上記のような遊技機では、毎回抽選を行い、その結果に応じた図柄の組み合わせ態様を表示させるものである。そして、この抽選にていずれにも当選しなかった場合、ハズレとなる。ハズレとなった場合には、遊技者にメダルが付与されたり、何か特典が与えられたりすることはない。つまり、遊技者にとってハズレとなることは喜ばしいことではなく、興趣を低下させる原因となってしまう。
そして、上記のような遊技機では、BBやRB等によって大量のメダルを獲得できる分だけ、ハズレとなる可能性も大きくなるため、ハズレとなった場合に遊技者の興趣の低下をいかにして抑えるか、ということが問題として生じることとなっている。
近年では、ハズレなった場合に遊技者の気を惹くための演出態様(期待演出態様という)を行い、遊技者に何かに当選したかのように少しでも期待を持たせようとする演出態様を実行する遊技機も知られるようになっている。
ところが、このような期待演出態様は、遊技者がゲームの経験を積み重ねて行くうちに、ほとんど期待の持てない演出態様であることを判断できるものである。こうして、ほとんど期待の持てない演出態様であると判断されてしまうと、遊技者にとって期待演出態様は単なる賑やかしのための過剰な演出に過ぎなくなってしまい、期待演出態様そのものが煩わしいだけのものとなってしまう。このことが、遊技者の興趣をかえって低下させてしまう問題として新たに生じている。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、過剰な演出態様に依存することなく、遊技者の興趣を低下させにくい遊技機を提供するものである。
本発明の技術は、上記課題を解決するために以下の手段を採った。
(解決手段1)
解決手段1は、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を備えた図柄変動表示装置を備え、前記図柄変動表示装置は前記複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記複数の可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を前記図柄変動表示装置内の所定箇所に表示可能とする図柄表示部を有し、遊技価値の投入と遊技者の始動操作により複数の前記可動表示体の変動を開始させ、全ての前記可動表示体の停止操作が受け付けられると、前記図柄表示部に1回のゲームの結果を表示する遊技機であって、ゲームの進行に伴う複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する演出実行手段と、前記複数の演出態様からゲームの進行に応じた演出態様を選択する演出態様選択手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中いずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に基づいて、回転する複数の前記可動表示体の回転停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を複数の前記可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせ態様のうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたときにその組み合わせ態様を有効とする表示位置を決定する判定表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記判定表示位置決定手段により決定された前記判定表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する図柄表示態様判定手段とを備え、前記当選役として、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様に対応する同種図柄揃役と、前記ハズレ役とは別に、少なくとも複数種類の図柄からなる特定の組み合わせ態様に対応する異種図柄揃役とを少なくとも有し、前記図柄表示態様判定手段により前記同種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことが判定されると、所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、前記図柄表示態様判定手段により前記異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことが判定されると、1回のゲームに必要な最小単位数の遊技価値を付与する最小単位遊技価値付与手段とをさらに備え、前記演出実行手段は、前記同種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には当該当選役を知らせる特別演出を実行させ、前記異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には前記ハズレ役となった場合に実行するハズレ演出を実行させることを特徴とする遊技機である。
解決手段1によれば、本発明の遊技機は、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値を投入して始動操作を行うと、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
可動表示体は表面に複数種類の図柄が図柄列を形成した環状の図柄帯が付されており、図柄変動表示装置はこの可動表示体を複数有している。そして、図柄変動表示装置内の図柄表示部では、遊技者による停止操作に基づいて1回のゲームの結果が表示される。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体の停止操作を行う際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、ハズレ図柄(いずれの当選役図柄に該当しない図柄)を含むことができる。図柄帯にはこれらの図柄が所定個数分だけ一定間隔で配置されており(これにより図柄列が形成される)、この図柄帯が可動表示体に付されている。
複数の可動表示体は個々に停止操作を受け付けることが可能となっており、(遊技者により)全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果に基づいて、各可動表示体の回転停止の制御が行われる。
図柄変動表示装置はその装置内の所定箇所に図柄表示部を備えており、図柄表示部では、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっている。なお、図柄表示部は、遊技機本体の前面側に設けることにより遊技者が遊技機に正対してゲームを行うことができる。
図柄表示部内には、上記可動表示体の回転中は変動している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止状態となると、可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の組み合わせ態様(表示態様)となる。
そして、ゲームの進行に伴い、複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する(演出実行手段)。このような演出実行手段は、遊技者の視覚や聴覚に訴えるものを指す。例えば、液晶ディスプレイやELディスプレイ(Electroluminescence Display)、ドットLED、更にはランプ等に代表される表示手段(または発光手段)や、スピーカなどに代表される音響手段である。なお、遊技者の触覚に訴えるものを含めてもよい(例えば、振動を起こす手段)。これらの演出実行手段により、遊技者はゲームを視覚的、聴覚的(あるいは触覚的)に楽しむことができる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の抽選結果とそれぞれの抽選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に上記所定範囲内の乱数の値がそれぞれ当たり値として割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
また当選役には、一つの当たり値に対して、複数の遊技特典を付与することが可能なものを含めてもよい。このようにすると、1回の内部抽選で2つの当選役に当選となる場合もあるということになる。また、当該ゲームの結果として図柄表示部内に表示された結果とは別の当選役にも同時に当選していたかもしれないという可能性(あるいは期待感)を遊技者に持たせることができる。これらのことは「当たり値には、1つの当選役に対応する単独当たり値と、複数の当選役に対応する共有当たり値がある」、あるいは「1回のゲーム結果には、1つの当選役に対応する遊技特典のみを許容する場合と、複数の当選役に対応する遊技特典を許容する場合がある」と言い換えることもできる。
1回のゲームで行われた内部抽選の結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。また、内部抽選の抽選結果がいずれの当選役にも該当しない場合、ハズレということになる。なお、ハズレも内部抽選の結果の一つである。また、ハズレは、いずれの当選役に対応する遊技特典も付与しない非当選役ともいえるため、以下では、必要に応じてハズレ役という。
そして、これらの演出実行手段により実行される演出態様には、ゲームの進行に伴う複数の内容のものが含まれている。例えば、当該ゲームにて内部抽選の結果として選び出された当選役を示唆するものや、当該ゲームから複数回のゲームにわたって連続的に行うもの(筋書き的に進んでいく態様や、段階的に進んでいく態様など)などがある。このような演出態様は、ゲームの進行に応じて行われることにより、遊技者が当該ゲームの結果(内部抽選の結果としていずれの当選役が選び出されたかを指す、以下同様)を予想したり、演出態様自体を楽しんだりして、ゲームに面白みを付加してゲームを進めやすくするものである。
各可動表示体が停止状態となった際に図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、予め決められた所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する基準となる表示位置(判定表示位置という、以下同様)のことをいう。つまり、上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、判定表示位置に表示されてはじめて有効(対応する遊技特典等が付与される)となるのである。
判定表示位置は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。なお、判定表示位置は直線型以外の形の組み合わせ(例えば、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形の組み合わせなどが挙げられる)であってもよいし、さらに、直線型とこれらを適宜組み合わせてもよい。
また、遊技価値の掛け数に応じて判定表示位置を変更させてもよい。これは、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の判定表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、判定表示位置を増やすことができたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、判定表示位置を減らすことができたり、することが可能となる。このようにすると、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、内部抽選の結果として所定の当選役に当選となっている場合、該当する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を判定表示位置に表示できる可能性が高くなる(表示させやすくすることができる)。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の判定表示位置に予め決められたいずれかの当選役に対応する図柄(当選役図柄という、以下同様)の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する(図柄表示態様判定手段)。
当選役に対応する図柄の組み合わせ態様には、全て同種類の図柄からなる組み合わせ(同種図柄揃役に対応する)と、ハズレ役とは別に少なくとも複数種類の図柄からなる組み合わせ態様(異種図柄揃役に対応する、この態様をバラケ目という、以下同様)と、が少なくとも含まれている。そして、「ハズレ役」に対応する図柄の組み合わせ態様(これをハズレ目という、以下同様)とは、同種図柄揃役、異種図柄揃役のいずれにも該当(対応)しない組み合わせ態様ということになる。
また、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様にはハズレ目はないものとすることが望ましい。このようにすると、複数種類の図柄からなる組み合わせのほとんどがハズレ目ということになる。つまり、バラバラな図柄の組み合わせ態様(全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様以外のこと、以下同様)は、ほぼハズレ目ということになる。従って、「バラバラな図柄の組み合わせ態様はハズレである」といった認識を持ちやすくなる。また、このことは同時に「同じ種類の図柄の組み合わせ態様は当たり(いずれかの遊技特典が与えられるということ、以下同様)である」という認識を遊技者に持たせることにもなる。
なお、バラバラな図柄の組み合わせ態様という点では、バラケ目はハズレ目のうちの一部の特殊な態様であるともいえる。このことから、以下では単にハズレ目という場合にはバラケ目を含むものとして説明する。
そして、図柄表示部内の判定表示位置に同種図柄揃役に対応する組み合わせ(全て同種類の図柄からなる組み合わせ)態様が表示されると、所定数の遊技価値が付与される(遊技価値付与手段)。なお、遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲーム(当該ゲームの次回を含めて以後に行われるゲームのこと、以下同様)で実行させるものでもよい。つまり、同種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。
そして、このとき遊技価値の付与に伴い遊技者に向けて特別演出が実行される。この特別演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に向けて報知(告知、教示)する態様の演出である。
一方、図柄表示部内の判定表示位置に異種図柄揃役に対応する組み合わせ(少なくとも複数種類の図柄からなる特定の組み合わせ)態様が表示されると、最小単位数の遊技価値が付与される(最小単位遊技価値付与手段)。この最小単位数とは、1回のゲームを行うために必要な遊技価値の最小限度の数のことをいう。なお、この場合も遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲームで実行させるものでもよい。つまり、異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。
そして、このときはハズレ役となった場合に行われるハズレ演出が実行される。このハズレ演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に直接的あるいは間接的に報知(告知、教示)したり、示唆(意識)させたり、する態様の演出を除いた態様の演出であれば、どのような態様の演出であってもよい。望ましくは、何も行わない態様の演出、通常状態でいつも実行されている態様の演出、ゲームの進行上で最も多い頻度にて実行される態様の演出などとすることがよい。このように、いわゆる「いつも通りの演出(通常演出)」が実行されると、期待演出態様などの過剰な演出態様によって遊技者に過度の期待をさせて結果的に糠喜びで終わらせてしまったり、演出態様の煩わしさを与えてしまったり、といったことが極力回避される。
これらのことから、異種図柄揃役はその存在を遊技者に周知しない態様を取るものとする。すなわち、異種図柄揃役そのものを遊技者が知らない状態でゲームを進めていけば、以下のような効果を奏することができる。
異種図柄揃役となった場合にハズレ演出を実行させることにより、遊技者には当該ゲームの結果が特段に興味を惹くものではない(つまり、ハズレの可能性が極めて高い)といった意識を持たせるだけに留めることができる。
さらに、異種図柄揃役では、付与される遊技価値の総数が最小単位数であるため、遊技者に遊技価値の付与されたことを気付かれることなくゲームを進めさせていくことが可能となる。これは、付与する遊技価値の総数が少なければ、その分だけ遊技価値の付与に要する時間を短縮することができるからである。
また、遊技者が最小単位数の遊技価値の付与が行われていることに気付いた場合には、さらなる効果を奏することができる。すなわち、ハズレ目であったにも関わらず、遊技価値の付与が行われたということを遊技者が目の当たりにすると、どのような図柄の組み合わせであれば遊技価値が付与されるのか、といったことでハズレ目(特にバラケ目)に興味を持たせ、遊技者の注目を向けさせることができる。
さらに、演出態様からはハズレ目であるのかバラケ目であるのか判断が付かないため、期待演出態様などに依存せずに、ハズレ演出や通常演出が断続的に行われている場合であっても、遊技者は、常にある程度の期待を持ち続けることができ、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段2)
解決手段2は、解決手段1に記載の遊技機において、前記当選役として、さらに所定の図柄を少なくとも1つ含むだけで他の図柄は任意でよい図柄の組み合わせ態様に対応する単図柄揃役を有し、前記遊技価値付与手段は、前記図柄表示態様判定手段により前記単図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことが判定された場合にも、所定数の遊技価値を付与することを特徴とする遊技機である。
解決手段2によれば、解決手段1に記載の遊技機では、当選役にはさらに、所定の図柄を1つ含むだけで組み合わせとして成立する単図柄揃役がある。ここでいう「成立する」とは、遊技特典を付与すべきかの判定が満たされることを意味する。すなわち、図柄表示部内の判定表示位置に単図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示された場合も、所定数の遊技価値が付与される(遊技価値付与手段)。なお、遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲームで実行させるものでもよい。つまり、単図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。
また、単図柄揃役とは「少なくとも当選役図柄(所定の図柄)を1つ含んでいれば残りの図柄は何でもよいという組み合わせ態様に対応する」ともいえる。これは、複数の可動表示体のうち、少なくとも1つの可動表示体のみで所定の図柄が表示されたかを判定することを意味する。そして、この可動表示体を判定対象可動表示体という。
つまり、「判定対象可動表示体についてのみ当該可動表示体にて判定表示位置として選び出された箇所に所定の図柄が表示されたか否かを判定する手段」という構成を備えている。従って、所定の図柄はこの判定対象可動表示体が停止した際に、対応する判定表示位置(判定表示位置として当該可動表示体について少なくとも1つの図柄が選び出された箇所)に表示されればよいこととなる。
これは、「判定対象可動表示体以外の可動表示体については、当該可動表示体にて判定表示位置として選び出された箇所に表示された図柄を判定しない」ともいえる。従って、単図柄揃役とは、全ての可動表示体について、その判定表示位置として選び出された箇所に表示された図柄から組み合わせ態様が判定される同種図柄揃役、異種図柄揃役とは異なるものであるといえる。
以上のことから、判定対象可動表示体は複数の可動表示体のうちの一部に留めるものとする。このようにすると、遊技者が単図柄揃役を表示させようとする場合に判定対象可動表示体のみに狙いをつければよいため、遊技者が全ての可動表示体を停止させる操作の負担(つまり、当選役図柄の組み合わせを停止させるために毎回全ての可動表示体を正確に狙って停止させる負担)を軽減させることができる。
(解決手段3)
解決手段3は、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を備えた図柄変動表示装置を備え、前記図柄変動表示装置は前記複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記複数の可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を前記図柄変動表示装置内の所定箇所に表示可能とする図柄表示部を有し、遊技価値の投入と遊技者の始動操作により複数の前記可動表示体の変動を開始させ、全ての前記可動表示体の停止操作が受け付けられると、前記図柄表示部に1回のゲームの結果を表示する遊技機であって、ゲームの進行に伴う複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する演出実行手段と、前記複数の演出態様からゲームの進行に応じた演出態様を選択する演出態様選択手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中いずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に基づいて、回転する複数の前記可動表示体の回転停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を複数の前記可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせ態様のうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたときにその組み合わせ態様を有効とする表示位置を決定する判定表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記判定表示位置決定手段により決定された前記判定表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する図柄表示態様判定手段とを備え、前記当選役として、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様に対応する同種図柄揃役と、前記ハズレ役とは別に、少なくとも複数種類の図柄からなる特定の組み合わせ態様に対応する異種図柄揃役と、所定の図柄を少なくとも1つ含むだけで他の図柄は任意でよい図柄の組み合わせ態様に対応する単図柄揃役とを少なくとも有し、前記図柄表示態様判定手段は、前記同種図柄揃役に対応する組み合わせ態様もしくは前記単図柄揃役に対応する組み合わせ態様のいずれかが表示されたことが判定されると、所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、前記異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことが判定されると、1回のゲームに必要な最小単位数の遊技価値を付与する最小単位遊技価値付与手段とをさらに備え、前記演出実行手段は、前記同種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には当該当選役を知らせる特別演出を実行させ、前記異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には前記ハズレ役となった場合に実行させるハズレ演出を実行させることを特徴とする遊技機である。
解決手段3によれば、本発明の遊技機は、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値を投入して始動操作を行うと、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
可動表示体は表面に複数種類の図柄が図柄列を形成した環状の図柄帯が付されており、図柄変動表示装置はこの可動表示体を複数有している。そして、図柄変動表示装置内の図柄表示部では、遊技者による停止操作に基づいて1回のゲームの結果が表示される。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体の停止操作を行う際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、ハズレ図柄(いずれの当選役図柄に該当しない図柄)を含むことができる。図柄帯にはこれらの図柄が所定個数分だけ一定間隔で配置されており(これにより図柄列が形成される)、この図柄帯が可動表示体に付されている。
複数の可動表示体は個々に停止操作を受け付けることが可能となっており、(遊技者により)全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果に基づいて、各可動表示体の回転停止の制御が行われる。
図柄変動表示装置はその装置内の所定箇所に図柄表示部を備えており、図柄表示部では、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっている。なお、図柄表示部は、遊技機本体の前面側に設けることにより遊技者が遊技機に正対してゲームを行うことができる。
図柄表示部内には、上記可動表示体の回転中は変動している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止状態となると、可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の組み合わせ態様(表示態様)となる。
そして、ゲームの進行に伴い、複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する(演出実行手段)。このような演出実行手段は、遊技者の視覚や聴覚に訴えるものを指す。例えば、液晶ディスプレイやELディスプレイ(Electroluminescence Display)、ドットLED、更にはランプ等に代表される表示手段(または発光手段)や、スピーカなどに代表される音響手段である。なお、遊技者の触覚に訴えるものを含めてもよい(例えば、振動を起こす手段)。これらの演出実行手段により、遊技者はゲームを視覚的、聴覚的(あるいは触覚的)に楽しむことができる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の抽選結果とそれぞれの抽選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に上記所定範囲内の乱数の値がそれぞれ当たり値として割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
また当選役には、一つの当たり値に対して、複数の遊技特典を付与することが可能なものを含めてもよい。このようにすると、1回の内部抽選で2つの当選役に当選となる場合もあるということになる。また、当該ゲームの結果として図柄表示部内に表示された結果とは別の当選役にも同時に当選していたかもしれないという可能性(あるいは期待感)を遊技者に持たせることができる。これらのことは「当たり値には、1つの当選役に対応する単独当たり値と、複数の当選役に対応する共有当たり値がある」、あるいは「1回のゲーム結果には、1つの当選役に対応する遊技特典のみを許容する場合と、複数の当選役に対応する遊技特典を許容する場合がある」と言い換えることもできる。
1回のゲームで行われた内部抽選の結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。また、内部抽選の抽選結果がいずれの当選役にも該当しない場合、ハズレということになる。なお、ハズレも内部抽選の結果の一つである。また、ハズレは、いずれの当選役に対応する遊技特典も付与しない非当選役ともいえるため、以下では、必要に応じてハズレ役という。
そして、これらの演出実行手段により実行される演出態様には、ゲームの進行に伴う複数の内容のものが含まれている。例えば、当該ゲームにて内部抽選の結果として選び出された当選役を示唆するものや、当該ゲームから複数回のゲームにわたって連続的に行うもの(筋書き的に進んでいく態様や、段階的に進んでいく態様など)などがある。このような演出態様は、ゲームの進行に応じて行われることにより、遊技者が当該ゲームの結果(内部抽選の結果としていずれの当選役が選び出されたかを指す、以下同様)を予想したり、演出態様自体を楽しんだりして、ゲームに面白みを付加してゲームを進めやすくするものである。
各可動表示体が停止状態となった際に図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、予め決められた所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する基準となる表示位置(判定表示位置という、以下同様)のことをいう。つまり、上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、判定表示位置に表示されてはじめて有効(対応する遊技特典等が付与される)となるのである。
判定表示位置は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。なお、判定表示位置は直線型以外の形の組み合わせ(例えば、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形の組み合わせなどが挙げられる)であってもよいし、さらに、直線型とこれらを適宜組み合わせてもよい。
また、遊技価値の掛け数に応じて判定表示位置を変更させてもよい。これは、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の判定表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、判定表示位置を増やすことができたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、判定表示位置を減らすことができたり、することが可能となる。このようにすると、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、内部抽選の結果として所定の当選役に当選となっている場合、該当する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を判定表示位置に表示できる可能性が高くなる(表示させやすくすることができる)。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の判定表示位置に予め決められたいずれかの当選役に対応する図柄(当選役図柄という、以下同様)の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する(図柄表示態様判定手段)。
当選役に対応する図柄の組み合わせ態様には、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様(同種図柄揃役に対応する)と、ハズレ役とは別に少なくとも複数種類の図柄からなる組み合わせ態様(異種図柄揃役に対応する、バラケ目という)と、所定の図柄を1つ含んでいれば残りの図柄は何でもよいという組み合わせ態様(単図柄揃役に対応する)が少なくとも含まれている。この「ハズレ役」に対応する図柄の組み合わせ態様(これをハズレ目という)とは、同種図柄揃役、異種図柄揃役、単図柄揃役のいずれにも該当(対応)しない組み合わせということになる。
また、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様にはハズレ目はないものとすることが望ましい。このようにすると、複数種類の図柄からなる組み合わせのほとんどがハズレ目ということになる。つまり、バラバラな図柄の組み合わせ態様(全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様以外のこと)は、ほぼハズレ目ということになる。従って、遊技者は「バラバラな図柄の組み合わせ態様はハズレである」といった認識を持ちやすくなる。また、このことは同時に「同じ種類の図柄の組み合わせ態様は当たり(いずれかの遊技特典が与えられるということ)である」という認識を遊技者に持たせることにもなる。
なお、バラバラな図柄の組み合わせ態様という点では、バラケ目はハズレ目のうちの一部の特殊な態様であるともいえる。このことから、以下では単にハズレ目という場合にはバラケ目を含むものとして説明する。
そして、図柄表示部内の判定表示位置に同種図柄揃役に対応する組み合わせ(全て同種類の図柄からなる組み合わせ)態様が表示されると、所定数の遊技価値が付与される(遊技価値付与手段)。また、図柄表示部内の判定表示位置に単図柄揃役に対応する組み合わせ(所定の図柄を1つ含んでいれば残りの図柄は何でもよいという組み合わせ)態様が表示された場合にも、所定数の遊技価値が付与される。
なお、遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲーム(当該ゲームの次回を含めて以後に行われるゲームのこと、以下同様)で実行させるものでもよい。つまり、同種図柄揃役または単図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。また、付与される遊技価値の所定数は、同種図柄揃役、単図柄揃役ごとそれぞれ異ならせるものとしてもよい。特に同種図柄揃役は複数設けて、それぞれ上記所定数を異ならせることにより、個々の同種図柄揃役に価値の格差(付与される遊技価値の多寡など)をつけることが可能となる。
そして、このとき遊技価値の付与に伴い遊技者に向けて特別演出が実行される。この特別演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に向けて報知(告知、教示)する態様の演出である。
単図柄揃役とは「少なくとも当選役図柄(所定の図柄)を1つ含んでいれば残りの図柄は何でもよいという組み合わせ態様に対応する」ともいえる。これは、複数の可動表示体のうち、少なくとも1つの可動表示体のみで所定の図柄が表示されたかを判定することを意味する。そして、この可動表示体を判定対象可動表示体という。
つまり、「判定対象可動表示体についてのみ当該可動表示体にて判定表示位置として選び出された箇所に所定の図柄が表示されたか否かを判定する手段」という構成を備えている。従って、所定の図柄はこの判定対象可動表示体が停止した際に、対応する判定表示位置(判定表示位置として当該可動表示体について少なくとも1つの図柄が選び出された箇所)に表示されればよいこととなる。
これは、「判定対象可動表示体以外の可動表示体については、当該可動表示体にて判定表示位置として選び出された箇所に表示された図柄を判定しない」ともいえる。従って、単図柄揃役とは、全ての可動表示体について、その判定表示位置として選び出された箇所に表示された図柄から組み合わせ態様が判定される同種図柄揃役、異種図柄揃役とは異なるものであるといえる。
以上のことから、判定対象可動表示体は複数の可動表示体のうちの一部に留めるものとする。このようにすると、遊技者が単図柄揃役を表示させようとする場合に判定対象可動表示体のみに狙いをつければよいため、遊技者が全ての可動表示体を停止させる操作の負担(つまり、当選役図柄の組み合わせを停止させるために毎回全ての可動表示体を正確に狙って停止させる負担)を軽減させることができる。
一方、図柄表示部内の判定表示位置に異種図柄揃役に対応する組み合わせ(少なくとも複数種類の図柄からなる特定の組み合わせ)態様が表示されると、最小単位数の遊技価値が付与される(最小単位遊技価値付与手段)。この最小単位数とは、1回のゲームを行うために必要な遊技価値の最小限度の数のことをいう。なお、この場合も遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲームで実行させるものでもよい。つまり、異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。
そして、このときはハズレ役となった場合に行われるハズレ演出が実行される。このハズレ演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に直接的あるいは間接的に報知(告知、教示)したり、示唆(意識)させたり、する態様の演出を除いた態様の演出であれば、どのような態様の演出であってもよい。望ましくは、何も行わない態様の演出、通常状態でいつも実行されている態様の演出、ゲームの進行上で最も多い頻度にて実行される態様の演出などとすることがよい。このように、いわゆる「いつも通りの演出(通常演出)」が実行されると、期待演出態様などの過剰な演出態様によって遊技者に過度の期待をさせて結果的に糠喜びで終わらせてしまったり、演出態様の煩わしさを与えてしまったり、といったことが極力回避される。
これらのことから、異種図柄揃役はその存在を遊技者に周知しない態様を取るものとする。すなわち、異種図柄揃役そのものを遊技者が知らない状態でゲームを進めていけば、以下のような効果を奏することができる。
異種図柄揃役となった場合にハズレ演出を実行させることにより、遊技者には当該ゲームの結果が特段に興味を惹くものではない(つまり、ハズレの可能性が極めて高い)といった意識を持たせるだけに留めることができる。
さらに、異種図柄揃役では、付与される遊技価値の総数が最小単位数であるため、遊技者に遊技価値の付与されたことを気付かれることなくゲームを進めさせていくことが可能となる。これは、付与する遊技価値の総数が少なければ、その分だけ遊技価値の付与に要する時間を短縮することができるからである。
また、遊技者が最小単位数の遊技価値の付与が行われていることに気付いた場合には、さらなる効果を奏することができる。すなわち、ハズレ目であったにも関わらず、遊技価値の付与が行われたということを遊技者が目の当たりにすると、どのような図柄の組み合わせであれば遊技価値が付与されるのか、といったことでハズレ目(特にバラケ目)に興味を持たせ、遊技者の注目を向けさせることができる。
さらに、演出態様からはハズレ目であるのかバラケ目であるのか判断が付かないため、期待演出態様などに依存せずに、ハズレ演出や通常演出が断続的に行われている場合であっても、遊技者は、常にある程度の期待を持ち続けることができ、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段4)
解決手段4は、解決手段1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記最小単位遊技価値付与手段は、1回のゲームに必要な最小単位数の遊技価値として数量1の遊技価値を付与することを特徴とすることを特徴とする遊技機である。
解決手段4によれば、解決手段1から3のいずれかに記載の遊技機では、異種図柄揃役の遊技特典として付与させる遊技価値の総数は、数量1となる。この数量1とは、例えば、メダルやコインでは1枚、遊技球などでは1個ということを指す。これは、異種図柄揃役にて付与される遊技価値を極力目立ちにくくすることができる最小の数量である。すなわち、1回のゲームにおいて遊技価値の付与が行われる場合、遊技価値の総数に比例して付与するための所要時間が増加することになるため、最小の数量にすることで、この所要時間が短縮される。従って、遊技者が連続して何回ものゲームを行っている場合などでは、最小数量の遊技価値が付与されたことを見過ごしてしまう可能性が極めて高くなる。
そして、遊技者がこの異種図柄揃役に全く気付かずに終始ゲームを続けていった場合、遊技者が単位時間当たりに消費する遊技価値の総数を減少させることもできる。よって、遊技者が所有する一定数の遊技価値にて試行できるゲーム回数が増えるという効果が期待できる。
また、遊技者が最小数量の遊技価値が付与されたことに気付いた場合、どのような当選役にて遊技価値の付与が行われたのかという新たな興味を与えることができる。さらに、ハズレ目から最小数量の遊技価値が付与される場合があるということを遊技者が知り得ると、どのようなハズレ目から遊技価値が付与されるのかということを確認するため、遊技者は毎回のゲームに気が抜けなくなる。従って、ハズレ目にて期待演出態様等の演出を実行せずとも、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段5)
解決手段5は、解決手段1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記異種図柄揃役、前記同種図柄揃役に含まれる特定当選役、これら2つそれぞれに対応する遊技特典をともに付与することの可能な共益当選役と、異種図柄揃役に対応する遊技特典のみを付与する単独当選役とを有し、前記図柄表示態様判定手段により前記特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたことが判定された場合、所定期間に投入される遊技価値の総数に対して付与される遊技価値の総数の割合が低い通常遊技状態に比べて、所定期間に遊技価値の付与される機会を増加させた特別遊技状態にてゲームの進行を制御する特別遊技状態制御手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段5によれば、解決手段1から4のいずれかに記載の遊技機では、一つの当たり値に対して、複数の遊技特典(異種図柄揃役、特定当選役)を付与することが可能なものも含まれている(共益当選役)。これは、上記内部抽選にて取得された乱数値が当該当たり値となった場合、複数(例えば2つ)の当選役にともに当選したと判定する当たり値のことをいう(この当たり値を共有当たり値という)。これに対して、一つ(例えば、異種図柄揃役)のみに当選したと判定する当たり値のことを単独当たり値という。
従って、1回の内部抽選でいずれか1つの当選役(異種図柄揃役)だけに当選となる場合もあれば、2つの当選役(異種図柄揃役、特定当選役)のいずれにも当選となる場合もあるということになる。そして、異種図柄揃役については、少なくとも単独当たり値と共有当たり値の双方が設けられていることになる。これにより、異種図柄揃役は、単独当選役となる場合(単独異種図柄揃役という)と、共益当選役となる場合(共益異種図柄揃役という)の2つが存在することになる。なお、以下では単に異種図柄揃役という場合は、共益異種図柄揃役、単独異種図柄揃役をともに含めるものとする。
また、共益異種図柄揃役の場合、少なくとも特定当選役は当該ゲーム限りで破棄されずに、次回以降のゲームまで持ち越されるものとすることが望ましい。このようにすると、共益異種図柄揃役となった場合には、当該ゲームにて特定当選役の遊技特典が得られなかった場合であっても、次回以降のゲームにて必ず特定当選役に対応する遊技特典が付与されることになり、単独異種図柄揃役との明確な格差(価値の度合いの高低)を設けることができる。すなわち、遊技者にとっては、単独異種図柄揃役に比べて共益異種図柄揃役が価値の度合いの高い当選役となる。
また、解決手段3等から、当該ゲームの結果としてバラケ目が表示されたとしても、それが共益異種図柄揃役、単独異種図柄揃役のいずれに対応するものかは判断の付かないものである(いずれの場合もハズレ演出が実行されるため)。
そして、図柄表示部内の判定表示位置に特定当選役に対応する組み合わせ(全て同種類の図柄からなる組み合わせに含まれる特定の組み合わせ)態様が表示されると、特別遊技状態という遊技状態にてゲームの進行が制御される。つまり、特定当選役は、特別遊技状態に移行する契機としての役割を持った当選役であるといえる。
ここで通常遊技状態とは、任意の所定期間(所定回数のゲームを行う期間)に投入される遊技価値の総数に対して付与される遊技価値の総数の割合が低い状態にてゲームの進行が制御される遊技状態のことをいう。すなわち、1回のゲームごとに掛け数として投入される遊技価値の所定期間における総数に対して、付与される遊技価値の総数が少ないため、遊技者が遊技価値を消費していく(所有している遊技価値を減らしていく)遊技状態のことである。このような遊技状態では、遊技者は遊技価値を増やすことは期待できず、ゲームを続ければその分だけ、所有している遊技価値を徐々に(段々と)減らしていく(消費していく)ことになる。
そして、特別遊技状態とは、通常遊技状態に比べて任意の所定期間に遊技価値が付与される機会を増加させた遊技状態のことをいう。このことから、「特別遊技状態制御手段は、通常遊技状態に比べて遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段をさらに備える」という構成を含むものであるともいえる。すなわち、特別遊技状態では遊技価値の増加も望めるということになる。
この場合、特別遊技状態が継続する限りは、遊技価値が増加し続ける態様とすることが望ましい。さらにこのとき、特別遊技状態は所定の期間だけ継続すると終了するものとする。このようにすると、特別遊技状態は限られた回数のゲームにて終了するものとなり、この期間に遊技者に付与される遊技価値の総数をある程度一定なもの(平均的なもの)とすることができる。または、特別遊技状態は所定数の遊技価値が付与された場合に終了するものとしてもよい。このようにすれば、どのような遊技者(初心者、熟練者など)がゲームを行っても特別遊技状態にて獲得できる遊技価値の総数に格差が生じることがほぼなくなるため、遊技者の技量などによる不公平さ(不公平な印象)を極力なくすことができる。
そして、解決手段3等から、異種図柄揃役となった場合にはハズレ演出が実行されるため、当該異種図柄揃役が、共益異種図柄揃役、単独異種図柄揃役のいずれに該当するかを遊技者が判断することは不可能である。従って、遊技者がゲームの経験を相当に積み重ねて行き、異種図柄揃役(または、バラケ目)を特定できてしまうような水準に到達したとしても、バラケ目が表示されるたびに遊技者に共益異種図柄揃役であるかもしれないという期待感を持たせることができる。さらに、バラケ目が遊技者にとって価値の度合いの低いものとなってしまうことも回避される。従って、ハズレが続くような状況であっても期待演出態様等に依存せずにバラケ目となることを期待しながらゲームを進めることができるようになり、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段6)
解決手段6は、解決手段1から5のいずれかに記載の遊技機において、前記可動表示体停止制御手段は、前記内部抽選の結果として前記異種図柄揃役が選び出された場合、前記異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様を前記判定表示位置に導出させる前記可動表示体の回転停止を制御する異種図柄揃役導出表示停止制御手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段6によれば、解決手段1から5のいずれかに記載の遊技機では、内部抽選の結果として異種図柄揃役に当選となった場合、図柄表示部内の判定表示位置に異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されるように可動表示体の回転停止の制御が実行される。そして、解決手段5等から、この場合の異種図柄揃役には共益異種図柄揃役、単独異種図柄揃役の双方が含まれる。
すなわち、異種図柄揃役については、いわゆる「取りこぼし」(当選したにも関わらず、対応する遊技特典が得られずにその遊技特典を消滅させてしまうこと)が生じないこととなる。従って、遊技者は異種図柄揃役に対応する遊技特典は必ず獲得することができるものとなる。
これらのことから、共益当選役(共益異種図柄揃役)に当選となった場合、特定当選役に優先して異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様を表示させるものとすることが望ましい。また、解決手段5等から、特定当選役については次回以降のゲームに持ち越すものことのできるものとすれば、共益異種図柄揃役に当選となった場合には、2つの遊技特典全てを遊技者に付与することができる。
また、バラケ目となる割合(内部抽選の結果として異種図柄揃役が選び出される割合のこと、異種図柄揃役の当選確率)は低く抑えることが望ましい。例えば、内部抽選の結果として選び出される複数の当選役のうち、異種図柄揃役の当選確率を最も低くすることなどである。このようにすると、バラケ目は遊技者が滅多に見ることのできない価値のあるものとなる。さらに、バラケ目となった場合にも期待演出態様等の特別な演出は行われないため、遊技者はいつバラケ目となるか毎回気を抜くことなくゲームに臨むことになる。従って、過剰な演出態様等によって、遊技者を糠喜びさせたり、演出態様の煩わしさを与えてしまったり、といったことが極力回避される。また、この価値のあるバラケ目は異種図柄揃役に当選すると必ず見ることができることとなるため、遊技者は一度でもバラケ目を見てみたいという興味をもってゲームに臨むことができるため、興趣の低下を招きにくくすることができる。
(解決手段7)
解決手段7は、解決手段5または6に記載の遊技機において、前記通常遊技状態に比べて、所定期間に消費される遊技価値の総数の少ない有利遊技状態にてゲームの進行を制御する有利遊技状態制御手段と、前記図柄表示部内に前記共益当選役及び前記単独当選役に共通する前記異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたと前記当選役図柄表示判定手段により判定された場合、前記有利遊技状態制御手段による遊技状態の制御を開始させる有利遊技状態開始手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段7によれば、解決手段5または6に記載の遊技機では、当該ゲームにてバラケ目となった場合、これを契機として有利遊技状態にてゲームの進行が制御される(有利遊技状態制御手段)。ここでいう「契機」には、バラケ目が図柄表示部内の判定表示位置に表示された時点や、最小単位の遊技価値の付与が行われた時点を含むものである。
ここで、有利遊技状態とは、通常遊技状態に比べると任意の所定期間に遊技者が消費する遊技価値の総数が少ない状態にてゲームの進行が制御される遊技状態のことをいう。そして、消費する遊技価値の総数とは、
[(所定期間に掛け数として投入された遊技価値の総数)−(付与された遊技価値の総数)]
のことをいう。従って、通常遊技状態は、この消費する遊技価値の総数が多くなる状態、つまり、遊技者がゲームを続ければそれだけ所有する遊技価値を減らしていく遊技状態ということになる。
つまり、有利遊技状態では、遊技価値の付与機会を増やしたり、遊技価値の投入なしで1回のゲームを行うことのできる機会(いわゆる再遊技となる機会)を増やしたり、することにより遊技者が消費する遊技価値の総数を少なく抑えた遊技状態ということになる。
例えば、掛け数と同数以下の遊技価値が付与される機会を増やしたり、再遊技となる機会を増やしたり、することにより、通常遊技状態に比べれば、遊技者が所有している遊技価値を消費していく度合いが緩やかな態様(任意の所定期間において消費される遊技価値の総数が通常遊技状態に比べて少なく抑えられている態様)となる。このような有利遊技状態でのゲームを続ければ、遊技価値の増加は見込めないが、遊技者は遊技価値をあまり減らさずにゲームを続けられるという有利な条件が保たれることになる。
なお、有利遊技状態は、あくまでも通常遊技状態に比べて有利(つまり、任意の所定期間に消費される遊技価値の総数が少ない)であればよいため、所定期間に遊技価値の増加が期待できる態様を含めてもよい。例えば、所定の当選役(掛け数を超える遊技価値が付与される遊技特典に対応する)の当選確率を通常遊技状態での当選確率と比べて向上させるなどして、有利遊技状態でのゲームが続くかぎり遊技価値の増加が可能な態様とすることなどである。この場合には、有利遊技状態でのゲームを続ければ続けるほど、遊技者は遊技価値を増やしていくことを期待することができる。
そして、異種図柄揃役は有利遊技状態の開始条件ということになる。実際には、次ゲーム(当該ゲームの次回に行われるゲームのこと、以下同様)から有利遊技状態が開始されることになる。
このようなことから、バラケ目となった場合、特定当選役に当選している可能性と、最小単位数の遊技価値の付与に加えて、さらに有利遊技状態の開始契機という遊技特典が付加されることになる。従って、遊技者の注目を一層バラケ目に向けさせることができ、過剰な演出態様等に依存せずとも、ハズレ演出や通常演出が断続的に行われている状況で突如バラケ目となる、といった新鮮味、驚きを遊技者に与えることができ、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段8)
解決手段8は、解決手段7に記載の遊技機において、前記有利遊技状態制御手段により前記有利遊技状態にてゲームの進行が制御されている状態では、前記特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を前記判定表示位置に導出させることを回避するべく前記可動表示体の回転停止を制御する特定当選役役導出回避表示停止制御手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段8によれば、解決手段7に記載の遊技機では、有利遊技状態では特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を表示させにくい状態(極力表示されることが回避された状態)となる。このような回避の手段としては、例えば、特定当選役に優先して導出される所定の当選役を設けるなどして、有利遊技状態では、この所定の当選役に当選する機会を大幅に増加させることなどがある。このようにすれば、有利遊技状態では、所定の当選役に当選する機会が増えることなり、特定当選役については次回以降のゲームに持ち越すものことのできるものとした場合に、この所定の当選役に当選する状況が続くかぎり、特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを回避し続けることが可能となる。なお、この所定の当選役には再遊技を実行させる当選役を含めてもよい。
従って、共益当選役(共益異種図柄揃役)であっても、次回以降のゲームで特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されにくくなるため、単独当選役であったのか共益当選役であったのかを数回のゲームを行っただけでは判断することが不可能なものとなる。よって、遊技者が相当にゲームの経験を積み重ねて、バラケ目を特定できてしまうような水準に到達したとしても、バラケ目が表示されるたびに遊技者に共益異種図柄揃役であるかもしれないという期待感を持たせることができる。さらに、バラケ目が遊技者にとって価値の度合いの低いものとなってしまうことも回避される。従って、ハズレが続くような状況であっても期待演出態様等に依存せずにバラケ目となることを期待しながらゲームを進めることができるようになり、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段9)
解決手段9は、解決手段7または8に記載の遊技機において、前記有利遊技状態制御手段は、所定期間だけ前記有利遊技状態を継続させることを特徴とする遊技機である。
解決手段9によれば、解決手段7または8に記載の遊技機では、有利遊技状態は、所定期間だけ継続する。すなわち、所定期間を経過すると(所定数のゲーム回数に到達すること)終了となる。この所定期間は数回から多くとも十回程度のゲーム回数に留めることが望ましい。すなわち、バラケ目となった後(次ゲーム)からは多くとも十回程度の期間だけ有利遊技状態が継続することとなる。また、解決手段7等から、共益異種図柄揃役、単独異種図柄揃役のいずれ有利遊技状態の開始させる契機であり、同様にこの所定回数にて終了するものとなるため、両者の区別はますます困難なものとなる。従って、遊技者が、いずれのバラケ目であるかを容易に区別できてしまい、興趣を低下させてしまうといったことが極力回避できる。
また、有利遊技状態は所定期間を経過すると終了することから、解決手段8等から、特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を表示させにくい状態が解除され、特に当該有利遊技状態の開始契機となったものが共益異種図柄揃役であった場合や、当該有利遊技状態でのゲームにおいて特定当選役に当選していた場合などは、特定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示できることとなるため、有利遊技状態終了後も遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)が続くことになる。従って、有利遊技状態が所定期間で終了となっても、遊技者の興趣を低下させにくい状況を作り出すことができる。
(解決手段10)
解決手段0は、解決手段1から9のいずれかに記載の遊技機において、前記内部抽選の結果として選び出される当選役のうち、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される再遊技役をさらに有し、前記再遊技役に対応する図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示部内に表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、当該ゲームの掛け数を次回のゲームに持ち越して改めて遊技価値を掛けることなく次回のゲームを実行可能にする再遊技実行手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段10によれば、解決手段1から9のいずれかに記載の遊技機では、図柄表示部内の有効となる表示位置に再遊技役図柄の組み合わせ態様が表示されると、再遊技役に対応する遊技特典として、遊技状態が再遊技状態へ移行されることになる。この再遊技状態とは、遊技者が改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲーム(今回のゲーム)の掛け数を持ち越して次回のゲームを実行させることができる状態のことをいう。つまり、再遊技役図柄の組み合わせが表示された場合、遊技者は遊技価値を新たに消費せずに1回分のゲームを行うことができることになる。従って、再遊技役に当選することが多くなれば、その分だけ遊技価値の消費を抑えることができ、遊技者が単位時間当たりに消費する遊技価値の量をある程度一定の範囲内に抑えることが可能となる。
なお、再遊技役については、同種図柄揃役に含めるものとすることが望ましい。これは、「同じ種類の図柄の組み合わせ態様は当たりである」という認識を遊技者に持たせるためである。これにより、「バラバラな図柄の組み合わせ態様のうち、当たりとなるのは異種図柄揃役のみである」という認識を遊技者に持たせて、バラケ目をより際立たせることができる。
また、再遊技役図柄の組み合わせについては、取りこぼしが生じないものとしてもよい。このようにすれば、遊技者の技量(目押しの技量など)によって、遊技価値の消費量に大幅な格差が生じるような事態を極力回避することができる。
さらに、解決手段7等から、有利遊技状態にて再遊技役の当選確率を向上されるような態様をとれば、有利遊技状態では遊技者は所有する遊技価値をほとんど減らさずに、現状維持しながらゲームを進めていくことが可能となる。
(解決手段11)
解決手段11は、解決手段1から10のいずれかに記載の遊技機において、前記内部抽選の結果として選び出される当選役のうち、当該ゲームの結果として遊技価値を付与する一般小役をさらに有し、前記一般小役に対応する図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示部内に表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、当該ゲームにて前記一般小役に対応する規定数の遊技価値を付与する一般小役遊技価値付与手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段11によれば、解決手段1から10のいずれかに記載の遊技機では、図柄表示部内の有効となる表示位置に一般小役図柄の組み合わせ態様が表示されると、一般小役に対応する遊技特典として規定数の遊技価値が遊技者に付与される。つまり、一般小役に当選することが増えれば、それだけ遊技者は遊技価値を増加させることも可能となるので、遊技価値を一方的に減らし続けるといったことは軽減される。
また、一般小役は複数の種類を設けるものとしてもよい。このとき設けたそれぞれの一般小役ごとに対応する当選役図柄も別々に設けたり、それぞれの一般小役ごとに応じて付与される遊技価値の規定数を異ならせたりすることにより、複数の一般小役に価値の差をつけたり、一般小役図柄の種類を増やすことができる。このように一般小役の種類を増やすと、全ての当選役の種類も増えることとなる。従って、様々な当選役に当選する可能性が増えるので、遊技者を飽きさせてしまうといった事態を極力減少させることができる。
また、一般小役についても、同種図柄揃役に含めるものとすることが望ましい。これは、「同じ種類の図柄の組み合わせ態様は当たりである」という認識を遊技者に持たせるためである。これにより、「バラバラな図柄の組み合わせ態様のうち、当たりとなるのは異種図柄揃役のみである」という認識を遊技者に持たせて、バラケ目をより際立たせることができる。
なお、一般小役図柄についても、取りこぼしが生じないものとしてもよい。ただし、複数の一般小役を設ける場合、そのうちの一部に留めることがよい。これは一般小役のうちでも、目押しをしなくても揃えられるものと、目押しをしないと揃えられないものとを設けることが、よりゲーム性の面白みを遊技者に付与することができるからである(技術介入度の入る余地を残しておくことにより目押しの面白みを遊技者が味わうことができる)。
また、解決手段7等から、有利遊技状態にて一般小役の当選確率を向上されるような態様をとれば、有利遊技状態では遊技者は所有する遊技価値を少しずつ増やしながらゲームを進めていくことが可能となる。さらに、これに再遊技役も加えた態様(つまり、一般小役、再遊技役ともにその当選確率が向上される態様)とすれば、有利遊技状態が続く限り遊技価値を際限なく増加させていくことも可能となる。
(解決手段12)
解決手段12は、解決手段11に記載の遊技機において、前記一般小役遊技価値付与手段は、複数の異なる種類設けられた前記一般小役のそれぞれに対応する規定数の遊技価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機である。
解決手段12によれば、解決手段11に記載の遊技機では、一般小役として複数の種類を設けることができる。これに伴い、各々の一般小役に対応する当選役図柄も複数の種類それぞれ設けることや、あるいは、各々の一般小役図柄として有効となる図柄の組み合わせ態様も複数種類設けることができる。
このように、一般小役に複数の種類を設けることにより、図柄表示部内で表示される図柄の組み合わせ態様を多様化させて遊技者に単調な印象を与えずに遊技者を飽きさせにくくすることができる。
(解決手段13)
解決手段13は、解決手段1から12のいずれかに記載の遊技機において、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記複数の可動表示体を回転させて前記図柄変動表示装置の変動を開始させる始動操作部と、前記始動操作部に併設して設けられ前記複数の可動表示体の回転を順次停止させる操作可能な複数の停止操作部と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記始動操作部にて遊技者の始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作部にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて所定の遊技特典を付与する遊技特典付与手段とをさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段13によれば、解決手段1から12のいずれかに記載の遊技機としては、スロットマシンに代表される回胴式遊技機が挙げられる。すなわち、本発明は回胴式遊技機に好適であるといえる。スロットマシン等の回胴式遊技機では、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行う(始動操作部)と、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられる(停止操作部)と、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
始動操作部には併設して停止操作部が備えられている。ここで停止操作部は個々の可動表示体に対応して設けられており(すなわち、複数の停止操作部がある)、それぞれの可動表示体の回転を停止させるための操作は遊技者が任意のタイミングで行うことが可能となっている。また、始動操作部と停止操作部が併設されていることにより、遊技者は図柄変動表示装置の変動の開始及び停止させる操作を一連の動作としてスムーズに行うことができる。つまり、始動操作を行った後、始動操作部に併設された停止操作部のうち、始動操作部の最寄(最も近く)に配されている停止操作部(最寄停止操作部という)から順次停止操作を行うことにより、始動操作から全ての停止操作を終えるまで必要最小限の動作で済ませられる。従って、遊技者に
[始動操作部→最寄停止操作部→他の停止操作部]といった一連の動作を自然と促すことができる。
このようにして遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させ、そして停止させるという一連の操作を繰り返しながらスロットマシンでのゲームを進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様によって、例えば、上記一般小役であれば、当該一般小役に対応した規定数の遊技価値が付与される。さらに解決手段5等から、特別遊技状態であれば通常遊技状態に比べて遊技価値の付与機会が集中して与えられることになる。このように遊技者は1回1回のゲームごとの結果に応じて遊技価値を減らしたり、増やしたりしながらゲームを進めていき、できるだけ多くの遊技価値を獲得することに喜びを見出すことになる。
(解決手段14)
解決手段14は、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を備えた図柄変動表示装置を備え、前記複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記複数の可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を前記図柄変動表示装置内の所定箇所に表示可能とする図柄表示部と、ゲームの進行に伴う複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する演出実行手段と、前記複数の演出態様からゲームの進行に応じた演出態様を選択する演出態様選択手段と、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記複数の可動表示体を回転させて前記図柄変動表示装置の変動を開始させる始動操作部と、前記始動操作部に併設して設けられ前記複数の可動表示体の回転を順次停止させる操作可能な複数の停止操作部と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記始動操作部にて遊技者の始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作部にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて所定の遊技特典を付与する遊技特典付与手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中いずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に基づいて、回転する複数の前記可動表示体の回転停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を複数の前記可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせ態様のうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたときにその組み合わせ態様を有効とする表示位置を決定する判定表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記判定表示位置決定手段により決定された前記判定表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する図柄表示態様判定手段とを備え、前記当選役として、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様に対応する同種図柄揃役と、前記ハズレ役とは別に、少なくとも複数種類の図柄からなる組み合わせ態様に対応する異種図柄揃役とを少なくとも有し、前記図柄表示態様判定手段により前記同種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことが判定されると、所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、前記図柄表示態様判定手段により前記異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことが判定されると、1回のゲームに必要な最小単位数の遊技価値を付与する最小単位遊技価値付与手段とをさらに備え、前記演出実行手段は、前記同種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には当該当選役を知らせる特別演出を実行させ、前記異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には前記ハズレ役となった場合に実行させるハズレ演出を実行させることを特徴とする遊技機である。
解決手段14よれば、本発明の記載の遊技機としては、スロットマシンに代表される回胴式遊技機が好適である。スロットマシン等の回胴式遊技機では、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行う(始動操作部)と、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられる(停止操作部)と、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
そして、この始動操作部に併設して停止操作部が備えられている。ここで停止操作部は個々の可動表示体に対応して設けられており(すなわち、複数の停止操作部がある)、それぞれの可動表示体の回転を停止させるための操作は遊技者が任意のタイミングで行うことが可能となっている。また、始動操作部と停止操作部が併設されていることにより、遊技者は図柄変動表示装置の変動の開始及び停止させる操作を一連の動作としてスムーズに行うことができる。つまり、始動操作を行った後、始動操作部に併設された停止操作部のうち、始動操作部の最寄(最も近く)に配されている停止操作部(最寄停止操作部という)から順次停止操作を行うことにより、始動操作から全ての停止操作を終えるまで必要最小限の動作で済ませられる。従って、遊技者に
[始動操作部→最寄停止操作部→他の停止操作部]といった一連の動作を自然と促すことができる。
このようにして遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させ、そして停止させるという一連の操作を繰り返しながらスロットマシンでのゲームを進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様によって、例えば、遊技価値の付与や、遊技価値の付与機会が増加する状態への遷移(移行)といった遊技特典が付与される。このように遊技者は1回1回のゲームごとの結果に応じて遊技価値を減らしたり、増やしたりしながらゲームを進めていき、できるだけ多くの遊技価値を獲得することに喜びを見出すことになる。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体の停止操作を行う際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、ハズレ図柄(いずれの当選役図柄に該当しない図柄)を含むことができる。図柄帯にはこれらの図柄が所定個数分だけ一定間隔で配置されており(これにより図柄列が形成される)、この図柄帯が可動表示体に付されている。
複数の可動表示体は個々に停止操作を受け付けることが可能となっており、(遊技者により)全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果に基づいて、各可動表示体の回転停止の制御が行われる。
図柄変動表示装置はその装置内の所定箇所に図柄表示部を備えており、図柄表示部では、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっている。なお、図柄表示部は、遊技機本体の前面側に設けることにより遊技者が遊技機に正対してゲームを行うことができる。
図柄表示部内には、上記可動表示体の回転中は変動している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止状態となると、可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の組み合わせ態様(表示態様)となる。
そして、ゲームの進行に伴い、複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する(演出実行手段)。このような演出実行手段は、遊技者の視覚や聴覚に訴えるものを指す。例えば、液晶ディスプレイやELディスプレイ(Electroluminescence Display)、ドットLED、更にはランプ等に代表される表示手段(または発光手段)や、スピーカなどに代表される音響手段である。なお、遊技者の触覚に訴えるものを含めてもよい(例えば、振動を起こす手段)。これらの演出実行手段により、遊技者はゲームを視覚的、聴覚的(あるいは触覚的)に楽しむことができる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の抽選結果とそれぞれの抽選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に上記所定範囲内の乱数の値がそれぞれ当たり値として割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
また当選役には、一つの当たり値に対して、複数の遊技特典を付与することが可能なものを含めてもよい。このようにすると、1回の内部抽選で2つの当選役に当選となる場合もあるということになる。また、当該ゲームの結果として図柄表示部内に表示された結果とは別の当選役にも同時に当選していたかもしれないという可能性(あるいは期待感)を遊技者に持たせることができる。これらのことは「当たり値には、1つの当選役に対応する単独当たり値と、複数の当選役に対応する共有当たり値がある」、あるいは「1回のゲーム結果には、1つの当選役に対応する遊技特典のみを許容する場合と、複数の当選役に対応する遊技特典を許容する場合がある」と言い換えることもできる。
1回のゲームで行われた内部抽選の結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。また、内部抽選の抽選結果がいずれの当選役にも該当しない場合、ハズレということになる。なお、ハズレも内部抽選の結果の一つである。また、ハズレは、いずれの当選役に対応する遊技特典も付与しない非当選役ともいえるため、以下では、必要に応じてハズレ役という。
そして、これらの演出実行手段により実行される演出態様には、ゲームの進行に伴う複数の内容のものが含まれている。例えば、当該ゲームにて内部抽選の結果として選び出された当選役を示唆するものや、当該ゲームから複数回のゲームにわたって連続的に行うもの(筋書き的に進んでいく態様や、段階的に進んでいく態様など)などがある。このような演出態様は、ゲームの進行に応じて行われることにより、遊技者が当該ゲームの結果(内部抽選の結果としていずれの当選役が選び出されたかを指す、以下同様)を予想したり、演出態様自体を楽しんだりして、ゲームに面白みを付加してゲームを進めやすくするものである。
各可動表示体が停止状態となった際に図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、予め決められた所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する基準となる表示位置(判定表示位置という、以下同様)のことをいう。つまり、上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、判定表示位置に表示されてはじめて有効(対応する遊技特典等が付与される)となるのである。
判定表示位置は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。なお、判定表示位置は直線型以外の形の組み合わせ(例えば、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形の組み合わせなどが挙げられる)であってもよいし、さらに、直線型とこれらを適宜組み合わせてもよい。
また、遊技価値の掛け数に応じて判定表示位置を変更させてもよい。これは、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の判定表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、判定表示位置を増やすことができたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、判定表示位置を減らすことができたり、することが可能となる。このようにすると、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、内部抽選の結果として所定の当選役に当選となっている場合、該当する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を判定表示位置に表示できる可能性が高くなる(表示させやすくすることができる)。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の判定表示位置に予め決められたいずれかの当選役に対応する図柄(当選役図柄という、以下同様)の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する(図柄表示態様判定手段)。
当選役に対応する図柄の組み合わせ態様には、全て同種類の図柄からなる組み合わせ(同種図柄揃役に対応する)と、ハズレ役とは別に少なくとも複数種類の図柄からなる組み合わせ態様(異種図柄揃役に対応する、この態様をバラケ目という、以下同様)と、が少なくとも含まれている。そして、「ハズレ役」に対応する図柄の組み合わせ態様(これをハズレ目という、以下同様)とは、同種図柄揃役、異種図柄揃役のいずれにも該当(対応)しない組み合わせ態様ということになる。
また、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様にはハズレ目はないものとすることが望ましい。このようにすると、複数種類の図柄からなる組み合わせのほとんどがハズレ目ということになる。つまり、バラバラな図柄の組み合わせ態様(全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様以外のこと、以下同様)は、ほぼハズレ目ということになる。従って、「バラバラな図柄の組み合わせ態様はハズレである」といった認識を持ちやすくなる。また、このことは同時に「同じ種類の図柄の組み合わせ態様は当たり(いずれかの遊技特典が与えられるということ、以下同様)である」という認識を遊技者に持たせることにもなる。
なお、バラバラな図柄の組み合わせ態様という点では、バラケ目はハズレ目のうちの一部の特殊な態様であるともいえる。このことから、以下では単にハズレ目という場合にはバラケ目を含むものとして説明する。
そして、図柄表示部内の判定表示位置に同種図柄揃役に対応する組み合わせ(全て同種類の図柄からなる組み合わせ)態様が表示されると、所定数の遊技価値が付与される(遊技価値付与手段)。なお、遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲーム(当該ゲームの次回を含めて以後に行われるゲームのこと、以下同様)で実行させるものでもよい。つまり、同種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。
そして、このとき遊技価値の付与に伴い遊技者に向けて特別演出が実行される。この特別演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に向けて報知(告知、教示)する態様の演出である。
一方、図柄表示部内の判定表示位置に異種図柄揃役に対応する組み合わせ(少なくとも複数種類の図柄からなる特定の組み合わせ)態様が表示されると、最小単位数の遊技価値が付与される(最小単位遊技価値付与手段)。この最小単位数とは、1回のゲームを行うために必要な遊技価値の最小限度の数のことをいう。なお、この場合も遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲームで実行させるものでもよい。つまり、異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。
そして、このときはハズレ役となった場合に行われるハズレ演出が実行される。このハズレ演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に直接的あるいは間接的に報知(告知、教示)したり、示唆(意識)させたり、する態様の演出を除いた態様の演出であれば、どのような態様の演出であってもよい。望ましくは、何も行わない態様の演出、通常状態でいつも実行されている態様の演出、ゲームの進行上で最も多い頻度にて実行される態様の演出などとすることがよい。このように、いわゆる「いつも通りの演出(通常演出)」が実行されると、期待演出態様などの過剰な演出態様によって遊技者に過度の期待をさせて結果的に糠喜びで終わらせてしまったり、演出態様の煩わしさを与えてしまったり、といったことが極力回避される。
これらのことから、異種図柄揃役はその存在を遊技者に周知しない態様を取るものとする。すなわち、異種図柄揃役そのものを遊技者が知らない状態でゲームを進めていけば、以下のような効果を奏することができる。
異種図柄揃役となった場合にハズレ演出を実行させることにより、遊技者には当該ゲームの結果が特段に興味を惹くものではない(つまり、ハズレの可能性が極めて高い)といった意識を持たせるだけに留めることができる。
さらに、異種図柄揃役では、付与される遊技価値の総数が最小単位数であるため、遊技者に遊技価値の付与されたことを気付かれることなくゲームを進めさせていくことが可能となる。これは、付与する遊技価値の総数が少なければ、その分だけ遊技価値の付与に要する時間を短縮することができるからである。
また、遊技者が最小単位数の遊技価値の付与が行われていることに気付いた場合には、さらなる効果を奏することができる。すなわち、ハズレ目であったにも関わらず、遊技価値の付与が行われたということを遊技者が目の当たりにすると、どのような図柄の組み合わせであれば遊技価値が付与されるのか、といったことでハズレ目(特にバラケ目)に興味を持たせ、遊技者の注目を向けさせることができる。
さらに、演出態様からはハズレ目であるのかバラケ目であるのか判断が付かないため、期待演出態様などに依存せずに、ハズレ演出や通常演出が断続的に行われている場合であっても、遊技者は、常にある程度の期待を持ち続けることができ、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
(解決手段15)
解決手段15は、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を備えた図柄変動表示装置を備え、前記複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記複数の可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を前記図柄変動表示装置内の所定箇所に表示可能とする図柄表示部と、ゲームの進行に伴う複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する演出実行手段と、前記複数の演出態様からゲームの進行に応じた演出態様を選択する演出態様選択手段と、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記複数の可動表示体を回転させて前記図柄変動表示装置の変動を開始させる始動操作部と、前記始動操作部に併設して設けられ前記複数の可動表示体の回転を順次停止させる操作可能な複数の停止操作部と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記始動操作部にて遊技者の始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作部にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて所定の遊技特典を付与する遊技特典付与手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中いずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に基づいて、回転する複数の前記可動表示体の回転停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を複数の前記可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせ態様のうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたときにその組み合わせ態様を有効とする表示位置を決定する判定表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記判定表示位置決定手段により決定された前記判定表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する図柄表示態様判定手段とを備え、前記当選役として、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様に対応する同種図柄揃役と、前記ハズレ役とは別に、少なくとも複数種類の図柄からなる特定の組み合わせ態様に対応する異種図柄揃役と、所定の図柄を少なくとも1つ含むだけで他の図柄は任意でよい図柄の組み合わせ態様に対応する単図柄揃役とを少なくとも有し、前記図柄表示態様判定手段は、前記同種図柄揃役に対応する組み合わせ態様もしくは前記単図柄揃役に対応する組み合わせ態様のいずれかが表示されたことが判定されると、所定数の遊技価値を付与する遊技価値付与手段と、前記異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことが判定されると、1回のゲームに必要な最小単位数の遊技価値を付与する最小単位遊技価値付与手段とをさらに備え、前記演出実行手段は、前記同種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には当該当選役を知らせる特別演出を実行させ、前記異種図柄揃役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示された場合には前記ハズレ役となった場合に実行させるハズレ演出を実行させることを特徴とする遊技機である。
解決手段15よれば、本発明の記載の遊技機としては、スロットマシンに代表される回胴式遊技機が好適である。スロットマシン等の回胴式遊技機では、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行う(始動操作部)と、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられる(停止操作部)と、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
そして、この始動操作部に併設して停止操作部が備えられている。ここで停止操作部は個々の可動表示体に対応して設けられており(すなわち、複数の停止操作部がある)、それぞれの可動表示体の回転を停止させるための操作は遊技者が任意のタイミングで行うことが可能となっている。また、始動操作部と停止操作部が併設されていることにより、遊技者は図柄変動表示装置の変動の開始及び停止させる操作を一連の動作としてスムーズに行うことができる。つまり、始動操作を行った後、始動操作部に併設された停止操作部のうち、始動操作部の最寄(最も近く)に配されている停止操作部(最寄停止操作部という)から順次停止操作を行うことにより、始動操作から全ての停止操作を終えるまで必要最小限の動作で済ませられる。従って、遊技者に
[始動操作部→最寄停止操作部→他の停止操作部]といった一連の動作を自然と促すことができる。
このようにして遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させ、そして停止させるという一連の操作を繰り返しながらスロットマシンでのゲームを進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様によって、例えば、遊技価値の付与や、遊技価値の付与機会が増加する状態への遷移(移行)といった遊技特典が付与される。このように遊技者は1回1回のゲームごとの結果に応じて遊技価値を減らしたり、増やしたりしながらゲームを進めていき、できるだけ多くの遊技価値を獲得することに喜びを見出すことになる。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体の停止操作を行う際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、ハズレ図柄(いずれの当選役図柄に該当しない図柄)を含むことができる。図柄帯にはこれらの図柄が所定個数分だけ一定間隔で配置されており(これにより図柄列が形成される)、この図柄帯が可動表示体に付されている。
複数の可動表示体は個々に停止操作を受け付けることが可能となっており、(遊技者により)全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果に基づいて、各可動表示体の回転停止の制御が行われる。
図柄変動表示装置はその装置内の所定箇所に図柄表示部を備えており、図柄表示部では、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっている。なお、図柄表示部は、遊技機本体の前面側に設けることにより遊技者が遊技機に正対してゲームを行うことができる。
図柄表示部内には、上記可動表示体の回転中は変動している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止状態となると、可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の組み合わせ態様(表示態様)となる。
そして、ゲームの進行に伴い、複数の演出態様を遊技機の外部に向けて実行する(演出実行手段)。このような演出実行手段は、遊技者の視覚や聴覚に訴えるものを指す。例えば、液晶ディスプレイやELディスプレイ(Electroluminescence Display)、ドットLED、更にはランプ等に代表される表示手段(または発光手段)や、スピーカなどに代表される音響手段である。なお、遊技者の触覚に訴えるものを含めてもよい(例えば、振動を起こす手段)。これらの演出実行手段により、遊技者はゲームを視覚的、聴覚的(あるいは触覚的)に楽しむことができる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の抽選結果とそれぞれの抽選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に上記所定範囲内の乱数の値がそれぞれ当たり値として割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
また当選役には、一つの当たり値に対して、複数の遊技特典を付与することが可能なものを含めてもよい。このようにすると、1回の内部抽選で2つの当選役に当選となる場合もあるということになる。また、当該ゲームの結果として図柄表示部内に表示された結果とは別の当選役にも同時に当選していたかもしれないという可能性(あるいは期待感)を遊技者に持たせることができる。これらのことは「当たり値には、1つの当選役に対応する単独当たり値と、複数の当選役に対応する共有当たり値がある」、あるいは「1回のゲーム結果には、1つの当選役に対応する遊技特典のみを許容する場合と、複数の当選役に対応する遊技特典を許容する場合がある」と言い換えることもできる。
1回のゲームで行われた内部抽選の結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。また、内部抽選の抽選結果がいずれの当選役にも該当しない場合、ハズレということになる。なお、ハズレも内部抽選の結果の一つである。また、ハズレは、いずれの当選役に対応する遊技特典も付与しない非当選役ともいえるため、以下では、必要に応じてハズレ役という。
そして、これらの演出実行手段により実行される演出態様には、ゲームの進行に伴う複数の内容のものが含まれている。例えば、当該ゲームにて内部抽選の結果として選び出された当選役を示唆するものや、当該ゲームから複数回のゲームにわたって連続的に行うもの(筋書き的に進んでいく態様や、段階的に進んでいく態様など)などがある。このような演出態様は、ゲームの進行に応じて行われることにより、遊技者が当該ゲームの結果(内部抽選の結果としていずれの当選役が選び出されたかを指す、以下同様)を予想したり、演出態様自体を楽しんだりして、ゲームに面白みを付加してゲームを進めやすくするものである。
各可動表示体が停止状態となった際に図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、予め決められた所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する基準となる表示位置(判定表示位置という、以下同様)のことをいう。つまり、上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、判定表示位置に表示されてはじめて有効(対応する遊技特典等が付与される)となるのである。
判定表示位置は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。なお、判定表示位置は直線型以外の形の組み合わせ(例えば、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形の組み合わせなどが挙げられる)であってもよいし、さらに、直線型とこれらを適宜組み合わせてもよい。
また、遊技価値の掛け数に応じて判定表示位置を変更させてもよい。これは、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の判定表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、判定表示位置を増やすことができたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、判定表示位置を減らすことができたり、することが可能となる。このようにすると、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、内部抽選の結果として所定の当選役に当選となっている場合、該当する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を判定表示位置に表示できる可能性が高くなる(表示させやすくすることができる)。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の判定表示位置に予め決められたいずれかの当選役に対応する図柄(当選役図柄という、以下同様)の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する(図柄表示態様判定手段)。
当選役に対応する図柄の組み合わせ態様には、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様(同種図柄揃役に対応する)と、ハズレ役とは別に少なくとも複数種類の図柄からなる組み合わせ態様(異種図柄揃役に対応する、バラケ目という)と、所定の図柄を1つ含んでいれば残りの図柄は何でもよいという組み合わせ態様(単図柄揃役に対応する)が少なくとも含まれている。この「ハズレ役」に対応する図柄の組み合わせ態様(これをハズレ目という)とは、同種図柄揃役、異種図柄揃役、単図柄揃役のいずれにも該当(対応)しない組み合わせということになる。
また、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様にはハズレ目はないものとすることが望ましい。このようにすると、複数種類の図柄からなる組み合わせのほとんどがハズレ目ということになる。つまり、バラバラな図柄の組み合わせ態様(全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様以外のこと)は、ほぼハズレ目ということになる。従って、遊技者は「バラバラな図柄の組み合わせ態様はハズレである」といった認識を持ちやすくなる。また、このことは同時に「同じ種類の図柄の組み合わせ態様は当たり(いずれかの遊技特典が与えられるということ)である」という認識を遊技者に持たせることにもなる。
なお、バラバラな図柄の組み合わせ態様という点では、バラケ目はハズレ目のうちの一部の特殊な態様であるともいえる。このことから、以下では単にハズレ目という場合にはバラケ目を含むものとして説明する。
そして、図柄表示部内の判定表示位置に同種図柄揃役に対応する組み合わせ(全て同種類の図柄からなる組み合わせ)態様が表示されると、所定数の遊技価値が付与される(遊技価値付与手段)。また、図柄表示部内の判定表示位置に単図柄揃役に対応する組み合わせ(所定の図柄を1つ含んでいれば残りの図柄は何でもよいという組み合わせ)態様が表示された場合にも、所定数の遊技価値が付与される。
なお、遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲーム(当該ゲームの次回を含めて以後に行われるゲームのこと、以下同様)で実行させるものでもよい。つまり、同種図柄揃役または単図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。また、付与される遊技価値の所定数は、同種図柄揃役、単図柄揃役ごとそれぞれ異ならせるものとしてもよい。特に同種図柄揃役は複数設けて、それぞれ上記所定数を異ならせることにより、個々の同種図柄揃役に価値の格差(付与される遊技価値の多寡など)をつけることが可能となる。
そして、このとき遊技価値の付与に伴い遊技者に向けて特別演出が実行される。この特別演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に向けて報知(告知、教示)する態様の演出である。
単図柄揃役とは「少なくとも当選役図柄(所定の図柄)を1つ含んでいれば残りの図柄は何でもよいという組み合わせ態様に対応する」ともいえる。これは、複数の可動表示体のうち、少なくとも1つの可動表示体のみで所定の図柄が表示されたかを判定することを意味する。そして、この可動表示体を判定対象可動表示体という。
つまり、「判定対象可動表示体についてのみ当該可動表示体にて判定表示位置として選び出された箇所に所定の図柄が表示されたか否かを判定する手段」という構成を備えている。従って、所定の図柄はこの判定対象可動表示体が停止した際に、対応する判定表示位置(判定表示位置として当該可動表示体について少なくとも1つの図柄が選び出された箇所)に表示されればよいこととなる。
これは、「判定対象可動表示体以外の可動表示体については、当該可動表示体にて判定表示位置として選び出された箇所に表示された図柄を判定しない」ともいえる。従って、単図柄揃役とは、全ての可動表示体について、その判定表示位置として選び出された箇所に表示された図柄から組み合わせ態様が判定される同種図柄揃役、異種図柄揃役とは異なるものであるといえる。
以上のことから、判定対象可動表示体は複数の可動表示体のうちの一部に留めるものとする。このようにすると、遊技者が単図柄揃役を表示させようとする場合に判定対象可動表示体のみに狙いをつければよいため、遊技者が全ての可動表示体を停止させる操作の負担(つまり、当選役図柄の組み合わせを停止させるために毎回全ての可動表示体を正確に狙って停止させる負担)を軽減させることができる。
一方、図柄表示部内の判定表示位置に異種図柄揃役に対応する組み合わせ(少なくとも複数種類の図柄からなる特定の組み合わせ)態様が表示されると、最小単位数の遊技価値が付与される(最小単位遊技価値付与手段)。この最小単位数とは、1回のゲームを行うために必要な遊技価値の最小限度の数のことをいう。なお、この場合も遊技価値の付与は当該ゲームのみに限られるものではなく、次回以降のゲームで実行させるものでもよい。つまり、異種図柄揃役に対応する組み合わせ態様が表示されたことを契機として遊技価値の付与を実行するということになる。
そして、このときはハズレ役となった場合に行われるハズレ演出が実行される。このハズレ演出は、遊技価値の付与が行われていることを遊技者に直接的あるいは間接的に報知(告知、教示)したり、示唆(意識)させたり、する態様の演出を除いた態様の演出であれば、どのような態様の演出であってもよい。望ましくは、何も行わない態様の演出、通常状態でいつも実行されている態様の演出、ゲームの進行上で最も多い頻度にて実行される態様の演出などとすることがよい。このように、いわゆる「いつも通りの演出(通常演出)」が実行されると、期待演出態様などの過剰な演出態様によって遊技者に過度の期待をさせて結果的に糠喜びで終わらせてしまったり、演出態様の煩わしさを与えてしまったり、といったことが極力回避される。
これらのことから、異種図柄揃役はその存在を遊技者に周知しない態様を取るものとする。すなわち、異種図柄揃役そのものを遊技者が知らない状態でゲームを進めていけば、以下のような効果を奏することができる。
異種図柄揃役となった場合にハズレ演出を実行させることにより、遊技者には当該ゲームの結果が特段に興味を惹くものではない(つまり、ハズレの可能性が極めて高い)といった意識を持たせるだけに留めることができる。
さらに、異種図柄揃役では、付与される遊技価値の総数が最小単位数であるため、遊技者に遊技価値の付与されたことを気付かれることなくゲームを進めさせていくことが可能となる。これは、付与する遊技価値の総数が少なければ、その分だけ遊技価値の付与に要する時間を短縮することができるからである。
また、遊技者が最小単位数の遊技価値の付与が行われていることに気付いた場合には、さらなる効果を奏することができる。すなわち、ハズレ目であったにも関わらず、遊技価値の付与が行われたということを遊技者が目の当たりにすると、どのような図柄の組み合わせであれば遊技価値が付与されるのか、といったことでハズレ目(特にバラケ目)に興味を持たせ、遊技者の注目を向けさせることができる。
さらに、演出態様からはハズレ目であるのかバラケ目であるのか判断が付かないため、期待演出態様などに依存せずに、ハズレ演出や通常演出が断続的に行われている場合であっても、遊技者は、常にある程度の期待を持ち続けることができ、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
本発明により、遊技者の興趣を低下させにくくすることができる。
以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16はコネクタホルダーの分解斜視図、図17はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図18は他の形態を示すストッパーの斜視図、図19,図20はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図21は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図22はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図23は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図である。
本発明のスロットマシン1は、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
前記メダル放出装置110は、駆動手段(例えばホッパモータ110f)を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられている(図1,図2参照)。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド207a(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
扉形前面部材200は外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、透明板を嵌めたゲーム用の透視窓214になっており、その透視窓214から前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるようになっている。また、扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天部板305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天部板305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天部板305には指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。このように装置ケース302の天部板305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天部板305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天部板305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張ていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図21に示したように、天部板305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図21の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えばサブ基板449)も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図19に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図20に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図17,図22に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図17実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図17想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図18に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図22に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図23に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線用の凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図23に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間を下限とする状態に配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。そうすることにより扉形前面部材200を開いて直ぐに画像表示体500の奥の配線作業空間408内のチェックが行える。
なお、画像表示体500の奥の配線作業空間408内のチェックを効率よく行う手段として、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてもよい。この場合、実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500は、回転中心の位置が異なるため、両者の動きに相対的なずれが生じるが、そのような動きのずれは、連結具を柔軟なワイヤーにするか或は伸縮自在なロッドにする等して吸収できる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が前記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。
また、ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の床板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向)に細長い帯状の基板503に多数のLED504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側に傾けて設置してある。実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、リール301a,301b,301cの特定部分が強く照らされて見辛くなるのに対し、前記のように傾けた場合には、リール301a,301b,301cの広い範囲がほぼ均等に照らされて見え易くなることが確認できた。扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板により照明装置502の光が反射されて全体に拡散するか、或は透明板が明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。また、枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは、電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、遊技ユニット(ケース部材400)が外本体100に対し着脱自在であるため、遊技ユニット(ケース部材400)の交換等に際して本体側電気部品とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120に対して非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間を下限とする位置に配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿いに設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。この2つのコネクタ425,427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、結合時の融通性に優れたドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、それでもまだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を非固定的な遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す必要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。
なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図24に示すように、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図24では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図25参照)。なお、上記図柄表示窓401は図柄表示部に相当する。
また、図柄の種類は、図24に示すように、「数字の「7」がほぼ赤色に塗りつぶされており、数字右に眼鏡をかけた人間を模したキャラクタが描かれている図柄、以下では赤7図柄という(リール帯321aの配列番号19番等)」、「数字の「7」がほぼ青色に塗りつぶされており、数字右に犬を模したキャラクタが描かれている図柄、以下では青7図柄という(リール帯321bの配列番号7番等)」の比較的目立ちやすい図柄(他の図柄に比べて大きさが大きく視認しやすい)がある。
同様に目立ちやすい図柄は他に、「白7図柄(数字の「7」がほぼ白く塗りつぶされている図柄、リール帯321aの配列番号4番等)」、「黒文字図柄(全体に黒色であり、ローマ字でCHOCOと記載されている図柄、図柄帯321cの配列番号18番等)」、「黄文字図柄(黄色のローマ字でTOKORO等の記載がされている図柄、図柄帯321aの配列番号2番等)」がある。これらの図柄(白7図柄、黒文字図柄、黄文字図柄)はいずれもハズレ図柄となっている(詳細は後述する)。
また、「スイカを模った図柄、以下ではスイカ図柄という(リール帯321aの配列番号7番等)」、「ランプ(注入口のついた壷形の容器)を模った図柄、以下ではランプ図柄という(リール帯321bの配列番号2番等)」、「チェリーを模った図柄、以下ではチェリー図柄という(例えば、リール帯321aの配列番号3番等)」があり、さらには「楕円形の中にローマ字でRP等と記載された図柄、以下ではリプレイ図柄という(図柄帯321cの配列番号3番等)」と図柄の種類は合計で9種類となっている。
[枠部材]
図25は、図柄表示窓401部分を拡大したところを示している。図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。このとき、例えば1つのリール301aにて表示されている3つの図柄は、その位置から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「白7図柄」の表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301aの「赤7図柄」の表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301aの「リプレイ図柄」の表示されている位置)の図柄であるとそれぞれいう。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)602である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(掛け数のこと、掛けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、掛けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。このことから、掛け数の最小数量とは1枚ということになる。
ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、その図柄の組み合わせが一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。
スロットマシン1では、2ベット、または3ベットにてゲームを行うものとする。以下では、ベット数に対応する有効ラインと有効ラインの数について具体的に説明する。
2ベットに対応する有効ラインは、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)と、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの有効ライン622b(中段ライン622b)である。この上段ラインと中段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。従って、2ベットの場合は合計で2つ有効ラインがあることになる。
3ベットにて新たに加わる有効ラインは、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン623c(下段ライン623c)、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623a(右下がりライン623a)と、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623b(右上がりライン623b)の3つの有効ラインである。これらに前述の2BETラインを加えたものを「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で5つの有効ラインがあることになる。
なお、有効ラインは上記のようないずれも直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ602のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴う遊技球の払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者に払出枚数を知らせる役割を持っている。(なお、払出枚数表示LED612は演出実行手段に相当する)
[スロットマシンの内部構成]
図26は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210は前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号をメイン基板409に出力し、リール停止ボタン211a,211b,211cは、リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号をメイン基板409に出力する。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ(図示しない)を有しており、各リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207aの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110e(図示しない)を放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、エラーランプ604等により遊技機の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に遊技機に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他にサブ基板449を備えており、このサブ基板449にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。サブ基板449はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ510の作動を制御している。(なお、画像表示体500や照明装置502、スピーカ510は演出実行手段に相当する)
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112aやリセットスイッチ112b、電源スイッチ112c等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112cは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112aはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112bはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112aとともに設定を変更する際にも操作される。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
[当選役と図柄の組み合わせ態様]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせ態様について、図27,図28を用いて具体的に説明をする。図27は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ態様及びその特典(遊技特典、以下では遊技特典という)を示したものである。また図28は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明、表示パネル501等に表記される)である。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓401内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の有効ライン(2ベットの場合は2BETライン、3ベットの場合は3BETライン)のいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、所定の当選役に対応する図柄(これを所定当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは所定当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「スイカ図柄」、「ランプ図柄」、「チェリー図柄」、「リプレイ図柄」、さらには「白7図柄」、「黒文字図柄」、「黄文字図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「青7図柄」は、各リール301a,301b,301cの1つしかなく、加えて色彩も青色で図柄に比べて視認しやすい。また「赤7図柄」は中リール301bに2つあるものの、その他のリール301a及び301cには1つしかない。これも「青7図柄」同様、色彩も赤色で他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。なお、同様のことは「白7図柄」、「黒文字図柄」、「黄文字図柄」についてもいえる。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。具体的に図27に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグチャンス、レギュラーチャンス]
図27で、BCと示されている当選役(同種図柄揃役)が、ビッグチャンス(以下ではBCと呼称する)である。このBCには対応する図柄(BC図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、「青7図柄−青7図柄−青7図柄」が予め決められている。つまり、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせ(赤BC図柄の組み合わせという)、あるいは全て「青7図柄」からなる図柄の組み合わせ(これを青BC図柄の組み合わせという)が1つの有効ライン上に揃うと、BC図柄が揃ったということになる。なお、以下では、特にBC図柄という場合、赤BC図柄及び青BC図柄のいずれも含むものとする。
BC図柄が揃うと、ビッグチャンスゲーム(以下ではBCゲームと呼ぶ)という遊技特典が付与される。このBCゲームでは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、350枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BCゲームは終了となる。
また、スロットマシン1では、BC図柄が揃った際(BC図柄が揃った当該ゲーム)にはメダルは付与されない。つまり、BC図柄が揃うことはBCゲームへ移行する契機としての役割を持っていることになる。また、BC図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つあるいは2つのみが配置されているだけであるため(図24参照)、BC図柄を図柄表示窓401内に正確に狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BC図柄を揃えることができない。なお、このことについては後述のリール停止処理にて詳細に説明する。
このように目的の図柄(この例ではBC図柄)を狙って停止操作を行うことを「目押し」という。この「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作で、その熟練度により遊技者間の差が大きく生じる技術のこと)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者、遊技の熟練度が高い遊技者など)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者、遊技の熟練度が低い遊技者など)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易にできにくい(困難であるといえる)。
さらに、全て赤7図柄にてBC図柄が揃った場合(つまり、赤BC図柄が揃った場合)、BCゲーム終了後にLRTゲーム(ロングリプレイタイムゲームのこと)という遊技特典がさらに付与される。このLRTゲームでは、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)。すなわち、赤BC図柄が揃うと、BCゲームにて大量のメダルを獲得できることに加えて、さらにメダルを多く獲得できる可能性のある付加的な特典が付与されるということになる。
RCと示されている当選役は、レギュラーチャンス(以下ではRCと呼称する)である。RC図柄が揃うこととなる図柄の組み合わせ態様は「青7図柄−赤7図柄−赤7図柄」(赤RC図柄の組み合わせという)、「青7図柄−青7図柄−赤7図柄」(青RC図柄の組み合わせという)となっている。なお、以下では、特にRC図柄という場合、赤RC図柄及び青RC図柄のいずれも含むものとする。(なお、RC図柄については、全て同図柄とはいえないが、BCゲーム及びRCゲームという大量の遊技価値の獲得が可能な遊技特典に対応する特別当選役図柄ともいえるため、同等の図柄として同種図柄揃役に含めるものとしてもよい)
RC図柄が揃うと、レギュラーチャンスゲーム(以下ではRCゲームと呼ぶ)という遊技特典が付与される。このRCゲームでは、上記BCゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、110枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RCゲームは終了となる。
また、RCゲームでは、第1番目に停止させるリール(第1停止リールという)については停止操作が受け付けられた後、直ちに(例えば75ms以内)停止させるリール制御が行われる(リール制御についての詳細は後述する)。
RC図柄が揃った際(RC図柄が揃った当該ゲーム)にも、メダルは付与されず、RC図柄が揃うことはRCゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。そして、RC図柄についてもBC図柄と同様に配置されている数が少ないため、これを揃えるためにも目押しが必要となる(図24参照)。
このように、スロットマシン1ではBCゲーム、RCゲームという2種類のチャンスゲームにより、遊技者にはメダルを集中して獲得できる機会が与えられる。そして、これらのチャンスゲームは、それぞれ獲得できるメダル枚数に格差(BC>RC)が付けられており、遊技者がより獲得枚数の多いチャンスゲームに期待を持ちやすいものとなっている。また、特に赤BC図柄揃いのBCゲーム(これを赤BCゲームという)については、さらにLRTゲームが付加されるため、遊技者がRCよりもBCに当選したい、さらには青7図柄揃いのBCゲーム(青BCゲームという)よりも赤BCに当選したいという期待感を持ってゲームに臨めるようになっている。なお、BCについて、以下では赤BC、青BCと必要に応じて呼称する。
[リプレイ]
図27で、リプレイと示されている当選役には、対応する図柄の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が予め決められている。つまり、全て「リプレイ図柄」からなる図柄の組み合わせが1つの有効ライン上に揃うと、リプレイ図柄が揃ったということになる。
リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとなる。
また、リプレイ図柄が揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、遊技者がゲームを進行させるうえでの過剰なメダルの消費を抑える役割をリプレイに持たせることができるということになる。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ図柄を揃えるための目押しを不要なものとすることができる。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[スイカ、ランプ]
図27で、スイカと示されている当選役には、対応する図柄の組み合わせ態様として「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が予め決められている。つまり、全て「スイカ図柄」からなる図柄の組み合わせが1つの有効ライン上に揃うと、スイカ図柄が揃ったということになる。
同様に、ランプと示されている当選役には、対応する図柄の組み合わせ態様として「ランプ図柄−ランプ図柄−ランプ図柄」が予め決められている。つまり、全て「ランプ図柄」からなる図柄の組み合わせが1つの有効ライン上に揃うと、ランプ図柄が揃ったということになる。
スイカ図柄が揃うと、規定枚数(例えば、5枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、スイカ図柄が揃うと5枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。
また、ランプ図柄が揃うと、規定枚数(例えば、12枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ランプ図柄が揃うと12枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。
なお、以下では、装置(照明などの発光手段等)としてのランプとの混同を避けるため、当選役としてのランプについては「ランプ(役)」という。
従って、スイカ及びランプ(役)はゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることを期待できたりする当選役であるといえる。ただし、スイカ及びランプ(役)に当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BCやRCに当選しなくともメダルが増加してしまうこととなる)、遊技機(回胴式遊技機)のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、スイカ及びランプ(役)には、ゲーム進行のうえで遊技者がメダルを大量に消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせることに留めるため、リプレイに比べると当選確率を低く抑えるものとする。従って、スイカ図柄、ランプ図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。
なお、スロットマシン1では特にランプ図柄を揃えるためには目押しを不要とし、スイカ図柄を揃えるためには目押しを必要とするものとしている。このように目押しを要するものを含めることにより、スイカ図柄については遊技者が目押しを正確に行うことによって揃えられるものとなり、BCやRCに比べると獲得できるメダル枚数の少ないスイカやランプ(役)であっても、遊技者が目押しをして揃えるという楽しみを持つことができる。
[チェリー]
図27で、チェリーと示されている当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。このチェリー図柄については、「チェリー図柄−ANY−ANY」というように、チェリー図柄が1つ(この例では、左リール301aのみ)あればそれだけでチェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、1枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、チェリー図柄が揃うと1枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお、本実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも1つのリール」を左リール301aとしている。
チェリー図柄が図柄表示窓401内にて左リール301aの上段位置(あるいは下段位置)に表示されると、「チェリー図柄−ANY−ANY」という有効ラインが2つあることになる。すなわち、上段位置の場合は、上段ライン622a及び右下がりライン623aの2つのラインであり、下段位置の場合は、下段ライン623c及び右上がりライン623bの2つのラインである。つまり、2つの有効ラインに重複してチェリー図柄が揃っているということになる。従って、このときの払い出し枚数は、
〔 1枚×2=2枚 〕
となる。
また、チェリー図柄が図柄表示窓401内にて左リール301aの中段位置に表示されると、「チェリー図柄−ANY−ANY」という有効ラインが1つあることになる。すなわち、中段位置の場合は、中段ライン622bのみの1つのラインである。従って、このときの払い出し枚数は、
〔 1枚×1=1枚 〕
となる。このようにチェリーについては停止した位置(左リール301aについてのみ、図柄表示窓401内の上段、中段、下段)により払い出し枚数が異なる。
チェリーについても、前述のスイカ及びランプ(役)と同様に、ゲームの進行のうえで遊技者がメダルを大量に消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留めるため、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。なお、チェリー図柄についても、前述のリプレイ図柄等と同様、各リール301a,301b,301c(特に左リール)に満遍なく配置して、チェリー図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとしても問題ない。
また、チェリー図柄が有効となる(揃える対象となる)リールを必ずしも左リール301aに限定することはなく、中リール301bあるいは右リール301cとしてもよい。この場合「ANY−チェリー図柄−ANY」または「ANY−ANY−チェリー図柄」となるとチェリーの遊技特典が付与されることとなる。あるいは、左リール301a、中リール301b及び右リール301cのうちいずれか2つのリールのチェリー図柄が図柄表示窓401内で、いずれか一つの有効ライン上に停止したときにチェリーの遊技特典を付与することとしてもよい。つまり「チェリー図柄−チェリー図柄−ANY」、「チェリー図柄−ANY−チェリー図柄」、「ANY−チェリー図柄−チェリー図柄」となる図柄の組み合わせ態様である。
上記のいずれの場合であっても、左リール301a、中リール301b及び右リール301cのうち、少なくとも1つ(多くとも2つ)のリールについてのチェリー図柄を揃えるだけで遊技特典が得られることが望ましい。これは遊技者に全てのリールについて目押しを毎回強いるといった負荷を軽減させることにもなるからである。
また、前述したスイカ及びランプ(役)と同様に、チェリーもメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれら(スイカ、ランプ(役)、チェリー)をまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、スロットマシン1では、スイカ、ランプ(役)、チェリーの3つを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けてもよい。例えば、スイカ図柄、ランプ図柄、チェリー図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各リール301a,301b,301cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な小役図柄として各小役について難易度をつけたりすることも可能である。
[チャンス役(RCゲーム専用役)](異種図柄揃役)
図27で、チャンス役と示されている当選役には、対応する図柄(チャンス役図柄)の組み合わせ態様として「リプレイ図柄−リプレイ図柄−チェリー図柄」が予め決められている。そして、チャンス役図柄が揃うと、規定枚数(例えば、1枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、チャンス役図柄が揃うと1枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。
さらに、このチャンス役図柄が揃った場合、当該ゲームの終了後にSRTゲーム(ショートリプレイタイムゲームのこと)という遊技特典がさらに付与される。このSRTゲームでは、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)。ただし、このSRTゲームはLRTゲームに比べて相当に短い期間だけ継続するものとなっている。すなわち、チャンス役図柄が揃うと、規定枚数(1枚)のメダルの払い出しに加えて、さらにメダルを獲得可能な付加的な特典が付与されるということになる。
また、このチャンス役については、遊技者向けの配当表(図28)ではRCゲーム専用役(メダルの払い出し枚数は12枚)としての表記のみとして、SRTゲーム等の遊技特典がさらに付与されることは周知しない。詳細は後述するが、RCゲーム以外ではメダルの払い出し枚数を1枚と抑えて、さらには遊技者にもそのことを告知(報知、表示など)しないことにより、チャンス役をRCゲーム中のみに有効な当選役と印象付けることが可能となる。
[RCゲームにおける小役]
スロットマシン1では、RCゲームを除く全ての遊技は3ベットにて行い、RCゲームのみ2ベットにて遊技を行うものとしている。RCゲームでは、それぞれの小役の払い出し枚数はスイカを除いて全て同枚数(例えば、12枚)となる。そして、RCゲーム中はこれらの小役やチャンス役を揃いやすくする(例えば、当選確率を高くすることなどにより)ことにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行させるものである。
また、BCゲームについては3ベットにて遊技を行うものであるが、この場合も小役(特にランプ(役))の当選確率を高くしてメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行させるものである。なお、BCゲームをRCゲームと同様に2ベットにて行うものとしてもよい。
[ハズレ]
図27に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
スロットマシン1の図柄のうち、「白7図柄」及び「黒文字図柄」、「黄文字図柄」については、上記のいずれの当選役図柄の組み合わせ態様にも含まれない図柄である。従って、これらの図柄はハズレ図柄ということになる。また、いずれかの当選役図柄であっても、図柄の組み合わせ態様としてみた場合に当選役図柄が揃ったとみなされない場合には、ハズレということになる。なお、このハズレとなる図柄の組み合わせ態様のことをハズレ目という。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。これらからいえることは、スロットマシン1では、BC図柄及びRC図柄となる図柄の組み合わせがそれぞれ複数あり、全てのリールを停止させるまでいずれのBC図柄が揃うか、またはRC図柄が揃うか分からなくなっているということである。従って、遊技者が最後のリールを停止させるまで面白みを失うことなくワクワク、ドキドキしながらゲームを行うことができる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えてさらに複数種類の図柄を新たに設けてもよい。そして、当選役の種類をさらに増やしたり、あるいは減らしたりしてもよい。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図29は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、メダル投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、スロットマシン1では掛け数は2ベット(2枚掛け)またはMAXベット(3枚掛け)としているが、1ベット(1枚掛け)を含めてゲームを行えるものとしてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBCやRC、小役、チャンス役、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図30は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、RCゲーム中を除いて3枚以上のメダルの投入、RCゲーム中は2枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる各投入ボタン205,206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。また、RCゲーム中はMAXベットが2ベットとなる。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としないが、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBCゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BCゲーム中フラグのほか、RCゲーム中フラグ、LRTゲーム中フラグ、SRTゲーム中フラグ、補助RTゲーム中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム状態フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選処理(前述の図29のステップS3)に相当する。また、このとき、サブ基板449に対して始動フラグ情報コマンドを送信する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BCに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BCに当選した」ということになり、BCの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBCに対応する乱数値から、BCの当選確率(BCが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BC)でいえば、
〔 BCに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BCの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BC)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBCに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BCの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BCの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BCに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
図31(図31(a)、図31(b))及び図32(図32(a)、図32(b)、図32(c))は、スロットマシン1の全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示している。なお、これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。
図31(a)は、通常状態のゲーム(通常ゲームという)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(通常判定テーブルともいう)。ここで、BC及びRCについては、それぞれBCのみ、あるいはRCのみとなる当たり値の範囲(単独当選当たり値という)と、BC+その他の当選役(チャンス役)、RC+その他の当選役(チャンス役)となる当たり値の範囲(共有当選当たり値という)に分けられている。
上記のBC及びRCの単独当選当たり値は、スイカやランプ(役)、チェリー、リプレイ等の当たり値と同様に、その該当する当選役1つのみに対応している。すなわち、この図31(a)の例では、
抽出乱数値が「1」の場合は、スイカの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6000」の場合は、リプレイの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6240」の場合は、BC(赤BC)の当たり値に該当する。
といったことになり、同様に、
抽出乱数値が「6305」の場合は、RC(青RC)の当たり値に該当する。
抽出乱数値が「16000」の場合は、ハズレの当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、1つの当選役のみが対応するものである。
一方、BC及びRCの共有当選当たり値は、図31(a)の例では、
抽出乱数値が「6290」の場合は、BC(青BC)、チャンス役の当たり値に該当する。
抽出乱数値が「6300」の場合は、RC(赤RC)、チャンス役の当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、複数(この場合2つ)の当選役が対応するものである。つまり、抽出乱数値が共有当選当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図30のステップS107参照)にて、BC及びその他の当選役(チャンス役)の2つの当選フラグを、あるいはRC及びその他の当選役(チャンス役)の2つの当選フラグ(内部抽選フラグ)を同時にONにするということである。
そして、BC及びRCについては、単独当選当たり値及び共有当選当たり値を合計(合算)した当たり値の範囲がBC全体及びRC全体の当たり値ということになり、このことからBC全体及びRC全体の当選確率を算出することができる。
すなわち、
BC(全体) 60/16384(1/273.07)
RC(全体) 40/16384(1/409.60)
というように、BC全体の当選確率、RC全体の当選確率が算出される。
また、BC(BC全体)、RC(RC全体)の当選確率を比べてみると、BCは、RCに比べて若干当選しやすいといえる。
図31(b)は、BCゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(BCゲーム判定テーブルという)。
これによれば、BCゲーム中は、BC及びRCの抽選は行われないことになる。そして、ランプの当選確率が大幅に向上しており、BCゲーム中はほとんど、ランプに当選する可能性が極めて高いといえる。また、これに伴い、ハズレに該当する当たり値は大幅に減少しており、BCゲーム中にハズレとなる可能性は極めて低いといえる。
そして、RCゲームでは、各当選役及びハズレの当たり値の範囲(RCゲーム判定テーブル)は設けずに、BC、RCを除く全ての当選役(スイカ、ランプ(役)、チェリー、チャンス役)のフラグをON(=1)にした状態でのゲームを実行する。そして、第1停止リールは直ちに停止することとなるため、これら4つのうちいずれかに対応する図柄が揃う(図24及び後述のリール停止処理参照)。また、スイカを除くと、ランプ(役)、チェリー、チャンス役はともに払い出し枚数が12枚となるため、規定枚数(110枚)に到達するまで効率よくメダルが払い出される。
[RTゲーム]
スロットマシン1では赤BC図柄が揃った場合、そのBCゲーム(赤BCゲーム)の終了後からLRTゲーム(ロングリプレイタイムゲーム)が開始される。また、チャンス役図柄が揃った場合、次ゲームからSRTゲーム(ショートリプレイタイムゲーム)が開始される。
ここで、RTゲームとは、所定のゲーム回数(ゲーム期間)リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選しやすくした状態を継続させるものである。これにより、RTゲームではリプレイに頻繁に当選するといった状況を作り出すことが可能となる。このRTゲームを、継続するゲーム回数によってさらに分けたものが、LRTゲーム、SRTゲームである。そして、LRTゲームでは所定のゲーム回数を1000回、SRTゲームでは所定のゲーム回数を3回としている。なお、以下では特に説明のないかぎり、RTゲームと呼ぶ場合はLRTゲーム、SRTゲーム及び後述する補助RTゲームを含むものとする。
そして、RTゲーム中にBCまたはRCに当選すると、上記所定のゲーム回数にまだ到達していない場合であってもRTゲームは終了となる。
図32は、それぞれLRTゲーム、SRTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである。それぞれLRTゲーム判定テーブル(図32(a))、SRTゲーム判定テーブル(図32(b))ともいう。リプレイ以外の当選役の当たり値については前述した通り(図31(a)と同じ)であるため説明は省略する。
すなわち、RTゲーム中は通常ゲームでリプレイとなっていた当たり値に加えて、さらにハズレとなっていた当たり値の多くがリプレイの当たり値に変更されるため、リプレイの当選確率がLRTゲームではトータルで約1/1.64、SRTゲームではトータルで約1/1.43にまで高く変更されている。なお、図中の(※)部分の当たり値は通常ゲームではハズレに該当していたことを指すものである。
このように、RTゲームでは、ハズレとなる可能性が低くなり、リプレイに当選する可能性が高くなる。つまり、再遊技となることが増えるため、遊技者が新たにメダルを掛ける(次々にメダルを消費する)ことが通常ゲームに比べて減少することになる。従って、RTゲームは、遊技者にとって有利な条件でゲームを行うことのできるものであるといえる。
また、SRTゲームでのリプレイの当選確率は、LRTゲームでのリプレイの当選確率に比べて若干高くなっているものの、これを遊技者が区別することはほぼ不可能なものとなっている。そして、LRTゲームについては、チャンス役に当選した場合にも終了となる。従って、LRTゲームが終了となる条件は、LRTゲームでのゲーム回数が1000回に到達する、BCまたはRCに当選する、チャンス役に当選する、という3つがあることとなる。
一方、SRTゲームが終了となる条件は、SRTゲームでのゲーム回数が3回に到達する、BCまたはRCに当選する、という2つということになる。なお、SRTゲームについてもチャンス役に当選した場合に終了するものとしている。ただし、この場合には、当該チャンス役を契機として再びSRTゲームが開始されることとなるため、ここでは終了条件に挙げていない。
ここで、SRTゲームが開始となる契機は、チャンス役図柄が揃った場合となっている。そして、チャンス役は単独当選当たり値、共有当選当たり値のいずれもあり、単独当選当たり値のチャンス役であった場合には、上記の終了条件2つとも成立可能な条件となる。つまり、3回のゲームのあいだにBCまたはRCに当選すればこの終了条件(BCまたはRCに当選するという終了条件)が満たされることになるからである。また、共有当選当たり値のチャンス役であった場合には、上記の終了条件のうち1つだけ満たされるということになる(この場合、3回のゲーム回数に到達するという終了条件)。
さらにRTゲームには、補助RTゲームがある。図32(c)は、補助RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(これを補助RTゲーム判定テーブルという)。この補助RTゲームの開始条件は、当該ゲームにてBCまたはRCの内部抽選フラグがONとなり、なおかつ、当該ゲームでは該当するBC図柄またはRC図柄を揃えることができなかった場合となっている。
ここで、共有当選当たり値のチャンス役を契機とした場合には、補助RTゲームではなく、SRTゲームを開始させる。これにより、BCフラグまたはRCフラグがONとなっていても補助RTゲームが開始されないことがあるということになる。
また、補助RTゲームはチャンス役を契機とせずに開始するものであることから、遊技者には、通常ゲームにおいて、どのような機会からでもRTゲームが開始されるかのような印象を与えることができる。すなわち、いずれの図柄も揃っていない(ハズレ目)状態からでもRTゲームが始まることに対する驚きを遊技者に与えることができる。
そして、補助RTゲームではBC及びRCの抽選は行われない。すなわち、BCフラグ、もしくはRCフラグのいずれかがON状態となっている場合、この内部抽選フラグがOFF状態となるまで新たにBCやRCに当選するということがない。これは、BCもしくはRCに当選すると、該当する当選フラグは次ゲーム以降に持ち越しが可能であるということである。
そして、補助RTゲーム中も通常ゲームでリプレイとなっていた当たり値に加えて、さらにはハズレとなっていた当たり値の多くがリプレイの当たり値に変更されるため、リプレイの当選確率がトータルで約1/2.00にまで高く変更されている。なお、図中の(※)部分の当たり値は通常ゲームではハズレに該当していたことを指すものである。
さらに、共有当選当たり値に該当する当選役(BC及びチャンス役、RC及びチャンス役)の抽選も行われないため、チャンス役のトータルでの当選確率が通常ゲームに比べて低くなる(約1/115.38から約1/256.00となる)。
そしてこの補助RTゲームは当該ゲームにて揃えることができなかった該当当選役図柄(BC図柄またはRC図柄が該当する)が揃えられるまで継続する。従って、BCまたはRCに当選した場合、これらに対応する図柄(BC図柄またはRC図柄)を揃えるまでは、遊技者が消費するメダルの総数を抑えることができる。
また、補助RTゲームでのリプレイの当選確率は、他のRTゲーム(SRTゲーム及びLRTゲームが該当する)でのリプレイの当選確率に比べて若干低くなっているものの、これを遊技者が区別することはほぼ不可能なものとなっている。
以上のことから、通常ゲームからRTゲームが開始される場合、それがチャンス役を契機としたものでないこともあることとなる。従って、通常ゲームにおいてチャンス役図柄が揃うことだけに遊技者の興味が向いてしまうといったことを極力避けることができる。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から6までの6段階)を設けている(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6、というように設定値が高くなるほど当選役(特にBC、RC等)の内部抽選確率が優遇されるようになっている。例えば、設定値1に比べると設定値6ではBCの当選確率が高く決められているのでBCに当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。また、上記の図31及び図32は、設定値5に相当する内部抽選確率を示したものである。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図33では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。この時点で、図柄表示窓401内に表示された第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄群(これを第1停止リールの停止目と呼ぶ、以下同様)のうち、特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当当選役図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
該当当選役図柄が上段位置にある場合は、残りのリール(中リール301b、右リール301c)では上段ラインまたは右下がりラインのいずれかに該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルが選択される。また、該当当選役図柄が下段位置にある場合も、同様に残りのリール(中リール301b、右リール301c)では下段ラインまたは右上がりラインのいずれかに該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルが選択される。
そして、該当当選役図柄が中段位置にある場合は、残りのリール(中リール301b、右リール301c)では中段ラインのみに該当当選役図柄揃えることの可能なリール停止制御テーブルが選択される。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、成立フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。なお、このリール停止処理では、リールが停止するごとに、サブ基板449に対して停止情報コマンドを送信する。
また、「中押し」及び「逆押し」の停止操作手順の場合も上記とほぼ同様の説明ができるため内容の同じ説明は省略する。ただし、ステップS205の左リール停止処理についてのみは上記の説明と異なるため、以下のリール停止制御にて詳細を説明する。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、リールが完全に停止状態となるまでに該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。よって、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができることとなる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、ランプ(役)、リプレイ、チャンス役が成立フラグとなる場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図24参照)。これは、ランプ(役)、リプレイ、チャンス役については、対応するそれぞれの当選役図柄が最大でも4個分の図柄間隔にて配置されているからである。
ここで、チェリーが成立フラグとなる場合、チェリーについての判定の対象となるのは、左リール301aのチェリー図柄のみである。つまり、チェリー図柄は左リール301aのみの停止目にて判定される当選役図柄ということになる。また、左リール301aにはチェリー図柄が2つしか配置されておらず、チェリーについては取りこぼしが生じる可能性がある(最大4個分の図柄間隔を超えているため)。
当該ゲームの成立フラグがチェリーである場合には、「中押し」や「逆押し」であっても、左リール301aにてチェリー図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、上記の説明と同様に、このチェリー図柄を図柄表示窓401内に停止させることができる。
そして、上記リール停止処理における「中押し」及び「逆押し」と、「順押し」との相違点は、チェリーが成立フラグとならない場合に実行されるリール停止制御にある。つまり、当該ゲームの成立フラグがチェリー以外であった場合、上記リール停止処理のステップS205の左リール停止処理では、該当当選役図柄を揃えることを可能とすることに優先してチェリー図柄を図柄表示窓401内に停止することを回避するリール停止制御が実行される。このようなリール停止制御は、チェリー回避制御とも呼ばれる。
このようなチェリー回避制御は、当該ゲームの成立フラグがチェリー以外であり、「逆押し」または「中押し」による停止操作手順により中リール301b及び右リール301cが既に停止している場合に実行される。
例えば、当該ゲームの成立フラグがランプ(役)であり、中リール301b及び右リール301cのランプ図柄は前述の5つの有効ラインのうちのいずれか一つに停止している状態は、左リール301aのランプ図柄がこのとき該当する有効ライン上に停止すればランプ図柄が揃うこととなる状態である。このような状態を「ランプ図柄がテンパイ状態になっている」という。
そして、ランプ図柄が下段ラインあるいは右上がりラインにテンパイ状態となっている例をとると、左リール301aのランプ図柄は図柄表示窓401内の下段位置に停止することでテンパイ状態となっている有効ライン上に表示されることになる。このとき、左リール301aの配列番号7番から10番(図24参照、以下では、単に○○番という)の図柄が図柄表示窓401内に停止するような停止操作が受け付けられた場合、図柄表示部401内の下段位置にランプ図柄を停止させるためには、11番のランプ図柄を下段位置に停止させる必要がある。ところが、11番のランプ図柄を下段位置に停止させると、同時に13番のチェリー図柄が上段位置に停止することになってしまう。従って、この場合には、引き込み可能な範囲にランプ図柄(該当当選役図柄)があっても、チェリー図柄を図柄表示窓401内に停止させないために、ランプ図柄を下段位置に引き込まないリール停止制御が行われる。これにより、結果としてランプを取りこぼすことになる。なお、このチェリー回避制御により、リプレイについても同様に取りこぼしが生じる場合がある(詳細は省略する)。
このように、「逆押し」や「中押し」では「順押し」では取りこぼしの生じないランプ(またはリプレイ)についても取りこぼしが生じる可能性があるため、スロットマシン1では、特に「順押し」にて遊技を進めていくよう遊技者に教示する態様をとることが望ましい。このような態様は、例えば、「スロットマシン1は順押しでお遊び下さい」や「当遊技機では左リールから停止させてご遊技下さい」などの表記等をスロットマシン1に付すことなどである。
また、共有当選当たり値の当選役の場合は、BC図柄(またはRC図柄)を優先的に引き込むものとしている。ただし、BC図柄(またはRC図柄)は目押しが必要な図柄であるため、BC図柄(またはRC図柄)が引き込み不可能なとき(引き込み可能範囲にない)には他方の当選役図柄(チャンス役図柄)を引き込むものとする。そして、チャンス役図柄は取りこぼしの生じない図柄の配列となっているため(図24参照、ただし順押しに限定する)、共有当選当たり値の当選役に該当する場合には、BC図柄(またはRC図柄)、もしくはチャンス役図柄(他方の当選役図柄)のいずれかを必ず揃えることができる。
また、RCゲーム中は、第1停止リールのみ停止操作が受け付けられてから直ちに(75ms以内)に当該リールを停止させる制御を実行する。つまり、第1停止リールについては、引き込み制御が行われないこととなる。なお、これは、RCゲーム中のみに限定されることはない。
また、RCゲーム中は複数の当選役のフラグがONとなることから、これらの当選役に優先順位をつけるものとしてもよい。すなわち、第1停止リールが停止状態となり、少なくとも複数の当選役図柄が揃う可能性がある場合、このうちで優先順位の高い該当当選役図柄を揃えさせる停止制御を行うなどすることである。例えば、このときの優先順位として、メダルの払い出し枚数の多い順に優先順位を付けるものとすれば、遊技者は効率よくメダルを獲得することができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図34では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
この判定処理では、リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S302では、それぞれ、RCゲーム中であるか、BCゲーム中であるかを判定する。これは後述するRCゲーム中フラグ、BCゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。なお、BCゲーム中フラグにはさらに赤BCゲーム中フラグ、青BCゲーム中フラグがある。以下では、単にBCゲーム中フラグという場合、これらをまとめた総称とする。
RCゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS390に移る。またBCゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS302の判定が満たされ、ステップS380に移る。
RCゲーム中フラグ、BCゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S302の判定がいずれも満たされず、ステップS304に移る。
ステップS304で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS320,S330,S340,S350,S360のいずれかに移る。
ステップS320では、BC図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBC図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、または「青7図柄−青7図柄−青7図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。なお、このとき、サブ基板449に対してコマンドを送信する。このコマンドは、BC図柄が揃ったことを知らせる祝福効果音を発生させたり、祝福メッセージを表示させたり、するためのものである。(なお、このときBC図柄が揃ったことを知らせることは特別演出を実行することに相当する)
次のステップS322では、BCゲーム開始処理を実行する。ここでは、BCゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、RC図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にRC図柄が揃っている場合(「青7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、または「青7図柄−青7図柄−赤7図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。なお、このとき、サブ基板449に対してコマンド(判定結果コマンドという、以下同様)を送信する。このコマンドは、RC図柄が揃ったことを知らせる祝福効果音を発生させたり、祝福メッセージを表示させたり、するためのものである。(なお、このときRC図柄が揃ったことをしらせることは特別演出を実行することに相当する)
次のステップS332では、RCゲーム開始処理を実行する。ここでは、RCゲームとして、BCゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS340では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。なお、このとき、サブ基板449に対してコマンドを送信する。このコマンドは、リプレイ図柄が揃ったことを知らせる効果音を発生させたり、メッセージを表示させたり、するためのものである。(なお、このときリプレイ図柄が揃ったことを知らせることは特別演出を実行することに相当する)
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合(「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、または「ランプ図柄−ランプ図柄−ランプ図柄」、または「チェリー図柄−ANY−ANY」)、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。なお、このとき、サブ基板449に対して判定結果コマンドを送信する。このコマンドは、小役図柄が揃ったことを知らせる効果音を発生させたり、メッセージを表示させたり、するためのものである。(なお、このとき規定枚数の払い出しを報知することは特別演出を実行することに相当する)
そして、ステップS354では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS360では、チャンス役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にチャンス役図柄が揃っている場合(「リプレイ図柄−リプレイ図柄−チェリー図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS362に移る。
そして、ステップS362では、規定枚数(1枚)のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数(1枚)のメダルを払い出す)。そして、このときはメダルの払出枚数は表示しない(払出枚数表示LED612に表示しない)。これにより、遊技者には当該チャンス役に対応した1枚のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)されない。なお、このとき、サブ基板449に対して判定結果コマンドを送信する。ただし、このコマンドでは、チャンス役図柄が揃ったことを知らせる効果音を発生させたり、メッセージを表示させたり、することはしない。従って、遊技者にはチャンス役図柄が揃ったことが積極的に知らされる(告知、報知、教示、示唆等)ことがないことになる。(なお、このとき規定枚数の払い出しを報知しないことは特別演出を実行せずにハズレ演出を実行することに相当する)
そして、ステップS364では、このときの当選フラグ(チャンス役当選フラグ)をOFF(=0)にする。
ステップS366では、SRTゲーム開始フラグをON(=1)にする。次のステップS368に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS320,S330,S340,S350,S36のいずれの判定も満たされず、ステップS370に移る。なお、このときの出目が「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」ということである。
ステップS370では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBC及びRCを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。なお、このとき、サブ基板449に対して判定結果コマンドを送信する。ただし、このコマンドでは、ハズレであったことを遊技者に積極的に知らせる(告知、報知、教示、示唆等)ことはしない。(なお、このときハズレであることを積極的に報知しないことはハズレ演出を実行することに相当する)
従って、当該当選フラグが、BC当選フラグ、RC当選フラグ、のいずれにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。
一方、当該当選フラグがBC当選フラグ、RC当選フラグのいずれかに該当する場合、該当当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BC及びRCについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで該当当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BCやRCといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBCやRCの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。
ハズレ処理を実行した後、ステップS368のRTゲーム開始処理を実行する。
上記のステップS304からステップS368までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。次にステップS380以降の処理について説明する。ここでの処理は、BCゲーム、RCゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS380では、BCゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BCゲーム時払出役」とは、スイカ、ランプ(役)、チェリーに加えてチャンス役を含めたBCゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBCゲーム時払出役図柄が揃っている場合(「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、または「ランプ図柄−ランプ図柄−ランプ図柄」、または「チェリー図柄−ANY−ANY」、または「リプレイ図柄−リプレイ図柄−チェリー図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているBCゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該BCゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。なお、このとき、サブ基板449に対して判定結果コマンドを送信する。このコマンドは、BCゲーム時払出役図柄が揃ったことを知らせる効果音を発生させたり、メッセージを表示させたり、するためのものである。
ステップS382に次いで、ステップS384では、BCゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、前述したステップS368に移り、RTゲーム開始処理を実行する。
次にステップS390以降の説明をする。ステップS390では、RCゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RCゲーム時払出役」も、前述のBCゲーム時払出役と同様、スイカ、ランプ(役)、チェリーに加えてチャンス役を含めたRCゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBCゲーム時払出役図柄が揃っている場合(「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、または「ランプ図柄−ランプ図柄−ランプ図柄」、または「チェリー図柄−ANY−ANY」、または「リプレイ図柄−リプレイ図柄−チェリー図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS392に移る。
次のステップS392では、揃っているRCゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該RCゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。チェリー及びチャンス役については、RCゲーム中では、払い出すメダルの規定枚数が変わるため、ここでの規定枚数もBCゲームのそれとは異なるものとなる。なお、このとき、サブ基板449に対して判定結果コマンドを送信する。このコマンドは、RCゲーム時払出役図柄が揃ったことを知らせる効果音を発生させたり、メッセージを表示させたり、するためのものである。
ステップS392に次いで、ステップS394では、RCゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。
そして、上記のステップS380、またはステップS390の判定が満たされない場合、ステップ386に移り、当該当選フラグをOFF(=0)にする。これは主にスイカを取りこぼした場合が相当する。ハズレの場合は、ここでの処理は特に行われず終了となる。なお、この例では、RCゲーム中は取りこぼしが生じないため、この判定が満たされない場合はないこととなるが、RCゲーム中に取りこぼしを生じる態様とした場合には、このステップS390の判定が満たされないことも有り得ることとなる。そのため、図34中では創造線(点線)で表記している。
[BCゲーム開始処理]
前述の図34のステップS320の判定が満たされた場合、BCゲーム開始処理を実行する。このBCゲーム開始処理について図35を用いて説明する。
まず、ステップS401では、補助RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS402に移り、補助RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして、次のステップS404に移る。このステップS401及びステップS402では、当該ゲームが補助RTゲーム中である場合には、これを終了させる処理となる。すなわち、補助RTゲームはBC図柄が揃った場合に終了となることを示している。なお、この補助RTゲーム中フラグも前述したゲーム状態フラグである。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS404に移る。
次のステップS404では、前述の図34のステップS320にて赤BC図柄が揃っていたかを判定する。赤BC図柄が揃っていた場合、この判定が満たされ、ステップS408に移る。そして、青BC図柄が揃っていた場合には、この判定が満たされず、次のステップS406に移る。
ステップS406では、青BCゲーム中フラグをON(=1)にして、次いでステップS410にて、BCゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。
同様に、ステップS408では、赤BCゲーム中フラグをON(=1)にして、ステップS410に移る。なお、ステップS410についての説明は前述の通りであるため省略する。
そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBCゲームが開始される。
[BCゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図34のステップS384のBCゲーム終了判定処理について図36を用いて説明する。
まず、ステップS501では、前述の図34のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BCゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS502では、累計払出枚数が350枚を超えたかを判定する。このステップS502の判定が満たされない場合、ステップS504に移り、BCゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS502の判定が満たされると、ステップS506に移る。
ステップS506では、当該BCゲーム中フラグが赤BCゲーム中フラグであったかを判定する。すなわち、当該BCゲームが赤BCゲームであったのか青BCゲームであったかを判定する。この判定が満たされない場合、ステップS508に移り、青BCゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する
また、ステップS506の判定が満たされた場合には、ステップS510に移り、赤BCゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS512にてLRTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RCゲーム開始処理]
前述の図34のステップS330の判定が満たされた場合、RCゲーム開始処理を実行する。このRCゲーム開始処理について図37を用いて説明する。
まず、ステップS601では、補助RTゲーム中フラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS602に移り、補助RTゲーム中フラグをOFF(=0)にして、次のステップS604に移る。このステップS601及びステップS602では、当該ゲームが補助RTゲーム中である場合には、これを終了させる処理となる。すなわち、補助RTゲームはRC図柄が揃った場合に終了となることを示している。
また、ステップS601の判定が満たされない場合、ステップS604に移る。
次のステップS604では、RCゲーム中フラグをON(=1)にして、ステップS606に移り、RCゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。
そして、次ゲームからは、通常ゲームと異なり1回のゲームの掛け数のMAXベットが3ベット(3枚掛け)から2ベット(2枚掛け)に変更されてRCゲームが開始される。
[RCゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図34のステップS394のRCゲーム終了判定処理について図38を用いて説明する。
まず、ステップS701では、前述の図34のステップS392にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RCゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS702では、累計払出枚数が110枚を超えたかを判定する。このステップS702の判定が満たされない場合、ステップS704に移り、RCゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS702の判定が満たされると、ステップS706に移る。
ステップS706では、RCゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する
なお、この例では、BCゲーム、RCゲーム双方とも、規定枚数を超えるメダルの払い出しがあった場合に、それぞれ終了するものとしたがこれに限定されない。すなわち、ゲーム回数が規定回数を超えた場合に終了するものとしてもよいし、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。
[RTゲーム開始処理]
RTゲーム開始処理について、図39を用いて詳細に説明する。前述の図34の判定処理において、ステップS366、S370、S384を経由する場合、RTゲーム開始処理を実行する。
まず、ステップS801では、LRTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS802では、LRTゲーム回数を「1000回」にセットする。
そして、次のステップS804では、LRTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このときLRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームからLRTゲームが開始される。
一方、ステップS801の判定が満たされない場合、ステップS810に移り、SRTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS812では、SRTゲーム回数を「3回」にセットする。
そして、次のステップS814では、SRTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このときSRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームからSRTゲームが開始される。
また、上記のステップS801、S810の判定がいずれも満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。すなわち、このような場合には、補助RTゲーム中フラグがON(=1)となっている場合が該当する。従って、補助RTゲームは所定回数(RTゲーム回数)がセットされず、BC図柄、RC図柄を揃えるまで継続される。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図40を用いて詳細に説明する。前述の図34の判定処理において、ステップS301、S302のいずれの判定も満たされない場合、このRTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、LRTゲーム中フラグ、またはSRTゲーム中フラグのいずれかがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。すなわち、このような場合には、補助RTゲーム中フラグがON(=1)となっているか、あるいは通常ゲーム中かのいずれかが該当する。すなわち、補助RTゲームは以下の処理にてRTゲーム回数が減算されることがなく、BC図柄、RC図柄を揃えるまで継続される。なお、以下の処理(ステップS902以降の処理)にて単にRTゲームという場合は、LRTゲーム及びSRTゲームのみを指すものとする。
そして、ステップS901の判定が満たされると、次のステップS902では、RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS904に移る。
ステップS904では、残りのRTゲーム回数が「0」であるかを判定する。RTゲーム回数が「0」であれば、この判定が満たされ、次のステップS906に移り、RTゲーム中フラグ(LRTゲーム中フラグまたはSRTゲーム中フラグ)をOFF(=0)にする。
一方、ステップS904の判定が満たされない場合、ステップS910に移り、BCフラグ、またはRCフラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該ゲームにて、BC、またはRCに当選した場合が該当する。
そして、ステップS910の判定が満たされると、次のステップS912では、RTゲーム中フラグ(LRTゲーム中フラグまたはSRTゲーム中フラグ)がOFF(=0)にされ、続くステップS914にて補助RTゲーム中フラグをON(=1)にする。これにより、LRTゲーム中及びSRTゲーム中にBC、RCのいずれかに当選すると、次ゲームから補助RTゲームが開始される。
ステップS910の判定が満たされない場合、ステップS920に移り、チャンス役フラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該ゲームにて、チャンス役に当選した場合が該当する。
そして、ステップS920の判定が満たされると、次のステップS922では、RTゲーム中フラグ(LRTゲーム中フラグまたはSRTゲーム中フラグ)がOFF(=0)にして処理を終了する。これにより、LRTゲーム中にチャンス役に当選した場合、LRTゲームは終了となり、次いでSRTゲームが開始される。これにより、LRTゲームのゲーム回数が短縮されることも多々あることとなる。すわなち、LRTゲームのゲーム回数が1000回に到達するまでまだ相当の回数を残していたとしても、LRTゲームは途中で打ち切られ、代わりに3回のSRTゲームのみが実行可能となるからである。
また、SRTゲーム中にチャンス役に当選した場合、さらに新たなSRTゲームが開始される。すなわち、SRTゲームのゲーム回数が上乗せされる。
[RTゲームにおける各当選役の優先順位]
RTゲームにおける各当選役及びハズレの内部抽選確率等については前述の図32等で説明した通りである。すなわち、RTゲーム中は、リプレイの当選確率が少なくとも約1/2.00程度まで高く変更されているため、約2回のゲームを行えば、そのうち約1回の割合でリプレイに当選となる可能性が非常に高いといえる。なお、その他の各当選役については、通常ゲームと同じ当選確率で毎ゲームの内部抽選が行われる。
そして、RTゲーム中は、当該当選フラグがリプレイである場合、これを最優先する当選役としている。特に補助RTゲームなどでは、既にBC(またはRC)の当選フラグが持ち越されている(これを持ち越し当選フラグともいう)わけであるが、当該ゲームにてリプレイに当選となった場合には、この(BCまたはRCの)持ち越し当選フラグに対してリプレイ当選フラグが優先されるということになる。従って、このような場合、持ち越し当選フラグに対応する当選役図柄(BC図柄またはRC図柄が該当する)の目押しをいくら正確に行っても、これを揃えることはできず、リプレイ図柄が揃うこととなる。
このようにBCまたはRCの当選フラグが持ち越されている状態のことを「内部成立中状態である」と呼ぶこともある。つまり、RTゲームではBC(またはRC)が内部成立中状態となる可能性が高いといえる。
RTゲーム中における各当選役には、
[ リプレイ>BC(またはRC)>その他(チャンス役、スイカ、ランプ、チェリー) ]
という優先順位が付けられている。このことから、RTゲーム中に当該当選フラグが上記のその他に該当する当選役である場合には、当該当選フラグに対して(BCまたはRCの)持ち越し当選フラグ優先されることになる。
例えば、既にBC当選フラグが持ち越されている状態が続いている場合、当該ゲームにてリプレイに当選となると、この当該ゲームではリプレイ図柄を揃えさせるリール停止制御を最優先させる。ここで前述のとおり、リプレイについては取りこぼしすることが無く、必ず当該ゲームにてリプレイ図柄を揃えることができるものであることから、当該ゲームではBC当選フラグが持ち越されているにも関わらず、BC図柄を揃えることが不可能となる。
同様に当該ゲームにてランプに当選となると、この当該ゲームではBC図柄を揃えさせるリール停止制御が優先される。ただし、BC図柄は目押しが必要な当選役図柄であるため、当該ゲームで必ず揃うものであるとはいえないため、この場合は、あくまでも揃えることが可能ということになる。つまり、BC図柄を揃えることができなかった場合には、ハズレ図柄の組み合わせとなるか、ランプ図柄が揃うかのどちらかとなる。そして、スロットマシン1では、既に説明したとおり、ランプ図柄についても取りこぼしが生じることが無いため、BC図柄を揃えることができなかった場合、ランプ図柄が揃うこととなる。
これらのことから、RTゲーム中にBC(またはRC)が内部成立中状態となると、当該ゲームの当選フラグがリプレイ以外の場合に限り、BC図柄を揃えることが可能となる。従って、リプレイの当選確率が少なくとも約1/2.00程度となっているRTゲーム中に、内部成立中状態となっている該当当選役図柄(BC図柄またはRC図柄)を揃えるためには、この該当当選役に当選した当該ゲーム、もしくは約1/2.00程度の抽選に漏れてリプレイ以外の当選役に当選した当該ゲームのいずれかしかないこととなる。
言い換えれば、RTゲーム中は、リプレイに高確率で当選することによって、BC(またはRC)に当選しても、該当するBC図柄(またはRC図柄)が揃わないよう妨げられた状態ということになる。このような特性(RTゲーム中の優先順位)を用いると、RTゲーム中のリプレイの当選確率を高くすればその分だけ、リプレイ以外の当選役に当選する可能性が低く抑えられるため、内部成立中状態をできるかぎり長く継続させることが可能となる。つまり、BC(またはRC)の内部抽選フラグを持ち越したままRTゲームを進行させることが可能となる。
なお、このような当選役の優先順位は、通常ゲームにまで適用するものであってもよい。
なお、この例ではRTゲームとしてリプレイを通常ゲームに比べて当選しやすい当選役としたがこれに限定されない。例えば、小役(スイカやランプ、チェリー)としてもよい(いわゆる、AT)。このようにすると、ATゲーム(上記RTゲームに相当するゲーム期間)では、小役となる可能性が高くなり、通常ゲームに比べてメダルが払い出される遊技が多くなる。つまり、遊技者が消費するメダルの量と、払い出されるメダルの量とにあまり差がつかないものとしたり、あるいはメダルを増やすことも可能なものとしたり、することができる。さらには、RTゲームとATゲームを組み合わせたものであってもよい。このようにリプレイ及び小役ともども当選しやすい当選役とすれば、「RT+ATゲーム」にて確実にメダルを増やすことも可能となる。
[演出処理]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせてサブ基板449により各種演出動作の制御(演出処理)を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、サブ基板449(主にCPU1118等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
演出処理は、通常ゲーム、BCゲームやRTゲーム等の遊技状態に応じて各種の演出を実行させることにより遊技者に視覚的、聴覚的(あるいは触覚的)な刺激を与えてゲームに深みや面白みを持たせることができる。例えば、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ510等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯などが各種演出として挙げられる。このような演出は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。
各種演出には、通常的に行われる演出(ノーマル演出)、当選フラグを示唆させる演出(示唆演出)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出)などがある。また、ハズレの場合(ハズレフラグが成立フラグの場合)の演出には、ノーマル演出や、ハズレであることを示唆させにくい演出(ハズレ時演出)などがある。このハズレの場合の演出(ノーマル演出、ハズレ時演出など)を総称してハズレ演出という。また、上記各種演出は該当する場合に必ず行われるものではなく、その際はノーマル演出を行うものとしている。すなわち、ノーマル演出はハズレの場合だけでなくいずれかの当選フラグがあるときにも行われる演出ということになる。これらの演出が遊技者に向けて報知(告知、表示)されることで、遊技者は演出から遊技状態を推測したり、当選フラグを予想したり、といったことをしながらゲームを楽しむことができる。
また、ゲームの進行に合わせて、当該ゲームの結果(内部抽選の結果、判定処理の結果など)に対応する演出態様を実行させて遊技者に遊技状態を推測させたり、どのような当選役に当選したかを予想させたり、する演出をおこなうものとしてもよい。例えば、BCやRCに当選した場合などは、通常ではあまり見ることのできない演出(派手な演出やレアな演出など)を行うことにより、BCやRCの当選を遊技者に速やかに察知させることも可能となる。さらにBCゲーム(RCゲーム)では、それまでとは異なる演出をその期間(BCゲーム中、RCゲーム中)だけ実行させると、周囲に向けたアピールにもなり、遊技者がBCゲーム(RCゲーム)での演出を望んで遊技意欲を高めることもできる。
また、ゲームの結果に対応しない演出を実行させるものとしてもよい。このゲームの結果に対応しない演出とは、内部抽選の結果がハズレとなった場合などに、あたかも小役やリプレイ、BCなどに当選しているかに見せ掛ける演出のことをいう。このような演出は、遊技者が始動操作を行ったときや、停止操作を行ったときなどに実行させると、遊技者に絶えず期待感を抱かせることが可能である。
図41は、演出処理の一例を示している。スロットマシン1の電源が投入(電源スイッチ112cがONに操作)されると、まず、ステップS1010では初期化処理を実行する。また、1回のゲームが終了した後、一定期間(例えば、5分)のあいだに遊技者等による操作(メダル投入やベット操作、始動操作)が受け付けられなかった場合も初期化処理を実行する。
初期化処理が終わると、メダル投入コマンドの待ち受け状態となり、遊技者によるメダル投入やベット操作が受け付けられるまでオープニング演出処理を実行する(ステップS1020)。ここでは、主にデモ演出を画像表示体500等に実行させる。このデモ演出とは、いわゆるスロットマシン1の導入的な演出として、遊技者を迎え入れる(遊技者の興味を惹き付ける)ための演出のことをいう。そして、このデモ演出は、メダル投入コマンドの待ち受け状態が続くかぎり継続して実行される。すなわち、遊技者によるメダル投入やベット操作が受け付けられるまでオープニング演出処理が継続して実行される。
そして、メダル投入やベット操作が受け付けられると、メイン基板409から送信されたメダル投入コマンド(またはベットコマンド)を受信する。これに応じてメダル投入演出処理を実行する(ステップS1030)。ここでは、画像表示体500やスピーカ510、LED装飾等にメダル投入に伴う演出を実行させる。例えば、メダル投入時の効果音やベット決定時の効果音を発生させることなどである。
メダル投入やベット操作が受け付けられると、始動フラグ情報コマンドの待ち受け状態となる。そして、遊技者等による始動レバー210の操作を契機としてメイン基板409から送信された始動フラグ情報コマンドを受信する。これに応じて始動演出処理を実行する(ステップS1040)。ここでは、画像表示体500やスピーカ510、LED装飾等に始動操作に伴う演出を実行させる。例えば、リール始動音やリール回転音を発生させたり、当選フラグに関係する画像を表示させたり、することなどである。そして、前述したチャンス役となった場合には、ハズレ演出を実行する。これにより、当該ゲームの結果がチャンス役であることを、遊技者に気付かせにくくすることができる。
始動操作が受け付けられると、停止情報コマンドの待ち受け状態となる。そして、遊技者等によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付け順に従ってメイン基板409から送信される第1停止情報コマンド(第1停止リールに対応する)、第2停止情報コマンド(第2停止リールに対応する)、第3停止情報コマンド(第3停止リールに対応する)を受信する。これに応じて停止演出処理を実行する(ステップS1050)。ここでは、画像表示体500やスピーカ510、LED装飾等に停止情報コマンドを受信するごとに、そのときの当選フラグや停止情報コマンドに応じた演出を実行させる。例えば、第3停止情報コマンドを受信するまで連続的な演出を行ったり、リール停止音を発生させたり、ランプの消灯、点灯をさせたり、といったことなどである。この処理においても、チャンス役となった場合には、ハズレ演出を実行する。これにより、当該ゲームの結果がチャンス役であることを、遊技者に気付かせにくくすることができる。
全てのリールの停止操作が受け付けられると、判定コマンドの待ち受け状態となる。そして、前述した判定処理の結果に応じてメイン基板409から判定コマンドが送信されると、この判定コマンドを受信する。これに応じて払出演出処理を実行する(ステップS1060)。ここでは、画像表示体500やスピーカ510、LED装飾等にメダルの払い出しや判定結果に伴う演出を実行させる。例えば、メダル払出音やBC図柄が揃ったことを祝福する効果音の発生や、ランプの点灯、点滅、払出枚数の表示などである。そして、前述したチャンス役となった場合にはこの払出演出は行わない。これにより、遊技者にはチャンス役にてメダルが払い出されたことが知らされる(告知、報知、教示、示唆等)ことがない。
また、各種演出は、画像表示体500、スピーカ510、LED装飾等で実行されることとなるが、これに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。その他にも、遊技球等を用いるタイプの回胴式遊技機もあり、こちらも実施形態として好適である。遊技球等を用いるタイプの回胴式遊技機では、遊技球を規定個数分まとめて遊技価値の1単位(例えば、遊技球5個をメダル1枚分に相当するものとして取り扱う)としてゲームを行うものである。