JP5162741B2 - 棘突起固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、頚椎の隣接する棘突起を経皮的もしくは低侵襲に固定することができる医療器具に関するものである。
外傷等で頚椎が脱臼して椎間不安定性が生じた場合や、透析に伴う変化や加齢変化により椎間不安定性が生じた場合、また病気で椎間が不安定化した場合など、医学的に隣接する頚椎棘突起間を固定する必要性が生じることは比較的多い。例えば、頚椎椎間板が変性し不安定となり、上肢・筋力低下、しびれ などの上肢神経根麻痺が出現する。かかる場合には、頚椎が不安定な状態では頚部の痛みが続き、不良な 配列となると慢性の痛みに移行することもあるため、頚椎後方から棘突起を縛って固定するなど治療を行っている。術後、隣接椎間に不安定が生じたりするために、将来再手術が必要になることもある。
また、頚椎症性脊髄症において、所謂ダイナミックな因子が加わる状態(動的に脊髄が圧迫される状態)もあり、これに対しては、対象となる棘突起間を拡大固定することが直接治療につながるものと考えられる。
従来の頚椎の棘突起を固定する方法は、全身麻酔下に大きく棘突起を展開し、固定しようとする隣接棘突起をワイヤーで締結するか、左右からの金属のプレートで挟み込んで固定するというものであった。患者は、全身麻酔下に大きく棘突起を展開されるため、出血や重篤な合併症の危険にさらされる可能性があり、また、術後は数日〜数週間の病棟での入院が必要となる。従って、この手法は、患者への負担が大きく、特に患者が高齢である場合にはさらに症状を悪化させることもある。
近年、回復期間がより短くて済み、出血もほとんどなく、重篤な合併症の危険も減少でき、また患者にとってより少ない治療コストとなり得ることから、より小さい皮膚切開から棘突起を固定できる治療、場合によっては局所麻酔下での施術が行える治療を可能とするインプラント器具が医療現場において使用されている(例えば、特許文献1,非特許文献1を参照)。
医療現場において使用されている頚椎の隣接棘突起を固定するインプラント器具として、例えば図10に示されるものは、非特許文献1の棘突起固定具である。この非特許文献1の棘突起固定具は、図11に示されるように、フック部材(図11(1))とロッド部材(図11(2))から構成される。非特許文献1の棘突起固定具を使用して棘突起を固定するための一手順は、図12(1)〜(7)に示されるように、フック部材とロッド部材を隣接する棘突起の周囲に組み立てていくものである。先ず図12(1)に示されるようにスターターオウルで棘間靭帯にガイドホールを作成し、次に図12(2)に示されるようにフックホルダーを用いて頭尾側2箇所にフック部材を設置し、次に図12(3)に示されるようにロッドサイズを決定し、ロッド部材の中央部に予めフック部材を装着する。そして、図12(4)に示されるように先に装着したフック部材とロッド部材を連結し仮固定し、図12(5)に示されるように頭尾側からコンプレッションをかけ、次いで図12(6)に示されるように棘突起にコンプレッションをかけ、最終固定する(図12(7))。
非特許文献1の棘突起固定具では、上記のような手順を伴うため、小さなフック部材を複数同時に取扱い、またコンプレッションを調整するために複数のフック部材を調整する作業を要していた。また、術野の確保のための皮膚切開も隣接する棘突起の周囲部分まで拡大せざる負えないものであった。
このように、非特許文献1の棘突起固定具を用いて頚椎の隣接棘突起を固定する方法は、従来のやり方と比べて、より小さい皮膚切開から棘突起を固定できる治療であるものの、以前として、皮膚切開の部位の大きさからくる患者の負担や、器具を取扱いの煩雑さから起因する術者の作業負担が存在している。
特開2002−95672号公報 TADPOLE タッドポールシステム フランス キスコメディア社製カタログ(Kisco medicl group キスコ・ディーアイアール株式会社 カタログ番号 04.12/01-007J-CA)
本発明は、頚椎症性脊髄症などに対して、より低侵襲の治療方法を実現することを目的として、より小さな皮膚切開によって頚椎或いは腰椎における隣接する棘突起を固定できる器具を提供することを目的とする。
本発明者は、器官治療を専門とする医師であり、脊柱管狭窄症や頚椎症性脊髄症などに対する多くの臨床経験を経て、本発明に係る棘突起固定具を発案したものである。
上記目的を達成するため、本発明の棘突起固定具は、連結軸を備えたロッド部材と、該連結軸の先端部に軸支された隣接棘突起に当接し得る振り子部材と、連結軸用ガイド孔および連結軸用可動溝を備えた隣接棘突起に当接し得る被せ部材と、連結軸に対して固定自在のストッパー部材とから少なくとも構成され、
1)振り子部材は、軸支位置を挟んで対峙する部位に湾曲部が形成され、該湾曲部は、連結軸の先端部及び振り子部材が隣接棘突起間を通り抜けた際に、振り子部材が回動して湾曲部が隣接棘突起に当接し得るものであり、
2)被せ部材は、連結軸用ガイド孔を挟んで対峙する部位に隣接棘突起に当接し得る湾曲部が形成され、連結軸用可動溝から連結軸に通され、連結軸用可動溝により被せ部材の長手方向が連結軸の軸方向に向くように姿勢調整し得るものであり、
3)ストッパー部材は、被せ部材と嵌合もしくは当接し得るもので、振り子部材の湾曲部と被せ部材の湾曲部とにより棘突起を挟み込んだ状態を固定維持するものである、
ことを特徴とする構成とされる。
上記構成によれば、頚椎側面に必要となる小皮切を設けて、そこから順次、振り子部材、被せ部材、ストッパー部材を棘突起間に挿入して、隣接した棘突起間を拡大固定(所定の間隔を維持)する。
挿入する振り子部材はロッド部材の先端で軸支されているため、棘突起間に挿入時は、振り子部材の長手方向をロッド部材の長手方向に揃えることが可能で、小さな皮膚切開で挿入することができる。振り子部材が棘突起間を通り抜けた後は、振り子部材の長手方向がロッド部材の長手方向と交差するように、棘突起の側面との接する部分を利用したモーメント力を用いて振り子部材を回動させて湾曲部を隣接棘突起に当接させる。この時、振り子部材の湾曲部が隣接棘突起に当接する部分は、ロッド部材の挿入方向から隣接棘突起を見た場合、背面(裏)側に位置する部分となる。
また、振り子部材の次に挿入する被せ部材は、連結軸用ガイド孔を備えていることからロッド部材をガイドとして挿入でき、また連結軸用可動溝を備えていることから被せ部材の長手方向が連結軸の軸方向に向くように姿勢調整でき、棘突起間に挿入時は、被せ部材の長手方向をロッド部材の長手方向に揃えることが可能で、振り子部材と同様に小さな皮膚切開で挿入することができる。被せ部材はクランプ等の器具を用いて、被せ部材の長手方向がロッド部材の長手方向と交差するように被せ部材を回動させて湾曲部を隣接棘突起に当接させる。この時、被せ部材の湾曲部が隣接棘突起に当接する部分は、ロッド部材の挿入方向から隣接棘突起を見た場合、正面(表)側に位置する部分となる。
そして、連結軸に対して固定自在のストッパー部材が、被せ部材と嵌合もしくは当接して、振り子部材の湾曲部と被せ部材の湾曲部とにより棘突起を挟み込んだ状態を固定維持するのである。
またロッド部材における連結軸は、これら振り子部材、被せ部材、ストッパー部材を連結する役目を成す。最終的に連結軸以外のロッド部材は、患者体内から取り除かれることになる。
このように、本発明の棘突起固定具によれば、より小さな皮膚切開によって頚椎の隣接する棘突起を固定でき、より低侵襲の治療方法を実現できるのである。
ここで、本発明の棘突起固定具における振り子部材は、好ましくは、略直角三角形柱の形状を呈し、略直角三角形柱の斜辺の垂直2等分線上に軸支位置が形成され、短辺側面には棘突起の略半周に当接し得る湾曲部と、振り子部材が隣接棘突起間を通り抜けた際に振り子部材が回動し易いように側面が弧状に丸みを帯びており、長辺側面には棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部が設けられる構成とされる。
かかる振り子部材の構成によれば、振り子部材が棘突起間を通り抜けた後、棘突起の側面との接する部分を利用したモーメント力を用いて振り子部材を回動させ、振り子部材の長手方向がロッド部材の長手方向と交差するように姿勢を調整させ、振り子部材の湾曲部を隣接棘突起に当接させることが容易で、本発明の棘突起固定具の利便性が向上する。
すなわち、振り子部材は、その形状となる略直角三角形柱の斜辺の垂直2等分線上に軸支位置が形成され、短辺側面は弧状に丸みを帯びていることから、振り子部材が棘突起間に挿入される際は、略直角三角形柱の斜辺と長辺の挟角の頂点方向がロッド部材の挿入方向に揃えられ、振り子部材が棘突起間を通り抜けた後、ロッド部材の挿入方向の左側の棘突起の背面(裏)側との接する部分を利用したモーメント力を用いて、振り子部材を軸支位置の右周りに回動させ、振り子部材の長手方向がロッド部材の長手方向と交差するように振り子部材の姿勢が調整されるのである。
また、振り子部材は、短辺側面に棘突起の略半周に当接し得る湾曲部と、長辺側面に棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部が設けられる構成とされることから、振り子部材が軸支位置の右周りに回動させられ、振り子部材の長手方向がロッド部材の長手方向と交差するように振り子部材の姿勢が調整された際に、湾曲部が隣接する棘突起に当接しやすくなる。
上述したように、振り子部材が棘突起間を通り抜けた後、ロッド部材の挿入方向の左側の棘突起の背面(裏)側との接する部分を利用したモーメント力を用いて、振り子部材を軸支位置の右周りに回動させ、振り子部材の長手方向がロッド部材の長手方向と交差するように振り子部材の姿勢が調整されることから、先ずは、短辺側面の湾曲部がロッド部材の挿入方向の左側に位置する棘突起に当接することになる。
短辺側面には棘突起の略半周に当接できるような比較的深い湾曲部が形成され、一方、長辺側面には棘突起の略1/3〜1/4周に当接できるような比較的浅い湾曲部が形成されるのは、短辺側面の深い湾曲部はロッド部材の挿入方向の左側の棘突起としっかりと当接させ、また、長辺側面の浅い湾曲部はロッド部材の挿入方向の右側の棘突起と隣接する棘突起の間隔を調整できるように高い自由度で当接させるためである。
また、上記の振り子部材の構成において、本発明の棘突起固定具における被せ部材は、好ましくは、振り子部材の略半周に当接し得る湾曲部に対峙する側面に形成された湾曲部は棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得るものであり、振り子部材の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部に対峙する側面に形成された湾曲部は棘突起の略半周に当接し得るものである構成とされる。
上記振り子部材の短辺側面に形成された棘突起の略半周に当接できるような比較的深い湾曲部と、被せ部材に形成された棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部とが対峙し、また、振り子部材の長辺側面に形成された棘突起の略1/3〜1/4周に当接できるような比較的浅い湾曲部と、被せ部材に形成された棘突起の略半周に当接し得る湾曲部とが対峙することにより、棘突起をしっかりと安定的に挟み込んだ状態とすることができる。
ここで、上記の被せ部材において、棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部の側面に、挟持用器具と係合し得る凹部が設けられる構成とする。
上述したように、被せ部材は、棘突起間に挿入時は、連結軸用可動溝を備えていることから被せ部材の長手方向が連結軸の軸方向に向くように姿勢調整でき、被せ部材の長手方向をロッド部材の長手方向に揃えることが可能で、また被せ部材の長手方向がロッド部材の長手方向と交差するように被せ部材を回動させて湾曲部を隣接棘突起に当接させることが可能である。
被せ部材のロッド部材に対する姿勢調整の際にクランプ等の挟持用器具を用いるため、かかる挟持用器具と係合し得る凹部を設けて器具の取扱いの利便性を高めるものである。また挟持用器具と係合し得る凹部が棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部の側面に設けるのは、被せ部材の位置合わせの際の挟持用器具の取扱いを考慮したものである。すなわち、被せ部材の挿入方向が、棘突起の略半周に当接し得る湾曲部を先頭にして挿入することから、挟持用器具と係合し得る凹部を棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部の側面に設けることで、挟持用器具は比較的引抜く方向に力が加わるように取り扱われることになり、より安全性を向上することができる。
次に、本発明の棘突起固定具において、具体的には、連結軸に螺子ヤマが形成され、またストッパー部材は連結軸用貫通孔が設けられ、被せ部材と嵌合し得る部位と連結軸と螺合し得るナット部から構成されることが好ましい。
連結軸に螺子ヤマが形成され、ストッパー部材には連結軸と螺合し得るナット部が設けられることで、ストッパー部材は連結軸に対して固定自在となる。ストッパー部材は連結軸用貫通孔が設けられているため、ロッド部材をガイドとして術野に搬送できる。
ここで、ストッパー部材において、被せ部材と嵌合し得る部位の形状は、略半球もしくは円錐台形であることが好ましい。
ストッパー部材における被せ部材と嵌合し得る部位が、略半球もしくは円錐台形に形成されることにより、被せ部材の姿勢を変えることなく、振り子部材と被せ部材の間隔を狭めることができる。
また、本発明の棘突起固定具には、ストッパー部材を連結軸に固定した後で使用される、連結軸と螺合し得るナット部材を更に設けたことが好ましい。
ストッパー部材に、更に連結軸と螺合し得るナット部材を取り付けることで、安定性が向上する。
上記のストッパー部材もしくはナット部材を取り付けた後、連結軸以外のロッド部材を取り除くため、ロッド部材の連結軸との境界部位のロッド径を小さくすることがより好ましい。
ロッド部材における連結軸は、振り子部材、被せ部材、ストッパー部材を連結する役目を成し、最終的に連結軸以外のロッド部材は患者体内から取り除かれることから、ロッド部材の連結軸との境界部位のロッド径を小さくすることで、その余分なロッド部材のカッティング(ロッド部材をねじ切ることによる切除など)を容易にできる。
本発明の棘突起固定具におけるロッド部材と振り子部材と被せ部材とストッパー部材の何れか乃至全ては、アルミナ,ジルコニア,ハイドロキシアパタイト,リン酸カルシウムから選択されるセラミック材料、生体活性を有するリン酸カルシウム系のガラス材料、樹脂材料、プラスチック材料、若しくは、ステンレス,チタン,チタン合金から選択された金属材料から成ることがより好ましい。
特に、上記の中で、ハイドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、リン酸カルシウム系のガラス材料等の生体活性材料で構成すると、自然骨との直接結合が可能である。
本発明に係る棘突起固定具では、局所麻酔下でも経皮的もしくは低侵襲に棘突起間を固定することが可能となる。このため、患者にとって、術後早期の効果が期待でき、日帰り手術も可能と考えられ、時間的および肉体的負担がより少なくなる可能性がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
図1は、実施例1の棘突起固定具の外観図(斜視図)を示している。図1に示されるように、実施例1の棘突起固定具1は、ロッド部材2と振り子部材3と被せ部材4とストッパー部材5とから構成され、振り子部材3の湾曲部(3a,3b)と被せ部材4の湾曲部(4a,4b)との間隙に隣接する2本の棘突起が入る状態で使用される。
以下、ロッド部材2と振り子部材3と被せ部材4とストッパー部材5について、詳細に説明する。
図2に、ロッド部材2および振り子部材3を示す。
振り子部材3は、ロッド部材2の先端部の連結軸2aに軸支されている。振り子部材3は、軸支位置3cを挟んで対峙する部位に湾曲部(3a,3b)が形成されている。振り子部材3が、軸支位置3cを中心に回動可能なように内部が刳り貫かれ、空間3dが設けられている。
ロッド部材2は、先端部の連結軸2aと連結軸以外のロッド部2bから構成される。連結軸2aとロッド部2bの境界部分2cは径が細くなっており、境界部分2cで折れやすい構成となっている。また、ロッド部材2の連結軸2aには螺子ヤマが設けられ、その螺子ヤマ部分に後述するストッパー部材のナット部(図示せず)を螺入させることで、ストッパー部材を連結軸2aの任意の位置に固定可能な構成としている。
次に、振り子部材3の形状およびその特徴について説明する。図3(1)は、振り子部材3の形状を表す正面図と平面図と背面図を示している。
振り子部材3は、図3(1)の平面図と図3(2)の参考平面図からわかるように、略直角三角形柱の斜辺3e側の2等分線上に軸支位置3cが形成され、短辺側面には略半円周の深いカーブの湾曲部3aと、弧状に丸い膨らみを帯びた側面3fが設けられている。また、長辺側面には略1/3〜1/4円周の浅いカーブの湾曲部3bが設けられている。
図4を参照して、振り子部材3の湾曲部(3a,3b)が隣接棘突起間に当接する様子について説明する。
隣接棘突起間(6a,6b)に振り子部材3を挿入する場合は、振り子部材3の長手方向をロッド部材2の長手方向と合わせて、隣接棘突起間の隙間に挿入する。そして、連結軸2aの先端部及び振り子部材3が隣接棘突起間(6a,6b)を通り抜けた際に、棘突起6aの側面との接する部分を利用したモーメント力によって、振り子部材3は軸支位置3cを中心として時計回りに回動する(図4(1)参照)。
すなわち、棘突起6aの側面と振り子部材3の側面3fが接したところで、ロッド部材2を手前に引っ張ることにより、軸支位置3cをモーメント中心として時計周りのモーメント力が生じ、振り子部材3が回転するのである。振り子部材3が回動し易いように、振り子部材3の側面3fは、上述したように弧状に丸い膨らみを帯びているのである。
上記モーメント力により、振り子部材3の長手方向がロッド部材2の長手方向と交差するように姿勢を調整させられ、振り子部材3の湾曲部(3a,3b)を隣接棘突起(6a,6b)に当接することになる(図4(2)参照)。振り子部材3の湾曲部(3a,3b)が隣接棘突起(6a,6b)に当接する部分は、ロッド部材2の挿入方向から隣接棘突起(6a,6b)を見た場合、背面(裏)側に位置する部分となる。
次に、被せ部材4について、図5を参照して説明する。図5(1)は、被せ部材4の形状を表す正面図と平面図と背面図を示している。また、図5(2)は被せ部材4の外観図(斜視図)である。図5(1)の平面図に示すように、被せ部材4は、深いカーブ端部(鳥の嘴のような形状の端部)4cを有し、側面には略1/3〜1/4円周の浅い湾曲部4aとカーブ端部4cの内側に形成される略半円周の深いカーブの湾曲部4bが設けられている。
また、被せ部材4は、連結軸用ガイド孔(4e,4h)および連結軸用可動溝(4f,4g)が形成され、連結軸用ガイド孔(4e,4h)を用いてロッド部材2を挿入でき、また連結軸用可動溝(4f,4g)を備えていることから被せ部材4の姿勢調整が可能である。被せ部材4の姿勢調整は、側面の窪み4iをクランプ(clump)などの挟持器具で挟み込み行う。
ここで被せ部材4の姿勢調整について、図6(1)〜(3)を参照しながら説明する。
被せ部材4は、連結軸用ガイド孔(4e,4h)に加えて、連結軸用可動溝(4f,4g)が形成されていることで、被せ部材4の長手方向が連結軸2aの長手方向と交差するように被せ部材を回動させることができる。すなわち、被せ部材4に連結軸用ガイド孔(4e,4h)だけが存在すると、図6(1)に示すように被せ部材4を連結軸2aが突き抜けた状態となるが、連結軸用ガイド孔の径が連結軸2aの径よりも少し大きい程度では、被せ部材4の姿勢を変更することは困難である。
しかし、連結軸用可動溝(4f,4g)が形成されているため、図6(2)に示すように姿勢を変更することが可能となる。深いカーブ端部(鳥の嘴のような形状の端部)4cをロッド部材2の挿入方向に向けるように、被せ部材4の長手方向が連結軸2aの長手方向と交差するように被せ部材を回動させることができ、被せ部材4は振り子部材3と同様に小さな皮膚切開で挿入することができるのである。


図6(3)に示すように、クランプ7等の挟持器具を用いて被せ部材4を動かし、連結軸2aに対する姿勢を変化させるのである。この場合、常に深いカーブ端部(鳥の嘴のような形状の端部)4cをロッド部材2の挿入方向に向くように、連結軸用可動溝(4f,4g)を長手方向は、カーブ端部(鳥の嘴のような形状の端部)4cの先端を指す方向にしている。
次に、ストッパー部材5について、図7を参照して説明する。図7は、ストッパー部材5の外観図(正面図と底面側から見た斜視図)を示している。ストッパー部材5は、頭部5aとナット部5bから構成され、中央に螺子孔が存在する。頭部5aはドーム形状をしており、被せ部材4の連結軸用ガイド孔の周囲に設けられたドーム状の窪みと嵌合できるようになっている。また、ストッパー部材5の中央の螺子孔は、ロッド部材2の連結軸2aに螺入でき、連結軸2aに固定できるためのものである。
以上、棘突起固定具に関して、ロッド部材2と振り子部材3と被せ部材4とストッパー部材5について個々に説明したが、それらが組み合わさり、図8に示すように、隣接する棘突起(6a,6b)を固定維持するのである。
なお、棘突起固定具のサイズは、例えば、頚椎棘突起の固定に用いる場合は以下のように設計している。先ず、振り子部材3の長手方向は約30mm前後、厚みは6mmぐらいが適当である。また、ロッド部材2、特に連結軸2aの径と長さに関してはそれぞれ径3mm、長さは15mmぐらいが適当である。また、被せ部材4の長手方向は約25mmと振り子部材3よりやや短く、厚みは6mmぐらいが適当である。但し、これらのサイズについては、いずれも個人差や入れる場所によってサイズが異なることから、数種類のサイズのものを準備しておき、術前計測により適切なサイズを決定することになる。また、これらの素材としては、複雑な形状と強度から考えて、やはり金属性が好ましい。
次に、図9を参照しながら棘突起固定具の使い方について説明する。先ず、ロッド部材2と振り子部材3の使用方法(棘突起間に挿入する方法)については既に説明した(図4の説明を参照)。図9(1)は、振り子部材3にロッド部材2bを介して被せ部材4を近づけていく様子を示している。
被せ部材4は連結軸用可動溝を用いて姿勢が傾けられ、カーブ端部(鳥の嘴のような形状の端部)4cの先端を先頭にして、図中の矢印Aに向かって挿入される。クランプ7を用いて、被せ部材4の後部(4cと反対側)の窪み4iを掴み、被せ部材4の姿勢を調整する。被せ部材4はクランプ7を用いて、被せ部材4の長手方向がロッド部材2の長手方向と交差するように被せ部材4を回動させて、その湾曲部を隣接棘突起(図示せず)に当接させる(図9(2)の状態)。
また、図9(2)に示すように、ストッパー部材5を連結軸2aに螺入させていく。ナットドライバー8を用いて図9(2)の矢印Dのように動かし、ストッパー部材5を矢印Cの方向に押し込んでいくのである。
最終的に、図9(3)に示すように、振り子部材3と被せ部材4とストッパー部材5が連結軸2aを介して連結する。連結軸2a以外の余分なロッド部材は境界部分の径が細くなっているところでねじ切って取り除く。なお、ねじ切ることができる素材としては、チタン性金属が繁用されている。
本発明は、発明の範囲及び本質的な特徴から逸脱することなく、本明細書において上述の方法以外の特定の方法で実行することができる。一実施態様において、本発明に係る棘突起固定具は、頚椎にかかわらず腰椎など全ての隣接した棘突起間を固定するために使用される。
しかしながら、本発明は、他の身体の組織に空間を作る(骨と骨との間隔を拡大固定する)ことに応用できるかもしれない。上記の実施態様は、限定されることなく全ての点において考慮すべきものであり、特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内で起こる全ての変化は、それに含まれることが意図されるものとする。
本発明に係る棘突起固定具は、頚椎症性脊髄症などに対する手術的治療に有用なインプラントとして利用が期待できる。
実施例1の棘突起固定具の外観図(斜視図) ロッド部材および振り子部材の説明図 振り子部材の形状を表す正面図と平面図と背面図 振り子部材の湾曲部が隣接棘突起間に当接する様子についての説明図 被せ部材の説明図 被せ部材の姿勢調整についての説明図 ストッパー部材の説明図 実施例1の棘突起固定具が隣接棘突起を固定維持するイメージ図 棘突起固定具の使い方についての説明図 従来の棘突起固定具のイメージ図 従来の棘突起固定具の構成部品 従来の棘突起固定具の使用方法の説明図
符号の説明
1 棘突起固定具
2 ロッド部材
2a 連結軸
3 振り子部材
3a,3b 湾曲部
3c 軸支位置
4 被せ部材
4a,4b 湾曲部
4e,4h 連結軸用ガイド孔
4f,4g 連結軸用可動溝
5 ストッパー部材
6a,6b,10 棘突起
7 クランプ
8 ナットドライバー

Claims (9)

  1. 連結軸を備えたロッド部材と、該連結軸の先端部に軸支された隣接棘突起に当接し得る振り子部材と、連結軸用ガイド孔および連結軸用可動溝を備えた隣接棘突起に当接し得る被せ部材と、連結軸に対して固定自在のストッパー部材とから少なくとも構成され、
    1)振り子部材は、軸支位置を挟んで対峙する部位に湾曲部が形成され、該湾曲部は、連結軸の先端部及び振り子部材が隣接棘突起間を通り抜けた際に、振り子部材が回動して湾曲部が隣接棘突起に当接し得るものであり、
    2)被せ部材は、連結軸用ガイド孔を挟んで対峙する部位に隣接棘突起に当接し得る湾曲部が形成され、連結軸用可動溝から連結軸に通され、連結軸用可動溝により被せ部材の長手方向が連結軸の軸方向に向くように姿勢調整し得るものであり、
    3)ストッパー部材は、被せ部材と嵌合もしくは当接し得るもので、振り子部材の湾曲部と被せ部材の湾曲部とにより棘突起を挟み込んだ状態を固定維持するものである、
    ことを特徴とする棘突起固定具。
  2. 前記振り子部材は、略直角三角形柱の形状を呈し、略直角三角形柱の斜辺の垂直2等分線上に軸支位置が形成され、短辺側面には棘突起の略半周に当接し得る湾曲部と、振り子部材が隣接棘突起間を通り抜けた際に振り子部材が回動し易いように側面が弧状に丸みを帯びており、長辺側面には棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の棘突起固定具。
  3. 前記被せ部材は、前記振り子部材の略半周に当接し得る湾曲部に対峙する側面に形成された湾曲部は棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得るものであり、前記振り子部材の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部に対峙する側面に形成された湾曲部は棘突起の略半周に当接し得るものであることを特徴とする請求項2に記載の棘突起固定具。
  4. 前記被せ部材において、棘突起の略1/3〜1/4周に当接し得る湾曲部の側面に、挟持用器具と係合し得る凹部が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の棘突起固定具。
  5. 前記連結軸に螺子ヤマが形成され、
    前記ストッパー部材は、連結軸用貫通孔が設けられ、前記被せ部材と嵌合し得る部位と、連結軸と螺合し得るナット部から構成されることを特徴とする請求項1に記載の棘突起固定具。
  6. 前記ストッパー部材が前記被せ部材と嵌合し得る部位の形状は、略半球もしくは円錐台形であることを特徴とする請求項5に記載の棘突起固定具。
  7. 前記ストッパー部材を前記連結軸に固定した後で使用される、連結軸と螺合し得るナット部材を更に設けたことを特徴とする請求項5に記載の棘突起固定具。
  8. 前記ストッパー部材もしくはナット部材を取り付けた後、前記連結軸以外のロッド部材を取り除くため、ロッド部材の連結軸との境界部位のロッド径を小さくしたことを特徴とする請求項5又は7に記載の棘突起固定具。
  9. 前記ロッド部材と振り子部材と被せ部材とストッパー部材の何れか乃至全てが、アルミナ,ジルコニア,ハイドロキシアパタイト,リン酸カルシウムから選択されるセラミック材料、生体活性を有するリン酸カルシウム系のガラス材料、樹脂材料、プラスチック材料、若しくは、ステンレス,チタン,チタン合金から選択された金属材料から成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の棘突起固定具。
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