズーリ州、米国)から容易に入手可能である。共通の出発物質、N-置換4-アザ-カプロラクトンは市販されているか、又は4-ピペリドンから、当該分野において既知の方法を使用して合成することができる。
さらに詳細に述べる前に、命名法上の注意点について述べる。本明細書で使用される“N-置換4-アザ-カプロラクトン”という用語は一般的に式Iの化合物として使用される。しかしながら、以下の式VI(式中R=H)及び式VII(式中R=CH3)の化合物をも意味すると理解されている。
Figure 0005188971
さらに、式Iの化合物は合成有機化学分野の当業者に知られた技術を用いて一般的に以下のBayer-Villiger酸化により合成することができると理解される。
Figure 0005188971
実施例1
式IIの生分解性ポリマーの合成
Figure 0005188971
式中a:b:c:dは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000、c=1-2000及びd=0-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である(D94)。
本発明の一態様において、以下式 IIのポリマーは「D94」と呼び、次のように合成する:0.5gのPEG-3400、5gのD,L-ラクチド(3,6-ジメチル-1,4ジオキサノン2,5-ジオン)、5gのL-ラクチド((3s)-シス-3,6-ジメチル-1,4-ジオキサノン2, 5-ジオン)、1gの4-アセチル-[1,4]オキサゼパン-7-オン(式1:R=メチル)及び0.12gの2−エチルヘキサン酸スズ(II)を100mlのガラス製血清瓶に加えた。テフロン(登録商標)コートした磁気撹拌子を瓶に入れ、テフロン(登録商標)コートしたシリコンセプタムとクリンパーで密封した。反応瓶は窒素で20分間パージし、撹拌子と共に140℃のシリコン油浴中に72時間設置した。反応液を20mLのクロロホルムに溶解し、約200mLのメタノールに注ぎ沈殿させた。この工程を3回繰り返した。最終的な精製ポリマーをクロロホルムに溶解しPTFEトレーに注いだ。トレイは50℃の真空オーブンに一晩置いた。
ポリマーD94の生成のための一般的反応 1
1各実施例に付随する式では、単量体の繰り返単位は比率として表す。)
Figure 0005188971
実施例2
式 III の生分解性ポリマーの合成




Figure 0005188971
(式中a:b:cは繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-2000、c=1-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である。)(D104)
本発明の一態様において、式IIIのポリマーを以下「D104」と呼び、以下のように合成する。0.5gのPEG-3400、9gのD,L-ラクチド(3,6-ジメチル-1,4ジオキサノン2,5-ジオン)、0.5gのN-置換4-アザ-カプロラクトン及び0.10gの2−エチルヘキサン酸スズ(II)を100mlのガラス製血清瓶に加えた。テフロン(登録商標)コートした磁気撹拌子を瓶に入れ、テフロン(登録商標)コートしたシリコンセプタムとクリンパーで密封した。反応瓶は窒素で20分間パージし、撹拌子と共に140℃のシリコン油浴中に72時間設置した。反応液を20mLのクロロホルムに溶解し、約200mLのメタノールに注ぎ沈殿させた。この工程を3回繰り返した。最終的な精製ポリマーをクロロホルムに溶解しPTFEトレーに注いだ。トレイは50℃の真空オーブンに一晩置いた。
ポリマーD104の生成のための一般的反応
Figure 0005188971
実施例3
式IVを有する生分解ポリマーの合成
Figure 0005188971
(式中a:b:cは各ポリマーの繰り返し単位であり、a=0-20,000、b=1-20,000及びc=1-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐のC1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐のC2-C18アルケニル又はアルキニル、直鎖又は分岐のC1-C18アルコキシ、アリール、保護カルボキシル、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシルである。特定の一実施例において、Rはメチル基である(D105)。)
本発明の一態様において、式IVのポリマーは以下「D105」と呼び、次のように合成する。9gのD,L-ラクチド(3,6-ジメチル-1,4ジオキサノン2,5-ジオン)、0.5gのN-置換4-アザ-カプロラクトン、0.5gのε-カプロラクトン及び0.10gの2−エチルヘキサン酸スズ(II)を100mlのガラス製血清瓶に加えた。テフロン(登録商標)コートした磁気撹拌子を瓶に入れ、テフロン(登録商標)コートしたシリコンセプタムとクリンパーで密封した。反応瓶は窒素で20分間パージし、撹拌子と共に140℃のシリコン油浴中に72時間設置した。反応液を20mLのクロロホルムに溶解し、約200mLのメタノールに注ぎ沈殿させた。この工程を3回繰り返した。最終的な精製ポリマーをクロロホルムに溶解しPTFEトレーに注いだ。トレイは50℃の真空オーブンに一晩置いた。
ポリマーD105の生成のための一般的反応
Figure 0005188971
実施例4
実施例1-3のポリマーを使用した移植可能な医療機器のためのコーティングの製造方法:薬物/ポリマー系(薬物30%)の共溶媒
0.25gのゾタロリムス(以前はABT-578として知られていた)を細口ガラス瓶に計量した。25mLの塩化メチレンを同じ瓶に加えた。液が透明になるまで混合する。本発明に従って製造した0.25gの生分解性ポリマーを小さい計量パンに量り取り、同じ細口瓶に移す。25mLの塩化メチレンを瓶に入れた。前記と同様に液が透明になるまで混合した。マイクロピペットを使用して3mLのゾタロリムス/塩化メチレン溶液を細口ガラス瓶に加えた。マイクロピペッターを用いて7mLのポリマー/塩化メチレン溶液を同じ細口ガラス瓶に加えた。薬物/ポリマー溶液をMAXMIXIIミキサー上で混合した。薬物/ポリマー溶液を0.45μm PTFEフィルターでろ過し、他のあらかじめ洗浄した細口瓶に入れた。
その後溶液をステントに噴霧した。コートしたステントを一晩IIB2フード内に置き、乾燥させたコート後のステントの重量を量った。
実施例5
実施例1-3のポリマーを使用した移植可能な医療機器のためのコーティングの製造方法:薬物/ポリマー系(薬物25%)の共溶媒
0.25gのゾタロリムスを細口ガラス瓶に計量した。25mLの塩化メチレンを同じ瓶に加えた。液が透明になるまで混合した。本発明に従って製造した0.25gの生分解性ポリマーを小さい計量パンに量り取り、同じ細口瓶に移す。25mLの塩化メチレンを瓶に入れた。前記と同様に液が透明になるまで混合した。マイクロピペットを使用して2.5 mLのゾタロリムス/塩化メチレン溶液を細口ガラス瓶に加えた。マイクロピペッターを用いて7.5mLのポリマー/塩化メチレン溶液を同じ細口ガラス瓶に加えた。薬物/ポリマー溶液をMAXMIXIIミキサー上で混合した。薬物/ポリマー溶液を0.45μm PTFEフィルターでろ過し、他のあらかじめ洗浄した細口瓶に入れた。
その後溶液をステントに噴霧した。コートしたステントを一晩IIB2フード内に置き、乾燥させたコート後のステントの重量を量った。
本発明は、血行力学的環境下での使用に適した、最適化された薬物放出医療機器コーティング及びそれ自体が全体的に、又はほとんど全部が本発明のポリマーで構成される医療機器を対象とする。本発明のコーティング及び装置は、少なくとも一つの、それらの中に分散された生理活性物質又は薬物を有していても良い。
前述の構造的及び薬物放出特性を考慮することに加え、ステントコーティングとして使用されるポリマーはまた、生体適合性でなければならない。生体適合性は前述の「用語の定義」の項で手短に定義した多くの要素を内含する。ポリマーが生体適合性である必要性は、材料分野の科学者が利用可能なオプションの数をかなり制限する。さらに、これらのオプションはポリマーのコーティングが血行動態的な力に持続的にさらされる装置上で使用される場合にさらに制限される。例えば、ステントコーティングは非血栓形成性で、非炎症性で、長期間構造的に安定でなければならない。例えば、ステントコーティングは非血栓形成性で、非炎症性で、長期間構造的に安定でなければならない。
従って、本発明に従って製造されたステントコーティングポリマーが有すべき、4つの特異的な特性が存在する。本発明のポリマー構成は生体適合性で、予定された速度で分解し、弾力性/延性であり、及び予測可能な薬物放出特性を有すべきである。他の必要条件はエチレンオキサイド滅菌法を含む(これに限定されない)滅菌法に不活性であるというような適合性を有することである。本発明は、本発明に従って製造した新規なポリマー組成物を提供する。
放出速度は必ずしももっぱら薬物‐ポリマー適合性の機能というわけではない。コーティング組成物、ポリマー膨張性及びコーティングの厚さもまた役割を担う。さらに、本発明は薬物溶出速度を制御するまた別の方法を提供する。本発明の生分解性ポリマーを特定の速度で分解するように調節することにより、薬物溶出を正確にコントロールし、及びポリマーの完全な分解により薬物溶出を終了することができる。
本発明の医療機器が脈管構造において使用される場合、コーティングの寸法は一般的にマイクロメートル(μm)で測定される。本発明のコーティングは1μm〜1000μmの厚さである。本発明の範囲内において少なくとも2つの明確なコーティング形態が存在する。本発明の一実施態様において、薬物含有コーティングは直接装置の表面に又はポリマープライマーの上に適用される。溶解速度や所望する特性に依存して、薬物は完全にポリマーマトリックス内に可溶であるか、又はくまなく均一に分散している。ポリマーマトリックス内に存在する薬物濃度の範囲は0.1質量%〜80質量%である。どちらにしても、コーティング組成物が均一であることが最も望ましい。この特定の構成は一般的にドラッグポリマーマトリクスと呼ばれる。
最後に、コーティングの厚さに戻ると、厚さは一般に総合的な薬物放出速度及び特性とする決定する上で重要ではない要素であるが、依然として、コーティングを調整するために使用可能な追加的要素である。基本的に、他のすべての物理学的及び化学的の要素が変わらないままであるなら、与えられた薬物が与えられたコーティングを通って拡散する速度はコーティングの厚さに正比例する。つまり、コーティングの厚さを増加させると、放出速度は逆に増加する。
我々はここで本発明の適合化した生分解性調節性放出コーティングに貢献する他の要素について述べる。先に述べたように、血行力学的環境に配置する医療機器を意図したコーティングは優れた付着特性を有していなければならない。つまり、コーティングは安定して医療機器表面に結合していなくてはならない。移植可能な医療機器を作成するためにステンレス鋼、ニチノール、アルミニウム、クロム、チタン、金、コバルト、セラミック及び広い範囲の合成ポリマー及びコラーゲン、フィブリン及び植物繊維を含む天然材料、を含む(しかしこれらに限定されない)多くの異なる材料を使用することができる。これらすべての材料又は他の材料はこの発明に従って調節性放出性コーティングと共に使用することができる。さらに、生理活性物質がポリマー中に分散し、機器の分解時に放出されるように本発明のポリマーは医療機器全体を作成する為に使用することができる。本発明のこの特性は特に装置が、その後の取り外しが、必要である場合に、可能でないか又は複雑で、リスクの高い外科手術が必要な体の離れた領域に移植される際役に立つ。
本発明の一つの実施態様は図4に図示される。図4において構造402を有する血管ステント400は、ステンレス鋼、ニチノール、アルミニウム、クロム、チタン、セラミック及び広い範囲の合成ポリマー及びコラーゲン、フィブリン及び植物繊維を含む(これらに限られない)天然材料を含む非制限の材料群から製作される。構造402は本発明に従って製造されたコーティング組成物が施されている。
図5a-dはさまざまなコーティングを施したステント400の断面図である。図5aにおいてステント400はパリレンなどのような(これに限定されない)任意の医療用プライマーを含む第1のポリマーコーティング502、第2の調節性放出コーティング504、及び3番目のバリア、又はキャップ、コートである506を有する。図5bにおいて、ステント400はパリレンのような(これに限定されない)任意の医療用のプライマーを含む第1のポリマーコーティング502及び第二の調節性放出コーティング504を有する。図5cにおいて、ステント400は第1の調節性放出コーティング504及び第2のバリアー又はキャップ、コート506を有する。図5dにおいて、ステント400は調節性放出コーティング504のみを有する。図6はバルーンカテーテル601の上に、本発明に従って作製したコーティング604を有する血管ステント400を図示する。
どのようにポリマーが表面に付着するかについて、説明を試み、又は我々の理解に寄与する多くの理論が有る。最も重要な力には静電及び水素結合が含まれる。しかしながら、水和性、吸収及び弾性を含む他の要素もまた、どれほど良くポリマーが異なる表面に付着するかを決定する。従って、ポリマーベースコート又はプライマーは、より単一なコーティング表面を作成する為に度々使用される。
本発明の調節性放出コーティングは医療機器の表面に、下塗りし又は裸のままで、当業者に知られた方法で適用することができる。本発明に適合した適用方法には例えばスプレー、浸漬、ブラッシング(はけ塗り)、真空蒸着、その他の方法が含まれるが、これらに制限されない。さらに、本発明の調節性放出コーティングはキャップのコートにも使用しても良い。本明細書で使用されるキャップコートは他のコーティングの上に適用される最外側のコーティング層を意味する。薬物放出コポリマーコーティングはプライマーコートに使用される。ポリマーキャップコートは薬物放出するコポリマーコーティングの上に適用される。キャップコートは任意にさらに薬物放出を制御するため又は別々の薬物を提供する為の拡散障壁として役立つかもしれない。キャップコートは、単にステントを保護するために表面に付けられた生体適合ポリマーであり、溶出速度には影響がなくても良い。本発明の一つの側面は移植するまで装置及び生理活性物質を環境から保護する生体分解性のキャップコートを提供することである。移植が完了した後、生体分解性キャップは予定した速さで分解し(本発明に従ってポリマーバックボーンに官能基を付加及び修飾することにより可能にする。)医療機器表面及び生理活性物質を生体環境に露出する。
上で議論したように、医療機器は本発明のポリマー化合物からさまざまな方法を使用して製作することができる。例証の目的であり、制限されるものではないが、生分解性血管ステントについて記載する。一つの実施態様において、ステントは第1及び第2末端を有し、第1及び第2末端の間に壁状表面を備える管状の部材である。壁は押し出し成形されたポリマー短繊維で組ひも様に編まれた実施例で構成される。第2の実施態様において、ステントは射出成形又は押し出し成形である。チューブの壁の開窓は、成形、レーザー切断、打ち抜き、機械加工による。
組みひも状のステント実施態様ではモノフィラメントはペレットにして乾燥させたポリマー材料から製作される。その後乾燥ポリマーペレットを押し出して、粗モノフィラメントを成形し急冷する。押し出され、急冷された粗モノフィラメントはその後引っ張って平均半径が約0.01mm〜0.6mm、好ましくは約0.05mm〜0.15mmである最終製品であるモノフィラメントにする。約10〜約50の最終製品であるモノフィラメントを組角度が90〜170度になるように、ブレードマンドレル(braid mandrel)のサイズは適用に適したものでバスケット織り状になるように編む。編んだステントは次に、ブレードマンドレルからはずし、ステントの内径と等しいかそれより小さい外径を有するアニーリングマンドレルに配置し、ポリマーガラス転移温度とポリマー混合物の融点の間の温度で、5分から18時間の間、空気中、不活性雰囲気下又は真空の下で徐冷される。ステントは冷却し、切断する。
本発明の押し出し管状ステントは最初にペレット化したポリマーを押し出し形成装置の注射外筒にいれ、圧をかけて型に射出し、冷却し、固まるまで放置する。ステントは型からはずす。本発明に従って製造したステントは、ステントチューブに開窓を有するように型に入れて作っても良いし、作らなくても良い。開窓ステントの好ましい実施態様は空のチューブを開窓無しで射出成形又は押し出し成形し、好ましくは射出成形する。冷却後、打ち抜き装置又はレーザー切断により管に開窓し、好ましくはレーザー切断する。得られた開窓又は窓は最終産物であるステントの圧縮と自己拡張の特性に悪影響を与えないどんな形も想定しても良い。
ステントは、次に、ステントの内径と等しいかそれより小さい外径を有するアニーリングマンドレルに配置し、ポリマーガラス転移温度とポリマー混合物の融点の間の温度で、5分から18時間の間、空気中、不活性雰囲気下又は真空の下で徐冷される。ステントは冷却し、必要であれば切断する。
本発明に従って製造されたステントは一般に、使用されているポリマーの分子量に比例して増加する機械的特性及び力を有している。必要とする機械的性質とin vivo分解速度を有するステントの処理効果及び収量に適応して最適な分子量が選択される。
ステントを作るのに使用されるポリマー又はポリマー混合物の2つの物理的特性、すなわち抗張力及び引張り係数がステントの総合的な機械的特性の定義における重要な役割を果たす。抗張力は破壊点における単位面積当たりの力と定義される。切断、または破砕する前に基体が耐えることができる通常、平方インチ(psi)あたりのポンドで表される力の量である。psiで表された引張り係数は、基体の堅さ、または引張りへの抵抗の表現であり、ステントの自己拡張特性に直接関連する1単位の緊張を達成するのに必要な力である。
抗張力及び引張り係数は自己拡張ステントの動作特性を定義する物理学的特性であり、これらの特性には加圧耐性及び自己拡張又は半径方向拡張(radial expansion)力がある。加圧耐性は周りの組織の周囲からの圧力に対するステントの抵抗する能力に関する。加圧耐性が低いステントは開通性を維持することができない。自己拡張力は一度挿入した狭窄した内管に開通性を回復するステントの許容性を決定する。自己拡張と加圧耐性の組み合わせは、競合する特性であり、ステントを設計する際に注意深く考慮しなければならない。
他に示さない限り、明細書及び請求項内で使用される、成分の量、分子量、反応条件等々を表現するすべての数字はすべての場合、「約」という用語で修正して理解すべきである。従って、反対に指定しない限り、以下の明細書及び添付する請求項に記載する数値パラメーターは本発明により得ることが求められる所望する特性により変化する近似である。少なくとも、それぞれの数字のパラメーターは均等論の請求の範囲内への適用を制限しようとするものではなく、各数値パラメーターは少なくとも報告された有効数字の数の観点から、通常の丸め技術を適用して解釈すべきである。発明の広い範囲について記載されている数字の範囲とパラメーターは近似であるが、特定の例に記載された数値はできるだけ正確に報告される。しかしながら、どんな数値も本来必ずそれらのそれぞれの試験測定値で見つけられた標準偏差から生じる特定の誤りを含む。
発明を記載する為に本内容(とりわけ以下の請求項の内容)で使用される「a」及び「an」及び「the」及び同様の指示対象の用語は、明細書中で他に示す又は明らかに内容と矛盾しない限り単数及び複数を包含するものと解釈される。本明細書中の数値の範囲の列挙は、範囲内のそれぞれの値を簡略化した方法として提供することを意図する。明細書中で他に示さない限り、各値は独立して列挙されたように明細書に組み込まれる。本明細書に記載されたすべての方法は本明細書で他に示さない限り又は明らかに内容と矛盾しない限り適切な順番で行われる。本明細書における任意の及びすべての実施例又は例示的な言語(例えば「のような」)は単に発明をより明らかにすることを意図し、他に規定しない限り発明の範囲を限定するものではない。明細書中のどの言語も発明の実施に必須な規定されていない要素を示していないと解釈されるべきである。
本明細書で開示した発明の代替要素又は実施態様のグループ化は制限と解釈すべきでない。それぞれの群の構成要素は、独立して又は群の他の構成要素又は本明細書に見られる他の要素と任意に組み合わせて言及され、請求され得る。利便性及び/又は特許性の理由で群の一以上の構成要素が群に含まれる又は群から削除されることが予測される。そのような任意の含有又は削除が起こった際には、本願明細書は添付される請求項において使用されるすべてのマーカッシュ群の記載を満たすように修正する群を含むと見なす。
本明細書に記載された本発明の好ましい実施態様は、本発明を実施するうえで最良の形態として発明者に知られているものを含む。もちろん、これらの好ましい実施態様の変形は以上の記載を読んだ当業者にとって明らかになるだろう。発明者は当業者がそのような適切な変形を行うことを期待し、及び発明者は発明が本明細書に明確に記載されているものと異なる実施をされることを意図している。従って、本発明は主題に準拠法で許容されるように付加されたクレームで列挙された内容のすべての変形と同等物を含んでいる。さらに、本明細書で特に示さない限り、又は明らかに内容に矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における、上述の要素のいかなる組み合わせも発明に含まれる。
最後に、本明細書中に開示された発明の実施例は本発明の原理の例証であると理解されるべきである。他の使用されるであろう改変も発明の範囲内にある。このように、一例として、しかしこれに限定されるものではなく、本発明の代替の構成は本発明に従って利用されてもよい。従って、本発明はまさに示され及び記載された通りのものに制限されない。
最も一般的な生分解性ポリマーの化学式を示す。 ポリマーコーティングからの薬物放出に関する理想的な1次反応速度式をグラフに示す。 ポリマーコーティングからの薬物放出に関する理想的な0次反応速度式をグラフに示す。 本発明における抗再狭窄化合物を送達する血管ステントの図を示す。 本発明に従い製造した多様な薬物溶出コーティングを有する医療機器(ステント)の断面図を示す。 血管形成術及び再狭窄の危険性のある管腔へのステントの部位特異的送達の為に使用するバルーンカテーテルアッセンブリ(balloon catheter assembly)の図を示す。

Claims (28)

  1. 式Iの化合物から誘導された少なくとも一つのモノマー単位を有する生分解性ポリマーを含む医療機器。
    Figure 0005188971
    (式中Rは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18 アルケニル又はアルキニル、アリール、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシル基である。)
  2. Rが水素である請求項1記載の医療機器。
  3. Rがメチル基である請求項1記載の医療機器。
  4. 医療機器が血管ステント、ステントグラフト、尿道ステント、胆汁管ステント、カテーテル、縫合糸、眼科用装置、心臓弁、シャント、ペースメーカー、骨接合用ネジ及びアンカー、保護板、及び人工関節からなる群から選択される請求項1記載の医療機器。
  5. 生分解性ポリマーがさらにゾタロリムス、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、蛋白-チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプターガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、ビスホスホネート類、上皮成長因子阻害剤類、抗体類、プロテオソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド類、及び、形質転換核酸類からなる群から選択される生理活性物質を含んでいる請求項1記載の医療機器。
  6. 生分解性ポリマーが式IIの化合物を含む請求項1記載の医療機器。
    Figure 0005188971
    (式中a:b:c:dは繰り返し単位であり、式中 a=0-20,000、b=1-20,000、c=1-2000及びd=0-20,000及びRは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18アルケニル又はアルキニル、アリール、直鎖又は分岐アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシである。)
  7. Rがメチル基であって、繰り返し単位がa:b:c:d=44:11.8:0.2:44の比率で存在する請求項6記載の医療機器。
  8. 生分解性ポリマーが式IIIの化合物を含む請求項1記載の医療機器。
    Figure 0005188971
    (式中a:b:cは繰り返し単位であり、式中a=0-20,000、b=1-2000及び、c=1-20,000及びRは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18アルケニル又はアルキニル、アリール、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシである。)
  9. Rがメチル基であり及び繰り返し単位がそれぞれa:b:c=99:0.13:0.87の比率で存在する請求項8記載の医療機器。
  10. 生体分解ポリマーが式IVの化合物を含む請求項1記載の医療機器。
    Figure 0005188971
    (式中a:b:cは繰り返し単位であり、及び式中a=0-20,000、b=1-20,000及び、c=1-20,000及びRは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18アルケニル又はアルキニル、アリール、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシである。)
  11. Rがメチル基であり及び繰り返し単位がそれぞれa:b:c=3:96:1の比率で存在する請求項10記載の医療機器。
  12. 前記医療機器が血管ステント、ステントグラフト、尿道ステント、胆汁管ステント、カテーテル、縫合糸、眼科用装置、心臓弁、シャント、ペースメーカー、骨接合用ネジ及びアンカー、保護板、及び人工関節からなる群から選択される請求項6〜11のいずれか1項に記載の医療機器。
  13. 前記生分解性ポリマーがさらにゾタロリムス、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、蛋白-チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプターガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、ビスホスホネート類、上皮成長因子阻害剤類、抗体類、プロテオソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド類、及び、形質転換核酸類からなる群から選択される生理活性物質を含んでいる請求項6〜11のいずれか1項に記載の医療機器。
  14. 少なくとも一つのモノマー単位が式Iの化合物から誘導される生分解ポリマーを含んだ血管ステント。
    Figure 0005188971
    (式中Rが水素であり及び前記生分解性ポリマーがさらに生理活性物質を含む)
  15. 前記生理活性物質がゾタロリムスである請求項14記載の血管ステント。
  16. 少なくとも一つのモノマー単位が式Iの化合物から誘導される生分解性ポリマーを含んだ放出制御コーティングを有する移植可能な医療機器。
    Figure 0005188971
    (式中Rは水素であり及び前記生分解性ポリマーはさらにゾタロリムスを含む)
  17. ステンレス鋼、ニチノール、アルミニウム、クロム、チタン、金、コバルト、コバルト合金、チタン合金、セラミック及び合成ポリマーからなる群から選択される生体適合性材料から製造された血管ステントである、請求項16記載の移植可能な医療機器。
  18. 少なくとも一つのモノマー単位が式Iの化合物から誘導される生分解性ポリマーを含む生分解性の移植可能な医療機器。
    Figure 0005188971
    (式中Rは水素であり及び前記生分解性ポリマーがさらにゾタロリムスを含む)
  19. 少なくとも一つのモノマー単位が式Iの化合物から誘導される生分解性ポリマーを含む調節性放出コーティングを有する血管ステント。
    Figure 0005188971
    (式中Rは水素であり及び前記生分解性ポリマーがさらにゾタロリムスを含む)
  20. 少なくとも一つのモノマー単位が式Iの化合物から誘導される生分解性ポリマーを含む生分解性血管ステント。
    Figure 0005188971
    (式中Rは水素であり及び前記生分解性ポリマーはさらにゾタロリムスを含む)
  21. 式Iの化合物を含む生分解性ポリマーの製造における使用に適したモノマー。
    Figure 0005188971
    (式中Rは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18 アルケニル又はアルキニル、アリール、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシル基である。)
  22. 式IIの化合物を含む生分解性ポリマー。
    Figure 0005188971
    (式中a:b:c:dは繰り返し単位であり及び式中a=0-20,000、b=1-20,000、c=1-2000及びd=0-20,000であり及びRは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18アルケニル又はアルキニル、アリール、非置換又は置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシル基である。)
  23. 前記Rがメチル基であり、及び繰り返し単位がそれぞれa:b:c:d=44:11.8:0.2:44の比で存在する請求項22記載の生分解性ポリマー。
  24. 式IIIの化合物を含む生分解性ポリマー。
    Figure 0005188971
    (式中a:b:cは繰り返し単位であり、前記a=0-20,000、b=1-2000及び、c=1-20,000であり及びRは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18アルケニル又はアルキニル、アリール、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシル基である。)
  25. Rがメチル基であり、及び繰り返し単位がそれぞれa:b:c=99:0.13:0.87の比である請求項24記載の生分解性ポリマー。
  26. 式IVの化合物を含む生分解性ポリマー。
    Figure 0005188971
    (式中a:b:cは繰り返し単位であり、及び前記a=0-20,000、b=1-20,000及び、c=1-20,000であり、及びRは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18アルケニル又はアルキニル、アリール、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基、又はヒドロキシル基である。)
  27. Rがメチル基であり、及び繰り返し単位がそれぞれa:b:c=3:96:1の比である請求項26記載の生分解性ポリマー。
  28. 式Iのモノマー及びδ-カプロラクトン、ジオキサノン、炭酸トリメチル、アミノ酸、ペプチド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの他のポリマー繰り返し単位を含む生分解性ポリマー。
    Figure 0005188971
    (式中Rは水素、直鎖又は分岐C1-C18アルキル、C3-C18シクロアルキル、直鎖又は分岐C2-C18 アルケニル又はアルキニル、アリール、置換又は非置換アミノ基、アミノ酸残基又はヒドロキシル基である。)
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