JP5152131B2 - 六ホウ化物微粒子分散体の製造方法、熱線遮蔽成形体とその製造方法、熱線遮蔽成分含有マスターバッチとその製造方法、並びに熱線遮蔽積層体 - Google Patents

六ホウ化物微粒子分散体の製造方法、熱線遮蔽成形体とその製造方法、熱線遮蔽成分含有マスターバッチとその製造方法、並びに熱線遮蔽積層体 Download PDF

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本発明は、建築物の屋根材や壁材、自動車などの窓材等に広く適用される熱線遮蔽成形体の製造に用いられる六ホウ化物微粒子分散体の製造方法、当該製造方法による分散体を用いた熱線遮蔽成形体とその製造方法、当該分散体を用いた熱線遮蔽成分含有マスターバッチとその製造方法、並びに、当該分散体を用いた熱線遮蔽積層体に関する。
各種建築物の屋根材、壁材、自動車、電車、航空機などの窓、ドア等のいわゆる開口部分から入射する太陽光線には、可視光線の他に紫外線や赤外線が含まれている。この太陽光線に含まれている赤外線のうち800〜2500nmの近赤外線は熱線と呼ばれ、開口部分から進入することにより室内の温度を上昇させる原因になる。これを解消するために、近年、各種建築物や車両の窓材、アーケード、天井ドーム、カーポート等の分野では、可視光線を十分に取り入れながら熱線を遮蔽し、明るさを維持しつつ室内の温度上昇を抑制する熱線遮蔽成形体の需要が急増しており、熱線遮蔽成形体に関する特許が多く提案されている。
例えば、透明樹脂フィルムに金属、金属酸化物を蒸着してなる熱線反射フィルムを、ガラス、アクリル板、ポリカーボネート板等の透明成形体に接着した熱線遮蔽板が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、上記熱線反射フィルムは、その製造方法から非常に高価でかつ接着工程等の煩雑な工程を要するため、得られる熱線遮蔽板は高コストなものとなっている。さらに、透明成形体と該熱線反射フィルムの接着性が良くないので、経時変化により熱線反射フィルムの剥離が生じるといった欠点を有している。
一方、透明成形体表面に、金属若しくは金属酸化物を直接蒸着してなる熱線遮蔽板も数多く提案されている。しかし、該熱線遮蔽板の製造に際しては高真空で精度の高い雰囲気制御を要する装置が必要となるため、量産性が悪く、汎用性に乏しいという問題を有している。
この他、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性透明樹脂にフタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物に代表される有機近赤外線吸収剤を練り込んだ熱線遮蔽板およびフィルムが提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。しかし、該熱線遮蔽板およびフィルムにおいては、十分に熱線を遮蔽するために多量の近赤外線吸収剤を配合しなければならない。そして、多量の近赤外線吸収剤を配合する結果、今度は、可視光線透過能が低下してしまうという課題を有している。加えて、近赤外線吸収剤として有機化合物を使用しているため、直射日光に常時曝される建築物や車両の窓材等への適用は耐侯性に難があり、必ずしも好適であるとは言えなかった。
さらに、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂に、熱線反射能を有する酸化チタンあるいは酸化チタンで被覆されたマイカ等の無機粒子を練り込んだ熱線遮蔽板も提案されている(例えば、特許文献6、7参照)。ところが、該熱線遮蔽板では、熱線遮蔽能を高めるために熱線反射粒子を多量に添加する必要がある。そして、熱線反射粒子の配合量の増大に伴って可視光線透過能が低下してしまうという課題を有している。だからといって、熱線反射粒子の添加量を少なくすると、可視光線透過能は高まるものの、今度は、熱線遮蔽能が低下してしまい、熱線遮蔽能と可視光線透過能を同時に満足させることが困難であるという問題があった。加えて、透明樹脂へ熱線反射粒子を多量に配
合すると、透明樹脂成形体の物性、特に耐衝撃強度や靭性が低下するという強度面からの問題も有している。
このような技術的背景の下、本出願人は、熱線遮蔽成分として六ホウ化物微粒子を各種バインダーに含有させた熱線遮蔽用塗布液、この塗布液を各種成形体に塗布後、硬化して得られる熱線遮蔽膜、及び熱可塑性樹脂中に六ホウ化物微粒子を溶融混錬し分散体としたマスターバッチを既に提案している(例えば、特許文献8〜10参照)。
上記マスターバッチのうち、六ホウ化物微粒子を、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂に分散させた分散体を適用した成形体は、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズも低く良好であった。これは、六ホウ化物微粒子に対し吸着効果のある官能基を有するアクリル系分散剤中に六ホウ化物微粒子を均一に分散させた分散体と、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂を溶融混練することで、該樹脂中に六ホウ化物微粒子が凝集体を形成することなく均一に分散した成形体が得られることによる。
特開昭61−277437号公報 特開平10−146919号公報 特開2001−179887号公報 特開平6−256541号公報 特開平6−264050号公報 特開平2−173060号公報 特開平5−78544号公報 特開2000−96034号公報 特開2000−169765号公報 特開2004−59875号公報
しかしながら、成形体を構成する樹脂を、上述したポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂から、アクリル樹脂へ代替したとき新たな問題が見出された。
当該問題とは、ホウ化物微粒子に対し吸着効果のある官能基を有するアクリル系分散剤中に六ホウ化物微粒子を均一に分散させた分散体を、メチルメタクリレート単量体に溶解させた後鋳型に注入し重合すると、重合過程で六ホウ化物微粒子の凝集体を形成し易く、六ホウ化物微粒子の分散性が不十分となったのである。この六ホウ化物微粒子の分散性が不十分となった結果、得られるアクリル樹脂成形体は、優れた熱線遮蔽能を有してはいるものの、ヘイズ(曇り度)が高くなり意匠性が低下してしまったのである。
また、上述したポリカーボネート樹脂のうちの一部においても、新たな問題が見出された。ホウ化物微粒子に対し吸着効果のある官能基を有するアクリル系分散剤中に六ホウ化物微粒子を均一に分散させた分散体を、末端官能基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂と溶融混練した場合は、上記樹脂中に六ホウ化物微粒子が凝集体を形成することなく、均一な分散性を保持したマスターバッチが得られるので、これを用いて得られた成形体においても分散性が保持され、優れた熱線遮蔽能が確保されるとともに、ヘイズも低く良好であった。一方で、上記分散体を末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂と溶融混練した場合、上記樹脂中に六ホウ化物微粒子の凝集体を形成しやすく分散性が不十分となり、このマスターバッチを用いた成形体は優れた熱線遮蔽能を有しているものの、ヘイズ(曇り度)が高くなり意匠性が低下してしまうというポリカーボネート樹脂の
種類によって分散性が異なるという新たな課題が見出されたのである。
本発明の目的は、上述の問題を解決するため、アクリル樹脂成形体中で、六ホウ化物微粒子が均一に分散されていることにより、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズ(曇り度)が低く意匠性に優れた熱線遮蔽成形体を製造出来る、六ホウ化物微粒子分散体の製造方法、該六ホウ化物微粒子分散体を用いた熱線遮蔽成形体とその製造方法、該六ホウ化物微粒子分散体を用いた熱線遮蔽成分含有マスターバッチとその製造方法、並びに該熱線遮蔽成形体を用いた熱線遮蔽積層体を提供することにある。
本発明者は、上記課題解決を目的とし鋭意検討を行った。そして該検討の結果、六ホウ化物微粒子の分散性が改善された熱線遮蔽成形体を得るためには、六ホウ化物微粒子を炭化水素溶剤中に分散させスラリーを得る工程と、該スラリーにエステル基を有する高分子化合物を添加した後、解砕して該エステル基を有する高分子化合物で表面被覆された前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程と、得られた該分散液に凝集防止剤を添加し、その後、前記化水素系溶剤を揮散して残留物を得る工程と、該炭化水素溶剤を揮散する工程と並行して、または、該炭化水素溶剤を揮散する工程の後に、該残留物を解砕して分散体を得る工程、を具備する製造方法により六ホウ化物微粒子分散体を製造する構成、
さらに、前記凝集防止剤には、炭化水素溶剤に可溶でメチルメタクリレートを主成分とする単量体に対する相溶性を有し、かつ、六ホウ化物微粒子の表面に吸着効果のある官能基を持たない、アクリル高分子化合物を用い、表面被覆された六ホウ化物微粒子が凝集防止剤中に分散した六ホウ化物微粒子分散体を製造する構成、
を用いることにより、メチルメタクリレートを主成分とする単量体に溶解させラジカル重合開始剤存在下、鋳型内で重合させる場合であっても、六ホウ化物微粒子の凝集体が形成されることなく分散性が改善された熱線遮蔽成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、六ホウ化物微粒子を均一に分散させた分散体を、末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂と溶融混練した場合、上記樹脂中に六ホウ化物微粒子の凝集体を形成しやすく分散性が不十分となり、このマスターバッチを用いた成形体では優れた熱線遮蔽能は有しているものの、ヘイズ(曇り度)が高くなり意匠性が低下してしまうという課題に対しても、上述した分散体を用いることにより、末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂であっても、六ホウ化物微粒子の凝集体が形成されることなく分散性が改善されヘイズの低い熱線遮蔽成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
一般式XB(ただし、元素Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、SrまたはCaから選択される少なくとも1種以上の元素である。)で表される六ホウ化物微粒子を、炭化水素溶剤中に分散させスラリーを得る工程と、
該スラリーにエステル基を有する高分子化合物として、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、および、4−ヒドロキシドデカン酸からなる群より選択される少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸と、6ヒドロキシへキサン酸とを繰り返し単位としたポリカルボニルアルキレンオキシ鎖を側鎖に有し、構造中にアミノ基を有するグラフト共重合体を添加した後、解砕して、該エステル基を有する高分子化合物で表面被覆された前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程と、
得られた該分散液に凝集防止剤を添加した後、前記炭化水素溶剤を揮散して残留物を得る工程と、
該炭化水素溶剤を揮散する工程と並行して、または、該炭化水素溶剤を揮散する工程の後に、該残留物を解砕して分散体を得る工程と、を具備する六ホウ化物微粒子分散体の製造方法であって、
前記凝集防止剤は、前記炭化水素溶剤に可溶で、且つ、メチルメタクリレートを主成分とする単量体に対する相溶性を有し、且つ、前記六ホウ化物微粒子の表面に吸着効果のある官能基を持たない、アクリル高分子化合物であることを特徴とする六ホウ化物微粒子分散体の製造方法である。
第2の発明は、
前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程において、前記六ホウ化物微粒子を平均粒径500nm以下にまで解砕することを特徴とする第1の発明に記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法である。
第3の発明は、
前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程において、平均粒径1μm以上の六ホウ化物微粒子を媒体攪拌ミルにより解砕することを特徴とする第1の発明に記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法である。
第4の発明は、
前記炭化水素溶剤として、溶解度パラメータが8.5〜9.1cal(1/2)/cm(3/2)
である炭化水素溶剤を用いることを特徴とする第1〜第3の発明のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法である。
第5の発明は
前記エステル基を有する高分子化合物の添加量を、前記六ホウ化物微粒子1重量部に対して、0.01〜5重量部とすることを特徴とする第1〜第4の発明のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法である。
第6の発明は
前記凝集防止剤として、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体であるアクリル高分子化合物を用いることを特徴とする第1〜第5の発明のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法である。
第7の発明は
前記凝集防止剤の添加量を、前記六ホウ化物微粒子1重量部に対して1.0〜50重量部とすることを特徴とする第1〜第6の発明のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法である。
第8の発明は
第1〜第7の発明のいずれかに記載の製造方法で得られた六ホウ化物微粒子分散体と、ラジカル重合開始剤とを、メチルメタクリレートを主成分とする単量体に溶解させて分散液を得る工程と、
該分散液を、鋳型内で重合させることにより成形体を得る工程と、を具備することを特徴とする熱線遮蔽成形体の製造方法である。
第9の発明は
第8の発明に記載の製造方法で得られた成形体であって、可視光透過率が60%以上で、ヘイズが5%以下であることを特徴とする熱線遮蔽成形体である。
第10の発明は
第1〜第7の発明のいずれかに記載の製造方法で得られた六ホウ化物微粒子分散体と、ポリカーボネート樹脂と、を溶融混練して得られることを特徴とする熱線遮蔽成分含有マスターバッチの製造方法である。
第11の発明は
第10の発明に記載の熱線遮蔽成分含有マスターバッチの製造方法で得られることを特徴とする熱線遮蔽成分含有マスターバッチである。
第12の発明は
第11の発明に記載の熱線遮蔽成分含有マスターバッチを、ポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂により希釈・溶融混練し、かつ所定の形状に成形することによって得られることを特徴とする熱線遮蔽成形体である。
第13の発明は
第11の発明に記載の熱線遮蔽成分含有マスターバッチにおけるポリカーボネート樹脂の末端基がt−ブチル基であり、かつ、請求項13に記載の熱線遮蔽成形体におけるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂の末端基もt−ブチル基であることを特徴とする熱線遮蔽成形体である。
第14の発明は
第9、第12、または第13のいずれかの発明に記載の熱線遮蔽成形体が、他の透明成形体上に積層されていることを特徴とする熱線遮蔽積層体である。
本発明の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法は、六ホウ化物微粒子を炭化水素溶剤中に分散させスラリーを得る工程と、該スラリーにエステル基を有する高分子化合物を添加した後、解砕して該エステル基を有する高分子化合物で表面被覆された前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程と、得られた該分散液に凝集防止剤を添加し、その後、前記化水素系溶剤を揮散して残留物を得る工程と、該炭化水素溶剤を揮散する工程と並行して、または、該炭化水素溶剤を揮散する工程の後に、該残留物を解砕して分散体を得る工程、を具備する製造方法により六ホウ化物微粒子分散体を製造する構成、
さらに、前記凝集防止剤には、炭化水素溶剤に可溶でメチルメタクリレートを主成分とする単量体に対する相溶性を有し、かつ、六ホウ化物微粒子の表面に吸着効果のある官能基を持たない、アクリル高分子化合物を用い、表面被覆された六ホウ化物微粒子が凝集防止剤中に分散した六ホウ化物微粒子分散体を製造する構成、
を用いることにより、メチルメタクリレートを主成分とする単量体に溶解させラジカル重合開始剤存在下、鋳型内で重合させる場合であっても、六ホウ化物微粒子の凝集体が形成されることなく分散性が改善された熱線遮蔽成形体が得られる。
また、六ホウ化物微粒子を均一に分散させた分散体を、末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂と溶融混練した場合、上記樹脂中に六ホウ化物微粒子の凝集体を形成しやすく分散性が不十分となり、このマスターバッチを用いた成形体では優れた熱線遮蔽能は有しているものの、ヘイズ(曇り度)が高くなり意匠性が低下してしまうという課題に対しても、上述の分散体を用いることにより、末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂であっても、六ホウ化物微粒子の凝集体が形成されることなく分散性が改善されヘイズの低い熱線遮蔽成形体が得られるようになる。
これにより、上記六ホウ化物微粒子分散体を用いることにより、アクリル樹脂成形体中で、六ホウ化物微粒子が均一に分散されており、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズ(曇り度)が低く意匠性に優れた熱線遮蔽成形体を製造することが可能となる。
以下、本発明の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法、得られる六ホウ化物微粒子分散体を用いた熱線遮蔽成形体とその製造方法、前記分散体を用いた熱線遮蔽成分含有マスターバッチとその製造方法、および前記熱線遮蔽成形体を用いた熱線遮蔽積層体について、詳細に説明する
1.六ホウ化物微粒子分散体の製造方法
本発明に係る六ホウ化物微粒子分散体の製造方法は、六ホウ化物微粒子(以下、(A)
という符号を付与する場合がある)を炭化水素溶剤(以下、(B)という符号を付与する場合がある)中に分散させスラリーを得る工程と、該スラリーにエステル基を有する高分子
化合物(以下、(C)という符号を付与する場合がある)を添加した後、解砕して、エステル基を有する高分子化合物(C)で表面被覆された六ホウ化物微粒子(A)の分散液を得る工程と、得られた該分散液に凝集防止剤(以下、(D)という符号を付与する場合があ
る。)を添加し、その後、前記炭化水素溶剤(B)を揮散して残留物を得る工程と、該炭
化水素溶剤(B)を揮散する工程と並行して、または、該炭化水素溶剤(B)を揮散する工程の後に、該残留物を解砕して六ホウ化物微粒子分散体を得る工程と、を具備するものである。上記のように、炭化水素溶剤(B)を揮散した後の残留物は、六ホウ化物微粒子が凝集防止剤(D)中に均一に分散している状態としては、六ホウ化物微粒子分散体と変わらず、解砕されていないため、六ホウ化物微粒子分散体とは外形状が異なっているものである。
そして、該凝集防止剤(D)は、炭化水素溶剤(B)に可溶、且つ、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(以下、(E)という符号を付与する場合がある)に対する相溶性を有し、且つ、六ホウ化物微粒子(A)の表面に吸着効果のある官能基を持たない、アクリル高分子化合物であることを特徴としている。
(1)六ホウ化物微粒子(A)
本発明で用いる六ホウ化物微粒子(A)は、熱線遮蔽効果を発現する成分であり、一般式がXBで表されるものである。ここで、元素Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、SrおよびCaから選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。具体的には、六ホウ化ランタンLaB、六ホウ化セリウムCeB、六ホウ化プラセオジムPrB、六ホウ化ネオジムNdB、六ホウ化ガドリニウムGdB、六ホウ化テルビウムTbB、六ホウ化ディスプロシウムDyB、六ホウ化ホルミウムHoB、六ホウ化イットリウムYB、六ホウ化サマリウムSmB、六ホウ化ユーロピウムEuB、六ホウ化エルビウムErB、六ホウ化ツリウムTmB、六ホウ化イッテルビウムYbB、六ホウ化ルテチウムLuB、六ホウ化ランタンセリウム(La,Ce)B、六ホウ化ストロンチウムSrB、六ホウ化カルシウムCaBなどがその代表的なものとして挙げられる。
上記六ホウ化物微粒子(A)としては、その表面が酸化していないことが好ましい。通常、その表面は僅かに酸化していることが多く、また、微粒子の分散工程で表面の酸化が起こることはある程度避けられない。尤も、その場合でも熱線遮蔽効果を発現する有効性に変わりはなく、従って、表面が酸化された六ホウ化物微粒子(A)でも使用することが可能である。
また、上記六ホウ化物微粒子(A)は、結晶としての完全性が高いほど大きい熱線遮蔽
効果が得られる。尤も、該六ホウ化物微粒子(A)において、結晶性が低くX線回折でブロードな回折ピークを生じるようなものであっても、微粒子内部の基本的な結合が各金属とホウ素の結合から成り立っているものであるならば熱線遮蔽効果を発現するため、本発明において適用することが可能である。
上記六ホウ化物微粒子(A)は、灰黒色、茶黒色、緑黒色など有色の粉末である。しかし、六ホウ化物微粒子(A)の粒径を、可視光波長に比べて十分小さくしてアクリル樹脂成形体材料中に分散させた状態とすることで、得られる熱線遮蔽透明樹脂成形体に可視光透過性が生じ、且つ、赤外光遮蔽能は十分保持できる。この理由は詳細には解明されていないが、六ホウ化物微粒子中の自由電子の量が多く、微粒子内部および表面の自由電子によるバンド間間接遷移の吸収エネルギーが、丁度、可視光から近赤外光の領域付近にあるため、この波長領域の熱線が選択的に反射・吸収されることによるものと考えられる。
実際に、六ホウ化物微粒子(A)を十分細かくかつ均一に分散させた膜では、透過率が、波長400nm〜700nmの間に極大値を持ち、且つ、波長700nm〜1800nmの間に極小値を持ち、さらに、これ等の透過率の極大値と極小値の差が15ポイント以上であることが観察されている。
ここで、可視光の波長が380nm〜780nmであり、視感度が550nm付近をピークとする釣鐘型であることを考慮すると、このような熱線遮蔽透明樹脂成形体は、可視光を有効に透過し、それ以外の熱線を有効に反射・吸収する特性を有していることが解る。
六ホウ化物微粒子(A)の平均粒径は、500nm以下、好ましくは300nm以下であることが望ましい。六ホウ化物微粒子(A)の平均粒径が500nm以下であれば、このような六ホウ化物微粒子を含む熱線遮蔽透明樹脂成形体は、可視光を有効に透過し好ましい。他方、六ホウ化物微粒子(A)の平均粒径が、30nm以上あれば、アクリル樹脂への分散性が保持され取り扱いが容易である。
(2)エステル基を有する高分子化合物(C)
上記の六ホウ化物微粒子(A)は、エステル基を有する高分子化合物(C)によって表面が被覆されていることが肝要である。
本発明に係る、該エステル基を有する高分子化合物(C)としては、具体的には、6ヒドロキシへキサン酸と、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、および、4−ヒドロキシドデカン酸からなる群より選択される少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸と、を繰り返し単位とするポリカルボニルアルキレンオキシ鎖を側鎖に有し、構造中にアミノ基を有するグラフト共重合体が、挙げられる。このような、エステル基を有する高分子化合物としては、商品名:S24000GR(日本ルーズリゾーブ製)を例示することができる。
また、エステル基を有する高分子化合物(C)の添加量は、六ホウ化物微粒子(A)1重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜3重量部である。六ホウ化物微粒子(A)の添加量が0.01重量部以上あれば、六ホウ化物微粒子(A)を均一に分散することができる。また、六ホウ化物微粒子(A)の添加量が5重量部以下であれば、上記分散液に上記アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)を添加混合した後、炭化水素溶剤(B)を揮散したときの残留物が粉状となり、作業性に優れるので好ましい。
(3)凝集防止剤(D)
本発明で用いる凝集防止剤(D)は、炭化水素溶剤(B)に可溶性を有し、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)に対する相溶性を有し、且つ、六ホウ化物微粒子(A)表面に対し吸着効果のある官能基を有さない、アクリル高分子化合物である。
該凝集防止剤(D)が、炭化水素溶剤(B)に可溶性を有していることで、上記六ホウ化物微粒子分散体中において、六ホウ化物微粒子(A)が凝集体を形成し難くなり分散性が十分となり好ましい。また、該凝集防止剤(D)が、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)に対して相溶性を有していることで、上記六ホウ化物微粒子分散体を用いて得られた熱線遮蔽成形体のヘイズ(曇り度)が下がり意匠性が向上するので好ましい。また、該凝集防止剤(D)が、六ホウ化物微粒子(A)表面に対し吸着効果のある官能基を有していないことで、アクリル樹脂中に六ホウ化物微粒子(A)の凝集体を形成し難くなり、分散性が十分となり、上記熱線遮蔽成形体のヘイズ(曇り度)が下がり意匠性が向上するため好ましい。ここで、六ホウ化物微粒子(A)表面に対し吸着効果のある官能基としては、アミノ基、あるいは環中に窒素を1つ以上持ち、少なくとも1つの窒素原子が1プロトンを有する各種の環状脂肪族、芳香族、または複素環式の官能基が挙げられる。後者の具体例としては、ピペラジン基、イミダゾリン基、ベンズイミダゾール基、イミダゾール基、ピロリジン基、ピラゾール1,2,4−トリアゾール基、ベンゾトリアゾール基、インダゾール基、または1−H−テトラゾール基が挙げられる。
上記凝集防止剤(D)としては、具体的には、(メタ)アクリル酸と、炭素数が1〜13の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体などのアクリル高分子化合物を挙げることができる。このようなアクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)として商品名:BR−87(三菱レイヨン社製)、等を例示することができる。
凝集防止剤(D)の添加量は、六ホウ化物微粒子(A)1重量部に対して、1.0〜50重量部であることが好ましい。より好ましくは、2〜20重量部である。六ホウ化物微粒子(A)1重量部に対する添加量が1.0重量部以上あれば、上記分散体中において六ホウ化物微粒子(A)が凝集体を形成し難くなり分散性が十分となるため好ましい。また、50重量部以下であれば、熱線遮蔽成形体の機械的強度の低下や、屋外で使用する際の耐候性の悪化が起こらず好ましい。
(4)メチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)
本発明に用いるメチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)としては、メチルメタクリレート単独又はメチルメタクリレートの割合が50重量%以上、好ましくは70重量%以上であって、該メチルメタクリレートと共重合可能な不飽和単量体の混合物がある。そして、メチルメタクリレートは、全単量体中50〜99.995重量部を占めていることが好ましい。
メチルメタクリレートと共重合可能な不飽和単量体としては、例えば、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル類:メチルアクリレート、エチルアクリレート、プルピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステル類:アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物:2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、モノグリセロールアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、モノグリセロールメタクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体:アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの窒素含有単量体:アリルグリジシルエーテル、グリジシルアクリレート、グリジシルメタクリレートな
どのエポキシ基含有単量体:ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアリルエーテルなどのアルキレンオキサイド基含有単量体、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン、エチレンなどの単官能単量体がある。これらの単量体は、2種以上併用することができる。
さらに、必要に応じてメチルメタクリレートと共重合可能な多官能性単量体も用いることができる。例えば、(ポリ)エチレングリコールジアクリレート、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートのごときアルキルジオールジアクリレートやアルキルジオールジメタクリレート類:トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートのごとき多価アルコールのメタクリレートやメタクリレート類:ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートのごとき芳香族多官能単量体:アリルグリジシルエーテル、グリジシルアクリレート、グリジシルメタクリレートなどのエポキシ基含有単量体などがある。これらの単量体は、2種以上併用することができる。
(5)炭化水素溶剤(B)
本発明において、六ホウ化物微粒子分散体を製造するには、まず、六ホウ化物微粒子(A)を炭化水素溶剤液(B)中に分散させたスラリーを得る。そして、該スラリーにエステル基を有する高分子化合物(C)を添加した後、媒体攪拌ミルで解砕して、エステル基を有する高分子化合物(C)で表面被覆された六ホウ化物微粒子(A)の分散液を得ることが必要である。
ここで、用いる炭化水素溶剤(B)の溶解度パラメータは、8.5〜9.1cal(1/2)/cm(3/2)であることが好ましい。溶解度パラメータが上記範囲内であれば、本発明で
使用しているエステル基を有する高分子化合物(C)の炭化水素溶剤(B)への溶解性が確保出来るため、エステル基を有する高分子化合物で被服された六ホウ化物微粒子の微粒子分散液を製造する工程において、該六ホウ化物微粒子(A)を所望の粒径まで解砕することが容易であり好ましい。
本発明で用いる炭化水素溶剤(B)には、トルエン、キシレン等が挙げられるが、その中でも、該六ホウ化物微粒子分散体の量産性を考慮すると、トルエンが好ましい。
(6)六ホウ化物微粒子(A)の粉砕と表面被覆
本発明においては、解砕前の平均粒径が1μm以上の六ホウ化物微粒子(A)を、炭化水素溶剤(B)中に混合分散してスラリー化する。該スラリーに、エステル基を有する高分子化合物(C)を添加し、媒体攪拌ミル等を用いて解砕して、エステル基を有する高分子化合物(C)で表面が被覆された六ホウ化物微粒子(A)を含む分散液が得られる。
(7)六ホウ化物微粒子分散体の製造
上記分散液に凝集防止剤(D)を添加混合した後、得られた混合液から炭化水素溶剤(B)を揮散させて残留物を得る。そして、該炭化水素溶剤(B)を揮散するのと並行して、または、該炭化水素溶剤(B)を揮散した後、該残留物を解砕してエステル基を有する高分子化合物で表面被覆された六ホウ化物微粒子の分散体を得る。
上記炭化水素溶剤(B)の揮散方法には、各種の蒸留、蒸発操作が適用できる。すなわち、常圧又は減圧下でアルコールの沸点以上に加熱して留出させる方法、又は窒素、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを導入して留出させる方法などがある。工業的
には、常圧で80〜200℃、好ましくは120〜180℃まで溶液で加熱、留出させる方法が適している。留出時間は、特に制限はないが通常1〜5時間とする。工業的には、上記所定温度範囲まで昇温した後、その温度を維持して0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間保ち、反応を完結させればよい。該製造方法により、エステル基を有する高分子化合物(C)で表面が被覆された六ホウ化物微粒子(A)が凝集防止剤(D)中に均一に分散した六ホウ化物微粒子分散体を、多量かつ効率的に得ることができる。
2.熱線遮蔽成形体
本発明に係る熱線遮蔽成形体は、上記製造方法で得られた、エステル基を有する高分子化合物(C)で表面が被覆された六ホウ化物微粒子(A)が凝集防止剤(D)中に均一に分散した六ホウ化物微粒子分散体を、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)に溶解させた後、ラジカル重合開始剤(以下、(F)という符号を付与する場合がある。)存在下で、鋳型内にて重合させることで得られる。
成形方法としては、公知の方法でよい。なかでも板を製造する場合は、セルキャスト、連続セルキャストなどのキャスト重合法が用いられる。具体的には、セルは2枚のガラス板とガスケットで作製されたガラスセル、またはステンレス板のような金属製の2枚のエンドレスベルトとガスケットで作製された連続スチールセルなどを用いる方法である。
すなわち、上記のメチルメタクリレートを主体とする単量体(E)、あるいはその部分重合体に重合開始剤を添加混合したのち、所望の大きさのセルに注入して重合する。尚、部分重合体とは、メチルメタクリレートを主体とする単量体(E)の重合体をメチルメタクリレートを含む単量体(E)に溶解したもの、あるいはメチルメタクリレートを主体とする単量体(E)の一部を予め重合したものが挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤(F)に加え、必要に応じて多官能性単量体、ヒンダードフェノール系、リン系等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸系、HALS系、トリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、リン酸エステル系、フェノール系等の酸化防止剤、カップリング剤、界面活性剤、帯電防止剤、離型剤、難燃化剤等を添加混合しても良い。
3.六ホウ化物微粒子分散体と、ポリカーボネート樹脂を溶融混練して得られる熱線遮蔽成分含有マスターバッチとその製造方法
(1)熱線遮蔽成分含有マスターバッチ
本発明に係る熱線遮蔽成分含有マスターバッチは、上記製造方法で得られた、エステル基を有する高分子化合物(C)で表面が被覆された六ホウ化物微粒子(A)が凝集防止剤(D)中に均一に分散した六ホウ化物微粒子分散体を、ポリカーボネート樹脂と溶融混練してなるマスターバッチである。
すなわち、上記の六ホウ化物微粒子分散体とポリカーボネート樹脂と混合して得られた混合物は、ベント式一軸若しくは二軸の押出機で混練し、ペレット状に加工する。このペレットは、最も一般的な溶融押出されたストランドをカットする方法により得ることができる。従って、その形状としては円柱状や角柱状のものを挙げることができる。また、溶融押出物を直接カットするいわゆるホットカット法を採ることも可能である。かかる場合には球状に近い形状を取ることが一般的である。
4.熱線遮蔽成形体
本発明の成形体は、上記ポリカーボネート樹脂を含むマスターバッチが、ポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂により希釈
・溶融混練され、かつ所定の形状に成形されてなる熱線遮蔽成形体である。
その成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、または、回転成形等の方法を用いることができる。特に、射出成形、押出成形によれば効率的に所望の形状に成形できるので好ましい。押出成形により板状(シート状)、フィルム状の成形体を得る方法としては、Tダイなどの押出機を用いて押し出した溶融ポリカーボネート樹脂を冷却ロールで冷却しながら引き取る方法が採用される。
(1)ポリカーボネート樹脂成形材料
本発明に用いるポリカーボネート樹脂成形材料としては、この分野で使用されているポリカーボネート樹脂であれば特に制限されない。
本発明において特に好ましいポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂である。上記芳香族ポリカーボネート樹脂の合成方法としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代表される二価のフェノール系化合物の一種以上とカーボネート前駆体としてジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応させる溶融法と、上記二価のフェノール系化合物とカーボネート前駆体としてのホスゲンとを直接反応させる界面法と、が知られている。
(a)二価のフェノール系化合物
ここで、二価のフェノール系化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4−ビフェノール等を挙げることができる。この他に、例えばレゾルシン、および3−メチルレゾルシン、3−エチルレゾルシン、3−プロピルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシン、2,3,4,6−テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6−テトラブロムレゾルシン等の置換レゾルシン;カテコール;ハイドロキノン、及び3−メチルハイドロキノン、3−エチルハイドロキノン、3−プロピルハイドロキノン、3−ブチルハイドロキノン、3−t−ブチルハイドロキノン、3−フェニルハイドロキノン、3−クミルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルハイドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6−テトラブロムハイドロキノンなどの置換ハイドロキノン等、及び2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビス(1H−インデン)−7,7’ジオール等を用いることもできる。これらの二価のフェノール系化
合物は、単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いても良い。
(b)カーボネート前駆体
溶融法で用いるカーボネート前駆体である炭酸ジエステルとしては、トリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、ジフェニルカーボネートを使用する。これらカーボネート前駆体もまた、単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いても良い。
一方、界面法で用いるカーボネート前駆体としては、カルボニルハライドまたはハロホルメート等が挙げられる。
上記2つの方法で得られるポリカーボネート樹脂は、主構造は同じであるが末端官能基が異なる。
具体的には、溶融法で得られるポリカーボネート樹脂の末端官能基はフェノール性水酸基となり、一方で界面法で得られるポリカーボネート樹脂の末端官能基はt−ブチル基となる。
また、ポリカーボネートを製造する際に、酸成分として、ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルを含有していても良い。ジカルボン酸及びジカルボン酸エステルの例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどの芳香族ジカルボン酸類;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼッライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニルなどの脂肪族ジカルボン酸類;シクロプロパンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,2’−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン酸ジフェニル、1,2−シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,3−シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2−シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3−シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニルなどの脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。これらジカルボン酸またはジカルボン酸エステルは、単独で用いてもよく、また、二種以上組み合わせても良い。ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルは、上記カーボネート前駆体に、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量で含有される。
ポリカーボネートを製造する際に、1分子中に3個以上の官能基を有する多官能性化合物を使用できる。これら多官能性化合物としては、フェノール性水酸基またはカルボキシルを有する化合物が好ましく、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物が好ましい
(2)本発明の六ホウ化物微粒子分散体を用いた、末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂と溶融混練した熱線遮蔽成形体
従来六ホウ化物微粒子を均一に分散させた分散体を、上記界面法で得られる末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂と溶融混練した場合、上記樹脂中に六ホウ化物微粒子の凝集体を形成しやすく分散性が不十分となり、このマスターバッチを用いた成形体では優れた熱線遮蔽能は有しているものの、ヘイズ(曇り度)が高くなり意匠性が低下してしまうという課題があった。しかし、上記本発明の六ホウ化物微粒子分散体を用いることにより、上記界面法で得られる末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂であ
っても、六ホウ化物微粒子の凝集体が形成されることなく分散性が改善されヘイズの低い熱線遮蔽成形体が得られる。
上記製造方法で得られた、本発明に係る熱線遮蔽成形体は、可視光透過率が60%以上であっても、ヘイズが5%以下であるという特徴を有する。可視光透過率が60%以上の時に、ヘイズが5%以下であれば、建築物の屋根材、壁材、自動車、電車、もしくは航空機などの開口部に使用される窓材、アーケード、天井ドーム、またはカーポート等に利用する際に不可欠な意匠性が損なわれず好ましい。ここで、全光線透過率とヘイズの評価方法としては、例えば市販のヘイズメーターを使用し、全光線透過率(Tt)(単位:%)に関しては、JIS K 7361に準じ、ヘイズ(単位:%)に関してはJIS K 7136に準じ行う方法を挙げることができる。
(5)熱線遮蔽積層体
本発明の熱線遮蔽成形体を、他の透明成形体上に積層することによって、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズも低く良好な熱線遮蔽積層体を得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る六ホウ化物微粒子分散体を用いた熱線遮蔽成形体は、従来得られなかった、アクリル樹脂または末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂を主成分とする樹脂成形体中で六ホウ化物微粒子(A)が凝集することなく均一に分散した成形体である。このため、本発明に係る熱線遮蔽成形体は、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズも低く透過光による視認性が良好である。
加えて、分散性が良好であること及び、上記のようにアクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)を使用していることから、屋外で使用中に受ける雨水などに対する耐候性も良好である。したがって、自動車、電車、または航空機などの開口部に使用される窓材、建築物の屋根材、壁材、アーケード、天井ドーム、あるいはカーポート等に広く利用されるアクリル樹脂成形体もしくは末端官能基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂成形体に対して、優れた熱線遮蔽能に加えて意匠性を付与することができるため、幅広い分野で利用することができる。
以下、本発明について実施例を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されることはない。
実施例に係る成形体の光学特性評価は、ヘイズ(単位:%)に関しては、ヘイズメーター(村上色彩研究所製)を使用し、JIS K 7136に準じて行った。また、可視光透過率:T(単位:%)、日射透過率:ST(単位:%)に関しては、分光光度計U−4000(日立製作所製)を用いて測定した。
(実施例1)
解砕前の六ホウ化物微粒子(A)として粒径1〜3μmの六ホウ化ランタン粉末260gと、炭化水素溶剤(B)としてトルエン1688gとをマグネチックスターラーを使用して、常温で300rpmで回転攪拌混合した。ここへ、さらにエステル基を有する高分子化合物(C)としてS24000GR(日本ルーブリゾール製)52gを添加し、スラリーを調製した。このスラリーをビーズとともに媒体攪拌ミルに投入し、スラリーを循環させて解砕分散処理を行い、エステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された平均粒径が90nmの六ホウ化ランタンの分散液を得た(以下、「α液」と略称する。)。
一方、トルエンに対して可溶性を有し、メチルメタクリレート単量体(E)に対する相溶性を有し、且つ、六ホウ化ランタン表面に対して吸着効果のある官能基を有さないアクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)としてBR−87(三菱レイヨン製)を40重量
%となるように溶解させることで得られた液(以下、「β液」と略称する。)を調製した。
該α液10gへ該β液9.75gを添加混合し、混合液を得た。その後、得られた混合液からトルエンを揮散し、アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)中にエステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された六ホウ化ランタンを均一に分散させた分散体を得た。該分散体は、六ホウ化物微粒子(A)1重量部に対して、エステル基を有する高分子化合物(C)0.2重量部および凝集防止剤(D)3重量部を含有している。
次に、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)であるメチルメタクリレート単量体(関東化学製)へ、ラジカル重合開始剤(F)として2、2−アゾビスイソブチロニトリルを0.1重量%添加し、ここへ、上記アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)中にエステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された六ホウ化ランタンを均一に分散させた分散体を、該六ホウ化ランタン含有量が0.006重量%になるように加え、溶解させた後、真空脱気した。そして、該溶解物を、2枚のガラス板とポリ塩化ビニルのガスケットとで作製されたキャスト用セルに注入し、65℃の湯浴中で6時間保持して重合させ、更に120℃の空気浴で2時間重合させて60×50×2mmのシート状成形体を得た。
得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
上記α液10gに、上記β液を3.9g添加混合し実施例1と同様の方法で、アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)中にエステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された六ホウ化ランタンを均一に分散させた分散体を得た。該分散体は、六ホウ化物微粒子(A)1重量部に対して、凝集防止剤(D)0.9重量部を含有している。
次に、上記分散体を使用し、実施例1と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
上記α液10gに、上記β液を178g添加混合し、実施例1と同様の方法で、アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)中にエステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された六ホウ化ランタンを均一に分散させた分散体を得た。該分散体は、六ホウ化物微粒子(A)1重量部に対して、凝集防止剤(D)55重量部を含有している。
次に、上記分散体を使用し、実施例1と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
エステル基を有する高分子化合物(C)としてS32000(日本ルーブリゾール製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
凝集防止剤(D)としてBR−116(三菱レイヨン製)を使用した以外は、実施例1
と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
六ホウ化物微粒子分散体は実施例1と同様の方法で得た。更に、末端基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂ペレット(出光製)に対して六ホウ化物微粒子含有量が0.27重量%になるように上記分散体を加え、均一に混合した後、二軸押出機(東洋精機製作所製)で溶融混練し、押し出された直径3mmのストランドをペレット状にカットし、六ホウ化物微粒子と末端基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂を主成分とするマスターバッチを得た。
更に、上記マスターバッチを末端基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂(出光製)で六ホウ化ランタンの含有量が0.006重量%となるように、均一に混合した後、射出成形機(東洋精機製作所製)でTダイを使用して10cm×5cm、厚さ2.0mmのシート状成形体を得た。得られた成形体の光学特性:ヘイズ(H)、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%)を評価した。評価結果は、表1に示す。
(実施例7)
実施例2と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例3と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例4と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例5と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例12)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、
実施例7と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例13)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、実施例8と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例14)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、実施例9と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例15)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、実施例10と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
メチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)に対する相溶性を有し、且つ、六ホウ化物微粒子(A)である六ホウ化ランタン表面に対して吸着効果がある官能基を有さないものの、炭化水素溶剤(B)であるトルエンに不溶であるアクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)としてJDX−C3000(東亞合成製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
エステル基を有する高分子化合物(C)を添加しない以外は、実施例1と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
エステル基を有する高分子化合物(C)を添加しない以外は、実施例5と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)を添加しない以外は、実施例1と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)を添加しない以外は、実施例4と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例6)
比較例1と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例7)
比較例2と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例8)
比較例3と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例9)
比較例4と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例10)
比較例5と同様の方法で得た六ホウ化物微粒子分散体を使用する以外は、実施例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例11)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、比較例6と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例12)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、比較例7と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例13)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、比較例8と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例14)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、比較例9と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例15)
末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂(GEP製)を使用する以外は、比較例10と同様の方法でシート状成形体を得た。得られたシート状成形体の光学特性(ヘイズ、可視光透過率T(単位:%)、日射透過率ST(単位:%))を評価した。評価結果を表1に示す。
「評価」
実施例1〜5では、アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)中にエステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された六ホウ化ランタンを均一に分散させた分散体を、ラジカル重合開始剤(F)を添加した、メチルメタクリレートを主成分とする単量体(E)であるメチルメタクリレート単量体(関東化学製)に加え、キャスト法で、シート状成形体を得た。表1に示すように、実施例1〜5ではいずれも、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズ(曇り度)が低く意匠性に優れた熱線遮蔽成形体が得られている。
実施例6〜10では、アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)中にエステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された六ホウ化ランタンを均一に分散させた分散体を、末端基がt−ブチル基のポリカーボネート樹脂ペレットに加え、溶融混練した後、ペレット状に成形し、マスターバッチを得た後、射出成形法で、シート状成形体を得た。表1に示すように、実施例6〜10ではいずれも、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズ(曇り度)が低く意匠性に優れた熱線遮蔽成形体が得られている。
実施例11〜15では、アクリル高分子化合物系の凝集防止剤(D)中にエステル基を有する高分子化合物(C)で被覆された六ホウ化ランタンを均一に分散させた分散体を、末端基がフェノール性水酸基のポリカーボネート樹脂ペレットに加え、溶融混練した後、ペレット状に成形し、マスターバッチを得た後、射出成形法で、シート状成形体を得た。表1に示すように、実施例11〜15ではいずれも、優れた熱線遮蔽能を有し、ヘイズ(曇り度)が低く意匠性に優れた熱線遮蔽成形体が得られている。
Figure 0005152131

Claims (14)

  1. 一般式XB(ただし、元素Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、SrまたはCaから選択される少なくとも1種以上の元素である。)で表される六ホウ化物微粒子を、炭化水素溶剤中に分散させスラリーを得る工程と、
    該スラリーにエステル基を有する高分子化合物として、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、および、4−ヒドロキシドデカン酸からなる群より選択される少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸と、6ヒドロキシへキサン酸とを繰り返し単位としたポリカルボニルアルキレンオキシ鎖を側鎖に有し、構造中にアミノ基を有するグラフト共重合体を添加した後、解砕して、該エステル基を有する高分子化合物で表面被覆された前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程と、
    得られた該分散液に凝集防止剤を添加した後、前記炭化水素溶剤を揮散して残留物を得る工程と、
    該炭化水素溶剤を揮散する工程と並行して、または、該炭化水素溶剤を揮散する工程の後に、該残留物を解砕して分散体を得る工程と、を具備する六ホウ化物微粒子分散体の製造方法であって、
    前記凝集防止剤は、前記炭化水素溶剤に可溶で、且つ、メチルメタクリレートを主成分とする単量体に対する相溶性を有し、且つ、前記六ホウ化物微粒子の表面に吸着効果のある官能基を持たない、アクリル高分子化合物であることを特徴とする六ホウ化物微粒子分散体の製造方法。
  2. 前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程において、前記六ホウ化物微粒子を平均粒径500nm以下にまで解砕することを特徴とする請求項1に記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法。
  3. 前記六ホウ化物微粒子の分散液を得る工程において、平均粒径1μm以上の六ホウ化物微粒子を媒体攪拌ミルにより解砕することを特徴とする請求項1に記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法。
  4. 前記炭化水素溶剤として、溶解度パラメータが8.5〜9.1cal(1/2)/cm(3/2)である炭化水素溶剤を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法。
  5. 前記エステル基を有する高分子化合物の添加量を、前記六ホウ化物微粒子1重量部に対して、0.01〜5重量部とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法。
  6. 前記凝集防止剤として、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜13の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体であるアクリル高分子化合物を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法。
  7. 前記凝集防止剤の添加量を、前記六ホウ化物微粒子1重量部に対して1.0〜50重量部とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の六ホウ化物微粒子分散体の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で得られた六ホウ化物微粒子分散体と、ラジカル重合開始剤とを、メチルメタクリレートを主成分とする単量体に溶解させて分散液を得る工程と、
    該分散液を、鋳型内で重合させることにより成形体を得る工程と、を具備することを特徴とする熱線遮蔽成形体の製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法で得られた成形体であって、可視光透過率が60%以上で、ヘイズが5%以下であることを特徴とする熱線遮蔽成形体。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で得られた六ホウ化物微粒子分散体と、ポリカーボネート樹脂と、を溶融混練して得られることを特徴とする熱線遮蔽成分含有マスターバッチの製造方法。
  11. 請求項10に記載の熱線遮蔽成分含有マスターバッチの製造方法で得られることを特徴とする熱線遮蔽成分含有マスターバッチ。
  12. 請求項11に記載の熱線遮蔽成分含有マスターバッチを、ポリカーボネート樹脂、またはポリカーボネート樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂により希釈・溶融混練し、かつ所定の形状に成形することによって得られることを特徴とする熱線遮蔽成形体。
  13. 請求項11に記載の熱線遮蔽成分含有マスターバッチにおけるポリカーボネート樹脂の末端基がt−ブチル基であり、かつ、請求項13に記載の熱線遮蔽成形体におけるポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂の末端基もt−ブチル基であることを特徴とする熱線遮蔽成形体。
  14. 請求項9、12、または13のいずれかに記載の熱線遮蔽成形体が、他の透明成形体上に積層されていることを特徴とする熱線遮蔽積層体。
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