JP5147949B2 - 生体光計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は,無侵襲的に脳血液動態の計測を行うための生体光計測装置に関する。
ヒトの脳の表層付近の局所的血液動態変化は光トポグラフィ法により無侵襲に計測可能である。光トポグラフィ法は可視から赤外領域に属する波長の光を被検体に照射し,被検体内部を通過した複数信号の光を同一の光検出器で検出しヘモグロビン濃度変化量(または,ヘモグロビン濃度と光路長の積の変化量)を計測する方法である(例えば,特許文献1参照。)。MRI, PET等の脳機能計測技術に比較し被験者に対する拘束性も低いという特徴を持つ。臨床現場において,言語機能や視覚機能などの計測が行われている。近年,脳の辺縁系・情動系の計測の重要性が認識されてきており,脳の深部・底部を計測することが重要となってきている。脳の深部・底部の計測に関しては,光ファイバを鼻孔から挿入し,鼻腔内を通して脳深部・底部において光を照射・検出する方法(例えば,特許文献2参照)が開示されている。
特開平9-019408号公報 特開平7-59782号公報
A. Maki et al.," Spatial and temporal analysis of human motor activity using noninvasive NIR topography," Medical Physics 第22巻,1997−2005頁(1995年) E. T. Rolls, "The functions of the orbitofrontal cortex," Brain Cogn 55(1), 11-29頁(2004年) E. Koechlin, G. Basso, P. Pietrini, S. Panzer and J. Grafman, "The role of the anterior prefrontal cortex in human cognition," Nature 399(6732), 148-151頁(1999年)
しかし,従来の光トポグラフィ法(例えば,特許文献1,非特許文献1参照)においては,脳へ照射され再び頭皮に戻ってくる光の到達深さは頭皮から数cm程度であることが知られている。頭皮上から照射され,脳の深い部分に到達した光は散乱・吸収されて,再び頭皮上に戻ってくるまでに減衰してしまい,検出できないからである。よって,脳の深部・底部における血液動態変化は,光による計測は困難であり,その部位における血液動態の時間変化を計測するためにはファンクショナルMRI(fMRI: functional magnetic resonance imaging)に頼らざるをえなかった。
脳の深部・底部をfMRIで計測するときでも,特に眼窩前頭皮質(Orbitofrontal cortex),辺縁系は,fMRIではヒト頭部には鼻腔・前頭洞等の空洞があるため,透磁率の急激な変化により,偽像が検出されるなどして,精度良く計測できない場合があった。つまり, fMRIでは,信号がT2スター(T2* )強調信号であり,鼻腔,副鼻腔,耳腔等,組織/空気あるいは組織/脂肪といった透磁率(あるいは磁化率)の境界において,透磁率の違いが局所磁場の歪みを生じ,スピンの位相の分散による信号低下や信号位置の誤り,すなわちアーチファクト(偽像)を生じる場合がある。
鼻腔に光ファイバを挿入した場合でも,精度良く脳底部に光を照射し,その状態を維持することは難しく,再現性良く同一部位を計測することは容易ではなかった。光ファイバを鼻腔に挿入すること自体,容易なことではなく,技術を要する行為であるので,挿入後にその状態を維持するのは難しい。脳底部の計測のためには,鼻腔に挿入する光ファイバを安定に保持するための工夫が必要であった。また,情動の機能を計測する上で,より自然な状態で計測装置を意識させないようにするのが重要であり,誰でも簡易に計測できる装置であることが望ましい。鼻腔に光ファイバを挿入する場合でも,鼻腔外あるいは眉間あるいは額から光を照射する場合でも,光照射位置が従来の光トポグラフィ法に比べ,より眼球に近い位置となる。このような計測を行う場合には,光あるいはプローブによる眼球の損傷を防ぐため,安全対策をより強化する必要がある。
本発明の目的は,上記課題を解決するための技術を提供することにある。
上記目的を達成するため,本発明の生体光計測装置は,1つまたは複数の光源と,前記1つまたは複数の光源の光を被験体へ照射するための1つまたは複数の光照射プローブと,前記1つまたは複数の光照射プローブから照射され前記被検体を伝播または反射した光を受光するための1つまたは複数の受光プローブと,前記1つまたは複数の受光プローブで受光した光を光電変換するための1つまたは複数の光検出器と,前記1つまたは複数の光照射プローブと前記1つまたは複数の受光プローブを保持するためのプローブ保持部と,前記プローブ保持部を前記被験体の鼻において支持するための保持手段と、前記プローブ保持部の前記被験体への設置状態を判定するための設置状態センサとを有することを特徴とする。
本発明によれば,脳深部・底部に再現性良く,安定的に光を照射することが可能となる。特に,脳の底部の辺縁系・眼窩前頭野・下垂体・視床・視床下部の血液動態変化を計測できることで,従来の光脳機能イメージング技術では得られなかった生体情報を取得することが可能になる。
本発明の装置構成図。 接触センサとして機械的スイッチを有する装置構成図。 プローブ突き出し制限の制御機構。 プローブの長さ調整機構。 保持バンド使用時の構成図。 プローブセットからレーザ照射までのフローチャート。 レーザ照射制御のフローチャート。 プローブ配置。 脳底部の位置。 計測結果の例。 複数部位の計測による複数脳部位(11野(眼窩前頭野),10野(前頭極),46野(前頭前野背外側部)等)からの信号の分離方法のフローチャート。 無線を用いた装置構成図。 眼球保護板を用いた装置構成図。 眼球保護板の使用手順を示すフローチャート。 鼻腔外光照射,額からの光検出を行うときの装置構成図。 鼻腔内光照射,額からの光検出を行うときの装置構成図。 鼻腔内で光照射・光検出を行うときの装置構成図。 プローブ角度設定画面。 プローブ角度設定時のフローチャート。 視覚刺激呈示部を有する装置構成図。 信号変動のモニタ画面。 脳底部と他の脳表層部位を同時計測する時の構成図。 計測部位の選択画面。 脳底部と他の脳表層部位の同時表示。 被験者の内的変化を脳機能計測の表示に反映させた例。
以下,図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1に,本発明の装置構成図を示す。光照射プローブ104と受光プローブ103a〜103cを保持するためのプローブ保持部102は鼻当て101と耳掛け105を介して被験者10に装着あるいは固定される。このような構成により,光照射プローブ104と受光プローブ103の,被験者10に対する位置の再現性が保たれる。つまり,着脱を繰り返しても,装着時の光照射プローブ104と受光プローブ103の位置が,被験者10上においてほぼ同じ位置となる。光照射プローブ104と受光プローブ103a〜103cは,光ファイバ301a〜301dを介し光源201,光検出器202a〜202cと光学的に接続されている。光源201・光検出器202は装置本体20と電気的に接続され,装置本体20は,その内部に図示しない制御部を備えている。この制御部は,光検出器によって光電変換されたアナログ信号をアナログ−デジタル変換するためのアナログ−デジタル変換器と,アナログ−デジタル変換器の出力から被験体の生体情報を演算・解析する演算部と,生体光計測プログラムやその処理に必要な情報等を記録すると共に取得データや演算結果を一時的に記憶するための記憶部とを有し,光源201の照射タイミングの制御,光検出器202の出力の増幅・アナログ-デジタル変換,取得データの演算等を行う。演算により得られた計測結果は表示部30で表示され,被験者10に対する刺激は刺激呈示部40により行われる。表示部30と刺激呈示部40は,装置本体20の制御部によって演算ないし制御される。表示部30の表示画面は装置本体20に対する入力手段の機能も一部備えている。
光照射プローブ104と受光プローブ103は,計測時には被験者10に対して接触しているか接触に近い状態であることが望ましく,プローブ保持部102に対して突き出す形となり,眼球に近い位置にプローブを設置する場合には眼球を突くことがないような措置が必要となる。そのために,光照射プローブ104・受光プローブ103の突き出しは,プローブ保持部102が被験者10に装着された後でしかできないような安全機構を備えている。プローブ保持部102が被験者10にセットされたか否かを,図2における接触センサにより検出する。ここでは機械的スイッチ401(401a〜401c)を用い,接触しているときにONとなるよう構成した。機械的スイッチ401はプローブ保持部102上の複数箇所にあり,完全に装着され,全てがONになっていないとプローブ突き出しができないような制御を行う。機械的スイッチ401には,例えば小型マイクロスイッチ等を用いればよい。接触状態のセンサとして,機械的スイッチ401の他に,圧力センサまたは光センサ等を用いても良い。これら接触センサの検出情報の送信手段として,電気的配線をプローブ保持部102上に通しても良いし,無線通信等を用いてもよい。接触センサ情報は装置本体20あるいは光照射プローブ104・受光プローブ103の制御部へ送信される。
プローブ突き出し制限の制御機構の一例を図3に示す。機械的スイッチ401のOFFを非接触状態,ONを接触状態であるとすると図3において,A1,B1はOFF状態,A2,B2はON状態である。機械的スイッチ401がOFFのとき,A1,B1のように,プローブ支持部材112は電磁スイッチにより開いた状態にあり,プローブ111を支持することができないため,プローブ111を手動で被験者10へ向けて突き出すことはできない。機械的スイッチ401がONのとき,A2,B2のように,プローブ支持部材112は電磁スイッチにより閉じた状態にあり,プローブ111を支持することができ,プローブ111を手動にて被験者10へ向けて突き出すことができる。このとき例えば,図3のようにプローブ111の外側,プローブ支持部材112の内側にカギ状の凹凸を付けておくことにより,プローブ111の突き出し長さを調節することができる。手動による突き出し時,圧縮ばね113の反発力に逆らって押し込む構造となっている。機械的スイッチ401がOFFになったときに,電磁的にプローブ支持部材112が外され,再びプローブ111は圧縮ばね113の力により引き戻される。これにより,プローブ支持部材112からレーザ照射途中で被験者10の動き等でプローブ保持部102が急にずれてしまい,機械的スイッチ401がOFF(非接触状態)になってしまった場合にも,プローブ111が被験者10の眼球等を突くような状態になることを避けることが可能である。また,機械的スイッチ401がOFFとなったときには,計測途中でも,レーザの照射は止められ,レーザ光が意図せずに被験者10の眼球内に入射するのを防ぐことが可能であり,安全を保つことができる。つまり機械的スイッチ401は,非常時のレーザ照射ストップにも用いられる。尚,プローブ支持部材112の開閉制御は電磁石等を応用した電磁スイッチにより行うことを想定して説明したが,完全に電磁的ではなく,機械的スイッチ401がOFF状態には圧縮ばねでプローブ支持部材112を開いた状態にしておき,機械的スイッチ401がON状態の時にのみ,電磁スイッチにより閉じるという制御も可能である。
プローブ111の突き出し長さ調整機構に関しては,図3のカギ状の凹凸を用いた構成に加え,図4のようなネジを利用した構造も可能である。図4はプローブの長さ調整機構の一例を示しており,この場合はプローブを眉間と額に設置すると想定しているが,この位置に限らず,鼻腔内,副鼻腔内等にあっても同様な構成をとることが可能である。光ファイバ301はボルト状プローブ121の内部に固定されており,ボルト状プローブ121の先端より光照射・受光することが可能である。ボルト状プローブ121の外側には雄ネジが切られており,ナット状つまみ122の内側には雌ネジが切られており,ナット状つまみ122内にボルト状プローブ121は挿入され,プローブ保持部102には,ボルト状プローブ121が貫通する場所にスルーホールがあけられている。ボルト状プローブ121の突き出し長さは,ナット状つまみ122を回転させることで制御可能である。このとき,ナット状つまみ122がプローブ保持部102に対し相対的に位置が変わらないようにするため,ナット押さえ部材123でナット状つまみ122を押さえる構造となっている。
尚,ここではナット状つまみ122を回転させることによるボルト状プローブ121の突き出し長さ調整について記したが,ナット状つまみを固定し,ボルト状プローブ121を回転させることで突き出し長さ調整する構成でも良い。ただしその場合には光ファイバごと回転してしまうため,ねじりによる光ファイバへの影響を考慮する必要がある。また,図3の説明で述べた電磁スイッチを組み合わせ,例えばナット状つまみ122を切断等により分解し,図3におけるプローブ支持部材112のように,電磁スイッチにより開口径を変化させるような構造とすることで図3と同様の安全機構を実現可能である。
本実施例においては光照射プローブ104を1個,受光プローブ103を3個と仮定して説明を行ったが,この構成に限らず,光照射プローブ104と受光プローブ103の位置を入れ換えた構成やプローブ数をそれぞれ変更した構成でも上記目的は達成可能である。プローブ保持部102は図2で示したようなフレーム型を始め,各種形状をとることが可能である。図5に,保持バンド131を有する構成を示した。プローブ保持部102に保持バンド131が接続あるいは一体化され,被験者10に固定される。他に,ゴーグル型,サンバイザー型,マスク型等,各種可能であり,同等の計測を行うことができる。
図6に,プローブセットからレーザ照射までのフローチャートを示す。
(S601)プローブ保持部102を被験者10に装着する(機械的スイッチ401がONとなる)。
(S602)光照射プローブ104・受光プローブ103を押し込み,被験者10に接触させ固定する。
(S603)レーザ照射を開始する。
このフローのようにレーザ照射は,プローブ保持部102を被験者10に装着した後に行う。プローブ保持部102が被験者10に装着され,機械的スイッチ401により接触状態が確認されて初めて,レーザ照射が可能となる。図6のフローの一部または全部を自動で行っても良い。次に,レーザ照射開始後の,レーザ照射制御のフローチャートを図7に示す。
(S701)レーザ照射開始。
(S702)プローブ装着センサがON(機械的スイッチ401がON)であるかどうかの判断。
(S703)計測終了であるかどうかの判断。
(S704)計測終了時(計測終了コマンドを受けたとき),またはプローブ装着センサがOFFとなった(プローブが被験者10からはずれた)とき,レーザ照射終了。
次に,プローブ配置・計測位置の概略図を,図8に示す。光源201が1つ(ただし,3波長を含む)で光照射プローブ104が眉間に配置され,その間は光ファイバによりつながれている。受光プローブ103は,図1のように左右の眉毛の数mm上方と額中央下部に計3個配置され,光検出器202と光ファイバにより光学的に接続されている。光源には678,750,830 nmの3つの波長のレーザダイオードを使用した。被験者10は健常女性とした。
課題には,眼窩前頭野を賦活させる刺激として,感情変化を誘発する課題である必要がある。眼窩前頭野は情動系・報酬系に関連することが知られている(Rolls, Brain Cogn., 2004,非特許文献2参照)。脳底部に位置する眼窩前頭野の場所を図9に示した。図9には,脳底部500を光により計測するための,入射光501,検出光502の入射・検出位置の例が示されている。
ここで説明する実験は,眉間から光を入射し,額より光を検出するという構成である。筆者らは,食べ物をディスプレイに映してそれを見る課題,写真,特に被験者10に関連する過去の写真などを見る課題,そして,暗算をする課題,等の課題を用いたときの被験者10の脳内の血液動態変化を計測した。血液動態変化の計測原理は,800 nm付近の複数波長を用いて,ヘモグロビン濃度と光路長の積の変化量(ここではこれをヘモグロビン濃度長変化(Hemoglobin concentration length)と定義する)を求める方法を用いた。血液動態変化の解析方法は,特許文献1,非特許文献1等に詳細に記述されている。ここでは,人の顔写真等,被験者10に関連する過去の写真を課題とした。図8のプローブ配置におけるチャンネル2(ch2)の計測結果を図10に示す。15秒(風景写真),10秒(顔写真),15秒(風景写真)の計40秒を1ブロックとし,これを10ブロック繰り返し,加算平均処理を行った。
図10では,顔写真を呈示したタスク期間に酸素化ヘモグロビン濃度長変化(oxy-Hb)が増加しており,脱酸素化ヘモグロビン濃度長変化(deoxy-Hb)も多少増加している。写真の課題は,被験者10の情動に作用すると考えられるので,脳底部に位置する眼窩前頭野を賦活させることが予想される。よって図10で得られた信号の一部は眼窩前頭由来であると考えられる。
実際,ch1,ch3で得られた結果はch2で得られた結果とは異なっており,限局した前頭前野の活動の影響が見られた。脳活動の比較のため,前頭前野におけるブロードマンの10野または46野付近を賦活させるために,被験者10に暗算をさせたときは,ch2ではタスクに同期した信号が弱かったにも関わらず,ch3においては大きな酸素化ヘモグロビンのタスク同期信号が得られた。このことは,計測部位の変化により,眼窩前頭野(情動に関連)の活動と,前頭前野背外側部(ワーキングメモリ使用時に関連)の活動を分離できる可能性を示唆する。
解剖学的には,眼窩前頭部は前頭前野の,ブロードマンの10野の後ろ側の,ブロードマンの11野にあるため,眼窩前頭部へ頭皮あるいは眉間から光を照射した場合にはブロードマンの10野またはブロードマンの46野付近を同時に計測してしまう可能性が高い。よって,複数部位を計測し,演算することにより,眼窩前頭由来の信号と,それ以外の前頭前野由来の信号を分離できれば有意義である。非特許文献3等に記載されているが,ブロードマンの10野はワーキングメモリの統合機能を有しており,例えば1.数字記憶,2.言語課題,3.前に記憶した数字を用いた計算,の一連の課題のような,ワーキングメモリで記憶を維持しながら他の課題を行う,ブランチング課題と呼ばれる課題をしたときに働く部位である。よって,うまくコントロール課題を実施することによってブロードマンの10野の活動を抽出することができる。同様に,情緒に関連するブロードマンの11野(眼窩前頭野付近)の活動を,適切なコントロールタスクや複数部位の計測結果の演算を行うことによって抽出することが可能であると考えられる。
図11に,複数部位の計測による複数脳部位(ブロードマンの11野(眼窩前頭野),10野(前頭極),46野(前頭前野背外側部)等)からの信号の分離方法のフローチャートを示す。このフローでは,各計測点における2つの脳領域からの重ね合わせの信号を分離するときに,既に片方の脳領域の信号が独立に分離計測されている場合に,もう片方の信号の各計測点における分布を分離するものである。以下に信号分離方法について詳細に説明する。
(S1101)分離する複数脳部位を選択する。それらの脳部位を例えば,A領域:前頭極,B領域:眼窩前頭野とおく。
(S1102)A領域とB領域の近くに計測点(光源・検出器ペア)を置き,計測点をch1, ch2, …等とおく。それらの計測点で得られる信号は,A領域および/またはB領域からの信号が支配的であるとする。すなわち,他領域の賦活による,各計測点での信号変化を無視する。
(S1103)A領域を主に活動させる課題をさせ,計測を行う(taskα)。例えば,記憶中に計算を行うブランチング課題を行う。このとき,taskα実施時に計測点ch1で得られたデータをD(ch1, α)等と表現する。
(S1104)A領域を活動させない,コントロール課題を行う(taskα’)。例えば,記憶と計算を連続的に行う二重課題とする。
(S1105)差(D(ch1, α) − D(ch1, α’))等を計算し,計測点ch1におけるA領域の活動値とする。同様に,各計測点におけるA領域の活動値(A(ch1),A(ch2),…)を計算する。
(S1106)各計測点におけるA領域の活動値分布を数値あるいは色等で表示する。
(S1107)B領域を主に活動させる第一の課題(taskβ1)をさせ,計測を行う。例えば,被験者10の友人や家族の写真による視覚課題とする。
(S1108)B領域を主に活動させる第二の課題(taskβ2)をさせ,計測を行う。例えば,被験者10の好きな食べ物の写真による視覚課題とする。
(S1109)以下の連立方程式を計算し,変数B(ch1),B(ch2),B(ch3),ka(β1),ka(β2),kb(β1),kb(β2)を求める(計測点が3点のとき)。計測点が4点以上のときは,最小二乗法により求める。
式1. D(ch1, β1)= ka(β1)×A(ch1) + kb(β1)×B(ch1)
式2. D(ch2, β1)= ka(β1)×A(ch2) + kb(β1)×B(ch2)
式3. D(ch3, β1)= ka(β1)×A(ch3) + kb(β1)×B(ch3)
式4. D(ch1, β2)= ka(β2)×A(ch1) + kb(β2)×B(ch1)
式5. D(ch2, β2)= ka(β2)×A(ch2) + kb(β2)×B(ch2)
式6. D(ch3, β2)= ka(β2)×A(ch3) + kb(β2)×B(ch3)
式7. kb(β1)=1
ここで,Dは計測値,Aは(S1105)で求めたA領域の活動値である。変数7に対して方程式が7なので,変数を求めることができる。計測値の計算方法は,例えば刺激期間中とそうでない期間中のoxy-Hbの平均値の差を用いれば良い。
taskβ1,taskβ2によって,A領域も活動すると思われ,その活動の信号への寄与は未知であるが,各計測点への信号変化の寄与率は,各課題で変わらないと考えられる。よって脳の各領域から特定の計測点への寄与率として(S1105)で求められたA領域活動値を用いることで,A領域活動の影響を排除した上で,各計測点でのB領域活動値を求めることができる。係数ka,kbとB領域の活動値を決めるために,B領域を活動させる2つ以上の課題をさせ,3点以上の計測点が必要である。ここではtaskβ1とtaskβ2で活動するB領域は等しい領域であると仮定している。
尚,ここで説明した方法以外にも,主成分分析あるいは独立成分解析等を用いて,2つ以上の脳領域からの信号を分離計測しても良い。
このように,情動系・報酬系に関連する(Rolls, Brain Cogn., 2004,非特許文献2参照)ことが知られている眼窩前頭野を無侵襲で計測できれば,ヒトの情動変化のモニタに応用することができ,ヒトの大脳皮質における情動系機能・報酬系機能の解明に貢献し,非常に有意義である。
実際の計測例としては,前記の他に,味覚課題における眼窩前頭領域の活動の計測を行い,信号変化から嗜好性を測る試みや,乗用車の運転時の計測によりドライバーの気分状態変化をモニタリングし,その状態に応じてドライバーに各種フィードバックを行う試みにも利用できる。ドライバーに対しては,気分不安定時に注意喚起を促す,あるいはイライラした状態のときにスピードを制限,あるいは乗り物の速度・加速度情報と組み合わせて気分状態を判定するという試みにも利用できる可能性がある。
また,脳底部における特に視床下部の計測ができれば,視床下部は睡眠を含むヒトの本能的な行動の中枢のため,睡眠中の視床下部周辺の血液動態変動を計測することで,睡眠中の神経活動の解明に貢献し得る。また,視床下部は交感神経・副交感神経機能の調節を行っているため,これらの異常を早期発見できる可能性もある。さらに,多くのホルモンを分泌する内分泌器官である下垂体が計測できることで,これらのホルモン分泌に関連する疾患の診断支援に役立つと考えられる。
尚,本装置は,被験者が身に付けている眼鏡に設置される構成であっても良い。被験者が身に付けている眼鏡が鼻当てを有する場合には,本装置の鼻当て101は省略することができる。その場合,本装置は鼻当て101の代わりに,眼鏡へ固定するための眼鏡接続部を有する構成となる。また,ここでは被験者が身に付けている眼鏡について説明したが,眼鏡に限らず,ゴーグルのようなものであっても構わない。
実施例1の生体光計測装置において,光ファイバ301を無くし,図1に示した装置本体20,光源201,光検出器202をまとめて無線制御装置151に収めた構成としたのが図12である。図12では,無線制御装置151内の光源201,光検出器202を,それぞれ光照射プローブ104,直接受光プローブ103へ直接接続した構成となっている。無線制御装置151は無線装置の他,光源201を駆動するための回路,光検出器202からの光電流を増幅し,電圧に変換するための増幅器,そしてアナログ−デジタル変換回路,バッテリーを含んでいる。無線制御装置151から遠隔制御装置150に無線でデータを送信可能である。遠隔制御装置150は,無線装置を持つコンピュータのようなものでよく,得られたデータや被験者10の情報を表示するディスプレイを備える構成でもよい。無線を用いることで,被験者10に対する運動の拘束は軽減され,より自然な状態での計測が可能となる。また,光ファイバ301が被験者10の視界を遮るということもなく,被験者10の視野を狭めずに,被験者10に対して視覚刺激を与えることが可能となる。
実施例1の生体光計測装置において,計測開始直前まで眼球保護板191により眼球を保護する構成としたのが図13である。眼球保護板191はスライド式のフィルタとなっている。光照射プローブからの光,および,光照射プローブ・受光プローブが眼球を突くのを防ぐためのものである。眼球保護板191はスライド式となっており,取り外し可能で,プローブセットが完了してから取り外し,プローブ長さ調整後,計測を開始することができる。眼球保護板191の使用手順を示すフローチャートを,図14に示す。
(S1401)プローブ保持部102を被験者10に装着する(機械的スイッチ401がONとなる)。
(S1402)眼球保護板191をスライドさせて取り外す。
(S1403)光照射プローブ104・受光プローブ103を押し込み,被験者10に接触させ固定する。
(S1404)レーザ照射を開始する。
尚,このフローにおいて一部または全部を自動で行うようにしてもよい。例えば,眼球保護板191のスライド式開閉動作は機械的スイッチ401のON/OFFに応答する電磁スイッチ等を用いて実現できる。また,(S1403)のプローブ押し込みに関しては,ばね等を事前に弱い力で縮めておくことで,ばねの力のみでプローブが突き出すという構成とすることもできる。レーザ照射も,電磁スイッチを用いて実現できる。
実施例1において,被験者10の眉間に光を照射する構成を説明したが,図15は,脳底部を計測するために,鼻孔を介して鼻腔内に光を照射し,脳底部の直下の鼻腔内粘膜に直接光を当てる構成である。光の検出は被験者10の眉間あるいは額あるいは鼻孔下より行うことができる。図15は鼻腔外から鼻孔へ向けて光を照射し,額より光検出を行う例を示している。図16のように鼻腔内に光ファイバ301および光照射プローブ104を挿入しても良い。また,受光プローブ103あるいは受光系の光ファイバ301も同じ鼻孔あるいは左右のもう一方の鼻孔から挿入することで,図17のように鼻に挿入するのみで光の照射・検出が可能な構成をとることもできる。図15〜図17の構成により脳底部の直下の鼻腔内粘膜に直接光を当てることで,眼窩前頭野(ブロードマンの11野)に精度良く光を照射することが可能である。この方法の長所は,他の脳の領域(例えば前頭極(ブロードマンの10野)や前頭前野背外側部(ブロードマンの46野))の活動の影響を受けにくいということである。そして,脳底部直下の頭骨は非常に薄いことが解剖学において知られており,光照射プローブと受光プローブの距離が短くても計測が可能である。光照射プローブあるいは受光プローブの方向を制御するため,プローブ角度調節機構161を有する。例えば,回転機構を設けて,ネジのようなもので固定する構成とすれば手動でプローブ角度が調整可能である。これにより,被験者毎に最適な光照射角度あるいは受光角度を設定することが可能となる。光照射プローブと受光プローブはプローブ保持部102に保持されており,プローブ保持部102は鼻当て101を介して被験者10に固定されるので,安定的に計測を行うことが可能であり,再度計測する場合にも再現性が保たれる。また,特に鼻腔外からの光照射の場合,光ファイバ301からの光の拡がりを,鼻孔径の程度以下に抑えるため,プローブ先端にはビーム拡がり角を絞るためのレンズを有してもよい。
鼻孔を介して鼻腔内へ光を照射する場合には,光の入射角度が重要になる。眉間あるいは額にて受光する構成の場合,入射方向が前方側(顔表面側)寄りの場合には,光は顔面の表層を透過し,あまり組織に吸収されずに眉間あるいは額における受光強度は大きくなる。この場合,光は脳の表層しか透過せず,ヘモグロビン信号強度は小さくなってしまうと考えられる。つまり,光検出強度が大きければ良いというわけではない。また,入射方向が頭部後方側寄りの場合には,光は脳深部へ入射され,眉間あるいは額での検出光量は小さくなる。このとき,脳活動による血液量変動の振幅は大きくなることが予想されるが,検出光量が小さくなるため,信号対雑音比(S/N比)が小さくなる。よって,鼻孔を通して鼻腔内へ光を入射する場合には,S/N比の面において脳底部を計測するための最適角度が存在する。その角度は,血液動態変動を計測しようとしている部位によって異なる。例えば,ブロードマンの11野の場合と,ブロードマンの46野では異なることが予想される。
そこで,装置本体20により最適角度を決定し,プローブ角度調節機構161によりその角度にプローブ角度を設定することが必要である。よって,例えば,以下のようにプローブ角度を設定する。図18のような表示部30のプローブ角度設定画面例を用いて説明する。まず,ラジオボタン1801で,最適化(最大化)パラメータを選択する。ここでは,「検出光量」あるいは「ヘモグロビン(Hb)信号強度」が選択可能となっている。図18では,「検出光量(Light amplitude)」が選択されている。次に,ラジオボタン1802で,使用データを選択する。ここでは,「今から計測」あるいは「データベースから読み込む」が選択可能となっている。図18では,「今から計測」が選択されている。「今から計測」が選択された場合,順にプローブ角度を手動または自動で設定し,「計測」ボタン1805を押す。計測後,各チャンネルでの計測値1803が画面に表示される。再計測する場合には,「再計測」ボタン1804を押す。各計測の度に,最適化パラメータを考慮し,評価関数の計算を行い,最適角度の判定結果を最適角度判定結果表示部1806に表示する。候補となるプローブ角度を計測終了し,結果を保存する場合には,「保存」ボタン1807,そのまま角度設定を終了する場合には「OK」ボタン1808を押す。尚,ラジオボタン1802で「データベースから読み込む」を選択した場合には,計測しようとする被験者の過去の計測結果を読み込む,あるいは同一年齢層における平均値等を読み込むことで,各チャンネルの計測値が表示され,ラジオボタン1801で選択された最適化パラメータをもとに評価関数の計算が行われ,結果表示部1806にて最適角度の結果が表示される。データベースを用いることで,計測の手間を省くことが可能となる。ここでの評価関数は,例えば全計測チャンネルの平均値を用いることが考えられる。また,各計測チャンネルで,重点的に計測したい脳領域に応じた重み付け和でもよい。
図19に,プローブ角度設定時のフローチャートを示す。
(S1901)最適化パラメータを選択する(例えば,「検出強度」,「眼窩前頭野Hb信号強度」等)。
(S1902)使用データを選択する(例えば,「今から計測」,「データベースから読み込む」等)。
(S1903)「データベースから読み込む」を選択した場合,データベースの読み込み,
(S1904)「今から計測」を選択した場合,照射・受光用プローブの角度の初期値を設定する。
(S1905)計測実施(例えば,眼窩前頭野用課題と前頭極用の課題を共に実施し,複数部位で検出)。
(S1906)信号(例えば,眼窩前頭野の活動)を抽出する。
(S1907)全種類の角度を計測したかどうかの判断。
(S1908)全種類の角度を計測していない場合,次の角度へプローブを設定する。
(S1909)データベースの読み込みを行った場合,あるいは,全種類の角度を計測した場合,最大値をとる角度を選択する。
(S1910)結果を表示部に表示する。
(S1911)結果をデータベースに保存するかの判断。
(S1912)結果をデータベースに保存する場合,保存の実行。
このフローチャートにおいては,一部または全部を装置本体20の制御部により自動で行っても良い。プローブ角度調節機構161として,小型モーター等を用いて角度を自動調整する機構を備え,自動的に各角度に設定して計測を繰り返すことが可能である。また,本計測においても,全角度をスキャンしながら計測,という構成とすることにより,各角度の計測データを解析することができ,より広範囲な脳活動分布を知ることが可能となる。
本実施例のように鼻孔を介して鼻腔内に光を照射し,脳底部の直下の鼻腔内粘膜に直接光を当てる構成では,脳の視床下部・下垂体に対して直接光を照射し,生体情報をモニタすることができる。視床下部は交感神経機能,副交感神経機能,および内分泌機能を調節しており,さらに,摂食・飲水行動,睡眠等の本能行動や,怒りや不安等の情動行動の中枢でもあることが知られており,本発明により視床下部からの生体情報が安定的に得られれば,これらの機能に関連する疾患の診断や,加齢による変化の計測等を行うことが可能となる。下垂体も内分泌機能を調節しており,下垂体の機能低下は,成長ホルモン欠乏症や甲状腺刺激ホルモン欠乏症等を引き起こすことが知られ,また,下垂体腫瘍は,脳内における視神経を圧迫して視力・視野障害を,さらに,視床下部を圧迫して精神障害や意識障害を引き起こすことがあることが知られている。本発明により下垂体における血液動態変動を計測し,経時的にモニタすることができれば,下垂体機能低下に伴う各種疾患を早期診断することが可能となる。この技術は,術中における視床下部・下垂体等の血液動態変動モニタにも使用可能な技術である。視床下部や下垂体の計測の場合には,鼻腔の奥まで,もしくはさらに蝶形骨洞を貫通してプローブを挿入する必要がある場合も考えられる。そのような場合は専門医による操作が必要であるが,術中に頭表面からは計測不能な脳深部を計測できる利点は非常に大きい。fMRIでは鼻腔の存在による磁化率の不均一によって精度良くできない場合があるため,臨床現場においては重要な技術となる。
尚,本実施例では,鼻腔内または鼻腔外に,1つまたは複数の集光器等の光学系を設けて,鼻腔内粘膜上の特定箇所への光の入射および特定箇所からの光を受光可能とする構成としても良い。また,ファイバから出射された光をレンズ等により,鼻孔径よりも小さく集光し,鼻腔内でほぼ均等に光が照射されている状態であれば,角度調整をしなくとも,角度依存性の少ない計測が可能であると考えられる。さらに,鼻腔内において光の照射・検出の位置および角度を微調整するために,観察用内視鏡あるいはイメージファイバを同時に鼻腔内に挿入して鼻腔内をモニタする構成としてもよい。本発明における生体光計測装置が,内視鏡機能を持つプローブあるいはイメージファイバを備えることで,光照射・検出位置の高精度化を実現することができる。内視鏡機能を持つプローブあるいはイメージファイバは,プローブ保持部102に固定され,鼻当て101の効果により被験者10に安定的に固定されるため,オペレータである医師の負担も軽減できる。内視鏡手術用ロボットアームにより直接,光照射・受光プローブの位置および角度を微調整することも可能である。
実施例1〜4において,被験者10の脳活動を計測するために,被験者10に対して刺激を呈示する必要があるが,本発明の計測装置において,プローブ保持部102に固定される視覚刺激呈示用ディスプレイ171あるいは聴覚刺激呈示用イヤホン181を有する構成が図20である。図20は,プローブ保持部102が鼻当てと耳掛けを有する眼鏡フレーム形状であった場合を述べている。眼球の前方に視覚刺激呈示用ディスプレイ171を有し,視覚刺激を被験者10に対して呈示すると同時に,被験者10の脳活動を計測する。または,聴覚刺激呈示用イヤホン181から聴覚刺激を被験者10に対して呈示すると同時に,被験者10の脳活動を計測する。そのほかの刺激呈示手段が備えられていてもよい。脳活動計測時,しばしば刺激の呈示が必要になるため,装置に接続されることで,効率の良い計測が可能である。例えば,視覚刺激呈示ディスプレイが眼球の前方を覆っているときには,他の視覚刺激の影響の大部分を排除することが可能である。つまり,被験者10に対する刺激呈示部の視野角を大きく取ることができる。通常のディスプレイの場合には被験者10に対する視野角は狭いので,周囲の環境を整備して視野に刺激以外の物体が入らないようにする必要がある。また,計測において視覚刺激呈示中,被験者10は通常身動きが制限される。本発明の視覚刺激呈示用ディスプレイ171を用いることで,この視覚刺激呈示装置は被験者10に対して相対的に安定的に固定されているため,被験者10は身動きを取っても良いし,視覚統制のために周囲の環境を特別整備する必要もない。よって本発明の装置のプローブ保持部102が視覚刺激呈示用ディスプレイ171を有することで,脳機能計測を効率化し,より再現性の高い計測を行うことが可能となる。被験者10に対する視覚的な障害物を無くすために,光照射プローブ104と受光プローブ103へ接続する光ファイバ301を,プローブ保持部102に沿わせて被験者10の頭部の後ろ側から光源201あるいは光検出器202あるいは装置本体20へ接続することもできる。または,実施例2で述べたような無線システムにすることによっても,被験者10に対する視覚的な障害物を除くことができる。
本実施例は,実施例1〜5における計測結果の表示の仕方に関するものである。脳底部,特に眼窩前頭野の信号変化の一部は,情動の変化を反映していると考えられる。よってこの眼窩前頭野の活動値,例えば酸素化ヘモグロビン濃度長変化量の移動平均値等を表示することにより,情動の変動をリアルタイムにモニタすることが可能である。さらに,被験者10にさせる課題から情動の種類を予測することにより,被験者10がどのような感情のときに眼窩前頭野の血液動態変動が大きいか,ということがわかるようになる。例えば,食べ物を見せる,あるいは食べ物の匂いを嗅ぐという課題に反応した情動指数は,食欲あるいは味覚に関する情動変化の大きさを表している。また,人の顔の写真を見せるという課題に対する情動指数は,その人に対する印象の強さ,好意・悪意の有無等を反映していると考えられる。さらに,計算負荷等のストレスを与えたときの情動指数は,計算負荷に起因するストレスによる情動変化と考えられる。ここでは,計測点を計3点(ch1, ch2, ch3)とし,前頭極からの信号と前頭眼窩野からの信号を分離したときの,表示部30における各信号変動のモニタ画面の例を図21に示す。図21では,感情変化の原因(ここでは甘み(Sweetness))(2101),信号分離をするべき脳の領域である領域A(2102)と領域B(2103)の名称がそれぞれ前頭極(Frontopolar area),眼窩前頭野(Orbitofrontal area)と記載されている。図21の右側のグラフは生データ(2108)を示しており,各計測点における生データ波形(2109)を,刺激呈示期間(2110)とともに表示している。図21の左側は各脳領域由来の信号を分離したデータ(2104)を示す。上方のヒトの絵の中に,ある時刻における,各計測点のA領域活動値を色の濃淡で表示しており,各計測点の値を線形補間した色で表示している(2105)。同様に,下方のヒトの絵の中に,ある時刻における,各計測点のB領域活動値を色の濃淡で表示しており,各計測点の値を線形補間した色で表示している(2106)。各色と活動値との対応はカラーバー(2107)に示される。この場合,主に感情の変化を表すのは領域B(ここでは眼窩前頭野)の活動値であるから,情動変化を見たい場合には領域Bの変動を見ればよい。頭部表面上では同じ位置でも,脳の複数領域の信号変化の重ね合わせの血液動態変動として信号が得られるので,このように各領域の活動値に分離して表示することは,各課題による,特定の脳領域への影響を調べる上で非常に重要である。例えば,どのような脳活動が表れるか予想のつかない刺激を被験者10に与え,その反応の信号を各脳領域由来信号に分離することにより,刺激そのものの評価を行うことができる。同様に,ある製品を被験者10に使用させたときの各脳領域由来信号は,被験者10のその製品の使用に対する感情を反映する信号のため,製品の評価にも用いることができる。
本実施例は,本発明の生体光計測装置を,脳表層部を計測するための光トポグラフィ装置(例えば特許文献1等)と同時に使用する場合,あるいは,本発明の生体光計測装置が,脳底部を計測するためのプローブに加えて,脳表層部を計測するための頭部装着型光トポグラフィの機能を有する光源・光検出器・光照射プローブ・受光プローブ等を更に有する場合についてである。
図22に,脳底部と他の脳表層部位を同時計測する時の構成図を示す。ここで述べる「脳表層部」とは,脳底部以外の前頭葉,側頭葉,頭頂葉,後頭葉等を指す。脳表層部位あるいは脳底部を計測するときの計測部位の選択図を,図23に示す。実施例1で示したように,脳底部の活動を抽出するときには,前頭極付近(ブロードマンの10野)の活動と分離する必要があるため,脳底部を計測するときには,同時に前頭極付近を計測することになる。図23では,脳表層部,脳底部のどちらか一方,あるいは両方の部位を,入力手段を介して表示部30の表示画面上で選択することが可能である。
両方の部位が選択された場合には,図22の表示部30において,脳底部(眼窩前頭野等)の時系列計測データと,他の脳表層部位の時系列計測データを同時に表示するように制御部により表示制御される。
図24に,脳底部と他の脳表層部位の同時表示の例を示す。図24では,左右側頭部における脳表層部データ(2401)と,前頭極の抽出データ(2402)と,眼窩前頭野の抽出データ(2403)を同時に表示している。カラーバー(2404)に従い,各計測チャンネルの酸素化ヘモグロビンの濃度長変化を白黒の濃淡で表している。
表示方法としては,取得される時系列データを計測チャンネル順に並べるように表示制御する方式を採用しても良いし,制御部により計測点の位置情報に基づいて,計測点のデータ間でスプライン補間等の処理を実施することで2次元マップ表示をしでも良いし,さらには3次元立体表示することも可能である。これらのデータを,MRI,X線CT等による画像データを含む計測データ,あるいは複数のヒトのMRI,X線CTデータの平均データ上に投影して表示するようにしても良い。
脳表層部と脳底部の両方を計測する場合には,脳底部のデータを利用して,脳表層部のデータを評価することが可能である。通常の光脳機能計測においては,被験者の内的な変化(ここでは情動・集中度・意欲等)の影響が無い,あるいはそれらの変化ができるだけ少ない状態で計測を実施することが望ましい。その理由は,集中度が増す等の被験者の内的変化により,同じ刺激に対する血液動態変動の大きさが変化することがあるためである。被験者の情動・集中度・意欲等の内的変化は,本発明の生体光計測装置で計測可能な脳底部(眼窩前頭野)の計測によりモニタする。
図25に,被験者の内的変化を脳機能計測の表示に反映させた例を示す。視覚野と,眼窩前頭野を同時計測した例である。グラフの横軸は時間[sec],縦軸は酸素化ヘモグロビン濃度長変化[mM・mm]である。視覚野の代表計測点データ(2501),眼窩前頭野の代表計測点データ(2502)を表示している。また,これらのデータを用いて制御部により演算した演算結果(2503)も同一画面上に表示できる。ここでは,眼窩前頭野を計測したデータの一次微分値を求め,その値を被験者の内的変化の評価値とし,眼窩前頭野計測データの一次微分値が正(あるいは,例えば0.1以上)のときは黒の太線,一次微分値が負(あるいは,例えば-0.1以下)のときは白の太線を用いて,視覚野の計測データを表示するものとしている。
よって波形は最も上のグラフに表示した視覚野の計測データと一致する。この表示により,視覚野の計測時の各時刻における,被験者の情動・集中度・意欲等の変化(内的変化)を把握することが可能となる。例えば,この例では,太線が無い状態(一次微分が0,あるいは0に近いとき,つまり内的変化が小さい状態)における視覚野データは,内的変化の影響をあまり受けていない視覚野活動のデータである。このように視覚的変化(色分け等)をもたらすように制御することで,被験者の情動・集中度・意欲等の変化(内的変化)を把握することがさらに容易になる。
この方法を用いることにより,必要に応じて制御部が,一次微分値が所定の閾値以上の場合には内的変化の影響を多く含んだデータであると判定して当該内的変化の影響を多く含んだデータを除去するということができる。また,この演算方法に拠らなくても,例えば単純に眼窩前頭野のデータを差し引く等の演算結果を表示することで,被験者の内的変化が脳表層部における血液動態変動に与える影響を評価できるようにしてもよい。ここでは視覚野の例を示したが,他の脳表層部位であっても良い。
従来は脳機能計測の前あるいは後に,被験者にアンケートを実施することで計測中の主観的な気分状態を把握していたが,各時刻の気分状態の変動は把握できなかった。本発明を用いて,脳表層部の脳機能計測中の情動変化をリアルタイムにモニタすることが可能になり,より正確に被験者の気分状態変化を把握した上で,脳機能計測を行うことが可能となる。
尚,本実施例においては被験者の内的変化により脳表層部における血液動態変動が影響を受けることを仮定しているが,実際には感情や意欲などの内的変化と,脳血液動態の変動は相互作用的な関係にあると考えられる。例えば,被験者にさせる課題の種類や負荷の大きさ等により,意欲増大/減退等の被験者の内的変化を誘発することも考えられる。脳底部データあるいは脳底部データの一次微分値と脳表層部データを用いた相関解析,各信号の位相差の解析等を制御部において実行することにより,被験者が行う課題(被験者に呈示される刺激)と情動変化との関係を視覚的に表示して,評価することが可能となる。
本発明により,光を用いた脳血液量計測装置において,脳深部・底部への再現性良く安定的に光を照射することが可能となり,ヒトの情動変化等を反映する脳深部・底部の脳血液量の変動を計測することが可能となる。
10:被験者
20:装置本体
30:表示部
40:刺激呈示部
101:鼻当て
102:プローブ保持部
103a〜103c:受光プローブ
104:光照射プローブ
105:耳掛け
111:プローブ
112:プローブ支持部材
113:圧縮ばね
121:ボルト状プローブ
122:ナット状つまみ
123:ナット押さえ部材
131:保持バンド
150:遠隔制御装置
151:無線制御装置
161:プローブ角度調節機構
171:視覚刺激呈示用ディスプレイ
181:聴覚刺激呈示用イヤホン
191:眼球保護板
201:光源
202a〜202c:光検出器
301a〜301d:光ファイバ
401a〜401c:機械的スイッチ(接触センサ)
500:脳底部
501:入射光
502:検出光
1801:ラジオボタン
1802:ラジオボタン
1803:各チャンネルでの計測値
1804:「再計測」ボタン
1805:「計測」ボタン
1806:最適角度判定結果表示部
1807:「保存」ボタン
1808:「OK」ボタン
2101:感情変化の原因入力(例:甘味)
2102:領域Aの名称(例:前頭極)
2103:領域Bの名称(例:眼窩前頭野)
2104:領域分離データ
2105:領域Aの各計測点の活動値
2106:領域Bの各計測点の活動値
2107:活動値を表すカラーバー
2108:計測生データ
2109:計測点における生データ波形
2110:刺激期間
2401:左右側頭部における脳表層部データ
2402:前頭極の抽出データ
2403:眼窩前頭野の抽出データ
2404:カラーバー
2501:視覚野の代表計測点データ
2502:眼窩前頭野の代表計測点データ
2503:演算結果。

Claims (21)

  1. 1つまたは複数の光源と,
    前記1つまたは複数の光源の光を被験体へ照射するための1つまたは複数の光照射プローブと,
    前記1つまたは複数の光照射プローブから照射され前記被検体を伝播または反射した光を受光するための1つまたは複数の受光プローブと,
    前記1つまたは複数の受光プローブで受光した光を光電変換するための1つまたは複数の光検出器と,
    前記1つまたは複数の光照射プローブと前記1つまたは複数の受光プローブを保持するためのプローブ保持部と,
    前記プローブ保持部を前記被験体の鼻において支持するための保持手段と、
    前記プローブ保持部の前記被験体への設置状態を判定するための設置状態センサとを有することを特徴とする生体光計測装置。
  2. 前記1つまたは複数の光検出器によって光電変換されたアナログ信号をアナログ−デジタル変換するためのアナログ−デジタル変換器と,
    前記アナログ−デジタル変換器の出力から,前記被験体の生体情報を演算・解析する演算部と,
    前記演算部による演算結果を一時的に記憶するための記憶部と,
    前記演算部による演算結果を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  3. 前記1つまたは複数の光照射プローブ,または前記1つまたは複数の受光プローブが,
    前記被験体の鼻腔内で光を照射あるいは検出するために前記被験体の鼻腔内に設置され,
    あるいは鼻腔内でなくても鼻腔外から,鼻孔を通して鼻腔内に光を照射あるいは鼻腔内からの光を検出するために前記被験体の鼻腔外に設置され,
    前記プローブ保持部が,前記1つまたは複数の光照射プローブ,または前記1つまたは複数の受光プローブの,光照射方向あるいは光検出方向を調節するためのプローブ角度調節部を有することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  4. 前記アナログ−デジタル変換器から前記表示部の間のデータ通信手段として,少なくとも一つの無線通信手段を用いることを特徴とする請求項2記載の生体光計測装置。
  5. 前記1つまたは複数の光源はLEDまたは半導体レーザであることを特徴とする請求項2記載の生体光計測装置。
  6. 前記1つまたは複数の光照射プローブは,前記1つまたは複数の受光プローブの下方に設置されることを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  7. 前記1つまたは複数の光源と前記1つまたは複数の光照射プローブの間,または前記1つまたは複数の光検出器と前記1つまたは複数の受光プローブの間には,光学的な導波路を有することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  8. 前記光学的な導波路が光ファイバであることを特徴とする請求項記載の生体光計測装置。
  9. 前記プローブ保持部が眼鏡フレーム型,またはバンド型,またはサンバイザー型,または帽子型,または粘着シール型であることを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  10. 前記プローブ保持部は,耳掛けを有することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  11. 前記プローブ保持部は,前記1つまたは複数の光照射プローブ,または前記1つまたは複数の受光プローブが,前記被験体の皮膚に対しておよそ垂直に,接触または接触に近い状態になるようなプローブ挿入口を有することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  12. 前記1つまたは複数の光照射プローブ,または前記1つまたは複数の受光プローブと,前記被験体との距離を調整するための距離調節機構を有することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  13. 前記設置状態センサは圧力センサ,または光センサ,または機械的スイッチであることを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  14. 1つまたは複数の光源と,
    前記1つまたは複数の光源の光を被験体へ照射するための1つまたは複数の光照射プローブと,
    前記1つまたは複数の光照射プローブから照射され前記被検体を伝播または反射した光を受光するための1つまたは複数の受光プローブと,
    前記1つまたは複数の受光プローブで受光した光を光電変換するための1つまたは複数の光検出器と,
    前記1つまたは複数の光照射プローブと前記1つまたは複数の受光プローブを保持するためのプローブ保持部と,
    前記プローブ保持部は,
    前記1つまたは複数の光照射プローブ,または前記1つまたは複数の受光プローブが,前記被験体の皮膚に対しておよそ垂直に,接触または接触に近い状態になるようなプローブ挿入口と、
    前記プローブ挿入口の開口径を電磁的に変化させる機構を有することを特徴とする生体光計測装置。
  15. 前記被験体に対して刺激を呈示するための刺激呈示手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  16. 前記刺激呈示手段は,前記被験体に映像を呈示するためのディスプレイ,あるいは音声を呈示するためのイヤホン等の音声発生器であることを特徴とする請求項15記載の生体光計測装置。
  17. 前記演算部は,前記被験体の1つまたは複数の脳部位から発生した生体情報を分離および識別し,
    前記表示部は,各脳部位からの信号を分けて表示することを特徴とする請求項2記載の生体光計測装置。
  18. 前記1つまたは複数の光照射プローブと,前記1つまたは複数の受光プローブとの略中点である計測位置が,異なる位置に3箇所以上あることを特徴とする請求項17記載の生体光計測装置。
  19. 前記1つまたは複数の光照射プローブ,または前記1つまたは複数の受光プローブと,前記被験体との間に,
    1つまたは複数の集光器を有することを特徴とする請求項1に記載の生体光計測装置。
  20. 1つまたは複数の光源と,
    前記1つまたは複数の光源の光を被験体へ照射するための1つまたは複数の光照射プローブと,
    前記1つまたは複数の光照射プローブから照射され前記被検体を伝播または反射した光を受光するための1つまたは複数の受光プローブと,
    前記1つまたは複数の受光プローブで受光した光を光電変換するための1つまたは複数の光検出器と,
    前記1つまたは複数の光照射プローブと前記1つまたは複数の受光プローブを保持するためのプローブ保持部と,
    前記プローブ保持部を前記被験体の鼻において支持するための保持手段を有し、
    前記プローブ保持部は,前記被験者の眼球を保護するための,着脱可能な保護板を有することを特徴とする生体光計測装置。
  21. 前記プローブ保持部に固定され,前記被験体の鼻腔・副鼻腔あるいは口腔に挿入可能な内視鏡機能を持つプローブを有することを特徴とする請求項3記載の生体光計測装置。
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