JP5170720B1 - 生体情報収集装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる被作用体における膨張量の片寄りをなくし、被作用体の膨張量を均一化させることで、安定した生体情報を収集可能な生体情報収集装置を提供する。
【解決手段】 被験者の生体情報を収集する生体情報収集装置1であって、所定の流体を保持可能な内部空間を有し、被験者からの外的な作用を受けて内圧が変動する被作用体2と、内圧の変動を検知する圧力検知部3と、を備え、被作用体2は、直線状に連設され、それぞれ流体を保持可能な内部空間を有する複数のセル21a〜21eと、隣接するセル同士を連結させる連結部22a〜22dと、を備え、連結部22a〜22dは、セル21a〜21eの前記直線方向に沿った断面積よりも断面積が狭く、隣り合うセル内の流体が流通可能な絞り部(シール部221を除く部分)を有する構成としてある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被験者の生体情報を収集する生体情報収集装置に関し、特に、被験者からの外的な作用を受けて内圧が変動する被作用体と、内圧の変動を検知する圧力検知手段とを備える生体情報収集装置に関する。
心拍、呼吸、体動などの生体情報(バイタルサイン)を収集する装置として、水などの液体や空気などの気体等からなる流体を保持可能な内部空間を有する被作用体と、被作用体内の圧力の変動を検知する圧力検知手段とを備える生体情報収集装置がある。
この生体情報収集装置では、被験者からの外的な作用を受けて変動する被作用体内の圧力を圧力センサなどの圧力検知手段を介して検知することにより、被験者の心拍、呼吸、体動などの生体情報を収集するようになっている。
このような生体情報収集装置では、被作用体は、被験者からの作用を受けやすいように、例えば、横たわった状態にある被験者とベッドなどの寝具との間に配置される(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−110969号公報
ところが、横たわった状態の被験者は、被作用体に対して常に同じ場所に位置するとは限らず、特に就寝時の生体情報を収集するときには、寝返り等の移動により被験者の位置は変化することから、その結果、圧力検知手段に伝達される信号も変化し、安定したデータ収集が望めなくなる。
特に、従来の生体情報収集装置では、図8に示すように、被作用体に対して被験者が片寄った場所に位置すると、以下のような問題があった。
例えば、被作用体を、被験者の寝返り等による移動範囲をカバー可能な大きさに形成し、圧力検知手段を、移動方向に沿った被作用体の端部に配置した場合において、被験者が圧力検知手段側と反対側に位置すると、被作用体の圧力検知手段側における膨張量が増大することにより、生体情報が減衰して圧力検知手段に伝達されることがあった。すなわち、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる被作用体における膨張量の片寄りが、正確な生体情報の収集を妨げる要因となっていた。
また、生体情報収集装置は、寝具の幅とほぼ同じ長さを有していることが好ましいものの、従来の生体情報収集装置は長さが一定であることがら、寝具の幅に応じて長さを調整することができず、幅の異なる寝具ごとに生体情報収集装置を購入する必要があった。
また、被作用体には、気体や液体などの流体が充填されているため、小さくまとめることができず、コンパクト化が要求されていた。
本発明は、このような従来の生体情報収集装置が有する問題を解決するために提案されたもので、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる被作用体における膨張量の片寄りをなくし、安定した生体情報が収集可能であり、また、寝具の幅に合わせて被作用体の長さが調整可能であり、さらには未使用時にはコンパクトな大きさに変形可能な生体情報収集装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の生体情報収集装置は、被験者の生体情報を収集する生体情報収集装置であって、所定の流体を保持可能な内部空間を有し、被験者からの外的な作用を受けて内圧が変動する被作用体と、前記内圧の変動を検知する圧力検知手段と、を備え、前記被作用体は、直線状に連設され、それぞれ流体を保持可能な内部空間を有する複数のセルと、隣接するセル同士を連結させる連結部と、を備え、前記連結部は、セルの前記直線方向に沿った断面積よりも狭い断面積を有し、隣り合うセル内の流体が流通可能な絞り部を有する構成としてある。
本発明の生体情報収集装置によれば、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる被作用体における膨張量の片寄りをなくし、被作用体を均一に膨張させることで、安定した生体情報を収集することができる。
本発明の一実施形態に係る生体情報収集装置の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る生体情報収集装置の情報収集部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る被作用体の構成を示す図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、図(a)の弾性部材を除く正面A−A断面図であり、(c)は、弾性部材の正面図である。 本発明の一実施形態に係る被作用体の断面図であり、(a)図3(a)のB−B断面図であり、(b)は、図3(a)のC−C断面図であり、(c)は、図3(a)のD−D断面図である。 本発明の一実施形態に係る被作用体を折り畳んだ状態を示す側面図であり、(a)一のセルを折り畳んだ側面図であり、(b)は、すべてのセルを折り畳んだ側面図である。 本発明の他の実施形態に係る絞り部の構成を示すA−A断面図であり、(a)は、絞り部を連結部の一方の端部に片寄らせて配置した断面図であり、(b)は、絞り部を連結部の中央部に配置した断面図である。 本発明の他の実施形態に係る被作用体の構成を示し、正面視において連結部をセルよりも細くくびらせて形成した被作用体の正面図であり、(a)は、ドーナツ空間を有しない被作用体の正面図であり、(b)は、ドーナツ空間を有する被作用体の正面図である。 従来の生体情報収集装置の使用状態を被験者の頭部側から見た図である。
以下、本発明に係る生体情報収集装置の好ましい実施形態について、図1〜図7を参照しながら説明する。
本実施形態の生体情報収集装置1は、横たわった状態にある被験者とベッドなどの寝具との間に配置され、被験者からの外的な作用を受けて内圧が変動する被作用体2と、被作用体内の圧力の変動を検知する圧力検知部3と、圧力検知部3から伝送される生体情報を収集する情報収集部4と、を備え、被験者の心拍、呼吸、体動などの生体情報(バイタルサイン)を収集する装置として構成されており、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる膨張量の片寄りをなくし、安定的に生体情報が収集することができるようになっている。
本実施形態の被作用体2は、例えば、二枚の帯状のフィルム200a,200bの周縁をシール部201として熱融着、接着等により接合し、袋状に形成したものであり、内部に充填された流体、例えば、空気を漏出不能な気密性を備えている。
フィルム200a,200bは、例えば、塩化ビニル、ゴム等からなり、自らの形状を保持可能な弾性と、被験者からの外的な作用に対する内圧変動に耐え得る強度(耐圧性)を備えている。
また、被作用体2は、正面視においては被験者からの外的作用を受けやすいよう、多くの接触面積を得るために、帯状(長さ約850mm×幅約40mm)に形成されるものの、側面視においては被験者に異物感(違和感)を与えないように扁平(最大厚約10mm)に形成されている。
また、圧力検知部3に隣接する部分(セル21a内)には、被作用体2内の空気を圧力検知部3(圧力センサ31)に流通させる中空状のチューブ202がフィルム200の幅方向中央部より少しずれた位置に設けられている。
このような基本的な構成に加え、被作用体2は、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる膨張量の片寄りをなくすべく、以下のような特徴的な構成を有している。
具体的には、被作用体2は、直線状に連設され、それぞれ空気を保持可能な内部空間を有する複数のセル21a〜21eと、隣接するセル同士を連結させる連結部22a〜22dと、を備えている。
セル21a〜21eは、それぞれの連結部22a〜22dで区画された部分であって、所定量の空気を保持可能な内容積を有し、連結部22側が短辺(約40mm)、フィルム200縁部側が長辺(約170mm)となる正面視略矩形状に形成されている。
各セル21のほぼ中央部には、対向するフィルム200a,200bの内面同士を熱融着等により接合したシール部211a〜211eを有している。
シール部211a〜211eは、本発明に係る空気を有しない凹部の一例であり、それぞれ各セル21の長辺にほぼ平行に配置されるとともに、長辺の約半分の長さ(例えば、長さ80mm×幅5mm)に亘って形成されている。
このようなシール部211a〜211eを有することにより、各セル21における空気を有しない凹部(シール部211)以外の内部空間には、正面視略矩形状の外形を有するとともに中央部分の開口されたドーナツ状のドーナツ空間212a〜212eが形成されることになる。
内部空間をこのようなドーナツ空間としない場合、セル内の圧力の上昇により特にセル中央部分が膨張することになり、各セル21の変形量が増大することになる。ところが、本実施形態のように、各セル21の内部空間をドーナツ空間212とした場合、中央部分がないので空気が存在しないため、セル内の圧力の上昇に伴う各セル21の変形量が抑制され、被作用体2の形状が維持されることになる。これにより、就寝時等において被作用体2が被験者に違和感を与えることなく、生体情報を収集することができる。
また、セル21の中央部分となるシール部211a〜211eは、各セル21の連設方向に沿って形成されていることから、圧力検知部3への空気の流れを阻害しないようになっている。
なお、シール部211a〜211eの位置は、ほぼ中央部に限らず、セル21内の任意の位置に形成することもできる。すなわち、短辺側、長辺側に片寄った位置又はこれらに接した位置に形成することもできる。これにより、各セル21の内部空間は、ドーナツ空間とならないこともあるが、空気を有しない凹部が形成されるため、その分、各セル21の膨張が抑制されることになる。
また、各セル21におけるシール部211の数も、一箇所には限らず、二箇所以上設けることもできる。
連結部22a〜22dは、隣接するセル21同士を連結させる部分であるとともに、隣り合うセル21内の空気が流通可能な絞り部222a〜222dを有している。
絞り部222a〜222dは、各セル21における連設方向に沿った断面積よりも狭い断面積を有しながらも、隣り合うセル21内の空気が流通可能に構成されている。
本実施形態の絞り部222a〜222dは、連結部22a〜22dにおいて、対向するフィルム200a,200bの内面同士を熱融着等により接合したシール部221a〜221d以外の部分となっている。
すなわち、本実施形態のシール部221a〜221dは、本発明に係る接合部の一例であり、フィルム200の長手方向に沿った位置に所定の間隔(例えば、等間隔)をおいて複数(4つ)配置されるとともに、各連結部22の中央部において、フィルム200の幅方向に沿って所定の長さ(例えば、長さ8mm×幅5mm)に亘って形成されることから、絞り部222a〜222dは、このシール部221の長さと周縁のシール部201の幅(片側約2.5mm)を除いた長さ(合計幅約27mm)を有する二箇所に亘る部分となり、例えば、各セル21の正面視の流路幅(35mm)と比べても、各絞り部222の流路幅は各セル21よりも狭く形成されている。
また、側面視においても、各絞り部222の高さ方向の流路幅(約4mm)は、各セル21の高さ方向の流路幅(約8mm)に比べて狭く形成されている。
このように、各絞り部222は、正面視、側面視いずれの流路幅においても、各セル21の流路幅よりも狭く形成されていることから、絞り部222a〜222dは、各セル21における連設方向に沿った断面積よりも狭い断面積を有することになる。
このようにセル21の連設方向に沿った断面積よりも狭い断面積を有する絞り部222a〜222dを設けることで、隣り合うセル21の内部空間同士を直接連結させた場合に比べると、各セル21の膨張が抑制されることになる。
これは、被作用体2内の圧力の上昇に伴い、各セル21と絞り部222はそれぞれ膨らむものの、絞り部222は、セル21よりも狭い断面積を有することからセル21と同じ断面積まで膨らむことはないので、絞り部222(連結部22)と隣接するセル21との境界におけるフィルム200には、絞り部222がセル21の膨張を抑制しようと引っ張る引張力が作用しているからである。これにより、それぞれのセル21の膨張が抑制されるので、被作用体2全体の膨張も抑制されることになる。
また、従来の被作用体では、図8に示すように、被験者からの作用を受ける部位が一方の端部とすると、他端部側に向かうにつれて膨張量が連続的に増大してしまうが、本実施形態では、各セル21の膨張を抑制しようと作用する絞り部222が各セル21の間にそれぞれ配置されるので、絞り部222により連続的な膨張が途切れ、不連続となるとともに、絞り部222の存在による被作用体2の内容積の減少を各セル21が補おうとするため、各セル22が均等に膨らむことになる。これにより、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる膨張量の片寄りがなくなり、生体情報の減衰を抑えることができる。
また、絞り部222の断面積は、各セル21の断面積に比べて狭く形成されていることから、その分、本実施形態では側面視における被作用体2の厚みが扁平となるため、被験者に異物感(違和感)を与えないようになっている。
また、絞り部222a〜222dを設けることで、隣り合うセル21の内部空間同士を直接連結させた場合に比べると、自由な空気の流通が抑制されることになる。
この抑制は、一端部のセル21に作用された外力を、他端部のセル21にダイレクトに伝達させずに、途中のセル21に吸収・分散させるように作用する。これにより、図8に示すように、被験者が被作用体2の片寄った部位、例えば、セル21e付近に位置した場合でも、圧力検知部3側に近づくにつれセル21の膨張量が増大するのではなく、それぞれのセル21a〜21dが圧力の上昇を吸収するので、それぞれのセル21a〜21dが均等に膨らむことになり、生体情報の減衰を抑えることができる。
なお、各連結部22における絞り部222a〜222dの位置は、上述の位置に限定されずに、例えば、図6(a)に示すように、フィルム200の幅方向片側のみに設けることもできるし、図6(b)に示すように、フィルム200の幅方向中央部に設けることもできる。
また、被作用体2は、その長さを調整可能とするために、連結部22a〜22dを基点に折り曲げることができるように形成されている。
具体的には、連結部22a〜22dは、正面視において各セル21と同じ幅を有するものの、図3(a)に示すように、側面視において各セル21よりも細く、くびれて形成されている。
このようなくびれは、フィルム200の幅方向に沿って所定の長さに亘り対向するフィルム200a,200bの内面同士を接合したシール部221a〜221dにより実現される。
このように連結部22a〜22dを、各セル21よりも細く、くびれて形成することで、被作用体2を、連結部22を基点に隣り合うセル21同士が接触するように折り曲げることができる。
具体的には、図5の各図に示すように、連結部22a〜22dを基点に折り曲げることで、被作用体2を様々な長さに調整することができる。
例えば、図5(a)に示すように、連結部22dを基点に隣り合うセル21eとセル21dが接触するように折り曲げる(折り畳む)ことで、被作用体2を、セル1つ分短い長さに調整することもできるし、図5(b)に示すように、各連結部22〜22dを基点に隣り合うセル21a〜21d同士が接触するように折り曲げ、被作用体2全体の長さを、セル1つ分の長さに折り畳むこともできる。
このような連結部22を基点とする折り曲げにより、生体情報収集時における被作用体2の長さをベッド、布団等の寝具の幅に合わせることができる。
例えば、比較的幅の狭い寝具で使用するときには、図5(a)に示すように、連結部22dを基点にした折り曲げや、その他の連結部(例えば、連結部22b,22c)を基点にした折り曲げにより、寝具の幅に応じた最適な寸法に合わせることができ、一方これより長い幅の寝具では、図3(a)に示すように、被作用体2を折り曲げることなくそのままの状態で使用することもできる。
また、図5(a)に示すように、一部のセルを折り曲げた状態で、被験者がセル21eとセル21dの上に載っても、少なくともセル21dからの圧力の変動が圧力検知部3に伝達されることになる。また、セル21eとセル21dとの間では絞り部222dによって空気の流通が確保されるため、圧力検知部3に対して最も離れた位置にあるセル21eからの圧力の変動も圧力検知部3に伝達されることになる。さらに、このように連結部22dを基点に折り曲げても、後述のスポンジ23により絞り部222dにおける空気の流通経路が確保されるため、セル21eからの圧力変動が圧力検知部3に確実に伝達されることになる。
このように、折り曲げた状態でも、生体情報が圧力検知部3に伝達されることになるため、被作用体2全体の長さを比較的幅の広い寝具(例えば、ダブル、クイーンサイズのベッドなど)に合わせて設定しておくことで、これより幅の狭い寝具に適用することができ、幅の異なる複数の寝具ごとに被作用体2を製造する必要がなくなるので、生産性や在庫管理性がよくなる。また、使用者は長めの被作用体2を備える生体情報収集装置1を購入すれば、これを幅の狭い寝具でも使うことができるので、幅の異なる寝具ごとに生体情報収集装置1を購入する必要がないため、経済的な負担が軽減される。
なお、セルの折り曲げ方向は、図5(a)に示すように、セル21eがセル21dの上方に位置するような折り曲げに限らず、セル21eがセル21dの下方に位置するような折り曲げでも、セル21dから又はセル21eからの圧力の変動が圧力検知部3に伝達されることになる。また、折り曲げ状態での圧力変動の伝達は、連結部22dを基点とした折り曲げ状態に限らず、他の連結部を基点とした折り曲げ状態でも同様に伝達されることになる。
また、図5(b)に示すように、すべてのセル21a〜21dを折り畳むことで、被作用体2の全長がコンパクトな大きさになり、収納スペースを小さくすることができる。また、持ち運びも容易となる。
なお、被作用体2が連結部22を基点に折り曲げ可能となるのは、連結部22を各セル21よりも細く、くびれて形成したことの作用効果によるものであるが、フィルム200の幅方向に沿って形成されたシール部221a〜221dが折り筋として機能することから、各連結部22を基点とする折り曲げがさらに容易化されることになる。
さらに、被作用体2は、その内部空間に空気が隅々まで行き渡るように、所定の弾性部材で充填されている。
被作用体2は、横たわった状態の被験者とベッドなどの寝具との間に配置され、被験者からの外的な作用を内部空間に保持された空気を媒体として圧力検出部3に伝達させる機能を有することから、被作用体2の内部空間は隅々まで空気層で満たされている必要がある。
ところが、被験者の体重等による局所的な加圧により、空気層のない部分が形成される可能性があり、このような空気層のない部分が被作用体2内に局所的に形成されると、空気を媒体とする生体情報が圧力検出部3に伝達されない事態が生じる。
そこで、被作用体2は、そのフィルム200aと200bとの間に、常に隙間を確保しながら、空気の伝達を可能とする弾性部材を充填してある。
例えば、本実施形態では、複数の空隙(多孔)を有するとともに内部空間を確保可能に反発する弾性を備えるスポンジ23を充填してある。このスポンジ23は、フィルム200aと200bとの間に常に隙間を確保すべく、切れ目なく充填される一体形成弾性部材として構成されている。
具体的には、スポンジ23は、図3(c)に示すように、所定の厚み(例えば、7mm)と、正面視において被作用体2の内部空間とほぼ同じ外形を有するとともに、各シール部211a〜211e,221a〜221dに対応する部分を切り抜いて形成されている。
すなわち、スポンジ23は、各シール部211a〜211e,221a〜221dに対応する部分が、孔231a〜231e,232a〜232dとなり、各シール部211,221に干渉することなく、各セル21及び絞り部222を含む被作用体2の内部空間隅々に亘って敷設可能に一体形成されている。
例えば、図4に示す各断面図のように、図4(a)に示すセル21aの内部空間(図3(a)のB−B断面図)、図4(b)に示す絞り部222b(図3(a)のC−C断面図)、及び図4(c)に示すドーナツ空間212d(図3(a)のD−D断面図)など、被作用体2内のいずれの部位においてもスポンジ23が充填されている。
これにより、被作用体2に被験者の体重等が局所的に加わっても、フィルム200aと200bとの間に少なくともスポンジ23の厚み分の隙間(圧縮時の隙間)が確保されることになり、多孔性を有するスポンジ23内の空隙が空気層となり、空気を媒体とする生体情報が圧力検出部3に確実に伝達されることになる。
また、スポンジ23は、切れ目なく一体に形成されているので、スポンジ23をフィルム200aと200bとの間に組み込む際の作業性が向上し、組立性がよくなる。また、組立性がよいので、スポンジ23の剛性を抑えることができ、その分、スポンジ23を柔らかく(粗く)することができるので、空隙の増大により生体情報収集の感度が向上する。
圧力検知部3は、被作用体2から空気を媒体として伝達される被験者の体動などの生体情報を電気信号に変換して、後述の情報収集部4に対して出力する圧力検知手段を備え、合成樹脂製(例えば、ポリカーボネートなど)の本体30に、圧力変動を電気信号に変換する、例えば、加圧による変形(歪)に応じて抵抗値の変化するステンレス、シリコンなどのダイアフラム(受圧板)を有する圧感素子(例えば、ピエゾ素子など)等の圧力センサ31(圧力検知手段)が内蔵されている。
また、圧力検知部3は、被作用体2との一体性を高めるため、セル21の連設方向に沿った一方の端部に配置されるとともに、本体30はフィルム200の幅とほぼ同じ幅(約40mm)及び被作用体2の最大厚と同じ高さ(約10mm)に形成され、被作用体2と一体的な取り扱いができるようになっている。
圧力センサ31は、チューブ202を介して被作用体2の内部空間と連通しており、そのため、チューブ202に近い位置にあるセル(21a)内の圧力変動ほど検知しやすくなっている。
この圧力センサ31に電圧又は電流を印加することにより、被作用体2内部の圧力変化に応じた出力電圧又は出力電流からなる生体情報(生体信号)が得られることになる。
そこで、本体30には、情報収集部4との電気的な接続を行うジャック30aが設けられ、印加電圧等の入力及び生体情報の出力を可能としている。
また、本体30には、このジャック30aに挿入されるプラグ411aの脱落を防止するための嵌合溝30bが設けられ、プラグ411aをジャック30aに差し込んだ後、コネクタ411を回転させながら、コネクタ411側面に形成された抜止ピン411bを嵌合溝30bに嵌合させることで(図3(b)の嵌合状態図参照)、コネクタ411(プラグ411a)の脱落を防止する。
また、圧力検知部3は、特に図示しないが、外気に連通する連通孔を備えている。
連通孔は、被作用体2(セル21e)から圧力センサ31に至るまでの内部空間のいずれかに設けられた、例えば微細な孔(例えば、約φ0.2mm×10個)からなり、本実施形態では、圧力センサ31(ダイアフラム)又はその周辺に設けられている。
これにより、無負荷時の被作用体2内はほぼ大気圧に保たれ、被作用体2を必要以上に圧縮させたりすることで、定格を超える加圧による破壊から圧力センサ31が保護される。
また、連通孔を、圧力センサ31(ダイアフラム)又はその周辺に設けることで、図8に示すように、被験者が被作用体2の片寄った部位、例えば、セル21e付近に位置した場合でも、空気が連通孔から排出されるので、圧力検知部3側に近づくにつれて増大するセル21間における膨張量の格差が是正され、各セル21が均一に膨張することになり、生体情報が減衰することなく、圧力センサ31に伝達されることになる。
一方、このような連通孔(微細孔)を設けると、空気が連通孔から排気され、生体情報の伝達媒体が減少することになるが、スポンジ23の弾性により連通孔からの吸気がなされるため、被作用体2の内部空間は一定の空気層で満たされることになる。
なお、外気に連通する連通孔は、圧力検知部3に限らず、被作用体2(セル21e)から圧力センサ31に至るまでの内部空間のいずれかの部位に設ければ足りる。
情報収集部4は、圧力検知部3から入力される生体情報(生体信号)を、処理・記憶するとともに、目視可能に表示する機能を有する。
具体的には、情報収集部4は、信号伝送部41、操作部42、表示部43が外装されるとともに、所定の制御基板等の内蔵された合成樹脂製(例えば、ポリカーボネートなど)の本体40から構成されている。
信号伝送部41は、前述したコネクタ411、圧力検知部3からの生体情報(生体信号)を伝送するケーブル412を備え、操作部42は、電源スイッチ、収集開始ボタン、感度ボリューム等などの操作手段を備え、表示部43は、例えば、液晶ディスプレイ、又はプラズマディスプレイなどの表示手段を備えている。
また、本体40に内蔵された制御基板は、操作部42から受け付ける入力操作に基づいて圧力検知部3から入力される生体情報(生体信号)を処理・記憶するとともに、表示部43を制御して収集結果を目視可能に表示させる。
具体的には、制御基板は、図2に示すように、機能別にブロック分け可能な複数の回路から構成され、例えば、圧力検知部3からの生体情報の信号レベルを変換するインターフェイス(例えば、増幅アンプ)を備える信号入力部44、生体情報に係る帯域の周波数を抽出するバンドパスフィルタリング部45、所定のサンプリング周期でアナログ生体情報をデジタル信号に変換する信号処理部46、デジタル化された生体情報を時系列的に記憶するハードディスク等の記憶手段からなる記憶部47、CPU、ROM、RAM等が実装され上記各部を制御する制御部48などを備えている。
このような構成により、制御部48のCPUがROM等に記憶されたプログラム、データに基づいて信号処理部46から入力される生体情報を記憶部47に順次記憶させるとともに、記憶された生体情報を表示部43に表示させるようになっている。
以上のように構成された生体情報収集装置1は、直線状に連設され、それぞれ空気を保持可能な内部空間(212a〜212e)を有する複数のセル21a〜21eと、隣接するセル同士を連結させる連結部22a〜22dと、を備え、各連結部22には、セル21の前記直線方向に沿った断面積よりも狭い断面積を有し、隣り合うセル内の流体が流通可能な絞り部222a〜222dが形成されていることから、各絞り部222によりセル21の膨張が抑制され、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる被作用体2における膨張量の片寄りをなくすことができる。
これにより、各セル21の膨張が均一化されることから、生体情報が減衰することなく圧力センサ31に伝達されるため、情報収集部4において収集される生体情報の精度を向上させることができる。
以上説明したように本実施形態の生体情報収集装置1は、被験者からの作用を受ける部位の違いによって生じる被作用体2における膨張量の片寄りをなくし、被作用体2を均一に膨張させることで、安定した生体情報を収集することができる。
また、連結部22a〜22dを基点に折り曲げることで被作用体2の長さを調整することができるため、幅の異なる寝具ごとに生体情報収集装置を購入する必要がなくなり、汎用性を高めることができる。
また、各連結部22〜22dを基点に隣り合うセル21a〜21d同士が接触するように折り曲げ、被作用体2全体の長さを、セル1つ分の長さに折り畳むこともできるので、被作用体2を小さくまとめて収納することができる。
以上、本発明の生体情報収集装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る生体情報収集装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、外気に連通する連通孔(微細孔)を備え、これにより、空気の排気・吸気を行ったが、被作用体2の内部空間に保持された流体を積極的に排出させ、未使用時のコンパクト化をさらに向上させるために、連通孔に加えて、又は連通孔に代えて、手動により開閉可能な封止栓を備えることができる。例えば、被作用体2の一部に、浮き輪等に備える流体を注入・注出可能に開閉する封止栓を設けることができる。
また、本実施形態では、被作用体2の正面視において、セル21と連結部22の幅を同じ幅に形成したが、例えば、図7の各図に示すように、正面視において、各連結部22の幅を各セル21の幅よりも細く、くびれて形成することもできる。これにより、連結部22を基点とした折り曲げもさらに容易となり、また、絞り部222の断面積もセル21の断面積よりも狭く形成することができる。なお、特に図示しないが、被作用体2の正面視のみならず側面視においても、各連結部22の高さ方向の幅を各セル21の高さ方向の幅よりも細く、くびれて形成することもできる。
また、図7(a)に示すように、セル21内の内部空間をドーナツ状のドーナツ空間としないこともできるし、図7(b)に示すように、空気を有しない凹部の一例であるシール部211a〜211eに代わり、これらに対応する部分に空気を有しない孔213a〜213eを形成して内部空間をドーナツ空間とすることもできる。
なお、孔213a〜213eの位置は、ほぼ中央部に限らず、セル21内の任意の位置に形成することもできる。これにより、各セル21の内部空間は、ドーナツ空間とならないこともあるが、空気を有しない孔が形成されるため、その分、各セル21の膨張が抑制されることになる。また、各セル21における孔213の数も、一箇所には限らず、二箇所以上設けることもできる。
また、本実施形態では、圧力検知部3をセル21aの一側面に取り付けたが、圧力検知部3をセル21a内に内蔵させることもできる。また、チューブ202は、フィルム200の幅方向中央部より少しずれた位置に限らず、幅方向中央部や、フィルム200のいずれかの縁部付近などの片寄った位置に配置することもできる。また、チューブ202を介さずに、被作用体2の内部空間と圧力センサ31を連通させることもできる(例えば、内部空間に圧力センサ31を直接配置など)。
また、チューブ202を、連設されたセル21の一方の端部となるセル21aに接続したが、他のセル21b〜セル21eのいずれかに接続し、圧力検知部3内の圧力センサ31と被作用体2の内部空間とを連通させることもできる。この場合、被作用体2の長さ方向中央にあるセル21cに接続することで、被験者の位置ずれによる生体情報の減衰がさらに緩和される。また、接続されるセル21の異なるチューブ202を複数設け、それぞれのチューブ202を介して被作用体2の内部空間と圧力センサ31とを連通させることもできる。
また、本実施形態では、接合部の一例であるシール部221a〜221dを、フィルム200の長手方向に沿った位置に等間隔をおいて4つ配置したが、各シール部221の配置間隔は等間隔とは限らず、任意な間隔で配置することもでき、シール部221の数も4つとは限らず、任意な数とすることもできる。また、連結部22の配置間隔及び配置数についても、シール部221と同様なことがいえる。
また、弾性部材は、スポンジに限らず、バネ、綿等の繊維でもよい。また、被作用体2内に弾性部材を充填させずに、被作用体2自体を、外的な作用に対して内部空間を保持可能に反発する弾性を備える材料(例えば、ゴム)で形成することもできる。
また、被作用体2を二枚のフィルム200a,200bにより形成したが、一枚のフィルム200の端部同士を熱融着等により接合して袋状に形成することもできるし、真空成形等によりチューブ状に一体形成することもできる。
本発明は、被験者からの外的な作用を受けて内圧が変動する被作用体と、内圧の変動を検知する圧力検知手段とを備える生体情報収集装置に好適に利用することができる。
1 生体情報収集装置
2 被作用体
21 (21a〜21e)セル
211 (211a〜211e)シール部(凹部)
212(212a〜212e)ドーナツ空間(内部空間)
22 (22a〜22d)連結部
221 (221a〜221d)シール部(接合部)
222 (222a〜222d)絞り部
23 スポンジ(シームレス弾性部材)
3 圧力検知部
31 圧力センサ(圧力検知手段)
4 情報収集部

Claims (4)

  1. 被験者の生体情報を収集する生体情報収集装置であって、
    所定の流体を保持可能な内部空間を有し、被験者からの外的な作用を受けて内圧が変動する被作用体と、
    前記内圧の変動を検知する圧力検知手段と、を備え、
    前記被作用体は、
    長手方向に連設され、それぞれ流体を保持可能な内部空間を有する複数のセルと、
    隣接するセル同士を連結させる連結部と、を備え、
    前記連結部は、前記セルの断面積よりも狭い断面積を有する絞り部を有し、当該連結部を基点に隣り合うセル同士が接触可能に折り曲げ可能に形成され、
    前記被作用体が、折り曲げ状態においても被験者からの外的な作用を受けて内圧が変動し、
    前記圧力検知手段は、前記折り曲げ状態における前記内圧の変動についても検知可能である
    ことを特徴とする生体情報収集装置。
  2. 前記絞り部を含む前記被作用体の内部空間を、所定の弾性部材で充填した
    ことを特徴とする請求項記載の生体情報収集装置。
  3. 前記セルは、流体の存在しない凹部又は孔を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の生体情報収集装置。
  4. 前記被作用体は、
    帯状に形成された袋体形状を有するとともに、対向する袋体内面の一部を接合した接合部が長手方向に沿った位置に所定の間隔をおいて複数配置され、
    前記セルは、前記袋体のうちの前記接合部により区画される部分であり、
    前記連結部は、前記袋体のうちの前記接合部を有する部分であり、
    前記絞り部は、前記連結部における前記接合部以外の部分である
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の生体情報収集装置。
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