JP5168587B2 - 軸受装置および燃料電池用圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータの回転軸等を支持する軸受装置と、前記軸受装置を用いて電動モータの回転軸が支持された燃料電池用圧縮機に関するものである。
近年、水素、アルコール等の燃料を燃焼させずに、燃料電池において電気化学的に空気中の酸素と反応させて電力を発生させ、発生させた電力によって電動機を回転させて走行する燃料電池自動車の開発が進んでいる。燃料電池に空気を供給するためには、電動モータと、前記電動モータの回転軸に連結された遠心圧縮機とを備えた燃料電池用圧縮機が用いられる。
前記燃料電池用圧縮機においては、空気を十分に圧縮した状態で燃料電池に供給する必要があるため、遠心圧縮機のインペラをおよそ数万回転以上といった高速で回転させなければならない。そのため電動モータの回転軸を、通常の転がり軸受等ではなく、フォイル軸受や磁気軸受を用いて、高速回転時に非接触の状態で支持する場合がある。
例えば前記回転軸を、ロータを挟んで回転軸の軸方向の両側で、かつステータの両側の端部より軸方向外方の領域に設けた一対のラジアルフォイル軸受(動圧軸受)によって径方向から支持すると共に、同領域に設けた一対のアキシアル磁気軸受によって軸方向から支持することが行なわれる(例えば特許文献1参照)。
特開2007−192115号公報
ラジアルフォイル軸受は、回転軸のうち前記ラジアルフォイル軸受によって支持する部位より大径に形成した通孔の内面に、ごく薄い金属箔等からなる1枚の、または2枚以上のフォイルセグメントを取り付けて構成される。前記ラジアルフォイル軸受によれば、支持する回転軸の回転数が所定値に達するまでは、前記フォイルセグメントが回転軸の外周面に直接に接触して前記回転軸を径方向から支持し、回転数が所定値以上に達した後は、前記回転軸の外周面とフォイルセグメントとの間に発生する動圧によって、回転軸をその全周に亘ってフォイルセグメントの表面から浮上させて非接触の状態で支持できる。
ところが、特に燃料電池自動車用の遠心圧縮機は、燃料電池自動車の走行状態等に応じて低速から高速まで広い範囲で回転数が制御されることが多い。そのため、特にフォイルセグメントが回転軸の外周面に直接に接触して前記回転軸を径方向から支持した状態での回転(低速回転)が長く続くような制御がされた場合に、前記フォイルセグメントが短期間で摩耗しやすく、摩耗量が大きくなる程、ラジアルフォイル軸受における回転軸を浮上させるための特性が低下したり失われたりしやすくなるという問題がある。
また前記低速回転では、回転軸の中心軸線が浮上後に設定される所定の位置よりもわずかに偏心した状態で回転軸が回転されることになる。そのため電動モータの回転特性が低下したり、遠心圧縮機による空気を圧縮する効率が低下したりするおそれもある。
本発明の目的は、特に低速回転時に、ラジアルフォイル軸受等の動圧軸受において摩耗が生じたり回転軸が偏心したりしない上、高速回転時には、前記動圧軸受によって、回転軸を非接触の状態で支持できる軸受装置を提供することにある。また本発明の目的は、特に低速回転時に、前記のように回転軸が偏心しないため、電動モータの回転特性および遠心圧縮機による空気を圧縮する効率を向上できる燃料電池用圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、転動体(26)と、前記転動体が転動される軌道面(27)を有する内輪(28)とを含み、前記内輪に挿通される回転軸(10)を少なくとも径方向から支持する転がり軸受(18)、および前記回転軸を径方向から支持する動圧軸受(19)を備え、前記転がり軸受の内輪は、外周に前記軌道面を有し、内径が回転軸の外径より大径とされた環状の第1内輪(30)と、前記回転軸に軸方向にスライド自在に外挿され、軸方向の一方から第1内輪と回転軸との間に挿入されて前記第1内輪に内接される第2内輪(31)の2ピースに形成されていると共に、前記第2内輪には、回転軸の停止時ないし所定の回転数未満での低速回転時に第2内輪を第1内輪と回転軸との間に挿入させて第1内輪に内接させる位置に保持し、前記所定の回転数以上での高速回転時に第2内輪を第1内輪と回転軸との間から引き出す方向にスライドさせて前記内接を解除させるスライド調整部(41)が接続されていることを特徴とする軸受装置(17)を提供するものである(請求項1)。なお、カッコ内の英数字は後述の実施の形態における対応構成要素を示す。
本発明によれば、回転軸の停止時ないし低速回転時には、スライド調整部の機能によって、第2内輪が第1内輪と回転軸との間に挿入されて前記第1内輪に径方向内方から内接されることで、回転軸が、転がり軸受を構成する前記第1および第2内輪と転動体とを介して径方向から支持される。そのため低速回転時には、前記転がり軸受によって、回転軸の中心軸線を浮上後に設定される所定の位置に一致させた状態で回転軸を回転させることができる。
したがって、例えば動圧軸受としてのラジアルフォイル軸受のフォイルセグメントを、低速回転時にも、動圧によって回転軸を浮上させる高速回転時と同様に回転軸の外周面に対して接触しない状態として、その摩耗を防止できる。また、例えば本発明の軸受装置を燃料電池用圧縮機に組み込んだ際に、特に低速回転時における電動モータの回転特性および遠心圧縮機による空気を圧縮する効率を向上できる。
また本発明によれば、回転軸の高速回転時には、前記スライド調整部の機能によって、第2内輪が第1内輪と回転軸との間から引き出す方向にスライドされて前記内接と、それによる転がり軸受による回転軸の支持が解除される。そのため、例えば回転数の上昇により回転軸を動圧軸受で発生する動圧によって浮上させるのとほぼ同時に転がり軸受による支持を解除し、かつ回転数の低下により前記浮上を終了させるのとほぼ同時に転がり軸受による支持を再開することにより、高速回転時にのみ選択的に、回転軸を前記動圧軸受によって非接触の状態で支持できる。したがって高速回転時に、転がり軸受による回転トルクの上昇や、転がり軸受自体の摩耗等を生じるのを防止できる。
本発明の軸受装置は、起動及び停止の頻度が高く、かつ数万回転以上といった高速回転で使用される燃料電池用圧縮機等の高速回転機器の軸受として好ましい。
本発明によれば前記スライド調整部を、一端が第2内輪、他端が前記第2内輪の引き出し側において回転軸に接続されており、弾性力によって、前記第2内輪を第1内輪と回転軸との間に挿入させて前記第1内輪に内接させる位置に保持するばね部材(42)と、前記ばね部材に設けられ、回転軸の高速回転時に前記ばね部材を遠心力によって屈曲変形させることで、第2内輪を第1内輪と回転軸との間から引き出す方向にスライドさせて前記内接を解除させる遠心質量体(43)とで構成できる(請求項2)。
この場合、例えばばね部材の弾性力や剛性、遠心質量体の質量等を調整することにより、回転軸の回転数に応じて自動的に、転がり軸受による支持と動圧軸受による支持とを切り換えることができる。
また本発明によれば前記スライド調整部を、一端が第2内輪、他端が前記第2内輪の引き出し側において回転軸に接続されており、弾性力によって、前記第2内輪を第1内輪と回転軸との間に挿入させて前記第1内輪に内接させる位置に保持する第1ばね部材(50)と、前記第2内輪の引き出し側において回転軸に軸方向にスライド自在に外挿されるスライド部材(47)と、前記スライド部材に接続され、回転軸の高速回転時に前記スライド部材を遠心力によって第2内輪の引き出し方向にスライドさせる遠心質量体(52)と、回転軸の停止時ないし低速回転時に、弾性力によって、遠心質量体とスライド部材とを第2内輪の挿入方向にスライドさせた位置に保持する第2ばね部材(54)とで構成し、かつ前記スライド部材を、第2ばね部材の弾性力によって保持された位置から、遠心質量体に加わる遠心力によって前記引き出し方向に一定量スライドされた時点で第1ばね部材の弾性力によって保持された第2内輪に係合したのち、前記第2内輪を第1内輪と回転軸との間から引き出す方向にスライドさせて前記内接を解除させる係合部(48)を有するものとすることができる(請求項3)。
この場合も回転軸の回転数に応じて自動的に、転がり軸受による支持と動圧軸受による支持とを切り換えることができる。
しかもスライド部材は、回転軸の回転数の上昇に応じて徐々に軸方向にスライドするが、第2内輪は、前記スライド部材が引き出し方向に一定量スライドされて、前記スライド部材の係合部と係合するまでは第1ばね部材の弾性力による第1内輪との内接を維持し、前記係合した時点、すなわち回転軸の回転数が所定値に達した時点でほぼ瞬時に、第2内輪が第1内輪から引き離されて前記内接が解除される。
そのため第2内輪を第1内輪に内接させる弾性力と、前記両者の接触面間の回転方向の摩擦力とがほぼ等しくなる回転数の範囲において、前記両接触面間ですべり摩擦が生じる時間を極力短縮して、両接触面の摩耗やそれに伴う摩耗粉の発生を抑制することもできる。
また、前記回転数において両接触面が接触される状態と非接触の状態とがごく短い周期で繰り返されるいわゆるチャタリングを生じて動作が不安定化するのを抑制することもできる。
さらに本発明によれば、回転軸、ロータ(11)およびステータ(12)を含む電動モータ(13)と、前記電動モータの回転軸の一端に連結された遠心圧縮機(15)とを備え、前記回転軸を前記本発明の軸受装置によって支持したことを特徴とする燃料電池用圧縮機(6)を提供することができる(請求項4)。
この場合、電動モータの回転軸を本発明の軸受装置で支持したことにより、特に低速回転時に回転軸の偏心を防止して、前記電動モータの回転特性および遠心圧縮機による空気を圧縮する効率を向上できる。
本発明の燃料電池用圧縮機が組み込まれる燃料電池装置の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる燃料電池用圧縮機の断面図である。 前記燃料電池用圧縮機に組み込まれる、本発明の一実施形態にかかる軸受装置の断面図である。 図3の軸受装置のうち第2内輪をスライドさせて第1内輪と軸本体との隙間から引き出した状態を示す断面図である。 図2の燃料電池用圧縮機に組み込まれる軸受装置の変形例を示す断面図である。 図5の軸受装置のうち第2内輪をスライドさせて第1内輪と軸本体との隙間から引き出した状態を示す断面図である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の燃料電池用圧縮機が組み込まれる、例えば車載用の燃料電池装置の一例を示すブロック図である。
図1を参照して、この例の燃料電池装置1は、燃料電池スタック2と、前記燃料電池スタック2から供給される電力を制御する電力制御器3と、燃料電池スタック2に水素を供給する高圧水素タンク4および水素ポンプ5と、燃料電池スタック2に圧縮空気を供給する燃料電池用圧縮機6と、前記燃料電池用圧縮機6で得られた圧縮空気を加湿する加湿器7と、燃料電池スタック2および電力制御器3を冷却する冷却器8とを備えている。
前記燃料電池装置1においては、高圧水素タンク4から水素ポンプ5を介して供給された水素と、外部から取り込んだ空気を燃料電池用圧縮機6で圧縮して得られ、加湿器7で加湿された圧縮空気とを燃料電池スタック2に供給する。そして燃料電池スタック2での水素と圧縮空気との電気化学反応によって、電力制御器3で制御された電力によって自動車を走行させる電動機9が駆動される。
図2は、本発明の一実施形態にかかる燃料電池用圧縮機6の断面図である。
図2を参照して、この例の燃料電池用圧縮機6は、回転軸10、ロータ11およびステータ12を含む電動モータ13と、前記電動モータ13を内部に収容するハウジング14と、前記ハウジング14の一端(図において左端)に結合された遠心圧縮機15とを備えている。ハウジング14は、この実施形態では両端が閉じられた筒状をなしている。
回転軸10は円柱状の軸本体16を有している。ロータ11は、内径が前記軸本体16の外径と一致する筒状をなし、前記軸本体16に外嵌されて、回転軸10と一体回転される。ステータ12は、外径がハウジング14の内径と一致する筒状をなし、前記ハウジング14に内嵌されて固定されている。
回転軸10の、前記ロータ11より遠心圧縮機15側、および反対側(図において右側、以下「機端側」と記載することがある)には、それぞれ軸受装置17が設けられている。
図3は、前記燃料電池用圧縮機6のロータ11より遠心圧縮機15側に組み込まれる、本発明の一実施形態にかかる軸受装置17の断面図である。
図2および図3を参照して、この例の軸受装置17は、転がり軸受18、ラジアルフォイル軸受19、およびアキシアル磁気軸受20を備えている。
回転軸10の、軸本体16より遠心圧縮機15側には、アキシアル磁気軸受20を構成する磁気ディスク21が取り付けられる取付部22、および遠心圧縮機15のインペラ23が取り付けられる取付部24がこの順に設けられている。前記各部および軸本体16は回転軸10の中心軸線L1と同軸となるように一体形成されている。
取付部22は軸本体16より小径とされて、円盤状の磁気ディスク21の中心に設けられた通孔に嵌め合わされている。取付部24は前記取付部22より小径の円柱状とされて先端にインペラ23が固定されている。
また回転軸10の、前記軸本体16より機端側には、アキシアル磁気軸受20を構成する磁気ディスク21が取り付けられる取付部25が設けられている。取付部25および軸本体16は回転軸10の中心軸線L1と同軸となるように一体形成されている。取付部25は軸本体16より小径とされて、円盤状の磁気ディスク21の中心に設けられた通孔に嵌め合わされている。
なお図2では、便宜的に、軸受装置17のうちアキシアル磁気軸受20の磁気ディスク21以外の各部(「軸受装置要部」と総称する場合がある)をまとめて符号17aを付している。前記軸受装置要部17aには、図3に示す各部材が含まれている。
図示していないが機端側の軸受装置要部17aは、図2、図3と同方向の断面から見た場合、配列および向きが逆であること以外は図3と同様の各部によって構成される。
以下では、図3に示した遠心圧縮機15側の軸受装置17について主に説明し、機端側は必要がある場合のみ補足的に説明する。
図3を参照して、転がり軸受18は、転動体としてのボール26と、前記ボール26が転動される環状の内側軌道面27を有する内輪28とを含んでいる。また、ハウジング14の内周面には前記ボール26が転動される環状の外側軌道面29が設けられ、前記ハウジング14を外輪として機能させることにより、転がり軸受18としての深溝玉軸受がハウジング14と一体に構成されている。
内輪28は第1内輪30、および第2内輪31の2ピースに形成されている。
このうち第1内輪30は環状に形成され、外周に前記内側軌道面27を有している。第1内輪30の内周は、遠心圧縮機15側から機端側にかけて内径が徐々に大きくなる円錐周面32とされている。円錐周面32は、最小径部の内径が回転軸10の軸本体16の外径より大径とされている。
第1内輪30は、その外周の内側軌道面27とハウジング14の外側軌道面29との間に保持された複数のボール26により、前記ハウジング14の中心軸線L2と同心状に配置されている。そのため回転軸10の中心軸線L1と、ハウジング14の中心軸線L2とが一致する状態(図2の状態)において、軸本体16と第1内輪30とは同心状に配置され、両者の間には環状の隙間が設けられる。
第2内輪31は環状に形成され、回転軸10の軸本体16に、中心軸線L1の軸方向にスライド自在に外挿されている。すなわち軸本体16のうち第2内輪31が外装される領域にはフッ素樹脂等からなる筒状のスリーブ34が外嵌されており、第2内輪31は前記スリーブ34の外径と略一致する内径とされて、軸本体16のうち前記スリーブ34が外嵌された領域に、軸方向にスライド自在に外挿されている。
第2内輪31の外周は、遠心圧縮機15側から機端側にかけて外径が徐々に大きくなる円錐周面33とされている。
第2内輪31の外周の最大外径(円錐周面33の機端側の最大外径)は、第1内輪30の内周の最大内径(円錐周面32の機端側の最大内径)と略一致している。また円錐周面33の母線と回転軸10の中心軸線L1とのなす角度は、円錐周面32の母線とハウジング14の中心軸線L2とのなす角度と一致している。
そのため、第2内輪31を遠心圧縮機15の方向にスライドさせて第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入した図3の状態において、両円錐周面32、33は隙間なく密着され、第2内輪31は第1内輪30に内接される。これにより、回転軸10は転がり軸受18、すなわち第1および第2内輪30、31とボール26とを介して周方向から支持され、回転軸10の中心軸線L1とハウジング14の中心軸線L2とが一致する状態(図2の状態)とされる。
またこの状態において回転軸10は、ボール26と両軌道面27、29との係合により軸方向への移動が規制される。すなわち回転軸10は転がり軸受18によって軸方向からも支持されている。
ハウジング14内の、外側軌道面29を形成した位置より遠心圧縮機15側には、磁気ディスク21と共にアキシアル磁気軸受20を構成する環状の電磁石35が設けられている。
電磁石35は、ハウジング14に内嵌された、回転軸を囲む環状の筐体36内に電磁コイル37を埋設して構成されている。電磁石35は、磁気ディスク21より機端側に設けられており、磁気ディスク21は、前記電磁石35に遠心圧縮機15側から対向されている。一方、機端側のアキシアル磁気軸受20において磁気ディスク21は、遠心圧縮機15側に設けられた電磁石に機端側から対向されている。
両電磁石35の磁気ディスク21に対向する面は、それぞれハウジング14の中心軸線L2に直交する平面とされている。また両磁気ディスク21の電磁石35に対向する面は、それぞれ回転軸10の中心軸線L1に直交する平面とされている。また両磁気ディスク21の前記両面間の間隔は、両電磁石35の、それぞれ磁気ディスクに対向する両面間の間隔より一定のクリアランス分だけ大きめに設定されている。
そのため回転軸10の中心軸線L1とハウジング14の中心軸線L2とが一致した図2の状態において両電磁石35の電磁コイル37に通電して磁力を発生させることにより、回転軸10が、一対のアキシアル磁気軸受20により、軸方向に非接触の状態で支持される。
電磁石35の筐体36は、環の中心の通孔が、ラジアルフォイル軸受19の外径と一致する内径を有しており、前記通孔にラジアルフォイル軸受19が内嵌されて保持されている。
ラジアルフォイル軸受19は、回転軸10のうち軸本体16より大径に形成した通孔の内面に、ごく薄い金属箔等からなる1枚の、または2枚以上のフォイルセグメント38を取り付けて構成されている。また軸本体16は、外周面が、低速回転時にラジアルフォイル軸受19のフォイルセグメント38が周接されると共に回転数が上昇した際に前記フォイルセグメント38との間に動圧を発生させる円筒面とされている。
前記ラジアルフォイル軸受19によれば、従来同様に回転軸10の回転数が所定値に達するまでは、前記フォイルセグメント38が回転軸10の軸本体16の外周面に直接に接触して前記回転軸10を径方向から支持することができる。また回転数が所定値以上に達した後は、前記軸本体16の外周面とフォイルセグメント38との間に発生する動圧によって、回転軸10をその全周に亘ってフォイルセグメント38の表面から浮上させて非接触の状態で支持することができる。
図4は、図3の軸受装置17のうち第2内輪31をスライドさせて第1内輪30と軸本体16との隙間から引き出した状態を示す断面図である。
図3、図4を参照して、軸本体16の、スリーブ34より機端側には筒状のストッパ39が外嵌されている。ストッパ39は、軸方向にスライドしないように軸本体16に固定されている。
ストッパ39の遠心圧縮機15側の端面は、第1内輪30と軸本体16との隙間から引き出した第2内輪31の機端側の端面と当接されて、前記第2内輪31のスライドを規制する当接面とされている(図4参照)。
ストッパ39の機端側の外周には径方向外方へ向けて鍔部40が一体形成されており、前記鍔部40の遠心圧縮機15側の端面と、第2内輪31の機端側の端面との間にはスライド調整部41が設けられている。
スライド調整部41は、実施形態では一端が第2内輪31の機端側の端面に連結され、他端が鍔部40の遠心圧縮機15側の端面に連結されたばね部材42を備えている。
ばね部材42はばね材(ステンレス鋼、ばね用銅合金等)により一体形成され、第2内輪31および鍔部40に連結される両端部より中間部が径方向外方へ膨出した筒状をなしている。中間部の内側には遠心質量体43が設けられている。遠心質量体43は、図示していないが複数個が、ばね部材42の中間部の内側の、円周上の複数箇所にほぼ等間隔に離間させて設けられている。
ばね部材42の軸方向の長さは、前記第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入された第2内輪31の機端側の端面と鍔部40の遠心圧縮機15側の端面との間の距離よりも長めに設定されており、前記両者間に介在されたばね部材42には、前記寸法差に基づいて軸方向の弾性力が生じている。
回転軸10の停止時ないし所定の回転数未満での低速回転時には、第2内輪31が、前記ばね部材42の弾性力により、図3中に白抜きの矢印で示すように第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入される方向に押圧されて、前記第1内輪30に内接する位置(図3の位置)に保持されている。この状態では、先に説明したように回転軸10が、転がり軸受18によって径方向から支持される。
そのため低速回転時に、前記転がり軸受18によって、回転軸10の中心軸線L1を浮上後に設定される所定の位置に一致させた状態、つまりハウジング14の中心軸線L2と一致させた状態で、前記回転軸10を回転させることができる。
したがって、ラジアルフォイル軸受19のフォイルセグメント38を、回転軸10の軸本体16との間に十分な動圧が発生しない低速回転時に、前記軸本体16に対して接触しない状態として摩耗を防止できる。また前記低速回転時に、電動モータ13の回転特性および遠心圧縮機15による空気を圧縮する効率を向上できる。
また回転軸10は、転がり軸受18によって軸方向からも支持されるため、停止時ないし低速回転時にはアキシアル磁気軸受20の電磁コイル37への通電を停止して消費電力を低減することもできる。
回転軸10の回転数が上昇すると遠心質量体43に加わる遠心力が上昇し、それに伴ってばね部材42は、中間部が図4中に黒矢印で示すように径方向外方へ膨らむと共に軸方向の長さが縮むように徐々に変形する。そしてこの変形に伴って、第2内輪31が図中に白抜きの矢印で示すように機端側へスライドされ、第1内輪30と軸本体16との隙間から引き出されて、前記第2内輪31の第1内輪30への内接と、それによる転がり軸受18による回転軸10の支持が解除される。
また回転軸10の回転数が低下すると遠心質量体43に加わる遠心力が低下し、それに伴ってばね部材42の変形が徐々に解除されて、第2内輪31が逆に遠心圧縮機15側へスライドされる。そして第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入されて図3の初期状態に戻り、回転軸10が転がり軸受18によって径方向および軸方向から支持される。
そのため、例えばばね部材42に生じさせる弾性力や剛性、遠心質量体43の質量、ラジアルフォイル軸受19の浮上特性等を調整することにより、回転数の上昇に伴って回転軸10を前記ラジアルフォイル軸受19で発生する動圧によって浮上させるのとほぼ同時に、自動的に転がり軸受18による支持を解除し、かつ回転数の低下に伴って動圧による回転軸10の浮上が終了するのとほぼ同時に、自動的に転がり軸受18による支持を再開させることができ、高速回転時にのみ選択的に、前記回転軸10をラジアルフォイル軸受19によって径方向に非接触の状態で支持できる。
また回転軸10の回転数をモニタする等して、転がり軸受18による支持を解除するのとほぼ同時にアキシアル磁気軸受20の電磁コイル37への通電を開始し、前記支持を再開するのとほぼ同時に通電を停止することにより、高速回転時にのみ選択的に、前記回転軸10を、前記アキシアル磁気軸受20によって軸方向にも非接触の状態で支持できる。
したがって高速回転時に、転がり軸受18による回転トルクの上昇や、転がり軸受18自体の摩耗等を生じるのを防止できる。また、先に説明したようにアキシアル磁気軸受20の電磁コイル37への通電時間を短縮して消費電力を低減できる。
また一対の軸受装置17を、ロータ11を挟んで回転軸10の両側に、軸受装置要部17aを構成する各部の配列および向きを逆にして配設しており、前記軸受装置17の動作時に前記回転軸10の軸方向に作用するばね部材42による力が相殺されるため、前記回転軸10を、軸方向にバランスを取りながら安定して浮上させることもできる。
回転軸10の取付部25の機端側の端面は、前記回転軸10の中心軸線L1と直交する平面(センサターゲット面)とされている。また、ハウジング14の前記センサターゲット面と対向する位置には、磁気ディスク21と電磁石35との間の距離、すなわち回転軸10の軸方向の変位量を検知するための変位センサ44が設けられている。
変位センサ44によって検知された変位量は図示しない制御部に入力され、前記制御部はこれらの変位量をもとにして、磁気ディスク21と電磁石35との間の距離が一定となるように、電磁コイル37への通電量を制御する。
この発明の実施形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。なお以下では、図1ないし図4に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成には同様の符号を付して説明を省略する。
例えばばね部材42は筒状ではなく、複数の帯材を周方向に等間隔に離間させて配列してもよい。遠心質量体43は、全ての帯材の中間部分に設けてもよいし、一定個数置きの帯材にのみ設けてもよい。
図5は、図2の燃料電池用圧縮機6のロータ11より遠心圧縮機15側に組み込まれる軸受装置17の変形例を示す断面図である。また図6は、図5の軸受装置17のうち第2内輪31をスライドさせて第1内輪30と軸本体16との隙間から引き出した状態を示す断面図である。
図示していないが機端側の軸受装置17は、図2、図5、図6と同方向の断面から見た場合、配列および向きが逆であること以外は図5、図6と同様の各部によって構成される。
以下では、図5に示した遠心圧縮機15側の軸受装置17について主に説明し、機端側は必要がある場合のみ補足的に説明する。
図5を参照して、この例の軸受装置17は、転がり軸受18、ラジアルフォイル軸受19、およびアキシアル磁気軸受20を備えている。このうちラジアルフォイル軸受19、およびアキシアル磁気軸受20は、先の図3、図4の例と同様に構成されている。
転がり軸受18は、転動体としてのボール26と、前記ボール26が転動される環状の内側軌道面27を有する内輪28とを含んでいる。また、ハウジング14の内周面には前記ボール26が転動される環状の外側軌道面29が設けられ、前記ハウジング14を外輪として機能させることにより、転がり軸受18としての深溝玉軸受がハウジング14と一体に構成されている。
内輪28は第1内輪30、および第2内輪31の2ピースに形成されている。
このうち第1内輪30は環状に形成され、外周に前記内側軌道面27を有している。第1内輪30の内周は、遠心圧縮機15側から機端側にかけて内径が徐々に大きくなる円錐周面32とされている。円錐周面32は、最小径部の内径が回転軸10の軸本体16の外径より大径とされている。
第1内輪30は、その外周の内側軌道面27とハウジング14の外側軌道面29との間に保持された複数のボール26により、前記ハウジング14の中心軸線L2と同心状に配置されている。そのため回転軸10の中心軸線L1と、ハウジング14の中心軸線L2とが一致する状態(図2の状態)において、軸本体16と第1内輪30とは同心状に配置され、両者の間には環状の隙間が設けられる。
第2内輪31は環状に形成され、回転軸10の軸本体16に、中心軸線L1の軸方向にスライド自在に外挿されている。すなわち軸本体16にはフッ素樹脂等からなる筒状のスリーブ34が外嵌されており、第2内輪31は前記スリーブ34の外径と略一致する内径とされて、軸本体16のうち前記スリーブ34が外嵌された領域に、軸方向にスライド自在に外挿されている。
第2内輪31の外周は、遠心圧縮機15側から機端側にかけて外径が徐々に大きくなる円錐周面33とされている。
第2内輪31の外周の最大外径(円錐周面33の機端側の最大外径)は、第1内輪30の内周の最大内径(円錐周面32の機端側の最大内径)と略一致している。また円錐周面33の母線と回転軸10の中心軸線L1とのなす角度は、円錐周面32の母線とハウジング14の中心軸線L2とのなす角度と一致している。
そのため、第2内輪31を遠心圧縮機15の方向にスライドさせて第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入した図3の状態において、両円錐周面32、33は隙間なく密着され、第2内輪31は第1内輪30に内接される。これにより、回転軸10は転がり軸受18、すなわち第1および第2内輪30、31とボール26とを介して周方向から支持され、回転軸10の中心軸線L1とハウジング14の中心軸線L2とが一致する状態(図2の状態)とされる。
またこの状態において回転軸10は、ボール26と両軌道面27、29との係合により軸方向への移動が規制される。すなわち回転軸10は転がり軸受18によって軸方向からも支持されている。
第2内輪31には、機端側の端面から前記機端側へ向けて筒状部45が突設されている。筒状部45は、第2内輪31の外周の最大外径と一致する外径を有している。筒状部45の機端側の端部には、径方向内方へ向けて鍔部46が突設されている。鍔部46で囲まれた開口は、内径がスリーブ34の外径より大径とされて、両者間に隙間が設けられている。前記筒状部45および鍔部46は、第2内輪31と一体形成されている。
回転軸10の軸本体16の、第2内輪31より機端側には筒状のスライド部材47が、中心軸線L1の軸方向にスライド自在に外挿されている。すなわちスライド部材47はスリーブ34の外径と略一致する内径とされて、軸本体16のうち前記スリーブ34が外嵌された領域で、かつ第2内輪より機端側に、軸方向にスライド自在に外挿されている。
スライド部材47は、外径が、第2内輪31の鍔部46で囲まれた内径より小径とされて、遠心圧縮機15側の端部が、前記開口を通して筒状部45内に挿入されている。
スライド部材47の前記端部には、径方向外方へ向けて係合部48が突設されている。係合部48は、外径が鍔部46で囲まれた内径より大径とされている。また鍔部46は、軸方向の厚みが、第2内輪31の機端側の端面と、鍔部46の遠心圧縮機側の端面との間の距離よりも小さく設定されている。これにより第2内輪31とスライド部材47とは、前記厚みと距離の寸法差分だけ個別に、軸方向にスライドさせることができる。
軸本体16の、スリーブ34より機端側には環状の固定部材49が外嵌されている。固定部材49はスリーブ34と一体に形成され、軸方向にスライドせず、かつ回転軸10と一体回転するように軸本体16に固定されている。
固定部材49は、外径が第2内輪31の外周の最大外径より大径で、かつハウジング14の内径より小径とされている。固定部材49の、遠心圧縮機15側の端面は回転軸10の中心軸線L1と直交する平面とされて、第2内輪31の鍔部46に機端側から対向されている。また前記鍔部46の機端側の、固定部材49の端面と対向する端面は、回転軸10の中心軸線L1と直交する平面とされて、前記固定部材49の端面に遠心圧縮機15側から対向されている。
前記鍔部46の端面と固定部材49の端面との間には第1ばね部材50が介在されている。第1ばね部材50の軸方向の長さは、第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入された第2内輪31の鍔部46の端面と固定部材49の端面との間の距離よりも長めに設定されており、前記両者間に介在された第1ばね部材50には、前記寸法差に基づいて軸方向の弾性力が生じている。
回転軸10の停止時ないし所定の回転数未満での低速回転時には、第2内輪31が、前記第1ばね部材50の弾性力により、図5中に白抜きの矢印で示すように第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入される方向に押圧されて、前記第1内輪30に内接する位置(図5の位置)に保持されている。この状態では、先に説明したように回転軸10が、転がり軸受18によって径方向から支持される。
そのため低速回転時に、前記転がり軸受18によって、回転軸10の中心軸線L1を浮上後に設定される所定の位置に一致させた状態、つまりハウジング14の中心軸線L2と一致させた状態で、前記回転軸10を回転させることができる。
したがって、ラジアルフォイル軸受19のフォイルセグメント38を、回転軸10の軸本体16との間に十分な動圧が発生しない低速回転時に、前記軸本体16に対して接触しない状態として摩耗を防止できる。また前記低速回転時に、電動モータ13の回転特性および遠心圧縮機15による空気を圧縮する効率を向上できる。
また回転軸10は、転がり軸受18によって軸方向からも支持されるため、停止時ないし低速回転時にはアキシアル磁気軸受20の電磁コイル37への通電を停止して消費電力を低減することもできる。
固定部材49には、遠心圧縮機15側の端面から機端側へ向けて、前記端面で開口され、かつ機端側で閉じられた袋穴51が設けられている。袋穴51は、開口側から機端側へ向けて径方向外方へ傾斜させて設けられており、その内部に遠心質量体52が収容されている。遠心質量体52は、ばね材(ステンレス鋼、ばね用銅合金等)からなるワイヤ53を介して連結されている。
また遠心質量体52と袋穴51の機端側の底との間には第2ばね部材54が介在されている。第2ばね部材54は、回転軸10の停止時ないし低速回転時に遠心質量体52、ワイヤ53およびスライド部材47を図5に示す位置、つまりスライド部材47の係合部48の機端側の端面と、第2内輪31の鍔部46の遠心圧縮機15側の端面との間に所定の隙間が設けられた位置に保持する働きをする。
前記袋穴51、遠心質量体52、ワイヤ53、および第2ばね部材54は、図示していないが固定部材49の端面の、回転軸10の周囲の円周上の複数箇所に、複数組がほぼ等間隔に離間させて設けられている。
前記スライド部材47、固定部材49、第1ばね部材50、遠心質量体52、ワイヤ53、および第2ばね部材54によりスライド調整部41が構成されている。
回転軸10の回転数が上昇すると、前記回転軸10と共に回転する固定部材49の袋穴51内の遠心質量体52に加わる遠心力が上昇し、それに伴って遠心質量体52が第2ばね部材54の弾性力に抗して、図6中に黒矢印で示すように袋穴51の底の方向(機端側)に徐々に移動する。またこの移動に伴って、ワイヤ53で連結されたスライド部材47が機端側に徐々に移動する。
先に説明したようにスライド部材47の係合部48の機端側の端面と、第2内輪31の鍔部46の遠心圧縮機15側の端面との間には所定の隙間が設けられているため、この隙間がある間、第2内輪31は第1ばね部材50の弾性力によって遠心圧縮機15側に押圧されて、第1内輪30に内接した状態が維持される。
回転軸10の回転数がさらに上昇して前記隙間がなくなり、スライド部材47の係合部48が第2内輪31の鍔部46に係合すると、前記第2内輪31は、スライド部材47と共に第1ばね部材50の弾性力に抗して図6中に白抜きの矢印で示すように機端側へスライドされ、第1内輪30と軸本体16との隙間から引き出されて、前記第2内輪31の第1内輪30への内接と、それによる転がり軸受18による回転軸10の支持が解除される。
また回転軸10の回転数が低下すると遠心質量体52に加わる遠心力が低下し、それに伴って遠心質量体52とスライド部材47とが第2ばね部材54の弾性力によって遠心圧縮機15側にスライドされる。また第2内輪31は、第1ばね部材50の弾性力によって遠心圧縮機15側にスライドされる。そして第2内輪31が第1内輪30と軸本体16との隙間に挿入されると共に係合部48の係合が解除されて図5の初期状態に戻り、回転軸10が転がり軸受18によって径方向および軸方向から支持される。
そのため、例えば第1および第2ばね部材50、54に生じさせる弾性力や剛性、遠心質量体52の質量、袋穴51の傾斜角度、ラジアルフォイル軸受19の浮上特性等を調整することにより、回転数の上昇に伴って回転軸10を前記ラジアルフォイル軸受19で発生する動圧によって浮上させるのとほぼ同時に、自動的に転がり軸受18による支持を解除し、かつ回転数の低下に伴って動圧による回転軸10の浮上が終了するのとほぼ同時に、自動的に転がり軸受18による支持を再開させることができ、高速回転時にのみ選択的に、前記回転軸10をラジアルフォイル軸受19によって径方向に非接触の状態で支持できる。
またスライド部材47は、回転軸10の回転数の上昇、低下に応じて徐々に軸方向にスライドするが、第2内輪31は、前記スライド部材47が引き出し方向に一定量スライドされて係合部48と係合するまでは第1ばね部材50の弾性力による第1内輪30との内接を維持し、前記係合した時点、すなわち回転軸10の回転数が所定値に達した時点でほぼ瞬時に、第2内輪31が第1内輪30から引き離されて前記内接が解除される。
そのため第2内輪31を第1内輪30に内接させる第1ばね部材50の弾性力と、前記両者の接触面としての円錐周面32、33間の回転方向の摩擦力とがほぼ等しくなる回転数の範囲において、前記両円錐周面32、33間ですべり摩擦が生じる時間を極力短縮して、両円錐周面32、33の摩耗やそれに伴う摩耗粉の発生を抑制できる。
また、前記回転数において両円錐周面32、33が接触される状態と非接触の状態とがごく短い周期で繰り返されるいわゆるチャタリングを生じて動作が不安定化するのを抑制することもできる。
また回転軸10の回転数をモニタする等して、転がり軸受18による支持を解除するのとほぼ同時にアキシアル磁気軸受20の電磁コイル37への通電を開始し、前記支持を再開するのとほぼ同時に通電を停止することにより、高速回転時にのみ選択的に、前記回転軸10を、前記アキシアル磁気軸受20によって軸方向にも非接触の状態で支持できる。
したがって高速回転時に、転がり軸受18による回転トルクの上昇や、転がり軸受18自体の摩耗等を生じるのを防止できる。また、先に説明したようにアキシアル磁気軸受20の電磁コイル37への通電時間を短縮して消費電力を低減できる。
また一対の軸受装置17を、ロータ11を挟んで回転軸10の両側に、軸受装置要部17aを構成する各部の配列および向きを逆にして配設しており、前記軸受装置17の動作時に前記回転軸10の軸方向に作用する第1および第2ばね部材50、54による力が相殺されるため、前記回転軸10を、軸方向にバランスを取りながら安定して浮上させることもできる。
なお図5、図6の軸受装置17において第2内輪31とスライド部材47は一体に形成してもよい。
その他、本発明の燃料電池用圧縮機は、車載用以外の用途に用いることができる。また本発明の軸受装置は、燃料電池用圧縮機以外の用途に用いることができる。
10:回転軸、17:軸受装置、18:転がり軸受、19:動圧軸受(ラジアルフォイル軸受)、26:転動体、27:軌道面、28:内輪、30:第1内輪、31:第2内輪、41:スライド調整部、42:ばね部材、43:遠心質量体、47:スライド部材、48:係合部、50:第1ばね部材、52:遠心質量体、54:第2ばね部材。

Claims (4)

  1. 転動体と、前記転動体が転動される軌道面を有する内輪とを含み、前記内輪に挿通される回転軸を少なくとも径方向から支持する転がり軸受、および
    前記回転軸を径方向から支持する動圧軸受を備え、
    前記転がり軸受の内輪は、
    外周に前記軌道面を有し、内径が回転軸の外径より大径とされた環状の第1内輪と、前記回転軸に軸方向にスライド自在に外挿され、軸方向の一方から第1内輪と回転軸との間に挿入されて前記第1内輪に内接される第2内輪の2ピースに形成されていると共に、
    前記第2内輪には、回転軸の停止時ないし所定の回転数未満での低速回転時に第2内輪を第1内輪と回転軸との間に挿入させて第1内輪に内接させる位置に保持し、前記所定の回転数以上での高速回転時に第2内輪を第1内輪と回転軸との間から引き出す方向にスライドさせて前記内接を解除させるスライド調整部が接続されていることを特徴とする軸受装置。
  2. スライド調整部は、
    一端が第2内輪、他端が前記第2内輪の引き出し側において回転軸に接続されており、弾性力によって、前記第2内輪を第1内輪と回転軸との間に挿入させて前記第1内輪に内接させる位置に保持するばね部材と、
    前記ばね部材に設けられ、回転軸の高速回転時に前記ばね部材を遠心力によって屈曲変形させることで、第2内輪を第1内輪と回転軸との間から引き出す方向にスライドさせて前記内接を解除させる遠心質量体とを含んでいる請求項1記載の軸受装置。
  3. スライド調整部は、
    一端が第2内輪、他端が前記第2内輪の引き出し側において回転軸に接続されており、弾性力によって、前記第2内輪を第1内輪と回転軸との間に挿入させて前記第1内輪に内接させる位置に保持する第1ばね部材と、
    前記第2内輪の引き出し側において回転軸に軸方向にスライド自在に外挿されるスライド部材と、
    前記スライド部材に接続され、回転軸の高速回転時に前記スライド部材を遠心力によって第2内輪の引き出し方向にスライドさせる遠心質量体と、
    回転軸の停止時ないし低速回転時に、弾性力によって、遠心質量体とスライド部材とを第2内輪の挿入方向にスライドさせた位置に保持する第2ばね部材とを含み、
    前記スライド部材は、第2ばね部材の弾性力によって保持された位置から、遠心質量体に加わる遠心力によって前記引き出し方向に一定量スライドされた時点で第1ばね部材の弾性力によって保持された第2内輪に係合したのち、前記第2内輪を第1内輪と回転軸との間から引き出す方向にスライドさせて前記内接を解除させる係合部を有している請求項1記載の軸受装置。
  4. 回転軸、ロータおよびステータを含む電動モータと、
    前記電動モータの回転軸の一端に連結された遠心圧縮機とを備え、
    前記回転軸を請求項1ないし3の何れかに記載の軸受装置によって支持したことを特徴とする燃料電池用圧縮機。
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