JP5142552B2 - 電解研磨装置および電解研磨方法 - Google Patents

電解研磨装置および電解研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属の表面処理を行う電解研磨装置および電解研磨方法に関する。
従来から、電解液中に浸した導電性の被加工物を正極として電解液中で直流電流を流すことにより被加工物の表面を電気化学的に研磨するいわゆる電解研磨装置および電解研磨方法が、金属表面の仕上げのために広く用いられている。電解研磨は電解めっきの逆反応として理解される。このような電解研磨において、電解研磨による加工品質を安定に保つにためは、(めっき品質の確保の場合と同様に)電解液の状態を一定の良好状態に保つことが重要である。
そこで、例えば、電解液中に溶け出した鉄イオンなどの濃度を一定量以下に保って電解液の劣化を防ぐことにより加工不良を防ぐため、電解液を循環させることがなされる。また、電解液の循環は、電解研磨中に加工表面に発生する水素ガスや酸素ガスなど取り除いて、処理表面における処理条件を一定に保つために有効である(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−266134号公報
しかしながら、上述したような従来の電解研磨装置および電解研磨方法においては、電解液を循環させるものの電解液の温度管理や加工屑の除去などを含めた総合的な電解液管理が不十分であり、改善の余地がある。電解液の温度には、一般に電解研磨の加工品質が安定する温度領域が存在し、その領域から外れると加工面の面粗度が急激に悪化し、加工品質のばらつきが大きくなる。ところが、冷却装置を備えることなく電解液中に投入した加熱用のヒータだけによって電解液の温度調整をする場合、温度が上がり過ぎても自然放熱に任せるしかなく、加工品質がばらつくことになる。また、加工速度を上げるために電流密度を上げると加工により発生する熱量も増大するので、放熱が間に合わなくなり、加工品質がばらつくことになる。
また、被加工物の角部やエッジ部のバリ取りのために電解研磨を行う場合に、バリの最も薄い箇所が溶けた時点でバリの残片が加工物から分離する。このように溶け残って電解液中に漂い出たバリの一部が微小な金属片の加工屑となって電解液を劣化させる。加工屑は正極に接続された加工物とその対極に設けられた負極との間に介在して両極間でスパークを発生させることがあり、スパークによって被加工物表面が損傷するなどの加工品質への悪影響があるので、加工屑を随時取り除く必要がある。加工屑をフィルタで除去する場合、フィルタの目詰まり解消のためフィルタを定期的に交換する必要があり、フィルタの保守や点検に手間やコストがかかるという問題がある。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、電解研磨による加工面の品質を安定して確保でき、装置の保守や点検に係る手間やコストの低減を実現できる電解研磨装置および電解研磨方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、電解槽に満たされた電解液中に被加工物を通すことにより該被加工物を電解研磨する電解研磨装置において、前記電解槽の外側に設けられて前記電解液の循環路を形成する循環パイプと、前記電解槽中の電解液を前記循環パイプを通して強制的に循環させるポンプと、前記循環する電解液の流路に設けられた加熱装置、冷却装置、および温度計と、前記循環パイプ中に設けられてパイプ中の電解液の流量を測定する流量計と、前記ポンプを制御する制御装置と、を備え、前記電解液は、前記電解槽における当該電解液の循環方向が、前記被加工物の供給方向に直交する方向とされ、前記制御装置は、前記加熱装置および冷却装置を制御して電解液の温度を調整すると共に、前記温度計による電解液の温度の測定結果および前記流量計による流量測定結果に基づいて前記ポンプを制御して電解液の流量を増減することにより電解液の温度を調整するものである。
請求項2の発明は、電解槽に満された電解液中に長手方向を有する被加工物を配置して該被加工物を電解研磨する電解研磨装置において、前記電解槽の外側に設けられて前記電解液の循環路を形成する循環パイプと、前記電解槽中の電解液を前記循環パイプを通して強制的に循環させるポンプと、前記循環する電解液の流路に設けられた加熱装置、冷却装置、および温度計と、前記循環パイプ中に設けられてパイプ中の電解液の流量を測定する流量計と、前記ポンプを制御する制御装置と、を備え、前記電解液は、前記電解槽における当該電解液の循環方向が、前記被加工物の長手方向に直交する方向とされ、前記制御装置は、前記加熱装置および冷却装置を制御して電解液の温度を調整すると共に、前記温度計による電解液の温度の測定結果および前記流量計による流量測定結果に基づいて前記ポンプを制御して電解液の流量を増減することにより電解液の温度を調整するものである。
請求項の発明は、請求項1または請求項2に記載の電解研磨装置において、電解研磨時に被加工物から離脱する加工屑を捕獲して電解液から除去するためのフィルタを前記循環パイプの内部に備えたものである。
請求項の発明は、請求項に記載の電解研磨装置において、前記フィルタは導電性の材料で構成されて直流電源の正極に接続され、前記フィルタ近傍には、前記循環パイプ中の電解液に接するように配置されると共に前記直流電源の負極に接続された対向電極が備えられ、前記対向電極を用いて前記フィルタに正電圧を印加することにより前記フィルタに捕獲された前記加工屑を溶解するものである。
請求項の発明は、請求項に記載の電解研磨装置において、前記対向電極は、前記循環パイプの内壁を用いて構成されるものである。
請求項の発明は、請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の電解研磨装置において、電解液中の金属イオンを吸着除去するためのイオン交換樹脂を前記循環パイプの内部に備え、前記冷却装置は前記イオン交換樹脂の上流に配置され、前記加熱装置は前記イオン交換樹脂の下流に配置されているものである。
請求項の発明は、電解槽に満たされた電解液中に配置した長手方向を有する被加工物、または前記電解液中に通される被加工物を電解研磨する電解研磨方法において、前記電解槽における電解液の循環方向が、前記被加工物の長手方向または前記被加工物の供給方向に直交する方向となるように、前記電解液を前記電解槽の外側に設けた循環パイプを用いて循環させる電解液循環工程と、前記被加工物に電圧を印加して当該被加工物を電解研磨する電解研磨工程と、前記電解研磨工程によって前記被加工物から離脱する加工屑を前記循環パイプの中に設けた導電性のフィルタによってトラップする加工屑トラップ工程と、前記フィルタに電圧を印加することにより当該フィルタにトラップされた加工屑を電解液中に溶解する加工屑溶解工程と、前記フィルタよりも下流に配置したイオン交換樹脂によって、前記フィルタから溶出した加工屑のイオンを吸着して電解液から除去するイオン除去工程と、を備え、前記電解研磨工程からイオン除去工程までの工程を前記電解液循環工程と並行して行うものである。
請求項1の発明によれば、電解液の循環方向が、被加工物の供給方向に直交する方向とされているので、循環方向を被加工物の供給方向とする場合に比べて、より新鮮な、劣化していない電解液を被加工物の処理表面に供給でき、電解研磨による加工面の品質を安定して確保できる。電解液の劣化は、温度変化や加工屑の混入などにより発生する。例えば、長手方向に電解液を流すと、上流部では適温で加工屑が少なくても、下流部では反応熱のため高温となり、また加工屑が蓄積されて多くなる。本装置では、このような加工品質のばらつきの原因となる電解液の劣化による影響が低減される。
請求項2の発明によれば、電解液の循環方向が、被加工物の長手方向に直交する方向とされているので、循環方向を被加工物の長手方向とする場合に比べて、より新鮮な、劣化していない電解液を被加工物の処理表面に供給でき、電解研磨による加工面の品質を安定して確保できる。電解液の劣化は、温度変化や加工屑の混入などに発生する。例えば、長手方向に電解液を流すと、上流部では適温で加工屑が少なくても、下流部では反応熱のため高温となり、また加工屑が蓄積されて多くなる。本装置では、このような加工品質のばらつきの原因となる電解液の劣化による影響が低減される。
請求項の発明によれば、電解液中に混入した加工屑を、電解液の循環中に電解液から除去するので、被加工物の処理表面における加工屑の介在に起因するスパークなどによる処理面の損傷などの悪影響を防止でき、加工品質を安定化できる。
請求項の発明によれば、フィルタに捕獲(トラップ)された加工屑を電気化学的に溶解除去できるので、フィルタの目詰まりを回避でき、装置の保守や点検に係る手間やコストの低減を実現できる。
請求項の発明によれば、対向電極として循環パイプの内壁を用いるので、加工屑溶解のための装置部品や構造を簡略化できる。また、対向電極部分における循環パイプの形状は、他の部分と同様に形状変化のない形状にできるので、流れの抵抗が発生せず電解液の流れを妨げずに加工屑溶解を実現できる。
請求項の発明によれば、イオン交換樹脂を通過する前に冷却装置により電解液を冷却し、イオン交換樹脂を通過後に電解液を加熱できるので、電解液の温度をイオン交換樹脂の温度使用範囲を超えないようにすると共に、電解研磨に必要な電解液温度を確保して、イオン交換樹脂によって電解液中の不純物イオンを吸着除去できる。イオン交換樹脂によって、電解液の劣化を防ぎ、電解研磨による加工面の品質を安定に確保できる。また、このような冷却装置、イオン交換樹脂、および加熱装置の配置を、導電性のフィルタの下流に設けることにより、フィルタに捕獲された加工屑の電気化学的溶解によるイオンをイオン交換樹脂で吸着除去できる。この場合、フィルタの保守や点検に係る手間やコストを低減できる。
請求項の発明によれば、加工屑を導電性のフィルタによってトラップすると共に、フィルタに電圧を印加することによりフィルタにトラップされた加工屑を電解液中に溶解し、フィルタから溶出した加工屑のイオンをイオン交換樹脂で吸着して電解液から除去するので、電解液の劣化を効率的に防止でき、また、電気的処理で電解液の再生ができるので、装置の保守や点検に係る手間やコストの低減を実現できる。従って、このような電解研磨方法により、電解研磨による加工面の品質を安定して確保できる。
以下、本発明の実施形態に係る電解研磨装置にについて、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)(b)は第1の実施形態に係る電解研磨装置を示し、図2(a)は同装置の加熱装置を示し、図2(b)は同冷却装置を示す。参照のため、図中に水平面内の互いに直交する2方向x,yが示されている。電解研磨装置1は、電解槽2に満たされた電解液3中に帯状の被加工物4を通すことにより被加工物4を電解研磨する装置である。電解液3の中には、上下一対とされた平行平板状の電解研磨用電極12が、沈めて配置されている。被加工物4は、上下の電極12の間を通って、電解液3の中を通り抜ける。上下の電極12は、直流電源Eの負極側に接続され、被加工物4は、直流電源Eの正極側に接続されている。
電解槽2は、長方形の箱形状をしており、その長手方向(x方向)に沿って被加工物4が供給され、排出される。被加工物4は、複数のローラ21によってガイドされ、矢印x,x1,x2の一定方向に一定速度で移動する。被加工物4が電解研磨された後、電解槽2から出てくる箇所には、エアノズル22が設けられている。エアノズル22は、エアカーテンを形成して被加工物4の表面の電解液3を吹き飛ばす、いわゆる液切りを行う。
次に、電解液3の循環について説明する。電解研磨装置1は、電解槽2の外側に設けられて電解液3の循環路を形成する循環パイプ5と、電解槽2中の電解液3を循環パイプ5を通して強制的に循環させるポンプPと、を備えている。
循環パイプ5は、その吹き出し側が複数に枝分かれした枝管5aとなっており、同様に、その吸い込み側が複数に枝分かれした枝管5bとなっている。電解槽2の両側面、すなわち被加工物4を両側から挟む配置となっている側面には、それぞれ、複数の電解液供給口と電解液排出口とが開口している。電解液供給口には枝管5aが接続され、電解液排出口には枝管5bが接続されている。
上記構成により、電解液3は、循環パイプ5の中を、矢印a,bの方向に流れ、電解槽2の中を、矢印c,dの方向に、一方的に循環して流れる。ここで、重要なことは、電解液3が、電解槽2の中で、矢印c,dの方向(y方向)に流れていることである。すなわち、電解液3は、電解槽2における電解液3の循環方向が、被加工物4の供給方向(x方向)に直交する方向(y方向)とされている。この効果については、後述する。
さらに、装置構成を説明する。電解研磨装置1は、循環パイプ5の内部に備えられて電解研磨時に被加工物4から離脱する加工屑を捕獲して電解液から除去するためフィルタF、さらに電解液3の温度調整を行うため循環する電解液3の流路に設けられた加熱装置6、冷却装置7、および温度計T0,T1,T2と、循環パイプ5中に設けられてパイプ5中の電解液3の流量を測定する流量計8と、ポンプPを制御する制御装置10と、を備えている。
温度計T0は、電解槽2中の電解液3の温度t0を測定し、温度計T1は、加熱装置6を通過後の電解液3の温度t1を測定し、温度計T2は、冷却装置7を通過後の電解液3の温度t2を測定する。
制御装置10は、加熱装置6および冷却装置7を制御して電解液3の温度を調整すると共に、温度計T0,T1,T2による電解液3の温度t0,t1,t2の測定結果および流量計8による流量測定結果に基づいて、ポンプPを制御して電解液3の流量を増減することにより、電解槽2に供給する電解液3の温度t1を調整する。
また、電解研磨装置1は、電解液3中の金属イオンを吸着除去するためのイオン交換樹脂11を循環パイプ5の内部に備えている。冷却装置7はイオン交換樹脂11の上流に配置され、加熱装置6は前記イオン交換樹脂11の下流に配置されている。
加熱装置6は、図2(a)に示すように、電熱線61と電源部62とを備えて構成されている。電熱線61は、電源部62から導出されて、循環パイプ5における加熱部となる部分の外周部にコイル状に巻きつけられている。
上述した温度計T1は、循環パイプ5の加熱部下流側の内壁に取り付けられている。温度計T1による電解液温度の計測結果(温度t1)は、電源部62に入力される。電源部62は、電解液温度t1が所望の温度になるように、電熱線61の電力をフイードバック制御する。また、温度t1の情報は、制御装置10にも入力される。
冷却装置7は、図2(b)に示すように、冷却水循環パイプ71と冷却装置本体72とを備えて構成されている。冷却水循環パイプ71は、循環パイプ5における冷却部となる部分の外周部に巻きつけられている。冷却水循環パイプ71は、冷却装置本体72に接続されている。
上述した温度計T2は、循環パイプ5の冷却部下流側の内壁に取り付けられている。温度計T2による電解液温度の計測結果(温度t2)は、冷却装置本体72に入力される。冷却装置本体72は、電解液温度t2が所望の温度になるように、冷却水の温度をフイードバック制御する。また、温度t2の情報は、制御装置10にも入力される。
(電解研磨装置の動作)
次に、電解研磨装置1の動作を、特に電解液3の循環に注目して説明する。帯状の被加工物4が、電解液3中を、電極12に上下を挟まれた状態で、ローラ21にガイドされながら一定速度で移動する。移動中の被加工物4は、プラスに帯電しており、電極12はマイナスに帯電している。被加工物4は、電気化学的に表面が溶け出し、これにより、その表面が電解研磨される。
被加工物4が、例えば、鉄製の場合、Fe→Fe2++2e、または、Fe→Fe3++3e、の反応式に従って、被加工物4の表面の鉄がイオン化して液中に溶け出す。このようなイオン化反応は、発熱を伴うため、電解研磨中の被加工物4付近の電解液の温度は上昇する。温度が上昇した電解液3は、ポンプPの働きにより、電解槽2から循環パイプ5の中へと速やかに回収される。
電解液3は、循環パイプ5によって電解槽2から回収された後、フィルタFを通過することにより、その中の加工屑が除去される。
電解液3は、フィルタFを通過した後、冷却装置7によって冷却されている冷却部を通過する。これにより、電解液3は、イオン交換樹脂にとって適切な温度へ冷却される。
電解液3は、冷却装置7で冷却された後、イオン交換樹脂11を通過する。これにより、電解液3の中に溶けている金属イオンが除去される。イオン交換樹脂11は、金属イオン除去のために陽イオン交換樹脂が用いられる。
電解液3は、イオン交換樹脂11を通過した後、加熱装置6によって加熱されている加熱部を通過する。これにより、電解液3は、電解研磨に適した温度に加熱される。
電解液3は、加熱装置6で加熱された後、流量計8を通過する。流量計8の計測値は、制御装置10を介して、ポンプPにフイードバックされる。
制御装置10は、目標とする電解液3の温度と温度計T1によって測定された温度との差が大きい場合には流速を遅くし、差が少ない場合には流速を速くするように、ポンプPを制御して、電解液3の流速制御を行う。この流速制御は、装置の応答速度に関しており、流速を遅くすることにより、冷却装置7と加熱装置6とによる温度調整をより確実に行えるようにするものである。このように、流速制御は、被加工物4の表面に供給される電解液3の温度を所定の温度に調整するための制御であり、この制御の結果、電解液3の温度が適温に調整され、電解研磨による加工面の品質を安定に確保できる。
フィルタFの中には、徐々に加工屑が蓄積される。そこで、一定時間おきに、フィルタFから加工屑を除去する処理を行ってフィルタFの目詰まり防止する。
(電解液循環とその効果)
次に、電解液3の循環方向が、電解槽2において被加工物4の供給方向(x方向)に直交する方向(y方向)とされていることについて、その効果を説明する。電解液3の被加工物4に対する循環方向が、被加工物4の供給方向xに直交する方向yとされていることにより、循環方向を被加工物4の供給方向xとする場合に比べて、より新鮮な、劣化していない電解液3を被加工物4の処理表面に供給できる。従って、電解研磨による加工面の品質を安定して確保できる。なお、この場合、図1(a)(b)に示すように、電解液3の中で処理される被加工物4の、供給方向における長さよりも、供給方向に直交する方向の長さが短い場合を想定している。
また、一般に、電解液3の劣化は、温度変化や加工屑の混入などに発生する。例えば、長手方向に電解液3を流すと、上流部では適温で加工屑が少なくても、下流部では反応熱のため高温となり、また加工屑が蓄積されて多くなる。本実施形態の電解研磨装置1では、このような加工品質のばらつきの原因となる電解液の劣化による影響が低減される。
電解液3の循環中に行う加熱冷却の効果を説明する。電解液3をポンプPにより強制的に循環させる際に、電解液3の循環経路(流路)の途中に備えた加熱装置6による加熱と、冷却装置7による冷却と、ポンプPによる流量制御と、を行うので、これらのいずれかを用いない場合に比べて、電解液3の温度管理をより厳密に精度を上げて行うことができる。従って、電解研磨による加工面の品質を安定して確保できる。
流路中に、例えば、電解槽2中や、加熱装置6や冷却装置7の下流側に、複数の温度計を設け、目標とする電解液3の温度、電解槽2中の電解液3の温度、電解槽2に供給する電解液3の温度などの温度差に応じてポンプPを制御し、循環する電解液3の流速を遅くしたり速くしたりして容易に温度調節できる。このように、電解研磨装置1は、被加工物4の電解研磨に関与する電解液3の温度を、より一定に保つことができ、加工品質を確保できる。
また、イオン交換樹脂11を通過する前に冷却装置7により電解液3を冷却するので、電解液3の温度をイオン交換樹脂11の温度使用範囲を超えないようにできる。また、イオン交換樹脂11を通過後に加熱装置6により電解液3を加熱するので、電解研磨に必要な電解液3の温度を確保できる。すなわち、電解研磨装置1は、イオン交換樹脂11によって電解液3中の不純物イオンを吸着除去して電解液3の劣化を防ぐと共に、電解液3の温度を最適に保って、電解研磨による加工面の品質を安定に確保できる。
(第2の実施形態)
図3は第2の実施形態に係る電解研磨装置のフィルタの構成を示し、図4(a)(b)(c)は一般的な同電解研磨装置における被加工物からの加工屑の発生の様子を示す。本実施形態は、第1の実施形態における電解研磨装置1のフィルタFに関するものである。従って、図3、図4に加えて、適宜、図1(a)(b)を参照する。
本実施形態のフィルタFは、電解研磨時に被加工物4から離脱する加工屑42を捕獲して電解液3から除去するため循環パイプ5の内部に備えられている。フィルタFは、捕獲した加工屑42をイオン化すると共に、下流のイオン交換樹脂11によって、そのイオンを回収する構成とされている。
上述の構成とするため、フィルタFは、導電性の材料で構成され、図3に示すように、直流電源E2の正極に接続されている。フィルタFの材質は、金属などの導電性の物質で、かつ電解されにくい性質のものを選ぶ。フィルタFの材質として、例えば、チタンを用いることができる。正極とされるフィルタFの周辺部の循環パイプ51は、他の部分の循環パイプ5に対して、絶縁リング50によって電気絶縁されている。絶縁リング50は、例えば、ゴムや樹脂などを用いて構成される。
また、フィルタFの近傍には、対向電極52が備えられている。対向電極52は、循環パイプ5中の電解液3に接するように配置されると共に直流電源E2の負極に接続されている。対向電極52は、循環パイプ5の内壁を用いて構成されている。この対向電極52の部分も、他の部分の循環パイプ5、および正極のフィルタF部分に対して、絶縁リング50によって電気絶縁されている。
ここで、加工屑42の発生について説明する。電解研磨される被加工物4は、通常、機械加工や研削によって加工されたものであり、その加工端部には、図4(a)に示すよに、数ミクロン〜数十ミクロンの研削バリ40が発生している。この被加工物4を電解研磨すると、図4(b)に示すように、表面の数ミクロンの表層41が除去される。その結果、バリ40の最も薄い箇所pにおいて、図4(c)に示すように、被加工物4から加工屑42が分離する。
加工屑42は、電解槽2の中で、電解研磨用の直流電源Eから電気的に浮いた状態となり、電解されることなく電解液3中を漂うことになる。電解液3中に混入したこのような加工屑42は、被加工物4の処理表面において電気的に不安定な接触状態になったりして、異常スパークを発生させる。このような異常スパークは、処理面の損傷などの悪影響を引き起こすことになる。
フィルタFは、電解液3に混入した加工屑42を、電解液3の循環中に電解液3から除去する。図3において、フィルタFの上流eに存在する加工屑42は、フィルタFによって捕獲(トラップ)されるので、フィルタFの下流fには存在しない。
フィルタFに捕獲された加工屑42は、フィルタFと対向電極52との間に電圧を印加することにより、電気化学的にイオン化して電解液3に溶解させることができる。また、図1(a)に示すように、イオン交換樹脂11がフィルタFの下流に設けられている。イオン交換樹脂11は、電解液中の金属イオンを吸着除去することができる。そこで、電解液3に溶解した加工屑42のイオンは、イオン交換樹脂11によって除去されることになる。
上述のように、本実施形態の電解研磨装置1によれば、フィルタFに捕獲された加工屑42を電気的な処理によって溶解除去できるので、フィルタFの目詰まりを簡便かつ容易に回避でき、装置の保守や点検に係る手間やコストの低減を実現できる。なお、イオン交換樹脂11は、化学的処理によって容易に再生できる。
上述のように、電解研磨装置1は、被加工物4の処理表面における加工屑の介在に起因するスパークなどによる処理面の損傷などの悪影響を防止でき、加工品質を安定化できる。
また、対向電極52として、循環パイプ5の内壁を用いるので、加工屑42の溶解のための装置部品や構造を簡略化できる。対向電極52部分における循環パイプ5の形状は、他の部分と同様に形状変化のない形状とできるので、流れに対する付加的な配管抵抗が発生せず電解液3の流れを妨げずに加工屑42の溶解を実現できる。
(第3の実施形態)
図5は第3の実施形態に係る電解研磨装置を示す。参照のため、図中に水平面内の互いに直交する2方向x,yが示されている。本実施形態の電解研磨装置1は、上述の第1の実施形態の電解研磨装置1とは、処理対象とする被加工物4の供給方法が異なっており、他の点は同様である。すなわち、本実施形態の電解研磨装置1は、電解槽2に満された電解液3中に長手方向を有する被加工物4を配置してバッチ処理的に被加工物4を電解研磨する装置であり、ポンプPによって循環される電解液3は、電解槽2における電解液3の循環方向c,dが、被加工物4の長手方向xに直交する方向yとされているものである。
このような電解研磨装置1によれば、電解液3の循環方向c,dが、被加工物4の長手方向xに直交する方向yとされているので、循環方向を被加工物4の長手方向とする場合に比べて、より新鮮な、劣化していない電解液3を被加工物4の処理表面に供給でき、電解研磨による加工面の品質を安定に確保できる。電解液3の劣化は、温度変化や加工屑の混入などに発生するので、長手方向に電解液3を流すと、上流部では適温で加工屑が少なくても、下流部では反応熱のため高温となり、また加工屑が蓄積されて多くなる。本装置では、このような加工品質のばらつきの原因となる電解液の劣化による影響が低減される。
(第4の実施形態)
図6(a)は第4の実施形態に係る電解研磨装置および電解研磨方法における被加工物に対する電解液の循環方向を示し、図6(b)は第1、第3の実施形態の場合を示す。本実施形態は、上述の第1、第3の実施形態において示した被加工物4と電解液3の循環方向との関係について、さらに別の実施形態を示すものである。そこで、図1(a)、図5を適宜参照する。
上述の第1の実施形態において、図1(a)に示したように、電解液3の循環方向c,dが、被加工物4の供給方向xに直交する方向yになっていることを説明した。また、第3の実施形態において、図5に示したように、電解液3の循環方向c,dが、電解槽2に配置した長手方向を有する被加工物4の長手方向xに直交する方向yになっていることを説明した。このような状況は、図6(b)に示す構成に対応する。
ところで、被加工物4の供給方向x、または長手方向xに直交する方向は、方向yに限るものではなく、本実施形態では、図6(a)に示すように、電解液3の循環方向cを、方向zに沿ったものとしている。電解液3の被加工物4に対する循環方向cは、電解液3の劣化を抑制すること、および、効率的で安定に電解研磨ができること、などの基準に基づいて決められる。さらに、循環方向cは、どの様な外形のどの部分を処理するのかという被加工物4の形状や、電解槽2に連続移動して通すのか、バッチ式に載置と搬出を行うのか、などの供給方法を考慮して決定される。
そこで、電解液3の循環方向cは、平板で帯状の被加工物の場合であっても、必ずしも、図6(b)に示すような板面に平行な方向yとはせずに、図6(a)に示すように板面に垂直な方向zとすることもある。例えば、多数の開孔が設けられている帯状材や平板材において、その開孔のエッジ部分を電解研磨するという被加工物の場合、循環方向cを、その板面に垂直な方向zとすると、開孔部を電解液3が通過するので、効果的に電解研磨できる。
上述の多数の開孔が設けられた帯状の被加工物4として、後述する電気かみそりの外刃などが挙げられる。逆に、開孔のない被加工物の場合においては、面に垂直な方向zよりも、図6(b)のように、面に平行な方向yを使用することが、流れの抵抗もなく効果的である。
ここで、被加工物の形状や供給方法の他の例を説明する。電解研磨する被加工物4は、必ずしも一体物とは限らず、小さな部品を数珠繋ぎに電気的に接続した被加工物なども処理の対象となる。また、その供給方法も、その数珠繋ぎした被加工物を、一方向から他方向に連続的に供給したり、バッチ式に供給排出したりすることができる。これらの場合において、被加工物の供給方向や長手方向が定義されるので、電解液3の循環方向cは、上述同様に、供給方向や長手方向に直交する方向とされる。
また、被加工物4に対向する電極は、例えば、上述の図6(a)の場合、電解液3の流れを妨げないように、隙間を設けたり、網状部材や開孔のある部材で形成される。
(第5の実施形態)
図7は第5の実施形態に係る電解研磨方法のフローチャートを示す。本実施形態の電解研磨方法は、例えば、第1乃至第3の実施形態の電解研磨装置1を用いて実施される。そこで、本実施形態では、図7に加えて、図1(a)(b)、図3を参照する。
この電解研磨方法は、電解槽2に満たされた電解液3中に配置した長手方向を有する被加工物4、または電解液3中に通される被加工物4を電解研磨する方法である。
まず、この電解研磨方法の概要を、図7を参照して説明する。電解研磨の開始に当たり、一連の工程(後述のS1〜S5)を開始する(S0)。次に、全工程を継続して実施する(S6)。各工程の継続実施中に処理終了か否かの判断をして、処理終了ならば(S7でYes)、全工程を停止して(S8)、処理を終了する。
次に、各工程別に説明する。電解液循環工程(S1)は、電解槽2における電解液3の循環方向c,dが、被加工物4の長手方向xまたは被加工物4の供給方向xに直交する方向yとなるように、電解液3を電解槽2の外側に設けた循環パイプ5を用いて循環させる工程である。
電解研磨工程(S2)は、被加工物4に電圧を印加して被加工物4を電解研磨する工程である。
加工屑トラップ工程(S3)は、電解研磨工程によって被加工物4から離脱する加工屑42を循環パイプ5の中に設けた導電性のフィルタFによってトラップする工程である。
加工屑溶解工程(S4)は、フィルタFに電圧を印加することにより当該フィルタFにトラップされた加工屑42を電解液3中に溶解する工程である。
イオン除去工程(S5)は、フィルタFよりも下流に配置したイオン交換樹脂11によって、フィルタFから溶出した加工屑のイオンを吸着して電解液3から除去する工程である。
工程S6では、電解研磨工程(S2)からイオン除去工程(S5)までの工程を電解液循環工程(S1)と並行して行われる。
本実施形態の電解研磨方法によれば、加工屑を導電性のフィルタFによってトラップすると共に、フィルタFに電圧を印加することによりフィルタFにトラップされた加工屑を電解液中に溶解し、フィルタFから溶出した加工屑のイオンをイオン交換樹脂11で吸着して電解液3から除去するので、電解液3の劣化を効率的に防止できる。
また、電気的処理によって電解液3の再生ができるので、装置の保守や点検に係る手間やコストの低減を実現できる。従って、このような電解研磨方法により、電解研磨による加工面の品質を安定して確保できる。
なお、第1の実施形態で説明したように、イオン交換樹脂11の上流に配置した冷却装置7によって電解液3を冷却する工程と、イオン交換樹脂11の下流に配置した加熱装置6によって電解液3を加熱する工程と、流量計8の測定結果に基づいて制御装置10によって、ポンプPを制御して流速を制御する工程とを、本実施形態の電解研磨方法に備えるようにしてもよい。
(第6の実施形態)
図8は第6の実施形態に係る電解研磨装置および電解研磨方法における被加工物である電気かみそりの外刃の一部を示し、図9(a)(b)(c)は同外刃のプレス成形の様子を段階的に示し、図10(a)(b)はプレス加工された外刃の外形成形の様子を段階的に示す。この実施形態は、第4の実施形態で示した図6(a)の被加工物4の例を示すものである。
この被加工物4は、電気かみそりの外刃用の部材であり、図8に示すように、帯状の薄板金属材に、開孔4aを集合してメッシュ状に形成したものである。開孔4aは、孔形状が6角形をしており、その集合は、被加工物4の長手方向に沿って領域4b毎に区分されて形成されている。すなわち、各領域4bから、1つの外刃が形成される。開孔4aの縁部は、鋭角に加工されており、刃先を形成する部分である。
上述の被加工物4は、図9(a)(b)(c)に示すように、上下のプレス型91,92によって、薄板材9をプレス成形して開孔4a位置に凹凸部が形成された薄板材9とし、この薄板材9の凸部4dを、図10(a)(b)に示すように、研削砥石93によって研磨除去することによって形成される。
このようにして形成された被加工物4は、図10(b)において部分拡大して示すように(破線円内)、かみそりの刃先と成る部分に、通常、数ミクロン〜数十ミクロンの研削バリ40が発生する。このような研削バリ40は、上述した電解研磨装置1と電解研磨方法によって除去することができ、安定した加工品質のもとで、その刃先部分を鋭利に仕上げることができる。電解研磨において、電解液3の循環方向は、図6(a)に示した方向、つまり開孔4aを通過する方向とすることにより、良好な処理が実現される。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、電解液3の被加工物4に対する循環方向cは、一方向からだけに限られず、多方向、例えば、互いに30゜の角度をなす2方向を循環方向として、新鮮な電解液3が被加工物4に集中するように電解液3を循環させるようにしてもよい。この場合、その2方向は、上述したように、被加工物4の供給方向や、長手方向に直交する方向である。また、内外に通じる開孔のある円筒形状の被加工物を電解研磨する場合、または、個別の被加工物をそのような円筒形状に配置して電解研磨する場合、円筒の内外の一方に電解液の噴き出し口を設け、他方に吸い込み口を設けるようにしてもよい。この場合、電解液の循環方向は、当該円筒の軸に直交する方向である。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る電解研磨装置についての平面図、(b)は同装置の側方断面図。 同上装置の加熱装置の斜視図、(b)は同冷却装置の斜視図。 第2の実施形態に係る電解研磨装置のフィルタの構成を示す断面図。 (a)(b)(c)は一般的な電解研磨装置における被加工物からの加工屑の発生の様子を示す断面図。 第3の実施形態に係る電解研磨装置の平面図。 (a)は第4の実施形態に係る電解研磨装置および電解研磨方法における被加工物に対する電解液の循環方向を説明する斜視図、(b)は第1、第3の実施形態の場合の循環方向を示す斜視図。 第5の実施形態に係る電解研磨方法についての処理のフローチャート。 第6の実施形態に係る電解研磨装置および電解研磨方法における被加工物である電気かみそりの外刃の一部平面図。 (a)(b)(c)は同上外刃のプレス成形の様子を段階的に示す断面図。 (a)(b)は同上プレス加工された外刃の外形成形の様子を段階的に示す断面図。
符号の説明
1 電解研磨装置
2 電解槽
3 電解液
4 被加工物
5 循環パイプ
6 加熱装置
7 冷却装置
8 流量計
9 イオン交換樹脂
10 制御装置
42 加工屑
52 対向電極
x 供給方向(長手方向)
y 直交する方向
E,E2 直流電源
F フィルタ
P ポンプ
T0,T1,T2 温度計

Claims (7)

  1. 電解槽に満たされた電解液中に被加工物を通すことにより該被加工物を電解研磨する電解研磨装置において、
    前記電解槽の外側に設けられて前記電解液の循環路を形成する循環パイプと、
    前記電解槽中の電解液を前記循環パイプを通して強制的に循環させるポンプと、
    前記循環する電解液の流路に設けられた加熱装置、冷却装置、および温度計と、
    前記循環パイプ中に設けられてパイプ中の電解液の流量を測定する流量計と、
    前記ポンプを制御する制御装置と、を備え、
    前記電解液は、前記電解槽における当該電解液の循環方向が、前記被加工物の供給方向に直交する方向とされ
    前記制御装置は、前記加熱装置および冷却装置を制御して電解液の温度を調整すると共に、前記温度計による電解液の温度の測定結果および前記流量計による流量測定結果に基づいて前記ポンプを制御して電解液の流量を増減することにより電解液の温度を調整することを特徴とする電解研磨装置。
  2. 電解槽に満された電解液中に長手方向を有する被加工物を配置して該被加工物を電解研磨する電解研磨装置において、
    前記電解槽の外側に設けられて前記電解液の循環路を形成する循環パイプと、
    前記電解槽中の電解液を前記循環パイプを通して強制的に循環させるポンプと、
    前記循環する電解液の流路に設けられた加熱装置、冷却装置、および温度計と、
    前記循環パイプ中に設けられてパイプ中の電解液の流量を測定する流量計と、
    前記ポンプを制御する制御装置と、を備え、
    前記電解液は、前記電解槽における当該電解液の循環方向が、前記被加工物の長手方向に直交する方向とされ
    前記制御装置は、前記加熱装置および冷却装置を制御して電解液の温度を調整すると共に、前記温度計による電解液の温度の測定結果および前記流量計による流量測定結果に基づいて前記ポンプを制御して電解液の流量を増減することにより電解液の温度を調整することを特徴とする電解研磨装置。
  3. 電解研磨時に被加工物から離脱する加工屑を捕獲して電解液から除去するためのフィルタを前記循環パイプの内部に備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解研磨装置。
  4. 前記フィルタは導電性の材料で構成されて直流電源の正極に接続され、
    前記フィルタ近傍には、前記循環パイプ中の電解液に接するように配置されると共に前記直流電源の負極に接続された対向電極が備えられ、前記対向電極を用いて前記フィルタに正電圧を印加することにより前記フィルタに捕獲された前記加工屑を溶解することを特徴とする請求項に記載の電解研磨装置。
  5. 前記対向電極は、前記循環パイプの内壁を用いて構成されることを特徴とする請求項に記載の電解研磨装置。
  6. 電解液中の金属イオンを吸着除去するためのイオン交換樹脂を前記循環パイプの内部に備え、
    前記冷却装置は前記イオン交換樹脂の上流に配置され、前記加熱装置は前記イオン交換樹脂の下流に配置されていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の電解研磨装置。
  7. 電解槽に満たされた電解液中に配置した長手方向を有する被加工物、または前記電解液中に通される被加工物を電解研磨する電解研磨方法において、
    前記電解槽における電解液の循環方向が、前記被加工物の長手方向または前記被加工物の供給方向に直交する方向となるように、前記電解液を前記電解槽の外側に設けた循環パイプを用いて循環させる電解液循環工程と、
    前記被加工物に電圧を印加して当該被加工物を電解研磨する電解研磨工程と、
    前記電解研磨工程によって前記被加工物から離脱する加工屑を前記循環パイプの中に設けた導電性のフィルタによってトラップする加工屑トラップ工程と、
    前記フィルタに電圧を印加することにより当該フィルタにトラップされた加工屑を電解液中に溶解する加工屑溶解工程と、
    前記フィルタよりも下流に配置したイオン交換樹脂によって、前記フィルタから溶出した加工屑のイオンを吸着して電解液から除去するイオン除去工程と、を備え、
    前記電解研磨工程からイオン除去工程までの工程を前記電解液循環工程と並行して行うことを特徴とする電解研磨方法。
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