ところで、このように本体装置bの外部入力端子にデジタルチューナを接続する構成を採用する場合、1台のワイヤレスリモコンを用いて既設の浴室テレビシステムとデジタルチューナの双方の遠隔操作ができれば利便性のよい浴室テレビシステムを提供することができる。
そのため、出願人は、ワイヤレスリモコンから発せられる遠隔操作信号をデジタルチューナに供給するための専用ユニット(外部機器接続ユニット)と、既設の浴室テレビシステム(モニタ装置a及び本体装置b)とデジタルチューナの双方の操作部を備えたワイヤレスリモコンを開発した。
しかしながら、このように1台のワイヤレスリモコンに既設の浴室テレビシステムとデジタルチューナの双方の操作部を設ける構成を採用すると、さらに以下のような問題が生じることが判明した。
すなわち、このようなワイヤレスリモコンを操作してデジタルチューナで受信した映像等をモニタ装置aで視聴しようとする場合、ユーザは、はじめに浴室テレビシステムの電源スイッチを押下してモニタ装置aを立ち上げた後にデジタルチューナの電源スイッチの押下操作並びにモニタ装置aの入力モードを外部入力モードに切り替える操作(例えば、入力切替スイッチの押下操作)を行うことになるが、デジタルチューナは電源スイッチの押下操作がなされてからモニタ装置aに映像が表示等されるまでに数秒ないし十数秒程度の時間的な遅れを伴う。
そのため、ユーザが上記の操作を行ってもデジタルチューナが立上るまでの間はモニタ装置には何も表示されない(或いは入力モードが外部入力モードであることしか表示されない)ので、ユーザはデジタルチューナに対する電源スイッチの押下操作が正しく受け付けられていないと錯覚し、この間に再度(または繰り返し複数回)デジタルチューナの電源スイッチの押下操作を行なうことが起こり得る。つまり、デジタルチューナからの映像がモニタ装置aに表示等されるまでの間にデジタルチューナの電源スイッチが繰り返し押下され、この繰り返しの押下操作が奇数回なされるとユーザの意図に反してデジタルチューナの電源スイッチはOFFの状態となりモニタ装置aに映像が表示等されない事態が生じる。なお、このような誤操作は、デジタルチューナの電源スイッチをオフにするときも同様に起こり得る。
さらには、デジタルチューナ以外の映像出力装置(例えば、DVDレコーダやHDDレコーダなど)が浴室テレビシステムに接続されている場合も同様である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、既設の浴室テレビシステムに追加接続する外部機器をワイヤレスリモコンで遠隔操作できるようにする外部機器接続ユニットを提供するとともに、ワイヤレスリモコンでなされる不適切な操作に応じて外部機器が不要な動作を行わないようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る外部機器接続ユニットは、モニタ装置が浴室内部に設置され、テレビジョン放送の受信手段および映像及び音声信号の外部入力手段を有する本体装置が浴室外部に設置される浴室テレビシステムにおいて、上記本体装置の外部入力手段に接続された外部機器をワイヤレスリモコンで遠隔操作するための外部機器接続ユニットであって、上記ワイヤレスリモコンからの遠隔操作信号を入力するための遠隔操作信号入力手段と、上記外部機器に対して所定の信号形式で操作信号を出力する操作信号出力手段と、上記本体装置及び外部機器の各消費電流を検出する電流検出手段と、制御手段とを有してなり、上記制御手段は、上記遠隔操作信号入力手段から入力される遠隔操作信号を解析する遠隔操作信号解析手段と、上記電流検出手段で検出される電流値に基づいて上記本体装置及び外部機器の作動状態を判定する機器作動状態判定手段と、上記機器作動状態判定手段での判定結果に応じて上記操作信号出力手段からの外部機器に対する一定の操作信号の出力を禁止する操作信号出力禁止手段とを有し、上記機器作動状態判定手段により本体装置が作動状態に遷移したと判定し、かつ、上記ワイヤレスリモコンからの遠隔操作信号に基づいて上記操作信号出力手段が外部機器の電源スイッチ押下を指示する操作信号を出力した後は、上記機器作動状態判定手段において外部機器が作動状態にあると判定されるまでの間、上記操作信号出力禁止手段により外部機器に対する電源スイッチ押下を指示する操作信号の出力を禁止する制御構成を有することを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る外部機器接続ユニットにおいては、外部機器に対する遠隔操作信号が遠隔操作信号入力手段を介して制御手段に入力される。ここで、この外部機器に対する遠隔操作信号は、浴室内部に設けられるワイヤレスリモコン等から発せられる。例えば、ワイヤレスリモコンが遠隔操作信号を赤外線信号として送信する場合、当該遠隔操作信号は浴室内に設けた赤外線信号受光部を介して電気信号に変換され電気信号として遠隔操作信号入力手段に与えられる。なお、この遠隔操作信号入力手段は、外部から与えられる遠隔操作信号を制御手段において読み取り可能な電気信号に変換する機能を備えるものであり、遠隔操作信号が電気信号以外の信号形式(例えば、赤外線信号や電波信号など)で与えられる場合は、この遠隔操作信号入力手段において制御手段で読み取り可能な電気信号に変換される。
制御手段に入力された遠隔操作信号は遠隔操作信号解析手段で解析される。すなわち、制御手段において遠隔操作信号の内容(具体的には、遠隔操作信号の対象機器(既設の浴室テレビシステムに対するものであるか外部機器に対するものであるか)や、操作内容(例えば、電源スイッチの押下を指示するものであるか、受信チャネルの選択を指示するものであるか等))等が解析される。そして、このように内容が解析された遠隔操作信号は、操作信号出力手段を通じて外部機器に対する操作信号として本ユニットから出力される。ここで、本ユニットから出力される操作信号は外部機器において受付可能な信号形式として出力される。すなわち、外部機器が遠隔操作信号を赤外線信号で受付可能な場合には本ユニットから出力される操作信号は赤外線信号として出力される。また、外部機器が遠隔操作信号を電気信号で受付可能な場合には上記操作信号は電気信号として出力される。なお、この操作信号の出力にあたり信号のフォーマットの変更が必要な場合は、制御手段においてフォーマットの変更が行われ、変更後の信号が操作信号として出力される。
このように、請求項1に係る外部機器接続ユニットによれば、浴室内部のワイヤレスリモコン等から浴室テレビシステムに接続された外部機器に対する遠隔操作信号が送信されると、当該遠隔操作信号は本ユニットを介して外部機器が遠隔操作信号として受付可能な信号形式の操作信号として外部機器に与えられる。そのため、浴室内のワイヤレスリモコン等を用いて浴室外部の外部機器を遠隔操作することができる。
そして、さらに請求項1に係る外部機器接続ユニットは、電流検出手段により検出される本体装置及び外部機器の各消費電流に基づいて制御手段がこれら本体装置及び外部機器の作動状態を判定する機能を備えており、この判定結果に応じて上記操作信号出力手段から外部機器に対して出力する操作信号のうち一定の操作信号の出力を禁止するように構成されている。つまり、本体装置や外部機器の作動状態(作動の有無・程度)によっては外部機器に対して与えるのが不適当な遠隔操作信号が存在する場合に、当該不適当な遠隔操作信号を予め本体装置や外部機器の作動状態と関連付けて制御手段に設定しておくことにより、そのような不適当な操作信号が本ユニットから出力されるのを回避することができる。
具体的には、請求項1に係る外部機器接続ユニットでは、上記制御手段は、機器作動状況判定手段により本体装置が作動状態に遷移したと判定し、かつ、ワイヤレスリモコンからの遠隔操作信号に基づいて操作信号出力手段が外部機器の電源スイッチ押下を指示する操作信号を出力した後は、上記機器作動状態判定手段において外部機器が作動状態にあると判定されるまでの間、上記操作信号出力禁止手段により外部機器に対する電源スイッチ押下を指示する操作信号の出力を禁止する制御構成を有している。
そのため、この請求項1に係る外部機器接続ユニットによれば、ユーザが浴室テレビシステムで外部機器からの映像等を視聴しようとしてワイヤレスリモコン等の操作(具体的には、浴室テレビシステムの電源スイッチを押下し、その後に外部機器の電源スイッチの押下並びに入力モードの切り替え操作)を行った場合、まず、はじめになされた浴室テレビシステムの電源スイッチ押下操作によって浴室テレビシステムが立ち上がり、モニタ装置及び本体装置が作動状態となる。この立ち上がりは極めて短時間(電源スイッチの押下操作とほぼ同時ないし遅くとも1,2秒程度)で完了する。制御手段ではこの作動状態への遷移を本体装置の消費電流の変化(増加)に基づいて判定する。そして、その後になされる最初の外部機器の電源スイッチの押下操作により、本ユニットから外部機器に対して電源スイッチの押下を指示する操作信号を出力する(これにより外部機器の電源スイッチがオンとなり外部機器が立ち上がりはじめる)。この操作信号を出力した後は、制御手段によりこの操作信号に応じて外部機器が立ち上がるまでの間(つまり外部機器が作動状態にあると判定されるまでの間)外部機器に対する電源スイッチ押下を指示する操作信号の出力が禁止される。したがって、この間(外部機器が作動状態になるまでの間)にユーザが再び(繰り返し)外部機器の電源スイッチを押下操作しても、その操作に対応する操作信号は外部機器には与えられないので、この間の電源スイッチ操作によってユーザの意図に反して外部機器の電源スイッチがオフされることが回避される。
なお、ここで外部機器が作動状態にあるとは、少なくとも、外部機器から映像又は音声信号が出力され得る状態(つまり、モニタ装置を通じてユーザが外部機器の電源スイッチがオンとなったことを認識可能な状態)を意味し、外部機器が映像又は音声信号のいずれかを出力可能な状態となったときの消費電流値以上の値が機器作動状態判定手段におけるしきい値として設定される。
請求項2に係る外部機器接続ユニットは、請求項1に記載の外部機器接続ユニットにおいて、上記制御手段は、上記機器作動状態判定手段により本体装置が非作動状態に遷移したと判定し、かつ、上記ワイヤレスリモコンからの遠隔操作信号に基づいて上記操作信号出力手段が外部機器の電源スイッチ押下を指示する操作信号を出力した後は、上記機器作動状態判定手段において外部機器が非作動状態にあると判定されるまでの間、上記操作信号出力禁止手段により外部機器に対する電源スイッチ押下を指示する操作信号の出力を禁止する制御構成を有することを特徴とする。
すなわち、この請求項2に係る外部機器接続ユニットによれば、ユーザが外部機器からの映像等の視聴をやめようとしてワイヤレスリモコン等の操作(具体的には、浴室テレビシステムの電源スイッチを押下し、その後に外部機器の電源スイッチの押下操作)を行った場合、まず、はじめになされた浴室テレビシステムの電源スイッチ押下操作によって浴室テレビシステムの電源スイッチがオフとなり、モニタ装置及び本体装置が非作動状態となる。この電源スイッチのオフは極めて短時間(電源スイッチの押下操作とほぼ同時ないし遅くとも1,2秒程度)で完了する。制御手段ではこの非作動状態への遷移を本体装置の消費電流の変化(減少)に基づいて判定する。そして、その後になされる最初の外部機器の電源スイッチの押下操作により、本ユニットから外部機器に対して電源スイッチの押下を指示する操作信号が出力される。この操作信号を出力した後は、制御手段によりこの操作信号に応じて外部機器の作動が停止するまでの間(つまり外部機器が非作動状態にあると判定されるまでの間)外部機器に対する電源スイッチ押下を指示する操作信号の出力が禁止される。したがって、この間(外部機器が非作動状態になるまでの間)にユーザが再び(繰り返し)外部機器の電源スイッチを押下操作しても、その操作に対応する操作信号は外部機器には与えられないので、この間の電源スイッチ操作によってユーザの意図に反して外部機器の電源スイッチがオンとなることが回避される。
請求項3に係る外部機器接続ユニットは、請求項1または請求項2に記載の外部機器接続ユニットにおいて、上記操作信号出力手段は、上記制御手段から電気信号として与えられる操作信号を赤外線信号に変換する赤外線発光部を有し、この赤外線発光部を介して外部機器に操作信号が与えられるように構成されていることを特徴とする。
すなわち、この請求項3に係る外部機器接続ユニットによれば、本ユニットから出力される操作信号として赤外線信号が用いられるので、遠隔操作信号として赤外線信号の受付が可能な機器を外部機器として接続できる。市販されている映像機器(デジタルチューナやDVDプレイヤ等)の多くが遠隔操作信号として赤外線信号の受付が可能であるから、この構成により本発明を適用して種々の映像機器を浴室テレビシステムに接続することが可能になる。
請求項4に係る外部機器接続ユニットは、請求項1から請求項3のいずれかに記載の外部機器接続ユニットにおいて、商用電源の入力端子と上記本体装置への電源出力端子および上記外部機器への電源出力端子を有し、これら電源出力端子がそれぞれ電源線を介して上記商用電源の入力端子に接続され、上記電流検出手段はこれら各電源線に流れる電流値を検出するように構成されていることを特徴とする。
すなわち、請求項4に係る外部機器接続ユニットによれば、本体装置及び外部機器の電源コンセント等を本ユニットの電源出力端子に接続することにより本体装置及び外部機器に対して商用電源から電力を供給することができる。そして、電流検出手段は本ユニット内の電源線の電流を検出するように構成されるので、電流検出手段を本ユニットの筐体内に収容することができ、電源コンセント等の接続という簡易な作業で本体装置及び外部機器の消費電流の検出が可能になる。
請求項5に係る外部機器接続ユニットは、請求項1から請求項4のいずれかに記載の外部機器接続ユニットにおいて、上記遠隔操作信号入力手段が、電波信号として与えられる上記遠隔操作信号を上記制御手段に入力可能な電気信号に変換する無線受信手段を備えていることを特徴とする。
すなわち、請求項5に係る外部機器接続ユニットによれば、外部機器を遠隔操作するためのワイヤレスリモコン等が遠隔操作信号を電波信号で送信するように構成されている場合においても、当該遠隔操作信号入力手段を制御手段に取り込むことが可能である。したがって、例えば、浴室内部に赤外線信号の受光手段がない場合においても浴室内部から外部機器の遠隔操作を行なうことが可能となる。
請求項6に係る外部機器接続ユニットは、請求項1から請求項5のいずれかに記載の外部機器接続ユニットにおいて、セレクタ手段により入力切替が可能に構成された映像及び音声信号についての複数の外部入力端子と、上記セレクタ手段により選択された一の外部入力端子から供給される映像及び音声信号を出力する外部出力端子とを有し、上記セレクタ手段による入力切替が上記制御手段により制御可能に構成されていることを特徴とする。
すなわち、請求項6に係る外部機器接続ユニットによれば、本ユニットには外部機器からの映像及び音声信号を入力するための外部入力端子が複数個設けられるので、この外部入力端子の数に応じた台数の外部機器を本ユニットに接続することができる。しかも、この外部入力端子は、制御手段によって入力切替が可能に構成されたセレクタ手段を介して外部出力端子に接続されているので、この外部出力端子と既設の浴室テレビシステムに設けられた映像及び音声信号の外部入力端子を接続しておけば、制御手段によってセレクタ手段の入力を切り替えることで、複数の外部機器からの映像を選択して表示等することができる。
また、請求項7に係る浴室テレビシステムは、上記本体装置におけるテレビジョン放送の受信手段がアナログ方式のテレビジョン放送の受信装置で構成された浴室テレビシステムに、請求項1から請求項6のいずれかに記載の外部機器接続ユニットを介して外部機器が接続されていることを特徴とする。
すなわち、請求項7に係る浴室テレビシステムによれば、外部機器としてデジタル放送のテレビジョン放送を受信可能なデジタルチューナを用いることで、既設の浴室テレビシステムにおいてデジタル方式のテレビジョン放送の視聴が可能になるとともに、ワイヤレスリモコン等で上記デジタルチューナの遠隔操作をする際に、上述した外部機器接続ユニットにより不適当な操作信号がデジタルチューナに与えられることを回避することができ、使い勝手のよい浴室テレビシステムを提供できる。
このように本発明の外部機器接続ユニットによれば、浴室内部のワイヤレスリモコン等から浴室外部の外部機器に対して遠隔操作信号が送信されると、当該遠隔操作信号が本ユニットを介して外部機器で受付可能な信号形式の操作信号として外部機器に与えられるので、浴室内部のワイヤレスリモコン等を用いて浴室外部の外部機器を遠隔操作することができる。つまり、浴室テレビシステムに追加接続される外部機器を浴室内部から遠隔操作することができる。
しかも、本発明の外部機器接続ユニットでは、本体装置及び外部機器の消費電流に基づいてこれらの作動状態が判定され、その判定結果に応じて一定の操作信号の出力が禁止されるので、本体装置や外部機器の作動状態(作動の有無・程度)如何によって外部機器に与えるのが不適当な操作信号がある場合、当該不適当な操作信号が外部機器に与えられることを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
説明にあたり、はじめに本発明に係る外部機器接続ユニットによって外部機器が追加接続される既設の浴室テレビシステムの概略構成について、図1に機能ブロック図を示して簡単に説明する。
すなわち、本発明が適用される浴室テレビシステムは、図1に示すように、映像及び音声を視聴するためのモニタ装置100と、このモニタ装置100に映像及び音声信号(以下、これらを総称して「AV信号」と称する)等を供給する本体装置200と、これらを遠隔操作するためのワイヤレスリモコン300とを主要部として構成される。
モニタ装置100は、浴室の内壁面の適所(例えば、ユーザが湯船に浸かった状態で見易い位置など)に設置されるものであって、本体装置200から提供されるAV信号を入力するためのAV信号入力部101と、このAV信号入力部101に入力された映像信号に基づいて映像を表示する表示部102と、AV信号入力部101に入力された音声信号を出力する音声出力部103と、上記ワイヤレスリモコン300から送信される遠隔操作信号を受信するための遠隔操作信号受信部104と、受信した遠隔操作信号を本体装置200に出力する遠隔操作信号送信部105と、モニタ装置100の各部を制御する制御部106と、上記本体装置200から供給される直流電力をモニタ装置100の各部に供給する電源部107と、ワイヤレスリモコン300を使用せずに直接モニタ装置100等を操作するための操作部108とを主要部として備えている。
ここで、このモニタ装置100の構成は周知であるので上記各部の詳細な説明は省略するが、上記表示部102としては、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等が好適に使用される。また、本実施形態では、後述するようにワイヤレスリモコン300が遠隔操作信号として赤外線信号を出力するように構成されるので、上記遠隔操作信号受信部104には赤外線信号の受信(受光)が可能な赤外線受光装置が用いられる。なお、本実施形態では、この赤外線受光装置で受光された赤外線信号はそのままの信号形式(赤外線信号のまま)で上記遠隔操作信号送信部105から本体装置200に有線伝送されるように構成されるが、受光した赤外線信号を電気信号に変換して本体装置200に有線送信するように構成することもできる。いずれにしても、本実施形態に示すモニタ装置100は、受信した遠隔操作信号を解析することなく本体装置200に伝送する。遠隔操作信号の解析は後述する本体装置200側で行われ、モニタ装置100はこの解析結果に応じて本体装置200から与えられる制御信号に基づいて制御を行うように構成されている。なお、この点については上記の構成に代えてモニタ装置100自身にも遠隔操作信号を解析する手段を設け、モニタ装置100側でも独自に遠隔操作に応じた処理(例えば、モニタ装置100の電源オン・オフや音量の上下など)を行うように構成してもよい。
また、操作部108は、ワイヤレスリモコン300によらずにモニタ装置100及び本体装置200を操作するための操作手段であって、この操作部108としては、例えば、モニタ装置100及び本体装置200の電源のオン・オフを行う電源スイッチや音量調節用の音量スイッチ、アナログチューナの受信チャンネルを設定するチャンネルスイッチなどが設けられる。
一方、本体装置200は、モニタ装置100に電力とAV信号を供給するための装置であって、浴室外部(例えば、浴室の天井裏等)に設置される。そして、浴室内壁の裏側などに配設した屋内配線(図示せず)を介して上記モニタ装置100と接続される。
この本体装置200は、アナログチューナ201と、外部からAV信号を入力するための外部入力部202と、上記モニタ装置100に対してAV信号を出力するAV信号出力部203と、AV信号出力部203から出力するAV信号の切り替え(上記アナログチューナ201で受信したAV信号を出力するか、それとも上記外部入力部202に入力されるAV信号出力を出力するかの切り替え)を行なうセレクタ部204と、上記モニタ装置100から送信される遠隔操作信号を入力するための遠隔操作信号入力部205と、上記遠隔操作信号入力部205から入力される遠隔操作信号を解析し、その解析結果に応じて本体装置200の各部等を制御する制御部206と、上記制御部206での解析結果等に応じてモニタ装置100に対する制御信号を出力するモニタ制御信号出力部207と、上記モニタ装置100から与えられた遠隔操作信号を外部に出力するための遠隔操作信号出力部208と、外部から与えられる交流電力を直流に変換する電源部209とを主要部として構成される。
具体的には、上記アナログチューナ201はアナログ方式のテレビジョン放送を受信するための受信装置であり、この受信装置には放送受信用のアンテナ(図示せず)が接続される。また、外部入力部202は、ビデオプレイヤやDVDプレイヤなどを接続するために設けられたAV信号の入力端子で構成される。本発明においては、この外部入力部202に後述する外部機器接続ユニット1から出力されるAV信号が入力される(詳細は後述する)。セレクタ部204は制御部206により制御可能に構成されている。すなわち、このセレクタ部204は、ワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号に基づいてAV信号出力部203から出力するAV信号の切り替えが可能とされている。
また、遠隔操作信号入力部205は、上記モニタ装置100から送信される遠隔操作信号を制御部206において読み取り可能な信号に変換する機能を有して構成される。したがって、本実施形態のように上記モニタ装置100からの遠隔操作信号が赤外線信号として与えられる場合には、当該赤外線信号はここで電気信号に変換されて制御部206に与えられる。なお、浴室テレビシステムにおいては、通常、モニタ装置100と本体装置200は一体として開発されるので、モニタ装置100の遠隔操作信号送信部105と本体装置200の遠隔操作信号入力部205との間で信号形式が相違することはない。
制御部206は、上記のとおり遠隔操作信号入力部205から入力される遠隔操作信号を解析し、その解析結果に応じて本体装置200の各部等を制御する制御装置で構成される。したがって、遠隔操作信号入力部205から与えられた遠隔操作信号が、例えばアナログチューナの受信チャンネル変更の指示や、セレクタ部204の入力の切り替え(テレビモードと外部入力モードの切り替え)の指示など本体装置200側での制御を内容とする場合には当該指示に応じた本体装置200の制御を実行する他、与えられた遠隔制御信号が、例えば、モニタ装置100の音量変更の指示や浴室テレビシステムの電源オフのようにモニタ装置100側での制御を必要とする場合にはモニタ装置100に対する制御信号を生成し、当該制御信号をモニタ制御信号出力部207を介してモニタ装置100に対して送信する。
遠隔操作信号出力部208は、上記モニタ装置100から与えられる遠隔操作信号を本体装置200以外の機器等に与えるために外部に取り出すもので、信号出力用の端子で構成される。本発明においては、この遠隔操作信号出力部208から取り出される遠隔操作信号が外部機器接続ユニット1に与えられる(詳細は後述する)。なお、この遠隔操作信号出力部208から取り出される遠隔操作信号の信号形式として赤外線信号または電気信号のいずれを用いるかは本体装置200の仕様によって決まるが、本実施形態では赤外線信号として取り出すものとする。ちなみに、既設の浴室テレビシステムのなかにはこの遠隔操作信号出力部208を備えていないものも存在するが、そのような場合の本発明の適用について後述する(無線モジュール35を参照)。
電源部209は、与えられた交流電力を直流に変換して本体装置200の各部に供給する他、外部に直流電力を出力するための電源出力端子(図示せず)が設けられている。そして、この電源出力端子を通じて上記モニタ装置100と後述する外部機器接続ユニット1が直流電力の供給を受けるように構成される。
ワイヤレスリモコン300は、遠隔操作用の操作部301と、遠隔操作信号送信部302と、制御部303と、電源部304とを主要部として構成される。これらの構成はワイヤレスリモコンの基本的な構成として周知であるのでその詳細な説明は省略し、以下ではその特徴的な部分のみ説明する。
すなわち、本実施形態で使用されるワイヤレスリモコン300は、操作部301として、既設の浴室テレビシステムを操作するための操作スイッチ群と、外部機器接続ユニット1を介して追加接続される外部機器を操作するための操作スイッチ群とを備えている。図2はこのようなワイヤレスリモコン300の外観構成の一例を示す外観図である。
図2に示すワイヤレスリモコン300は、外部機器としてデジタルチューナA(図3参照)が接続される場合を示したものであり、この図示例では、既設の浴室テレビシステムを操作するための操作スイッチ群として、モニタ装置100及び本体装置200の電源のオン/オフを切り替えるテレビ電源スイッチ311と、モニタ装置100の入力モードを切り替える入力切替スイッチ312と、アナログチューナの受信チャンネルを変更するチャンネルUPスイッチ313及びチャンネルDOWNスイッチ314と、モニタ装置100の音量を調節する音量UPスイッチ315及び音量DOWNスイッチ316とを有している。一方、外部機器を操作するための操作スイッチ群としては、デジタルチューナの電源オン/オフを切り替えるチューナ電源スイッチ321と、後述する外部機器接続ユニット1側の入力切替を行う入力切替スイッチ322など(その他のスイッチは説明を省略する)を有している。
なお、本実施形態では、このワイヤレスリモコン300は、遠隔操作信号として赤外線信号を出力するように構成されている。
次に、本発明に係る外部機器接続ユニット1について説明する。図3は、本発明に係る外部機器接続ユニット1の概略構成の一例を示す回路図である。この外部機器接続ユニット1は、上述した既設の浴室テレビシステムにデジタルチューナAなどの外部機器を追加接続するためのユニットであって、この外部機器接続ユニット1を介してワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号が外部機器に伝達されるとともに、外部機器からのAV信号が本体装置200を通じてモニタ100に与えられる。なお、以下ではこの外部機器としてデジタルチューナAを接続する場合について説明する。
この外部機器接続ユニット1は、その機能的な構成として、ワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号を入力するための遠隔操作信号入力手段と、外部機器に対して所定の信号形式で操作信号を出力する操作信号出力手段と、本体装置200及び外部機器の各消費電流を検出する電流検出手段と、制御手段とを有している。そして、制御手段は、遠隔操作信号入力手段から入力される遠隔操作信号を解析する遠隔操作信号解析手段と、上記電流検出手段で検出される電流値に基づいて本体装置200及び外部機器の作動状態を判定する機器作動状態判定手段と、この機器作動状態判定手段での判定結果に応じて上記操作信号出力手段からの外部機器に対する一定の操作信号の出力を禁止する操作信号出力禁止手段とを有して構成される。
ここで、図3の回路図に則して説明すると、この外部機器接続ユニット1は、商用電源(図示せず)の入力端子2と、本体装置200への電源出力端子3と、デジタルチューナAへの電源出力端子4と、直流電源入力端子5と、AV信号の外部入力端子6と、AV信号の外部出力端子7と、遠隔操作信号入力端子8と、操作信号出力端子9と、無線モジュール接続端子10とを備えた基板11を主要部として構成される。そして、この基板11には、上記本体装置200に流れる電流(本体装置200の消費電流)を検出する電流検出手段12と、上記デジタルチューナAに流れる電流(デジタルチューナAの消費電流)を検出する電流検出手段13と、制御手段となるマイコン14と、電源部15とが実装されている。
より詳細には、上記商用電源の入力端子2と上記電源出力端子3,4とがそれぞれ電源線16,17を介して接続される。そして、上記入力端子2と電源出力端子3を接続する電源線16には上記電流検出手段12が設けられている。この電流検出手段12は、カレントトランス18と、ダイオード19と、抵抗器20と、電解コンデンサ21と、演算増幅器22とで構成され、上記カレントトランス18で取り出した電流値がデジタル信号に変換されてマイコン14に入力されるように構成される。同様に、入力端子2と上記電源出力端子4とを接続する電源線17には上記電流検出手段13が設けられる。そして、この電流検出手段13は、カレントトランス23と、ダイオード24と、抵抗器25と、電解コンデンサ26と、演算増幅器27とで構成され、上記カレントトランス23で取り出した電流値がデジタル信号に変換されてマイコン14に入力されるように構成されている。
外部入力端子6は、セレクタ(セレクタ手段)28により入力切替が可能に構成されたAV信号の入力端子であって、本実施形態ではこの外部入力端子6として複数(図示例では2組)の入力端子が備えられている。すなわち、図示例では、デジタルチューナAからのAV信号ケーブルを接続するための端子と、その他の外部機器(映像出力装置)からのAV信号ケーブルを接続するための端子の2系統が備えられている。なお、これら外部入力端子6はいずれもAV信号ケーブルが着脱自在な形態を有している。
これら外部入力端子6はセレクタ28を介して外部出力端子7に接続されている。セレクタ28は、上記外部入力端子6のうちの一の外部入力端子に供給されるAV信号を選択して外部出力端子7に供給するもので、その選択はマイコン14の制御によって行なわれる。
遠隔操作信号入力端子8は、外部から与えられる遠隔操作信号をマイコン14に取り込むために設けられた端子であって、外部からの遠隔操作信号が電気信号で与えられる場合には当該電気信号を伝送する信号線がこの端子8に直接接続される。これに対して、本実施形態に示すように、遠隔操作信号が赤外線信号として与えられる場合には当該赤外線信号の伝送ケーブル(図示せず)は赤外線信号を電気信号に変換する回路を備えたコネクタ45を介してこの端子8に接続される。すなわち、前者の場合は遠隔操作信号入力端子8が、また後者の場合は遠隔操作信号入力端子8とコネクタ45とがワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号を入力するための遠隔操作信号入力手段を構成する。
操作信号出力端子9は、外部機器に対する操作信号を出力するための端子である。ここで、操作信号とは外部機器を遠隔操作するために本ユニット1から出力される信号を意味する。したがって、この操作信号は外部機器が遠隔操作信号として受付可能な信号形式で出力しなければならない。図示例では、外部機器が遠隔操作信号を赤外線信号で受付可能である場合を示しており、この場合、マイコン14で生成された操作信号(電気信号)を赤外線信号に変換するための赤外線発光モジュール32が操作信号出力端子8に接続される。
この赤外線発光モジュール32は、フレキシブルケーブル33と、その先端に設けられた赤外線発光部34とで構成される。フレキシブルケーブル33は、外部機器における遠隔操作信号の受光部に赤外線発光部34を対面させて配置することができるように所定の長さを有して構成される。そのため、外部機器が本ユニット1から離れた位置に配置する場合でも、フレキシブルケーブル33の長さを調節することにより外部機器に対して操作信号を確実に伝達することが可能となる。なお、この赤外線発光モジュール32を用いる場合には、操作信号出力端子9と赤外線発光モジュール32が操作信号出力手段を構成する。
無線モジュール接続端子10は、無線モジュール35を着脱可能に接続するための端子である。無線モジュール35は、ワイヤレスリモコン300が遠隔操作信号を電波信号で送信するように構成されている場合に当該電波信号を受信するのに使用するモジュールである。したがって、本実施形態のようにワイヤレスリモコン300が遠隔操作信号を赤外線信号で出力する場合にはこの無線モジュール35は装着されない。なお、無線モジュール35が装着される場合には、この無線モジュール35及び無線モジュール接続端子10が遠隔操作信号入力手段を構成する。
直流電源入力端子5は、外部の直流電源(本実施形態では、本体装置200の電源部209)から直流電力(図示例では直流12V)の供給を受けるための端子であって、電源部15と接続されている。この電源部15は、本ユニット1の各部に供給する直流電力を生成する電源装置であって、マイコン14その他の電源として直流5Vの電圧を生成している。なお、図において符号38はマイコン14のリセット回路である。
マイコン14は、本ユニット1の各部を制御する制御装置であって、CPU,ROM,RAM等の周知の構成を備えており、ROM内には後述する各種処理を実行するための制御プログラムが記憶されている。また、本実施形態では、このマイコン14にはディップスイッチ39が備えられており、このディップスイッチ39の設定に応じてマイコン14が操作信号の信号コードの変換プログラムを選択するように構成されている。
しかして、このように構成された本ユニット1を用いて、既設の浴室テレビシステムにデジタルチューナAを接続する手順について図4を用いて説明する。
図4は、既設の浴室テレビシステム(具体的には本体装置200)と本ユニット1とデジタルチューナAとの接続関係を説明する説明図である。なお、図示のように、本ユニット1は、追加接続するデジタルチューナAとともに箱状の筐体40内に収容される。ここで、本実施形態ではデジタルチューナAとして市場で容易に入手可能な市販品が好適に試用される。したがって、この筐体40はこのような市販品のデジタルチューナAのサイズに合わせて適当な大きさに設定されている。
接続にあたっては、まず、商用電源から本体装置200に接続されている電源線を外してこれを商用電源の入力端子2(図示例ではこの入力端子2に接続された端子41)に接続する。次に、電源出力端子3(図示例ではこの電源出力端子3に接続された端子42)と本体装置200の電源部209とを接続するとともに、電源出力端子4(図示例ではこの電源出力端子4に接続されたコンセント43)にデジタルチューナAの電源プラグBを接続する。これにより、本ユニット1を介して本体装置200の電源部209及びデジタルチューナAに商用電源(交流100V)が供給される。またその際、本体装置200の電源部209に設けられた電源出力端子と上記直流電源入力端子5とを(図示例ではコネクタ44を介して)接続する。これにより本ユニット1の各部に直流電力が供給される。
このようにして、電源系統の接続が完了すると、次に、本ユニット1の遠隔操作信号入力端子8にワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号の伝送ケーブルを接続する。ところで、この遠隔操作信号の伝送ケーブルの接続は、本体装置200またはモニタ装置100にワイヤレスリモコン300から送信された遠隔操作信号を外部に取り出す機能が備えられている場合にのみ行われる。つまり、本体装置200またはモニタ装置100にこの機能がある場合には、これらのうちのいずれか(本実施形態では本体装置200の遠隔操作信号出力部208)からの遠隔操作信号(赤外線信号)の伝送ケーブルを引き出してコネクタ45を介して遠隔操作信号入力端子8に接続する。これにより、ワイヤレスリモコン300の操作内容に応じて送信される遠隔操作信号が本ユニット1のマイコン14に取り込まれる。
これに対して、本体装置200またはモニタ装置100にワイヤレスリモコン300から送信された遠隔操作信号を外部に取り出す機能が備えられていない場合にはこの作業は行わず、その代わりに無線モジュール接続端子10に無線モジュール35を接続する。ここで、無線モジュール35は、電波信号として与えられる遠隔操作信号をマイコン14に入力可能な電気信号に変換する無線受信手段を構成するものである。すなわち、本体装置200またはモニタ装置100にワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号を外部に取り出す機能が備えられていない場合、ワイヤレスリモコン300の操作内容を遠隔操作信号入力端子8からマイコン14に取り込むことができない。
そのため、このような場合は、ワイヤレスリモコン300を電波信号の送信が可能なもの(具体的には、操作部301のうち外部機器を操作するための操作スイッチ群の操作に関する遠隔操作信号が電波信号で送信できるもの)に交換し、この電波信号の送信機能を使って外部機器に対する遠隔操作信号を送信するように構成する。そして、電波信号で送信された遠隔操作信号を無線モジュール35で受信してマイコン14に供給するように構成する。
このようにして、ワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号の取り込み配線が完了すると、次に、本体装置200の外部入力部202と本ユニット1の外部出力端子7(図示例ではこの外部出力端子7に接続された端子46)とを接続する。これにより、本ユニット1から出力されるAV信号が本体装置200に外部入力として与えられる。したがって、ワイヤレスリモコン300での入力モードの選択操作(入力切替スイッチ312の操作)により、本ユニット1から出力された映像等がモニタ装置100に表示等されるようになる。
なお、この作業の際、既に本体装置200の外部入力部202に他の映像出力装置(たとえばDVDプレイヤ)のAV信号線が接続されている場合には、このAV信号線を本体装置200から外して本ユニット1の外部入力端子6の1系統の端子(図示例ではこの外部入力端子6に接続された端子47)に接続する。これにより、本ユニット1のセレクタ28を切り替える(リモコン300の入力切替スイッチ322を操作する)ことにより、本体装置200に既に接続されていた映像出力装置からのAV信号出力を本ユニット1を介して本体装置200に取り込むことが可能となり、モニタ装置100に表示等させることができるようになる。
そして、デジタルチューナAの接続に関して、デジタルチューナAのAV出力端子Cを外部入力端子6の他の1系統の端子に接続し、デジタルチューナAのアンテナ接続端子Dにアンテナ線(図示せず)を接続する。また、デジタルチューナAで必要なICカードEも装着する。そして、本ユニット1の上記操作信号出力端子9に赤外線発光モジュール32を装着し、赤外線発光部34をデジタルチューナAの赤外線信号受光部(図示せず)と対面する位置に配設する。これにより、マイコン14から出力される操作信号によってデジタルチューナAを制御することができるようになる。
すなわち、マイコン14が遠隔操作信号入力端子8(または、無線モジュール35)を介してワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号を取り込んだ場合には、その遠隔操作信号に応じた操作信号がデジタルチューナAに与えられる。したがって、ワイヤレスリモコン300でチャンネル操作がなされた場合にはその操作内容(チャンネル操作)に対応する操作信号がデジタルチューナAに与えられる。このとき、ワイヤレスリモコン300からの遠隔操作信号と外部機器が受付可能な遠隔操作信号の信号コード(信号のフォーマット)が相違する場合は、ディップスイッチ39の設定を変更し、操作信号の信号コードが外部機器の信号コードに合致するようにマイコン14で信号コードの変換を実行させる。
このように、本発明に係る外部機器接続ユニット1を用いて既設の浴室テレビシステムにデジタルチューナAを追加接続することにより、既設のモニタ装置100や本体装置200を利用してデジタルチューナAで受信した映像等を視聴することができるようになる。しかも、ワイヤレスリモコン300による既設の浴室テレビシステムの遠隔操作機能を維持しつつデジタルチューナAの遠隔操作も行なえるので操作性のよいシステムを提供できる。
ところで、本実施形態に示すワイヤレスリモコン300は1台のリモコンに浴室テレビシステムの電源スイッチ(以下、「システム側電源スイッチ」と称する)311と、デジタルチューナAの電源スイッチ(以下、「外部機器側電源スイッチ」と称する)321とが別々に備えられていることから、これらの操作どおりにデジタルチューナAに操作信号を与えると上述したような不具合が生じることとなる。
そのため、本実施形態に示す外部機器接続ユニット1は、マイコン14において、外部機器側電源スイッチ321の押下操作に対応する操作信号の出力について以下のような制御を行うこととしている。
図5はデジタルチューナの電源をオフからオンにする際のマイコン14の処理手順を示すフローチャートであり、図6はデジタルチューナの電源をオンからオフにする際のマイコン14の処理手順を示すフローチャートである。
デジタルチューナAの電源をオフからオンにする場合、図5に示すように、マイコン14は、まず電流検出手段12で検出される電流値を監視して、この検出値(本体装置200の消費電流)が増加したか否かを判断する(図5ステップS1参照)。すなわち、浴室テレビシステム(モニタ装置100及び本体装置200)が電源オフ(非作動状態)から電源オン(作動状態)に切り替わるとこれに伴って本体装置200での消費電流が増加するので、このステップでは本体装置200の消費電流の増加の有無から浴室テレビシステムが作動状態に遷移したか否かを判断する。
なお、ここで電流検出手段12で検出される電流値が所定のしきい値より低い場合は浴室テレビシステムの電源はオフであり、また、所定のしきい値より高い場合でも電流値に変化(増加)がなければ浴室テレビシステムの電源はオンのままの状態(つまり、システム側電源スイッチ311は押下操作されていない状態)なので図5ステップS1の判断は否定的となる。これに対して、電流検出手段12で検出される電流値が増加した場合は浴室テレビシステムの電源をオンさせることを目的としてシステム側電源スイッチ311(またはモニタ装置100の電源スイッチ)が押下操作されたと判断できるので、次の図5ステップS2に移行する。
このようにして浴室テレビシステムの電源をオンさせる操作を検出すると、次にマイコン14は、外部機器側電源スイッチ321が押下操作されたか否かを判断する(図5ステップS2参照)。すなわち、マイコン14は遠隔操作信号入力手段から入力される遠隔操作信号を解析し、外部機器側電源スイッチ321の押下操作を示す遠隔操作信号(以下、「押下信号」と称する)を受信したかを判断する。
そして、外部機器側電源スイッチ321の押下信号を受信したと判断すると、次にマイコン14は、デジタルチューナAに対して外部機器側電源スイッチ321が押下操作されたことを示す操作信号を出力する(図5ステップS3参照)。これにより、デジタルチューナAでは電源をオンさせるための処理が開始される。
このようにして外部機器側電源スイッチ321の押下操作を示す操作信号を出力すると、次にマイコン14は、デジタルチューナAの電源がオンしたか、つまり作動状態にあるか否かを判定する(図5ステップS4参照)。この判断は、上記電流検出手段13で検出されるデジタルチューナAの消費電流値に基づいて行われる。
ここでデジタルチューナAが作動状態にあるか否かの判断は、少なくとも、デジタルチューナAから映像又は音声信号が出力され得る状態(つまり、モニタ装置100を通じてデジタルチューナAの電源がオンとなったことを認識可能な状態)になればデジタルチューナAは作動状態にあると判断するように構成してよい。したがって、この判断を行うためのしきい値は、デジタルチューナAが映像又は音声信号のいずれかを出力可能な状態となったときの消費電流の値以上に設定される。
そして、マイコン14は、この図5ステップS4の判断において肯定的な判定がなされるまでの間、すなわち、デジタルチューナAが作動状態にあると判定されるまでの間は、遠隔操作信号入力手段から外部機器側電源スイッチ321の押下信号が入力されても、これに対応する操作信号の出力は行わない(図5ステップS5参照)。
そのため、デジタルチューナAが作動状態になるまでの間にユーザが再び(繰り返し)外部機器側電源スイッチ321の押下操作をおこなっても、デジタルチューナAには当該押下操作に対応する操作信号は与えられないので、この間の電源スイッチ321の操作によってユーザの意図に反してデジタルチューナAの電源がオフとなることが回避される。
一方、デジタルチューナAの電源をオンからオフにする場合は、図6に示すように、マイコン14は、まず電流検出手段12で検出される電流値を監視して、この検出値(本体装置200の消費電流)が減少したか否かを判断する(図6ステップS1参照)。すなわち、浴室テレビシステムが電源オン(作動状態)から電源オフ(非作動状態)に切り替わるとこれに伴って本体装置200での消費電流も減少するので、このステップでは本体装置200の消費電流の減少の有無から浴室テレビシステムが非作動状態に遷移したか否かを判断する。
ここで電流検出手段12で検出される電流値が所定のしきい値より高い場合は浴室テレビシステムの電源はオンであり、また、所定のしきい値より低い場合でも電流値に変化(減少)がなければ浴室テレビシステムの電源はオフのままの状態(つまり、システム側電源スイッチ311は押下操作されていない)ので図6ステップS1の判断は否定的となる。これに対して、電流検出手段12で検出される電流値が減少した場合は浴室テレビシステムの電源をオフさせることを目的としてシステム側電源スイッチ311(またはモニタ装置100の電源スイッチ)が押下操作されたと判断できるので、次の図5ステップS2に移行する。
そして、浴室テレビシステムの電源をオフさせる操作を検出すると、次にマイコン14は、デジタルチューナAに対して外部機器側電源スイッチ321が押下操作されたことを示す操作信号を出力する(図6ステップS2参照)。これにより、デジタルチューナAでは電源をオフさせるための処理が開始される。
ここで、図6に示す処理においては、図6ステップS1での判断が肯定的、つまり浴室テレビシステムが非作動状態に遷移したと判断したことにより直ちにデジタルチューナAに対して外部機器側電源スイッチ321が押下操作されたことを示す操作信号を出力するようにしているのは、浴室テレビシステムが非作動状態になるとモニタ装置100により映像等を視聴できなくなるので、デジタルチューナAの電源もオフにするためである。
そして、外部機器側電源スイッチ321の押下操作を示す操作信号を出力すると、次にマイコン14は、デジタルチューナAの電源がオフしたか、つまり非作動状態にあるか否かを判定する(図6ステップS3参照)。この判断は、上記電流検出手段13で検出されるデジタルチューナAの消費電流値に基づいて行われる。なお、ここでの非作動状態にあるか否かの判断は、電流検出手段13で検出される電流値が予め設定する所定のしきい値を下回ったか否かで判断される。
そして、マイコン14は、この図6ステップS3の判断において肯定的な判定がなされるまでの間、すなわち、デジタルチューナAが非作動状態にあると判定されるまでの間は、遠隔操作信号入力手段から外部機器側電源スイッチ321の押下信号が入力されても、これに対応する操作信号の出力は行わない(図6ステップS4参照)。
そのため、デジタルチューナAが非作動状態になるまでの間にユーザが再び(繰り返し)外部機器側電源スイッチ321の押下操作を行なっても、デジタルチューナAには当該電源スイッチの押下操作に対応する操作信号は与えられないので、この間の電源スイッチ321の操作によってユーザの意図に反してデジタルチューナAの電源がオンとなることが回避される。
このように、本実施形態に示す外部機器接続ユニット1によれば、マイコン14の設定によって、本体装置200や外部機器の作動状態(作動の有無・程度)と関連付けて外部機器に対する一定の操作信号の出力が禁止・制限されるので、ユーザによる無意味なリモコン操作等によって外部機器の無駄な動作や、誤動作を防止することができる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、外部機器に対する電源スイッチの操作に関する操作信号の出力を禁止する場合について説明したが、本発明を適用して出力を禁止する操作信号は電源スイッチに関するものに限られず、出力禁止の条件や対象となる操作信号の内容は適宜設定することができる。
また、上述した実施形態では、本体装置200におけるテレビジョン放送の受信手段としてアナログ方式のテレビジョン放送を受信するための受信装置が用いられた場合を示したが、本発明は、本体装置200にデジタル方式のテレビジョン放送の受信装置(デジタルチューナ)が備えられている場合にも適用可能である。すなわち、本体装置200の受信手段としてデジタルチューナが用いられている場合においても本ユニット1を用いることで外部機器(例えばDVDプレイヤ等)を接続し、既設の浴室テレビシステムを用いて外部機器の映像等を視聴することができる。
また、上述した実施形態では、本ユニット1の電流検出手段12,13として、カレントトランス18,23等を備えた回路構成を示したが、電流検出手段12,13は本体装置200および外部機器の各消費電流の検出が可能なものであれば、上述した実施形態に示す回路構成に限られず、他の回路構成を採用することも勿論可能である。
また、上述した実施形態では、デジタルチューナAに与える制御信号の信号コードの設定をディップスイッチ39で行なうように構成した場合を示したが、ディップスイッチ以外の選択手段によって設定できるようにすることも可能である。