JP5145266B2 - 固体高分子形燃料電池システム及びその余寿命推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池システム及びその余寿命評価方法に関する。
固体高分子電解質形燃料電池(以下「固体高分子形燃料電池」という。)は、スルホン酸基等のようなプロトン(H+)伝導性基を有するフッ素樹脂等からなる固体高分子膜(以下「高分子膜」という。)を燃料極及び酸化極で挟んだ高分子膜電極接合体(セル)を複数積層してスタックを構成し、水素(H2)を含有する燃料ガスを燃料極膜側に供給すると共に、酸素(O2)を含有する酸化剤ガスを酸化極膜側に供給し、前記高分子膜を介して水素及び酸素を電気化学的に反応させることにより、電力を得ることができるようになっている。
ところで、従来の固体高分子形燃料電池においては、上述した反応等の際に過酸化水素(H22)等の副反応物質が前記電極膜近傍で発生しやすい。また、燃料極側に供給した燃料ガスの一部が前記高分子膜を透過して酸化極側に到達することや、酸素極側に供給した酸化剤ガスの一部が前記高分子膜を透過して燃料極側に到達する、いわゆるクロスオーバーを起こしやすかった。このようにして生成する過酸化水素と、クロスオーバーによって流入する前記ガスとが前記電極中の触媒近傍で共存してしまうと、当該過酸化水素からヒドロキシラジカル(・OH)が生成してしまうということが新たに明らかになった。
このようにして生成したヒドロキシラジカルは、高分子膜と反応して、高分子膜を分解し劣化させ(以下「破壊」という)、高分子膜が減肉してしまうという問題がある。
ここで、図17は、燃料電池の運転時間に対する高分子膜の膜厚変化を示す膜厚曲線のグラフである。図18は、燃料電池の運転時間に対するセル電圧及びクロスオーバー量の変化を示すグラフである。
図17に示すように、運転時間の経過に伴い、前記劣化によって高分子膜の膜厚が減少しているのが確認される。
前記膜厚曲線は、セル電圧曲線に比例し、図18に示すセル電圧(左側縦軸)と運転時間(横軸)、クロスオーバー量(右側縦軸)と運転時間(横軸)との関係に示すように、クロスオーバー量が増加するに伴い、セル電圧曲線の低下が激しくなっている。前記クロスオーバー量とは例えば一方の電極(例えば燃料極)膜側から他方の電極(酸化極)膜側へのガスの透過速度をいう。透過するガスが水素の場合には水素クロスオーバー量といい、ガスが酸素の場合には酸素クロスオーバー量という。
このクロスオーバー量は、ある閾値を超えると急激に増加し、電池電圧が急激に低下するため、短時間で発電の継続が困難となるという問題がある。
そこで、従来において、例えば固体高分子形燃料電池の単電池に対して、開回路放置試験とクロスオーバー量測定試験とを交互に繰り返し、クロスオーバー量が所定値に達するまでに、燃料電池本体から排出されたフッ素の積算量を求め、発電試験において排出されるフッ素の排出速度を求め、前記フッ素の積算量と前記フッ素の排出速度とに基づいて、高分子膜の寿命を算出することが提案されている。ここで、クロスオーバー量の算出は、例えばガスクロマトグラフ等の水素検出部による検出値に基づき算出し、フッ素濃度は例えばイオンクロマトグラフ等により排ガスのドレン中のフッ素濃度を計測し、共にオフラインで行っている(特許文献1)。
特開2007−311027号公報
しかしながら、特許文献1の提案では、高分子膜の破壊に伴い放出される高分子膜の構成成分の一つであるフッ素の量と、高分子膜の破壊に関係するクロスオーバー量を共に、独立した系において分析することを必要としている。また、当該分析はオフラインにて評価するものであるため、対象とする高分子形燃料電池システムの運転条件の変化に応じた高精度での寿命評価を行い得ない。
本発明は、前記問題に鑑み、オンラインで燃料電池本体の寿命の予測を実施することができる固体高分子形燃料電池システム及びその余寿命推定方法を提供することを目的とする
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、固体高分子膜を燃料極と酸化極とで挟んだセルを備える燃料電池本体と、前記燃料極膜側に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記酸化極膜側に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池本体から排出される燃料ガス側のドレン及び酸化剤ガス側のドレンの少なくとも一方を含むドレンの導電率を計測するドレン導電率計測器と、前記ドレン導電率計測器が計測したドレン導電率を基に余寿命を推定する演算処理装置と、を有し、前記演算処理装置は、計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定すると共に、ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を更に具備し、前記演算処理装置は、ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システムにある。
の発明は、第1の発明において、ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を具備し、前記演算処理装置は、計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システムにある。
の発明は、第1又は2の発明において、燃料電池本体の燃料ガス入口側のCOガス濃度を計測するCOガス濃度計を更に具備し、前記演算処理装置は当該COガス濃度も考慮して余寿命を推定する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システムにある。
の発明は、第1乃至のいずれか一つの発明において、警報を出力してシステムを停止する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システムにある。
の発明は、第1の発明において、前記演算処理装置は、計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定すると共に、ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を更に具備し、前記演算処理装置は、計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、更に、前記演算処理装置は、前記ドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量することを特徴とする固体高分子形燃料電池システムにある。
の発明は、第1の発明において、ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を更に具備し、前記演算処理装置は、ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定すると共に、前記演算処理装置は、計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、更に、前記演算処理装置は、前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システムにある。
の発明は、固体高分子形燃料電池の余寿命を推定する余寿命推定方法であって、前記燃料電池本体から排出される燃料ガス側のドレン及び酸化剤ガス側のドレンの少なくとも一方を含むドレンの導電率を計測し、前記計測したドレン導電率を基に余寿命を推定すると共に前記計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定し、更に、燃料電池本体から排出されるドレン排出量を計測し、前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法にある。
の発明は、第の発明において、更に、燃料電池本体から排出されるドレン排出量を計測し、前記計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法にある。
の発明は、第7又は8の発明において、燃料電池本体の燃料ガス入口側のCOガス濃度を計測するCOガス濃度計を更に具備し、前記演算処理装置は当該COガス濃度も考慮して余寿命を推定する、ことを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法にある。
10の発明は、第乃至のいずれか一つの発明において、警報を出力してシステムを停止することを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法にある。
11の発明は、第の発明において、前記計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定すると共に、燃料電池本体から排出するドレン排出量を計測し、前記計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、更に、前記ドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量することを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法にある。
12の発明は、第の発明において、燃料電池本体から排出するドレン排出量を計測し、前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定すると共に、前記計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、更に、前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量することを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法にある。
本発明によれば、燃料電池本体から排出されるドレン中の導電率からフッ素溶出濃度を求め、これにより高分子膜の余寿命を推定することにより、オンラインで燃料電池本体の余寿命を求めることができ、燃料電池本体の安定・安全運転を行っていくための対策(例えば運転条件の変更や劣化したセルの取替え等)を的確に行うことができる。
また、ドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に、余寿命を推定することもできる。
また、フッ素溶出濃度とドレン排出量とから累積フッ素溶出量を求めて、余寿命を推定することもできる。
また、ドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定することもできる。
さらに、燃料ガス入口側のCOガス濃度を計測し、COガスの影響を考慮した余寿命を推定することができる。
図1は、実施例1の固体高分子形燃料電池の余寿命計測装置の概略図である。 図2は、ドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係図である。 図3は、平均的運転条件における運転時間とフッ素溶出濃度との関係図である。 図4は、実施例1の余寿命推定の工程図である。 図5は、運転時間とフッ素溶出濃度変化率との関係図である。 図6は、実施例2の余寿命推定の工程図である。 図7は、実施例2の固体高分子形燃料電池の余寿命計測装置の概略図である。 図8は、運転時間と累積フッ素溶出量との関係図である。 図9は、実施例2の余寿命推定の工程図である。 図10は、運転時間と推定膜厚との関係図である。 図11は、実施例2の他の余寿命推定の工程図である。 図12は、実施例3の固体高分子形燃料電池の余寿命計測装置の概略図である。 図13は、COガス濃度の相違による運転時間とフッ素溶出濃度との関係図である。 図14は、単セルの燃料ガス中のCO濃度の変化を示す図である。 図15は、CO濃度を考慮した、運転時間とフッ素溶出濃度変化率との関係図である。 図16は、CO濃度を考慮した、運転時間と推定膜厚との関係図である。 図17は、運転時間と高分子膜厚との関係図である。 図18は、運転時間に対するセル電圧及びクロスオーバー量の関係図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例に係る固体高分子形燃料電池システム及びその余寿命の推定方法について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る固体高分子形燃料電池システムの概略図を示す。図2は、ドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係図である。図3は、平均的運転条件における運転時間とフッ素溶出濃度との関係図である。図4は、実施例1の余寿命推定の工程図である。
図1に示すように、本実施例に係る固体高分子形燃料電池システム10Aは、固体高分子電解質膜を燃料極と酸化極とで挟んだセルを備える燃料電池本体11と、前記燃料極側に燃料ガス(例えば水素(H2))12を供給する燃料ガス供給手段13と、前記酸化極側に酸化剤ガス(例えば酸素(O2))14を供給する酸化剤ガス供給手段15と、燃料電池本体11から排出する燃料ガス側のドレン12a及び酸化剤ガス側のドレン13aの両方のドレン16(12a、13a)の導電率を計測するドレン導電率計測器17と、ドレン導電率を基に、余寿命を推定する演算処理装置(CPU)20と、を有するものである。ここで余寿命は固体高分子形燃料電池システム全体に対するものを意味するが、実質的には後述の理由により高分子膜そのものに対するものを意味する。
高分子膜の破壊に伴い高分子膜の成分の一つであるフッ素イオンがドレン中に溶出する。図2に示すように、ドレン導電率(δ)はドレン中のフッ素溶出濃度(f)と相関を有する。即ち、高分子膜の破壊が進むことによりドレン導電率は増加する。このため、ドレン導電率計測器17によりドレン導電率を求めることにより、高分子膜の破壊状況を把握できることとなる。
図3に、平均的運転条件における運転時間(t)とフッ素溶出濃度(f)との関係を示す。ここで平均的条件とは、対象とする固体高分子形燃料電池システムで、使用環境条件(温度、湿度等)にて所定出力(例えば当該使用体系における平均出力)で定常運転を行う場合が例示される。本関係は予め対象体系において把握しておく必要がある。但し、必ずしも体系毎における長時間の発電試験を行う必要はなく、類似体系における従来取得データを組み合わせるなどして設定したものでも構わない。
図3に示すように、フッ素溶出濃度(f)は、運転中、長期間に亘りほぼ一定の濃度を保つ。これは運転に伴い高分子膜が破壊されることによりフッ素イオンがドレン中に溶出するが、破壊が低いペースで進むこと及び電気化学的反応量もほぼ一定であることに基づく。
しかし、その際も高分子膜は破壊されて減肉が進行するため、運転に伴いクロスオーバー量は徐々に増加する。本クロスオーバー量の増加は、燃料ガスと酸化剤ガスの電気化学的反応量の低下に繋がると共に、前述のプロセスにより高分子膜の破壊を加速することとなる。このため電気化学的反応量の低下、つまりドレン量の低下と、高分子膜の破壊の進行によるフッ素溶出量の増加により、運転時間が一定時間を経過した後は、結果的にフッ素溶出濃度は増加する傾向を示す。
つまり、固体高分子形燃料電池は、フッ素溶出濃度がほぼ一定の間はセル電圧が一定を保つ安定運転を行い得るが、フッ素溶出濃度の増加に伴いセル電圧の低下を招来して安定運転を行えなくなる。また、最終的にはセル電圧の低下に留まらず高分子膜の破壊により運転不能となる。
このため、予め設定した許容フッ素溶出濃度と、各計測時点(t1)におけるフッ素溶出濃度を比較することにより、余寿命を評価することが可能になる。当該許容フッ素濃度は、例えばセル電圧とフッ素溶出濃度の関係を基に、高分子膜が破壊されることなく且つ使用環境において許容される程度のセル電圧が得られる条件として、事前に求めておくこととなる。
具体的手順を説明する。前記ドレン導電率計測器17により、ドレン16における導電率を計測する。この後に、演算処理装置では、予め求めた図2のようなドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係から、計測時点(t1)でのフッ素溶出濃度(f1)を求める。
図3において、運転開始に伴い、フッ素溶出濃度(f)は長時間に亘りほぼ一定の濃度を保つが、ある時点から徐々に増加する傾向を示す。本図において計測時点 (t1)におけるフッ素溶出濃度(f1)から、平均的運転条件における換算運転時間(T1)を求める。
また、予め設定した許容フッ素溶出濃度(fmax)と、図3に示す関係からは、平均的運転条件における高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)が得られる。
演算処理装置20で高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)と換算運転時間(T1)の差分を取る。当該差分は、計測時点(t1)における余寿命(T)に相当する。
このように、本実施例では、ドレン導電率を基に、高分子形燃料電池システムにおける余寿命を推定することとしているため、オンラインにて、出力調整等といった装置運転履歴に依存することなく、余寿命を高精度で推定することとなる。このため、高分子形燃料電池システムを適用した系の運転を連続的に行いながら、実履歴をも踏まえた精度の高い余寿命の判断が可能となる。
次に、図4を参照して、計測したドレン導電率から固体高分子形燃料電池の余寿命を推定する余寿命評価方法について、具体的に説明する。
本実施例に係る余寿命推定方法は、以下の工程により行う。
(工程1) 第1の工程では、燃料電池本体11から排出する燃料ガス12側及び酸化剤ガス13側のドレン16の導電率を計測し、この導電率の値が演算処理装置20に入力される(S1)。
(工程2) 第2の工程では、演算処理装置20は、予め求めたドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係を示す検量線(図2参照)を用いて、計測時点(t1)でのドレン導電率(σ1)からフッ素溶出濃度(f1)を求める(S2)。
(工程3) 第3の工程では、演算処理装置20は、平均的運転条件にて予め求めたドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係を示す検量線(図3参照)及び前記フッ素溶出濃度(f1)を基に、計測時点(t1)での平均的運転条件における換算運転時間(T1)を求める(S3)。
(工程4) 第4の工程では、演算処理装置20は、予め設定した許容フッ素溶出濃度(fmax)と前記図3の関係から求まる高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)と、前記換算運転時間(T1)の差分を求めて、計測時点(t1)における余寿命(T)を推定する(S4)。
なお、本工程に対して更に以下の工程を付け加えることが望ましい。
(工程5) 第5の工程では、演算処理装置20は、求めた余寿命が閾値未満か否かを判定する(S5)。当該閾値は、例えば計測誤差に基づき予測される変動値を勘案の上で設定する。
(工程6) 第6の工程では、演算処理装置20は、判定の結果閾値以上と判定(No)した場合、警報を出力する(S6)。
これに対し、演算処理装置20は、判定の結果閾値未満と判定(Yes)した場合には、所定時間経過後に再度計測する(S7)。
ここで、警報とは、例えば運転条件の変更や劣化したセルの取替え等の対策の指示情報を表示等するものであるが、これらに限定されるものではない。
なお、本実施例において、ドレン導電率の計測対象として燃料ガス12側と酸化剤ガス13側とを混合したドレン(12a、13a)16を用いて場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方のドレンに限定してもよい。但し、電気化学反応は主に酸化極側にて発生するため、ドレンの発生及び高分子膜の破壊も主に酸化極側にて発生するため、分解により高分子膜から放出されるフッ素のドレンへの溶出量を把握するには、少なくとも酸化極側のドレンを含む位置でドレン導電率の計測を行うことが望ましい。
以上説明のとおり、本発明によれば、高分子膜の劣化が進行した場合においても、排出されるドレンの導電率の測定にもとづき余寿命を推定するため、比較的簡素な体系にて高分子形燃料電子システムの余寿命評価を高精度で実施可能となる。
また、本発明によれば、オンラインでの余寿命評価が可能になるため、燃料電池システムの安全性をより高く確保することができる。
また、本発明によれば、ドレン導電率計測器を設置するという簡易な構成で余寿命評価が可能になるため、システム全体を低価格で実現することができる。
なお、本実施例において、ドレン導電率を一旦フッ素溶出濃度値に変換した上で余寿命評価を行う場合について説明した。しかし、前述のように、計測を行ったドレン導電率そのものが高分子膜破壊状況と相関を有することから、本発明は必ずしも前記本変換を行わなくても成立する。例えば、図3に相当する運転時間とドレン導電率の関係を事前に把握しておき、当該関係と計測時点におけるドレン導電率と事前に設定した許容ドレン導電率の各々の関係を比較することで、本発明は実施可能である。この場合、評価プロセス(例えば段落「0047」における(工程2)参照)が前述内容に対して割愛できることから、より簡素にシステムが構築できると共に、誤差が重畳することがなくなり、より精度高く評価を行い得る。
本発明による実施例に係る固体高分子形燃料電池システム及び余寿命の推定方法について、図面を参照して説明する。図5は、平均的運転条件における運転時間とフッ素溶出濃度変化率との関係図である。図6は、実施例2の余寿命推定の工程図である。
基本構成は実施例1と同一であり、計測を行ったドレン導電率(σ)を基にフッ素溶出濃度(f)を求めること及び図3に相当する曲線を事前に準備する点までは実施例1と同一である。
但し、本実施例においては、前記フッ素溶出濃度の時間変化率も併せて評価を行う。
前述のように、フッ素溶出濃度(f)は、運転中、長期間に亘りほぼ一定の濃度を保つが、その後に急激に増加する傾向を示す。このため、図3に相当する曲線においてプラトー部分ではフッ素溶出濃度の時間変化率はほぼ0に近く、当該曲線の立ち上がり部分以降では急激に微分値が変化することとなる。
このため、図3における運転時間とフッ素溶出濃度の時間変化率の関係を事前に求めておく(図5参照)。計測時点 (t1)におけるフッ素溶出濃度の時間変化率(df1/dt)を図5に示す関係と比較することにより、計測時点(t1)における、平均的運転条件での換算運転時間(T1)を求める。
また、実施例1と同様に予め設定した許容フッ素溶出濃度を基に、図5から当該濃度における許容フッ素溶出濃度変化率(df/dtmax)を求める。本結果と、図5に示す関係からは、平均的運転条件における高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)が得られる。
演算処理装置20で高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)と換算運転時間(T1)の差分を取る。当該差分は、計測時点(t1)における余寿命(T)に相当する。
前述のように寿命に至る前には急激にフッ素溶出濃度が増加する。このため、寿命判断の指標には、高分子膜の破壊状況をより顕著に示すフッ素溶出濃度変化率を用いることで、余寿命評価をより高精度で評価することが可能となる。
本実施例は、図3のプラトー部分におけるフッ素溶出濃度と、許容フッ素溶出濃度の絶対値の差が小さい場合に特に有効である。
次に、図6を参照して、上述したフッ素溶出濃度変化率から余寿命を推定する固体高分子形燃料電池の余寿命を推定する余寿命評価方法について、具体的に説明する。
本実施例に係る余寿命推定方法は、以下の工程により行う。
(工程1) 第1の工程では、燃料電池本体11から排出する燃料ガス12側及び酸化剤ガス13側のドレン16の導電率を計測し、この導電率の値が演算処理装置20に入力される(S11)。
(工程2) 第2の工程では、演算処理装置20は、予め求めたドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係を示す検量線(図2参照)を用いて、計測時点(t1)でのドレン導電率(σ1)からフッ素溶出濃度(f1)を求める。更に当該計測時点におけるフッ素溶出濃度変化率(df1/dt)を求める(S12)。
(工程3) 第3の工程では、演算処理装置20は、平均的運転条件にて予め求めたドレン導電率変化率とフッ素溶出濃度変化率との関係を示す検量線(図5参照)を基に、計測時点(t1)での平均的運転条件における換算運転時間(T1)を求める(S13)。
(工程4) 第4の工程では、演算処理装置20は、予め設定した許容フッ素溶出濃度変化率(df/dtmax)と前記図5の関係から求まる高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)と、前記換算運転時間(T1)の差分を求めて、計測時点(t1)における余寿命(T)を推定する(S14)。
なお、本工程に対して更に以下の工程を付け加えることが望ましい。
(工程5) 第5の工程では、演算処理装置20は、求めた余寿命が閾値未満か否かを判定する(S15)。当該閾値は、例えば許容フッ素溶出濃度変化率に対して計測誤差に基づき予測される変動値を勘案の上で安全側に設定する。
(工程6) 第6の工程では、演算処理装置20は、判定の結果閾値以上と判定(No)した場合、警報を出力する(S16)。
これに対し、演算処理装置20は、判定の結果閾値未満と判定(Yes)した場合には、所定時間経過後に再度計測する(S17)。
ここで、警報とは、例えば運転条件の変更や劣化したセルの取替え等の対策の指示情報を表示等するものであるが、これらに限定されるものではない。
高分子形燃料電子システムの系及び運転条件によっては、フッ素溶出濃度が増加する傾向に至った後に著しく短時間で寿命に至る。この場合はフッ素溶出濃度変化率に増加傾向に見られた時点で装置保護対応を行うことが現実的である。よって、前記閾値はフッ素養出濃度変化率が増加し始めた段階、例えば、計測誤差に起因する因子を考慮した上で、0よりも多少大きな値に設定することが望ましい。
以上具体的に説明したように、本実施例によれば、実施例1に対して更に高精度にて固体高分子形燃料電池システムの余寿命評価を行い得ることとなる。
なお、本実施例において、実施例1と同様に、ドレン導電率の計測対象として燃料ガス12側と酸化剤ガス13側とを混合したドレン(12a、13a)16を用いて場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方のドレンに限定してもよい。但し、電気化学反応は主に酸化極側にて発生するため、ドレンの発生及び高分子膜の破壊も主に酸化極側にて発生するため、分解により高分子膜から放出されるフッ素のドレンへの溶出量を把握するには、少なくとも酸化極側のドレンを含む位置でドレン導電率の計測を行うことが望ましい。
また、本実施例において、実施例1と同様に、ドレン導電率を一旦フッ素溶出濃度値に変換した上で余寿命評価を行う場合について説明した。しかし、前述のように、計測を行ったドレン導電率そのものが高分子膜破壊状況と相関を有することから、本発明は必ずしも前記本変換を行わなくても成立する。例えば、図3に相当する運転時間とドレン導電率の関係を事前に把握しておき、当該関係と計測時点におけるドレン導電率と事前に設定した許容ドレン導電率の各々の関係を比較することで、本発明は実施可能である。この場合、評価プロセスが前述内容に対して割愛できることから、より簡素にシステムが構築できると共に、誤差が重畳することがなくなり、より精度高く評価を行い得る。
また、判定に際しては、セル電圧の低下を考慮して、余寿命の推定精度を向上させるようにしてもよい。これは、高分子膜の劣化の進行に伴い、セル電圧の低下が促進されるからである。
更に、セル抵抗の減少を考慮して、余寿命の推定精度を向上させるようにしてもよい。これは、高分子膜の厚みの減少に伴い、セル抵抗の減少が促進されるからである。
本発明による実施例3に係る固体高分子形燃料電池システム及び余寿命の推定方法について、図面を参照して説明する。
図7は、実施例3に係る固体高分子形燃料電池システムの概略図を示す。図8は、運転時間と累積フッ素溶出量との関係図である。図9は、実施例3の余寿命推定の工程図である。
図7に示すように、本実施例に係る固体高分子形燃料電池システム10Bは、実施例1及び2の固体高分子形燃料電池システムにおいて、更に、ドレン排出量計測器18を設け、ドレン導電率から換算して求めたフッ素溶出濃度とドレン排出量とから累積フッ素排出量を計測している。
すなわち、本実施例では、実施例1及び2と同様に、図2に示す予め求めたドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係を示す検量線を用いて、計測時点(t1)でのドレン導電率(σ1)からフッ素溶出濃度(f1)を求める。
次いで、求めたフッ素溶出濃度(f1)とドレン排出量(v1)とから、下記式(1)により累積フッ素溶出量(F1)を求める。
F=Σ(フッ素溶出濃度(f)×ドレン排出量(v))…(1)
これにより、運転の経過による高分子膜の劣化に伴って排出された累積フッ素溶出量が求められる。なお、溶出したフッ素の一部はドレン導電率計測位置に至るまでの構成要素部に付着する場合もあるため、上記式に基づき算出した累積フッ素溶出量は高分子膜から放出された全フッ素量とは必ずしも一致はしないが、高分子膜の破壊に相関がある数値であることは変わりない。
図8に平均的運転条件における運転時間と累積フッ素溶出量の関係を示す。本図は事前に用意するものであり、例えば図3に示した関係を基に、前述の式を当てはめることで得られる。平均的運転条件とは実施例1に示した内容と同一である。本図には全体として右上がりの傾向を示す場合を例にして示している。これは、前述のように高分子膜の破壊の進行に伴い電気化学的反応量が低下すること、クロスオーバーが拡散現象に基づくため時間遅れがあることなどによる。但し、高分子膜の破壊の進行は、例えば局所的に進行する場合と比較的一様に進行する場合があり、各々で図8に示す関係は異なってくる。
以下に、本実施例の具体的手順を説明する。前記ドレン導電率計測器17により、ドレン16における導電率を計測する。この後に、演算処理装置20では、予め求めた図2のようなドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係から、任意の計測時点(t)でのフッ素溶出濃度(f)を求める。本結果を基に式(1)により、ある計測時点(t1)での累積フッ素溶出量(F1)を求める。
この累積フッ素溶出量(F1)から、計測時点(t1)における、平均的運転条件での換算運転時間(T1)を求める。
また、予め設定した許容フッ素溶出量(Fmax)と、図8に示す関係から、平均的運転条件における高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)が得られる。
演算処理装置20で高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)と換算運転時間(T1)の差分を取る。当該差分は、計測時点(t1)における余寿命(T)に相当する。
固体高分子形燃料電池システムを使用する系で負荷変動が大きい場合、例えば電子レンジ等を頻繁に使用する環境では、当該システムでの出力も変動する。これは、電気化学的反応量が変動することを意味し、結果的にドレン量も変動を生じる。ドレン量は、電気化学的反応に伴い排出されることから、電気化学的反応の変動に対して時間遅れなく変動する。一方でフッ素溶出の要因たるクロスオーバーは高分子膜における拡散現象のため時間遅れを生じる。このため、負荷変動が大きい系に適用する場合には、ドレン導電率またはそれに起因する量(溶出フッ素濃度、溶出フッ素濃度変化率)だけを基に判断すると、寿命把握は精度高く行えない場合がある。この点、本実施例のように、ドレン量も含めて評価することで、負荷変動が大きい環境においても精度高く余寿命の評価を行いえるようになる。
即ち、本発明では、実際の負荷変動も考慮した評価が可能になり、実施例1及び2よりも更に精度の高い余寿命の推定が可能となり、燃料電池システムの安全性を確保することができる。
次に、図9を参照して、上述したフッ素溶出量から余寿命を推定する固体高分子形燃料電池の余寿命を推定する余寿命評価方法について、具体的に説明する。
上述した累積フッ素溶出量からの余寿命推定方法(図8に対応する方法)は、以下の工程により行う。
(工程1) 第1の工程では、燃料電池本体11から排出する燃料ガス側及び酸化剤ガス側のドレン16の導電率及びドレン排出量を計測し、この導電率の値が演算処理装置20に入力される(S21)。
(工程2) 第2の工程は、演算処理装置20は、予め求めたドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係を示す検量線を用いて、計測時点(t1)でのドレン導電率(σ1)からフッ素溶出濃度(f1)を求める(S22)。
(工程3)
第3の工程は、演算処理装置20は、前回の工程において評価した累積フッ素溶出量に対して、工程1で入力したドレン排出量に工程2で算出したフッ素溶出濃度を乗じたものを加えて、本工程までの累積フッ素溶出量(F1)を求める(S23)。
(工程4) 第4の工程では、演算処理装置20は、予め求めた溶出量限界値(Fmax)と寿命(Tmax)との関係を示す累積フッ素溶出量検量線を用いて、計測時点での余寿命(T)を推定する(S24)。
なお、本工程に対して更に以下の工程を付け加えることが望ましい。
(工程5) 第5の工程では、演算処理装置20は、求めた余寿命が閾値未満か否かを判定する(S25)。
(工程6) 第6の工程では、演算処理装置20は、判定の結果閾値以上と判定(No)した場合、警報を出力する(S26)。
これに対し、演算処理装置20は、判定の結果閾値未満と判定(Yes)した場合には、所定時間経過後に再度計測する(S27)。
なお、本実施例において、実施例1及び2と同様に、ドレン導電率の計測対象として燃料ガス12側と酸化剤ガス13側とを混合したドレン(12a、13a)16を用いて場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方のドレンに限定してもよい。但し、電気化学反応は主に酸化極側にて発生するため、ドレンの発生及び高分子膜の破壊も主に酸化極側にて発生するため、分解により高分子膜から放出されるフッ素のドレンへの溶出量を把握するには、少なくとも酸化極側のドレンを含む位置でドレン導電率の計測を行うことが望ましい。
また、本実施例において、実施例1及び2と同様に、ドレン導電率を一旦フッ素溶出濃度値に変換して、累積フッ素溶出量を算出した上で余寿命評価を行う場合について説明した。しかし、前述のように、計測を行ったドレン導電率そのものが高分子膜破壊状況と相関を有しているため、ドレン導電率に直接ドレン量を乗じたものは、フッ素溶出量に比例する指標を示すこととなる。よって、本発明は必ずしも前記本変換を行わない場合でも成立する。例えば、前記(工程2)を割愛して(工程3)では工程1で入力したドレン排出量に工程1で入力したドレン導電率を乗じることでも、本発明は実施可能である。この場合、評価プロセスが前述内容に対して割愛できることから、より簡素にシステムが構築できると共に、誤差が重畳することがなくなり、より精度高く評価を行い得る。
本発明による実施例3に係る固体高分子形燃料電池システム及び余寿命の推定方法について、図面を参照して説明する。
図10は、運転時間と推定膜厚との関係図である。図11は、実施例4の余寿命推定の工程図である。
本実施例における装置の基本的構成は実施例3と同一である。但し、本実施例では、累積フッ素溶出量(F1)を基に算出した高分子膜の膜厚値から余寿命の算出を行うものである。
以下に具体的に説明する。
推定膜厚(D)は、下記式(2)により求めることができる。
なお、推定膜厚(D)は、セルの発電有効面積(実際に発電に寄与する部分)と、高分子膜厚及びフッ素含有量から求めた全フッ素量をもとに、求めている。
推定膜厚=初期膜厚×{(全フッ素量−累積フッ素溶出量)/(全フッ素量)}…(2)
本実施例では、累積フッ素溶出量は実施例3と同様に求める。
式(2)により、ある計測時点(t1)での推定膜厚(D1)を求める。
この推定膜厚(D1)から、計測時点(t1)における、平均的運転条件での換算運転時間(T1)を求める。
次に、予め求めた膜厚下限限界値(Dmin)と、図10に示す関係から、平均的運転条件における高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)が得られる。
演算処理装置20で高分子形燃料電子システムの寿命(Tmax)と換算運転時間(T1)の差分を取る。当該差分は、計測時点(t1)における余寿命(T)に相当する。
本方法では、膜厚下限限界値に基づき判断可能な点に特徴がある。高分子膜は押出、延伸等により製造することから、初期厚さは一様にはならない。このため、使用する高分子膜に応じて初期厚さ自体にばらつきがある。しかし、同一系において実際に運転に支障を来たす即ち寿命に至る際の高分子膜の膜厚は、初期厚さに依存しない。このため実施例3において限界累積フッ素溶出量(Fmax)を指標にする際には、初期膜厚のばらつきまでも考慮したものにする必要があり、過剰な安全率を見込んでしまうこととなる。しかし、本方法であれば初期厚さに依存せずに、精度高く余寿命を評価することが可能となる。
即ち、本発明では、高分子膜厚の影響も実際の負荷変動も考慮した評価が可能になり、実施例1乃至3よりも更に精度の高い余寿命の推定が可能となり、燃料電池システムの安全性を確保することができる。
本実施例4は前述の各実施例のいずれかと併用してもよい。例えば、実施例3と実施例4を併用した場合で考える。この際にはシステム構成は同一であり、演算処理装置20の機能が異なることとなる。余寿命の算出結果が、実施例3によるものと比較して実施例4によるほうが有意に長いときには、高分子膜の局所的破壊が予測よりも早く進行していることが考えられる。この場合には、通常よりもフッ素溶出濃度の変化が予測よりも急激に、即ち高変化率にて発生する場合があるが、両方法を比較した結果に基づき、余裕を見たメンテナンススケジュールの設定を行うことが可能になり、ひいては装置の健全性をより確実に確保することが可能となる。
すなわち、本発明では、前記演算処理装置20により、実施例1乃至3のいずれかにより評価した余寿命と、実施例4により評価した余寿命とを比較考量することにより、燃料電池システムの適切な評価を行うことができることが可能となる。
次に、図11を参照して、上述した推定膜厚から余寿命を推定する固体高分子形燃料電池の余寿命を推定する余寿命評価方法について、具体的に説明する。
上述した本実施例に係る推定膜厚からの余寿命推定方法(図10に対応する方法)は、以下の工程により行う。
(工程1) 第1の工程では、燃料電池本体11から排出する燃料ガス側及び酸化剤ガス側のドレン16の導電率及びドレン排出量を計測し、この導電率の値が演算処理装置20に入力される(S31)。
(工程2) 第2の工程では、演算処理装置20は、予め求めたドレン導電率とフッ素溶出濃度との関係を示す検量線を用いて、計測時点(t1)でのドレン導電率(σ1)からフッ素溶出濃度(f1)を求めると共に、フッ素溶出濃度とドレン排出量とから累積フッ素溶出量(F1)を求める(S32)。
(工程3) 第3の工程では、演算処理装置20は、計測時点(t1)での累積フッ素溶出量から固体高分子電解質膜の膜厚を推定する(S33)。
(工程4) 第4の工程では、演算処理装置20は、予め求めた推定膜厚(D)と寿命(Tmax)との関係を示す推定膜厚検量線を用いて、計測時点での余寿命(T)を推定する(S34)。
なお、本工程に対して更に以下の工程を付け加えることが望ましい。
(工程5) 第5の工程では、演算処理装置20は、求めた余寿命が閾値未満か否かを判定する(S35)。
(工程6) 第6の工程では、演算処理装置20は、判定の結果閾値以上と判定(No)した場合、警報を出力する(S36)。
これに対し、演算処理装置20は、判定の結果閾値未満と判定(Yes)した場合には、所定時間経過後に再度計測する(S37)。
なお、本実施例において、実施例1乃至3と同様に、ドレン導電率の計測対象として燃料ガス12側と酸化剤ガス13側とを混合したドレン(12a、13a)16を用いて場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方のドレンに限定してもよい。但し、電気化学反応は主に酸化極側にて発生するため、ドレンの発生及び高分子膜の破壊も主に酸化極側にて発生するため、分解により高分子膜から放出されるフッ素のドレンへの溶出量を把握するには、少なくとも酸化極側のドレンを含む位置でドレン導電率の計測を行うことが望ましい。
本発明による実施例5に係る固体高分子形燃料電池システム及び余寿命の推定方法について、図面を参照して説明する。
図12は、実施例5に係る固体高分子形燃料電池システムの概略図を示す。図13は、COガス濃度の相違による運転時間とフッ素溶出濃度との関係図である。図14は、単セルの燃料ガス中のCO濃度の変化を示す図である。
図12に示すように、本実施例に係る固体高分子形燃料電池システム10Cは、実施例2の装置において、更に、燃料ガス12中のCOガスの濃度を計測するCOガス濃度計19を設け、このCOガス濃度計19により、燃料電池本体11に供給される燃料ガス12中のCOの濃度を連続して計測している。
これは、COが燃料電池本体11内セルの触媒活性を低下させることにより、ヒドロキシラジカルが生成され、高分子膜の破壊を促進することより、燃料電池本体11に供給される燃料ガス中のCOガス濃度を計測することで、劣化の度合いを考慮することができる。
図13は、COガス濃度の相違(6ppm、3ppm、0.05ppm)による運転時間とフッ素溶出濃度との関係図の一例である。
図13に示すように、CO濃度が高い場合、溶出する累積フッ素量はCO濃度が低い場合よりも多くなる傾向がある。
すなわち、図14に示すように、燃料電池本体11の発電の時において、供給された供給燃料ガス12Aが単セル21内で消費される。このため、単セル21の入口側の燃料ガス供給ライン22の供給燃料ガス12Aと、出口側の燃料ガス排出ライン23の消費燃料ガス12Bとにおいて、CO濃度を計算する分母の燃料ガスが減少するので、CO濃度が変化し、出口側の消費燃料ガス12B中のCO濃度が高くなっている。
例えば入口側の供給燃料ガス12Aでは、図14に示すように、供給燃料ガス12A中のCO濃度が3ppm程度である場合に、出口側の消費燃料ガス12Bでは、CO濃度が6ppmに増加している。
よって、予め供給燃料ガス12A中のCO濃度と寿命との関係を求めると、入口側の供給燃料ガス12A中のCO濃度が0.05ppmの燃料ガスに較べて、CO濃度が3ppmと高い場合の燃料ガスを用いる際には、寿命が短くなることとなる。
この結果、実施例1においては、図15に示すようなCO濃度を考慮した運転時間とフッ素溶出濃度変化率との関係図より、CO濃度(例えば3ppm)を考慮した余寿命の判定を行うことが必要となる。
図15中、供給燃料ガス12A中のCO濃度が高い(3ppm)の場合には、寿命が短い検量線を用いて余寿命を推定することとなる。
また、実施例2においては、図16に示すようなCO濃度を考慮した、運転時間と推定膜厚との関係図より、CO濃度(例えば3ppm)を考慮した余寿命の判定を行うことが必要となる。
図16中、供給燃料ガス12A中のCO濃度が高い(3ppm)の場合には、寿命が短い検量線を用いて余寿命を推定することとなる。
この結果、燃料電池システムにおいて、供給される燃料ガスのCO濃度を判定時に計測することで、より精度が高い余寿命の推定を行うことが可能となる。
以上のように、本発明に係る固体高分子形燃料電池の余寿命計測装置は、オンラインで燃料電池システムの余寿命を推定することができる。
11 燃料電池本体
12 燃料ガス
13 燃料ガス供給手段
14 酸化剤ガス
15 酸化剤ガス供給手段
16 ドレン
17 ドレン導電率計測器
18 ドレン排出量計測器
19 COガス濃度計
20 演算処理装置

Claims (12)

  1. 固体高分子膜を燃料極と酸化極とで挟んだセルを備える燃料電池本体と、
    前記燃料極膜側に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記酸化極膜側に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池本体から排出される燃料ガス側のドレン及び酸化剤ガス側のドレンの少なくとも一方を含むドレンの導電率を計測するドレン導電率計測器と、
    前記ドレン導電率計測器が計測したドレン導電率を基に余寿命を推定する演算処理装置と、を有し、
    前記演算処理装置は、計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定すると共に、
    ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を更に具備し、
    前記演算処理装置は、ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定する
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システム。
  2. 請求項1において、
    ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を具備し、
    前記演算処理装置は、計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定する、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システム。
  3. 請求項1又は2において、
    燃料電池本体の燃料ガス入口側のCOガス濃度を計測するCOガス濃度計を更に具備し、
    前記演算処理装置は当該COガス濃度も考慮して余寿命を推定する、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    警報を出力してシステムを停止する、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システム。
  5. 請求項1において、
    前記演算処理装置は、計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定すると共に、
    ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を更に具備し、
    前記演算処理装置は、計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、
    更に、前記演算処理装置は、前記ドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量することを特徴とする固体高分子形燃料電池システム。
  6. 請求項1において、
    ドレン排出量を計測するドレン排出量計測器を更に具備し、
    前記演算処理装置は、ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定すると共に、
    前記演算処理装置は、計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、
    更に、前記演算処理装置は、前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量する、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池システム。
  7. 固体高分子形燃料電池の余寿命を推定する余寿命推定方法であって、
    前記燃料電池本体から排出される燃料ガス側のドレン及び酸化剤ガス側のドレンの少なくとも一方を含むドレンの導電率を計測し、
    前記計測したドレン導電率を基に余寿命を推定すると共に
    前記計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定し、
    更に、燃料電池本体から排出されるドレン排出量を計測し、
    前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定する、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法。
  8. 請求項において、
    更に、燃料電池本体から排出されるドレン排出量を計測し、
    前記計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定する、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法。
  9. 請求項7又は8において、
    燃料電池本体の燃料ガス入口側のCOガス濃度を計測するCOガス濃度計を更に具備し、
    前記演算処理装置は当該COガス濃度も考慮して余寿命を推定する、
    ことを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法。
  10. 請求項乃至のいずれか一つにおいて、
    警報を出力してシステムを停止することを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法。
  11. 請求項において、
    前記計測したドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に余寿命を推定すると共に、
    燃料電池本体から排出するドレン排出量を計測し、
    前記計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、
    更に、前記ドレン導電率を基にした値の時間変化率を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量することを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法。
  12. 請求項において、
    燃料電池本体から排出するドレン排出量を計測し、
    前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に余寿命を推定すると共に、
    前記計測したドレン導電率及びドレン排出量を基に求めた高分子膜の推定膜厚さを基に余寿命を推定し、
    更に、前記ドレン導電率及びドレン排出量から算出した累積フッ素溶出量を基に推定した余寿命と、前記高分子膜の推定膜厚さを基に推定した余寿命とを比較考量することを特徴とする固体高分子形燃料電池の余寿命推定方法。
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