JP5173871B2 - 有機elディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、有機ELディスプレイに関する。
有機ELディスプレイは、薄型、広視野角、低消費電力、優れた動画表示特性などの特色を有しており、複数個の画素をマトリックス状に配列したものが従来から知られている。
かかる有機ELディスプレイは、画像を表示するためには、例えば赤色の光を発する画素と、緑色の光を発する画素と、青色の光を発する画素等が必要となる。なお、発する光の色に合わせて画素を構成する材料が選択される。
有機ELディスプレイにおいては、液晶ディスプレイと異なり、画素が自ら発光しないことで黒を表示することができる。そのため、有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイに比べてコントラストが非常に優れている。
さらに、有機ELディスプレイは、画素が発する光の外部への出射を調整することでコントラストを高めている。ところが、有機ELディスプレイには、画素に入射する太陽光等の外光が反射して、コントラストが低下するという問題がある。そこで、画素に入射する外光が反射するのを抑制して、有機ELディスプレイのコントラストを向上させるための技術が開示されている(下記特許文献1参照)。
特開2002−373776号公報
ところが、特許文献1に記載の技術においては、黒表示をする場合、例えば、赤色の画素に外光が入射して反射する反射波と、緑色の画素に外光が入射して反射する反射波等が合わさり、黒に赤色等の色が混じって人間の目に映ることがある。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、黒表示が明瞭に映し出される視認性に優れた有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
本発明の有機ELディスプレイは、発光領域と該発光領域に併設される非発光領域とを有する画素を備え、前記画素の前記発光領域が非発光時の状態で、前記画素の発光波長領域内に前記非発光領域に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極大値が存在することを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記発光波長領域内に前記発光波長領域に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極小値が存在することを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記画素を複数有する絵素を備え、前記絵素は、第1色を発光する第1画素と、第2色を発光する第2画素と、第3色を発光する第3画素とを備えており、前記第1画素、前記第2画素及び前記第3画素は、各画素の発光波長領域内に各画素に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極大値が存在することを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記画素が複数配列された表示部を備え、前記発光領域に外光が入射して反射した反射波と前記非発光領域に外光が入射して反射した反射波とが合わさり、前記表示部から取り出される合波スペクトルの色座標がCIEx<0.4、CIEy<0.4であることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記非発光領域は、前記発光領域の周囲を取り囲むように設けられていることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記絵素はマトリックス状に複数設けられており、前記絵素中の前記複数の画素が規則的な順序で配列されていることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイは、前記絵素中の前記画素の非発光領域の厚みは、それぞれ異なる厚みであることを特徴とする。
本発明によれば、黒表示が明瞭に映し出される視認性に優れた有機ELディスプレイを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイの平面図である。 表示部にマトリックス状に配列された画素及び絵素の拡大平面図である。 一画素の拡大断面図である。 有機EL素子を構成する各層を説明するための断面図である。 絵素内に入射した外光が反射している状態を示す平面図である。 図6(A)は、赤色の光を発する画素において、画素が非発光時における発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルを示す図面である。図6(B)は、発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルの合波の合波スペクトルを示す図面である。 図7(A)は、緑色の光を発する画素において、画素が非発光時における発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルを示す図面である。図7(B)は、発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルの合波の合波スペクトルを示す図面である。 図8(A)は、青色の光を発する画素において、画素が非発光時における発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルを示す図面である。図8(B)は、発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルの合波の合波スペクトルを示す図面である。 図9(A)及び図9(B)は、有機ELディスプレイの製造工程を説明する一画素の断面図である。 図10(A)及び図10(B)は、有機ELディスプレイの製造工程を説明する一画素の断面図である。 図11(A)及び図11(B)は、有機ELディスプレイの製造工程を説明する一画素の断面図である。 図12(A)及び図12(B)は、有機ELディスプレイの製造工程を説明する一画素の断面図である。 本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイの変形例において、絵素内に入射した外光が反射している状態を示す平面図である。
本発明は、発光領域にて反射する反射波のスペクトルの極小値に対して、非発光領域にて反射する反射波のスペクトルの極大値が位置するように設定する。そして、両反射波の合波からスペクトル波長を得て、そのスペクトルが表す色が無彩色となるようにする。その結果、黒表示が明瞭に映し出される視認性に優れた有機ELディスプレイを提供することができる。なお、反射波の合波スペクトルはたとえばCIE表色系の色座標で示すことができ、無彩色はCIE表色座標で、CIEx=0.3、CIEy=0.3付近で表わされる。
以下に、本発明について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの画素及び絵素の平面図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイの画素の拡大断面図である。また、図4は、画素内に設けられる有機EL素子の断面図である。
有機ELディスプレイ1は、図1に示すように、テレビ等の家電機器、携帯電話又はコンピュータ機器等の電子機器に用いるものであり、素子基板2と、素子基板2上に形成される複数の画素3と、かかる画素3の発光を制御する駆動IC4と、を含んで構成されている。
素子基板2は、例えばガラス又はプラスチックから成り、素子基板2の中央に位置する表示部D1には、複数の画素3が形成されている。また、素子基板2の端部に位置する実装部D2には、駆動IC4が実装されている。
また、画素3は、赤色、緑色又は青色のいずれかの色を発光することができる。このことは、後述するように有機EL素子5を構成する材料を選択することによって、発光する色を決定することができる。なお、本実施形態においては、画素を赤色、緑色又は青色のいずれかの色を発光するものとしたが、例えば白色又は橙色等の色を発光するようにしてもよい。
ここで、本実施形態においては、第1色としての赤色の光を発する第1画素としての画素3Rと、第2色としての緑色の光を発する第2画素としての画素3Gと、第3色としての青色の光を発する第3画素としての画素3Bとから構成されるピクセルのことを絵素3Pとする。絵素3Pは、表示部D1にマトリックス状に複数設けられており、絵素3P中の各画素3が規則的な順序で配列されている。つまり、表示部D1には、一端から他端に向かって、画素3R、画素3G、画素3Bの順番で連続して配列されている。すなわち、絵素3Pはマトリックス状に複数設けられており、絵素3P中の複数の画素3が規則的な順序で配列されている。
画素3は、図3に示すように、発光領域R1と該発光領域R1に併設される非発光領域R2とを含んで構成されており、発光領域R1に発光可能な有機EL素子5が設けられている。また、非発光領域R2は、発光領域R1の周囲を取り囲むようにして設けられている。
また、各画素3には、支持部6が設けられている。支持部6は、断面が上部よりも下部が幅広の形状であって、後述する絶縁物7上に形成されている。支持部6上には、後述するように、蒸着法を用いて有機EL素子5を構成する層を塗り分けるのに、蒸着マスクを載置することができる。支持部6は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸化窒化ケイ素等の無機絶縁材料、あるいはフェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂又はポリイミド樹脂等の有機絶縁材料から成る。なお、支持部6は、蒸着マスクを支持することができればよい。そのため、支持部6が、平面視して非発光領域R2に占める割合(占有面積)は20%以下に設定されている。また、支持部6の厚みは、1μm以上に設定されている。
また、素子基板2上には、素子基板2に対して対向するように配置された封止基板8が形成されている。封止基板8は透明の基板から成り、例えばガラス又はプラスチックを用いることができる。なお、本実施形態においては、素子基板2側から封止基板8側に向けて光が発せられるトップエミッション型の有機ELディスプレイであるため、封止基板8は透明の部材が用いられる。
素子基板2の表示部D1には、画素3を被覆するように保護膜9が形成されている。保護膜9は、各画素3に酸素又は水分が浸入するのを低減し、各画素3が劣化するのを抑制することができる。保護膜9は、例えば窒化珪素、酸化珪素又は酸化窒化珪素等の無機絶縁材料から成る。さらに、保護膜9上にシール材10を介して封止基板8が貼り合わされている。なお、保護膜9は、各画素3の劣化を抑制するために、厚みが1μm以上に設定されている。
シール材10は、接着材としての機能を有し、硬化することによって素子基板2と封止基板8とを固着することができる。かかるシール材10は、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂又はシリコン樹脂等の光硬化性樹脂、あるいは熱硬化性の樹脂を用いることができる。なお、本実施形態においては、紫外線の照射により硬化する光硬化性のエポキシ樹脂を用いる。なお、シール材10は有機樹脂材料からなり、素子基板2と封止基板8とを強固に接着させるために、厚みが1μm以上に設定されている。
次に、図3に示すように、素子基板2と封止基板8との間に形成される各種層について説明する。素子基板2上には、TFTや電気配線等から成る回路層11が形成されている。さらに、回路層11上には、回路層11の所定領域以外が電気的にショートしないように、例えば窒化珪素、酸化珪素又は酸化窒化珪素等から成る絶縁層12が形成されている。
また、絶縁層12上には、回路層11及び絶縁層12に起因する表面の凹凸を低減するために、平坦化膜13が形成されている。回路層11は、複数の電気配線がパターニングされているため、その表面には凹凸が形成される。有機EL素子5を凹凸な面上に形成すると、有機EL素子5を構成する電極層同士が短絡し、有機EL素子5が発光しないことがある。そのため、絶縁層12上に平坦化膜13が形成される。
かかる平坦化膜13は、例えばノボラック樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂等の絶縁性を有する有機材料を用いることができる。なお、平坦化膜13の厚みは、例えば2μm以上5μm以下に設定されている。
また、平坦化膜13には、平坦化膜13を貫通するコンタクトホールSが形成されている。かかるコンタクトホールSは、上部よりも下部が幅狭に形成されている。コンタクトホールSは、各画素3に形成されており、コンタクトホールSの底部には、回路層11の一部が露出している。
図4は、有機EL素子5の構成を説明するための断面図である。発光領域R1に位置する平坦化膜13上には、有機EL素子5が形成されている。図3及び図4に示すように、有機EL素子5は、第1電極層14と、第1電極層14上に形成された有機発光層15と、有機発光層15上に形成された第2電極層16と、を含んで構成されている。ここで、発光領域R1は、第1電極層14と有機発光層15が直接接するとともに、第1電極層14と第2電極層16との間に電流が流れることで発光する領域のことをいう。
第1電極層14は、平坦化膜13上に形成される。第1電極層14は、例えばアルミニウム、銀、銅、金、ロジウム又はネオジム等の金属、あるいはこれらの合金等の光反射率の大きい材料から成る。このように、第1電極層14を光反射率の大きい材料から構成することにより、トップエミッション型の有機EL素子5においては光取り出し効率を向上させることができる。なお、第1電極層14の厚みは、例えば50nm以上500nm以下に設定されている。
また、第1電極層14の一部は、平坦化膜13上からコンタクトホールSの内周面にかけて形成されている。そして、コンタクトホールSの内周面に形成される第1電極層14の一部が、コンタクトホールSの底部から露出する回路層11の一部と接続されている。
発光領域R1を取り囲むように、絶縁物7が形成されている。具体的には、絶縁物7は、第1電極層14上に、発光領域R1に対応する第1電極層14の一部を露出するように形成されている。そして、露出する第1電極層14上に有機発光層15が形成され、その上に第2電極層16が形成される。また、絶縁物7は、窒化珪素、酸化珪素又は酸化窒化珪素等の無機絶縁材料から成る。なお、絶縁物7は、無機絶縁材料からなるため、厚みを500nm以下に設定することができる。
有機発光層15は、絶縁物7で囲まれる第1電極層14上に形成され、複数の層から構成されている。本実施形態においては、有機発光層15は、正孔注入層17、正孔輸送層18、発光層19、電子輸送層20及び電子注入層21を順次積層した構成である。また、有機発光層15の各層を構成する材料は、発する光の色に応じて、適当な材料が選択される。
有機発光層15上には、第2電極層16が形成されている。第2電極層16は、有機発光層15上から絶縁物7上まで延在されている。そして、画素3を被覆して形成されており、隣接する画素3同士で第2電極層16が連続して形成されている。第2電極層16は、有機発光層15の上面側から光を取り出すために、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、錫酸化物等の光透過性を有する導電材料を用いて形成される。また、第2電極16が、例えばマグネシウム、銀、アルミニウム又はカルシウム等の材料から成る場合、その厚みを100nm以下にすることによって、光透過性の電極とすることができる。このようにして、第2電極層16は、有機発光層15の発する光が透過する。そして、透過した光は、有機ELディスプレイ1の外部に放出される。
有機発光層15は、第1電極層15と第2電極層16との間に電流が流れ、正孔と電子とが結合することによって励起し発光する。そして、有機発光層15が発する光が第1電極層15と第2電極層16との間で定在波となって共振し、発光する光を強めるために、有機発光層15の厚みが調整されている。かかる定在波とは、有機発光層15が発する光が第1電極層14と第2電極層16との間で共振し、その共振した光の波形が進行せずに止まって振動しているようにみえる波動である。
ここで、有機発光層15が発する光を定在波とするために、第1電極層14と第2電極層16の間の膜厚に関して、下記(1)が成立する。
Figure 0005173871
上式(1)のLは、電極間の各層の膜厚である。nは、電極間の各層の屈折率である。また、λは、発光ピーク波長である。また、PNは、正の整数(1,2,3…)である。なお、発光ピーク波長とは、外部に放射される光の波長ごとの強度(スペクトル)をプロットした場合の、光強度が最大となる波長のことをいう。
以下に、電極間の定在波が1つの場合、いわゆる0次共振器(PN=1)とした場合の、各層について説明する。なお、共振器とは、光が共振するように設定された構造をいう。
有機発光層15が、赤色を発する有機発光層15Rの場合について説明する。ここでは、有機発光層15Rの発光ピーク波長は、620nmである。このときの有機屈折率を1.85とすると、有機発光層15Rの電極間の膜厚は168nmである。
また、有機発光層15Rの正孔注入層17Rは、例えばα‐NPD、TPD、酸化ニッケル、酸化チタン、フッ化炭素又はCuPc等から成る。正孔注入層17Rの厚みは、例えば5nm以上40nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Rの正孔輸送層18Rは、例えばN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等 の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、 ポリアリールアルカン、ブタジエン、および4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等のスターバースト芳香族又は芳香族アミン化合物を用いることができる。また、正孔輸送層18Rは、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン又はそれにシアノ基などが結合した誘導体等の複素環化合物を用いることができる。正孔輸送層18Rの厚みは、例えば10nm以上50nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Rの発光層19Rは、例えばCBP、Alq又はSDPVBi等のホスト材料、あるいはこれらのホスト材料にDCJTB、クマリン、キナクリドン、フェナンスレン基を有するペリノン誘導体、オリゴチオフェン誘導体又はペリレン誘導体等のドーパント材料を含有したものを用いることができる。発光層19Rの厚みは、例えば20nm以上40nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Rの電子輸送層20Rは、例えば例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、又は4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等 の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、 ポリアリールアルカン、ブタジエン、又は4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等のスターバースト芳香族やアミン化合物を用いることができる。電子輸送層20Rの厚みは、例えば20nm以上60nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Rの電子注入層21Rは、例えば例えばフッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化炭素等を用いることができる。電子注入層21Rの厚みは、例えば0.5nm以上2nm以下に設定されている。
次に、有機発光層15が、緑色を発する有機発光層15Gの場合について説明する。ここでは、有機発光層15Gの発光ピーク波長は、520nmである。このときの有機屈折率を1.85とすると、有機発光層15Gの電極間の膜厚は140nmである。
また、有機発光層15Gの正孔注入層17Gは、例えばα‐NPD、TPD、酸化ニッケル、酸化チタン、フッ化炭素又はCuPc等から成る。正孔注入層17Gの厚みは、例えば5nm以上40nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Gの正孔輸送層18Gは、例えばN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等 の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、 ポリアリールアルカン、ブタジエン、および4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等のスターバースト芳香族又は芳香族アミン化合物を用いることができる。また、正孔輸送層18Gは、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン又はそれにシアノ基などが結合した誘導体等の複素環化合物を用いることができる。正孔輸送層18Gの厚みは、例えば10nm以上50nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Gの発光層19Gは、例えばCBP、Alq又はSDPVBi等のホスト材料、あるいはこれらのホスト材料にスチリルアミン、ペルリン、ベンゼン環を有するシロール誘導体、フェナンスレン基を有するペリノン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ペリレン誘導体又はアゾメチン亜鉛錯体等のドーパント材料を含有したものを用いることができる。発光層18Gの厚みは、例えば20nm以上40nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Gの電子輸送層20Gは、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、又は4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等 の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、 ポリアリールアルカン、ブタジエン、又は4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等のスターバースト芳香族やアミン化合物を用いることができる。電子輸送層20Gの厚みは、例えば20nm以上60nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Gの電子注入層21Gは、例えば例えばフッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化炭素等を用いることができる。電子注入層21Gの厚みは、例えば0.5nm以上2nm以下に設定されている。
次に、有機発光層15が、青色を発する有機発光層15Bの場合について説明する。ここでは、有機発光層15Bの発光ピーク波長は460nmである。このときの有機屈折率を1.85とすると、有機発光層15Bの電極間の膜厚は125nmである。なお、有機屈折率とは、電極間の各層の屈折率を平均した平均屈折率のことをいう。
また、有機発光層15Bの正孔注入層17Bは、例えばα‐NPD、TPD、酸化ニッケル、酸化チタン、フッ化炭素又はCuPc等から成る。正孔注入層17Bの厚みは、例えば5nm以上40nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Bの正孔輸送層18Bは、例えばN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等 の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、 ポリアリールアルカン、ブタジエン、および4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等のスターバースト芳香族又は芳香族アミン化合物を用いることができる。また、正孔輸送層18Bは、1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン又はそれにシアノ基などが結合した誘導体等の複素環化合物を用いることができる。正孔輸送層18Bの厚みは、例えば10nm以上50nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Bの発光層19Bは、例えばCBP又はSDPVBi等のホスト材料、あるいはこれらのホスト材料にスチリルアミン、ペルリン、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジェン、トリフェニルアミン構造とビニル基が結合した化合物、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体又はベンゼン環を有するシロール誘導体等のドーパント材料を含有したものを用いることができる。発光層18Bの厚みは、例えば20nm以上40nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Bの電子輸送層20Bは、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、又は4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等 の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、 ポリアリールアルカン、ブタジエン、又は4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等のスターバースト芳香族やアミン化合物を用いることができる。電子輸送層20Bの厚みは、例えば20nm以上60nm以下に設定されている。
また、有機発光層15Bの電子注入層21Bは、例えばフッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化炭素等を用いることができる。電子注入層21Bの厚みは、例えば0.5nm以上2nm以下に設定されている。
上述したように、有機発光層15の発する色に応じて、それを構成する各層の膜厚は、異なる。すなわち、絵素中の各画素の発光領域は、それぞれ異なる発光材料が含有されている。このようにして、電極間の膜厚を調整することによって、有機発光層15の発する光を定常波となるように設定することができる。
このように、有機発光層15の発する光を強くするためには、有機発光層15の厚みを調整すればよい。これは、可視光の波長範囲が約380nm〜780nmであるためである。つまり、可視光の波長範囲を超えない範囲で、層の厚みを調整することにより共振器を設定することが可能となる。可視光の波長範囲を超える層、例えば、保護膜9やシール材10等の厚みが1μm以上の層内では、強めあう波長と弱めあう波長が交互に現われ、最終的に平均化された波長となる。そのため、厚みが可視光の波長範囲を超える層では、厚みを調整して共振器を設定することができない。したがって、共振器を設定するためには、可視光の波長範囲内の厚みの層を調整することになる。
次に、有機発光層15が発光していない状態、つまり黒色の画像を表示する場合について説明する。有機発光層15が非発光時には、その有機発光層15が存在する画素からは光が発せられないため、人間の目には黒色として認識される。しかしながら、太陽光等の外光は、表示部D1に入射して第1電極層14と有機発光層15の界面等で反射されて、有機ELディスプレイ1から放出される。外光が反射されると、有機発光層15が非発光状態であっても、反射した光に含まれる波長の影響により、黒色に赤味等の黒色以外の色が混じって、人間の目に映ることがある。なお、非発光時とは、画素に黒色の表示を映し出すときのことをいう。
本実施形態では、絶縁物7の厚みを調整することにより、画素が非発光状態の場合、人間の目に黒色の画像が表示されるようにする。
絶縁物7の厚みを可視光の波長範囲内の厚みにするために、CVD法を用いて、1μm以下の厚みにすることが可能な無機絶縁材料を用いる。仮に、絶縁物7に有機絶縁材料を用いると、厚みを調整することが難しく、反射光の波長制御が困難である。そこで、絶縁物7の厚みを、発光領域R1に入射して反射する光に対して補色の光を非発光領域R2で反射するように設定する。つまり、発光領域R1で反射する反射波を、非発光領域R2で反射する反射波で打ち消し合うようにし、非発光時において人間の目に黒色が映し出されるようにする。
ここで、絶縁物7の厚みの設定方法について説明する。
絶縁物7の厚みは、画素3が非発光時の状態で、発光流域R1に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極小値に対して、非発光領域に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極大値が大きくなるように設定されている。
図5は、発光領域R1に位置する画素3R、画素3G、画素3Bにて反射する反射波と、非発光領域R2に位置する絶縁物7にて反射する反射波とを示す平面図である。なお、画素3Rで反射する反射波を反射波3RW、画素3Gで反射する反射波を反射波3GW、画素3Bで反射する反射波を反射波3BWとする。画素3R、画素3G、画素3Bで、絶縁物7の厚みがそれぞれ異なるように設定されている。また、画素3Rの絶縁物を絶縁物7R、画素3Gの絶縁物を絶縁物7G、画素3Bの絶縁物を絶縁物7Bとする。なお、絶縁物7Rで反射する反射波を反射波7RW、絶縁物7Gで反射する反射波を反射波7GW、絶縁物7Bで反射する反射波を反射波7BWとする。
また、図6(A)は、画素3Rにおいて、非発光時における発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルを示す図面である。図7(A)は、画素3Gにおいて、非発光時における発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルを示す図面である。図8(A)は、画素3Bにおいて、非発光時における発光領域の反射波のスペクトルと非発光領域の反射波のスペクトルを示す図面である。図6(A)、図7(A)又は図8(A)実線が発光領域における反射波の反射率を示し、点線が非発光領域における反射波の反射率を示している。
また、図6(B)は、画素3Rの発光領域にて反射した反射波と非発光領域にて反射した反射波とが合わさった合波スペクトルを示す図面である。図7(B)は、画素3Gの発光領域にて反射した反射波と非発光領域にて反射した反射波とが合わさった合波スペクトルを示す図面である。図8(B)は、画素3Bの発光領域にて反射した反射波と非発光領域にて反射した反射波とが合わさった合波スペクトルを示す図面である。
また、図6〜図7は、発光領域及び非発光領域の面積を同じ大きさとしている。ここで、反射率について説明する、外光が1入射した場合、そのうち反射した光が0.5であれば、反射率は0.5となる。
画素3Rが非発光状態において、画素3Rに外光が入射して反射した反射波3RWのスペクトルの極小値を測定する。図6(A)に示すように、赤色の波長の光は、発光波長領域が600nm以上700nm以下の範囲であるので、該範囲において反射波3RWのスペクトルの極小値が反射率0.2以下になっていることが確認することができる。なお、反射波3RWは、発光領域R1の材料及び膜厚に依存する。そして、発光領域R1の材料及び膜厚は、所定のものが選択されるため、反射波3RWのスペクトルを変更することは難しい。そのため、反射波3RWのスペクトルを決定した後、反射波7RWのスペクトルを決定することになる。
次に、発光波長領域が600nm以上700nm以下の範囲において、非発光領域に位置する絶縁物7R上で反射する反射波7RWのスペクトルが、反射率0.2以上となるように絶縁物7Rの厚みを調整する。画素3Rにおける絶縁物7Rの厚みを350nm以上410nm以下に設定することにより、図6(A)に示すように、発光波長領域内において反射波7RWのスペクトルの反射率が0.8以上にすることができる。そして、画素3Rの発光領域R1が非発光時の状態で、画素3Rの発光波長領域内に非発光領域R2に外光が入射して反射した反射波7RWのスペクトルの極大値を存在させることができる。
その結果、発光波長領域内で反射波3RWと反射波7RWとの合波のスペクトルを大きくすることができ、図6(B)に示すように、発光波長領域において、両者の合波を示す合波スペクトルを得ることができる。そして、合波スペクトルから発光波長領域における色座標を取り出すことができる。
そのため、かかる合波スペクトルが示す色座標を所望する無彩色を示す座標点に合わせるように、絶縁物7Rの厚みを調整する。このように絶縁物7Rの厚みを調整することで、反射波3RWと反射波7RWの合波を無彩色となるスペクトルにすることができる。
また、同様にして、画素3Gが非発光状態において、画素3Gに外光が入射して反射した反射波3GWのスペクトルの極小値を測定する。図7(A)に示すように、緑色の波長の光は、発光波長領域が480nm以上550nm以下の範囲であるので、該範囲において反射波3GWのスペクトルの極小値が反射率0.2以下になっていることが確認することができる。
次に、波長範囲が480nm以上550nm以下の発光波長領域の範囲において、非発光領域に位置する絶縁物7G上で反射する反射波7GWのスペクトルが、反射率0.2以上となるように絶縁物7Gの厚みを調整する。画素3Gにおける絶縁物7Gの厚みを270nm以上310nm以下に設定することにより、図7(A)に示すように、反射波7GWのスペクトルの反射率が0.8以上にすることができる。そして、画素3Gの発光領域R1が非発光時の状態で、画素3Gの発光波長領域内に非発光領域R2に外光が入射して反射した反射波7GWのスペクトルの極大値を存在させることができる。
そして、図7(B)に示すように、発光波長領域において、両者の合波を示す合波スペクトルを得ることができる。そして、合波スペクトルから発光波長領域における色座標を取り出すことができる。
そのため、かかる合波スペクトルが示す色座標を所望する無彩色を示す座標点に合わせるように、絶縁物7Gの厚みを調整する。このように絶縁物7Gの厚みを調整することで、反射波3GWと反射波7GWの合波を無彩色となるスペクトルにすることができる。
さらに、同様にして、画素3Bが非発光状態において、画素3Bに外光が入射して反射した反射波3BWのスペクトルの極小値を測定する。図8(A)に示すように、青色の波長の光は、発光波長領域が400nm以上480nm以下の範囲であるので、該範囲において反射波3BWのスペクトルの極小値が反射率0.2以下になっていることが確認することができる。
次に、波長範囲が400nm以上480nm以下の範囲において、非発光領域に位置する絶縁物7B上で反射する反射波7BWのスペクトルが、反射率0.2以上となるように絶縁物7Bの厚みを調整する。画素3Bにおける絶縁物7Bの厚みを230nm以上260nm以下に設定することにより、図8(A)に示すように、反射波7BWのスペクトルの反射率が0.6以上にすることができる。そして、画素3Bの発光領域R1が非発光時の状態で、画素3Bの発光波長領域内に非発光領域R2に外光が入射して反射した反射波7BWのスペクトルの極大値を存在させることができる。
そして、図8(B)に示すように、発光波長領域において、両者の合波を示すスペクトルを得ることができる。そして、合波スペクトルから発光波長領域における色座標を取り出すことができる。
そのため、かかる合波スペクトルが示す色座標を所望する無彩色を示す座標点に合わせるように、絶縁物7Bの厚みを調整する。このように絶縁物7Bの厚みを調整することで、反射波3BWと反射波7BWの合波を無彩色となるスペクトルにすることができる。
上述したように、各絶縁物7の厚みは、画素3R、画素3G及び画素3Bにてそれぞれ設定する。そして、各画素にて反射する反射波の合波スペクトルが表す色座標が、無彩色となるようにする。その結果、各画素にて、発光領域R1にて反射する反射波を、非発光領域R2で反射する反射波で打ち消しあうようにし、非発光時において人間の目に黒色が映し出されるようにすることができる。
本実施形態によれば、画素3R、画素3G又は画素3Bのいずれかの画素について、絶縁物7の厚みを調整すれば、該画素の合波スペクトルを無彩色とする効果を得ることができる。さらに、画素3R、画素3G及び画素3Bのいずれの画素についても絶縁物7の厚みを調整することによって、非発光時の外光反射を効果的に無彩色とすることができる。
本発明によると、光学的設定を用いて非発光領域の外光反射を制御することによって、黒表示の際に外光反射の影響を抑制することができる。そして、外光反射の影響による画素の無彩色からのずれを補正することができる。
以下に、本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイ1の製造方法について、図9〜図12を用いて詳細に説明する。
まず、素子基板2上に、回路層11及び絶縁層12をパターニングして形成された基板を準備する。なお、回路層11及び絶縁層12は、従来周知の蒸着法、CVD法又はスパッタリング法等の薄膜形成技術、フォトリソグラフィ法又はエッチング法等の薄膜加工技術を用いて、所定パターンに形成される。
そして、図9(A)に示すように、回路層11及び絶縁層12を被覆するように例えば従来周知のスピンコート法を用いて、有機樹脂膜13xを形成する。さらに、有機樹脂膜13x上に露光マスクを用いて有機樹脂膜13xを露光し、さらに現像、ベーキング処理を行い、図9(B)に示すように、回路層11の一部を露出させて、上部よりも下部が幅狭なコンタクトホールSを有する平坦化膜13を形成する。なお、有機樹脂膜13xは、硬化後に平坦化膜13となる。
次に、図10(A)に示すように、平坦化膜13上に、例えばアルミニウム及びネオジウムとの合金から成る第1電極層14を形成する。具体的には、平坦化膜13及びスルーホールSに対して、スパッタリング法を用いて金属膜を形成する。そして、金属膜をエッチング法等によってパターニングすることによって、第1電極層14を形成することができる。
次に、第1電極層14上に、例えばCVD法を用いて、例えば窒化珪素から成る無機絶縁材料層を形成する。そして、図10(B)に示すように、薄膜加工技術を用いて、無機絶縁材料層をパターニングして絶縁物7を形成する。具体的には、予め画素3R、3G及び3Bの絶縁物の厚みが、各発光領域にて反射する反射波が各発光領域に対して補色となる厚みを想定しておく。そして、各画素3の発光領域に対して適した絶縁物の厚みを選択し、フォトリソグラフィ法又はエッチング法等の薄膜加工技術を複数回用いて、各画素に所定の厚みの絶縁物7を形成することができる。
さらに、図11(A)に示すように、絶縁物7上に、従来周知の薄膜形成技術及び薄膜加工技術を用いて、上部よりも下部が幅広な支持部6を形成する。そして、図11(B)に示すように、第1電極層14上に、例えば蒸着法を用いて、有機発光層15を形成する。具体的には、有機発光層15を形成する際は、蒸着マスクを支持部6上に載置する。そして、各画素3を、赤色、緑色又は青色と発光する色に応じた有機材料を塗り分けることができる。
そして、図12(A)に示すように、有機発光層15上から絶縁物7上にかけて、第2電極層16を形成する。第2電極層16を構成する際は、蒸着マスクを用いることなく、有機発光層15上及び絶縁物7上に第2電極層16を形成することができる。このようにして、各画素3に有機EL素子5を形成することができる。
さらに、図12(B)に示すように、例えばスパッタリング法を用いて、表示部D1上に有機EL素子5が劣化しないように、保護膜9を形成する。そして、図3に示すように、有機EL素子5が形成された素子基板2に対して、封止基板8を対向配置し、両者をシール材10を介して接着する。具体的には、封止基板8に対して、例えばスピンコート法を用いて予めシール材10を被着させておく。そして、素子基板2に対してシール材10を介して封止基板8を固着させる。なお、封止基板8をシール材10によって、素子基板2に固定する作業は、例えば窒素ガス又はアルゴンガス等の不活性ガス中や、高真空中で行うことによって、素子基板2と封止基板8との間に酸素や水分が含まれるのを抑制することができる。
そして、実装部D2に駆動IC4を実装することで、有機ELディスプレイ1を作製することができる。
上述したように、本実施形態によれば、絵素中に含まれるいずれかの画素の構成材料や膜厚設定などを個別に変更する際に、変更する色に応じた画素のみ反射設計を最適化することが可能である。その結果、画素ごとに膜厚を独立に制御することが可能となり、設計の自由度を高める効果が期待できる。
このように、本発明の実施形態によれば、絶縁物7の厚みと有機発光層15の厚みを調整することにより、黒表示が明瞭に映し出される視認性に優れた有機ELディスプレイを提供することができる。
ここで、有機ELディスプレイが非発光状態において、外光が表示部に入射して反射する光のスペクトルの測定方法について説明する。
まずは、画素の一部分の反射光を測定するために、顕微鏡を用いて、外光としての参照光を照射する箇所を特定する。そして、特定した箇所に対して、例えば、太陽光シミュレータ等の白色光源、或いは白熱ランプ等を用いて、参照光を照射する。次に、例えば分光器を用いて、特定箇所にて参照光が反射した反射波を検出する。そして、反射波の輝度分布を解析することによって、反射波のスペクトルを測定することができる。
また、発光領域と非発光領域の両者に参照光を照射し、その両者の反射波の合波のスペクトルを検出する。そして、該合波のスペクトルを色座標に変換することができ、例えば、CIEx=0.42、CIEy=0.42といった数値が得られる。かかる色座標は、CIEx=0.3、CIEy=0.3付近と比べると、上記のCIEx=0.42、CIEy=0.42という数値は、黒(白)から少し、緑〜黄色に寄った値となっているため、人の目に非点灯時は黒として見えるべきパネルが、緑が加わった色見に見えてしまう。
このとき、非発光領域の膜厚を適切な膜厚に設定することによって、CIEx、CIEyともに0.4未満とすることが可能となり、非発光時において人間の目に黒色が映し出されるようにすることができる。なお、表示部全体の反射光を測定する方法としては、例えば、分光形輝度計を用いて、表示部のスペクトル波長の測定が可能である。
なお、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
<変形例>
上述した実施形態においては、絶縁物7の厚みが各画素にて異なる厚みに設定したが、これに限られない。例えば、全画素において、絶縁物7の厚みを一定に設定してもよい。
以下、全画素にて絶縁物7の厚みを一定に設定した具体例、すなわち本発明の一実施形態に係る変形例について説明する。
ここで、変形例に係る有機ELディスプレイは、図1で示した有機ELディスプレイ1のものとほぼ同様である。但し、変形例に係る有機ELディスプレイは、全画素にて絶縁物7の厚みが調整されている。したがって、以下では、変形例に係る有機ELディスプレイのうち、一実施形態に係る有機ELディスプレイと同様な部分については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
図13は、変形例に係る有機ELディスプレイの絵素を示す平面図である。画素3R、画素3G、画素3Bで、絶縁物7の厚みが同じ厚みとなるように設定されている。
予め各画素の発光領域にて反射する反射波のスペクトルを想定しておく。そして、各画素にて反射する反射波の合波スペクトルがどのような波形になるのか計算する。そして、非発光領域にて反射する反射波のスペクトルが、発光領域の合波のスペクトルに対して、補色の関係となるように、絶縁物7の厚みを設定する。
このように、絶縁物7の厚みは、画素3R、画素3G及び画素3Bにて共通の範囲に設定することにより、各画素にて厚みが共通となる絶縁物7を形成することができる。その結果、絶縁物7の厚みを各画素で調整することなく、発光領域R1で反射する反射波を、非発光領域R2で反射する反射波で打ち消し合うようにし、非発光時において人間の目に黒色が映し出されるようにすることができる。
本実施形態によれば、非発光領域の設計を各画素で共通にすることができる。そして、各画素の発光領域及び非発光領域の面積比、発光領域の膜厚設定に合わせて非発光領域の膜厚設定を最適化することができ、絶縁物7を形成する製造工程を単純化することができる。
1 有機ELディスプレイ
2 素子基板
3 画素
4 駆動IC
5 有機EL素子
6 支持部
7 絶縁物
8 封止基板
9 保護膜
10 シール材
11 回路層
12 絶縁層
13 平坦化膜
14 第1電極層
15 有機発光層
16 第2電極層
17 正孔注入層
18 正孔輸送層
19 発光層
20 電子輸送層
21 電子注入層
D1 表示部
D2 実装部
R1 発光領域
R2 非発光領域
S コンタクトホール

Claims (7)

  1. 発光領域と該発光領域に併設される非発光領域とを有する画素を備え、
    前記画素の前記発光領域が非発光時の状態で、前記画素の発光波長領域内に前記非発光領域に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極大値が存在することを特徴とする有機ELディスプレイ。
  2. 請求項1に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記発光波長領域内に前記発光波長領域に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極小値が存在することを特徴とする有機ELディスプレイ。
  3. 請求項1に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記画素を複数有する絵素を備え、
    前記絵素は、第1色を発光する第1画素と、第2色を発光する第2画素と、第3色を発光する第3画素とを備えており、
    前記第1画素、前記第2画素及び前記第3画素は、各画素の発光波長領域内に各画素に外光が入射して反射した反射波のスペクトルの極大値が存在することを特徴とする有機ELディスプレイ。
  4. 請求項1に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記画素が複数配列された表示部を備え、
    前記発光領域に外光が入射して反射した反射波と前記非発光領域に外光が入射して反射した反射波とが合わさり、前記表示部から取り出される合波スペクトルの色座標がCIEx<0.4、CIEy<0.4であることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  5. 請求項1に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記非発光領域は、前記発光領域の周囲を取り囲むように設けられていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  6. 請求項3に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記絵素はマトリックス状に複数設けられており、前記絵素中の前記複数の画素が規則的な順序で配列されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  7. 請求項3に記載の有機ELディスプレイにおいて、
    前記絵素中の前記画素の非発光領域の厚みは、それぞれ異なる厚みであることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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