JP2008307114A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者がゲームに対する興味を損ないにくい遊技機を提供する。
【解決手段】所定期間にて遊技価値の付与される機会を増加させた特別遊技状態に遊技状態を移行させる契機となる特別当選役を少なくとも設ける。そして、特別当選役図柄を揃えることが許容された遊技においては、さらに特別当選役を含めた全ての当選役及びハズレ役を抽選対象として抽選を行い、再度新たな特別当選役に当選となった場合には、これを次回特別当選役として、当該特別当選役を契機とした特別遊技状態が終了するまで次回特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを許容せずに持ち越す。
【選択図】図1

Description

本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン等で代表される遊技機に関する。
従来、スロットマシンに代表される回胴式遊技機においては、ボーナスゲーム(ビッグボーナスゲーム(略してBBゲームという、以下同様)、レギュラーボーナスゲーム(略してRBゲームという、以下同様)等により大量のメダルを獲得することに遊技者がゲームの醍醐味を味わうことができるものである。さらに近年、アシストタイム(AT)やチャレンジタイム(CT)、リプレイタイム(RT)などにより、BBやRB等以外にも遊技者に大量のメダルの獲得を期待させる遊技機も知られるようになっている。(特許文献1参照)。
特開2004−33521号公報(第10頁、図7)
上記のような遊技機では、1回のBBゲーム(またはRBゲーム)だけでは大量のメダルを獲得するに至らず、集中的に何回もBBゲームやRBゲームを積み重ねていって大量のメダルを獲得することができるものである。このようなことから、BBゲームやRBゲームが連続して行われることは遊技者にとって非常に喜ばしく、かつ、ゲームの醍醐味ともいえるところとなっている。
しかしながら、BBゲームやRBゲームが連続して(あるいは集中して)行われることは滅多に起きることではないため、なかなかゲームの醍醐味を味わえず、ストレスを溜めてしまう遊技者も多い。このような事態により遊技者がゲームに対する興味を損なってしまうことが問題となっている。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、遊技者がゲームに対する興味を損ないにくい遊技機を提供するものである。
本発明の技術は、上記課題を解決するために以下の手段を採った。
(解決手段1)
解決手段1は、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を備えた図柄変動表示装置を備え、前記図柄変動表示装置は前記複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記複数の可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を前記図柄変動表示装置内の所定箇所に表示可能とする図柄表示部を有し、遊技価値の投入と遊技者の始動操作により複数の前記可動表示体の回転を開始させ、全ての前記可動表示体の停止操作が受け付けられると、前記図柄表示部に1回のゲームの結果を表示する遊技機であって、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に基づいて、回転する複数の前記可動表示体の停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を複数の前記可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせ態様のうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたときにその組み合わせ態様を有効とする表示位置を決定する有効表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記有効表示位置決定手段により決定された前記有効表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する当選役図柄表示判定手段と、前記内部抽選の結果として選び出される前記当選役として、所定期間にて遊技価値の付与される機会を増加させた特別遊技状態に遊技状態を移行させる契機となる特別当選役を少なくとも有し、前記特別当選役が前記内部抽選の結果として選び出されると、当該ゲームから前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを許容する特別当選役図柄導出許容手段と、前記特別当選役図柄導出許容手段により前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を導出することが許容された特別当選役許容遊技では、前記特別当選役を含む全ての前記当選役及びハズレ役を抽選対象として前記内部抽選を実行する抽選対象不変更手段と、前記特別当選役許容遊技において前記内部抽選の結果として再度、新たに前記特別当選役が選び出された場合、これを次回特別当選役として、当該特別当選役を契機とした前記特別遊技状態が終了するまで前記次回特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを許容せずに持ち越す次回特別当選役図柄導出持越手段とを備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段1によれば、本発明の遊技機は、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値を投入して始動操作を行うと、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
可動表示体は表面に複数種類の図柄が図柄列を形成した環状の図柄帯が付されており、図柄変動表示装置はこの可動表示体を複数有している。そして、図柄変動表示装置内の図柄表示部では、遊技者による停止操作に基づいて1回のゲームの結果が表示される。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体の停止操作を行う際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、ハズレ図柄(いずれの当選役図柄に該当しない図柄)を含むことができる。図柄帯にはこれらの図柄が所定個数分だけ一定間隔で配置されており(これにより図柄列が形成される)、この図柄帯が可動表示体に付されている。
複数の可動表示体は個々に停止操作を受け付けることが可能となっており、(遊技者により)全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果に基づいて、各可動表示体の変動停止の制御が行われる。
図柄変動表示装置はその装置内の所定箇所に図柄表示部を備えており、図柄表示部では、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっている。なお、図柄表示部は、遊技機本体の前面側に設けることにより遊技者が遊技機に正対してゲームを行うことができる。
図柄表示部内には、可動表示体の回転中は変動している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止状態となると、可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の組み合わせ態様(表示態様)となる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の抽選結果とそれぞれの抽選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に上記所定範囲内の乱数の値がそれぞれ当たり値として割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
1回のゲームで行われた内部抽選の結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。また、内部抽選の結果がいずれの当選役にも該当しない場合、ハズレということになる(ハズレ役に当選したともいえる)。
また当選役には、一つの当たり値に対して、複数の遊技特典を付与することが可能なものを含めてもよい。このようにすると、1回の内部抽選で2つの当選役に当選となる場合もあるということになる。また、当該ゲームの結果として図柄表示部内に表示された結果とは別の当選役にも同時に当選していたかもしれないという可能性(あるいは期待感)を遊技者に持たせることができる。これらのことは「当たり値には、1つの当選役に対応する単独当たり値と、複数の当選役に対応する共有当たり値がある」、あるいは「1回のゲーム結果には、1つの当選役に対応する遊技特典のみを許容する場合と、複数の当選役に対応する遊技特典を許容する場合がある」と言い換えることもできる。
また、上記所定個数分の図柄数を増減させることにより、図柄表示部内に表示可能となる図柄の総個数を増減させることもできる。つまり、図柄表示部内に表示可能となる図柄の最大個数は、「所定個数×可動表示体の数」として表すことができ、所定個数をNとした場合、Nの値が大きくなればなるほど図柄表示部内に表示可能となる図柄の最大個数が増えることになる。また、可動表示体の数を増やせば、その分だけ図柄表示部内に表示可能となる図柄最大個数も増えることになる。従って、図柄表示部内で表示可能となる図柄の組み合わせ態様のバリエーションを増やし、内部抽選の抽選結果が同一の結果であったとしても、図柄の組み合わせ態様としては異なる態様を多数表示することができるため、単調な(あるいはバリエーションの少ない)図柄の組み合わせ態様となることによって遊技者を飽きさせることがない。
また、各可動表示体が停止状態となった際に図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、予め決められた所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する基準となる表示位置のことをいう。つまり、上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、上記表示位置に表示されてはじめて有効(対応する遊技特典等が付与される)となるのである。
「有効となる表示位置」は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。直線型以外の形の組み合わせとしては、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形が組み合わせとして挙げられる。これらの組み合わせのうち、複数種類が同時に有効となる態様とすることもできる。このようにすると、例えば、直線型及びV字型のいずれかの有効となる表示位置に所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されればよいことになり、図柄表示部内に上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を表示することができる可能性が増えることになる。
また、遊技価値の掛け数に応じて有効となる表示位置を変更させてもよい。これは、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の有効となる表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を増やしたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を減らしたりすることが可能となる。このようにすると、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、内部抽選の結果として所定の当選役に当選となっている場合、該当する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を有効となる表示位置に表示できる可能性が高くなる(表示させやすくすることができる)。
更に、有効となる表示位置を各可動表示体から複数個の図柄を選び出してできる組み合わせとしてもよい。これは、例えば、図柄表示部内に表示されている各可動表示体からそれぞれ2個の図柄を抜き出して構成される組み合わせや、1つの可動表示体からは3個の図柄を抜き出して、その他の可動表示体からは1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせ、あるいは、各々の可動表示体から2個、2個、1個と図柄を抜き出して構成される組み合わせ等、少なくとも1つの可動表示体からは複数個の図柄を抜き出して構成された組み合わせとすることである。このような組み合わせは、各可動表示体から少なくとも1個の図柄を選び出して構成される組み合わせと比べると、どの組み合わせが有効になったかを遊技者に分かりづらくすることができる。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の有効な表示位置に予め決められたいずれかの当選役に対応する図柄(当選役図柄という、以下同様)の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する(当選役図柄表示判定手段)。ここで、当選役図柄の組み合わせ態様としては、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様や、全て異なる種類の図柄からなる組み合わせ態様、少なくとも1組は同種類の図柄を含んだ複数の異なる種類の図柄からなる組み合わせ態様等がある。また、少なくとも1つの当選役図柄を含むのみの組み合わせ態様(その他の図柄はどんな図柄であってもよい)もある。これらの組み合わせ態様が図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたと判定されると、当該当選役に対応した遊技特典等が付与されることとなる。なお、以下では必要に応じて、任意の当選役図柄の組み合わせ態様が図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたと判定された場合のことを、任意の当選役図柄が揃ったという。
当選役には、特別当選役が少なくとも含まれている。この特別当選役は、任意の所定期間に遊技価値が付与される機会を増加させた特別遊技状態に遊技状態を移行させる契機としての役割を持っている。すなわち、内部抽選の結果として特別当選役が選び出されたことを契機として特別遊技状態という遊技状態にてゲームの進行が制御される。また、ここでいう「契機」とは、これらの特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたことをいう(特別当選役図柄が揃った場合のこと)。
ここで、特別遊技状態以外の遊技状態として、任意の所定期間(所定回数のゲームを行う期間)に遊技価値が付与される機会の特に増加されていない遊技状態が想起される。これを通常遊技状態という。この通常遊技状態とは、任意の所定期間に遊技者が消費する遊技価値の総数が多い状態にてゲームの進行が制御される遊技状態ともいえる。すなわち、1回のゲームには掛け数として投入する遊技価値が必要となるため、ゲームを何回も続けていくとその分だけ遊技者は所有している遊技価値を減らしていくことになる。そして、いずれかの当選役の遊技特典が付与された場合のみ遊技価値を減らす程度が低く抑えられたり、あるいは増やすことができたり、することとなる。なお、遊技価値を減らす程度が低く抑えられる遊技特典とは、例えば、掛け数と同数以下の遊技価値が付与されるものや、遊技価値の投入なしで1回のゲームを行うことのできるもの(いわゆる再遊技)などが挙げられる。
これらのことから、消費する遊技価値の総数とは、
〔(所定期間に掛け数として投入された遊技価値の総数)−(付与された遊技価値の総数)〕
ということになる。従って、通常遊技状態は、この消費する遊技価値の総数が多くなる状態、つまり、遊技者がゲームを続ければそれだけ所有する遊技価値を減らしていく遊技状態ということになる。
また特別遊技状態とは、「通常遊技状態に比べて遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段」によりゲームの進行が制御された遊技状態であるともいえる。すなわち、特別遊技状態では遊技価値の増加が期待できるということになる。
特別当選役が内部抽選の抽選結果として選び出されると、当該特別当選役図柄が揃うまで(あるいは、揃えられるまで)特別当選役図柄の導出が許容された状態となる(特別当選役許容遊技)。従って、この状態では、いつでも特別当選役図柄を揃えることが可能となっている。
特別当選役許容遊技では、引き続き、全ての当選役及びハズレ役を抽選対象として内部抽選が実行される(抽選対象不変更手段)。このことから、特別当選役許容遊技では、再度、新たに特別当選役が内部抽選の結果として選び出される可能性があることとなる。このとき再度新たに選び出された特別当選役を次回特別当選役という。なお、以下では、次回特別当選役と混同しないために、特別当選役許容遊技の開始契機となった特別当選役のことを当回特別当選役という。
そして、特別当選役許容遊技では、次回特別当選役が選び出されても、この次回特別当選役図柄の導出が許容された状態とはならず、当回特別当選役を契機とした特別遊技状態が終了するまで次回特別当選役図柄の導出は持ち越された状態となる。従って、この場合(特別当選役許容遊技にて次回特別当選役に当選となった場合)、いつでも当回特別当選役図柄を揃えることは可能となっているが、次回特別当選役図柄は揃えることが不可能となっている。
そして、特別当選役許容遊技は、当回特別当選役図柄が揃えられると終了し、次いで特別遊技状態が開始されることになる。さらに、特別遊技状態の終了後に次回特別当選役の導出が持ち越されている場合には、ここではじめて次回特別当選役図柄を揃えることが許容される。つまり、いつでも次回特別当選役図柄を揃えることができることとなる。従って、当回特別当選役を契機とする特別遊技状態の終了後、すぐに次回特別当選役図柄を揃えたとすれば、
〔 特別遊技状態 ⇒ 特別遊技状態 〕
というように特別遊技状態の終了後に新たに特別遊技状態が連続して行われることとなり、集中的に遊技価値の獲得が可能となる。このようなことから、本発明の遊技機では、一度特別当選役に当選となると、当回特別当選役図柄が揃うまでのあいだに再度特別当選役に当選する可能性が高いものとなる。従って、特別当選役に連続して当選したのと同様の状態を作り出しやすくなるため、遊技者がゲームの醍醐味(すなわち、連続して特別当選役に当選すること)を味わいやすくなり、ゲームに対する興味を損ないにくくすることができる。
(解決手段2)
解決手段2は、解決手段1に記載の遊技機において、前記特別当選役許容遊技では、所定期間に消費される遊技価値の総数の多い通常遊技状態に比べて、前記消費される遊技価値の総数の少ない有利遊技状態にてゲームの進行を制御する有利遊技状態制御手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段2によれば、解決手段1に記載の遊技機では、特別当選役許容遊技とは、当回特別当選役図柄の導出が許容されていると同時に、通常遊技状態に比べると任意の所定期間に遊技者が消費する遊技価値の総数が少ない状態にてゲームの進行が制御される遊技状態のことをいう(有利遊技状態)。この有利遊技状態とは、遊技価値の付与機会を増やしたり、遊技価値の投入なしで1回のゲームを行うことのできる当選役(いわゆる再遊技)となる機会を増やしたり、することにより遊技者が消費する遊技価値の総数を少なく抑えた遊技状態ということになる。
例えば、掛け数と同数以下の遊技価値が付与される機会を増やしたり、再遊技となる機会を増やしたり、することにより、通常遊技状態に比べれば、遊技者が所有している遊技価値を消費していく度合いが緩やかな態様(任意の所定期間において消費される遊技価値の総数が通常遊技状態に比べて少なく抑えられている態様)となる。このような有利遊技状態でのゲームを続ければ、遊技価値の増加は見込めないが、遊技者は遊技価値をあまり減らさずにゲームを続けられるという有利な条件が保たれることになる。
なお、有利遊技状態は、あくまでも通常遊技状態に比べて有利(つまり、任意の所定期間に消費される遊技価値の総数が少ない)であればよいため、所定期間に遊技価値の増加が期待できる態様を含めてもよい。例えば、所定の当選役(掛け数を超える遊技価値が付与される遊技特典に対応する)の当選確率を通常遊技状態での当選確率と比べて向上させるなどして、有利遊技状態でのゲームが続くかぎり遊技価値の増加が可能な態様とすることなどである。この場合には、有利遊技状態でのゲームを続ければ続けるほど、遊技者は遊技価値を増やしていくことを期待することができる。
以上のことから、特別当選役許容遊技では、遊技者が所有する遊技価値をほとんど減らすことなくゲームを進めていけることとなり、遊技者がゲームに対する興味を損ないにくくすることができる。
(解決手段3)
解決手段3は、解決手段2に記載の遊技機において、前記有利遊技状態では、所定の当選役が前記内部抽選の結果として選び出される割合を高くする所定当選役選出割合向上手段をさらに備え、前記所定当選役選出割合向上手段は、前記所定の当選役として前記特別当選役とは別の当選役をその対象として、少なくとも2回に1回程度の割合で前記所定の当選役が前記内部抽選の結果として選び出されるべく前記選出割合を向上させることを特徴とする遊技機である。
解決手段3によれば、解決手段2に記載の遊技機では、有利遊技状態では、所定の当選役に当選する割合が向上されることになる。このとき、少なくとも2回に1回程度は所定の当選役に当選するべくその割合(選出割合、つまり、所定の当選役に当選する割合(確率)のこと)が高められる。このとき、所定の当選役に当選した場合には、これを最優先とすることが望ましい。つまり、所定の当選役に当選となった当該ゲームでは、当該所定当選役図柄を導出させることが最優先されるものとすることである。言い換えれば、「所定当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を導出することを優先する優先導出手段を備える」ということである。従って、有利遊技状態では、所定の当選役に当選する機会が増えることとなり、その分だけ当回特別当選役図柄を揃えられる機会が減ることとなる。つまり、それだけ、次回特別当選役となるべく特別当選役についての抽選機会が増えることとなるため、特別当選役に連続して当選する状況が作り出されやすくなる。
(解決手段4)
解決手段4は、解決手段2または3に記載の遊技機において、前記有利遊技状態制御手段は、前記特別遊技状態が終了となると、前記有利遊技状態にてゲームを進行させて規定の回数に到達するまで前記遊技状態を継続させることを特徴とする遊技機である。
解決手段4によれば、解決手段2または3に記載の遊技機では、特別遊技状態が終了した場合にも有利遊技状態にてゲームの進行が制御されることになる。ここでは、特別遊技状態の終了後、直ちに有利遊技状態に移行するものとする。なお、ここでいう「直ちに」とは特別遊技状態の終了後の次ゲームから、ということである。
従って、特別遊技状態にて所定数の遊技価値を獲得した後も遊技者にとって有利な遊技状態が続くことになる。
そして、この場合には、有利遊技状態は規定のゲーム回数に到達するまで継続することとなる。なお、再度特別当選役に当選となった場合には、その時点(特別当選役図柄が揃った時点までも含む)でこの有利遊技状態を終了させるものとしてもよい。このようにすると、一旦は有利遊技状態が途中で終了してしまうこととなるが、また新たに有利遊技状態でのゲームが開始されることとなるため、遊技者にとって不利益とならず、むしろ喜ばしいこととなる。また、ここでいう「新たに」とは、規定のゲーム回数が0回に戻り、再度始められるということである。
(解決手段5)
解決手段5は、解決手段1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記特別当選役としてさらに複数の種類を有し、これら複数の特別当選役のそれぞれを契機として開始される特別遊技状態ごとに付与される遊技価値の総数が各々同程度となるべく、前記所定期間にて遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段5によれば、解決手段1から4のいずれかに記載の遊技機では、特別当選役は、複数の種類が設けられている。そして、いずれの特別当選役を契機とした場合であっても、同程度の総数の遊技価値を獲得することが可能である。従って、解決手段1等で説明したように、当回特別当選役、次回特別当選役と連続して当選するようなこととなると、少なくとも1回の特別当選役を契機として獲得できる遊技価値の2倍の総数の遊技価値を獲得することが可能となる。これは遊技者にとって非常に喜ばしいことであるため、ゲームに対する興味を損ないにくくすることができる。
(解決手段6)
解決手段6は、解決手段1から5のいずれかに記載の遊技機において、ゲームの進行に伴う複数の演出態様を遊技機の外部に向けて教示する教示手段をさらに備え、前記教示手段は、前記特別当選役図柄導出持越手段により前記次回特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることが許容されずに持ち越されている場合、前記特別遊技状態の終了後直ちに次回特別当選役の当選を教示する次回特別当選役当選教示手段をさらに有することを特徴とする遊技機である。
解決手段6によれば、解決手段1から5のいずれかに記載の遊技機では、ゲームの進行に伴う複数の演出態様を遊技機の外部に向けて教示する教示手段を備えている。このような教示手段としては、例えば、遊技者の視覚や聴覚に訴えるものがある。一例として、液晶ディスプレイやELディスプレイ(Electroluminescence Display)、ドットLED、更にはランプ等に代表される表示手段(または発光手段)や、スピーカなどに代表される音響手段である。なお、遊技者の触覚に訴えるものを含めてもよい(例えば、振動を起こす手段)。つまり、教示手段とは、遊技機の外部に向けて何がしかの報知(告知、示唆)を実行するものであり、それを見たり、聴いたりして、遊技者は特別当選役の当選を知る(察知する、気付く)ことができるのである。
なお、教示手段は、複数の演出態様を実行させることも可能である。例えば、当該ゲームで抽選結果として選び出された遊技特典を示唆するものや、複数のゲームにわたり連続的な演出(あるいは継続的な意味合いを持つ演出)を行うものなどがある。これらの演出態様は、ゲームの進行に伴い表示手段に表示されるものである。つまり、遊技者はこのとき表示される演出態様を参考にしてゲームを進めていくことが可能となる。また、これらの様々な演出態様を時々に応じて実行することで、遊技者はゲーム(特に演出等)に飽きにくくなり、ゲームに面白みを付加することができる。
そして、特別当選役許容遊技にて再度新たに特別当選役に当選していた場合(すなわち、次回特別当選役が存在する場合)には、当回特別当選役を契機とする特別遊技状態の終了後直ちに、次回特別当選役の当選が教示される(次回特別当選役当選教示手段)。従って、特別遊技状態の終了後、すぐに次回特別当選役図柄を揃えることが可能となり、
〔 特別遊技状態 ⇒ 特別遊技状態 〕
というように特別遊技状態の終了後に新たに特別遊技状態を連続して行うことが可能となる。従って、1回の特別遊技状態だけでは獲得することの不可能な数の遊技価値を獲得することが可能となり、遊技者の興味を損ないにくくすることができる。
(解決手段7)
解決手段7は、解決手段1から6のいずれかに記載の遊技機において、前記内部抽選の結果として選び出される当選役のうち、改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲームの掛け数が次回のゲームに持ち越される再遊技役をさらに有し、前記再遊技役に対応する図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示部内に表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、当該ゲームの掛け数を次回のゲームに持ち越して改めて遊技価値を掛けることなく次回のゲームを実行可能にする再遊技実行手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段7によれば、解決手段1から6のいずれかに記載の遊技機では、図柄表示部内の有効となる表示位置に再遊技役図柄の組み合わせ態様が表示されると、再遊技役に対応する遊技特典として、遊技状態が再遊技状態へ移行されることになる。この再遊技状態とは、遊技者が改めて遊技価値を掛けることなく当該ゲーム(今回のゲーム)の掛け数を持ち越して次回のゲームを実行させることができる状態のことをいう。つまり、再遊技役図柄の組み合わせが表示された場合、遊技者は遊技価値を新たに消費せずに1回分のゲームを行うことができることになる。従って、再遊技役に当選することが多くなれば、その分だけ遊技価値の消費を抑えることができ、遊技者が単位時間当たりに消費する遊技価値の量をある程度一定の範囲内に抑えることが可能となる。
さらに、解決手段2等から、有利遊技状態にて再遊技役の当選確率を向上されるような態様をとれば、有利遊技状態では遊技者は所有する遊技価値をほとんど減らさずに、現状維持しながらゲームを進めていくことが可能となる。
(解決手段8)
解決手段8は、解決手段1から7のいずれかに記載の遊技機において、前記内部抽選の結果として選び出される当選役のうち、当該ゲームの結果として遊技価値を付与する一般小役をさらに有し、前記一般小役に対応する図柄の組み合わせ態様が前記図柄表示部内に表示されたことが前記当選役図柄表示判定手段により判定されると、当該ゲームにて前記一般小役に対応する規定数の遊技価値を付与する一般小役遊技価値付与手段をさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段8によれば、解決手段1から7のいずれかに記載の遊技機では、図柄表示部内の有効となる表示位置に一般小役図柄の組み合わせ態様が表示されると、一般小役に対応する遊技特典として規定数の遊技価値が遊技者に付与される。つまり、一般小役に当選することが増えれば、それだけ遊技者は遊技価値を増加させることも可能となるので、遊技価値を一方的に減らし続けるといったことは軽減される。
また、一般小役は複数の種類を設けるものとしてもよい。このとき設けたそれぞれの一般小役ごとに対応する当選役図柄も別々に設けたり、それぞれの一般小役ごとに応じて付与される遊技価値の規定数を異ならせたりすることにより、複数の一般小役に価値の差をつけたり、一般小役図柄の種類を増やすことができる。このように一般小役の種類を増やすと、全ての当選役の種類も増えることとなる。従って、様々な当選役に当選する可能性が増えるので、遊技者を飽きさせてしまうといった事態を極力減少させることができる。
また、解決手段2等から、有利遊技状態にて一般小役の当選確率を向上されるような態様をとれば、有利遊技状態では遊技者は所有する遊技価値を少しずつ増やしながらゲームを進めていくことが可能となる。さらに、これに再遊技役も加えた態様(つまり、一般小役、再遊技役ともにその当選確率が向上される態様)とすれば、有利遊技状態が続く限り遊技価値を際限なく増加させていくことも可能となる。
(解決手段9)
解決手段9は、解決手段8に記載の遊技機において、前記一般小役遊技価値付与手段は、複数の異なる種類設けられた前記一般小役のそれぞれに対応する規定数の遊技価値を遊技者に付与することを特徴とする遊技機である。
解決手段9によれば、解決手段8に記載の遊技機では、一般小役として複数の種類を設けることができる。これに伴い、各々の一般小役に対応する当選役図柄も複数の種類それぞれ設けることや、あるいは、各々の一般小役図柄として有効となる図柄の組み合わせ態様も複数種類設けることができる。
さらに複数種類の一般小役には「当選役図柄の組み合わせとして少なくとも1つの当選役図柄を含むだけで当選役として有効となる単小役」を設けることもできる。すなわち、単小役とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、当選役図柄の組み合わせ態様として1つの当選役図柄(ここでは単小役に対応する単小役図柄)が含まれていれば(単小役に対応する)遊技特典を付与することができる当選役ということになる。このような単小役には、遊技者が全ての可動表示体を停止させる操作の負担(つまり、当選役図柄の組み合わせを停止させるために毎回全ての可動表示体の停止操作に集中しなければならない負担)を軽減させる役割を持たせることができる。
以上のように、一般小役に複数の種類を設けることにより、図柄表示部内で表示される図柄の組み合わせ態様を多様化させて遊技者に単調な印象を与えずに遊技者を飽きさせにくくすることができる。
(解決手段10)
解決手段10は、解決手段1から9のいずれかに記載の遊技機において、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記複数の可動表示体を回転させて前記図柄変動表示装置の変動を開始させる始動操作部と、前記始動操作部に併設して設けられ前記複数の可動表示体の回転を順次停止させる操作可能な複数の停止操作部と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記始動操作部にて遊技者の始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作部にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて所定の遊技特典を付与する遊技特典付与手段とをさらに備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段10によれば、解決手段1から9のいずれかに記載の遊技機としては、スロットマシンに代表される回胴式遊技機が挙げられる。すなわち、本発明は回胴式遊技機に好適であるといえる。スロットマシン等の回胴式遊技機では、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行う(始動操作部)と、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられる(停止操作部)と、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
始動操作部には併設して停止操作部が備えられている。ここで停止操作部は個々の可動表示体に対応して設けられており(すなわち、複数の停止操作部がある)、それぞれの可動表示体の回転を停止させるための操作は遊技者が任意のタイミングで行うことが可能となっている。また、始動操作部と停止操作部が併設されていることにより、遊技者は図柄変動表示装置の変動の開始及び停止させる操作を一連の動作としてスムーズに行うことができる。つまり、始動操作を行った後、始動操作部に併設された停止操作部のうち、始動操作部の最寄(最も近く)に配されている停止操作部(最寄停止操作部という)から順次停止操作を行うことにより、始動操作から全ての停止操作を終えるまで必要最小限の動作で済ませられる。従って、遊技者に[始動操作部→最寄停止操作部→他の停止操作部]といった一連の動作を自然と促すことができる。
このようにして遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させ、そして停止させるという一連の操作を繰り返しながらスロットマシンでのゲームを進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様によって、例えば、上記一般小役であれば、当該一般小役に対応した規定数の遊技価値が付与される。さらに解決手段3等から、特別遊技状態であれば通常遊技状態に比べて遊技価値の付与機会が集中して与えられることになる。このように遊技者は1回1回のゲームごとの結果に応じて遊技価値を減らしたり、増やしたりしながらゲームを進めていき、できるだけ多くの遊技価値を獲得することに喜びを見出すことになる。
(解決手段11)
解決手段11は、表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を備えた図柄変動表示装置を有し、前記図柄変動表示装置内の所定箇所に備えられ前記複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記複数の可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を遊技機本体の前面側にて表示可能とする図柄表示部と、1回のゲームごとに遊技価値の掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記複数の可動表示体を回転させて前記図柄変動表示装置の変動を開始させる始動操作部と、前記始動操作部に併設して設けられ前記複数の可動表示体の回転を順次停止させる操作可能な複数の停止操作部と、前記掛け数決定手段により掛け数が決定された状態で前記始動操作部にて遊技者の始動操作が受け付けられると前記可動表示体の回転を開始し、前記可動表示体の回転中に前記停止操作部にて前記停止操作が受け付けられると、前記停止操作の受け付け順に前記可動表示体を停止させる可動表示体駆動手段と、1回のゲームにつき、前記可動表示体駆動手段により全ての前記可動表示体が停止されると、前記図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて所定の遊技特典を付与する遊技特典付与手段と、1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、前記内部抽選手段による内部抽選の結果に基づいて、変動する複数の前記可動表示体の変動停止を制御する可動表示体停止制御手段と、前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を複数の前記可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせ態様のうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたときにその組み合わせ態様を有効とする表示位置を決定する有効表示位置決定手段と、全ての前記可動表示体が停止した場合、前記有効表示位置決定手段により決定された前記有効表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する当選役図柄表示判定手段と、前記内部抽選の結果として選び出される前記当選役として、所定期間にて遊技価値の付与される機会を増加させた特別遊技状態に遊技状態を移行させる契機となる特別当選役を少なくとも有し、前記特別当選役が前記内部抽選の結果として選び出されると、当該ゲームから前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを許容する特別当選役図柄導出許容手段と、前記特別当選役図柄導出許容手段により前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を導出することが許容された特別当選役許容遊技では、前記特別当選役を含む全ての前記当選役及びハズレ役を抽選対象として前記内部抽選を実行する抽選対象不変更手段と、前記特別当選役許容遊技において前記内部抽選の結果として再度、新たに前記特別当選役が選び出された場合、これを次回特別当選役として、当該特別当選役を契機とした前記特別遊技状態が終了するまで前記次回特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを許容せずに持ち越す次回特別当選役図柄導出持越手段とを備えたことを特徴とする遊技機である。
解決手段11によれば、本発明の記載の遊技機としては、スロットマシンに代表される回胴式遊技機が好適である。スロットマシン等の回胴式遊技機では、遊技者が1回のゲームを行うのに必要な遊技価値(メダル、コイン、遊技球など)の掛け数を決めた状態で始動操作を行う(始動操作部)と、遊技者により停止操作がなされない限り、可動表示体(スロットマシン等では、リール、ドラムなどと呼ばれる)は回転を続ける。そして、遊技者による停止操作が受け付けられる(停止操作部)と、その受け付け順に前述の可動表示体の回転を停止させて、全ての可動表示体が停止状態となると、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様に基づいて、必要に応じて規定数の遊技価値が付与されたり、その他遊技特典が付与されたりするものである。
そして、この始動操作部に併設して停止操作部が備えられている。ここで停止操作部は個々の可動表示体に対応して設けられており(すなわち、複数の停止操作部がある)、それぞれの可動表示体の回転を停止させるための操作は遊技者が任意のタイミングで行うことが可能となっている。また、始動操作部と停止操作部が併設されていることにより、遊技者は図柄変動表示装置の変動の開始及び停止させる操作を一連の動作としてスムーズに行うことができる。つまり、始動操作を行った後、始動操作部に併設された停止操作部のうち、始動操作部の最寄(最も近く)に配されている停止操作部(最寄停止操作部という)から順次停止操作を行うことにより、始動操作から全ての停止操作を終えるまで必要最小限の動作で済ませられる。従って、遊技者に[始動操作部→最寄停止操作部→他の停止操作部]といった一連の動作を自然と促すことができる。
このようにして遊技者は遊技価値を掛けてから可動表示体を回転させ、そして停止させるという一連の操作を繰り返しながらスロットマシンでのゲームを進めていくこととなる。そのうえで、図柄表示部内に表示された図柄の組み合わせ態様によって、例えば、上記一般小役であれば、当該一般小役に対応した規定数の遊技価値が付与される。さらに特別遊技状態という通常遊技状態に比べて遊技価値の付与機会が集中して与えられる遊技状態を設けることもできる。ことになる。このように遊技者は1回1回のゲームごとの結果に応じて遊技価値を減らしたり、増やしたりしながらゲームを進めていき、できるだけ多くの遊技価値を獲得することに喜びを見出すことになる。
図柄は、遊技者が視覚によって個々を識別することができる絵、記号、マーク、飾り文字等を意味する。これらの図柄は遊技者が本発明の遊技機でゲームをする際の目印(可動表示体の停止操作を行う際の目安)とすることができる。この図柄のなかには、上記の当選役図柄や、ハズレ図柄(いずれの当選役図柄に該当しない図柄)を含むことができる。図柄帯にはこれらの図柄が所定個数分だけ一定間隔で配置されており(これにより図柄列が形成される)、この図柄帯が可動表示体に付されている。
複数の可動表示体は個々に停止操作を受け付けることが可能となっており、(遊技者により)全ての可動表示体の停止操作が受け付けられると、当該ゲームにおける内部抽選の抽選結果に基づいて、各可動表示体の変動停止の制御が行われる。
図柄変動表示装置はその装置内の所定箇所に図柄表示部を備えており、図柄表示部では、各可動表示体の図柄を所定個数分の図柄群として表示することが可能となっている。なお、図柄表示部は、遊技機本体の前面側に設けることにより遊技者が遊技機に正対してゲームを行うことができる。
図柄表示部内には、可動表示体の回転中は変動している図柄群を、あるいは可動表示体の停止時には所定個数分の図柄群を視認することができる。そして、最終的に全ての可動表示体が停止状態となると、可動表示体ごと図柄表示部内に停止した図柄からなる図柄群が形成される。この図柄表示部内に表示された図柄群からなる態様が最終的な図柄の組み合わせ態様(表示態様)となる。
1回のゲームごとに行われる内部抽選は、遊技者の開始操作を契機として行われる。ここでいう「内部」とは、抽選の中味が遊技者に知らされておらず、遊技者の知覚できないところで抽選が行われることを表したものであり、実際に内部抽選は遊技機の動作を制御する制御装置(制御基板)にて行われる。内部抽選手段の行う内部抽選の方法としては、所定の数値範囲内(最小乱数値から最大乱数値までの範囲内)で乱数を発生させておき、その中から1回のゲームごとに乱数を1つ取得すると、この取得した1つの乱数の値を予め決められた当たり値と比較することで抽選結果を判断するものが挙げられる。
内部抽選では複数種類の抽選結果とそれぞれの抽選結果に対応する当選役が予め決められている。これらの当選役は、種類別に上記所定範囲内の乱数の値がそれぞれ当たり値として割り当てられている。当たり値には当選役ごとに幅(数値範囲)が設けられており、取得された乱数の値がいずれかの当たり値の範囲内にあれば、その当たり値に対応する当選役に当選したと判断される。このような内部抽選の仕組みでは、全乱数値(所定の数値範囲内)に占める当たり値の数の割合から当選役の当選確率が算出される。
1回のゲームで行われた内部抽選の結果は、少なくとも当該ゲームでは維持されている。当選役のなかには、当該ゲーム限りで結果が破棄されるものもあれば、次回以降のゲームまで持ち越されるものもある。また、内部抽選の結果がいずれの当選役にも該当しない場合、ハズレということになる(ハズレ役に当選したともいえる)。
また当選役には、一つの当たり値に対して、複数の遊技特典を付与することが可能なものを含めてもよい。このようにすると、1回の内部抽選で2つの当選役に当選となる場合もあるということになる。また、当該ゲームの結果として図柄表示部内に表示された結果とは別の当選役にも同時に当選していたかもしれないという可能性(あるいは期待感)を遊技者に持たせることができる。これらのことは「当たり値には、1つの当選役に対応する単独当たり値と、複数の当選役に対応する共有当たり値がある」、あるいは「1回のゲーム結果には、1つの当選役に対応する遊技特典のみを許容する場合と、複数の当選役に対応する遊技特典を許容する場合がある」と言い換えることもできる。
また、上記所定個数分の図柄数を増減させることにより、図柄表示部内に表示可能となる図柄の総個数を増減させることもできる。つまり、図柄表示部内に表示可能となる図柄の最大個数は、「所定個数×可動表示体の数」として表すことができ、所定個数をNとした場合、Nの値が大きくなればなるほど図柄表示部内に表示可能となる図柄の最大個数が増えることになる。また、可動表示体の数を増やせば、その分だけ図柄表示部内に表示可能となる図柄最大個数も増えることになる。従って、図柄表示部内で表示可能となる図柄の組み合わせ態様のバリエーションを増やし、内部抽選の抽選結果が同一の結果であったとしても、図柄の組み合わせ態様としては異なる態様を多数表示することができるため、単調な(あるいはバリエーションの少ない)図柄の組み合わせ態様となることによって遊技者を飽きさせることがない。
また、各可動表示体が停止状態となった際に図柄表示部内に表示される図柄群のうち、それぞれの可動表示体から少なくとも1つずつ図柄を選び出したときにできる全ての可動表示体にまたがった図柄の組み合わせのうち、有効となる表示位置が決められる。ここでいう「有効となる表示位置」とは、全ての可動表示体が停止状態となった際に、予め決められた所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する基準となる表示位置のことをいう。つまり、上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、上記表示位置に表示されてはじめて有効(対応する遊技特典等が付与される)となるのである。
「有効となる表示位置」は、図柄表示部内での並び、組み合わせ等を意味し、一般的には複数の可動表示体にまたがる水平または斜めの並び(直線型となる形)の組み合わせのことをいう。直線型以外の形の組み合わせとしては、への字型、V字型、折れ曲がり型、ジグザグ型となる形が組み合わせとして挙げられる。これらの組み合わせのうち、複数種類が同時に有効となる態様とすることもできる。このようにすると、例えば、直線型及びV字型のいずれかの有効となる表示位置に所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されればよいことになり、図柄表示部内に上記所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を表示することができる可能性が増えることになる。
また、遊技価値の掛け数に応じて有効となる表示位置を変更させてもよい。これは、「1回のゲームごとに掛けられた遊技価値の掛け数に応じて図柄表示部内の有効となる表示位置を変更させる」ということである。これにより、例えば遊技価値の掛け数を増やせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を増やしたり、あるいは遊技価値の掛け数を減らせば、図柄表示部内で有効となる表示位置を減らしたりすることが可能となる。このようにすると、遊技価値の掛け数をできる限り多くしてゲームを行えば、内部抽選の結果として所定の当選役に当選となっている場合、該当する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を有効となる表示位置に表示できる可能性が高くなる(表示させやすくすることができる)。
更に、有効となる表示位置を各可動表示体から複数個の図柄を選び出してできる組み合わせとしてもよい。これは、例えば、図柄表示部内に表示されている各可動表示体からそれぞれ2個の図柄を抜き出して構成される組み合わせや、1つの可動表示体からは3個の図柄を抜き出して、その他の可動表示体からは1個の図柄を抜き出して構成される組み合わせ、あるいは、各々の可動表示体から2個、2個、1個と図柄を抜き出して構成される組み合わせ等、少なくとも1つの可動表示体からは複数個の図柄を抜き出して構成された組み合わせとすることである。このような組み合わせは、各可動表示体から少なくとも1個の図柄を選び出して構成される組み合わせと比べると、どの組み合わせが有効になったかを遊技者に分かりづらくすることができる。
全ての可動表示体が停止すると、図柄表示部内の有効な表示位置に予め決められたいずれかの当選役に対応する図柄(当選役図柄という、以下同様)の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する(当選役図柄表示判定手段)。ここで、当選役図柄の組み合わせ態様としては、全て同種類の図柄からなる組み合わせ態様や、全て異なる種類の図柄からなる組み合わせ態様、少なくとも1組は同種類の図柄を含んだ複数の異なる種類の図柄からなる組み合わせ態様等がある。また、少なくとも1つの当選役図柄を含むのみの組み合わせ態様(その他の図柄はどんな図柄であってもよい)もある。これらの組み合わせ態様が図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたと判定されると、当該当選役に対応した遊技特典等が付与されることとなる。なお、以下では必要に応じて、任意の当選役図柄の組み合わせ態様が図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたと判定された場合のことを、任意の当選役図柄が揃ったという。
当選役には、特別当選役が少なくとも含まれている。この特別当選役は、任意の所定期間に遊技価値が付与される機会を増加させた特別遊技状態に遊技状態を移行させる契機としての役割を持っている。すなわち、内部抽選の結果として特別当選役が選び出されたことを契機として特別遊技状態という遊技状態にてゲームの進行が制御される。また、ここでいう「契機」とは、これらの特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が図柄表示部内の有効となる表示位置に表示されたことをいう(特別当選役図柄が揃った場合のこと)。
ここで、特別遊技状態以外の遊技状態として、任意の所定期間(所定回数のゲームを行う期間)に遊技価値が付与される機会の特に増加されていない遊技状態が想起される。これを通常遊技状態という。この通常遊技状態とは、任意の所定期間に遊技者が消費する遊技価値の総数が多い状態にてゲームの進行が制御される遊技状態ともいえる。すなわち、1回のゲームには掛け数として投入する遊技価値が必要となるため、ゲームを何回も続けていくとその分だけ遊技者は所有している遊技価値を減らしていくことになる。そして、いずれかの当選役の遊技特典が付与された場合のみ遊技価値を減らす程度が低く抑えられたり、あるいは増やすことができたり、することとなる。なお、遊技価値を減らす程度が低く抑えられる遊技特典とは、例えば、掛け数と同数以下の遊技価値が付与されるものや、遊技価値の投入なしで1回のゲームを行うことのできるもの(いわゆる再遊技)などが挙げられる。
これらのことから、消費する遊技価値の総数とは、
〔(所定期間に掛け数として投入された遊技価値の総数)−(付与された遊技価値の総数)〕
ということになる。従って、通常遊技状態は、この消費する遊技価値の総数が多くなる状態、つまり、遊技者がゲームを続ければそれだけ所有する遊技価値を減らしていく遊技状態ということになる。
また特別遊技状態とは、「通常遊技状態に比べて遊技価値の付与機会を増加させる遊技価値付与機会増加手段」によりゲームの進行が制御された遊技状態であるともいえる。すなわち、特別遊技状態では遊技価値の増加が期待できるということになる。
特別当選役が内部抽選の抽選結果として選び出されると、当該特別当選役図柄が揃うまで(あるいは、揃えられるまで)特別当選役図柄の導出が許容された状態となる(特別当選役許容遊技)。従って、この状態では、いつでも特別当選役図柄を揃えることが可能となっている。
特別当選役許容遊技では、引き続き、全ての当選役及びハズレ役を抽選対象として内部抽選が実行される(抽選対象不変更手段)。このことから、特別当選役許容遊技では、再度、新たに特別当選役が内部抽選の結果として選び出される可能性があることとなる。このとき再度新たに選び出された特別当選役を次回特別当選役という。なお、以下では、次回特別当選役と混同しないために、特別当選役許容遊技の開始契機となった特別当選役のことを当回特別当選役という。
そして、特別当選役許容遊技では、次回特別当選役が選び出されても、この次回特別当選役図柄の導出が許容された状態とはならず、当回特別当選役を契機とした特別遊技状態が終了するまで次回特別当選役図柄の導出は持ち越された状態となる。従って、この場合(特別当選役許容遊技にて次回特別当選役に当選となった場合)、いつでも当回特別当選役図柄を揃えることは可能となっているが、次回特別当選役図柄は揃えることが不可能となっている。
そして、特別当選役許容遊技は、当回特別当選役図柄が揃えられると終了し、次いで特別遊技状態が開始されることになる。さらに、特別遊技状態の終了後に次回特別当選役の導出が持ち越されている場合には、ここではじめて次回特別当選役図柄を揃えることが許容される。つまり、いつでも次回特別当選役図柄を揃えることができることとなる。従って、当回特別当選役を契機とする特別遊技状態の終了後、すぐに次回特別当選役図柄を揃えたとすれば、
〔 特別遊技状態 ⇒ 特別遊技状態 〕
というように特別遊技状態の終了後に新たに特別遊技状態が連続して行われることとなり、集中的に遊技価値の獲得が可能となる。このようなことから、本発明の遊技機では、一度特別当選役に当選となると、当回特別当選役図柄が揃うまでのあいだに再度特別当選役に当選する可能性が高いものとなる。従って、特別当選役に連続して当選したのと同様の状態を作り出しやすくなるため、遊技者がゲームの醍醐味(すなわち、連続して特別当選役に当選すること)を味わいやすくなり、ゲームに対する興味を損ないにくくすることができる。
本発明により、遊技者のゲームに対する興味を損ないにくくすることができる。
以下に本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの分解斜視図、図2は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図、図3はスロットマシンの斜視図、図4は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図5は図4のZ1部拡大図、図6はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図、図7は扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図、図8(a)は図7のZ2部拡大図、図8(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図、図9は図8(a)の要部を示す拡大図、図10は背板側を示すスロットマシン要部の横断面図、図11はケース部材の分解斜視図、図12はケース部材を後ろから見た斜視図、図13(a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図、図14は配線中継部材の分解斜視図、図15は配線中継部材のカバー体を省略した正面図、図16はコネクタホルダーの分解斜視図、図17はケース部材を止めるストッパーの斜視図、図18は他の形態を示すストッパーの斜視図、図19,図20はケース部材のガイド構造を示す要部の断面図、図21は把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図、図22はケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図、図23は配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図である。
本発明のスロットマシン1は、前面が開口する箱形の外本体100と、該外本体100の前面に横開きの扉状に回動可能に取り付けた扉形前面部材200と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、前記外本体100に対し着脱自在であって前面に開口部401を有するケース部材400と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。
[外本体]
外本体100は、図1〜図4に示したように底板101の左右に側板102,102を取着すると共に該側板102,102の頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記左右の側板102,102は前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている。該仕切板105は金属製であって、図1,図2に示したように中央に突段部106を有する正面視略凸形であり、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の側板102,102内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105の両横の最奥部には外本体100の背板104との間に配線用の開口109が形成されている。
外本体100内の前記仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前記扉形前面部材200の前面下部にあるメダル用受皿201に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
前記メダル放出装置110は、駆動手段(例えばホッパモータ110f)を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが前記駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨む。
一方、外本体100内の仕切板105より上のスペースには前記ケース部材400が納められ、また、外本体100の背板104の内面には後述する配線手段の中核となる配線中継部材113が取り付けられている(図1,図2参照)。
[扉形前面部材]
図3に扉形前面部材200の表側が、また、図1に扉形前面部材200の裏側が示されている。扉形前面部材200は、表側の下方にメダル用受皿201を有し、また、表側のほぼ中央に操作部202が設けられている。この操作部202には、メダル投入用の投入口203と、後述するメイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1枚投入ボタン205と、同じく1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAX投入ボタン206と、後述するメダルセレクタ207の中に詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタン208と、メイン基板409のメモリーにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留解除スイッチ209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。
また、前記投入口203の裏側にはメダルセレクタ207が設けられており、そのメダルセレクタ207の横にメダル樋212が、また、下に返却樋213が接続している。メダルセレクタ207は内蔵したソレノイド207a(図示せず)をON・OFFさせることによって流路を切り替える公知のものであり、遊技者からのメダルの投入を待つ遊技状態のときには流路をメダル樋212側に、また、規定枚数を超えたメダルの投入など、メダルの投入を拒否する遊技状態のときには流路を返却樋213側に設定する。前記メダル樋212は、扉形前面部材200が外本体100の前面に被さる閉じ位置にあるときその突端がメダル放出装置110のホッパ110b内に臨むようになっており、投入口203からメダルセレクタ207を通ってメダル樋212に流れたメダルはホッパ110bに行き着く。一方、前記返却樋213は表側のメダル用受皿201に繋がっており、投入口203からメダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。
扉形前面部材200は外本体100の前面全体をカバーする大きさであって、その上半部は、透明板を嵌めたゲーム用の透視窓214になっており、その透視窓214から前記画像表示体500と図柄変動表示装置300が上下に並んで見えるようになっている。また、扉形前面部材200の自由端側の一側には専用キー(図示せず)を使って開閉操作する錠装置215が設けてある。
[図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300はリール回転式表示装置であって、モータ等の駆動手段303で個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301cと、該リール301a,301b,301cを組込み・収容する装置ケース302とを有し、リール301a,301b,301cの周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行う周知のものである。
前記装置ケース302は、あたかも横倒しにした八角柱から正面(遊技者)に向かう3面を除いた変形六角柱形態であって、底部板304と、天部板305と、図11において向かって右側の右側板306と、同じく左側の左側板307と、後面を覆う垂直な後部板308と、天部板305と後部板308の間に設けた上斜板309と、底部板304と後部板308の間に設けた下斜板310で囲った箱形であり、前記リール301a,301b,301cの円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。
また、装置ケース302の天部板305には指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能な把手311が設けられており、該把手311に指を掛けて持ち運ぶようになっている。このように装置ケース302の天部板305に上記のごとく変化可能な把手311を設ける構成は、ケース部材400の強度アップ策と密接に関連する。すなわち、実施形態では後述するようにケース部材400の開口部401に補強桟402を設け、もってケース部材400の開口部401に画像表示体500を片持ちさせるに十分な強度を付与しているが、そのような補強桟402は開口部401を横切るから装置ケース302のケース部材400への出し入れに対し、明らかに障害となる。これに対し実施形態のように把手311を変化可能にして天部板305に伏させておけば、把手311の出っ張りがなくなるから、装置ケース302が補強桟402の下を難なく通過できるのである。従って、装置ケース302の天部板305に上記のように変化可能な把手311を設けてこそ、ケース部材400の開口部401に該開口部401を横切る向きの補強桟402を設けることが可能になる。ちなみに、従来の装置ケースは、天部板から把手が出っ張ていてそれが障害になるため、ケース部材の開口部に補強桟を設ける余地がない。
なお、実施形態の把手311は、立てた使用状態と伏した不使用状態とに揺動して変化させる構造としたが、把手311を使用状態と不使用状態とに変化させ得る構造は、実施形態に限定されない。例えば図21に示したように、天部板305に2つのベルト通し314,314を切り起こし、該ベルト通し314,314に例えば合成樹脂や革製であって両端に抜け止め部315,315を設けてなる帯状の把手311を挿通し、図21の伏した不使用状態から中央を引き上げて指掛可能な使用状態に変化させる構造にするなど、指掛可能な使用状態と、天板部305に伏した不使用状態とに変化可能であれば、どのような構造であってもよい。また、実施形態の装置ケース302の底部板304には図4,図11に示したようにフランジ状の下把手316が突設されており、該下把手316をつかんで装置ケース302を押し込み又は引っ張ることにより、ケース部材400への出し入れが行い易くなっている。
[ケース部材]
ケース部材400は、前記外本体100の仕切板105から上のスペースにほぼ合致する大きさであって、底板403と、該底板403の左右両横に立設した側板404,404と、底板403の後縁に立設した後面板405と、該後面板405と前記側板404,404の上面を覆う天板406とからなり、前面に開口部401を有する箱形である。
該ケース部材400は、底板403が金属製で、側板404,404、後面板405、天板406が合成樹脂製であり、側板404,404と天板406の開口部401内面に金属製の補強部材407,407,407が設けられ、さらに側板404,404の補強部材407,407の間に開口部401を横切る金属製の補強桟402が掛け渡されている。そして、この補強桟402を境にそれより下が前記図柄変動表示装置300の設置領域として、また、補強桟402より上の開口部401が前記画像表示体500の設置領域として、さらにまた、画像表示体500より後方のケース部材400で囲われた領域が配線作業空間408として割り当てられ、その配線作業空間408の後面板405の内壁面に、主たる制御基板であるメイン基板409が装着され、さらにメイン基板409以外の制御基板等(例えばサブ基板449)も配線作業空間408内に装着されている。
ケース部材400の後面板405の外面には図2,図5,図6,図12に示したように複数のボス410,410が突設されており、該ボス410を外本体100の背板104にプレ加工したボス孔114,114に嵌めて位置決めされる。なお、このボス410,410は、図2,図5に示したように後述する配線窓411近くに設けられており、一方、外本体100側のボス孔114,114は前記配線中継部材113近くに設けられており、これによりケース部材400の配線窓411と背板104の配線中継部材113の位置決めが正確になる。
一方、ケース部材400の底板403の底面には、図2に示したように凹段部412が形成されており、該凹段部412が前記仕切板105の突段部106に嵌まり合う。凹段部412の後面板405側の端部には後方に向かって拡大する向きのテーパ部413が設けてあり、該テーパ部413に案内され仕切板105の突段部106とケース部材400の凹段部412との嵌め合わせが円滑に行える。このようにケース部材400の凹段部412と仕切板105の突段部106の嵌め合いによってケース部材400が仕切板105の奥に真っ直ぐに案内されるが、例えば図19に示したように仕切板105に凹溝形態のレール部材115を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の底板403に車輪414を設置し、該車輪414をレール部材115の溝内で転がらせるようにしてもよい。或は、図20に示したように仕切板105に凸形態のレール部材116を敷設又は一体にプレス成形し、一方、ケース部材400の前記車輪414の両端に鍔415,415を形成し、該車輪414の鍔415,415でレール部材116を挟ませるようにしてもよい。
また、ケース部材400は、仕切板105上の所定の位置にセットした状態で、図1,図2,図17,図22に示した揺動レバー形態のストッパー117,117,117で止められている。このストッパー117は、図1,図2に示したように仕切板105の前端部と、天板103に垂設した2つの取付具118,118とに軸着されており、図17実線のようにケース部材400の一部に係合する作動姿勢と、図17想像線のようにケース部材400に係合しない非作動姿勢とを手動で切り替えてケース部材400の仕切板105上における前方向の動きを規制する。なお、ストッパー117を図18に示したように鍵形にしてケース部材400に設けた引掛部416に係合させるようにすれば、ケース部材400の仕切板105上における上方向の動きも規制することができる。また、天板103の取付具118に軸着したストッパー117は、図22に示したようにケース部材400の側板404と天板406のコーナー部に貫設した係止孔442に臨む位置にあり、ケース部材400を所定の位置に押し込んだ状態でケース部材400の内側から作動姿勢と非作動姿勢の切り替えが行えるようになっている。
また、ケース部材400の後面板405には外本体100の背板104側に貫通する長孔形態の配線窓411が開設されている。該配線窓411は、図4,図5,図23に示したようにケース部材400に設置した図柄変動表示装置300の装置ケース302の上斜板309に対応し且つ前記メイン基板409の下側の位置にあり、上斜板309の上にある横長の空きスペース417(或は上斜板309とメイン基板409の間に形成される横長の三角スペース417と観念してもよい。)と背板104を結ぶ開口として機能する。
また、ケース部材400には図5,図12に示したように空きスペース417の高さのほぼ中間位置に棚板状の仮止め部材418(以下「仮止め棚」ともいう。)が設けられており、また、後面板405の外側であって配線窓411の両横にケース部材400の左右側面に抜ける配線用の凹み419,419が形成されている。
なお、前記配線窓411の配置を、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cを基準に特定するならば、配線窓411は、図23に示したように図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面HLと、リール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面HHとの間を下限とする状態に配置したものである、と言い換えることもできる。
[画像表示体]
画像表示体500は、例えば、少なくとも液晶ディスプレイ(他にもプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等でもよい。)で構成される画像表示可能なパネル形のユニットであり、図11においてケース部材400の左側の側板404に設けた補強部材407にヒンジ金具420を取り付けて(取付位置は図11斜線部参照)、該ヒンジ金具420により回動自在に支持されている。
図11,図12に示したように、ケース部材400の縦の補強部材407のうち前記ヒンジ金具420を設けた補強部材407の反対側の補強部材407(図11において向かって右側)にはロック片421が軸着されており、該ロック片421を図11の状態から時計回りに回動させるとその先端が画像表示体500の裏側に突設した受部508に係合し、この状態で画像表示体500がケース部材400の開口部401の上部を閉じた位置にロックされる。一方、前記ロック片421をロック状態から逆向きに回動させると画像表示体500のロックが解除され、ヒンジ金具420を中心に回動自在になる。通常、ケース部材400を外本体100に装着する前の状態では画像表示体500を閉じ位置にロックして無用な回動を防止し、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では画像表示体500のロックを解除して回動自在とする。そうすることにより扉形前面部材200を開いて直ぐに画像表示体500の奥の配線作業空間408内のチェックが行える。
なお、画像表示体500の奥の配線作業空間408内のチェックを効率よく行う手段として、扉形前面部材200と画像表示体500を適宜な連結具で連結し、扉形前面部材200の開閉に連動して画像表示体500も一緒に開閉させるようにしてもよい。この場合、実施形態の扉形前面部材200と画像表示体500は、回転中心の位置が異なるため、両者の動きに相対的なずれが生じるが、そのような動きのずれは、連結具を柔軟なワイヤーにするか或は伸縮自在なロッドにする等して吸収できる。但し、連結具が柔軟なワイヤー等であると、扉形前面部材200を閉じる段階で扉形前面部材200が開いたまま停止している画像表示体500にぶつかることになって、円滑さを損なうおそれがある。これに対し、例えば画像表示体500に巻バネなどの付勢手段を設けて常時閉じ方向に付勢するようにすればよい。そうすることにより扉形前面部材200の閉じ動作に際し、画像表示体500が前記付勢力の作用で連結具を引っ張りつつ自力で閉じるから、扉形前面部材200と画像表示体500がぶつからない。もちろん扉形前面部材200と画像表示体500の連れ回りのための手段は上記に限定されない。
また、ケース部材400に対する画像表示体500の取着手段をヒンジ構造にして該画像表示体500を扉状に回動させ得る構成に、上記のように画像表示体500を閉じ位置にロックするロック手段(上記のロック片421)を付加した場合には、ケース部材400を外本体100に装着した状態で原則ロックを継続させ、配線作業空間408内のチェック等、必要な時にのみロックを解除する、という取り扱いを選択することも可能であり、その場合には画像表示体500によって配線作業空間408内の重要部品(例えばメイン基板409)がブロックできるから、防犯性能の向上に効果がある。
ケース部材400の開口部401上縁と閉じた画像表示体500の上縁との前後間には隙間10が設けられており、該隙間10に通した指で天板406の前記補強部材407が掴めるようになっている。また、ケース部材400の天板406の前方中央部分には把手口422が形成されており、該把手口422に通した指で天板406の補強部材407が掴めるようになっている。従ってケース部材400は、取り扱う場所や姿勢に応じて該把手口422と前記隙間10との適宜な使い分けが可能である。例えば、ケース部材400を外本体100に組み込む前の搬送時には把手口422を使って鞄形態に持ち運ぶ方がバランスがよく、一方、ケース部材400を外本体100に装着した状態では、図4に示したように把手口422が外本体100の奥に隠れて指が入らないため、前記隙間10から補強部材407に指を掛けてケース部材400を引っ張り出す、という具合である。なお、ケース部材400の底板403の正面中央には前記した装置ケース302の下把手316(図4,図11参照)が突出しており、該下把手316を持って押し込み又は引っ張ることで外本体100へのケース部材400の出し入れが容易に行える。この場合の下把手316は、装置ケース302がケース部材400にビスで固着されていることよりケース部材400と一体であり、従ってケース部材400の床板403の正面に下把手316が突設されているに等しい。
[画像表示体−枠部材]
画像表示体500は、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から上の領域のほぼ全部を覆う大きさである。また、画像表示体500の下側には、ケース部材400の開口部401の前記補強桟402から下の領域、つまり図柄変動表示装置300の前方領域を額縁状に囲う枠部材501が一体に垂設されており、該枠部材501により前記図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cが縁取られる。この枠部材501の表面は装飾面になっており、適宜な模様等が描かれている。
[画像表示体−枠部材−照明装置]
前記枠部材501の裏側上下には照明装置502が設けられており、該照明装置502によって図柄変動表示装置300の図柄が明るく照らされる。実施形態として例示した照明装置502は、図4に示したように、図の紙面と直交する方向(スロットマシン1の幅方向)に細長い帯状の基板503に多数のLED504を並べたものであり、下側の照明装置502は、上面を例えば乳白色の透光性蓋板505で塞いだチューブ枠506の中にLED504を上向きにして配置し、一方、上側の照明装置502は、断面上向きコ字状の透光性カバー507内にLED504を下向きにして配置してなる。
なお、上側の照明装置502は、照明方向を図4に示したように真下より遊技者側に傾けて設置してある。実験によれば、照明装置502の照明方向をリール301a,301b,301cの周面側に向けた場合には、リール301a,301b,301cの特定部分が強く照らされて見辛くなるのに対し、前記のように傾けた場合には、リール301a,301b,301cの広い範囲がほぼ均等に照らされて見え易くなることが確認できた。扉形前面部材200の透視窓214に嵌めた透明板により照明装置502の光が反射されて全体に拡散するか、或は透明板が明るく照らされることでリール301a,301b,301cの広い範囲が明るく見えるか、或はそれらの相乗作用によるものと推測される。また、枠部材501は画像表示体500の下に垂設されていて図柄変動表示装置300に近いから、そのような枠部材501に照明装置502を組み込むことで光源を図柄変動表示装置300に近づけることができる。従って枠部材501に照明装置502を組み込む手段は、従来の照明装置に比べて低光量でも十分な明るさが確保できる、という特徴がある。
[配線手段]
前記外本体100に取り付けられている例えばメダル放出装置110や電源装置112及び扉形前面部材200の操作部202にある例えば各投入ボタン205,206や始動レバー210(以下、これらの総称として単に「本体側電気部品」という場合もある。)と、ケース部材400にある例えばメイン基板409等(ケース部材側の電気部品の総称として単に「ケース部材側電気部品」という場合もある。)とは、電気的に接続されている。そして、実施形態のスロットマシン1は、遊技ユニット(ケース部材400)が外本体100に対し着脱自在であるため、遊技ユニット(ケース部材400)の交換等に際して本体側電気部品とケース部材側電気部品とを簡単に接続又は切り離すための合理的な配線手段が設けられている。
[配線手段−配線中継部材]
前記のように外本体100の背板104の内面上部には、図14に示した配線中継部材113が取り付けられている。該配線中継部材113は図4,図5に示したように、前記ケース部材400の配線窓411に対応する位置にあって該配線窓411からケース部材400の空きスペース417に臨むようになっている。配線中継部材113は、前記本体側電気部品につながる本体側配線類119と、前記ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継するものであって、外本体100の背板104にビス止めされる取付板120と、該取付板120の前面に被さるカバー体121と、該カバー体121と前記取付板120の間に納められる複数(実施形態では大小2枚)のコネクタ基板122,123とからなる。
前記2枚のコネクタ基板122,123のうち、図14,図15において左側に位置する大きい方のコネクタ基板122は取付板120に対して固定的に取り付けられており、前記メイン基板409につながっているハーネス424の先端のコネクタ425と対をなすコネクタ124が設けられている。
一方、図14,図15において右側に位置する小さい方のコネクタ基板123は、取付板120に対して非固定的な遊動可能状態に取り付けられており、従って図15拡大図に示したように上下方向に移動可能であり、また、左右方向にも移動し得る。この小さいコネクタ基板123には、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先端のコネクタ427と対をなすコネクタ125が設けられている。
また、取付板120の前面に被さるカバー体121は、前記コネクタ124,125が通る大小2つの開口126,127と、該開口126,127と横並びの位置に突設した支持筒128と、下半部前方に張り出すトンネル状の配線ダクト129と、を有する。
配線中継部材113に接続する本体側配線類119は、前記配線ダクト129の内部を通るか、または配線中継部材113の取付板120の下側前面に突設したフック形状の配線止め130に束ねられた状態で、図1一点鎖線Lに示したように外本体100の側板102,102側に振り分けられ、該側板102,102と背板104のコーナー付近でほぼ垂直に向きを変え、その多くは仕切板105の奥に設けた配線用の開口109を通って本体側電気部品に夫々接続される。もちろん仕切板105より上の領域に本体側電気部品(例えば図1において側板102の内面に設けた外部中継端子板131)がある場合には、仕切板105の配線用の開口109とは無関係にそのまま接続される。
ここまでで説明した配線手段から、次のような技術的思想が把握できる。
(a)ケース部材400の後面板405に、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの回転中心を通る水平面とリール301a,301b,301cの最高高さ位置を通る水平面との間を下限とする位置に配線窓411を形成する。
(b)外本体100の背板104に、本体側電気部品につながる本体側配線類119と、ケース部材側電気部品につながるケース側配線類423とを中継する配線中継部材113を設置する。
(c)外本体100の側板102,102の内面沿いに配線を通す上下方向の配線経路を形成する。
(d)配線中継部材113につながる本体側配線類119をケース部材400の側方に導き、そこから前記配線経路を通って本体側電気部品に接続する。
以上(a)〜(d)の構成要素を備えた遊技機は、図柄変動表示装置300のリール301a,301b,301cの後ろを本体側配線類119が通らず、外本体100の側板102,102沿いに設けた配線経路を迂回するため、リール301a,301b,301cを外本体100の背板104近くにまで寄せることが可能になり、従来の構成、すなわち、本体側配線類119が背板104のほぼ中央を下ってリール301a,301b,301cの後ろを通っていた従来の構成に比べて、リール301a,301b,301cの径を大きくすることができる。なお、リール301a,301b,301cの径は大きい方が、回転時の迫力が増す。
[配線手段−コネクタ425,427]
上記のように配線中継部材113に設けられている2つのコネクタ124,125には、ケース部材400のメイン基板409につながっているハーネス424の先のコネクタ425と、メイン基板409以外のケース部材側電気部品につながっているハーネス426の先のコネクタ427がそれぞれ接続されている。この2つのコネクタ425,427は、図16に示したように1つのコネクタホルダー428に一体に取り付けられている。該コネクタホルダー428は、コネクタ425,427がビス止めされるホルダー主体429と、ほぼ中央に透孔430を有し前記ホルダー主体429の両横に突設した板状の取着片431と、該取着片431の透孔430に装着した周知のボタン形パネルファスナー432(商品名「ナイラッチ」:登録商標)と、からなり、図5,図8(a)に示したように配線中継部材113の前記支持筒128の先に取着片431を当て、該取着片431のボタン形パネルファスナー432を支持筒128に差し込んでロックしてある。従ってコネクタホルダー428が固定手段たる支持筒128に固定され、ひいては配線中継部材113に固定されるため、コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合が外れない。
[配線中継基板−コネクタ425,427−仮止め棚]
上記のようにコネクタ425,427は配線中継部材113のコネクタ124,125に接続されているが、ケース部材400が外本体100に組み込まれる前、つまり工場出荷から設置完了までの間、コネクタ425,427は、ケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされている。
前記仮止め棚418は、図5,図6,図12,図13に示したようにケース部材400の内側から前記配線窓411に向かわせた棚板状の部材であり、図6に示したようにコネクタホルダー428を載置するほぼ水平なベンチ部433と、そのベンチ部433の両端に立設したベンチ側板434と、各ベンチ側板434に突設した3本の内向き爪片435,435,435とを有する。この内向き爪片435,435,435の中央の1本と他の上下の2本との間にはコネクタホルダー428の取着片431が嵌まり得る間隔が設けてある。なお、一方のベンチ側板434は、先端に指掛部436を延設した薄板構造であって、指掛部436に指を掛け図8(b)矢示X方向に力を加えることにより一端支持の板バネのごとく外向きに反らせ得るようになっており、その反らせた状態で内向き爪片435,435,435からコネクタホルダー428の取着片431が簡単に外れるようになっている。図8(a)の想像線は指掛部436の先を鍵形に折り曲げた例を示したものであり、こうすることにより矢示Yのようにボタンを押す感覚でコネクタホルダー428の取外しが楽に行える。
しかして、図6に示したように前記仮止め棚418のベンチ部433にコネクタホルダー428を載置し、該コネクタホルダー428の取着片431をベンチ側板434の内向き爪片435,435,435の間に嵌めることによってコネクタホルダー428が仮止め棚418に仮止めされる。もちろん仮止めと言っても、ケース部材400の輸送中にコネクタホルダー428が仮止め棚418から外れない強度を有する設定になっており、従ってケース部材400が外本体100に組み込まれる前までは、コネクタホルダー428と一体のコネクタ425,427はケース部材400に設けた仮止め棚418に仮止めされて動かない。よってケース部材400を輸送したり、ケース部材400を外本体100に組み込む作業の最中に、ハーネス424,425の先にあるコネクタ425,427が、ケース部材400内の部品に当たってその部品はもちろん、自らも損傷する、というようなおそれがない。
そして、図8(b)→図8(a)に示したように、ケース部材400を外本体100に固定した後の配線工程で、上記のように一方のベンチ側板434を外向きに反らせてコネクタホルダー428を仮止め棚418から外し、そのコネクタホルダー428を自己の取着片431が配線中継部材113の支持筒128に当たる位置まで移動させれば、コネクタ425,427が配線中継部材113のコネクタ124,125に嵌まるから(その詳細は後述する。)、その状態で取着片431のボタン形パネルファスナー432を押し込んで取着片431を支持筒128にロックする。なお、このとき図5,図6に二点鎖線で示したように、ベンチ部433にガイド用の案内レール440を設けておけば、コネクタホルダー428を奥に押し込むだけでよいため、作業性が向上する。
[コネクタ425,427とコネクタ124,125の結合]
前記のようにコネクタ425とコネクタ427は、1つのコネクタホルダー428に取り付けられている。こうすることによりコネクタホルダー428を配線中継部材113の所定の位置にセットする1回の動作で2つのコネクタ425,427の接続が完了する。しかし現実の問題として、2つのコネクタ425,427とコネクタホルダー428という独立した要素を寄せ集めて一体にする構造では、コネクタ425,427とコネクタ124,125の「正確な位置決め」という困難な問題に直面する。すなわち2つのコネクタ425,427と配線中継部材113側のコネクタ124,125の4要素の位置決めが全て正確でなければ、コネクタ425,124とコネクタ427,125の一括結合は不可能であるのに、そのような位置決めの精度を量産品レベルのコストで達成するのは困難だからである。そのような問題を解決する1つの手段として、結合時の融通性に優れたドロワーコネクタを使用する方法が考えられるが、それでもまだコスト面の負担が大きい。
これに対し実施形態の配線手段では、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を分割してそれぞれにコネクタ124,125を装着し、そのコネクタ基板122,123の少なくとも一方を非固定的な遊動可能状態にする手段を講じている。かかる構成においてコネクタホルダー428の結合照準をコネクタ425とコネクタ124に定めた場合、もう一方のコネクタ427とコネクタ125の相対位置に若干の狂いがあっても、コネクタ基板123が遊動してその狂いを矯正すべく移動するから、コネクタ427とコネクタ125の結合も可能になる。これにより安価なDIN規格のコネクタで十分に対応できる。
なお、実施形態のように、小さいコネクタ125に対応する小さいコネクタ基板123を遊動可能とし、大きいコネクタ425,コネクタ124同士を結合の基準に定める構成は、その逆の構成に比べてコネクタ425,124,427,125の結合が楽に行える。小さいコネクタ基板123の方が軽い力で扱えるため、狂いの自動矯正が容易だからである。また、実施形態では、図9のようにコネクタ425,124の方がもう一方のコネクタ427,125より先に結合するようになっており、そうすることにより結合照準のコネクタ同士が合わせやすい。
また、図9に拡大して示したように凸形のコネクタ425,427の凸部先端の周縁角部及び/又は凹形のコネクタ124,125の差込口の周縁角部に面取り部C(直線的な面取り、曲線的な面取りのいずれも可)を形成しておけば、面取り部Cのテーパに沿った誘導作用が、コネクタ同士の結合性をより良好にする。
また、実施形態のように、配線中継部材113のコネクタ基板122,123を遊動可能にする構成の他、コネクタホルダー428側のコネクタ425,427の何れか一方を遊動可能にすることも可能であり、その場合も上記と同様の作用効果が得られる。
また、実施形態では図4,図12に示したように、ケース部材400の後面板405の裏側であって、前記図柄変動表示装置300の装置ケース302の下斜板310に向けて凹ませたケーブル溝437が形成され、該ケーブル溝437の両端近傍にケース部材400の側板404(又は後面板405)を貫く配線口438,438が開設されている。この配線口438,438とケーブル溝437は、図柄変動表示装置300とメイン基板409等とを接続するためのものであり、図11において図柄変動表示装置300の装置ケース302の向かって右側面(扉形前面部材200の非ヒンジ側の側面)に設けたリール基板312のケーブル313(図12参照)を1つの配線口438からケース部材400の外に引き出し、そのケーブル313を図12のようにケーブル溝437に納め、さらにそのケーブル313の先を他の配線口438からケース部材400の中に戻してメイン基板409等につなぐようにしてある。なお、ケーブル溝437には所定の間隔でケーブル止め439が設けられていて、ケーブル溝437からケーブル313が脱落しないようになっている。
しかしてメイン基板409等とリール基板312は、共にケース部材400の中にあるケース部材側電気部品であり、本来、ケース部材400の外にケーブル313を引き出す必要はない。それを敢えてケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにした理由は次のとおりである。
リール基板312の設置場所は、限られたスペースの中でコネクタを抜き差しする配線の作業性を考慮すると、図柄変動表示装置300(装置ケース302)の側面のうち扉形前面部材200の非ヒンジ側に相当する側が好ましい。もし逆に、扉形前面部材200のヒンジ側に相当する装置ケース302の側面にリール基板312を設けると、開ききった扉形前面部材200(図1参照。)とリール基板312が近接位置で向かい合うため、コネクタの抜き差しに必要な広い作業空間が確保できないからである。しかし一方、リール基板312の接続対象たる基板類(メイン基板409,画像表示体500等)の接続部がケース部材400の扉形前面部材200のヒンジ側に相当する側にあると、ケーブル313がケース部材400の内部を横切る格好になる。そうすると前記装置ケース302をケース部材400に装着する際にケーブル313を噛み込んだり、逆に装置ケース302を引き出す際にケーブル313を引っ掛けるおそれがある。
これに対し実施形態のように、ケース部材400に配線口438,438とケーブル溝437を設けてケーブル313を外伝いに迂回させるようにすれば、上記したようなケーブル313のトラブルは生じない。また、配線作業は、装置ケース302を所定の位置から若干引き出した状態で行う方が作業性がよく、それに伴って配線口438からリール基板312までのケーブル313の長さは、配線代とでも言うべき余裕が設けられている。従って装置ケース302を所定の位置にセットした状態でケーブル313に弛みが生じ、引き出し量によってはケーブル313の弛みが大きくなる。そのようなケーブル313の弛みが大きい場合には、配線口438と横並びの位置にある、装置ケース302の下斜板310とケース部材400の奥のコーナー部分との間に出来る三角スペースにケーブル313の弛んだ部分を逃がすことができる。
また、実施形態のようにケーブル溝437を装置ケース302の下斜板310に向かわせて膨らませるようにした場合には、ケース部材400の奥と装置ケース302の下斜板310との間にできるデッドスペースの有効活用に役立つ。
なお、配線口438,438とケーブル溝437を使った配線は、リール基板312のケーブル313に限定する必要はなく、ケース部材400の内部を横切るケーブル全てに適用できる。
その他、図11中、符号441は機能分離中継端子板である。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、図24に示すように、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から21番までで示した合計21個の図柄)が表記されたリール帯(図柄帯)が付されている。図24では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯321a,321b,321cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部401(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表示窓401として統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図25参照)。なお、上記図柄表示窓401は図柄表示部に相当する。
また、図柄の種類は、図24に示すように、「赤で塗りつぶされている「7」図柄、以下では赤7図柄という」(リール帯321a,321b,321cそれぞれの配列番号12番の3つ)、「白で塗りつぶされている「7」図柄、以下では白7図柄という」(リール帯321aの配列番号19番及びリール帯321bの配列番号5番の2つ)、「青で塗りつぶされている「7」図柄、以下では青7図柄という」(リール帯321aの配列番号2番、4番、8番の3つ)の比較的目立ちやすい図柄(他の図柄に比べて大きさが大きく視認しやすい)がある。
また、「チェリーを形どった図柄、以下ではチェリー図柄という」(例えば、リール帯321aの配列番号6番等)、「REPLAYという文字の書かれた図柄、以下ではリプレイ図柄という」(例えば、リール帯321bの配列番号4番等)、「鐘(ベル)を形どった図柄、以下ではベル図柄という」(例えば、リール帯321bの配列番号2番等)、「上記リプレイ図柄とベル図柄の2つの図柄を組み合わせて1つの図柄としているもの、以下ではリプベル図柄という」(例えば、リール帯321aの配列番号3番等)がある。
さらに、「星を形どった図柄、以下では星図柄という」(例えば、リール帯321cの配列番号4番等)、「ハートを形どった図柄、以下ではハート図柄という」(例えば、リール帯321aの配列番号11番等)、「上記のいずれにも該当しない図柄、雲を形どったような図柄、以下では雲図柄という」(例えば、リール帯321bの配列番号14番等)の図柄がある。以上のように各リール帯321a,321b,321cに表記される図柄の種類は合計9種類となっている。
[枠部材]
図25は、図柄表示窓401部分を拡大したところを示している。図柄表示窓401からは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を図25の上から「上段(または上段位置)」(例えば、リール301aの「リプベル図柄」の表示されている位置)、「中段(または中段位置)」(例えば、リール301bの「星図柄」の表示されている位置)、「下段(または下段位置)」(例えば、リール301cの「赤7図柄」の表示されている位置)という。
上記のことから、図柄表示窓401内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。従って、スロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より図柄表示窓401内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
枠部材501(表示パネルともいう、以下では表示パネル501として統一する)の左側端(図柄表示窓401から見て左側には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)602である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(掛け数のこと、掛けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、掛けたメダルの枚数は3枚)に対応しているということである。
ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様は、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓401内に個々に表示されたとしても、その図柄の組み合わせが一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。
次に、ベット数に対応する有効ラインと有効ラインの数について具体的に説明する。1ベットに対応する有効ラインは、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)のみである。これを「1BETライン」という。
2ベットに対応する有効ラインは、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)と、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン622b(下段ライン622b)である。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。さらに、2ベットの場合は前述の1BETラインも有効ラインに加えられるので、合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットに対応する有効ラインは、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623a(右下がりライン623a)と、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623b(右上がりライン623b)である。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3BETライン」という。さらに、3ベットの場合は前述の1BETライン及び2BETラインも有効ラインに加えられるので、合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的なスロットマシンに代表される回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。以下では、本実施形態のスロットマシン1の有効ラインについて引き続き図25を用いて具体的に説明する。
本実施形態のスロットマシン1では、掛け数は3ベット(MAXベット)のみとし、有効ラインを図25の図柄表示窓401内で「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が表示されているライン、すなわち下段ライン622bと、「リプベル図柄−星図柄−赤7図柄」が表示されているライン、すなわち右下がりライン623aの2つのラインのみを有効ラインとしている。
従って、スロットマシン1では、上記以外のライン(中段ライン621、上段ライン622a、右上がりライン623b)は有効ラインに含まれない。
その他、表示パネル501には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類が設けられている。これらのランプ類は図の上から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604、上記BETランプ602のすぐ下に位置する、「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作(始動操作)を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴う遊技球の払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者に払出枚数を知らせる役割を持っている。
[スロットマシンの内部構成]
図26は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1は遊技の進行を統括的に制御するためのメイン基板409を有しており、このメイン基板409にはCPU1110をはじめROM1112、RAM1114、入出力インタフェース1116等が実装されている。
前述した投入ボタン205,206や始動レバー210、リール停止ボタン211a,211b,211c、貯留解除スイッチ209等はいずれもメイン基板409に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン基板409に出力することができる。具体的には、始動レバー210は前述した図柄変動表示装置300を始動させる(リール301a,301b,301cの回転を開始させる)操作信号をメイン基板409に出力し、リール停止ボタン211a,211b,211cは、リール301a,301b,301cをそれぞれ停止させる操作信号をメイン基板409に出力する。
なお、以下では必要に応じて、リール301a,301b,301cをそれぞれ左リール301a,中リール301b,右リール301cと呼ぶ。そして、これに対応するそれぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cを左リール停止ボタン211a,中リール停止ボタン211b,右リール停止ボタン211cと呼ぶ。
またスロットマシン1にはメイン基板409とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン基板409に各種の信号が入力されている。機器類には、図柄変動表示装置300のほか、メダル放出装置110等がある。
図柄変動表示装置300はリール301a,301b,301cをそれぞれ回転させるためのリール駆動モータ341a,341b,341cを備えている(左リール駆動モータ341a、中リール駆動モータ341b、右リール駆動モータ341c)。このリール駆動モータはステッピングモータからなり、それぞれのリール301a,301b,301cは独立して回転、停止することができ、その回転時には図柄表示窓401にて複数種類の図柄が上から下へ連続的に変化しつつ表示される。
また各リール301a,301b,301cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ(図示しない)を有しており、各リール301a,301b,301cにはそれぞれ位置センサがリール内に対応して設けられている(左リール位置センサ331a、中リール位置センサ331b、右リール位置センサ331c)。これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン基板409に入力されることで、メイン基板409では各リールの停止位置情報を得ることができる。
メダルセレクタ207内には、前述したソレノイド207aや投入センサ207bが設置されている。投入センサ207bは、メダル投入口203から投入されたメダルを検出し、メダルの検出信号をメイン基板409に出力する。ソレノイド207aがOFFの状態のとき、投入されたメダルは投入センサ207bで検出される。逆にソレノイド207aがONの状態のときは、メダルセレクタ207内で投入センサ207bに到達する通路がロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、メダルセレクタ207を通って返却樋213に流れたメダルはメダル用受皿201に戻る。このとき合わせて投入センサ207aの機能が無効化されるので、メダル投入によるベットまたはメダルの貯留のいずれも行われなくなる。
メダル放出装置110は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ110e(図示しない)を放出口110c内に有しており、この払出センサ110eからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン基板409に入力されている。また、遊技メダル用補助収納箱111にはメダル満タンセンサ111aが設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが所定数量を超えた検出信号をメイン基板409に出力する。このとき画像表示体500、エラーランプ604等により遊技機の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者やホール従業員等に遊技機に異常が発生したことが報知される。
一方、メイン基板409からは、図柄変動表示装置300やメダル放出装置110に対して制御信号が出力される。すなわち、前述した各リール駆動モータ341a,341b,341cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号がメイン基板409から出力される。またメダル放出装置110には、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせの種類に応じてメイン基板409から駆動信号が入力され、これを受けてメダル放出装置110はメダルの払い出し動作を行う。このときメダル放出装置110内に払い出しに必要な枚数のメダルが不足しているか、あるいはメダルが全く無い状態であった場合、払出センサ110eによる枚数検出が滞ることとなる。そして所定時間(例えば3秒間)が経過すると、払出センサ110eより払い出しメダルの異常信号がメイン基板409へ出力され、これを受けてメイン基板409は、メダルの払い出しに異常が発生したことを知らせる内容をエラーランプ604や画像表示体500等に表示させて遊技者等に異常が発生したことを報知する。
スロットマシン1は、メイン基板409の他にサブ基板449を備えており、このサブ基板449にはCPU1118やROM1120、RAM1122、入出力インタフェース1130、VDP(Video Display Processor)1124、AMP(オーディオアンプ)1126、音源IC1128等が実装されている。サブ基板449はメイン基板409から各種の指令信号を受け、画像表示体500の表示や照明装置502等の発光(または点灯、点滅、消灯等)及びスピーカ510の作動を制御している。
さらに、メイン基板409に外部中継端子板131を設けた場合には、スロットマシン1はこの外部中継端子板131を介して遊技場のホールコンピュータ1200に接続される。外部中継端子板131はメイン基板409から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ1200に中継する役割を担っている。
その他、電源装置112には、設定キースイッチ112aやリセットスイッチ112b、電源スイッチ112c等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、扉形前面部材200を開けることではじめて操作可能となる。このうち電源スイッチ112cは、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ112aはスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ112bはスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、更には設定キースイッチ112aとともに設定を変更する際にも操作される。
以上がスロットマシン1の内部構成例である。スロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作すると各リール301a,301b,301cが回転し、この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御され、そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
[当選役と図柄の組み合わせ態様]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせ態様について、図27,図28を用いて具体的に説明をする。図27は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ態様及びその特典(遊技特典、以下では遊技特典という)を示したものである。また図28は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明、表示パネル501等に表記される)である。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯321a,321b,321cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓401内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓401内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓401内で前述の有効ライン(2BETラインのうちの下段ライン、3BETラインのうちの右下がりライン)のいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。すなわち、スロットマシン1では有効ラインは2つ(2つのライン)ということになる(これにより複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓401内に表示されないものとなる)。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様がいずれか一つの有効ライン上に表示された場合のことを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは当選役図柄が揃った、という。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」、「チェリー図柄」、「ベル図柄」、「リプレイ図柄」、「リプベル図柄」、さらには「星図柄」、「ハート図柄」、「雲図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「白7図柄」、「青7図柄」は他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各リール301a,301b,301cの1つしかなく、加えて色彩も赤と他の図柄に比べて視認しやすい。また「白7図柄」は左リール301aに1つしかなく、加えて色彩も白とこれも他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄(図柄1つだけでは当選役に対応しない)に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。具体的に図27に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス、ミドルボーナス、レギュラーボーナス]
図27で、BBと示されている当選役が、ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)である。このBBには対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が予め決められている。つまり、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせが1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったということになる。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームでは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、412枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、スロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を持っていることになる。また、BB図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図24参照)、BB図柄を図柄表示窓401内に正確に狙って停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
よって、遊技者の「目押し」の技量が高ければ(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとなる。一方、遊技者の「目押し」の技量が低ければ(主に遊技に未熟な遊技者等、遊技の熟練度が低い遊技者)、目的の図柄を狙った位置(例えば、図柄表示窓401内)に表示させる(停止させる)ことが容易なものとはならない(困難であるといえる)。
さらに、BB図柄が揃うと、BBゲーム終了後にCRTゲームという遊技特典が付与される。このCRTゲームでは、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するものである(例えば、所定の当選役に一定期間当選しやすくなるなど)。すなわち、BB図柄が揃うと、BBゲームでメダルを獲得できることに加えて、さらにメダルを多く獲得できる付加的な特典が付与されるということになる。
そして、MBと示されている当選役は、ミドルボーナス(以下ではMBと呼称する)である。MB図柄が揃うこととなる図柄の組み合わせ態様は「白7図柄−白7図柄−赤7図柄」となっている。
MB図柄が揃うと、ミドルボーナスゲーム(以下、MBゲームという)という遊技特典が付与される。このMBゲームでは、上記BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われることになる。これは、規定枚数のメダル(例えば、206枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、MBゲームは終了となる。
MB図柄が揃った際(MB図柄が揃った当該ゲーム)にも、メダルは付与されず、MB図柄が揃うことはMBゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。そして、白7図柄についても各リール301a,301bにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図24参照)、MB図柄を揃えるためにも目押しが必要ということになる。
また、RBと示されている当選役は、レギュラーボーナス(以下ではRBと呼称する)である。RB図柄が揃うこととなる図柄の組み合わせ態様は「白7図柄−赤7図柄−赤7図柄」となっている。
RB図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RBゲームという)という、BBゲーム、MBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われる遊技特典が付与される。これは、規定枚数のメダル(例えば、103枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RBゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば10回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RBゲームを終了させるものとしてもよい。
RB図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RBゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図24参照)、目押しが必要な図柄となる。
このように、スロットマシン1ではBBゲーム、MBゲーム、RBゲームという3つのボーナスゲームにより遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられている。そして、これらのボーナスゲームはそれぞれ獲得できるメダル枚数に格差が設けられているため、遊技者がより獲得枚数の多いボーナスゲームに期待を持ちやすいものとなっている。具体的には、それぞれのボーナスゲームにより獲得できるメダルの総枚数には、BB>MB>RBとなっている。特にBBについては、さらにCRTゲームも付加されるため、遊技者がRBよりもMBに当選したい、さらには、MBよりもBBに当選したいという期待感を持てるようになっている。
[リプレイ]
図27で、リプレイと示されている当選役には、対応する図柄(リプレイとなる図柄)の組み合わせ態様として「リプベル図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が予め決められている。
リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃った当該ゲームの有効ライン数と同じとなる。
また、リプレイ図柄が揃った際にもメダルは付与されず、リプレイゲームへ移行する契機としての役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(新たにメダルを掛ける)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。従って、スロットマシン1では、概ね7回に1回程度は当選する確率としている(詳細は後述)。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる(つまり、リプレイに、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができるということになる)。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[ベル]
図27で、ベルと示されている当選役には、対応する図柄(ベル図柄)の組み合わせ態様として「リプベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が予め決められている。
ベル図柄が揃うと、規定枚数(例えば、3枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、ベル図柄が揃うと3枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。従って、ベルはゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、ベルに当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくともメダルが増加してしまうこととなってしまう)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、ベルには、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、ベル図柄、リプベル図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
[チェリー]
図27で、チェリーと示されている当選役には、対応する図柄(チェリー図柄)が予め決められている。また、チェリー図柄については、「ANY−ANY−チェリー図柄」というように、チェリー図柄が1つ(この例では、右リール301cのみ)あればそれだけでチェリー図柄が揃ったとみなされる。ここでいう「ANY」とはいずれの図柄でもよいことを示す。そして、チェリー図柄が揃うと、当該ゲームにて規定枚数(例えば、2枚)のメダルの払い出しが行われる。つまり、チェリー図柄が揃うと2枚のメダルの払い出しという遊技特典が付与される。
従って、チェリー図柄は、全てのリールが停止した状態における図柄の組み合わせ態様により揃ったと判定されるのではなく、少なくとも1つのリールについてのみ、当該リールが停止した状態において有効ライン上に表示された図柄により揃ったと判定されるものであるといえる。ただし、メダルの払い出しは全てのリール停止後に行われる。なお本実施形態のスロットマシン1では上記でいう「少なくとも1つのリール」を右リール301cとしている。
また、スロットマシン1では、有効ラインが2BETラインのうちの下段ラインまたは3BETラインのうちの右下がりラインのいずれかのみとなっているため、チェリー図柄が図柄表示窓401内に表示される場合、右リール301cの下段位置のみに表示される。このとき右リール301cの下段位置に表示されたチェリー図柄は、上記の2つの有効ラインともに含まれることとなる。つまり、下段ライン及び右下がりラインに重複してチェリー図柄が揃っているということになる。従って、このときの払い出し枚数は、
〔 2枚×2=4枚 〕
となる。すなわち、チェリー図柄が揃う場合は必ず4枚のメダルが払出されることになる。
チェリーについても、前述のベルと同様に、ゲームの進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、チェリー図柄についても、前述のリプレイ図柄等と同様、各リール301a,301b,301c(特に左リール)に満遍なく配置(この場合は、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大4個までとする)ことにより、チェリー図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとしても問題ない。なお、この図柄の配置と目押しの必要性との関係等については後述のリール停止処理にて説明する。
さらに、図28の配当表では、チェリー図柄については、「チェリー−ANY−ANY」というように、チェリー図柄が左リール301aのみにあればチェリー図柄が揃ったと記している。しかし、実際チェリー図柄が表示されたか判定対象となるのは、前述のとおり右リール301cである。つまり、チェリー図柄が揃う場合には、「チェリー図柄−ANY−チェリー図柄」という図柄の組み合わせ態様が有効ライン上に表示されていることになるのである。このとき(左リール301aのチェリー図柄が図柄表示窓401内に表示される場合)、図柄表示窓401の上段位置または下段位置のいずれかに停止するものとしている。すなわち、3BETラインのうちの右下がりラインまたは2BETラインのうちの下段ライン(スロットマシン1の有効ライン)に表示され、規定枚数(図28の配当表の記載どおり4枚)のメダルが払い出される。
従って、左リール301aについてもチェリー図柄を満遍なく配置(この場合は、チェリー図柄からチェリー図柄までの間に配置する他の図柄を1個から最大6個までとする)ことにより、チェリー図柄を目押しの必要なく図柄表示窓401内の上段位置あるいは下段位置に揃えることができる。
このように、配当表上では、チェリー図柄左リール301aに表示されるだけでよいこととなり、遊技者の意識は自然と左リール301aのみに集中することになる。さらにメダルの払い出し枚数(規定枚数)についても左リール301aのチェリー図柄のみでみると、右下がりライン(左リール301aについて図柄表示窓401内の上段位置に表示された場合)もしくは下段ライン(左リール301aについて図柄表示窓401内の下段位置に表示された場合)のいずれか一方の有効ライン上に揃ったとしか遊技者には判断できない。従って、実際には右リール301cについて図柄表示窓401内にチェリー図柄が表示されていることに気づいたり、確認したりすることがない。また違和感を生じさせることもない。このようにすると、左リール301aではチェリー図柄が揃っているのにメダルの払い出しを行わない(つまり、右リール301cにはチェリー図柄が揃っていない)こととして遊技者にいつもと違うといったことに気づかせて、BBやRBに当選したことを知らせることもできる(いわゆる「リーチ目」を作り出すことができる)。
なお、チェリー図柄が有効となる(揃える対象となる)リールを必ずしも左リール301aに限定することはなく、中リール301bあるいは右リール301cとしてもよい。この場合「ANY−チェリー図柄−ANY」または「ANY−ANY−チェリー図柄」となるとチェリーの遊技特典が付与されることとなる。あるいは、左リール301a、中リール301b及び右リール301cのうちいずれか2つのリールのチェリー図柄が図柄表示窓401内で、いずれか一つの有効ライン上に停止したときにチェリーの遊技特典を付与することとしてもよい。つまり「チェリー図柄−チェリー図柄−ANY」、「チェリー図柄−ANY−チェリー図柄」、「ANY−チェリー図柄−チェリー図柄」となる図柄の組み合わせ態様となった場合である。
上記のいずれの場合であっても、左リール301a、中リール301b及び右リール301cのうち、少なくとも1つ(多くとも2つ)のリールについてのチェリー図柄を揃えるだけで遊技特典が得られることが望ましい。これは遊技者に全てのリールについて目押しを毎回強いるといった負荷を軽減させることにもなるからである。
また、前述したベルとチェリーはともにメダルの払い出しという遊技特典に対応した当選役であることから、以下では、必要に応じてこれらをまとめて「小役」と呼ぶ。
なお、スロットマシン1では、ベルとチェリーの2つを小役として説明したが、これらの他にさらに小役を設けることもできる。例えば、ベル図柄、チェリー図柄とは異なる種類の図柄を設けて、これに対応するメダルの払い出し枚数(規定枚数)を異ならせて上記の小役と区別したり、あるいは各リール301a,301b,301cの図柄の配置数を少なくして、目押しの必要な当選役図柄として難易度をつけたりすることも可能である。
[BBゲーム専用役]
さらに、BBゲーム(及びMBゲーム、RBゲームを含めてもよい)中のみ有効となる当選役としてBBゲーム専用役がある。このBBゲーム専用役に対応する図柄(BBゲーム専用役図柄)の組み合わせ態様は「リプベル図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」が予め決められている。
BBゲーム(以下ではMBゲーム、RBゲームも含める)中にBBゲーム専用役図柄が揃うと、規定枚数(例えば、15枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームにて行われる。つまり、BBゲーム専用役図柄が揃うと15枚のメダルの払出しという遊技特典が付与されるので、BBゲーム中限定の小役ともいえる。そして、BBゲーム中はこのBBゲーム専用役を揃いやすくすることにより、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームを集中して実行することができる。従って、BBゲーム専用役図柄の組み合わせを構成する各図柄(リプベル図柄、リプレイ図柄、ベル図柄)も前述のとおり各リール301a,301b,301cに満遍なく配置されているため、BBゲーム専用役図柄についても目押しの必要なく揃えることができるものとなっている。
なお、MBゲーム、RBゲームそれぞれに上記BBゲーム専用役とは異なる当選役を設けてもよい。さらには、BBゲーム専用役のようなボーナスゲーム中限定の小役を設けずに、上記ベルやチェリーを代わりに用いるものとしてもよい(その場合、ボーナスゲーム中ではそれぞれのメダルの払い出し枚数を変えるなどしてもよい)。
[ハズレ]
図27に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
スロットマシン1の図柄のうち、「ハート図柄」及び「雲図柄」、「星図柄」については、上記のいずれの当選役図柄の組み合わせ態様にも含まれない図柄である。従って、これらの図柄はハズレ図柄でということになる。また上記にいずれかの当選役図柄であっても、図柄の組み合わせ態様としてみた場合に当選役図柄が揃ったとみなされない場合には、ハズレ(ハズレとなる図柄の組み合わせ態様)ということになる。
以上がスロットマシン1におけるそれぞれの当選役と、それぞれの当選役に対応する図柄の組み合わせ態様である。これらからいえることは、スロットマシン1では、BB図柄及びMB図柄、RB図柄を除く全ての当選役図柄が目押しの必要なく揃えることができるということである。つまり、遊技者は毎回のゲームに特に目押しを行うことにより絶えず緊張(集中するため)を強いられて疲労してしまうといったことが極力軽減され、スムーズなゲームの進行が可能となる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン基板409(主にCPU1110等)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図29は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、メダル投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAX投入ボタン206(あるいは1枚投入ボタン205)の押下操作により掛け数が決定され、始動レバー210の操作待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。なお、スロットマシン1では掛け数はMAXベット(3枚掛け)のみとしているが、1ベット(1枚掛け)あるいは2ベット(2枚掛け)でもゲームを行えるものとしてもよい。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点でリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とし、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられて、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやMB、RB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図30は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または1枚投入ボタン205、MAX投入ボタン206の操作が待ち受けられる。MAXベット操作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)やMAXベットとなる各投入ボタン205,206の操作が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、始動レバー210の操作を有効化する。始動レバー210の操作が有効化されると、この始動レバー210の操作が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作が有効化されている場合、遊技者による始動レバー210の操作が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としないが、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドがRAM1114に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作を受けて、始動レバー210の操作を無効化する。
次にステップS106では、始動レバー210の操作があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、MBゲーム中フラグ、RBゲーム中フラグ、CRTゲーム中フラグ、補助RTゲーム中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図29のステップS3)に相当する(内部抽選手段)。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、それぞれのリール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
図31(図31(a)、図31(b)、図31(b))は、スロットマシン1の全ての当選役についての当たり値と内部抽選確率を具体的に示している。なお、これらはそれぞれ、当たり値判定テーブルとして予めROM1112等に格納されているものである。
図31(a)は、通常状態のゲーム(通常ゲームという)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(通常判定テーブルという)。ここで、BB及びRBについては、それぞれBBのみ、あるいはRBのみとなる当たり値の範囲(単独当選当たり値という)と、BB+その他の当選役(リプレイ、ベル、チェリー)、RB+小役(ベル)となる当たり値の範囲(共有当選当たり値)に分けられている。
上記のBB及びRBの単独当選当たり値は、ベルやリプレイ、チェリー等の当たり値と同様に、その該当する当選役1つのみに対応している。すなわち、この図31(a)の例では、
抽出乱数値が「1」の場合は、ベルの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「7000」の場合は、リプレイの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「9150」の場合は、RBの当たり値に該当する。
といったことになり、同様に、
抽出乱数値が「9040」の場合は、BBの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「9100」の場合は、MBの当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、1つの当選役のみが対応するものである。
一方、BB及びRBの共有当選当たり値は、図31(a)の例では、
抽出乱数値が「9050」の場合は、BB、リプレイの当たり値に該当する。
抽出乱数値が「9130」の場合は、RB、ベルの当たり値に該当する。
というように、1つの抽出乱数値に対して、複数(この場合2つ)の当選役が対応するものである。つまり、抽出乱数値が共有当選当たり値に該当する場合、複数の当選役のいずれにも当選したということになる。これは、前述したフラグ処理(図30のステップS107参照)にて、BB及びその他の当選役(リプレイ、ベルまたはチェリー)の2つの当選フラグを、あるいはRB及び小役(ベル)の2つの当選フラグ(内部抽選フラグ)を同時にONにするということである。
そして、BB及びRBについては、単独当選当たり値及び共有当選当たり値を合計(合算)した当たり値の範囲がBB全体及びRB全体の当たり値ということになり、このことからBB全体及びRB全体の当選確率を算出することができる。
すなわち、
BB(全体) 40/16384(1/409.60)
RB(全体) 40/16384(1/409.60)
というように、BB全体の当選確率、RB全体の当選確率が算出される。
また、図31(a)では、MBについては、共有当選当たり値は設けていない。さらに、BB(BB全体)、MB、RB(RB全体)の当選確率を比べてみると、MBはBB、RBに比べて若干当選しにくいといえる。そして、BBとRBは同程度に当選する可能性があるといえる。
図31(b)は、BBゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(BBゲーム判定テーブルという)。
これによれば、BBゲーム中は、BB及びMB、さらにRBの抽選も行われないことになる。また共有当選当たり値に該当する場合には、それぞれ小役のみに該当(小役のみに当選)したものとして、小役の内部抽選フラグのみONとする。そのことを示すために、図31(b)では便宜的に共有当選当たり値の一方であるBB及びRBに取り消し線を付している。なお、MBゲーム及びRBゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)についても、これと同じものとしているが、これに限定されることはない。すなわち、MBゲーム、RBゲーム専用の当たり値判定テーブルを用いてもよい。
また、BBゲーム中は、このときのみ有効となる(当たり値が存在することになる)BBゲーム専用役の当たり値が抽出範囲の大半以上を占めている(当たり値の総数9524個)。従って、BBゲーム中は、約2回に1回以上はBBゲーム専用役に当選することが多くなるといえる。また、BBゲーム専用役の当たり値が増加した代わりに、ハズレに該当する当たり値は大幅に減少(当たり値の総数18個)している。このため、BBゲーム中は、極めてハズレとなる可能性が低くなるということもいえる。
[RTゲーム]
スロットマシン1ではBBゲームの終了後からCRTゲーム(チャンスリプレイタイムゲーム)が開始される。
また、当該ゲームにてBBの内部抽選フラグがONとなり、なおかつ、当該ゲームではBB図柄を揃えることができなかった場合、補助RTゲームが開始される。例えば、抽出乱数値が、共有当たり値の「BB+ベル」に該当し、当該ゲームではベル図柄が揃った場合、補助RTゲームが開始されることになる。
ここで、RTゲームとは、所定のゲーム回数(ゲーム期間)リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選しやすくした状態を継続させるものである。このRTゲームを、開始するための条件によってさらに分けたものが、CRTゲーム、補助RTゲームである。そして、CRTゲームでは所定のゲーム回数を100回、補助RTゲームでは所定のゲーム回数は100回としている。なお、以下では特に説明のないかぎり、RTゲームと呼ぶ場合はCRTゲーム、補助RTゲームの双方を含むものとする。
そして、RTゲーム中にBBに当選すると、上記所定のゲーム回数にまだ到達していない場合であってもRTゲームは終了となる。なお、ここでいうBBとは、補助RTゲーム中にあっては新たに当選したBB(次回BBという)のことをいう。これに対して、補助RTゲームを開始させる契機となったBBのことを当回BBという。
また、CRTゲーム中は、遊技者に向けてその遊技状態がRTゲーム中であることを認識(識別)できる態様にて実行させる。具体的には、CRTゲーム中であることの表示(画像表示体500等による)や、効果音(スピーカ510等による)により識別可能なものとする。
一方、補助RTゲーム中は、これらの識別可能な態様とはしない。すなわち補助RTゲーム中であることの表示(画像表示体500等による)や、効果音(スピーカ510等による)は一切行わず、通常ゲームと同様の態様とする。これにより、通常ゲームにてBBに当選となった場合、遊技者には補助RTゲームが開始されたことは知らされず、遊技者には通常ゲームが続いているという認識しか持たせずにゲームを進めさせることができる。
図32は、RTゲームにおける各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(RTゲーム判定テーブルという)。リプレイ以外の当選役の当たり値については前述した通り(図31(a)と同じ)であるため説明は省略する。すなわち、RTゲーム中は通常ゲームでリプレイとなっていた当たり値に加えて、さらにハズレとなっていた当たり値の多くがリプレイの当たり値に変更されるため(図中の(※)部分)、リプレイの当選確率がトータルで約1/1.90にまで高く変更されている。このRTゲームは100回継続するか、あるいはBBに当選すると終了するものである。
そして、RTゲーム中は、BB、RBを含めた全ての当選役の抽選が行われる(全ての当選役が抽選対象となる)。
図32(b)は、RTゲームにてRBに当選した場合の以降のゲーム(RB当選後RTゲームという)における各当選役及びハズレの当たり値の範囲(乱数値の範囲)を示したものである(RB当選後RTゲーム判定テーブルという)。リプレイ以外の当選役の当たり値については前述した通り(図31(a)と同じ)であるため説明は省略する。また、このRB当選後RTゲーム中も通常ゲームでリプレイとなっていた当たり値に加えて、さらにハズレとなっていた当たり値の多くがリプレイの当たり値に変更されるため(図中の(※)部分)、リプレイの当選確率がトータルで約1/1.90にまで高く変更されている。このRB当選後RTゲームとは、RTゲームがそのまま引き続いていく態様であるため、新たなRTゲームとして所定の回数がリセットされるものではない。従って、RTゲームの残り回数を終えるか、あるいはBB(次回BB)に当選すると終了するものである。
また、RB当選後RTゲーム中は、RBの抽選は行われない(RBは抽選対象から外されている)。すなわち、図中で「ハズレ←RB」と示されている当たり値については、「RB+ベル」は「ベル(のみ)」に、「RB」は「ハズレ」にそれぞれ変更される。従って、RB当選後RTゲーム中は、前述のCRTゲームと比べてハズレとなる割合が若干高くなっている。
このように、RTゲームでは、リプレイに当選する可能性が高くなるため、ハズレとなる可能性が低くなる。つまり、再遊技となることが増えるため、遊技者が新たにメダルを掛ける(次々にメダルを消費する)度合い(割合)が通常ゲームに比べて減少することになる。従って、RTゲームは、遊技者にとって有利な条件でゲームを行うことのできるものであるといえる。
なお、この例ではRTゲームにて、リプレイを通常ゲームに比べて当選しやすい当選役としたがこれに限定されない。すなわち、小役(ベルやチェリー)としてもよい。このようにすると、RTゲーム中は、小役となる可能性が高くなり、通常ゲームに比べてメダルが払い出される機会が増えることとなる。つまり、遊技者が消費するメダルの量と、払い出されるメダルの量とにあまり差が生じなくなる(メダルを増やせる可能性もあることとなる)。または、リプレイ及び小役ともども当選しやすい当選役としてもよい。この場合は、RTゲーム中にメダルを増やしていくことも可能となる。
なお、スロットマシン1には複数の設定値(設定値1から4までの4段階)を設けている(それぞれ図示はしない)。そして、それぞれの設定値では内部抽選確率に格差(段階的な差、極端な差など)がつけられている。この設定値は、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4、というように設定値が高くなるほど当選役(特にBB、MB、RB等)の内部抽選確率が優遇されるようになっている。例えば、設定値1に比べると設定値4ではBBの当選確率が高く決められているのでBBに当選する可能性が高いといったようなことである。このように段階的な設定値を設けることにより、設定値ごとに特徴を持たせて遊技者が設定値の推測する際の手掛かりとしたり、ホール等の経営に合わせた設定値にてスロットマシン1の運用をしたり、といったことが可能となる。なお、上記のような設定値に限られることはない。また、上記の図31及び図32は設定値4に相当する内部抽選確率を示したものである。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作)待ちの状態となる。図33では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン基板409のROM1112に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定するとともに、合わせてリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかについても判定する。全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下されたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS206では、残りの中リール301b、右リール301cのリール停止制御テーブルを決定する。前述のとおり、スロットマシン1の有効ラインは右下がりラインと下段ラインの2ラインのみであるため、この時点で残りのリール(中リール301b、右リール301c)の停止制御テーブルは1つに決定することができる。つまり、第1停止リール(この場合は左リール301a)の図柄表示窓401内の図柄(これを停止目と呼ぶ、以下同様)のうち特に上段位置または下段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(中リール301b、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。これにより、BB図柄、MB図柄、RB図柄以外の当選役図柄については目押しの必要なく揃えることができることになる(詳細はリール停止制御にて説明する)。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「中押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができるため詳細は省略する。ただし、「逆押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。
「逆押し」の停止操作手順で、上記の「順押し」あるいは「中押し」の停止操作手順と異なる点は、ステップS221(第1リール停止処理の後に残りのリール停止制御テーブルの決定)についてである。すなわち、「逆押し」の停止操作手順では、右リール301cのみが停止状態となり、なおかつ、右リール301cの停止目のうち、下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
[リール停止制御]
さらに、上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓401内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれる)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に停止させることが可能な範囲(該当当選役図柄を引き込むことが可能な範囲、例えば、図柄4個分)を予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓401内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込むことが可能な範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向にみて移動が可能な図柄の最大数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で図柄4個分とすれば、当該リールの停止操作が受け付けられた場合、その位置を基点にしてさらに図柄4個分までリールの回転移動が可能となる。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓401内に該当当選役図柄がなかったとしても、引き込み制御を行うことによって、リールが完全に停止状態となるまでに該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓401内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓401内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
スロットマシン1では、BB、MB及びRB以外の当選役が成立フラグとなる場合には、遊技者の目押しを必要とせずに必ず該当当選役図柄を揃えることができる(前述の図24参照)。これは、ベル、リプレイについては、対応するそれぞれの当選役図柄が最大で4個分の図柄おきに配置されているからである。
また、チェリーについては、判定の対象となるのは、右リール301cのチェリー図柄であり、これも最大で4個分の図柄おきに配置されているため、目押しを必要とせずにチェリー図柄を揃えることができる。
さらに、チェリーの場合、前述したとおり、左リール301aにもチェリー図柄が表示されている必要がある。これは遊技者向けの配当表では「チェリー図柄−ANY-ANY」としているため、左リール301aの図柄表示窓401内の上段位置あるいは下段位置のいずれかに表示(停止)させる必要があるためである。ここで、前述の図24の図柄配列を見ると、左リール301a上では、チェリー図柄からチェリー図柄までのあいだに他の図柄が6個分配置されている。
例えば、配列番号12番(以下では、単に○○番という)の赤7図柄あるいは11番のハート図柄を図柄表示窓401内の下段位置付近に目押しした場合、そのまま停止すると「リプベル図柄(10番)→ハート図柄(11番)→赤7図柄(12番)」と図柄表示窓401内の上段位置から下段位置に停止することになる。しかし、上記引き込み制御により最大4個の図柄分だけ移動可能とすると、11番のハート図柄から8番の青7図柄までリール回転方向に移動して停止させることができる。この結果、図柄表示窓401内には「チェリー図柄(6番)→リプベル図柄(7番)→青7図柄(8番)」となり、チェリー図柄を上段位置に停止させることができる。
このように、左リール301aでは、リールのどの位置で停止操作が受け付けられても、必ずチェリー図柄を上段位置あるいは下段位置のいずれかに引き込んで停止させることができる。従って、右リール301cの下段位置にチェリー図柄が停止する場合には、左リール301aにもチェリー図柄が上段位置あるいは下段位置に必ず停止することになり、遊技者の意識を左リール301aのチェリー図柄にむけることができる。つまり、右リール301cのチェリー図柄についてはほとんど意識させることがない。
また、共有当選当たり値の当選役の場合は、BB図柄(MB図柄、RB図柄)を優先的に引き込むものとしている。ただし、BB図柄(MB図柄、RB図柄)は目押しが必要な図柄であるため、BB図柄(MB図柄、RB図柄)が引き込み不可能なとき(引き込み可能範囲にない)には他方の当選役図柄を引き込むものとする。そして、既に説明したとおり、このとき他方の当選役図柄は取りこぼすことなく揃えることが可能となる。従って、共有当選当たり値の当選役に該当する場合には、BB図柄または他方の当選役(小役)図柄のいずれかを必ず揃えることができる。
以上のことから、スロットマシン1では、BB図柄、MB図柄及びRB図柄以外の当選役図柄については、目押しを必要とせずに揃えることができる。つまり、BB及びMB、RB以外の当選役については「取りこぼし」を生じることがないということになる。従って、目押しの技量の差により、遊技者ごとに利益の差が大きくなる(メダルの獲得枚数に大幅な差が生じることなど)ことを極力解消することができる。
また、右リール301cの停止図柄のみで判定を行う当選役(チェリー)があっても、配当表等の記載により、「順押し」でゲームを進めていっても遊技者に違和感を持たせることがない。従って、遊技者は一般的な停止操作手順(「順押し」)でスムーズにゲームを進めていくことができる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓401内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図34では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓401内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S302、S303では、それぞれ、MBゲーム中であるか、RBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するMBゲーム中フラグ、RBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
MBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS390に移る。同様にして、RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS302の判定が満たされ、ステップS380に移る。またBBゲーム中フラグがON(=1)となっているとステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
MBゲーム中フラグ、RBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S302、S303の判定がいずれも満たされず、ステップS304に移る。
ステップS304で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、いずれかの有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS310,S320,S330,S340,S350のいずれかに移る。
ステップS310では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS312に移る。
次のステップS312では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS320では、RB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にRB図柄が揃っている場合(「白7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、MB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にMB図柄が揃っている場合(「白7図柄−白7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、MBゲーム開始処理を実行する。ここでは、MBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS340では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合(「リプベル図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドをRAM1114に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合(「リプベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」または「ANY−ANY−チェリー図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
そして、ステップS354では、該当する小役当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。
有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS310,S320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB、MB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。また、図示はしないが、当該当選フラグがBBに該当する場合、補助RTゲーム開始フラグをON(=1)にする。
従って、当該当選フラグが、BB当選フラグ、MB当選フラグ、RB当選フラグ、のいずれにも該当しない場合、この時点で「取りこぼし」が確定することになる。なお、スロットマシン1では、この「取りこぼし」が生じる当選役は無いものであるが、小役等には「取りこぼし」が生じる可能性を持たせた当選役を含めてもよい。
一方、当該当選フラグがBB当選フラグ、MB当選フラグ及びRB当選フラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB、MB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、MB及びRBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、MB及びRBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(MB図柄、RB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
ハズレ処理を実行した後、ステップS362に移り、RTゲーム開始処理(詳細は後述する)を実行する。
上記のステップS304からステップS362までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。なお、ステップS362のRTゲーム開始処理は以下で説明するBBゲームの場合も実行されるものである。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム、MBゲーム及びRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、ベル、チェリーに加えてBBゲーム専用役を含めたBBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合(「リプベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、または「ANY−ANY−チェリー図柄」、または「リプベル図柄−リプレイ図柄−ベル図柄」)、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、前述したステップS362に移り、RTゲーム開始処理を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ376に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。特にこの例では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS376では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様である(ベル、チェリーに加えてBBゲーム専用役を含めたRBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称)。そして、いずれかの有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、ステップ396に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したステップS376と同じ内容であるため、説明は省略する。
次にステップS390以降の説明をする。ステップS390では、MBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「MBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と全く同じであるため、説明は省略する。いずれかの有効ライン上にMBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS392に移る。
次のステップS392では、揃っているMBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該MBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS392に次いで、ステップS394では、MBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。
また、上記のステップS390の判定が満たされない場合、ステップ396に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したステップS376と同じ内容であるため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図34のステップS310の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図35を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図34のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図36を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図34のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が412枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にてCRTゲーム開始フラグをON(=)1にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図34のステップS320の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図37を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図34のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図38を用いて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図34のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が103枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する
[MBゲーム開始処理]
前述の図34のステップS330の判定が満たされた場合、MBゲーム開始処理を実行する。このMBゲーム開始処理について図39を用いて説明する。
まず、ステップS601では、MBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS601の判定が満たされると、ステップS604に移る。ステップS604では、MBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときMBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS606にて、MBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてMRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS601の判定が満たされない場合、ステップS602に移り、エラー処理を実行する。このエラー処理は前述したものと同じであるため説明は省略する。
[MBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図34のステップS394のMBゲーム終了判定処理について図40を用いて説明する。
まず、ステップS651では、前述の図34のステップS392にてメダルの払い出しがあったことを受けて、MBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS652では、累計払出枚数が206枚を超えたかを判定する。このステップS652の判定が満たされない場合、ステップS654に移り、RBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS652の判定が満たされると、ステップS660に移る。
ステップS660では、MBゲーム中フラグをOFF(=0)にして処理を終了する
なお、この例では、BBゲーム、MBゲーム及びRBゲームそれぞれ規定枚数を超えるメダルの払い出しがあった場合に終了するものとしたが、これに限定されない。すなわち、ゲーム回数が規定回数を超えた場合に終了するものとしてもよいし、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。また、通常ゲームと異なる掛け数にて上記BBゲーム、MBゲーム及びRBゲームを行うものとしてもよい。このようにすると、遊技者は、通常ゲームとは明らかに異なるゲームであることを明確に認識することができる。
[RTゲーム開始処理]
RTゲーム開始処理について、図41を用いて詳細に説明する。前述の図34の判定処理において、ステップS360,S374を経由する場合、RTゲーム開始処理を実行する。
まず、ステップS801では、CRTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS802では、CRTゲーム回数を「100回」にセットする。
そして、次のステップS804では、CRTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このときCRTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームからCRTゲームが開始される。
一方、ステップS801の判定が満たされない場合、ステップS810に移り、補助RTゲーム開始フラグがON(=1)であるかを判定する。この判定が満たされた場合、ステップS812では、補助RTゲーム回数を「100回」にセットする。
そして、次のステップS814では、補助RTゲーム中フラグをON(=1)にする。また、図示はしないが、このとき補助RTゲーム開始フラグをOFF(=0)にする。これにより、次ゲームから補助RTゲームが開始される。
また、上記のステップS801、S810の判定がいずれも満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。
[RTゲーム終了判定処理]
次にRTゲーム終了判定処理について、図42を用いて詳細に説明する。前述の図34の判定処理において、ステップS301、S302、S303のいずれの判定も満たされない場合、このRTゲーム終了判定処理が実行される。
まず、ステップS901では、RTゲーム中フラグ(CRTゲーム中フラグ、または補助RTゲーム中フラグのいずれか)がON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされない場合、いずれの処理も行われず終了となる。
そして、ステップS901の判定が満たされると、次のステップS902では、RTゲーム回数を「1」だけ減算して、ステップS904に移る。
ステップS904では、残りのRTゲーム回数が「0」であるかを判定する。RTゲーム回数が「0」であれば、この判定が満たされ、次のステップS906に移り、RTゲーム中フラグ(CRTゲーム中フラグまたは補助RTゲーム中フラグ)をOFF(=0)にする。
一方、ステップS904の判定が満たされない場合、ステップS910に移り、CRTゲーム中フラグがON(=1)であり、なおかつ、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該CRTゲームにて、BBに当選した場合が該当する。
そして、ステップS910の判定が満たされると、次にステップS906に移り、RTゲーム中フラグ(この場合は、CRTゲーム中フラグ)をOFF(=0)にして処理を終了する。ここでの処理は、すなわち、CRTゲームがBBの当選によって終了となることを示している。
ステップS910の判定が満たされない場合、ステップS920に移り、補助RTゲーム中フラグがON(=1)であり、なおかつ、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。この判定が満たされる場合とは、当該補助RTゲームにて、BBに当選した場合が該当する。
そして、ステップS920の判定が満たされると、次にステップS906に移り、RTゲーム中フラグ(この場合は、補助RTゲーム中フラグ)をOFF(=0)にして処理を終了する。ここでの処理は、すなわち、補助RTゲームがBBの当選によって終了となることを示している。
そして、ステップS910、S920のいずれも満たされない場合、処理は終了となる。このような場合となるのは、当該CRTゲームにてRB(あるいはMB)に当選となった場合が該当する。すなわち、RTゲームはRB(あるいはMB)の当選によっては終了しないことを示している(特にRBに当選となった場合にはRB当選後RTゲームとなり、そのまま引き継がれていくことになる)。
これらのことから、スロットマシン1では、RTゲーム中にBBに当選した場合、その時点でRTゲームが終了することになるが、さらに新たなBBにも当選している可能性があることとなる。従って、当回BB、次回BBと連続してBBに当選したものと同様の状態を作り出すことができる。すなわち、RTゲームが特に途中で終了してしまうような場合に、
[BBゲーム⇒BBゲーム]
と連続して行われるといった状況を作り出せる。
[RTゲーム中における各当選役の優先順位]
RTゲームにおける各当選役及びハズレの内部抽選確率等については前述の図32等で説明した通りである。すなわち、RTゲーム中は、リプレイの当選確率が約1/1.90まで高く変更されているため、約2回の1回のゲームでリプレイに当選となることが可能性として非常に高くなる。そして、その他の各当選役については、通常ゲームと同じ当選確率で毎ゲームの内部抽選が行われる(CRTゲームの場合)。また補助RTゲームの場合には、その他の当選役からRBを除いただけで、リプレイ以外は通常ゲームと同じ当選確率で毎ゲームの内部抽選が行われる。
RTゲーム中においては、リプレイが最優先される当選役となっている。具体的には、
[ リプレイ>BB(MB、RB)>ベル(チェリー) ]
という優先順位が付けられている。そして、RTゲーム中には特にこの優先順位によって、当該ゲームで揃えることが可能な当選役図柄が異なってくる。これは、BB(またはMB、RB)の当選フラグが持ち越し可能となっていることに起因している。
例えば、既にBB(もしくはRB)の内部フラグが持ち越されている状態が数ゲーム続いている場合、当該ゲームにてリプレイに当選となると、この当該ゲームではリプレイ図柄を揃えさせるリール停止制御が最優先される。ここで前述のとおり、リプレイについては取りこぼしすることが無く、必ず当該ゲームにてリプレイ図柄を揃えることができる。つまり、この当該ゲームではBB図柄(もしくはRB図柄)を揃えることが不可能となる。
同様に当該ゲームにてベルに当選となると、この当該ゲームではBB図柄(もしくはRB図柄)を揃えることの可能なリール停止制御が最優先される。ただし、BB図柄(もしくはRB図柄)は目押しが必要な当選役図柄であるため、当該ゲームで必ず揃うものであるとはいえない。あくまでも揃えることが可能ということである。つまり、BB図柄(もしくはRB図柄)を揃えることができなかった場合には、ハズレ図柄の組み合わせとなるか、ベル図柄が揃うかのどちらかとなる。そして、スロットマシン1では、既に説明したとおり、ベル図柄についても取りこぼしが生じることが無いため、BB図柄(もしくはRB図柄)を揃えることができなかった場合、ベル図柄が揃うこととなる。
これらのことから、RTゲーム中にBB図柄(あるいはRB図柄)を揃えることができる場合とは、成立フラグがリプレイ以外のときに限り可能となる。従って、リプレイの当選確率が約1/1.90となっているRTゲーム中に、BB図柄(もしくはRB図柄)を揃えるためには、BB(もしくはRB)に当選した当該ゲーム、もしくは約1/1.90の抽選に漏れてリプレイ以外の当選役に当選した当該ゲームのいずれかしかないこととなる。
言い換えれば、RTゲーム中は、リプレイが高確率で当選することによって、BB(もしくはRB)に当選となっていてもBB図柄(もしくはRB図柄)を揃えることが妨げられることが非常に多いということになる。このような特性(優先順位)を用いると、RTゲーム中のリプレイの当選確率を高くすればその分だけ、リプレイ以外の当選役に当選する可能性が低くなるため、BB(もしくはRB)の当選フラグを持ち越したままRTゲームを進めていくことができる。
また、遊技者側から見れば、CRTゲーム中にRBに当選となっても(あるいは補助RTゲーム中に)、すぐに(当該ゲームにて)RB図柄を揃えてしまうと、RTゲームが終了となってしまうし、さらにRBゲームでは獲得できるメダル総数の少ないため、すぐに揃える利点があまり無いといえる。従って、遊技者はRTゲーム中には極力RB図柄等の目押しなどはせずに(あるいは、RB図柄等をあえて目押しではずして)進めていくようになる。
なお、このような当選役の優先順位は、通常ゲームにまで適用するものであってもよい。また、この例ではRTゲームとしてリプレイを通常ゲームに比べて当選しやすい当選役としたがこれに限定されない。例えば、小役(ベル、チェリー)としてもよい(いわゆる、AT)。このようにすると、ATゲーム(上記RTゲームに相当するゲーム期間)では、小役となる可能性が高くなり、通常ゲームに比べてメダルが払い出される遊技が多くなる。つまり、遊技者が消費するメダルの量と、払い出されるメダルの量とにあまり差がつかないものとしたり、あるいはメダルを増やすことも可能なものとしたり、することができる。さらには、RTゲームとATゲームを組み合わせたものであってもよい。このようにリプレイ及び小役ともども当選しやすい当選役とすれば、「RT+ATゲーム」にて確実にメダルを増やすことも可能となる。
[RB当選後RTゲーム中にBBに当選した場合の処理]
補助RTゲーム中、あるいはCRTゲーム中にRBに当選となった場合、RB当選後RTゲームに移行することは前述の通りである。そして、このRB当選後RTゲームにてBB(補助RTゲームの場合は次回BB)に当選した場合、当該RTゲームは終了する。このとき、スロットマシン1では、RB当選フラグ(補助RTゲームの場合は当回BB当選フラグ)が持ち越された状態となっている。すなわち、RBフラグ(または当回BBフラグ)はON(=1)となっている。そして、この状態にてBB(または次回BB)に当選した場合、当該ゲームにおいてはBB当選フラグ(または次回BB当選フラグ)をON(=1)とはせず、OFF(=0)の状態のまま持ち越すものである。具体的には、BB当選フラグ(または次回BB当選フラグ)のON(=1)をRBゲーム(または当回BBゲーム)の終了まで持ち越すということである。
そして、RBゲーム(または当回BBゲーム)の終了後にBB当選フラグ(または次回BB当選フラグ)をON(=1)にする。これにより、RBゲーム(または当回BBゲーム)の終了後に直ぐにBBゲーム(または次回BBゲーム)を開始させることが可能となる。また、各種の表示手段(例えば、ボーナス告知ランプを設けるなど)を利用すると速やかにBBゲームを開始させやすくすることができる。すなわち、RBゲーム(または当回BBゲーム)の終了後に遊技者にBB(または次回BB)の当選を知らせる(教える、告知する)ことにより、遊技者が速やかにBB図柄(または次回BB図柄)を揃えるよう促すことができるからである。
また、補助RTゲームからRB当選後RTゲームに移行した場合、RB当選フラグを当回BB当選フラグに優先するものとする。具体的には、当該RB当選フラグを契機としたRBゲームの終了後まで、当回BB当選フラグを一旦OFF(=0)状態のまま持ち越すものとする。これは、成立フラグを当該ゲーム以外のゲームにてON状態とするよう成立フラグのON状態予約をするといもいえる。
以上の処理をRB優先処理という。すなわち、RB優先処理では、RB図柄を揃えることが許容されている限り、BB図柄を揃えることが許容されない状態が継続することとなる。
従って、RB優先処理により、
[ RTゲーム→RBゲーム→BBゲーム→RTゲーム ]
というようにRTゲームがループする可能性が高くなる。つまり、RB、BBに連続して当選した場合と同様の状態が作り出されることとなる。従って、遊技者は連続して大量のメダルを獲得することが容易になる。
さらに、補助RTゲームからRB当選後RTゲームに移行した場合、
[ RTゲーム→RBゲーム→当回BBゲーム→次回BBゲーム→RTゲーム ]
というようにより大量のメダルを獲得することも容易となる。
なお、この例では、特にRBゲーム(または当回BBゲーム)の終了後にBBゲーム(または次回BBゲーム)を開始可能なものとしたが、さらにMBを加えた態様であってもよい。すなわち、当回当選役優先処理にて、
[ RBゲーム→MBゲーム→BBゲーム ]
となるように当該当選フラグをOFF(=0)状態のまま持ち越すものであってもよい。このようにすると、遊技者は1度のBB当選にて大量のメダルを獲得できるという期待を持つことができる。
[演出動作の制御]
以上は、メイン基板409による制御の例であるが、スロットマシン1では、ゲームの進行にあわせてサブ基板449により各種演出動作の制御を実行する。これはメイン基板409から出力される各種コマンド(情報コマンド、出力信号)に基づいて、サブ基板449(主にCPU1118等)にて実行するものである。前述の通りメイン基板449から出力された各種コマンドは、一旦、RAM1122に記憶される。そして、当該コマンドに基づき、予め用意された演出態様を選択し、実行するものである。このような演出態様は、演出態様データテーブル(図示しない)としてROM1120内に格納されており、当該コマンドに対応する演出態様が複数用意されている。
例えば、演出態様としては、当該ゲームのみで完結するもの(以下、単発演出態様という)や、複数のゲームにわたって行われるもの(以下、連続演出態様という)などが含まれる。このうち、単発演出態様には、当該当選フラグを示唆する演出(示唆演出、告知演出、詳細は後述)、メダルの払い出しを知らせる演出(払出演出、なお、払い出し枚数までを知らせる態様でもよい)などがある。
示唆演出は、遊技者に当該当選フラグを直接的に知らせる演出(告知演出)とは異なり、当該当選フラグを間接的に知らせる演出のことをいう、例えば、当該当選フラグに該当する当選役の形、色などを表現した表示等を行うといったことである。また、示唆演出は、当該当選フラグがない場合(つまり、ハズレの場合)にも行われる。この場合には、ハズレであることを気付きにくい内容の演出とする(例えば、いずれの当選役とも取れるような曖昧な内容)。これにより、当該ゲームがハズレであることを遊技者に気付きにくくすることができる。
告知演出は、例えば、当該当選フラグがBBであった場合、「ボーナス確定!」等、遊技者が当該ゲームでいずれの当選役となったかを明確に知ることのできるものである。この演出は、特にBBやMB、RBなど遊技者にとって喜ばしい当選役(メダルを大量に獲得できるため)について実行させるとより効果的である。すなわち、遊技者がBB等に当選した際に、そのことを祝福する意味合いを持たせることができるからである。
また、連続演出態様としては、通常ゲーム中、BBゲーム(MBゲーム、RBゲームを含む)、RTゲーム等の遊技状態に対応したものがある。これらは、遊技状態がどのようになっているかを明確にするものであり、遊技者はこれらの演出(連続演出)が行われることにより、現在の遊技状態が通常ゲーム中であるのか、BBゲーム中であるのか、といった区別を付けることが容易となる。
特にRB優先処理では、RBゲームの終了後に直ちにBBの当選を知らせる告知演出(BB告知演出)を実行させる。これは、画像表示体500等による表示などで、BBの当選を遊技者に報知するものである。例えば、「BB図柄を揃えよ」等、遊技者が直接理解可能な態様の演出とすることが望ましい。これにより、RBゲームの終了後にすぐに遊技者がBB図柄を揃えることが可能となり、連続してRBゲーム、BBゲームを行うことができる。従って、遊技者はより多くのメダルを獲得することが可能となる。
そして、CRTゲーム中は、開始から終了まで、その旨を遊技者が認識できるよう連続演出を実行させる。例えば、CRTゲームの回数をカウントする表示や、規定回数に近づくにつれて危機感迫る効果音を発生させることなどである。このようにすると、遊技者はCRTゲームの残り回数がどれほどあるのか確認しながらゲームを進めていくことができる。
なお、補助RTゲーム中は、通常ゲームと同様の演出を実行させる。これにより、補助RTゲームの回数等は一切示されることが無いため、遊技者が補助RTゲームかもしれないと気付いた場合(例えば、リプレイに頻繁に当選するようになったことから)であっても、補助RTゲームの残りゲーム回数がどれほどか、あるいは本当に補助RTゲームであるかも確実に判断することはできない。従って、RBゲームの終了後に上記BB告知演出等によりBBの当選が知らされることにより、遊技者を驚かすことが可能となる。また、このようなことはゲーム性の面白みを増す効果も期待できる。
以上の演出態様は、画像表示体500による画像の表示や、スピーカ510等による効果音の発生、LED装飾等による発光や点灯等、として実行させることができる。このような演出態様は、遊技者が長い時間ゲームを続けている場合など、退屈な印象を与えづらくすることができるものである。なお、演出態様は、画像表示体500、スピーカ510、LED装飾等で実行されることに限られるものではない。例えば、画像表示体500に代えて、ELディスプレイ(Electroluminescence Display)や、ドットLEDを用いてもよい。さらに、キャラクタを模した人形や、可動可能な模型等や、サイドリール(例えば、各リールとは別の位置に配され、演出の一環として遊技者の操作に因らずにその始動と停止を実行するもの)や、あるいは、ランプなどの照明(例えば、回転灯に代表される回転可能なライト等)を設けて各種演出を実行させるものとしてもよい。このような方法をとれば、液晶表示等を用いずとも遊技者を十分に楽しませることが可能である。
以上は、本発明のスロットマシン1の一形態であるが、これに限定されることはない。その他にも、遊技球を用いるタイプの回胴式遊技機もあり、こちらも実施形態として好適である。
スロットマシンの分解斜視図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの分解斜視図である。 スロットマシンの斜視図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図である。 図4のZ1部拡大図である。 コネクタホルダーを移動させた状態を示す図4のZ1部拡大図である。 扉形前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの横断面図である。 (a)は図7のZ2部拡大図、(b)はコネクタホルダーを移動させた状態を示す図7のZ2部拡大図である。 図8(a)の要部を示す拡大図である。 背板側を示すスロットマシン要部の横断面図である。 ケース部材の分解斜視図である。 ケース部材を後ろから見た斜視図である。 (a),(b)はコネクタホルダーの仮止め状態を説明するケース部材の要部の斜視図である。 配線中継部材の分解斜視図である。 配線中継部材のカバー体を省略した正面図である。 コネクタホルダーの分解斜視図である。 ケース部材を止めるストッパーの斜視図である。 他の形態を示すストッパーの斜視図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 ケース部材のガイド構造を示す要部の断面図である。 把手の他の形態を示す図柄変動表示装置の部分斜視図である。 ケース部材と外本体側のストッパーとの関係を示す要部の斜視図である。 配線窓と図柄変動表示装置のリールとの関係を示す要部の断面図である。 リール帯の図柄列を平面的に展開した展開図である。 図柄表示窓401部分の拡大図である。 スロットマシンに装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示す概略図である。 各当選役と対応する図柄の組み合わせ態様及びその遊技特典を示す対応表である。 遊技者に向けた各当選役と対応する図柄の組み合わせ態様及びその遊技特典を示す配当表である。 スロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を示すフローチャートである。 始動処理の処理手順を示すフローチャートである。 抽出乱数値の当たり値判定テーブル(各種)である。 RTゲーム中における抽出乱数値の当たり値判定テーブルである。 リール停止処理の処理手順を示すフローチャートである。 判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 BBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 BBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 RBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 RBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 MBゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 MBゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 RTゲーム開始処理の処理手順を示すフローチャートである。 RTゲーム終了判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…スロットマシン(遊技機)
100…外本体
104…背板
112…電源装置
113…配線中継部材
119…本体側配線類
128…支持筒
300…図柄変動表示装置
400…ケース部材
409…メイン基板
418…仮止め部材
423…ケース側配線類
425,427…コネクタ
428…コネクタホルダー
500…画像表示体

Claims (1)

  1. 表面に複数種類の図柄を含む環状の図柄列が形成された複数の可動表示体を備えた図柄変動表示装置を備え、前記図柄変動表示装置は前記複数の可動表示体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記複数の可動表示体の回転を停止させて前記各可動表示体について前記図柄列の一部を構成する所定個数分の図柄群を前記図柄変動表示装置内の所定箇所に表示可能とする図柄表示部を有し、遊技価値の投入と遊技者の始動操作により複数の前記可動表示体の回転を開始させ、全ての前記可動表示体の停止操作が受け付けられると、前記図柄表示部に1回のゲームの結果を表示する遊技機であって、
    1回のゲームごとに予め決められた複数の当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選を行う内部抽選手段と、
    前記内部抽選手段による内部抽選の結果に基づいて、回転する複数の前記可動表示体の停止を制御する可動表示体停止制御手段と、
    前記図柄表示部内に表示された所定個数分の図柄群を複数の前記可動表示体にまたがって見た場合に、各々の前記可動表示体について少なくとも1つの図柄を選び出してできる組み合わせ態様のうち、前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたときにその組み合わせ態様を有効とする表示位置を決定する有効表示位置決定手段と、
    全ての前記可動表示体が停止した場合、前記有効表示位置決定手段により決定された前記有効表示位置に前記当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かを判定する当選役図柄表示判定手段と、
    前記内部抽選の結果として選び出される前記当選役として、所定期間にて遊技価値の付与される機会を増加させた特別遊技状態に遊技状態を移行させる契機となる特別当選役を少なくとも有し、
    前記特別当選役が前記内部抽選の結果として選び出されると、当該ゲームから前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを許容する特別当選役図柄導出許容手段と、
    前記特別当選役図柄導出許容手段により前記特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様を導出することが許容された特別当選役許容遊技では、前記特別当選役を含む全ての前記当選役及びハズレ役を抽選対象として前記内部抽選を実行する抽選対象不変更手段と、
    前記特別当選役許容遊技において前記内部抽選の結果として再度、新たに前記特別当選役が選び出された場合、これを次回特別当選役として、当該特別当選役を契機とした前記特別遊技状態が終了するまで前記次回特別当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が導出されることを許容せずに持ち越す次回特別当選役図柄導出持越手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
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