JP5180886B2 - ヒンジ装置および建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたピボットヒンジは、ドア本体に固定されるケースと、このケースに上下移動自在に設けられるスライダと、このスライダをケースに対して上方に付勢するコイルばねと、スライダを下方に没入操作する操作部材とを有して構成されている。そして、スライダの上面に設けられた係合孔と受け部材のピボット軸部とを係合させることで、ドア本体がドア枠に開閉自在に支持されるとともに、ピボットヒンジの操作部材を操作してケース内部にスライダを没入させることで、係合孔とピボット軸部との係合が外れてドア枠からドア本体を取り外すことができるように構成されている。
特許文献2に記載されたヒンジ装置では、一方のピボット部材における軸の周囲に当たり部が設けられ、他方のピボット部材における孔部の近傍に当たり部が設けられ、これらの当たり部同士が当接することで、扉の最大開き角度が設定できるように構成されている。
また、本発明では、ヒンジ本体およびヒンジ受けのうち、一方には他方に向かって突出する突起が形成され、他方には前記突起を受け入れる凹部が形成され、これらの突起および凹部が互いに回転不能に係合されている。そのため、突起と凹部とを凹凸嵌合させることで、比較的簡単な構造でヒンジ本体とヒンジ受けとを互いに回転不能に係合させることができる。ここで、突起と凹部とを回転不能に係合させる構成としては、例えば、突起を角柱状に形成して凹部を角孔状に形成したり、突起と凹部とをスプライン状に形成したりなど、適宜な構成が利用可能である。
さらに、本発明では、ヒンジ本体およびヒンジ受けのうちの一方において、突起が突没自在に支持されるとともに、回転機構には、面材が所定の開閉位置にない状態で突起を没入不能に規制する没入規制手段が設けられている。そのため、突没支持手段によって突起を没入させることで凹部との係合を外して面材を取り外すことができ、突起を没入させた状態で面材を建て込んでから突起を突出させて凹部に係合させることで、面材を開閉自在に支持することができる。そして、面材が所定の開閉位置にない状態では、没入規制手段によって突起を没入不能とすることで、所定の開閉位置にある場合のみ面材の建て込み、取り外しを実施することができる。これにより、例えば、所定の開閉位置として面材の閉鎖位置を設定しておけば、閉鎖位置以外に面材が開放された状態では突起が没入不能に規制され、面材を取り外すことができなくなることから、意図せずに面材が脱落してしまうことが防止できる。
このような構成によれば、回転機構に回転角度規制手段を設けたことで、面材の開放角度などを回転機構によって規制することができるので、ヒンジ本体とヒンジ受けとの両方に当たり部等を設ける必要がなくなり、回転機構が設けられない側のヒンジ本体またはヒンジ受けの構造を簡単化することができる。そして、回転機構において回転支持部に対する回転部材の回転を規制するように回転角度規制手段を構成することで、一体的に組み立てられる部品(ヒンジ本体またはヒンジ受け)によって面材の開放を所定角度に規制することができ、角度規制の精度を向上させることができる。
このような構成によれば、円弧状の長孔を介してヒンジ受けが支持体に取り付けられることで、固着具を緩めてから長孔に沿ってヒンジ受けを回動させるだけで、その取付角度を調節することができる。従って、支持体からヒンジ受けを完全に取り外すことなく取付角度が調節できるので、調節作業が容易にできて作業性やメンテナンス性をさらに向上させることができる。
この発明によれば、前記ヒンジ装置と同様の効果を得ることができ、面材の開放角度の調整作業が容易にできて作業性やメンテナンス性を向上させることができる。
図1に示すように、本発明の建具としてのドア1は、例えば、脱衣室と浴室とを仕切る浴室出入り口用の建具であって、上枠2、下枠3および左右の縦枠4を枠組みした枠体(支持体)としての建具枠5と、この建具枠5に支持されて浴室側に開閉可能に設けられる障子10とを備えて構成されている。障子10は、上框11、下框12および左右の縦框13と、これらを四周框組みした内部に支持される樹脂パネル14とを有して構成されている。この障子10は、一方側(図1の右側)であり吊り元側の縦框13Aの上下端部がそれぞれ上枠2および下枠3に回転可能に支持され、他方側(図1の左側)である戸先側が浴室に向かって開放可能に構成されている。そして、吊り元側の縦框13Aの上端部は、ヒンジ装置20によって上枠2に支持され、縦框13Aの下端部は、図示しない通常のヒンジによって下枠3に支持されている。
例えば、前記実施形態では、浴室出入り口用の建具としてのドア1を例示して説明したが、本発明の建具は、浴室出入り口用の建具に限らず、建物の窓や出入り口に用いられるものであってもよいし、家具等の扉に用いられるものであってもよい。また、前記実施形態では、支持体として建具枠5(枠体)を例示し、面材として障子10を例示したが、支持体は、建具枠5に限らず、建物躯体や内装材など任意の部位であってもよく、面材は、障子10に限らず、木製や金属製、樹脂製のパネル体、あるいは複数材料を複合して構成されたパネル体であってもよい。
また、前記実施形態では、ヒンジ本体21のヒンジケース23およびピボット24によって回転機構を構成したが、この回転機構がヒンジ受け22に設けられていてもよい。
さらに、前記実施形態では、ピボット24に設けた突起241とヒンジ受け22に設けた凹部221とが互いに回転不能に係合する構成を説明したが、ヒンジ受け22に突起を設け、ピボット24に凹部を設けてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 支持体に対して面材を開閉自在に支持するヒンジ装置であって、
前記面材側に設けられるヒンジ本体と、前記支持体側に設けられるヒンジ受けとを備え、これらのヒンジ本体およびヒンジ受けのいずれか一方に回転機構が設けられるとともに、この回転機構よりも他方側にて当該ヒンジ本体とヒンジ受けとが互いに回転不能に係合され、
前記ヒンジ受けは、前記回転機構の回転方向に沿った取付角度を調節可能に前記支持体に取り付けられ、
前記ヒンジ本体および前記ヒンジ受けのうち、一方には他方に向かって突出する突起が形成され、他方には前記突起を受け入れる凹部が形成され、これらの突起および凹部が互いに回転不能に係合され、
前記ヒンジ本体および前記ヒンジ受けのうちの一方において、前記突起が突没自在に支持されるとともに、前記回転機構には、前記面材が所定の開閉位置にない状態で前記突起を没入不能に規制する没入規制手段が設けられているヒンジ装置。 - 前記回転機構は、前記ヒンジ本体またはヒンジ受けに設けられる回転支持部と、この回転支持部に回転自在に支持される回転部材と、当該回転支持部に対する回転部材の回転を所定角度に規制する回転角度規制手段とを有して構成される請求項1に記載のヒンジ装置。
- 前記ヒンジ受けは、前記回転機構の回転中心回りに円弧状に形成された長孔を有し、この長孔を介した固着具によって前記支持体に取り付けられている請求項1または請求項2に記載のヒンジ装置。
- 支持体としての枠体と、この枠体内部に設けられる面材と、この面材を前記枠体に開閉自在に支持する請求項1から請求項3のいずれかに記載のヒンジ装置とを備え、
前記ヒンジ装置は、前記面材側に設けられるヒンジ本体と、前記支持体側に設けられるヒンジ受けとを有して構成されている建具。
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JP2009071433A JP5180886B2 (ja) | 2009-03-24 | 2009-03-24 | ヒンジ装置および建具 |
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