以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
<データベースシステムの全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るデータベースシステム(DBシステム)1Aの全体構成を例示する図である。具体的には、図1(a)は、DBシステム1Aの外観構成を示し、図1(b)は、DBシステム1Aの機能ブロック図を示す。図1(a)で示すように、DBシステム1Aは、パーソナルコンピュータ(パソコン)などによって構成され、CPU10およびメモリ50をバスラインBLに接続した一般的なコンピュータの構成を有する。メモリ50は、適宜RAMやROMやハードディスクなどの記憶部を含み、バスラインBLは、適宜インターフェース(図示を省略)などを介して表示部30および操作部40に接続される。なお、表示部30は、例えば、液晶ディスプレイやCRTなどによって構成され、操作部40は、キーボードやマウスなどを有し、ユーザによる操作に応答して各種信号の入力を受け付ける。
<DBシステムの機能構成>
図2は、DBシステム1Aのデータ処理に係る機能的な構成を例示する図である。DBシステム1Aでは、CPU10がメモリ50内に格納されるプログラムを読み込んで実行することで各種機能が実現される。具体的には、CPU10が、受付部11、指示受付部12、評価値算出部13、情報登録部14、検索条件生成部15、検索部16、および表示制御部17といった機能を有する。また、メモリ50には、複数の文書情報が蓄積された文書情報DB51および同義語の関係を示す情報が蓄積された支援情報DB52が記憶される。なお、CPU10で一時的に生成される各種データは、メモリ50に一時的に記憶される。
DBシステム1Aは、支援情報DB52を生成するシステム(以下「情報生成システム」とも称する)と、検索条件の入力に応答して文書情報DB51から検索条件に対応する文書情報を抽出するシステム(以下「文書検索システム」とも称する)とを有する。具体的には、受付部11、指示受付部12、評価値算出部13、および情報登録部14によって情報生成システムが実現され、検索条件生成部15、検索部16、および表示制御部17によって文書検索システムが実現される。
また、文書検索システムでは、支援情報DB52に含まれる情報を利用した情報処理、具体的には、操作部40からの検索用の情報の入力に応答して、支援情報DB52に含まれる情報のうちの検索用の情報に対応する情報に基づき検索条件を生成する情報処理が行われる。つまり、この情報処理により、ユーザによる検索条件を指定する作業が支援され、文書検索システムには、作業を支援するためのシステム(以下「作業支援システム」とも称する)が含まれる。
ここで、DBシステム1Aに係る具体的な機能構成について説明する。
受付部11は、操作部40から入力される各種情報を受け付ける。例えば、操作部40から入力される語句を示す情報(語句情報)が受付部11で受け付けられる。この語句情報は、ユーザによって入力される情報(以下「入力情報」とも称する)に相当し、この語句情報には、検索条件を指定するためのものと、同義語を登録するためのものとが含まれる。なお、受付部11で受け付けられる語句情報は、指示受付部12に出力される。
指示受付部12は、操作部40から入力される信号に応じた指示を受け付ける。例えば、検索を行う指示(検索指示)や、同義語を登録する指示(同義語登録指示)などを示す各種コマンドを受け付ける。なお、受付部11から入力される語句情報は、指示受付部12で受け付けられるコマンドの内容に応じて、評価値算出部13または検索条件生成部15に出力される。例えば、検索指示がなされた場合には、語句情報は検索条件生成部15に出力され、同義語登録指示がなされた場合には、語句情報は評価値算出部13に出力される。
評価値算出部13は、指示受付部12からの語句情報の入力に応答して、該語句情報について、所定のルールに従って評価値を算出する。ここでは、第1の語句情報と、その同語語として登録が指示された第2の語句情報との組について、評価値が算出される。この評価値の算出方法については後述する。
情報登録部14は、指示受付部12から評価値算出部13を介して入力される語句情報に基づき支援情報DB52を生成する。ここでは、評価値が所定値を超える場合に、第1の語句情報と第2の語句情報とが同義語の関係にあるものとして、相互に関連付けられた状態でメモリ50に登録されて、支援情報DB52の内容が新規に生成されるかまたは更新されることで支援情報DB52が構築される。
検索条件生成部15は、ユーザによって入力される語句情報に基づいて、検索条件を生成するものである。ここでは、指示受付部12から入力される語句情報と、該語句情報に対して支援情報DB52において同義語として登録されている語句情報とを含む語句情報群が、検索条件として生成される。このように、検索条件生成部15では、支援情報DB52に含まれる情報を利用した情報処理が行われ、生成された検索条件が、検索部16に出力される。
検索部16は、検索条件生成部15から入力される検索条件に対応する1以上の文書情報を、文書情報DB51から抽出する。ここで抽出される1以上の文書情報は、表示制御部17に出力される。
表示制御部17は、検索部16から入力される1以上の文書情報に基づいて、表示部30において検索結果を表示させる。検索結果としては、例えば、まず1以上の文書情報の書誌的事項(例えば、題名、作成者、登録日など)が提示され、更なるユーザの操作に応じて、各文書情報の詳細な内容が提示される。また、表示制御部17は、メモリ50内に格納される各種情報に基づいて、表示部30に各種画面を表示させる。
<検索画面に係る操作および画面遷移>
図3〜図6は、DBシステム1Aにおいて文書を検索するための画面(以下「文書検索画面」とも称する)G1a〜G1dを例示する図である。
図3で示す文書検索画面G1aは、DBシステム1Aにおいて操作部40が種々操作されて文書検索の動作が開始されると、表示部30に表示される画面である。図3で示すように、文書検索画面G1aは、左側の領域(左側領域)ALと右側の領域(右側領域)ARとを有し、左側領域ALでは、主に検索条件を生成するための情報の入力ならびに検索結果の提示がなされ、右側領域ARでは、主にキーワードに対する同義語の登録操作が行われる。
具体的には、左側領域ALには、上から順に、検索に使用するキーワードを記入するためのテキストボックスBkw、検索指示のコマンドを入力するためのボタン(検索ボタン)Br、検索結果が表示される領域(検索結果表示領域)Lr、および検索結果表示領域Lrに表示される検索結果の情報を前の5件の情報に切り替えるためのボタンBbと次の5件の情報に切り替えるためのボタンBnが設けられる。また、右側領域ARには、上から順に、追加する同義語を記入するためのテキストボックスBaw、同義語登録指示のコマンドを入力するためのボタン(同義語登録ボタン)Bs、および同義語の登録候補(同義語候補)が表示される領域(登録候補表示領域)Lsが設けられる。
文書検索画面G1aが表示部30に表示された状態で、ユーザが操作部40を種々操作することで、テキストボックスBkwにマウスポインタMPを合わせて、左クリックを行うことでテキストボックスBkwにカーソルを出現させた上で、キーボードを種々操作することによりテキストボックスBkwにキーワードが記入される。なお、図3では、テキストボックスBkwにキーワード「ウイルス性胃腸炎」が記入された状態が示されている。そして、テキストボックスBkwに所望のキーワードが記入された状態で、検索ボタンBrをマウスポインタMPで押下することにより、テキストボックスBkwに記入されたキーワードを含む検索条件を用いた検索が行われる。このとき、支援情報DB52にキーワードに係る同義語が登録されていれば、その同義語とキーワードとを含むキーワード群を検索条件とした検索が行われる。2以上の用語からなるキーワード群が検索条件を構成する場合には、2以上の用語のうちの少なくとも1つの用語を含む文書情報が検索によって抽出される。
図4は、検索結果表示領域Lrに検索結果が表示された文書検索画面G1bを示す。図4で示すように、検索結果表示領域Lrでは、検索によって抽出された文書情報のうち、所定数(ここでは5件)の文書情報に係る書誌的事項が一度に表示される。なお、検索結果表示領域Lrに検索結果が表示された状態で、ボタンBnが押下されると、検索によって抽出された文書情報のうち、表示されている5件の次の5件に係る書誌的事項が表示される。一方、ボタンBbが押下されると、検索によって抽出された文書情報のうち、表示されている5件の前の5件に係る書誌的事項が表示される。更に、ここでは、検索結果表示領域Lrに表示される5件の書誌的事項のうちの1件の書誌的事項がマウスポインタMPで押下されると、該1件の書誌的事項に係る全文の情報が検索結果表示領域Lrに表示される。
図5は、同義語の追加作業を行っている状態を示す文書検索画面G1cを示す。図5で示すように、テキストボックスBkwに所望のキーワードが記入された状態で、ユーザが操作部40を種々操作することで、テキストボックスBawにマウスポインタMPを合わせて、テキストボックスBawにカーソルを出現させた上で、キーボードを種々操作することにより、テキストボックスBawに同義語として追加したい用語が記入される。なお、図5では、テキストボックスBawに用語「嘔吐下痢症」が記入された状態が示されている。
図6は、同義語の追加作業を行った状態を示す文書検索画面G1dを示す。テキストボックスBawに所望の用語が記入された状態で、同義語登録ボタンBsをマウスポインタMPで押下することにより、テキストボックスBkwに記入されたキーワードに対して、テキストボックスBawに記入された用語を同義語として登録するコマンドが入力される。そして、テキストボックスBawに記入されていた用語が登録候補表示領域Lsに記入され、テキストボックスBawに記入された用語がテキストボックスBkwに記入されたキーワードに対する同義語として支援情報DB52に記憶される候補となる。このとき、テキストボックスBkwに記入されたキーワードと、テキストボックスBawに記入された用語との組合せについて、評価値が算出されて、該評価値が所望の条件を満たす場合に、該組合せを示す情報が同義語の関係を示す情報として、メモリ50に記憶され、支援情報DB52が構築(具体的には、生成または更新)される。なお、登録候補表示領域Lsに用語が記入された状態で、検索ボタンBrがマウスポインタMPで押下されると、登録候補表示領域Lsに記入された用語とキーワードとを含むキーワード群が検索条件とされて検索が行われる。
図7は、同義語登録の設定状態と検索条件との関係を例示する図である。図7では、キーワード「ウイルス性胃腸炎」が入力される際に、同義語登録ボタンBsの押下による用語「嘔吐下痢症」に係る同義語登録指示のコマンドの入力の有無、支援情報DB52における同義語「ロタウイルス下痢症」「小児仮性コレラ」「白痢」の登録の有無によって、検索条件がどのようなものになるのか示されている。
例えば、同義語登録ボタンBsの押下による同義語登録指示のコマンドの入力が有り、且つ支援情報DB52における同義語の登録が有る場合には、検索条件が5つの用語「ウイルス性胃腸炎」「嘔吐下痢症」「ロタウイルス下痢症」「小児仮性コレラ」「白痢」からなるキーワード群によって構成される。また、同義語登録指示のコマンドの入力が有り、且つ支援情報DB52における同義語の登録が無い場合には、検索条件が2つの用語「ウイルス性胃腸炎」「嘔吐下痢症」からなるキーワード群によって構成される。また、同義語登録指示のコマンドの入力が無く、且つ支援情報DB52における同義語の登録が有る場合には、検索条件が4つの用語「ウイルス性胃腸炎」「ロタウイルス下痢症」「小児仮性コレラ」「白痢」からなるキーワード群によって構成される。更に、同義語登録指示のコマンドの入力が無く、且つ支援情報DB52における同義語の登録も無い場合には、検索条件が1つの用語「ウイルス性胃腸炎」からなるキーワードによって構成される。
図8は、支援情報DB52のデータ内容を例示する図である。図8で示すように、支援情報DB52では、登録語に対してその同義語が関連付けられている。図8では、登録語「ウイルス性胃腸炎」に対して同義語「ロタウイルス下痢症」「小児仮性コレラ」「白痢」がそれぞれ登録され、登録語「盲腸」に対して同義語「虫垂炎」が登録され、登録語「小児仮性コレラ」に対して同義語「ウイルス性胃腸炎」が登録され、登録語「おたふくかぜ」に対して同義語「流行性耳下腺炎」が登録された状態が示されている。
<評価値の算出および同義語の登録>
図9は、評価値算出部13における評価値Wの算出処理に係る動作フローを示すフローチャートである。ここでは、キーワード「ウイルス性胃腸炎」と同義語候補の用語「嘔吐下痢症」との組合せについての評価値を算出する例を挙げて説明する。
まず、キーワード(ここでは、ウイルス性胃腸炎)と同義語候補の用語(ここでは、嘔吐下痢症)との組合せが、登録語と同義語の組合せとして支援情報DB52に既に登録されているか否か判定される(ステップSS1)。ステップSS1では、支援情報DB52に既に登録されている場合には、評価値Wが0として算出されて(ステップSS5)、本動作フローが終了される。一方、支援情報DB52に登録されていない場合には、支援情報DB52において、キーワード(ここでは、ウイルス性胃腸炎)が登録語および同義語として登録されている回数(登録回数)Vaが認識され(ステップSS2)、支援情報DB52において、同義語候補の用語(ここでは、嘔吐下痢症)が登録語および同義語として登録されている回数(登録回数)Vbが認識される(ステップSS3)。そして、ステップSS2,SS3で認識された登録回数Va,Vbが所定の式(W={0.5/(Va+1)}+{0.5/(Vb+1)})に適用されることで、評価値Wが算出されて(ステップSS4)、本動作フローが終了される。
ここで、支援情報DB52のデータ内容が図8で示すようなものであり、例えば、キーワードと同義語候補の用語との組合せが、「ウイルス性胃腸炎」と「嘔吐下痢症」の場合には、登録回数Vaが4、登録回数Vbが0であるから、評価値Wは0.6(={0.5/(4+1)}+{0.5/(0+1)})となる。また、例えば、キーワードと同義語候補の用語との組合せが、「副鼻腔炎」と「蓄膿症」の場合には、登録回数Vaが0、登録回数Vbが0であるから、評価値Wは1.0(={0.5/(0+1)}+{0.5/(0+1)})となる。一般的には、支援情報DB52におけるキーワードの出現回数の減少に伴って、評価値Wが増加し、支援情報DB52におけるキーワードの出現回数の増加に伴って、評価値Wが減少する。また、支援情報DB52における同義語候補の用語の出現回数の減少に伴って、評価値Wが増加し、支援情報DB52における同義語候補の用語の出現回数の増加に伴って、評価値Wが減少する。
このように、評価値Wの算出対象となるキーワードおよび同義語候補の用語が、支援情報DB52において希少なものであれば、評価値Wが大きくなる。そこで、評価値Wが所定値T(例えば、0.7)以上という所定の条件を満たす場合には、キーワードと同義語候補の用語との組合せが、同義語の関係にあるものとして、キーワードと同義語候補の用語とが登録語と同義語として相互に関連付けられて支援情報DB52に登録される。
<DBシステムの動作フロー>
図10および図11は、DBシステム1Aの動作フローを示す図である。本動作フローは、ユーザによる操作部40の操作に応じて、CPU10に所定のプログラムが読み込まれて実行されることで実現される。
図10のステップS1では、表示制御部17の制御により、表示部30に図3で示したような文書検索画面G1aが表示される。
ステップS2では、文書検索画面G1aが表示部30に表示された状態で、受付部11および指示受付部12により、ユーザによる操作部40からの入力(例えば、キーワードや用語の入力、コマンドの入力など)が受け付けられる。
ステップS3では、受付部11により、キーワードが入力されたか否か判定される。ここでは、テキストボックスBkwにキーワードが記入されていなければ、ステップS2に戻り、キーワードが記入されていれば、ステップS4に進む。
ステップS4では、指示受付部12により、検索ボタンBrが押下されたか否か判定される。ここでは、検索ボタンBrが押下されれば、図11のステップS11に進み、押下されなければ、ステップS5に進む。
ステップS5では、指示受付部12により、同義語登録ボタンBsが押下されたか否か判定される。ここでは、同義語登録ボタンBsが押下されなければ、ステップS2に戻り、押下されれば、ステップS6に進む。
ステップS6では、指示受付部12および表示制御部17により、テキストボックスBawに記入されている用語が、登録候補表示領域Lsに表示される同義語候補の用語として追加される。
ステップS7では、評価値算出部13により、テキストボックスBkwに記入されているキーワードと、ステップS6で追加された同義語候補の用語との組合せについて、評価値が算出される。この評価値の算出処理に係る詳細な動作フローは、図9で示したものとなる。
ステップS8では、情報登録部14により、ステップS7で算出された評価値が所定条件を満たすか否か判定される。ここでは、例えば、評価値Wが所定値T以上であるという所定条件を満たせば、ステップS9に進み、満たさなければ、ステップS2に戻る。
ステップS9では、情報登録部14により、キーワードと同義語候補の用語との組合せが、同義語の関係にあるものとして、登録語と同義語との組合せとして相互に関連付けられて支援情報DB52に登録される。このとき、支援情報DB52が未だ構築されていなければ、支援情報DB52が新規に生成され、支援情報DB52が既に登録されていれば、支援情報DB52の内容が更新される。
図11のステップS11では、検索条件生成部15により、登録候補表示領域Lsに同義語候補が記入されているか否か判定される。ここでは、同義語候補が記入されていれば、ステップS12に進み、同義語候補が記入されていなければ、ステップS15に進む。
ステップS12では、検索条件生成部15により、登録候補表示領域Lsに記入された用語とキーワードとを含むキーワード群が生成される。
ステップS13では、検索条件生成部15により、支援情報DB52にキーワードに対する同義語が登録されているか否か判定される。ここでは、支援情報DB52においてキーワードに対応する登録語に対して同義語が登録されていれば、ステップS14に進み、登録されていなければ、ステップS17に進む。
ステップS14では、検索条件生成部15により、支援情報DB52に登録されたキーワードに対応する登録語が、ステップS12で生成されたキーワード群に追加される。
ステップS15では、検索条件生成部15により、支援情報DB52にキーワードに対する同義語が登録されているか否か判定される。ここでは、支援情報DB52においてキーワードに対応する登録語に対して同義語が登録されていれば、ステップS16に進み、登録されていなければ、ステップS17に進む。
ステップS16では、検索条件生成部15により、支援情報DB52に登録されたキーワードに対応する登録語と該キーワードとを含むキーワード群が生成される。
ステップS17では、検索条件生成部15により、検索条件が生成される。例えば、ステップS15から進んできた場合には、テキストボックスBkwに記入されたキーワードによって構成される検索条件が生成される。また、ステップS16から進んできた場合には、ステップS16で生成されたキーワード群によって構成される検索条件が生成される。また、ステップS13から進んできた場合には、ステップS12で生成されたキーワード群によって構成される検索条件が生成される。更に、ステップS14から進んできた場合には、ステップS14で生成されたキーワード群によって構成される検索条件が生成される。
ステップS18では、検索部16により、ステップS17で生成された検索条件に対応する文書情報を文書情報DB51から抽出する検索処理が行われる。
ステップS19では、ステップS18における検索処理の結果(検索結果)が表示部30において可視的に出力される。例えば、図4などで示すように、検索結果表示領域Lrに検索結果が表示され、操作部40からの入力に応じて、検索結果の表示態様が種々変更される。
以上のように、本発明の第1実施形態に係るDBシステム1Aでは、入力情報の入力時に該入力情報に係る評価値が算出される。そして、該評価値の利用により、支援情報DB52に入力情報に係る内容を反映するか否かが決められる。このため、データ処理、および記憶容量について要求される性能の過度な上昇が抑制され、システムの大型化、資源の無駄遣い、生産性の低下、製造コストの上昇、ならびに導入コストの上昇などといった種々の不具合の発生が抑制される。すなわち、作業支援システムにとって有用な知識が効率良く蓄積され、データの取り扱いに係る不具合の発生が抑制される。なお、ここでは、ユーザ数については特に触れなかったが、多数のユーザから知識を収集するような場合には、特に有効的である。また、DBシステム1Aでは、文書検索システムが含まれるため、文書検索を支援するための情報を効率良く収集することができる。更に、支援情報DB52に対して入力情報の内容が既に反映されている度合いに応じて入力情報に係る評価値が算出される。このため、該評価値の利用により、作業支援システムにとって有用な知識を効率良く支援情報DB52に蓄積することができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態に係るDBシステム1Aでは、入力情報について算出した評価値を、入力情報の内容を文書検索を支援するための支援情報DB52に反映するか否かの判断材料として使用した。これに対して、第2実施形態に係るDBシステム1Bでは、入力情報の受け付けに応答して算出される該入力情報に係る評価値に基づいて、情報提供に対する見返りが設定されて、情報提供に対するインセンティブが高められる。以下、第2実施形態に係るDBシステム1Bについて説明するが、DBシステム1Bの基本的な構成については、図1を示して説明した第1実施形態に係るDBシステム1Aの基本的な構成と同様となるため、第1実施形態に係るDBシステム1Aと異なる点について主に説明する。
<DBシステムの機能構成>
図12は、DBシステム1Bにおけるデータ処理に係る機能的な構成を例示する図である。DBシステム1Bでは、CPU10がメモリ50内に格納されるプログラムを読み込んで実行することで各種機能が実現される。具体的には、CPU10が、入力受付部101、認証部102、リスト読込部103、表示制御部104、検査指定部105、タスク管理部106、抽出条件生成部107、抽出部108、語句決定部109、情報登録部110、レポート情報生成部111、レポート情報書込部112、基準語句設定部113、評価値算出部114、およびカウンタ加算部115といった機能を有する。また、メモリ50には、検査リスト情報501、支援情報DB502、レポートデータベース(レポートDB)503、文献情報データベース(文献情報DB)504、基準語句リスト505、およびインセンティブカウンタ情報506が記憶される。なお、CPU10で一時的に生成される各種データは、メモリ50に一時的に記憶される。
DBシステム1Bは、文書の作成に応じて支援情報DB502を生成するシステム(情報生成システム)と、支援情報DB502を構成する情報の提供に対して見返りを設定するためのシステム(見返り設定システム)と、ユーザによる要求に応じて、支援情報DB502から全部または一部の情報を抽出して可視的に出力することで、文書であるレポート(ここでは、いわゆる読影レポート)の作成を支援するシステム(以下「文書作成支援システム」とも称する)とを有する。
ここで、図12を参照しつつ、DBシステム1Bに係る具体的な機能構成について説明する。
検査リスト情報501は、多数の検査に係る情報が列挙されたリスト(検査リスト)を示す情報である。
支援情報DB502は、過去に入力された読影レポートの構成を示す情報を蓄積することで構築されたデータベースであり、新規な読影レポートの入力を支援するための情報として利用される。図13は、支援情報DB502のデータ内容を例示する図である。支援情報DB502では、モダリティと撮影条件の組合せに対して、図13で示すような3つの語句の組合せとその入力頻度が蓄積される。この語句の組合せとしては、例えば、読影レポートを構成する3項目「部位」「所見」「診断」にそれぞれ属する3つの語句「冠動脈」「斑状の不均等陰影」「結節性硬化症」の組合せなどが挙げられる。なお、入力頻度は、過去に入力された読影レポートにおいて3つの語句の組合せが何回存在していたかを示す。
レポートDB503は、過去に入力された読影レポートの情報(読影レポート情報)を蓄積することで構築されたデータベースである。
文献情報DB504は、複数の文献の情報(文献情報)を蓄積することで構築されたデータベースであり、入力情報に係る評価値を算出する際に利用される。なお、文献は、文書に含まれるため、文献情報DB504は、複数の文書情報が蓄積されるデータベースであるとも言える。
基準語句リスト505は、入力情報に係る評価値を算出する際の基準となる語句(基準語句)が列挙されるリストである。なお、基準語句リスト505に列挙される基準語句は、1つ以上であれば良い。
インセンティブカウンタ情報506は、入力情報の入力元を識別するための情報(識別情報)に対して、情報提供に応じたカウント値を付与した情報である。このインセンティブカウンタ情報506は、情報提供に応じた見返りをユーザに供与するための情報として使用される。例えば、カウント値に応じたポイントや金銭が供与されたりするような態様が考えられる。
入力受付部101は、操作部40から入力される各種情報を受け付ける。入力受付部101で受け付けられる各種情報には、例えば、操作部40から入力される語句の組合せを示す情報(組合せ情報)が含まれ、この組合せ情報は、ユーザによって入力される情報(以下「入力情報」とも称する)に相当する。また、入力受付部101で受け付けられる各種情報には、各種要求や指定などが含まれる。なお、入力受付部101で受け付けられる各種情報は、適宜、認証部102、リスト読込部103、検査指定部105、抽出条件生成部107、語句決定部109、および基準語句設定部113に出力される。
認証部102は、ユーザにDBシステム1Bの機能を使用する権利(使用権限)があるか否かを検査するための認証を行う。例えば、ユーザごとにユーザ名を割り当て、そのユーザにしか知り得ない文字列(ここでは、ログインIDとパスワード)をユーザ名とともにメモリ50に格納しておき、認証時に、ユーザにログインIDおよびパスワードの入力が要求され、この入力に応答して認証が行われる。
リスト読込部103は、ユーザによる操作部40の操作に応じて、メモリ50から検査リスト情報501を読み出す。
表示制御部104は、リスト読込部103や抽出部108などから入力される情報に基づいて、表示部30において各種画面を表示させる。また、表示制御部104は、メモリ50内に格納される各種情報に基づいて、表示部30に各種画面を表示させる。
検査指定部105は、ユーザによる操作部40の操作に応じて、読影レポート情報の入力対象となる検査(読影対象検査)を指定する。
タスク管理部106は、検査指定部105による読影対象検査の指定に応じて、読影対象検査に対応する新規な読影レポートの作成に係るタスクを特定する。
抽出条件生成部107は、ユーザによる操作部40の操作に応じて、支援情報DB502から情報を抽出するための条件(抽出条件)を生成する。
抽出部108は、抽出条件生成部107で生成された抽出条件に対応する情報を支援情報DB502から抽出する。
語句決定部109は、ユーザによる操作部40の操作に応じて、新規な読影レポートを構成する語句(例えば、語句の組合せを示す組合せ情報)を決定する。また、語句決定部109は、組合せ情報を情報登録部110に送出する。更に、語句決定部109は、組合せ情報を構成する語句のうち、新規に登録する語句(以下「新規登録語句」と称する)を示す情報(以下「新規登録語句情報」と称する)を評価値算出部114に出力する。
情報登録部110は、語句決定部109で決定された組合せ情報をメモリ50に登録することで、支援情報DB502を構築する。
レポート情報生成部111は、語句決定部109で決定された語句に応じて句や節を生成していくことで、組合せ情報に応じた所見文を含む新規な読影レポート情報を生成する。なお、語句に応じて句や節を生成するためのモデルとなるデータは、メモリ50に予め格納しておけば良い。
レポート情報書込部112は、レポート情報生成部111で生成された新規な読影レポート情報を、メモリ50に書き込むことで、レポートDB503を構築する。
基準語句設定部113は、DBシステム1Bの管理者などの特定のユーザによる操作部40の操作に応じて、入力情報に係る評価値を算出する際の基準となる基準語句を設定して、基準語句リスト505に格納する。この基準語句としては、最近注目されている病気や症状などを示すキーワード(以下「注目キーワード」と称する)などが挙げられる。なお、特定のユーザの識別は、認証などによって行うことができる。
評価値算出部114は、入力受付部101からの情報の入力に応じて語句決定部109で決定された語句情報について、所定のルールに従って評価値を算出する。詳細には、文献情報DB504と基準語句リスト505とを参照しつつ、語句決定部109から入力される新規登録語句について評価値を算出する。この評価値は、語句決定部109で決定された組合せ情報、すなわちユーザによる入力情報に係る評価値とされる。
カウンタ加算部115は、評価値算出部114によって算出された入力情報に係る評価値が所定条件を満たす場合に、該入力情報の入力元を識別するための識別情報(例えば、ユーザ名など)に対して、カウント値を付与する。ここでは、インセンティブカウンタ情報506において、入力情報の入力元を識別するユーザ名に対して、評価値算出部114で算出された評価値がカウント値として加算される。
<読影レポートの入力時の画面に係る操作および画面遷移>
図14は、DBシステム1Bにおいてユーザの認証を行う画面(認証画面)G2を例示する図である。認証画面G2は、DBシステム1Bにおいて操作部40が種々操作されて読影レポートの入力動作が開始されると、表示部30に表示される画面である。図14で示す認証画面G2には、ログインIDを記入するテキストボックスBx1と、パスワードを記入するテキストボックスBx2と、OKボタンBT1とが設けられる。ユーザは、操作部40を種々操作することで、テキストボックスBx1,Bx2にマウスポインタMPを合わせて、左クリックを行うことによりテキストボックスBx1,Bx2にカーソルを出現させた上で、キーボードを種々操作することによってテキストボックスBx1,Bx2にログインIDおよびパスワードを記入することができる。そして、テキストボックスBx1,Bx2にログインIDおよびパスワードが記入された状態で、OKボタンBT1がマウスポインタMPで押下されると、ユーザにDBシステム1Bの使用権限があるか否かを検査するための認証が認証部102によって行われる。
ここで、ユーザに使用権限があれば、リスト読込部103により、検査リスト情報501が読み込まれ、表示制御部104の制御により、検査の一覧を示す画面(検査一覧画面)G3が表示部30に表示される。
図15は、検査一覧画面G3を例示する図である。図15で示すように、検査一覧画面G3は、検査に係る情報(具体的には、患者ID、患者氏名、生年月日、年齢、性別、状態、検査ID、検査日、検査部位、モダリティ、画像枚数)が一覧表示される画面である。この検査一覧画面G3では、状態「未読影」が付された検査が、読影レポートが作成されていない検査であることが分かる。そして、検査一覧画面G3では、1つの検査を囲む太枠カーソルCS1が表示され、該太枠カーソルCS1は、ユーザによる操作部40の操作に応答して上下に移動され、所望の検査に合わされた状態で、操作部40の決定ボタン(例えば、リターンキー)が押下されると、太枠カーソルCS1で囲まれた1つの検査が入力対象検査として特定される。入力対象検査が特定されると、表示部30で表示される画面が検査一覧画面G3からレポート入力画面G4a(図16)に遷移する。このとき、タスク管理部106の制御により、入力対象検査に対応する新規な読影レポートの作成に係るタスクが特定される。
図16〜図21は、表示部30で表示されるレポート入力画面G4a〜G4fを例示する図である。
図16で示すように、レポート入力画面G4aには、最上部に、項目「モダリティ」に属する語句が記入されるテキストボックスBx3、および項目「撮影条件」に属する語句が記入されるテキストボックスBx4が設けられ、その下に、項目「部位」「所見」「診断」にそれぞれ属する語句が記入されるテキストボックスBx5〜Bx7が左から順に設けられる。そして、テキストボックスBx5の直下に項目「部位」に属する語句のリストが表示される領域L5、テキストボックスBx6の直下に項目「所見」に属する語句のリストが表示される領域L6、テキストボックスBx7の直下に項目「診断」に属する語句のリストが表示される領域L7がそれぞれ設けられる。また、領域L5の直下に該領域L5のリストへの語句の追加を指示するためのボタンBT5、領域L6の直下に該領域L6のリストへの語句の追加を指示するためのボタンBT6、領域L7の直下に該領域L7のリストへの語句の追加を指示するためのボタンBT7がそれぞれ設けられる。更に、レポート入力画面G4aの下部には、作成されたレポート(具体的には、読影レポートを構成する所見文)が記入されるテキストボックスBx8、およびレポートの登録を指示するコマンドを入力するためのボタン(レポート登録ボタン)BT8が設けられる。
図17では、テキストボックスBx3,Bx4に語句が記入されることで、領域L5〜L7に語句のリストがそれぞれ表示されたレポート入力画面G4bが示されている。ここでは、操作部40が種々操作されて、例えば、テキストボックスBx3に項目「モダリティ」に属する語句「CR」が記入され、テキストボックスBx4に項目「撮影条件」に属する語句「正面」が記入されて、キーボードのリターンキーが押下されると、抽出条件生成部107によって、語句「CR」と語句「正面」とから構成される抽出条件が生成される。そして、抽出部108によって、図13で示すような該抽出条件に対応する情報が、支援情報DB502から抽出され、表示制御部104により、抽出された情報に基づいて、領域L5に項目「部位」に属する語句のリストが表示され、領域L6に項目「所見」に属する語句のリストが表示され、領域L7に項目「診断」に属する語句のリストが表示される。
図18では、領域L5に表示された語句のリストを利用して所見文を構成する語句を指定する状態を示すレポート入力画面G4cが示されている。ここでは、操作部40が種々操作されて、領域L5に表示されるリスト中の所望の語句にマウスポインタMPが合わされて左クリックが行われると、該所望の語句が項目「部位」に属する語句としてテキストボックスBx5に記入される。このとき、語句決定部109によって、テキストボックスBx5に記入された語句(図18では「冠動脈」)が項目「部位」に属する語句として決定され、レポート情報生成部111により、テキストボックスBx5に記入された語句に応じた句(図18では「冠動脈に」)が生成されて、テキストボックスBx8に表示される。
図19では、領域L6に表示された語句のリストを利用して所見文を構成する語句を指定する状態を示すレポート入力画面G4dが示されている。ここでは、操作部40が種々操作されて、領域L6に表示されるリスト中の所望の語句にマウスポインタMPが合わされて左クリックが行われると、該所望の語句が項目「所見」に属する語句としてテキストボックスBx6に記入される。このとき、語句決定部109によって、テキストボックスBx6に記入された語句(図19では「石灰化」)が項目「所見」に属する語句として決定され、レポート情報生成部111により、テキストボックスBx6に記入された語句に応じた文節(図19では「冠動脈に石灰化を認める。」)が生成されて、テキストボックスBx8に表示される。そして、このとき、2項目「部位」「所見」に属する2つの語句の組合せの入力に応じて、領域L7に表示される項目「診断」に係るリストにおいてお勧めの語句が他の語句とは区別可能な態様(例えば、濃淡が反転されたいわゆる反転表示)で示される。図19では、例えば、抽出部108で抽出された情報(例えば、図13で示すような情報)から既に記入されている2つの語句との組合せ頻度が所定条件(例えば、30などの所定値を超えるといった条件)を満たす項目「診断」に係る語句(ここでは、虚血性心疾患)が表示制御部104によって認識されて、反転表示された状態が示されている。
図20では、領域L7に表示された語句のリストを利用して所見文を構成する語句を指定する状態を示すレポート入力画面G4eが示されている。ここでは、操作部40が種々操作されて、領域L7に表示されるリスト中の所望の語句にマウスポインタMPが合わされて左クリックが行われると、該所望の語句が項目「診断」に属する語句としてテキストボックスBx7に記入される。このとき、語句決定部109によって、テキストボックスBx7に記入された語句(図20では「虚血性心疾患」)が項目「診断」に属する語句として決定され、レポート情報生成部111により、テキストボックスBx7に記入された語句に応じた文章(図20では「冠動脈に石灰化を認める。虚血性心疾患の疑いがある。」)が生成されて、テキストボックスBx8に表示される。
このように、レポート情報生成部111によって生成された文章がテキストボックスBx8に表示された状態で、レポート登録ボタンBT8がマウスポインタMPで押下されると、該文章によって構成される読影レポートを示す情報(読影レポート情報)が、レポート情報書込部112によってメモリ50に記憶されて、レポートDB503が構築される。また、このとき、3項目「部位」「所見」「診断」に対してそれぞれ決定された3つの語句(ここでは、「冠動脈」「石灰化」「虚血性心疾患」)の組合せを示す組合せ情報が語句決定部109から情報登録部110に送出され、情報登録部110によって、該組合せ情報がメモリ50に登録されて、支援情報DB502が構築される。
なお、レポート入力画面G4b〜G4eでは、領域L5〜L7に表示されるリストから所望の語句を選択することなく、テキストボックスBx5〜Bx7にマウスポインタMPを合わせて左クリックを行うことで、カーソルを出現させて、キーボードの操作により、テキストボックスBx5〜Bx7に対して直接所望の語句を入力することも可能である。ここで、テキストボックスBx7に直接所望の語句を入力する具体例を挙げて説明する。
図21では、テキストボックスBx7に直接所望の語句(ここでは「肥大型心筋症」)が入力されている状態を示すレポート入力画面G4fが示されている。このように、テキストボックスBx7に語句が記入されると、語句決定部109によって、テキストボックスBx7に記入された語句(図21では「肥大型心筋症」)が項目「診断」に属する語句として決定される。そして、レポート情報生成部111により、テキストボックスBx7に記入された語句に応じた文章(図21では「冠動脈に石灰化を認める。肥大型心筋症の疑いがある。」)が生成されて、テキストボックスBx8に表示される。また、ここで、ボタンBT7がマウスポインタMPで押下されると、図21で示すように、テキストボックスBx7に記入された語句「肥大型心筋症」が反転表示された状態で領域L7のリストに追加される。そして、レポート登録ボタンBT8がマウスポインタMPで押下されると、テキストボックスBx8に表示された文章に係る読影レポート情報が、レポート情報書込部112によってメモリ50に記憶され、レポートDB503が構築される。
このとき、図22に示すように、3項目「部位」「所見」「診断」に対してそれぞれ決定された3つの語句(ここでは「冠動脈」「石灰化」「肥大型心筋症」)の組合せを示す組合せ情報が語句決定部109から情報登録部110に送出され、情報登録部110によって、該組合せ情報がメモリ50に登録されて、支援情報DB502が構築される。また、語句決定部109によって、リストへの追加によって支援情報DB502に新規に登録する新規登録語句を示す新規登録語句情報が評価値算出部114に出力され、評価値算出部114によって新規登録語句情報に係る評価値、すなわち新規登録語句情報を含む組合せ情報に係る評価値が求められる。
<評価値の算出およびカウント値の付与>
図23は、評価値算出部114の機能構成を例示する図である。図23で示すように、評価値算出部114は、文献認識部1131、出現回数認識部1132、TF値取得部1133、IDF値算出部1134、TF−IDF値算出部1135、関連度算出部1136、および評価値決定部1137を備える。
文献認識部1131は、文献情報DB504に格納される複数の文献情報のうち、語句決定部109から入力された新規登録語句情報が出現する1以上の文献情報(以下「新語句含有文献情報」と称する)を認識する。つまり、新規登録語句(例えば「肥大型心筋症」)が出現する文献情報が認識される。
出現回数認識部1132は、文献認識部1131で抽出された1以上の新語句含有文献情報を構成する各文献情報に出現する新規登録語句情報の出現回数を認識する。つまり、文献ごとに新規登録語句(例えば「肥大型心筋症」)の出現回数(すなわち出現度数)が認識される。
TF値取得部1133は、文献認識部1131で認識された1以上の新語句含有文献情報を構成する各文献情報に出現する、基準語句リスト505に格納された各注目キーワードを示す情報(注目キーワード情報)の出現頻度(すなわち出現度数)を認識する。つまり、注目キーワードごとに、文献認識部1131で認識された1以上の文献において、注目キーワードがどれだけ多く出現しているかという出現頻度を示すTF(Term Frequency)値が求められる。ここでは、例えば、文献情報DB504に文献情報が登録される度に、形態素解析などの言語処理を行うとともに、医療辞典の情報などを利用することで、注目キーワードが登録されると、各文献情報ごとに注目キーワードに係るTF値が算出されるようにしておけば、TF値の認識に要する時間の短縮化が図られる。なお、以下では、ある文献dにおける注目キーワードtに係るTF値をtf(d,t)と示す。
IDF値算出部1134は、文献情報DB504に格納される複数の文献情報のうち、各注目キーワード情報が含まれる文献情報が出現する度合いを示す値(以下「出現度合い値」と称する)を算出する。ここでは、文献情報DB504に格納される文献情報の数をN、注目キーワードtが含まれる文献情報の数をf(t)とすると、下式(1)に従って、注目キーワードtを含む文献情報が出現する度合いを示す出現度合い値に相当するIDF(Inverse Document Frequency)値idf(t)が導出される。
idf(t)=log{N/f(t)}+1 ・・・(1)。
TF−IDF値算出部1135は、各注目キーワードについて、文献情報ごとに、IF値(すなわち出現度数)と、IDF値(すなわち出現度合い値)とに基づき、各新語句含有文献情報を各注目キーワードが特徴付けている度合いを示す値(以下「特徴付け度合い値」と称する)をそれぞれ導出する。ここでは、注目キーワードごとに、各新語句含有文献情報に係るIF値とIDF値との積であるTFIDF値が特徴付け度合い値としてそれぞれ導出される。具体的には、ある文献dについての注目キーワードtに係るTF−IDF値をtfidf(d,t)とすると、下式(2)が成立する。
tfidf(d,t)=tf(d,t)×idf(t) ・・・(2)。
ここで算出されるTF−IDF値は、新規登録語句を含む新語句含有文献情報にのみに対して算出されるため、新規登録語句を含む各新語句含有文献情報に対して、各注目キーワードがそれぞれどの程度重要な意味を持つのかといった度合いを示す。
関連度算出部1136は、注目キーワードごとに、各新語句含有文献情報について各新規登録語句情報の出現回数とTF−IDF値との積を求め、注目キーワードごとにその値の総和を求めて、文献情報DB504に格納されている文献情報の数で除する正規化を行うことで、新規登録語句と注目キーワードとの関連度を示す値(以下「関連度値」と称する)を導出する。例えば、図24で示すように、注目キーワードとして4つの語句「メタボリック」「肺炎」「ロタウイルス」「インフルエンザ」が登録され、新規登録語句として項目「診断」に属する「肥大型心筋症」が入力された場合には、注目キーワード「メタボリック」と新規登録語句「肥大型心筋症」との組合せ、注目キーワード「肺炎」と新規登録語句「肥大型心筋症」との組合せ、注目キーワード「ロタウイルス」と新規登録語句「肥大型心筋症」との組合せ、および注目キーワード「インフルエンザ」と新規登録語句「肥大型心筋症」との組合せのそれぞれについて関連度値が導出される。ここでは、注目キーワードが出現する文献において、注目キーワードと新規登録語句とが共に頻出する傾向にある場合に、注目キーワードと新規登録語句との組合せに係る関連度値が大きくなる。
評価値決定部1137は、関連度算出部1136によって算出された各注目キーワードに係る関連度値に基づき、ユーザによる新規登録語句を含む新規な情報(すなわち新規な組合せ情報)の提供に対する評価値、すなわちユーザによる入力情報に係る評価値が決定される。ここでは、関連度算出部1136によって導出された1以上の関連度値のうち、最も大きな関連度値が入力情報に係る評価値として採用されることで、評価値が取得される。
図25は、評価値算出部114における評価値の算出動作フローを示すフローチャートである。本動作フローは、語句決定部109から評価値算出部114に新規登録語句情報が入力されることで開始される。
まず、文献認識部1131により、文献情報DB504に格納される文献情報のうち、新規登録語句を含む新語句含有文献情報が検索される(ステップST161)。次に、出現回数認識部1132により、各新語句含有文献情報について新規登録語句の出現回数Cが認識される(ステップST162)。その次に、TF値取得部1133、IDF値算出部1134、およびTF−IDF値算出部1135により、各新語句含有文献情報について各注目キーワードに係るTF−IDF値が算出される(ステップST163)。更にその次に、関連度算出部1136により、各注目キーワードについて、各新語句含有文献情報に係る出現回数CとTF−IDF値との積の総和Sが算出され(ステップST164)、文献情報DB504に格納される文献情報の数で正規化されて、各注目キーワードと新規登録語句情報との関連度を示す関連度値が算出される(ステップST165)。そして、ステップST165で算出された関連度値のうち、最大のものが評価値として採用される(ステップST166)。
例えば、図24で示すように、注目キーワードとして4つの語句「メタボリック」「肺炎」「ロタウイルス」「インフルエンザ」が登録され、新規登録語句として項目「診断」に属する「肥大型心筋症」が入力された場合には、図26で示すように、各注目キーワードについて、関連度値が算出される。そして、4つの関連度値のうちの最大値、すなわち注目キーワード「メタボリック」に係る関連度値が評価値として採用される。
<DBシステムの動作フロー>
図27および図28は、DBシステム1Bの動作フローを示す図である。本動作フローは、ユーザによる操作部40の操作に応じて、CPU10に所定のプログラムが読み込まれて実行されることで実現される。
図27のステップST1では、表示制御部104の制御により、表示部30に図14で示したような認証画面G2が表示される。
ステップST2では、認証部102により、使用権限があるか否か判定される。ここでは、使用権限が認識されるまでステップST2の判定が繰り返され、認証画面G2でログインIDとパスワードが入力されて、使用権限が認識されれば、ステップST3に進む。
ステップST3では、認証部102により、ユーザが認識される。ここでは、認証部102により、メモリ50を参照することで、入力されたログインIDとパスワードと関連付けられたユーザ名が認識され、その情報がカウンタ加算部115に送出される。
ステップST4では、リスト読込部103により、検査リスト情報501が読み込まれるとともに、表示制御部104の制御により、図15で示したような検査一覧画面G3が表示部30に表示される。
ステップST5では、検査指定部105により、撮影対象検査が指定されたか否か判定される。ここでは、検査一覧画面G3において、撮影対象検査が指定されるまで、ステップST5の判定が繰り返され、撮影対象検査が指定されると、タスク管理部106により、読影対象検査に対応する新規な読影レポートの作成に係るタスクが特定されて、ステップST6に進む。
ステップST6では、表示制御部104により、図16で示したようなレポート入力画面G4aが表示部30に表示される。
ステップST7では、抽出条件生成部107により、レポート入力画面において、2項目「モダリティ」「撮影条件」に対応する語句が入力されたか否か判定される。ここでは、図17で示すように、テキストボックスBx3,Bx4に2項目「モダリティ」「撮影条件」に対応する語句(例えば、CRと正面)が記入されてリターンキーが押下される入力が完了するまで、ステップST7の判定が繰り返され、入力が完了すると、ステップST8に進む。
ステップST8では、抽出条件生成部107により、テキストボックスBx3,Bx4に記入された2つの語句(例えば、CRと正面)によって構成される抽出条件が生成される。
ステップST9では、抽出部108により、ステップST8で生成された抽出条件に対応する情報が支援情報DB502から抽出される。例えば、図13で示すような該抽出条件に対応する情報が、支援情報DB502から抽出される。
ステップST10では、表示制御部104により、ステップST9で抽出された情報に基づいて、レポート入力画面に所見文の入力を支援する情報が提示される。例えば、図17で示すように、領域L5に項目「部位」に属する語句のリストが表示され、領域L6に項目「所見」に属する語句のリストが表示され、領域L7に項目「診断」に属する語句のリストが表示される。
図28のステップST11では、入力受付部101により、レポート入力画面における各種情報の入力が受け付けられる。例えば、3項目「部位」「所見」「診断」に対する所望の語句が3つのテキストボックスBx5,Bx6,Bx7にそれぞれ記入される。このとき、語句決定部109により、テキストボックスBx5,Bx6,Bx7に記入された語句が各項目に属する語句として決定され、レポート情報生成部111により、テキストボックスBx5,Bx6,Bx7に記入された語句に応じた文章が生成されて、テキストボックスBx8に表示される。
ステップST12では、入力受付部101により、レポート登録ボタンBT8が押下されたか否か判定される。ここでは、レポート登録ボタンBT8が押下されていなければ、ステップST11に戻り、各種情報の入力が受け付けられる。一方、レポート登録ボタンBT8が押下されれば、ステップST13に進む。
ステップST13では、語句決定部109により、3項目「部位」「所見」「診断」に対して、テキストボックスBx5,Bx6,Bx7に記入されている3つの語句、すなわち3つの語句の組合せ情報が、新規な所見文を構成する語句に係る組合せ情報として決定される。
ステップST14では、レポート情報生成部111により、ステップST13で決定された組合せ情報に基づく所見文によって構成される読影レポート情報が生成される。
ステップST15では、レポート情報書込部112により、ステップST14で生成された読影レポート情報が、メモリ50に記憶されて、レポートDB503が構築(具体的には、生成または更新)される。
ステップST16では、語句決定部109により、組合せ情報を構成する語句の中に新規登録語句があるか否か判定される。ここでは、レポート入力画面で領域L5〜L7に表示されたリストに加えられた語句(新規登録語句)があればステップST17に進み、加えられた語句がなければステップST20に進む。このとき、語句決定部109により、新規登録語句を示す新規登録語句情報が評価値算出部114に出力される。
ステップST17では、評価値算出部114により、新規登録語句情報について評価値が算出される。ここでは、図25で示した評価値の算出動作フローが実行される。
ステップST18では、カウンタ加算部115により、ステップST17で算出された評価値が所定条件を満たすか否か判定される。ここでは、評価値が所定値を超えるなどといった所定条件を満たせばステップST19に進み、所定条件を満たさなければステップST20に進む。
ステップST19では、カウンタ加算部115により、ステップST3で認識された識別情報(ここでは、ユーザ名)に対して、ステップST17で算出された評価値をカウント値として付与して、インセンティブカウンタを増加させることで、インセンティブカウンタ情報506の生成または更新が行われる。
ステップST20では、3項目(部位、所見、診断)に対してそれぞれ決定された3つの語句(例えば、冠動脈、石灰化、虚血性心疾患)の組合せを示す組合せ情報が語句決定部109から情報登録部110に送出され、情報登録部110により、ステップST13において決定された3つの語句に係る組合せ情報がメモリ50に登録されて、支援情報DB502が構築(具体的には、生成または更新)される。
なお、ここでは、全ての組合せ情報が支援情報DB502に格納されたが、これに限られず、例えば、評価値が所定条件を満たす場合にのみ、組合せ情報が支援情報DB502に格納されるようにしても良い。
以上のように、本発明の第2実施形態に係るDBシステム1Bでは、入力情報の入力時に該入力情報に係る評価値が算出される。そして、該評価値に基づいて情報提供に対する見返りが設定される。このため、情報提供に対するインセンティブが高められ、作業支援システムにとって有益な知識の提供が促進される。特に、読影レポートなどの文書作成を支援するために使用する支援情報DB502の充実化に対して、情報を効率良く収集することができる。より具体的には、基準となる注目キーワードとの関連度合いによって入力情報を評価して、該評価に従った見返りの付与などにより、流行の話題や自らの医療施設で弱い分野などに係る情報を重点的に充実化させた支援情報DB502を構築することもできる。すなわち、作業支援システムにとって有用な知識を効率良くデータベースに蓄積することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係るDBシステム1Cは、第1および第2実施形態に係るDBシステム1A,1Bと同様な全体構成を有し、第2実施形態に係るDBシステム1Bの機能に、第1実施形態の文書検索システムの機能を付加したものとなっている。具体的には、図29で示すように、第3実施形態に係るDBシステム1Cは、情報生成システムと、見返り設定システムと、文書作成支援システムとを含むシステム群300を有するとともに、情報生成システムによって生成される支援情報DB502を利用する文書検索システム200を有する。
図30は、文書検索システム200に係る機能的な構成を示すブロック図である。図30では、図2で示した機能的な構成と同様な部分については同じ符号が付されている。図30で示すように、文書検索システム200は、第1実施形態に係るDBシステム1Aの文書検索システムと同様な構成を有するが、支援情報DB52を参照する検索条件生成部15が、支援情報DB502を参照する検索条件生成部15Cとなっている。つまり、文書検索システム200では、第1実施形態に係るDBシステム1Aの文書検索システムと比較して、検索条件の生成方法が異なる。ここでは、支援情報DB502には、図13で示すように、3つの語句の組合せとその入力頻度が蓄積されており、例えば、検索条件生成部15Cは、指示受付部12から入力される語句情報と、該語句情報に対して支援情報DB502において所定頻度以上組み合わされている語句情報とを含む語句情報群を、検索条件として生成する。具体的には、2つのキーワード「冠動脈」「石灰化」が入力された場合に、支援情報DB502で「冠動脈」「石灰化」と組み合わされた入力頻度が高い語句「虚血性心筋症」がキーワードに追加されて、3つの語句「冠動脈」「石灰化」「虚血性心筋症」からなるキーワード群が生成されるような態様が考えられる。
図31は、システム群300に係る機能的な構成を示すブロック図である。図31では、図12で示したブロック図に対して、システム群300を実現するための機能的な構成を囲む破線を追加したものとなっている。
以上のように、第3実施形態に係るDBシステム1Cでは、入力される読影レポート情報において良くある語句の組合せを利用することで、文書検索システムにおける検索条件の生成が支援される。
<第4実施形態>
上記第3実施形態に係るDBシステム1Cでは、注目キーワード情報と新規登録語句情報との関連度に応じて評価値を算出した。これに対して、第4実施形態に係るDBシステム1Dでは、好ましい読影レポートを形成するのに必要な複数の語句の項目のうち、入力情報である読影レポート情報に含まれる語句が、幾つの項目を満たしているのかといった観点で、入力された読影レポート情報の充実度に基づく評価値を算出する。なお、第4実施形態に係るDBシステム1Dは、第3実施形態に係るDBシステム1Cと類似の機能的な構成を有するため、以下では、第4実施形態に係るDBシステム1Dのうち、第3実施形態に係るDBシステム1Cと異なる部分について主に説明する。
<DBシステムの機能構成>
図32は、本発明の第4実施形態に係るDBシステム1Dの機能的な構成を例示する図である。図32で示す第4実施形態に係るDBシステム1Dの機能的な構成のうち、図31で示した第3実施形態に係るDBシステム1Cの機能的な構成と同様な部分については、同じ符号を付して説明を省略する。なお、第4実施形態に係るDBシステム1Dでは、第3実施形態に係るDBシステム1Cに設けられていた文書作成支援システムの機能が省かれている。
第4実施形態に係るDBシステム1Dは、第3実施形態に係るDBシステム1Cと異なる機能的な構成として、レポート情報生成部111D、機械学習部116、レポート解析部117、評価値算出部114D、およびカウンタ加算部115Dを備える。また、メモリ50には、検査リスト情報501およびレポートDB503の他に、学習用コーパス507、モデル情報DB508、およびインセンティブカウンタ情報506Dが格納される。
レポート情報生成部111Dは、入力受付部101から入力される情報に基づいて、読影レポート情報を生成する。具体的には、ユーザによる操作部40の操作に応じて、自然文で記載された所見文の情報を含む読影レポート情報が生成される。そして、ここでは、この読影レポート情報が、ユーザによる入力情報に相当する。なお、レポート情報生成部111Dで生成された読影レポート情報は、レポート情報書込部112によってレポートDB503に記憶されるとともに、レポート解析部117に送出される。
学習用コーパス507は、読影レポートに含まれる所見文の形式(具体的には、文章モデル)に準じた大量のテキストデータを含む。この文章モデルは、例えば、部位→所見(特徴−結語)→診断(診断−結語)といった具合に所見文の構成を示す。詳細には、学習用コーパスでは、所見文の文章モデルを構成する各語句の項目の名称が各語句に対してタグ付けされている。ここでは、語句の項目の名称(項目名)が、3つ(一般的には所定数)の項目名「部位」「所見」および「診断」であるものとして説明する。
機械学習部116は、学習用コーパス507を教師データとした機械学習を行うことで、モデル情報DB508を構築する。具体的には、学習用コーパス507から語句が抜き出され、対応する語句の項目毎にそれぞれ記憶されることで、モデル情報DB508が構築される。つまり、モデル情報DB508には、1以上の項目に対して1以上の語句をそれぞれ関連付けた情報が格納される。ここで学習されて記憶されるデータは、読影レポートを構成する各語句をどのように3つの語句の項目に分解すべきかを示すモデルのデータ(モデルデータ)となっており、評価値を算出するための情報(以下「評価用情報」と称する)をも構成する。
レポート解析部117は、レポート情報生成部111Dから入力される読影レポート情報を解析する。ここでは、モデル情報DB508内のモデルデータが基準とされつつ、レポート情報生成部111Dからレポート解析部117に入力される読影レポート情報に係る所見文を対象として、語句の項目と実際に使用されている語句とが識別される。例えば、所見文を形態素解析によって語句に分解した後に、モデルデータに含まれる語句との照合が行われて、語句の項目と実際に使用されている語句とが識別される。
なお、例えば、いわゆるSVM(Support Vector Machine)を利用した機械学習により、予め教師データで与えられていない要素についても、要素の項目が識別されても良い。詳細には、機械学習部116により、学習用コーパス507を形態素解析によって形態素に分解し、形態素ごとに、形態素そのもの、形態素の品詞、形態素の活用形、前後(例えば前後2つ)の形態素の情報などを用いて、ある項目に属する形態素が出現するパターン(出現パターン)が学習され、この出現パターンを用いて要素の項目が識別されても良い。
また、レポート解析部117では、所定数の項目にそれぞれ属する語句の組合せが認識されて、該語句の組合せを示す組合せ情報が取得されるため、情報登録部110では、レポート解析部117で取得された組合せ情報をメモリ50に登録することで、支援情報DB502を構築する。
評価値算出部114Dは、レポート解析部117の解析結果を利用して、所定数の項目のうち、所見文に含まれる語句が属する項目数を求め、その項目数に応じて入力情報に係る評価値を算出する。ここでは、所見文に、3項目「部位」「所見」および「診断」のうちの幾つの項目に属する語句が含まれているかといった所見文の充実度が求められる。具体的には、所見文に3項目(部位、所見、診断)に属する語句が全く含まれていなければ評価値が0とされ、所見文に3項目(部位、所見、診断)のうちの1項目に属する語句が含まれていれば評価値が1とされ、所見文に3項目(部位、所見、診断)のうちの2項目に属する語句が含まれていれば評価値が2とされ、所見文に3項目(部位、所見、診断)に属する語句が全て含まれていれば評価値が3とされる。
なお、評価値の算出方法としては、所見文を構成する語句が属する項目数を評価値として算出する以外に、所見文を構成する語句が属する項目数を所定数で除することで評価値を算出しても良い。具体的には、所見文に3項目(部位、所見、診断)に属する語句が全く含まれていなければ評価値が0(=0/3)とされ、所見文に3項目(部位、所見、診断)のうちの1項目に属する語句が含まれていれば評価値が1/3とされ、所見文に3項目(部位、所見、診断)のうちの2項目に属する語句が含まれていれば評価値が2/3とされ、所見文に3項目(部位、所見、診断)に属する語句が全て含まれていれば評価値が1(=3/3)とされても良い。
すなわち、レポート解析部117と評価値算出部114Dによって、モデル情報DB508に従って、所見文に含まれる1以上の語句が所定数(例えば3つ)の項目に対応する度合いを求め、該度合いに応じた評価値を算出するようにすれば良い。
カウンタ加算部115Dは、評価値算出部114Dによって算出された入力情報に係る評価値が所定条件を満たす場合に、該入力情報の入力元を識別するための識別情報(例えば、ユーザ名など)に対して、カウント値を付与する。ここでは、所定数の項目のうち、所見文を構成する語句が属する項目の数の増加に伴って、評価値が増加する。また別の観点から言えば、所定数の項目のうちの所見文を構成する語句が属する項目の数の所定数に対する比率の増加に伴って、評価値が増加する。なお、ここで言う所定条件としては、例えば、評価値が0〜3で変化する場合には、評価値が所定の閾値(例えば、3)以上である条件などが挙げられ、例えば、評価値が0〜1で変化する場合には、評価値が所定の閾値(例えば、1)以上である条件などが挙げられる。
<読影レポートの入力時の画面に係る操作>
図33は、DBシステム1Dにおいて表示部30に表示されるレポート入力画面G5を例示する図である。図33で示すように、レポート入力画面G5には、上部に、項目「モダリティ」に属する語句が記入されるテキストボックスBx3、および項目「撮影条件」に属する語句が記入されるテキストボックスBx4が設けられ、中央部に、所見文が自然文で記入されるテキストボックスBx50が設けられ、下部に、レポートの登録を指示するコマンドを入力するためのボタン(レポート登録ボタン)BT80が設けられる。このレポート入力画面G5では、テキストボックスBx50にマウスポインタMPを合わせて左クリックを行うことで、カーソルを出現させて、キーボードの操作により、テキストボックスBx50に対して所望の自然文が直接記入される。そして、レポート登録ボタンBT8がマウスポインタMPで押下されると、テキストボックスBx50に表示された自然文に係る読影レポート情報が、レポート解析部117に送出されて、該読影レポート情報に係る評価値が算出される。このとき、この読影レポート情報は、レポート情報書込部112によってメモリ50に記憶されて、レポートDB503が構築される。
<DBシステムの動作フロー>
図34および図35は、DBシステム1Dの動作フローを示す図である。本動作フローは、ユーザによる操作部40の操作に応じて、CPU10に所定のプログラムが読み込まれて実行されることで実現される。
図34のステップSP1〜SP5では、図27のステップST1〜ST5と同様な処理が行われる。
ステップSP6では、表示制御部104により、図33で示したようなレポート入力画面G5が表示部30に表示される。
ステップSP7では、入力受付部101により、レポート入力画面G5における各種入力が受け付けられる。
ステップSP8では、入力受付部101により、レポート登録ボタンBT80が押下されたか否か判定される。ここでは、レポート登録ボタンBT80が押下されていなければ、ステップSP7に戻り、各種情報の入力が受け付けられる。一方、レポート登録ボタンBT80が押下されれば、ステップSP9に進む。
ステップSP9では、レポート情報生成部111Dにより、レポート入力画面G5においてテキストボックスBx50に記入された所見文に基づき、読影レポート情報が生成される。
ステップSP10では、レポート情報書込部112により、ステップSP9で生成された読影レポート情報が、メモリ50に記憶されて、レポートDB503が構築(具体的には、生成または更新)される。
図35のステップSP11では、レポート解析部117により、ステップSP9で生成された読影レポート情報の解析が行われる。ここでは、読影レポート情報に係る所見文を対象として、語句の項目と実際に使用されている語句とが識別される。
ステップSP12では、評価値算出部114Dにより、ステップSP11における解析結果を用いて、入力情報である読影レポート情報に係る評価値が算出される。ここでは、所定数の項目のうち、所見文に含まれる語句が属する項目数が求められ、その項目数に応じて入力情報に係る評価値が算出される。
ステップSP13では、カウンタ加算部115Dにより、ステップSP12で算出された評価値が所定条件を満たすか否か判定される。ここでは、評価値が閾値以上などといった所定条件を満たせばステップSP14に進み、所定条件を満たさなければ、本動作フローを終了する。
ステップSP14では、カウンタ加算部115Dにより、ステップSP3で認識された識別情報(ここでは、ユーザ名)に対して、ステップSP12で算出された評価値をカウント値として付与して、インセンティブカウンタを増加させることで、インセンティブカウンタ情報506Dの生成または更新が行われる。
ステップSP15では、情報登録部110により、ステップSP11で認識された所定数の項目(部位、所見、診断)に属する3つの語句(例えば、冠動脈、石灰化、虚血性心疾患)の組合せを示す組合せ情報がメモリ50に登録されて、支援情報DB502が構築される。
以上のように、第4実施形態に係るDBシステム1Dでは、入力情報である所見文に含まれる語句が予め準備された所定数の語句の項目に対応する度合いに応じて、評価値が算出される。このため、入力情報の内容の充実度に応じた評価が可能となり、該評価値に基づいて情報提供に対する見返りを設定することができる。したがって、情報提供に対するインセンティブが高められ、作業支援システムにとって有用な知識を効率良くデータベースに蓄積することができる。また、該評価値の利用により、支援情報DB502に入力情報に係る内容を反映するか否かが決められる。このため、データ処理、および記憶容量について要求される性能の過度な上昇が抑制され、システムの大型化、資源の無駄遣い、生産性の低下、製造コストの上昇、ならびに導入コストの上昇などといった種々の不具合の発生が抑制される。すなわち、作業支援システムにとって有用な知識が効率良く蓄積され、データの取り扱いに係る不具合の発生が抑制される。
<変形例>
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
◎例えば、上記第1実施形態では、ユーザによる入力情報に含まれるキーワードと同義語候補の用語とが支援情報DB52においてそれぞれ出現する回数に基づいて評価値が算出されたが、これに限られない。例えば、同義語候補の用語の希少度合いに着目して、同義語候補の用語が支援情報DB52において出現する頻度に基づいて評価値を算出するようにしても良い。
◎また、上記第2実施形態では、入力情報が3つの語句の組み合わせを示す組合せ情報であったが、これに限られない。例えば、入力情報が、文書を構成する1以上の語句を含み、該1以上の語句について評価値が算出されれば良い。
◎また、上記第2実施形態では、評価値算出部114によって、各注目キーワードについて、各新語句含有文献情報に係る出現回数CとTF−IDF値との積の総和Sが算出され、文献情報の数で正規化されることで、各注目キーワード情報と新規登録語句情報との関連度を示す関連度値が算出され、関連度値のうちの最大のものが評価値として採用されたが、これに限られない。例えば、評価値算出部114によって、各新語句含有文献情報における新規登録語句情報および各注目キーワード情報の出現頻度(例えば、出現回数CおよびTF値)と、文献情報DB504内の全文献情報のうち各注目キーワード情報が含まれる文献情報が出現する度合い(例えば、IDF値)とに基づいて、新規登録語句情報と各注目キーワード情報との関連度を示す関連度値が算出されても良い。具体的には、上記第2実施形態における評価値の算出動作から、正規化の処理を省略するような態様が考えられる。
また、例えば、評価値算出部114によって、各新語句含有文献情報における新規登録語句情報および各注目キーワード情報の出現頻度(例えば、出現回数CおよびTF値)に基づいて、新規登録語句情報と各注目キーワード情報との関連度を示す関連度値が算出され、該各注目キーワードに係る関連度値に基づいて、新規登録語句情報(すなわち入力情報)に係る評価値が算出されても良い。具体的には、各注目キーワードについて、各新語句含有文献情報に係る出現回数CとTF値との積の総和を算出し、この値を各注目キーワード情報と新規登録語句情報との関連度を示す関連度値として、最大の関連度値を評価値として採用するような態様が考えられる。
また、例えば、評価値算出部114によって、各新語句含有文献情報における各注目キーワード情報の出現頻度(例えば、TF値)に基づいて、新規登録語句情報(すなわち入力情報)に係る評価値が算出されても良い。具体的には、各注目キーワードについて、各新語句含有文献情報に係るTF値の総和を算出し、この値を各注目キーワード情報と新規登録語句情報との関連度を示す関連度値として、最大の関連度値を評価値として採用するような態様が考えられる。
また、例えば、評価値算出部114において、文献情報DB504に含まれる同一の文献情報において入力情報に含まれる新規登録語句情報と各注目キーワード情報とが共に出現する度合いに基づき、新規登録語句情報(すなわち入力情報)に係る評価値が算出されても良い。具体的には、文献情報DB504に含まれる全文献情報のうち、各注目キーワード情報について、新規登録語句情報と注目キーワード情報とが共に出現する文献情報の数(文献情報数)を関連度値として求め、最大の関連度値を評価値として採用するような態様が考えられる。
このように、種々の態様で、予め設定された注目キーワード情報と、新規に入力された新規登録語句情報とが、既存の文献中においてどの程度関連して使用されているのかといった度合いを評価値として求めることで、注目キーワードと新規登録語句情報との概念距離の遠近が求められる。よって、基準となる注目キーワードとの関連度合いによって入力情報を評価することができる。このため、該評価に従った見返りの付与などにより、作業支援システムにとって有用な知識を効率良くデータベースに蓄積することができる。
◎また、上記第3実施形態では、入力された2つのキーワードに対して、支援情報DB502において該2つのキーワードと組み合わされて入力される頻度が予め設定した閾値以上の語句を、キーワードに加えたキーワード群を生成したが、これに限られない。例えば、インセンティブカウンタ情報506に記憶されるカウント値、具体的には、各組合せ情報が入力された際に算出される評価値を、支援情報DB502に蓄積される組合せ情報に対応付けて登録しておき、2つのキーワードの入力に応答して、支援情報DB502において該2つのキーワードを含む組合せ情報のうち、所定値以上のカウント値が対応付けられた組合せ情報に係る語句を、キーワードに加えてキーワード群を生成しても良い。更に、例えば、入力された2つのキーワードに対して、支援情報DB502において該2つのキーワードと組み合わされて登録されている全ての語句を、キーワードに加えてキーワード群を生成するようにしても良い。
◎また、上記第2および第3実施形態では、評価値に基づいてインセンティブカウンタ情報506,506Dのカウント値が加算されたが、これに限られない。例えば、評価値が所定条件(例えば、所定値以上である条件)を満たす場合に、入力情報である語句の組合せ情報を支援情報DB502に記憶するようにしても良い。
◎また、上記第4実施形態では、所見文の充実度を評価値として求めたが、この評価値の算出方法を第3実施形態に係るDBシステム1Cに適用しても良い。
◎また、上記第2実施形態では、1台のパソコンにおいてDBシステム1Bが実現されたが、これに限られない。例えば、図36で示すように、インターネット回線などのネットワーク回線NTWを介してデータ送受信可能に接続されるデータセンタサーバ700と複数の端末800a〜800cとによって、DBシステム1Eが構成されても良い。なお、各端末800a〜800cは、図1で示したようなパソコンによって構成される。そして、DBシステム1Eでは、複数の端末800a〜800cに共通のインセンティブカウンタ情報506と支援情報DB502とがデータセンタサーバ700に記憶される。したがって、各端末800a〜800cによって入力される情報に基づいて支援情報DB502を充実化することができる。また、データセンタサーバ700において、インセンティブカウンタ情報506が格納されるため、見返りの付与が容易に可能となる。
図37は、本変形例に係るDBシステム1Eを構成する1台の端末に着目した機能的な構成を例示す図である。図37では、1台の端末が有する構成を実線で示し、データセンタサーバ700が有する構成については破線で示されている。図37で示すように、各端末800a〜800cは、第2実施形態に係るDBシステム1Bの機能的な構成のうちのインセンティブカウンタ情報506、および支援情報DB502を除く構成をそれぞれ有する。なお、ここでは、第2実施形態に係るDBシステム1Bについてサーバとクライアントとによって構成されるいわゆるクライアント−サーバシステムの変形例を例示して説明したが、第1、第3、および第4実施形態についても、同様にクライアント−サーバシステムとし、各種データベースを複数の端末で共用するようにしても良い。
◎また、上記第1〜4実施形態では、入力情報が語句の組合せによって構成され、該入力情報に係る評価値が算出されたが、これに限られない。例えば、入力情報が1つの用語によって構成されても良い。具体的には、例えば、各種検索システムにおいて、注目キーワードのランキングが表示されるような構成があるが、この構成において、検索用のキーワードが入力される際に、該検索用のキーワードについて評価値を算出し、該評価値が所定条件を満たす場合に、注目キーワードのランキング用の情報を構成するデータベースに該検索用のキーワードを追加する態様が考えられる。このような態様における評価値の算出方法としては、例えば、第2実施形態で採用したものと同様に、検索用のキーワードとある基準語句との関連度を算出して、該関連度から評価値を求めるような手法が考えられる。また、このような態様において、データベースに追加される検索用のキーワードを提供したユーザに対して、評価値に応じたカウンタ値をインセンティブカウンタ情報に加算するようにしても良い。
◎また、上記第1〜4実施形態では、入力情報として用語などの語句が入力されたが、これに限られず、例えば、図や表などの各種要素であっても良い。
◎なお、上記第1〜4実施形態ならびに上記変形例は、矛盾を生じない範囲内で、適宜組合せても良い。