JP5154621B2 - デジタル信号伝送方法および受信装置 - Google Patents
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Description
ここで、HARQの代表的な方式として、IR(Incremental Redundancy)法とチェイス合成(Chase Combining)法があり、以下に図面を使ってこれらを説明する。
図9はIR法によるデジタル伝送を行う送信装置30のブロック図、図10は同じく受信装置40のブロック図である。
図9において、送信される情報ビットは符号化器301に入力されて誤り訂正符号化が施され、情報ビットとパリティビットからなる符号語が出力される。出力された符号語のうち、情報ビット全部とパリティビットの前半一部からなるビットは初回送信ブロックとして、残りのパリティビットは次回送信ブロックとして、それぞれバッファ302に蓄えられ、これらの各ブロックは順に変調器303に入力される。変調器303は、入力された各ブロックを変調して対応する変調シンボルを生成し、送信機(図示せず)がこの変調シンボルを送信する。このようにして、ある情報ビットを送信する場合に、初めに初回送信ブロック、次に次回送信ブロックという形で送信が行われる。
すると、上記と同様にして次回受信ブロック(次回送信ブロックに対応する)が復調されてブロック合成回路402に入力されるが、今回は、初回および次回受信ブロックが直列に合成されてから復号化器403へ送られる。そして、復号化器403は、合成されたブロックの全体に対して復号化を行い、情報ビットを取り出す。ここで、この時の符号化率は、初回受信ブロックのみで復号化した時の符号化率よりも小さくなっている。したがって、復号化の誤り訂正能力が向上することとなり、初回の復号に比べて高い確率で復号が成功することとなる。
図11はチェイス合成法によるデジタル伝送を行う送信装置31のブロック図、図12は同じく受信装置41のブロック図である。
図11において、チェイス合成法では、符号語がメモリ304で複製されて変調器303へ送られる。そして、複製の単位(つまり元の符号語)毎にブロック分割され、それぞれ初回送信ブロック、次回送信ブロックとして順に送信される。すなわち、チェイス合成法では初回も次回も送信される情報は同じである。なお、メモリ304は変調器303の後段に置く構成とすることもでき、同じ動作を実現できる。
そして受信側(対応する受信装置のブロック図は省略)では、第1および第2受信ブロックを受信した時の処理は上記IR法と同様の処理を行い、第3、第4受信ブロックを受信した時は、これら新たに受信したブロックを上記チェイス合成法の処理と同様に、既に受信済みのブロックと同相に合成し、復号化を行う。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スループットを向上させて高品質な伝送を可能とするデジタル信号伝送方法および受信装置を提供することにある。
≪第1の実施形態≫
図1と図2は、本発明の第1の実施形態によるデジタル信号伝送方法を説明する図であり、図1が送信装置10のブロック図、図2が受信装置20のブロック図である。本実施形態は、IR法によるHARQを基にしたものである。
上式で与えられるサブキャリア上のシンボルX、Yは、逆高速フーリエ変換(IFFT)器105を介して送信機(図示せず)から送信される。
すると、上記と同様にして次回受信ブロック(次回送信ブロックに対応する)が復調されてブロック合成回路203に入力されるが、今回は、初回および次回受信ブロックが直列に合成されてから復号化器204へ送られる。そして、復号化器204は、合成されたブロックの全体に対して復号化を行い、情報ビットを取り出す。
(1) 符号化率が高い初回の送信においては、より大きな周波数ダイバシチ効果が得られる高次数の拡散多重符号を用いることで伝送特性を向上させることができ、
(2) 2回目以降の送信においては、多くのパリティビットが伝送されてブロック合成が行われるので、符号化率が小さくなってより高い周波数ダイバシチ効果が得られるようになる。この条件下では、符号間干渉などによる劣化要因となる拡散多重の度合いは、むしろ抑えた方が伝送特性を向上させることができる。ただし、拡散多重信号を逆拡散せずに復調することで符号間干渉を抑える効果が得られるので、2回目以降の送信においても低次の拡散多重符号を用いて送信することが望ましい。
伝送パラメータを上記のように最適化することで、本実施形態によれば従来技術より伝送スループットを向上させ、高品質な伝送を行うことが可能である。
本実施形態では、拡散多重符号として回転符号を適用する。この場合、前に送信するブロックと後に送信するブロックとで拡散多重の次数を変化させる代わりに、回転符号の回転角を、送信する順番の遅いブロックほど小さくして伝送を行う。このような伝送パラメータを用いることで、第1の実施形態の場合と同様に伝送スループットを向上させることができる。なお、回転行列は次数が2の場合次式で与えられる。ただし、符号多重化しない場合と等価な信号になる角度を0°とし、Walsh-Hadamard符号と等価な信号になる角度を45°としたとき、角度θは0から45°の範囲であるものとする。
図3と図4は、本発明の第3の実施形態によるデジタル信号伝送方法を説明する図であり、図3が送信装置11のブロック図、図4が受信装置21のブロック図である。本実施形態は、チェイス合成法によるHARQを基にしたものである。
図3において、第1の実施形態との構成上の違いは、符号化器101と変調器102の間にメモリ106を設けた点である。そして、符号語がメモリ106で複製されて変調器102へ送られ、複製の単位(つまり元の符号語)毎にブロック分割されて、それぞれ初回送信ブロック、次回送信ブロックとして順に送信される。なお、メモリ106は変調器102の後段に置く構成とすることもでき、同じ動作を実現できる。
伝送パラメータを上記のように最適化することで、本実施形態によれば従来技術より伝送スループットを向上させ、高品質な伝送を行うことが可能である。
図5は、本発明の第4の実施形態によるデジタル信号伝送方法を説明する、受信装置22のブロック図である。
同図において、まず初回受信ブロックを処理する場合、復調器202は高速フーリエ変換器201からの出力である受信ビットに対し、各ビットの事前確率(受信確率)の初期値を1/2として通信路値L1を出力する。復号化器204はブロック合成回路203から出力された通信路値L2を入力として復号を行い、通信路値L3を出力する。この通信路値L3は、新たな事前確率として復調器202にフィードバック入力され、復調器202はL3を基にして再びL1を計算する。以降、所定の回数、または所定の条件が満たされるまで、上記フィードバックループが繰り返され、初回受信時における通信路値L0が定まる。
このように、過去の受信ブロックの復号過程で得られた受信ビットの確からしさから、まだ受信していないブロックに含まれる受信ビットの確からしさを推定し、それを用いて次に受信するブロックを復調することで、次回受信ブロック処理時の復号精度が高まり、伝送スループットが向上するという効果をもたらすことができる。
例えば、上述したいずれかの送信装置または受信装置を用いてデジタル信号伝送を行う場合において、受信装置が全てのブロックの受信を完了する前に、それまでに受信し復号した結果から伝送された情報ビットが正しく復号されたことが分かったときは、その旨を送信装置に通知して残りのブロックの送信を中止させるような制御を取り入れてもよい。このようにすれば、無駄なブロックが伝送されることを避けることができるので、伝送効率がさらに向上する。また逆に、伝送された情報ビットが正しく復号されなかったときに送信装置に通知して残りのブロックを送信させるよう制御を行ってもよい。
Claims (4)
- 送信する情報ビットを符号化して得られた符号語を変調し、該変調によって得られた変調シンボルを2以上のブロックに分割して伝送するデジタル信号伝送方法であって、
前記分割された全てのブロックを受信する前に復号を開始して、まだ受信していない未受信ブロックに含まれる変調シンボルの受信確率を、復号済みの変調シンボルの受信確率に基づいて予測し、
前記未受信ブロックを受信して該ブロックに含まれる変調シンボルを復調するとき、前記予測された受信確率に基づいて通信路値を求め、
前記復調の機能として、多次元復調の機能と通信路値演算の機能を有し、
前記通信路値演算の機能は、前記通信路値を次の式により演算し、
P(b)とP(b’)は前記受信確率の初期値であり、前記通信路値演算の機能は、初回の受信ブロックの処理時には該初期値を1/2とし、次回の受信ブロックの処理時には該初期値を初回の受信ブロックの処理時の結果とする
ことを特徴とするデジタル信号伝送方法。 - 請求項1に記載のデジタル信号伝送方法を用いて送信および/または受信を行う場合において、前記分割された全てのブロックを受信する前に、その時点までに復号された結果から前記情報ビットが正しく復号されたときは、送信側に通知して残りのブロックの送信を中止させる
ことを特徴とするデジタル信号伝送方法。 - 請求項1から請求項2のいずれかの項に記載のデジタル信号伝送方法を用いて送信および/または受信を行う場合において、前記分割された全てのブロックを受信する前に、その時点までに復号された結果から前記情報ビットが正しく復号されなかったときは、送信側に通知して残りのブロックを送信させる
ことを特徴とするデジタル信号伝送方法。 - 送信する情報ビットを符号化して得られた符号語を変調し、該変調によって得られた変調シンボルを2以上のブロックに分割して伝送するデジタル信号伝送において、
まだ受信していない未受信ブロックに含まれる変調シンボルの受信確率を、復号済みの変調シンボルの受信確率に基づいて予測し、前記未受信ブロックを受信して該ブロックに含まれる変調シンボルを復調するとき、前記予測された受信確率に基づいて通信路値を求める復調手段を備え、
前記復調の機能として、多次元復調の機能と通信路値演算の機能を有し、
前記通信路値演算の機能は、前記通信路値を次の式により演算し、
P(b)とP(b’)は前記受信確率の初期値であり、前記通信路値演算の機能は、初回の受信ブロックの処理時には該初期値を1/2とし、次回の受信ブロックの処理時には該初期値を初回の受信ブロックの処理時の結果とする
ことを特徴とする受信装置。
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