JP5155329B2 - 移動式支持台が付いた圧迫装置 - Google Patents

Description

本発明は、血液循環を促進して、肺と気管支から粘液を分離除去し、筋肉と神経の緊張を解くために身体に反復的な圧迫を加えるようにベストと共に作動する携帯用医療機器に関する。

主に繊毛作用によるくしゃみにより健康な人の気道から痰を含んだ粘液が除去される。正常状態ではこのようなメカニズムが非常に効果的である。正常な繊毛輸送系の損傷や過多な粘液分泌により肺に粘液と破片が溜まって、低酸素血症、高炭酸血症、慢性気管支炎や肺炎のような深刻な合併症を誘発し得る。このような合併症は生活の質を悪化させて、甚だしい場合死亡にまで至るようにする。呼吸器粘液を正常出ない方法で除去すれば百日咳、嚢胞性線維症、無気肺、気管支拡張症、空洞性肺疾患、ビタミンＡ欠乏症、慢性閉鎖肺病、喘息、非運動性繊毛症候群のような症状を起こす。タバコの煙や空気中の汚染物やウイルスに露出しても粘液の機能に悪影響を及ぼす。手術が終わった患者、麻痺した患者、呼吸障害を有する新生児にも粘液繊毛輸送力の低下が見られる。

胸部物理治療は長い間の歴史を有し、気道の繊毛輸送力を改善する一般的な治療法の一部をなす。胸部物理治療には、胸を手で圧迫したり、振動による体位ドレナージ （postural drainage）や、せきや、呼吸と自律排出を数回反復する方法等がある。外部から胸を圧迫したり呼吸訓練法も可能である。粘液除去のための多様な胸部物理治療法を適切に結合して医師は患者毎にこれを適切に処方する。

嚢胞性線維症(CF ; cystic fibrosis）は白色人種間で最も一般的であり、生命を脅かす遺伝病である。遺伝子欠陥は細胞内外の塩素輸送を崩壊させて、外分泌線の粘液を非常にどろどろでべたつくようにして、結局膵臟、肺、肝臓にある外分泌線を詰まらせる。膵臓腺の崩壊は主要消化酵素の分泌を妨害し、栄養失調につながり得る腸の疾患を引き起こす。また、どろどろの粘液は肺の気道に溜まり、慢性感染、瘢痕、肺活量縮小を起こす。正常なせきではこのようにどろどろの沈着物を排出するのには十分でない。ＣＦは１０歳までの子供、しばしば幼年期によく現われる。最近までＣＦを病む子供は10代を越すのが難しかった。しかし、消化酵素補充、抗炎症療法、胸部物理治療法及び抗生剤の発達で、予想寿命が３０歳まで伸び、患者によっては５０歳またはそれ以上までも伸びた。ＣＦは劣性遺伝子から由来して、これは父母がこの遺伝子を有している場合、子供がこの病気を有する確率は２５％であって、保有者である確率は５０％であり、遺伝的に影響を受けない確率は２５％である。父母両側から突然変異遺伝子を譲り受けた人はこの病気を発現しない。ＣＦが正常に進行すれば胃腸に問題が生じて、成長障害が起き、反復的な肺感染が生じて、呼吸障害で死亡にまで至るようになる。深刻な胃腸症状を経るＣＦ患者もあるが、９０％程度の大部分のＣＦ患者は結局は呼吸障害で倒れる。

ＣＦを病むほとんど全ての患者は日常的に呼吸障害治療を要する。どろどろでねばつく粘液が肺に溜まれば気道を塞いでバクテリアが集まり、気道感染や慢性炎症に理想的な環境を提供する。このような炎症は肺組織に永久的な傷を起こして、酸素を吸入して生命を維持する肺活量を低める。患者の調子が良い時でさえ、感染を予防して肺活量を維持するために、呼吸障害治療をしなければならない。伝統的に看護人は一日に１〜４回ＣＰＴ(Chest Physical Therapy)をする。ＣＰＴは患者を１２の位置のうち１つの位置に寝かせたまま、患者の胸と肺葉上の背中を手で打ったりたたいたりする方法である。１２の位置全部から肺の全体を治療しようとするなら、吸入療法と共に３０分から４５分間身体をたたかなければならない。ＣＰＴによれば胸部打撲で気道から粘液を分泌させて緩くなった粘液を口に集めて粘液を除去する。分離された粘液を除去しようとするなら結局くしゃみをしなければならない。ＣＰＴは家族等の看護人の助けが必要であるが、家族がいなければ看護婦や呼吸治療士の助けが必要である。これはＣＦ患者と看護人全てに肉体的に難しい過程である。患者と看護人が所定の手順を遵守しないという問題がよく認識されており、このため、この方法が効果のないものとなる。ＣＰＴは非常に繊細な技術を要して、看護人の疲労によりその効果も落ちる。この治療をする際に看護人が必要であるという条件が、ＣＦ患者の自立性を非常に制限する。

胸を押したり解いたりする人工呼吸器は肺呼吸機能を補助してＣＦ患者の肺から粘液を分離除去するのに使われてきた。患者の胸に圧迫や振動を与えれば肺と気道の粘液の粘性が低くなって、流動性が増加して肺から除去しやすい。圧迫方法と圧迫装置の一例がＣ．Ｎ．Ｈａｎｓｅｎの米国特許６，５４７，７４９に紹介されたが、ここでは発振器をケースに入れた。ケースに動くように設置されたハンドルは装置を手で握って容易に移すためだ。呼吸障害治療が必要な患者を治療する際には必ず人がケースを運搬しなければならない。このような装置は患者の胸部を囲む空気袋が付いたベストを利用する。圧迫装置に用いられるベストがＣ．Ｎ．ＨａｎｓｅｎとＬ．Ｊ．Ｈｅｌｇｅｓｏｎの米国特許６，６７６，６１４に紹介された。ベストは発振器とともに使用される。ソレノイドやモーター作動式空気バルブ、ベローズ(bellows)、ピストンのような機械要素は、規則的だが脈動状に隔壁と袋に圧縮空気を供給するものとして当分野に知られている。患者によって治療期間の間、空気圧と脈動数を調節するのに手動式制御器を利用する。ＣＦ患者の胸部を囲んだ袋が秒当たり２５回程度に胸部を反復して圧迫したり解いたりする。圧迫する時ごとに肺葉を介して空気が押し出されながら気道の表面から分泌物をはぎ取り、口側に送れば、くしゃみで吐き出せればよい。胸部圧迫装置が下記の米国特許に紹介された。

ＷＪ Ｗａｒｗｉｃｋ、ＬＧ Ｈａｎｓｅｎの米国特許４，８３８，２６３と５，０５６，５０５は胸部を囲んだベストが付いた胸部圧迫装置を紹介する。テーブルに置かれたハウジング内にあるモーター駆動ロータリーバルブを介してベスト内に空気が入り、そこから空気を通して胸部を圧迫する。ポンプに付いた一対のベローズはＤＣモーターで作動するロッドが付いたクランク軸(crank shaft) に連結される。コントローラでモーターの速度を調節してベストに加わる圧迫数を調節する。患者は換気管の端部分を開閉しながらベストの空気圧を調節する。この圧迫装置は、人によって異なる場所に運ばれ、呼吸障害治療が必要な患者を治療するために使われる。

Ｍ．Ｇｅｌｆａｎｄの米国特許５，７６９，８００は心肺蘇生用ベストを紹介するが、空圧制御器を底にあてて移すために空圧制御器に輪を付けた。

Ｎ．Ｐ．ＶａｎＢｒｕｎｔ、ＤＪ Ｇａｇｎｅの米国特許５，７６９，７９７と６，０３６，６６２は空気発振器が付いた振動形胸部圧迫装置を紹介するが、空気発振器の壁には空気室と隔壁があって、隔壁は空気室に露出される。隔壁とクランク軸に回動可能に連結されたロッドを介してクランク軸が回転する間隔壁に力が伝達される。電気モーターはクランク軸を一定速度で作動させながら移動隔壁を介して生じる空気搏動数を調節する。送風機により空気室に空気が流入しながら空気室の空気圧を維持する。隔壁を動かせて送風機を回転させるモーターは空圧搏動と空気室内の空気圧に合うように調節する。結局モーターの作動速度を調節してベスト内の搏動数と空気圧を調節する。空気発振器は移動式であってハンドルと一対の輪が取りつけてある。

米国特許第６，５４７，７４９号 米国特許第６，６７６，６１４号 米国特許第４，８３８，２６３号 米国特許第５，０５６，５０５号 米国特許第５，７６９，８００号 米国特許第５，７６９，７９７号 米国特許第６，０３６，６６２号 米国特許出願第２００５／０２３５９８８号 米国特許出願第６，４８８，６４１号 米国特許第５，３６６，２７５号

本発明は、胸壁を非常に速く振動させて気道掃除を促進して気管支排出を改善するための医療機に関する。

この医療機の主要要素は空気発振器、空気膨脹ベスト、空気発振器をベストに連結して空気圧と搏動を伝達するための柔軟なホースの３種である。空気発振器は車輪付支持台に設置されており、多くの治療場所間を動かすことができる。支持台には線形リフトがあって、空気発振器の高さを場所と人に合うように調節することができる。空気発振器のハウジングには便利な使用のために制御装置が取りつけてある。ハウジング上にはハンドルが取りつけてあって、ここを手で握って空気発振器を移すことができる。支持台上段に連結されたフレームにハウジングが固定されて支持される。フレームの平行した水平部材はプラットホームに連結されて、プラットホームは空気発振器のハウジングの底に結合される。水平部材に連結された直立部材が空気発振器のハウジングの両側に結合される。直立部材から外へ突出するように連結したＵ型ハンドルは支持台と空気発振器を移しやすくする。

圧迫装置と支持台が結合された状態の斜視図 図１の正面図 図１の右側面図 図１の左側面図 図１の平面図 図１の底面図 図１の背面図

図１、４に示された携帯用人体圧迫装置１０は、ハウジング１２が付いた空気発振器１１を含む。発振器１１とハウジング１２は、移動式支持台２９により底面に支持される。支持台２９があるために、呼吸障害治療師と看護人は、圧迫装置１０を呼吸障害治療が必要な患者何人かを収容できる場所と保管場所の間を容易に移すことができる。

人体圧迫装置１０は、人の胸を反復的に圧迫して分泌物と粘膜掃除療法を適用するためにベスト(図示せず)と共に用いられる。呼吸ベストの一例がＣ．Ｎ．ＨａｎｓｅｎとＬＨ．Ｈｅｌｇｅｓｏｎの米国特許６，６７６，６１４に紹介された。呼吸粘膜掃除療法を適用できる疾患としては百日咳、嚢胞性線維症、無気肺、気管支拡張症、空洞性肺疾患、ビタミンＡ欠乏症、慢性閉鎖肺病、喘息、非運動性繊毛症候群がある。手術が終わった患者、麻痺した患者、呼吸障害を有する新生児は粘液繊毛輸送力が低下する。圧迫装置１０は非常に速く胸壁を振動させて粘液繊毛輸送力が低下した人の粘膜と気道の掃除を促進する。高周波圧迫振動は患者の肺と気道を治療する以外にも胸廓を圧迫して、また胸腔内静脈と動脈の血流と心臓を刺激することもする。胸壁の正面と側面と背面を反復的に圧迫すれば粘膜と神経の緊張が緩和される。胸廓の下部は胸骨の下端まで至る腹腔を形成し、これによって肝臓、脾臓、胃、腎臟のように傷つきやすくて大きい内臓器管が十分に保護される。腹腔には圧迫がほとんど加わらない。

ハウジング１２は、大体直六面体状の部材で、前後壁１３、１４と側壁２６、２７が上壁１６に連結される。上壁１６上にハンドル１８が水平に取りつけてあるアーチ形部材１７を上壁１６の両側部位に連結すれば、ハンドル１８を手で握って発振器１１を移すことができて、支持台２９に発振器１１を容易に設置することができる。上壁１６に設置された制御盤１９のスクリーン２３両側には時間調節キー（Key）２１と周波数調節キー（Key）２２が位置する。制御盤１９の左側には空圧調節取っ手２４が位置する。調節キー（Key）２１、２２とスクリーン２３と取っ手２４は治療師や圧迫装置１０の使用者全てが容易に接近できる位置に配置する。発振器１１の作動手段と機能と調節法はＣ．Ｎ．Ｈａｎｓｅｎ、Ｐ．Ｃ．Ｃｒｏｓｓ、Ｌ．Ｊ．Ｈｅｌｇｅｓｏｎの米国特許出願２００５／０２３５９８８に紹介された。Ｃ．Ｎ．Ｈａｎｓｅｎの米国特許出願６，４８８，６４１と６，５４７，７４９には他の発振器が紹介された。

養老院や老人保護住宅や老人保護病院は、呼吸障害治療や胸壁圧迫を必要とする多くの人々を多くの部屋や場所に収容することができる。携帯用圧迫装置１０を必要な場所に手で移した次に患者の胸や他の部分に着せられたベストにホースで連結することができる。ベストは患者が気楽に着ることが出来るようにオーダーメイド型で製作することができる。

図１〜７に示された支持台２９の放射状でのびた５個の脚３３〜３７の中心にガス作動式ピストン−シリンダーアセンブリ３１が真っすぐ立っている。発振器１１の位置を変えるのに他の種類の線形伸縮機構を用いることもできる。圧迫装置１０を容易に動くために脚３３〜３７の先に車輪３８を付ける。圧迫装置１０を一つの位置に固定するために着脱式ブレーキを１つかそれ以上の車輪３８に設置する。支持台の一例が米国特許５，３６６，２７５に紹介された。使用者や治療師が扱いやすい高さに発振器１１を上げようとするならピストン−シリンダーアセンブリ３１を線形で増やせばよい。足で作動するリング状のレバー３９が付いた気体調節バルブを用いてピストン−シリンダーアセンブリ３１の伸縮と発振器１１の高さを調節する。発振器１１は最高位値と最低位置間を動かすことができる。レバー３９と気体調節バルブはピストン−シリンダーアセンブリ３１の下段部に連結されて動作する。

図５〜６に示すとおり、平行な水平部材４２、４３が付いたフレーム４１と、プラットホーム４４を利用して直立ピストン−シリンダーアセンブリ３１の上にハウジング１２を設置する。ピストン−シリンダーアセンブリ３１の上部部材はプラットホーム４４の中間に固定される。プラットホーム４４の両端部４６、４７は水平部材４２、４３を巻いて下がって締結具４８、４９で固定される。水平部材４２、４３の両端部に連結された逆Ｕ型アーム５１、５２はハウジング１２の両側壁２６、２７近くに位置する。図３〜４で見るように、締結具５３、５４を用いてハウジング１２の両側壁２６、２７にアーム５１、５２をそれぞれ固定する。Ｕ型ハンドル５６、５７をアーム５１、５２外側に突出するようにアームそれぞれに固定すれば、これらハンドルを手で握って支持台２９を底にあてたまま発振器１１を容易に移すことができる。図１、３に示したように、側壁２７に設置された電気ソケット５８をアーム５１が囲むので、発振器１１に電気を供給するためにソケット５８に挿入されたプラグ(図示せず)をアーム５１で保護することができる。図４に示したように、ハウジング１２の側壁２６には管型の空気排出口５９を設置する。ベストにつながったホースを空気排出口５９に連結すれば、空気圧振動がホースを介してベストに伝達されて患者の身体に圧迫を加えることができる。

以上の説明はあくまでも例を挙げたものであるだけであって、本発明の権利範囲は以上の説明に限定されなく、あくまでも添付された特許請求範囲によってのみ決まらなければならないことである。

Claims (4)

1. 人体を反復的に圧迫するために人体に着せられたベストと共に用いられる携帯用人体圧迫装置において:
   前記ベストに空気圧振動を伝達して、上部壁及び向かい合う直立壁を備えたハウジングを含む発振器と、上段部及び下段部を備えた支持台と、支持台の上段部に固定される水平部材を含むフレームと、ハウジングを支持する水平部材に設置された水平プラットホームと、ハウジングの直立壁に隣接する、水平部材に連結された逆Ｕ型アームと、発振器をフレームに固定し、プラットホーム上のハウジングを支持するための、逆Ｕ型アームをハウジングの直立壁に接続する締結具を含み、前記支持台は、前記発振器の上昇を調節する直立ピストン−シリンダーアセンブリを含んでおり、前記ピストン−シリンダーアセンブリに連結される放射状にのびた脚が付いたベースと、前記圧迫装置を地面の上を移動させるのを容易にする前記脚に設けた車輪と、装置を手動で地面の上を移動させ、発振器の上昇を調節するための、逆Ｕ型アームの内の１つに逆Ｕ型アームの両端を繋ぐように固定され、外側に突出した少なくとも１つのハンドルと、を含むことを特徴とする圧迫装置。
2. 装置を手動で地面の上を移動させ、発振器の上昇を調節するため、各逆Ｕ型アームの両端を繋ぐように固定され、外側に突出する１つのハンドルが付いていることを特徴とする請求項１に記載の圧迫装置。
3. 発振器の上昇を手動で調節するため、ハウジングの上壁に第二のハンドルが固定されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の圧迫装置。
4. 少なくとも１つのハンドルがＵ型をしていることを特徴とする請求項１に記載の支持装置。

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