以下図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る手書き入力機能付き電子辞書装置10の外観構成を示す正面図である。
この電子辞書装置10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。この折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、電源キー、各種文字・記号キー、辞書指定キー、訳/決定キー、削除キー、カーソルキーなどを備えたキー入力部14、スピーカ15L,15R、手書き入力部16が設けられる。なお、キー入力部14はメカニカルキーではなく、ソフトウェアによる表示キーボードとして構成しても良い。
手書き入力部16は、ユーザがペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、例えば、キー入力部14の中央手前側において128×64ドットの液晶表示画面に透明タブレットを重ねて構成される。この手書き入力部16の入力領域は、例えば手書き入力モードでは、左右に1文字ずつ2文字分の手書き入力表示エリア16L,16Rに設定されると共に、この手書き入力表示エリア16L,16Rにて入力表示された手書き文字の文字認識をユーザが指示するための“認識”との文字が表示される「認識」キー16N、文字認識された文字の訂正や削除をユーザが指示するための“訂正”との文字が表示される「訂正」キー16Tが設けられる。この手書き入力部16の手書き入力表示エリア16L,16Rでの手書き入力に伴う軌跡はその液晶表示画面にエコーバックして表示される。
なお、この手書き入力部16の入力領域は、後述するように、中日辞書などを指定した中国語の検索モードでは、ピンイン(発音)の四声(抑揚)をタッチ入力するための四声入力画面H(図5参照)に切り替わる。また、見出し語一覧画面G2の表示状態では、一覧表示された見出し語を部首や画数でソート処理したり絞り込み処理したりするためのソート・絞り込み操作画面Q(図7・図9参照)に切り替わる。
また蓋体ケース12の表面には、そのほぼ全域に例えば480×320ドットのバックライト付き表示部(液晶表示画面)17が設けられる。
図2は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の電子回路の構成を示すブロック図である。
この電子辞書装置10は、各種の記憶媒体に記録されたプログラム、又は、伝送されたプログラムを読み込んで、その読み込んだプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって構成され、その電子回路には、CPU(central processing unit)21が備えられる。
CPU21は、メモリ22内に予め記憶された装置制御プログラム、あるいはROMカードなどの外部記憶媒体23から記憶媒体読取部24を介して前記メモリ22に読み込まれた装置制御プログラム、あるいはインターネットN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)30から電送制御部(通信部)25を介して前記メモリ22に読み込まれた装置制御プログラムに応じて、回路各部の動作を制御するもので、前記メモリ22に記憶された装置制御プログラムは、キー入力部14や手書き入力部16からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは電送制御部25を介して接続されるインターネットN上の各Webサーバ30…との通信信号、あるいは記憶媒体読取部24を介して外部接続されるEEPROM,RAM,ROMなどのメモリカード(記憶媒体)23との接続通信信号に応じて起動される。
前記CPU21には、前記メモリ22、記憶媒体読取部24、電送制御部25、キー入力部14、手書き入力部16が接続される他に、表示部17などが接続される。
メモリ22には、当該携帯機器(電子辞書)10の全体の動作を司るシステムプログラムや電送制御部25を介してインターネットN上の各Webサーバ30…や図示しないユーザPC(Personal Computer)などとデータ通信するための通信プログラムが記憶される他に、辞書データ(22c)に基づく検索文字列(キーワード/ピンイン/“?”ワイルドカード/“〜”ブランクワード)の入力に応じた見出し語検索処理と指定の見出し語に対応した訳語・意味内容・例文(用例)などの各種説明情報の読み出し表示処理など、辞書データ(22c)に基づく検索処理全般を制御するための辞書検索処理プログラム22a、手書き入力部16にて手書き入力表示された手書きの文字を文字認識するための文字認識処理プログラム22bが記憶される。
また、このメモリ22には、辞書データメモリ22c、文字認識変換候補バッファ22d、表示データメモリ22e、入力文字メモリ22f、検索文字列メモリ(キーワード/ピンイン/“?”ワイルドカード/“〜”ブランクワード)22g、ソート・絞り込み指定文字位置メモリ22h、ソート条件メモリ(総画数/昇順→降順→部首画数/昇順→降順)22i、絞り込み条件メモリ(部首/総画数)22j、そしてワークメモリなどが用意される。
辞書データメモリ22cには、「国語辞書」「英和辞書」「和英辞書」「英英辞書」「中日辞書(中国語辞書)」「西日辞書(スペイン語辞書)」などと共に、「広○辞」、「漢○源」など、種類の異なる辞書データが予め、あるいはダウンロードされて複数辞書記憶される。
文字認識変換候補バッファ22dには、前記手書き入力部16において入力表示された手書き文字が前記文字認識処理プログラム22bに従って文字認識処理される際に、その認識変換された候補文字が例えば第1候補文字から第10候補文字まで記憶される。
表示データメモリ22eには、表示部17の表示画面に対応した表示データの記憶領域と手書き入力部16の表示画面に対応した表示データの記憶領域とを有し、それぞれその表示画面に表示すべきデータがビットマップのパターンデータとして展開記憶される。
入力文字メモリ22fには、前記辞書検索処理プログラム22aに従ってキー入力部14や手書き入力部16によりユーザ入力された数字・文字・記号などの入力データが記憶保持される。
検索文字列メモリ22gには、辞書検索処理の対象として入力あるいは指定された文字や文字列が記憶される他、中国語辞書をその発音から検索するピンイン入力モードではピンインの文字や文字列が記憶される。そしてこの検索文字列メモリ22gには、“?”や“〜”の記号も記憶され、文字数が明らかである読みが不明な文字の代わりに“?”を入力したワイルドカード検索に利用され、また、文字数も読みも不明な部分に“〜”を入力したブランクワード検索に利用される。
ソート・絞り込み指定文字位置メモリ22hには、見出し語一覧画面G2で一覧表示された見出し語を部首や画数でソート処理したり絞り込み処理したりするためのソート・絞り込み操作画面Q(図7・図9参照)において、その文字位置指定エリアJにてユーザにより指定されたソート・絞り込みの対象になる文字位置が記憶される。
ソート条件メモリ22iには、前記ソート・絞り込み操作画面Q(図7・図9参照)において、そのソートキーB1が操作される毎に、総画数の昇順でソート→総画数の降順でソート→部首画数の昇順でソート→部首画数の降順でソート、として切り替わるソートの条件データ(総画数;昇順→降順→部首画数;昇順→降順)が記憶される。
絞り込み条件メモリ22jには、前記ソート・絞り込み操作画面Q(図7・図9参照)において、その絞り込みB2の操作に応じて切り替え表示される部首キーB3および総画数キーB4(図7参照)のユーザ操作に応じて選択された絞り込みの条件データ(部首/総画数)が記憶される。
そして、ワークエリアには、前記辞書検索処理プログラム22aや文字認識処理プログラム22bなどの各種の装置制御プログラムに従いCPU21に入出力される種々のデータが必要に応じて記憶される。
次に、前記構成の手書き入力機能付き電子辞書装置10の動作について説明する。
ここでは、手書き入力部16を使用して入力した文字(文字列)あるいはピンインを検索文字列(“?”ワイルドカードや“〜”ブランクワードも含む)として辞書検索する場合の動作を主体に説明し、キー入力部14を使用して入力した文字(文字列)を検索文字列(キーワード)として辞書検索する場合の動作については通常動作と同様であるためその説明を省略する。
図3は、前記手書き入力機能付き電子辞書装置10の辞書検索処理(中日辞書)を示すフローチャートである。
図4は、前記電子辞書装置10の辞書検索処理(中日辞書)に伴うソート・絞り込み処理を示すフローチャートである。
図5は、前記電子辞書装置10の辞書検索処理(中日辞書)に伴うピンイン入力モードでの辞書検索表示画面Gを示す図である。
キー入力部14における辞書指定キーにより今回の辞書検索により使用したい辞書(例えば中国語辞書である「中日辞書」)が指定入力されると共に、検索文字列(キーワード)としてピンインを入力するピンイン入力モードが選択されると、図5に示すように、ピンイン入力エリアR1を有する辞書検索表示画面Gが表示部17に表示される。この際、手書き入力部16には、ピンインの四声をタッチ入力するための四声入力画面Hが表示されピンイン入力受付状態になる(ステップS1)。
この手書き入力部16に表示される四声入力画面Hでは、その抑揚の上下動を表す記号を付した「一声」「二声」「三声」「四声」「軽声」の各入力キーが表示される。
そしてこの中国語辞書検索のピンイン入力モードでは、キー入力部14のキー操作により検索すべき単語の発音に対応するアルファベットを入力するのに伴い、前記四声入力画面Hの各入力キーに対するタッチ操作によりその四声を入力しピンイン入力する(ステップS2)。
例えば、図5に示すように、キー入力部14の「X」「I」の操作による、ピンイン「xi」のキー入力に続いて、四声入力画面Hの「一声」がタッチ入力されると、このピンイン入力により得られた文字・記号が、前記ピンイン入力エリアR1にピンイン「xi1」として表示され、検索文字列(ピンイン)メモリ22gに記憶される。
すると、この1単位のピンイン入力毎にその時点での一連の検索文字列(ピンイン)に先頭一致する見出し語がユーザ指定の辞書データ「中日辞書」(22c)基づき検索され(ステップS3)、見出し語一覧エリアR2に検索候補としてリスト表示される(ステップS4,S5(No)→S1〜S4)。
この際、前記見出し語一覧エリアR2にてカーソルCuにより選択された見出し語に対応する意味・内容の説明情報が前記ユーザ指定の辞書データ「中日辞書」(22c)から読み出され、説明情報表示エリアR3に対してプレビュー表示される。
そして、前記見出し語一覧エリアR2にて所望の見出し語がカーソルCuにより選択表示された状態で、訳/決定キーが操作されると(ステップS5(Yes))、当該選択表示された見出し語に対応する説明情報が表示部17に全画面で表示される(ステップS6)。
一方、検索すべき単語(見出し語)の文字数が分かっていても読みが不明な場合には、当該読みの不明な文字のピンインに替えて“?”マークをユーザが入力して辞書検索するワイルドカード検索が実行される(ステップS7〜S11)。
つまり、前記ピンイン入力エリアR1に対するピンイン入力の過程において、“?”マークが入力されると(ステップS2(No)→ステップS7(Yes))、ステップS3の辞書検索は行わず、当該“?”マークを入力処理し(ステップS8)、決定キーが操作されるまで、“?”マーク以降のピンインの入力を受け付け、ワイルドカードの検索文字列(キーワード)の入力処理がなされる(ステップS8)。決定キーが操作されると、当該“?”マークの数の文字数を合わせたピンインによる辞書検索(ワイルドカード検索)が実行される(ステップS9(Yes)→S10)。そして、前記ワイルドカード検索された見出し語が、見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に検索候補としてリスト表示される(ステップS11)。
また、検索すべき単語(見出し語)の文字数も読みも不明な場合には、当該文字数および読みの不明な文字範囲のピンインに替えて“〜”マークをユーザが入力して辞書検索するブランクワード検索が実行される(ステップS12〜S15,S11)。
このブランクワード検索では、前記ピンイン入力エリアR1に対するピンイン入力の過程において、“〜”マークが入力されると(ステップS2(No)→ステップS7(No)→ステップS12(Yes))、当該“〜”マークを入力処理し(ステップS13)、決定キーが操作されるまで、“〜”マーク以降のピンインの入力を受け付け、ブランクワードの検索文字列(キーワード)としての入力処理がなされる(ステップS13)。決定キーが操作されると、当該“〜”マークの部分の文字数を制限しないピンインによる辞書検索(ブランクワード検索)が実行される(ステップS14(Yes)→S15)。そして、前記ブランクワード検索された見出し語が、見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に検索候補としてリスト表示される(ステップS11)。
図6は、前記電子辞書装置10の辞書検索処理(中日辞書)におけるブランクワード検索に伴う検索表示動作(その1)を示す図である。
図7は、前記電子辞書装置10のブランクワード検索(その1)に続けて実行されたソート・絞り込み処理に伴う部首での絞り込みに応じた検索表示動作を示す図である。
なお、ここでの動作説明において、中国語の正確な漢字を入力表記できない文字部分については、当て字や記号「○」として代替え表記し、これに対応する図面において正確な漢字を示す。
例えば図6(A)に示す中国語単語「数○相机」を検索したいけれども、図6(B)に示すように、先頭と末尾の読みしか分からずその間の文字数も明らかでない場合に、前記ブランクワード入力に応じて“〜”マークを含むピンイン「sh〜ji」が入力されると、図6(C)に示すように、当該入力されたピンイン「sh〜ji」による検索文字列(キーワード)がワイルドカード/ブランクワード用辞書検索画面G1のピンイン入力エリアR1に表示される(ステップS12→S13)。
ここで、決定キーが操作されてブランクワード検索が実行され、前記“〜”マークを含むピンイン「sh〜ji」に対応した見出し語「○机」…が検索されると(ステップS14→S15)、これらブランクワード検索された多数の見出し語「○机」…は、図6(D)に示すように、見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に検索候補(この場合は96個)としてリスト表示される(ステップS11)。
この際、前記ワイルドカード検索やブランクワード検索では、読みや文字数の明らかでない部分を含む多数の見出し語が検索されてリスト表示されるため、これらの多数の検索候補から所望の単語(見出し語)を見つけ易くするソート処理や絞り込み処理を行うための、図7(E)に示すようなソート・絞り込み操作画面Qが手書き入力部16に表示される(ステップS16)。
このソート・絞り込み操作画面Qは、上部にソートまたは絞り込みの対象となる見出し語の文字位置を選択指定するための文字位置選択エリアJおよびそのスクロールキーm1,m2を有し、下部に当該指定された文字位置の文字を対象に多数の検索候補の見出し語のソートを指示するソートキーB1、絞り込みを指示する絞り込みキーB2を有する。
なお、前記手書き入力部16にソート・絞り込み操作画面Qが表示された状態であっても、当該手書き入力部16に対する見出し語のソート・絞り込みのための操作入力が行われることなく(ステップS17(No))、前記見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に表示された検索候補のうちの何れかの見出し語が、ユーザ操作に応じたカーソルCuによって選択表示され決定キーが操作された場合には(ステップS18(Yes))、当該選択表示された見出し語に対応する説明情報が表示部17に全画面で表示される(ステップS6)。
一方、前記図6(D)で示したブランクワード検索に伴う見出し語一覧画面G2および図7(E)で示したソート・絞り込み操作画面Qの表示状態において、検索候補である多数の見出し語のソートまたは絞り込みを行うべく、ソート・絞り込み操作画面Qの表示された手書き入力部16に対する何らかの操作が行われると、図4で示すソート・絞り込み処理へ移行される(ステップS17(Yes)→SA)。
図7(E)で示したソート・絞り込み操作画面Qにおいて、先ず、文字位置選択エリアJが操作され、ソート・絞り込みの対象とする文字の位置が、矢印(1)に示すようにカーソルCuにより「2(先頭から2文字目)」として選択指定されると、この指定の文字位置「2」がソート・絞り込み指定文字位置メモリ22hに記憶される(ステップA1)。
そして、前記指定された先頭から2文字目を対象に検索候補の絞り込みを行うべく、矢印(2)に示すように絞り込みキーB2が操作されると(ステップA7(Yes))、検索候補の各見出し語それぞれの指定位置(2文字目)の文字を構成する部首が抽出され(ステップA8)、図7(F)に示すような部首一覧選択画面Pが、これまで表示されていたソート・絞り込み操作画面Qに替えて手書き入力部16に表示される(ステップA9)。
この部首一覧選択画面Pは、前記各見出し語それぞれの指定位置の文字から抽出された部首一覧エリアPeを有すると共に、この部首一覧エリアPeにおいて選択された部首を絞り込み条件として確定するための部首キーB3、当該絞り込み条件を部首から総画数に変更するための総画数キーB4を有する。
前記図7(F)で示した部首一覧選択画面Pにおいて、検索すべき中国語単語「数○相机」(図6(A)参照)の先頭から2文字目(指定位置)の文字の部首が「石」であるとの記憶により、矢印(3)で示すように当該部首「石」が選択されて部首キーB3が操作されると(ステップA10,A11(Yes))、当該選択された部首「石」が絞り込み条件メモリ22jに記憶されると共に、全ての検索候補から2文字目に「石」の部首を有する見出し語の絞り込み処理が実行される(ステップA12)。
すると、図7(G)に示すように、前記2文字目の部首「石」により2つの検索候補までに絞り込み処理された見出し語が、見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に表示される(ステップA13)。
ここで候補となる単語が絞りきれずに多数残っている場合は、さらに、前記手書き入力部16に表示された部首一覧選択画面Pにおいて、新たな部首が選択され部首キーB3が操作された場合には、当該選択された新たな部首に従って前記同様の検索候補の絞り込み処理が繰り返し実行され、その絞り込み結果の見出し語一覧画面G2が表示部17に表示される(ステップA14(No)→A10〜A13)。
一方、前記選択部首により絞り込み処理された見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2において、検索された目的の見出し語「数○相机」がユーザ操作に応じたカーソルCuによって選択表示され決定キーが操作されると(ステップA14(Yes))、当該選択表示された目的の見出し語「数○相机」に対応する説明情報が表示部17に全画面で表示される(ステップS6)。
このように、ピンイン入力によるブランクワード検索やワイルドカード検索によって多数の見出し語が検索され表示部17の見出し語一覧画面G2に一覧表示された場合であっても、手書き入力部16に表示させたソート・絞り込み操作画面Qおよび部首一覧選択画面Pに従い、指定の文字位置の部首を選択した絞り込み処理を行うことで、非常に簡単且つ効率よく検索すべき所望の中国語単語「数○相机」を見つけ出すことができ、その意味・内容を容易に知ることができる。
一方、前記図7(F)で示した部首一覧選択画面Pにおいて、部首キーB3が操作されることなく(ステップA11(No))、総画数キーB4が操作された場合には(ステップA15(Yes))、検索候補の各見出し語それぞれの指定位置(2文字目)の文字の総画数が抽出され(ステップA16)、その画数一覧選択画面が、これまで表示されていた部首一覧選択画面Pに替えて手書き入力部16に表示される(ステップA17)。
この画数一覧選択画面は、前記各見出し語それぞれの指定位置の文字から抽出された総画数の一覧表示エリアを有する。
この画数一覧選択画面において、例えば検索すべき中国語単語「数○相机」の先頭から2文字目(指定位置)の文字の画数が「8画」であるとの記憶により、当該画数「8」が選択されると(ステップA18)、当該選択された画数「8画」が絞り込み条件メモリ22jに記憶されると共に、全ての検索候補から2文字目の総画数が「8画」である見出し語の絞り込み処理が実行される(ステップA19)。
すると、前記2文字目の総画数「8画」により少ない検索候補までに絞り込み処理された見出し語が、見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に表示される(ステップA20)。
「8画」での絞り込みで目的の見出し語が見つからない場合は、「8画」は間違っていたとして、さらに、前記手書き入力部16に表示された画数一覧選択画面において、新たな画数が選択される。この場合には、当該選択された新たな画数に従って前記同様の検索候補の絞り込み処理が繰り返し実行され、その絞り込み結果の見出し語一覧画面G2が表示部17に表示される(ステップA21(No)→A18〜A20)。
そして、前記選択画数により絞り込み処理された見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2において、検索された目的の見出し語がユーザ操作に応じたカーソルCuによって選択表示され決定キーが操作されると(ステップA21(Yes))、当該選択表示された目的の見出し語に対応する説明情報が表示部17に全画面で表示される(ステップS6)。
このように、ピンイン入力によるブランクワード検索やワイルドカード検索によって多数の見出し語が検索され表示部17の見出し語一覧画面G2に一覧表示された場合であっても、手書き入力部16に表示させたソート・絞り込み操作画面Qおよび画数一覧選択画面に従い、指定の文字位置の総画数を選択した絞り込み処理を行うことで、非常に簡単且つ効率よく検索すべき所望の中国語単語を見つけ出すことができ、その意味・内容を容易に知ることができる。
図8は、前記電子辞書装置10の辞書検索処理(中日辞書)におけるブランクワード検索に伴う検索表示動作(その2)を示す図である。
図9は、前記電子辞書装置10のブランクワード検索(その2)に続けて実行されたソート・絞り込み処理に伴う見出し語のソートに応じた検索表示動作を示す図である。
例えば図8(A)(B)に示すように、先頭の読みしか分からずそれ以降の文字数も明らかでない中国語単語「同爨」を辞書検索したい場合に、前記ブランクワード入力に応じて“〜”マークを含むピンイン「tong2〜」が入力されると、図8(C)に示すように、当該入力されたピンイン「tong2〜」による検索文字列(キーワード)がワイルドカード/ブランクワード用辞書検索画面G1のピンイン入力エリアR1に表示される(ステップS12→S13)。
ここで、決定キーが操作されてブランクワード検索が実行され、前記“〜”マークを含むピンイン「tong2〜」に対応した見出し語
が検索されると(ステップS14→S15)、これらブランクワード検索された多数の見出し語
は、図8(D)に示すように、見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に検索候補(この場合は370個)としてリスト表示される(ステップS11)。
すると前記同様に、多数の検索候補から所望の単語(見出し語)を見つけ易くするソート処理や絞り込み処理を行うための、図9(E)に示すようなソート・絞り込み操作画面Qが手書き入力部16に表示される(ステップS16)。
この後、前記図8(D)で示したブランクワード検索に伴う見出し語一覧画面G2および図9(E)で示したソート・絞り込み操作画面Qの表示状態において、検索候補である多数の見出し語のソートまたは絞り込みを行うべく、ソート・絞り込み操作画面Qの表示された手書き入力部16に対する何らかの操作が行われると、図4におけるソート・絞り込み処理へ移行される(ステップS17(Yes)→SA)。
図9(E)で示したソート・絞り込み操作画面Qにおいて、先ず、文字位置選択エリアJが操作され、ソート・絞り込みの対象とする文字の位置が、矢印(1)に示すようにカーソルCuにより「2(先頭から2文字目)」として選択指定されると、この指定の文字位置「2」がソート・絞り込み指定文字位置メモリ22hに記憶される(ステップA1)。
そして、前記指定された先頭から2文字目を対象に検索候補のソートを行うべく、矢印(2)に示すようにソートキーB1が操作されると(ステップA2(Yes))、当該ソートキーB1の操作回数がカウントされ、そのカウント毎に総画数の昇順→降順→部首画数の昇順→降順として順次変更されるソートの条件が決定され、ソート条件メモリ22iに記憶される(ステップA3)。
すると、前記ソートキーB1の操作回数に応じて決定されたソートの条件に従って、前記検索候補である全ての見出し語につき、前記指定位置である2文字目が総画数の昇順または総画数の降順または部首画数の昇順または部首画数の降順の何れかで並ぶようにソート処理が実行される(ステップA4)。
すると、図9(F)に示すように、前記2文字目を対象に総画数や部首画数でソート処理(この場合は、総画数の降順でソート処理)された見出し語が、見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に表示される(ステップA5)。
この後さらに、前記手書き入力部16に表示されたソート・絞り込み操作画面Qにおいて、再度ソートキーB1が操作された場合には、当該ソートキーB1の操作カウント数に応じたソートの条件に従って前記同様の検索候補のソート処理が繰り返し実行され、そのソート結果の見出し語一覧画面G2が表示部17に表示される(ステップA6(No)→A2〜A5)。
そして、前記ソート処理された見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2において、検索された目的の見出し語「同爨」がユーザ操作に応じたカーソルCuによって選択表示され決定キーが操作されると(ステップA6(Yes))、当該選択表示された目的の見出し語「同爨」に対応する説明情報が表示部17に全画面で表示される(ステップS6)。
このように、ピンイン入力によるブランクワード検索やワイルドカード検索によって多数の見出し語が検索され表示部17の見出し語一覧画面G2に一覧表示された場合であっても、手書き入力部16に表示させたソート・絞り込み操作画面Qに従い、指定の文字位置の総画数や部首画数でソート処理(この場合は、2文字目総画数の降順ソート処理)を行うことで、非常に簡単且つ効率よく検索すべき所望の中国語単語「同爨」を見つけ出すことができ、その意味・内容を容易に知ることができる。
したがって、前記構成の手書き入力機能付き電子辞書装置10による辞書検索機能によれば、ユーザ入力された検索文字列(キーワード)に基づいて辞書検索された検索候補の見出し語が見出し語一覧画面G2に表示された際に、手書き入力部16にソート・絞り込み操作画面Qを表示させ、このソート・絞り込み操作画面Qへのタッチ操作に応じて、前記検索候補の文字位置を指定した部首または総画数での絞り込み処理を実行するか、あるいは総画数や部首画数の昇順または降順でのソート処理を実行するようにした。
このため特に、ワイルドカード検索やブランクワード検索によって多数の検索候補の見出し語が一覧表示されても、所望の見出し語の指定文字の部首や総画数で一致する見出し語一覧の絞り込み表示、あるいは指定位置の文字の画数の多い順または少ない順での見出し語一覧のソート表示を行うことができ、非常に簡単且つ効率よく検索すべき所望の単語(見出し語)を見つけ出し、容易にその意味・内容を知ることができる。
なお、前記実施形態において、手書き入力部16に表示させたソート・絞り込み操作画面Qの文字位置選択エリアJ(図7(E)・図9(E)参照)では、ソート・絞り込みの対象となる文字位置を検索候補の先頭からn番目の文字位置として指定できるように構成したが、次の図10を参照して説明するように、当該文字位置の指定操作については、先頭からの文字位置または末尾からの文字位置をユーザが任意に選択して指定できる構成としてもよい。
図10は、前記電子辞書装置10のソート・絞り込み処理に伴う他の実施形態のソート・絞り込み操作画面Q(Q′)および見出し語の部首による絞り込みに応じた検索表示動作を示す図である。
すなわち、この他の実施形態では、図10(A)に示すように、先頭からの文字位置を指定可能な文字位置選択エリアJ「1,2,3,…」を有するソート・絞り込み操作画面Qと、図10(B)に示すように、末尾からの文字位置を指定可能な文字位置選択エリアJ′「…,3,2,1」を有するソート・絞り込み操作画面Q′とを、当該各画面Q,Q′内の「先頭から」キーF1と「末尾から」キーF2とによって選択的に切り替え表示される構成とする。
これにより、例えば図10(B)で示したように、前記末尾からの文字位置を指定可能な文字位置選択エリアJ′「…,3,2,1」を有するソート・絞り込み操作画面Q′を手書き入力部16に表示させ、ソート・絞り込みの対象となる文字位置を末尾の1文字目に指定する。これと共に、絞り込みキーB2の操作に応じて、図10(C)に示すように入れ替わり表示された部首一覧選択画面Pにおいて、部首「雨」を選択して部首キーB3を操作すると、末尾の1文字目の部首が「雨」である検索候補の見出し語に絞り込み処理が実行され、図10(D)に示すように、「○雨」「暴○雨」「暴雨」「避雨」…として124個の見出し語に絞り込まれた見出し語一覧画面G2が表示されるようになる。
また、前記実施形態では、ワイルドカード検索やブランクワード検索を実行した見出し語一覧画面G2を表示部17に表示させた際、つまりは複数の文字からなる検索文字列(キーワード)から見出し語の検索表示を行った際に、手書き入力部16に文字位置選択エリアJを有するソート・絞り込み操作画面Qを表示させ、ソート・絞り込みの対象となる文字位置を指定した後にソート処理または絞り込み処理の実行をソートキーB1または絞り込みキーB2によって指示する構成とした。これに対し、次の図11を参照して説明するように、1文字分の検索文字列(キーワード)から見出し語の検索表示を行った状態でも、手書き入力部16にソートキーB1と絞り込みキーB2を有する四声入力画面Hを表示させておくことで、1文字の見出し語一覧に対する前記同様のソート処理または絞り込み処理を実行できる構成としてもよい。
図11は、前記電子辞書装置10の辞書検索処理において1文字目の検索文字列(キーワード)を入力した際の見出し語一覧画面Gの表示に伴い見出し語のソート・絞り込み処理を実施した場合の検索表示動作を示す図である。
すなわち、図11(A)に示すように、ピンイン入力エリアR1を有する辞書検索表示画面Gが表示部17に表示される共に、ソートキーB1と絞り込みキーB2を有する四声入力画面Hが手書き入力部16に表示されたピンイン入力受付状態において(ステップS1)、例えばキー入力部14の「X」「I」の操作による、ピンイン「xi」のキー入力に続いて、四声入力画面Hの「一声」がタッチ入力されると、このピンイン入力により得られた文字・記号が、前記ピンイン入力エリアR1にピンイン「xi1」として表示され、検索文字列(ピンイン)メモリ22gに記憶される(ステップS2)。
すると、この1文字目のピンイン入力時点での検索文字列(ピンイン)に先頭一致する見出し語がユーザ指定の辞書データ「中日辞書」(22c)基づき検索され(ステップS3)、見出し語一覧エリアR2に検索候補
としてリスト表示される(ステップS4)。
ここで、前記見出し語一覧エリアR2にリスト表示された検索候補の見出し語
を、ソート表示または絞り込み表示させるべく、手書き入力部16に表示させたソートキーB1または絞り込みキーB2が操作されると(ステップS17(Yes))、ソート・絞り込み処理に移行される(ステップSA)。
ソートキーB1が操作された場合には(ステップA2(Yes))、前記実施形態同様に、当該ソートキーB1の操作カウント数に応じて設定されたソートの条件(総画数の昇順ソート/降順ソート/部首画数の昇順ソート/降順ソート)に従い前記見出し語一覧のソート処理が実行される(ステップA3,A4)。
そして、図11(B)に示すように、前記総画数や部首画数でソート処理(この場合は、部首画数の昇順でソート処理)された見出し語が、
として見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に表示される(ステップA5)。
一方、前記絞り込みキーB2が操作された場合には(ステップA7(Yes))、各見出し語それぞれの文字を構成する部首が抽出され(ステップA8)、図11(C)に示すような部首一覧選択画面Pが、これまで表示されていた四声入力画面Hに替えて手書き入力部16に表示される(ステップA9)。
この部首一覧選択画面Pにおいて、検索すべき中国語単語の文字を構成する部首に「口」があるとの記憶により、当該部首「口」が選択されて部首キーB3が操作されると(ステップA10,A11(Yes))、当該選択された部首「口」が絞り込み条件メモリ22jに記憶されると共に、全ての検索候補から「口」の部首を有する見出し語の絞り込み処理が実行される(ステップA12)。
すると、図11(D)に示すように、部首「口」により絞り込み処理された見出し語が、
として見出し語一覧画面G2の見出し語一覧エリアR2に表示される(ステップA13)。
なお、前記図11(C)における総画数キーB4が操作された場合にも、前記実施形態同様に、指定の総画数に従った絞り込み処理が実行され、その絞り込み結果の見出し語一覧画面G2が表示される(ステップA15〜A20)。
これにより、1文字分の検索文字列(キーワード)から見出し語の検索表示を行った状態でも、手書き入力部16にソートキーB1と絞り込みキーB2を有する四声入力画面Hを表示させておくことで、1文字の見出し語一覧に対する前記実施形態同様のソート処理または絞り込み処理を実行することができ、非常に簡単且つ効率よく検索すべき所望の単語(見出し語)を見つけ出し、容易にその意味・内容を知ることができる。
さらに、前記実施形態において手書き入力部16に表示させたソート・絞り込み操作画面Qは、表示部17に対する見出し語一覧画面G2の表示に伴いユーザ操作に応じていつでも手書き入力部16に表示可能な構成とし、一覧表示された見出し語のソート処理あるいは絞り込み処理を適宜行えるようにしてもよい。
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。