JP5166787B2 - 物品収納構造体 - Google Patents
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Description
そこで、例えば、特開2000−236929号では、物品を出し入れするための開閉可能な開口を少なくともその上端に開口させてなる鞄等の収納空間に配置され該収納空間を仕切るために用いられるものであって、小物等を保持するためのホルダ部材を、前記収納空間の少なくとも上部に位置する壁面に、取付部を介して位置変更可能に取付け得るように構成しており、正面視長方形状をなし、その長辺部分及び短辺部分にそれぞれ取手を設けてあり、長辺部分に設けた取手は横長の収納空間から取り出すときに使用し、短辺部分に設けた取手は縦長の収納空間から取り出すときに使用する収納用仕切が提案されている。
しかし、上記構成では、ホルダー部を壁面に位置変更可能に取付けるために一対の面ファスナーを用いているが、面ファスナーではホルダー部が上下に並んだ際に、上にあるホルダー部を横にずらして下にあるホルダー部から被収納物を取り出すことはできず、いちいちホルダー部を壁面から外す必要があった。
また、面ファスナーによる係合であるため、一旦係合したホルダー部の位置を微調整することはできず、壁面から外して改めて位置決めしなければならいという不具合があった。
面ファスナーに替えて凹凸係合するホックの一方をホルダー部に取付け、他方を壁面に取り付ける構造も知られているが、この場合もホルダー部の位置を動かすには上記と同様の問題があった。
基板と、
該基板上から外方へ突出する頸部と該頸部より大きく形成されて突出側の外端面が湾曲面に形成された頭部とからなる合成樹脂製のレール部と、
該レール部の頸部および頭部に嵌合可能な蟻溝形状の溝部を有するランナー部と、
該ランナー部の溝部に僅かに突出して該溝部の延出方向に沿って延びており、レール本体と接触して摺動時に摩擦抵抗を調整してランナー部の摺動速度を調整しうる抵抗部と、
前記ランナー部に固定されるホルダー部とからなって、
前記ランナー部は、レール本体の頭部の上からレール本体に嵌着され、レール本体に沿って摺動しうることを特徴とする。
請求項2の発明では、
前記レール部が、基板に固定されたレールベース部と、
該レールベース部の中央で外方へ突出する頸部と該頸部より大きく形成された断面略円形状または断面略楕円形状の頭部とからなるレール本体とからなることを特徴とする。
請求項3の発明では、
前記基板が可撓性を有する素材からなっており、
レール部のレールベース部が基板に一体に形成され、または縫着されており、
レール部が基板と共に撓みうることを特徴とする。
請求項4の発明では、
前記ランナー部が断面矩形のブロックからなって、内面の中央で開口する溝部を有しており、
レールベース部に、レール部の頭部と平行に延びて、前記ランナー部の摺動方向の縁部に対応する位置でランナー部の摺動方向の縁部の内面との間に空隙を形成するための補助溝部を設けてなることを特徴とする。
請求項5の発明では、
ランナー部は、金属またはレール部より硬質の合成樹脂からなっていることを特徴とする。
請求項6の発明では、
前記物品収納構造体が、かばん類および袋物に収納されて複数の被収納物を区分けして収納する小物類収納具からなっていることを特徴とする。
また、レール部は、合成樹脂からなっているので、耐久性に優れ、着色やメッキなどの装飾が容易であり、また熱可塑加工により端部処理をしたり、レール形状に段部を設け部分的に抵抗を設けるなどの加工を施すこともできる。
更に、基板が可撓性を有する場合には、基板と共に撓ませることができるので、任意の収納空間で利用することができる。
また、従来のホックと異なりグリップする力の調整が可能になる。
以下に、この発明の物品収納構造体を鞄やハンドバッグなどのかばん類や袋物などの収納空間内に収納される小物類収納具に適用した場合の実施の形態について図を参照しながら説明する。
基板2は、プレート状のベースであって、かばん類等の収納空間に収納される。
本実施例では、基板2はかばん類や袋物等に収納されるので、その素材は可撓性を有することが好ましい。
収納空間となるかばん類など共に撓んだり、これらから取り出す際に取り出しやすくするためである。
本実施例では、板紙や折り重ねた布材、または合成樹脂板を芯材とし、布カバーで覆って装飾した構成からなっているが、この発明では単なる板状に形成されていればよく、独立した板状体でも、あるいは物の一部の壁面を構成するものであってもよい。
レール部3は弾性、可撓性を有する合成樹脂からなっており、図3および図4に示すように、レールベース部4とレール本体5とからなっている。
レールベース部4は、帯状体からなっており、厚みを均一としてもよいが、表面が中央に向かって徐々に且つ僅かに隆起する傾斜面14とすることが好ましい。
図示例では、レールベース部4は、縦12mm、横500mm、厚みを1.4mmとした場合に、上記傾斜面14は約0.1mm程度の高低差となっているが、この発明では上記数値に限定されるものではない。
レール本体5は、レールベース部4から外方へ立ち上がる頸部6と、該頸部6より大きく形成された断面略円形状の頭部7とからなっている。
そして、前記レールベース部4は、その両側で前記基板2に縫合Sされてレール部3を固着している。
本実施例では、レール部3は、基板2と別体で、縫着された例を示したが、この発明では接着剤や固定具を用いてレールベース部4を基板2に固定するものでもよく、あるいは溶着するものでもよい。
更に、基板2にレール部3を一体に形成するものであってもよい。この場合、レールベース部4を設けてもよいが、基板2をレールベース部として基板2からレール本体5が直接に突出する構成であってもよい。
合成樹脂は熱により容易に変形しうるので、例えばレール本体5の端部に熱を加えて潰すことにより、レール部3の端部処理をしてランナー部8の抜け落ちを防止することができる。
更に、レール部3の頭部7に熱を加えて、等間隔に段部を加工することで、ランナー部8の摺動に際しての摩擦抵抗を変化させ、レール部3の摺動にクリック感を与えるなどの加工を容易に遂行することができる。
ランナー部8は、本実施例では断面矩形のブロックからなって、その内面で中央に沿って開口し前記レール本体5に嵌合可能な蟻溝形状の溝部9を有している。
ランナー部8の一例を示すと、縦3.6mm、横20mmまたは22mm、厚みを3.3mmとする直方体のブロックからなっており、溝部9は、底面に2,5〜2.7mmの開口幅で開口部9aを有しており、また溝部9の最大幅は3.1〜3.6mmに設定され、深さは2.6mmに設定されているが、この発明では上記数値に限定されるものではない。
また、上記ランナー部8の外面には、後述のホルダー部12を固着するために折り曲げて使用される一対の取付片10が設けられている。
ホルダー部12は、例えば、携帯電話や眼鏡、筆記用具、キーケースなどの被収納物Gを収納するもので、例えば大小各種サイズのものを用意しておくことが好ましい。
そして、ホルダー部12には、前記取付片10が係止または固着されてランナー部8が取り付けられる。
上記構成からなっているので、使用に際しては、ホルダー部12に被収納物を収納する。
ホルダー部12が、基板2から分離されている場合には、該ホルダー部12に固着されたランナー部8の溝部9を、レール本体5の任意の位置で頭部7の上から嵌め込むことでホルダー部12がレール部3に装着される。
また、開口部9aは幅狭な頸部6に対応するので、溝部9とレール本体5とはその断面形状において僅かに隙間が形成されるため、レール本体5に沿ってランナー部8を進退方向に摺動させることができる。
ここで、前記レールベース部4には、レール本体5を中心にしてその両側にレール本体5と平行に延びる幅狭で浅い一対の補助溝部4aが形成されている(図2〜図4参照)。
該補助溝部4aは、前記ランナー部8の摺動方向、図示例では長手方向の縁部に対応する位置に配設されており、前記レールベース部4の傾斜面と共に、その表面がランナー部8の内面と密着して大きな摩擦抵抗を生じないように空隙を形成する構成となっている。
一方、ランナー部8の溝部9には、前記レール本体5との摺動速度を調整するために抵抗部11を設けることができる。
この抵抗部11は、例えば溝部9の溝底部9bから極く僅か、例えば0.05〜0.15mm程度突出させて、レール本体5の頭部7との隙間の一部を無くして衝合させるので、前記突出量を調整して素材の弾性や硬度等に応じた摩擦抵抗に調整してランナー部8の摺動速度を適宜に変更することができる。
上記実施例では抵抗部11を溝底部9bに形成したが、抵抗部11はレール本体5と接する個所であれば溝部9の任意の内壁面に形成してもよい。
この抵抗部11は溝部9の内壁面に沿って延出方向に一連に形成されるものであっても、あるいは溝部9の一部にだけ形成されるものであってもよく、必要とする摩擦抵抗に相応しい形状とすることができる。
あるいは基板は壁面そのものであってもよい。
更に、被収納物は、台所用品、文房具、化粧品、日用品、部品類などその種類や用途を選ばす広く適用することができ、これらを収納、整理するための構造としてもよい。
また、ホルダー部の形状は、被収納物を保持しうるものであればよく、ポケット形状に限定されない。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
2 基板
3 レール部
4 レールベース部
4a 補助溝部
5 レール本体
6 頸部
7 頭部
8 ランナー部
9 溝部
9a 開口部
9b 溝底部
10 取付片
11 抵抗部
12 ホルダー部
Claims (6)
- 基板と、
該基板上から外方へ突出する頸部と該頸部より大きく形成されて突出側の外端面が湾曲面に形成された頭部とからなる合成樹脂製のレール部と、
該レール部の頸部および頭部に嵌合可能な蟻溝形状の溝部を有するランナー部と、
該ランナー部の溝部に僅かに突出して該溝部の延出方向に沿って延びており、レール本体と接触して摺動時に摩擦抵抗を調整してランナー部の摺動速度を調整しうる抵抗部と、
前記ランナー部に固定されるホルダー部とからなって、
前記ランナー部は、レール本体の頭部の上からレール本体に嵌着され、レール本体に沿って摺動しうることを特徴とする物品収納構造体。 - レール部が、基板に固定されたレールベース部と、
該レールベース部の中央で外方へ突出する頸部と該頸部より大きく形成された断面略円形状または断面略楕円形状の頭部とからなるレール本体とからなることを特徴とする請求項1に記載の物品収納構造体。 - 基板が可撓性を有する素材からなっており、
レール部のレールベース部が基板に一体に形成され、または縫着されており、
レール部が基板と共に撓みうることを特徴とする請求項2に記載の物品収納構造体。 - ランナー部が断面矩形のブロックからなって、内面の中央で開口する溝部を有しており、
レールベース部に、レール部の頭部と平行に延びて、前記ランナー部の摺動方向の縁部に対応する位置でランナー部の摺動方向の縁部の内面との間に空隙を形成するための補助溝部を設けてなることを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載の物品収納構造体。 - ランナー部は、金属またはレール部より硬質の合成樹脂からなっていることを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載の物品収納構造体。
- 物品収納構造体が、かばん類および袋物に収納されて複数の被収納物を区分けして収納する小物類収納具からなっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の物品収納構造体。
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