JP5174683B2 - 宇宙機推進力を生成するエレクトリックセイル - Google Patents

宇宙機推進力を生成するエレクトリックセイル Download PDF

Info

Publication number
JP5174683B2
JP5174683B2 JP2008556806A JP2008556806A JP5174683B2 JP 5174683 B2 JP5174683 B2 JP 5174683B2 JP 2008556806 A JP2008556806 A JP 2008556806A JP 2008556806 A JP2008556806 A JP 2008556806A JP 5174683 B2 JP5174683 B2 JP 5174683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spacecraft
conductive members
wire
propulsion system
potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008556806A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009528218A (ja
Inventor
ヤンフネン,ペッカ
Original Assignee
ヤンフネン,ペッカ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヤンフネン,ペッカ filed Critical ヤンフネン,ペッカ
Publication of JP2009528218A publication Critical patent/JP2009528218A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5174683B2 publication Critical patent/JP5174683B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/40Arrangements or adaptations of propulsion systems
    • B64G1/407Solar sailing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/222Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles for deploying structures between a stowed and deployed state
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/222Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles for deploying structures between a stowed and deployed state
    • B64G1/2221Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles for deploying structures between a stowed and deployed state characterised by the manner of deployment
    • B64G1/2225Rolling or unfurling
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G1/00Cosmonautic vehicles
    • B64G1/22Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles
    • B64G1/222Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles for deploying structures between a stowed and deployed state
    • B64G1/2229Parts of, or equipment specially adapted for fitting in or to, cosmonautic vehicles for deploying structures between a stowed and deployed state characterised by the deployment actuating mechanism

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Elimination Of Static Electricity (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Current-Collector Devices For Electrically Propelled Vehicles (AREA)

Description

本発明は、包括的に宇宙機推進の技術に関する。本発明は、特に太陽風を推進力源として利用する技術に関する。
宇宙機推進システムは、宇宙機の運動状態をその自然なケプラー運動から変化させることを目的とする宇宙機のサブシステムである。ケプラー運動は、太陽系の天体(body)の重力場に起因する。推進システムの効果尺度には、推進システムが生成し得るペイロード重量分率(payload mass fraction)及びデルタVがある。数値が高いほど、両方の効果尺度にとってはよい。ペイロード重量分率は、宇宙機の初期総重量(ペイロード重量と推進システムの初期重量との和)でペイロード重量を除算したものである。デルタVは、推進システムによって提供される非重力加速度の、推進システムの作動時間にわたって計算される時間積分である。
従来の推進システムは、化学ロケット及び電気推進を含む。1/3のペイロード重量分率の場合、二元推進剤(液体水素及び液体酸素)の最良の化学ロケットは、約1AU/年のデルタVを提供し、この場合、AUは天文単位を意味し、本質的に150000000キロメートルに等しい。より高いデルタV値が可能であるが、ペイロード重量分率は指数関数的に低下する。電気推進システムの場合、確定的なデルタV値は存在しないが、実現されるミッションにとって典型的な値は2AU/年〜4AU/年である。これらのデルタV値は、多くの目的、たとえば合理的な時間において太陽系の外部にある目標物に到達するためには不十分な高さである。ペイロード重量分率を最小化することによっていくらか高いデルタV値を生成することができるが、固定されたペイロードにとって、これは、初期重量の指数成長と、ミッション費用のこれに対応する指数増加とを意味する。
推進力を生成するために、宇宙空間における自然現象を利用する代替的な解決策が存在する。ソーラーセイル(solar sail:太陽帆)は、宇宙機が地球の大気圏外にあるときに展開する薄膜の大きなシートである。太陽に由来する光子が連続的な流れとしてセイルを打つため、セイルに運動量が伝達される。マグネティックセイル(magnetic sail:磁気帆)は、(好ましくは超導電性)ワイヤの1つ又は複数の広域ループから成り、これを通じて、磁界を生成するために電流が駆動される。磁界は、太陽風と動力学的に相互作用すると共に推進力を生成する。マグネティックセイルは、1991年に出版された従来技術の刊行物(非特許文献1)から既知である。
推進力を生成するために太陽風を使用するという着想は、2004に出版された刊行物(非特許文献2)(参照によって本明細書に援用される)からも既知である。太陽風は、太陽が本質的にすべての半径方向に絶えず放出している、大部分が高エネルギー電子及び陽子である、荷電粒子の連続的な流れ意味する。エレクトリックセイル(electric sail:電気帆)は、太陽風プラズマに対して正電位に保持される導電性の構造体である。太陽風ではなく、太陽の電磁波から運動量を引き出すソーラーセイルとは対照的に、エレクトリックセイルは連続的なシートを必要としない。上記の従来技術の刊行物は、エレクトリックセイルがプラズマのいわゆるデバイ長以下の空隙を有するワイヤのメッシュである一例を提示している。デバイ長は、個々の荷電粒子が影響を及ぼすことができる、距離の尺度である。
このようにして、宇宙機推進用のエレクトリックセイルの実用性が理論的に示されてきたが、実際の宇宙ミッションにおいてその原理を実施するのに適用可能である実践的な解決策は知られていない。
米国特許第6,286,788B1号 R. M. Zubrin及びD. G. Andrews著「Magnetic sails and interplanetary travel」(Journal of Spacecraft and Rockets, Vol. 28, No. 2, pp. 197-203) P. Janhunen著「Electric Sail for Spacecraft Propulsion」(Journal of Propulsion and Power, Vol. 20, No. 4, pp. 763-764)
本発明の目的は、実践において適用可能なエレクトリックセイルシステムを提示することである。本発明の別の目的は、エレクトリックセイルの簡単且つ確実な展開を容易にする宇宙機推進サブシステムを提示することである。本発明のさらなる目的は、エレクトリックセイル推進式宇宙機を操縦することができる方法及びシステムを提示することである。本発明のさらに別の目的は、流星塵、及び宇宙環境によって生じる他の危険因子に耐え得るエレクトリックセイルシステムを提示することである。
本発明の目的は、エレウトリックセイルに遠心力によってしっかりと保持される半径方向に延びる複数のマルチフィラメントワイヤを備えさせることによって達成される。
本発明による宇宙機推進システムは、
本体から各半径方向に展開されるようになっている複数の細長い導電性部材と、
上記本体内で電位を発生させるようになっている電位発生器と、
上記電位発生器と上記複数の細長い導電性部材との間の制御可能な電気的結合手段と、
上記半径方向に対して垂直である回転軸の周りに上記本体を回転させるようになっている補助推進システムと、
を備える。
本発明は、宇宙機の運動状態をその自然なケプラー運動から変化させる方法も対象とする。本発明による方法は、
宇宙機の本体内で電位を発生させること、
発生した電位と、上記本体から各半径方向に展開される複数の細長い導電性部材との間の電気的結合手段を制御すること、及び
上記複数の細長い導電性部材に対して遠心張力を生じさせるために、上記半径方向に対して垂直である回転軸の周りに上記本体を回転させること、
を含む。
これに加えて、本発明は、コンピュータ可読式媒体上のコンピュータプログラム製品を対象とする。本発明によるコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにおいて実行されると、
宇宙機の本体内での電位の発生を制御すること、
発生した電位と上記本体から各半径方向に展開される複数の細長い導電性部材との間の電気的結合手段を制御すること、及び
上記複数の細長い導電性部材に対して遠心張力を生じさせるために、上記半径方向に対して垂直である回転軸の周りでの上記本体の回転を制御すること、
を実施させるソフトウェア命令を含む。
本発明では、エレクトリックセイルは、ソーラーセイルのように連続膜である必要がなく、比較的疎らなメッシュでさえあればよいであろうことを利用する。さらに、いわゆる遠心力の原理を利用しており、このことは、回転体に固定され且つ回転軸上に配置されていない重量が回転方向に一定の引張力を生成することを意味する。スピンしている宇宙機から宇宙空間へ半径方向に延びる複数のワイヤを展開することによって、スピンしている逆U字飛行形態がもたらされ、この形態では、半径方向に延びるワイヤが遠心力によってしっかりと保持される。
ワイヤが導電性である場合、宇宙機内で当該ワイヤを電子銃と電気的に結合することによって、当該ワイヤを周囲プラズマに対して正電位に維持することができる。ワイヤの正電位は太陽風の陽子との静電クーロン力の相互作用を生成し、これは今度は、太陽風からワイヤへ、そして当該ワイヤを通じて宇宙機全体へと運動量を伝達する。ワイヤから宇宙機本体へ電子を引き込み、当該電子を電子銃によって宇宙空間に放出することによって、太陽風の電子の影響が相殺され、これは、さもなければ正電位を中和する。電子が各ワイヤから引き込まれる率を制御することができる場合、多様なステアリング操縦(steering manoeuvres)が可能になる。
本発明の有利な実施の形態は従属クレームに記載される。従属クレームに記載される特徴は、別段に明記されない限りは相互に自由に組み合わせることができる。本特許出願に提示されている本発明の例示的な実施の形態は、添付の特許請求の範囲の適用性に限定を課すものと解釈されるべきではない。「備える(to comprise)」という動詞は、本特許出願において、同様に記載されていない特徴の存在を排除しない開かれた限定(open limitation)として使用されている。
本発明の特性として考えられる新規な特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載される。しかしながら、本発明自体は、その構造及びその動作方法の両方として、付加的な目的及びその利点と共に、添付の図面に関して読めば特定の実施形態の以下の説明から最良に理解されるであろう。図面は概略に過ぎず、同じ縮尺で描かれていない。
図1は、半径方向に延びるワイヤのみから成るエレクトリックセイルの基本的な原理を概略的に示しており、ここでは、ワイヤ間に外周接続又は他の相互接続がない。中央には、宇宙機の本体101がある。本体101から半径方向外向きに延びる複数のワイヤがあり、そのうちのワイヤ102は一例である。システム全体は、紙面に対して垂直であると共に当該システムの重心を通っている回転軸の周りを回転(スピン)しており、これは、本体101の中心と一致すると仮定する。システムは宇宙環境内にあり、このことは、たとえば地球の大気圏の場合と同じような、任意の周囲の媒体によって生じる抗力が本質的にないことを意味する。他方で、一定の角速度で回転しているシステムの中心に配置されていない各部品が、その円形軌道上に留まるために一定の求心力を必要とするため、スピン運動の結果、すべてのワイヤはしっかりと保持されると共に本質的に直接各半径方向を向く。
宇宙機の本体101は、負電荷(本質的に:電子)の流れ103を宇宙空間に制御可能に放出する電子銃又はこれに相当する手段を備えるものとも仮定する。負電荷の流れは、基本的にあらゆる方向へ、たとえば、宇宙機のスピン軸に沿って周囲プラズマ流の下流方向へ放出することができる。負電荷を放出することによって、本体101に、周囲プラズマに対して正電位を帯びさせることになる。ワイヤが導電性であり、且つ本体101と導電的な接続を有する場合、ワイヤ104上に示されるように、電子がワイヤから本体へ流れ、ワイヤも正電位を帯びる。図1に示される宇宙機の電界全体は、正に帯電した導電性ディスクの電界に類似し始める。ワイヤにとって有用な最小電位は約1kVであり、これは、太陽風の陽子の通常の運動エネルギーに相当する。8kV〜20kVのようなより高い値がさらに有利であろう。
太陽風は、太陽から本質的に半径方向外向きに高速(通常400km/秒〜800km/秒)で移動する陽子及び電子から成る。宇宙機のディスク状の電界は、クーロンの法則に従って正に帯電した陽子に反発し、このことは、太陽風の陽子の連続流が、まるで地球の大気圏において通常の風が防風材料の円形シートに吹き付ける(push:押す)ように、宇宙機を押すことを意味する。太陽風の電子は、ワイヤの正電位(及び本体101の正電位)によって引き付けられるが、電子によって運ばれる運動量が陽子によって運ばれる運動量と比べて無視できる程度のものであるため、本質的に、顕著な電子の影響のみが、集められた電子流を、正電位を中和する傾向に導く。宇宙機から電子流103を放出するために使用される装置の効率は、集められた電子流の中和の影響を相殺するように十分に高くなければならない。
ワイヤ材料及び構成
実験及び計算によれば、長さ100メートルの単一の薄いモノフィラメントワイヤは、たった数ヶ月宇宙空間に耐えた後に流星塵によって切り離されることになるであろうことが示唆されている。したがって、エレクトリックセイルを構成する「ワイヤ」は、モノフィラメントワイヤであってはならず、より十分に耐久性のある構成を有しなければならない。多数の適切な構成原理が宇宙技術において他の目的のために提案されてきた。多様なブレード、マルチフィラメントワイヤ、ケーブル、ロープ及びテザーが使用可能である。1つの可能な構成は、参照文献の特許文献1においてHoytetherとして紹介されたものである。ワイヤはバンドの外観を呈することもできる。簡潔のために、本明細書全体を通して「ワイヤ」という用語のみを使用しているが、すべての他の細長い部材の構成が同様に含意される。このように、動作原理は、剛性のロッド状又はビーム状の構成さえも除外しないが、必要な寸法の超軽量の展開式構造体を剛性の部品から組み立てることは極めて難しい。
ワイヤの比較的高い正電位及び導電率は、もしワイヤが複数の別個のフィラメント又は構成要素の弦(component string)から成れば、又はワイヤが複数の別個のフィラメント又は構成要素の弦から成る場合、これらはすべて同じ電位にあり、互いに反発し合うことを意味する。したがって、フィラメント又は構成要素の弦は当然分離し続け、このことによって、流星塵がこれらすべてを同時に切断する危険性が低減される。
ワイヤ材料は、高い引っ張り強度、低い密度及び十分な導電率を有する必要がある。良い材料選択として、合金鋼、及び高い引っ張り強度を有する他の金属が挙げられる。ワイヤ材料はまた、表面が金属化されているか、若しくは他の導電性コーティングを有する炭素繊維又はアラミド繊維コアのような複合物であってもよく、或いは繊維コーティングを有するメタルコアワイヤであってもよい。
ワイヤは可能な限り薄くあるべきだが、これは、エレクトリックセイルが展開される前の宇宙機における重量及び空間を節約するためだけではなく、太陽風の電子によって構成される集められる電子流を可能な限り低く維持するためでもある。電子流はワイヤの外面領域に概ね比例する。
ワイヤの長さの度合いは、ワイヤの総本数、宇宙機の重量、推進力の所望の大きさ、意図される軌道半径(すなわち太陽からの距離)等のような多くの因子に応じて変わる。おおよその仮定として、ワイヤはたとえば長さ10キロメートルであり得る。ワイヤの長さの最終極限値は、ワイヤ材料の引っ張り強度に由来する:ワイヤの各セグメントは、セグメントと遠位端との間のワイヤの残りの部分が生じさせる求心力(及び安全限界値(safety marginal))に耐えなければならない。ワイヤの引っ張り強度が、宇宙機の本体からワイヤの遠位端に向かう距離の減少関数となるように、断面が一定でないワイヤを使用することも当然可能である。すべてのワイヤが等しい長さである必要はない。
展開手順
始めに、ワイヤ又はワイヤ群がリール上に格納される。図2aは、例示的な構成を概略的に示しており、ここでは、リール201が宇宙機の実質的にディスク上の本体101の縁に配置されている。宇宙機が回転するように設定されると、ワイヤは遠心力の力を借りてそれ自体で巻き戻る。ワイヤの特性及びリールの直径に応じて、巻き戻ったワイヤは、わずかに上向きにカールする傾向を有する場合がある。これによって巻取りプロセスが適切に開始されないおそれがある場合、ワイヤの端に小さなバラスト重量202を使用してこの状態を修正する。バラスト重量202は、ワイヤの総重量のうちのわずかでよく、そのため、推進システムの重量収支に対するバラスト重量202の影響が最小限になる。
リールが一定の速度で巻き戻される場合、ワイヤは展開プロセスの際は直線であるが、半径方向に或る角度で傾く。この角度は、回転速度、巻戻し速度、及びシステムの回転の中心からのワイヤの支点の半径方向距離に応じて変わる。この依存関係式は、式sinΨ=2v/Rωであり、式中、Ψはワイヤと半径方向との間の角度であり、vはワイヤが展開される速度であり、Rは支点の半径方向距離であり、ωはシステムの角速度である。「システム」という用語はここでは機械システム全体、すなわち、宇宙機の本体101及び巻き戻されているワイヤである。図2bは、上記量を図によって示す。
展開中に、システムの全体の角運動量は一定であり続ける傾向があり、このことは、システムの回転速度は、ワイヤの巻戻しプロセスが進行すると低下する傾向があることを意味する。したがって、展開は、宇宙機が比較的高速でスピンしているときに開始されなければならず、この速度は、巻戻しプロセス中に低下し、最終的に、ワイヤが完全に展開されたときに適切な最終値に到達するか、又は角運動量を増加させるために展開中に連続的に若しくは間欠的にトルクが印加されなければならない。このトルクを得る確実な方法は、従来の補助推進システムを使用することである。トルク(トルク値はスラストにアーム長さを乗算したものである)を最大にするために、補助システムの推進ユニット203はシステムの回転の中心から可能な限り遠くに、たとえば長い推進アーム204の端に位置付けられなければならない。推進ユニット203は、たとえば小さな化学ロケット、圧力解放型のスラスタ(pressure release thruster)、イオンエンジン若しくはプラズマエンジン、又は任意の適正な他の推進力発生手段とすることができる。
図2aの例示的な実施形態では、補助推進システムが、推進プラットフォーム205と、当該推進プラットフォーム205の、宇宙機の本体101へのアタッチメント206とを備える。1つの可能性は、アタッチメント206を本体との制御可能な機械的な相互作用によって回転可能することである。このような実施形態では、推進ユニット203が補助推進システムを上向きにスピンするのに使用され、当該補助推進システムは本体101に対して回転し、当該推進ユニット203は上記制御可能な機械的な相互作用を使用して、スピンしている補助推進システムから本体101までの角運動量を制御可能に管理する。
補助推進システム及びその推進アーム204は、展開段階が完了した後には必要がなくなるため、所望される場合、性能を向上させるために推進段階中に切り離される(投棄される)ことができる。飛行時間中のワイヤ長さ制御(flight-time wire length control)が使用されない場合、ワイヤリール201もワイヤが巻き戻された後には必要がなくなる。したがって、ワイヤリール201も切り離されるシステムに追随することができる。このような場合、リールから宇宙機の本体101へワイヤを再び取り付けるためのメカニズムが存在しなければならない。ワイヤが完全に展開されている宇宙機の最終的な回転速度は、たとえば5分毎に1全回転であり得るが、これは例示的な値に過ぎず、本発明の適用性を限定するものではない。回転速度は、太陽風の予期される最大風速とワイヤの電圧値とを考慮して、遠心運動が依然として、或る適正な限界値よりも大きく、ワイヤを屈曲させないために十分であるように選択されなければならない。
さらに、従来の推進によって、展開段階中に太陽風の流れに対して部分的に又は完全に垂直なスピン軸を有すること、及びワイヤが、太陽風の流れに向かって後方の、反対の回転段階において移動しているときよりも、太陽風に沿って移動するその回転中にあるときに、ワイヤの電圧を高い値に維持することによって、システムに対して角運動を付与することもできる。この原理は図3に示されており、ここでは、太陽風301が右から吹いている。実線として示されるワイヤ102のようなワイヤは、破線として示されるワイヤ104のようなワイヤよりも高くされている電圧を有する。必要とされる角運動量の一部が太陽風から得られる場合、これに対応して補助推進システムをより小さくすることができる。
図4は、ワイヤの展開と取付け技法とに関するいくつかの構造的な態様を概略的にまとめたものである。図4の例示的な実施形態では、宇宙機の本体101には始めに推進プラットフォーム205が取り付けられる。ワイヤリール201が、電気絶縁アタッチメント401によって推進プラットフォーム205に取り付けられる。本体101に取り付けられるワイヤホルダ402があり、当該ワイヤホルダ402を通じてワイヤ102が宇宙空間へ展開される。本体101へのワイヤホルダ402のアタッチメントは、ここでは、機械的な電気絶縁アタッチメント403と、制御可能なポテンショメータ404とを備えるように示されており、これは、ワイヤ102と宇宙機の本体101との間の導電的な接続のみを構成し、したがって、各ワイヤの電圧を個々に制御するのに使用することができる。図4の下部では、ワイヤ102が完全に展開されており、ワイヤホルダ402によって保持されているだけである。補助推進システム及びワイヤリールは投棄されてしまっている。
ワイヤ電位の達成及び制御
ワイヤを正電位に維持するために、周囲プラズマから宇宙機内への電流を生成しなければならない。電子銃によって電子を放出することが、これを達成する確実且つ良く知られた方法である。電子銃によって必要とされる電力は、ソーラーパネル、又は機内にある他の何らかの電源から得ることができる。ソーラーパネルを使用することには、ワイヤ及び宇宙機の本体によって周囲の太陽風プラズマから集められる電子流が太陽風プラズマ密度に比例し、これが今度は、平均して太陽からの二乗距離に反比例することが知られているという利点がある。ソーラーパネルによって生成される電力は、パネルが生成することができる最大電力に対して必要とされる電力が、太陽からのすべての半径方向において概ね同じであるように、同様に増減される。一定の出力電力を有する(放射熱発電機(radiothermal power generator)、RTGのような)他の何らかの電源が使用される場合、その出力の大部分は、ミッションが太陽から遠ざかると、推進システムに必要とされなくなる。ミッションに応じて、これは利点にも不利益にもなり得る。
電子流は、ワイヤだけではなく、宇宙機自体及び当該宇宙機自体の(もしあれば、ソーラーパネルを含む)構造部によっても周囲プラズマから集められる。合理的なサイズの、小型であるが他の任意の形状の宇宙機がワイヤを有せずに宇宙空間に滞在し、自身の周囲に概ね球形の対称的な電位パターンを形成する。換言すると、当該宇宙機は大よそ、プラズマ内に埋め込まれている球プローブとして機能する。集められた電流を計算すると、電子銃によって宇宙機を高い正電位に維持することが困難である場合に、宇宙機は非常に多くの電子流を集めることが分かる。しかしながら、半径方向に延びる正に帯電したワイヤがシステムに加えられる場合、宇宙機及びワイヤの周囲の電位パターンがディスク状になるため、宇宙機によって集められる電流が劇的に減少する。外部からシステムに接近する電子は、宇宙機本体による場合と概ね同じくらいワイヤ平面によって引き付けられる。ワイヤ平面によって引き付けられると、ワイヤが非常に薄いため、ワイヤを打つというよりもその平面を通じて移動する可能性が高いであろう。したがって、本発明を特徴付ける、半径方向の遠心的に支持されているワイヤ平面によって、極めて高い電子流が集められることに関するあり得る問題が自動的に解決される。
制御及び航法
図5a、図5b及び図5cは、航法のためのエレクトリックセイルの使用方法を示す。宇宙機は、運動のケプラーの法則に従って太陽の周りを楕円形軌道501に乗って回転する。太陽風301は、軌道面において軌道に対して垂直な方向に、本質的に層状の流れを形成する。宇宙機は、同様に軌道面にある回転軸502の周りでスピンする。図5aでは、回転軸502は始めは軌道に対して垂直であると仮定し、このことは、ディスク状のエレクトリックセイルが太陽風301に直面することを意味する。始めにスピン運動の影響を無視して、図5aにおいて、宇宙機は、太陽の方向から見たときにエレクトリックセイルの右手半分上にあるワイヤのみに電圧がオンとなるようにワイヤ専用のポテンショメータを使用するとも仮定する。図5aでは、これは、電圧がオンになっているワイヤを実線で、電圧がオフになっているワイヤを破線で表わすことによって示される。その結果、太陽風は、エレクトリックセイルの右手半分のみに圧力を印加することになり、当該圧力が今度は、折れ曲がった矢印503によって示す方向に回転軸502の向きを変える傾向があるトルクを生じさせる。
スピンしている本体の回転軸の向きを変えようとする力は、本体の角運動量と相互作用し、元の回転軸及び元の力の両方に対して垂直である方向に作用する合力(resultant)を生じさせる。これは、スピンしているエレクトリックセイル推進式宇宙機のスピン軸が、ワイヤの電位を変えることによって向きを変えることになる場合、スイッチングのタイミングは、最終的な合力が右方向に向くように、角運動量を考慮して達成しなければならないことを意味する。上記で考えられた原モデルに対する別の変更形態は、ワイヤの電位のスイッチを単にオン/オフにするのではなく、慎重に検討された適切な戦略に従ってワイヤの電位をより高い値及びより低い値にするべきである。「オン」値及び「オフ」値のみを使用することは、ワイヤに作用する力に対して瞬時の過度の変化をもたらすであろう。
上記で説明したような一定のトルクの或る最低量は、エレクトリックセイルを太陽風に直面させ続けるために、いずれにせよ大部分のミッションにおいて必要とされるが、これは、スピンしている宇宙機は、トルクが一切なければその回転軸の慣性向きを維持する傾向があるためである。しかしながら、トルクは上記最小値よりも大きいものと仮定し、それによって、宇宙機が、その軌道に関して図5bに示される位置に回転することになる。ここで、全電圧がすべてのワイヤに印加される。結果として、太陽風の動圧が合力511を生成する。この力は軌道501の前方を向いている接線方向に成分を有しており、このことは、当該力が軌道速度を加速させ、宇宙機を太陽から遠ざけることを意味する。スラストの全体の大きさはワイヤの平均電圧に比例し、当該ワイヤの平均電圧はさらに、電子銃を操作するのに使用される電力に応じて変わる。
電圧がオンになる側部の初期選択が図5aとは異なっていたら、宇宙機は、その軌道に関して図5bに示される位置に向きを変えられていただろう。ここで、合力521は軌道501の後方を向いている接線方向に成分を有しており、このことは、当該力が軌道速度を減速させ、宇宙機を、太陽に接近するより低い軌道に乗せることを意味する。
各個々のワイヤの電圧を別個に制御することができるため、たとえば太陽風の動圧パルスから生じ、且つエレクトリックセイルを丸いシーレイに類似させるワイヤの振動は、必要に応じてワイヤの電圧を増減させることによって減衰させることができる。宇宙機上の制御システムが、たとえばワイヤのインピーダンス及び張力を監視すること、若しくは各ワイヤの向く方向を機械的に監視すること、又は他の任意の適切な手段によって、このような振動を検出することができる。
エレクトリックセイルを構成する半径方向に延びるワイヤの大きな群は、機械的に非常に複雑な集合体である。ワイヤは宇宙機本体の直径に比べて極めて長いため、ワイヤは、ワイヤの一端に取り付けられる質点としてのみ本体に接触する。展開の初期時間後、本体のスピン運動は、ワイヤがスピン軸の周りを回転する角速度に対して本質的に無視できる程度の影響を有する。ワイヤのうちの何本かがそれらの角運動において加速するか又は減速する傾向を有することは回避できず、隣接するワイヤ同士が接触してもつれ合う原因となる。
上述の影響を回避する1つの可能な方法は、ワイヤの電位の十分に賢明な制御であり得る。各ワイヤの同じ符号の高い電位はワイヤを互いに反発させ合い、この反発は、個々のワイヤの電位を制御することによって必要に応じて増減させることができる。別の可能性として、いわゆる飛行時間中のワイヤ長さ制御がある。これは、ワイヤリール又は他の利用可能な手段を使用して正常に展開していないワイヤの長さを巻き取るか又は繰り出すことを意味する。ワイヤのうちのいくらかを巻き取ること、すなわち、ワイヤの延びた部分の長さを減らすことによって、残りの部分が、角運動量保存の原理に従って角速度を得る。これに対応して、ワイヤの付加的な長さを延出することによって、その角速度が減速する。飛行時間中のワイヤ長さ制御を導入することは当然、ワイヤリールが展開段階後に投棄されることができないことを意味する。
半径方向外向きの方向と、宇宙機本体のリムから宇宙空間へ延びるワイヤの方向(図2bの角度Ψを参照)との間の角度の理論的な最大値は90度であるが、これは、より大きい値の場合、ワイヤは、宇宙機本体の周りに巻き付き、且つ/又は隣接するワイヤの始点に接触し始めるためである。実際には、許容可能な最大値は、ワイヤが危険にもその始点において隣接するワイヤに近付かないように、90度よりもいくらか小さくなければならない。本体に、本体の角速度を増減させることができる付加的な推進手段を備え付けることが有利であり、その結果、本体のスピン運動のうちのいくらかを追加するか又は軽減することによって、エレクトリックセイルの各半径方向に延びるワイヤが可能な限り、直の半径方向に近い方向に向き続けることができる。上記付加的な推進手段は、限定はしないが、化学ロケット、圧力解放型のスラスタ、イオンエンジン及びプラズマエンジンを含む任意の既知の推進力発生装置(propulsion generator)とすることができる。
システムレベルの考察
図6は、エレクトリックセイルを推進手段として使用する例示的な宇宙機のサブシステムのうちのいくつかを示す。主制御の責任は、飛行管制コンピュータ601が担う。航法制御システム602が、ワイヤ展開機構603及びワイヤ電圧用ポテンショメータ604並びに電子銃605を制御し、したがって、宇宙機がエレクトリックセイルから得るスラストの量及び方向を確定する。また、振動を減衰させること及びワイヤの電圧に直接関する他のタスクとは、航法制御システム602が責任を担う。これは自由に、たとえば加速度計、太陽センサ、力検出器(force detector)、ワイヤインピーダンス検出器、ワイヤ指向方向検出器、及び周囲プラズマに対して宇宙機の本体の電位を測定するように構成される電子検出器を含む、複数のセンサ606を有する。
スピン速度制御機構610が別個に示されており、これは、ワイヤ展開に必要な初期の角運動量を提供し、且つワイヤ展開プロセス中に当該運動量を増加させるという目的を有する。補助推進機構611、スピン速度測定サブシステム612、及びもしあれば、ワイヤが完全に展開された後に不必要な重量を排除するのに使用されることができる投棄機構613も示されている。
電力サブシステム621は、ソーラーパネル及び/又は他のエネルギー源を使用して、電子銃605を含む宇宙機に必要な動作電力を供給する。通信サブシステム622は地上管制との通信を可能にする。宇宙機はさまざまなペイロードサブシステム623を有してもよい。
エレクトリックセイルを軌道における主推進システムとして使用する宇宙機は、水星、金星又は太陽の軌道ミッション、太陽系の外部にある物体への高速フライバイミッション、及びさらに、駆動力がもはや太陽風ではなく、星間の荷電粒子の流れであるがその速度は太陽圏内の太陽風の速度よりもはるかに遅い、太陽圏外での星間ミッションを含むさまざまな目的のために使用されることができるであろう。エレクトリックセイルは、宇宙機がレーザ補助式ソーラーセイリングのようないくつかの他の手段によって太陽圏外に推進されるミッションにおける制動手段として使用されることができるであろう。
興味深い可能性は、エレクトリックセイル推進式宇宙機を、地球と太陽との間にある真軸上の或る点に配置することであろう。この種の上記ミッションは、いわゆるラグランジュ点に宇宙機を配置することのみを含み、当該ラグランジュ点では、地球の重力が、その軌道速度がさもなくば低過ぎるのにもかかわらず、宇宙機を太陽の周りの適切な軌道に乗せ続けるのにまさに十分である。太陽風がラグランジュ点から地球の磁気圏まで移動するのに約一時間しかかからず、このことは、そこで太陽風の乱流(disturbance)を測定している宇宙機が太陽の天気の変化を十分に前もって警告することができないことを意味する。エレクトリックセイルは、太陽風がそこから地球に降り注ぐまでにたとえば5時間又は6時間かかる場所で太陽風探査機(solar wind probe)がホバリングすることを可能にすることができ、これによって、地球の周りを周回している宇宙機の乗組員及び設備を保護する動作のためにはるかに多くの準備時間が与えられる。これはまた、北極光現象の予測活動の精度を劇的に向上させるであろう。
上述した実施形態は例示的なものであり、添付の特許請求の範囲の用途を限定するものではない。たとえば、半径方向のワイヤに完全に依拠することが展開手順を可能な限り単純に維持するのに役立つ場合であっても、ワイヤ間の横断方向のすべての相互接続を省くことは決して強制ではない。電子銃とワイヤとの間のポテンショメータ又は他の制御可能な電気的結合手段は、ワイヤ専用というよりもワイヤ群専用である場合があり、それによって、各個々のワイヤというよりも各ワイヤ群の電位が制御される。2つ以上の電子銃を宇宙機内で電位発生器として使用することができる。宇宙機の本体はディスク状である必要はなく、エレクトリックセイルは本体に取り付けられる必要すらなく、エレクトリックセイルは、たとえば回転していない本体と接続される別個にスピンしている副部内に配置されてもよい。まるでいくつかのヘリコプターが2つの主ロータを有しているかのように、一機の宇宙機が2つ以上のエレクトリックセイルを有してもよい。
遠心的に支持されているエレクトリックセイルの原理を示す図である。 ワイヤ展開の特定の態様を示す図である。 ワイヤ展開の特定の態様を示す図である。 太陽風支援のスピンの原理を示す図である。 ワイヤの取付けに関するいくつかの構造的な考察を示す図である。 エレクトリックセイルによる操縦を示す図である。 エレクトリックセイルによる操縦を示す図である。 エレクトリックセイルによる操縦を示す図である。 エレクトリックセイル推進力を有する宇宙機のいくつかの部分の例示的な機能図である。

Claims (21)

  1. 宇宙機推進システムであって、
    本体から各半径方向に展開されるようになっている複数の細長い導電性部材と、
    前記本体内で電位を発生させるようになっている電位発生器と、
    前記電位発生器と前記複数の細長い導電性部材との間の電気的結合が制御できるようになっている電気的結合手段と、
    前記半径方向に対して垂直である回転軸の周りに前記本体を回転させるようになっている補助推進システムと、
    を備え、
    前記宇宙機推進システムは、前記複数の細長い導電性部材の少なくとも一部を前記宇宙機の周囲に対して正味の電位に維持するように構成されている、宇宙機推進システム。
  2. 前記複数の細長い導電性部材のそれぞれは、マルチフィラメントワイヤ、ブレード、ケーブル、バンド、テザーのうちの1つである、請求項1に記載の宇宙機推進システム。
  3. 展開前の前記複数の細長い導電性部材を格納する複数のリールを備える、請求項2に記載の宇宙機推進システム。
  4. 前記複数の細長い導電性部材のうちの隣接するもの同士の間には横断方向の継手がない、請求項2に記載の宇宙機推進システム。
  5. 前記電位発生器は、前記本体から電子を放出するようになっている電子銃を含む、請求項1に記載の宇宙機推進システム。
  6. 前記電気的結合手段は、前記本体と前記複数の細長い導電性部材のそれぞれとの間の電気的結合が制御できるようになっている別個の電気的結合手段を含む、請求項1に記載の宇宙機推進システム。
  7. 前記電気的結合手段は、電気的に制御可能なポテンショメータである、請求項6に記載の宇宙機推進システム。
  8. 前記補助推進システムは、前記回転軸の周りに角運動角運動量の制御ができるように生成するようになっている推進ユニットを備える、請求項1に記載の宇宙機推進システム。
  9. 前記推進ユニットは離脱式プラットフォーム内に配置される、請求項8に記載の宇宙機推進システム。
  10. 展開前の前記複数の細長い導電性部材を格納する格納機構を備え、該格納機構は前記離脱式プラットフォーム内に配置される、請求項9に記載の宇宙機推進システム。
  11. 帯電粒子の周囲の流れに対して前記宇宙機の姿勢を変更するために、前記電気的結合手段を制御するようになっている航法システムを備える、請求項1に記載の宇宙機推進システム。
  12. 個々の細長い導電性部材の前記延出長さを制御して変更するようになっている航法システムを備える、請求項1に記載の宇宙機推進システム。
  13. 前記複数の細長い導電性部材における機械振動を感知するようになっているセンサと、検出された機械振動を減衰させるために、前記電気的結合手段を制御するようになっている制御システムとを備える、請求項1に記載の宇宙機推進システム。
  14. 宇宙機の運動状態をその自然なケプラー運動から変化させる方法であって、
    前記宇宙機の本体内で電位を発生させること、
    前記発生した電位と、前記本体から各半径方向に展開される複数の細長い導電性部材との間の電気的結合手段を制御前記複数の細長い導電性部材の少なくとも一部を前記宇宙機の周囲に対して正味の電位に維持すること、及び
    前記複数の細長い導電性部材に対して遠心張力を生じさせるために、前記半径方向に対して垂直である回転軸の周りに前記本体を回転させること、
    を含む、方法。
  15. 前記細長い導電性部材のサブセットは、前記宇宙機の回転状態を修正するトルクを生成するために、前記宇宙機の周りの荷電粒子の流れに対して正電位に動的に維持される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記回転軸は、前記宇宙機の周りの前記荷電粒子の流れに対して垂直に維持され、且つ
    前記細長い導電性部材の前記サブセットは、前記宇宙機の前記回転軸の周りの角運動量を増加させるために、前記回転軸の周りの前記宇宙機の回転に起因して、前記宇宙機の周りの前記荷電粒子の流れと共に移動するような細長い導電性部材から成る、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項16の方法ステップは、前記宇宙機の前記本体からの前記細長い導電性部材の展開段階中に実行され、且つ前記角運動量に関連する前記遠心張力は前記展開を支援する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記回転軸は、前記宇宙機の運動の軌道面内に維持され、且つ前記宇宙機の周りの前記荷電粒子の流れに対して垂直ではなく、
    前記細長い導電性部材の前記サブセットは、前記運動の軌道面より高いか又はこれよりも低い、本質的に等しい数の細長い導電性部材から成り、且つ
    前記サブセットのすべての細長い導電性部材は、前記運動の軌道面内の前記回転軸の向きを変えるために、その軌道運動に関して前記宇宙機の前記本体の前方部又は後方部のうちの一方である同じ側部にある、請求項15に記載の方法。
  19. 前記回転軸の周りの個々の細長い導電性部材の角速度を制御して変更するために、前記細長い導電性部材の初期展開後に個々の細長い導電性部材の前記延出長さを制御して変更することを含む、請求項14に記載の方法。
  20. コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されたコンピュータプログラムであって、コンピュータシステムにおいて実行されると、
    宇宙機の本体内での電位の発生を制御すること、
    前記発生した電位と、前記本体から各半径方向に展開される複数の細長い導電性部材との間の電気的結合手段を制御前記複数の細長い導電性部材の少なくとも一部を前記宇宙機の周囲に関して正味の電位に維持すること、及び
    遠心運動によって前記複数の細長い導電性部材に対して張力を生じさせるために、前記半径方向に対して垂直である回転軸の周りでの前記本体の回転を制御すること、
    を実施させるソフトウェア命令を含む、コンピュータプログラム。
  21. コンピュータシステムにおいて実行されると、前記回転軸の周りの個々の細長い導電性部材の角速度を制御して変更するために、前記細長い導電性部材の初期展開後に個々の細長い導電性部材の前記延出長さを制御して変更することを実施させるソフトウェア命令を含む、請求項20に記載のコンピュータプログラム。
JP2008556806A 2006-03-02 2007-03-02 宇宙機推進力を生成するエレクトリックセイル Active JP5174683B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/365,875 2006-03-02
US11/365,875 US7641151B2 (en) 2006-03-02 2006-03-02 Electric sail for producing spacecraft propulsion
PCT/FI2007/000056 WO2007099201A1 (en) 2006-03-02 2007-03-02 Electric sail for producing spacecraft propulsion

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009528218A JP2009528218A (ja) 2009-08-06
JP5174683B2 true JP5174683B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=38458693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008556806A Active JP5174683B2 (ja) 2006-03-02 2007-03-02 宇宙機推進力を生成するエレクトリックセイル

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7641151B2 (ja)
EP (1) EP1989114B1 (ja)
JP (1) JP5174683B2 (ja)
CN (1) CN101395060B (ja)
AT (1) ATE489286T1 (ja)
DE (1) DE602007010736D1 (ja)
RU (1) RU2451629C2 (ja)
WO (1) WO2007099201A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8575790B1 (en) 2009-05-08 2013-11-05 William Ivan Ogilvie Superconducting electrodynamic turbine
US20100289342A1 (en) * 2009-05-12 2010-11-18 William Eugene Maness Space-Based Power Systems And Methods
US8550404B2 (en) 2010-10-29 2013-10-08 Clausal Computing Oy Electric sail with voltage multipliers in tethers
US8474760B2 (en) 2011-03-16 2013-07-02 Stephen Leventhal Polygonal support structure
JP5826529B2 (ja) * 2011-06-17 2015-12-02 サンユー電子株式会社 スピン回転装置
RU2520605C2 (ru) * 2012-04-03 2014-06-27 Валентин Михайлович Румянцев Многофункциональный воздушный шар
JP5702819B2 (ja) * 2013-03-27 2015-04-15 株式会社 東北テクノアーチ 地球を周回する宇宙構造物の地球への落下装置及び落下方法
GB201320089D0 (en) * 2013-11-14 2014-01-01 Anderson John E Stellar powered interstellar accelerator
ES2959449T3 (es) 2014-03-28 2024-02-26 2241781 Ontario Inc Gravímetro de vector absoluto y métodos para medir un vector de gravedad absoluta
ES2536800B1 (es) * 2014-11-24 2015-10-09 Antonio SÁNCHEZ TORRES Velero electro-solar por pulsos
US10046869B2 (en) 2015-01-28 2018-08-14 Kieran A. Carroll Inertial sensing augmentation for navigation of spacecraft
CN104843199B (zh) * 2015-04-30 2017-06-27 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种利用激光加速核衰变的推进方法和系统
US10435184B2 (en) * 2016-05-06 2019-10-08 Darrin Taylor Method of space travel using a high acceleration thrust vehicle in combination with a plurality of low acceleration thrust vehicles
CN106275512A (zh) * 2016-08-12 2017-01-04 上海卫星工程研究所 一种采用无质损磁动力推进的深空探测器
WO2018154603A1 (en) * 2017-02-22 2018-08-30 Pes University Ultra-thin wires as drag-enhancing system for space craft, method of deployment
CN108959827B (zh) * 2018-08-10 2022-04-15 哈尔滨工业大学 基于电动帆的极地悬浮轨道的设计方法
CN112027079A (zh) * 2020-09-10 2020-12-04 福州市长乐区白英设计有限公司 一种仿生飞行器以及控制方法
CN116540406B (zh) * 2023-07-04 2023-09-12 天府兴隆湖实验室 一种光帆构建方法及光帆

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4614319A (en) * 1980-05-05 1986-09-30 Drexler Kim E Solar sail
FR2592855B1 (fr) * 1986-01-16 1988-03-18 Europ Agence Spatiale Systeme orbital avec configurations a sonde remorquee et a propulsion electrodynamique, utilisation d'un tel systeme et procede de transfert entre les configurations
US5296044A (en) * 1992-03-06 1994-03-22 Aec-Able Engineering Company, Inc. Lightweight stowable and deployable solar cell array
RU2104411C1 (ru) * 1992-12-16 1998-02-10 Борис Михайлович Солодов Способ ускорения космического аппарата потоком заряженных частиц и устройство для его осуществления
RU2092401C1 (ru) * 1995-07-05 1997-10-10 Центральный научно-исследовательский институт машиностроения Способ электродинамического взаимодействия с магнитоплазменной околопланетной средой и электродинамическая тросовая система для его осуществления
US6260808B1 (en) * 1998-10-23 2001-07-17 Hughes Electronics Corporation Passive electrical grounding of a spacecraft to the ambient plasma environment
US6194790B1 (en) * 1999-11-22 2001-02-27 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Solar sail for power generation
US6362574B1 (en) * 2000-05-31 2002-03-26 Sri International System for emitting electrical charge from a space object in a space plasma environment using micro-fabricated gated charge emission devices
US6459206B1 (en) * 2000-05-31 2002-10-01 Sri International System and method for adjusting the orbit of an orbiting space object using an electrodynamic tether and micro-fabricated field emission device
US6758443B1 (en) * 2001-03-07 2004-07-06 Tether Applications, Inc. Method for observing and stabilizing electrodynamic tethers
US6942186B1 (en) * 2001-03-07 2005-09-13 Star Technology And Research, Inc. Method and apparatus for propulsion and power generation using spinning electrodynamic tethers
JP3541225B2 (ja) * 2001-07-16 2004-07-07 宇宙科学研究所長 大型膜宇宙構造物およびその展開方法
US6565044B1 (en) * 2002-03-14 2003-05-20 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Combination solar sail and electrodynamic tether propulsion system
FR2838102B1 (fr) * 2002-04-08 2004-11-26 Agence Spatiale Europeenne Systeme de propulsion combine destine a un engin spatial
US20050274849A1 (en) * 2004-06-10 2005-12-15 Klosner Mark A Highly-integrated low-mass solar sail
US7413147B2 (en) * 2005-08-23 2008-08-19 Young Kun Bae System and method for propellantless photon tether formation flight
US7913953B2 (en) * 2005-12-28 2011-03-29 Frank Werner Ellinghaus Solar sail launch system and solar sail attitude control system
US7913954B2 (en) * 2006-03-10 2011-03-29 Star Technology And Research, Inc. Electrodynamic structure

Also Published As

Publication number Publication date
EP1989114A4 (en) 2010-03-10
US20070205331A1 (en) 2007-09-06
ATE489286T1 (de) 2010-12-15
CN101395060B (zh) 2011-06-08
US7641151B2 (en) 2010-01-05
JP2009528218A (ja) 2009-08-06
RU2451629C2 (ru) 2012-05-27
EP1989114A1 (en) 2008-11-12
RU2008134386A (ru) 2010-04-10
EP1989114B1 (en) 2010-11-24
CN101395060A (zh) 2009-03-25
WO2007099201A1 (en) 2007-09-07
DE602007010736D1 (de) 2011-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5174683B2 (ja) 宇宙機推進力を生成するエレクトリックセイル
US6419191B1 (en) Electrodynamic tether control
Forward et al. Terminator tether: a spacecraft deorbit device
Levin Dynamic analysis of space tether missions
US5082211A (en) Method and apparatus for mitigating space debris
JP6473960B2 (ja) スペースデブリの軌道降下方法、軌道降下システム、及び、人工衛星の軌道変換方法、軌道変換システム
Janhunen Electrostatic plasma brake for deorbiting a satellite
US6565044B1 (en) Combination solar sail and electrodynamic tether propulsion system
Fujii et al. Space demonstration of bare electrodynamic tape-tether technology on the sounding rocket S520-25
Janhunen Photonic spin control for solar wind electric sail
WO2018154603A1 (en) Ultra-thin wires as drag-enhancing system for space craft, method of deployment
Carroll et al. Tethers for small satellite applications
EP3786073B1 (en) Enhanced thrust from ion-propelled spacecraft via tethered ion blocker
CN110510153A (zh) 一种地磁蓄能低轨道空间碎片离轨控制方法
Toivanen et al. Electric solar wind sail: deployment, long-term dynamics, and control hardware requirements
US20110309200A1 (en) Apparatus, Satellite and Method for Trapping High-Speed Particles
Zubrin Dipole Drive for Space Propulsion
US11077963B2 (en) Dipole drive for space propulsion
Williams et al. Magnetospheric multiscale mission attitude dynamics: Observations from flight data
Zubrin The Dipole Drive: A New Concept in Space Propulsion
Uwamino et al. Damage of twisted tape tethers on debris collision
Janhunen et al. Electric Solar Wind Sail Propulsion System Development
Janhunen et al. Electric sail propulsion modeling and mission analysis
US20240076063A1 (en) Circular Mass Accelerator for Off-World Applications
Lansdorp Tethered debris mitigation by gathering of 100+ spent stages

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5174683

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250