JP5179249B2 - 制御装置シミュレーション方法、システム及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などに使用される電子制御ユニット(ECU)のテストに関し、より詳しくは、ソフトウェア・ベースでの複数ECUのテストに関するものである。
自動車は、その初期の時代の20世紀初頭は、動力としてのエンジンと、ブレーキ、アクセル、ハンドル、トランスミッション、サスペンジョンを含む、機構部品からなっていたが、エンジンのプラグの点火、ヘッドライト以外は、電気的な仕組みはほとんど利用していなかった。
ところが、1970年代頃から、大気汚染、石油危機などに備えて、エンジンを効率的に制御する必要性が生じ、このためエンジンの制御に、ECUが使用されるようになってきた。ECUは、一般的に、センサからの入力信号を、例えばA/D変換する入力インターフェースと、決められた論理に従ってディジタル入力信号を処理する論理演算部(マイクロコンピュータ)と、その処理結果を、アクチュエータ作動信号に変換する出力インターフェースとから構成される。
ここで、ECUに信号を入力するセンサには、エンジンの温度などを計測する温度センサ、エンジンに吸入される圧力を推定するための圧力センサ、アクセスペダルの踏み量を測定するスロットル・ポジション・センサ、ステアリング舵角センサ、車高センサ、回転速度センサ、ノックセンサ、加速度センサ、流量センサ、酸素センサ、希薄空燃比センサなどがある。
一方、ECUの出力信号によって駆動されるアクチュエータには、電磁ソレノイド及びモータ等がある。ソレノイドは例えば、エンジンのインジェクタ、トランスミッションのシフト・コントロール、ブレーキのバルブ制御、ドアロックなどに使用される。
モータは、主としてサーボ機構として、エンジンのスタータ、エンジンのフューエル・コントロール、ブレーキの油圧ポンプ、舵角制御、ステアリング、ワイパ、パワーウインドウ、シートベルト、エアバックなどに使用される。
1970年代は、ECUの主要な用途は、エンジンを効率的に制御することであったが、1980年代になると、それだけに限らず、より安全に、快適に自動車を走らせることに、ECUが使用され始めてきて、現在では、自動車一台に50個を越えるECUが搭載されることが多くなってきている。このように多数のECUが自動車に搭載されると、開発段階で、複数のECUがきちんと適正に協働して動作するかどうかをテストするのが非常に大変になってくる。
このようなテストにために従来行われている技法として、HILS(Hardware In the Loop Simulation)がある。特に、自動車全体のECUをテストする環境は、フルビークルHILSと呼ばれる。フルビークルHILSにおいては、実験室内で、本物のECUが、エンジン、トランスミッション機構などをエミュレーションする専用のハードウェア装置に接続され、所定のシナリオに従って、テストが行われる。ECUからの出力は、監視用のコンピュータに入力され、さらにはディスプレイに表示されて、テスト担当者がディスプレイを眺めながら、異常動作がないかどうか、チェックする。
しかし、HILSは、専用のハードウェア装置を使い、それと本物のECUの間を物理的に配線しなくてはならないので、準備が大変である。また、別のECUに取り替えてのテストも、物理的に接続し直さなくてはならないので、手間がかかる。さらに、本物のECUを用いたテストであるため、テストに実時間を要する。従って、多くのシナリオをテストすると、膨大な時間がかかる。また、HILSのエミュレーション用のハードウェア装置は、一般に、非常に高価である。
そこで近年、高価なエミュレーション用ハードウェア装置を使うことなく、ソフトウェアで構成する手法が存在する。この手法は、SILS(Software In the Loop Simulation)と呼ばれ、ECUに搭載されるマイクロコンピュータ、入出力回路、制御のシナリオなどを全て、ソフトウェア・シミュレータで構成する技法である。これによれば、ECUのハードウェアが存在しなくても、テストを実行可能である。
しかし、従来知られているSILSは、機能単体のソフトウェア検証を行うだけで、いわゆる、マルチECUに関するSILSを達成することを可能ならしめるものではなかった。
特開平6−161987号公報は、ECUハードウェアを擬似的に実現して、ソフトウェアによる実機評価を可能ならしめることを目的とするものであって、マトリックス・スイッチを切り替えることによって、所望の機能のハードウェアをシミュレートすることを開示する。
特開平11−14507号公報は、車両全体のロジックを机上で検証できるようにすることを課題とするものであり、エンジン制御模擬装置(ECU)と、車両制御模擬装置からなる車両シミュレーション装置を開示する。ECUは、エンジンモデルの制御パラメータを演算し、その演算結果を車両制御模擬装置に送信する。車両制御模擬装置は、ECUから送られてくる制御パラメータを用いて車両モデルの各部の状態量を演算してその演算結果をECUに返送する。車両モデルは、ドライバモデル、吸気系モデル、燃料系モデル、燃焼系モデル、エンジン温推定モデル、駆動系モデル、触媒モデル、A/Fセンサモデル、リアO2 センサモデルから構成されている。ドライバモデルは、目標車速の変化パターンを入力する車速パターン入力手段を有する。
特開平6−161987号公報 特開平11−14507号公報
上記従来技術は、ECUをソフトウェアでシミュレートする技術を開示するが、そのような従来技術は、マルチECUのソフトウェア・シミュレーションに適用することは非常に困難であるか、事実上不可能である。というのは、ECUは、個別にマイクロプロセッサをもち、クロックレートもまちまちである。従って、このような個別のECUを接続したテスト環境全体をソフトウェアでシミュレートするためには、従来技術では教示されない新規な技法が必要である。
従って、この発明の目的は、自動車などに使われるマルチECUの構成を、ソフトウェアでシミュレートする技術を提供することにある。
本発明によれば、好適にはマルチCPUのワークステーションが用意される。また、各ECUのソフトウェア・エミュレータが用意される。一般的には、ECUのソフトウェア・エミュレータは、そのECUのメーカから入手可能である。
各ECUのソフトウェア・エミュレータは、好適には、マルチCPUのワークステーション上で走るように、ワークステーションのオペレーティング・システムの所定のレイヤとインターフェースする。各ECUのソフトウェア・エミュレータには、好適には、マルチCPUのうちの各々のCPUが割り当てられ、以って、各CPUによって、各ECUエミュレータは独立に動作可能である。ECUの数よりもCPUの数が少ない場合は、1つのCPUに、複数のECUエミュレータが割り当てられる。いずれにしても、オペレーティング・システムは、各ECUエミュレータ毎に1つのプロセスを割り当て、以って、各ECUエミュレータは、固有の異なるクロックで動作しているように、エミュレーションを行うことができる。すなわち、各ECUエミュレータは、異種ECUであってよい。
各ECUエミュレータには、ワークステーションのメモリの一部が、内部処理用のプライベート・メモリが割り当てられる。さらに、ECUエミュレータは、ワークステーションの共用メモリとして割り当てられた箇所にもアクセス可能であり、この共用メモリを介して、各ECUエミュレータは、互いにデータをやりとりしたり、同期したり、通信したりすることが可能である。あるいは、ECUエミュレータは、CAN(controller area network)エミュレータで接続してもよい。
本発明によれば、各ECUエミュレータは、投機的にエミュレートされる。すなわち、各ECUエミュレータは、個別のクロックで非同期に動作し、独自の投機的時間をインクリメントする。さらに、システム・スケジューラが設けられ、各ECUエミュレータによって送られた全ての投機的時間を維持し、システム・スケジューラは、「最終」時間を更新する。そうして、ECUエミュレータが、自分の投機的時間よりも前のタイムスタンプをもつ外部入力を受け取ると、そのECUエミュレータは、そのタイムスタンプが指し示す過去の時間に自身のクロックを巻き戻し、タスクを再実行する。この目的のために、ECUエミュレータは、少なくともある一定期間は、その内部状態を、好適にはそのプライベート・メモリに保持しておく。これにより、巻き戻された時間に対応する内部状態をセットすることにより、タスクを再現可能である。
こうして、投機的エミュレーションによって、異種マルチECU、さらには好適には、異種マルチECUからなるフルビークル・ソフトウェア・エミュレーションが可能となる。
また、フルビークル・ソフトウェア・エミュレーションによって、クロック速度を速めることができるので、HILSの場合よりもはるかに高速に、フルビークル・ソフトウェア・エミュレーションを行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施例の構成及び処理を説明する。以下の記述では、特に断わらない限り、図面に亘って、同一の要素は同一の符号で参照されるものとする。なお、ここで説明する構成と処理は、一実施例として説明するものであり、本発明の技術的範囲をこの実施例に限定して解釈する意図はないことを理解されたい。
本発明を実現するための構成を説明する前に、その前提として、ECUについて説明する。ECUは、一般的に、センサからの入力信号を、例えばA/D変換する入力インターフェースと、決められた論理に従ってディジタル入力信号を処理する論理演算部(マイクロコンピュータ)と、その処理結果を、アクチュエータ作動信号に変換する出力インターフェースとから構成されるものである。
この発明は、説明の便宜上、以下では、自動車のECUに関連して説明するが、それには限定されず、航空機、ロボットなどその他のECUをもつメカトロニクス機構全般に適用可能であることを理解されたい。
ECUは、周辺や環境状態、エンジンなどの駆動機構の状態、及び人間による指示操作の内容をセンサで検出して、信号として入力する。具体的には、水温センサ、吸気温センサ、過給圧センサ、ポンプ角センサ、クランク角センサ、車速センサ、アクセル位置センサ、A/Tシフト・ポジション、スタータ・スイッチ、エアコンECUなどからの信号がある。
ECUは、これらの信号を入力して、電磁スピル弁、フュエル・カット・ソレノイド、タイミング・コントロール・バルブ、吸気絞りVSV、グロー・プラグ・リレー、タコメータ及びエアコン・リレーなどを駆動する信号を出力しする。
1つのECUが複数の異なる機構を制御するための駆動信号を出力するようにすることは不可能ではないが、例えば、エンジンとエアコンのように、応答性やその制御の厳密性が異なるものを単一のECUで制御することは合理的でなく、従って、一般的に自動車にECUは複数個設けられる。
図1は、ECUの典型的な制御である、フィードバック閉ループ系の例を示す図である。すなわち、図1において、ある目標の信号が、ECUであるコントローラ102に入力され、ECUは、目標の信号を内部処理することによって、駆動信号を出力し、制御対象モデルである、エンジンなどのプラント104を駆動し、プラント104の出力は、センサ106を介して、コントローラ102の入力にフィードバックされる。
ここで目標信号として与えられるのは、例えば、スロットル開度、アイドル・コントロール、ブレーキ力、シフト、スタータON・OFF、バッテリ電圧、インジェクション通電時間、インジェクション通電回数、デポジット、ドウェル角、進角値、吸気完了フラグ、点火完了フラグ、大気圧、車両重量、転がり抵抗係数、道路勾配、粘着係数、吸気温、などのパラメータである。
また、センサ信号としてフィードバックされるのは、スロットル開度、吸気圧力、吸入空気量、シフト、エンジン回転数、車速、排気温、O、冷却水温、空燃比、ノック、点火異常、などである。
ECUが制御する対象は、ニュートンの力学方程式で解かれる、機構系システムであったり、電気回路の応答方程式で解かれる、電気駆動回路であったり、それらの組み合わせであったりする。これらは、基本的に微分方程式であり、制御工学によれば、ラプラス変換によって応答関数に変換されて、記述することができる。
図2は、そのような応答関数による記述の例である。図2で破線202で囲った箇所が、図1のコントローラ102に対応し、破線204で囲った箇所が、図1の制御対象モデル104に対応し、センサ106が、ブロック206に対応する。なお、図2は、応答関数による表現の一例であって、特に本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
さて、例えば、ECUが制御する対象が、ニュートンの力学方程式で解かれる、機構系システムであるとする。すると、ある時点のECUの制御出力は、その機構系システムの可動部分の位置及び速度という内部状態変数をもち、その時点の入力だけでは決まらない。そのことは、電気回路にもあてはまり、電気回路のキャパシタに残っている電荷の量や、コイルのインダクタンスによる磁力などの内部状態変数がやはりある。
従って、ECUは、図3に示すように、入力uに対して、その内部状態xを勘案した値yを出力することになる。
さて、前述したSILSのようなテストの目的で、自動車部品メーカーは、自社が提供する機器のECUのソフトウェア・エミュレータを提供する。すなわち、図2に示すような機能を、アランブラまたはCなどの言語が書かれたコードをアセンブリまたはコンパイルした実行可能ぷグラムにより、純粋にソフトウェア的に実現する。
図4は、ECUのソフトウェア・エミュレータを、所定のクロックで動作させた場合の様子を示す図である。図4に示すように、ソフトウェア・エミュレータは、定期的に入来するクロックに同期して出力信号を供給するが、図示されているように、センサからの入力は、クロックによるサンプリング時間とは非同期で入来する。
実際のECUが、ci[1/sec]、サンプリング時間ti[sec/sample]でセンサ入力に基づいて出力を計算するとする。すると、エミュレーションの換算クロックを、c[1/sec]とすると、実際の動作間隔は、t = ti*ci/ c[sec/sample]となる。
さて、本発明では、ECUのソフトウェア・エミュレータの内部状態を取り出して利用する。ソフトウェア・エミュレータによっては、内部状態が取り出し可能である場合と、そのままでは、内部状態が取り出し可能でない場合がある。
そこで、ECUのソフトウェア・エミュレータの内部状態がそのままでは、内部状態が取り出し可能でない場合、ソースコード解析ツールによって、次のような処理を行う。
もし、ECUのソフトウェア・エミュレータのソースコードが入手可能であるならそれをそのまま利用し、実行可能バイナリ・ファイルしかなければ、所定のツールで、逆アセンブルまたは逆コンパイルする。そうして、ECUのソフトウェア・エミュレータのソースコードに対して、データーフロー解析という技法を適用して、ソースコードを基本ブロックに分割する。基本ブロックとは、ソースコードを、複数の制御が合流するところ、または、制御が複数に分岐するところで分断した、各々の部分のことである。このような基本ブロックをノードとして、その分岐の制御の流れのリンクで接続すると、有向グラフ構造になる。これは特に、制御フローグラフとも呼ばれる。制御フローグラフは、始点ノードと終点ノードをもち、プログラムで実行され得るノードは全て、始点ノードからの有効エッジをもつ。基本ブロックのうち、exit()やreturnなどのステートメントを含む制御の末端ノードは全て、終点ノードへの有効エッジをもつ。
次に、制御フローグラフの始点ノードと終点ノードの可能な全てのパスに対して、Use/Def解析を行う。ここで、Useとは、ある変数が、別の変数に値をストアするために使用される場合をいう。典型的には、代入式の右辺である。Defとは、ある変数に、値がストアされる場合をいう。典型的には、代入式の左辺である。
この場合、個々のパス毎に、Defの前あるいは、DefなしでUseされている変数、すなわち未定義参照変数があるかどうかがチェックされ、もし未定義参照変数があると、その変数名は一旦保存される。
こうして、全てのパスがスキャンされた後に保存されている変数名を用いて、後述するように、ラッパ(wrapper)コードが生成される。
ところで、実行フローのスキャンと、Use/Def解析は、データーフロー解析という技法を用いることによって、より効率的に実行することができるので、以下、それについて説明する。
その第1ステップは、各基本ブロックにおけるdefリストの計算である。具体的にはプログラム全体で使用される変数のリストを1ビットで表現し、各基本ブロックごとに定義される変数を1されないものを0としたビットベクタで表現する。
その第2ステップは、プログラム全体の到達可能なdefリストの計算である。すなわち、各基本ブロックでは、複数の入力がある場合には論理積(AND)してから,自身への入力とする。自身からの出力は、その入力と、自身で定義したdefリストの論理和(OR)をとり、後続の基本ブロックに渡す。実行していく順番は、制御フローグラフ上での深さ優先順序が効率的である。
第3ステップは、クロージャ解析アルゴリズムにより、到達可能なdefリストのクロージャを求めることである。そして、上記第2ステップを、全ての基本ブロックの出力defリストが変化しなくなるまで、繰り返す。ここで、クロージャとは、環境と結び付けられた値のことである。
第4ステップは、未定義変数の使用の発見である。すなわち、各基本ブロックの入力defリストが0として表現された変数が、useとして使用されているものを検出する。
なお、データフロー解析のより詳しい説明については、Alfred V. Aho, Ravi Sethi, Jeffrey D. Ullman, "Compilers Principles, Technologies, and Tools", Addison-Wesley Publishing Company, 1986, p. 608-633などを参照されたい。
さて、例えば、元のECUシミュレーション・ソースコードが、関数 Func(x,y,z) であらわされるとする。また、未定義参照変数として、a, bが登録されていたとする。
すると、例えば、_Func(x,y,z,_a,_b)という関数が用意され、
_Func(x,y,z,_a,_b)
{
a = _a;
b = _b;
Func(x,y,z);
_a = a;
_b = b;
return;
}
_Func(x,y,z,_a,_b)
{
a = _a;
b = _b;
の部分のところを、入力用ラッパコードと呼び、
_a = a;
_b = b;
return;
}
の部分のところを、出力用ラッパコードと呼ぶ。
なお、 Func(x,y,z); のところは、関数呼び出しではなく、インライン展開でもよい。このような関数_Func(x,y,z,_a,_b)を、_a,_bに適当な値を入れて呼び出すことにより、Func(x,y,z)の内部状態をセットすることができ、また、_Func(x,y,z,_a,_b)を呼び出した結果、_a,_bに、処理後の内部状態の値がセットされるので、必要に応じて、それらの値を別途保存するなど、利用可能である。このようにラッパコードが付されたソースコードは、実行可能プログラムを生成するために、コンパイルまたはアセンブルされる。
また、C++など、特定の処理言語の仕様によっては、_Func(x,y,z,_a,_b)でなく、_Func(x,y,z,&_a,&_b)のように、参照演算子&をつけて関数に引数として与える必要があることもある。
こうして、内部状態あるいは、内部変数を取り出すことができるようになった後のECUのソフトウェア・エミュレータを図式的に、図5に示す。そこに示すように、ECUのソフトウェア・エミュレータ502は、内部ロジックfを示す部分と、内部状態または状態変数xとに好都合に分離される。
すると、内部ロジックfを用いて、出力y = f(t,x,u, ...) と記述することができる。ここでtは、時間である。また、状態変数xに係るコードが分離されたことによって、任意の時点、すなわち典型的には図4の出力がなされるタイミングで、状態変数xと、好ましくは入力uも、状態リポジトリ504として、ハードディスクドライブに書き出すことができる。
状態変数xに係るコードを分離した効果はこれだけではない。すなわち、矢印506で示すように、ソフトウェア・エミュレータ502には、任意の時点で、状態変数xをセットすることができる。これによって、状態リポジトリ504から入力と状態変数xを選んでセットすることにより、ECUのソフトウェア・エミュレータ502を、その状態変数xが状態リポジトリ504に書き出された任意の時点の状態に戻して、そこから計算をやり直させることができる。
次に、図6を参照して、本発明を実施するために使用されるコンピュータのハードウェアについて説明する。図6において、ホスト・バス602には、複数のCPU0 604a、CPU1 604b、CPU2 604c、CPU3 604dが接続されている。ホスト・バス602にはさらに、CPU0 604a、CPU1 604b、CPU2 604c、CPU3 604dの演算処理のためのメイン・メモリ606が接続されている。
一方、I/Oバス608には、キーボード610、マウス612、ディスプレイ614及びハードティスク・ドライブ616が接続されている。I/Oバス608は、I/Oブリッジ618を介して、ホスト・バス602に接続されている。キーボード610及びマウス612は、オペレータが、コマンドを打ち込んだり、メニューをクリックするなどして、操作するために使用される。ディスプレイ614は、後述する本発明に係るプログラムをGUIで操作するための画面イメージを表示するために使用される。
この目的のために使用される好適なコンピュータ・システムのハードウェアとして、IBM(R)System Xがある。その際、CPU0 604a、CPU1 604b、CPU2 604c、CPU3 604dは、例えば、インテル(R)Core 2 DUOであり、オペレーティング・システムは、Windows(商標)Server 2003である。オペレーティング・システムは、ハードティスク・ドライブ616に格納され、コンピュータ・システムの起動時に、ハードティスク・ドライブ616からメイン・メモリ606に読み込まれる。
なお、本発明を実施するために使用可能なコンピュータ・システムのハードウェアは、IBM(R)System Xに限定されず、ECUエミュレータ・プログラムを走らせることができるものであれば、任意のコンピュータ・システムを使用することができる。オペレーティング・システムも、Windows(R)に限定されず、Linux(R)、Mac OS(R)など、任意のオペレーティング・システムを使用することができる。さらに、ECUエミュレータ・プログラムを高速で動作させるために、POWER(商標)6ベースで、オペレーティング・システムがAIX(商標)のIBM(R)System Pなどのコンピュータ・システムを使用してもよい。
ハードディスク・ドライブ616にはさらに、テストするための複数のECUエミュレータ・プログラム、及び、それら複数のECUエミュレータ・プログラムを協働させてテストするための、本発明に係るプログラムが格納され、キーボード610及びマウス612によって起動操作可能である。
好適には、フルビークルSILSを実現するために、1台の自動車で使われるすべてのECUのエミュレータ・プログラムが、ハードティスク・ドライブ616に保存されている。そのECUのエミュレータ・プログラムが、そのままでは内部の状態変数を取り出せないものてある場合は、上述したラッパコードを被せることにより、予め、状態変数をセット及び取り出し可能としておくものとする。
ハードティスク・ドライブ616にはさらに、後述するECUエミュレータ・プログラムのためのスケジューラ、エンジン、トランスミッション、ステアリング、ワイパなどのプラントのシミュレータ・プログラム、及び、登り坂道、高速道路、つづら折道などの様々な、テストのためのシナリオを格納したシナリオ・ジェネレータのプログラムも格納されている。
なお、ここでの「エミュレータ」と、「シミュレータ」の用語の使い分けであるが、もともとの、別のプロセッサで動くことを想定して書かれていたECUのコードを、CPU0〜CPU3などをターゲットとして動くようにすることを、エミュレーションと呼び、それを行うプログラムを、エミュレータと呼ぶ。一方、エンジンなどの物理的システムの動作を仮想計算するシステムを、シミュレータと呼ぶ。
次に、図7を参照して、本発明のテスト・システムの機能論理ブロック図を説明する。図7において、共有メモリ702は、実際は、図6に示すメイン・メモリ606の一部であってよい。共有メモリ702には、ECUエミュレータ・プログラム704a、704b、・・・704kと、スケジューラ706と、プラント・シミュレータ・プログラム708が論理的に結合されている。
機能論理ブロックとしてはさらに、シナリオ・ジェネレータ710が存在する。シナリオ・ジェネレータ710は、ECUのエミュレータ・プログラム704a、704b、・・・704kに個々にデータを入力するための、外部入力モジュール710a、710b、・・・710kと、プラント・シミュレータ・プログラム708にデータを入力するための外部入力モジュール710zをもつ。
ECUのエミュレータ・プログラム704a、704b、・・・704kは、それぞれ、エンジン、ブレーキ、トランスミッション、ステアリングなど、車の異なる部分の制御に対応するもので、それぞれが異なる速度のクロックで動作するので、対応するECUのエミュレータ・プログラムも、それに比例するクロック比で動作するものとする。
一例として、スレッドを作成いることにより、複数のCPUに、ECUのエミュレータ・プログラムを割り当てるコードを、C言語を例にとって示す。
void* ecu_wrapper(void* parm)
{
...
/* define state_repository */
...
LOOP_BEGIN:
...
/* ECUのユニット処理を行う */
LOOP_END:
...
}
上記のようなコードを用意しておいて、
pthread_t thread_id;
pthread_attr_t thread_attr;
pthread_attr_init(&thread_attr);
pthread_create(&thread_id, thread_attr, ecu_wrapper, NULL);
pthread_attr_destroy(&thread_attr);
とすると、オペレーティング・システムがスレッドを生成して、それをECUのエミュレータ・プログラムに割り当てる。物理的には、そのスレッドは、CPU0〜CPU1のどれかに割り当てられるが、それはオペレーティング・システムに任され、エミュレータ・プログラムにとっては、透過的である。
このような割り当て処理は、ECUエミュレータ・プログラム704a、704b、・・・704k各々に個別に行われる。
なお、図7に示した論理構成では、ECUエミュレータ・プログラム704a、704b、・・・704k、スケジューラ706、及びプラント・シミュレータ708は、共有メモリ702を使用してデータを交換するが、代わりに、CAN(controller area network)エミュレータを使用してもよい。
図8は、ECUエミュレータ・プログラム704の内部の、より詳細な論理ブロック図を示す。ここでは、ECUエミュレータ・プログラム704a、704b、・・・704kなどを、総称的に、ECUエミュレータ・プログラム704として説明する。
制御ロジック・モジュール802は、いわゆるECUエミュレータの本来のロジックを含む本体である。
論理状態リポジトリ804は、前述したラッパコード付加の方法で、制御ロジック・モジュール802から取り出した内部状態変数を順次保存する機能をもつ。
ローカル・スケジューラ(時間巻戻しモジュール)806は,論理状態リポジトリ804に保存されている内部状態変数を、制御ロジック・モジュール802に書き戻すことにより、ECUエミュレータ・プログラム704を所望の状態に戻す機能を持つ。論理状態リポジトリ804及びローカル・スケジューラ806は、前述した、ECUエミュレータに付加されたラッパコード中に含ませることができる。
なお、図8では便宜上、制御ロジック・モジュール802に直接、外部入力モジュールから入力が与えられているように図示されているが、実際上は、共有メモリ702から、通信インターフェース・モジュール808を介して、それらの入力は提供される。また、明確には図示しないが、スケジューラ706から、ECUエミュレータ704の入力にデータが供給される流れもある。例えば、エアコンECUの出力は、エンジンECUに入力される。エアコンの駆動状態に応じて、エンジンの回転数を変え、以って発電量を調整する必要があるからである。
通信インターフェース・モジュール808は、制御ロジック・モジュール802からの出力を、共有メモリ702または、CAN(controller area network)エミュレータ(図示しない)に送出する。
次に、図9及び図10を参照して、ECUエミュレータの状態リポジトリ更新と利用の処理を説明する。この処理は、典型的には、図7に示すエミュレーション・システム全体を制御するプログラムによって、所定のクロック毎に、行われる。図9のステップ902では、ECUエミュレータの制御ロジック・モジュール802が、シナリオ・ジェネレータ710の外部入力モジュールから、入力uを受け取ったかどうかが判断される。
もし、制御ロジック・モジュール802が、入力uを受け取ったのでないなら、ステップ904で、既に受け取っている最後のデータがセットされる。ステップ906では、図10に示す、ステップ実行と呼ばれるサブルーチンが実行される。
図10のサブルーチンに移行して、ステップ1002では、セット済み入力がukとされる。ステップ1004では、現在の内部状態が、xkとされる。ステップ1006では、ECUエミュレータの内部状態を計算する関数をgとすると、xk+1 = g(uk,xk)で、次の内部状態xk+1が計算される。ステップ1008では、yk+1 = f(xk+1)で、出力yk+1が計算される。
図10のサブルーチンは、ここで、図9のステップ906に戻る。次のステップ908では、現在の先行時刻ck、ステップ906で計算した結果の内部状態xk(図10との関連では、次の内部状態xk+1と計算されたものを、xkと読み替えている)と、入力ukと、入力ukの実際の到着時刻C(uk)が、状態リポジトリに更新される。
状態リポジトリの内容の例を以下に示す。
Figure 0005179249
ステップ910では、先行時刻ckと、図10のサブルーチンで計算された出力yk(図10との関連では、出力xk+1と計算されたものを、xkと読み替えている)が、スケジューラ706に送られる。この送り方であるが、共有メモリ方式ならば、特定のメモリのアドレスに書いてシグナルされるし、CANエミュレータ方式の場合、送り出すメッセージに、所定の宛先を含むヘッダを付けることになる。このような処理は、図8に示す通信インターフェース・モジュール808によって、行われる。
ステップ902に戻って、外部入力モジュールからECUエミュレータに入力uが入ってくると、ステップ902での判断が肯定的になって、ステップ912での判断に移る。ステップ912では、投機失敗かどうかの判断が行われる。
投機失敗とは、次のように判断する。すなわち、新しく届いた入力 u に付加された時刻 C(u) に対して、もし、C(u) が最新の先行時刻よりも大きい場合には、入力の時刻のほうが先行時刻よりも新しいということになるので、投機実行には至っておらず、したがって、投機は失敗していないと判断する。もし、状態レポジトリのエントリの中で、cj <= C(u) < cj+1 を満たす、j番目のエントリが存在するなら、さらに、そのエントリに記録された入力ukと新しい入力uとを比較して、両者が等しくなければ、投機失敗とみなす。
投機失敗であると判断されると、ステップ914で、時刻がC(u)に巻き戻される。そして、cj <= C(u) < cj+1を満たす j番目の状態 xjに内部状態がセットされて、ステップ916で、入力uがセットされる。
投機失敗でないと判断されると、処理は直ちにステップ916に進み、入力uがセットされる。こうして処理は、ステップ906のステップ実行のルーチンに進む。
図11は、スケジューラ706のより詳細な内部構成を示す論理ブロック図である。スケジューラ706は、ECUエミュレータから出力を受け取っても、直ちにはプラント・シミュレータ708にデータを送信することはない。最も処理の遅い、すなわち、最も仕事量が多い、あるいは元のクロックの大きいECUエミュレータに柔軟に同期するため、まず各ECUエミュレータの先行時刻を、リリース表1102に、記録する処理を行う。
そこで、図11の論理ブロック図を参照しつつ、図12のフローチャートに従って、スケジューラ706の処理について説明する。図12において、ステップ1202では、スケジューラ706が、各ECUエミュレータの先行時刻を受け取る。また、それと併せて、各ECUエミュレータから、出力も受け取る。
下記に、リリース表1102の内容の例を示す。見て取れるように、リリース表1102には、ECU毎に、出力のリストと、その先行時間が格納されている。
Figure 0005179249
ステップ1204では、ECUエミュレータから受け取った先行時刻に従い、リリース表1102の先行時刻欄が更新される。このとき、先行時刻を更新する際に、それまで記録されていた先行時刻よりも古い時刻が先行時刻として通知されたときに、その時刻以降の(仮りの)出力を捨てる、という処理が行われる。そうして、各ECUは、先行しすぎているときに、時間の古い入力を受け取ると、そこからやり直しをすることになるので、その時刻より後のつもりで出してしまっていた出力を取り消す必要がある。そのための処理が、ステップ1204で行われる。
ステップ1206では、最も遅いECUの時刻が更新されたかどうかが判断され、もしそうなら、ステップ1208で、一番遅い先行時刻を、確定時刻として更新する。そして、ステップ1210では、確定時刻より古い出力が、データ・リリース・モジュール1104によって、リリースされる。リリースされた出力は、通信インターフェース・モジュール1106を介して、共有メモリ702に送られ、そこからプラント・シミュレータ708へと送信される。リリースされた出力は、共有メモリ702を介して、ECUエミュレータにも入力として提供される。例えば、エアコンECUエミュレータの出力が、エンジンECUエミュレータの入力に供給される、等である。これによって、送信されるECUの出力がすべて、投機に成功していたことが保証される。
データ・リリース・モジュール1104は、ステップ1212で、リリース表1102の更新を行う。この更新とは、リリース表1102の確定時刻よりも古いエントリを捨てることである。こうして処理は、ステップ1202に戻る。
ステップ1206で、最も遅いECUの時刻が更新されていないと判断された場合は、処理は直ちにステップ1202に戻る。
ところで、図9に示すECUエミュレータ704の処理、あるいは、図12に示すスケジューラ706の処理だと、場合により更新の遅延が生じることがある。そこで、以下のような処理を行う。
先ず、ECUエミュレータ704側では、ステップ1302で、エンプティ(空)メッセージを待つ。このエンプティ・メッセージは、後述するが、スケジューラ706から定期的にブロードキャストされる。
ステップ1304では、ECUエミュレータ704は、スケジューラ706から送られてきたエンプティ・メッセージの時刻を調べて、それがそのECUエミュレータ704の先行時刻より古いかどうかの判断を行う。そして、もし先行時刻より古ければ、その先行時刻を含むメッセージを、スケジューラ706に送る。そうでなければ、処理は、直ちにステップ1302に戻る。
一方、スケジューラ706側では、ステップ1402で一定時間Tを待って、ステップ1404で、時刻付のエンプティ・メッセージを、ECUエミュレータ全体に向けて、ブロードキャストする。このような仕組みにより、ECUエミュレータ704に定期的に強制的にエンプティ・メッセージが送られるので、更新時刻の停滞が解消される。
なお、図13及び図14のフローチャートの処理は、それぞれECUエミュレータ704と、スケジューラ706で、好適には個別のスレッドとして起動され、図9及び図12の処理とは独立に走る。
図7に戻って、シナリオ・ジェネレータ710は、操作者の意図をあらわす入力や、エンジン、ブレーキ、エアコンなどのプラントに対する負荷となる入力の時間推移を与える。例えば、停止状態から徐々に速度を上げて時速40Kmに達したら加速度をゼロして一定速度でしばらく走り、その後さらに加速する、などである。あるいは、積載重量、道路の傾斜の変化の時間推移などである。いずれも、時刻を入力として、対応するパラメータ値を、ECUエミュレータやプラントに与えるものである。
また、図7のシステムにおけるデバッグについて、説明する。デバッグは例えば、このシミュレーション・システムのどこかで、異常が検出された場合の時点に戻ってテストすることを意図する。デバッグの開始は、スケジューラ706によって開始される。すなわち、スケジューラ706はまず、リリース表などをリセットし、次に各ECUエミュレータ704に、論理時刻のリセット信号と、その他の初期入力を送る。すると、各ECUエミュレータ704は、論理時刻のリセット信号に応答して、その論理時刻を巻き戻し、ECUエミュレータ704が保持している状態リポジトリの、その論理時刻に対応するエントリを参照して、一連の処理を再開する。
以上、自動車用の複数のECUエミュレータを含むテスト・システムに関連して、本発明の特定の実施例を説明してきたが、本発明はこのような特定の実施例に限定されず、飛行機用のECUエミュレータを含むテスト・システムなど、一般的な電子機械制御系システムのテスト・システムに適用可能であることを、この分野の当業者であるなら、理解するであろう。
ECUの典型的な制御である、フィードバック閉ループ系の例を示す図である。 フィードバック閉ループ系の、応答関数による記述の例である。 ECUソフトウェア・エミュレータのクロック応答の時間推移を示す図である。 ECUのソフトウェア・エミュレータを、所定のクロックで動作させた場合の様子を示す図である。 内部変数を取り出すことができるようになった後のECUのソフトウェア・エミュレータのブロック図である。 本発明を実施するために使用されるコンピュータのハードウェアのブロック図である。 本発明のテスト・システムの機能論理ブロック図である。 ECUエミュレータ・プログラムの内部の、より詳細な論理ブロック図である。 ECUエミュレータの状態リポジトリ更新と利用の処理のフローチャートを示す図である。 ECUエミュレータの状態リポジトリ更新と利用の処理のフローチャートを示す図である。 スケジューラのより詳細な構成を示すブロック図である。 スケジューラの処理のフローチャートを示す図である。 ECUエミュレータ側で、エンプティ・メッセージを処理するフローチャートを示す図である。 スケジューラ側で、エンプティ・メッセージを送出する処理のフローチャートを示す図である。

Claims (8)

  1. 複数の電子制御ユニットによって制御される機構システムをシミュレートするためのシステムであって、
    機構システム・シミュレータと、
    時刻付きの入力信号を受け取り、時刻付きの出力信号を与えるように複数の電子制御ユニットの各々を電子的にエミュレートする、複数の電子制御ユニット・エミュレータと、
    前記複数の電子制御ユニット・エミュレータから前記時刻付きの出力信号を受領して、電子制御ユニット・エミュレータ毎に対応して該時刻と該出力信号を保存するとともに、その後の電子制御ユニット・エミュレータからの前記時刻付きの出力信号の受領に応答して前記時刻を変更し、最も遅い前記時刻に対応する電子制御ユニット・エミュレータの前記時刻が変更されたことに応答して、前記時刻より前の時刻の出力信号を、前記機構システム・シミュレータに提供するスケジューラを具備し、
    前記電子制御ユニット・エミュレータは、
    入力信号があった場合は該入力信号を使用して出力信号を計算し、ある期間に入力信号がない場合に以前に入力された入力信号を使用して出力信号を計算する手段と、計算に使用された入力信号を時刻付きで記録する手段と、
    入力信号があった場合に該入力信号の時刻に対応して記録されている入力信号と、該入力された入力信号を比較し、一致しないことに応答して、該入力された入力信号の時刻に内部状態変数を戻す手段とをもつ、
    シミュレーション・システム。
  2. 前記電子制御ユニット・エミュレータがさらに、
    内部状態変数を時刻毎に記録する手段と、
    前記状態を戻すことに応答して、戻す時刻に対応する内部状態変数をセットする手段を有する、
    請求項1のシミュレーション・システム。
  3. 前記電子制御ユニット・エミュレータと、前記スケジューラは、共通メモリで接続されている、請求項1のシミュレーション・システム。
  4. 前記電子制御ユニット・エミュレータと、前記スケジューラは、CANエミュレータで接続されている、請求項1のシミュレーション・システム。
  5. 複数の電子制御ユニットによって制御される機構システムをコンピュータによりシミュレートするための方法であって、
    時刻付きの入力信号を受け取り、時刻付きの出力信号を与えるように複数の電子制御ユニットの各々を電子的にエミュレートする、複数の電子制御ユニット・エミュレータと、機構システム・シミュレータを、前記コンピュータによって制御可能に、前記コンピュータのメモリにロードするステップと、
    前記複数の電子制御ユニット・エミュレータから前記時刻付きの出力信号を受領して、電子制御ユニット・エミュレータ毎に対応して該時刻と該出力信号を保存するとともに、その後の電子制御ユニット・エミュレータからの前記時刻付きの出力信号の受領に応答して前記時刻を変更し、最も遅い前記時刻に対応する電子制御ユニット・エミュレータの前記時刻が変更されたことに応答して、前記時刻より前の時刻の出力信号を、前記機構システム・シミュレータに提供するステップを有し、
    前記電子制御ユニット・エミュレータは、前記コンピュータに、
    入力信号があった場合は該入力信号を使用して出力信号を計算し、ある期間に入力信号がない場合に以前に入力された入力信号を使用して出力信号を計算するステップと、
    計算に使用された入力信号を時刻付きで記録するステップと、
    入力信号があった場合に該入力信号の時刻に対応して記録されている入力信号と、該入力された入力信号を比較し、一致しないことに応答して、該入力された入力信号の時刻に内部状態変数を戻すステップを実行させる、
    シミュレーション方法。
  6. 前記電子制御ユニット・エミュレータがさらに、前記コンピュータに、
    内部状態変数を時刻毎に記録するステップと、
    前記状態を戻すことに応答して、戻す時刻に対応する内部状態変数をセットするステップを実行させる、
    請求項5のシミュレーション方法。
  7. 複数の電子制御ユニットによって制御される機構システムをコンピュータによりシミュレートするためのプログラムであって、
    前記コンピュータをして、
    時刻付きの入力信号を受け取り、時刻付きの出力信号を与えるように複数の電子制御ユニットの各々を電子的にエミュレートする、複数の電子制御ユニット・エミュレータと、機構システム・シミュレータを、前記コンピュータによって制御可能に、前記コンピュータのメモリにロードするステップと、
    前記複数の電子制御ユニット・エミュレータから前記時刻付きの出力信号を受領して、電子制御ユニット・エミュレータ毎に対応して該時刻と該出力信号を保存するとともに、その後の電子制御ユニット・エミュレータからの前記時刻付きの出力信号の受領に応答して前記時刻を変更し、最も遅い前記時刻に対応する電子制御ユニット・エミュレータの前記時刻が変更されたことに応答して、前記時刻より前の時刻の出力信号を、前記機構システム・シミュレータに提供するステップを実行させ、
    前記電子制御ユニット・エミュレータは、前記コンピュータに、
    入力信号があった場合は該入力信号を使用して出力信号を計算し、ある期間に入力信号がない場合に以前に入力された入力信号を使用して出力信号を計算するステップと、
    計算に使用された入力信号を時刻付きで記録するステップと、
    入力信号があった場合に該入力信号の時刻に対応して記録されている入力信号と、該入力された入力信号を比較し、一致しないことに応答して、該入力された入力信号の時刻に内部状態変数を戻すステップを実行させる、
    シミュレーション・プログラム。
  8. 前記電子制御ユニット・エミュレータがさらに、前記コンピュータに、
    内部状態変数を時刻毎に記録するステップと、
    前記状態を戻すことに応答して、戻す時刻に対応する内部状態変数をセットするステップを実行させる、
    請求項7のシミュレーション・プログラム。
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