JP5167792B2 - 医療機器 - Google Patents

医療機器 Download PDF

Info

Publication number
JP5167792B2
JP5167792B2 JP2007316657A JP2007316657A JP5167792B2 JP 5167792 B2 JP5167792 B2 JP 5167792B2 JP 2007316657 A JP2007316657 A JP 2007316657A JP 2007316657 A JP2007316657 A JP 2007316657A JP 5167792 B2 JP5167792 B2 JP 5167792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
chamber
volume
chambers
variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007316657A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009136519A (ja
JP2009136519A5 (ja
Inventor
毅 瀬戸
和夫 河角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2007316657A priority Critical patent/JP5167792B2/ja
Publication of JP2009136519A publication Critical patent/JP2009136519A/ja
Publication of JP2009136519A5 publication Critical patent/JP2009136519A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5167792B2 publication Critical patent/JP5167792B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/32Surgical cutting instruments
    • A61B17/3203Fluid jet cutting instruments

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)

Description

本発明は、複数の容積可変チャンバを備える流体噴射装置に関する。
噴射される流体による手術は、血管等の脈管構造を保存しながら臓器実質を切開することが可能であり、さらに、切開部以外の生体組織に与える付随的損傷が軽微であることから患者負担が小さく、また、出血が少ないため出血が術野の視界を妨げないことから迅速な手術が可能であり、特に微小血管からの出血に難渋する肝切除等に多く臨床応用されている。
このような噴射される流体による手術装置として、液体噴射部(ノズル)と離間して配設される液体供給制御装置に液体の加圧源としてのポンプを備え、柔軟なチューブで液体を液体噴射部まで導き、高圧連続流として噴射する内視鏡手術装置というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、流体室の容積を変更して流体室に連通する出口流路から接続流路を介して接続流路が穿設された剛性を有する接続流路管先端に設けられるノズルの開口部から液体をパルス状に噴射する流体噴射装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭63−99853号公報(第2頁、図1) 特開2005−152127号公報(第8〜10頁、図1)
上述した特許文献1では、流体の加圧源としてのポンプを有する液体供給制御装置を液体を噴射するノズルから遠い位置にチューブを介して配設されている。従って、液体がチューブを流動している間にチューブ内の流体抵抗により液体の圧力が低下することや、チューブを曲げて使用する場合には流動する液体の圧力が変動し、安定した流体速度の噴射を行えないということが予測される。
また、本発明者が出願した特許文献2では、脈動の波高値、脈動の周波数、流体群を構成する脈動数、流体群と流体群の間隔等の制御パラメタを設定可能である。これらを適切に設定することによって、硬度や構造が場所ごとに変化する生体の軟組織を適切に切除することが可能となっている。しかしながら、接続流路管(接続流路)が剛性を有し、且つ100〜200mmと長いことから接続流路管を流動する間に液体の噴射速度が遅くなることや、接続流路管内の液体の圧力波の反射等の影響により噴射される液滴が合成されてパルス状の噴射ができないことが考えられる。
さらに、接続流路管が剛性を有していること、圧電素子として積層型を採用していることから、カテーテルのように血管内に挿入するような細管の先端に流体噴射部を設けることは困難であると考えられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る流体噴射装置は、容積可変チャンバの内部に設けられる流体室の容積をダイアフラムにより縮小して流体噴射開口部から流体をパルス状に噴射する流体噴射装置であって、前記流体室に流体を供給するチューブと、前記チューブの先端に配設される流体噴射部と、が備えられ、前記流体噴射部には、前記チューブの一端に連通する入口流路と流体を噴射する流体噴射開口部に連通する出口流路との間に複数の前記容積可変チャンバが連通路を介して直列に配設され、流体の流動方向に対して垂直方向の断面積において、前記連通路と前記出口流路と前記入口流路のそれぞれの断面積が、前記流体室よりも小さいことを特徴とする。
このような構成によれば、流体噴射開口部側(以降、先端側または前段側と表すことがある)の容積可変チャンバに対し入口流路側(以降、後段側と表すことがある)の容積可変チャンバは、先端側の容積可変チャンバに圧力を高めた流体を送り込むと共に、先端側の容積可変チャンバの流体室の容積を縮小した際の流体の逆流に対する流体抵抗成分となる。
特に、脳手術のように器具自体に細い形状が要求される場合には、各容積可変チャンバの流体室の縮小量が小さくなるため、先端側の容積可変チャンバ内まで十分な流体供給ができないことが予測される。従って、後段側の容積可変チャンバを設け、先端側の容積可変チャンバに流体を供給することにより、先端側の容積可変チャンバ内へ十分な流体供給を行うことができる。
また、先端側の流体室の内部では、流体室の容積を減じたときに、入口流路に逆流が生じることで適正な液滴がパルス状に噴射できないことがある。そこで、後段の容積可変チャンバの流体室の容積を縮小して流体抵抗成分を発生させ、パルス状の液滴噴射を行うことができるという効果がある。
[適用例2]上記適用例に係る流体噴射装置において、複数の前記容積可変チャンバが、前記容積可変チャンバそれぞれに設けられる前記流体室と前記流体室を互いに連通する前記連通路と、前記流体噴射開口部と前記流体室の一つとを連通する前記出口流路と、前記入口流路それぞれの側壁と、を形成する薄板状のスペーサと、前記スペーサの表裏両面それぞれに密着されるダイアフラムと、前記ダイアフラムの前記流体室の外側表面に設けられる圧電素子と、を有していることが好ましい。
このような構成によれば、流体室、出口流路、入口流路及び連通路は、ダイアフラムで上下の蓋体を、そして側壁をスペーサで構成するため、複数の容積可変チャンバを設ける構成であっても構成部品数を減らすことができ、流体噴射部の小型化を実現できる。
[適用例3]上記適用例に係る流体噴射装置において、前記入口流路と前記流体室と前記連通路と前記出口流路が、ほぼ直線上に配設されていることが好ましい。
出口流路、流体室、連通路、入口流路との間で曲がる流路を構成した場合、曲がり部には流体抵抗が生じる。しかしながらそれぞれを直線上に配設することにより、流路内の流体抵抗を抑制し先端側の流体室に円滑に流体を供給することができる。
また、出口流路、流体室、連通路、入口流路を直線上に配設することで、複数の容積可変チャンバを備える構造であっても、円柱形状の細い流体噴射部を構成することができ、カテーテルのような細管の先端に流体噴射部を設けることができるという効果がある。
[適用例4]上記適用例に係る流体噴射装置において、前記入口流路と前記連通路と前記出口流路の流体流動方向に垂直な断面形状が四角形であることが好ましい。
出口流路、複数の流体室及び連通路及び入口流路の側壁は薄板状のスペーサで形成される。薄板状のスペーサを例えばプレス抜き加工、エッチング加工等でスペーサ本体と一体で形成することが容易に可能であり、上述の各流路の断面形状は四角形となる。この際、各流路の断面積は、高さ寸法はスペーサの厚さが一定であり、側壁の幅寸法を変更することにより容易に所望の断面積とすることができ、流体流量の調整が容易にできるという効果がある。
[適用例5]上記適用例に係る流体噴射装置において、前記流体室の内側側壁の角部が滑らかに丸められていることが好ましい。
流体室の容積をダイアフラムにて縮小し内部の圧力を高めて流体を噴射する装置では、流体室内部に微小な気泡が存在する場合、流体室の圧力を十分高めることができないことが考えられる。そして、気泡は流体室内部の角隅部に滞留しやすい。従って、流体室の内側側壁の角部を滑らかに丸めることにより、気泡の滞留を防止し、流体噴射時に気泡を流体噴射開口部から外部に排出しやすくすることができる。
[適用例6]上記適用例に係る流体噴射装置において、前記連通路の流体が前記流体室に流入する側の幅が、流体の前記流体室から流出する側の幅よりも大きいことが好ましい。
流体の流動方向において、流体が流入する側よりも流出する側の連通路の断面積を小さくすることによる拡散効果により流体を流動しやすくし、逆方向の流体流動においてはノズル効果により流体を流動しにくくする。従って、上述のような構成にすれば、後段側の流体室から前段側の流体室への流動を促し、前段側の流体室から後段側の流体室への流動(つまり、逆流)を抑制することができる。
[適用例7]上記適用例に係る流体噴射装置において、前記流体噴射部が円柱形状であって、前記流体噴射部の直径と前記チューブの直径が概ね等しいことが好ましい。
このような構成によれば、流体噴射部とチューブの直径を概ね同じにすることによって、チューブと同等な直径を有する細管内部(例えば、血管等の脈管構造内部)に挿通することが可能で、抜脱することも容易であって、細管内壁を傷つけることもない。
[適用例8]上記適用例に係る流体噴射装置において、前記流体噴射部の前記流体噴射開口部方向の先端部が概ね半球状に丸められていることが好ましい。
このような構成によれば、流体噴射部の先端部を丸めておくことで、例えばチューブがカテーテルであって血管等の細管に流体噴射部を挿入し易く血管を傷つけることを防止することができる。また、先端部に流体噴射開口部を設けることにより、微小術部を視認しやすくする。
[適用例9]上記適用例に係る流体噴射装置において、複数の前記容積可変チャンバのうち、前記流体噴射開口部に連通する容積可変チャンバを除く少なくとも一つが、流体を滞留するリザーバであることが好ましい。
先端側の流体室を加圧し、その後圧力を開放したときに流体が僅かに流動することがあり、この流体が次の噴射液滴と衝突して適正な液滴を形成しないことがある。そこで、後段の容積可変チャンバをリザーバとして配設することで、圧力解放後の流体の流動を抑制することができる。この際、さらに後段の容積可変チャンバの流体室の容積を復帰させるようにすれば、より一層効果がある。
[適用例10]上記適用例に係る流体噴射装置において、複数の前記容積可変チャンバのうち、少なくとも前記流体噴射開口に連通する流体室の内壁に親水処理が施されていることが望ましい。
流体室の内壁に親水処理を施した場合、内壁面には気泡が滞留しにくくなり、加圧した際に流体と共に気泡を流体噴射開口部より排出するため、流体室を所定の圧力まで高めることができるという効果がある。
[適用例11]上記適用例に係る流体噴射装置において、複数の前記容積可変チャンバそれぞれの流体室の容積変更タイミングを一致させていることが好ましい。
このような構成によれば、先端側(出口流路側)の容積可変チャンバ内の流体室の容積を縮小するタイミングで後段の流体室の圧力を高めることにより、先端側の流体室から後段の流体室への流体の逆流を抑制し、流体噴射開口部から適正サイズの液滴をパルス状に噴射させることができる。
[適用例12]上記適用例に係る流体噴射装置において、複数の前記容積可変チャンバのうち、前記出口流路側の容積可変チャンバに対して、前記入口流路側の容積可変チャンバ内の流体室の容積変更タイミングを先行させることが望ましい。
このような構成によれば、流体噴射開口部に各々の容積可変チャンバで生成された圧力波が到達する時刻を同時にすることができ、流体噴射開口部から強くシャープな液滴の噴射が実現できる。
[適用例13]上記適用例に係る流体噴射装置において、複数の前記容積可変チャンバのうち、前記流体噴射開口部側の容積可変チャンバに対して、前記入口流路側の容積可変チャンバの流体室の容積変更タイミングを遅延させることが望ましい。
このような構成によれば、流体噴射開口部に次々に圧力波が到達するために、比較的遅い液滴の噴射が長く続く状態となり、柔らかい組織の切除に有効である。
[適用例14]上記適用例に係る流体噴射装置において、前記容積変更タイミングの先行時間または遅延時間が、駆動信号の1/2周期以内であることが望ましい。
このような構成によれば、先端側の容積可変チャンバの流体室と後段の容積可変チャンバの流体室との容積変更タイミングを駆動信号の1/2周期以内とすることで、上述した容積変更タイミングをずらすことから得られる効果を有する流体噴射装置を実現することができる。
以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は実施形態1に係る流体噴射装置を示し、図6は実施形態2、図7は実施形態3を示している。
なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明による流体噴射装置は、インク等を用いた描画、細密な物体及び構造物の洗浄、手術用メス等様々に採用可能であるが、以下に説明する実施の形態では、血管内に挿入し血栓等を除去する目的で用いるカテーテルの先端に設置することに適した流体噴射装置、あるいは生体組織を切開または切除することに好適な流体噴射装置を例示して説明する。従って、実施の形態にて用いる流体は、水または生理食塩水であり、以降、これら流体を総称して液体と表す。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る流体噴射装置の概略構成の一例を示す説明図である。図1において、流体噴射装置100は、基本構成として液体を収容し、その液体を供給する流体供給部としての輸液バッグを含む駆動制御部110と、液体を脈動に変化させる流体噴射部10と、駆動制御部110と流体噴射部10とを連通するチューブ80と、を備えている。流体噴射部10は、液体を脈動に変化させて液滴200としてパルス状に高速噴射させる。
駆動制御部110には、図示しない駆動波形生成回路部と駆動制御回路部とが備えられ、術部の硬度等の条件に対応して駆動波形を調整する調整装置が備えられている。
次に、図2〜図4を参照して本実施形態の流体噴射装置について説明する。
図2は、実施形態1に係る流体噴射部の断面中心軸Sに沿って垂直に切断した断面図、図3は断面中心軸Sを水平に切断した断面図(図2のA−A方向切断面)、図4(a)は流体噴射部10の先端方向から視認した正面図、図4(b)は図2のB−B切断面を示す断面図、図4(c)は図2のC−C切断面を示す断面図である。図2〜図4において、流体噴射部10は、内部に複数の容積可変チャンバを備えて構成されている。
複数の容積可変チャンバは、流体噴射部10の出口流路31に連通する先端側の容積可変チャンバ21(以降、単に容積可変チャンバ21と表す)と、容積可変チャンバ21に対して入口流路37側に配設される後段側の容積可変チャンバ22,23(以降、単に容積可変チャンバ22,23と表す)とから構成される。
なお、容積可変チャンバは、図2では3個構成を例示しているが、2個または4個以上備える構成としてもよい。
流体噴射部10は、断面中心軸Sに沿って形成される薄板状のスペーサ61の表面にダイアフラム40が、裏面にダイアフラム41がそれぞれ密着固定されている。スペーサ61は図3に示すように、容積可変チャンバ21〜23それぞれの位置に平面形状が略四角形の開口部32,34,36とが形成されている。開口部32,34,36は、ダイアフラム40,41によって表裏が封止され、ダイアフラム40が上蓋、ダイアフラム41が下蓋、そしてスペーサ61が側壁となる流体室62,63,64が構成される(図4(b)も参照する)。
また、スペーサ61の先端部11側にはスリットが設けられ、ダイアフラム40が上蓋、ダイアフラム41が下蓋、そしてスペーサ61が側壁となる出口流路31が形成される(図4(a)、参照)。スペーサ61には、開口部32と開口部34との間、開口部34と開口部36との間にはそれぞれスリットが設けられ、ダイアフラム40が上蓋、ダイアフラム41が下蓋、そしてスペーサ61が側壁となる連通路33,35が形成される。さらに、開口部36の他端にもスリットが設けられ、ダイアフラム40が上蓋、ダイアフラム41が下蓋、そしてスペーサ61が側壁となる入口流路37が形成される。
このようにスペーサ61とダイアフラム40,41によって構成される出口流路31、連通路33,35、入口流路37、及び流体室62〜64の液体流動方向に対して垂直方向の断面形状(図4(a)〜(c)、参照)は四角形であり、出口流路31、連通路33,35及び入口流路37の断面積は流体室62〜64の断面積よりもはるかに小さい。
なお、図3に示すように、スペーサ61は、開口部32(流体室62)内側側壁の4隅の角部32a、開口部34(流体室63)内側側壁の4隅の角部34a、及び開口部36(流体室64)内側側壁の4隅の角部36aは滑らかに丸められている。
さらに、図3に示すように、連通路33は、先端側の開口部32(流体室62)との連通部の幅が開口部34(流体室63)との連通部の幅よりも大きい。また、連通路35は、開口部34(流体室63)との連通部の幅が開口部36(流体室64)との連通部の幅よりも大きく設定される。
また同様に、入口流路37においても、開口部36(流体室64)との連通部の幅が、チューブ80側の幅よりも大きく設定されることがより好ましい。
出口流路31においては、液体のノズル効果を得るためには、流体室62との連通部の断面積を流体噴射開口部30との連通部の断面積よりも小さくすることが望ましいが、流体室62からの液体の流動性と、液滴の噴射方向を安定させることを考慮して断面中心軸Sに対して側壁を平行となるように形成している。
なお、連通路33の断面積を均一にし、流体室62との連通部を丸めて断面積を広くし、また、連通路35の断面積を均一にし、流体室63との連通部を丸めて断面積を広くする構造としてもよく、同様に、入口流路37の断面積を均一にし、流体室64との連通部を丸めて断面積を広くする構造としてもよい。
スペーサ61は、断面中心軸Sの両側に、スペーサ61aとスペーサ61bとを個別に形成し水平に配設する構成としてもよく、流体噴射部10の両端外側でスペーサ61aとスペーサ61bとが接続されたものを、上枠71と下枠81を固定した後、その接続部を切断する構成としてもよい。
スペーサ61をスペーサ61aとスペーサ61bとで一体にて形成する場合は、出口流路31,流体室62〜64、連通路33,35及び入口流路37の幅寸法、相互位置が正確に形成することが可能で、高さ寸法はスペーサ61の厚さで決定されるため、液体の流量の寸法によるばらつきを抑えることができる。
また、スペーサ61の形成手段としては、プレス加工、エッチング加工等を採用することができる。
なお、流体室62及び出口流路31の内壁面には親水処理が施されている。親水処理は、流動する液体と内壁面との間に気泡が付着し滞留することを防止するために施される。従って、流体室62及び出口流路31を含めて液体が流動する壁面の全てに親水処理を施すことがより好ましい。
ダイアフラム40の各流体室と対向する外側表面には、圧電素子51,53,55が密着形成されている。圧電素子51,53,55はそれぞれ、開口部32,34,36の平面積より小さい範囲で形成されている。
また、ダイアフラム41の各流体室と対向する外側表面には、圧電素子52,54,56が密着形成されている。圧電素子52,54,56はそれぞれ、開口部32,34,36の平面積より小さい範囲で形成されている。
圧電素子51〜56は、ダイアフラム表面から下部電極、圧電薄膜、上部電極が積層形成されて構成され、圧電薄膜の材質は共通であり分極方向を一致させている。
また、各圧電素子の下部電極同士、上部電極同士はそれぞれ同電位の電圧が印加されるよう配線される(図示は省略)。
圧電素子51,53,55が形成されたダイアフラム40の表面には、筐体の一方の一部である上枠71が密着固定される。上枠71には、ダイアフラム40の駆動範囲の周囲を密着固定できるような空間72〜74が設けられ、空間72〜74はダイアフラム40と上枠71とで封止されている。
また、圧電素子52,54,56が形成されたダイアフラム41の表面には、筐体の他方の一部である下枠81が密着固定される。下枠81には、ダイアフラム41の駆動範囲の周囲を密着固定できるような空間82〜84が設けられている。従って、空間82〜84はダイアフラム41と下枠81とで封止されている。
ここで、スペーサ61とダイアフラム40と上枠71、スペーサ61とダイアフラム41と下枠81とは互いに、接着固定、陽極接合、ロウ付け、溶接等の接合技術を用いて密着固定され、流体噴射部10が構成される。
流体噴射部10は、上枠71、下枠81とで筐体が構成され円柱形状をなし、先端部11は半球状に滑らかに丸められており、術部に損傷を与えたり、血管内に挿入する際の挿入抵抗を減じている。
また、流体噴射部10の基端部12には、チューブ嵌着部75が設けられており、このチューブ嵌着部75にチューブ80が嵌着され、入口流路37と連通される。チューブ80の直径は、流体噴射部10の直径と概ね等しく設定され、どちらか一方が径方向に突出しないように設定される。
続いて、本実施形態による流体噴射装置100における液体の流動の概要を簡単に説明する。駆動制御部110内部には液体容器と液体容器に接続された圧力発生部(共に図示は省略)が内蔵されている。圧力発生部はチューブ80に液体を送出するように接続されている。液体容器に収容されている液体は、圧力発生部によって一定の圧力でチューブ80を介して入口流路37に供給される。さらに液体は流体室64、連通路35、流体室63、連通路33、流体室62、出口流路31を通って流体噴射開口部30から噴射される。
なお、液体容器は、駆動制御部110から分離し、流体噴射部10に対して高い位置に配設して、液体容器と流体噴射部10との位置水頭の差によって生じる圧力差を利用して流体噴射部10に液体を一定の圧力で流入させる構成としてもよい。
次に、本実施形態における液体噴射動作について図2を参照して説明する。流体噴射部10による液滴噴射は、入口流路側のイナータンスL1(入口流路側の合成イナータンスL1と呼ぶことがある)と出口流路側のイナータンスL2(出口流路側の合成イナータンスL2と呼ぶことがある)の差によって行われる。
まず、イナータンスについて説明する。
イナータンスLは、流体の密度をρ、流路の断面積をS、流路の長さをhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差をΔP、流路を流れる流体の流量をQとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンスLは、流量の時間変化に与える影響度合いを示しており、イナータンスLが大きいほど流量の時間変化が少なく、イナータンスLが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
また、複数の流路の並列接続や、複数の形状が異なる流路の直列接続に関する合成イナータンスは、個々の流路のイナータンスを電気回路におけるインダクタンスの並列接続、または直列接続と同様に合成して算出することができる。
本実施形態では、容積可変チャンバが複数備えられていることで、容積可変チャンバ21にとっては、出口流路31の範囲のイナータンスが出口流路側イナータンスL2、連通路33から入口流路37の範囲が入口流路側の入口流路側合成イナータンスL1と考えることができる。
また、容積可変チャンバ22にとっては、連通路33の範囲が出口流路側イナータンスL2、連通路35から入口流路37の範囲が入口流路側合成イナータンスL1と考えることができる。
また、容積可変チャンバ23にとっては、連通路35の範囲が出口流路側イナータンスL2、入口流路37の範囲が入口流路側合成イナータンスL1と考えることができる。
なお、流体噴射部10と接続するチューブ80は柔軟性を有するため、入口流路側のイナータンスL1の算出から削除する。
そして、本実施形態では、各容積可変チャンバにおいて、入口流路側のイナータンスL1が出口流路側のイナータンスL2よりも大きくなるように、入口流路37、連通路33,35及び出口流路31の流路長及び断面積を設定する。
次に、流体噴射部10の動作について説明する。図2,4を参照して説明する。まず、各容積可変チャンバの個別の基本動作は同じであるので、容積可変チャンバ21を例示して説明する。容積可変チャンバ21は、駆動制御部110に含まれる駆動波形生成回路部によって形成された駆動波形を駆動制御回路部から圧電素子51,52に印加する。
図5は、本実施形態における駆動波形の一例とダイアフラムの変位について模式的に示す説明図である。(a)は駆動波形を、(b)はダイアフラムの変位量(流体室の容積変更量に置き換えることができる)を表している。この例示における流体噴射部駆動電圧P2は、位相が−π/2から始まる正弦波の整数個の連続波形で構成される脈動部と、休止部(休止時間Iと表す)と、から構成されるものとする。なお、脈動部の波形は振幅A、周期T、連続する正弦波の個数nで表される。この脈動部の波形はバースト波の場合を例示している。
流体室62には、入口流路37から流体室64、連通路35、流体室63、連通路33を介して液体が供給される。ここで、圧電素子51,52の両方に図5(a)に示す駆動信号が入力され、圧電素子51,52が充電され急激に圧電素子51,52が収縮したとすると、ダイアフラム40,41は流体室62の容積を縮小する方向に急激に凸状に変位する。その結果、流体室62内の圧力は、入口流路側及び出口流路側のイナータンスL1,L2が十分な大きさを有していれば急速に上昇して数気圧に達する。
この圧力は、入口流路37に加えられていた圧力発生部による圧力よりはるかに大きいため、入口流路側から流体室62内への液体の流入はその圧力によって減少し、出口流路31からの流出は増加する。しかし、入口流路側の合成イナータンスL1は、出口流路側のイナータンスL2よりも大きいため、入口流路37から流体室62内への液体の流入の減少量より出口流路31からの流出の増加量が大きい。
その結果、出口流路31を通じて、流体噴射開口部30からパルス状の流体吐出、つまり、高速の液滴200がパルス状に噴射される。
一方、流体室62の容積を縮小した後、流体噴射部駆動電圧P2の電圧低下に伴い圧電素子51,52は放電し初期状態に復帰する。流体室62内は、入口流路側からの液体流入量の減少と出口流路31からの液体流出の増加との相互作用で、圧力上昇後に低圧若しくは真空状態となり、入口流路側から液体が流体室62内に流入する。その後、圧電素子51,52の収縮があれば、流体噴射開口部30から高速のパルス状の液滴を継続して噴射することができる。
なお、本実施形態では、先端側の容積可変チャンバ21に対して後段側に2個の容積可変チャンバ22,23が備えられている。ここで、少なくとも先端側の容積可変チャンバ21(つまり圧電素子51,52)と後段側の容積可変チャンバ22(つまり圧電素子53,54)に同位相の駆動波形を印加する。すると、圧電素子51〜54は同じタイミングで収縮または開放される。つまり、流体室62と流体室63は同じタイミングで容積が縮小され、同じタイミングで初期の容積に復帰する。容積可変チャンバ22より後段の容積可変チャンバ23にも同じタイミングで駆動波形を印加される。
このようにすれば、流体室62と流体室63,64とが、同じタイミングで容積が変更されるため、後段の容量可変チャンバは前段側の容積可変チャンバに対して液体の供給機構となると共に、容積変更時における液体の逆流に対しては大きな流体抵抗となる。なお、容積可変チャンバ22は容積可変チャンバ23の前段、容積可変チャンバ23は容積可変チャンバ22の後段と置き換えて説明することができる。
従って、上述した実施形態1によれば、流体噴射開口部30側の容積可変チャンバ21に対し後段側の容積可変チャンバ22は、流体室62内に圧力を高めた液体を送り込むと共に、流体室62の容積を縮小した際の液体の逆流に対する流体抵抗成分となる。
特に、脳手術のように器具自体に細い形状が要求される場合には、各容積可変チャンバの流体室の縮小量が小さくなるため、容積可変チャンバ21(流体室62)内へ十分な液体供給ができないことが考えられる。しかし、後段の容積可変チャンバ22を設け、容積可変チャンバ21に液体を供給することにより十分な流体供給を行うことができる。
また、流体室62の内部では、容積を縮小したときに、入口流路側に逆流が生じることで適正なサイズ、大きさの液滴がパルス状に噴射できないことがある。そこで、後段の容積可変チャンバ22の流体室63の容積を縮小し流体抵抗成分を発生させ、パルス状の液滴噴射を行うことができるという効果がある。
また、流体室62〜64、出口流路31、入口流路37及び連通路33,35は、ダイアフラム40,41で上蓋及び下蓋を、スペーサ61(スペーサ61a、61b)で側壁を形成するため、複数の容積可変チャンバを設ける構成であっても、構成部品数を減らすことができ、流体噴射部の小型化を実現できる。
また、出口流路31、入口流路37、連通路33,35を断面形状が円形の孔で形成することは、加工上それらの直径を小さくすることが困難であるが、スペーサ61にスリットを設けることで出口流路31、入口流路37、連通路33,35を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、入口流路37と連通路33,35と流体室62〜64と出口流路31とが、ほぼ直線上に配設されている。出口流路31、流体室62,63,64、連通路33,35、入口流路37との間のいずれかに曲がる流路を構成した場合、曲がり部には流体抵抗が生じる。しかしながら流路それぞれを直線上に配設することにより、各流路間の流体抵抗を抑制し先端側の流体室62に円滑に液体を供給することができる。
さらに、流路を直線上に配設することで、複数の容積可変チャンバを備える構造であっても、円柱形状の細い流体噴射部10を構成することができ、カテーテルのような細管の先端に流体噴射部10を設けることができるという効果がある。
また、流体噴射部10の流路の側壁は流体室を構成する開口部を含めて、薄板状のスペーサ61をプレス抜き加工、エッチング加工等で形成することが容易に可能であり、上枠71、下枠81で上蓋及び下蓋を構成する上述の各流路の断面形状は四角形となる。この際、各流路の断面積は、高さ寸法はスペーサ61の厚さで一定であり、側壁の幅寸法を変更することにより容易に所望の断面積とすることができ、液体の流量調整が容易にできるという効果がある。
また、本実施形態では、流体室62〜64それぞれの内側側壁の角部が滑らかに丸められている。流体室の容積をダイアフラムにて縮小し流体室内部の流体を噴射する装置では、流体室内部に微小な気泡が存在する場合、流体室内の圧力を十分高めることができないことがあり、気泡は流体室内部の角隅部に滞留しやすい。従って、流体室62〜64の内側側壁の角部を滑らかに丸めることにより、気泡の滞留を防止し、流体噴射時に気泡を外部に排出しやすくすることができる。
また、連通路33,35それぞれの液体が流体室62,63に流入する側の幅を、液体が流体室62,63から流出する側の幅よりも大きくしている。流体の流動方向において、流体が流入する側よりも流出する側の連通路33,35の断面積を小さくすることによる拡散効果により流体を流動しやすくし、逆方向の流体流動においてはノズル効果により流体を流動しにくくする。従って、このような構成にすれば、後段側の流体室から前段側の流体室への流動を促し、前段側の流体室から後段側の流体室への流動(つまり、逆流)を抑制することができる。
また、流体噴射部10は円柱形状をなし、流体噴射部10の直径とチューブ80の直径を概ね等しくし、流体噴射部10の先端部11を概ね半球状に丸めている。
このようにすれば、チューブ80と同等な直径を有する細管内部(血管等)に挿通することが可能で、抜脱することも容易であって、細管内壁を傷つけることがなく、血栓等を除去する手術に適合することができる。
また、流体室62,63,64の全て、または少なくとも出口流路31に連通する流体室62の内壁に親水処理を施している。
流体室の内壁に親水処理を施した場合、内壁面には気泡が滞留しにくくなり、加圧した際に流体と共に気泡を流体噴射開口部30より排出することができ、流体室62を所定の圧力まで高めることができるという効果がある。
また、本実施形態では、容積可変チャンバ21,22,23それぞれの容積変更タイミングを一致させている。このようにすれば、流体噴射開口部30に各々の容積可変チャンバで生成された圧力波が到達する時刻を同時にすることができ、流体噴射開口部30から強くシャープな液滴の噴射が実現できる。
(実施形態1の変形例)
この変形例は、前記複数の容積可変チャンバのうち、流体噴射開口部(出口流路)に連通する容積可変チャンバを除く後段の容積可変チャンバの少なくとも一つが、液体を滞留するリザーバとすることを特徴とする。図示は省略するが、図2を参照し容積可変チャンバ22をリザーバとする場合を例示して説明する。この例の構成は、容積可変チャンバ22の構成は実施形態1と同じ構成にしておき駆動信号を入力しない構成と、圧電素子53,54を付加しない構成とがある。いずれの構成でも、流体室63は液体を滞留する空間である。
このような構成では、先端側の流体室62の容積を縮小し、その後開放したときに液体が僅かに出口流路31に流動することがあり、この液体が次の噴射液滴と衝突して適正な液滴形状を形成しないことがある。そこで、後段の容積可変チャンバをリザーバとして配設することで、リザーバを液体流動の緩衝帯とし圧力解放後の液体の流動を抑制することができる。この際、さらに後段の容積可変チャンバ23の流体室64の容積を復帰するようにすれば、より一層効果がある。
なお、容積可変チャンバ22以外に、さらに後段の容積可変チャンバ23をリザーバとしてもよく、容積可変チャンバ22,23の両方をリザーバとすることができる。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る流体噴射部の動作について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1が、各容積可変チャンバの駆動信号の位相を合わせ流体室の容積変更タイミングを一致させていることに対して、前段の容積可変チャンバに対して後段の容積可変チャンバの駆動信号の位相を先行させていることに特徴を有する。流体噴射部の構造は実施形態1(図2〜図4、参照)と同じであるため説明を省略する。
図6は、実施形態2に係る駆動波形の一例とダイアフラムの変位について模式的に示す説明図である。(a)は駆動波形、(b)はダイアフラムの変位量を表している。容積可変チャンバ21と容積可変チャンバ22の関係を例示して説明する。
容積可変チャンバ21と容積可変チャンバ22それぞれに加えられる駆動波形は、振幅A、周期T、連続する正弦波の個数n、休止時間Iは同じであるが、容積可変チャンバ21に加えられる駆動波形に対して容積可変チャンバ22に加えられる駆動波形の位相を先行させている。
このようにすれば、流体噴射開口部30に各々の容積可変チャンバで生成された圧力波が到達する時刻を同時にすることができ、流体噴射開口部30から強くシャープな液滴の噴射が実現できる。
なお、容積可変チャンバ22と容積可変チャンバ23の関係も同様であり、容積可変チャンバ22に対して容積可変チャンバ23に加える駆動波形の位相を先行させれば、容積可変チャンバ22の流体室63内に加圧された液体を送り込み、さらに先端側の容積可変チャンバ21内の圧力をより一層高めることができるという効果がある。
(実施形態3)
続いて、実施形態3に係る流体噴射部の動作について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1が、各容積可変チャンバの駆動振動の位相を合わせ流体室の容積変更タイミングを一致させていることに対して、前段の容積可変チャンバに対して後段の容積可変チャンバの駆動信号の位相を遅延させていることに特徴を有する。流体噴射部の構造は実施形態1(図2〜図4、参照)と同じであるため説明を省略する。
図7は、実施形態3に係る駆動波形の一例とダイアフラムの変位について模式的に示す説明図である。(a)は駆動波形、(b)はダイアフラムの変位量を表している。容積可変チャンバ21と容積可変チャンバ22の関係を例示して説明する。
容積可変チャンバ21と容積可変チャンバ22に加えられる駆動波形は、振幅A、周期T、連続する正弦波の個数n、休止時間Iは同じであるが、容積可変チャンバ21に加えられる駆動波形に対して容積可変チャンバ22に加えられる駆動波形の位相を遅延させている。
このようにすれば、流体噴射開口部30に次々に圧力波が到達するために、比較的遅い液滴の噴射が長く続く状態となり、柔らかい組織の切除に有効である。
なお、容積可変チャンバ22と容積可変チャンバ23の関係も同様であり、容積可変チャンバ22に対して容積可変チャンバ23に加える駆動波形の位相を遅延させれば、容積可変チャンバ22の流体室63内に加圧された液体を送り込み、さらに先端側の容積可変チャンバ21内の圧力をより一層高めることができるという効果がある。
なお、上述した実施形態2及び実施形態3に記載の駆動波形の印加の先行時間または遅延時間(つまり、流体室の容積変更タイミング)は、駆動信号の1/2周期以内としている。
このようにすることで、流体室流体室62の容積を縮小する際の後段の流体室への液体の逆流を抑制し流体室62の内部圧力を高め、高速の液滴噴射を促す。また、液体の反射波の発生を抑制し適切な液滴形状及びサイズの液滴をパルス状に噴射させることができる。
なお、前述した実施形態2及び実施形態3では、前段の容積可変チャンバに対して後段の容積可変チャンバ22,23のそれぞれの駆動波形を加えるタイミングを共に先行または遅延させているが、容積可変チャンバ22,23のそれぞれを容積可変チャンバ21に対してタイミングを遅延または先行または一致させるという組み合わせにしてもよい。
また、前述した実施形態1では、複数の容積可変チャンバの構成を同じにした例を示しているが、容積可変チャンバ21,22,23において、流体室の平面サイズを互いに変えることができ、後段の容積可変チャンバに設ける圧電素子をダイアフラム40またはダイアフラム41のどちらかに設ける構造としてもよい。これらの組み合わせ設定は、噴射速度、液滴サイズに対応して適宜選択することができる。
実施形態1に係る流体噴射装置の概略構成の一例を示す説明図。 実施形態1に係る流体噴射装置の断面中心軸Sを垂直に切断した断面図。 実施形態1に係る流体噴射装置の断面中心軸Sを水平に切断した断面図。 (a)は流体噴射部の先端方向から視認した正面図、(b)は図2のB−B切断面を示す断面図、(c)は図2のC−C切断面を示す断面図。 実施形態1における駆動波形の一例とダイアフラムの変位について模式的に示す説明図であり、(a)は駆動波形、(b)はダイアフラムの変位量を表す。 実施形態2に係る駆動波形の一例とダイアフラムの変位について模式的に示す説明図であり、(a)は駆動波形、(b)はダイアフラムの変位量を表す。 実施形態3に係る駆動波形の一例とダイアフラムの変位について模式的に示す説明図であり、(a)は駆動波形、(b)はダイアフラムの変位量を表す。
符号の説明
10…流体噴射部、21,22,23…容積可変チャンバ、30…流体噴射開口部、31…出口流路、33,34…連通路、37…入口流路、40,41…ダイアフラム、62〜64…流体室、80…チューブ、100…流体噴射装置。

Claims (10)

  1. 流体室の容積を変更して流体噴射開口部から流体を噴射する流体噴射装置であって、
    前記流体室に流体を供給するチューブと、
    前記チューブの先端に配設される流体噴射部と、が備えられ、
    前記流体噴射部には、前記チューブの一端に連通する入口流路と流体を噴射する流体噴射開口部に連通する出口流路との間に複数の前記容積可変チャンバが連通路を介して直列に配設され、
    流体の流動方向に対して垂直方向の断面積において、前記連通路と前記出口流路と前記入口流路のそれぞれの断面積が、前記流体室の断面積よりも小さいことを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置において、
    複数の前記容積可変チャンバが、前記容積可変チャンバそれぞれに設けられる前記流体室と前記流体室を互いに連通する前記連通路と、前記流体噴射開口部と前記流体室の一つとを連通する前記出口流路と、前記入口流路それぞれの側壁と、を形成する薄板状のスペーサと、前記スペーサの表裏両面それぞれに密着されるダイアフラムと、前記ダイアフラムの前記流体室の外側表面に設けられる圧電素子と、を有していることを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体噴射装置において、
    前記入口流路と前記流体室と前記連通路と前記出口流路との、流心が直線上になるように、前記入口流路と前記流体室と前記連通路と前記出口流路とを、配設されていることを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記連通路の流体が前記流体室に流入する側の幅が、流体の前記流体室から流出する側の幅よりも大きいことを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記流体噴射部が円柱形状であって、前記流体噴射部の直径と前記チューブの直径が概ね等しいことを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    複数の前記容積可変チャンバのうち、前記流体噴射開口部に連通する容積可変チャンバを除く少なくとも一つが、流体を滞留するリザーバであることを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    複数の前記容積可変チャンバそれぞれの流体室の容積変更タイミングを一致させていることを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    複数の前記容積可変チャンバのうち、前記出口流路側の容積可変チャンバに対して、前記入口流路側の容積可変チャンバ内の流体室の容積変更タイミングを先行させることを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  9. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    複数の前記容積可変チャンバのうち、前記流体噴射開口部側の容積可変チャンバに対して、前記入口流路側の容積可変チャンバの流体室の容積変更タイミングを遅延させることを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
  10. 請求項8または請求項9に記載の流体噴射装置において、
    前記容積変更タイミングの先行時間または遅延時間が、駆動信号の1/2周期以内であることを特徴とする流体噴射装置を備える医療機器
JP2007316657A 2007-12-07 2007-12-07 医療機器 Expired - Fee Related JP5167792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007316657A JP5167792B2 (ja) 2007-12-07 2007-12-07 医療機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007316657A JP5167792B2 (ja) 2007-12-07 2007-12-07 医療機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009136519A JP2009136519A (ja) 2009-06-25
JP2009136519A5 JP2009136519A5 (ja) 2010-11-25
JP5167792B2 true JP5167792B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=40867799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007316657A Expired - Fee Related JP5167792B2 (ja) 2007-12-07 2007-12-07 医療機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5167792B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4655163B1 (ja) * 2009-08-26 2011-03-23 セイコーエプソン株式会社 流体噴射装置、流体噴射装置の制御方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004019615A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Energy Support Corp マイクロポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009136519A (ja) 2009-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9730723B2 (en) Fluid injection device
JP4311483B2 (ja) 液体噴射装置およびそれを用いた手術器具
EP2286745B1 (en) Fluid ejection device
JP2009045167A (ja) 流体噴射装置
JP5862020B2 (ja) 流体噴射装置
JP2012040222A (ja) 液体噴射装置、および液体噴射装置を用いた医療機器
US20100082054A1 (en) Fluid ejection device and fluid ejection method
JP2009285116A (ja) 流体噴射装置、流体噴射装置の駆動方法、手術装置
JP5167792B2 (ja) 医療機器
JP2010059939A (ja) 流体噴射装置、流体噴射装置の制御方法および手術装置
JP2010077949A (ja) 流体噴射装置、配管部材の成形方法、流体噴射ユニット、及び手術装置
JP5870565B2 (ja) 液体噴射装置
JP2009214192A (ja) 流体噴射装置
JP2009108866A (ja) 流体噴射装置
JP5509766B2 (ja) 流体噴射装置および治療機器
JP5724404B2 (ja) 液体噴射装置
JP2013056014A (ja) 液体噴射装置
JP2014195671A (ja) 流体噴射装置用駆動制御部および手術機器
JP2013056015A (ja) 液体噴射装置
JP2014061414A (ja) 流体噴射装置および手術用メス

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101013

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5167792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees