JP5164320B2 - センシング装置、およびセンシング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、伝播する電磁波の伝播状態の変化などから物質の計測・感知・分析などを行ってその情報を得るセンシング装置および方法に関する。電磁波は、代表的には、30GHz〜30THzのいわゆるミリ波からテラヘルツ波と呼ばれる周波数領域の電磁波(以下では、テラヘルツ波ともいう)であるが、それ以外の周波数領域の電磁波(例えば、光の領域の電磁波)も用いることができる。
近年、いわゆるテラヘルツ波を応用した技術が注目されている。テラヘルツ波を利用した分光分析やイメージングなどが、産業応用として期待されている。例えば、テラヘルツ波の応用分野として、X線に代わる安全な透視検査装置としてイメージングを行なう技術分野がある。また、物質内部の吸収スペクトルや複素誘電率を求めて分子の結合状態を調べる分光技術、生体分子の解析技術、キャリア濃度や移動度を評価する技術などの分野においても開発が進められている。
中でも、テラヘルツ波を用いて分光学的手法により物質を分析する方法として、テラヘルツ波を分析対象物質に照射し、透過あるいは反射したテラヘルツ波のスペクトルを得る方法が公知技術として知られている。
ところで、水は、30GHz〜30THzの周波数領域に非常に強い吸収スペクトルを多数持っている。このため、例えば、流体の水が入った厚さ1ミリの容器は、テラヘルツ波を殆ど完全に遮断してしまう。故に、ここでは、透過したテラヘルツ波から物質の情報を得るいわゆる透過分光ができない。
そこで、水などの非常に強い吸収スペクトル帯をテラヘルツ領域に持つ物質、およびその中に含まれる分子などの吸収スペクトルや複素誘電率を求める方法として、次の様な方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、プリズムでの全反射時に発生するテラヘルツ波のエバネッセント波を用いる。ここでは、テラヘルツ波発生源から発せられたテラヘルツ波をプリズムの第一の面に入射させ、第二の面で全反射し、第三の面から出射したテラヘルツ波を検出器で検出する。この際、第二の面でテラヘルツ波が全反射するに伴い発生するテラヘルツ波のエバネッセント波と相互作用するように、第二の面上に試料を設置する。このことで、試料を分光学的に分析するのである。この方法では、固体・粉末・流体などの形態の試料を分析することができる。
また、非特許文献1に開示されているように、テラヘルツ波の吸収率は流体の水と氷では異なり、氷のほうがテラヘルツ波をよく透過することが知られている。そこで、従来は分光試料を冷凍庫などで凍らせた後、凍った状態のままで試料を分光学的に測定する方法が知られていた。
特開2004−354246号公報 APPLIED OPTICS Vol.43, No.30, pp.5637"Terahertz imaging system based on a backward-wave oscillator" AdrianDobroiu, et. al.
しかしながら、特許文献1の方法では、空間光学系を用いているため、システムの小型化が困難であり、また光学調整が困難である。また、空間光学系を用いていることにより細いテラヘルツビーム径を得るのが困難である。そのため、試料をビーム径程度(例えば、10ミリ)の広い範囲に分布させなければならず、ごく微量な試料しか得られない場合はセンシングが困難である。また、テラヘルツ波に対して低損失で屈折率分散が小さくかつ高屈折率なプリズムは高価である。また、プリズム上に設置される試料は外気との接触面積が大きいため、外気から敏感に影響される物質のセンシングに不利である。
一方、非特許文献1の方法では、冷凍庫などで凍らせた試料が融解する前に測定を終了しなければならないため、測定が容易ではなくなる。
上記課題に鑑み、本発明のセンシング装置は、30GHzから30THzの周波数領域のうち少なくとも一部の周波数の成分を含む電磁波を伝播させるための伝送路と、前記伝送路を伝播する前記電磁波が分布する領域の少なくとも一部を含む部分に試料を収容するための収容部を有する。この収容部は、前記伝送路の内部に試料を導入できて試料が移動することのできる流路である。そして、更に、前記収容部に収容される試料を相変化させるための相変化手段を有することで、前記伝送路を伝播した電磁波を用いて、前記相変化手段によって相変化した前記収容部内の試料の情報を得る。前記相変化手段は、前記収容部に収容された試料が液化もしくは凝固する温度以下に冷却するのに十分な冷却能力を持つ冷却手段と前記収容部に収容された試料が融解もしくは気化する温度以上に加熱するのに十分な加熱能力を持つ加熱手段とをそれぞれ複数含み、前記収容部に収容された試料の温度を試料が凝固する温度および試料が融解する温度を跨ぐ範囲内で制御でき、前記収容部内の試料を場所によって異なる温度に制御でき、前記収容部に収容された試料を該収容部の一方の端から氷結させる
また、上記課題に鑑み、本発明のセンシング方法は、電磁波を伝播させるための伝送路を伝播する電磁波が分布する領域の少なくとも一部を含み前記伝送路の内部に試料を導入できて試料が移動することのできる流路に試料を収容して、前記伝送路を伝播した電磁波を用いて、相変化手段によって相変化した試料の情報を得ることを特徴とする。
本発明のセンシング装置ないし方法によれば、電磁波(例えば、テラヘルツ波)を用いて水等の流体などの試料のセンシングを行う際に、電磁波を用いるセンシングに対して試料を好ましい相状態にして、センシングを行うことができる。例えば、電磁波(特に、テラヘルツ波)を用いて水等の流体試料のセンシングをする際に、電磁波(特に、テラヘルツ波)の吸収が大きくて、通常、流体のままではセンシング不可能な試料であっても、センシング可能にすることができる。
本発明のセンシング装置は、伝送路と収容部と相変化手段とを有し、収容部内の試料を所望の相にした状態で伝送路に電磁波を伝播させて試料の情報を得るのであるが、その実施形態としては以下に述べるようなものがある。
一実施形態では、テラヘルツ波を導波する伝送路の内部(例えば、導波路のコア、金属導波管の内部、伝送線路の接地線と信号線に挟まれた誘電体部分など)に、流体を導入できる収容部である流路を持つ。このとき、テラヘルツ波を導波する伝送路と流体を導入できる流路はほぼ一致していても良く、また一致していなくても良い。伝送路と流路が一致していない場合は、流路は、伝送路中における電磁波が強く分布している領域を通るよう設置されている。このように、流路は、伝送路を伝播する電磁波が分布する領域(好ましくは、強く分布する領域の少なくとも一部を通過する態様で形成される必要がある。
流路近傍には、流路を流れる流体試料の融点以下の温度になる部分(相変化手段)が配置されており、流路中の流体試料を氷結させることができる。また流路近傍には、流路を流れる流体試料の融点以上の温度になる部分(相変化手段)が配置されており、氷結させた流体試料を再び融解させることができる。
上記構成において、伝送路を導波するテラヘルツ波と流路中にある氷結した試料が相互作用し、試料を透過したテラヘルツ波の伝播状態・スペクトルなどが変化することを利用する。こうして、試料および試料中に含まれる物質の物性を調べたり、物質の同定を行ったりすることなどができる。
伝送路に導波路を用いる場合は、導波路を構成するクラッドおよびコアの一部に空隙を設けることで流路としても良い。また、伝送路として金属導波管を用いる場合は、金属導波管を構成する導波管内部の空洞部分に、誘電体でできたパイプ状の中空部材を設けることで流路としても良い。あるいは、導波管内部が誘電体で満たされている場合は、誘電体の一部に空隙を設けることで流路としても良い。また、導波管自体を流路としてもよい。また、伝送路として伝送線路を用いる場合は、伝送線路を構成する接地線と信号線の間にある誘電体部分の一部に空隙を設けることで、流路としても良い。
上述したように、伝送線路として金属導波管を用いる場合で、かつ金属導波管内部が空洞である場合は、空洞内部に誘電体でできたパイプ状の中空部材を設けることで流路とすることができる。この場合、流路を構成するパイプ状の中空部材は低損失・低分散・低屈折率な誘電体であることが望ましい。また、金属導波管内部を誘電体で満たし、誘電体の一部に空隙を設けることで流路とする場合も、誘電体は低損失・低分散・低屈折率であることが望ましい。電磁波が試料の測定にとって好ましい状態で伝播できるからである。
流路中にある流体試料を氷結させるために設けられる流体試料の融点以下の温度になる部分には、ペルチェ素子等を用いても良い。例えば、流体試料に水を主成分とする物を用い、伝送路および流路をペルチェ素子上に設けることで、流体試料を氷結させることができる。又は、冷媒が膨張する時に温度が低下する各種冷凍機サイクルを用いた冷凍機の冷却部分を用いても良い。
流路中にある氷結した試料を再び融点以上するために設けられる流体試料の融点以上の温度になる部分には、ニクロム線ヒーター等を用いても良い。氷結した試料を再び液化することで、試料の交換・回収が可能になる。
このように、相変化手段としては、収容部内の試料が液化もしくは凝固する温度以下に冷却するのに十分な冷却能力を持つ冷却手段と収容部内の試料が融解もしくは気化する温度以上に加熱するのに十分な加熱能力を持つ加熱手段の少なくとも一方を含む。こうした相変化手段は、収容部内の試料の温度と試料への圧力の少なくとも一方を変化させて試料の相を変化させる手段である。
テラヘルツ波は、外部から伝送路に結合させてもよいが、テラヘルツ波発生源を伝送路の一部に集積化させても良い。例えば、導波路や導波管を用いる場合は、導波路や導波管の端面にテラヘルツ波発生源を集積化させても良いし、伝送線路を用いる場合は、伝送線路上にテラヘルツ波発生源を集積化させても良い。また同様に、伝送路を伝播したテラヘルツ波を外部に放射させてテラヘルツ波検出器でテラヘルツ波を検出しても良いが、テラヘルツ波検出器を伝送路の一部に集積化しても良い。この場合、テラヘルツ波が空気中の水分の影響を受けないことや、光学調整が不要になることや、小型化が図れるといった利点がある。
このように、伝送路を伝播する電磁波を発生するための発生手段と伝送路を伝播してきた電磁波を検出するための検出手段の少なくとも一方をセンシング装置内に設ける場合、発生手段と検出手段の少なくとも一方を、伝送路に集積化してもよい。
テラヘルツ波発生源および発生方法として、低温成長ヒ化ガリウム上に形成された光伝導アンテナに電圧をかけフェムト秒レーザを照射する方法が一例として挙げられる。テラヘルツ波発生源の集積化の一例として、光伝導アンテナを、例えば、導波管の一端面に設置しても良い。また、テラヘルツ検出器として、光伝導アンテナに電圧をかけずにフェムト秒レーザを照射し、電流を測定する方法が挙げられる。テラヘルツ波検出器の集積化の一例として、導波管の端面のうちテラヘルツ波が透過して来る方の端面に光伝導アンテナを設置しても良い。
また、テラヘルツ波が透過して来る方の端面に電気光学効果をもつEO結晶(例えば、ZnTe)を設置しても良い。この場合、EO結晶の結晶方位およびテラヘルツ波の偏光方向を適切に選ぶことで、EO結晶の反射率や屈折率が偏光依存性をもって変化する現象を利用した公知の方法を電磁波検出に用いられる。
また、テラヘルツ波発生源を集積化する方法の別の例として、非線形性を持った物質(例えば、DAST結晶)を導波管や導波路の内部や端面に設置しても良い。
上記説明では、電磁波としてテラヘルツ波を用いていたが、光の領域の電磁波などの他の電磁波を用いて試料を調べることもできる。本発明では、用いる電磁波の周波数領域および検査対象の試料の性質に応じて試料を所望の相にした状態で、そこに電磁波を伝播させて試料の情報を分光学的方法などで得るというセンシングを行えるのである。
尚、伝送路は、センシング装置に着脱可能に設置されるようになっていてもよい。これは、伝送路を交換カートリッジ式にしたもので、この場合、例えば、冷却手段と加熱手段と電磁波発生手段と検出手段を備えるセンシング装置本体に、伝送路が着脱可能に設置される。
以下に、本発明によるセンシング装置ないし方法の実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本発明による実施例1は、図1のような方形断面を有する導波路を有する。そして、測定・感知・分析などを行って試料の情報を得るための図2のような装置構成を有する。以下、詳細を図1および図2に沿って説明する。
本実施例において、電磁波伝送路である導波管10は、相変化手段(冷却手段)であるペルチェ素子11の近傍に配置されている。導波管10はペルチェ素子11に接するように配置されていても良いし、又は導波管10とペルチェ素子11の間に熱伝導率の高い物質(例えば、金属)を配置しても良い。
この構成では、導波管10の中空部分(収容部である流路)に流体試料(例えば、水溶液)を導入し、ペルチェ素子11を用いて導波管10内部の流体試料を氷結させる。そして、導波管10の一方の開口から、発生手段で発生されたテラヘルツ波を導入する。導波管10を伝播するテラヘルツ波は、氷結した試料と相互作用して透過し、導波管10のもう一方の開口から出てくる。導波管10のもう一方の開口から出てくるテラヘルツ波は検出手段により検出する。導波管10の中空部分に試料を導入する前後で、導波管10を透過したテラヘルツ波のスペクトルが変化したり、伝播状態などが変化したりすることを利用して、試料の計測・感知・分析などができる。例えば、検出手段は、導波管10の中空部分に試料がない状態での導波管10を伝播してきた電磁波の状態と、試料がある状態での導波管10を伝播してきた電磁波の状態とを比較する。このことで、導波管10の中空部分にある試料の物性などの情報が得られる。
導波管10の典型的な大きさは、y・z方向が100μm程度、x方向が1〜10mm程度であるが、ここに記した以外の値でも良い。
測定が終了した後に試料を回収したり、あるいは別の試料を導入して測定する場合は、ペルチェ素子11の動作を停止させ、導波管10の近傍に配置された相変化手段(加熱手段)であるヒーター12を作動させて、氷結した試料を再び融解させる。ヒーター12は導波管10に接していても良いし、ヒーター12と導波管10の間に熱伝導率の高い物質(例えば、金属)を配置しても良い。
センシング系全体を図2を用いて説明する。ここでは、フェムト秒レーザ20から発せられた100fs(フェムト秒)程度のパルス幅を持つレーザ光を、ビームスプリッター21で二つに光路を分ける。このうちの一方を、低温成長させたGaAs(LT-GaAs)等で作製したバイアスされた光伝導アンテナ22aのギャップ部に照射する。こうして、テラヘルツ波パルス27を発生させる。光伝導アンテナ22aの背面には、高抵抗Siなどでできた半球レンズを密着させている。テラヘルツ波パルス27は、放物面鏡23a、高抵抗Si(例えば、抵抗10kΩcmであり、電磁波の損失を小さくする為に高抵抗とする)などで作られた半球レンズ24aを経て、導波管10の第一端から導波管10に結合する。テラヘルツ波パルスは、導波管10の中空部分中に導入された氷結した試料(図示せず)と相互作用した後、導波管10の第二端から半円筒レンズ24b、放物面鏡23bを経て光伝導アンテナ22bに到達する。
一方、ビームスプリッター21で分けられたレーザ光のもう一方は、時間遅延器26、ミラー25などを経て、光伝導アンテナ22bにテラヘルツ波パルスと同時に到達する。このとき、時間遅延器26を用いて、時間遅延器26を経て光伝導アンテナ22bに到達するレーザ光と、導波管10を経て光伝導アンテナ22bに到達するテラヘルツ波パルスの到着タイミングをずらす。このことで、テラヘルツ波パルスの波形が求められる。時間遅延器26を経たフェムト秒レーザ光が光伝導アンテナ22bに照射されると、フェムト秒レーザのパルス時間幅と光伝導アンテナ22bを構成する半導体膜のキャリア寿命に応じた時間だけ、光伝導アンテナ22bに電流が流れる。このときの電流の大きさは、光伝導アンテナ22bに入射するテラヘルツ波27の電場振幅の大きさを反映したものである。したがって、光伝導アンテナ22bに流れる電流を計測することで、テラヘルツ波パルス27の波形が得られる。これをフーリエ変換することでテラヘルツ波パルス27のスペクトルが得られる。
また、ここではテラヘルツ波パルス発生方法として光伝導アンテナによる方法を挙げたが、他の方法を用いても良い。例えば、非線形結晶にフェムト秒レーザを照射する方法、パラメトリック発振を利用した方法、量子カスケードレーザなどの量子多重井戸構造を用いた半導体素子を用いる方法がある。また、検出方法も、例えば、電気光学結晶を用いた方法や、Siボロメータを用いた方法などを用いても良い。
次に、本実施例における計測の一例を、図3を用いて具体的に述べる。図3は、本実施例によって得られるテラヘルツ波のスペクトルを模式的に表したものである。まず、図1に示す導波管10の中空部分に試料を導入していない状態で、導波管10を透過するテラヘルツ波の波形を記録し、フーリエ変換してパワースペクトル30を求める(図3(a))。次に、試料を図1の導波管10の内部に導入して氷結させた上で、導波管10を透過したテラヘルツ波の波形を記録し、フーリエ変換したパワースペクトル31を求める(図3(b))。パワースペクトル31と30の比を求めることで、氷結した状態における試料のテラヘルツ波に対する吸収スペクトル32が求められる(図3(c)。こうして、複素屈折率が求まる。求めた複素屈折率から流体試料の計測・感知・分析などができる。
本実施例においては方形導波管を例に述べたが、他の形状の導波管でも良い。また、他の伝送路(例えば、マイクロストリップライン)を用いる場合は、次の様になる。すなわち、テラヘルツ波が伝播する近傍(例えばマイクロストリップラインであれば、信号線とグラウンド間の誘電体部分)に流体試料を導入できる流路を設置し、流路に流体試料を導入し氷結させても良い。
また、本実施例において、テラヘルツ波の発生手段と検出手段を導波管10の端面に集積しても良い。例えば、導波管10の第一の端面に光伝導アンテナを配置し、導波管10の第二の端面にも光伝導アンテナを配置する。このとき、流体試料は、導波管10の側面に開けた小孔から中空部分内に導入する。このようにすることで、光学配置がコンパクトになり調整が容易になる。収容部である流路は、導波管10を横切って貫くようにパイプ状に形成しても良い。この構成では、試料と電磁波が相互作用する領域を小さくできる。したがって、この構成は、電磁波に対する試料の吸収率が大きいときに適する。この場合に図1のような構成を用いると、伝播する電磁波が試料により吸収され過ぎて測定が困難になることがある。
(実施例2)
実施例2を以下に述べる。実施例2では、図4に示すように、導波管10に接するように良熱伝導物質の熱浴40を配置する。熱浴40は、冷凍機41の冷媒が膨張・加熱される過程の部分に接している。したがって。冷凍機41を用いて導波管10の内部に導入された流体試料を氷結させることができる。
冷凍機はペルチェ素子に比べ冷却能力が高いものがあるので、より融点が低い流体試料でも氷結させられる。また図5に示すように、冷凍機の高い冷却能力を生かして、複数の導波管50を同一の熱浴40に配置することもできる。ここでは、導波管50それぞれに流体試料を導入し、その全てを氷結させ測定することができる。加熱手段であるヒーターについても、複数の伝送路で共有できるようにしてもよい
また、氷結させた試料を回収する時は、冷凍機41を停止させヒーター12を作動させて、試料を融解させても良いし、冷凍機41を停止させずヒーター12を作動させても良い。また、冷凍機41の冷媒膨張・加熱過程部分と熱浴40を繋ぐ部分を切り離し、代わりに冷凍機41の冷媒冷却過程から排出される熱を用いて氷結した試料を融解させても良い。さらに、導波管10を熱浴40から切り離しができるようにしても良い。検出動作などのその他の点は、実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3を以下に述べる。実施例3では、図6に示すように、導波管10に接するように複数のペルチェ素子61を配置し、また導波管10に接するように複数のヒーター62を配置する。ここでも、導波管10の内部に流体試料を導入し、ペルチェ素子61を用いて流体試料を氷結させる。このとき、ヒーター62を併用し、流体試料が導波管10の一方の端から氷結するよう制御する。こうすることで、流体試料が氷結する際の体積膨張により導波管10が変形するなどの事態を回避できる。
流体試料を導波管10の一方の端から氷結させることで、導波管10のもう一方の端からは、流体試料の体積膨張によって押し出された流体試料の一部が漏出する。こうして漏出した流体試料の一部は回収する。このように、冷却手段と加熱手段をそれぞれ複数有し、収容部内の試料の温度を凝固温度および融解温度を跨ぐ範囲内で制御でき、かつ収容部内の試料を場所によって異なる温度に制御できる制御性が良いセンシング装置を実現できる。検出動作などのその他の点は、実施例1と同様である。
本発明の実施例1によるペルチェ素子とヒーターを備えた導波管を示す斜視図である。 計測・感知・分析などを行うセンシング装置全体を示す模式図である。 計測・感知・分析などを行うセンシング方法の一例を説明するグラフ図である。 冷却手段に冷凍機サイクルを用いた実施例2を示す斜視図である。 熱浴に複数の導波管を配置した例を示す斜視図である。 複数のペルチェ素子とヒーターを配置した実施例3を示す斜視図である。
符号の説明
10、50 伝送路(導波管)
11、12、41、61、62 相変化手段(ペルチェ素子、ヒーター)
20、22b 発生手段
20、22b、26 検出手段

Claims (1)

  1. 30GHzから30THzの周波数領域のうち少なくとも一部の周波数の成分を含む電磁波を伝播させるための伝送路と、
    前記伝送路を伝播する前記電磁波が分布する領域の少なくとも一部を含む部分に試料を収容するための収容部と、
    前記収容部に収容される試料を相変化させるための相変化手段と、を有し、
    前記伝送路を伝播した前記電磁波を用いて、前記相変化手段によって相変化した前記収容部内の試料の情報を得るセンシング装置であって、
    前記収容部は、前記伝送路の内部に試料を導入できて試料が移動することのできる流路であり、
    前記相変化手段は、前記収容部に収容された試料が液化もしくは凝固する温度以下に冷却するのに十分な冷却能力を持つ冷却手段と前記収容部に収容された試料が融解もしくは気化する温度以上に加熱するのに十分な加熱能力を持つ加熱手段とをそれぞれ複数含み、前記収容部に収容された試料の温度を試料が凝固する温度および試料が融解する温度を跨ぐ範囲内で制御でき、前記収容部内の試料を場所によって異なる温度に制御でき、前記収容部に収容された試料を該収容部の一方の端から氷結させることを特徴とするセンシング装置。
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