本発明に係る電子機器の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電子機器の一例である折りたたみ式の携帯電話機1の外観の構成を示す図である。図1(A)は、携帯電話機1を約180度に開いた開状態のときの正面から見た外観の構成を示し、図1(B)は、携帯電話機1を開状態としたときの側面から見た外観の構成を示す。
図1(A)および(B)に示されるように、携帯電話機1は、中央のヒンジ部11を境に第一の筐体12と第二の筐体13とがヒンジ結合されており、ヒンジ部11を介して矢印X方向に折り畳み可能に形成される。携帯電話機1の内部の所定の位置には、送受信用のアンテナ(後述する図3のアンテナ31)が設けられており、内蔵されたアンテナを介して基地局(図示せず)との間で電波を送受信する。
第一の筐体12には、その表面に「0」から「9」の数字や「あ」行から「わ」行のかな、「A」から「Z」のアルファベットの入力が可能な数字キー15や、上下方向キーを備えた十字キー16、確定キー17などで構成される操作キー14が設けられる。
十字キー16は、上下左右方向に操作されることによりメインディスプレイ21に表示されたカーソルなどを上下左右方向に移動させることができる。また、確定キー17を押下することにより、種々の機能を確定することができる。確定キー17には、メインディスプレイ21の下部に設けられた確定キー機能表示部21aに表示される処理も割り当てられる。
さらに、第一の筐体12の十字キー16および確定キー17の上部には、左ソフトキー18および右ソフトキー19が設けられる。第一の筐体12の側面には、携帯電話機1の操作を行うサイドキー20が設けられる。左ソフトキー18、右ソフトキー19およびサイドキー20は、第一の筐体12の内部方向に押下されることによって、それぞれ所定の処理が割り当てられている。特に左ソフトキー18および右ソフトキー19は、メインディスプレイ21の下部に設けられた左ソフトキー機能表示部21bおよび右ソフトキー機能表示部21cに表示される処理が割り当てられる。
第一の筐体12には、操作キー14の下部にマイクロフォン22が設けられており、マイクロフォン22によって通話時のユーザの音声を集音する。
なお、第一の筐体12は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話・電源キーが押下されてオン状態になると、バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
一方、第二の筐体13には、その大部分の面積を占めるメインディスプレイ21が設けられており、電波の受信状態、電池残量の他、電子メールの内容、簡易ホームページなどを表示することができる。なお、メインディスプレイ21は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、無機EL(inorganic ElectroLuminescence)ディスプレイにより構成されるディスプレイである。メインディスプレイ21は、表示手段として機能する。
また、メインディスプレイ21の上部の所定の位置にはレシーバ(受話器)23が設けられており、これにより、ユーザは音声通話することが可能である。なお、携帯電話機1の所定の位置には、レシーバ23以外の音声出力部としてのスピーカ(図示せず)も設けられている。
図2は、本発明に係る携帯電話機の一例である折りたたみ式携帯電話機1の他の外観の構成を示す図である。図2の携帯電話機1は、図1の携帯電話機1の状態から矢印X方向に回動させた閉状態を構成する。図2(A)は、携帯電話機1が閉状態のときの正面から見た外観の構成を示し、図2(B)は、携帯電話機1が閉状態のときの側面から見た外観の構成を示す。
第二の筐体13には、例えばLCDで構成されるサブディスプレイ24が設けられており、現在のアンテナの感度のレベルを示すアンテナピクト、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト、現在の時刻などが表示される。
図3は、本実施形態における携帯電話機1の内部の構成を示す図である。
図示せぬ基地局から送信されてきた無線信号は、アンテナ31で受信された後、アンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)34から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、受信回路33は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。
受信回路33からの受信ベースバンド信号は、CDMA信号処理部36に入力される。CDMA信号処理部36は、図示せぬRAKE受信機を備える。このRAKE受信機では、受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれの拡散符号(すなわち、拡散された受信信号の拡散符号と同一の拡散符号)で逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号は、位相が調停された後、コヒーレントRake合成される。Rake合成後のデータ系列は、デインタリーブおよびチャネル復号(誤り訂正復号)が行われた後、2値のデータ判定が行われる。これにより、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは、圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、CDMA信号処理部36から出力された受信パケットデータを図示せぬ多重分離部によりメディアごとに分離し、分離されたメディアごとに対してそれぞれ復号処理を行う。
圧縮伸張処理部37のビデオコーデックにて復号されたディジタル動画像信号は、制御部41に入力される。制御部41は、圧縮伸張処理部37から出力されたディジタル動画像信号に基づく動画像を、図示せぬビデオRAM(例えばVRAMなど)を介してメインディスプレイ21に表示させる。
一方、通話モードにおいて、マイクロフォン22に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器40により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック38によりPCM符号化される。このPCM符号化後のディジタルオーディオ信号は、圧縮伸張処理部37に入力される。また、制御部41にて作成された電子メールなどのテキストデータも圧縮伸張処理部37に入力される。
圧縮伸張処理部37は、PCMコーデック38から出力されたディジタルオーディオ信号を所定の送信データレートに応じたフォーマットで圧縮符号化する。これにより、オーディオデータが生成される。また、圧縮伸張処理部37は、制御部41から出力されたディジタル動画像信号を圧縮符号化して動画像データを生成する。そして、圧縮伸張処理部37は、これらのオーディオデータや動画像データを図示せぬ多重分離部で所定の伝送フォーマットに従って多重化した後にパケット化し、パケット化後の送信パケットデータをCDMA信号処理部36に出力する。
CDMA信号処理部36は、圧縮伸張処理部37から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施し、スペクトラム拡散処理後の出力信号を送信回路(TX)35に出力する。送信回路35は、スペクトラム拡散処理後の信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式などのディジタル変調方式を使用して変調する。送信回路35は、ディジタル変調後の送信信号を、周波数シンセサイザ34から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換(アップコンバート)する。そして、送信回路35は、制御部41により指示される送信電力レベルとなるように、このアップコンバートにより生成された無線信号を高周波増幅する。この高周波増幅された無線信号は、アンテナ共用器32を介してアンテナ31に供給され、このアンテナ31から図示せぬ基地局に向けて送信される。また、携帯電話機1には、現在の正確な時刻を測定する時計回路45が設けられている。
制御部41は、CPU(central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部42からRAMにロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。また、制御部41はビデオRAMも備え、メインディスプレイ21に表示される映像に関する情報が一時的に格納される。
記憶部42は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、制御部41のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。電源回路44は、バッテリ43の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。
図4は、本実施形態における携帯電話機の制御部により実行されるブラウザアプリケーションの機能的な構成を概略的に示した機能ブロック図である。
ブラウザアプリケーションは、ブラウザ制御部51、HTTP通信部52、HTML解析部54、コンテンツ表示部55を備える。また、各種データの記憶領域として、受信/Cashデータ記憶部56、HTML解析結果記憶部57、アクセス規制情報記憶部58を備える。
ブラウザ制御部51は、ブラウザアプリケーション50に設けられた各部に指示を供給し、各部に処理を実行させる。
HTTP通信部52は、Webサーバ(図示せず)と携帯電話機1との間で送受するための通信プロトコルであるHTTP(HyperText Transfer Protocol)に基づいて、HTML(Hyper Text Maekup Language)形式で書かれた文書(HTML文書)の送受信を行う。
なお、HTTP通信部52は、携帯電話機1に設けられたTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)の通信プロトコル体系に基づいてデータの送受信を行うTCP/IP通信部53を介して適宜データの送受信を行う。HTTP通信部52により取得されたHTML文書は、受信/Cashデータ記憶部56に格納される。
HTML解析部54は、受信/Cashデータ記憶部56に記憶されたHTML文書を解析する。HTML文書は、Webページなどに表示されるテキストや画像データなどのデータを整形して表示させるために用いられるタグを使用して記述される。HTML解析部54は、HTML文書に使用されたタグの解析を行う。このとき、HTML解析部54は、ブラウザ制御部51の制御に基づき、所定のタグに対し表示規制処理を行いながら解析を行う。解析結果は、HTML解析結果記憶部57に記憶される。HTML解析部54は、本実施形態においては解析手段、判定手段および表示規制手段として機能する。
コンテンツ表示部55は、HTML解析結果記憶部57に記憶されたHTML解析結果に基づき、Webページのコンテンツをメインディスプレイ21に表示させる。
また、ブラウザアプリケーション50には、アクセス規制情報設定部60、UI制御部61およびアクセス規制情報記憶部58が設けられる。
アクセス規制情報設定部60は、ユーザがWebページの取得を行う際に、アクセスが規制されるURIやドメインに関する情報であるアクセス規制情報の設定を行う。アクセス規制情報は、アクセスが禁止されたURIやドメインで構成される。なお、アクセス規制情報は、アクセスが許可されたURIやドメインで構成してもよい。
UI制御部61は、メインディスプレイ21に表示されるUI(User Interface)を介してアクセス規制情報の設定の入力を受け付ける。また、アクセス規制情報設定部60は、ネットワークを介して受信したデータをアクセス規制情報として設定することも可能である。
アクセス規制情報は、URIおよびドメインを個別に設定可能に構成してもよいし、一括して設定可能に構成してもよい。例えば、ネットワークを通じて管理者側の端末装置(図示せず)よりアクセスが禁止されたURIおよびドメインのリストが取得された場合には、このリストに記載されたURIおよびドメインが一括して設定されるのが好適である。
また、アクセス規制情報記憶部58に記憶されたアクセス規制情報は、アクセス規制情報設定部60により適宜変更を行うことができる。UI制御部61は、UIを介してアクセス規制情報の変更の入力を受け付ける。
アクセス規制情報設定部60により設定されたアクセス情報は、適宜アクセス規制情報記憶部58に格納される。また、アクセス規制情報は、必要に応じてアクセス規制情報記憶部58より読み出され、コンテンツ表示部55によりメインディスプレイ21に表示されたり、HTTP通信部52を通じて管理者に送信できるようになっている。
また、アクセス規制情報設定部60は、携帯電話機1の管理者以外のユーザにアクセス規制情報の設定およびアクセス規制情報の変更ができないように構成される。例えば、アクセス規制情報設定部60がアクセス規制情報の設定または変更を行う際に、予め設定されたパスワードの入力を求め、正しいパスワードが入力された場合にのみアクセス規制情報の設定または変更を認めるように構成される。
次に、携帯電話機1に設定されたアクセス規制情報に基づいて実行されるコンテンツ表示処理について説明する。
Webページ上では、他のWebページにジャンプ可能なハイパーリンク(リンク)を生成したり、別ファイルとして保存されている画像データなどのコンテンツをWebページの一部として組み込んだりすることができるようになっている。本実施形態における携帯電話機1は、このように構成されたWebページに対し表示規制処理を行い、効果的にアクセス制限を行うことができる。
図5は、本実施形態における携帯電話機1により実行されるコンテンツ表示規制処理を説明するフローチャートである。このコンテンツ表示規制処理は、制御部41の制御に基づき実現されるブラウザアプリケーション50において実行される。
ステップS1において、ブラウザアプリケーション50のブラウザ制御部51は、URIが指定されたか否かの判定を行う。ブラウザ制御部51は、例えば操作キー14を介してURIの入力を受け付ける。ブラウザ制御部51は、URIがいまだ指定されていないと判定した場合、URIが指定されるまで処理は待機する。
一方、ブラウザ制御部51は、URIが指定されたと判定された場合、ステップS2において、指定されたURIはアクセスが許可されたURIか否かの判定を行う。ブラウザ制御部51は、格納手段としてのアクセス規制情報記憶部58に格納されたアクセス規制情報を参照し、判定を行う。例えば、アクセス規制情報としてアクセスが許可されたURIやドメインが設定されている場合、ブラウザ制御部51は、指定されたURIがアクセスが許可されたURIやドメインと一致した場合に、アクセスが許可されたURIであると判定を行う。または、アクセス規制情報にアクセスが禁止されたURIやドメインが設定されている場合、ブラウザ制御部51は、指定されたURIがアクセスが禁止されたURIまたはドメインに含まれていない場合に、アクセスが許可されたURIであると判定を行う。
以下、本実施形態においては、アクセス規制情報記憶部58にはアクセスが禁止されたURIやドメインがアクセス規制情報として設定された場合を適用して説明する。
指定されたURIが、アクセスが許可されたURIやドメインではないと判定された場合、ブラウザ制御部51は、Webページの取得を行わずコンテンツ表示処理を終了する。
一方、指定されたURIが、アクセスが許可されたURIやドメインであると判定された場合、ステップS3において、取得手段としてのHTTP通信部52は、Webサーバに対して指定されたURIのHTML文書を要求するためのコマンドを生成して送信する。また、HTTP通信部52は、この要求に基づきWebサーバよりHTML文書を取得する。
HTTP通信部52は、取得したHTML文書を受信/Cashデータ記憶部56に格納する。
ステップS4において、判定手段としてのHTML解析部54は、HTML文書に規制対象となる内容を含むタグが記述されているか否かの判定を行う。この判定は、アクセス規制情報記憶部58に記憶された、アクセスが禁止されたURIやドメインを参照して行われる。例えば、HTML解析部54は、HTML文書にアクセスが禁止されたURIのリンクを生成するタグが含まれるか否かの判定を行う。また、HTML解析部54は、アクセスが禁止されたURIに対してデータの取得要求を行ったり、データの送信先に指定したりするタグが含まれるか否かの判定を行う。
具体的には、HTML解析部54は、HTML文書の解析時において、ハイパーリンクを生成するタグであるアンカータグが含まれていた場合、このアンカータグにより生成されるリンクが予め設定されたアクセスを禁止するURIであるか否かの判定を行う。HTML文書中におけるアンカータグは、例えば「<A HREF=”http:/www.AAA.BBB.co.jp”>CCC</A>」のように記述される。「<A HREF=”」に続いて記載されたURIである「http:/www.AAA.BBB.co.jp」は、リンクが生成されるURIを示す記述である。また、「>」と「</A>」との間に記載されたテキストは、指定されたURIに対するハイパーリンクの生成に割り当てられたテキスト(リンクテキスト)となる。このリンクテキストは、Webページ上においてハイパーリンクとしてアンカー表示される。ブラウザ制御部51は、このリンクテキストが選択されることにより、所定のURIにアクセス処理を行う。
なお、本実施形態におけるアンカー表示とは、アンカータグ中に記載されたリンクテキストを選択可能に表示させることをいう。このとき、リンクテキストは通常のテキストとは識別可能なように表示され、例えば太字で表示されたり、異なる色で表示されたり、アンダーラインが表示されたりする。さらにアンカー表示されたリンクテキストは、携帯電話機1の十字キー16などを用いて複数のリンクテキスト上を移動可能に構成されるカーソルによって選択された場合、反転表示されたり、リンク先の情報などが吹き出し表示されたり、カーソルの絵柄が変更されたりするように構成される。
HTML解析部54は、このリンクの生成が行われるURIが、アクセス規制情報記憶部58に記憶されたアクセスが禁止されたURIまたはドメインと一致するか否かの判定を行う。
また、HTML解析部54は、HTML文書の解析時において、所定の画像データを表示させるタグであるイメージタグが埋め込まれていた場合、このイメージタグにより表示される画像データの取得要求先が、アクセスを禁止するURIやドメインであるか否かの判定を行う。HTML文書中におけるイメージタグは、例えば「<IMG SRC=”http:/www.AAA.BBB.co.jp/DDD.FFF.gif”>」のように記述される。「<IMG SRC=”」に続いて記載されたURIである「http:/www.AAA.BBB.co.jp/DDD.FFF.gif」は、Webページ上で表示される画像データの取得要求先を示す記述である。
また、イメージタグは上述したアンカータグにおける「>」と「</A>」の間に記述されることにより、ハイパーリンクの生成に割り当てられた画像データ(リンク画像)となる。このリンク画像は、Webページ上においてハイパーリンクとしてアンカー表示される。ブラウザ制御部51は、このリンク画像が選択されることにより、所定のURIにアクセス処理を行う。
なお、アンカー表示されるリンク画像は、リンクテキストと同様に選択可能に表示される。また、リンク画像は、通常の画像データとは識別可能なように表示され、例えば太枠で囲まれて表示されたり、異なる色の枠で囲まれて表示されたりする。
HTML解析部54は、この画像データの取得要求先として記載されたURIが、アクセス規制情報記憶部58に記憶されたアクセスが禁止されたURIまたはドメインと一致するか否かの判定を行う。
なお、HTML解析部54は、アンカータグおよびイメージタグに限らず、例えばフレームタグ、インラインフレームタグ、オブジェクトタブ、フォームタグ、スクリプトタグなど所定のURIを取得要求先とするコンテンツを表示させたり、所定のURIに対しデータの送信を行わせたりするようなタグの記載についても同様に判定を行う。
HTML文書に表示規制の対象となるタグの記述が含まれていないと判定された場合、ステップS5において、解析手段としてのHTML解析部54は、取得したHTML文書の記述通りに解析を行い、得られた解析結果をHTML解析結果記憶部57に格納する。
一方、HTML文書に表示規制の対象となるタグが含まれていると判定された場合、ステップS6において、表示規制手段としてのHTML解析部54は、HTML文書に対し所定の表示規制処理を行う。また、HTML解析部54は、所定の表示規制処理を行い得られた解析結果をHTML解析結果記憶部57に格納する。
具体的には、HTML解析部54は、アクセスが禁止されたURIに対するハイパーリンクを生成させるアンカータグが含まれていた場合、Webページ上で表示されるリンクテキストおよびリンク画像をアンカー表示さないようにHTML文書を変更して、ハイパーリンクの生成を無効とする表示規制処理を行い、解析結果を出力する。すなわち、HTML解析部54は、リンクテキストおよびリンク画像を通常のテキストおよび画像データと同様に表示させる表示規制処理を行う。
また、HTML解析部54は、アクセスが禁止されたURIを取得要求先とする画像データを表示させるイメージタグが含まれていた場合には、その画像データを表示させる記述を無効とする表示規制処理を行い、解析結果を出力する。HTML解析部54により行われる表示規制処理は、例えば所定の取得要求先から取得されて表示されるはずであった画像データを取得せずにブランク表示させたり、予め携帯電話機1に記憶された代替の画像データやテキストを表示させたり、画像データを表示させるタグの記述そのものを無視(削除)したりすることにより行われる。
なお、HTML解析部54は、アンカータグ、イメージタグの他にも、所定のURIとデータの送受信を行うタグについても、アクセスが禁止されたURIやドメインと一致するURIがデータの取得要求先または送信先として設定する記述が含まれていた場合には、HTML文書を変更するなどしてその記述を無効にすることで表示規制処理を行う。
具体的には、HTML解析部54は、アクセスが禁止されたURIより取得したコンテンツをWebページ上に表示させるタグ(オブジェクトタグ、フレームタグ、インラインフレームタグ、スクリプトタグなど)の記述を無効としたHTML文書に変更することで表示規制処理を行う。また、HTML解析部54は、表示されているWebページからアクセスが禁止されたWebページに自動的に切り替える(HTTPリダイレクト)タグの記述が含まれていた場合、このタグの記述を無効としアクセスを行わないHTML文書に変更することで表示規制処理を行う。さらに、HTML解析部54は、データの入力フォームを生成し、これをアクセスが禁止されたURIに送信させるタグ(フォームタグ、スクリプトタグなど)の記述が含まれていた場合、入力フォームの生成などを行わず、かつデータの送信を無効とするHTML文書に変更することで表示規制処理を行う。
ステップS7において、コンテンツ表示部55は、HTML解析結果記憶部57に格納された解析結果に基づいて、指定判定ステップS1において指定されたURIのWebページをメインディスプレイ21に表示させる。
図6は、解析ステップS5において、HTML文書の記述どおりに解析が行われた解析結果に基づき表示されたWebページの一例を示す図である。
このWebページには、リンクが生成されており、リンク画像やリンクテキストを含む種々のコンテンツが表示されている。コンテンツA、コンテンツB、コンテンツCおよびコンテンツDはリンク画像として表示されている。また、コンテンツEおよびコンテンツFは、リンクテキストとして表示されている。これらのリンク画像およびリンクテキストは、それぞれアンカー表示されており、通常のテキストや画像データとは識別可能に、かつ選択可能に表示される。リンク画像は、画像データの表示領域の外枠が通常の画像データよりも太い枠で表示されることによりアンカー表示される。リンクテキストは、例えば通常のテキストとは異なる色で表示され、かつアンダーラインが表示されることによりアンカー表示される。
これらのリンク画像およびリンクテキストは、携帯電話機1の十字キー16を操作することにより移動可能なカーソルで選択することができる。また、確定キー17が押下され確定キー機能表示部21aに表示された決定処理が行われることにより、ブラウザ制御部51は所定のURIにアクセス処理を行う。
なお、左ソフトキー機能表示部21bに表示された「戻る」は、現在表示されているWebページより一つ前に表示されたWebページを表示する機能であり、左ソフトキー18が押下されることにより実行される。また、右ソフトキー機能表示部21cに表示された「メニュー」は、現在表示されているWebページに対して実行可能な各種機能の項目を表示する機能であり、右ソフトキー19が押下されることにより実行される。
図7は、規制解析ステップS6において、HTML文書に対し表示規制処理が行われた解析結果に基づき表示されたWebページの一例を示す図である。
図7に示すWebページは、図6に示すWebページに対してコンテンツA、コンテンツD、コンテンツEがアンカー表示されておらず、かつコンテンツAおよびコンテンツDの画像データが表示されていない点で相違している。なお、コンテンツAおよびコンテンツDは、説明の便宜上、表示領域の外枠が鎖線で表示されているが、実際にはブランク表示されている。
コンテンツAおよびコンテンツDは、アクセスが禁止されたURIに対するリンクであり、かつアクセスが禁止されたURIを取得要求先とする画像データであったため、HTML解析部54によりHTML文書の記述が変更された。すなわち、HTML解析部54はコンテンツAおよびコンテンツDをアンカー表示させるアンカータグを無視したHTML文書に変更する表示規制処理を行った。また、HTML解析部54はイメージタグによりコンテンツAおよびコンテンツDが表示される箇所をブランクとして表示させるHTML文書に変更する表示規制処理を行った。
また、コンテンツEについては、アクセスが禁止されたURIに対するリンクを生成する記述に基づき表示されるコンテンツであったため、HTML解析部54によりHTML文書の記述が変更された。すなわち、HTML解析部54は、リンクテキストである「土地活用」、「在宅で高収入」、「サプリメント大特価」のテキストを、通常のテキストと同様に表示させるHTML文書に変更する表示規制処理を行った。
この結果、図7のWebページにおいては、アクセスが許可されたURIがリンク先として設定されたリンクテキストおよびリンク画像のみが、選択可能にアンカー表示される。一方、アクセスが禁止されたURIがリンク先として設定されたリンクテキストおよびリンク画像はアンカー表示されず、予め選択できないように表示される。
また、図8は、規制解析ステップS6において、HTML文書に対し他の表示規制処理が行われた解析結果に基づき表示されたWebページの例を示す図である。
図8のWebページに表示されたコンテンツAおよびコンテンツDは、アクセスが禁止されたURIに対するリンクであったため、HTML解析部54はコンテンツAおよびコンテンツDをアンカー表示させるアンカータグを無視したHTML文書に変更する表示規制処理を行った。この結果、アクセスが禁止されたURIがリンク先として設定されたコンテンツAおよびコンテンツDはアンカー表示されず、選択できないように表示される。
さらに、図9は、規制解析ステップS6において、HTML文書に対し表示規制処理が行われた解析結果に基づき表示されたWebページのさらに他の例を示す図である。
図9のWebページに表示されたコンテンツAおよびコンテンツDは、アクセスが禁止されたURIを取得要求先とする画像データであったため、HTML解析部54により所定の代替画像データを表示させる表示規制処理が行われた。この結果、Webページには予め携帯電話機1に記憶された所定の画像データが表示された。HTML解析部54により、代替テキストを表示させる表示規制処理が行われた場合には、図9の代替画像データに代えて、「イメージを表示できません」などの代替テキストが表示される。また、コンテンツAおよびコンテンツDはアクセスが禁止されたURIに対するリンクであったため、HTML解析部54はコンテンツAおよびコンテンツDをアンカー表示させるアンカータグを無視したHTML文書に変更する表示規制処理を行った。
以上でコンテンツ表示規制処理は終了する。
この携帯電話機1によれば、表示されるWebページに対して、アクセスが禁止されたURIまたはドメインに対するハイパーリンクの生成を行わせない表示規制処理を実現することで、効果的にアクセス規制を行うことができる。すなわち、被管理者としてのユーザがアクセスが禁止されたURIにアクセスしようと思っても、その手段としてリンクを予め表示させないことで効果的にアクセス規制を行うことができる。
また、アクセスが禁止されたURIにアクセスした場合に、Webページを表示することができない旨のエラー画面へ移行してしまう場合に比べて、予めアクセスを行えないようにすることでユーザに対する操作性を損なうことなくアクセス規制することができる点でも有効である。
さらに、アクセスが禁止されたURIに対するリンクテキストについては通常のテキストデータと同様の表示形態で表示したり、リンク画像については通常の画像データと同様の表示形態で表示したり、ブランク表示をおこなったり、代替画像データまたは代替テキストを表示させたりするため、ユーザはアクセス規制が行われていることを意識することなく、違和感なくWebページの閲覧を行うことができる。
さらにまた、このような表示規制処理を行うことで、ユーザの意図しない操作により有害なサイトにアクセスすることや、ユーザのデータを自動的に送信することも抑制できるため、アクセス規制のみならず、ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺などの悪質な犯罪に対する被害も回避することができる。
なお、規制解析ステップS6において、HTML解析部54によりHTML文書にアクセスが禁止されたURIを取得要求先とする画像データなどのコンテンツが含まれていた場合、これを取得しないものとしたが、画像データなどのコンテンツの取得を含むHTML文書の記述に従った解析結果の取得後、コンテンツ表示部55による表示処理時に該当部分のテキストや画像データを表示させない表示規制処理を行ってもよい。なお、テキストや画像データがリンクテキストおよびリンク画像であった場合には、カーソルを用いたWebページ上での選択操作時、ブラウザ制御部51により表示規制処理が行われた規制箇所は選択できないように制御処理が行われる。
次に、表示規制処理が行われたWebページに対して行われる表示規制解除処理について説明する。
図10は、本実施形態における携帯電話機1により実行される表示規制解除処理を説明するフローチャートである。この規制解除処理は、制御部41の制御に基づき実現されるブラウザアプリケーション50において実行される。
この表示規制解除処理は、図5のコンテンツ表示処理が行われた後に実行される。
ステップS11において、表示規制解除手段としてのブラウザ制御部51は、表示規制の解除を受け付けたか否かの判定を行う。
図11は、Webページに表示されたサブメニュー画面の表示例を示す図である。
ブラウザ制御部51は、右ソフトキー19が押下されることにより、図7に示す右ソフトキー機能表示部21cに表示された「メニュー」が選択された場合、Webページに対して実行可能な各種機能の項目が列挙されたサブメニュー画面を表示する。サブメニュー画面に表示された各種機能の項目は、携帯電話機1の十字キー16を操作することによりカーソルで選択することができる。また、確定キー17が押下され確定キー機能表示部21aに表示された決定処理が行われることにより、ブラウザ制御部51は選択された処理を行う。
ブラウザ制御部51は、このサブメニュー画面に表示された「規制解除」を実行する処理をいまだ受け付けていないと判定した場合、受け付けるまで処理は待機する。
ブラウザ制御部51は、このメニュー画面に表示された「規制解除」が選択され、決定されることにより、表示規制の解除を受け付けたと判定した場合、ステップS12において、表示規制を解除して、Webページのコンテンツをメインディスプレイ21に表示させる。
図12は、Webページに対して実行された表示規制処理を解除した場合のWebページの表示例を示す図である。
図7に示す、表示規制が行われたWebページにおいては、規制箇所に該当するコンテンツA、コンテンツD、コンテンツEのリンクテキストおよびリンク画像がアンカー表示されていなかった。また、アクセスが禁止されたURIを取得要求先とする画像データについても表示が行われていなかった。これに対し、図12に示す表示規制解除後のWebページでは、ブラウザ制御部51は、アンカー表示されていなかったテキストや画像データを選択可能に表示させる。また、ブラウザ制御部51は、ブランクとして表示されていた画像データについても表示させる。なお、表示規制が解除され、選択可能に表示されたテキストおよび画像データを、解除リンクテキストおよび解除リンク画像という。
このとき、表示規制が解除された解除リンクテキストおよび解除リンク画像と、表示規制の対象となっていないリンクテキストおよびリンク画像とを識別可能なように表示することが好ましい。例えば、解除リンクテキストとリンクテキストとの色や字体に差異を設けたり、解除リンクテキストおよび解除リンク画像に表示規制が解除された箇所である旨を通知する吹き出しを設けたりして表示する。
図12においては、ブラウザ制御部51は、一例として解除リンクテキストについては斜体で表示させることにより、リンクテキストと識別可能に表示されている。また、解除リンク画像については、画像データの表示領域の外枠を囲む線の太さをリンク画像よりも細く表示することにより、解除リンク画像とリンク画像とを識別可能に表示している。
Webページにおけるコンテンツの表示規制を解除する場合、HTTP通信部52はWebサーバよりHTML文書やWebページに組み込まれる画像データなどのコンテンツを取得する。また、HTML解析部54は解除リンクテキストおよび解除リンク画像と、リンクテキストおよびリンク画像とが識別可能に表示されるようにHTML文書を変更して解析結果を出力する。さらに、コンテンツ表示部55はメインディスプレイ21にWebページを表示させる。
ステップS13において、ブラウザ制御部51は、Webページに選択可能に表示されたテキストまたは画像データの選択を受け付けたか否かの判定を行う。選択は、選択手段としての携帯電話機1の十字キー16を操作することにより移動可能なカーソルで選択することができる。また、確定キー17が押下され確定キー機能表示部21aに表示された決定処理が行われることにより、選択操作が決定される。なお、選択可能に表示されたテキストまたは画像データとは、解除リンクテキストおよびリンクテキスト、または解除リンク画像およびリンク画像をいう。
ブラウザ制御部51は、テキストまたは画像データが選択されるまで処理を待機する。
テキストまたは画像データが選択された場合、ステップS14において、ブラウザ制御部51は、選択されたテキストまたは画像データが、解除リンクテキストまたは解除リンク画像であるか否かの判定を行う。選択されたテキストまたは画像データが、アクセスが許可されたリンクテキストまたはリンク画像であった場合には、ブラウザ制御部51は所定のURIにアクセスする処理を実行し、表示規制解除処理を終了する。
一方、選択されたテキストまたは画像データが解除リンクテキストまたは解除リンク画像であった場合には、ステップS15において、ブラウザ制御部51は、メインディスプレイ21に規制解除メニューを表示させる。
図13は、表示の規制が解除されたWebページに表示される規制解除メニュー画面の表示例を示す図である。
規制解除メニュー画面には、例えば、アクセスが禁止されたURIに対するアクセス制限を「解除する」処理を実行させるための項目と、アクセスが禁止されたURIに対するアクセス制限の「解除申請する」処理を実行させるための項目が表示される。
ステップS16において、ブラウザ制御部51は、アクセス規制の解除または解除申請を行う指示を受け付けたか否かの判定を行う。解除または解除申請を行う指示は、例えば、携帯電話機1の十字キー16および確定キー17より規制解除メニュー画面より「解除する」または「解除申請する」が選択されることにより受け付ける。ブラウザ制御部51は、指示を受け付けるまで処理を待機する。
一方、ブラウザ制御部51は、「解除する」または「解除申請する」のいずれかの一方の指示を受け付けた場合、ステップS17において、表示規制の解除または解除申請処理を実行する。
例えば、ブラウザ制御部51が「解除する」指示を受け付けた場合、パスワードの入力を受け付けるUI画面をメインディスプレイ21に表示させる。パスワード判定手段としてのブラウザ制御部51は、予め管理者により設定され、携帯電話機1に記憶された正しいパスワードの入力を入力手段としての数字キー15などを介して受け付けた場合、選択された解除リンクテキストまたは解除リンク画像に設定されたリンク先に対するアクセス制限を解除する。
また、申請手段としてのブラウザ制御部51が「解除申請する」指示を受け付けた場合、管理者に対し規制解除の許可を求めるための通知を携帯電話機1から管理者としての端末装置(図示せず)に対し送信するUI画面をメインディスプレイ21に表示させる。携帯電話機1は管理者としての端末装置からアクセス制限を解除する旨の通知を受け取った場合、ブラウザ制御部51は、選択された解除リンクテキストまたは解除リンク画像に設定されたリンク先に対するアクセス制限を解除する。なお、解除申請を行うための通知は、例えば携帯電話機1に設けられた送受信手段としての電子メールブラウザ(図示せず)を用いて行うのが好適である。
なお、上述したアクセス規制の解除または解除申請の方法は一例であって、これに限らない。
ステップS18において、ブラウザ制御部51は、解除・解除申請処理ステップS17において実行された解除・解除申請処理により、アクセス規制の解除が許可されたか否かの判定を行う。ブラウザ制御部51は、アクセス規制の解除が許可されていないと判定した場合、リンク先に設定されたURIに対するアクセス処理は行わず、表示規制解除処理を終了する。このとき、ブラウザ制御部51は、Webページの表示が許可されなかった旨の通知をユーザに対して行う。
一方、アクセス許可手段としてのブラウザ制御部51は、アクセス規制の解除が許可されたと判定した場合、ステップS19において、選択された解除リンクテキストまたは解除リンク画像に設定されたURIに対するアクセス処理を行いコンテンツを取得し、Webページの表示処理を行う。以上で表示規制解除処理を終了する。
この携帯電話機1によれば、被管理者としてのユーザが表示の規制解除を行う手段を設けることにより、アクセス規制を行いつつ、アクセス規制が課されたユーザに対するWebページの閲覧に対する操作性を向上させることができる。
なお、ブラウザアプリケーション50が、コンテンツ表示処理において表示されたWebページのHTML文書およびWebページに組み込まれた画像データなどを受信/Cashデータ記憶部56に保存されるように構成された場合には、ブラウザ制御部51は、受信/Cashデータ記憶部56に保存されたHTML文書を読み出し、これに基づき表示規制を解除したWebページをメインディスプレイ21に表示させてもよい。
なお、本実施形態においてはHTML言語で記述された文書を解析することにより表示規制処理を行ったが、これに限らずXMLなどの他のマークアップ言語で記述された文書を解析し、表示規制処理を行ってもよい。
本発明に係る電子機器は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Disital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他のWebページなどの閲覧が可能なブラウザアプリケーションを備えた電子機器にも適用することができる。
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。