JP5160115B2 - 精度管理用擬似組織及びそれを用いた精度管理方法並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、精度管理用擬似組織及びそれを用いた精度管理方法並びにその製造方法に関する。
近年臨床診断の分野において遺伝子検査が急速に普及している。遺伝子検査とは、核酸や染色体等を分析して遺伝性疾患に関連する変異や核型等の有無を臨床目的で検査することである。遺伝子検査の一例として、生体から切除した組織内にがん細胞由来の核酸が存在するかどうかを判定する検査がある。その検査工程は、主に前処理、核酸増幅、及び検出の3工程からなる。
前処理工程には様々な方法がある。例として、まず検査目的で生体から切除したリンパ節、腫瘍塊、組織片等の細胞塊に前処理用の試薬(緩衝液)を加える。次に試薬が添加された切除組織を破砕(ホモジナイズ)し、ホモジネートを遠心分離して、核酸を抽出及び精製することにより測定用試料を得る。
核酸増幅工程では、前記測定用試料をサンプル容器に収容して、そこに酵素やプライマ等の試薬を加え、核酸増幅反応によって標的核酸を増幅する。
検出工程では、蛍光染色された標的核酸の蛍光測定や増幅に比例して産生される副産物の濁度測定等により、切除組織中の標的核酸の有無の判定又は濃度の算出を行う。
上述のような遺伝子検査では、各工程における様々な要素が測定結果に影響を与える。このため、遺伝子検査の分野において、各工程の精度及び信頼性の確保のための精度管理の充実が重要となる。
核酸増幅工程及び検出工程に関しては、従来から陽性コントロールや陰性コントロールを用いて精度管理が行われているが、前処理工程に関してはほとんど精度管理が行われていなかった。
そこで、本発明者らは以前、前処理の精度管理に用いることができる精度管理用物質を提案した(特許文献1参照)。
特開2006−136310号公報
特許文献1の精度管理用物質は、核酸又は細胞と、前記核酸又は細胞を保持することができる保持体とからなる精度管理用擬似組織であって、この精度管理用擬似組織を用いることにより遺伝子検査における前処理の精度管理を行うことが可能となった。
しかし、特許文献1の精度管理用物質は、生体から切除した細胞塊よりも硬度が低いため、破砕され易く、当該細胞塊と類似した破砕挙動を示すことが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、遺伝子検査の前処理において細胞塊と類似した破砕挙動を示すことができる精度管理用擬似組織及びそれを用いた精度管理方法並びにその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために次の技術的手段を講じた。
精度管理用擬似組織に係る本発明は、検査目的で生体から切除した細胞塊を破砕し、該破砕物を遠心分離して上清を回収することにより測定用試料を得るという前処理工程の精度管理に用いるための精度管理用擬似組織であって、核酸又は細胞と、当該核酸又は細胞を保持する保持体と、当該保持体の表面の少なくとも一部を覆うことにより当該保持体を保護するとともに、保持体よりも高い硬度を有する保護体と、を有し、当該細胞塊に類似した破砕挙動を示すことを特徴としている。
この精度管理用擬似組織は、検査目的で生体から切除した細胞塊を破砕し、該破砕物を遠心分離して上清を回収することにより測定用試料を得るという前処理工程の精度管理に用いるための精度管理用擬似組織であり、核酸又は細胞と、当該核酸又は細胞を保持する保持体と、当該保持体の表面の少なくとも一部を覆うことにより当該保持体を保護するとともに、保持体よりも高い硬度を有する保護体と、を有し、生体から切除した細胞塊に類似した破砕挙動を示すものであるので、遺伝子検査の前処理である破砕処理において、生体から切除した細胞塊に類似した破砕挙動を示すことができる。これにより、遺伝子検査における精度管理の信頼性をより高めることができる。
上記精度管理用擬似組織において、細胞を癌細胞とすることができる。精度管理用擬似組織中に癌細胞を保持させることで、特に、遺伝子検査において前処理の精度管理だけでなく、核酸増幅工程及び検出工程における精度管理も行うことが可能になる。
上記精度管理用擬似組織において、保持体を、融点20〜50℃の高分子で形成することができる。保持体が、疎水性の高分子である場合には、上記精度管理用擬似組織において、細胞が前記疎水性の高分子からなる保持体で保持されており、且つ細胞がその周囲に存在する液泡によって保護されていることが好ましい。この場合、液泡が、細胞保存液又は細胞の洗浄用バッファーの液泡とすれば、これらの液胞によって細胞を積極的に保護することが可能となる。前記保持体として、パラフィン又はアガロースゲルで形成することができる。
そして、保護体を、保持体の融点より高い融点を有する高分子で形成することができ、この場合には、保護体が疎水性の高分子であることが好ましい。保護体を疎水性の高分子にすると、破砕工程時に疑似組織を可溶化(ホモジナイズ)試薬中に浸漬した際に、当該試薬が疑似組織中に流入しにくく、これにより膨潤による硬度変化が起こりにくくなるからである。
上記精度管理用擬似組織において、保持体をパラフィンとし、保護体を前記保持体のパラフィンよりも高い融点を有するパラフィンとすることができる。
また、上記精度管理用擬似組織は、保護体がさらに外皮膜で覆われていることが好ましく、この場合、外皮膜を、ゼラチン又はセルロースで形成することができる。精度管理用疑似組織を外皮膜で覆った構造とすることで、取り扱い性が向上し、また保存性に優れたものとなる。
精度管理方法に係る本発明は、上記精度管理用擬似組織をホモジナイズするホモジナイズ工程と、ホモジナイズされた精度管理用擬似組織に含まれる核酸を増幅する増幅工程と、増幅された核酸を検出し前記精度管理用擬似組織に由来する核酸濃度を測定する測定工程と、核酸濃度の測定値及び基準値を比較する比較工程と、を有することを特徴としている。
この精度管理方法によれば、上述した精度管理用擬似組織を用いて精度管理を行うので、遺伝子検査の前処理である破砕処理において、精度管理用擬似組織が生体から切除した細胞塊に類似した破砕挙動を示すことができる。これにより、遺伝子検査における精度管理の信頼性をより高めることができる。
上記精度管理方法において、比較工程が、核酸濃度の測定値と基準値とを比較することにより前記ホモジナイズ工程、増幅工程及び測定工程が適切になされたかどうかを判定する工程とすることができる。
また、上記精度管理方法において、核酸が、腫瘍マーカーをコードする遺伝子又はハウスキーピング遺伝子の塩基配列を含む核酸であることが好ましい。
精度管理用擬似組織の製造方法に係る本発明は、前述した精度管理用擬似組織の製造方法であって、前記細胞を前記保持体で保持させる際に、前記細胞の表面及び/又は内部に液体が残留している状態で前記保持体を添加することにより前記液体を前記細胞の周囲で液泡化させることを特徴としている。
そして、上記精度管理用擬似組織の製造方法において、前記細胞の表面及び/又は内部に液体が残留している状態を、前記細胞の脱水処理を行わないことで形成することができる。
この精度管理用擬似組織の製造方法によれば、細胞の周囲に液体が存在している状態で保持体に保持された精度管理用擬似組織を製造することができる。この製造方法により得られた精度管理用擬似組織は、細胞の周囲に液胞が存在することにより、保持体が細胞に与えるダメージがブロックされている。
本実施の形態における精度管理用擬似組織(以下、単に擬似組織という場合もある)は、擬似的な生体組織、具体的には生体から切除されたリンパ節と想定され、遺伝子検査における精度管理に用いられる。
この擬似組織は、検査目的で生体から切除した細胞塊を破砕し、該破砕物を遠心分離して上清を回収することにより測定用試料を得るという前処理工程の精度管理に用いるための精度管理用擬似組織であって、核酸又は細胞と、当該核酸又は細胞を保持する保持体と、この保持体の表面の少なくとも一部を覆うことにより当該保持体を保護するとともに、保持体よりも高い硬度を有する保護体と、を有しており、当該細胞塊に類似した破砕挙動を示すものである。
本実施の形態における精度管理用擬似組織(以下、単に擬似組織という場合もある)は、擬似的な生体組織、具体的には生体から切除されたリンパ節と想定され、遺伝子検査における精度管理に用いられる。
この擬似組織は、核酸又は細胞と、当該核酸又は細胞を保持する保持体と、この保持体の表面の少なくとも一部を覆い、且つ当該保持体を保護する保護体と、を有している。
核酸には、DNAやRNAだけでなく、PNA、BNA、これらの類縁体等の人工核酸も含まれる。また、核酸として、例えば、Armored RNA(米国特許5677124号公報参照)等のように核酸をタンパク質等に封入したものを用いてもよいし、後述する腫瘍マーカーをコードする遺伝子又はハウスキーピング遺伝子の塩基配列を含む核酸を用いることもできる。これら核酸の由来は特に限定されず、細胞から抽出したものでも、人工的に合成したものであってもよい。
細胞としては、核酸を含有する細胞であれば特に限定されないが、遺伝子検査における被検査物質の一部又は全部をコードする遺伝子、この遺伝子に対応するmRNA、及び/又はこれらの一部配列を含有する細胞であることが好ましい。遺伝子検査における被検査物質としては、腫瘍マーカーが挙げられる。腫瘍マーカーとしては、サイトケラチン(CK)、癌胎児性抗原、α胎児タンパク、組織ポリペプチド抗原、免疫抑制酸性タンパク、αフェトプロテイン、塩基性フェトプロテイン、PIVKA、DUPAN、エラスターゼ、SCC抗原、Pro GRP、神経特異エノラーゼ、尿中NMP−22、前立腺酸性フォスファターゼ、γセミノプロテイン等を例示することができる。
保持体は、前記核酸又は細胞(以下、核酸等という場合もある)を保持することができるものであるが、室温では固形形態を呈し、一定温度まで加温することによって固形形態が崩壊して流動化するものが好ましい。保持体は、融点20〜50℃の高分子であり、例えば、パラフィン又はアガロースゲルで形成することができる。
パラフィンとは、非不揮発性の精製した飽和炭化水素の混合物の総称であり、市販の種々の融点を有するパラフィン及び常温で液状の流動パラフィンを1種又は2種以上混合して使用することができる。
アガロースゲルは、天然高分子であるアガロースを溶媒、例えば水に添加することによってゲル化したものである。ここで、アガロースは、交互に結合したD−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースとを主構造とする多糖であり、D−ガラクトースの1位と3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースの4位がβグリコシド結合で、また、3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースの1位とD−ガラクトースの3位がαグリコシド結合で結合している。アガロースの起源は特に限定させず、精製度の低いものから高いものまで、様々なアガロース含量のものを使用することができる。
上記擬似組織において、細胞が疎水性の高分子からなる保持体で保持されており、且つ細胞がその周囲に存在する液泡によって保護されていることが好ましい。細胞の周囲に液胞が存在することによって、保持体が細胞に与えるダメージを液胞でブロックすることができるからである。そして、この液泡が、細胞保存液又は細胞の洗浄用バッファーの液泡である場合には、これらの液胞によって細胞を積極的に保護することが可能となる。細胞保存液としては、例えば、ウシ胎児血清(FBS)と5〜15%のジメチルスルホキシド(DMSO)との混合液、凍害防御剤(好ましくはDMSO)を含有し、pHが2.5以上6未満である細胞保存液、セルバンカー(商品名、日本全薬工業(株)製)、バンバンカー(商品名、(株)リンフォテック製)、RNA安定化溶液であるRNAlater(商品名、Ambion社製)等を挙げることができる。細胞の洗浄用バッファーとしては、例えば、リン酸バッファー(PBS)等を挙げることができる。
細胞が疎水性の高分子からなる保持体で保持されており、且つ前記細胞がその周囲に存在する液泡によって保護されている擬似組織は、細胞を前記保持体で保持させる際に、細胞の表面及び/又は内部に液体が残留している状態で保持体を添加することで液体を細胞の周囲で液泡化させることができる。そして、この細胞の表面及び/又は内部に液体が残留している状態は、前記細胞の脱水処理を行わないことで形成することができ、例えば、所定量の細胞を細胞保存液又は洗浄用バッファーで洗浄し、その後遠心して上清を除き、沈殿した細胞に保持体を構成する高分子を添加して懸濁させることにより行われる。
通常、組織等を顕微鏡で観察するためにパラフィン包埋する際には、組織にパラフィンが入り込み易くするために組織内の水分等をアルコールを用いて完全に除く必要があり、そのため脱水処理を行っているが、本発明では脱水処理を行わずに保持体を添加することにより、細胞の表面及び/又は内部に液体が残留している状態が保たれ、この液体が前記細胞の周囲で液泡化することで液胞が細胞を保護し、保持体が細胞内に流入するのを防止すると考えられる。
本発明の擬似組織においては、保持体が保護体で保護されている。この保護体は、保持体の表面の少なくとも一部を覆い、且つ当該保持体を保護するものであればよい。保護体は、保持体よりも高い硬度を有しており、保護体として、前記保持体の融点より高い融点を有する高分子で形成することができる。この場合には、保護体が疎水性の高分子であることが好ましい。保持体をパラフィンした場合、保護体を前記保持体のパラフィンよりも高い融点を有するパラフィンとすることが好ましい。
また、疑似組織は、保護体がさらに外皮膜で覆われていることが好ましい。疑似組織を外皮膜で覆った構造とすることで、取り扱い性が向上し、また保存性に優れたものとなる。外皮膜は、ゼラチンまたはセルロースで作製することができる。
図1、図3、図5及び図7に、本発明の擬似組織の形状例を示す。図1及び図5に示す擬似組織1は、細胞2と、当該細胞2を保持する保持体3と、この保持体3の表面の一部を覆い、且つ当該保持体3を保護する保護体4と、を有している。図3及び図7に示す擬似組織1は、細胞2と、当該細胞2を保持する保持体3と、この保持体3の表面の全体を覆い、且つ当該保持体3を保護する保護体4と、を有するものであり、図7の擬似組織1においては、保護体4がさらに外皮膜5で覆われている。
この図7に示す擬似組織1の製造方法は、後述する実施例及び実験例4で詳細に説明する。
図2は、図1に示す擬似組織1の製造方法を示す模式説明図である。図1の擬似組織1は、例えば、保持体3を構成する流動パラフィン(100μl)で懸濁した細胞を50mlの遠沈管6に添加し、そこに保持体3を構成するパラフィン(mp42−44)300μlを添加して保持体3を硬化し(図2(a)参照)、この保持体3の上に保護体4を構成するパラフィン(mp44−46)とパラフィン(mp48−50)との1:1混合液を500μl流入して硬化させることにより製造することができる(図2(b)参照)。作製した擬似組織1は、遠沈管6ごと−20℃で保存する。
図4は、図3に示す擬似組織1の製造方法を示す模式説明図である。図3の擬似組織1は、例えば、保護体4を構成する約1cm×1cmのパラフィルム(American National Can Company社製)4aを2枚重ね合わせ(図4(a)参照)、その3方をヒートシーラーでシールして袋構造4bを形成し(図4(b)参照)、このパラフィルムで作製した袋4bの中に、保持体3を構成する流動パラフィン(100μl)3aで懸濁した細胞2を注入し、さらに保持体3を構成するパラフィン(mp42−44)3bを300μl添加して保持体3を硬化させ(図4(c)参照)、その後に袋4bの開口部をヒートシーラーでシールすることにより製造することができる(図4(d)参照)。作製した擬似組織1は、−20℃で保存する。
図6は、図5に示す擬似組織1の製造方法を示す模式説明図である。図5のサンドウィッチ状の擬似組織1は、例えば、型7に保護体4を構成するパラフィン(mp44−46)とパラフィン(mp48−50)との1:1混合液を150μl流入して硬化させ(図6(a)参照)、硬化したパラフィン層4の上に、保持体3を構成する流動パラフィン(100μl)で懸濁した細胞2を注入し、さらに保持体3を構成するパラフィン(mp42−44)を300μl添加して硬化させて保持体3の層を形成し(図6(b)参照)、さらにこの保持体3の層の上に、保護体4を構成するパラフィン(mp44−46)とパラフィン(mp48−50)との1:1混合液を150μl流入して硬化させ(図6(c)参照)、その後、型7から外すことにより製造することができる(図6(d)参照)。作製した擬似組織1は、−20℃で保存する。
上述した疑似組織1の形状はあくまでも例示であって、これらに限定されるものではない。また、その製造方法として、保持体にパラフィン、保護体に保持体のパラフィンよりも高融点のパラフィンを用いた場合について説明したが、保持体としてアガロース、それ以外のものを用い、保護体としてパラフィン以外のものを使用することも可能である。
以下、実施例を示し、本発明の精度管理方法を用いた核酸増幅及び核酸検出による前処理の精度管理について説明する。
核酸増幅及び核酸検出による前処理の精度管理は、精度管理用擬似組織をホモジナイズするホモジナイズ工程と、ホモジナイズされた精度管理用擬似組織に含まれる核酸を増幅する増幅工程と、増幅された核酸を検出し前記精度管理用擬似組織に由来する核酸濃度を測定する測定工程と、核酸濃度の測定値及び基準値を比較する比較工程と、からなる。
<表示値αの算出>
以下、表示値を算出するための擬似組織αの作製に関して説明する。
擬似組織αの核酸増幅及び核酸検出に先立ち、まず核酸を含む核酸溶液又は細胞を含む細胞溶液と、緩衝剤を含む試薬(以下、ホモジナイズ試薬という)とを混和して基準試料αを作製する。溶液に細胞を含有させる場合は、細胞溶液とホモジナイズ試薬との混合物を十分にホモジナイズしたものを基準試料αとする。なお、細胞溶液中の細胞数は予め細胞計数板(例えば、カウンティングチェンバー8100105;アズワン)や細胞計数装置(例えば、粒子計数分析装置CDA−500;シスメックス)等を用いて計数しておく。
次に、基準試料αの作製に用いられた核酸溶液又は細胞溶液と同じものを同量用いて擬似組織αを作製する。
擬似組織αの作製に際し、まず外皮膜となる例えば市販のカプセルを用意し、そのボディ部に保護体を構成する高分子を流し入れて硬化させた後、穴を空ける。基準試料αの作製に用いた標的核酸又は細胞溶液と同じもの同量を、保持体を構成する高分子等に添加して核酸又は細胞の偏在が起こらないよう混和させた液を前記穴に注入して硬化させる。
そして、カプセルのキャップ部の方にも保持体を構成する高分子等を流し入れて硬化させ、このキャップ部でボディ部に蓋をすることにより、核酸又は細胞と、当該核酸又は細胞を保持した保持体と、この保持体を保護する保護体と、この保護体を覆う外皮膜とを有する擬似組織αとなる。
この擬似組織αに、遺伝子検査における前処理と同様の処理を施す。
まず擬似組織αにホモジナイズ試薬を添加する。ホモジナイズ試薬の添加量は、擬似組織αとホモジナイズ試薬との混合物の体積が基準試料αの体積と等しくなるよう調整する。
擬似組織αとホモジナイズ試薬との混合物をホモジナイズし、ホモジネートを作製する。
そして、この擬似組織αから得られたホモジネートを遠心分離して、上清を別の容器に収容する。以下、この上清を測定用試料αとする。
上述の基準試料α及び測定用試料αに対して核酸増幅及び核酸検出を行う。
核酸増幅として、基準試料α及び測定用試料αの上清に酵素試薬を加え、公知の核酸増幅法によって標的核酸を増幅させる(標的核酸がRNAである場合は、このRNAの塩基配列に対応するcDNAを増幅させる)。
検出としては、公知の核酸検出法の何れも用いることができ、特に限定されるものではないが、核酸増幅法を用いた核酸検出法が好ましい。
ここで、核酸増幅法の具体例としては、PCR法、RT−PCR法、LAMP法、RT−LAMP法、TMA(Transcription Mediated Amplification)法(特表平4−500759号公報)、NASBA法、3SR法、SDA(Strand Displacement Amplification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)法等の核酸増幅法及びRCA(Rolling Circle Amplification)法、INVADER法、CPT(Cycling Probe Technology)法、PALSAR法等の核酸増幅法の一種であるシグナル増幅法等が挙げられ、PCR法、RT−PCR法、LAMP法、RT−LAMP法が好ましい。
例えば、LAMP法又はRT−LAMP法を用いた場合、核酸増幅に伴って、同時にピロリン酸マグネシウム等の不溶性物質が生成される。そのため、反応液の上清の濁りを目視により確認する、或いは反応液の吸光度や散乱光強度を測定して濁度測定する、又は反応液を有色のフィルターで濾過し、フィルター上の残渣を確認することにより標的核酸を検出することができる(国際公開WO 01/83817号パンフレット参照)。
また、エチジウムブロマイド、SYBR GREEN I又はPico Greenのような二本鎖インターカレータである蛍光色素の存在下で核酸増幅を実施すれば、反応液の蛍光を測定することによって標的核酸検出を行うことができる。
濁度測定又は蛍光測定においては核酸増幅による生成物の増加に伴って濁度又は蛍光の増大が観察される。この増大をリアルタイムでモニターすれば、閉鎖系で核酸の増幅と濁度又は蛍光の増加とが同時に追跡可能である。
核酸検出を目視によって行う場合、基準試料αの濁りと測定用試料αの濁りとを比較して、測定用試料αに対する前処理が正確に行われたかどうかを確認することができる。
核酸検出を濁度測定によって行う場合は、測定用試料αの標的核酸濃度と基準試料αの標的核酸濃度(以下、基準値αとする)とを比較する。これらが等しいか、又は近似した値を示した場合(具体的には、測定用試料αの標的核酸濃度が基準値αの70%以上、好ましくは80%以上の値を示した場合)、擬似組織αに由来する測定用試料αに含まれる標的核酸がホモジナイズによって効果的に抽出することができたことを示し、その標的核酸濃度測定値を表示値αとすることができる。また、濁度又は蛍光の増大をリアルタイムでモニターする場合、測定用試料αに含まれる核酸が増幅し始めるまでの時間(以下、増幅立ち上がり時間とする)と基準試料αの増幅立ち上がり時間(以下、基準値αtとする)とを比較する。これらが等しいか近似した値を示した場合、測定用試料αに含まれる標的核酸がホモジナイズによって効果的に抽出することができたことを示し、その立ち上がり時間を表示値αtとすることができる。
<核酸増幅及び核酸検出による前処理の精度管理>
次に、表示値α又はαtに基づく精度管理方法について説明する。
精度管理用に擬似組織βを用意する。擬似組織βは上述した擬似組織αと同ロットの擬似組織である。
擬似組織βに対するホモジナイズ、遠心、上清回収等の前処理は、擬似組織αに施した前処理と同様にして行われ、測定用試料βが作製される。
測定用試料βに、上述の測定用試料αに対して行った核酸増幅及び核酸検出と同様の操作を施し、測定用試料βの標的核酸濃度及び/又は増幅立ち上がり時間を測定する。
測定用試料βの標的核酸濃度測定値又は増幅立ち上がり時間が、上述の表示値α又はαtと等しいか近似した値を示した場合、擬似組織βに対して施した処理が適切であったことを確認することができる。
なお、上述した前処理、核酸増幅及び核酸検出のうちの少なくとも1つの工程を装置によって自動的に行ってもよい。
例えば、核酸増幅及び核酸検出を自動的に行うものとして核酸増幅検出装置が挙げられる。
核酸増幅検出装置として、例えば癌手術での切除組織における癌転移診断を支援する核酸増幅検出装置を用いることができる。この装置は、切除組織内のmRNAを鋳型としてRT−LAMP(Reverse Transcription Loop Mediated Isothermal Amplification、栄研化学)法によってmRNAからcDNAに逆転写し、このcDNAを増幅させ、増幅に伴い増大する溶液の濁度を測定することによりmRNAの増幅立ち上がり時間及びコピー数を算出する装置である。
以下、図面に基づき核酸増幅検出装置について説明する。
この核酸増幅検出装置は、生体から切除した組織中に癌マーカー(例えば、サイトケラチン19)に関する核酸がどのくらい含まれるかを定量する装置である。
図8は、核酸増幅検出装置及びその周辺機器の全体構成を示した斜視図である。
図9は、図8に示した核酸増幅検出装置の測定部の全体構成を示した図である。
まず、図8を参照して核酸増幅検出装置及びその周辺機器の全体構成について説明する。核酸増幅検出装置100は、図8に示すように測定部101と、この測定部101に通信回線で接続されたデータ処理部102とによって構成されている。データ処理部102は、キーボード102a及びマウス102bを含むパーソナルコンピュータからなる。また、データ処理部102には、周辺機器としてのプリンタ200及びホストコンピュータ300が通信回線を介して接続されている。プリンタ200は、グラフィックデータやテキストデータ等を印刷するために設けられている。また、ホストコンピュータ300にはデータ処理部102から測定データが出力される。
測定部101は、図9に示すように、分注機構部10と、サンプル容器セット部20と、試薬容器セット部30と、チップセット部40と、チップ廃棄部50と、5つの反応検出ブロック60aからなる反応検出部60とを含む。
測定部101には、図9に示すように、マイクロコンピュータにより装置を制御するとともに、装置外部との入出力を制御する制御部70と、この制御部70を含む装置全体に電源を供給する電源部80とが内蔵されている。また、測定部101の正面の所定箇所に緊急停止スイッチ90が配置されている。
サンプル容器セット部20と、試薬容器セット部30と、チップセット部40とは、X軸方向に沿って配置されている。また、サンプル容器セット部20は、装置正面手前側に配置されており、試薬容器セット部30は、装置正面奥側に配置されている。また、5つの反応検出ブロック60aとチップ廃棄部50とは、サンプル容器セット部20、試薬容器セット部30及びチップセット部40に対して、Y軸方向に所定の間隔を隔てた位置に、X軸方向に沿って配置されている。すなわち、サンプル容器セット部20、試薬容器セット部30、チップセット部40、チップ廃棄部50及び5つの反応検出ブロック60aが方形状(長方形状)に配置されている。
また、分注機構部10は、X軸及びY軸方向(平面方向)に移動可能なアーム部11と、このアーム部11に対してそれぞれ独立してZ軸方向(垂直方向)に移動可能な2連(2本)のシリンジ部12とを含んでいる。この2本のシリンジ部12は、先端にピペットチップを装着することができるノズル部12aをそれぞれ備えている。
また、図9に示すように、サンプル容器セット部20の凹部には、5つのサンプル容器セット孔21aと、把持部21bとを有するサンプル容器セット台21が取り外し可能にはめ込まれている。このサンプル容器セット台21の5つのサンプル容器セット孔21aは、X軸方向に沿って1つの列状に所定の間隔を隔てて設けられている。このサンプル容器セット台21の5つのサンプル容器セット孔21aには、切除組織及び/又は擬似組織を前処理して作製された測定用試料が収容されたサンプル容器22がセットされる。
試薬容器セット部30の凹部には、2つのプライマ試薬容器セット孔31a及び2つの酵素試薬容器セット孔31bと、把持部31cとを有する試薬容器セット台31が、取り外し可能にはめ込まれている。試薬容器セット台31のプライマ試薬容器セット孔31a及び酵素試薬容器セット孔31bは、それぞれ、Y軸方向に沿って所定の間隔を隔てて2つずつ設けられている。この試薬容器セット台31のプライマ試薬容器セット孔31a及び酵素試薬容器セット孔31bには、2種類のプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器32a及びその2種類のプライマ試薬に対応する酵素試薬が収容された酵素試薬容器32bがそれぞれ各2本ずつセットされる。なお、正面左側のプライマ試薬容器セット孔31a及び酵素試薬容器セット孔31bに、サイトケラチン19(CK19)のmRNAに対応するプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器32a及びCK19mRNAの酵素試薬が収容された酵素試薬容器32bが配置される、また、正面右側のプライマ試薬容器セット孔31a及び酵素試薬容器セット孔31bに、内部標準物質としてβアクチンのmRNAのプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器32a及びβアクチンmRNAの酵素試薬が収容された酵素試薬容器32bが配置される。
なお、内部標準物質としては、βアクチンに限らず、例えばハウスキーピング遺伝子のmRNA等を用いることもできる(国際公開WO 03/070935号パンフレット参照)。
チップセット部40の2つの凹部には、36本のピペットチップ41を収納可能な収納孔42aを有する2つのラック42がそれぞれ着脱可能にはめ込まれている。また、チップセット部40には、2つの取り外しボタン43が設けられている。この取り外しボタン43を押すことにより、ラック42が取り外し可能な状態になる。
反応検出部60の各反応検出ブロック60aは、図9に示すように、反応部61と、2つの濁度検出部62と、蓋閉機構部63とから構成されている。各反応部61は検出セル65を備えている。蓋閉機構部63は、検出セル65にセル部67aを装着する機能を有している。
(実施例2)
上述の核酸増幅検出装置により核酸検出を行う場合の操作手順及び装置の動作を具体的に説明する。ここでは、細胞及び当該細胞を保持する保持体と、この保持体の表面の少なくとも一部を覆い、且つ当該保持体を保護する保護体と、保護体を覆う外皮膜とを有する擬似組織を用いた場合について述べる。
<表示値γの算出>
擬似組織の核酸増幅及び核酸検出に先立ち、まずCK19mRNAを含むと考えられる細胞を含有させた細胞溶液とホモジナイズ試薬とを混和して試料作製を行い、十分にホモジナイズして、これを基準試料γとする。なお、細胞溶液中の細胞数は予め計数しておく。
次に、基準試料γ作製に用いられた細胞溶液と同じものを同量用い、前述した擬似組織αの作製と同様にして擬似組織γを作製する。
擬似組織γにホモジナイズ試薬を添加する。ホモジナイズ試薬の添加量は、擬似組織γとホモジナイズ試薬との混合物の体積が基準試料γの体積と等しくなるよう調整する。
擬似組織γとホモジナイズ試薬との混合物をホモジナイズし、ホモジネートを作製する。
そして、この擬似組織γから得られたホモジネートを遠心分離して、上清を別の容器に収容する。以下、この上清を測定用試料γとする。
基準試料γ及び測定用試料γを収容した容器を、サンプル容器セット台21のサンプル容器セット孔21aにそれぞれセットする。
また、正面左側のプライマ試薬容器セット孔31a及び酵素試薬容器セット孔31bに、CK19mRNAのプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器32a及びCK19mRNAの酵素試薬が収容された酵素試薬容器32bをセットする。
また、正面右側のプライマ試薬容器セット孔31a及び酵素試薬容器セット孔31bに、βアクチンmRNAのプライマ試薬が収容されたプライマ試薬容器32a及びβアクチンmRNAの酵素試薬が収容された酵素試薬容器32bをセットする。
また、チップセット部40の凹部に、それぞれ36本の使い捨て用ピペットチップ41が収納された2つのラック42をはめ込む。さらに、各反応検出ブロック60aの反応部61の2つの検出セルセット孔61aに、検出セル65の2つのセル部67aをセットする。
そして、図8に示したデータ処理部102のキーボード102a及びマウス102bを用いて、測定項目の登録やサンプルIDの登録等を行った後、キーボード102a又はマウス102bにより測定部101の動作をスタートさせる。
測定部101の動作がスタートすると、まず、分注機構部10のアーム部11が初期位置からチップセット部40に移動し、チップセット部40において、分注機構部10の2つのシリンジ部12が下方向に移動する。これにより、シリンジ部12のノズル部12aの先端がピペットチップ41の上部開口部内に圧入されるので、シリンジ部12のノズル部12aの先端にピペットチップ41が自動的に装着される。そして、2つのシリンジ部12が上方に移動された後、分注機構部10のアーム部11は、試薬容器セット台31にセットされたCK19mRNA及びβアクチンmRNAのプライマ試薬が収容された2つのプライマ試薬容器32aの上方に向かってX軸方向に移動される。そして、2つのシリンジ部12が下方向に移動されることにより、それぞれのシリンジ部12のノズル部12aに装着されたピペットチップ41の先端が、2つのプライマ試薬容器32a内のCK19mRNA及びβアクチンmRNAのプライマ試薬の液面に挿入される。そして、シリンジ部12のポンプ部によりピペットチップ41内に各プライマ試薬が吸引される。
プライマ試薬の吸引後、2つのシリンジ部12が上方に移動された後、分注機構部10のアーム部11は、最も奥側(装置正面奥側)に位置する反応検出ブロック60aの上方に移動される。この場合、分注機構部10のアーム部11は、奥から2番目〜5番目の他の反応検出ブロック60aの上方を通過しないように移動される。そして、最も奥側の反応検出ブロック60aにおいて、2つのシリンジ部12が下方向に移動されることにより、2つのシリンジ部12のノズル部12aに装着された2つのピペットチップ41が、それぞれ検出セル65のセル部67a内に挿入される。そして、シリンジ部12のポンプ部を用いて、CK19mRNA及びβアクチンmRNAのプライマ試薬がそれぞれ2つのセル部67aに吐出される(プライマ試薬分注処理)。
プライマ試薬吐出後、2つのシリンジ部12が上方に移動され、分注機構部10のアーム部11は、チップ廃棄部50の上方に向かってX軸方向に移動される。チップ廃棄部50において、ピペットチップ41の破棄が行われる。
次に、分注機構部10のアーム部11が再びチップセット部40に移動し、チップセット部40において上記と同様の動作により2つのシリンジ部12のノズル部12aの先端に新しい2つのピペットチップ41が自動的に装着される。そして、分注機構部10のアーム部11は、試薬容器セット台31にセットされたCK19mRNA及びβアクチンmRNAの酵素試薬がそれぞれ収容された2つの酵素試薬容器32bの上方に向かってX軸方向に移動される。その後、2つのシリンジ部12が下方向に移動されることにより、2つの酵素試薬容器32b内のCK19mRNA及びβアクチンmRNAの2つの酵素試薬が吸引され、2つのシリンジ部12が上方向に移動される、そして、分注機構部10のアーム部11は、反応検出ブロック60aの上方に移動された後、CK19mRNA及びβアクチンmRNAの2つの酵素試薬が、それぞれ検出セル65の2つのセル部67aに吐出される(酵素試薬分注処理)。酵素試薬の吐出後、分注機構部10のアーム部11は、チップ廃棄部50の上方に移動された後、ピペットチップ41の破棄が行われる。
次に、分注機構部10のアーム部11が再びチップセット部40に移動された後、2つのシリンジ部12のノズル部12aの先端に新しい2つのピペットチップ41が自動的に装着される。そして、分注機構部10のアーム部11は、サンプル容器セット台21にセットされた基準試料γ及び測定用試料γがそれぞれ収容された2つのサンプル容器22の上方に向かってX軸方向に移動された後、基準試料γ及び測定用試料γがそれぞれピペットチップ41内に吸引される。
そして、検出セル65の2つのセル部67aに基準試料γ及び測定用試料γがそれぞれ吐出される際(サンプル分注処理)、2つのシリンジ部12が自動的にピペッティングを行うことにより、2つのセル部67a内の混合液が混和される。この後、分注機構部10のアーム部11が、チップ廃棄部50の上方に移動された後、ピペットチップ41の破棄が行われる。
上記のセル部67a内へ各試薬、基準試料γ及び測定用試料γがそれぞれ収容され、蓋閉機構部63によって検出セル65のセル部67aの蓋が閉められた後、反応部61のペルチェモジュールを用いて、検出セル65内の液温を約20℃から約65℃に加温することにより、前述したRT−LAMP法により標的核酸(CK19のmRNA)を鋳型としてcDNA(以下、CK19cDNAとする)を増幅させる。
そして、増幅に伴い生成されるピロリン酸マグネシウムによる白濁を濁度測定によりリアルタイムでモニターする。具体的には、濁度検出部62のLED光源(図示せず)から、約1mmの直径を有する光を、反応部61の光照射溝を介して、増幅反応時の検出セル65(測定データ取得部)のセル部67aに照射する。そして、その照射した光をフォトダイオード受光部(図示せず)で受光する。これにより、増幅反応時の検出セル65のセル部67a内の液濁度をリアルタイムでモニタリングする(検出処理)。
濁度検出部62のフォトダイオード受光部(測定データ取得手段)で測定したCK19の測定データは、測定部101の有する送信部(図示省略)によってデータ処理部102に送信される。
その結果、データ処理部102において、横軸に時間、縦軸に濁度をとった場合に、図10に示すようなCK19の測定データが得られる。そして、サンプル中のCK19cDNAの増幅産物が急増するまでの時間(増幅立ち上がり時間)を測定する。
そして、図11に示すような、予めCK19のキャリブレータの測定結果から作成された検量線に基づいて、CK19の増幅立ち上がり時間から基準試料γ及び測定用試料γに含まれているCK19mRNAの濃度(コピー数/μL)をそれぞれ算出する。ここで、図11に示した検量線は、横軸に増幅立ち上がり時間、縦軸に標的核酸のコピー数[コピー数/μL]をとった曲線であり、増幅立ち上がり時間が短いほど、標的核酸濃度が高いことを示す。
濁度測定によって算出された基準試料γのCK19mRNA濃度を基準値γとする。測定用試料γのCK19mRNA濃度が、基準値γと等しいか、近似した値を示した場合、測定用試料γに含まれるCK19mRNAがホモジナイズによって効果的に抽出できたことを示し、そのCK19mRNA濃度を表示値γとすることができる。
<核酸増幅及び核酸検出による前処理の精度管理>
次に、表示値γに基づく精度管理方法について説明する。
精度管理用に擬似組織δを用意する。擬似組織δは上述した擬似組織γと同ロットの擬似組織である。
擬似組織δに対するホモジナイズ、遠心、上清回収等の前処理は、擬似組織γに施した前処理と同様にして行われる。
この擬似組織δの上清に、上述の測定用試料γに対して行った核酸増幅及び核酸検出と同様の操作を施し、測定用試料δの上清のCK19mRNAの濃度を測定する。
擬似組織δの上清のCK19mRNA濃度が、上述の表示値γと比較したときに表示値γtと等しいか近似した値を示した場合、擬似組織δに対して施した処理が適切であったことを確認することができる。
以下、実験例を示す。
(実験例1)
実験例1では、保持体としてアガロースゲル又はパラフィンを使用し、標的核酸を含む細胞を保持させた参考試料iを作製し、ホモジナイズ等の所定の処理を施して細胞に含まれるCK19mRNAのコピー数を測定することによって、参考試料から核酸を抽出し、増幅できるか否かを確認した。
<試薬の調製>
以下のように、ホモジナイズ試薬、反応液、酵素試薬及びプライマ試薬を調製した。
下記の試薬を含むホモジナイズ試薬を調製した。
200mM(pH3.0) Glycin−HCl
(Glycin、HClともに和光純薬工業(株))
5% Brij35 (Sigma)
0.05% KS−538 (信越化学工業(株))
上記濃度は試薬中の濃度を示す。
以下の各成分を混合して13.97μlの反応液を調製した。
750mM トリス緩衝液(pH8.0) 1.00μl
10×Thermopol緩衝液
(ニューイングランドバイオラボラトリー社製) 2.50μl
10mM dNTPs 2.00μl
100mM MgSO
0.75μl
100mM ジチオスレイトール 1.25μl
2% Tergitol(シグマアルドリッチジャパン株式会社製) 2.50μl
O 3.97μl
以下の各成分を混合して3.04μlの酵素試薬を調製した。
10U/μl AMV逆転写酵素(プロメガ(株)製) 0.14μl
8U/μl Bst DNAポリメラーゼ
(ニューイングランドバイオラボラトリー社製) 2.27μl
RNase inhibitor(プロメガ(株)製) 0.63μl
以下の各成分を混合して6.00μlのプライマ試薬を調製した。
80pmol/μl フォワードインナープライマ 1.00μl
(5’-GGAGTTCTCAATGGTGGCACCAACTACTACACGACCATCCA-3’、配列番号1)
80pmol/μl リバースインナープライマ 1.00μl
(5’-GTCCTGCAGATCGACAACGCCTCCGTCTCAAACTTGGTTCG-3’、配列番号2)
5pmol/μl フォワードアウタープライマ 1.00μl
(5’-TGGTACCAGAAGCAGGGG-3’、配列番号3)
5pmol/μl リバースアウタープライマ 1.00μl
(5’-GTTGATGTCGGCCTCCACG-3’、配列番号4)
60pmol/μl フォワードループプライマ 1.00μl
(5’-AGAATCTTGTCCCGCAGG-3’、配列番号5)
60pmol/μl リバースループプライマ 1.00μl
(5’-CGTCTGGCTGCAGATGA-3’、配列番号6)
(1)保持体としてアガロースゲルを使用した場合
<試料の作製>
まず、ヒト肺癌由来の培養細胞(LC−2/ad細胞、理化学研究所バイオリソースセンター由来)をトリプシン処理により回収し、細胞計数板(カウンティングチャンバー、アズワン)を用いて顕微鏡で計数し、細胞の数が1.5×10cellsになるように50ml遠沈管に分注したものを陽性コントロールiとした。
保持体が細胞に与える影響を確認するため、2%アガロース(タカラバイオ(株)製,Agarose L03「TAKARA」5003)溶液250μlを50ml遠沈管に分注し、4℃で30分間静置することにより硬化させてアガロースゲルを作製し、このアガロースゲルをPBSで2回洗浄した後、陽性コントロールiと同じく5.0×10cellsのLC−2/ad細胞が入った50ml遠沈管に入れたものを比較試料iとした。
陽性コントロールiと同じく5.0×10cellsのLC−2/ad細胞が入った50ml遠沈管に2%アガロース溶液250μlを添加して懸濁し、4℃で30分間静置することによりLC−2/ad細胞をアガロースゲルに保持させた。そして、これをPBSで2回洗浄したものを参考試料i−1とした。
<前処理(破砕)>
陽性コントロールi、比較試料i及び参考試料i−1が入った遠沈管に、それぞれ上記ホモジナイズ試薬4mlを加えて、替え刃(一体型ジェネレータシャフト NS−7、マイクロテックニチオン社製)を装着したブレンダー(ハンディマイクロホモジナイザ NS−350D、マイクロテックニチオン社製)により25krpmで90秒破砕した。
<標的核酸の増幅及び検出>
得られたそれぞれのホモジネートを3000rpmで5分間遠心して上清20μlを回収し、それぞれ180μlのホモジナイズ試薬を添加することにより10倍に希釈した。
遺伝子増幅検出装置(GD−100:シスメックス社製)により、上記反応液、酵素試薬及びプライマ試薬を用いて希釈された各測定用試料のCK19mRNAに対するcDNAを増幅し、増幅に伴い発生する溶液の濁りをリアルタイムに測定することで標的核酸の濃度(単位体積当たりのコピー数)を検出した。
その結果を図12に示す。ここで、図12中に示されている括弧内の数字は、陽性コントロールiを100%としたときの各試料のCK19mRNA回収率を表している。
(2)保持体としてパラフィンを使用した場合
<試料の作製>
LC−2/ad細胞の数を1.0×10cellsにした以外は、上記陽性コントロールiの作製と同様にして陽性コントロールiiを作製した。
パラフィン(和光純薬工業(株)製、166−13285、mp42−44)と流動パラフィン(和光純薬工業(株)製、125−04765、密度(20℃)0.825−0.850g/ml)を1:1を混合し、50ml遠沈管においてその混合液250μlを4℃で静置することにより硬化させ、この硬化したパラフィンを取り出して陽性コントロールiiと同じく1.0×10cellsのLC−2/ad細胞が入った50ml遠沈管に入れたものを比較試料iiとした。
陽性コントロールiiと同じく1.0×10cellsのLC−2/ad細胞が入った50ml遠沈管にパラフィン(mp42−44)と流動パラフィンとの1:1混合液250μlを添加して懸濁し、4℃で静置することにより硬化させることによりLC−2/ad細胞をパラフィンに保持させた。そしてこれをPBSで2回洗浄したものを参考試料ii−1とした。
<前処理(破砕)、標的核酸の増幅及び検出>
陽性コントロールii、比較試料ii及び参考試料ii−1について(1)と同様の操作を行うことにより、標的核酸の濃度(単位体積当たりのコピー数)を検出した。
その結果を図13に示す。ここで、図13中に示されている括弧内の数字は、陽性コントロールiiを100%としたときの各試料のCK19mRNA回収率を表している。
図12及び図13から、保持体としてアガロースゲル及びパラフィンを用いて細胞を保持した参考試料i−1及び参考試料ii−1において、ほとんど増幅阻害が無いことが確認された。
(実験例2)
次に、細胞をアガロースゲルで保持した参考試料i−2及び細胞をパラフィンで保持した参考試料ii−2について、倒立顕微鏡を用いて細胞の状態を観察した。
参考試料i−2については、LC−2/ad細胞をアガロース溶液に懸濁させた状態で鏡検プレートに流してゲル化した後に倒立顕微鏡で観察して写真撮影を行った。図14に顕微鏡画像を示す。図14から、細胞をアガロースゲルで保持した場合には、細胞の形態が維持されていることがわかる。
参考試料ii−2については、LC−2/ad細胞を流動パラフィンに懸濁させた状態で鏡検プレートに流して倒立顕微鏡で観察して写真撮影を行った。図15に顕微鏡画像を示す。図15から、細胞を流動パラフィンで保持した場合、細胞の周囲に液胞が存在することにより細胞が保護されていることがわかる。
(実験例3)
細胞をアガロースゲルで保持した参考試料i−3及び細胞をパラフィンで保持した参考試料ii−3について、破砕挙動を動物由来の細胞塊と比較した。動物由来の細胞塊としてブタリンパ節約400mgを使用した。破砕挙動は、ブレンダーの回転時間を固定して回転数を変化させる回転数依存性とブレンダーの回転数を固定して回転時間を変化させる回転時間依存性とについて検討した。
(1)ブレンダーの回転数が破砕に与える影響の検討
まず、このブタリンパ節にホモジナイズ試薬4mlを添加し、上記ブレンダーにより0、5、10、15、20又は25krpmで90秒間破砕し、得られたホモジネートを1分間10000Gで遠心し、中間層を回収してホモジナイズ試薬で100倍希釈し、280nmにおける吸光度を測定することによって400mgのリンパ節に相当するタンパク質の濃度を算出した。その結果を図16(a)に示す。
参考試料i−3については、LC−2/ad細胞の数を4.0×10cellsとした以外は、上記参考試料i−1と同様に作製した。参考試料i−3を上記ブレンダーにより0、5、10、15、20又は25krpmで90秒間破砕し、得られたホモジネートを1分間10000Gで遠心し、中間層20μlを回収してホモジナイズ試薬で10倍希釈した後は実験例1(1)の<標的核酸の増幅及び検出>と同様にして標的核酸の濃度を検出した。その結果を図16(b)に示す。
参考試料ii−3は、参考試料ii−1と同様にして作製した。参考試料ii−3を上記ブレンダーにより0、5、10又は25krpmで90秒間破砕し、得られたホモジネートを上記参考試料i−3と同様に処理して標的核酸の濃度を検出した。その結果を図16(c)に示す。
図16から、ブタリンパ節は回転数に依存してタンパク質濃度が増加するのに対して、保持体がアガロースゲルである参考試料i−3及び保持体がパラフィンである参考試料ii−3は、回転数が5krpmの段階でCK19mRNAのコピー数がほぼ頭打ちの状態となっている。
(2)ブレンダーの破砕時間が破砕に与える影響の検討
(1)と同じくブタリンパ節約400mgにホモジナイズ試薬4mlを添加し、上記ブレンダーにより回転数25krpmで0、10、30、60又は90秒間破砕し、その後は(1)と同様の操作を行って400mgのリンパ節に相当するタンパク質の濃度を算出した。その結果を図17(a)に示す。
参考試料i−3について上記ブレンダーにより回転数25krpmで0、10、30、60又は90秒間破砕し、その後は上記(1)と同様にして標的核酸の濃度を検出した。その結果を図17(b)に示す。
参考試料ii−3について上記ブレンダーにより回転数25krpmで0、10、30、40、60又は90秒間破砕し、その後は上記(1)と同様にして標的核酸の濃度を検出した。その結果を図17(c)に示す。
図17から、ブタリンパ節は破砕時間に依存してタンパク質濃度が増加するのに対して、保持体がアガロースゲルである参考試料i−3及び保持体がパラフィンである参考試料ii−3は、破砕時間が10秒の段階でCK19mRNAのコピー数がほぼ頭打ちの状態となっている。図16及び図17の結果から、細胞を保持体で保持するだけでは強度が不足し、ブレンダーで容易に破砕されることがわかった。
(実験例4)
そこで、図7に示すような、細胞2及び当該細胞2を保持する保持体3と、この保持体3の表面の少なくとも一部を覆い、且つ当該保持体3を保護する保護体4と、この保護体4を覆う外皮膜4とを有する擬似組織1を作製した。細胞2としてLC−2/ad細胞を用い、保持体3としてパラフィンを用い、保護体4として保持体3のパラフィンよりも高融点のパラフィンを用い、外皮膜5としてゼラチンからなるカプセルを用い、以下のようにして作製した。
図18は、図7に示す擬似組織1の製造方法を示す模式説明図である。
ゼラチンカプセル((株)松屋製、日本薬局方カプセル、00号)のボディ部にパラフィン(和光純薬工業(株)製、169−13275、mp44−46)とパラフィン(和光純薬工業(株)製、162−13385、mp48−50)の1:1混合液300μlを流し入れ、室温で硬化させた(図18(a)参照)。その後、直径約3mmのシリンダーを用いて硬化したパラフィンに穴を空けた(図18(b)参照)。この穴に流動パラフィン100μlで懸濁したLC−2/ad細胞1.8×10cellsを注入し、そこにパラフィン(mp42−44)を300μl添加して硬化させた(図18(c)参照)。
ゼラチンカプセルのキャップ部の方にもパラフィン(mp44−46)とパラフィン(mp48−50)の1:1混合液150μlを流し入れて硬化させ、このキャップ部でボディ部に蓋をすることにより、擬似組織1を作製した(図18(d)参照)。
この擬似組織1を−20℃で1日保存した後、取り出して50ml遠沈管に入れ、ホモジナイズ試薬4ml中で3分間膨潤させた。そして、上記ブレンダーにより0、5、10、15、20又は25krpmで90秒間破砕し、その後は(1)と同様の操作を行って標的核酸の濃度を検出した。その結果を表1及び図19に示す。
流動パラフィン100μlに懸濁させるLC−2/ad細胞の数を0.9×10cellsにした以外は上記と同様にして擬似組織1を作製し、上記ブレンダーにより回転数25krpmで0、10、30、40、60又は90秒間破砕し、その後は(1)と同様の操作を行って標的核酸の濃度を検出した。その結果を表2及び図20に示す。
なお、表1及び表2における「ND」は、コピー数が所定の値、例えば250以下の場合、又は図10に示す測定データにおいて、所定時間が経過しても濁度がしきい値に到達しない場合を示している。
図19及び図20の結果から、この擬似組織1はブタリンパ節の破砕挙動(図16(a)及び図17(a)参照)に類似した挙動を示すことがわかった。
本発明の精度管理用擬似組織の形状例を示す模式図である。 図1の精度管理用擬似組織の製造方法を説明する模式説明図である。 本発明の精度管理用擬似組織の形状例を示す模式図である。 図3の精度管理用擬似組織の製造方法を説明する模式説明図である。 本発明の精度管理用擬似組織の形状例を示す模式図である。 図5の精度管理用擬似組織の製造方法を説明する模式説明図である。 本発明の精度管理用擬似組織の形状例を示す模式図である。 核酸増幅検出装置及びその周辺機器の全体構成を示した斜視図である。 核酸増幅検出装置の測定部の全体構成を示した図である。 増幅立ち上がり時間と濁度との関係を示すグラフである。 増幅立ち上がり時間と標的核酸コピー数との関係を示す検量線が描かれたグラフである。 実験例1(1)の実験結果を示すグラフである。 実験例1(2)の実験結果を示すグラフである。 実験例2における参考試料i−2の細胞の形態を示す顕微鏡画像である。 実験例2における参考試料ii−2の細胞の形態を示す顕微鏡画像である。 実験例3(1)の実験結果を示すグラフである。 実験例3(2)の実験結果を示すグラフである。 図7に示す精度管理用擬似組織の製造方法を示す模式説明図である。 実験例4におけるブレンダーの回転数とCK19mRNAのコピー数との関係を示すグラフである。 実験例4におけるブレンダーの破砕時間とCK19mRNAのコピー数との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 精度管理用疑似組織
2 細胞
3 保持体
4 保護体
5 外皮膜
10 分注機構部
11 アーム部
12 シリンジ部
12a ノズル部
20 サンプル容器セット部
21a サンプル容器セット孔
21b 把持部
30 試薬容器セット部
31a プライマ試薬容器セット孔
31b 酵素試薬容器セット孔
31c 把持部
32a プライマ試薬容器
32b 酵素試薬容器
40 チップセット部
41 ピペットチップ
42 ラック
42a 収納孔
43 取り外しボタン
50 チップ廃棄部
60 反応検出部
60a 反応検出ブロック
61 反応部
62 濁度検出部
63 蓋閉機構部
65 検出セル
67a セル部
70 制御部
80 電源部
90 緊急停止スイッチ
100 核酸増幅検出装置
101 測定部
102 データ処理部
102a キーボード
102b マウス
200 プリンタ
300 ホストコンピュータ

Claims (17)

  1. 検査目的で生体から切除した細胞塊を破砕し、該破砕物を遠心分離して上清を回収することにより測定用試料を得るという前処理工程の精度管理に用いるための精度管理用擬似組織であって、
    核酸又は細胞と、
    当該核酸又は細胞を保持する保持体と、
    当該保持体の表面の少なくとも一部を覆うことにより当該保持体を保護するとともに、保持体よりも高い硬度を有する保護体と、
    を有し、
    当該細胞塊に類似した破砕挙動を示すことを特徴とする精度管理用擬似組織。
  2. 前記細胞が癌細胞である請求項1に記載の精度管理用擬似組織。
  3. 前記保持体が、融点20〜50℃の高分子からなる請求項1又は2に記載の精度管理用擬似組織。
  4. 前記高分子が、疎水性の高分子である請求項3に記載の精度管理用擬似組織。
  5. 前記細胞が前記疎水性の高分子からなる保持体で保持されており、且つ前記細胞がその周囲に存在する液泡によって保護されている請求項4に記載の精度管理用擬似組織。
  6. 前記液泡が、細胞保存液又は細胞の洗浄用バッファーの液泡である請求項5に記載の精度管理用擬似組織。
  7. 前記保持体が、パラフィン又はアガロースゲルである請求項3に記載の精度管理用擬似組織。
  8. 前記保護体が、前記保持体の融点より高い融点を有する高分子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の精度管理用擬似組織。
  9. 前記保護体が、疎水性の高分子である請求項8に記載の精度管理用擬似組織。
  10. 前記保持体がパラフィンであり、前記保護体が前記保持体のパラフィンよりも高い融点を有するパラフィンである請求項9に記載の精度管理用擬似組織。
  11. 前記保護体がさらに外皮膜で覆われている請求項1〜10のいずれか1項に記載の精度管理用擬似組織。
  12. 前記外皮膜が、ゼラチン又はセルロースからなる請求項11に記載の精度管理用擬似組織。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の精度管理用擬似組織をホモジナイズするホモジナイズ工程と、
    ホモジナイズされた精度管理用擬似組織に含まれる核酸を増幅する増幅工程と、
    増幅された核酸を検出し前記精度管理用擬似組織に由来する核酸濃度を測定する測定工程と、
    核酸濃度の測定値と基準値とを比較する比較工程と、を有することを特徴とする精度管理方法。
  14. 前記比較工程が、核酸濃度の測定値と基準値とを比較することにより前記ホモジナイズ工程、増幅工程及び測定工程が適切になされたかどうかを判定する工程である、請求項13に記載の精度管理方法。
  15. 前記核酸が、腫瘍マーカーをコードする遺伝子又はハウスキーピング遺伝子の塩基配列を含む核酸である、請求項13又は14に記載の精度管理方法。
  16. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の精度管理用擬似組織の製造方法であって、
    前記細胞を前記保持体で保持させる際に、前記細胞の表面及び/又は内部に液体が残留している状態で前記保持体を添加することにより前記液体を前記細胞の周囲で液泡化させることを特徴とする製造方法。
  17. 前記細胞の表面及び/又は内部に液体が残留している状態が、前記細胞の脱水処理を行わないことで形成される、請求項16に記載の製造方法。
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