JP5163844B2 - 燃料供給方法、燃料電池システム及び携帯用電子機器 - Google Patents

燃料供給方法、燃料電池システム及び携帯用電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池システムにおける燃料極への燃料供給方法、燃料電池システム及び携帯用電子機器に関する。
近年、環境問題や資源問題への対策が重要になっており、その対策の一つとして、液体燃料としての有機溶媒と水とを直接供給して発電することのできる燃料電池の開発が活発に行われている。
特に、液体燃料としてメタノールを用い、その改質・ガス化を行うことなく直接メタノールを供給して発電することのできるダイレクトメタノール型燃料電池は、構造がシンプルであり、かつ小型化・軽量化が容易であるため、携帯型小型電子機器用、コンピュータ用等のコンシューマ電源をはじめ、種々の分散型電源、可搬型電源として有望である。
ダイレクトメタノール型燃料電池では、下記式(1)〜(3)で示すように、燃料極(アノード)側にメタノール水溶液が供給され、空気極(カソード)側に酸化剤ガスとしての空気が供給されると、燃料極では、メタノールと水とが反応して二酸化炭素が生成されるとともに、水素イオンと電子とが放出され、空気極では、空気中の酸素が電解質を通過してきた水素イオンと電子とを取り込んで水が生成され、外部回路に起電力を生じさせる。そして、生成された水は、反応に寄与しなかった空気とともに空気極側から排出され、生成された二酸化炭素は、反応に寄与しなかったメタノール水溶液とともに燃料極側から排出される。
(燃料極)CHOH + HO → CO + 6H + 6e…(1)
(空気極)6H + 3/2O + 6e → 3HO…(2)
(全反応)CHOH + 3/2O → CO + 2HO…(3)
このようなダイレクトメタノール型燃料電池は、上記式(1)〜(3)で示されたような反応がスムーズに起これば、メタノール1分子から6個の電子を取り出すことができ、しかも標準電極電位は水素とほとんど同じなので、理論的にはエネルギー密度が高い燃料電池ができるはずである。しかし、メタノールの燃料極での反応速度が遅く、さらに中間体が生成されること等もあり、従来の水素を用いた燃料電池に出力特性が及ばないというのが現状である。
燃料電池の燃料極において、例えば、Pt触媒が担持された電極を使用すると、かかるPt触媒が担持された電極におけるメタノールの燃料極での反応は、下記式(4)〜(7)のように進行すると考えられている。
CHOH → CHOH + H + e…(4)
CHOH → CHOH + H + e…(5)
CHOH → CHO + H + e…(6)
CHO → CO + H + e…(7)
メタノールは、燃料極のPt触媒表面に吸着し、上記式(4)から(6)又は(7)まで進行するが、ここで反応が進行しなくなる。これは、反応が進行するにつれてPt触媒表面上に頑固に吸着したCOが容易には酸化されないために、Pt触媒表面の活性点のすべてがCOで占有されてしまうことによる。
このPt触媒のCO被毒を低減するため、ダイレクトメタノール型燃料電池では、燃料極触媒(アノード触媒)としてPtとRuとの合金を使用するのが一般的である。
燃料極触媒(アノード触媒)としてPtとRuとの合金を使用すると、下記式(8)に示すように、Ruが水を分解してOHを吸着する。
O → Ru−OHad + H + e…(8)
このRuに吸着されたOHが、下記式(9)に示すように、近傍のPt触媒表面上に吸着されているCOをCOに酸化する。
Pt−COad + Ru−OHad
→ Pt + Ru + CO + H + e…(9)
上記式(9)により生成したCOはPt触媒表面に吸着しないので、Pt触媒表面から離れる。そして、再びメタノールがPt触媒表面に吸着し、上記式(4)から(6)又は(7)までの反応が継続的に進行し、電流を取り出すことができる。しかし、この場合でも上記式(8)及び(9)の反応速度が遅いため、燃料電池からの出力が小さく、中間体も生成されるため、エネルギー損失が生じてしまう。
このような問題を回避するためには、Pt触媒表面に吸着したCOを効率的に酸化してCOへと変換する必要がある。そこで、燃料電池用燃料とともに過酸化水素を酸化剤として燃料極(アノード)に供給し、燃料極触媒表面に吸着されているCOを酸化してCOとすることで、燃料極触媒のCO被毒を回避する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−343403号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法は、過酸化水素の酸化力が非常に強いため、燃料電池用燃料とともに燃料極に供給される過酸化水素が、燃料電池を構成する電解質膜や製品部材等を劣化させてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、燃料電池の構成部材に損傷を与えることなく、燃料極触媒表面に吸着したCOを酸化し、燃料極触媒のCO被毒を抑制することのできる燃料供給方法及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料電池用燃料と金属過酸化物とを混合し、燃料電池セルの燃料極に前記燃料電池用燃料を供給することを特徴とする燃料供給方法を提供する(発明1)。
例えば、過酸化マグネシウムや過酸化カルシウム等の金属過酸化物は、下記式(10),(11)に示すように、水と接触することにより酸素を放出する。
MgO + HO → Mg(OH) + 1/2O…(10)
CaO + HO → Ca(OH) + 1/2O…(11)
上記式(10),(11)に示す反応により生成した酸素が、燃料極での燃料電池用燃料の反応により燃料極触媒の表面に吸着したCOを速やかに酸化してCOにすることができるため、上記発明(発明1)のように燃料電池用燃料と金属過酸化物との混合物を燃料極に供給することで、溶存酸素濃度の高い燃料電池用燃料を燃料極に供給することができ、これにより燃料極触媒のCO被毒を抑制することができる。
上記発明(発明1)においては、前記燃料電池用燃料と前記金属過酸化物と水とを混合し、前記燃料極に前記燃料電池用燃料を供給することが好ましい(発明2)。かかる発明(発明2)によれば、金属過酸化物と水とが接触することで、金属過酸化物と水との反応により酸素が放出され、溶存酸素濃度のより高い燃料電池用燃料を燃料極に供給することができ、これにより燃料極触媒のCO被毒をより効果的に抑制することができる。
上記発明(発明1,2)においては、前記燃料電池用燃料と前記金属過酸化物との混合物から前記金属過酸化物及び/又は前記金属過酸化物由来の金属陽イオンを除去し、前記燃料極に前記燃料電池用燃料を供給することが好ましい(発明3)。
金属過酸化物のうちのアルカリ金属やアルカリ土類金属は、相対的にイオン化傾向が大きく、陽イオンになりやすいため、かかる金属陽イオンが燃料極に供給されると、燃料極から空気極への水素イオン(H)の移動が阻害されるおそれがあるが、上記発明(発明3)によれば、燃料極に金属陽イオンが供給されることがなく、燃料電池システムを安定的に運転することができる。
上記発明(発明1〜3)においては、前記金属過酸化物が、過酸化マグネシウム及び/又は過酸化カルシウムであることが好ましい(発明4)。過酸化マグネシウムや過酸化カルシウムは、酸素徐放性に優れており、徐々に酸素が放出されるため、かかる発明(発明4)によれば、金属過酸化物から急激に酸素が放出されることにより爆発等が起こる危険性を回避することができ、燃料電池システムの安全性を向上することができる。
上記発明(発明1〜4)においては、前記燃料電池用燃料が、アルコール類であることが好ましく(発明5)、かかる発明(発明5)においては、前記アルコール類が、メタノールであることが好ましい(発明6)。
また、本発明は、燃料極を有する燃料電池セルと、燃料電池用燃料と金属過酸化物とを混合する混合部とを備えることを特徴とする燃料電池システムを提供する(発明7)。
さらに、本発明は、燃料極を有する燃料電池セルと、燃料電池用燃料と金属過酸化物と水とを混合する混合部とを備えることを特徴とする燃料電池システムを提供する(発明8)。
上記発明(発明7,8)によれば、燃料電池システムにおける燃料極触媒のCO被毒を抑制することができる。
上記発明(発明7,8)においては、前記燃料電池セルの燃料極の上流側に、前記金属過酸化物及び/又は前記金属過酸化物由来の金属陽イオンを除去する除去部が設けられていることが好ましい(発明9)。
金属過酸化物のうちのアルカリ金属やアルカリ土類金属は、相対的にイオン化傾向が大きく、陽イオンになりやすいため、かかる金属陽イオンが燃料極に供給されると、燃料極から空気極への水素イオン(H)の移動が阻害されるおそれがあるが、上記発明(発明9)によれば、除去部にて金属過酸化物及び/又は金属陽イオンが捕捉されるため、燃料極に金属陽イオンが供給されることがなく、燃料電池システムを安定的に運転することができる。
さらにまた、本発明は、上記発明(発明7〜9)に係る燃料電池システムで発電された電気を利用して駆動することを特徴とする携帯用電子機器を提供する(発明10)。
本発明によれば、燃料電池の構成部材に損傷を与えることなく、燃料極触媒表面に吸着したCOを酸化し、燃料極触媒のCO被毒を抑制することのできる燃料供給方法及び燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る燃料供給方法について説明する。
本実施形態に係る燃料供給方法は、燃料電池用燃料と金属過酸化物とを混合し、燃料電池用燃料を燃料電池セルの燃料極に供給する。好ましくは、燃料電池用燃料と金属過酸化物と水とを混合し、燃料電池用燃料を燃料電池セルの燃料極に供給する。
燃料電池用燃料としては、例えば、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、アセタール類、ギ酸類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。具体的には、燃料電池用燃料として、メタノール、エタノール、変性アルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の炭素数1〜4の低級脂肪族アルコール類;ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;プロパン、ブタン等の炭化水素類;ジメトキシメタン、トリメトキシメタン等のアセタール類;ギ酸、ギ酸メチル等のギ酸類等を使用することができる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらのうち、ダイレクトメタノール型燃料電池の燃料であるメタノールを使用することが好ましい。
金属過酸化物としては、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過酸化リチウム等が挙げられる。これらの金属過酸化物は、単独で使用してもよいし、任意に混合して使用してもよい。金属過酸化物は、水と接触することにより酸素を放出するため、燃料電池用燃料と金属過酸化物と水との混合物を燃料極に供給することで、溶存酸素濃度の高い燃料電池用燃料を燃料極に供給することができ、それにより、燃料極触媒での燃料電池用燃料の反応によって生じたCOを速やかに酸化してCOとし、燃料極触媒のCO被毒を抑制することができる。なお、燃料極触媒としては、例えば、Pt触媒、Pt−Ru触媒、Pt−Ni触媒、Pt−Co触媒、Pt−Fe触媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
金属過酸化物の形状は、特に限定されるものではないが、粒子状(微粒子状)であることが好ましい。金属過酸化物の形状が粒子状であることで、金属過酸化物と水との反応性が向上し、燃料電池用燃料の溶存酸素濃度が高くなるため、燃料極触媒のCO被毒を効果的に抑制し得る量の酸素を燃料極に供給することができる。
金属過酸化物の粒径は、1〜1000μmであることが好ましい。金属過酸化物の粒径が上記範囲内であれば、燃料極触媒のCO被毒を効果的に抑制し得る量の酸素を燃料極に供給することができる。
これらの金属過酸化物のうち、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウムを使用するのが好ましい。過酸化マグネシウムや過酸化カルシウムは、酸素徐放性に優れており、水と接触するとゆっくり酸素を放出するため、急激に酸素が放出されることにより爆発等が起こる危険性もなく、安全性の面で好適である。
燃料電池用燃料と金属過酸化物との混合割合は、燃料電池用燃料1質量部に対して金属過酸化物0.01〜1質量部であることが好ましい。燃料電池用燃料と金属過酸化物との混合割合が上記範囲内であれば、金属過酸化物と水とを接触させたときに燃料極触媒のCO被毒を効果的に抑制し得る量の酸素を燃料極に供給することができる。
燃料電池用燃料に金属過酸化物と水とを混合し、混合物を燃料極に供給する場合には、混合物全体における燃料電池用燃料の配合割合が3〜30質量%であることが好ましい。混合物全体における燃料電池用燃料の配合割合が30質量%を超えると、クロスオーバー等が生じるおそれがあり、3質量%未満であると、発電が効率よく行われず、所望とする出力が得られないおそれがある。
燃料極に燃料電池用燃料と金属過酸化物と水との混合物を供給する方法としては、例えば、燃料電池用燃料と金属過酸化物と水との混合物を液体として供給する方法(液体供給方式)、燃料電池用燃料水溶液と金属過酸化物との混合物を気化させて気体として供給する方法(気化供給方式)が挙げられる。
液体供給方式の場合、例えば、燃料電池用燃料収容部、金属過酸化物収容部及び水収容部を有する燃料カートリッジの各収容部に燃料電池用燃料、金属過酸化物及び水を予め充填しておき、燃料電池用燃料と金属過酸化物と水とを混合して、混合物をポンプで強制的に燃料極に供給してもよいし、燃料電池用燃料と金属過酸化物と水とを予め混合した混合物を燃料カートリッジに充填しておき、当該混合物をポンプで強制的に燃料極に供給してもよい。また、燃料電池用燃料と金属過酸化物と水との混合物が、多孔性の拡散層を介して毛管現象により自発的に燃料極に供給されるようにしてもよい。
液体供給方式の場合、燃料極の上流側において、燃料電池用燃料から金属過酸化物及び金属陽イオンを除去し、燃料電池用燃料を燃料極に供給することが好ましい。金属過酸化物の多くはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過酸化物であり、アルカリ金属やアルカリ土類金属は、他の金属(例えば、遷移金属等)よりもイオン化傾向が大きく、金属陽イオンとして燃料極に供給される可能性があるが、燃料極内に金属陽イオンが存在すると、燃料極から空気極への水素イオンの移動が阻害されてしまうおそれがあるため、金属陽イオンを除去することが好ましい。
燃料電池用燃料から金属過酸化物及び金属陽イオンを除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、陰イオン交換膜、陽イオン交換樹脂を充填したカラム等によりこれらを除去する方法が挙げられる。これらの陰イオン交換膜、陽イオン交換樹脂充填カラム等は、燃料極の上流側に設けられていればよく、例えば、燃料カートリッジの出口に陰イオン交換膜が設けられていてもよいし、燃料カートリッジの出口と燃料極との間の流路に陽イオン交換樹脂を充填したカラムが設けられていてもよい。
気化供給方式の場合、多孔性材料等に保持させた燃料電池用燃料水溶液と金属過酸化物微粒子とを燃料カートリッジに収容し、常温で燃料電池用燃料水溶液を気化させて燃料電池用燃料を燃料極に供給してもよいし、燃料カートリッジを加熱して燃料電池用燃料水溶液を気化させて燃料電池用燃料を燃料極に供給してもよい。燃料電池用燃料水溶液と金属過酸化物微粒子とを多孔性材料等に保持させることで、燃料電池用燃料水溶液中の溶存酸素濃度が上昇するため、多孔性材料から気化した燃料電池用燃料を燃料極に供給することで、燃料極触媒のCO被毒を抑制することができる。また、燃料電池用燃料水溶液を多孔性材料に保持させることで、燃料電池用燃料が液体状態よりも気化しやすくなり、常温でも気化させた燃料電池用燃料を燃料極に供給することができる。
なお、気化供給方式の場合、燃料カートリッジは金属製であることが好ましい。燃料カートリッジが金属製等の熱伝導性の高い材質からなることで、燃料電池用燃料の燃料極での反応に伴って発生する反応熱を、燃料電池用燃料水溶液を気化させるために利用することができる。この場合、燃料カートリッジの材質は、銅、アルミニウム、スチール、ステンレス等の汎用性がありかつ低コストの金属であることが好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
以上説明した燃料供給方法により燃料電池用燃料が供給される燃料電池システムとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ダイレクトメタノール型燃料電池システム、固体高分子型燃料電池システム、固体酸化物型燃料電池システム等が挙げられる。
以上説明した燃料供給方法により燃料電池用燃料が供給される燃料電池システムは、例えば、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の携帯型電子機器に当該燃料電池システムを電気的に接続することで、これらの携帯型電子機器の電源として好適に利用することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕溶存酸素濃度測定
100gの脱イオン水に1gの過酸化カルシウムを加えた後、室温(27℃)で静置して一定時間ごとに脱イオン水中の溶存酸素濃度を測定した。同様に、100gの脱イオン水に1gの過酸化マグネシウムを加えた後、室温(27℃)で静置して一定時間ごとに脱イオン水中の溶存酸素濃度を測定した。なお、脱イオン水中の溶存酸素濃度の測定は、溶存酸素メーター(商品名:OM−51,堀場製作所社製)を使用して行った。
結果を図1に示す。
図1に示すように、過酸化カルシウム及び過酸化マグネシウムに脱イオン水を接触させることで、脱イオン水中の溶存酸素濃度が上昇することが確認された。また、過酸化マグネシウムは、過酸化カルシウムよりも緩やかに溶存酸素濃度を上昇させる傾向を有することが確認された。
〔実施例2〕電流−電圧測定
触媒層を塗布した電極を、Nafion112膜(デュポン社製)に熱圧着して膜電極接合体(MEA)を調製した。電極面積は20cmであり、燃料極触媒としてはPt−Ru/C(Pt:Ru=2:1,質量比)を使用し、空気極触媒としてはPt/Cを使用した。このMEAを自作の実験用燃料電池に組み込み、電流−電圧測定を行った。なお、電流−電圧の制御には、ポテンショ/ガルバノスタット(商品名:HA−151,北斗電工社製)をガルバノスタットとして用いた。
3質量%メタノール水溶液100gに1gの過酸化カルシウムを添加し、流速10mL/minで燃料極に供給し、定電流で電圧が安定したのを確認した後、電流−電圧曲線測定を行った。なお、比較例として、過酸化カルシウムを添加していないメタノール水溶液についても測定した。過酸化カルシウムを添加したメタノール水溶液を燃料極に供給するときには、メタノール水溶液中に溶出するカルシウムイオンを除去するために陽イオン交換樹脂(製品名:モノスフィア650C,ダウケミカル社製)を充填したカラムを燃料カートリッジと燃料極との間の流路に設けた。なお、空気極には、室内空気を流速0.15L/minで供給した。
結果を図2に示す。
図2に示すように、燃料に過酸化カルシウムを加えることで、電池性能が向上することが確認された。また、過酸化カルシウムを添加した場合は、添加しなかった場合に比べて最大出力が5.7%向上した。
本発明は、燃料極触媒のCO被毒による燃料電池システムの性能劣化の防止に有用である。
実施例1における溶存酸素濃度測定結果を示すグラフである。 実施例2における電流−電圧曲線測定結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 燃料電池用燃料と金属過酸化物とを混合し、前記燃料電池用燃料中の溶存酸素濃度を高めた上で、前記燃料電池用燃料と前記金属過酸化物との混合物から前記金属過酸化物及び/又は前記金属過酸化物由来の金属陽イオンを除去した後に燃料電池セルの燃料極に供給することを特徴とする燃料供給方法。
  2. 前記燃料電池用燃料と前記金属過酸化物との混合物に更に水を合することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給方法。
  3. 前記金属過酸化物が、過酸化マグネシウム及び/又は過酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給方法。
  4. 前記燃料電池用燃料が、アルコール類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料供給方法。
  5. 前記アルコール類が、メタノールであることを特徴とする請求項に記載の燃料供給方法。
  6. 燃料極を有する燃料電池セルと、
    燃料電池用燃料と金属過酸化物とを混合し、前記燃料電池用燃料中の溶存酸素濃度を高める混合部と
    前記燃料電池セルの燃料極の上流側に、前記金属過酸化物及び/又は前記金属過酸化物由来の金属陽イオンを除去する除去部と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 燃料極を有する燃料電池セルと、
    燃料電池用燃料と金属過酸化物と水とを混合し、前記燃料電池用燃料中の溶存酸素濃度を高める混合部と
    前記燃料電池セルの燃料極の上流側に、前記金属過酸化物及び/又は前記金属過酸化物由来の金属陽イオンを除去する除去部と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項6又は7に記載の燃料電池システムで発電された電気を利用して駆動することを特徴とする携帯用電子機器。
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