JP5173625B2 - 動翼およびガスタービン - Google Patents
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Description
さらに、動翼の上流側、および、下流側には静翼が配置され、動翼と静翼との間には動翼の回転を可能とするために隙間が形成されている。
上述の特許文献1に記載の技術では、動翼のシャンク部分における上流側つまり前部に、静翼に向かって延びる板状のシールフィンを複数設けている。このようにすることで、ロータに向かう高温ガスの流れに対する流路抵抗が増大し、ロータまで流入する高温ガスを減少させることができた。
特に、シールフィンの取り付け部分は、動翼の翼における前縁の直下に当たるため、翼の付け根に応力が集中しやすく、不具合が発生しやすいという問題があった。
本発明の動翼は、ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、が設けられており、前記側壁部における前記前縁側の面には、穴が形成されていることを特徴とする。
また、本発明によれば、側壁部における剛性が低下するため、側壁部とプラットフォームとの接続部における剛性がさらに低下する。その結果、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差がさらに小さくなる。
また、本発明によれば、側壁部とプラットフォームとの接続部が、前縁とプラットフォームと繋がる部分よりも前縁方向に突出しているため、プラットフォームにおける剛性が高い部分が分散される。そのため、プラットフォームにおける剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差がさらに小さくなる。
また、本発明によれば、側壁部とプラットフォームとの接続部が、前縁とプラットフォームと繋がる部分よりも後縁側になるため、プラットフォームにおける剛性が高い部分が分散される。そのため、プラットフォームにおける剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差がさらに小さくなる。
以下、本発明の第1の実施形態に係るガスタービンついて図1から図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
本実施形態では、本願の発明をガスタービンのタービン部における一段動翼に適用して説明するが、一段動翼に限られることなく、他の動翼に適用してもよく特に限定するものではない。
タービン動翼2には、図1から図3に示すように、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部25と、が設けられている。
なお、翼取付部21の形状としては、いわゆるクリスマスツリー形状などの公知の形状を採用することができ、特に限定するものではない。
プラットフォーム23における軸方向の両端部は、シャンク22よりも突出して形成されている。
翼形部24には、図3に示すように、タービン部を流れる高温流体における上流側(図3の右斜め下側)の端部である前縁51と、下流側の端部である後縁52と、前縁51と後縁52との間を繋ぐ凹状の曲面である正圧面53と、凸状の曲面である負圧面54と、が設けられている。
フィッシュマウスシール部25には、図2および図3に示すように、側壁部61と、リムシール(動翼側突出部)62と、シールフィン63と、が設けられている。
さらに、側壁部61は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51と対応する位置に接続される部材である。
シールフィン63は、図2および図3に示すように、リムシール62の先端部から径方向外側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる部材である。言い換えると、リムシール62の先端部から静翼側突出部33に接近する方向に延びる畝状の部材である。
さらに、タービン静翼3には、フィッシュマウスシール部25とともにシール構造を形成する静翼側突出部33が設けられている。なお、静翼側突出部33は、タービン静翼3に直接設けられていてもよいし、タービン動翼2を組み合わされる他の部品に設けられていてもよく、特に限定するものではない。
内側シュラウド32は、軸方向および周方向に延びる略板状の部材であって、プラットフォーム23とともにタービン部における高温流体が流れる流路を構成するものである。
静翼側突出部33におけるシールフィン63と対向する部分には、上述のシール構造におけるシール性向上を図るために、ハニカムシールなどの部材を設けてもよく、特に限定するものではない。
図4は、図1のタービン動翼およびタービン静翼周辺の流れを説明する模式図である。
特に、翼形部24とプラットフォーム23とのつなぎ目である翼形部24の付け根には、翼形部24とプラットフォーム23との剛性の差からガス曲げ応力が集中する。
特に、翼形部24の前縁51とプラットフォーム23、および、側壁部61とプラットフォーム23との接続部においては、他の部分と比較して熱伸びしにくく、熱膨張長さが小さく熱応力が集中する。
なお、上述の実施形態のように、凹部23Aを形成したプラットフォーム23を用いてもよいし、図5に示すように、凹部23Aを形成しないプラットフォーム23Bを用いてもよく、特に限定するものではない。
なお、上述の実施形態のように、フィッシュマウスシール部25における側壁部61には、切欠き部64のみを設けてもよいし、図6に示すように、側壁部61Bにプラットフォーム23と同様に凹部61Aを形成してもよく、特に限定するものではない。
なお、上述の実施形態のように、フィッシュマウスシール部25における側壁部61には切欠き部64のみを設けてもよいし、図7に示すように、側壁部61における前縁51側の面に、側壁部61における剛性を下げる目的で穴61Cを形成してもよく、特に限定するものではない。
このようにすることで、側壁部61における剛性が低下して、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における剛性が低下する。その結果、プラットフォーム23における前縁51と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差を小さくすることができる。
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図8および図9を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図8および図9を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図9は、図8のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
フィッシュマウスシール部125には、側壁部161と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
さらに、側壁部161は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51よりも上流側(図8の右側)に突出した位置に接続される部材である。
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図10および図11を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図10および図11を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図10は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図11は、図10のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
フィッシュマウスシール部225には、側壁部261と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
さらに、側壁部261は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51よりも下流側(図10の左側)の位置に接続される部材である。
次に、本発明の第1の参考実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施形態のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図12は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図13は、図12のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
フィッシュマウスシール部225には、側壁部361と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
さらに、側壁部361は、プラットフォーム23内周面側であって、翼形部24の前縁51と対応する位置に接続される部材である。
次に、本発明の第1の参考実施形態の変形例について図14および図15を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第1の参考実施形態と同様であるが、第1の参考実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図14および図15を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
14は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図15は、図14のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
フィッシュマウスシール部225には、側板部(板部)461と、リムシール(動翼側突出部)462と、シールフィン63と、が設けられている。
さらに、リムシール462における周方向の幅は、プラットフォーム23における周方向の幅と略等しく形成されている。言い換えると、リムシール462は、シャンク22から周方向に突出して形成されている。
上述の側板部461は溝部464を塞ぐように、言い換えると、リムシール462とプラットフォーム23とを接続するように配置されている。
さらに、側板部461は着脱可能に設けられるため、プラットフォーム23における側板部461との接触部近傍の剛性が高くなることを防止できる。
次に、本発明の第2の参考実施形態について図16および図17を参照して説明する。
本実施形態のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16および図17を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図17は、図16のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
フィッシュマウスシール部225には、リムシール(動翼側突出部)562と、シールフィン63と、が設けられている。
さらに、リムシール562における周方向の幅は、シャンク22における周方向の幅と略等しく形成されている。
2,102,202,302,402,502 タービン動翼(動翼)
3 タービン静翼(静翼)
4 ロータ
21 翼取付部
22 シャンク
23 プラットフォーム
24 翼形部
33 静翼側突出部
61,161,261,361 側壁部
61C 穴
62,462,562 リムシール(動翼側突出部)
64 切欠き部
364,464 溝部
461 側板部(板部)
Claims (4)
- ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、
該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、が設けられており、
前記側壁部における前記前縁側の面には、穴が形成されていることを特徴とする動翼。 - ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、
該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、が設けられており、
前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に突出した部分から前記径方向内側に向かって延びることを特徴とする動翼。 - ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、
該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、が設けられており、
前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の前縁から後縁に向かう方向の部分から前記径方向内側に向かって延びることを特徴とする動翼。 - 請求項1から3のいずれかに記載の動翼および静翼が設けられたガスタービンであって、
前記静翼側から前記プラットフォームと前記突出部との間に向かって延び、前記動翼側突出部とともにシール構造を構成する静翼側突出部と、が設けられていることを特徴とするガスタービン。
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